説明

光源

本発明は、複数の発光要素207及び前記複数の発光要素を制御する制御システムを有する光源201に関する。制御システムは、発光要素207のうちの対応するものへそれぞれ接続され、発光要素データを得るように構成される複数の発光要素制御器213と、光源バス209を介して発光要素制御器213へ接続されるバスインターフェイス203と、を有する。バスインターフェイス203は、発光要素制御器213に一般コマンドを供給するように構成され、発光要素制御器213が、一般コマンド及び発光要素データに基づき発光要素駆動信号を生成するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の発光要素及び前記複数の発光要素を制御する制御システムを有する光源に関する。
【背景技術】
【0002】
従来型の光源は、図1に概略的に示される。従来型の光源は、RGB要素107すなわち、赤色光を生成する要素、緑色光を生成する要素、青色光を生成する要素などの、複数の発光要素を有する。発光要素107は、合成される場合に、いかなる所望な色の放射光をも提供することが可能である。制御システムが、放射光の所望な色、すなわち通常色点として規定される特性、を得るために、光源101において含まれる。
【0003】
制御システムの主要部分は、光源制御器103であり、光源制御器103は、発光要素107の全てに関する個別の駆動信号を計算し、個別の駆動信号を個別の発光要素107へ供給し、具体的には駆動装置105へ供給する。このことは、光源制御器103が連続的に発光要素107をアドレス指定する光源バス109を介して行われる。制御器の電力消費は比較的高いが、その理由は、制御器が、常時オンにされている(簡単な)計算機に匹敵するからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、制御システムが低減された電力消費を有する光源を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の本発明に従う光源によって達成される。
【0006】
本発明は、分散型の制御器のネットワークが、中央集中化された構造と比較して電力節約的であるという洞察に基づく。
【0007】
したがって、本発明の一つの態様に従うと、複数の発光要素及び前記複数の発光要素を制御する制御システムを有する光源が提供される。前記制御システムは、
−前記発光要素のうちの対応するものへそれぞれ接続され、発光要素データを得るように構成される複数の発光要素制御器と、
−光源バスを介して前記発光要素制御器へ接続されるバスインターフェイスと、
を有し、
前記バスインターフェイスは、前記発光要素制御器に一般コマンドを供給するように構成され、前記発光要素制御器が、前記一般コマンド及び前記発光要素データに基づき発光要素駆動信号を生成するように構成される。
【0008】
計算能力を非中央集中化させることによって、バスインターフェイスの構造は、それぞれの発光要素に関する個々の駆動信号の計算をする必要のない最も簡素なものにまで低減される。結果として、周波数要件は、かなり低減され得る。更に、それぞれの個々の発光要素制御器は、単一の発光要素だけに関する計算を実行する必要のみであり、このことも、従来技術の中央制御器と比較されてかなりの軽減である。このことは、通常、制御器の供給電圧が低下され得ることも意味する。多重化された数の制御器にもかかわらず、従来技術からの上述の変更は、全体電力消費の低減になる。「発光要素」は、通常そうであるように、単一の発光体、及び、同時にすなわち同一の駆動信号によって駆動される一群の発光体、であることを理解されることを特記されるべきである。
【0009】
更に、光源バスにおいて送信されるデータ量は根本的に低減される。
【0010】
請求項2に記載の光源のある実施例に従うと、光源バスは、前記光源バスが放送モードに設定されている。この実施例の有利な点は、一般コマンドが、一つの動作で全ての発光要素へ簡単に放送されることである。例えば、このことは、コマンド送信の頻度が、光源内の全てのN個の発光要素へ1つのコマンドを送信するために、N回と同じだけである必要があるような従来型の個別のアドレス指定と比較され得る。更に、従来技術の光源において、光源バスは、アドレスと複雑なデータ情報との両方を送信する一方で、本発明に従うと、光源バスインターフェイスは、単純なデータ情報のみを伝送する。
【0011】
請求項4に記載の光源のある実施例に従うと、制御器が、個別にオフに切り替え可能である。例えば、このことは、1つ以上の色が使用されていない場合にいつでも行われ得る。このことは、電力消費をより更に低減させる。
【0012】
請求項5に記載の光源のある実施例に従うと、全体発光設定がバスインターフェイスから発光要素制御器へ送信される。このことは、本発明に従う分散型制御器構造の一般的及び有利な使用方法である。
【0013】
請求項6に記載の光源のある実施例に従うと、発光要素制御器のそれぞれが、発光要素データ記憶装置を含む。発光要素データは、事前記憶される、及び/又は、光源の動作時において外部ソースから受け取られ得る。
【0014】
請求項7に記載の光源のある実施例に従うと、シンボルタグは、一般コマンドを送信する場合に、ある程度の選択を得るための簡単な手段として用いられる。しかし、何の種類のシンボルタグがコマンドにおいて含まれるかに依存して、0から発光要素の全てまでのいずれかが選択され得る。
【0015】
請求項9に記載の光源のある実施例に従うと、発光要素制御器のそれぞれが、前記発光要素の内部状態が変化する場合に、関連付けられるシンボルタグを再規定することが可能である。
【0016】
更に、本発明に従うと、請求項10に記載の複数の光源を含む照明器具が提供される。照明器具に含まれる照明器具制御器が、光源のバスインターフェイスへ一般コマンドを伝達する。
【0017】
請求項11に記載の照明器具のある実施例に従うと、照明器具制御器が、体験データを受け取り、そして、前記体験データを少なくとも1つの効果へ翻訳する効果翻訳器を含み、前記少なくとも1つの効果は、その後、一連の1つ以上の一般コマンドとして実現される。体験データは、照明器具のユーザが、柔らかい夕方の光、夜の暗さ、明るい活動光などの、光源からの出力の結果として体験することになっている体験に関する。効果は、調光、フラッシュ、特定の色の発光などの、光源の設定に関する。
【0018】
請求項13に記載の照明器具のある実施例に従うと、照明器具制御器もまた、光源のバスインターフェイスにおけるシンボルタグインタプリタと同様に作動するシンボルタグインタプリタを有する。
【0019】
更に、請求項14に記載の照明器具システムが提供される。照明器具システムは、いくつかの照明器具と、これらの照明器具に接続されるシステム制御器と、を含む。システム制御器は、上述の体験に関する出力データを照明器具制御器へ送信する。
【0020】
請求項15に記載の照明器具システムのある実施例に従うと、出力データは、選択される個別の照明器具へアドレス指定される個別の体験コマンドである。このレベルにおけるアドレス指定は、あまり電力を消費せず、異なるように設定されるべき照明器具が存在する場合に、有利である。しかし、他方で、請求項16に記載の別の実施例において、出力データは照明器具へ放送され、このことは、同一のコマンドを同時にいくつかの照明器具へ送信する効率的な手法である。
【0021】
請求項17に記載の照明器具システムのある実施例に従うと、システム制御器は、上述のシステムにおいて扱われるシンボルタグを生成するシンボルタグ生成器を具備される。
【0022】
一般的に、本発明は、発光システムに関する制御器を特徴とする。コマンド受信回路は、照明コマンドメッセージを受信するように設計される。メッセージの形式は、タグ値及び命令値を含む。タグ値は、メッセージが仕向けられる発光装置の物理的属性を特定する。命令値は、メッセージが仕向けられる発光装置によって取られる動作を特定する。コマンド受信回路は、メッセージのタグ値が発光装置に対応するようなメッセージを検出するように設計されるタグ比較回路を有する。発光装置制御回路は、検出される対応するタグ値を有するメッセージの命令値を受け取り、これに応答して、発光装置の発光要素を制御する命令値を出力するように設計される。
【0023】
一般的に、第2の態様として、本発明は、発光システムに関する制御器を特徴とする。コマンド受信回路は、発光コマンドメッセージを受け取るように設計される。メッセージの形式は、メッセージが仕向けられる照明装置によって誘導されるべき人間の感情的体験を特定する命令値を含む。発光装置制御回路は、検出される対応するタグ値を有するメッセージの命令値を受け取り、これに応答して、発光装置の発光要素を制御する特定のレベル値を出力するように設計される。
【0024】
本発明の実施例は、1つ以上の以下の特徴を含み得る。複数の発光要素制御器が存在し得、それぞれが、発光要素の対応する1つに接続される。発光要素制御器の少なくともいくつかは、発光要素に関して記憶された較正データを含む発光要素記憶装置を含み得る。メッセージは、放送モードで発行され得る。記憶回路は、発光要素に関連する較正データを記憶するように設計され得、発光要素制御回路は、較正データに基づき発光要素駆動信号を生成するように更に設計され得る。タグによって指定される属性は、発光装置の位置、又は発光装置の能力であり得る。発光装置は、いくつかの異なる種類のタグでタグ付けされ得る。発光要素は、ソリッドステート光源、すなわちLEDであり得る。発光要素は、オン及びオフ状態の間で個別に切り替えされ得る。命令は、色設定を含み得る。発光要素制御器は、発光要素の内部状態が変化する場合に、前記少なくとも1つのシンボルタグを再規定することが可能である状態監視器を含み得る。制御器は、タグ指定に加えて、アドレスを有し、コマンドは、コマンドによって制御器へ発行され得る。制御器は、照明器具制御器、部屋制御器、又はビルディング制御器であり得る。
【0025】
本発明のこれら及び他の態様、特徴及び有利な点は、後述の実施例から明らかであり、これらを用いて説明され得る。
【0026】
本発明は、添付の図面を参照にしてより詳細に以下に説明され得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】図1は、上来技術の光源の概略図である。
【図2】図2は、本発明に従う光源のある実施例のブロック図である。
【図3】図3は、本発明に従う照明器具システムのある実施例のブロック図である。
【図4】図4は、照明器具システムの別の実施例のブロック図である。
【図5】図5は、図4の照明器具システムにおける照明器具の一部のブロック図である。
【図6】図6は、例示的なビルディング発光システムのブロック図である。
【図7】図7は、照明器具システムのブロック図である。
【図8】図8は、図7の照明器具制御器の一部のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図2を参照すると、光源201の実施例は、いくつかの発光要素制御器213へ光源バス209を介して接続されるバスインターフェイス(BUS IF)203を含む。制御器は、光源201に、例えば、色及び強度に関する、所望な特性の光を発するようにさせるように使用される。光源バスは、放送モードに設定されており、放送モードは、バスインターフェイス203からの出力が同時に全ての発光要素制御器213へ送信されることを意味する。
【0029】
各発光要素制御器213は、発光要素207の駆動装置205へ接続される。3つの異なる色、すなわち赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)のそれぞれのいくつかの発光要素207が存在し、そして各色の1つの発光要素207が図2に示される。例えば、発光要素207は、LEDであるが、いかなるソリッドステート照明(SSL)要素も、本発明の範囲において組み込まれる。加えて、本発明は、従来型光源(TL、HIDなど)及び制御可能な発光要素を有するハイブリッド型にも適用可能である。各発光要素制御器213は、記憶装置214を有し、記憶装置214において、発光要素207に関するピーク波長、光束、及び温度挙動などの発光要素データが記憶される。発光要素データは、記憶装置214に事前記憶されており、LEDビニング工程(binning)及びLED作製データから生成される。加えて、外部データ入力215を用いて記憶された発光要素データを更新することも可能であり、記憶装置は、開始時から空であり得、最初に必要とされる場合に発光要素データがロードされ得る。代替的な実施例として、記憶装置214から発光要素データを得る代わりに、発光要素制御器213は、光源の外部又は光源の内部のいずれかの、別の供給源から直接発光要素データを得る。
【0030】
光源201の有利な点は、本発明に従うと、制御機能が分散されており、光源バス209が放送モードで動作するので、光源が容易にスケール変更することが可能であることである。言い換えると、いかなるバスインターフェイス203も再プログラムする必要なく、発光要素を追加することが容易であることなどである。以下から明らかになるように、スケーラビリティは、いくつかの光源を有する照明器具又はいくつかの照明器具を有する発光システムなどの、高いレベルにおいてより更に強調される。これにより、発光システムは、有利なモジュール方式になり得る。
【0031】
光源制御は、以下のように動作する。バスインターフェイス203は、発光要素制御器213へ、発光要素207に関する全体発光設定を通常含む一般コマンドを放送する。各発光要素制御器213は、当該発光要素制御器213が接続される発光要素207に関する特定の駆動信号データを計算する能力を有する。したがって、発光要素が発光要素バス209において受け取る一般コマンド及び記憶装置214から読まれる発光要素データに基づき、各発光要素制御器213は、その後、発光要素制御器213が接続される特定の発光要素に関する個別の駆動信号を決定し、駆動信号を発光要素駆動装置205へ適用する。その後、発光要素駆動装置205は、駆動電流を発光要素207へ適宜設定する。より具体的には、好ましくは、当業者に知られる、発光設定を変調された駆動電流へ変換する行列計算が適用され、この変調された駆動電流は、発光要素207へ供給される。発光要素207を駆動させる方法、すなわちこれらの駆動電流を変調する方法は、駆動電流のPWM、すなわちパルス幅変調、AM、FM、PCM等の、いずれかの知られる又は将来の方法であり得る。
【0032】
バスインターフェイス203が「ダム(dumb)」である、すなわち、バスインターフェイス203が計算を実行する計算能力を必要としないので、その構造は、かなり簡素にされ得る。更に、バスインターフェイス203は、放送モードのみに関して使用され、このことは、バスインターフェイス203が、いずのアドレス指定能力も必要としないことを意味する。制御器の「知性」は、各個別の発光要素制御器213へ移動されている。しかし、各発光要素制御器213は、この発光要素制御器213が直接接続される1つの発光要素のみに作用する必要があるだけなので、発光要素制御器213に対する性能要求は、従来技術の光源制御器103に比較されて、かなり低減される。例えば、バスインターフェイス203に関して、バスインターフェイス203は、従来技術の光源制御器103よりも低い電圧レベルを用いて管理し、例えば、2.5Vの代わりに1.5V供給電圧である。発光要素制御器213は、1.5Vも供給され得る。このことは、実用的な実施例の制限的でない例でしかないことを特記されるべきである。更に、従来技術の光源におけるよりもかなり低いバススピード、すなわちクロック周波数が必要であり、ビット単位でのバス幅は低減され得、このことは、電力消費及び構造の複雑性も低減させる。
【0033】
完全な発光システムは、多くの光源からなり、いくつかのレベルにおいて構築されるものと考えられ得る。光源を特定のレベルとして検討してみる。この場合、より高いレベルにおいて、複数の光源を含む照明器具が存在し、更に高いレベルにおいて、図3及び4に示される複数の照明器具を含む照明器具システムが存在する。この照明器具システムレベルは、通常、部屋レベル又は、ビルディングレベルである。
【0034】
したがって、図3の照明器具システムの一つの実施例において、照明器具システム301は、いくつかの照明器具303・313へシステムバス304を介して接続される部屋制御器又はビル制御器302を含む。より具体的には、部屋制御器302は、各照明器具303・313の照明器具制御器305・315へ接続される。各照明器具制御器305・315は、そして、照明器具バス311・321を介して、複数の光源307・317のバスインターフェイスへ接続される。光源307・317は、上述と同一の構造を有する。照明器具制御器305・315は、上述された手法で一般コマンドを取り扱う光源307・317へ一般コマンドを放送するように構成される。各照明器具制御器305・315は、そして、部屋制御器302から入力データを受け取る。入力データは、いわゆる体験データ、又は体験コマンドと呼ばれる高級抽象形式である。体験の例は、本発明の概略と結びつけて上述されており、更なるものは、「冷たい水」、「ロマンティック」、「パーティ」などである。例えば、Philips社によって発行されたamBIENT magazineに記載された、Philips社製の既知のamBX(環境体験)プロトコルは、この体験を記述するのに使用可能である。最上レベルにおいて、部屋制御器302は、ユーザインターフェイスを有し、照明器具システムのユーザは、このユーザインターフェイスを用いて、利用可能な体験のリストから所望な体験を選択する。代替例として、又は加えて、部屋制御器302は、ユーザが個人的な体験を規定する可能性を有するように、プログラム可能である。任意追加的に、ユーザインターフェイスは、無線入力も有する。部屋制御器302からの入力を受信すると、各照明器具制御器305・315は、効果翻訳器309・319を用いて体験コマンドを効果へ翻訳する。この機能に関して、照明器具制御器305・315は、事前記憶された翻訳データを自身のメモリに保持する。結果として、照明器具制御器305・315は、1つの一般コマンド又は一連の一般コマンドを光源307・317へ送信する。このことは、効果が全体発光設定として実施化され、効果を実行するために、時間的に分離されたいくつかの異なる発光設定が必要とされ得ることを意味する。例えば、体験は、別の体験が部屋制御器302によって指令されるまで継続する、異なる色の間における反復的シフトを必要とし得る。
【0035】
照明器具システム301の代替的な実施例において、システムバスは、放送モードの代わりに、アドレス指定モードに設定される。すなわち、部屋制御器302は、体験コマンドを1つ以上の選択された照明器具305・315へ送信するための個別の照明器具アドレスを用いる。
【0036】
更に、本発明は、図4及び5を参照して、以下において説明されるタグの使用を含む。シンボルタグを用いる照明器具システム401において、部屋制御器402は、1つのシンボルタグ又は複数のシンボルタグでタグ付けされる体験コマンドを送信する。シンボルタグは、コマンドの限定子(qualifier)として作用する。複数のシンボルタグが単一のコマンドに付随され得る。加えて、システムバス404へ接続される複数の照明器具制御器405・415は、同一のシンボルタグに応答し得る。可能な代替態様は、全ての照明器具制御器405・415が応答するようにさせる特別なシンボルタグの使用、及び何の照明器具制御器405・415も応答しないようにさせる特別なシンボルタグの使用でもある。後者の場合は、診断目的に関して有用であり得る。各照明器具制御器405・415は、シンボルタグを解釈し、そして照明器具制御器405・415が対応する有効なシンボルタグを有するかを確認することが可能であるシンボルタグインタプリタ(T.I.)406・416を有する。答えが肯定的である場合、体験コマンドは受け入れられて取り扱われる。照明器具制御器405・415が、体験コマンドの結果として、1つ以上の一般コマンドを照明器具バス411・421を介して照明器具403・413の光源407・417へ送信する場合、一般コマンドは、同様に、シンボルタグを含む。各光源407・417のバスインターフェイスは、照明器具制御器405・415のタグインタプリタと同様な手法で各一般コマンドへ付随されたシンボルタグを解釈するタグインタプリタ408・418を含む。
【0037】
タグインタプリタ501の実施例は、照明器具制御器記憶装置に記憶される複数の有効なシンボルタグ505(A.T.1、A.T.2、...A.T.n)を含む。入来コマンドのシンボルタグは、タグバス511におけるタグインタプリタ501において受け取られ、ある数の比較要素507へ供給され、これらの比較要素507は、シンボルタグを保持する又は空であるがこのシンボルタグに関して予約されている各記憶位置に関して1つあり、有効である又は無効であり得る。比較要素507は、比較要素507と組み合わせて比較器ユニット509において含まれるORゲート510へ論理的1又は0をそれぞれ出力する。受信されたシンボルタグ及び1つまたは複数の記憶された有効なシンボルタグ505の間のいずれかの一致が発生する場合、ORゲート510は、使用可能性接続部515を介して論理的1をコマンドインタプリタ503へ出力し、これにより、コマンドインタプリタ503は、使用可能にされ、コマンドバス513において受信されたコマンドを解釈する。シンボルタグの使用により、バスは、放送モードに設定され得る一方で、選択的通信はなお達成される。
【0038】
図6を参照して、応用例として、上述の1つのビルディング/部屋制御器302又は402が、いくつかの部屋605・607・609を有するビルディング全体の発光システムを制御するためのビルディング制御器603として使用されることを仮定する。この場合、各部屋において、副発光システムは、ビルディング制御器603へ接続される部屋制御器605a・607a・609aと、上述されるように部屋制御器605a・607a・609aへそれぞれ接続される少なくとも1つの照明器具605b、c;607b;609b、c、dからなる。ビルディング制御器603は、システム全体に共通なデータの入力に関して使用され、このデータは、適切である場合、部屋制御器605a・607a・609aへ配信される。任意選択的に、個々の部屋データも、ビルディング制御器603を介して入力され、その後、関連する部屋制御器605a・607a・609aへ配信される。
【0039】
更に、シンボルタグを用いる実施例が使用され、個人的設定がシステムへとプログラムされていることを仮定する。追加的に、この例において、部屋制御器605a・607a・609aの無線、好ましくは無線通信の、入力が活用される。発光システム601に記憶される個人データを有する個人が部屋605に入ると、無線通信ユニットにおいて保持される彼/彼女の個人証明書(ID)は、部屋制御器605aの無線入力へ無線で送信される。ID信号は、部屋発光システム601のシンボルタグインタプリタにおいて個人の個人シンボルタグを導入及び有効化をする。その後、ビルディング制御器603は、個人シンボルタグが付随された個人発光設定を放送する。個人が現在存在する部屋605のみがシンボルタグに一致する。照明器具605a・605bなどの照明器具制御器は、光源に、個人発光設定に従い光を発するようにさせる。個人が部屋605を離れる場合、彼/彼女の個人シンボルタグは、この特定の部屋の部屋発光システムのシンボルタグインタプリタから除去される。結果として、個人的に好ましい発光設定は、ビルディング制御器603などの中央制御器が個人が実際にどこにいるかを知る必要なく、ビルディング全体において個人を追従する。結果として、ID及び対応するシンボルタグの導入及び除去は、局所的で且つ部屋に拘束される相互作用である。
【0040】
個人の好ましい発光設定は、例えばロマンティックなどの個人の雰囲気に関して、及び、例えば弱った視力を補償するためのより明るい光など、年齢に関して関連付けられ得、また、例えば、個人が、コンソールでゲームを楽しむ場合に、照明がゲームが発生しているイベント及び環境と直接関連付けられるなどの、活動に関して関連付けられる。
【0041】
図7を参照すると、照明器具システムにおける発光ネットワーク及び制御器は、制御メッセージに応答するべき照明器具100・102を特定するためのタグに用いる。例えば、部屋における照明器具100・102に関する制御器などの、中央制御器110は、1つ以上のシンボルタグ124とタグ付けされるメッセージ122を送信する。各シンボルタグ124は、メッセージ122の限定子として作用し、これにより、ネットワーク120に接続される各照明器具制御器130・132が、照明器具制御器130・132のメモリ140・142に記憶されるシンボルタグに一致するシンボルタグ124を認識するようにされる。シンボルタグ値は、特定の照明器具の位置及び/又は発光能力に対応し得、特定のメッセージ122は、これらのタグに一致する部屋における全ての照明器具へ仕向けられ得る。例えば、タグ値は、部屋の北側及び南側、並びに照明器具が可変の白色色温度の光を発し得るかを特定するように割り当てられ得、メッセージは、部屋の北側の色温度を増加するように発行され得る。特定のタグに一致する照明器具は、適宜応答する。
【0042】
照明器具は、照明器具制御器130・132が、照明器具バスを介していくつかの発光要素制御器160・162・164・166へ接続されるように構成され得る。発光要素制御器160・162・164・166は、例えば、色及び強度などの、所望な特性の光を放射するように、光源180・182・184・186の出力を制御し得る。発光要素180・182・184・186は、例えば、赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)などの異なる色であり得る。各発光要素制御器160・162・164・166は、対応する発光要素180・182・184・186又は一群の発光要素に関する駆動装置170・172・174・176へ接続され得る。一般的に、単一の駆動装置170・172・174・176及び制御器160・162・164・166へ接続される発光要素は、同一の色であり得る。例えば、中央制御器110から照明器具制御器130へ、又は照明器具制御器130から発光要素制御器160・162・164・166へなど、より高いレベルの制御器によってより低いレベルの制御器へ発行されるコマンドは、照明器具のユーザが、例えば、柔らかい夕方の光、夜の暗さ、明るい活動光、「冷たい水」、「ロマンティック」、及び「パーティ」などの、光源からの出力の結果として体験することを望んでいるかなり高いレベルの「体験」の記述であり得る。より低いレベルの制御器は、この高いレベルの記述的コマンドを、発光要素180・184・186を駆動させるレベルのコマンドへ翻訳し得る。
【0043】
中央制御器110は、部屋又はビルディングにおける使用に関する適切なタグ及びコマンドを規定することをユーザに許可し、そしてタグが特定の照明器具100・102へ割り当てられるのを許可する入力及び出力能力を有するマイクロプロセッサであり得る。
【0044】
発光ネットワーク120は、例えば、RS-232、RS-422、RS-485、X10、DALI、又は欧州特許書類第0482680号"Programmable illumination system"に記載されるMCS100バス構造、若しくは、DMX-512(「United States Institute for Theater Technology, Inc. DMX512/1990 Digital Data Transmission Standard for Dimmers and Controllers」を参照のこと)などの、いかなる従来型の、又は特定用途向けのバス構造でもあり得る。ローカルエリアネットワーク又は同様の数十〜数百メータ通信に関して通常使用される物理層の実装が通常好ましくあり得る。前記欧州特許書類第'680号及び上述の様々な既知のプロトコルに関する仕様書が本文書において組み込まれ得る。
【0045】
システムバス120におけるメッセージ122は、放送モードで送信され得、これにより、中央制御器110からのメッセージが、全ての照明器具制御器130・132へ利用可能になるようにされる。
【0046】
メッセージ122に関する形式は、所望な最終結果を達成するいかなる形式でもあり得る。特定の場合において、メッセージ122は、DMX-512パケットで包まれ得る。他の場合において、特定用途パケット形式が、パケットヘッダ、一群のタグ124、及び1つ又は複数のコマンド値126を用いて規定され得る。
【0047】
タグ値124は、例えば、タグが特定の照明器具の能力に関連する、又は個々のユーザによって規定され得る場合、及び、例えば、タグが照明器具の導入位置に関連する場合、発光システムのコンポーネントの製造者によって提供され得る。
【0048】
請求項8に記載の光源のある実施例に従うと、各発光要素制御器は、発光要素の状態が変化する場合に、関連付けられるシンボルタグを再規定することが可能である。
【0049】
タグ付けされるメッセージ形式は発光ネットワークの容易なスケーラビリティを可能にするが、その理由は、タグ付メッセージ形式が、制御機能をコンポーネントを通じて配信されることを可能にし得、そして、システムバス120を放送モードで動作させることを可能にし得るからである。スケーラビリティが生じ得る理由は、いかなる中央制御器も再プログラムする必要なく発光要素を容易に追加し得るからである。スケーラビリティは、いくつかの光源を有する照明器具又はいくつかの照明器具を有する発光システムなどの、より低い又はより高いネットワークレベルの両方で向上され得る。
【0050】
コマンド値の形式126は、絶対値端点又はインクリメントのいずれかであり得る。例えば、「プリセット条件Aに戻る」、「プリセット条件Bに戻る」、「より明るくする」、「より暗くする」、「より赤く」、「より青に」、「一層の飽和」、「より少ない飽和」、「標準設定の白色へ戻る」などである。他のコマンド値126は、上述の体験に関し得る。例えば、Philips社の既知のamBXプロトコルは、このような体験を記述するのに利用可能である。他のコマンド値126は、減光、フラッシュ、特定の色の放射などの、光源の設定に関し得る。
【0051】
各照明器具制御器130・132は、バス120におけるメッセージ122のタグ124を傍受し、照明器具100・102が応答するべきかを確認するために検証する。例えば、照明器具制御器130・132は、照明器具100・102が応答するべきタグを記憶するタグ記憶装置140・142を有し得る。タグが一致する場合、メッセージ122は受け入れられて取り扱われる。
【0052】
図8を参照すると、照明器具制御器130のタグ検出器は、タグ記憶装置140に記憶される複数の有効なシンボルタグA.T.1、A.T.2、...A.T.nを含み得る。入来メッセージ122のシンボルタグ124は、照明器具制御器130よって受け取られ、比較器507へ供給され、これらの比較器507は、タグ記憶装置140における各記憶位置に関して1つあり、有効である又は無効であり得る。代替的には、照明器具制御器130のソフトウェアは、受信されたシンボルタグ124と各タグを比較するためにタグ記憶装置120を順次巡回し得る。比較器507は、それぞれORゲート510へ論理的1又は0を出力する。受信されたシンボルタグ124のいずれかがタグ記憶装置140におけるタグと一致する場合、ORゲート510は、論理的1をメッセージインタプリタ503へ出力し、これにより、メッセージインタプリタ503は、使用可能にされ、メッセージ122から受信されたコマンド126を解釈する。バスが全てのメッセージを放送するものの、シンボルタグの使用は、メッセージ122及びこのメッセージを構成するコマンド126が、選択的に受信されるのを可能にする。
【0053】
図7を再び参照すると、メッセージ122におけるタグ値124に依存して、メッセージは、照明器具のどれによって作用されない、全てによって作用される、又はその間の数によって作用され得る。特定の場合において、特別なシンボルタグは、全ての照明器具制御器130・132が、応答するべきであるように特定し、別の特別なシンボルタグ値は、何の照明器具制御器130・132も応答しないべきであるように特定する。後者は、診断目的に関して有用であり得る。
【0054】
特定の場合、照明器具制御器130・132は、その機能が制御器の照明器具100・102によって応答されるべきであるメッセージ122を特定し、このメッセージを発光要素制御器160・162・164・166が完全に解釈して実行するようにこれらの発光要素制御器160・162・164・166へ渡すことのみであるような「ダム(dumb)」制御器であり得る。この場合、照明器具制御器130・132は、発光要素180・182・184・186の発光出力を調整することに関して、又は特定の発光要素180・182・184・186に関するレベルを決定することに関して、少しの又は何の責任も持たず、むしろこの計算は、発光要素制御器160・162・164・166へ押し付けられる。
【0055】
他の場合において、照明器具制御器130・132は、「スマート」であり得える。例えば、照明器具制御器130は、メッセージ122を解釈し、これらを発光要素180・182・184に関する絶対値発光レベルへレンダリングすることに関して責任を持ち得る。
【0056】
照明器具バス150・152は、目的に適したいずれかのバス構造であり得る。例えば、Pharesらによる米国特許第5,420,482号、"Controlled Lighting System"の図7における多重化データラインは、様々な制御器を相互接続するのに使用される伝導体の数を低減させるのに有益であり得る。Pharesの'482特許の安価なバス構造は、アーチファクトを導入し得るが、これらは、通常の発光応用例において無害であり得る。他のバス構造は、異なる複数のトレードオフを有し得、等しく適し得る。
【0057】
完全な発光システムは、多くの光源を有し得、いくつかのレベルにおいて構築されるものと考えられ得る。照明器具制御器130とその発光要素制御器160・162・164との間の関係は、中央制御器110と照明器具制御器130との間の関係と相似であると考えられ得る。同様に、ビルディング全体は、特定の部屋に関する制御器を命令する制御器を有し得る。この相似性は、同様な技術が、様々なレベルで用いられることを可能にし得る。
【0058】
多レベル相似性が用いられる状況において、照明器具バス150・152におけるメッセージは、絶対値発光レベルよりも高いレベルの「概念」のみに方向付けられるシステムバス120におけるメッセージに類似し得る。このことは、照明器具制御器130・132が「ダム」であり、計算の責任が発光要素制御器160・162・164・166へ委譲される場合であり得る。これらの場合、照明器具制御器130・132からのメッセージは、照明器具バス150・152において同時に全ての発光要素制御器160・162・164・166へ放送され得る。特定の場合において、照明器具バス150・152におけるメッセージは、メッセージ122と同様な手法でタグ付けされ得、個々の発光要素制御器160・162・164・166は、タグに基づきメッセージに応答するように、タグ比較器を有し得る。
【0059】
他の場合において、照明器具バス150・152におけるメッセージは、他の種類のメッセージ、例えば、米国特許第5,420,482号などにおいて説明される、発光要素180・182・184・186によって出力されるべき絶対値発光レベルなど、を担持し得る。
【0060】
特定の場合において、特定の機能の照明器具へ仕向けられる一般コマンドの形式で発光コマンドを送信することは、システムバス120及び照明器具バス150・152において送信されるデータの量を低減し得る。
【0061】
発光要素制御器160・162・164・166は、照明器具制御器130・132によって放送されたメッセージを受け取り得る。これらの放送メッセージは、発光要素180・182・184・186に対して、通常変更を示唆する、又は、明示的に色設定を指定する一般コマンドであり得る。各発光要素制御器160・162・164・166は、その後、対応する発光要素180・182・184・186に対して特定の駆動信号データを計算し得る。これにより、発光要素制御器160・162・164・166が照明器具バス150・152において受け取る一般コマンドに基づき、各発光要素制御器160・162・164・166は、その後、各発光要素制御器が接続される特定の発光要素に関する個別の駆動信号を決定し、駆動信号を対応する発光要素駆動装置170・172・174・176へ印加し得る。発光要素駆動装置170・172・174・176は、その後、電流を適宜対応する発光要素180・182・184・186へ供給する。
【0062】
各発光要素制御器160・162・164・166は、対応する発光要素180・182・184・186に関する、ピーク波長、光束、及び温度挙動などの較正データが記憶される記憶装置を有し得る。例えば、LEDの使用時間及び損失輝度などの、較正データは、LEDビニング工程(binning)及びLED作製データに基づき記憶装置214に記憶され得る、又は、例えば、ユーザによって設定され得る。発光要素制御器160・162・164・166によって計算される駆動信号は、これらの較正データに基づき調整され得る。
【0063】
特定の場合において、照明器具100は、光レベルを検出するセンサを有し得る、又は部屋のセンサから光レベルを受け取り得る。このようなセンサからのデータは、所望の出力が実際に得られることを補償するためにフィードバックとして駆動信号の計算において使用され得る。
【0064】
計算の責任を非中央集中化させることによって、照明器具制御器130・132は、各発光要素に関して個別の駆動信号を計算する必要から軽減され得る。更に、各個別の発光要素制御器160・162・164・166は、制御器が直接接続される単一の発光要素又は駆動装置に関する値を計算する必要があるのみであり得、発光要素制御器に関する性能要求を低減し得る。結果として、照明器具制御器130・132及び発光要素制御器160・162・164・166は、より低い周波数で及びより低い電圧で動作し得る。更に、個々の制御器は、例えば、1つ又は複数の色が使用されていない場合などにいつでもスイッチオフにされ得る。最後に、明示的なアドレスを用いて各制御器へ個別のメッセージを送信する必要があることよりむしろ、タグ限定子を用いて全ての制御器へ放送モードでメッセージを送信することは、伝送されるメッセージの数を低減し、バススピード及び駆動要件を低減し、そして、アドレス指定に含まれるオーバーヘッドを低減し、それにより、制御器に関する所要なクロック周波数を低減し得る。制御器の数は増加され得るものの、クロック周波数、電圧及び電源オン時間における低減は、全体電力消費が低減され得るのを可能にし得る。
【0065】
特定の場合において、メッセージは、放送モードの代わりに、特定の制御器のアドレス指定を使用するモードで送信され得る。このような場合、メッセージは、上述される「体験」又は他のレベルのないコマンドであり得る。
【0066】
駆動装置170・172・174・176は、電圧及び/又は電流出力が発光要素制御器160・162・164・166からの入力駆動信号により変化するデジタル/アナログ変換器、パルス幅変調(PWM)、ビット角変調、及び周波数変調電流レギュレーションなどの、いずれかの利便性のある方法を用いて電流を発光要素180・182・184・186へ供給及びレギュレートし得る。
【0067】
発光要素180・182・184・186は、例えば、LED、白熱灯、蛍光灯、ハロゲンランプなどの、いかなる種類の発光要素でもあり得る。特定の場合において、例えば、複数の要素が、単一の駆動装置によって駆動され得、その理由は、青色のLEDは現在緑色LEDより効率的でなく、緑色LEDは赤色LEDより効率的でなく、照明器具100は、好ましいホワイトバランスを得るために、2つの赤色LED、4つの緑色LED、及び6つの青色LEDを含み得るからである。
【0068】
システムのプログラミングは、中央制御器110へのユーザインターフェイスを介して実施され得る。照明器具システムのユーザは、利用可能な体験のリストから所望な体験を選択し得る。代替例として、又は加えて、部屋制御器は、ユーザが個人的な体験を規定するように、プログラム可能であり得る。中央制御器110から入力を受け取ると、照明器具制御器130・132におけるソフトウェアは、体験コマンドをより低いレベルの効果すなわち発光データへ翻訳し得、元の体験コマンド、効果、又は発光データを、発光要素制御器160・162・164・166へ送信する。特定の効果は、色設定として、又は経時的ないくつかの異なる色設定として実施され得る。例えば、体験は、別の体験が中央制御器110によって指令されるまで継続する、異なる色の間における反復的シフトを必要とし得る。本発明の範囲において、多くの修正態様及び代替態様が可能である。
【0069】
要約すると、発光コマンドメッセージを受け取るように設計されるコマンド受信回路、発光システムに関する制御器が開示されており、メッセージの形式は、タグ値及び命令値を含み、タグ値は、メッセージが仕向けられる発光装置の物理的属性を特定し、命令値は、メッセージが仕向けられる発光装置によって取られる動作を特定する。コマンド受信回路は、メッセージのタグ値が発光装置に対応するようなメッセージを検出するように設計されるタグ比較回路を有する。このコマンド受信回路は、そのメッセージのタグ値が発光装置に対応するメッセージを検出するように設計されるタグ比較回路を有する。発光装置制御回路は、検出される対応するタグ値を有するメッセージの命令値を受け入れ、これに応答して、発光装置の発光要素を制御する命令値を出力するように設計される。
【0070】
この制御器は、発光コマンドメッセージを受け取るように設計されるコマンド受信回路を更に含み得、このメッセージの形式は、メッセージが仕向けられる照明装置によって誘導されるべき人間の感情的体験を特定する命令値を含む。発光装置制御回路は、検出される対応するタグ値を有するメッセージの命令値を受け取り、これに応答して、発光装置の発光要素を制御する特定のレベル値を出力するように設計される。
【0071】
更に、制御回路は、発光要素に関連する較正データを記憶するように設計される発光要素データ記憶装置を含み得、記憶回路は、発光要素に関連する較正データを記憶するように設計され、発光要素制御回路は、更に、較正データに基づき発光要素駆動信号を生成するように更に設計され得る。
【0072】
ここで、シンボルタグの特定の更なる一般記述が以下に続く。シンボルタグは、特定のイベントの結果として伝達される。シンボルタグは、ある発光設定を別の発光設定へフェードさせるなどの直列的な、すなわち連続的な変化を、発光要素の個別の制御器を除いた全てのユニットに対する最小計算電力要件を用いて、行うことに関して最も有用である。使用され得るシンボルタグの特定の更なる例は、白色相関化色温度、最大ルーメン出力、色の段階的な調整、減光、照明器具の経年、高速又は低速動的発光能力、部屋における照明位置及び光源の種類などを表わす又は生じさせるシンボルタグである。例えば、ディップスイッチなどの手動の物理スイッチからソフトウェア作動の機能まで、シンボルタグを有効化及び無効化させる広範囲の可能な手法が存在する。
【0073】
これまでに、添付の請求項に記載される本発明に従う光源、このような光源を用いる照明器具及び照明器具システムの実施例は説明されてきた。これらは、単に非制限的な例として見なされるべきである。当業者によって理解されるように、本発明の範囲において、多くの修正態様及び代替態様が可能である。
【0074】
例えば、各光源は、所望な出力が実際に得られることを保証するために、発光要素に関して、当業者に知られるような、フィードバック制御を具備され得ることを理解されるべきである。しかし、このことは、本発明の核心となる部分ではないので、このようなフィードバック制御は詳細には本文書において説明されない。
【0075】
上述の実施例を用いて説明されてきたように、発光要素駆動信号を設定するための最終的な計算を個々の発光要素に可能な限り近傍で行わせるために、光源の制御器を非中央集中化させることが有利である。この応用例の目的に関して、及び、添付の請求項に関して、当業者にとって本質的に明らかであるように、「有する・含む」という用語は、他の要素又はステップの存在を排除せず、そして、単数形の構成要素は、複数個の斯様な構成要素の存在を排除しないことを特記されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の発光要素及び前記複数の発光要素を制御する制御システムを有する光源であって、前記制御システムが、
−前記発光要素のうちの対応するものへそれぞれ接続され、発光要素データを得るように構成される複数の発光要素制御器と、
−光源バスを介して前記発光要素制御器へ接続されるバスインターフェイスと、
を有し、
前記バスインターフェイスが、前記発光要素制御器に一般コマンドを供給するように構成され、前記発光要素制御器が、前記一般コマンド及び前記発光要素データに基づき発光要素駆動信号を生成するように構成される、
光源。
【請求項2】
請求項1に記載の光源であって、前記光源バスが放送モードに設定されている、光源。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光源であって、前記発光要素が、ソリッドステート発光要素である、光源。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光源であって、前記発光要素制御器が、オン及びオフ状態の間で個別に切り替え可能である、光源。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光源であって、前記一般コマンドが全体発光設定を含む、光源。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光源であって、前記発光要素制御器のそれぞれが、前記発光要素データを含む発光要素データ記憶装置を含む、光源。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光源であって、前記発光要素制御器がそれぞれ、シンボルタグインタプリタを有し、且つ少なくとも1つのシンボルタグでタグ付けされ、前記一般コマンドがそれぞれ、少なくとも1つのシンボルタグを含み、そして、いくつかの異なる種類のシンボルタグが存在する、光源。
【請求項8】
請求項7に記載の光源であって、前記シンボルタグインタプリタがシンボルタグ比較器を有し、前記シンボルタグ比較器は、前記一般コマンドにおいて受信されたシンボルタグを前記発光要素制御器がタグ付けされる前記少なくとも1つのシンボルタグと比較するように構成され、前記シンボルタグインタプリタは、前記シンボルタグ比較器がシンボルタグの一致を発見する場合に、前記一般コマンドを受け入れるように構成される、光源。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の光源であって、前記発光要素制御器がそれぞれ、前記発光要素の内部状態が変化する場合に前記少なくとも1つのシンボルタグを再規定することが可能である状態監視器を有する、光源。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の複数の光源と、照明器具バスを介して前記光源の前記バスインターフェイスへ接続される照明器具制御器と、を含む照明器具であって、前記照明器具制御器が、前記バスインターフェイスへ前記一般コマンドを供給するように構成される、照明器具。
【請求項11】
請求項10に記載の照明器具であって、前記照明器具制御器が、前記光源を用いて生成されるべき所望な体験に関する入力データを受け取り、そして、前記体験を少なくとも1つの一般コマンドとして実施化される少なくとも1つの効果へ翻訳する効果翻訳器を含む、照明器具。
【請求項12】
請求項10又は11に記載の照明器具であって、前記照明器具バスが放送モードに設定されている、照明器具。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれか一項に記載の照明器具であって、前記照明器具制御器が、シンボルタグインタプリタを有し且つ少なくとも1つのシンボルタグでタグ付けされ、前記シンボルタグインタプリタが、少なくとも1つのシンボルタグを含む入力データを受け取るように構成され、前記シンボルタグインタプリタがシンボルタグ比較器を有し、前記シンボルタグ比較器は、前記入力データにおいて受け取られた前記少なくとも1つのシンボルタグを、前記照明器具制御器がタグ付けされる前記少なくとも1つのシンボルタグと比較するように構成され、前記シンボルタグインタプリタは、前記入力データを受け入れ、そして前記シンボルタグ比較器がシンボルタグの一致を発見する場合に、前記入力データを前記一般コマンドへ翻訳するように構成される、照明器具。
【請求項14】
請求項10乃至13のいずれか一項に記載の照明器具と、システムバスを介して前記複数の照明器具に接続され、且つ体験に関する出力データを生成するように構成されるシステム制御器と、を含む、照明器具システム。
【請求項15】
請求項14に記載の照明器具システムであって、前記システムバスが、アドレス指定モードに設定され、前記出力データが個別の体験コマンドであり、前記システム制御器が、個別の照明器具へ前記個別の体験コマンドを送信するように構成される、照明器具システム。
【請求項16】
請求項14に記載の照明器具システムであって、前記システムバスが、放送モードに設定されており、前記出力データが、前記複数の照明器具に対して共通である、照明器具システム。
【請求項17】
請求項14又は16に記載の照明器具システムであって、前記システム制御器がシンボルタグ生成器を含み、前記シンボルタグ生成器が、少なくとも1つのシンボルタグを生成し、且つで前記出力データにタグ付けするように構成される、照明器具システム。
【請求項18】
請求項13乃至15のいずれか一項に記載の照明器具システムであって、前記システム制御器が、部屋制御器及びビルディング制御器のうちの一つである、照明器具システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2010−511989(P2010−511989A)
【公表日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−539865(P2009−539865)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【国際出願番号】PCT/IB2007/054964
【国際公開番号】WO2008/068728
【国際公開日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】