説明

光源装置

【課題】密閉化された光源装置においても、シロキサンによる放電ランプや反射鏡の表面の白濁を防ぎ、光量の低下を抑え、ランプ寿命を維持できる光源装置を提供する。
【解決手段】放電ランプと、中央底部から突出する首部とにより構成された反射鏡と、前記反射鏡の前面開口部に前面ガラスを備え、前記首部に貫通孔を有し、前記放電ランプの一方の封止部が、前記貫通孔に挿通され、凹部に充填された接着剤によって固定された光源装置において、狭小部と前記凹部とをつなぐ側面が前記放電ランプの管軸に垂直な突き当て面となり、前記放電ランプの突き当て面に当接して配置される第1のワッシャと、前記第1のワッシャに当接して配置される第2のワッシャとを備え、前記第1のワッシャは、内径が前記放電ランプの封止部の外径となり、外径が凹部の径より小さく、前記第2のワッシャは、内径が前記放電ランプの封止部の外径より大きく、外径が凹部の径となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ装置や投写型プロジェクター装置などの光源として用いられる光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、例えば液晶ディスプレイ装置や投写型プロジェクター装置などにおいては、例えば放電ランプよりなる光源と反射鏡を組み合わせて構成される光源装置が利用されている。
図4は、従来における放電ランプを用いた光源装置の一例における構成の概略を示す説明図である。
特開2002−62586公報に記載の発明のように、この光源装置は、放電ランプ1が反射鏡3に組み込まれて構成されており、反射鏡3の中心軸に放電ランプ1の光軸が一致するように配置されている。反射鏡3の中央底部36に首部31が設けられ、首部31の内部の反射面側に狭小部38が形成され、狭小部38に続いて凹部39が形成されている。放電ランプ1の封止部12には、接着剤23流出防止用のリングが挿通され、さらに口金17が固定されている。反射鏡3の中央底部36の凹部39に接着剤23を充填して放電ランプ1を固定している。
【0003】
放電ランプ1は点灯中に高温になるので、接着剤23は、高温にさらされても融解しない耐熱性のセラミック接着剤23、例えば、シリカ・アルミナよりなる接着剤23が用いられる。セラミックス接着剤23は、結着力が強く、反射鏡3のガラス面と放電ランプ1の封止管のガラス面を強固に接着できる。しかし、シリコン化合物を含むので、シリカを含むセラミック接着剤23は高温になるとシロキサンなどの揮発性物質を発生する。そのため、放電ランプ1や反射鏡3の表面にシロキサンが付着すると白濁し、光量が低下する。
【0004】
放電ランプ1の点灯時は、過熱防止のため、矢印方向に冷却風を流入する。冷却風により、反射鏡3の内部の空気が対流し、外部に排出される。シロキサンを含むガスも、反射鏡3の内部に留まらず、冷却風と共に外部に排出されるため、シロキサンによる汚染の影響を無視できる程度に低減できた。
【特許文献1】特開2002−62586号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
昨今、プロジェクター装置を屋外で使用することや、外的環境の厳しい諸外国で使用する需要が高まっている。反射鏡3の内部に冷却風が流入するように構成すると、冷却風に乗って大気中の異物が流入する恐れがある。プロジェクター装置内部は、プロジェクター装置外部から光源装置に至る冷却風の通り道となるので、冷却風に乗って運ばれる砂等の異物が混入する。プロジェクター装置内部に光学部品があるので、大気中の異物によって透過率低下により明るさが低下する可能性がある。そのため、光源装置及び光学装置に冷却風を直接吹き付けることなく間接的に冷却を行い密閉化することが、市場から要求されている。
しかしながら、冷却風を流入させずに密閉化すると、シロキサンを含むガスが反射鏡3の内部の閉鎖空間内に留まるため、放電ランプ1や反射鏡3の表面にシロキサンが付着すると白濁し、光量が低下するという問題が発生する。また、放電ランプの発光管にシロキサンが付着すると、発光管の温度が上昇するため、ランプ寿命が短くなるという問題が発生する。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑み、冷却風を流入させない密閉化された光源装置においても、シロキサンによる放電ランプや反射鏡の表面の白濁を防ぎ、光量の低下を抑え、ランプ寿命を維持できる光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願第1の発明は、発光部内に一対の電極を有し、前記発光部の両端に封止部が形成された放電ランプと、前記放電ランプから放射される光を反射する反射部と、中央底部から突出する首部とにより構成された反射鏡とを備え、
前記首部の内部に、反射部側から狭小部と、前記狭小部に続いて凹部とが形成された貫通孔を有し、
前記放電ランプの一方の封止部が、前記反射鏡の前記貫通孔に挿通され、前記凹部に充填された接着剤によって固定された光源装置において、
前記狭小部と前記凹部とをつなぐ側面が前記放電ランプの管軸に垂直な突き当て面となり、
前記放電ランプの封止部に挿通され、前記突き当て面に当接して配置される第1のワッシャと、
前記放電ランプの封止部に挿通され、前記第1のワッシャに当接して配置される第2のワッシャとを備え、
前記第1のワッシャは、内径が前記放電ランプの封止部の外径となり、外径が凹部の径より小さく、
前記第2のワッシャは、内径が前記放電ランプの封止部の外径より大きく、外径が凹部の径となっていることを特徴とする。
また、本願第2の発明は、本願第1の発明において、前記第1のワッシャと前記第2のワッシャは、耐熱性ガスケット部材よりなることを特徴とする。
また、本願第3の発明は、本願第1の発明において、前記第1のワッシャは、内径の放電ランプの管軸方向の厚さが、外径の放電ランプの管軸方向の厚さより大きくなっていることを特徴とする。
また、本願第4の発明は、本願第3の発明において、前記第1のワッシャの前記突き当て面に当接する側面に、内径が前記第1のワッシャの内径と一致し、外径が狭小部の径より小さい突出部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る光源装置によれば、放電ランプの封止部に挿通され、突き当て面に当接して配置される第1のワッシャと、第1のワッシャに当接して配置される第2のワッシャとを備え、第2のワッシャの後端から凹部に接着剤を注入して加熱することによって、第1のワッシャと第2のワッシャが密着して当接して、第1のワッシャと第2のワッシャより後端側の空間と、第1のワッシャと第2のワッシャより先端側の空間とに区分けする。したがって、第1のワッシャと第2のワッシャより後端側の空間で発生したガスが、第1のワッシャと第2のワッシャ22先端側に流入することはない。これより、放電ランプや反射鏡の表面にシロキサンによる白濁を発生させず、光量の低下を抑えることができる。また、シロキサンの付着による放電ランプの発光管の温度上昇も発生しないため、ランプ寿命を維持できる光源装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施例に係る光源装置を示す断面図である。光源装置は、放電ランプ1と、この放電ランプ1を取り囲む反射鏡3より構成され、反射鏡3の光軸と放電ランプ1のアーク方向がほぼ一致するとともに、放電ランプ1のアーク輝点が反射鏡3の第一焦点に一致するように配置されている。
【0010】
反射鏡3は、金属または耐熱性ガラスよりなり、全体が概略お椀状の楕円集光鏡であって、首部31と反射部32より構成されている。反射部32の放電ランプ1に面する表面には誘電多層膜が形成され、反射面となっている。反射鏡3の前面開口部33には、台座35と窓34aよりなる前面ガラス34が密着して設けられている。台座35は、脚部35aとテーパ部35bと支持部35cよりなる。脚部35aは、反射鏡3の前面開口部33と同形で、前面開口部33に密着している。テーパ部35bは、脚部35aの放電ランプ1側端部から導出して前方に突出し、支持部35c側が先細りになるようにテーパ状に形成される。支持部35cは、テーパ部35bの端部から放電ランプ1の管軸方向に向かうように形成され、放電ランプ1の端部よりも前方に形成される。窓34aは、支持部35cに固定され、例えば、ホウ珪酸ガラスなどからなる光透過性の部材により構成される。
【0011】
また、首部31は、反射部32の中央底部36から後方に向かって円柱状に突出するように設けられ、首部31の内部に貫通孔37が形成される。貫通孔37の反射部32側に円柱状の狭小部38が形成され、狭小部38に続いて、狭小部38より径が大きい円柱状の凹部39が形成されている。狭小部38と凹部39をつなぐ側面は放電ランプの管軸に垂直に形成され、ドーナツ状の突き当て面40となっている。
【0012】
放電ランプ1の放電容器10は、石英ガラスよりなり、略球状の発光部11と、この発光部11の両端に続くロッド状の封止部12a、12bより構成されており、発光部11内には一対の電極13が対向配置されている。封止部12a、12b内には金属箔14が埋設され、電極13の端部が金属箔14の一端部に溶接されて電気的に接続される。また、金属箔14の他端には、外部に突出する外部リード15が溶接される。封止部12a、12bの外表面には、金属線を巻きつけて形成された外部トリガー16が配置されている。外部リード15に給電することによって、電極13間に放電を発生する。また、外部リード15への給電開始時に、外部トリガー16にも印加すると、発光部11内の放電媒体のイオン化を促進し、電極13間の絶縁破壊を容易にすることができる。
【0013】
放電ランプ1の一方の封止部12bは、閉鎖空間となっている反射鏡3の内部に配置されるため、給電線42を反射鏡3の外部から外部リード15へ接続する必要がなる。前面ガラス34には孔を開けることができないので、反射鏡3に穴を開けて給電線42を通している。また、外部トリガー16も反射鏡3内に配置されているため、反射鏡3に孔を開けて給電線42をのばす必要がある。反射鏡3に孔をあけてスペーサー41を通し、スペーサー41の内部に給電線42を通している。給電線42とスペーサー41の間に接着剤43を充填し、大気が給電線42とスペーサー41の間から反射鏡3内部に流入しないようにしている。このように、反射鏡3の内部は、外部と連通する対流が起こらない閉鎖空間となっている。そのため、プロジェクター装置内部への砂等の異物混入を防止できる。また、万一、放電ランプ1が破損した場合などにおいて、破片が散乱することを防止できる。
【0014】
放電ランプ1の一方の封止部12aには、第1のワッシャ21と第2のワッシャ22が挿通されている。放電ランプ1の外端に口金が形成されていないので、封止部12aの径が全長にわたって同一であり、第1のワッシャ21と第2のワッシャ22を容易に挿通することができる。第1のワッシャ21は、反射部32側に挿通されており、突き当て面40に当接している。第1のワッシャ21の外径21bは反射鏡3の首部31の凹部39の径より小さく、かつ、狭小部38の径より大きくなっている。第1のワッシャ21の内径21aは放電ランプ1の封止部12aの外径になっている。第2のワッシャ22は、首部31の外端側に挿通されており、第1のワッシャに当接している。第2のワッシャ22の内径22aが放電ランプ1の封止部12aの外径より大きく、かつ、第1のワッシャ21の外径21bより小さくなっている。第2のワッシャ22の外径22bが反射鏡3の首部31の凹部39の径になっている。
【0015】
第1のワッシャ21と第2のワッシャ22は、気密性と水密性を確保するために使用される固定用シール材、すなわちガスケットに使用される部材により形成される。気密性を高めるためには軟らかい方が好ましいが、簡単にたわんでしまわない程度の剛性は必要とする。また、放電ランプ1が点灯時に高温になるので、耐熱性ガスケット部材である必要がある。このような理由から、自動車用のシリンダヘッド・ガスケットに適用される部材、例えば、雲母(マイカ)シート、グラファイトを使用したもの、薄板金属(ステンレス、銅)、黒鉛を薄板ステンレスで挟み込んだ部材が好適に使用できる。
【0016】
第1のワッシャ21と第2のワッシャ22が挿通された封止部12aが、反射鏡3の首部31の貫通孔37に挿入されており、第1のワッシャ21が突き当て面40に当接している。首部31の外端側から凹部39に接着剤23が充填され、封止部12aが接着剤23によって反射鏡3の凹部39内に固定されている。接着剤23は、高温にさらされても融解しない耐熱性のセラミック接着剤、例えば、シリカ・アルミナなどから構成されるよりなる接着剤が用いられる。セラミックス接着剤は、結着力が強く、反射鏡3のガラス面と放電ランプ1の封止管のガラス面を強固に接着できる。
【0017】
続いて、放電ランプ1と反射鏡3の固定方法を説明する。図2は、本発明の光源装置の固定方法を説明するために用いる断面図である。
図2(a)に示すように、まず、放電ランプ1の一方の封止部12aが、反射鏡3の前面開口部33側から首部31の貫通孔37に挿通される。首部31の狭小部38の径が、放電ランプ1の発光部11の径より小さいためである。続いて、首部31の外端側から、首部31に挿通された封止部12aに、第1のワッシャ21を挿通し、続いて第2のワッシャ22を挿通する。第1のワッシャ21の外径は凹部39の径より小さく、第2のワッシャ22の内径が封止部12の外径より大きいため、放電ランプ1が反射鏡3の首部31の貫通孔37に挿通され、封止部12に第1のワッシャ21と第2のワッシャ22を備えた状態で、放電ランプ1を管軸に垂直な方向に自在に動かすことができる。すなわち、封止部12に第1のワッシャ21と第2のワッシャ22を備えた状態で、放電ランプ1の位置調整ができる。
【0018】
図2(b)に示すように、光源装置から放射される光の光量が最大となるように、すなわち、放電ランプ1のアーク輝点が反射鏡3の第一焦点に一致するように位置調整して、放電ランプ1と反射鏡3の位置を固定する。第1のワッシャ21を反射鏡3の突き当て面40に当接させ、第2のワッシャ22を第1のワッシャ21に当接させる。その後、首部31の後端側から接着剤23を充填する。第2のワッシャ22の内径と封止部12の外径との間に接着剤23が充填されない空気の層ができるので、接着剤23が封止部12の側面を伝って発光部11側に漏れ出すことをより効果的に予防できる。
【0019】
接着剤23を凹部39に密に注入した後、首部31の後端側から加熱して、接着剤23を硬化させる。首部31の後端側から加熱するので、接着剤23も後端側から水分やガスが抜けて硬化し、接着剤23の内部に圧力がかかる。この圧力が、第2のワッシャ22を押圧し、第2のワッシャ22と第1のワッシャ21の間の隙間や第1のワッシャ21と突き当て面40の間の隙間をなくし、第2のワッシャ22と第1のワッシャ21と突き当て面40が密着して当接する。また、第1のワッシャ21と第2のワッシャ22が軟らかい部材により形成されていることも、第1のワッシャ21と第2のワッシャ22の間に隙間をできにくくしている。
【0020】
なお、この接着剤23を加熱する際にシロキサンが発生するが、前面ガラス34を配設しない状態で、反射鏡3の内部を外部と対流させながら作業することによって、シロキサンを含むガスを風と共に外部に排出して、シロキサンの付着を防ぐことができる。製造時に放出されるシロキサンによる放電ランプや反射鏡の表面の白濁を防ぐために、放電ランプ1を接着剤23によって固定し、給電線42を接着剤43で固定した後に、前面ガラス34を配設することになる。
【0021】
このように、第1のワッシャ21と第2のワッシャ22が密着して当接して、第1のワッシャ21と第2のワッシャ22より後端側の空間と、第1のワッシャ21と第2のワッシャ22より先端側の空間とに区分けする。したがって、第1のワッシャ21と第2のワッシャ22より後端側の空間で発生したガスが、第1のワッシャ21と第2のワッシャ22より先端側に流入することはない。つまり、凹部39に充填された接着剤23が加熱されてシロキサンが発生しても、第1のワッシャ21と第2のワッシャ22より後端側の空間にしか放出されず、シロキサンを含むガスが第1のワッシャ21と第2のワッシャ22を超えて反射鏡の反射部に流出しない。これより、放電ランプ1や反射鏡3の表面にシロキサンによる白濁を発生させず、光量の低下を抑えることができる。また、シロキサンの付着による放電ランプ1の発光管11の温度上昇も発生しないため、ランプ寿命を維持できる。
【0022】
続いて、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図3は、本発明の実施例に係る光源装置を示す断面図である。
第2の実施形態の第1のワッシャ21は、内径21aの放電ランプ1の管軸方向の厚さが、外径21bの放電ランプ1の管軸方向の厚さより大きくなっている。具体的には、第1のワッシャ21の突き当て面40に当接する側面に段差が設けられ、放電ランプ1の封止部12aと接する部分が反射鏡3の反射部32側に盛り上がるように突出部21cが形成されている。突出部21cは略リング状であり、突出部21cの内径は第1のワッシャ21の内径21aと一致し、突出部21cの外径は狭小部38の径より小さくなっている。
【0023】
第1のワッシャ21の内径21aの放電ランプ1の管軸方向の厚さを大きくすることによって、放電ランプ1の封止部12aとの接触面積が、図1に示すように突出部21cが形成されていない第1のワッシャ21よりも大きくすることができ、第1のワッシャ21と放電ランプ1の封止部12aとの気密性を高めることができる。これより、シロキサンを含むガスが、第1のワッシャ21と放電ランプ1の封止部12aとの隙間から流出することを、より効果的に予防できる。また、放電ランプ1の固定時に、接着剤23が封止部12aの側面を伝って発光部11側に漏れ出すことも、より効果的に予防できる。
【0024】
また、突出部21cの外径が狭小部38より小さいので、第1のワッシャ21は突出部21cを反射部32側に突き出すように配置することになるので、第1のワッシャ21の第2のワッシャ22に当接する側面を、図1に示すように突出部21cが形成されていない第1のワッシャ21と同一の位置になるように配置できる。つまり、第1のワッシャ21の内径21aの放電ランプ1の管軸方向の厚さを大きくしても、突出部21cが狭小部38に突き出るだけで、突き当て面40から第2のワッシャ22の接着剤23と接する側面までの放電ランプ1の管軸方向長さは、図1に示すように突出部21cが形成されていない第1のワッシャ21を用いた場合と同一になる。したがって、第1のワッシャ21に突出部21cを設けても、凹部39に注入できる接着剤23の量は変わらず、放電ランプ1を確実に固定できる。
【0025】
なお、以上では反射鏡3の前面開口部33に前面ガラス34が形成されて、冷却風を流入させない密閉化された光源装置を実現する例を示したが、反射鏡3に固定された放電ランプ1を密閉容器内に配置して、冷却風を流入させない密閉化された光源装置を実現することもできる。
【0026】
続いて、本発明の光源装置について行った実施例について説明する。
図1に示すように、内径が封止部の外径となり、外径が凹部の径より小さい第1のワッシャと、内径が封止部の外径より大きく、外径が凹部の径となっている第2のワッシャを備える光源装置を製作した。放電ランプを100時間点灯し、点灯後のシロキサンによる放電ランプや反射鏡の表面の白濁の有無を観察した。そして、シロキサンによる白色化が発生しなかったことを確認した。
【0027】
比較実験として、図4に示す従来技術に係る光源装置について、放電ランプを100時間点灯し、点灯後のシロキサンによる放電ランプや反射鏡の表面の白濁の有無を観察した。反射鏡の反射面にシロキサンが付着し、白色化したことを確認した。また、図4に示す従来技術に係る光源装置において、リングを用いずに接着剤を注入した光源装置について、同様に実験をした。この光源装置においても、反射鏡の反射面にシロキサンが付着し、白色化したことを確認した。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の光源装置を示す断面図
【図2】本発明の光源装置の固定方法を説明するために用いる断面図
【図3】本発明の光源装置を示す断面図
【図4】従来の光源装置を示す断面図
【符号の説明】
【0029】
1 放電ランプ
10 放電ランプ
11 発光部
12 封止部
15 外部リード
16 外部トリガー
21 第1のワッシャ
22 第2のワッシャ
23 接着剤
3 反射鏡
34 前面ガラス
37 貫通孔
38 狭小部
39 凹部
40 突き当て面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部内に一対の電極を有し、前記発光部の両端に封止部が形成された放電ランプと、前記放電ランプから放射される光を反射する反射部と、中央底部から突出する首部とにより構成された反射鏡とを備え、
前記首部の内部に、反射部側から狭小部と、前記狭小部に続いて凹部とが形成された貫通孔を有し、
前記放電ランプの一方の封止部が、前記反射鏡の前記貫通孔に挿通され、前記凹部に充填された接着剤によって固定された光源装置において、
前記狭小部と前記凹部とをつなぐ側面が前記放電ランプの管軸に垂直な突き当て面となり、
前記放電ランプの封止部に挿通され、前記突き当て面に当接して配置される第1のワッシャと、
前記放電ランプの封止部に挿通され、前記第1のワッシャに当接して配置される第2のワッシャとを備え、
前記第1のワッシャは、内径が前記放電ランプの封止部の外径となり、外径が凹部の径より小さく、
前記第2のワッシャは、内径が前記放電ランプの封止部の外径より大きく、外径が凹部の径となっていることを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記第1のワッシャと前記第2のワッシャは、耐熱性ガスケット部材よりなることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記第1のワッシャは、内径の放電ランプの管軸方向の厚さが、外径の放電ランプの管軸方向の厚さより大きくなっていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項4】
前記第1のワッシャの前記突き当て面に当接する側面に、内径が前記第1のワッシャの内径と一致し、外径が狭小部の径より小さい突出部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−59637(P2009−59637A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227242(P2007−227242)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(000102212)ウシオ電機株式会社 (1,414)
【Fターム(参考)】