説明

光源反射体

【課題】本発明の一目的は、光源反射体を提供することである。
【解決手段】光源反射体は、第1の光入口開口部と、入口開口部の領域よりも大きな領域を有する第2の光出口開口部とを画成する、3つ以上の内部反射面を有する構造体を含む。入口開口部に近接して位置する、たとえば1つまたは複数のLEDなどの、単一の光源または複数の均等に分布する光源が、入口開口部から反射面に当たり、当該面から反射して、実質的に均一な照射パターンが出口開口部から出る照射をもたらす。反射体は光を集束せず、むしろ反射面から光源の鏡像を反射するため、本反射体により、有利にも、標的照射領域よりも小さな光源(たとえばLED)を使用することができ、また、ホットスポットが発生するのを回避することができる。
【選択図】図1

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、光反射体に関し、より詳細には、光合成測定分析システムにおいて使用するための光源反射体に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
本願は、2010年11月4日に出願された米国特許出願番号第12/939,335号(代理人整理番号85409-787154(012000US)(元は020031-012000US)の継続出願であり、その恩典を主張し、あらゆる目的のために、その全体が参照によって本願明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
光合成測定分析システムでは、制御された分析チャンバ内で葉などの対象に検査中に均一な照射パターンを提供することが有用である。光源は高価となる可能性があり、したがって、特に、照射を必要とする標的のサイズが大きくなるにつれて、低コストで均一に照射することが問題となり得る。
【0004】
それゆえに、上述および他の課題を解決する光源を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一目的は、光源反射体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、光源を提供し、より詳細には、光合成測定分析システムにおいて使用するための光源反射体を提供する。
【0007】
光源反射体は、第1の光入口開口部と、入口開口部の領域よりも大きな領域を有する第2の光出口開口部とを画成する3つ以上の内部反射面を有する構造体を含む。入口開口部に近接して位置する、たとえば1つまたは複数のLEDなどの単一の光源または複数の均等に分布する光源は、入口開口部から反射面に当たり、当該面から反射して、実質的に均一な照射パターンが出口開口部から出る照射を提供する。反射体は光を集束せず、むしろ反射面から光源の鏡像を反射させるため、反射体により、有利にも、標的照射領域よりも小さな光源(たとえばLED)を使用することができ、また、ホットスポットが発生するのを回避する。
【0008】
一態様によると、中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体を典型的に含む、光源反射体が提供され、ここで、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する。光源反射体はまた、典型的に、第1の開口部に近接して配置されている1つ以上の発光素子を含み、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、発光素子により放出される照射が3つ以上の面により反射される。ある局面では、第2の領域が第1の領域よりも大きくなるように、3つ以上の面のそれぞれが、軸に対して約5°を超えるある角度で第1の開口部から第2の開口部まで延在している。ある局面では、1つ以上の発光素子は、第1の開口部により画成されている第1の領域に近接して、あるいは第1の領域内に、実質的に均等に間隔を置いて配置されている、1つ以上の発光ダイオード(LED)または他の光源を含む。
【0009】
別の態様によると、中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体を典型的に含む、光源反射体が提供され、ここで、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する。光源反射体はまた、典型的に、第1の開口部に近接して配置されている1つまたは複数の発光素子を含み、第2の開口部に近接して実質的に均一な照射パターンをもたらすように、発光素子により放出される照射が3つ以上の面により反射される。ある局面では、第2の領域が第1の領域よりも大きくなるように、3つ以上の面のそれぞれが、軸に対して約5°を超えるある角度で第1の開口部から第2の開口部まで延在している。ある局面では、1つまたは複数の発光素子は、第1の開口部により画成されている第1の領域に近接して、あるいは第1の領域内に、実質的に均等に間隔を置いて配置されている、1つ以上のLEDまたは他の光源を含む。
【0010】
さらに別の態様によると、光合成の測定に使用するための光源が提供される。光源は、典型的に、1つまたは複数の発光素子と、中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体とを含み、ここで、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する。ある局面では、1つまたは複数の発光素子が、第1の開口部に近接して配置されており、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、発光素子により放出される照射が3つ以上の面により反射される。ある局面では、第2の領域が第1の領域よりも大きくなるように、3つ以上の面のそれぞれが、軸に対して約5°を超えるある角度で第1の開口部から第2の開口部まで延在している。ある局面では、1つまたは複数の発光素子は、第1の開口部により画成されている第1の領域に近接して、あるいは第1の領域内に、実質的に均等に間隔を置いて配置されている、1つ以上のLEDまたは他の光源を含む。
【0011】
さらなる態様によると、光合成を測定するためのチャンバが提供される。チャンバは、典型的に、中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体であって、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する、光反射構造体と、第1の開口部に近接して配置されている1つまたは複数の発光素子であって、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、発光素子により放出される照射が3つ以上の面により反射される、発光素子とを含む。ある局面では、第2の領域が第1の領域よりも大きくなるように、3つ以上の面のそれぞれが、軸に対して約5°を超えるある角度で第1の開口部から第2の開口部まで延在している。ある局面では、1つまたは複数の発光素子は、第1の開口部により画成されている第1の領域に近接して、あるいは第1の領域内に、実質的に均等に間隔を置いて配置されている、1つ以上のLEDまたは他の光源を含む。
【0012】
さらなる態様によると、光合成および葉のクロロフィル蛍光の測定に使用するための光源反射体が提供される。反射体は、典型的に、中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体を含み、ここで、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する。反射体はまた、典型的に、第1の開口部に近接して配置されている第1および第2の発光素子を含み、第1の素子が、第2の発光体により放出される第2の波長とは異なる第1の波長で発光し、第1の波長と第2の波長との両方の実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、第1および第2の発光素子により放出される照射が3つ以上の面により反射される。
【0013】
さらなる態様によると、葉のクロロフィル蛍光チャンバが、クロロフィル蛍光を測定するために提供される。チャンバは、典型的に、中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体であって、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する、光反射構造体と、第1の開口部に近接して配置されている1つまたは複数の発光素子であって、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、発光素子により放出される照射が3つ以上の面により反射される、発光素子とを含む。
【0014】
図面および請求項を含め、本明細書の残りの部分を参照すれば、本発明の他の特徴および利点が理解されるであろう。本発明のさらなる特徴および利点、ならびに本発明のさまざまな態様における構造および作用もまた、添付の図面を参照しつつ、以下に詳細に記載する。図面において、同様の参照番号は、同一であるか機能的に類似した要素を示す。
【0015】
より詳細には、本発明は、以下を提供する。
【0016】
本発明(1)は、
中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体であって、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する、光反射構造体と、
第1の開口部に近接して配置されている1つ以上の発光素子であって、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、発光素子によって放出される照射が、3つ以上の面によって反射される、発光素子と、
を備える、光源反射体である。
本発明(2)は、3つ以上の面のそれぞれが、第2の領域が第1の領域よりも大きくなるように、軸に対して約5°を超えるある角度で第1の開口部から第2の開口部まで延在している、本発明(1)の光源反射体である。
本発明(3)は、1つ以上の発光素子が、複数のLEDを含む、本発明(1)の光源反射体である。
本発明(4)は、1つ以上の発光素子が、第1の開口部によって画成されている第1の領域に近接して、実質的に均等に間隔を置いて配置されている、本発明(1)の光源反射体である。
本発明(5)は、光反射構造体の軸に対して垂直な断面が、多角形の形状を有する、本発明(1)の光源反射体である。
本発明(6)は、多角形の形状が、三角形、四角形、六角形、および八角形からなる形状の群より選択される、本発明(5)の光源反射体である。
本発明(7)は、反射面が、研摩された金属を含む、本発明(1)の光源反射体である。
本発明(8)は、研摩された金属が、研摩されたアルミニウムである、本発明(7)の光源反射体である。
本発明(9)は、反射面が、反射性材料でコーティングされている基板材料を含む、本発明(1)の光源反射体である。
本発明(10)は、基板材料が、プラスチック材料を含む、本発明(9)の光源反射体である。
本発明(11)は、反射性材料が、真空メッキされたアルミニウムを含む、本発明(9)の光源反射体である。
本発明(12)は、開口部の第1の領域を画成している幾何学的配置が、第2の開口部の第2の領域を画成している幾何学的配置と異なる、本発明(1)の光源反射体である。
本発明(13)は、
光合成を測定するのに用いられる光源であって、
1つまたは複数の発光素子と、
中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する、光反射構造体であって、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する、光反射構造体と、
を備え、
1つまたは複数の発光素子が、第1の開口部に近接して配置されており、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、発光素子によって放出される照射が、3つ以上の面によって反射される、光源である。
本発明(14)は、3つ以上の面のそれぞれが、第2の領域が第1の領域よりも大きくなるように、軸に対して約5°を超えるある角度で第1の開口部から第2の開口部まで延在している、本発明(13)の光源である。
本発明(15)は、1つまたは複数の発光素子が、第1の開口部によって画成されている第1の領域に近接して実質的に均等に間隔を置いて配置されている複数のLEDを含む、本発明(13)の光源である。
本発明(16)は、
光合成を測定するためのチャンバであって、
中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体であって、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する、光反射構造体と、
第1の開口部に近接して配置されている1つまたは複数の発光素子であって、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、発光素子によって放出される照射が、3つ以上の面によって反射される、発光素子と、
を備える、チャンバである。
本発明(17)は、3つ以上の面のそれぞれが、第2の領域が第1の領域よりも大きくなるように、軸に対して約5°を超えるある角度で第1の開口部から第2の開口部まで延在している、本発明(16)のチャンバである。
本発明(18)は、1つまたは複数の発光素子が、第1の開口部によって画成されている第1の領域に近接して実質的に均等に間隔を置いて配置されている複数のLEDを含む、本発明(16)のチャンバである。
本発明(19)は、
光合成および葉のクロロフィル蛍光の測定に用いられる光源反射体であって、
中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体であって、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する、光反射構造体と、
第1の開口部に近接して配置されている第1および第2の発光素子であって、第1の素子が、第2の発光体によって放出される第2の波長とは異なる第1の波長で発光し、第1の波長と第2の波長との両方の実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、第1および第2の発光素子によって放出される照射が、3つ以上の面によって反射される、第1および第2の発光素子と、
を備える、光源反射体である。
本発明(20)は、
クロロフィル蛍光を測定するための葉のクロロフィル蛍光チャンバであって、
中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体であって、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する、光反射構造体と、
第1の開口部に近接して配置されている1つまたは複数の発光素子であって、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、発光素子によって放出される照射が、3つ以上の面によって反射される、発光素子と、
を備える、葉のクロロフィル蛍光チャンバである。
本発明(21)は、第2の開口部に近接して配置されたサンプルの発光特徴を測定するための1つ以上の光検出器をさらに備える、本発明(20)のチャンバである。
【発明の効果】
【0017】
反射体は光を集束せず、むしろ反射面から光源の鏡像を反射させるため、本発明の反射体は、有利にも、標的照射領域よりも小さな光源(たとえばLED)を使用することができ、また、ホットスポットが発生するのを回避する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1aは、一態様による光源反射体10の正面図を示し、図1bは、反射体10の垂直断面図を示し、図1cは、反射体10の前部等角図を示し、図1dは、反射体10の後部等角図を示す。
【図2】光入口開口部に近接して配置されている複数の光源を有する光源反射体の上面図を示す。
【図3】一態様による蛍光光度計の光源を示す。
【図4】研摩されたアルミニウムの内部反射面を備えた、アルミニウムでできている2つのプロトタイプの光源反射構造体の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
発明の詳細な説明
本発明は、光源反射体を提供する。本願明細書において記載されているさまざまな態様の光源反射体は、特に、光合成測定分析システムにおける光源として有用である。
【0020】
図1は、一態様による光源反射体10を示す。図1aは、反射体10の正面図を示し、図1bは、反射体10の垂直断面図を示し、図1cは、反射体10の前部等角図を示し、図1dは、反射体10の後部等角図を示す。図示するように、反射体10は、直線状の内部反射面20を画成し、かつ互いに連結されて四角形の開口部を有する四角錐タイプの内部構造体を形成する4つの壁を有する構造体を含み、開口部15が開口部25の領域よりも小さな領域を有するように、内面20が角度をつけられている。たとえば、図1bに示すように、開口部15により画成されている領域が、開口部25により画成されている領域よりも小さくなるように、壁は、中心軸に対して10°の角度を有する(したがって、示されているように、合計で20°開いている)。ある態様では、壁が中央軸とともになす角度は、約2°から約45°、または好ましくは約5°から約30°、あるいは少し大きな範囲にわたる。
【0021】
理解されたいのは、ある態様では、構造体の外壁はそれ自体、直線状、すなわち内部反射面20に対して平行である必要はなく、むしろ、バルク形状(bulk shape)、または種々の外形を有することができることである。しかし、ホットスポットまたは不均一性を発生させ得る集束光を回避すべく、壁により画成されている内部反射面20は直線状(たとえば、曲面がない)であることが望ましい。たとえば、反射体10は、外部が円のように見える(すなわち、円の断面が四角形であり、円錐形状の外部を有する)が、図1に示すように直線状の内部反射面20を備えている構造体を有してもよい。同様に、反射体10は、外部が四角形または矩形のブロック、または外部が円筒状のブロックのように見えるが、図1bに示すように中心軸に対して角度をつけられた直線状の反射面20を備えた構造体を有していてもよい。
【0022】
一態様では、壁が、金属材料、たとえばアルミニウム等の反射性金属材料で形成されている。面20を画成する壁の内面は、さらに反射率を高めるために研磨されていてもよい。他の有用な金属材料は、たとえば、アルミニウム、真ちゅう、銅、および金を含む。さらに、ある態様では、構造体の壁が複数の材料でできていてもよい。たとえば、基板材料を壁の大部分に使用してもよく、第2の材料を前記大部分の材料に取付けて反射面20を形成することができる。第2の材料を、接着(たとえば接着剤または他の接着性材料)によって、基板材料に取付けてもよく、基板材料に直接、または中間材料に、溶接、蒸着、または他の方法で形成してもよい。一態様では、たとえば、基板材料が金属材料またはプラスチック材料を含み、反射面が、真空メッキされたアルミニウムをその上に蒸着させることにより形成される。プラスチック製の基板材料の例は、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、ポリカーボネート、アクリル、およびポリスチレンを含み、有用な反射性材料の例は、アルミニウム、金、銀などを含む。プラスチック材料は、ある態様において、たとえば温度など、反射体の特性の制御を助けるのに有用である。
【0023】
ある態様では、反射体10が3つ以上の内部反射面20を含む。3つの面20によって、開口部15および25は、三角形の形状を有する。4つを超える面20によって、開口部は、面20の数に応じて異なる多角形(たとえば五角形、六角形、八角形、十角形など)の形状を有していてもよい。開口部15が開口部25と同じ形状または幾何学的配置を有する必要はないこともまた、理解されたい。たとえば、開口部15が等辺三角形の形状を有していてもよく、開口部25が二等辺三角形または直角三角形の形状を有していてもよい。このような態様では、内面20が中心軸に対して異なる角度を有していてもよく、かつ/または、面20が非直線性を含んでいてもよい(たとえば、面20の一部分が中心軸に対してある角度を有し、かつ、同じ面20の別の部分が中心軸に対して異なる角度を有していてもよい)。さらに、面20全体または面20の一部分が、面の中央点から中心軸に向いていない面法線を有していてもよい(これを、たとえば開口部が両方とも等辺三角形である一態様と対比すると、3つの面20すべてに対する法線は、各面の中心点から同じ中心軸に必ず向いている)。異なる幾何学的配置を有する開口部を有する態様では、開口部が大幅に非対称である装置にとって均一性を得るためには、制約が必要となるであろう。このような制約には、偶数の反射面を使用すること、反射面の角度分布において、および/または発光素子の配置において、左右相称性を使用することが含まれていてもよい。
【0024】
一態様では、1つまたは複数の発光素子5(単一の素子が示されている)が、入口開口部、たとえば開口部15に近接して配置されている。単一の発光素子は、所望の波長で発光する単一のLEDまたは別の光源を含んでいてもよい。同様に、複数の発光素子は、所望の波長で発光する、複数の個々のLED、または、同じかあるいは異なる発光特徴を有する2つ以上のLEDを有するLED光タイル、または、複数の他のタイプの光源を含んでいてもよい。有用な波長帯の一例は、クロロフィル蛍光および光合成の用途のために、620ナノメートルから680ナノメートルまでの波長の赤色光、および、430ナノメートルから470ナノメートルまでの波長の青色光を含んでいてもよい。発光素子により放出される照射は、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部25から出るように、面20により反射される。ある局面では、複数の発光素子が、開口部15により画成されている領域内に、およびその領域に近接して、実質的に均等に間隔を置いて配置されている。発光素子は、第2の開口部に近接して実質的に均一な照射をもたらすべく、発光素子により放出される光が開口部15に入って面20により反射されるように、開口部15により画成されている平面に、あるいはその平面の下に(たとえば構造体10の外側に)配置されていてもよい。たとえば、開口部15に近接している反射面20に当たる光源からの光は、結果として、開口部25から出る4つの面20すべてからの光源の鏡像となる。
【0025】
図2は、光入口開口部(たとえば開口部15)に近接して配置されている複数の光源を有する光源反射体の上面図を示す。図示するように、複数の光源は、光入口開口部により画成されている領域内に実質的に均等に間隔を置いて配置されている異なるサイズの光源を含む。図3は、蛍光光度計の光源を示す。図3は、たとえば葉のクロロフィル蛍光を測定するための、2つ以上の異なる色のLED発光体の組合せを備えた照明器の一例である。このような反射体によって、有利にも、発光体の異なる色を一定の様式で混合することができる。このような反射体を、有利にも、光合成と葉のクロロフィル蛍光とを(ほぼ)同時に測定するための光源として使用できる。図4は、研摩されたアルミニウムの内部反射面を備えた、バルク・アルミニウムでできている2つのプロトタイプの光源反射構造体の側面図を示す。
【0026】
ある態様では、本願明細書において記載されている光源反射体が、光合成測定分析システムにおいて特に有用である。たとえば、光源反射体10を、光合成測定チャンバで、またはその一部として、および/またはクロロフィル蛍光測定システムで、使用することができる。出口開口部25に近接して配置されたサンプル(たとえば葉)に均一な照射をもたらすように、入口開口部15に入る光が反射面20から反射して、開口部25を出る。上述のように、本願明細書において記載されている態様は、有利にも、光の集束を回避し、したがって、「ホットスポット」の発生を回避し、かつ、標的照射領域よりも小さな光源を使用できるようになると同時に、標的領域に高い均一性の照射をもたらすことができる。用途に応じて、照射される標的のさまざまな特徴を検出するために、1つ以上の検出器(図示せず;たとえば、光検出器/蛍光検出器、および/またはガス分析測定検出器)を、第2の開口部に近接して適切に設置してもよい。たとえば、1つ以上の光検出器を、葉のクロロフィル蛍光測定の用途に使用するために、葉を保持するチャンバに近接して配置してもよく、および/または、ガス分析システムを、光合成および蒸散の測定用途において、二酸化炭素および/または水の変化を検出するために、チャンバに近接して配置するか、チャンバに連結してもよい。
【実施例】
【0027】
赤色の飽和/作用光の均一性の実験を、出口開口部に近接した4×6の検出グリッドを使用して、図3の反射体のプロトタイプにおいて実施した。任意の尺度を使用した結果は、以下の通りに良好な均一性を示している。
【0028】

【0029】
【表1】

【0030】
本願明細書において記載されているさまざまな態様を使用すると、約20,000μmol/(m・秒)を超える光量子束密度を有する均一な照射を標的にもたらすことが可能である。
【0031】
例としておよび特定の態様に関して本発明を記載してきたが、本発明が、開示された態様に限定されないことを理解されたい。反対に、当業者にとって明らかであろうさまざまな改変および類似の構成を網羅することが意図されている。それゆえに、添付の特許請求の範囲は、このような改変および類似の構成をすべて包含するように、最も広く解釈されるべきである。
【符合の説明】
【0032】
5:発光素子
10:光源反射体
15:開口部
20:内部反射面
25:開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体であって、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する、光反射構造体と、
第1の開口部に近接して配置されている1つ以上の発光素子であって、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、発光素子によって放出される照射が、3つ以上の面によって反射される、発光素子と、
を備える、光源反射体。
【請求項2】
3つ以上の面のそれぞれが、第2の領域が第1の領域よりも大きくなるように、軸に対して約5°を超えるある角度で第1の開口部から第2の開口部まで延在している、請求項1記載の光源反射体。
【請求項3】
1つ以上の発光素子が、複数のLEDを含む、請求項1記載の光源反射体。
【請求項4】
1つ以上の発光素子が、第1の開口部によって画成されている第1の領域に近接して、実質的に均等に間隔を置いて配置されている、請求項1記載の光源反射体。
【請求項5】
光反射構造体の軸に対して垂直な断面が、多角形の形状を有する、請求項1記載の光源反射体。
【請求項6】
多角形の形状が、三角形、四角形、六角形、および八角形からなる形状の群より選択される、請求項5記載の光源反射体。
【請求項7】
反射面が、研摩された金属を含む、請求項1記載の光源反射体。
【請求項8】
研摩された金属が、研摩されたアルミニウムである、請求項7記載の光源反射体。
【請求項9】
反射面が、反射性材料でコーティングされている基板材料を含む、請求項1記載の光源反射体。
【請求項10】
基板材料が、プラスチック材料を含む、請求項9記載の光源反射体。
【請求項11】
反射性材料が、真空メッキされたアルミニウムを含む、請求項9記載の光源反射体。
【請求項12】
開口部の第1の領域を画成している幾何学的配置が、第2の開口部の第2の領域を画成している幾何学的配置と異なる、請求項1記載の光源反射体。
【請求項13】
光合成を測定するのに用いられる光源であって、
1つまたは複数の発光素子と、
中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する、光反射構造体であって、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する、光反射構造体と、
を備え、
1つまたは複数の発光素子が、第1の開口部に近接して配置されており、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、発光素子によって放出される照射が、3つ以上の面によって反射される、光源。
【請求項14】
3つ以上の面のそれぞれが、第2の領域が第1の領域よりも大きくなるように、軸に対して約5°を超えるある角度で第1の開口部から第2の開口部まで延在している、請求項13記載の光源。
【請求項15】
1つまたは複数の発光素子が、第1の開口部によって画成されている第1の領域に近接して実質的に均等に間隔を置いて配置されている複数のLEDを含む、請求項13記載の光源。
【請求項16】
光合成を測定するためのチャンバであって、
中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体であって、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する、光反射構造体と、
第1の開口部に近接して配置されている1つまたは複数の発光素子であって、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、発光素子によって放出される照射が、3つ以上の面によって反射される、発光素子と、
を備える、チャンバ。
【請求項17】
3つ以上の面のそれぞれが、第2の領域が第1の領域よりも大きくなるように、軸に対して約5°を超えるある角度で第1の開口部から第2の開口部まで延在している、請求項16記載のチャンバ。
【請求項18】
1つまたは複数の発光素子が、第1の開口部によって画成されている第1の領域に近接して実質的に均等に間隔を置いて配置されている複数のLEDを含む、請求項16記載のチャンバ。
【請求項19】
光合成および葉のクロロフィル蛍光の測定に用いられる光源反射体であって、
中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体であって、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する、光反射構造体と、
第1の開口部に近接して配置されている第1および第2の発光素子であって、第1の素子が、第2の発光体によって放出される第2の波長とは異なる第1の波長で発光し、第1の波長と第2の波長との両方の実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、第1および第2の発光素子によって放出される照射が、3つ以上の面によって反射される、第1および第2の発光素子と、
を備える、光源反射体。
【請求項20】
クロロフィル蛍光を測定するための葉のクロロフィル蛍光チャンバであって、
中心軸の周りに連結されており、かつ第1の開口部および第2の開口部を画成している、3つ以上の反射面を有する光反射構造体であって、第1の開口部が第1の領域を有し、かつ第2の開口部が第1の領域と同じであるかより大きな第2の領域を有する、光反射構造体と、
第1の開口部に近接して配置されている1つまたは複数の発光素子であって、実質的に均一な照射パターンが第2の開口部から出るように、発光素子によって放出される照射が、3つ以上の面によって反射される、発光素子と、
を備える、葉のクロロフィル蛍光チャンバ。
【請求項21】
第2の開口部に近接して配置されたサンプルの発光特徴を測定するための1つ以上の光検出器をさらに備える、請求項20記載のチャンバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−99478(P2012−99478A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−240098(P2011−240098)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(508247040)リ−コール インコーポレーティッド (5)
【Fターム(参考)】