光照射装置、光治療装置及び治療方法
治療装置は、患者の体の治療部位に向けられた複数の光エミッタアレイを備える。治療部位は、鏡像関係にあり、エミッタは、プッシュプル方式でオンオフされる。治療装置は自動化されており、治療対象が挿入されると、オペレータは、単一のボタンを押すだけで、治療を行うことができる。治療装置は、例えば、位置決めされた可調整エミッタアレイと動き制御エミッタアレイとを備える。コントローラは、エミッタ治療プログラムに基づいて、アレイをアクティブ化する。治療プログラムは、治療期間、強度、変調等を含む患者の要求及び/又は処方箋に応じて変更してもよい。治療装置は、糖尿病性神経障害から生じる好ましくは、足痛に適用されるが、他の部位及び/又は他の疾患にも適用できる。
【発明の詳細な説明】
【著作権の表示】
【0001】
本特許書類の開示の一部には著作権の保護対象が含まれる。著作権者は何人も特許商標局の特許ファイル又は記録に示された形で特許書類又は特許開示をファクシミリ複製することについては異議はないが、その他の点については全著作権を保有する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、光照射療法に関し、詳しくは、痛みを治療する光照射療法に関する。更に、本発明は、高度な光治療装置及びプロトコルを用いた、肢の痛み、特に糖尿病性神経障害の治療に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、多くの異なる光治療法が開発され、世界中の様々な臨床現場で使用されている。様々な光治療法としては、照射される体の部分に適合する高度な装置を使用する手法(例えば、バンツイレン(Van Zuylen)の米国特許第6,221,095号)、光照射によって経穴を刺激する治療(例えば、ローリセク(Rohlicek)の米国特許第4,535,785号)、効果を最適にし、効能が最大限に高まるように選択された光特性を有する光を用いる治療(例えば、サランスキー(Salansky)の米国特許第6,063,108号及び第6,494,900号)等がある。上述した特許文献及び本出願と共に提出する情報開示陳述書(IDS)に記す他の特許文献及び非特許文献は、参照によって全体が本願に援用されるものとする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、特に糖尿病性神経障害に起因する痛みの治療のために光照射を適用する技術を向上させる必要性を見出した。また、本発明者は、光照射療法の原理又は理論に関する深い知識及び経験を有さない者(例えば、研修医、アシスタント等)が特別な訓練を受けることなく、光照射の専門家又は医師に代えて、効果的に、安全に治療を管理できるように治療を自動化する標準化された治療手順の必要性を見出した。
【0005】
一実施の形態においては、本発明に係る光照射装置は、上部光照射器と、底部光照射器と、治療プロトコルに基づいて、上部光照射器及び底部光照射器に通電する制御デバイスとを備える。
【0006】
他の実施の形態においては、本発明に係る光治療装置は、それぞれが他方の鏡像の関係にある患者の体の第1及び第2の部分を受け入れるように構成されたフレームと、患者の体の第1の部分に向けられた第1の光エミッタアレイと、患者の体の第2の部分に向けられた第2の光エミッタアレイと、治療プロトコルに基づいて、第1及び第2の光子エミッタアレイの通電を制御する制御メカニズムとを備える。
【0007】
更に他の実施の形態において、本発明に係る治療方法は、患者を登録するステップと、鏡像関係にある患者の体の治療部位を自動的に照射するように構成された自動化された光アレイデバイスに治療部位を対向させるステップと、治療プロトコルに基づき、自動化された光アレイデバイスを用いて治療を行うステップと、光アレイデバイスから患者を解除し、治療結果を記録するステップとを有する。
【0008】
更に他の実施の形態においては、本発明に係る治療制御装置は、光エミッタアレイ対の個々の組を、各対の第1のエミッタがオンのとき、各対の第2のエミッタがオフになるプッシュプル方式のオン/オフシーケンスでアクティブ化するコントローラを備え、コントローラは、鏡像関係にある患者の体の部分を各エミッタ対を用いて治療するように構成された治療装置に接続されている。
【0009】
これらの装置及び方法の少なくとも一部は、汎用コンピュータ又はネットワーク化されたコンピュータ上のプログラムとして好適に実現でき、何らかの結果又は治療ログは、汎用コンピュータ又はネットワーク化されたコンピュータに接続された出力装置に表示してもよく、遠隔の出力装置又は表示装置に転送してもよい。更に、本発明の少なくとも一部は、コンピュータプログラム、データシーケンス及び/又は制御信号として実現してもよく、任意の媒体、例えば、以下に限定されるものではないが、無線放送、銅線、光ファイバケーブル、同軸ケーブル等を介して、如何なる周波数でこれらを放送(又は伝送)してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。図面では、同一の又は対応する部分には同一の符号を付している。図1は、本発明の実施の形態に基づく治療装置100の構成を示している。治療装置100及び本明細書に開示する治療装置の様々な実施の形態は、ビッグフット(Bigfoot)とも呼ばれる。これらの実施の形態では、治療装置100は、足の光照射治療、特に、通常、足痛として発症する糖尿病性神経障害の治療のために特別に設計されている。
【0011】
治療装置100は、それぞれ患者の左足(L)及び右足(R)に対応する一対の足プラットホーム105A、105Bを備える。トラック又は他の案内機構を有するガイド上には、照射器が配設されている。具体的には、ガイド118Aのトラック112Aには、照射器110Aが配設されている。
【0012】
照射器110Aは、照射器自体をトラック112Aに沿って移動させるためのモータ又は他の駆動装置を有する。ガイド118Bの第2のトラック112Bには、第2の照射器110Bが配設されている。第2の照射器110Bは、照射器自体をトラック112Bに沿って移動させるためのモータ又は他の駆動装置を有する。これらの照射器110A、110Bを連結し、単一の駆動装置でタンデム式に駆動してもよい。これに代えて、治療プロトコルに基づいて、速度又はアレイの動作パターンが異なるように上側の照射器(110A)及び下側の照射器(111A)を個別に駆動してもよい。他の変形例では、上下の照射器を固定アレイとし、治療プロトコルに基づいて、各エミッタを個別に制御してオン又はオフにするようにしてもよい。更に他の変形例では、上下のアレイの両方を固定アレイとしてもよい。第2及び第3の照射器110B、111B(図示せず)は、鏡像関係になる同様の部分を有し、患者の左足(L)への照射に対応する治療パラメータを用いて、鏡像となる位置で、患者の右足(R)を照射する。
【0013】
プラットホームは、上側及び下側の照射器の両方が患者の足の上面及び底面を同時に照射するように構成されている(例えば、照射器110A(上側のアレイ)が患者の足の上面を照射し、照射器111A(底部アレイ)が患者の足の底面を照射する)。なお、好適な治療プログラムに基づき、上下の照射器による照射期間を異ならせてもよい。
【0014】
足プラットホーム105A、105Bは、照射される足を支持する。例えば、足プラットホーム105Aは、フレーム140Aと、例えばテニスラケットのメッシュ(例えば、ナイロン)のような半透明のライン145Aとを備える。他の実施の形態においては、プラットホームは、エミッタからの治療光を透過するアクリル、ガラス又は他の材料から形成してもよい。図1に示すように、患者の足の上面及び底面の両方は、治療プロトコル(又は治療プログラム)、例えば、後に詳しく説明するプログラムの1つに基づいて光が照射される。
【0015】
一実施の形態においては、本発明に基づく照射器は、半導体ダイオードアレイを備える。例えば、ビッグフットシステムは、32個の赤外線エミッタアレイを備える。半導体ダイオードアレイは、例えば、特に糖尿病性神経障害及びこれに起因する足痛を治療するために特別に構成してもよい。また、他の形式の照射器(例えば、より多い又は少ないセンサを有するアレイ、特定パターンのアレイ、異なる光素子(例えば、ダイオード、レーザ、様々な波長を有するエミッタ及び/又は可変波長エミッタ等)を用いるアレイ等)を用いてもよい。センサアレイは、制御モジュール120によって制御され、制御モジュール120は、電子回路又はプログラムであってもよく、或いは、様々な命令が格納された中央データベースに接続されていてもよい(例えば、最新の又は患者毎に特化された指示及び/又は治療プロトコルをインターネットを介して、治療施設内のビッグフット型装置に送信してもよい)。
【0016】
半導体ダイオードアレイは、例えば、16個のチャンネルとして、好ましくは、対称的に又は相補的に制御される。すなわち、一方のアレイがオンにされると、他方のアレイがオフにされるように制御してもよい。チャンネル対の位置(例えば、照射器110A、110B)は、鏡像関係となる体の部位に対応する。すなわち1つのエミッタの各位置に対し、鏡像関係となる位置に相補的なエミッタが存在する。これは、一対のエミッタが、人体の中間線から等距離に存在することを意味する。この構成の目的は、交感神経系を対称的に制御することである。エミッタがオンにされると、エミッタに対向する組織に位置する交感神経が刺激される。そして、神経は、背骨に隣接する神経節に信号を送り、背骨は、鏡像の神経節に信号を送り、鏡像の神経節は、アレイ配置の鏡像領域における神経を活性化する。人体における鏡像関係にある一対の部位に対応する位置に一対の相補的なアレイを設け、一方のアレイをアクティブ化し、次に相補的な他方のアレイをアクティブ化することによって、体の一方の側から、鏡像関係にある他方の側に神経信号がプッシュ−プルされ、自然な応答を有する相乗効果によって神経が活性化される。これにより、神経/軟組織灌流の回復が促進される。交感神経は、動脈から軟組織に血流を流し、制御するので、各チャンネル対(相補的チャンネル)は、動脈刺激点の近傍に設けることが好ましい。
【0017】
本発明の一実施の形態においては、動き制御段を用いて9個のエミッタチャンネル(例えば、照射器111A、111B(図示せず))を移動させ、足の底部全体又は足底面を照射する。これは経済的な選択であり、すなわち、他のアレイ構成によっても、適切な刺激及び機能を提供することができる(例えば、アレイはより大きくても、より小さくてもよく、複数の個別の固定エミッタアレイを同様のプログラムによって通電してもよい)。また、動き制御段上に位置するアレイは、チャンネル対としても動作する。
【0018】
糖尿病性神経障害治療の場合、アレイは、好ましくは、4個の相補的チャンネルに関連して、4個のチャンネルを有する。例えば、チャンネルは、(例えば、動き制御を介して)足の底部全体に隣接して配置されたチャンネル、(例えば、第1の固定アレイを介して)足趾上及び足趾後部の足背に配置されたチャンネル、足の後部の両側のチャンネル(例えば、第1の側の固定アレイ及び第2の側の固定アレイ)及び膝の膝窩動脈の後ろのチャンネル(例えば、固定アレイ)等であってもよい。変形例として、足用のアレイ配置の第2の側は、足首の上に配置してもよい。各アレイは、一組の固定アレイとして実現してもよく、固定アレイと、動き制御アレイとの組合せとして実現してもよい。
【0019】
図2は、動き制御によって処置される患者の足の底部を示している。上述した実施の形態において、足の底部は、足の底部に沿って動かされるエミッタのアレイ(例えば、アレイ111A)を用いて照射され、これにより、治療部位(例えば、図示する治療部位)又は足の底部全体(例えば、テーブル1参照)が治療プロトコルに基づくシーケンスで照射される。各足の底部は、相補的なチャンネルの対における一方のチャンネルを表している。足底は、全体的に光が照射される。
【0020】
本発明の実施の形態に基づく治療部位のリストを以下のテーブル1に示す。ここに示す治療部位は、例示的なものである。他の治療プログラムでは、これより多い、又は少ない、或いは異なる治療部位を用いてもよい。
【0021】
テーブル1
#1 第1趾と第2趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背
#2 第2趾と第3趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背
#3 第4趾と第5趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背
#4 踵骨の隆起の内側の前方及び上方の窪み
#5 脛骨の境界より後の内果の先端の真上
#6 外果の先端とアキレス腱との間の窪みの真下
#7 大腿二頭筋及び半腱様筋の腱の間の膝窩横紋の中点
#8〜16 足裏
治療番号は、後述し又は本明細書中に説明されている図面/写真上の参照番号に対応している。治療部位は、例えば、1A及び1B等のように一対となる。このような位置を、体において鏡像関係にある位置と呼ぶ。この例示的な実施の形態では、治療シーケンスは、番号の順に従う(なお、異なる治療プログラムでは、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、他のシーケンスを用いることができる)。
【0022】
上に列挙した治療部位は、これらの部位を指す医学用語として定義されている。幾つかの位置は、鍼療法で使用される位置と同じであるが、鍼療法で使用される位置と異なる位置もある。足底は、動き制御段を用いて、全体的に照射される。足の下で駆動される動き制御段(各側)には、9個のIRエミッタが取り付けられている(足裏照射)。代替として、他の波長のエミッタ又は可変波長エミッタを用いてもよい。
【0023】
図3は、動き制御又は固定アレイを介して治療される足趾上及び足趾後部の足背を示している。各足背は一対の相補的チャンネルの一方のチャンネルに対応する。例えば、足背の全体上に固定アレイを配設し、治療プログラムに基づいて、治療部位上にエミッタを配置することによって照射を行ってもよい。他の具体例では、動き制御を用いて、エミッタアレイを位置決めし、エミッタアレイの個々のエミッタは、治療プログラムに基づいて移動及び通電(又は配列)される。
【0024】
図4は、足の背面の両側と、固定アレイの配置のための対応する治療部位6A、6Bを示している。各足側及び治療部位は、相補的チャンネルの対における一方のチャンネルに対応する。固定アレイは、治療プログラムに基づいて通電(又は配列)されるエミッタのアレイである。
【0025】
図5は、患者の脚及び膝の膝窩動脈の背後の治療部位7A、7Bを示している。各脚及び治療部位は、相補的チャンネルの対における一方のチャンネルに対応している。治療部位7A、7Bは、好ましくは、図示した位置の上に配置され、治療プログラムに基づいて通電される固定アレイを用いて治療される。
【0026】
図6は、患者の足及び足首の上の治療部位5A、5Bと、足首の下の治療部位4A、4Bとを示している。各足及び治療部位は、相補的チャンネルの対における一方のチャンネルに対応している。治療部位5A、5Bは、好ましくは、図示した位置の上に配置され、治療プログラムに基づいて通電される固定アレイを用いて治療される。
【0027】
図7は、「ビッグフット」とも呼ばれる本発明の実施の形態に基づく光照射治療装置700のプロトタイプを示している。光照射治療装置700は、足プラットホームと、足底用の動き制御エミッタアレイと、足背用の動き制御エミッタアレイと、足首の下、足首の上及び膝窩動脈(膝裏)の両側面用の固定アレイと、患者のための治療プログラムに基づくエミッタアレイ動き制御及び通電/配列のための制御回路とを備える。
【0028】
本発明の一実施の形態である光照射治療装置700は、1つ以上のアレイを位置決めするように設計されたマニピュレータと呼ばれる調整機構を備える。マニピュレータは、異なる患者間の治療部位の位置の変化を補うために使用される。マニピュレータは、例えば、工具を使用することなく、所望の治療部位にエミッタアレイを位置決めできるように、1つ以上の軸を中心に調整できる可調整位置決め機構であってもよい。図8A〜図8Dは、本発明の実施の形態に基づく可調整多軸マニピュレータ800を示している。マニピュレータは、アーム810に取り付けられる。マニピュレータは、様々な角度位置の1つでエミッタアレイをアームに取り付けるアーム位置決めプレート820を備える。図8Aに示すように、アーム位置決めプレート820は、少なくともYaw+位置及びYaw−位置にマニピュレータを固定する。マニピュレータアーム位置決めプレート820は、様々な角度にアレイを配置できることが好ましい。図8Bに示すように、アーム位置決めプレート820は、アーム810に沿って摺動可能であり、アーム810に沿って、Y軸+方向及びY軸−方向に任意の数の位置に位置決めできる。
【0029】
図8cに示すように、アーム810のテンションは、止めネジ830によって設定され、アーム810は、湾曲部835を有する。アーム810を回転させると、湾曲部835によって、エミッタアレイの垂直位置(例えば、Vert+及びVert−)が調整される。所望の垂直位置が決まると、アームは、軸受筒の摩擦によって、適切に保持される。また、図8Dに示すように、アームは、軸受筒の摩擦によって、所望の円弧位置に保持される。この軸受筒の摩擦は、円弧に沿った所望の位置(例えば、Arc−、Arc+)にアームを固定する。
【0030】
全てのマニピュレータは、摩擦を調整でき、又はオペレータが工具を用いることなく、各マニピュレータを位置決めできるように構成された非金属の軸受筒を使用することが好ましい。
【0031】
エミッタアレイの放熱は、エミッタアレイに又はエミッタアレイの近傍に取り付けられた1つ以上のヒートシンク及びファンによって行われる。例えば、図9に示すエミッタアレイ900には、ヒートシンク910及びファン/送風機アセンブリ920が取り付けられている。エミッタ、電子回路、動き制御メカニズム及び患者の近傍に熱を制御する他のデバイスを設けてもよく、これらには、熱電クーラ(TEクーラ)、半導体ヒートポンプデバイス等を用いてもよい。
【0032】
本発明に基づく例示的な治療装置である図7に示す光照射治療装置700は、特に、足痛として発症する糖尿病性神経障害の治療のために特別に設計されている。また、本発明に基づく治療装置は、手、腕、背中、頭及び他の部位を治療するために構成することもできる。光照射治療装置700は、足背及び足底用のエミッタアレイ(動き制御)と、足側用のエミッタアレイと、足首の上部及び下部用のエミッタアレイ(固定)と、膝裏用のエミッタアレイ(固定)とを備える。他の光照射治療装置では、この他の対応する治療部位(例えば、手の治療の場合、手掌、手背、手首、腕)に対応する位置にエミッタアレイを配設してもよい。図7に示すように、患者は、透明のプラットホーム上に足を載せ、固定アレイは、取り付けられたマニピュレータを用いて、治療部位に対応する位置に位置決めされる。
【0033】
患者の足が照射のために位置決めされ(動き制御されたエミッタ照射の準備が整ったプラットホーム上に載せられ)、固定アレイが患者の治療部位に対応する位置に配置されると、患者のために選択された治療プログラムに基づく照射が開始される。治療プログラムは、例えば、順次的にチャンネルを制御する。すなわち、1つのチャンネルがオンにされると、他のチャンネルは、オフにされ(例えば、他の全てのチャンネルがオフにされる。)、続いて、次のチャンネルがオンにされると、この他のチャンネルがオフにされるという動作を順次繰り返し、治療プログラムに基づいて、各チャンネル対が所定の時間に通電される。治療プログラムの他の選択肢として、全てのチャンネルを同時に通電してもよい(チャンネル対(例えば、相補的チャンネル対)の一方をオンにし、他方をオフにし、続いて、他方の相補的なチャンネルをオンにし、相手のチャンネルをオフにしてもよい)。更に他の実施の形態として、患者の第1の側の対応する全てのチャンネルをオンにし、第2の、鏡像関係にある側の対応する全てのチャンネルをオフにし、続いてこの逆の動作を行ってもよい。
【0034】
動き制御段が動いている間、動き制御段上のエミッタは、例えば、非シーケンスモードで動作される。これは、複数のエミッタシーケンス制御システム(例えば、動き制御エミッタのための制御システム、固定アレイ内のエミッタのための制御システム及びエミッタアレイの動きのための制御システム)がチャンネル0〜8、9〜15を用いる1つの理由である。
【0035】
各チャンネルは、例えば、オン/オフ、変調、周波数、強度及び照射期間のうちの1つ以上が制御される。これらの制御のそれぞれのために、組み合わされた又は更なる制御システムを用いてもよい。制御には、例えば、各制御システムのための個別の光出力パワー調整も含まれる。光パワーの調整の選択肢としては、例えば、完全、半分、4分の1、オフ及び最大5ワットのパワーレベル等が含まれる。治療プロトコル(又はプログラム)は、例えば、マルチセッション治療を含む。プロトコルは、例えば、最初の治療セッションにおいては、パワーを半分に設定すること等を指定する。最初の治療において患者に副作用が生じない場合、以降の治療セッションでは、(副作用が存在しないか最小限であり続けると仮定して)パワーをフルに設定する。
【0036】
変調は、例えば、外部、オフ、連続又は72Hz等に設定できる。ここでは、如何なる周波数変調方式を適用してもよく、本明細書に開示する他の全ての制御項目と同様に、治療プロトコル及び患者毎に異なる方式を使用してもよい。糖尿病性神経障害治療の場合、好ましくは、動き制御エミッタ変調は、連続変調(CH0〜8)に設定し、固定されたエミッタも、連続変調に設定する。
【0037】
更に、この例示的な治療プロトコルでは、シーケンスは、例えば、チャンネル0〜8をオフにし、チャンネル9〜15をオンにするように設定される。チャンネル9〜15のシーケンスのシーケンスクロックは、15秒間に設定される。チャンネル0〜8のチャンネル時間は、5分間に設定され、チャンネル9〜15のチャンネル時間は、7分間に設定され、固定された位置の各エミッタアレイは、15秒間オンにされる。
【0038】
始動用のフロントパネル押しボタンスイッチである開始ボタン122を押圧操作することによって、ビッグフットの動作が始動する(図1)。両方のチャンネルグループ(0〜8、9〜15)についてプログラムされたシーケンスが完了すると、ビッグフットは、スタンバイ状態に戻る。システムがスタンバイ状態であるときに、開始ボタン122を押圧操作すると、新たなシーケンスが開始される。各患者毎に、1つのボタンを押圧操作するだけで、治療プロトコルを開始することができる。一実施の形態においては、治療プロトコルの進行状況を示し、又は動作中のチャンネルを特定するための状態ランプを点灯させる。
【0039】
本発明では、熱線画像を使用してもよい。熱線画像は、例えば、治療中及び治療後の生理学的変化に関する客観的なフィードバックを提供するために使用される。治療前に撮像された熱線画像は、治療間に撮像され、又は治療プロトコルの完了後に撮像された熱線画像と比較するための基準として用いられる。
【0040】
図10A及び図10Bは、本発明に基づく治療前(図10A)及び治療後(図10B)の糖尿病性神経障害患者の熱線画像の具体例を示している。これらは、患者の左足及び右足について、治療前(図10A)の足背及び足底及び治療後(図10B)の足背及び足底の熱線画像を示している。熱量は、治療前及び治療後において、足上の同じ測定点で測定した。測定は、例えば、これらの図に示すように、患者の足の一部で行った(この具体例では、約4分の1サイズの温度測定を行った)。左右の足の温度は、摂氏で示しており、いずれの場合(足背及び足底)も治療後に高くなっている。温度測定の結果は、患者の足の血流/循環の機能が回復/改善されたことを示している。
【0041】
本発明は、治療プロトコルを含む。治療プロトコルは、アシスタントが患者を誘導して補助する離散的な個々のステップを含む。治療プロトコルは、本発明の実施の形態に基づき、診療所において、実行される手続きの1つの具体例である。
【0042】
可能な治療プロトコル
1.患者が診療所に訪れ、事務的な書類に必要事項を書き込む(例えば、基本的な、医療履歴、紹介情報、保険情報等)。
【0043】
2.患者が治療室に訪れ、裸足になり、膝上数インチまで衣類を捲る。半ズボンの患者は、靴/靴下を脱ぐだけでよい。
【0044】
3.患者の熱線画像を撮像する。
【0045】
4.患者がビッグフット治療装置に足を載せ、患者の治療部位に対応する所定の位置に固定アレイエミッタを配置する。
【0046】
5.治療領域の周囲をプラスチックでラッピングする(任意)。
【0047】
6.ビッグフット上の開始ボタンを押圧操作し、治療を開始する。
【0048】
7.治療セッションが終了した後、動き制御段は、ホームポジションに戻り、エミッタは、切電される。
【0049】
8.患者がビッグフットから足を離すことができるように、固定アレイエミッタが治療領域から離される。
【0050】
9.プラスチックのラッピングを取り外し、片付ける。
【0051】
10.患者が立ち上がる。
【0052】
11.患者が事務的な書類に書き込み行い、帰宅する。
【0053】
熱線画像を使用する場合、撮像は、治療前のステップ及び/又は治療後のステップとして実行される。
【0054】
一実施の形態においては、固定アレイエミッタは、位置決めされた固定アレイエミッタを患者から離し、固定エミッタアレイの相対的位置を変更しないで患者を速やかに解放するための「ロールアウト」スイベルを備える。患者間の変化は、比較的小さいため、固定アレイは、患者毎に僅かに変更するだけで、患者に応じた位置決めを行うことができる。
【0055】
一実施の形態においては、ビッグフット制御回路は、例えば、状態マシン又は固定ロジックによって実現される。状態マシン及び/又は固定ロジックは、本明細書に説明したプロセス及び手法に基づいて、制御(動き制御及びエミッタ制御)を行う。制御回路は、好ましくは、汎用コンピュータ又はマイクロプロセッサをプログラミングすることによって実現される(これにより、上述したステップ4における患者毎の設定時間を短縮することができる)。
【0056】
図11は、本発明の実施の形態に基づくタイミング及びアナログ機能のブロック図である。リアルタイムのクロック(real time clock:RTC)1100は、デジタルクロック信号をタイマ1105に供給し、タイマ1105は、チャンネル0〜8における治療時間を制御する。また、RTC1100は、第2のタイマ1110にも接続され、第2のタイマ1110は、チャンネル9〜15における治療時間を制御する。
【0057】
精密電源1120は、チャンネル出力パワーを調整するための較正された基準電圧を提供する。この例示的な実施の形態では、ラダー抵抗1125は、チャンネルに供給されるパワーの量を予め決定する。一対のアナログマルチプレクサ1130、1135は、それぞれ、チャンネル0〜8、9〜15に、調整されたパワーを供給する。
【0058】
図12は、本発明の実施の形態に基づく変調及びシーケンス器のブロック図である。可変(例えば、72Hz、15秒)/外部/オフ/連続変調器1205、1210は、それぞれ、チャンネル0〜8、9〜15を変調する。
【0059】
シーケンスクロック1230、1235は、例えば、それぞれチャンネル0〜8、9〜15に対する変調を制御する。
【0060】
図13は、本発明の実施の形態に基づく動き制御及び基本的なエミッタチャンネル制御のための回路のブロック図である。動き制御モジュール1310は、例えば、チャンネル0〜8に関連している動き制御アレイを制御するために用いられる動き制御信号を提供する。動き制御信号は、例えば、チャンネル0〜8のエミッタの動きのタイミングを含む。例えば、エミッタアレイの動きは、プログラミング可能なパラメータ、例えば、患者のために用いられる治療プロトコルで指定される各治療部位(又は治療部位の一部)の照射の期間等に基づいて決定される。
【0061】
制御機能1320は、チャンネル0〜8の全てのために、タイミング機能、光パワー出力、変調、治療シーケンス(又は治療プログラム/プロトコル)及び動き制御を実現するように構成された説明のための例示的な制御ユニットである。制御機能1330は、タイミング機能、光パワー出力、変調及び治療シーケンスを含む固定アレイ制御を実現する説明のための例示的な制御ユニットである。ここに例示的に示した各制御ユニットは、組み合わせてもよく、先に説明した制御回路、機能、変調器の1つ以上を組み込んでもよい。
【0062】
図14Aは、本発明の実施の形態に基づく例示的なタイミングチャート及び波形1400を示している。タイミングチャートは、例示的なチャンネル9〜15のためのオン/オフのシーケンスを含む。チャンネル9は、患者の足背に対する相補的チャンネルA及びBのそれぞれの照射を表す。例えば、右足の足背(チャンネル9、チャンネルA)を15秒間、照射し、左足の足背(チャンネル9、相補的チャンネルB)を15秒間、照射する。そして、図14に示すように、同様のパターンを繰り返す。次に、チャンネル10がアクティブ化され、これに続いて、チャンネル11〜15が順次アクティブ化される。変調、強度、照射の順序、チャンネルアクティブ化の各組の期間、パターン、繰返し回数を含む治療の全ての変数は、例えば、治療プログラム/プロトコルに基づいて変更及び設定できる。例えば、図7に関連して説明したように、チャンネル9〜15には、シーケンスオン、15秒サイクル、7分間、パワーX、変調オフで記述される波形が適用される。
【0063】
チャンネル0〜8は、患者の足裏照射のためにプログラミングされた波形を示す。チャンネル0〜8には、例えば、シーケンスオフ、繰返し速度72Hz、5分間、パワーX、(例えば、1〜10ワット)、変調オフの波形が適用される。
【0064】
上述のように、出力は、例えば、0、1/4、1/2、3/4及び完全(フル)の1つから選択される。より細かく区切られた(又は連続した)パワーを用いてもよい。図14に示すように、チャンネル0〜8について第1の設定を行い(チャンネル0、1を特に明示している。チャンネル2〜8は、例えば、全てのA及びBと同じタイミングを有していてもよい。)、チャンネル9〜15について第2の設定を行ってもよい。これに代えて、各チャンネルを個別にプログラミングしてもよい。各チャンネルは、例えば、多くの予め定義されたプログラム又は保存された波形パターンを用いてプログラミングしてもよい。
【0065】
図14Bは、本発明の実施の形態に基づく第2の例示的な波形1450を示している。この波形1450は、シーケンスオン、15秒サイクル、7分間、パワーX、変調オン/外部を含んでいる。変調は、例えば、1Hz〜100KHzの間の設定周波数に基づいて行われる。1つの変形例では、変調は、シーケンス全体に亘って、又はシーケンスの一部について、変更してもよい。図14Bでは、変調1460、制御1470及び波形の期間1475を強調して示している。第2の変形例として示す波形1480は、チャンネル0〜8のためのシーケンスオフ、繰返し速度72Hz、5分間、パワーX、変調オン/外部に対応する波形を示している。具体例として示す波形のいずれにおいても、変調自体は、正弦波、矩形波、のこぎり波又はファンクションジェネレータ(例えば、関数発生器出力)の全ての出力波形とすることができる。
【0066】
上述のように、治療プロトコルは、例えば、周波数、変調、期間、強度及び光エミッタに適用される他のパラメータ、並びに(存在すれば)治療装置の動き制御のパラメータを指定する一連のデータである。治療プロトコルは、本発明に基づく治療装置の制御回路又はプログラミングに埋め込んでもよい。
【0067】
一実施の形態においては、図15に示すように、治療プロトコルは、中央病院(central office location)1500において更新又は変更され、次に、本発明に基づく治療装置を備える複数の診療所(例えば、C1−C4)に送信される。治療プロトコルの送信は、例えば、インターネット1510又は無線(例えば、セルラ)ネットワークを介して行ってもよい。そして、更新された治療プロトコルは、それぞれの対応する診療所において、治療装置にロードされる。一実施の形態においては、治療装置は、自らネットワークに接続し、自動的に治療プロトコルを受信し、更新する。
【0068】
他の実施の形態においては、担当医師1520が患者の特定の必要性又は診断に基づいて、標準的な治療プログラムを調整又は変更する。担当医師が更新した治療プロトコルは、例えば、暗号化(例えば、PGPベースの暗号化)を用いたインターネット接続を介して、診療所に送信される。図16に例示的に示す更に他の実施の形態では、診療所は、安全なウェブベースのインタフェース1600を備え、担当医師又は技術者がこれを用いて、遠隔位置から又は診療所において、治療プログラムのパラメータを変更する。変更されたパラメータは、単一の診療所、診療所のグループ、又は全ての診療所に適用してもよい。また、変更されたパラメータは、個々の患者に特有のパラメータであってもよいが、患者が診療を受けることを許可されている全ての診療所に送信してもよい。
【0069】
ウェブベースのインタフェース1600は、例えば、医師/技術者の安全なログイン入力ボックス、診療所の選択メニュー1610、周波数、変調、チャンネル等のパラメータ(治療プログラムのパラメータ)1620、1つ以上の標準プロトコルの選択メニュー1630、及び患者の識別情報1640を備える。選択は、例えば、プルダウンメニューを介して表示された可能な選択肢を選択することによって行われる。また、ユーザが定義した選択肢を表示してもよい。また、特定の患者のために開発された治療プログラムを標準的な治療プログラムとして保存し、同様の治療を必要とする他の患者で再利用してもよい(例えば、標準プログラムダイアログボックスに任意の選択肢として表示させる)。
【0070】
本明細書では、糖尿病性神経障害に起因する足痛の治療に関連して本発明を説明したが、当業者は、他の病気に起因し、特に交感神経系に関連する他の部位の治療にも本明細書に開示した装置及び処置を適用することができる。
【0071】
図面に示す本発明の特に好ましい実施の形態の説明では、記述を明瞭にするために、特定の用語を用いている。但し、本発明は、ここで選択された特定の用語に制限されることはなく、特定の要素は、同様に動作する全ての技術的な等価を包含すると解釈される。例えば、本明細書に特に列記されているか否かにかかわらず、光エミッタは、他の如何なる同等なデバイス、例えば、発光ダイオード、レーザ、光源、放射線源、又は同等な機能又は能力を有する他のデバイスに置換することができる。更に、本発明の範囲を逸脱することなく、ここに説明した本発明の一部に、現在、既知ではない新たに開発される技術を適用できる。他の全ての説明した項目、例えば、以下に限定されるものではないが、動き制御デバイス、プラットホーム、可調整固定アレイ、制御デバイス、電子回路、ウェブインタフェース技術及びプログラミング等は、あらゆる全ての使用可能な等価物と置換できるとみなされる。
【0072】
また、コンピュータ技術の知識を有する者には明らかであるが、本発明の一部は、本明細書の教示に基づいてプログラミングされた従来の汎用又は専用のデジタルコンピュータ又はマイクロプロセッサを用いて実現してもよい。
【0073】
また、ソフトウェア技術の知識を有する者には明らかであるが、熟練したプログラマは、本明細書の教示に基づいて、適切なソフトウェアプログラムを容易に準備できる。更に、当業者に明らかなように、本発明は、特定用途向け集積回路、又は従来の電気部品回路の適切なネットワークを相互接続することによっても実現できる。
【0074】
本発明は、コンピュータを制御して本発明の処理を行わせるために使用される命令を記録した記録媒体(媒体)であるコンピュータプログラム製品を含む。記録媒体には、以下に限定するものではないが、フロッピィディスク(商標)、ミニディスク(MD、商標)、光ディスク、DVD、CD−ROM、マイクロドライブ、光磁気ディスク、ROM、RAM、EPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリ(フラッシュカードを含む)、磁気又は光カード、ナノシステム(分子メモリICを含む)、RAIDデバイス、遠隔データ記憶装置/アーカイブ/ウェアハウス、或いは命令及び/又はデータを記憶する任意の種類の適当な媒体又は装置が含まれる。
【0075】
本発明は、コンピュータにより読み取り可能な、任意の媒体に記憶され、汎用/専用コンピュータのハードウェア又はマイクロプロセッサを制御し、コンピュータ又はマイクロプロセッサを人であるユーザとインタラクトさせ、或いは他のメカニズムにより本発明の成果を利用する、ソフトウェアを含む。この種のソフトウェアは、限定する意味でなく、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、及びユーザアプリケーションを含む。更に、この種のコンピュータにより読み取り可能な媒体は、上述したように、本発明を実施するソフトウェアを含む。
【0076】
汎用/専用コンピュータ又はマイクロプロセッサ上で動作するプログラム(ソフトウェア)は、上述した本発明の処理を実現するソフトウェアモジュールであってもよく、以下に制限されるものではないが、本発明に基づいて、動き制御のための同期モータ及び/又はステッピングモータの制御、変調、強度調整、治療期間の制御、治療プロトコルの読出、保存、実行本発明による処置に基づく結果の表示、保存又は通信のためのソフトウェアモジュールであってもよい。
【0077】
本発明は、本明細書に記載されているか否かにかかわらず、様々な要素(本発明の様々な部分又は特徴)及びその等価物を含み、又はこれらから構成され、或いは実質的にこれらから構成してもよい。更に、本明細書において特に指摘しているか否かにかかわらず、実例として本明細書に開示した実施の形態の一部の要素を除外しても本発明を実施できる。上述の説明に基づき、本発明を様々に変更及び変形できることは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、本明細書に開示した形態とは異なる形態で本発明を実施できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態に基づく治療装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に基づく動き制御によって治療される患者の足の底部を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に基づく動き制御又は固定アレイによって治療される足趾上及び足趾後部の足背を示す図である。
【図4】足の背面の両側と、本発明の実施の形態に基づく固定アレイの配置のための対応する治療部位を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に基づいて治療される患者の脚及び膝の膝窩動脈の背後の治療部位を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に基づいて治療される患者の足及び足首の上の治療部位と、足首の下の治療部位とを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に基づく「ビッグフット」とも呼ばれる本発明の実施の形態に基づく光照射治療装置を示す図である。
【図8A】本発明の実施の形態に基づく可調整多軸マニピュレータを示す図である。
【図8B】本発明の実施の形態に基づく可調整多軸マニピュレータを示す図である。
【図8C】本発明の実施の形態に基づく可調整多軸マニピュレータを示す図である。
【図8D】本発明の実施の形態に基づく可調整多軸マニピュレータを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に基づく、ヒートシンク及びファン/送風機アセンブリが取り付けられたエミッタアレイを示す図である。
【図10A】本発明に基づく治療前の糖尿病性神経障害患者の熱線画像を示す図である。
【図10B】本発明に基づく治療後の糖尿病性神経障害患者の熱線画像を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に基づくタイミング及びアナログ機能のブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態に基づく変調及びシーケンス器のブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態に基づく動き制御及び基本的なエミッタチャンネル制御のための回路のブロック図である。
【図14A】本発明の実施の形態に基づく例示的なタイミングチャート及び波形を示す図である。
【図14B】本発明の実施の形態に基づく第2の例示的な波形を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に基づく、中央病院と診療所との間のネットワーク接続を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態に基づくウェブインタフェースの画面を示す図である。
【著作権の表示】
【0001】
本特許書類の開示の一部には著作権の保護対象が含まれる。著作権者は何人も特許商標局の特許ファイル又は記録に示された形で特許書類又は特許開示をファクシミリ複製することについては異議はないが、その他の点については全著作権を保有する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、光照射療法に関し、詳しくは、痛みを治療する光照射療法に関する。更に、本発明は、高度な光治療装置及びプロトコルを用いた、肢の痛み、特に糖尿病性神経障害の治療に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、多くの異なる光治療法が開発され、世界中の様々な臨床現場で使用されている。様々な光治療法としては、照射される体の部分に適合する高度な装置を使用する手法(例えば、バンツイレン(Van Zuylen)の米国特許第6,221,095号)、光照射によって経穴を刺激する治療(例えば、ローリセク(Rohlicek)の米国特許第4,535,785号)、効果を最適にし、効能が最大限に高まるように選択された光特性を有する光を用いる治療(例えば、サランスキー(Salansky)の米国特許第6,063,108号及び第6,494,900号)等がある。上述した特許文献及び本出願と共に提出する情報開示陳述書(IDS)に記す他の特許文献及び非特許文献は、参照によって全体が本願に援用されるものとする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、特に糖尿病性神経障害に起因する痛みの治療のために光照射を適用する技術を向上させる必要性を見出した。また、本発明者は、光照射療法の原理又は理論に関する深い知識及び経験を有さない者(例えば、研修医、アシスタント等)が特別な訓練を受けることなく、光照射の専門家又は医師に代えて、効果的に、安全に治療を管理できるように治療を自動化する標準化された治療手順の必要性を見出した。
【0005】
一実施の形態においては、本発明に係る光照射装置は、上部光照射器と、底部光照射器と、治療プロトコルに基づいて、上部光照射器及び底部光照射器に通電する制御デバイスとを備える。
【0006】
他の実施の形態においては、本発明に係る光治療装置は、それぞれが他方の鏡像の関係にある患者の体の第1及び第2の部分を受け入れるように構成されたフレームと、患者の体の第1の部分に向けられた第1の光エミッタアレイと、患者の体の第2の部分に向けられた第2の光エミッタアレイと、治療プロトコルに基づいて、第1及び第2の光子エミッタアレイの通電を制御する制御メカニズムとを備える。
【0007】
更に他の実施の形態において、本発明に係る治療方法は、患者を登録するステップと、鏡像関係にある患者の体の治療部位を自動的に照射するように構成された自動化された光アレイデバイスに治療部位を対向させるステップと、治療プロトコルに基づき、自動化された光アレイデバイスを用いて治療を行うステップと、光アレイデバイスから患者を解除し、治療結果を記録するステップとを有する。
【0008】
更に他の実施の形態においては、本発明に係る治療制御装置は、光エミッタアレイ対の個々の組を、各対の第1のエミッタがオンのとき、各対の第2のエミッタがオフになるプッシュプル方式のオン/オフシーケンスでアクティブ化するコントローラを備え、コントローラは、鏡像関係にある患者の体の部分を各エミッタ対を用いて治療するように構成された治療装置に接続されている。
【0009】
これらの装置及び方法の少なくとも一部は、汎用コンピュータ又はネットワーク化されたコンピュータ上のプログラムとして好適に実現でき、何らかの結果又は治療ログは、汎用コンピュータ又はネットワーク化されたコンピュータに接続された出力装置に表示してもよく、遠隔の出力装置又は表示装置に転送してもよい。更に、本発明の少なくとも一部は、コンピュータプログラム、データシーケンス及び/又は制御信号として実現してもよく、任意の媒体、例えば、以下に限定されるものではないが、無線放送、銅線、光ファイバケーブル、同軸ケーブル等を介して、如何なる周波数でこれらを放送(又は伝送)してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。図面では、同一の又は対応する部分には同一の符号を付している。図1は、本発明の実施の形態に基づく治療装置100の構成を示している。治療装置100及び本明細書に開示する治療装置の様々な実施の形態は、ビッグフット(Bigfoot)とも呼ばれる。これらの実施の形態では、治療装置100は、足の光照射治療、特に、通常、足痛として発症する糖尿病性神経障害の治療のために特別に設計されている。
【0011】
治療装置100は、それぞれ患者の左足(L)及び右足(R)に対応する一対の足プラットホーム105A、105Bを備える。トラック又は他の案内機構を有するガイド上には、照射器が配設されている。具体的には、ガイド118Aのトラック112Aには、照射器110Aが配設されている。
【0012】
照射器110Aは、照射器自体をトラック112Aに沿って移動させるためのモータ又は他の駆動装置を有する。ガイド118Bの第2のトラック112Bには、第2の照射器110Bが配設されている。第2の照射器110Bは、照射器自体をトラック112Bに沿って移動させるためのモータ又は他の駆動装置を有する。これらの照射器110A、110Bを連結し、単一の駆動装置でタンデム式に駆動してもよい。これに代えて、治療プロトコルに基づいて、速度又はアレイの動作パターンが異なるように上側の照射器(110A)及び下側の照射器(111A)を個別に駆動してもよい。他の変形例では、上下の照射器を固定アレイとし、治療プロトコルに基づいて、各エミッタを個別に制御してオン又はオフにするようにしてもよい。更に他の変形例では、上下のアレイの両方を固定アレイとしてもよい。第2及び第3の照射器110B、111B(図示せず)は、鏡像関係になる同様の部分を有し、患者の左足(L)への照射に対応する治療パラメータを用いて、鏡像となる位置で、患者の右足(R)を照射する。
【0013】
プラットホームは、上側及び下側の照射器の両方が患者の足の上面及び底面を同時に照射するように構成されている(例えば、照射器110A(上側のアレイ)が患者の足の上面を照射し、照射器111A(底部アレイ)が患者の足の底面を照射する)。なお、好適な治療プログラムに基づき、上下の照射器による照射期間を異ならせてもよい。
【0014】
足プラットホーム105A、105Bは、照射される足を支持する。例えば、足プラットホーム105Aは、フレーム140Aと、例えばテニスラケットのメッシュ(例えば、ナイロン)のような半透明のライン145Aとを備える。他の実施の形態においては、プラットホームは、エミッタからの治療光を透過するアクリル、ガラス又は他の材料から形成してもよい。図1に示すように、患者の足の上面及び底面の両方は、治療プロトコル(又は治療プログラム)、例えば、後に詳しく説明するプログラムの1つに基づいて光が照射される。
【0015】
一実施の形態においては、本発明に基づく照射器は、半導体ダイオードアレイを備える。例えば、ビッグフットシステムは、32個の赤外線エミッタアレイを備える。半導体ダイオードアレイは、例えば、特に糖尿病性神経障害及びこれに起因する足痛を治療するために特別に構成してもよい。また、他の形式の照射器(例えば、より多い又は少ないセンサを有するアレイ、特定パターンのアレイ、異なる光素子(例えば、ダイオード、レーザ、様々な波長を有するエミッタ及び/又は可変波長エミッタ等)を用いるアレイ等)を用いてもよい。センサアレイは、制御モジュール120によって制御され、制御モジュール120は、電子回路又はプログラムであってもよく、或いは、様々な命令が格納された中央データベースに接続されていてもよい(例えば、最新の又は患者毎に特化された指示及び/又は治療プロトコルをインターネットを介して、治療施設内のビッグフット型装置に送信してもよい)。
【0016】
半導体ダイオードアレイは、例えば、16個のチャンネルとして、好ましくは、対称的に又は相補的に制御される。すなわち、一方のアレイがオンにされると、他方のアレイがオフにされるように制御してもよい。チャンネル対の位置(例えば、照射器110A、110B)は、鏡像関係となる体の部位に対応する。すなわち1つのエミッタの各位置に対し、鏡像関係となる位置に相補的なエミッタが存在する。これは、一対のエミッタが、人体の中間線から等距離に存在することを意味する。この構成の目的は、交感神経系を対称的に制御することである。エミッタがオンにされると、エミッタに対向する組織に位置する交感神経が刺激される。そして、神経は、背骨に隣接する神経節に信号を送り、背骨は、鏡像の神経節に信号を送り、鏡像の神経節は、アレイ配置の鏡像領域における神経を活性化する。人体における鏡像関係にある一対の部位に対応する位置に一対の相補的なアレイを設け、一方のアレイをアクティブ化し、次に相補的な他方のアレイをアクティブ化することによって、体の一方の側から、鏡像関係にある他方の側に神経信号がプッシュ−プルされ、自然な応答を有する相乗効果によって神経が活性化される。これにより、神経/軟組織灌流の回復が促進される。交感神経は、動脈から軟組織に血流を流し、制御するので、各チャンネル対(相補的チャンネル)は、動脈刺激点の近傍に設けることが好ましい。
【0017】
本発明の一実施の形態においては、動き制御段を用いて9個のエミッタチャンネル(例えば、照射器111A、111B(図示せず))を移動させ、足の底部全体又は足底面を照射する。これは経済的な選択であり、すなわち、他のアレイ構成によっても、適切な刺激及び機能を提供することができる(例えば、アレイはより大きくても、より小さくてもよく、複数の個別の固定エミッタアレイを同様のプログラムによって通電してもよい)。また、動き制御段上に位置するアレイは、チャンネル対としても動作する。
【0018】
糖尿病性神経障害治療の場合、アレイは、好ましくは、4個の相補的チャンネルに関連して、4個のチャンネルを有する。例えば、チャンネルは、(例えば、動き制御を介して)足の底部全体に隣接して配置されたチャンネル、(例えば、第1の固定アレイを介して)足趾上及び足趾後部の足背に配置されたチャンネル、足の後部の両側のチャンネル(例えば、第1の側の固定アレイ及び第2の側の固定アレイ)及び膝の膝窩動脈の後ろのチャンネル(例えば、固定アレイ)等であってもよい。変形例として、足用のアレイ配置の第2の側は、足首の上に配置してもよい。各アレイは、一組の固定アレイとして実現してもよく、固定アレイと、動き制御アレイとの組合せとして実現してもよい。
【0019】
図2は、動き制御によって処置される患者の足の底部を示している。上述した実施の形態において、足の底部は、足の底部に沿って動かされるエミッタのアレイ(例えば、アレイ111A)を用いて照射され、これにより、治療部位(例えば、図示する治療部位)又は足の底部全体(例えば、テーブル1参照)が治療プロトコルに基づくシーケンスで照射される。各足の底部は、相補的なチャンネルの対における一方のチャンネルを表している。足底は、全体的に光が照射される。
【0020】
本発明の実施の形態に基づく治療部位のリストを以下のテーブル1に示す。ここに示す治療部位は、例示的なものである。他の治療プログラムでは、これより多い、又は少ない、或いは異なる治療部位を用いてもよい。
【0021】
テーブル1
#1 第1趾と第2趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背
#2 第2趾と第3趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背
#3 第4趾と第5趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背
#4 踵骨の隆起の内側の前方及び上方の窪み
#5 脛骨の境界より後の内果の先端の真上
#6 外果の先端とアキレス腱との間の窪みの真下
#7 大腿二頭筋及び半腱様筋の腱の間の膝窩横紋の中点
#8〜16 足裏
治療番号は、後述し又は本明細書中に説明されている図面/写真上の参照番号に対応している。治療部位は、例えば、1A及び1B等のように一対となる。このような位置を、体において鏡像関係にある位置と呼ぶ。この例示的な実施の形態では、治療シーケンスは、番号の順に従う(なお、異なる治療プログラムでは、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、他のシーケンスを用いることができる)。
【0022】
上に列挙した治療部位は、これらの部位を指す医学用語として定義されている。幾つかの位置は、鍼療法で使用される位置と同じであるが、鍼療法で使用される位置と異なる位置もある。足底は、動き制御段を用いて、全体的に照射される。足の下で駆動される動き制御段(各側)には、9個のIRエミッタが取り付けられている(足裏照射)。代替として、他の波長のエミッタ又は可変波長エミッタを用いてもよい。
【0023】
図3は、動き制御又は固定アレイを介して治療される足趾上及び足趾後部の足背を示している。各足背は一対の相補的チャンネルの一方のチャンネルに対応する。例えば、足背の全体上に固定アレイを配設し、治療プログラムに基づいて、治療部位上にエミッタを配置することによって照射を行ってもよい。他の具体例では、動き制御を用いて、エミッタアレイを位置決めし、エミッタアレイの個々のエミッタは、治療プログラムに基づいて移動及び通電(又は配列)される。
【0024】
図4は、足の背面の両側と、固定アレイの配置のための対応する治療部位6A、6Bを示している。各足側及び治療部位は、相補的チャンネルの対における一方のチャンネルに対応する。固定アレイは、治療プログラムに基づいて通電(又は配列)されるエミッタのアレイである。
【0025】
図5は、患者の脚及び膝の膝窩動脈の背後の治療部位7A、7Bを示している。各脚及び治療部位は、相補的チャンネルの対における一方のチャンネルに対応している。治療部位7A、7Bは、好ましくは、図示した位置の上に配置され、治療プログラムに基づいて通電される固定アレイを用いて治療される。
【0026】
図6は、患者の足及び足首の上の治療部位5A、5Bと、足首の下の治療部位4A、4Bとを示している。各足及び治療部位は、相補的チャンネルの対における一方のチャンネルに対応している。治療部位5A、5Bは、好ましくは、図示した位置の上に配置され、治療プログラムに基づいて通電される固定アレイを用いて治療される。
【0027】
図7は、「ビッグフット」とも呼ばれる本発明の実施の形態に基づく光照射治療装置700のプロトタイプを示している。光照射治療装置700は、足プラットホームと、足底用の動き制御エミッタアレイと、足背用の動き制御エミッタアレイと、足首の下、足首の上及び膝窩動脈(膝裏)の両側面用の固定アレイと、患者のための治療プログラムに基づくエミッタアレイ動き制御及び通電/配列のための制御回路とを備える。
【0028】
本発明の一実施の形態である光照射治療装置700は、1つ以上のアレイを位置決めするように設計されたマニピュレータと呼ばれる調整機構を備える。マニピュレータは、異なる患者間の治療部位の位置の変化を補うために使用される。マニピュレータは、例えば、工具を使用することなく、所望の治療部位にエミッタアレイを位置決めできるように、1つ以上の軸を中心に調整できる可調整位置決め機構であってもよい。図8A〜図8Dは、本発明の実施の形態に基づく可調整多軸マニピュレータ800を示している。マニピュレータは、アーム810に取り付けられる。マニピュレータは、様々な角度位置の1つでエミッタアレイをアームに取り付けるアーム位置決めプレート820を備える。図8Aに示すように、アーム位置決めプレート820は、少なくともYaw+位置及びYaw−位置にマニピュレータを固定する。マニピュレータアーム位置決めプレート820は、様々な角度にアレイを配置できることが好ましい。図8Bに示すように、アーム位置決めプレート820は、アーム810に沿って摺動可能であり、アーム810に沿って、Y軸+方向及びY軸−方向に任意の数の位置に位置決めできる。
【0029】
図8cに示すように、アーム810のテンションは、止めネジ830によって設定され、アーム810は、湾曲部835を有する。アーム810を回転させると、湾曲部835によって、エミッタアレイの垂直位置(例えば、Vert+及びVert−)が調整される。所望の垂直位置が決まると、アームは、軸受筒の摩擦によって、適切に保持される。また、図8Dに示すように、アームは、軸受筒の摩擦によって、所望の円弧位置に保持される。この軸受筒の摩擦は、円弧に沿った所望の位置(例えば、Arc−、Arc+)にアームを固定する。
【0030】
全てのマニピュレータは、摩擦を調整でき、又はオペレータが工具を用いることなく、各マニピュレータを位置決めできるように構成された非金属の軸受筒を使用することが好ましい。
【0031】
エミッタアレイの放熱は、エミッタアレイに又はエミッタアレイの近傍に取り付けられた1つ以上のヒートシンク及びファンによって行われる。例えば、図9に示すエミッタアレイ900には、ヒートシンク910及びファン/送風機アセンブリ920が取り付けられている。エミッタ、電子回路、動き制御メカニズム及び患者の近傍に熱を制御する他のデバイスを設けてもよく、これらには、熱電クーラ(TEクーラ)、半導体ヒートポンプデバイス等を用いてもよい。
【0032】
本発明に基づく例示的な治療装置である図7に示す光照射治療装置700は、特に、足痛として発症する糖尿病性神経障害の治療のために特別に設計されている。また、本発明に基づく治療装置は、手、腕、背中、頭及び他の部位を治療するために構成することもできる。光照射治療装置700は、足背及び足底用のエミッタアレイ(動き制御)と、足側用のエミッタアレイと、足首の上部及び下部用のエミッタアレイ(固定)と、膝裏用のエミッタアレイ(固定)とを備える。他の光照射治療装置では、この他の対応する治療部位(例えば、手の治療の場合、手掌、手背、手首、腕)に対応する位置にエミッタアレイを配設してもよい。図7に示すように、患者は、透明のプラットホーム上に足を載せ、固定アレイは、取り付けられたマニピュレータを用いて、治療部位に対応する位置に位置決めされる。
【0033】
患者の足が照射のために位置決めされ(動き制御されたエミッタ照射の準備が整ったプラットホーム上に載せられ)、固定アレイが患者の治療部位に対応する位置に配置されると、患者のために選択された治療プログラムに基づく照射が開始される。治療プログラムは、例えば、順次的にチャンネルを制御する。すなわち、1つのチャンネルがオンにされると、他のチャンネルは、オフにされ(例えば、他の全てのチャンネルがオフにされる。)、続いて、次のチャンネルがオンにされると、この他のチャンネルがオフにされるという動作を順次繰り返し、治療プログラムに基づいて、各チャンネル対が所定の時間に通電される。治療プログラムの他の選択肢として、全てのチャンネルを同時に通電してもよい(チャンネル対(例えば、相補的チャンネル対)の一方をオンにし、他方をオフにし、続いて、他方の相補的なチャンネルをオンにし、相手のチャンネルをオフにしてもよい)。更に他の実施の形態として、患者の第1の側の対応する全てのチャンネルをオンにし、第2の、鏡像関係にある側の対応する全てのチャンネルをオフにし、続いてこの逆の動作を行ってもよい。
【0034】
動き制御段が動いている間、動き制御段上のエミッタは、例えば、非シーケンスモードで動作される。これは、複数のエミッタシーケンス制御システム(例えば、動き制御エミッタのための制御システム、固定アレイ内のエミッタのための制御システム及びエミッタアレイの動きのための制御システム)がチャンネル0〜8、9〜15を用いる1つの理由である。
【0035】
各チャンネルは、例えば、オン/オフ、変調、周波数、強度及び照射期間のうちの1つ以上が制御される。これらの制御のそれぞれのために、組み合わされた又は更なる制御システムを用いてもよい。制御には、例えば、各制御システムのための個別の光出力パワー調整も含まれる。光パワーの調整の選択肢としては、例えば、完全、半分、4分の1、オフ及び最大5ワットのパワーレベル等が含まれる。治療プロトコル(又はプログラム)は、例えば、マルチセッション治療を含む。プロトコルは、例えば、最初の治療セッションにおいては、パワーを半分に設定すること等を指定する。最初の治療において患者に副作用が生じない場合、以降の治療セッションでは、(副作用が存在しないか最小限であり続けると仮定して)パワーをフルに設定する。
【0036】
変調は、例えば、外部、オフ、連続又は72Hz等に設定できる。ここでは、如何なる周波数変調方式を適用してもよく、本明細書に開示する他の全ての制御項目と同様に、治療プロトコル及び患者毎に異なる方式を使用してもよい。糖尿病性神経障害治療の場合、好ましくは、動き制御エミッタ変調は、連続変調(CH0〜8)に設定し、固定されたエミッタも、連続変調に設定する。
【0037】
更に、この例示的な治療プロトコルでは、シーケンスは、例えば、チャンネル0〜8をオフにし、チャンネル9〜15をオンにするように設定される。チャンネル9〜15のシーケンスのシーケンスクロックは、15秒間に設定される。チャンネル0〜8のチャンネル時間は、5分間に設定され、チャンネル9〜15のチャンネル時間は、7分間に設定され、固定された位置の各エミッタアレイは、15秒間オンにされる。
【0038】
始動用のフロントパネル押しボタンスイッチである開始ボタン122を押圧操作することによって、ビッグフットの動作が始動する(図1)。両方のチャンネルグループ(0〜8、9〜15)についてプログラムされたシーケンスが完了すると、ビッグフットは、スタンバイ状態に戻る。システムがスタンバイ状態であるときに、開始ボタン122を押圧操作すると、新たなシーケンスが開始される。各患者毎に、1つのボタンを押圧操作するだけで、治療プロトコルを開始することができる。一実施の形態においては、治療プロトコルの進行状況を示し、又は動作中のチャンネルを特定するための状態ランプを点灯させる。
【0039】
本発明では、熱線画像を使用してもよい。熱線画像は、例えば、治療中及び治療後の生理学的変化に関する客観的なフィードバックを提供するために使用される。治療前に撮像された熱線画像は、治療間に撮像され、又は治療プロトコルの完了後に撮像された熱線画像と比較するための基準として用いられる。
【0040】
図10A及び図10Bは、本発明に基づく治療前(図10A)及び治療後(図10B)の糖尿病性神経障害患者の熱線画像の具体例を示している。これらは、患者の左足及び右足について、治療前(図10A)の足背及び足底及び治療後(図10B)の足背及び足底の熱線画像を示している。熱量は、治療前及び治療後において、足上の同じ測定点で測定した。測定は、例えば、これらの図に示すように、患者の足の一部で行った(この具体例では、約4分の1サイズの温度測定を行った)。左右の足の温度は、摂氏で示しており、いずれの場合(足背及び足底)も治療後に高くなっている。温度測定の結果は、患者の足の血流/循環の機能が回復/改善されたことを示している。
【0041】
本発明は、治療プロトコルを含む。治療プロトコルは、アシスタントが患者を誘導して補助する離散的な個々のステップを含む。治療プロトコルは、本発明の実施の形態に基づき、診療所において、実行される手続きの1つの具体例である。
【0042】
可能な治療プロトコル
1.患者が診療所に訪れ、事務的な書類に必要事項を書き込む(例えば、基本的な、医療履歴、紹介情報、保険情報等)。
【0043】
2.患者が治療室に訪れ、裸足になり、膝上数インチまで衣類を捲る。半ズボンの患者は、靴/靴下を脱ぐだけでよい。
【0044】
3.患者の熱線画像を撮像する。
【0045】
4.患者がビッグフット治療装置に足を載せ、患者の治療部位に対応する所定の位置に固定アレイエミッタを配置する。
【0046】
5.治療領域の周囲をプラスチックでラッピングする(任意)。
【0047】
6.ビッグフット上の開始ボタンを押圧操作し、治療を開始する。
【0048】
7.治療セッションが終了した後、動き制御段は、ホームポジションに戻り、エミッタは、切電される。
【0049】
8.患者がビッグフットから足を離すことができるように、固定アレイエミッタが治療領域から離される。
【0050】
9.プラスチックのラッピングを取り外し、片付ける。
【0051】
10.患者が立ち上がる。
【0052】
11.患者が事務的な書類に書き込み行い、帰宅する。
【0053】
熱線画像を使用する場合、撮像は、治療前のステップ及び/又は治療後のステップとして実行される。
【0054】
一実施の形態においては、固定アレイエミッタは、位置決めされた固定アレイエミッタを患者から離し、固定エミッタアレイの相対的位置を変更しないで患者を速やかに解放するための「ロールアウト」スイベルを備える。患者間の変化は、比較的小さいため、固定アレイは、患者毎に僅かに変更するだけで、患者に応じた位置決めを行うことができる。
【0055】
一実施の形態においては、ビッグフット制御回路は、例えば、状態マシン又は固定ロジックによって実現される。状態マシン及び/又は固定ロジックは、本明細書に説明したプロセス及び手法に基づいて、制御(動き制御及びエミッタ制御)を行う。制御回路は、好ましくは、汎用コンピュータ又はマイクロプロセッサをプログラミングすることによって実現される(これにより、上述したステップ4における患者毎の設定時間を短縮することができる)。
【0056】
図11は、本発明の実施の形態に基づくタイミング及びアナログ機能のブロック図である。リアルタイムのクロック(real time clock:RTC)1100は、デジタルクロック信号をタイマ1105に供給し、タイマ1105は、チャンネル0〜8における治療時間を制御する。また、RTC1100は、第2のタイマ1110にも接続され、第2のタイマ1110は、チャンネル9〜15における治療時間を制御する。
【0057】
精密電源1120は、チャンネル出力パワーを調整するための較正された基準電圧を提供する。この例示的な実施の形態では、ラダー抵抗1125は、チャンネルに供給されるパワーの量を予め決定する。一対のアナログマルチプレクサ1130、1135は、それぞれ、チャンネル0〜8、9〜15に、調整されたパワーを供給する。
【0058】
図12は、本発明の実施の形態に基づく変調及びシーケンス器のブロック図である。可変(例えば、72Hz、15秒)/外部/オフ/連続変調器1205、1210は、それぞれ、チャンネル0〜8、9〜15を変調する。
【0059】
シーケンスクロック1230、1235は、例えば、それぞれチャンネル0〜8、9〜15に対する変調を制御する。
【0060】
図13は、本発明の実施の形態に基づく動き制御及び基本的なエミッタチャンネル制御のための回路のブロック図である。動き制御モジュール1310は、例えば、チャンネル0〜8に関連している動き制御アレイを制御するために用いられる動き制御信号を提供する。動き制御信号は、例えば、チャンネル0〜8のエミッタの動きのタイミングを含む。例えば、エミッタアレイの動きは、プログラミング可能なパラメータ、例えば、患者のために用いられる治療プロトコルで指定される各治療部位(又は治療部位の一部)の照射の期間等に基づいて決定される。
【0061】
制御機能1320は、チャンネル0〜8の全てのために、タイミング機能、光パワー出力、変調、治療シーケンス(又は治療プログラム/プロトコル)及び動き制御を実現するように構成された説明のための例示的な制御ユニットである。制御機能1330は、タイミング機能、光パワー出力、変調及び治療シーケンスを含む固定アレイ制御を実現する説明のための例示的な制御ユニットである。ここに例示的に示した各制御ユニットは、組み合わせてもよく、先に説明した制御回路、機能、変調器の1つ以上を組み込んでもよい。
【0062】
図14Aは、本発明の実施の形態に基づく例示的なタイミングチャート及び波形1400を示している。タイミングチャートは、例示的なチャンネル9〜15のためのオン/オフのシーケンスを含む。チャンネル9は、患者の足背に対する相補的チャンネルA及びBのそれぞれの照射を表す。例えば、右足の足背(チャンネル9、チャンネルA)を15秒間、照射し、左足の足背(チャンネル9、相補的チャンネルB)を15秒間、照射する。そして、図14に示すように、同様のパターンを繰り返す。次に、チャンネル10がアクティブ化され、これに続いて、チャンネル11〜15が順次アクティブ化される。変調、強度、照射の順序、チャンネルアクティブ化の各組の期間、パターン、繰返し回数を含む治療の全ての変数は、例えば、治療プログラム/プロトコルに基づいて変更及び設定できる。例えば、図7に関連して説明したように、チャンネル9〜15には、シーケンスオン、15秒サイクル、7分間、パワーX、変調オフで記述される波形が適用される。
【0063】
チャンネル0〜8は、患者の足裏照射のためにプログラミングされた波形を示す。チャンネル0〜8には、例えば、シーケンスオフ、繰返し速度72Hz、5分間、パワーX、(例えば、1〜10ワット)、変調オフの波形が適用される。
【0064】
上述のように、出力は、例えば、0、1/4、1/2、3/4及び完全(フル)の1つから選択される。より細かく区切られた(又は連続した)パワーを用いてもよい。図14に示すように、チャンネル0〜8について第1の設定を行い(チャンネル0、1を特に明示している。チャンネル2〜8は、例えば、全てのA及びBと同じタイミングを有していてもよい。)、チャンネル9〜15について第2の設定を行ってもよい。これに代えて、各チャンネルを個別にプログラミングしてもよい。各チャンネルは、例えば、多くの予め定義されたプログラム又は保存された波形パターンを用いてプログラミングしてもよい。
【0065】
図14Bは、本発明の実施の形態に基づく第2の例示的な波形1450を示している。この波形1450は、シーケンスオン、15秒サイクル、7分間、パワーX、変調オン/外部を含んでいる。変調は、例えば、1Hz〜100KHzの間の設定周波数に基づいて行われる。1つの変形例では、変調は、シーケンス全体に亘って、又はシーケンスの一部について、変更してもよい。図14Bでは、変調1460、制御1470及び波形の期間1475を強調して示している。第2の変形例として示す波形1480は、チャンネル0〜8のためのシーケンスオフ、繰返し速度72Hz、5分間、パワーX、変調オン/外部に対応する波形を示している。具体例として示す波形のいずれにおいても、変調自体は、正弦波、矩形波、のこぎり波又はファンクションジェネレータ(例えば、関数発生器出力)の全ての出力波形とすることができる。
【0066】
上述のように、治療プロトコルは、例えば、周波数、変調、期間、強度及び光エミッタに適用される他のパラメータ、並びに(存在すれば)治療装置の動き制御のパラメータを指定する一連のデータである。治療プロトコルは、本発明に基づく治療装置の制御回路又はプログラミングに埋め込んでもよい。
【0067】
一実施の形態においては、図15に示すように、治療プロトコルは、中央病院(central office location)1500において更新又は変更され、次に、本発明に基づく治療装置を備える複数の診療所(例えば、C1−C4)に送信される。治療プロトコルの送信は、例えば、インターネット1510又は無線(例えば、セルラ)ネットワークを介して行ってもよい。そして、更新された治療プロトコルは、それぞれの対応する診療所において、治療装置にロードされる。一実施の形態においては、治療装置は、自らネットワークに接続し、自動的に治療プロトコルを受信し、更新する。
【0068】
他の実施の形態においては、担当医師1520が患者の特定の必要性又は診断に基づいて、標準的な治療プログラムを調整又は変更する。担当医師が更新した治療プロトコルは、例えば、暗号化(例えば、PGPベースの暗号化)を用いたインターネット接続を介して、診療所に送信される。図16に例示的に示す更に他の実施の形態では、診療所は、安全なウェブベースのインタフェース1600を備え、担当医師又は技術者がこれを用いて、遠隔位置から又は診療所において、治療プログラムのパラメータを変更する。変更されたパラメータは、単一の診療所、診療所のグループ、又は全ての診療所に適用してもよい。また、変更されたパラメータは、個々の患者に特有のパラメータであってもよいが、患者が診療を受けることを許可されている全ての診療所に送信してもよい。
【0069】
ウェブベースのインタフェース1600は、例えば、医師/技術者の安全なログイン入力ボックス、診療所の選択メニュー1610、周波数、変調、チャンネル等のパラメータ(治療プログラムのパラメータ)1620、1つ以上の標準プロトコルの選択メニュー1630、及び患者の識別情報1640を備える。選択は、例えば、プルダウンメニューを介して表示された可能な選択肢を選択することによって行われる。また、ユーザが定義した選択肢を表示してもよい。また、特定の患者のために開発された治療プログラムを標準的な治療プログラムとして保存し、同様の治療を必要とする他の患者で再利用してもよい(例えば、標準プログラムダイアログボックスに任意の選択肢として表示させる)。
【0070】
本明細書では、糖尿病性神経障害に起因する足痛の治療に関連して本発明を説明したが、当業者は、他の病気に起因し、特に交感神経系に関連する他の部位の治療にも本明細書に開示した装置及び処置を適用することができる。
【0071】
図面に示す本発明の特に好ましい実施の形態の説明では、記述を明瞭にするために、特定の用語を用いている。但し、本発明は、ここで選択された特定の用語に制限されることはなく、特定の要素は、同様に動作する全ての技術的な等価を包含すると解釈される。例えば、本明細書に特に列記されているか否かにかかわらず、光エミッタは、他の如何なる同等なデバイス、例えば、発光ダイオード、レーザ、光源、放射線源、又は同等な機能又は能力を有する他のデバイスに置換することができる。更に、本発明の範囲を逸脱することなく、ここに説明した本発明の一部に、現在、既知ではない新たに開発される技術を適用できる。他の全ての説明した項目、例えば、以下に限定されるものではないが、動き制御デバイス、プラットホーム、可調整固定アレイ、制御デバイス、電子回路、ウェブインタフェース技術及びプログラミング等は、あらゆる全ての使用可能な等価物と置換できるとみなされる。
【0072】
また、コンピュータ技術の知識を有する者には明らかであるが、本発明の一部は、本明細書の教示に基づいてプログラミングされた従来の汎用又は専用のデジタルコンピュータ又はマイクロプロセッサを用いて実現してもよい。
【0073】
また、ソフトウェア技術の知識を有する者には明らかであるが、熟練したプログラマは、本明細書の教示に基づいて、適切なソフトウェアプログラムを容易に準備できる。更に、当業者に明らかなように、本発明は、特定用途向け集積回路、又は従来の電気部品回路の適切なネットワークを相互接続することによっても実現できる。
【0074】
本発明は、コンピュータを制御して本発明の処理を行わせるために使用される命令を記録した記録媒体(媒体)であるコンピュータプログラム製品を含む。記録媒体には、以下に限定するものではないが、フロッピィディスク(商標)、ミニディスク(MD、商標)、光ディスク、DVD、CD−ROM、マイクロドライブ、光磁気ディスク、ROM、RAM、EPROM、DRAM、VRAM、フラッシュメモリ(フラッシュカードを含む)、磁気又は光カード、ナノシステム(分子メモリICを含む)、RAIDデバイス、遠隔データ記憶装置/アーカイブ/ウェアハウス、或いは命令及び/又はデータを記憶する任意の種類の適当な媒体又は装置が含まれる。
【0075】
本発明は、コンピュータにより読み取り可能な、任意の媒体に記憶され、汎用/専用コンピュータのハードウェア又はマイクロプロセッサを制御し、コンピュータ又はマイクロプロセッサを人であるユーザとインタラクトさせ、或いは他のメカニズムにより本発明の成果を利用する、ソフトウェアを含む。この種のソフトウェアは、限定する意味でなく、デバイスドライバ、オペレーティングシステム、及びユーザアプリケーションを含む。更に、この種のコンピュータにより読み取り可能な媒体は、上述したように、本発明を実施するソフトウェアを含む。
【0076】
汎用/専用コンピュータ又はマイクロプロセッサ上で動作するプログラム(ソフトウェア)は、上述した本発明の処理を実現するソフトウェアモジュールであってもよく、以下に制限されるものではないが、本発明に基づいて、動き制御のための同期モータ及び/又はステッピングモータの制御、変調、強度調整、治療期間の制御、治療プロトコルの読出、保存、実行本発明による処置に基づく結果の表示、保存又は通信のためのソフトウェアモジュールであってもよい。
【0077】
本発明は、本明細書に記載されているか否かにかかわらず、様々な要素(本発明の様々な部分又は特徴)及びその等価物を含み、又はこれらから構成され、或いは実質的にこれらから構成してもよい。更に、本明細書において特に指摘しているか否かにかかわらず、実例として本明細書に開示した実施の形態の一部の要素を除外しても本発明を実施できる。上述の説明に基づき、本発明を様々に変更及び変形できることは明らかである。したがって、添付の特許請求の範囲の範囲を逸脱することなく、本明細書に開示した形態とは異なる形態で本発明を実施できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施の形態に基づく治療装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に基づく動き制御によって治療される患者の足の底部を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に基づく動き制御又は固定アレイによって治療される足趾上及び足趾後部の足背を示す図である。
【図4】足の背面の両側と、本発明の実施の形態に基づく固定アレイの配置のための対応する治療部位を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に基づいて治療される患者の脚及び膝の膝窩動脈の背後の治療部位を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に基づいて治療される患者の足及び足首の上の治療部位と、足首の下の治療部位とを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に基づく「ビッグフット」とも呼ばれる本発明の実施の形態に基づく光照射治療装置を示す図である。
【図8A】本発明の実施の形態に基づく可調整多軸マニピュレータを示す図である。
【図8B】本発明の実施の形態に基づく可調整多軸マニピュレータを示す図である。
【図8C】本発明の実施の形態に基づく可調整多軸マニピュレータを示す図である。
【図8D】本発明の実施の形態に基づく可調整多軸マニピュレータを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に基づく、ヒートシンク及びファン/送風機アセンブリが取り付けられたエミッタアレイを示す図である。
【図10A】本発明に基づく治療前の糖尿病性神経障害患者の熱線画像を示す図である。
【図10B】本発明に基づく治療後の糖尿病性神経障害患者の熱線画像を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態に基づくタイミング及びアナログ機能のブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態に基づく変調及びシーケンス器のブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態に基づく動き制御及び基本的なエミッタチャンネル制御のための回路のブロック図である。
【図14A】本発明の実施の形態に基づく例示的なタイミングチャート及び波形を示す図である。
【図14B】本発明の実施の形態に基づく第2の例示的な波形を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に基づく、中央病院と診療所との間のネットワーク接続を示す図である。
【図16】本発明の実施の形態に基づくウェブインタフェースの画面を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部光照射器と、
底部光照射器と、
治療プロトコルに基づいて、上記上部光照射器及び上記底部光照射器に通電する制御デバイスとを備える光照射装置。
【請求項2】
上記治療プロトコルは、患者の足の糖尿病性神経障害を治療する光照射シーケンスを含むことを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項3】
上記上部光照射器は、固定エミッタアレイを含み、
上記底部光照射器は、可動エミッタアレイ及び該可動エミッタアレイに連結された駆動デバイスを備えることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項4】
上記制御デバイスは、治療プロトコルに基づいて、上記底部のエミッタアレイが駆動されるように、上記駆動デバイスの動きを制御することを特徴とする請求項3記載の光照射装置。
【請求項5】
少なくとも一対の調整可能に位置決めされたエミッタアレイを更に備えることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項6】
当該光照射装置は、足治療装置に対応する形状要素を有し、
上記上部光照射器は、当該光照射装置に載せられた患者の足の上面を照射し、
上記底部光照射器は、該患者の足の底面を照射し、
上記調整可能に位置決めされたエミッタアレイは、上記患者の足上の鏡像関係にある治療部位に対応するように調整されることを特徴とする請求項5記載の光照射装置。
【請求項7】
上記上部光照射器は、第1の側の上部光照射器と第2の側の上部光照射器との対を備え、
上記底部光照射器は、第1の側の底部光照射器と第2の側の底部光照射器との対を備え、
上記制御デバイスは、上記上部光照射器の対をプッシュプル方式で通電し、上記底部照射器の対をプッシュプル方式で通電することを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項8】
上記上部光照射器の対及び上記底部光照射器の対の少なくとも一方は、約72Hzの変調及び所定のオフ期間とによって通電されることを特徴とする請求項7記載の光照射装置。
【請求項9】
上記オフ期間は、約15秒であることを特徴とする請求項8記載の光照射装置。
【請求項10】
患者の肢の表面に接触するプラットホームを更に有し、
上記プラットホームは、底部光照射器が上記接触された肢の表面を照射するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項11】
上記プラットホームは、透明材料から形成されていることを特徴とする請求項10記載の光照射装置。
【請求項12】
上記プラットホームは、メッシュであることを特徴とする請求項10記載の光照射装置。
【請求項13】
上記プラットホームは、ナイロンのテニスラケット状のメッシュであることを特徴とする請求項10記載の光照射装置。
【請求項14】
それぞれが他方の鏡像の関係にある患者の体の第1及び第2の部分を受け入れるように構成されたフレームと、
患者の体の第1の部分に向けられた第1の光エミッタアレイと、
患者の体の第2の部分に向けられた第2の光エミッタアレイと、
治療プロトコルに基づいて、上記第1及び第2の光子エミッタアレイの通電を制御する制御メカニズムとを備える光治療装置。
【請求項15】
上記治療プロトコルは、プッシュプル方式の第1及び第2の光子エミッタアレイの通電を含むことを特徴とする請求項14記載の光治療装置。
【請求項16】
上記治療プロトコルは、患者の体の第1の部分の第1の治療部位に向けられた第1の光エミッタアレイのエミッタがオンの間、鏡像関係にある患者の体の第2の部分の第2の治療部位に向けられた第2の光エミッタアレイの対応するエミッタがオフにされ、該第1の光エミッタアレイのエミッタがオフの間、該第2の光エミッタアレイの対応するエミッタがオンにされる、鏡像関係のエミッタ対のプッシュプル方式の通電を含むことを特徴とする請求項14記載の光治療装置。
【請求項17】
鏡像関係にある更なる治療部位に向けられた少なくとも1つの固定アレイ対の組を更に備える請求項14記載の光治療装置。
【請求項18】
上記鏡像関係にある治療部位は、
第1趾と第2趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背、
第2趾と第3趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背、
第4趾と第5趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背、
踵骨の隆起の内側の前方及び上方の窪み、
脛骨の境界より後の内果の先端の真上、
外果の先端とアキレス腱との間の窪みの下、
大腿二頭筋及び半腱様筋の腱の間の膝窩横紋の中点及び
足裏のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項17記載の光治療装置。
【請求項19】
患者を登録するステップと、
鏡像関係にある患者の体の治療部位を自動的に照射するように構成された自動化された光アレイデバイスに該治療部位を対向させるステップと、
治療プロトコルに基づき、上記自動化された光アレイデバイスを用いて治療を行うステップと、
上記光アレイデバイスから患者を解除し、治療結果を記録するステップとを有する治療方法。
【請求項20】
上記治療部位は、患者の脚上の治療部位を含むことを特徴とする請求項19記載の治療方法。
【請求項21】
上記治療部位は、
第1趾と第2趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背、
第2趾と第3趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背、
第4趾と第5趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背、
踵骨の隆起の内側の前方及び上方の窪み、
脛骨の境界より後の内果の先端の真上、
外果の先端とアキレス腱との間の窪みの下、
大腿二頭筋及び半腱様筋の腱の間の膝窩横紋の中点及び
足裏のうちの少なくとも3つを含むことを特徴とする請求項19記載の治療方法。
【請求項22】
上記自動化された光アレイデバイスは、複数のエミッタアレイ対を備え、各エミッタアレイ対の第1のエミッタアレイは、第1の治療部位に対向し、該各エミッタアレイ対の第2のエミッタアレイは、第2の治療部位に対向し、該第1の治療部位及び該第2の治療部位は、患者の体上の鏡像関係にある部位であることを特徴とする請求項19記載の治療方法。
【請求項23】
上記治療プロトコルは、上記第1のエミッタアレイのエミッタがオンのとき、上記第2のエミッタアレイの対応するエミッタがオフにされ、上記第1のエミッタアレイのエミッタがオフのとき、上記第2のエミッタアレイの対応するエミッタがオンにされるプッシュプル方式の治療プログラムを含むことを特徴とする請求項22記載の治療方法。
【請求項24】
上記鏡像関係にある患者の体の治療部位は、患者の足を含み、
当該治療方法は、
光アレイデバイスの光アレイに通電し、患者の交感神経系を刺激することによって、糖尿病性神経障害を治療することを特徴とする請求項19記載の治療方法。
【請求項25】
上記鏡像関係にある患者の体の治療部位の少なくとも一対は、動き制御デバイスを用いて治療されることを特徴とする請求項19記載の治療方法。
【請求項26】
光エミッタアレイ対の個々の組を、各対の第1のエミッタがオンのとき、各対の第2のエミッタがオフになるプッシュプル方式のオン/オフシーケンスでアクティブ化するコントローラを備え、
上記コントローラは、体の第1の部分の第1の治療部位に向けられた上記各対の第1のエミッタに通電し、及び上記第1の治療部位に対応し、上記第1の部分に対して鏡像関係にある体の部分の第2の治療部位に向けられた上記各対の第2のエミッタに通電することによって、自動的に治療を行うように構成された治療装置に接続されている治療制御装置。
【請求項27】
上記光エミッタアレイ対の少なくとも1つに個別に取り付けられ、治療の間、該光エミッタアレイ対の動きを制御する駆動装置を制御する信号を生成する動き制御セクションを更に備える請求項26記載の治療制御装置。
【請求項28】
上記コントローラによる個々の光エミッタアレイ対のアクティブ化は、患者の交感神経系を刺激するように設計された治療プログラムに基づいて実行されることを特徴とする請求項26記載の治療制御装置。
【請求項29】
上記治療装置は、糖尿病性神経障害に起因する足痛を治療するように構成されたデバイスを含むことを特徴とする請求項26記載の治療制御装置。
【請求項30】
一組の命令を保存するコンピュータによって読取可能な媒体であって、
該命令は、コンピュータにロードされると、コンピュータに
(a)患者の体の第1の部分の第1の治療部位に向けられた第1のエミッタをアクティブ化するステップと、
(b)上記第1のエミッタをオフにするステップと、
(c)上記第1の治療部位に対応する、患者の体の対称的な部分にある第2の治療部位に向けられた第2のエミッタをアクティブ化するステップと、
(d)上記第2のエミッタをオフにするステップと、
(e)複数の第1の治療部位のそれぞれについて、上記ステップ(a)及び(b)を繰り返すステップと、
(f)上記第1の治療部位に対応する、患者の体の対称的な部分にある複数の第2の治療部位のそれぞれについて、上記ステップ(c)及び(d)を繰り返すステップとを実行させるコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項31】
上記命令は、各エミッタが様々な治療部位上で通電されるように、エミッタアレイを駆動するように構成されたモータを制御するステップを更に有することを特徴とする請求項30記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項32】
上記第1のエミッタアレイ及び上記第2のエミッタアレイは、エミッタアレイ対を含み、
上記ステップ(a)、(b)、(c)及び(d)は、複数のエミッタアレイ対について繰り返されることを特徴とする請求項30記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項33】
上記エミッタの通電は、該エミッタの通電の周波数、期間、変調及び強度の少なくとも1つ又は全てを指定する治療プログラムに基づいて実行されることを特徴とする請求項30記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項34】
上記治療プログラムは、ネットワーク接続を介して、上記各ステップを実行する装置に伝送されることを特徴とする請求項33記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項1】
上部光照射器と、
底部光照射器と、
治療プロトコルに基づいて、上記上部光照射器及び上記底部光照射器に通電する制御デバイスとを備える光照射装置。
【請求項2】
上記治療プロトコルは、患者の足の糖尿病性神経障害を治療する光照射シーケンスを含むことを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項3】
上記上部光照射器は、固定エミッタアレイを含み、
上記底部光照射器は、可動エミッタアレイ及び該可動エミッタアレイに連結された駆動デバイスを備えることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項4】
上記制御デバイスは、治療プロトコルに基づいて、上記底部のエミッタアレイが駆動されるように、上記駆動デバイスの動きを制御することを特徴とする請求項3記載の光照射装置。
【請求項5】
少なくとも一対の調整可能に位置決めされたエミッタアレイを更に備えることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項6】
当該光照射装置は、足治療装置に対応する形状要素を有し、
上記上部光照射器は、当該光照射装置に載せられた患者の足の上面を照射し、
上記底部光照射器は、該患者の足の底面を照射し、
上記調整可能に位置決めされたエミッタアレイは、上記患者の足上の鏡像関係にある治療部位に対応するように調整されることを特徴とする請求項5記載の光照射装置。
【請求項7】
上記上部光照射器は、第1の側の上部光照射器と第2の側の上部光照射器との対を備え、
上記底部光照射器は、第1の側の底部光照射器と第2の側の底部光照射器との対を備え、
上記制御デバイスは、上記上部光照射器の対をプッシュプル方式で通電し、上記底部照射器の対をプッシュプル方式で通電することを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項8】
上記上部光照射器の対及び上記底部光照射器の対の少なくとも一方は、約72Hzの変調及び所定のオフ期間とによって通電されることを特徴とする請求項7記載の光照射装置。
【請求項9】
上記オフ期間は、約15秒であることを特徴とする請求項8記載の光照射装置。
【請求項10】
患者の肢の表面に接触するプラットホームを更に有し、
上記プラットホームは、底部光照射器が上記接触された肢の表面を照射するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の光照射装置。
【請求項11】
上記プラットホームは、透明材料から形成されていることを特徴とする請求項10記載の光照射装置。
【請求項12】
上記プラットホームは、メッシュであることを特徴とする請求項10記載の光照射装置。
【請求項13】
上記プラットホームは、ナイロンのテニスラケット状のメッシュであることを特徴とする請求項10記載の光照射装置。
【請求項14】
それぞれが他方の鏡像の関係にある患者の体の第1及び第2の部分を受け入れるように構成されたフレームと、
患者の体の第1の部分に向けられた第1の光エミッタアレイと、
患者の体の第2の部分に向けられた第2の光エミッタアレイと、
治療プロトコルに基づいて、上記第1及び第2の光子エミッタアレイの通電を制御する制御メカニズムとを備える光治療装置。
【請求項15】
上記治療プロトコルは、プッシュプル方式の第1及び第2の光子エミッタアレイの通電を含むことを特徴とする請求項14記載の光治療装置。
【請求項16】
上記治療プロトコルは、患者の体の第1の部分の第1の治療部位に向けられた第1の光エミッタアレイのエミッタがオンの間、鏡像関係にある患者の体の第2の部分の第2の治療部位に向けられた第2の光エミッタアレイの対応するエミッタがオフにされ、該第1の光エミッタアレイのエミッタがオフの間、該第2の光エミッタアレイの対応するエミッタがオンにされる、鏡像関係のエミッタ対のプッシュプル方式の通電を含むことを特徴とする請求項14記載の光治療装置。
【請求項17】
鏡像関係にある更なる治療部位に向けられた少なくとも1つの固定アレイ対の組を更に備える請求項14記載の光治療装置。
【請求項18】
上記鏡像関係にある治療部位は、
第1趾と第2趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背、
第2趾と第3趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背、
第4趾と第5趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背、
踵骨の隆起の内側の前方及び上方の窪み、
脛骨の境界より後の内果の先端の真上、
外果の先端とアキレス腱との間の窪みの下、
大腿二頭筋及び半腱様筋の腱の間の膝窩横紋の中点及び
足裏のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項17記載の光治療装置。
【請求項19】
患者を登録するステップと、
鏡像関係にある患者の体の治療部位を自動的に照射するように構成された自動化された光アレイデバイスに該治療部位を対向させるステップと、
治療プロトコルに基づき、上記自動化された光アレイデバイスを用いて治療を行うステップと、
上記光アレイデバイスから患者を解除し、治療結果を記録するステップとを有する治療方法。
【請求項20】
上記治療部位は、患者の脚上の治療部位を含むことを特徴とする請求項19記載の治療方法。
【請求項21】
上記治療部位は、
第1趾と第2趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背、
第2趾と第3趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背、
第4趾と第5趾との間の趾間隙の縁端近傍の足背、
踵骨の隆起の内側の前方及び上方の窪み、
脛骨の境界より後の内果の先端の真上、
外果の先端とアキレス腱との間の窪みの下、
大腿二頭筋及び半腱様筋の腱の間の膝窩横紋の中点及び
足裏のうちの少なくとも3つを含むことを特徴とする請求項19記載の治療方法。
【請求項22】
上記自動化された光アレイデバイスは、複数のエミッタアレイ対を備え、各エミッタアレイ対の第1のエミッタアレイは、第1の治療部位に対向し、該各エミッタアレイ対の第2のエミッタアレイは、第2の治療部位に対向し、該第1の治療部位及び該第2の治療部位は、患者の体上の鏡像関係にある部位であることを特徴とする請求項19記載の治療方法。
【請求項23】
上記治療プロトコルは、上記第1のエミッタアレイのエミッタがオンのとき、上記第2のエミッタアレイの対応するエミッタがオフにされ、上記第1のエミッタアレイのエミッタがオフのとき、上記第2のエミッタアレイの対応するエミッタがオンにされるプッシュプル方式の治療プログラムを含むことを特徴とする請求項22記載の治療方法。
【請求項24】
上記鏡像関係にある患者の体の治療部位は、患者の足を含み、
当該治療方法は、
光アレイデバイスの光アレイに通電し、患者の交感神経系を刺激することによって、糖尿病性神経障害を治療することを特徴とする請求項19記載の治療方法。
【請求項25】
上記鏡像関係にある患者の体の治療部位の少なくとも一対は、動き制御デバイスを用いて治療されることを特徴とする請求項19記載の治療方法。
【請求項26】
光エミッタアレイ対の個々の組を、各対の第1のエミッタがオンのとき、各対の第2のエミッタがオフになるプッシュプル方式のオン/オフシーケンスでアクティブ化するコントローラを備え、
上記コントローラは、体の第1の部分の第1の治療部位に向けられた上記各対の第1のエミッタに通電し、及び上記第1の治療部位に対応し、上記第1の部分に対して鏡像関係にある体の部分の第2の治療部位に向けられた上記各対の第2のエミッタに通電することによって、自動的に治療を行うように構成された治療装置に接続されている治療制御装置。
【請求項27】
上記光エミッタアレイ対の少なくとも1つに個別に取り付けられ、治療の間、該光エミッタアレイ対の動きを制御する駆動装置を制御する信号を生成する動き制御セクションを更に備える請求項26記載の治療制御装置。
【請求項28】
上記コントローラによる個々の光エミッタアレイ対のアクティブ化は、患者の交感神経系を刺激するように設計された治療プログラムに基づいて実行されることを特徴とする請求項26記載の治療制御装置。
【請求項29】
上記治療装置は、糖尿病性神経障害に起因する足痛を治療するように構成されたデバイスを含むことを特徴とする請求項26記載の治療制御装置。
【請求項30】
一組の命令を保存するコンピュータによって読取可能な媒体であって、
該命令は、コンピュータにロードされると、コンピュータに
(a)患者の体の第1の部分の第1の治療部位に向けられた第1のエミッタをアクティブ化するステップと、
(b)上記第1のエミッタをオフにするステップと、
(c)上記第1の治療部位に対応する、患者の体の対称的な部分にある第2の治療部位に向けられた第2のエミッタをアクティブ化するステップと、
(d)上記第2のエミッタをオフにするステップと、
(e)複数の第1の治療部位のそれぞれについて、上記ステップ(a)及び(b)を繰り返すステップと、
(f)上記第1の治療部位に対応する、患者の体の対称的な部分にある複数の第2の治療部位のそれぞれについて、上記ステップ(c)及び(d)を繰り返すステップとを実行させるコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項31】
上記命令は、各エミッタが様々な治療部位上で通電されるように、エミッタアレイを駆動するように構成されたモータを制御するステップを更に有することを特徴とする請求項30記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項32】
上記第1のエミッタアレイ及び上記第2のエミッタアレイは、エミッタアレイ対を含み、
上記ステップ(a)、(b)、(c)及び(d)は、複数のエミッタアレイ対について繰り返されることを特徴とする請求項30記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項33】
上記エミッタの通電は、該エミッタの通電の周波数、期間、変調及び強度の少なくとも1つ又は全てを指定する治療プログラムに基づいて実行されることを特徴とする請求項30記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【請求項34】
上記治療プログラムは、ネットワーク接続を介して、上記各ステップを実行する装置に伝送されることを特徴とする請求項33記載のコンピュータにより読取可能な媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2009−504252(P2009−504252A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−526087(P2008−526087)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/030494
【国際公開番号】WO2007/021594
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(508043121)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/030494
【国際公開番号】WO2007/021594
【国際公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(508043121)
【Fターム(参考)】
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