説明

光源モジュール、及びそれを備えた電子機器

【課題】サイドエッジ型導光板における複数に分割した導光体を独立に点灯させながら、配線領域を小さくして薄型化を図り得る光源モジュール及び電子機器を提供する。
【解決手段】光源モジュールは、複数の導光体21と、各導光体21における長手方向の少なくとも一方の側端面から光を入射させる複数個の光源30と、光源30が配置された略矩形の光源配線基板32と、光源30を駆動するためのLEDドライバ回路40とを備える。複数個の光源30は、複数のLEDブロック34に区分されて光源配線基板32上にそれぞれ一直線状に配置されている。各LEDブロック34では、複数の光源30は電気的に並列接続された複数のLEDサブブロック33を構成していると共に、隣接するLEDサブブロック33同士は電気的に直列接続されている。LEDドライバ回路40は、各光源30をLEDブロック34毎に独立駆動可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば液晶表示装置において、薄型化を図るために、光源からの光を導光板によって面状に出射させるサイドエッジ(サイドライトともいう)型導光板を備えたバックライトに用いられる光源モジュール、及びそれを備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置においては、薄型化を図るために、光源からの光を導光板によって面状に出射させるサイドエッジ(サイドライトともいう)型導光板を備えたバックライトが多用されている。
【0003】
このようなサイドエッジ型導光板として、例えば特許文献1に開示された照明装置がある。上記特許文献1に開示された照明装置100は、図19(a)(b)(c)に示すように、一列に配列された複数の導光体111からなる導光板110と、導光板110の導光体111毎に設けられかつ導光体111に対して光を照射する複数の光源101とを有している。上記光源101は、1個の赤色LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)101Rと、2個の緑色LED101Gと、1個の青色LED101Bとからなっている。
【0004】
また、導光板110の下側には、反射シート102が設けられている。そして、隣り合う導光体111間に0.1μm以上の空気層からなる隙間103を形成している。
【0005】
このように、サイドエッジ型導光板を複数ブロックに分割して点灯する構成となっている。
【0006】
また、特許文献2においては、映像の残像感を抑え、動画性能を向上させるために、バックライトである光源モジュールを複数ブロックに分割し、映像信号の書き換えに同期してバックライトを画面の上部から下部に順次消灯してゆく「バックライトスキャン」と呼ばれる技術が開示されている。
【0007】
さらに、特許文献3においては、液晶表示装置のコントラストを高めて表示性能を向上させるため、バックライトである光源モジュールを複数ブロックに分割し、映像の暗い部分に対応する光源ブロックの輝度を落とし、明るい部分に対応する光源ブロックの輝度を高めるようにして、その輝度分布に合わせて映像信号の輝度を補正する「ローカルディミング」と呼ばれる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−34372号公報(平成20年2月14日公開)
【特許文献2】特開2007−108288号公報(平成19年4月26日公開)
【特許文献3】特開2007−293339号公報(平成19年11月8日公開)
【特許文献4】特開2007−128821号公報(平成19年5月24日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上記従来のサイドエッジ型導光板を複数ブロックに分割して、各LEDブロックを独立駆動する場合、図20(a)(b)に示すように、各導光体に対応する各LEDブロック201のアノード側及びカソード側をそれぞれ独立に引き出す必要がある。
【0010】
しかしながら、上記従来の光源モジュールでは、ブロック個数をNとすると、2N本の配線が必要となる。すなわち、従来のLED光源モジュールの場合、LED基板220上の配線領域を確保するために、導光板端面側に配置したLED基板220の幅が、LED231の大きさに加え、2N本の引き出し配線領域の分だけ広くなる。このため、配線領域を確保するために、導光体側面に配置したLED基板220の幅が広くなり、光源モジュールとしてのLEDバックライト及びそれを備えた電子機器としての例えば液晶表示装置又はテレビを薄型化することができないという問題を有している。
【0011】
尚、サイドエッジ型導光板において導光板を複数ブロックに分割しない場合には、例えば、特許文献4に示すように、2系統による2×2本の配線にて複数のLEDを直列に接続することによって、光源モジュールの薄型化を図ることが可能である。
【0012】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、サイドエッジ型導光板における複数に分割した導光体を独立に点灯させながら、配線領域を小さくして薄型化を図り得る光源モジュール、及びそれを備えた電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の光源モジュールは、上記課題を解決するために、長手方向に対して並列に配置された導光体と、上記導光体における長手方向の少なくとも一方の側端面から光を入射させる複数個の光源と、上記光源が配置された略矩形の光源配線基板と、上記光源を駆動するための光源駆動回路とを備えた光源モジュールにおいて、上記複数個の光源は、複数のブロックに区分されて上記光源配線基板上にそれぞれ一直線状に配置されており、上記各ブロックでは、上記複数の光源は電気的に並列接続された複数のサブブロックを構成していると共に、隣接するサブブロック同士は電気的に直列接続されており、上記光源駆動回路は、上記各光源をブロック毎に独立駆動可能となっていることを特徴としている。
【0014】
上記の発明によれば、光源モジュールは、サイドエッジ(サイドライトともいう)型の光源モジュールとなっている。そして、本発明では、各導光体の少なくとも一方の側端面に設けられた各光源は、光源駆動回路によってそれぞれ独立にブロック毎に独立に点灯駆動される。
【0015】
このような光源モジュールにおいては、各導光体に対応する各光源のアノード側及びカソード側をブロック毎にそれぞれ独立に引き出す必要がある。しかしながら、従来の光源モジュールでは、光源の個数をNとすると、2N本の配線が必要となる。このため、配線領域を確保するために、導光体側面に配置した光源配線基板の幅が広くなり、光源モジュール及びそれを備えた電子機器を薄型化することができないという問題を有している。
【0016】
そこで、本発明では、複数個の光源は、複数のブロックに区分されて上記光源配線基板上にそれぞれ一直線状に配置されており、上記各ブロックでは、上記複数の光源は電気的に並列接続された複数のサブブロックを構成していると共に、隣接するサブブロック同士は電気的に直列接続されている。
【0017】
このため、光源配線基板における光源駆動回路への引き出し線のうち、光源駆動回路に最も近いブロックでは、ブロックの幅内に引き出し線を配設できることになる。この結果、1本はブロックを迂回して配線する必要が無くなる。したがって、光源配線基板の高さは、各光源の大きさと2N−1本の引き出し配線領域により決定される。これにより、従来の配線方式と比較して1本の引き出し配線領域を削減し、光源配線基板の幅を狭めて、光源モジュールを薄型化することができる。
【0018】
したがって、サイドエッジ型導光板における複数に分割した導光体を独立に点灯させながら、配線領域を小さくして薄型化を図り得る光源モジュールを提供することができる。
【0019】
本発明の光源モジュールでは、前記各光源に接続される前記光源配線基板上の配線のうち、少なくとも2組のブロックにおける高電位側の配線が共通配線とされていることが好ましい。具体的には、例えば、各光源における少なくとも2組のブロック毎の光源のアノード配線及びカソード配線のうちのアノード配線を共通配線とすることができる。
【0020】
これにより、光源配線基板における配線本数を削減し、光源配線基板の幅を狭めて、光源モジュールを薄型化することができる。
【0021】
したがって、サイドエッジ型導光板における複数に分割した導光体を独立に点灯させながら、配線領域をさらに小さくして薄型化を図り得る光源モジュールを提供することができる。
【0022】
本発明の光源モジュールでは、前記光源配線基板上に配置される前記各光源の電極の向きが全て同一であることが好ましい。例えば、各光源の高電位側電極が光源配線基板の下側に存在し、各光源の低電位側電極が光源配線基板の上側に存在する場合をいう。
【0023】
これにより、各光源の電極の向きが違う場合と比較して、光源配線基板への各光源の実装が容易になる。
【0024】
本発明の光源モジュールでは、前記各光源は、前記光源配線基板の短手方向に非対称な位置に配置されていることが可能である。
【0025】
これにより、光源駆動回路への引き出し線を光源配線基板の短手方向の片側に寄せることが可能となる。したがって、光源配線基板上の配線が引き回し易くなると共に、光源やコネクタのレイアウトの自由度が高くなる。
【0026】
本発明の光源モジュールでは、前記光源配線基板上における各光源の高電位側電極と低電位側電極との配置方向は、上記光源配線基板の短手方向に沿っていることが好ましい。
【0027】
これにより、光源配線基板の長手方向の撓みに対する光源配線基板と光源との実装信頼性を高めることができる。
【0028】
本発明の光源モジュールでは、前記光源配線基板は、前記導光体における長手方向の両方の側端面において、複数の導光体に跨がる第1導光体群用基板と第2導光体群用基板とに分けてそれぞれ設けられていると共に、上記第1導光体群用基板同士及び第2導光体群用基板同士は、並列に配置された複数の導光体を挟んで互いに襷がけに配置されていることが好ましい。
【0029】
本発明では、光源配線基板は、導光体における長手方向の両方の側端面にそれぞれ設けられている。この場合、各光源配線基板は、複数の導光体に跨がる第1導光体群用基板と第2導光体群用基板とに分けて設けられている。
【0030】
これにより、光源配線基板が第1導光体群用基板と第2導光体群用基板とに分かれると共に、それぞれの配線は、光源駆動回路に接続される。
【0031】
ところで、大画面の液晶表示装置においては、表示画面の一辺の長さが500mmを超えることがある。このような液晶表示装置のバックライト光源に用いる光源配線基板は、標準的な基板製造装置で作製可能な基板サイズを超えるため、1枚の光源配線基板で賄うことができず、2枚に分割する必要がある。その場合、光源モジュール1台につき、光源配線基板は導光体の長手方向両端に2枚の計4枚必要になり、光源配線基板の設計及び部材の管理が煩雑となってしまう。
【0032】
そこで、本発明のように、第1導光体群用基板と第2導光体群用基板との2種類の光源配線基板を2組用意して、それらを導光体の長手方向両端で互いに逆に配置し、向かい合わせて襷がけ配置とすることにより、4枚の光源配線基板を2枚ずつ共用化することができる。したがって、光源配線基板の設計及び部材管理費用を削減し、価格を低減することができる。
【0033】
本発明の光源モジュールでは、前記第1導光体群用基板及び第2導光体群用基板には、長手方向の一方の端部に、前記光源と前記光源駆動回路との電気的接続を行うコネクタがそれぞれ設けられていることが好ましい。
【0034】
これにより、光源を構成する複数個の例えばLEDが狭ピッチで配置され、LEDとLEDとの間にコネクタを配置する十分な隙間がないような場合であっても、外部の光源駆動回路と光源とを電気的に接続することが可能である。
【0035】
本発明の光源モジュールでは、前記光源駆動回路は、外部から入力された映像信号の1フレーム周期に同期して、前記並列に配置された複数の導光体に対応する前記光源を順次消灯することが可能である。
【0036】
これにより、本発明の光源モジュールを例えば液晶表示装置のバックライト光源として用いた場合に、映像の残像感を抑え、動画性能を向上させることができる。
【0037】
本発明の光源モジュールでは、前記光源駆動回路は、外部から入力されたPWM(パルス幅変調)調光信号によって、前記光源を独立にPWM調光することができる。
【0038】
これにより、本発明の光源モジュールを例えば液晶表示装置のバックライト光源として用いた場合に、コントラストを高めて表示性能を向上させることができる。
【0039】
本発明の電子機器は、上記課題を解決するために、上記記載の光源モジュールを備えていることを特徴としている。
【0040】
上記の発明によれば、サイドエッジ型導光板における複数に分割した導光体を独立に点灯させながら、配線領域を小さくして薄型化を図り得る光源モジュールを備えた電子機器を提供することができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明の光源モジュールは、以上のように、複数個の光源は、複数のブロックに区分されて上記光源配線基板上にそれぞれ一直線状に配置されており、上記各ブロックでは、上記複数の光源は電気的に並列接続された複数のサブブロックを構成していると共に、隣接するサブブロック同士は電気的に直列接続されており、上記光源駆動回路は、上記各光源を上記複数のブロック毎に独立に駆動可能となっているものである。
【0042】
また、本発明の電子機器は、以上のように、上記記載の光源モジュールを備えているものである。
【0043】
それゆえ、サイドエッジ型導光板における複数に分割した導光体を独立に点灯させながら、配線領域を小さくして薄型化を図り得る光源モジュール、及びそれを備えた電子機器を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】(a)は本発明における光源モジュールの実施の一形態を示すものであって、上記光源モジュールにおける1つのブロック内の配線及びLED配線基板を示す側面図であり、(b)は複数のブロックを配置した場合の配線及びLED配線基板を示す側面図である。
【図2】上記光源モジュールを備えた液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図3】(a)は上記光源モジュールを構成する光源であるLEDの構造を示す側面図であり、(b)は上記LEDの構造を示す正面図である。
【図4】上記光源モジュールを備えた液晶表示装置における一部の構成を示す断面図である。
【図5】(a)は52型の液晶表示装置に適用される上記光源モジュールにおける導光板の構成を示す平面図であり、(a)は52型の場合、(b)は60型の液晶表示装置に適用される上記光源モジュールにおける導光板の構成を示す平面図である。
【図6】(a)は上記光源を構成する複数のLEDを直列接続したものを並列に配線した回路図であり、(b)は上記光源を構成する複数のLEDを並列接続したものを直列に配線した回路図である。
【図7】上記光源モジュールを備えた液晶表示装置における一部の構成を示す断面図である。
【図8】上記光源モジュールを構成する導光体と第1LED基板及び第2LED基板との対応関係を示す配置図である。
【図9】本発明における光源モジュールの他の実施の一形態を示すものであって、光源モジュールを備えた液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。
【図10】上記光源モジュールを備えた液晶表示装置における一部の構成を示す断面図である。
【図11】上記光源モジュールにおける導光板の構成を示す平面図である。
【図12】(a)は上記光源モジュールにおける1つのブロック内の配線及びLED配線基板を示す側面図であり、(b)は複数のブロックを配置した場合の配線及びLED配線基板を示す側面図である。
【図13】(a)は上記光源を構成する複数のLEDを直列接続したものを並列に配線した回路図であり、(b)は上記光源を構成する複数のLEDを並列接続したものを直列に配線した回路図である。
【図14】上記光源モジュールを構成する導光体と第1LED基板及び第2LED基板との対応関係を示す配置図である。
【図15】(a)は上記第1LED基板の構成を示す正面図であり、(b)は上記第1LED基板の構成を示す回路図である。
【図16】上記光源モジュールを構成するLEDドライバ回路の入出力端子及び内部構成を示すブロック図である。
【図17】上記光源モジュールにおいて「バックライトスキャン」を行った場合の垂直同期信号とスキャン信号との関係を示すタイミングチャートである。
【図18】(a)は上記光源モジュールにおいて「ローカルディミング」を行った場合の液晶表示画面垂直方向における原映像信号の明度分布を示す図であり、(b)は上記液晶表示画面垂直方向における補正後光源モジュールの輝度分布を示す図であり、(c)は上記液晶表示画面垂直方向における補正後映像信号の輝度分布を示す図である。
【図19】(a)は従来の光源モジュールの構成を示す平面図であり、(b)は上記光源モジュールの構成を示す正面図であり、(c)は(a)のA−A’線断面図である。
【図20】(a)は従来の光源モジュールにおける1つのブロック内の配線及びLED配線基板を示す側面図であり、(b)は複数のブロックを配置した場合の配線及びLED配線基板を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0046】
本実施の形態のいわゆるバックライトである光源モジュール10Aを備えた電子機器としての例えば液晶表示装置1は、図2に示すように、下から順に、シャーシ2、光源モジュール10A、液晶パネル3及びベゼル4にて構成されている。上記光源モジュール10Aは、反射板としての反射シート11、導光板20、リフレクタ14、光源30、光源配線基板32、ヒートスプレッター15、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)固定フレーム16、拡散板17、及び光学シート群18を備えている。尚、光学シート群18は、本発明においては存在しなくてもよい。
【0047】
本実施の形態では、光源30は複数のLEDからなっている。上記LEDについて、図3(a)(b)に基づいて説明する。図3(a)(b)は、上記LEDの典型的な例である白色発光のLED31における基本的な構造を説明する図である。
【0048】
上記LED31は、LEDパッケージ基板35に搭載された青色LEDチップ36を黄色の蛍光体を有する透明な樹脂37にて封止したものからなっている。LEDパッケージ基板35の裏面には電極38が設けられ、上記電極38によりLED31は電源に接続される。上記LED31では、例えば、光を矢印Aの方向又は矢印Bの方向に出射することができる。本実施の形態では、図3(b)に示すように、1つのLED31に3つの青色LEDチップ36が搭載されている。3つの青色LEDチップ36は、内部で直列に接続されている。LED31の大きさは約3mm角である。尚、本実施の形態におけるLED31は必ずしも白色発光のLEDを用いる必要はなく、その他の色のLEDや、赤・青・緑等の複数色のLEDを組み合わせたものでも構わない。また、LED31に必ず3つの青色LEDチップ36搭載する必要はなく、光源モジュール10Aに要求される仕様等により任意に変更可能である。
【0049】
上記光源30、光源配線基板32及びリフレクタ14は、図4に示すように、導光板20の端部に設けられ、これによって、光源30からの光を導光板20における一方の端面21aに入射し、導光板20の出射面21dから拡散板17及び光学シート群18を通して、液晶パネル3に光を照射するようになっている。このように、本実施の形態の光源モジュール10Aは、サイドエッジ(サイドライトともいう)方式を採用している。
【0050】
本実施の形態の光源モジュール10Aは、図5(a)(b)に示すように、PMMA等の透明樹脂で作られた導光板20を複数の導光体21…に分割して構成し、これら複数の導光体21…を長手方向に対して並列にそれぞれの隙間22を有して配置している。また、本実施の形態では、図4に示す光源30は、各導光体21における長手方向の一方の端面21aと図示しない他方の端面との両方から光をそれぞれ入射させるようになっている。尚、光源30から導光体21への光の入射は、必ずしも一方の端面21aと他方の端面21aとの両方に限らず、一方の端面21aのみからでもよい。すなわち、本発明では、少なくとも一方の端面21aから光を入射させれば足りる。尚、図5(a)は52型の場合の導光板20を示す平面図であり、図5(b)は60型の場合の導光板20を示す平面図である。
【0051】
ところで、本実施の形態では、前述したように、光源30は、図6(a)(b)に示すように、複数のLED31からなっていると共に、これら複数のLED31は前記光源配線基板32に配設された配線を介して各LED31を点灯駆動する光源駆動回路としての後述するLEDドライバ回路40に接続されている。そして、本実施の形態では、各導光体21に設けられた各光源30は、LEDドライバ回路40によってそれぞれ独立に点灯駆動されている。
【0052】
ここで、本実施の形態の光源モジュール10Aでは、図1(a)(b)に示すように、独立に点灯駆動される複数の光源30のグループをブロックとしてのLEDブロック34と定義し、LEDブロック34を構成する光源30をサブブロックとしてのLEDサブブロック33と定義する。LEDブロック34を独立に点灯駆動させるためには、LEDブロック34内の複数のLED31を電気的に直並列接続する必要がある。従来の直並列接続は、図6(a)に示すように、LED31を電気的に直列接続してLEDサブブロック33を構成し、LEDサブブロック33を電気的に並列接続することによりLEDブロック34を構成する方式である。これを以下では「従来の直並列配線方式」と呼ぶ。尚、図6(a)(b)においては、1つのLED31を1つの図記号で表しているが、実際には前述のとおり、1つのLED31には3つの青色LEDチップ36が含まれる。
【0053】
また、LEDブロック34の最も高い電位となるLED31のアノード端子をアノード側、最も低い電位となるLED31をカソード側と定義する。このLEDブロック34を外部のLEDドライバ回路40に接続する場合、アノード側にプラスの電位の配線を接続する一方、カソード側にマイナス電位の配線を接続する必要がある。すなわち、LEDブロック34の個数をNとすると2N本の引き出し配線が必要となる。この結果、引き出し配線領域を確保するために、各導光体21の側面に配置した光源配線基板32の幅が広くなる。この結果、光源配線基板32の幅はLED31の大きさと2N本の外部回路への引き出し配線領域で決定されることとなり、光源モジュール10A及びそれを備えた電子機器としての液晶表示装置1を薄型化することができない。
【0054】
そこで、本実施の形態では、図1(a)及び図6(b)に示すように、LED31を電気的に並列接続してLEDサブブロック33を構成し、LEDサブブロック33を電気的に直列接続することによりLEDブロック34を構成する方式としていると共に、複数個のLED31を光源配線基板32に一直線状に配置している。すなわち、中間電位を接続した「田の字型配線」としている。
【0055】
これにより、図1(b)に示すように、外部のLED駆動回路への引き出し線の1本を、LEDブロック34を迂回することなく、光源配線基板32上に配線することが可能となる。すなわち、図1(b)に示すように、「LEDブロック1」のLEDブロック34の左側の配線Lは、LEDブロック34の高さ方向の幅内に存在しており、LEDブロック34の上側又は下側に配線領域を必要としないものとなっている。
【0056】
この結果、例えば、2つのLEDブロック34を有する光源モジュール10Aの場合、従来の光源モジュールにおけるLED配線方式では、光源配線基板の幅はLEDの大きさと4本の引き出し配線領域とであったのに対し、本実施の形態における光源モジュール10Aの光源配線基板32の幅は、LED31の大きさと3本の引き出し配線領域となる。すなわち、LEDブロック34の個数をNとした場合、光源配線基板32の幅は、LED31の大きさと2N−1本の配線幅となる。この結果、従来のLED配線方式と比較して、外部のLEDドライバ回路40への引き出し配線領域を1本削減し、光源配線基板32の幅を狭めて、光源モジュール10Aを薄型化できる。
【0057】
また、本実施の形態の光源30は、図1(a)に示すように、光源配線基板32に配置するLED31のアノード(A)電極及びカソード(K)電極の向きを全て同一方向としている。この構成により、LED31のアノード(A)電極及びカソード(K)電極の向きが全て同一方向でない場合と比較して、光源配線基板32へのLED31の実装が容易になり、実装向き間違いによる不良発生を無くすことができる。したがって、光源30におけるLED31のアノード(A)電極及びカソード(K)電極の向きを全て同一方向とすることにより、光源モジュール10Aの生産性が向上し、価格を低減することができる。
【0058】
ところで、液晶表示装置1の画面の大きさ及び導光板20の分割数等は仕様によって異なり、それに伴い、要求されるLEDブロック34の数も異なる。
【0059】
そこで、本実施の形態の光源30におけるLEDブロック34は光源配線基板32に複数配置することが可能である。これにより、要求される数のLEDブロック34を光源配線基板32に配置することができる。例えば、液晶表示装置1の画面サイズが52型(対角52インチ相当)であった場合、図5(a)に示すように、7本の導光体21の左右に各1個、全14個の上記LEDブロック34を有しているのに対し、液晶表示装置1の画面サイズが60型(対角60インチ相当)であった場合、図5(b)に示すように、8本の導光体21の左右に各1個、全16個の上記LEDブロック34を配置することができる。このように、LEDブロック数は、適宜変更される。尚、導光体21の1本に対して左右両側に各1つの光源30を配置していたが、本発明においては、導光体21の1本に対して左右両側に各2つの光源30を配置する構成や、導光体21の1本に対して片側のみに光源30を配置する構成等、本発明の趣旨を損なわない範囲で任意の構成をとることが可能である。
【0060】
したがって、液晶表示装置1の画面の大きさ及び導光板20の分割数等の異なる仕様に対応した光源30を提供することができる。
【0061】
また、液晶表示装置1の光源モジュール10Aに要求される輝度に応じて、光源30に要求される全光束値も変わる。その場合は、LEDブロック34を構成するLED31の並列数及び直列数を変更して、LED31の個数を調整し、全光束を所望の値に調整することができる。
【0062】
ところで、サイドエッジ型バックライトにおいて、光源30からの光を効率良く面光源として取り出すために、図7に示すように、光の入射部である導光体21の端面21aと光源30の高さとを揃える必要がある。「従来のLEDの直並列配線方式」においては、図20(a)(b)に示すように、LED基板220に配設された外部のLEDドライバ回路への引き出し配線が、LED基板220の短手方向においてLED231の両側に、少なくとも1本分の配線領域が存在する。そのため、例えば、LED231をLED基板220の短手方向片側に寄せることができない等、LED231のレイアウトに制限が発生する。
【0063】
そこで、本実施の形態では、図1(a)(b)に示すように、LED31の並列接続でLEDサブブロック33を構成し、LEDサブブロック33の直列接続でLEDブロック34を構成する配線方式とすることにより、外部のLEDドライバ回路40への引き出し配線を、図1(b)に示すように、光源配線基板32に配置されている上記LED31に対して、光源配線基板32の短手方向片側に寄せることができる。
【0064】
この結果、LED31を光源配線基板32の短手方向に非対称な位置に配置することが可能となる。具体的には、LED31を光源配線基板32の短手方向片側に寄せることも可能となる。すなわち、光源配線基板32に配置するLED31のレイアウトの自由度が高くなり、導光体21の端面21aと光源30の高さを揃え易くなり、光源30からの光を効率良く面光源として取り出すことができる。
【0065】
ところで、本実施の形態では、例えば、図8に示すように、光源配線基板32は、幅約7mmに対して長さ約350mmと極端な矩形となっており、光源配線基板32は長手方向に撓み易い外形となっている。
【0066】
そこで、本実施の形態では、図1(a)に示すように、光源配線基板32におけるLED31の電極の複数の実装用ランドを、光源配線基板32の短手方向に沿って配置している。つまり、光源配線基板32上における各LED31のカソード側電極及びアノード側電極の配置方向は、光源配線基板32の短手方向に沿っている。
【0067】
これにより、光源配線基板32のLED31における電極の複数の実装用ランドを、光源配線基板32の長手方向に沿って配置した場合と比較して、光源配線基板32の長手方向の撓みによって、LED31の電極部に発生する機械的ストレスを小さくすることができる。したがって、光源配線基板32の長手方向の撓みによるLED31の実装不良が発生することを防止している。
【0068】
また、本実施の形態の電子機器としての液晶表示装置1は、本実施の形態の光源モジュール10Aを備えている。これにより、サイドエッジ型導光板を複数に分割した場合に、配線領域を小さくして薄型化を図り得る光源モジュール10Aを備えた液晶表示装置1を提供することができる。
【0069】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図9〜図18に基づいて説明すれば、以下のとおりである。尚、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0070】
本実施の形態の光源モジュール10Bは、前記実施の形態1の光源モジュール10Aの構成に加えて、光源配線基板32内のアノード側の配線を複数ブロックで共通化した点が異なっており、これによって、さらに配線本数を削減し、基板幅を狭めることが可能となっている。
【0071】
本実施の形態のいわゆるバックライトである光源モジュール10Bを備えた電子機器としての例えば液晶表示装置1は、図9に示すように、下から順に、シャーシ2、光源モジュール10B、液晶パネル3及びベゼル4にて構成されており、光源モジュール10Bは、反射板としての反射シート11、光源30、光源配線基板32、リフレクタ14、導光板20、拡散板17、及び光学シート群18を備えている。尚、光学シート群18は、本発明においては存在しなくてもよい。
【0072】
上記光源30、光源配線基板32及びリフレクタ14は、図10に示すように、導光板20の端部に設けられ、これによって、光源30からの光を導光板20における一方の端面21aに入射し、導光板20の出射面21dから拡散板15及び光学シート群16を通して、液晶パネル3に光を照射するようになっている。したがって、本実施の形態の光源モジュール10Bは、サイドエッジ(サイドライトともいう)方式を採用している。
【0073】
ところで、一般的に、液晶表示装置においては、CRT(Cathode-Ray Tube:陰極線管)表示装置と比較して、動画のボヤケという問題点がある。すなわち、CRT表示装置においては、あるフレームにおける画素の発光期間と、次のフレームにおけるこの画素の発光期間との間に、この画素が発光しない非発光期間があるため、残像感が少ない。これに対して、液晶表示装置1の表示方式はこのような非発光期間がない「ホールド型」であるため、残像感が生じ、この残像感が使用者に動画のボヤケとして認識される。
【0074】
そこで、バックライト型の液晶表示装置においては、バックライトである光源モジュールを複数ブロックに分割し、映像信号の書き換えに同期してバックライトを画面上から下に順次消灯してゆく「バックライトスキャン」と呼ばれる技術が提案されている。これにより、映像の残像感を抑え、動画性能を向上させることができる。
【0075】
また、液晶表示装置においては、バックライトが常に点灯しているため、映像の黒表示部分においても液晶素子から僅かな光が表示面側に漏れ出てくる「黒浮き」と呼ばれる現象が知られている。これにより映像の黒表示部分を完全に暗くすることができず、画像の明暗コントラストが低下するという問題点が存在する。
【0076】
これに対して、バックライト型の液晶表示装置においては、バックライトである光源モジュールを複数ブロックに分割し、映像の暗い部分に対応する光源ブロックの輝度を落とし、明るい部分に対応する光源ブロックの輝度を高めるようにして、その輝度分布に合わせて映像信号の輝度を補正することによって、「黒浮き」を低減できることが知られている。この技術は「ローカルディミング」と呼ばれる。この技術により、液晶表示装置のコントラストを高め、表示性能を向上させることができる。
【0077】
本実施の形態の光源モジュール10Bは、上述のバックライトスキャン又はローカルディミングを行うために、図11に示すように、導光板20を複数の導光体21…に分割して構成し、これら複数の導光体21…を、長手方向に対して並列にそれぞれ隙間22を有して配設している。上記光源モジュール10Bは、画面サイズ68型(対角68インチ相当)の液晶表示装置のバックライト向けであり、1台当たり9本の導光体21を用いている。
【0078】
そして、本実施の形態では、図10に示すように、光源30は、各導光体21における長手方向の一方の端面21aと図示しない他方の端面との両方から光をそれぞれ入射させるようになっている。尚、必ずしも一方の端面21aと他方の端面との両方に限らず、長手方向の一方の端面のみから入射させてもよい。すなわち、本発明では、少なくとも一方の端面21aから光を入射させれば足りる。
【0079】
ここで、本実施の形態では、各光源30は、図12(a)(b)に示すように、複数のLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)31からなっており、これら複数のLED31は光源配線基板32に配設された配線を介して各LED31を点灯駆動する光源駆動回路としてのLEDドライバ回路40に接続されている。そして、本実施の形態では、各導光体21に設けられた各光源30は、LEDドライバ回路40によってそれぞれ独立に点灯駆動されている。
【0080】
本実施の形態の光源30は、例えば、4直列×3並列の回路構成を有し、合計12個のLED31からなっている。直列数及び並列数は、LED31の光学特性や光源モジュール10Bに要求される仕様等により、任意に変更することができる。また、一つの光源モジュール10Bに含まれる複数の光源30…の間で、LED31の種類や個数を変更することも可能である。尚、本実施の形態におけるLED31は例えば白色LEDを用いているが、必ずしもこれに限らず、その他の色のLEDや、赤・青・緑等の複数色のLEDを組み合わせたものでも構わない。
【0081】
本実施の形態の光源モジュール10Bでは、光源30において、複数のLED31を直並列接続した場合の、最も高い電位となるLED31のアノード端子に接続される側をアノード側、最も低い電位となるLED31のカソード端子に接続される側をカソード側、と定義する。この光源30を外部回路に接続して点灯する場合、アノード側にプラス電位の配線を接続する一方、カソード側にマイナス電位の配線を接続する必要がある。すなわち、光源30の1個当たり2本の配線が必要となる。
【0082】
各光源30をそれぞれ独立に点灯駆動するためには、アノード側及びカソード側をそれぞれ独立に引き出す必要があるため、光源30の個数をN(Nは正の整数)とすると2N本の配線が必要となる。この結果、配線領域を確保するために各導光体21の側面に配置した光源配線基板32の幅が広くなり、光源モジュール10B及びそれを備えた電子機器を薄型化することができないという問題を有している。
【0083】
そこで、本実施の形態では、前記実施の形態1と同様に、「田の字型配線方式」を採用して配線本数を1本削減することに加えて、さらに、各光源30における少なくとも2組毎の光源30のアノード配線30a及びカソード配線30bのうちのアノード配線30aを共通配線としている。尚、本実施の形態では、隣接する2組毎の光源30のアノード配線30a及びカソード配線30bのうちのアノード配線30aを共通配線としている。しかし、本発明では、必ずしもこれに限らない。
【0084】
これにより、光源配線基板32における配線本数を実施の形態1よりもさらに削減し、光源配線基板32の幅を狭めて、光源モジュール10Bを薄型化することができるものとなっている。尚、アノード配線30aを共通配線としているのは、アノード配線30aが各光源30の最も高い電位同士が相互に接続されたものとなっているためである。
【0085】
ここで、図12(a)(b)に示す光源配線基板32を用いて配線本数の削減効果を説明する。この光源配線基板32においては、基板上には4つのLEDブロック34が存在する。この場合、各LEDブロック34を独立駆動するためには、2×4=8本の配線本数が必要である。これに対し、「田の字型配線方式」を採用することによって配線は1本減の7本となり、さらに2つのLEDブロック34毎にアノード配線30aを共通化により配線は2本削減し、5本となる。したがって、光源配線基板32の幅はLED31の外形寸法+配線5本分のスペースでよくなり、結果として3本分のスペースが削減できることになる。
【0086】
ところで、本実施の形態では、前述したように、光源30は複数のLED31からなっている。このように、各光源30として複数のLED31を使用する場合、一般的に、LED31は製品の品質バラツキが大きい。このため、それらを直列接続にしたものを並列に配線すると、品質バラツキがより拡大され、各光源30間の輝度差が大きくなる。
【0087】
そこで、本実施の形態では、図12(a)(b)に示すように、光源30は、複数のLED31について、直列接続したものを並列に配線するのではなく、並列接続されたものを直列に接続している。すなわち、中間電位を接続したいわゆる田の字型配線としている。
【0088】
これにより、直列数及び並列数が互いに同じであり、かつ個々の発光ダイオードの品質バラツキが同程度である場合には、直列接続したものを並列に配線したものを使用するよりも、並列接続されたものを直列に接続したものを使用する方が、トータルの品質バラツキが小さくなる。
【0089】
具体的には、図13(a)に示すように、直列数及び並列数が同じで、LED31の順電圧Vのばらつきが同程度である場合、直列接続したものを並列に配線した場合には、トータル電圧Vtotal のばらつきは、順電圧Vのばらつきを加算したものとなる。一方、図13(b)に示すように、並列接続されたものを直列に接続した場合には、並列接続されたLED31の順電圧Vのばらつきは、単品のLED31の順電圧Vにおけるばらつきが平均化等され、単品のLED31の順電圧Vにおけるばらつきよりも小さくなる。
【0090】
簡単のため、LED31の順電流−順電圧特性が単純な比例関係にあるものとすると、図13(b)のように接続されたLED31の1段当たりの順電圧は、単品の順電圧Vの平均値になる。サンプル数Nの平均値の標準偏差は母集団の標準偏差の1/√Nになるため、一つの光源ブロック内の並列数をN=3とすると、図13(b)の場合においては、1段の順電圧VのばらつきδVFbは、図13(a)の場合における単品の順電圧VのばらつきδVFaの1/√N、すなわち、1/√3程度に減少すると考えられる。
【0091】
実際のLED31の順電流−順電圧特性は単純な正比例関係とはならないため、両者の関係は上記説明よりも複雑になるが、基本的な傾向は変わらないと考えられる。
【0092】
したがって、この小さくなった順電圧Vにおけるばらつきを直列に接続した場合のトータル電圧Vtotal のばらつきは、直列接続にしたものを並列に配線した場合のトータル電圧Vtotal のばらつきよりも小さくなることがわかる。
【0093】
そして、この場合、並列接続されたものを直列に配線したものは、各光源30における少なくとも2組毎の光源30のアノード配線30a及びカソード配線30bのうちのアノード配線30aを共通配線としても、光源30毎の電流ばらつきが小さい。したがって、光源30毎の輝度差を小さくすることができる。
【0094】
次に、本実施の形態では、図14に示すように、光源配線基板32は、導光体21における長手方向の両方の端面にそれぞれ設けられており、各光源配線基板32は、複数の導光体21…に跨がる第1導光体群用基板としての第1LED基板32aと第2導光体群用基板としての第2LED基板32bとに分けて設けられている。LEDドライバ回路40は、図示しないが、第1LED基板32aと第2LED基板32bとの対向端面とは反対側の端面側にそれぞれ設けられている。
【0095】
この構成により、光源配線基板32が第1LED基板32aと第2LED基板32bとに分かれと共に、LEDドライバ回路40に接続される。
【0096】
ところで、大画面の液晶表示装置においては、表示画面の一辺の長さが500mmを超えることがある。このような液晶表示装置のバックライト光源に用いる光源配線基板は、標準的な液晶表示装置で作製可能な基板サイズを超えるため、1枚の光源配線基板で賄うことができず、2枚に分割する必要がある。その場合、光源モジュール1台につき、光源配線基板は導光体の長手方向両端に2枚の計4枚必要になり、光源配線基板の設計及び部材の管理が煩雑となってしまう。
【0097】
そこで、本実施の形態のように、第1LED基板32aと第2LED基板32bとの2種類の光源配線基板32を2組用意して、それらを導光体21の長手方向両端で互いに逆に配置し、向かい合わせて襷がけ配置とすることにより、4枚の光源配線基板32を2枚ずつ共用化することができる。したがって、光源配線基板32の設計及び部材管理費用を削減し、価格を低減することができる。
【0098】
尚、本実施の形態では、1つの光源モジュール10Bには9本の導光体21が含まれるため、光源30の数は左右各9個必要になる。これに対応して、第1LED基板32aに5個、第2LED基板32bに4個の光源30が配置されており、液晶表示画面の正面から見て左下・右上に第1LED基板32aが配置され、右下・左上に第2LED基板32bが配置されている。第1LED基板32aと第2LED基板32bとの分割ラインは、液晶表示画面左側では「導光体5」と「導光体6」との間にある一方、液晶表示画面右側では「導光体4」と「導光体5」との間にある。このように、導光体21の数が奇数であっても2種類の光源配線基板32の長さを変えて分割することができる。
【0099】
また、本実施の形態では、図15(a)(b)に示すように、前記光源配線基板32における長手方向の一方の端部に、光源30と前記LEDドライバ回路40との電気的接続のためのコネクタ51を設けている。具体的には、図15(a)(b)に示すように、第1LED基板32aの配線を上記LEDドライバ回路40に接続するためのコネクタ51は、第1LED基板32aにおける右端部の下側に設けられている。一方、図示しないが、第2LED基板32bの配線をLEDドライバ回路40に接続するためのコネクタ51は、第2LED基板32bにおける左端部の下側に設けられている。
【0100】
そのため、先述のように、第1LED基板32aと第2LED基板32bとの各2枚を配置した場合、コネクタ51は液晶表示画面の右上、右下、左上及び左下の各額縁部に、液晶表示画面の背面側を向けて配置されることになる。
【0101】
光源30を構成するLED31は、狭ピッチで多数個配置されているため、LED31とLED31との間にはコネクタ51を配置する十分な隙間がないような場合が多い。上記のように、コネクタ51を液晶表示画面の額縁部に背面側を向けて配置することによって、液晶表示装置1の液晶表示画面の背面側に取り付けられた図示しない光源駆動回路基板と容易に配置し接続することができる。したがって、本実施の形態では、外部のLEDドライバ回路40と光源30とを電気的に容易に接続することができる。
【0102】
また、本実施の形態では、LEDドライバ回路40は、図16に示すように、複数の駆動回路ブロック41からなっている。一個の駆動回路ブロック41は、LEDドライバIC42及び個別部品からなる昇圧型スイッチングコンバータ回路を構成しており、外部から入力された電源電圧を昇圧して前記各光源30を定電流で駆動できるようになっている。
【0103】
本実施の形態では、各駆動回路ブロック41は、2個の光源30を駆動するための電流出力端子43を有している。電流出力端子43のうち低電位側、すなわち各光源30のカソード側に接続される端子は独立であるが、高電位側、すなわち各光源30のアノード側に接続される端子は共通化されている。また、LEDドライバIC42はイネーブル端子44を有しており、外部から信号を入力することによって昇圧スイッチング動作のオン/オフを切り替えることができる。本実施の形態では、各駆動回路ブロック41は、2つのイネーブル端子44を有し、2個の光源30をそれぞれ独立にオン/オフできるようになっている。
【0104】
上記構成のLEDドライバ回路40では、外部から入力された映像信号を受けて、LEDドライバ回路40の前段に存在する図示しない生成回路において、映像信号の垂直同期信号及び水平同期信号から、図17に示すようなスキャン信号が生成される。光源30がN個存在する場合、スキャン信号1、スキャン信号2、・・・スキャン信号N(Nは正の整数)が生成され、LEDドライバ回路40の「イネーブル端子1、イネーブル端子2、・・・イネーブル端子N(Nは正の整数)」に、それぞれ入力される。「スキャン信号1〜N(Nは正の整数)」はPWM(パルス幅変調)調光信号であり、その周期は映像信号の1フレーム期間で決まる映像表示の書き換え周期と等しく、オン期間が互いに書き換え周期Tの1/Nずつ遅延している。このスキャン信号により、液晶表示素子の書き換えに合わせて光源30を順に消灯させる。
【0105】
尚、TV放送等に用いられる映像信号の1フレーム期間は通常16.6msec、つまりフレームレート60Hzであることが多いが、動画表示性能を高めるため、機器内部で中間画像を生成して原画像の間に挿入する等して、表示の書き換え周波数を映像信号のフレームレートの整数倍(例えば、2倍〜4倍)に高める技術が存在する。このようにして映像表示の書き換え周波数を整数倍(例えば、120Hz〜240Hz)に高めた場合においても、スキャン信号1〜Nの周期をそれに合わせて整数分の1に変えることにより、本実施の形態を容易に適用することができる。
【0106】
上述のとおり、本実施の形態では、映像表示の書き換え周期に同期して、前記並列に配置された複数の導光体21に対応する前記光源を順次消灯する「バックライトスキャン」を行うことが可能である。
【0107】
これにより、本実施の形態の光源モジュール10Bを液晶表示装置1のバックライト光源として用いた場合に、映像の残像感を抑え、動画性能を向上させることができる。
【0108】
また、本実施の形態では、LEDドライバ回路40は、外部からイネーブル端子44に入力されたPWM調光信号によって、前記光源30を独立にPWM調光することが可能である。各光源30のPWM調光のデューティを0%から100%まで変化させることによって、それぞれの光源30に対応した領域の輝度を独立に、線形に変化させることができる。これにより、以下で述べるような「ローカルディミング」を行うことができる。
【0109】
まず、映像信号は、1つの画素に対してR(赤)・G(緑)・B(青)各8〜10bitのデータで表現され、R(赤)・G(緑)・B(青)の和がその画素の明るさつまり明度のレベルを表す。通常、光源30の輝度は常に一定レベルで点灯しているが、図18(a)に示す原映像信号の明度分布に対し、図18(b)に示すように、映像信号の明度レベルが低い部分は光源30の輝度を低下させ、高いところは維持するように光源30の輝度分布を変化させる。これと同時に、図18(c)に示すように、映像信号の明度分布を補正して、図18(b)の光源30の輝度分布と補正後の明度分布の掛け合わせが原映像信号と同一の映像表示となるようにする。このような映像信号及び光源30の輝度分布の補正演算を映像信号の1フレーム又は数フレーム単位で行い、演算結果として得られた光源30の輝度分布を実現するようなPWM調光信号をLEDドライバ回路40のイネーブル端子44に送信する。このように、映像信号の明度レベルが低いところに対応する光源モジュール10Bの輝度レベルを下げることによって、「黒浮き」を低減し、映像表示の明暗のコントラストを高めることができる。
【0110】
このように、本実施の形態の光源モジュール10Bを液晶表示装置1のバックライト光源として用いた場合に、「ローカルディミング」によりコントラストを高めて表示性能を向上させることができる。
【0111】
尚、上記の「バックライトスキャン」と「ローカルディミング」とは、それぞれ個別に行うこともできるし、両者を同時に行うことも可能である。両者を併用する場合、バックライトスキャンの周波数は60〜240Hzと比較的低速であるため、ローカルディミングのPWM周波数を数KHz〜数十kHz程度に高くして、バックライトスキャンのスキャン信号波形にPWM信号波形を重畳することが望ましい。
【0112】
これにより、本実施の形態の光源モジュール10Bを液晶表示装置1のバックライト光源として用いた場合に、映像の残像感を抑えると同時にコントラストを高め、表示性能をさらに向上させることができる。
【0113】
また、本実施の形態の電子機器としての液晶表示装置1は、本実施の形態の光源モジュール10Bを備えている。これにより、サイドエッジ型導光板を複数に分割した場合に、配線領域を小さくして薄型化を図り得る光源モジュール10Bを備えた液晶表示装置1を提供することができる。
【0114】
尚、本実施の形態の光源モジュール10Bでは、導光体21の本数及び長さを変えて、それに合わせて光源配線基板32の長さを変えることによって、様々な画面サイズの液晶表示装置1に対応させることができる。また、導光体21は必ずしも板状でなくてもよく、外形形状、材質、表面の凹凸及び印刷パターン等は、求められる光学特性その他仕様に応じて自由に変更できる。
【0115】
また、本実施の形態の光源モジュール10Bを様々な画面サイズの液晶表示装置1に適用する場合、画面サイズによって同一の画面輝度を得るのに必要な光源30の全光束値が変わってくる。その場合は、光源30を構成するLED31の並列数又は直列数を変更してLED31の個数を調整し、全光束を所望の値に合わせることができる。尚、LED31の直列数が変わると、LEDドライバ回路40の出力電圧が変わるため、LEDドライバ回路40の内部回路定数を変更する必要が生じる。異なる画面サイズでLEDドライバ回路40をなるべく共通化するためには、画面サイズによらず直列数を等しくして電圧値を一定とし、電流値つまり並列数で調整することが望ましい。
【0116】
また、実施の形態1及び実施の形態2では、光源モジュール10A・10Bを液晶表示装置1のバックライトとして用いる場合について説明したが、光源モジュール単体として、例えば薄型のLED照明装置として用いることも可能である。また、液晶表示装置1は、液晶TV、PC用モニタ、インフォメーションディスプレイ、ディジタルサイネージ等多くの用途に適用できる。
【0117】
尚、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明は、光源からの光を導光板によって面状に出射させるサイドエッジ(サイドライトともいう)型導光板を備えた光源モジュール、及びそれを備えた電子機器に関するものであり、例えば、バックライト、LED照明等の光源モジュール及び液晶表示装置等の電子機器に適用可能である。
【符号の説明】
【0119】
1 液晶表示装置(電子機器)
3 液晶パネル
10A 光源モジュール
10B 光源モジュール
11 反射シート
17 拡散板
20 導光板
21 導光体
21a 端面
22 隙間
30 光源
30a アノード配線(高電位側の配線)
30b カソード配線
31 LED
32 光源配線基板
32a 第1LED基板(第1導光体群用基板)
32b 第2LED基板(第2導光体群用基板)
33 LEDサブブロック(サブブロック)
34 LEDブロック(ブロック)
36 LEDチップ
38 電極
40 LEDドライバ回路(光源駆動回路)
41 駆動回路ブロック
42 LEDドライバIC
43 電流出力端子
44 イネーブル端子
51 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に対して並列に配置された導光体と、上記導光体における長手方向の少なくとも一方の側端面から光を入射させる複数個の光源と、上記光源が配置された略矩形の光源配線基板と、上記光源を駆動するための光源駆動回路とを備えた光源モジュールにおいて、
上記複数個の光源は、複数のブロックに区分されて上記光源配線基板上にそれぞれ一直線状に配置されており、
上記各ブロックでは、上記複数の光源は電気的に並列接続された複数のサブブロックを構成していると共に、隣接するサブブロック同士は電気的に直列接続されており、
上記光源駆動回路は、上記各光源をブロック毎に独立駆動可能となっていることを特徴とする光源モジュール。
【請求項2】
前記各光源に接続される前記光源配線基板上の配線のうち、少なくとも2組のブロックにおける高電位側の配線が共通配線とされていることを特徴とする請求項1記載の光源モジュール。
【請求項3】
前記光源配線基板上に配置される前記各光源の電極の向きが全て同一であることを特徴とする請求項1又は2記載の光源モジュール。
【請求項4】
前記各光源は、前記光源配線基板の短手方向に非対称な位置に配置されていることを特徴とする請求項1,2又は3記載の光源モジュール。
【請求項5】
前記光源配線基板上における各光源の高電位側電極と低電位側電極との配置方向は、上記光源配線基板の短手方向に沿っていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項6】
前記光源配線基板は、前記導光体における長手方向の両方の側端面において、複数の導光体に跨がる第1導光体群用基板と第2導光体群用基板とに分けてそれぞれ設けられていると共に、
上記第1導光体群用基板同士及び第2導光体群用基板同士は、並列に配置された複数の導光体を挟んで互いに襷がけに配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項7】
前記第1導光体群用基板及び第2導光体群用基板には、長手方向の一方の端部に、前記光源と前記光源駆動回路との電気的接続を行うコネクタがそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項6記載の光源モジュール。
【請求項8】
前記光源駆動回路は、外部から入力された映像信号の1フレーム周期に同期して、前記並列に配置された複数の導光体に対応する前記光源を順次消灯することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項9】
前記光源駆動回路は、外部から入力されたPWM(パルス幅変調)調光信号によって、前記光源を独立にPWM調光することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の光源モジュール。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載の光源モジュールを備えていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−100716(P2011−100716A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200900(P2010−200900)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】