光散乱式計測装置
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は光ビームを測定領域に向けて照射し測定領域を通る微粒子からの散乱光に基づいてその粒径や速度を検出する光散乱式計測装置に関するものである。
〔従来技術〕
従来光散乱式の計測装置として例えば特開昭58−201005号等に示されているように、レーザ光源を集束レンズを介して測定領域に照射し、測定領域から得られる散乱光に基づいて粒径や微粒子の速度を検出するようにした計測装置が知られている。このような計測装置は例えば第8図に示すように、レーザ光源1から照射される光を集束レンズ2及び3に導いて平行な光ビームとして測定領域4に照射している。そして測定領域4を通過する物体からの散乱光を集光レンズ5によって集光し、フォトダイオード等の光電変換器6を用いて電気信号に変換してその信号に基づき測定領域を通過する粒子の粒径や速度を検出するようにしている。しかるにこのような光散乱式計測装置では、レーザ光源1より照射される光はその光軸から周辺方向に向かって第9図(a)に示するようにガウス分布する光強度を有している。従ってこのような強度分布を有するレーザ光をそのまま集束レンズ2,3で集束し測定領域に照射しても、光ビーム内では元のガウス分布強度がそのまま保存される。従って同一の粒径についても光ビームを通過する位置によって散乱光強度が変化することとなり、正確な粒径を測定することができなかった。
そこで照射するレーザ光の強度分布を光軸から周辺方向に向かってほぼ一定に保つようにするため、例えばレンズ3の後方にアパチャーを有するスリット7を配置して光強度が低い周辺部分の光を遮光している。そうすれば第9図(b)に示すように、測定領域に照射する光の強度は光ビームの範囲内ではほぼ一定のものとすることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような従来の光散乱式計測装置では、アパチャーを有するスリットによってレーザ光源の光の周辺部を遮断するようにしているため、その中心部の光だけを利用することとなり、光の利用率が悪くなるという欠点がある。一方微小な粒子の粒径を測定するためには測定領域に照射する光強度を強くしなければならずレーザ光源の出力を大きくする必要がある。従って小出力の半導体レーザ等が使い難く、気体レーザを用いた場合には装置が大型化するという問題点があった。
本願の請求項1〜3の発明はこのような従来の光散乱式計測装置の問題点に鑑みてなされたものであって、光源の光の利用率を向上させ、照射した光ビームの強度分布がその光径内ではほぼ一定になるようにすることを技術的課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本願の請求項1の発明は測定領域に光を照射し該領域を通過する微粒子からの散乱光を検出する光散乱式計測装置であって、光軸の中心より周辺部に向けて所定の強度分布を有する平行な光ビームを発生する光源と、光ビームの光軸に垂直に配置され、一方の面を光軸の中心を含む第1の平面内で光を集束させる第1の円筒レンズ部として形成すると共に、その裏面を該光軸を中心に含む所定範囲を光軸に垂直な平面部として形成し、その両端を該第1の平面と垂直な第2の平面内で光を内側に集束させる第2,第3の円筒レンズ部とし、該第2,第3の円筒レンズ部の焦点距離を該第1の円筒レンズ部の焦点距離の約1/2とすることより、第2の平面内での平面部と同一幅の光強度分布が略一定となるように形成した両面シリンドリカルレンズと、両面シリンドリカルレンズの第1の円筒レンズ部の焦点位置を測定領域とし、該測定領域を通過する微粒子からの散乱光を集光する光学手段と、光学手段より得られる散乱光を電気信号に変換する光電変換器と、光電変換器の出力に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を有することを特徴とするものである。
本願の請求項2の発明は測定領域に光を照射し該領域を通過する微粒子からの散乱光を検出する光散乱式計測装置であって、両面シリンドリカルレンズに代えて、光ビームの光軸に垂直に配置され、一方の面を光軸の中心を含む第1の平面内で光を集束させる第1の円筒レンズ部として形成すると共に、その裏面を該光軸を中心に含む所定範囲を光軸に垂直な平面部とし、その両端を該第1の平面と垂直な第2の平面の内側に光を導き中央の平面部と所定の傾きを有する平面とし、第2の平面内で平面部と同一幅の光強度分布が略一定となるように形成したシリンドリカルレンズを用い、該シリンドリカルレンズの第1の円筒レンズ部の焦点位置を測定領域として構成したものである。
又本願の請求項3の発明は測定領域に光を照射し該領域を通過する微粒子からの散乱光を検出する光散乱式計測装置であって、光軸の中心より周辺部に向けて所定の強度分布を有する平行な光ビームを発生する光源と、光ビームの光軸に垂直に配置され、光軸の中心を含む第1の平面内で光を集束させる第1の集束レンズと、該光軸を中心に含む所定範囲を光軸に垂直な平面とし、その両端を第1の平面と垂直な第2の平面内で光を集束させる第2,第3の円筒レンズ部を有し、該第2,第3の円筒レンズ部の焦点距離を該第1の集束レンズの焦点距離より短く形成した第2の集束レンズと、回転楕円面を有する一対の凹面鏡によって形成され、第1の集束レンズの焦点位置を測定領域とし、該凹面鏡の焦点は測定領域を共通な焦点とし、夫々の凹面鏡の中心部を夫々他方の凹面鏡の他方の焦点とすることにより測定領域を通過する微粒子からの散乱光を集光する光学手段と、光学手段の凹面鏡の中心部の焦点位置に配置され、散乱光を電気信号に変換する光電変換器と、光電変換器の出力に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を有することを特徴とするものである。
又請求項4の発明は、請求項1,2において光学手段を回転楕円面を有する一対の凹面鏡によって形成したものであり、該凹面鏡の焦点は測定領域を共通な焦点とし、その中心部を夫々他方の凹面鏡の他方の焦点とするものであり、光電変換器を、凹面鏡の中心部の他方の凹面鏡の焦点位置に配置したことを特徴とするものである。
〔作用〕
このような特徴を有する本願の請求項1の発明によれば、光源からの光は両面シリンドリカルレンズの前面の第1の円筒レンズ部によって第1の平面内で集束され、偏平な光径を有する光ビームに集束される。そして偏平な光ビームの中心は両面シリンドリカルレンズの裏面の平面部によってそのまま測定領域に照射され、その両端部は裏面の第2,第3の円筒レンズ部によって集束される。
第2,第3の円筒レンズ部は第1の円筒レンズ部の焦点距離の約1/2に設定されているため、平面部より外側の第2,第3のレンズ部に入射した光は第1の円筒レンズ部の焦点位置では平面部より内側に入射することとなる。従って光ビームの一部が重なりあうこととなり、所定の位置では光強度がほぼ等しい平板状の領域を得ることができる。そしてこの領域を測定領域としこの部分に微粒子を通過させ、微粒子の通過時に得られる散乱光を光学手段により集光し、電気信号に変換して信号処理を行うようにしている。
又本願の請求項2の発明では、光源からの光をシリンドリカルレンズの円筒レンズ部によって第1の平面内で集束させ、その裏面に設けた光軸近傍の平面部では偏平な光ビームをそのまま通過させその両端では光ビームを第2の平面内で内向きに反射させるようにしている。この場合にも光ビームの一部が重なりあうこととなり、所定の位置では光強度がほぼ等しい平板状の領域を得ることができる。
又本願の請求項3の発明では、第1の円筒レンズ部と同一の機能を有する第1の集束レンズと第2の平面内で両端のみの光を集束させる円筒レンズ部を有する第2の集束レンズとを分離して同一の機能を達成している。
又請求項3,4の発明では請求項1,2の作用に加えて、平板状の測定領域を通過する散乱光を回転楕円面を有する一対の凹面鏡で反射させることができる。このため夫々の凹面鏡の中心部にあり、他方の凹面鏡の焦点位置にある光電変換器に散乱光を集光させることができ、散乱光の集光を容易に行うことができる。
〔実施例の説明〕
第1図は本発明の一実施例による光散乱式計測装置の光学系部分を示す斜視図、第2図はその全体構成を示す図である。これらの図においてレーザ光源10はレーザ光を発生する例えば半導体レーザであって、その強度分布は第9図(a)に示すように光ビームの中央軸から周辺に向けて徐々に低下する強度分布、例えばガウス分布の分布強度を有している。レーザ光源10に対向し、その光ビームを所定の光径を持つ平行光とするコリメートレンズ11を配置する。本実施例ではレーザ光源10とコリメートレンズ11によって平行な光ビームを発生させる光源を構成している。さてコリメートレンズ11の光軸をz軸とし、z軸に垂直なxy平面に両面シリンドリカルレンズ12を配置する。第3図(a)は両面シリンドリカルレンズ12のy軸方向,第3図(b)はそのx軸方向から見た側面図である。両面シリンドリカルレンズ12は第3図(a)に示すようにコリメートレンズ11に対向する面には側面が円弧状として示される第1の円筒レンズ部12aが形成される。円筒レンズ部12aは光軸の中心を含む第1の平面であるxz平面内で光を集束させるものであって、その焦点距離をl1とする。又その裏面は第3図(b)に示すようにxz平面と垂直な第2の平面であるzy平面内で光軸であるz軸の中心部を平面12bとし、その両側には光を内向きに集束させる曲面、例えば第2,第3の円筒レンズ部12c,12dを形成する。両面シリンドリカルレンズ12の円筒レンズ部12aは後述する測定領域までの距離を焦点距離l1としており、円筒レンズ部12c,12dは夫々この約1/2の距離l2を焦点距離としている。
さて第2図に示すようにレーザ光源10,コリメートレンズ11及び両面シリンドリカルレンズ12は光源室13内に収納されており、その測定領域にはダクト14を介してエアロゾルが導かれる。ダクト14の一端は測定すべきエアロゾルを吸引する開口部であって、その他端はテーパ状に形成されたノズル15として光ビーム16の測定領域16aに対向している。そしてノズル15の先端部に対向して測定領域16aを挟んでダクト17が設けられる。ダクト17はノズル15からの微粒子を含むエアロゾルを測定領域16aに導くものであり、その他端は流量計18及びポンプ19に連結されている。ポンプ19はダクト17を介してエアロゾルを吸引するものであり、吸引したエアロゾルをフィルタ20を介して外部に放出するようにしている。さて光ビーム16の測定領域16aに対向する位置には光ビームを反射させないようにした光トラップ21が設けられる。そして光トラップ21と光源室13の間には夫々第4図にA−A線断面図を示すように、一対の回転楕円面を有する凹面鏡22及び23が配置される。凹面鏡22,23は第4図に示すように測定領域16aを共通な焦点とし、他方の焦点を互いに凹面鏡23,22の中心部とする回転楕円面を有している。凹面鏡22,23は測定領域16aで散乱された光を互いにその焦点位置に配置された光電変換器24,25に導く光学手段である。光電変換器24,25の出力は信号処理部26に与えられる。信号処理部26はこれらの出力を増幅し加算すると共に、散乱光の光強度に基づいて測定領域16aを通過する微粒子の粒径を検出するものである。
次に本実施例の動作について第3図を参照しつつ説明する。レーザ光源10から照射された光はコリメートレンズ11によって平行光として両面シリンドリカルレンズ12に与えられる。両面シリンドリカルレンズ12の前面に形成された円筒レンズ部12aの焦点距離はl1であるので、第3図(a)に示すようにxz平面(第1の平面)内では測定領域16aで集束される。そしてこのレーザビーム16はyz平面(第2の平面)においては第3図(b)に示すように両面シリンドリカルレンズ12の平面部12bの幅Dの範囲内ではそのまま光トラップ21に導かれるが、レーザビーム16の両端部は円筒レンズ部12c,12dによって集束される。ここで第3図(b)の左端には両面シリンドリカルレンズ12に加わる光強度分布を示している。円筒レンズ部12c,12dの焦点距離は円筒レンズ部12aの焦点距離l1の約1/2のl2であるので図示のように距離l2で焦点を結び、測定領域16aでは平面部12bをそのまま通過する光ビームと重なりあうこととなる。従ってレーザ光強度の中央部分の光強度分布とその両端の光強度分布が重ね合わされた状態となり、第3図(b)の右端に示すような強度分布が得られる。ここで両面シリンドリカルレンズ12の平面部の幅Dと両面シリンドリカルレンズ12で照射される光ビームの光強度がピーク値から1/2の強度になるまでの径dとの比(d/D)を0.6〜1.4まで変化させたときの測定領域16aで得られる強度分布を第5図に示す。この図より知られるように平面部12bの幅Dと光径dが同一か、光径dをやや大きくすることによって測定領域でほぼ均一な矩形波状の強度分布を有する光ビームを得ることができる。
さてこのうち光が重なる領域では第3図(b)に示すようにわずかに光の干渉によって強度のゆらぎが生じる。しかし測定すべき微粒子の粒径がこのような強度の変動幅より充分大きければ無視することができ、測定領域ではほぼ同一の光強度を有するレーザビームとすることができる。こうすれば測定領域を微粒子が通過すればその粒径に応じたレベルの散乱光が得られる。この場合レーザビームの中心のみならず周辺のどの領域を通過する場合にも同一の光が照射されるため、同一の強度の散乱光が得られることとなり、粒径を確実に検出することができる。一方光ビーム16の測定領域16aを外れた粒子からは散乱光が得られない。それ故レーザビームの光強度分布の平坦な中央部のみを用いて周辺部をスリットにより遮光する必要がなくなり、レーザビームの光の利用率が向上し小電力の半導体レーザ等のレーザ光源を用いても充分な散乱光強度を得ることができる。
尚本実施例は両面シリンドリカルレンズ12の前面を円筒レンズ部12aとし、その裏面側の両端に円筒レンズ部12c,12dを構成しているが、裏面のレンズ部を平面状とすることもできる。即ち第6図に示すようにシリンドリカルレンズ30の前面は第1実施例と同様に円筒レンズ30aを構成し、裏面の周辺部をyz平面で光を内向きに反射させるように中央の平面部30bを挟んで平面部30c,30dとして直線状に構成してもよい。この場合には第6図の右端に示すように光の交差領域が大きくなるため光強度の変動分が大きくなる。しかしこの場合にも測定すべき微粒子の径がレーザビームの光の波長より充分大きく、このような変動分を無視できる場合には測定領域で同一の光強度が得られるためレーザ光の利用率を向上することができる。
又本実施例は平行なレーザビームを集束するために両面シリンドリカルレンズを用いているが、第7図に示すようにxz平面上で光ビーム16を測定領域16aで集束する円筒状の第1の集束レンズ31と、yz平面上で光軸の中心部を平面としその両端部で光ビームを内向きに集束する円筒レンズ部32b,32cを持つ第2の集束レンズ32を夫々別個に構成し、それらを光軸上に配置するようにしてもよい。
更に前述した第1実施例の円筒レンズ部12c,12d又は第2の集束レンズ32の円筒レンズ部32b,32cは、断面が円弧状に限らず両端のレーザ光を中心部に集束させるため放物面等の種々の形状の曲面を用いて構成することができる。
〔発明の効果〕
このように本願の請求項1〜3の発明によれば、平行なレーザビームを第1の平面内で測定領域に集束するようにしており、第2の平面内ではその中心部はそのままレーザビームを通過させ、その周辺部では通過させた平行なレーザビームと一部を重なるようにして測定領域でほぼ平坦な強度特性を有するようにしている。従ってスリット板等を用いる必要がなく測定領域でほぼ同一の光強度が得られるため、光の利用率を向上することができるという効果が得られる。従って光強度の大きい光ビームを測定領域に照射することができ、微小な径の粒子についても粒径,速度等を測定することが可能となる。
又請求項3,4の発明によればこれらの効果に加えて、平板状に形成された測定領域を粒子が通過する場合にも一対の凹面鏡の夫々の中心部に配置された光電変換器に散乱光が入射されるため、散乱光を確実に検出することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による光散乱式計測装置の投光部の主要部を示す図、第2図は本実施例による光散乱式計測装置の全体構成を示す図、第3図(a)及び第3図R>図(b)は本実施例の両面シリンドリカルレンズの異なる方向から見た光の集束状態を示す図、第4図は光散乱式計測装置のA−A線断面図、第5図は両面シリンドリカルレンズの平面部の幅Dと光強度が1/2に低下する幅dとの比による測定領域での光強度の変化を示すグラフ、第6図は本願の第2の実施例によるシリンドリカルレンズの例を示す図、第7図は本願の第3の実施例による第1,第2の集束レンズを示す図、第8図は従来の光散乱式計測装置の一例を示す概略図、第9図(a)及び第9図9図(b)はその光源及び測定領域に照射するレーザ光の半径方向の光強度変化を示すグラフである。
10……レーザ光源、11……コリメートレンズ、12……両面シリンドリカルレンズ、12a,12c,12d,30a,32b,32c……円筒レンズ部、12b,30b,30c,30d,32a……平面部、16……光ビーム、16a……測定領域、14,17……ダクト、22,23……凹面鏡、24,25……光電変換器、30……シリンドリカルレンズ、31,32……集束レンズ
〔産業上の利用分野〕
本発明は光ビームを測定領域に向けて照射し測定領域を通る微粒子からの散乱光に基づいてその粒径や速度を検出する光散乱式計測装置に関するものである。
〔従来技術〕
従来光散乱式の計測装置として例えば特開昭58−201005号等に示されているように、レーザ光源を集束レンズを介して測定領域に照射し、測定領域から得られる散乱光に基づいて粒径や微粒子の速度を検出するようにした計測装置が知られている。このような計測装置は例えば第8図に示すように、レーザ光源1から照射される光を集束レンズ2及び3に導いて平行な光ビームとして測定領域4に照射している。そして測定領域4を通過する物体からの散乱光を集光レンズ5によって集光し、フォトダイオード等の光電変換器6を用いて電気信号に変換してその信号に基づき測定領域を通過する粒子の粒径や速度を検出するようにしている。しかるにこのような光散乱式計測装置では、レーザ光源1より照射される光はその光軸から周辺方向に向かって第9図(a)に示するようにガウス分布する光強度を有している。従ってこのような強度分布を有するレーザ光をそのまま集束レンズ2,3で集束し測定領域に照射しても、光ビーム内では元のガウス分布強度がそのまま保存される。従って同一の粒径についても光ビームを通過する位置によって散乱光強度が変化することとなり、正確な粒径を測定することができなかった。
そこで照射するレーザ光の強度分布を光軸から周辺方向に向かってほぼ一定に保つようにするため、例えばレンズ3の後方にアパチャーを有するスリット7を配置して光強度が低い周辺部分の光を遮光している。そうすれば第9図(b)に示すように、測定領域に照射する光の強度は光ビームの範囲内ではほぼ一定のものとすることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような従来の光散乱式計測装置では、アパチャーを有するスリットによってレーザ光源の光の周辺部を遮断するようにしているため、その中心部の光だけを利用することとなり、光の利用率が悪くなるという欠点がある。一方微小な粒子の粒径を測定するためには測定領域に照射する光強度を強くしなければならずレーザ光源の出力を大きくする必要がある。従って小出力の半導体レーザ等が使い難く、気体レーザを用いた場合には装置が大型化するという問題点があった。
本願の請求項1〜3の発明はこのような従来の光散乱式計測装置の問題点に鑑みてなされたものであって、光源の光の利用率を向上させ、照射した光ビームの強度分布がその光径内ではほぼ一定になるようにすることを技術的課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本願の請求項1の発明は測定領域に光を照射し該領域を通過する微粒子からの散乱光を検出する光散乱式計測装置であって、光軸の中心より周辺部に向けて所定の強度分布を有する平行な光ビームを発生する光源と、光ビームの光軸に垂直に配置され、一方の面を光軸の中心を含む第1の平面内で光を集束させる第1の円筒レンズ部として形成すると共に、その裏面を該光軸を中心に含む所定範囲を光軸に垂直な平面部として形成し、その両端を該第1の平面と垂直な第2の平面内で光を内側に集束させる第2,第3の円筒レンズ部とし、該第2,第3の円筒レンズ部の焦点距離を該第1の円筒レンズ部の焦点距離の約1/2とすることより、第2の平面内での平面部と同一幅の光強度分布が略一定となるように形成した両面シリンドリカルレンズと、両面シリンドリカルレンズの第1の円筒レンズ部の焦点位置を測定領域とし、該測定領域を通過する微粒子からの散乱光を集光する光学手段と、光学手段より得られる散乱光を電気信号に変換する光電変換器と、光電変換器の出力に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を有することを特徴とするものである。
本願の請求項2の発明は測定領域に光を照射し該領域を通過する微粒子からの散乱光を検出する光散乱式計測装置であって、両面シリンドリカルレンズに代えて、光ビームの光軸に垂直に配置され、一方の面を光軸の中心を含む第1の平面内で光を集束させる第1の円筒レンズ部として形成すると共に、その裏面を該光軸を中心に含む所定範囲を光軸に垂直な平面部とし、その両端を該第1の平面と垂直な第2の平面の内側に光を導き中央の平面部と所定の傾きを有する平面とし、第2の平面内で平面部と同一幅の光強度分布が略一定となるように形成したシリンドリカルレンズを用い、該シリンドリカルレンズの第1の円筒レンズ部の焦点位置を測定領域として構成したものである。
又本願の請求項3の発明は測定領域に光を照射し該領域を通過する微粒子からの散乱光を検出する光散乱式計測装置であって、光軸の中心より周辺部に向けて所定の強度分布を有する平行な光ビームを発生する光源と、光ビームの光軸に垂直に配置され、光軸の中心を含む第1の平面内で光を集束させる第1の集束レンズと、該光軸を中心に含む所定範囲を光軸に垂直な平面とし、その両端を第1の平面と垂直な第2の平面内で光を集束させる第2,第3の円筒レンズ部を有し、該第2,第3の円筒レンズ部の焦点距離を該第1の集束レンズの焦点距離より短く形成した第2の集束レンズと、回転楕円面を有する一対の凹面鏡によって形成され、第1の集束レンズの焦点位置を測定領域とし、該凹面鏡の焦点は測定領域を共通な焦点とし、夫々の凹面鏡の中心部を夫々他方の凹面鏡の他方の焦点とすることにより測定領域を通過する微粒子からの散乱光を集光する光学手段と、光学手段の凹面鏡の中心部の焦点位置に配置され、散乱光を電気信号に変換する光電変換器と、光電変換器の出力に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を有することを特徴とするものである。
又請求項4の発明は、請求項1,2において光学手段を回転楕円面を有する一対の凹面鏡によって形成したものであり、該凹面鏡の焦点は測定領域を共通な焦点とし、その中心部を夫々他方の凹面鏡の他方の焦点とするものであり、光電変換器を、凹面鏡の中心部の他方の凹面鏡の焦点位置に配置したことを特徴とするものである。
〔作用〕
このような特徴を有する本願の請求項1の発明によれば、光源からの光は両面シリンドリカルレンズの前面の第1の円筒レンズ部によって第1の平面内で集束され、偏平な光径を有する光ビームに集束される。そして偏平な光ビームの中心は両面シリンドリカルレンズの裏面の平面部によってそのまま測定領域に照射され、その両端部は裏面の第2,第3の円筒レンズ部によって集束される。
第2,第3の円筒レンズ部は第1の円筒レンズ部の焦点距離の約1/2に設定されているため、平面部より外側の第2,第3のレンズ部に入射した光は第1の円筒レンズ部の焦点位置では平面部より内側に入射することとなる。従って光ビームの一部が重なりあうこととなり、所定の位置では光強度がほぼ等しい平板状の領域を得ることができる。そしてこの領域を測定領域としこの部分に微粒子を通過させ、微粒子の通過時に得られる散乱光を光学手段により集光し、電気信号に変換して信号処理を行うようにしている。
又本願の請求項2の発明では、光源からの光をシリンドリカルレンズの円筒レンズ部によって第1の平面内で集束させ、その裏面に設けた光軸近傍の平面部では偏平な光ビームをそのまま通過させその両端では光ビームを第2の平面内で内向きに反射させるようにしている。この場合にも光ビームの一部が重なりあうこととなり、所定の位置では光強度がほぼ等しい平板状の領域を得ることができる。
又本願の請求項3の発明では、第1の円筒レンズ部と同一の機能を有する第1の集束レンズと第2の平面内で両端のみの光を集束させる円筒レンズ部を有する第2の集束レンズとを分離して同一の機能を達成している。
又請求項3,4の発明では請求項1,2の作用に加えて、平板状の測定領域を通過する散乱光を回転楕円面を有する一対の凹面鏡で反射させることができる。このため夫々の凹面鏡の中心部にあり、他方の凹面鏡の焦点位置にある光電変換器に散乱光を集光させることができ、散乱光の集光を容易に行うことができる。
〔実施例の説明〕
第1図は本発明の一実施例による光散乱式計測装置の光学系部分を示す斜視図、第2図はその全体構成を示す図である。これらの図においてレーザ光源10はレーザ光を発生する例えば半導体レーザであって、その強度分布は第9図(a)に示すように光ビームの中央軸から周辺に向けて徐々に低下する強度分布、例えばガウス分布の分布強度を有している。レーザ光源10に対向し、その光ビームを所定の光径を持つ平行光とするコリメートレンズ11を配置する。本実施例ではレーザ光源10とコリメートレンズ11によって平行な光ビームを発生させる光源を構成している。さてコリメートレンズ11の光軸をz軸とし、z軸に垂直なxy平面に両面シリンドリカルレンズ12を配置する。第3図(a)は両面シリンドリカルレンズ12のy軸方向,第3図(b)はそのx軸方向から見た側面図である。両面シリンドリカルレンズ12は第3図(a)に示すようにコリメートレンズ11に対向する面には側面が円弧状として示される第1の円筒レンズ部12aが形成される。円筒レンズ部12aは光軸の中心を含む第1の平面であるxz平面内で光を集束させるものであって、その焦点距離をl1とする。又その裏面は第3図(b)に示すようにxz平面と垂直な第2の平面であるzy平面内で光軸であるz軸の中心部を平面12bとし、その両側には光を内向きに集束させる曲面、例えば第2,第3の円筒レンズ部12c,12dを形成する。両面シリンドリカルレンズ12の円筒レンズ部12aは後述する測定領域までの距離を焦点距離l1としており、円筒レンズ部12c,12dは夫々この約1/2の距離l2を焦点距離としている。
さて第2図に示すようにレーザ光源10,コリメートレンズ11及び両面シリンドリカルレンズ12は光源室13内に収納されており、その測定領域にはダクト14を介してエアロゾルが導かれる。ダクト14の一端は測定すべきエアロゾルを吸引する開口部であって、その他端はテーパ状に形成されたノズル15として光ビーム16の測定領域16aに対向している。そしてノズル15の先端部に対向して測定領域16aを挟んでダクト17が設けられる。ダクト17はノズル15からの微粒子を含むエアロゾルを測定領域16aに導くものであり、その他端は流量計18及びポンプ19に連結されている。ポンプ19はダクト17を介してエアロゾルを吸引するものであり、吸引したエアロゾルをフィルタ20を介して外部に放出するようにしている。さて光ビーム16の測定領域16aに対向する位置には光ビームを反射させないようにした光トラップ21が設けられる。そして光トラップ21と光源室13の間には夫々第4図にA−A線断面図を示すように、一対の回転楕円面を有する凹面鏡22及び23が配置される。凹面鏡22,23は第4図に示すように測定領域16aを共通な焦点とし、他方の焦点を互いに凹面鏡23,22の中心部とする回転楕円面を有している。凹面鏡22,23は測定領域16aで散乱された光を互いにその焦点位置に配置された光電変換器24,25に導く光学手段である。光電変換器24,25の出力は信号処理部26に与えられる。信号処理部26はこれらの出力を増幅し加算すると共に、散乱光の光強度に基づいて測定領域16aを通過する微粒子の粒径を検出するものである。
次に本実施例の動作について第3図を参照しつつ説明する。レーザ光源10から照射された光はコリメートレンズ11によって平行光として両面シリンドリカルレンズ12に与えられる。両面シリンドリカルレンズ12の前面に形成された円筒レンズ部12aの焦点距離はl1であるので、第3図(a)に示すようにxz平面(第1の平面)内では測定領域16aで集束される。そしてこのレーザビーム16はyz平面(第2の平面)においては第3図(b)に示すように両面シリンドリカルレンズ12の平面部12bの幅Dの範囲内ではそのまま光トラップ21に導かれるが、レーザビーム16の両端部は円筒レンズ部12c,12dによって集束される。ここで第3図(b)の左端には両面シリンドリカルレンズ12に加わる光強度分布を示している。円筒レンズ部12c,12dの焦点距離は円筒レンズ部12aの焦点距離l1の約1/2のl2であるので図示のように距離l2で焦点を結び、測定領域16aでは平面部12bをそのまま通過する光ビームと重なりあうこととなる。従ってレーザ光強度の中央部分の光強度分布とその両端の光強度分布が重ね合わされた状態となり、第3図(b)の右端に示すような強度分布が得られる。ここで両面シリンドリカルレンズ12の平面部の幅Dと両面シリンドリカルレンズ12で照射される光ビームの光強度がピーク値から1/2の強度になるまでの径dとの比(d/D)を0.6〜1.4まで変化させたときの測定領域16aで得られる強度分布を第5図に示す。この図より知られるように平面部12bの幅Dと光径dが同一か、光径dをやや大きくすることによって測定領域でほぼ均一な矩形波状の強度分布を有する光ビームを得ることができる。
さてこのうち光が重なる領域では第3図(b)に示すようにわずかに光の干渉によって強度のゆらぎが生じる。しかし測定すべき微粒子の粒径がこのような強度の変動幅より充分大きければ無視することができ、測定領域ではほぼ同一の光強度を有するレーザビームとすることができる。こうすれば測定領域を微粒子が通過すればその粒径に応じたレベルの散乱光が得られる。この場合レーザビームの中心のみならず周辺のどの領域を通過する場合にも同一の光が照射されるため、同一の強度の散乱光が得られることとなり、粒径を確実に検出することができる。一方光ビーム16の測定領域16aを外れた粒子からは散乱光が得られない。それ故レーザビームの光強度分布の平坦な中央部のみを用いて周辺部をスリットにより遮光する必要がなくなり、レーザビームの光の利用率が向上し小電力の半導体レーザ等のレーザ光源を用いても充分な散乱光強度を得ることができる。
尚本実施例は両面シリンドリカルレンズ12の前面を円筒レンズ部12aとし、その裏面側の両端に円筒レンズ部12c,12dを構成しているが、裏面のレンズ部を平面状とすることもできる。即ち第6図に示すようにシリンドリカルレンズ30の前面は第1実施例と同様に円筒レンズ30aを構成し、裏面の周辺部をyz平面で光を内向きに反射させるように中央の平面部30bを挟んで平面部30c,30dとして直線状に構成してもよい。この場合には第6図の右端に示すように光の交差領域が大きくなるため光強度の変動分が大きくなる。しかしこの場合にも測定すべき微粒子の径がレーザビームの光の波長より充分大きく、このような変動分を無視できる場合には測定領域で同一の光強度が得られるためレーザ光の利用率を向上することができる。
又本実施例は平行なレーザビームを集束するために両面シリンドリカルレンズを用いているが、第7図に示すようにxz平面上で光ビーム16を測定領域16aで集束する円筒状の第1の集束レンズ31と、yz平面上で光軸の中心部を平面としその両端部で光ビームを内向きに集束する円筒レンズ部32b,32cを持つ第2の集束レンズ32を夫々別個に構成し、それらを光軸上に配置するようにしてもよい。
更に前述した第1実施例の円筒レンズ部12c,12d又は第2の集束レンズ32の円筒レンズ部32b,32cは、断面が円弧状に限らず両端のレーザ光を中心部に集束させるため放物面等の種々の形状の曲面を用いて構成することができる。
〔発明の効果〕
このように本願の請求項1〜3の発明によれば、平行なレーザビームを第1の平面内で測定領域に集束するようにしており、第2の平面内ではその中心部はそのままレーザビームを通過させ、その周辺部では通過させた平行なレーザビームと一部を重なるようにして測定領域でほぼ平坦な強度特性を有するようにしている。従ってスリット板等を用いる必要がなく測定領域でほぼ同一の光強度が得られるため、光の利用率を向上することができるという効果が得られる。従って光強度の大きい光ビームを測定領域に照射することができ、微小な径の粒子についても粒径,速度等を測定することが可能となる。
又請求項3,4の発明によればこれらの効果に加えて、平板状に形成された測定領域を粒子が通過する場合にも一対の凹面鏡の夫々の中心部に配置された光電変換器に散乱光が入射されるため、散乱光を確実に検出することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例による光散乱式計測装置の投光部の主要部を示す図、第2図は本実施例による光散乱式計測装置の全体構成を示す図、第3図(a)及び第3図R>図(b)は本実施例の両面シリンドリカルレンズの異なる方向から見た光の集束状態を示す図、第4図は光散乱式計測装置のA−A線断面図、第5図は両面シリンドリカルレンズの平面部の幅Dと光強度が1/2に低下する幅dとの比による測定領域での光強度の変化を示すグラフ、第6図は本願の第2の実施例によるシリンドリカルレンズの例を示す図、第7図は本願の第3の実施例による第1,第2の集束レンズを示す図、第8図は従来の光散乱式計測装置の一例を示す概略図、第9図(a)及び第9図9図(b)はその光源及び測定領域に照射するレーザ光の半径方向の光強度変化を示すグラフである。
10……レーザ光源、11……コリメートレンズ、12……両面シリンドリカルレンズ、12a,12c,12d,30a,32b,32c……円筒レンズ部、12b,30b,30c,30d,32a……平面部、16……光ビーム、16a……測定領域、14,17……ダクト、22,23……凹面鏡、24,25……光電変換器、30……シリンドリカルレンズ、31,32……集束レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】測定領域に光を照射し該領域を通過する微粒子からの散乱光を検出する光散乱式計測装置において、光軸の中心より周辺部に向けて所定の強度分布を有する平行な光ビームを発生する光源と、前記光ビームの光軸に垂直に配置され、一方の面を光軸の中心を含む第1の平面内で光を集束させる第1の円筒レンズ部として形成すると共に、その裏面を該光軸を中心に含む所定範囲を光軸に垂直な平面部とし、その両端を該第1の平面と垂直な第2の平面内で光を内側に集束させる第2,第3の円筒レンズ部として形成し、該第2,第3の円筒レンズ部の焦点距離を該第1の円筒レンズ部の焦点距離の約1/2にすることより、第2の平面内での前記平面部と同一幅の光強度分布が略一定となるように形成した両面シリンドリカルレンズと、前記両面シリンドリカルレンズの第1の円筒レンズ部の焦点位置を測定領域とし、該測定領域を通過する微粒子からの散乱光を集光する光学手段と、前記光学手段より得られる散乱光を電気信号に変換する光電変換器と、前記光電変換器の出力に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を有することを特徴とする光散乱式計測装置。
【請求項2】測定領域に光を照射し該領域を通過する微粒子からの散乱光を検出する光散乱式計測装置において、光軸の中心より周辺部に向けて所定の強度分布を有する平行な光ビームを発生する光源と、前記光ビームの光軸に垂直に配置され、一方の面を光軸の中心を含む第1の平面内で光を集束させる第1の円筒レンズ部として形成すると共に、その裏面を該光軸を中心に含む所定範囲を光軸に垂直な平面部とし、その両端を該第1の平面と垂直な第2の平面の内側に光を導き中央の平面部と所定の傾きを有する平面とし、第2の平面内で前記平面部と同一幅の光強度分布が略一定となるように形成したシリンドリカルレンズと、前記シリンドリカルレンズの第1の円筒レンズ部の焦点位置を測定領域とし、該測定領域を通過する微粒子からの散乱光を集光する光学手段と、前記光学手段より得られる散乱光を電気信号に変換する光電変換器と、前記光電変換器の出力に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を有することを特徴とする光散乱式計測装置。
【請求項3】測定領域に光を照射し該領域を通過する微粒子からの散乱光を検出する光散乱式計測装置において、光軸の中心より周辺部に向けて所定の強度分布を有する平行な光ビームを発生する光源と、前記光ビームの光軸に垂直に配置され、光軸の中心を含む第1の平面内で光を集束させる第1の集束レンズと、該光軸を中心に含む所定範囲を光軸に垂直な平面とし、その両端を第1の平面と垂直な第2の平面内で光を集束させる第2,第3の円筒レンズ部を有し、該第2,第3の円筒レンズ部の焦点距離を該第1の集束レンズの焦点距離より短く形成した第2の集束レンズと、回転楕円面を有する一対の凹面鏡によって形成され、前記第1の集束レンズの焦点位置を測定領域とし、該凹面鏡の焦点は前記測定領域を共通な焦点とし、夫々の凹面鏡の中心部を夫々他方の凹面鏡の他方の焦点とすることにより測定領域を通過する微粒子からの散乱光を集光する光学手段と、前記光学手段の凹面鏡の中心部の焦点位置に配置され、散乱光を電気信号に変換する光電変換器と、前記光電変換器の出力に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を有することを特徴とする光散乱式計測装置。
【請求項4】前記光学手段は、回転楕円面を有する一対の凹面鏡によって形成されたものであり、該凹面鏡の焦点は前記測定領域を共通な焦点とし、その中心部を夫々他方の凹面鏡の他方の焦点とするものであり、前記光電変換器は、前記凹面鏡の中心部の他方の凹面鏡の焦点位置に配置したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の光散乱式計測装置。
【請求項1】測定領域に光を照射し該領域を通過する微粒子からの散乱光を検出する光散乱式計測装置において、光軸の中心より周辺部に向けて所定の強度分布を有する平行な光ビームを発生する光源と、前記光ビームの光軸に垂直に配置され、一方の面を光軸の中心を含む第1の平面内で光を集束させる第1の円筒レンズ部として形成すると共に、その裏面を該光軸を中心に含む所定範囲を光軸に垂直な平面部とし、その両端を該第1の平面と垂直な第2の平面内で光を内側に集束させる第2,第3の円筒レンズ部として形成し、該第2,第3の円筒レンズ部の焦点距離を該第1の円筒レンズ部の焦点距離の約1/2にすることより、第2の平面内での前記平面部と同一幅の光強度分布が略一定となるように形成した両面シリンドリカルレンズと、前記両面シリンドリカルレンズの第1の円筒レンズ部の焦点位置を測定領域とし、該測定領域を通過する微粒子からの散乱光を集光する光学手段と、前記光学手段より得られる散乱光を電気信号に変換する光電変換器と、前記光電変換器の出力に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を有することを特徴とする光散乱式計測装置。
【請求項2】測定領域に光を照射し該領域を通過する微粒子からの散乱光を検出する光散乱式計測装置において、光軸の中心より周辺部に向けて所定の強度分布を有する平行な光ビームを発生する光源と、前記光ビームの光軸に垂直に配置され、一方の面を光軸の中心を含む第1の平面内で光を集束させる第1の円筒レンズ部として形成すると共に、その裏面を該光軸を中心に含む所定範囲を光軸に垂直な平面部とし、その両端を該第1の平面と垂直な第2の平面の内側に光を導き中央の平面部と所定の傾きを有する平面とし、第2の平面内で前記平面部と同一幅の光強度分布が略一定となるように形成したシリンドリカルレンズと、前記シリンドリカルレンズの第1の円筒レンズ部の焦点位置を測定領域とし、該測定領域を通過する微粒子からの散乱光を集光する光学手段と、前記光学手段より得られる散乱光を電気信号に変換する光電変換器と、前記光電変換器の出力に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を有することを特徴とする光散乱式計測装置。
【請求項3】測定領域に光を照射し該領域を通過する微粒子からの散乱光を検出する光散乱式計測装置において、光軸の中心より周辺部に向けて所定の強度分布を有する平行な光ビームを発生する光源と、前記光ビームの光軸に垂直に配置され、光軸の中心を含む第1の平面内で光を集束させる第1の集束レンズと、該光軸を中心に含む所定範囲を光軸に垂直な平面とし、その両端を第1の平面と垂直な第2の平面内で光を集束させる第2,第3の円筒レンズ部を有し、該第2,第3の円筒レンズ部の焦点距離を該第1の集束レンズの焦点距離より短く形成した第2の集束レンズと、回転楕円面を有する一対の凹面鏡によって形成され、前記第1の集束レンズの焦点位置を測定領域とし、該凹面鏡の焦点は前記測定領域を共通な焦点とし、夫々の凹面鏡の中心部を夫々他方の凹面鏡の他方の焦点とすることにより測定領域を通過する微粒子からの散乱光を集光する光学手段と、前記光学手段の凹面鏡の中心部の焦点位置に配置され、散乱光を電気信号に変換する光電変換器と、前記光電変換器の出力に基づいて信号処理を行う信号処理部と、を有することを特徴とする光散乱式計測装置。
【請求項4】前記光学手段は、回転楕円面を有する一対の凹面鏡によって形成されたものであり、該凹面鏡の焦点は前記測定領域を共通な焦点とし、その中心部を夫々他方の凹面鏡の他方の焦点とするものであり、前記光電変換器は、前記凹面鏡の中心部の他方の凹面鏡の焦点位置に配置したものであることを特徴とする請求項1又は2記載の光散乱式計測装置。
【第1図】
【第7図】
【第9図】
【第2図】
【第3図】
【第4図】
【第5図】
【第6図】
【第8図】
【第7図】
【第9図】
【第2図】
【第3図】
【第4図】
【第5図】
【第6図】
【第8図】
【特許番号】第2595315号
【登録日】平成9年(1997)1月9日
【発行日】平成9年(1997)4月2日
【国際特許分類】
【出願番号】特願昭63−165236
【出願日】昭和63年(1988)7月2日
【公開番号】特開平2−16433
【公開日】平成2年(1990)1月19日
【出願人】(999999999)日本科学工業株式会社
【参考文献】
【文献】特開 昭61−294335(JP,A)
【文献】特開 昭61−265513(JP,A)
【登録日】平成9年(1997)1月9日
【発行日】平成9年(1997)4月2日
【国際特許分類】
【出願日】昭和63年(1988)7月2日
【公開番号】特開平2−16433
【公開日】平成2年(1990)1月19日
【出願人】(999999999)日本科学工業株式会社
【参考文献】
【文献】特開 昭61−294335(JP,A)
【文献】特開 昭61−265513(JP,A)
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