説明

光源マーカー、光源マーカーアプリケータ及び外科手術用病変部同定システム

【課題】内視鏡の観察画像を確認するだけでリアルタイムに病変部を同定可能な安価かつ簡易的な光源マーカーを提供する。
【解決手段】光源マーカー12は、ケース26と、先端に係止部を有し基端が前記ケースに連結された1対のアーム44と、前記ケースに設けられ、前記1対のアームの間に配設された光源部の発光部34とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、病変部を示す標識を同定するための光源マーカー及び外科手術用病変部同定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、手術用マーカーが開示されている。この手術用マーカーは、マーカー針の後端にリード線が固着されている。そして、例えば胸腔鏡による肺手術、腹腔鏡による肝臓手術等の際に術前にマーカー針を患者の体内の病変部に留置すると、リード線が体外に露出された状態で保持される。このため、リード線を標識として手術を行なうことができる。
【0003】
例えば特許文献2には、磁石付き生体用チューブが開示されている。これは、生体内に挿入するチューブの先端に磁石を取り付け、その磁石が発生する磁力を生体外から検出する。そうすると、非侵襲的に生体内のチューブの先端の位置を生体外で検出することができる。
【0004】
また、図24に示すように、例えば胃400などの消化管の内部の病変部402を処置する場合、硬性鏡404を用いて内視鏡的処置を行なうことがある。この場合の病変部402を処置する手技の一例は次の通りである。軟性内視鏡406を経口的に胃400の内部に導入して例えば手術室の照明を落とす。このとき、内視鏡406の光源からの照明光を用いて病変部402の位置を確認する。そして、確認した病変部402を処置するのに適当な位置に硬性鏡404を刺入して処置を行なう。以下、これを第1の手技という。
【0005】
図25(A)に示すように、例えば大腸500の内部の病変部502を内視鏡的処置する場合、軟性内視鏡(図示せず)を用いて予め病変部502の周囲にクリップ504を固定しておく。病変部502を硬性鏡(図示せず)を用いて処置する場合、例えば図25(B)に示すX線装置506を用いて大腸500にX線を放射して図25(C)に示すようなX線透視画像508を得る。こうして病変部502の周囲のクリップ504の位置を確認して病変部502を外科的に処置・摘出する。以下、これを第2の手技という。
【0006】
図26(A)に示すように、第2の手技と同様に大腸500の内部の病変部502を内視鏡的処置する場合、腹腔鏡下で超音波装置510を用いて超音波を発して病変部502近傍の超音波像を得る。すなわち、病変部502の周囲のクリップ504の位置を超音波像を用いて確認して病変部502を処置する。以下、これを第3の手技という。
【0007】
また、図26(B)に示すように、第2および第3の手技と同様に大腸500の内部の病変部502を内視鏡的処置する場合、上述したクリップ504の代わりに軟性内視鏡を用いて予め病変部502に点墨用色素505周囲を注入しておく。すると、その色素505が大腸500の漿膜側に染み出るので、硬性鏡512を用いて病変部502の位置を確認してその病変部502を処置する。以下、これを第4の手技という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2794162号公報
【特許文献2】特開平3−78号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1に開示された手術用マーカーは、留置の際、例えば経皮的に正常部位を貫通してマーカー針が病変部に刺入されることがあるため、病変細胞が飛び散って播種を起こすことがある。このため、このような播種を起こすことを防止することができる病変部同定システムが望まれている。
【0010】
特許文献2に開示された磁石付き生体用チューブは、生体に内視鏡的処置をする場合、磁石の位置を検出しても、内視鏡の観察画像との対応を取ることが困難である。このため、内視鏡の観察画像との対応を取り易い病変部同定システムが望まれている。
【0011】
上記第1の手技を行なう場合、図24に示す外科的処置自体には不要な軟性内視鏡406を病変部(術部)402の位置確認のためだけに準備することが必要であり、さらに軟性内視鏡406を操作することができる術者を確保しなければならない。さらには、その術後には、術部の位置確認に使用した内視鏡406の洗滌・消毒など、片付けも必要である。このため、外科処置中に行なわれる位置確認のためだけに内視鏡406を使用することは、準備・片付けの手間や、手技の煩雑さ、術者の確保等、コストがかかる面から不利である。
【0012】
上記第2の手技を行なう場合、図25(A)に示す病変部502の位置を確認するのに図25(B)に示すX線装置506を用いているので、被爆の問題がある。また、図25(C)に示すようなX線透視画像508は、内視鏡の観察像とは全く異なるものであり、X線透視画像508と内視鏡の観察像とを対応させて病変部502の位置を同定することや、処置と同時にリアルタイムで位置を確認することは困難である。
【0013】
上記第3の手技を行なう場合、超音波像は、内視鏡の観察像とは全く異なるものであり、超音波像と内視鏡の観察像とを対応させて病変部502の位置を同定することは困難である。
【0014】
上記第4の手技を行なう場合、部位によっては後述のように点墨方法に工夫を要する場合があったり、ある程度の時間が経過してしまうと、点墨用色素505が拡散して病変部502を判断し難くなることがある。
【0015】
また、第3および第4の手技により病変部502の位置を確認しようとする場合、図26(C)に示すように、例えば腹腔側を硬性鏡で観察可能な領域αに対して反対側の背側の領域βに病変部502が存在することがある。この場合、第3の手技では、大腸500の管の内部の空気層によって超音波が伝達しないため、病変部502を同定するための超音波像を得ることができない。第4の手技では、病変部502の周囲に点墨用色素505を注入しても、点墨用色素505は病変部502に対向する大腸500の壁部までは染み出して行かないので、硬性鏡512を用いて病変部502を同定することはできない。
【0016】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、内視鏡の観察画像を確認するだけでリアルタイムに病変部を同定可能な安価かつ簡易的な光源マーカー及び外科手術用病変部同定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために、この発明の外科手術用病変部同定システムは、生体内で発光可能な光源部と、前記光源部を生体内に留置・固定する固定手段とを有する光源マーカーと、体内に挿入される挿入部を有する内視鏡と、前記内視鏡の観察像から前記光源部で発光した光を少なくとも生体の壁部を通して検出し、前記光源マーカーの留置位置を認識可能な認識手段とを備えている。
このような構成を有するので、病変部の近傍に光源マーカーを固定手段により固定し、光源部から発光する発光光(可視光や蛍光等の光)を生体の壁部を通して内視鏡で観察する(認識手段で認識する)ことによって、病変部が存在する臓器の外側でその臓器内の病変部を同定することができる。
【0018】
また、好ましくは、前記光源部は、780nmないし1300nmの少なくとも一部の波長の光を発光する発光手段を備えている。
このような発光手段により発光する光の波長は、それ以下の波長に比べて生体を透過し易いので、それらの波長の一部を使うことによって、より内視鏡で観察し易くなり、病変部を同定し易くなる。
また、好ましくは、前記光源部は、所定の波長の励起光が照射されると蛍光を発光する蛍光体を有する蛍光体マーカーを備えている。
このような構成を有するので、病変部の近傍に蛍光体マーカーを固定手段により固定し、蛍光体マーカーの蛍光体に励起光が照射されることによる蛍光を内視鏡で観察することによって、病変部が存在する臓器の外側で臓器内の病変部を同定することができる。
【0019】
また、好ましくは、前記蛍光体の励起光は、前記内視鏡の光源による光である。
このため、新たに光源を必要とすることなく、簡単な構成で病変部を同定することができる。
また、好ましくは、前記蛍光体は、前記励起光により、780nmないし1300nmの少なくとも一部の波長を有する光を発光する物質である。
このような波長の蛍光は、それ以下の波長に比べて生体を透過し易いので、それらの波長の一部を使うことによって、より内視鏡で観察し易くなり、病変部を同定し易くなる。
【発明の効果】
【0020】
この発明によれば、内視鏡の観察画像を確認するだけでリアルタイムに病変部を同定可能な安価かつ簡易的な光源マーカー及び外科手術用病変部同定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は、光源クリップの概略的な側面図、(B)は(A)中の矢印1B方向から光源クリップを観察した状態を示す概略図、(C)は(A)中の収容ケースの内部の構成を示す概略的なブロック図。
【図2】第1の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は、硬性鏡の概略図、(B)は硬性鏡のカメラヘッドの概略的な部分断面図、(C)は(B)中の2C−2C線で切断した状態を示す可変フィルター部の概略図。
【図3】第1の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、光のピーク波長が異なる各LEDを発光させたときの波長に対する相対光強度を示すグラフ。
【図4】生体に対する光の透過度を示すグラフ。
【図5】第1の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)ないし(C)は、可変フィルター部に配設された光学フィルターの特性を示すグラフ。
【図6】第1の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は、光源クリップを留置するときに用いられる軟性内視鏡の概略的な断面図、(B)は、光源クリップを臓器の粘膜に係止した状態でLEDを発光させた状態を示す概略図。
【図7】第1の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、肺の外部を観察したときに得られる観察像とともに、肺の内部に留置された光源クリップを発光させたときにその発光光を観察像に重ね合わせて表示させた硬性鏡のモニター画面。
【図8】第1の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は、光源クリップの概略的な側面図、(B)は(A)中の矢印8B方向から光源クリップを観察した状態を示す概略図、(C)は病変部を内部に有する大腸の断面図、(D)は大腸の腹腔側を照明するように、(C)中の病変部の近傍に光源クリップを留置した状態を示す概略図。
【図9】第2の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は光源クリップの概略的な側面図、(B)は(A)に示す光源クリップを病変部の上に載置し、内視鏡を用いて接着剤を散布した状態を示す概略図、(C)は(B)中の光源クリップおよび病変部を適当な方向に切断した状態を示す概略的な断面図。
【図10】第2の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は光源部から発する光が直進するように形成された光源部を示す概略図、(B)は光源部から発する光が拡散するように形成された光源部を示す概略図。
【図11】第3の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)はループ状光源マーカーを示す概略的な部分断面図、(B)はループ状光源マーカーの光源部の概略的な斜視図。
【図12】第3の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は、ループ状光源マーカーの光源部の収容ケースの内部の構成を示す概略的なブロック図、(B)は収容ケースの内部の構成を示す概略図。
【図13】第3の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は2つの処置具挿通チャンネルを有する内視鏡の挿入部の先端部を示す概略図、(B)は一方の処置具挿通チャンネルに把持鉗子でループ状光源マーカーの保持部を把持した状態で配置し、他方の処置具挿通チャンネルにクリップ装置を配置した状態を示す概略図、(C)は処置具挿通チャンネルに把持鉗子でループ状光源マーカーの保持部を把持した状態を示す内視鏡の挿入部の概略的な側面図。
【図14】第3の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)はループ状光源マーカーをクリップを用いて生体に留置した状態を示す概略図、(B)は硬性鏡でループ状光源マーカーに対して壁部を挟んで反対側から観察した状態を示す硬性鏡のモニター画面。
【図15】第4の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は蛍光体を含有した蛍光体マーカーを示す概略的な断面図、(B)は蛍光体の励起光に対する蛍光の特性を示すグラフ。
【図16】第4の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は内視鏡の光源の特性を示すグラフ、(B)は硬性鏡の可変フィルター部に配設された2つのフィルターの特性を重ね合わせた状態を示すグラフ。
【図17】第4の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は内視鏡用クリップに蛍光体マーカーを引っ掛けた状態を示す概略的な斜視図、(B)は生体の粘膜に対して蛍光体マーカーごとクリップを係止した状態を示す概略図。
【図18】第5の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は蛍光体マーカーの概略的な側面図、(B)は内視鏡の挿入部の先端部に蛍光体マーカーのリングを弾性変形させて配置して蛍光体マーカーを内視鏡フードに装着した状態を示す概略的な正面図、(C)は(B)に示す18C−18C線に沿う部分断面図。
【図19】第5の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は内視鏡の吸引機能を用いて生体をフードの内部に吸引した状態を示す概略図、(B)は生体を吸引した状態でリングを解放するとともにリングを弾性変形させて生体をリングで縛って蛍光体マーカーを生体に留置した状態を示す概略図、(C)は(B)に示す互いに異なる波長の光を発する蛍光体が含有された蛍光体マーカーを病変部の周囲に複数留置した状態を示す概略図。
【図20】第6の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、基部に蛍光体を塗布したクリップの概略図。
【図21】第7の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、基部に蛍光体を配したクリップの概略図。
【図22】第8の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、局注針を用いて粘性を有する蛍光体を生体の粘膜に注入する状態を示す概略図。
【図23】第9の実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムに係り、(A)は蛍光体が内部に詰め込まれた蛍光玉のアプリケータを示す概略的な断面図、(B)は生体の粘膜を一部切開して粘膜の内部に蛍光玉を注入した状態を示す概略図。
【図24】従来の技術に係り、軟性内視鏡を胃の内部に経口的に導入して病変部を照明して硬性鏡でその光を元にして病変部を特定する手技を示す概略図。
【図25】従来の技術に係り、(A)は大腸の内壁側の病変部近傍にクリップを装着した状態を示す概略図、(B)は大腸にX線を放射して病変部の近傍のクリップを撮影するX線装置を示す概略図、(C)はX線装置により得られたX線透視画像。
【図26】従来の技術に係り、(A)は大腸の内壁側の病変部近傍にクリップを装着した状態で超音波装置を用いてクリップの位置を同定する手技を示す概略図、(B)は大腸の内壁側の病変部近傍に点墨用色素を注入し、大腸の外壁側に染み出した点墨用色素に基づいて病変部を硬性鏡を用いて同定する手技を示す概略図、(C)は、大腸の内壁側の病変部が腹腔側から離れた背側に存在することを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態について説明する。
まず、第1の実施の形態について図1ないし図8を用いて説明する。
【0023】
この実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムは、発光機能とクリップ機能とを有するマーカー(標識)としての光源クリップ12(図1(A)参照)と、光源クリップ12からの光を検出する外科手術用の内視鏡(第2の内視鏡)14(図2(A)参照)とを備えている。
【0024】
図1(A)および図1(B)に示すように、光源クリップ12は、発光する光源部22と、光源クリップ12を生体に係止して固定するための1対の係止部(クリップ部)24とを備えている。
光源部22は、電力供給手段と、電力供給手段による電力の供給により発光する発光手段と、これら電力供給手段および発光手段を収容する有底円筒状の収容ケース26とを備えている。図1(C)に示すように、電力供給手段は、それぞれ収容ケース26に収容された電池28と、スイッチ回路30と、センサー32とを備えている。発光手段は、スイッチ回路30に電気的に接続されたLED34を備えている。LED34は、収容ケース26から突出するように収容ケース26に装着されている。センサー32は、所定の閾値を超えたラジオ波や、磁場の変化、あるいは光を検出し、その信号をスイッチ回路30に伝達する。スイッチ回路30は、センサー32からの信号に基づいて電池28から電力の供給を受け、その電力をLED34に選択的に供給する。
【0025】
光源クリップ12の係止部24は、後述する発光手段を体内に留置・固定する固定手段である。係止部24は、収容ケース26に配設されている。収容ケース26の外周面には、それぞれ孔を有する1対の突出部38が形成されている。突出部38の孔には、ピン40が配設されている。このピン40には、バネ42が配設されている。バネ42には、超弾性合金材製のアーム44が一体的に形成されている。このため、アーム44は、バネ42により所定の方向に付勢されている。この場合、アーム44は、LED34の方向に向けられている。アーム44の先端部には、爪部46が形成されている。爪部46は、互いに対向するように向けられている。このように形成された係止部24は、ピン40を支点として180度回動可能である。
【0026】
光源部22のLED34は、種類によって図3に重ね合わせた状態で例示する特性を備えている。図3中の縦軸は相対光強度であり、横軸は波長λ(nm)である。複数の光源クリップ12が使用される場合、それぞれ図3に示す特性を有するなど、異なる種類のLED34が使用されることがある。ここでは、特性がそれぞれ異なる第1ないし第3のLED34a,34b,34cについて説明する。
【0027】
図3に示すように、第1のLED34aは、800nmの波長のときにピーク値を有する光を発光する。第2のLED34bは、1000nmの波長のときにピーク値を有する光を発光する。第3のLED34cは、1200nmの波長のときにピーク値を有する光を発光する。このような特性を有する第1ないし第3のLED34a,34b,34cが収容ケース26の開口部側にそれぞれ装着されて第1ないし第3の光源クリップ12a,12b,12cが形成されている。
【0028】
上述した内視鏡14は、例えばトロッカー(図示せず)などを介して体外から体腔内に導入される硬性のものが用いられる。このため、以下、この内視鏡14を硬性鏡(光学視管)という。図2(A)に示すように、硬性鏡14は、細長い硬質の挿入部50と、挿入部50の基端部に着脱可能に配設されたカメラヘッド52とを備えている。挿入部50には、被検体を照明する照明光学系(図示せず)や照明した部位を観察する対物光学系(図示せず)とが配設されている。対物光学系は、対物レンズ(図示せず)に入射された光学像を挿入部50の基端部側にリレーするリレーレンズ(図示せず)を備えている。照明光学系は、カメラヘッド52側から挿入部50の先端部の照明レンズ(図示せず)に向けて照明光を導くライトガイド(図示せず)を備えている。硬性鏡14の挿入部50の基端部には、照明光学系に光を導くライトガイドケーブル600と、後述するCCD素子58で撮像した像を伝送するユニバーサルケーブル53が配設されたカメラヘッド52とが接続されている。
【0029】
図2(B)に示すように、カメラヘッド52は、挿入部50の基端部に接続される接続ジョイント部54と、光学素子収容部56とを備えている。光学素子収容部56は、対物レンズに入射され、リレーレンズによりリレーされた光学像を撮像するCCD素子58と、リレーレンズを通した光学像の光の波長に基づいてCCD素子58に入射する光を選択する可変フィルター部60とを備えている。
【0030】
CCD素子58は、可視域(波長380nm〜780nm)だけでなく、近赤外域(波長780nm〜1300nm)の光を撮像可能な特性を備えている。図2(C)に示すように、可変フィルター部60は、軸部62を支点として回転可能で、それぞれ特性が異なる第1ないし第3の光学フィルター60a,60b,60cを備えている。このため、CCD素子58には、第1ないし第3の光学フィルター60a,60b,60cを可変フィルター部60の軸部62を支点として回転させて選択することにより、異なる波長の光学像が入射される。
【0031】
図5(A)には、第1の光学フィルター60aの特性を示す。図5(B)には、第2の光学フィルター60bの特性を示す。図5(C)には、第3の光学フィルター60cの特性を示す。図5(A)ないし図5(C)中の縦軸は光透過度(%)であり、横軸は波長λ(nm)である。なお、図5(A)ないし図5(C)中の光透過度は、全て100%としているが、実際には例えば90%や80%など、適宜に変化させて使用される。
【0032】
図5(A)に示すように、第1の光学フィルター60aは、例えば380nm〜850nmの波長を有する光を透過させる特性(領域I)を有する。これは、ほぼ可視域の波長の光をカバーするものである。さらに、近赤外域内で可視域側の一部の波長を有する光を透過させる。
【0033】
図5(B)に示すように、第2の光学フィルター60bは、例えば380nm〜780nmの波長を有する光を透過させる特性(領域II)を有するとともに、900nm〜1100nmの波長を有する光を透過させる特性(領域III)を有する。これは、ほぼ可視域の波長の光をカバーするものである。さらに、近赤外域の一部の波長を有する光を透過させる。なお、領域II,IIIの光透過率は、両者で異なっていても良く、赤外域の波長を有する光の検出具合(処置部位の壁の厚さや光透過性)によって適宜に変化させても良い。
【0034】
図5(C)に示すように、第3の光学フィルター60cは、第2の光学フィルター60bの領域IIと同じ特性(領域II)を有するとともに、1100nm〜1300nmの波長を有する光を透過させる特性(領域IV)を有する。これは、ほぼ可視域の波長の光をカバーするものである。さらに、近赤外域の一部(可視域に対して遠位側)の波長を有する光を透過させる。なお、領域II,IVの光透過率は、両者で異なっていても良く、赤外域の波長を有する光の検出具合によって適宜に変化させて設定しても良い。
【0035】
このため、第1ないし第3の光学フィルター60a,60b,60cを選択することにより、可視域の観察像と、近赤外域の観察像とをCCD素子58で撮像することができる。近赤外域の観察像(光)は、可視域にないので通常視覚的に観察することができないが、CCD素子58に接続された図示しない画像処理装置(認識手段)により、画像処理を施して視認(視覚)可能にする。画像処理装置は、近赤外域の波長を有する光を視認可能とするとともに、コントラストの変調や輪郭強調などの機能を有する。そして、近赤外域の像(検出光)を可視域の観察像に重ね合わせて画像処理装置に接続されたモニター(図示せず)に表示可能である。
【0036】
外科手術用病変部同定システムは、図6(A)に示すように、光源クリップ12を病変部の近傍に留置したり、処置したりするために経鼻的、経口的または経肛門的に臓器の内部に挿入される軟性の内視鏡(第1の内視鏡)66をさらに備えている。すなわち、内視鏡66は、細長い挿入部68と、この挿入部68の基端部に設けられた図示しない操作部とを備えている。挿入部68は、可撓性を有し操作部に接続された可撓管(図示せず)と、可撓管の先端部に設けられた湾曲部(図示せず)とを備えている。操作部は、挿入部68の湾曲部を湾曲操作可能である。
【0037】
この内視鏡66の挿入部68には、被検体を照明する照明光学系(図示せず)や照明した部位を観察する対物光学系(図示せず)とともに処置具挿通チャンネル(鉗子チャンネル)70が設けられている。この処置具挿通チャンネル70には、光源クリップ12を例えば病変部の近傍に導くクリップアプリケータ72を挿通可能である。
【0038】
クリップアプリケータ72は、複数の光源クリップ12が縦列に並べられた状態で内部に配設される管状体74と、管状体74の最も基端部側に配設された光源クリップ12を押圧するプッシャー76とを備えている。図1(A)中の破線で示すように、光源クリップ12の係止部24は、バネ42の付勢力に抗して爪部46が外側を向くように配設されている。このとき、管状体74の先端部側にLED34が近接するように並べられている。このため、プッシャー76を管状体74に対して移動させると、管状体74の先端部から光源クリップ12を順次放出するとともに、バネ42の付勢力によって係止部24を生体の粘膜に係止することができる。このとき、例えばそれぞれ特性が異なる第1ないし第3のLED34a,34b,34cが配設された第1ないし第3の光源クリップ12a,12b,12cが順に放出されるように光源クリップ12が管状体74の内部に配設されていることが好ましい。
【0039】
次に、図6ないし図8を参照しながらこの実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムを用いて硬性鏡14で例えば肺200や大腸300にある病変部100を同定する作用について説明する。まず、図6および図7を用いて肺200に病変部100が存在する場合について説明する。
【0040】
内視鏡66の挿入部68を経気管支的に肺200の内部に挿入し、挿入部68の先端部68aをその病変部100の近傍に導入する。図6(A)に示すように、処置具挿通チャンネル70に複数の光源クリップ12を縦列的に配設したクリップアプリケータ72を挿入する。クリップアプリケータ72の管状体74の先端部を、内視鏡66の挿入部68の先端部68aに対して突出させ、係止させる部位に押し当てた状態でプッシャー76を移動させる。すると、図6(B)に示すように、肺200の内側の壁部の病変部100の近傍の粘膜に第1の光源クリップ12aが放出されて係止される。
【0041】
このとき、クリップアプリケータ72から放出された第1の光源クリップ12aは、バネ42の付勢力によりアーム44がピン40を支点として180度回動して爪部46で粘膜に係止される。その後、病変部100を取り囲むように、第2の光源クリップ12bおよび第3の光源クリップ12cも同様に放出して肺200の粘膜に係止させる(図6(B)参照)。すなわち、図7に示すように、病変部100を取り囲むように第1ないし第3の光源クリップ12a,12b,12cを取り付ける。
【0042】
第1ないし第3の光源クリップ12a,12b,12cのセンサー32に所定の閾値を超えるように例えばラジオ波などを検知させてスイッチ回路30を作動させて電池28から第1ないし第3のLED34a,34b,34cに電力を供給する。そして、第1ないし第3の光源クリップ12a,12b,12cのそれぞれ第1ないし第3のLED34a,34b,34cを発光させる。このようにして第1ないし第3の光源クリップ12a,12b,12cの作動状態を硬性鏡14で確認した後、内視鏡66の挿入部68を肺200の内部から抜き取る。
【0043】
ところで、図4中の縦軸は生体に対する光透過度であり、横軸は波長λ(nm)である。近赤外域の波長の光は、図4に示すように、可視域の波長の光よりも生体に対する透過度が高い。硬性鏡14のカメラヘッド52の可変フィルター部60で第1の光学フィルター60aが選択されているとする。第1の光源クリップ12aの第1のLED34aの発光光(ピーク波長800nm)は、肺200の壁部を透過して硬性鏡14のCCD素子58により撮像される(図5(A)参照)。図7に示すように、第1ないし第3の光源クリップ12a,12b,12cの光は、画像処理により可視化(視覚化)されて硬性鏡14の可視域の光学像とともに画像処理装置を介してモニター(認識手段)80に表示される。可視域の光学像は、肺200の壁部の光源クリップ12を留置した側に対して反対側の実像である。
【0044】
硬性鏡14の可変フィルター部60で第2の光学フィルター60bが選択されているとする。第2の光源クリップ12bの第2のLED34bの発光光(ピーク波長1000nm)は、肺200の壁部を透過して硬性鏡14のCCD素子58に撮像される。硬性鏡14の可視域の光学像とともに図7に示すモニター80に表示される(図5(B)参照)。
【0045】
硬性鏡14の可変フィルター部60で第3の光学フィルター60cが選択されているとする。第3の光源クリップ12cの第3のLED34cの発光光(ピーク波長1200nm)は、肺200の壁部を透過して硬性鏡14のCCD素子58に撮像される。硬性鏡14の可視域の光学像とともに図7に示すモニター80に表示される(図5(C)参照)。
【0046】
すなわち、可変フィルター部60を軸部62を支点として適宜に回転させて第1ないし第3の光学フィルター60a,60b,60cを選択することによって、病変部100の近傍の第1ないし第3の光源クリップ12a,12b,12cの位置が硬性鏡14を用いて観察される。このため、第1ないし第3の光源クリップ12a,12b,12cの位置関係を同定することができる。病変部100の位置は、第1ないし第3の光源クリップ12a,12b,12cの内側にあるので、その病変部100の位置を肺200の外側から硬性鏡14を用いて同定することができる。したがって、肺200の内側の病変部100を硬性鏡14に接続されたモニター80を用いて認識(同定)することができるとともに、肺200の外側の観察像を重ね合わせた状態で観察することができる。
【0047】
そして、硬性鏡14の観察下で外科的に病変部100および光源クリップ12を一括的に切除する。すなわち、病変部100は、光源クリップ12が装着された状態で一括的に切除される。このとき、病変部100が一括的に切除されるため、病変部100が生体に存在していたときの形状を切除後であっても容易に認識することができる。この状態でそれぞれ特性が異なる第1ないし第3の光源クリップ12a,12b,12cのLED34a,34b,34cを発光させてその光をCCD素子58で撮像する。すると、病変部100が生体に存在していたときの状態と比較することにより、病変部100が生体に存在していたときの方向を容易に特定することができる。すなわち、切除された光源クリップ12付きの病変部100を確認することにより、病変部100が生体に存在していたときの形状はもとより、病変部100が存在していた方向を容易に認識することができるため、切除・摘出した組織を確認し、病変の取り残しがあった場合でも速やかに追加切除する部位(方向)を把握することが可能になる。また、光源クリップ12は、病変部100とともに一括的に切除されるので、生体に害を及ぼすことが防止される。
【0048】
なお、図示しないが、可視域と近赤外域の波長を有する光を透過させるような特性を備えた光学フィルターを可変フィルター部60に備えていてもよい。そうすると、可視域の観察像を得ることができるとともに、第1ないし第3の光源クリップ12a,12b,12cの位置を一緒に認識することができる。
【0049】
また、光源クリップ12の構成は、図8(A)および図8(B)に示すようなものでも良い。図8(A)に示すように、光源クリップ12の係止部24は、図1(A)に示す光源クリップ12とは反対側に形成されている。この場合、係止部24は、収容ケース26のLED34とは反対側に付勢されている。
【0050】
そして、クリップアプリケータ72の管状体74の先端部側には、LED34よりも収容ケース26が近接するように複数の光源クリップ12が並べられている(図示せず)。
【0051】
次に、図8(C)に示す大腸300に病変部100が存在する場合の作用について説明する。例えば体の前面側(腹腔側)の領域αに病変部100が存在せず、背側の領域βに病変部100が存在するものであるとする。
【0052】
光源クリップ12は、図8(D)に示すように、大腸300の内部の粘膜に経肛門的に挿入された内視鏡66の処置具挿通チャンネル70に配設されたクリップアプリケータ72を用いて係止されて留置される。この光源クリップ12のLED34を発光させると、病変部100に対して対向する領域α側の壁部が照明される。その照明された壁部を透過した波長の光を硬性鏡14のCCD素子58で撮像する。LED34の光をモニター上に可視化することによって、病変部100が同定される。このため、病変部100が大腸300内の硬性鏡14の挿入部50の先端部に近接する側に存在している場合だけでなく、離隔する側に存在している場合であっても、大腸300の壁部を透過する光を撮像し、その光を実像とともに表示することによって、容易に病変部100の位置を大腸300の外部から視認することができる。すなわち、病変部100の位置を硬性鏡14を用いて容易に同定することができる。
【0053】
なお、この実施の形態では、異なる種類のLED34を備えた複数の光源クリップ12を用いて処置を行なうことを説明したが、用いる光源クリップ12は1つであったり、同一種類のLED34を備えた光源クリップ12を用いても良い。
【0054】
以上説明したように、この実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムによれば、以下の効果が得られる。
臓器の病変部100の近傍に挿入部68の先端部68aを導入した内視鏡66の処置具挿通チャンネル70にクリップアプリケータ72を挿入した状態で、クリップアプリケータ72を用いて光源クリップ12を容易に臓器の病変部100の周囲に留置することができる。
【0055】
可視域に比べて臓器の壁部を透過し易い近赤外域の波長を有する光源クリップ12のLED34を臓器の内部で発光させ、その光を臓器の外部で硬性鏡14のCCD素子58を用いて撮像することができる。このため、近赤外域の光を画像処理装置によって画像処理して、可視域の実像と重ね合わせて表示することで、病変部100の位置を臓器の外側から容易かつリアルタイムに認識することができる。すなわち、病変部100の位置を容易に同定することができる。また、元々、内視鏡下外科手術で使用する硬性鏡14およびカメラヘッド52にこのような撮像機能を持たせているため、病変部100を同定するための他の装置を必要としないので、手術室のスペースを有効に使うことができる。このため、安価な構成で病変部100を同定することができる。
【0056】
そうすると、硬性鏡14の観察画像を確認するだけでリアルタイムで病変部100を同定可能な安価かつ簡易的な外科手術用病変部同定システムを提供することができる。
【0057】
次に、第2の実施の形態について図9および図10を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例であるので、第1の実施の形態で説明した部材と同一の部材については同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。以下、第3ないし第9の実施の形態でも同様である。
【0058】
図9(A)に示すように、この実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムの光源マーカー(光源クリップ)12’は、第1の実施の形態で説明した光源クリップ12とは、係止部24および収容ケース26の形状が異なる。収容ケース26の内部の構成は、第1の実施の形態で説明した構成と同じである。
【0059】
光源マーカー12’のLED34は、半球状に形成されている。LED34の中心と収容ケース26の中心とは同一軸上に配置され、LED34の直径は、収容ケース26の直径よりも大きく形成されている。
また、係止部24は、以下のように構成されている。LED34と収容ケース26との間の段差には、メッシュ状部材112が配設されている。収容ケース26の外周面には、ネジ部114が形成されている。メッシュ状部材112は、収容ケース26の外周に配設され、円盤状のフランジ部116を有するナット118によってネジ部114にネジ留めされている。
【0060】
次に、図9を用いてこの実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムを用いて病変部100にメッシュ状部材112を有する光源マーカー12’を留置する作用について説明する。
図9(B)に示すように、内視鏡66の処置具挿通チャンネル70の先端部から生体適合性接着剤散布カテーテル120を導出し、例えば消化管壁124の病変部100の近傍に配置した光源マーカー12’のメッシュ状部材112に向けて生体適合性接着剤120aを散布する。すると、光源マーカー12’は、メッシュ状部材112とともに生体の粘膜に接着される。このとき、接着剤120aをメッシュ状部材112の外周縁部のみに散布しても良く、メッシュ状部材112の全体に散布しても良い。
【0061】
この状態で光源マーカー12’のLED34を発光させると、第1の実施の形態の図8(C)に示す大腸300に病変部100が存在する場合について説明した作用と同様な作用が得られる。
【0062】
なお、図示しないが、消化管壁(病変部100)にLED34を当接させた場合、第1の実施の形態の図6(B)および図7に示すような光源クリップ12と観察手段(硬性鏡14)との位置関係で病変部100が存在する場合について説明した作用と同様な作用が得られる。第1の実施の形態では病変部100の近傍に光源クリップ12を留置するようにしたが、ここでは、病変部100の上側に光源マーカー12’を留置することができる。このため、硬性鏡14を用いて観察したとき、光源マーカー12’のLED34からの光の位置を病変部100として同定することができる。
【0063】
また、この実施の形態では、メッシュ状部材112を用いることを説明したが、メッシュ状部材112でなく、接着剤120aが浸透するようなシート状部材を用いることができる。
【0064】
なお、この実施の形態では、LED34が発光したときの光の方向(光路)は、半球状のLEDの径方向であるが、図10(A)に示すように、光路が直進するようにLED34を構成しても良い。すなわち、直進性を有するLED34を使用しても良い。また、その他、図10(B)に示すように、凹凸により光が拡散するようにLED34の外表面を砂地に構成しても良い。LED34の光の拡散度合や、光の直進性は、病変部100と硬性鏡14との位置関係や病変位置の検出精度によって適宜に設定することができる。
【0065】
次に、第3の実施の形態について図11ないし図14を用いて説明する。
図11(A)に示すように、第1の実施の形態で説明したマーカーとしての光源クリップ12の代わりに、ループ状光源マーカー130を用いる。ループ状光源マーカー130は、筒状のホルダー132と、このホルダー132の内部に装着された光源部22と、ホルダー132に装着され、光源部22からの光をホルダー132の外部に導出するループ状光源導出部134とを備えている。
【0066】
ループ状光源導出部134は、ホルダー132の先端部でカシメられて保持される筒状のライトガイド口金136と、この口金136の内孔に両端部が配設された状態で装着され、口金136からループ状に延出されたループ状光源としてライトガイド138とを備えている。すなわち、口金136は、ホルダー132の先端部側では、第1のカシメ部140aによりホルダー132に固定されている。
【0067】
光源部22は、ホルダー132の基端部側では、第2のカシメ部140bによりホルダー132に固定されている。具体的には、光源部22の収容ケース26の外周が第2のカシメ部140bにより固定されている。
【0068】
光源部22と、ループ状光源導出部134とが配置された中間位置のホルダー132には、第3のカシメ部140cが形成されている。このため、第3のカシメ部140cにより、光源部22とライトガイド138の両端部との間の距離が規定されている。光源部22で発光した光は、この規制距離で端部138aに集光するように設計されている。したがって、常にライトガイド138の端部138aから強い光が効率的にライトガイド138に導入される。導入された光の一部はライトガイド138から漏れ出すように、ライトガイド138のファイバーの一端面が剥き出しにされている。
【0069】
光源部22は、電力供給手段と、電力供給手段による電力の供給により発光する発光手段と、これら電力供給手段および発光手段を収容する有底円筒状の収容ケース26とを備えている。収容ケース26のLED34に対して離隔した位置(有底部)には、鉗子144(図13(C)参照)により保持される例えば平板状の保持部146が収容ケース26に一体的に設けられている。
【0070】
図12(A)に示すように、収容ケース26の内部構造は、概略的には、受信手段と、変換回路148と、発光素子(LED)34とを備えている。図12(B)に示すように、受信手段は、受信用コイル150を備えている。受信用コイル150には、体外の送信手段(送信用コイル)152により磁場の変化が与えられる。そうすると、受信用コイル150には、交流電流が生じる。この受信用コイル150から変換回路148に交流電流が流れ、変換回路148によって受信用コイル150で生じた交流電流が直流電流に変換される。このため、LED34が直流電流により発光する。
【0071】
図13(A)および図13(B)に示すように、この実施の形態で使用される内視鏡66の挿入部68には、第1および第2の処置具挿通チャンネル(図示せず)が形成されている。この挿入部68の先端部68aのレイアウトを図13(A)に示す。先端部68aには、対物レンズ154と、1対の照明レンズ156と、第1および第2のチャンネルにそれぞれ連通された第1および第2の鉗子出口158a,158bとが形成されている。図13(B)に示すように、第1の鉗子出口158aが連通された第1のチャンネルには、鉗子144が配設される。第2の鉗子出口158bが連通された第2のチャンネルには、例えば内視鏡用クリップ装置160が配設される。
【0072】
次に、図14を用いてこの実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムを用いて病変部100にループ状光源マーカー130を留置する作用について説明する。
図13(C)に示すように、予め体外で鉗子144で光源部22の保持部146を保持した状態で体内に挿入し、図14(A)に示すように、病変部100の周囲を取り囲むようにループ状光源マーカー130を配置する。もちろん、ループ状光源マーカー130の外径が処置具挿通チャンネルの径よりも小さく挿通可能な場合は、手元側の鉗子口(図示せず)よりループ状光源マーカー130を保持しつつ挿入しても良い。
【0073】
この状態を保持しつつ図13(B)に示す内視鏡用クリップ装置160を用い、図14(A)に示すように、クリップ160aでライトガイド138を挟み込むとともにそのクリップ160aを粘膜に係止する。そして、ライトガイド138を複数のクリップ160aで挟み込むとともに各クリップ160aを粘膜に係止することにより、ループ状光源マーカー130が病変部100を取り囲むように固定される。
【0074】
そして、送信用コイル152を用いて光源部22の受信用コイル150に例えば磁場の変化を与えることにより、LED34が発光する。LED34の光は、ライトガイド138の端部からライトガイド138の内部に導入される。ライトガイド138に導入された光の漏れ光により、ライトガイド138が発光する。
【0075】
例えば大腸300は、薄い組織で形成されているので、硬性鏡14のCCD素子58で大腸300の外表面の実像とともにライトガイド138からの発光光を撮像可能である。そうすると、図14(B)に示すように、ループ状のライトガイド138の発光位置とともに大腸300の外表面の実像が硬性鏡14に接続された画像処理装置を介してモニター80に表示される。
【0076】
なお、近赤外域の波長を有する光を発光するLED34を使用すれば、例えば大腸300などの薄い組織だけでなく、大腸300の組織よりも厚い組織に存在する病変部100を同じようにして同定することができる。
【0077】
次に、第4の実施の形態について図15ないし図17を用いて説明する。
図15(A)に示すように、第1の実施の形態で説明したマーカーとしての光源クリップ12の代わりに、蛍光体マーカー212を用いる。蛍光体マーカー212は、蛍光物質(蛍光体)214が封入された透明なカプセル部材216と、カプセル部材216に蓋をするためのキャップ218と、キャップ218に接続されたリング220とを備えている。蛍光物質214としては、例えばリボフラビン(ビタミンB2)、チアミン(ビタミンB1)、NADH、FMN、ICGなどが使用される。
【0078】
ここで、図15(B)には、蛍光物質214の1つであるICGを励起させるのに必要な励起光と、励起光により励起されたICGの蛍光との特性を重ね合わせて示す。図15(B)中の縦軸は光量であり、横軸は波長である。波長が765nm程度の励起光(可視域の波長を有する光)をICGに照射すると、波長830nm程度の蛍光が発光される。
【0079】
図16(A)には、硬性鏡14から導出される照明光の特性を示す。図16(A)に示すように、硬性鏡14の照明光は、ICGを励起するのに必要な波長765nmを有する光を含む。このため、通常用いられる硬性鏡14の光源を蛍光物質214であるICGの励起光とすることができる。
【0080】
図16(B)には硬性鏡14の可変フィルター部60(図2(C)参照)の第1および第2の光学フィルター(図示せず)の特性を重ね合わせた状態で示す。第1の光学フィルターは、例えば380nm〜730nmの波長を有する光を透過させる特性(領域V)を有する。このため、第1の光学フィルターは、ほぼ可視域の波長の光を透過可能である。
第2の光学フィルターは、例えば780nm以上の波長を有する光を透過させる特性(領域VI)を有する。このため、第2の光学フィルターは、近赤外域の波長の光を透過可能である。このとき、第1の光学フィルターの透過度に比べて、第2の光学フィルターの透過度が大きくなるように可変フィルター部60が形成されている。
【0081】
次に、図17を用いてこの実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムを用いて病変部100にクリップ160aに引っ掛けられた蛍光体マーカー212を留置する作用について説明する。図17(B)中の領域Xは、大腸の内部側であり、領域Yは腹腔側である。これは、図22および図23(B)でも同様である。
【0082】
図17(A)に示すように、内視鏡用のクリップ160aに蛍光体マーカー212のリング220を引っ掛けた状態でクリップ装置160を用いてクリップ160aを処置具挿通チャンネル70を通し、図17(B)に示すように、病変部100の近傍でクリップ160aを生体の粘膜に係止して留置する。そうすると、蛍光体マーカー212が生体に留置された状態となる。
【0083】
蛍光体マーカー212に硬性鏡14の光源(照明光学系)から励起光を含む照明光(図16(A)参照)を照射すると、蛍光物質214が励起されて蛍光が発光する。このため、硬性鏡14の光源により例えばICGなどの蛍光物質214が励起されると、ピーク波長が830nmの蛍光が放出されて大腸300の外部の硬性鏡14の可変フィルター部60を通してCCD素子58に選択的に撮像される。
【0084】
次に、第5の実施の形態について図18および図19を用いて説明する。この実施の形態は、第4の実施の形態の変形例であって、第4の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図18(A)に示す蛍光体マーカー212のリング220は、径方向に伸縮可能(弾性変形可能)なゴム材で形成されている。
【0085】
一方、図18(B)および図18(C)に示すように、蛍光体マーカー212を病変部100の近傍に留置するための内視鏡66の挿入部68の先端部68aには、フード224が装着されている。このフード224の先端部の一部には、切欠部226が形成されている。
【0086】
フード224のさらに外周には、フード224に対して摺動可能な管状体228が配設されている。この管状体228がゴム材製のリング220をフード224から脱落するように押圧すると、リング220がフード224の外周面から外されるとともに縮径される。
【0087】
次に、図19を用いてこの実施の形態に係る外科手術用病変部同定システムを用いて病変部100に蛍光体マーカー212を留置する作用について説明する。
図19(A)に示すように、内視鏡66の挿入部68の先端部68aで生体の粘膜302を吸引する。すると、粘膜302が挿入部68の先端部68aに向かって変形されながらフード224の内部に吸引される。この状態で管状体228を移動させてリング220をフード224の外周面から取り外すと、図19(B)に示すように、弾性変形によりゴムリング220が縮径されて病変部100の近傍の粘膜302を縛った状態となる。同様にして、図19(C)に示すように、異なる特性を有する蛍光物質214を含有した蛍光体マーカー212を病変部100の周囲に取り付ける。このため、蛍光体マーカー212の蛍光物質214を励起させて各蛍光体マーカー212からそれぞれ異なる波長λ1,λ2,λ3,λ4を有する蛍光を放出させると、硬性鏡14により病変部100の位置が認識(同定)される。
【0088】
次に、第6の実施の形態について図20を用いて説明する。
図20に示すように、第1の実施の形態で説明した内視鏡用のクリップ160aの基部160bの外周面には、蛍光物質214が樹脂に混入されて塗布されている。すなわち、クリップ160aは、蛍光体マーカーとしての機能を有する。樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリサルホン等が使用される。蛍光物質214は、第4の実施の形態で使用した蛍光物質214と同様のものが用いられる。蛍光物質214は、第4の実施の形態で説明したように、例えば硬性鏡14の光源により励起されて所定の波長を有する蛍光を発する。
【0089】
クリップ160aの作用は、第4の実施の形態の作用と同じである。クリップ160a自体に蛍光物質214が塗布してあるので、図17(A)に示すように、クリップ160aにマーカーを引っ掛けるなどの準備も必要なく、極めて容易に用いることが可能である。
【0090】
次に、第7の実施の形態について図21を用いて説明する。この実施の形態は、第6の実施の形態の変形例であって、第6の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図21に示すように、内視鏡用クリップ160aの基部160bの外周面には、例えば複数の溝160cが形成されている。これら溝160cには、蛍光物質214が配設されている。この状態の基部160bは、透明な熱収縮チューブ232でカバーされている。熱収縮チューブ232は、所定の温度の熱を加えると収縮するチューブである。このため、蛍光物質214は、熱収縮チューブ232により溝160cに封じ込められている。
蛍光体マーカーとしてのクリップ160aの作用は、第6の実施の形態の作用と同じである。クリップ160a自体に蛍光物質214が配設されているので、クリップ160aに引っ掛けるなどの準備も必要なく、極めて容易に用いることが可能である。
【0091】
次に、第8の実施の形態について図22を用いて説明する。
図22に示すように、軟性内視鏡68の観察下で局注針240を用いて粘性物質であるヒアルロン酸ナトリウムに蛍光物質214を混入してその液体を病変部100の近傍の粘膜下302に注入する。この状態で硬性鏡14の光源を用いて蛍光物質214を励起させるとともに、蛍光物質214から発せられた蛍光を硬性鏡14のCCD素子58で撮像する。以下の作用は第4の実施の形態と同じである。
【0092】
次に、第9の実施の形態について図23を用いて説明する。この実施の形態は、第8の実施の形態の変形例であって、第8の実施の形態で説明した部材と同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
この実施の形態では、第8の実施の形態で説明したヒアルロン酸ナトリウムに蛍光物質214を混入したものを局注針240を用いて粘膜302に注入する代わりに、ビーズ状の蛍光物質214が封入された蛍光玉250を生体の粘膜302を一部切開して粘膜下に蛍光玉アプリケータ252を用いて導入する。この状態で第8の実施の形態で説明したように、蛍光を励起させる。
【0093】
蛍光玉250を生体の粘膜下に導入する蛍光玉アプリケータ252は、管状体254と、プッシャー256とを備えている。管状体254は、内視鏡66の処置具挿通チャンネル70に挿通可能な外径を有する可撓管258と、可撓管258の基端部に配設されたグリップ260とを備えている。可撓管258の先端部の内周面は、蛍光玉250の勝手な脱落を防止するため、蛍光玉250の大きさに合わせた波形を有する。プッシャー256は、先端部に蛍光玉押圧部261が配設され、可撓性を有する可撓ワイヤ262と、可撓ワイヤ262の基端部に接続された回転体264とを備えている。
【0094】
グリップ260の内周面には、雌ネジ部266が形成されている。回転体264の外周面には、雄ネジ部268が形成されている。このため、回転体264を回転させると、グリップ260に対して回転体264が挿脱される。そうすると、可撓ワイヤ262の蛍光玉押圧部261が可撓管258に対して挿脱されて蛍光玉250が可撓管258の先端部から脱落される。
【0095】
このようにして例えば生体の粘膜302の一部を切開し、粘膜下に蛍光玉250を入れる。そうすると、第8の実施の形態で説明した作用と同じ作用が得られる。
なお、接着剤を用いて蛍光玉250を病変部100に接着しても同様の作用・効果が得られる。
【0096】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
【0097】
[付記]
(付記項1) 電力供給手段と、
前記電力供給手段による電力の供給により発光する発光手段と、
前記発光手段を体内に留置・固定する固定手段と、
前記発光手段の光を検出する外科手術用の内視鏡と
を具備することを特徴とする外科手術用病変部同定システム。
【0098】
(付記項2) 前記発光手段により発光する光の波長は、780nmないし1300nmの少なくとも一部を有することを特徴とする付記項1に記載の外科手術用病変部同定システム。
【0099】
(付記項3) 前記発光手段は、LEDを有することを特徴とする付記項2に記載の外科手術用病変部同定システム。
【0100】
(付記項4) 前記発光手段は、それぞれ所定の複数の色に発光可能に複数設けられていることを特徴とする付記項1ないし付記項3のいずれか1に記載の外科手術用病変部同定システム。
【0101】
(付記項5) 前記内視鏡は、前記発光手段により発光する光の波長に合わせて切り替え可能なバンドパスフィルターを有することを特徴とする付記項1ないし付記項4のいずれか1に記載の外科手術用病変部同定システム。
【0102】
(付記項6) 前記電力供給手段は、前記発光手段と一体的に形成された小型バッテリーを有することを特徴とする付記項1ないし付記項5のいずれか1に記載の外科手術用病変部同定システム。
【0103】
(付記項7) 前記発光手段は、前記発光手段の外部から磁界の変化を加えると発電する発電素子を内部に有することを特徴とする付記項1ないし付記項6のいずれか1に記載の外科手術用病変部同定システム。
【0104】
(付記項8) 前記発光手段は、生体適合性を有する接着剤により固定される固定部を有することを特徴とする付記項1ないし付記項7のいずれか1に記載の外科手術用病変部同定システム。
【0105】
(付記項9) 経鼻的、経口的または経肛門的に第1の内視鏡を挿入し、
前記第1の内視鏡を用いて前記発光手段を病変部近傍に導き、
前記発光手段を生体の粘膜に固定し、
第2の内視鏡を用いて前記病変部を有する臓器を外側から観察し、
前記発光手段に電力を供給して光を発光させ、
前記第2の内視鏡で前記臓器の組織を透過した発光手段の光を検出し、
前記発光手段の光を確認しながら手術を進める、
病変位置を検出する方法。
【0106】
(付記項10) 所定の波長の励起光が照射されると所定の波長の光を発光する蛍光体を有する蛍光体マーカーと、
前記蛍光体マーカーを体内に留置・固定する固定手段と、
前記蛍光体マーカーの蛍光体を励起させる光源を有し、前記蛍光体から発光する光を検出する内視鏡と
を具備することを特徴とする外科手術用病変部同定システム。
【0107】
(付記項11) 前記蛍光体は、リボフラビン、チアミン、NADH、FMN、ICGの少なくとも1つを有することを特徴とする付記項10に記載の外科手術用病変部同定システム。
【0108】
(付記項12) 経鼻的、経口的または経肛門的に第1の内視鏡を挿入し、
前記第1の内視鏡を用いて前記蛍光体マーカーを病変部近傍に導き、
前記蛍光体マーカーを生体の粘膜に固定し、
第2の内視鏡を用いて前記病変部を有する臓器を外側から観察し、
前記蛍光体マーカーの蛍光体に励起光を照射して所定の波長を有する光を発光させ、
前記第2の内視鏡で前記臓器の組織を透過した前記蛍光体から発して所定の波長を有する光を検出し、
前記所定の波長を有する光を確認しながら手術を進める、
病変位置を検出する方法。
【0109】
(付記項13) 内視鏡の処置具挿通チャンネルを経由して局注針により蛍光体を生体の粘膜下に注入し、
臓器の外部から前記蛍光体に励起光を照射し、
前記励起光により発光し、臓器を透過した光を検出する
病変位置を検出する方法。
【0110】
(付記項14) 前記蛍光体に、粘性を有する流体を混ぜることを特徴とする付記項13に記載の方法。
【0111】
(付記項15) 前記粘性を有する流体は、ヒアルロン酸ナトリウムであることを特徴とする付記項14に記載の方法。
【符号の説明】
【0112】
12…光源クリップ、12a…第1の光源クリップ、12b…第2の光源クリップ、12c…第3の光源クリップ、14…硬性鏡(内視鏡)、34…LED、34a…第1のLED、34b…第2のLED、34c…第3のLED、80…硬性鏡用モニター、100…病変部、200…肺

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体内で発光可能な光源部と、前記光源部を生体内に留置・固定する固定手段とを有する光源マーカーと、
体内に挿入される挿入部を有する内視鏡と、
前記内視鏡の観察像から前記光源部で発光した光を少なくとも生体の壁部を通して検出し、前記光源マーカーの留置位置を認識可能な認識手段と
を具備することを特徴とする外科手術用病変部同定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−201178(P2010−201178A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−96466(P2010−96466)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【分割の表示】特願2004−30509(P2004−30509)の分割
【原出願日】平成16年2月6日(2004.2.6)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】