説明

光源装置および投写型表示装置

【課題】温度ヒューズの交換が円滑に行える光源装置、および投写型表示装置を提供する。
【解決手段】光源装置10は、ランプユニット300と、温度ヒューズユニット400と、ランプユニット300の周囲に設けられ、温度ヒューズユニット400が装着される装着板251と、を備える。ここで、温度ヒューズユニット400は、ランプユニット300の温度に基づいて、ランプユニット300への電力供給を遮断する温度ヒューズ401と、温度ヒューズ401が出入りする開口408、409を有し温度ヒューズ401が収容されるヒューズ収容部411と、開口408、409を覆うホルダカバー403と、装着板251に装着されるネジ取付部412と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源装置、および光源装置を備える投写型表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
投写型表示装置(以下、「プロジェクタ」という)では、光源から出射された光が光変調素子よって変調され、変調された光(以下、「映像光」という)が、投写レンズによって被投写面に投写される。
【0003】
光源は、動作時に大きく発熱するため、冷却ファンなどの冷却装置によって冷却される。光源の周囲には、何らかの原因により冷却性が低下し、光源が過熱状態となった際に、光源を保護するため、保護装置として、たとえば、温度ヒューズが配される。光源が過熱状態となり、温度ヒューズの温度が設定温度を超えると、温度ヒューズが切れて、光源への電力供給が強制的に遮断される。
【0004】
かかるプロジェクタでは、通電時に温度ヒューズが誤って触れられないように、温度ヒューズの四方をカバーにより覆うような構成が採られ得る(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−215138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
温度ヒューズが切れた場合には、温度ヒューズを交換する必要がある。上記のように、温度ヒューズがカバーで覆われる構成であっても、温度ヒューズの交換が円滑に行われることが望ましい。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、温度ヒューズの交換が円滑に行える光源装置、および投写型表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様に係る光源装置は、光源部と、温度ヒューズユニットと、前記光源部の周囲に設けられ、前記温度ヒューズユニットが装着される装着部と、を備える。ここで、前記温度ヒューズユニットは、前記光源部の温度に基づいて前記光源部への電力供給を遮断する温度ヒューズと、前記温度ヒューズが出入りする開口を有し前記温度ヒューズが収容されるヒューズ収容部と、前記開口を覆うカバー部と、前記装着部に装着される被装着部と、を含む。
【0009】
本発明の第1の態様に係る光源装置によれば、温度ヒューズがヒューズ収容部とカバー部とで覆われるので、誤って、温度ヒューズが人の手で触れられ難い。しかも、温度ヒューズを交換する際、作業者は、装着部から温度ヒューズユニットを取り外し、さらに、カバー部を取り外して、ヒューズ収容部から温度ヒューズを取り出せばよい。よって、作業者は、温度ヒューズを容易に交換できる。
【0010】
第1の態様に係る光源装置は、前記光源部を収容する光源収容部を、さらに備えるような構成とされ得る。この場合、前記装着部は、前記光源収容部の外側に設けられる。さらに、前記温度ヒューズユニットは、前記カバー部が一方向にのみ移動することにより前記
開口から離れるよう、前記一方向以外の前記カバー部の動きを規制する規制部を含む。そして、前記温度ヒューズユニットと前記光源収容部とが、前記カバー部が前記開口から離れるべく前記一方向に移動すると前記光源収容部に当たる位置関係となるように、前記被装着部が前記装着部に装着される。
【0011】
このような構成とすれば、温度ヒューズユニットが装着部に装着された状態で、誤って、ヒューズ収容部からカバー部が外され難くすることができる。
【0012】
第1の態様に係る光源装置において、前記温度ヒューズユニットは、前記ヒューズ収容部に収容された前記温度ヒューズから伸びる電線が外部に導出される前に通される電線収容部を、さらに含むような構成とされ得る。この場合、前記電線収容部は、外部に導出された前記電線に加わる張力に対して前記温度ヒューズと前記電線との接合部に加わる張力が小さくなるように前記電線を引き回すための構造を有する。
【0013】
このような構成とすれば、万一、外部から電線に張力が加えられても、温度ヒューズと電線との接合部に加わる張力を低減できる。よって、張力により温度ヒューズから電線が外れてしまうのを防止できる。
【0014】
上記構成とした場合、前記被装着部は、前記装着部への装着方向から見たときに、前記ヒューズ収容部と前記電線収容部とで形成される領域の中央部に設けられるような構成とされ得る。
【0015】
このような構成とすれば、装着部に対し、温度ヒューズユニットが中央部分で固定されるので、温度ヒューズユニットを一カ所で固定するような構成としても、温度ヒューズユニットを安定して固定できる。
【0016】
さらに、上記構成とした場合、前記被装着部は、1本のネジによって前記装着部に装着される構成とされ得る。この場合、前記温度ヒューズユニットと前記装着部との間には、前記温度ヒューズユニットが前記ネジによる固定部分を中心に前記装着方向に垂直な面内方向に回るのを防止する防止構造が設けられる。
【0017】
このような構成とすれば、1本のネジを外すだけで、温度ヒューズユニットを装着部から取り外すことができ、温度ヒューズの交換作業が一層容易になる。しかも、1本のネジで固定されても、温度ヒューズユニットがネジによる固定部分を中心に装着方向に垂直な面内方向に回るのを防止することができるので、温度ヒューズユニットをしっかりと固定できる。
【0018】
本発明の第2の態様に係る投写型表示装置は、第1の態様に係る光源装置と、前記光源装置から出射された光を変調する光変調部と、を備える。
【0019】
本発明の第2の態様に係る投写型表示装置によれば、第1の態様に係る光源装置と同様、温度ヒューズが、誤って、人の手に触れられ難くできるとともに、作業者が、温度ヒューズを容易に交換できる。
【発明の効果】
【0020】
以上のとおり、本発明によれば、温度ヒューズの交換が円滑に行える光源装置、および投写型表示装置を提供することができる。
【0021】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって
、本発明は、以下の実施の形態に記載されたものに何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態に係るプロジェクタの外観構成を示す図である。
【図2】実施の形態に係るプロジェクタの内部構造を示す図である。
【図3】実施の形態に係る光学系の構成を示す図である。
【図4】実施の形態に係る光源装置の構成を示す図である。
【図5】実施の形態に係る光源装置の構成を示す図である。
【図6】実施の形態に係るランプユニットの構成を示す図である。
【図7】実施の形態に係る温度ヒューズユニットの構成を示す図である。
【図8】実施の形態に係る温度ヒューズユニットの構成を示す図である。
【図9】実施の形態に係る温度ヒューズユニットの構成を示す図である。
【図10】実施の形態に係る温度ヒューズユニットの構成を示す図である。
【図11】実施の形態に係る温度ヒューズユニットがランプ装着ユニットへ装着される前の状態を示す斜視図である。
【図12】実施の形態に係るヒューズホルダの各リブが、それぞれ、装着板の各係合リブに係合される様子を模式的に示す図である。
【図13】実施の形態に係る左後方の装着板に、温度ヒューズユニットが装着された状態を示す要部の断面図である。
【図14】変更例に係る温度ヒューズユニットの構成を示す図である。
【図15】更なる変更例に係る温度ヒューズユニットの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して、実施の形態に係るプロジェクタについて説明する。
【0024】
<プロジェクタの全体構成>
図1は、プロジェクタの外観構成を示す図である。本実施の形態に係るプロジェクタは、4つのランプユニットを備えており、いわゆる、4灯タイプの大型のプロジェクタである。
【0025】
図1を参照して、プロジェクタは、略直方体形状を有する本体キャビネット1を備えている。本体キャビネット1は、下キャビネット2と、下キャビネット2に上方から被せられる上キャビネット3とで構成されている。
【0026】
上キャビネット3の前面中央部には投写窓4が形成されており、投写レンズ5の前面が投写窓4を通じて外部に露出している。
【0027】
また、上キャビネット3には、前面から上面にかけて、メイン開口を覆うメインカバー6が設けられている。メイン開口は、投写レンズ5やプリズムユニットの交換、偏光板等の調整を行うために設けられている。上キャビネット3の上面後部には、4つのランプ用開口をそれぞれ覆う4つのランプ用カバー7が設けられている。各ランプ用開口は、各ランプユニットの交換を行うため、各ランプユニットの上方に設けられている。
【0028】
さらに、上キャビネット3の右側面には、入出力端子部8が設けられている。入出力端子部8には各種AV端子が配されており、AV端子を通じてAV(Audio Visual)信号が入力される。
【0029】
下キャビネット2の左右の側面には、それぞれ、取手9が2つずつ設けられている。取手9は、プロジェクタを持ち運ぶ際に用いられる。
【0030】
図2は、プロジェクタの内部構造を示す図であり、上キャビネット3が外された状態を示す。
【0031】
図2を参照して、下キャビネット2の内部には、光源装置10と、光源装置10から出射された光を変調して映像光を生成する光学系11とが配されている。
【0032】
光源装置10は、下キャビネット2の後部に配されている。光学系11は、光源装置10の前方に配されている。光学系11は、下キャビネット2に配され、プリズムユニット12が、上方から着脱ができるように、光学系11に配されている。なお、光源装置10および光学系11の詳細な構成については追って説明する。
【0033】
光学系11の前方には、投写レンズ5が配されている。投写レンズ5は、光学系11により生成された映像光を拡大し、スクリーン等の被投写面に投写する。
【0034】
光学系11の左側には、第1ランプ電源装置13が配されており、光源装置10の右側には、第2ランプ電源装置14が配されている。第1ランプ電源装置13は、左側の前後2つのランプユニットに対してそれぞれ電力を供給する2つのランプ電源を含む。第2ランプ電源装置14は、右側の前後2つのランプユニットに対してそれぞれ電力を供給する2つのランプ電源を含む。
【0035】
第2ランプ電源装置14の前方には、メイン電源装置15が配されている。メイン電源装置15は、光学系11を構成する電装部品(液晶パネル等)、制御基板17等に電力を供給する。
【0036】
第2ランプ電源装置14の下には、ノイズフィルタを備えるフィルタユニット16が配されている。商用電源からの交流電力がフィルタユニット16を介して第1ランプ電源装置13、第2ランプ電源装置14およびメイン電源装置15にそれぞれ供給される。
【0037】
光学系11の上方には、制御基板17が配される。制御基板17には、液晶パネル、ランプユニット等の電装部品を制御するための制御回路が備えられている。なお、図2では、光学系11が見えるよう、制御基板17が破線にて示されている。
【0038】
光源装置10は、光源装置10の後側に配された第1排気ユニット18、および第2排気ユニット19を含む。第1排気ユニット18および第2排気ユニット19は、後述する第1冷却ユニットおよび第2冷却ユニットから4つのランプユニットに供給され、ランプユニットを冷却することにより温まった冷却風を吸い込んで、外部に排出する。
【0039】
第1ランプ電源装置13の前方には、第1電源冷却ファン20が配されている。第1電源冷却ファン20は、後方の第1ランプ電源装置13に送風して第1ランプ電源装置13を冷却する。第2ランプ電源装置14とメイン電源装置15の間には、第2電源冷却ファン21が配されている。第2電源冷却ファン21が動作すると、本体キャビネット1内に取り込まれた空気が、冷却風としてメイン電源装置15を通り、第2電源冷却ファン21に吸い込まれる。さらに、第2電源冷却ファン21から送出された冷却風が第2ランプ電源装置14に供給される。これにより、メイン電源装置15および第2ランプ電源装置14が冷却される。
【0040】
<光学系の構成>
図3は光学系11の構成を示す図である。
【0041】
図3に示すように、光学系11は、導光光学系101、3つの透過型の液晶パネル10
2、103、104と、ダイクロイックプリズム105とを備えている。なお、液晶パネル102、103、104の入射側と出射側には図示しない偏光板が配されている。
【0042】
光源装置10から出射された白色光は、導光光学系101に入射する。導光光学系101は、フライアイインテグレータ、PBSアレイ、コンデンサレンズ、ダイクロイックミラー、平面ミラー、リレーレンズ等を備える。導光光学系101に入射した白色光は、赤色波長帯の光(以下、「R光」という)と、緑色波長帯の光(以下、「G光」という)と、青色波長帯の光(以下、「B光」という)に分離され、液晶パネル102、103、104に照射される。これら液晶パネル102、103、104によって変調されたR光、G光、B光は、ダイクロイックプリズム105によって色合成され、映像光として出射される。なお、液晶パネル102、103、104、ダイクロイックプリズム105は、一体化され、プリズムユニット12を構成する。
【0043】
なお、光学系11を構成する光変調素子としては、上記透過型の液晶パネル102、103、104の他、反射型の液晶パネルや、MEMSデバイスを用いることもできる。また、上記のように3つの光変調素子を備えた3板式の光学系ではなく、たとえば、1つの光変調素子とカラーホイールを用いた単板式の光学系とされても良い。
【0044】
<光源装置の構成>
図4および図5は、光源装置10の構成を示す図である。図4は光源装置10を前斜め方向から見た斜視図であり、図5は光源装置10を後斜め方向から見た斜視図である。
【0045】
図4および図5を参照して、光源装置10は、下キャビネット2に固定されたランプ装着ユニット200と、ランプ装着ユニット200に装着される4つのランプユニット300により構成されている。
【0046】
ランプ装着ユニット200は、ハウジング210と、2つのミラー部材220と、4つの第1UVカット部材230と、第2UVカット部材240とを備えている。
【0047】
ハウジング210は、樹脂材料により形成されており、中央に配された2つのミラー配置部211と、ミラー配置部211の両側に形成された4つのランプ収容部212とを備えている。前側のミラー配置部211の底面は、後側のミラー配置部211の底面より低くされている。また、前側の左右2つのランプ収容部212の底面は、後側の左右2つのランプ収容部212の底面よりも低くされている。ミラー配置部211には、ミラー部材220が配置され、ランプ収容部212には、ランプユニット300が装着される。なお、ミラー配置部211の上方は、ミラー部材220が配置された後に、図示しないミラーカバーにより覆われる。
【0048】
ミラー部材220は、V字状に形成されたベース部材221の前面に、V字状に形成された平面ミラー222が取り付けられた構成を有する。ミラー部材220は、ランプユニット300から出射された光を反射して前方へ導く。
【0049】
第1UVカット部材230は、紫外線の通過を阻止するUVカットガラス231を備えている。各第1UVカット部材230は、各ランプ収容部212と、それに対応するミラー配置部211との間に配される。
【0050】
第2UVカット部材240は、紫外線の通過を阻止するUVカットガラスであり、前側のミラー配置部211の前方に配置される。第2UVカット部材240の高さは、後側のミラー部材220により反射されて前方に向かう光の光路より高くなるように設定されている。
【0051】
図6は、ランプユニット300の構成を示す図である。図6(a)は、ランプユニット300を前斜め方向から見た斜視図である。図6(b)は、ランプユニット300を後斜め方向から見た斜視図である。
【0052】
図6を参照して、ランプユニット300は、ランプ310と、ランプ310を保持するランプホルダ320により構成されている。ランプ310は、白色の光を発する発光管311と、発光管311から発せられた白色光を反射するリフレクター312を備えている。ランプ310には、たとえば、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ等が用いられる。
【0053】
ランプホルダ320は、樹脂材料により形成されており、ホルダ本体321と底板322とを備えている。ホルダ本体321の前面には、ランプ310からの光が出射される出射窓323が形成されている。出射窓323には、耐熱性のガラス板324が嵌め込まれている。ホルダ本体321は底面が開口しており、下方からランプ310が装着される。ホルダ本体321の底面の前半分に底板322が取り付けられ、底板322によってランプ310の底部が支えられる。
【0054】
ホルダ本体321の上面には取手325が設けられている。取手325は、ランプユニット300を持ち運ぶ際やランプ装着ユニット200に対して着脱する際に用いられる。
【0055】
図4および図5に戻り、ランプ装着ユニット200に4つのランプユニット300が組み込まれた状態において、左右の前後2つのランプユニット300は、それぞれ、互いに隣接している。また、前列の左右2つのランプユニット300は、前側のミラー部材220を挟んで対向しており、後列の左右2つのランプユニット300は、後側のミラー部材220を挟んで対向している。
【0056】
プロジェクタの運転が行われると、各ランプユニット300から光が出射される。図4に示すように、各ランプユニット300から出射された光は、対応する第1UVカット部材230を通過し、その際に紫外線が除去される。そして、各第1UVカット部材230を通過した光は、各ランプユニット300に対応するミラー部材220により光源装置10の前方に反射されて一つの光に合成される。このとき、前方の2つのランプユニット300は、後方の2つのランプユニット300より低い位置に配されている。このため、後方のランプユニット300からの光が前方のランプユニット300に遮られることはない。合成された光は、第2UVカット部材240を通過し、さらに紫外線が除去される。このようにして、4つのランプユニット300からの光が合成されことにより、光源装置10からは高輝度な光が出射される。
【0057】
ランプ装着ユニット200の後面には、左側に第1排気ユニット18が、右側に第2排気ユニット19が、中央に第3排気ユニット22が、それぞれ取り付けられている。また、ランプ装着ユニット200の底面には、左側に第1冷却ユニット23が、右側に第2冷却ユニット24が、それぞれ取り付けられている。
【0058】
第1冷却ユニット23は、左側の前後のランプ収容部212にそれぞれ対応する2つの冷却ファンを備えており、これら冷却ファンから送出された冷却風が、対応するランプ収容部212に供給される。これにより、左側の前後2つのランプユニット300が冷却される。
【0059】
第2冷却ユニット24は、右側の前後のランプ収容部212にそれぞれ対応する2つの冷却ファンを備えており、これら冷却ファンから送出された冷却風が、対応するランプ収容部212に供給される。これにより、右側の前後2つのランプユニット300が冷却さ
れる。
【0060】
第1排気ユニット18には、2つの排気ファン18a、18bが上下2段に配されている。上側の排気ファン18aは、左後ろのランプ収容部212内のランプユニット300を冷却することにより温まった冷却風を吸い込んで外部に排出する。また、下側の排気ファン18bは、左前のランプ収容部212内のランプユニット300を冷却することにより温まった冷却風を、ダクト250を介して吸い込み、外部に排出する。
【0061】
第2排気ユニット19には、2つの排気ファン19a、19bが上下2段に配されている。上側の排気ファン19aは、右後ろのランプ収容部212内のランプユニット300を冷却することにより温まった冷却風を吸い込んで外部に排出する。また、下側の排気ファン19bは、右前のランプ収容部212内のランプユニット300を冷却することにより温まった冷却風を、ダクト260を介して吸い込み、外部に排出する。
【0062】
第3冷却ユニット22には、排気ファン22aが配されている。排気ファン22aは、前後のミラー配置部211内の空気を吸い込んで外部に排出する。これにより、ミラー配置部211内には、新たな空気が導入され、導入された空気によりミラー部材220が冷却される。
【0063】
各ランプ収容部212の側壁212aの近傍には、各ランプユニット300に対応する温度ヒューズユニット400が配されている。左側の前後2つの温度ヒューズユニット400は、ダクト250の前側および後側に形成された装着板251に装着されている。また、右側の前後2つの温度ヒューズユニット400は、ダクト260の前側および後側に形成された装着板261に装着されている。
【0064】
温度ヒューズユニット400は、温度ヒューズ(後述する)を含む。温度ヒューズは、フィルタユニット16からランプ電源装置13、14への交流電力の供給ラインに配されている。第1冷却ユニット23および第2冷却ユニット24の冷却性が低下するなど、何らかの要因によりランプユニット300が過熱状態となり、温度ヒューズの温度が設定温度を超えると、温度ヒューズが切れる。これにより、ランプ電源装置13、14へ交流電力が供給されなくなるため、ランプユニット300への電力供給が遮断される。
【0065】
なお、左側の前後2つのランプユニット300に対する2つの温度ヒューズは、電気的に直列に接続されており、フィルタユニット16を通過した交流電力は、2つの温度ヒューズを通過した後に分電されて、各ランプユニット300に対応するランプ電源に供給される。この場合、左側の前後2つの温度ヒューズの何れか1つが切れれば、左側の前後のランプユニット300の双方への電力供給が遮断される。同様に、右側の前後2つのランプユニット300に対する2つの温度ヒューズは、電気的に直列に接続されており、フィルタユニット16を通過した交流電力は、2つの温度ヒューズを通過した後に分電されて、各ランプユニット300に対応するランプ電源に供給される。この場合、右側の前後2つの温度ヒューズの何れ1つが切れれば、右側の前後のランプユニット300の双方への電力供給が遮断される。
【0066】
なお、4つの温度ヒューズは、全て電気的に直列に接続されても良い。この場合、4つの温度ヒューズのうち、何れかが1つが切れれば、全てのランプユニット300への電力供給が遮断される。また、4つの温度ヒューズは、全て電気的に並列に接続されても良い。この場合、切れた温度ヒューズに対応するランプユニット300への電力供給が遮断される。
【0067】
各装着板251、261には、温度ヒューズユニット400に隣接するようにして、中
継ユニット270が装着されている。ランプ電源装置13、14側からの電線と、ランプユニット300側からの電線とが中継ユニット270によって中継される。
【0068】
<温度ヒューズユニットの構成>
図7から図10は、温度ヒューズユニット400の構成を示す図である。図7は、斜め後方から見た、温度ヒューズユニット400の分解斜視図である。図8(a)、(b)は、それぞれ、斜め前方および斜め下方から見たヒューズホルダ402の斜視図である。図8(c)は、図9(a)のA−A´線に沿って切断された、ヒューズホルダ402の底部の断面図である。図9(a)は、温度ヒューズ401が取り付けられていない状態のヒューズホルダ402の平面図であり、図9(b)は、温度ヒューズ401が取り付けられた状態のヒューズホルダ402の平面図である。図10は、斜め前方から見た、組み立てられた状態の温度ヒューズユニット400の斜視図である。
【0069】
温度ヒューズユニット400は、温度ヒューズ401と、ヒューズホルダ402と、ホルダカバー403とを備えている。温度ヒューズ401には左右両端に端子404、405が設けられている。これら端子404、405には、たとえば、カシメ構造により、それぞれ電線406、407が接続されている。温度ヒューズ401には、たとえば、感温ペレットタイプの温度ヒューズが用いられる。
【0070】
ヒューズホルダ402は、上面全体と前面中央部が開口している。以下、それぞれの開口を、上面開口408および前面開口409と称する。前面開口409の上縁は、上面開口408に繋がっており右縁および左縁は、一段後方に下がっている。また、前面開口の下縁には、溝部410が形成されている。
【0071】
ヒューズホルダ402は、ヒューズ収容部411と、ネジ取付部412と、電線収容部413により構成される。ヒューズ収容部411は、ヒューズホルダ402の前側に位置している。ヒューズ収容部411の底部に、温度ヒューズ401が取り付けられる。図7(c)および図8(a)に示すように、ヒューズ収容部411の底部には、左側に、所定の隙間を有して前後に対向する一対のリブ415が設けられており、右側にも、同様に、一対のリブ416が設けられている。また、中央部には、前壁に爪部417が形成されている。図8(a)に示すように、溝部410には、爪部417の周辺に、ヒューズ収容部411の底面から溝部410の底面にかけて開口418が形成されている。これにより、破線に示すように、爪部417の周辺の前壁が前方に撓みやすくなっている。
【0072】
ネジ取付部412は、ヒューズホルダ402の中央部に位置している。ネジ取付部412には、外底面に2つのボス418、419が形成されている。これらボス418、419は、リブ420によって連結されている。ボス418、419には、ネジ取付部412の底面を貫通する貫通孔418a、419aが形成されている。温度ヒューズユニット400が装着板251、261に固定される際、何れかの貫通孔418a、419aにネジ421が通される。
【0073】
ヒューズ収容部411の外底面には、脚部422が形成されている。脚部422は、前後方向に延び、それぞれのボス418、419に繋がる縦リブ422a、422bと、縦リブ422a、422bの前方において、左右に延びる横リブ422cとにより構成されている。脚部422は、ボス418、419と同じ高さを有する。さらに、ヒューズ収容部411の外底面には、脚部422の左右両側に、L字型のリブ423、424が形成されている。温度ヒューズユニット400が装着板251、261に装着されたとき、ボス418、419、脚部422、およびリブ423、424が装着板251、261の上面に接する。
【0074】
電線収容部413には、中央部に取付ボス425が形成されている。取付ボス425には、ネジ孔425aが形成されている。また、電線収容部413には、左右の側面寄りに、それぞれ、円筒状のガイド部426、427が形成されている。
【0075】
電線収容部413の左右の側面には、それぞれ取出口428、429が形成されている。取出口428、429は、上端部の幅が他の部分の幅より狭くなるように形成されている。また、電線収容部413の左右の側面には、上端部に、内側に突出する突起430、431が形成されている。
【0076】
電線収容部413の後面には、左右2カ所にフック部432、433が形成されている。フック部432、433は、側方から見て略L字形状を有している。フック部432、433の先端部には、フック部432、433に通された電線が上方に外れにくくなるよう、爪部432a、433aが形成されている。
【0077】
ヒューズ収容部411と電線収容部413との間は、ネジ取付部412の左右において、仕切壁434、435により仕切られている。仕切壁434、435の上部には、切欠部434a、435aが形成されている。
【0078】
なお、温度ヒューズユニット400が装着板251、261に装着された状態で、隣接する中継ユニット270に干渉しないよう、ヒューズホルダ402は、電線収容部413の底面が、ヒューズ収容部411およびネジ取付部412の底面よりも高くなるように構成されている。即ち、ヒューズホルダ402は、側方から見て略逆L字型となるように構成されている。
【0079】
ホルダカバー403は、上面カバー436と、上面カバー436の前端部から下方に延びる前面カバー437とを含む。上面カバー436には、ネジ取付部412に対応する位置に、開口部438が形成されている。また、取付ボス425のネジ孔425aに対応する位置に、貫通孔439が形成されている。ホルダカバー403がヒューズホルダ402に固定される際、貫通孔439にネジ440が通される。
【0080】
温度ヒューズユニット400が組み立てられる際には、まず、図7の黒矢印で示すように、温度ヒューズ401が上方からヒューズ収容部411の底部に収容される。このとき、温度ヒューズの直径は、ヒューズ収容部411の爪部417と、爪部417に対面する壁との間隔よりやや大きいため、爪部417を前方に押すようにして、温度ヒューズ401が爪部417と壁との間を通される。
【0081】
図9(b)に示すように、温度ヒューズ401は、ヒューズ収容部411の底部において、左側の一対のリブ415と右側の一対のリブ416との間に配される。一対のリブ415、416における対向するリブの間隔は、温度ヒューズ401よりも狭いため、これら一対のリブ415、416によって、温度ヒューズの左右方向への動きが規制される。また、温度ヒューズの上方には、爪部417が張り出すので、爪部417によって温度ヒューズ401の上方への動きが規制される。ここで、ヒューズホルダ402には、前面開口409が設けられている。これにより、ユーザは、温度ヒューズ401を円滑にヒューズ収容部411の底部に収容することができる。
【0082】
温度ヒューズ401がヒューズ収容部411に収容されると、図9(b)のように、電線406、407の配線作業が行われる。なお、図9(b)において、電線収容部413に導入されてから先の電線406、407が、便宜上、太い実線、または太い点線により表わされている。
【0083】
温度ヒューズ401の左側の端子404に繋がっている電線406は、図9(b)の太い実線で示すように、切欠部434aを通じて電線収容部413に導入され、ガイド部426の外周面に略半周に亘って沿わされた後、取出口428からヒューズホルダ402の外部に引き出される。一方、温度ヒューズ401の右側の端子405に繋がっている電線407は、図9(b)の太い実線で示すように、切欠部435aを通じて電線収容部413に導入され、ガイド部427の外周面に略半周に亘って沿わされた後、取出口429からヒューズホルダ402の外部に引き出される。引き出された電線407は、さらに、電線収容部413の後面側に回され、フック部433とフック部432に順次通されて、電線406と同じ方向に導かれる。
【0084】
電線406、407が電線収容部413内で、上記のように引き回されることにより、電線406、407と切欠部434a、435aとの接触抵抗や電線406、407とガイド部426、427との接触抵抗などにより、外部に引き出された電線406、407に張力が加わっても、電線収容部413内では張力に対する抵抗力が生じる。よって、何らかの原因により、外部の電線406、407に張力が加わっても、電線406、407と温度ヒューズ401(端子404、405)との接合部に加わる張力が低減される。
【0085】
なお、4つの温度ヒューズユニット400のうち、ランプ装着ユニット200の左後方に配置される温度ヒューズユニット400については、図9(b)の太い点線で示すように、電線収容部413に導入された電線407が、ガイド部427に巻かれることなく、取出口428の方向へ導かれ、取出口428からヒューズホルダ402の外部に引き出される。
【0086】
こうして、温度ヒューズ401がヒューズホルダ402に収容され、ヒューズホルダ402内での配線作業が完了すると、ヒューズホルダ402に、ホルダカバー403が装着される。
【0087】
ヒューズホルダ402の左右側面および後面は、ヒューズホルダ402の前面、ネジ取付部412、仕切壁434、435、ガイド部426、427および取付ボス425より高くされている。また、左右側面の上端に突起430、431が形成されている。よって、図7の白抜き矢印で示すように、上面カバー436が、ヒューズホルダ402の前方から、突起430、431と、ヒューズホルダ402の前面、ネジ取付部412、仕切壁434、435、ガイド部426、427および取付ボス425との間をスライドされることにより、ホルダカバー403が、ヒューズホルダ402に装着される。上面開口408が完全に覆われるまでホルダカバー403がスライドされると、ホルダカバー403における開口部438および貫通孔439が、それぞれ、ヒューズホルダ402におけるネジ取付部412の上面および取付ボス425のネジ孔425aに整合する。ホルダカバー403の前面カバー437の上下の長さは、前面開口409より僅かに長くされている。このため、前方からスライドさせただけでは、前面カバー437の下端部がヒューズホルダ402の前面に接触する。ホルダカバー403は、その厚みが薄くされており、上面カバー436および前面カバー437はともに撓むことができる。よって、上面カバー436が最後までスライドされると、上面カバー436の前側を上方に撓ませるようにして前面カバー437が持ち上げられ、前面カバー437の下端部がヒューズホルダ402の前面に当たらない位置まで来ると、前面カバー437が溝部10へ下される。これにより、前面カバー437の下端部がヒューズホルダ402の溝部410に差し込まれる。
【0088】
なお、ヒューズホルダ402の左右側面および後面、ならびに2つの突起430、431により、本発明の規制部が構成されている。
【0089】
このようにして、ヒューズホルダ402にホルダカバー403が装着されると、ヒュー
ズホルダ402の上面開口408および前面開口409が、それぞれホルダカバー403の上面カバー436および前面カバー437に覆われる。これにより、温度ヒューズ401がヒューズホルダ402とホルダカバー403で覆われた状態となる。
【0090】
最後に、ネジ440が貫通孔439に通され、取付ボス425のネジ孔425aに止められる。これにより、ホルダカバー403がヒューズホルダ402に固定され、図10に示すように、温度ヒューズユニット400の組み立てが完了する。なお、図10では、取出口429から引き出される電線407が図示省略されている。
【0091】
<温度ヒューズユニットのランプ装着部への装着構造>
図11は、温度ヒューズユニット400がランプ装着ユニット200へ装着される前の状態を示す斜視図である。図11には、ランプ装着ユニット200の左側の2つの装着板251と、これら装着板251に装着される温度ヒューズユニット400が示されている。
【0092】
図11に示すように、装着板251には、温度ヒューズユニット400を固定するための構造として、ネジ孔252と、ネジ孔252の両側に形成されたL字型の係合リブ253、254が形成されている。
【0093】
図12は、ヒューズホルダ402の各リブ423、424が、それぞれ、装着板251の各係合リブ253、254に係合される様子を模式的に示す図である。
【0094】
温度ヒューズユニット400は、図12の示すように、各リブ423、424が、それぞれ、対応する係合リブ423、424に係合される状態となるよう、装着板251上に配置される。このとき、温度ヒューズユニット400の2つの貫通孔418a、419aのうち、温度ヒューズユニット400に応じて予め決められた貫通孔が、装着板251のネジ孔252に整合する。この状態で、ホルダカバー403の開口部438を通じて、ネジ421がネジ取付部412内に挿入され、挿入されたネジ421がネジ孔252に整合する貫通孔(貫通孔418aまたは貫通孔419a)に通されてネジ孔252に止められる(図13参照)。これにより、温度ヒューズユニット400が装着板251に固定される。
【0095】
ここでは、ランプ装着ユニット200の左側の装着板251への温度ヒューズユニット400の装着構造について説明したが、ランプ装着ユニット200の右側の2つの装着板261への温度ヒューズユニット400装着構造も同様な装着構造が採られている。よって、ここでは、説明を省略する。
【0096】
図13は、左後方の装着板251に、温度ヒューズユニット400が装着された状態を示す要部の断面図であり、光源装置10の左右方向で切断した断面図である。図13では、温度ヒューズユニット400と中継ユニット270との配置関係が分かるように、実際には、断面部分より手前に配されている中継ユニット270が一点鎖線で示されている。
【0097】
図13に示すように、温度ヒューズユニット400が装着板251に装着された状態において、ヒューズホルダ402の電線収容部413が、中継ユニット270より高い位置にある。このため、温度ヒューズユニット400が中継ユニット270に干渉しない。また、ヒューズホルダ402の前面が、ランプ収容部212の側壁212aに近接対向する。これにより、ヒューズホルダ402内の温度ヒューズ401が、ランプ収容部212の近傍位置に配されることとなる。
【0098】
ここで、温度ヒューズユニット400が装着板251、261に装着された状態で、作
業者により、誤ってネジ440が取り外され、ヒューズホルダ402とホルダカバー403との固定が解除される場合が生じ得る。こうなると、ホルダカバー403は、ヒューズホルダ402の左右側面および後面により左右方向および後方への動きが規制され、突起430、431により上方への動きが規制されているが、前方へスライドすることが可能となる。しかしながら、図13の破線に示すように、ホルダカバー403が前方に動かされても、上面カバー436が突起430、431より前方に移動する前に、前面カバー437がランプ収容部212の側壁212aに当たる。よって、ホルダカバー403がヒューズホルダ402から外れない。
【0099】
<本実施の形態の効果>
以上、本実施の形態によれば、温度ヒューズ401がヒューズホルダ402(ヒューズ収容部411)とホルダカバー403とで覆われるので、誤って、温度ヒューズが人の手で触れられ難い。しかも、温度ヒューズ401を交換する際、作業者は、装着板251、261から温度ヒューズユニット400を取り外し、さらに、ホルダカバー403を取り外して、ヒューズホルダ402から温度ヒューズ401を取り出せばよい。よって、作業者は、温度ヒューズ401を容易に交換できる。
【0100】
また、本実施の形態によれば、装着状態において、温度ヒューズユニット400の前面が、ランプ収容部212の側壁212aに近接する構成とされ、ホルダカバー403が外れる方向にスライドしても、側壁212aに当たることで、ヒューズホルダ402から取り外せる位置まで移動できない構成とされている。よって、誤って、ヒューズホルダ402からホルダカバー403が外され、温度ヒューズ401が外部にさらされるのを防止できる。
【0101】
さらに、本実施の形態によれば、温度ヒューズ401から伸びる電線406、407が、外部から加わる張力に対して温度ヒューズ401と電線406、407との接合部に加わる張力が小さくなるように、電線収容部413内で引き回された後、外部に引き出される構成とされている。このため、万一、外部から電線406、407に張力が加えられても、温度ヒューズ401と電線406、407との接合部に加わる張力を低減できる。よって、張力により温度ヒューズ401から電線406、407が外れてしまうのを防止できる。
【0102】
また、万一、温度ヒューズ401と電線406、407との接続が外れても、温度ヒューズ401に接続されていた電線406、407の先端部が、電線収容部413の外部まで引き出され難い。よって、通電状態で電線406、407の先端部が外部にさらされるのを防止できる。
【0103】
さらに、本実施の形態によれば、ネジ取付部412が、装着板251、261への装着方向から見たときに、ヒューズホルダ402の中央部に設けられている。これにより、装着板251、261に対し、温度ヒューズユニット400が中央部分で固定されるので、温度ヒューズユニット400を一カ所で固定するような構成としても、温度ヒューズユニット400を安定して固定できる。
【0104】
さらに、本実施の形態によれば、ネジ取付部412が、1本のネジによって装着板215、216に装着される構成とされているので、1本のネジを外すだけで、温度ヒューズユニット400を装着板251、261から取り外すことができ、温度ヒューズ401の交換作業が一層容易になる。
【0105】
このように、1本のネジ421により温度ヒューズユニット400が装着板251に固定される場合、温度ヒューズユニット400は、ネジ421による固定部分を中心にして
装着方向と垂直な面内方向に回り易い、即ち、温度ヒューズユニット400が装着板251の上面に沿って回り易い。
【0106】
この点、本実施の形態では、ヒューズホルダ402のリブ423、424と装着板251の係合リブ253、254とが係合しているため、温度ヒューズユニット400が、装着板251の上面に沿って回るのが防止される。よって、温度ヒューズユニット400を装着板251にしっかりと固定できる。
【0107】
なお、本実施の形態では、ヒューズホルダ402のリブ423、424と装着板251の係合リブ253、254により、本発明の防止構造が実現されている。
【0108】
<その他>
以上、本実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も、上記実施の形態に以外に、種々の変更が可能である。
【0109】
たとえば、上記実施の形態では、中継ユニット270に干渉しないよう、電線収容部413に底面が、ヒューズ収容部411およびネジ取付部412の底面に比べて高くなるよう構成されている。即ち、ヒューズ収容部411およびネジ取付部412は、電線収容部413に比べて底が深くなる形状とされている。
【0110】
しかしながら、中継ユニット270など他の構成部品と干渉する虞なく、装着板251に装着できるのであれば、図14に示すように、電線収容部413に底面と、ヒューズ収容部411およびネジ取付部412の底面とが等しい高さとなるよう、ヒューズ収容部411およびネジ取付部412が、底が浅くなるように形成されても良い。この場合、ヒューズ収容部411は底が浅くなり、温度ヒューズ401が上方からヒューズ収容部411へ収容されやすくなるので、ヒューズホルダ402に前面には、前面開口409が形成されない。
【0111】
また、上記実施の形態では、ネジ取付部412に2つの貫通孔418a、419aが形成されて、温度ヒューズユニット400に応じて、ネジ421の取り付けに用いられる貫通孔が変えられる構成とされている。しかしながら、ネジ取付部412には、1つの貫通孔のみが形成されるようにし、4つの温度ヒューズユニット400とも、その1つの貫通孔がネジ421の取り付けに用いられるような構成とされても良い。
【0112】
さらに、上記実施の形態では、電線収容部413内に形成したガイド部226、427により、外部から加わる張力に対して温度ヒューズ401と電線406、407との接合部に加わる張力が小さくなるように電線406、407の引き回わすための構造が実現されている。しかしながら、これに限らず、たとえば、図15に示すような構成とされても良い。即ち、電線収容部413内において、左側には、2つのガイド部426a、426bが形成され、右側にも、2つのガイド部427a、427bが形成される。この場合、電線406は、2つのガイド部426a、426bの間を縫うように配線されて、取出口428から引き出される。また、電線407は、2つのガイド部427a、427bの間を縫うように配線されて、取出口429から引き出される。
【0113】
さらに、上記実施の形態では、ヒューズホルダ402のリブ423、424と装着板251の係合リブ253、254により、温度ヒューズユニット400の回り防止がなされているが、本発明の防止構造は、これに限られず、たとえば、装着板251に、リブ423、424の形状と同じL字型の穴部が形成され、リブ423、424が穴部に嵌り込むことにより、温度ヒューズユニット400の回り防止がなされても良い。
【0114】
さらに、上記実施の形態のプロジェクタは、4つのランプユニット300が備えられた、いわゆる4灯式のプロジェクタであるが、4灯以外の多灯式のプロジェクタであっても良い。たとえば、1つのランプユニット300が備えられた、1灯式のプロジェクタであっても良い。この場合、ランプユニット300が1つであれば、温度ヒューズユニット400も1つとなる。
【0115】
さらに、上記実施の形態では、ランプ光源を用いたランプユニット300により光源装置10が構成されているが、LED光源やレーザ光源を用いた光源ユニットにより光源装置10が構成されても良い。
【0116】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0117】
10 光源装置
102、103、104 液晶パネル(光変調部)
200 ランプ装着ユニット
212 ランプ収容部(光源収容部)
250、260 ダクト
251、261 装着板(装着部)
300 ランプユニット(光源部)
400 温度ヒューズユニット
401 温度ヒューズ
402 ヒューズホルダ
403 ホルダカバー(カバー部)
406、407 電線
408 上面開口(開口)
409 前面開口(開口)
411 ヒューズ収容部
412 ネジ取付部(被装着部)
413 電線収容部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、
温度ヒューズユニットと、
前記光源部の周囲に設けられ、前記温度ヒューズユニットが装着される装着部と、
を備え、
前記温度ヒューズユニットは、
前記光源部の温度に基づいて、前記光源部への電力供給を遮断する温度ヒューズと、
前記温度ヒューズが出入りする開口を有し前記温度ヒューズが収容されるヒューズ収容部と、
前記開口を覆うカバー部と、
前記装着部に装着される被装着部と、
を含む、
ことを特徴とする光源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の光源装置において、
前記光源部を収容する光源収容部を、さらに備え、
前記装着部は、前記光源収容部の外側に設けられ、
前記温度ヒューズユニットは、前記カバー部が一方向にのみ移動することにより前記開口から離れるよう、前記一方向以外の前記カバー部の動きを規制する規制部を、さらに含み、
前記温度ヒューズユニットと前記光源収容部とが、前記カバー部が前記開口から離れるべく前記一方向に移動すると前記光源収容部に当たる位置関係となるように、前記被装着部が前記装着部に装着される、
ことを特徴とする光源装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の光源装置において、
前記温度ヒューズユニットは、前記ヒューズ収容部に収容された前記温度ヒューズから伸びる電線が外部に導出される前に通される電線収容部を、さらに含み、
前記電線収容部は、外部に導出された前記電線に加わる張力に対して前記温度ヒューズと前記電線との接合部に加わる張力が小さくなるように前記電線を引き回すための構造を有する、
ことを特徴とする光源装置。
【請求項4】
請求項3に記載の光源装置において、
前記被装着部は、前記装着部への装着方向から見たときに、前記ヒューズ収容部と前記電線収容部とで形成される領域の中央部に設けられる、
ことを特徴とする光源装置。
【請求項5】
請求項4に記載の光源装置において、
前記被装着部は、1本のネジによって前記装着部に装着される構成とされ、
前記温度ヒューズユニットと前記装着部との間には、前記温度ヒューズユニットが前記ネジによる固定部分を中心に前記装着方向に垂直な面内方向に回るのを防止する防止構造が設けられる、
ことを特徴とする光源装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置から出射された光を変調する光変調部と、を備える、
ことを特徴とする投写型表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−29616(P2013−29616A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164732(P2011−164732)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】