説明

光源駆動回路、光源装置および表示装置

【課題】 断線などの異常が発生しても、少ない消費電力で出力電圧の上昇を抑えることができる光源駆動回路、光源装置および表示装置を提供する。
【解決手段】 光源素子20は、一端が出力端子13に接続され、他端が抵抗素子15の一端に接続される。抵抗素子15は、一端が光源素子20の前記他端に接続され、他端がグランドに接続される。ツェナダイオード16は、カソードが出力端子13に接続され、アノードが帰還電圧印加端子14に接続される。抵抗素子17は、一端が帰還電圧印加端子14に接続され、他端が光源素子20と抵抗素子15との接続点に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源を駆動する電流を制御することによって光源の明るさを制御する光源駆動回路、光源装置および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は、従来の技術による光源駆動回路90の構成例を示す図である。光源駆動回路90は、光源素子99に直流電流を供給して発光させる駆動回路であり、電圧変換部901および抵抗素子905を含んで構成される。光源素子99は、LED(Light Emitting Diode)などによって構成され、印加される電圧が上昇すると、流れる電流が増加し、明るさが増す。
【0003】
電圧変換部901は、入力端子902に直流あるいは交流の電圧が入力されると、帰還電圧印加端子903に印加される帰還電圧VFBが基準電圧VREFに等しくなるように、出力端子904から出力する出力電圧VOUTを制御する。光源素子99は、一端が出力端子904に接続され、他端が直列に接続される抵抗素子905を介してグランドに接続される。光源素子99と抵抗素子905との接続点は、帰還電圧印加端子903に接続される。帰還電圧VFBは、帰還電圧印加端子903に流入する電流が、無視することができる程度の大きさであるので、光源素子99を流れる電流ILの電流値と抵抗素子905の抵抗値R1とを乗算した値の電圧となる。
【0004】
たとえば光源素子99を駆動する前の状態では、光源素子99に電圧は印加されず、光源素子99を流れる電流ILの電流値は「0」で、帰還電圧VFBも「0」である。光源素子99の駆動を開始すると、出力電圧VOUTは徐々に上昇し、光源素子99を流れる電流ILも増加し、帰還電圧VFBも上昇する。帰還電圧VFBが基準電圧VREFに等しくなると、出力電圧VOUTの上昇は停止する。
【0005】
しかしながら、光源素子99に異常が発生して該光源素子99の抵抗値が定常値よりも大きくなった(あるいは開放状態となった)場合や、電圧変換部901の出力端子904から光源素子99を経て抵抗素子905に至る経路に断線が生じた場合、抵抗素子905に流れる電流の電流値が減少あるいは「0」になる。抵抗素子905に流れる電流の電流値が減少あるいは「0」になると、帰還電圧VFBは基準電圧VREFより低い値となる。そのため、電圧変換部901は、正常動作時に電圧変換部901から出力される出力電圧VOUTよりも高い出力電圧VOUTを出力してしまい、結果として電圧変換部901などに悪影響を及ぼす場合がある。
【0006】
図5は、上述のような過電圧の発生を防止する技術を採用した光源駆動回路91の回路構成の一例を示すブロック図である。光源駆動回路91は、図4に示した構成に、ツェナダイオード(定電圧ダイオード)906を光源素子99に並列に接続した構成である。ツェナダイオード906は、カソードが電圧変換部901の出力端子904に接続され、アノードが光電素子99と抵抗素子905との接続点(電圧変換部901の帰還電圧印加端子903)に接続される。
【0007】
ツェナダイオード906は、ツェナ電圧VZが、正常動作時の光源素子99の端子間電圧VFよりも高いものを用いる。正常動作時には、ツェナダイオード906に印加される電圧は、光源素子99の端子間電圧VF(ツェナ電圧VZより低い電圧)であるので、ツェナダイオード906に流れる電流は、光源素子99を流れる電流ILの電流値に比して無視しうる程度の大きさに抑えることができる。
【0008】
光源駆動回路91は、正常動作中に光源素子99の経路に断線が生じた場合、光源素子99を流れる電流ILが途切れ、帰還電圧VFBが低下するため、出力電圧VOUTを上昇させ始める。出力電圧VOUTが上昇する途上で、ツェナダイオード906に印加される電圧がツェナ電圧VZになると、帰還電圧VFBは、ツェナダイオード906を介して、上昇する出力電圧VOUTによって吊り上げられ、VFB=VOUT−VZとなる。帰還電圧VFB、すなわち、出力電圧VOUTからツェナ電圧VZを減算した電圧が基準電圧VREFに等しくなった時点で、出力電圧VOUTは上昇を止めて一定電圧となる。したがって、光源駆動回路91では、光源素子99の異常などにより出力電圧VOUTが上昇することに起因する電圧変換部901などへの悪影響を防ぐことができる。
【0009】
光源素子に過電流が流れるのを防止する技術を採用した光源装置の例として、特許文献1に記載される光源装置がある。この光源装置は、抵抗を介して定電流回路からの電流を半導体発光素子に供給し、半導体発光素子を発光するものである。半導体発光素子には、半導体発光素子に順方向の過電流が流れることを防止するために、定電圧ダイオードが並列に接続されている。
【0010】
【特許文献1】特開2000−208817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のような定電圧ダイオード(ツェナダイオード)を光源素子と並列に設ける回路は、電圧変換部が出力する電圧の上昇を抑えることができ、電圧変換部などへの悪影響を防ぐことができる。しかしながら、ツェナ電圧VZが正常動作時の光源素子の端子間電圧VFよりも高いので、上述した断線などの場合に、ツェナダイオードで消費される電力が、正常動作時に光源素子で消費される電力よりも大きくなるという問題がある。
【0012】
本発明の目的は、断線などの異常が発生しても、少ない消費電力で出力電圧の上昇を抑えることができる光源駆動回路、光源装置および表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る光源駆動回路は、入力端子、出力端子、および帰還電圧印加端子を有し、基準電圧に基づいて前記入力端子から入力される入力電圧を前記出力端子から出力される出力電圧に変換する電圧変換部と、電流に応じた電圧を生成する電圧生成部と、前記出力端子と前記電圧生成部との間に位置し、光源素子が接続される光源接続部と、カソードが前記出力端子に接続され、アノードが前記帰還電圧印加端子に接続されるツェナダイオードと、前記帰還電圧印加端子と前記光源接続部との間に接続される電圧降下部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る光源装置は、前記光源駆動回路と、前記光源接続部に接続される光源素子とを備えることを特徴とする。
本発明に係る表示装置は、前記光源装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る光源駆動回路では、断線などの異常が発生したことに起因して帰還電圧VFBが低下し出力電圧VOUTが上昇し始めたとしても、ツェナダイオードに印加される電圧がツェナ電圧VZに達すると、帰還電圧VFBがツェナダイオードを介して上昇する出力電圧VOUTによって吊り上げられ、VFB=VOUT−VZとなる。つまり、出力電圧VOUTからツェナ電圧VZを減算した電圧が基準電圧VREFに等しくなった時点で、出力電圧VOUTは上昇を止めて一定電圧となる。したがって、本発明に係る光源駆動回路では、出力電圧VOUTが過剰に上昇するのを抑制することができる。
【0016】
また、本発明に係る光源駆動回路によれば、帰還電圧印加端子と光源接続部との間に電圧降下部が接続されているため、ツェナダイオードに流れる電流を制限することができる。したがって、本発明に係る光源駆動回路によれば、光源駆動回路全体における消費電力の低減を図ることができるのに加えて、ツェナダイオードとして許容損失あるいは外形の小さいものを採用することができる。
【0017】
本発明に係る光源装置および表示装置は、上述の光源駆動回路を備えているため、上述した光源駆動回路に関する効果と同様の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の実施の一形態である光源装置1の回路構成を示すブロック図である。光源装置1は、光源駆動回路10および光源素子20を含んで構成される。光源駆動回路10は、電圧変換部11、抵抗素子15,17およびツェナダイオード16を含んで構成される。
【0019】
電圧変換部11は、入力端子12、出力端子13および帰還電圧印加端子14を含み、入力端子12に印加される直流電圧VINを変換し、帰還電圧印加端子14に印加される帰還電圧VFBに基づいて、出力端子13から出力する出力電圧VOUTを制御する。すなわち、電圧変換部11は、予め定める基準電圧である基準電圧VREFと帰還電圧印加端子14に印加される帰還電圧VFBとを比較し、帰還電圧VFBが基準電圧VREFに等しくなるように出力電圧VOUTを制御する。具体的には、帰還電圧VFBが基準電圧VREFより低い電圧であると、出力電圧VOUTを上昇し、帰還電圧VFBが基準電圧VREFよりも高い電圧であると、出力電圧VOUTを低下する。基準電圧VREFは、入力端子12に印加される電圧に基づいて生成してもよいし、基準電圧VREFを出力する電圧源を用いてもよいし、外部から入力してもよい。
【0020】
光源素子20は、印加される電圧が減少すると流れる電流ILが減少し、発光する明るさが減少する光源であり、たとえば発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下「LED」という)、白熱電球などの光源によって構成される。光源素子20は、一端が出力端子13に接続され、他端が抵抗素子15の一端に接続される。出力端子13と抵抗素子15との間に位置し、光源素子20が接続される部分は、光源接続部である。
【0021】
電圧生成部である抵抗素子15は、一端が光源素子20の前記他端に接続され、他端がグランドに接続される抵抗素子である。電圧降下部である抵抗素子17は、一端が帰還電圧印加端子14に接続され、他端が光源素子20と抵抗素子15との接続点に接続される抵抗素子である。ツェナダイオード16は、カソードが出力端子13に接続され、アノードが帰還電圧印加端子14に接続される。ツェナダイオード16は、ツェナ電圧VZが、光源素子20に所定の電流を流している正常動作時に、光源素子20の端子間電圧VFよりも高いものを採用する。但し、ツェナダイオード16は、消費電力の低減あるいは小型化の観点から可能な限り低い電圧のものを採用するのが好ましい。
【0022】
抵抗素子17の抵抗値は、抵抗素子17および抵抗素子15に電流IZが流れることによって生じる電圧降下分を出力電圧VOUTから減算した電圧が、ツェナダイオード16が有効に動作するツェナ電圧VZを生ずる最低限の値以上となる抵抗値とする。電流IZは、光源素子20に異常が発生してツェナダイオード16を介して抵抗素子17に電流が流れ、帰還電圧VFBが基準電圧VREFに等しくなったときに抵抗素子17に流れる電流である。この場合、抵抗素子17の抵抗値は、帰還電圧印加端子14に流入する電流の電流値、外来ノイズなどの影響も考慮して、決定する。
【0023】
正常動作時において光源素子20から帰還電圧印加端子14へ流れる電流ILを無視すると、ツェナダイオード16に印加される電圧は、光源素子20の端子間電圧VFから抵抗素子15による電圧降下分を減算した電圧であり、ツェナ電圧VZより低い電圧である。したがって、ツェナダイオード16および抵抗素子17に流れる電流は、光源素子20を流れる電流ILの電流値に比して無視しうる程度の大きさに抑えることができる。
【0024】
光源駆動回路10は、光源素子20に異常が発生して、該光源素子20の抵抗値が定常値よりも大きくなった(あるいは開放状態となった)場合や、電圧変換部11の出力端子13から光源素子20を経て抵抗素子15に至る経路に断線を生じた場合、抵抗素子15に流れる電流の電流値が減少あるいは「0」になる。抵抗素子15に流れる電流の電流値が減少あるいは「0」になると、帰還電圧VFBは基準電圧VREFより低い値となる。そのため、電圧変換部11は、正常動作時に該電圧変換部11から出力される出力電圧VOUTよりも高い出力電圧を出力することとなる。
【0025】
光源駆動回路10では、上述のように、異常が発生したことに起因して帰還電圧VFBが低下し出力電圧VOUTが上昇し始めたとしても、ツェナダイオード16に印加される電圧がツェナ電圧VZに達すると、帰還電圧VFBがツェナダイオードを介して上昇する出力電圧VOUTによって吊り上げられ、VFB=VOUT−VZとなる。つまり、出力電圧VOUTからツェナ電圧VZを減算した電圧が基準電圧VREFに等しくなった時点で、出力電圧VOUTは上昇を止めて一定電圧となる。したがって、光源駆動回路10では、出力電圧VOUTが過剰に上昇するのを抑制することができる。
【0026】
また、光源駆動回路10によれば、帰還電圧印加端子14と光源素子20との間に抵抗素子17が接続されているため、ツェナダイオード16に流れる電流IZを制限することができる。したがって、光源駆動回路10によれば、光源駆動回路10(ひいては光源装置1)全体における消費電力の低減を図ることができるのに加えて、ツェナダイオード16として許容損失あるいは外形の小さいものを採用することができる。
【0027】
図2は、光源装置1の詳細な構成を示す回路図である。図1に示した構成要素と同じ構成要素には、同じ参照符を付して、重複を避けるために説明は省略する。
【0028】
電圧変換部11は、基準電圧素子111、演算増幅器112およびコンデンサ113,114を含んで構成される。入力端子12は、一端がグランドに接続されるコンデンサ113の他端、基準電圧素子111の入力端子、および演算増幅器112の電源接続端子に接続される。コンデンサ113は、入力電圧を平滑化するコンデンサである。基準電圧素子111は、たとえば1つの端子がグランドに接続される3端子レギュレータなどによって構成される。基準電圧生成部である基準電圧素子111は、入力電圧VINから基準電圧VREFを生成し、生成した基準電圧VREFを演算増幅器112の非反転入力端子に入力する。
【0029】
比較増幅器である演算増幅器112は、非反転入力端子が基準電圧素子111の出力端子に接続され、反転入力端子が帰還電圧印加端子14に接続され、出力が、一端がグランドに接続されるコンデンサ114の他端、および出力端子13を介して光源素子20に接続される。演算増幅器112は、帰還電圧印加端子14に印加される帰還電圧VFBが、基準電圧素子111が出力する基準電圧VREFより低いと、出力電圧VOUTを高くし、帰還電圧印加端子14に印加される帰還電圧VFBが、基準電圧素子111が出力する基準電圧VREFよりも高いと、出力電圧VOUTを低くする。コンデンサ114は、出力電圧を平滑化するコンデンサである。
【0030】
正常動作時に、光源素子20を流れる電流ILの電流値をたとえば10mAとし、光源素子20の端子間に印加される端子間電圧VFをたとえば20Vと、基準電圧VREFをたとえば1.0Vとすると、抵抗素子15の抵抗値R1は、R1=VREF/IL=1.0V/10mA=100Ωとなる。
【0031】
ツェナダイオード16のツェナ電圧VZは、端子間電圧VFよりも高いもの、たとえば電流1μAでツェナ電圧VZ=22Vのものとする。抵抗素子17の抵抗値R2は、基準電圧VREF=1.0Vのときに、抵抗素子17および抵抗素子15に流れる電流IZ=1μAの電流が流れるとすると、R2=VREF/IZ=1.0V/1μA=1MΩとなる。抵抗素子15の抵抗値R1は、抵抗素子17の抵抗値R2に比して極めて小さいので、この計算では無視している。端子間電圧VFは、光源素子20の個体差、および使用温度による変化を含めた最大値である。
【0032】
正常動作時の電圧変換部11の出力端子13以降での消費電力、すなわちは電圧変換部11を含まない消費電力は、光源素子20と抵抗素子15とによるものが主な消費電力であり、その値は、IL×VOUT=IL×(VF+VREF)=10mA×(20V+1V)=210mWとなる。この場合、抵抗素子17には、ほとんど電流は流れないので、抵抗素子17による電圧降下は「0」Vとしている。
【0033】
図5に示した従来の技術の場合、光源素子99の経路に断線等の故障を生じたときの消費電力は、正常動作時に光源素子99を流れる電流ILの電流値をたとえば10mAとし、基準電圧VREFをたとえば1.0Vとし、ツェナダイオード906のツェナ電圧VZをたとえば電流1μAで22Vとすると、IL×VOUT=IL×(VZ+VREF)=10mA×(22V+1V)=230mWとなり、正常動作時の消費電力210mWよりも大きくなる。
【0034】
これに対して、図2に示した光源装置1の構成での消費電力は、IZ×VOUT=IZ×(VF+VREF)=1μA×(22V+1V)=23μW=0.023mWとなり、正条動作時の消費電力210mWよりも大幅に低減することができる。
【0035】
したがって、光源素子20の経路に断線等の故障を生じたときに、抵抗素子17および抵抗素子15によって消費電力を分担するツェナダイオード16としては、許容損失の小さいものを使用することができ、実質上は、許容損失を勘案することなく、ツェナダイオード16を選択することができる。
【0036】
図2に示した例では、電圧変換部11を基準電圧素子111と演算増幅器112とによって構成したが、スイッチング方式の昇圧回路、降圧回路、あるいは極性反転電圧変換回路などのDC−DC(直流−直流)コンバータ、または交流電圧から直流電圧への変換機能を備える回路など、直流電圧を出力し、その出力した直流電圧を帰還制御する方式のものであれば、他の構成であってもよい。
【0037】
このように、入力端子12、出力端子13、および帰還電圧印加端子14を有する電圧変換部11によって、基準電圧VREFに基づいて入力端子12から入力される入力電圧が出力端子13から出力される出力電圧VOUTに変換される。電圧生成部である抵抗素子15によって、電流に応じて電圧が生成される。電圧変換部11の出力端子13と抵抗素子15との間に位置する光源接続部によって、光源素子20が接続される。そして、ツェナダイオード16は、カソードが出力端子13に接続され、アノードが帰還電圧印加端子14に接続され、電圧降下部である抵抗素子17は、帰還電圧印加端子14と前記光源接続部との間に接続される。
【0038】
すなわち、断線などの故障があったとき、ツェナダイオード16、抵抗素子17および抵抗素子15を流れる電流IZを、抵抗素子17によって制限することができる。したがって、断線などの故障があっても消費電力の少ない状態で出力電圧の上昇を抑えることができる。
【0039】
さらに、電圧変換部11は、基準電圧素子111によって、基準電圧が生成され、さらに、前記基準電圧を入力する第1端子と、帰還電圧印加端子14に接続される第2端子と、出力端子13に接続される第3端子とを有する演算増幅器112によって、前記第2端子から入力される帰還電圧が前記第1端子から入力される前記基準電圧より低い場合に前記第3端子から出力される出力電圧が高くされ、前記第2端子から入力される帰還電圧が前記第1端子から入力される前記基準電圧より高い場合に前記第3端子から出力される出力電圧が低くされる。したがって、基準電圧素子111および演算増幅器112などの従来の技術による回路構成で電圧変換部11を実現することができる。
【0040】
さらに、電圧生成部である抵抗素子15は、流れる電流に比例した電圧を生成するので、電流値に比例する電圧を生成することができる。
【0041】
さらに、電圧生成部は、抵抗素子15によって構成されるので、簡単な回路素子を用いて電圧生成部を実現することができる。
【0042】
さらに、抵抗素子15は、一端が前記光源接続部に接続され、他端がグランドに接続されるので、電流に応じた電圧を、前記光源接続部に接続される一端に生じさせることができる。
【0043】
さらに、電圧降下部である抵抗素子17は、電流に比例して電圧降下するので、電流値に比例する電圧降下を生じさせることができる。
【0044】
さらに、前記電圧降下部は、抵抗素子17によって構成されるので、簡単な回路素子を用いて電圧生成部を実現することができる。
【0045】
さらに、電圧変換部11の入力端子12および出力端子13の少なくとも一方に接続される平滑コンデンサ、たとえばコンデンサ113,114をさらに備えるので、入力電圧あるいは出力電圧のノイズによる変動を低減することができる。
【0046】
図3は、本発明の実施の一形態である表示装置30の概略の構成を示す断面図である。表示装置30は、光源装置31、液晶表示パネル32および筐体33を備えている。光源装置31は、複数の光源部311、導光体312、光拡散体313、反射体314、拡散板315およびプリズム316を備えている。各光源部311は、図1に示した光源装置1によって構成され、導光体312の一端面に配列されて設けられている。光源装置31は、底面側から、光を反射する反射体314、光を拡散する光拡散体313、導光体312、光を拡散する拡散板315およびプリズム316の順に積層されて構成される。
【0047】
液晶表示パネル32は、透明な2枚の基体の間に液晶から成る液晶層を形成したパネルである。光源装置31は、バックライトとして液晶表示パネル32の背後に重ねられて、液晶表示パネル32とともに筐体33に収容される。
【0048】
光源装置31および表示装置30は、光源素子20に係る断線などの故障があっても消費電力の少ない状態で光源駆動回路10の出力電圧の上昇を抑えることができ、光源装置31あるいは表示装置30の消費電力の増大を抑えることができる。
【0049】
このように、光源装置31は、複数の光源装置1、すなわち光源駆動回路10と光源素子20とを備える複数の光源装置1を含んで構成される。したがって、光源素子20を流れる電流が小さい電流値の電流によって制御されるので、断線などの故障があっても消費電力の少ない状態で光源駆動回路10の出力電圧の上昇を抑えることができ、光源装置31の消費電力の増大を抑えることができる。
【0050】
さらに、光源素子20は、発光ダイオードであるので、従来の技術による光源を光源素子として用いることができる。
【0051】
さらに、表示装置30は、光源装置31を備えるので、光源素子20に係る断線などの故障があっても消費電力の少ない状態で光源駆動回路10の出力電圧の上昇を抑えることができ、表示装置30の消費電力の増大を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施の一形態である光源装置1の回路構成を示すブロック図である。
【図2】光源装置1の詳細な構成を示す回路図である。
【図3】本発明の実施の一形態である表示装置30の概略の構成を示す断面図である。
【図4】従来の技術による光源駆動回路90の構成例を示す図である。
【図5】過電圧の発生を防止する技術を採用した光源駆動回路91の回路構成の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0053】
1,31 光源装置
10,90,91 光源駆動回路
11,901 電圧変換部
12,902 入力端子
13,904 出力端子
14,903 帰還電圧印加端子
15,905 抵抗素子(電圧生成部)
16,906 ツェナダイオード
17 抵抗素子(電圧降下部)
20,99 光源素子
30 表示装置
32 液晶表示パネル
33 筐体
111 基準電圧素子
112 演算比較器
113,114 コンデンサ
311 光源部
312 導光体
313 光拡散体
314 反射体
315 拡散板
316 プリズム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子、出力端子、および帰還電圧印加端子を有し、基準電圧に基づいて前記入力端子から入力される入力電圧を前記出力端子から出力される出力電圧に変換する電圧変換部と、
電流に応じた電圧を生成する電圧生成部と、
前記出力端子と前記電圧生成部との間に位置し、光源素子が接続される光源接続部と、
カソードが前記出力端子に接続され、アノードが前記帰還電圧印加端子に接続されるツェナダイオードと、
前記帰還電圧印加端子と前記光源接続部との間に接続される電圧降下部とを備えることを特徴とする光源駆動回路。
【請求項2】
前記電圧変換部は、
前記基準電圧を生成する基準電圧生成部と、
前記基準電圧を入力する第1端子と、前記帰還電圧印加端子に接続される第2端子と、前記出力端子に接続される第3端子とを有し、前記第2端子から入力される帰還電圧が前記第1端子から入力される前記基準電圧より低い場合に前記第3端子から出力される出力電圧を高くし、前記第2端子から入力される帰還電圧が前記第1端子から入力される前記基準電圧よりも高い場合に前記第3端子から出力される出力電圧を低くする比較増幅部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の光源駆動回路。
【請求項3】
前記電圧生成部は、電流に比例した電圧を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の光源駆動回路。
【請求項4】
前記電圧生成部は、抵抗素子によって構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光源駆動回路。
【請求項5】
前記抵抗素子は、一端が前記光源接続部に接続され、他端がグランドに接続されることを特徴とする請求項4に記載の光源駆動回路。
【請求項6】
前記電圧降下部は、電流に比例して電圧降下することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光源駆動回路。
【請求項7】
前記電圧降下部は、抵抗素子によって構成されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光源駆動回路。
【請求項8】
前記電圧変換部の前記入力端子および前記出力端子の少なくとも一方に接続される平滑コンデンサをさらに備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の光源駆動回路。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の光源駆動回路と、
前記光源接続部に接続される光源素子とを備えることを特徴とする光源装置。
【請求項10】
前記光源素子は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項11】
請求項9または10に記載の光源装置を備えることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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