説明

光熱分解のための方法および装置

光熱分解のための装置であって、電源に接続され電源によって通電されるインコヒーレント光源と、この光源に関して配置され、光源から発する光を、皮膚に向かって、ハウジングに形成される開口部を経由して導くよう適合された反射器とを備え、このハウジングは、光源および反射器を少なくとも部分的に包囲し、光源から皮膚へ向かって発するこの光は、波長約350−1200nm、持続時間約20−500μsec、およびエネルギフルエンス約2−6J/cm2のインコヒーレント光のフラッシュを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
この発明は、皮膚の処置および体毛永久脱毛のための方法および装置などの光熱分解に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
皮膚上層、表皮および真皮の処置は、皮膚のより若く良い外見を得るために行なわれる。この処置は、現在、数多くの審美技術提供者により、広く提供されている。光照射療法は、ここ20年間の間に、たとえば色素性および血管性病変などの皮膚におけるさまざまな病変、ならびに毛包に対処するにあたって、非常に有効な手段であることが証明された。レーザ光エネルギおよびインコヒーレント光エネルギの両方について、使用が提案されている。パルス光エネルギの使用の背後にある基本的な理論は、選択された病変の熱的散乱を、周囲の組織を損傷することなく生み出すことである。病変を選択的に加熱するために、光スペクトル、パルス継続時間、エネルギ密度、およびスポットサイズは慎重に設定される必要がある。既存のシステムは、2−100msecの範囲内のパルス継続時間および10−60J/cm2のエネルギ密度を用いる。
【0003】
人体の種々の部位から、特に美容上および審美上の理由により、余分なまたは不所望の毛を除去することは、ますます一般的になっている。
【0004】
旧来の毛除去方法、たとえばシェービング、ワックスまたはクリームの使用、および機械式抜き取りなどは、ある一定期間毎にその処置を繰返す必要があるため、満足できるものではない。
【0005】
よって、毛を永久的に除去する方法が、毛包へ不可逆性の損傷を与えることを基礎として開発されている。現在適用されている方法の大多数は、熱分解か光熱分解かのいずれかを用いる、毛幹および毛包の熱破壊を基礎としている。
【0006】
熱分解プロセス(たとえば米国特許第5,891,139号参照)は、導電針をすべての毛包の中へ挿入することを必然的に含む。しかしながら、この手順は痛みを伴い、時間がかかる。
【0007】
毛包を破壊するための別の技術は、光の形で電磁エネルギを印加することである。特定の種類の組織を変性させる光の使用は、光熱分解として知られている(たとえば米国特許第5,425,728号、米国特許第5,683,380号、米国特許第5,885,273号、米国特許第6,080,147号およびその他多数参照)。光源は、パルスレーザビームまたはインテンスパルスライト技術(Intense Pulse Light technology)(IPL)を含む。単色レーザ光とは対照的に、IPLは広域なスペクトルを有する。両方の場合において、光エネルギは、毛幹によって選択的に吸収され、毛包で発散され、熱的散乱および永久的な毛の損失を生み出す。また、両方の場合において、光エネルギは、毛包に損傷を引起すのに必要な深さに到達可能となる前に、表皮を透過しなくてはならない。
【0008】
これに関連して、光/組織相互作用の効率を左右する3つの主要な因子:反射、吸収、および散乱に注意すべきである。光のかなりの部分は、皮膚表面から反射し離れる。残りの光は、表皮中および毛幹中に含まれるメラニンである組織発色団ならびに血液中に含まれるヘモグロビンによって吸収される。図1のグラフは、吸収因子と照射された光の波長
との関係を示す。
【0009】
人体の皮膚に生えている典型的な毛の生理機能を、1本の毛を備えた人体皮膚の断面を示す図2を参照して、ここで簡潔に説明する。
【0010】
この毛は、皮膚表面12上に延びる毛幹11および毛包13を含み、毛乳頭15は、毛包の底部にある。毛幹11は、表皮14を貫通して真皮16の中へ通じており、毛乳頭15は、皮膚表面12の約4mm下にある。
【0011】
毛成長周期は、3つの段階:成長期、退行期、および休止期を含む。成長期においては、毛乳頭15および毛幹11は連続している。成長期は、この3つの段階の中で最も長い時間続くと考えられている。退行期には、毛乳頭15は、毛幹11から離脱し始める。休止期は、他の段階よりはるかに短く、休止期には、毛乳頭15は完全に毛幹11から分離する。
【0012】
毛の再生を防止するためには、毛乳頭15および毛幹11の両方が破壊されなくてはならないと考えられている。毛乳頭15が最も光エネルギによって影響される段階は、成長期である。
【0013】
光エネルギによる毛包13の破壊は、図3に示される。毛包13および毛乳頭15へのパルス光の印加は、毛包13および毛乳頭15中のメラニンの蒸散を含むメラノーマの破壊、さらには空胞形成、浮腫、気泡およびタンパク質変性をもたらす光熱分解を引起す。吸収された放射が十分なエネルギレベルである場合は、これらの効果は、毛包13および毛乳頭15を著しく損傷し、これにより、毛の再生をもたらす毛母細胞を損傷する。
【0014】
しかしながら、先行技術において現在用いられている機器は、過度に重く、複雑で、高価であり、何よりも、その操作には、特別に訓練を受けた人員が必要とされる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明の概要
この発明の目的は、簡単で、小形で、より費用のかからない機器の使用を可能にするであろう光熱分解方法を提供することである。皮膚の処置および体毛の永久的除去のための、毛包へ印加される電磁照射による、体積が小さく低価格な方法および装置が説明される。この方法は、広いスペクトルのインコヒーレント光を用いるステップと、それを短いパルスで皮膚に印加するステップとを含んでもよい。このシステムは、ランプハウスパルス形成ネットワークを含んでもよい。この発明は、さまざまな皮膚科学的用途に用いられてもよく、たとえば、脱毛、表層血管の病変、良性色素性病変、ざ蒼、または臭汗症の処置および不所望の毛の除去などが挙げられるが、これに限定されない。
【0016】
この発明においては、最適パルス継続時間は、音響−熱複合効果という結果をもたらしてもよい。その結果、病変の破壊は、加熱に完全には基づかず、短い光パルスによって生成される音波による機械的損傷も受ける。この音響−熱複合効果の結果、病変の散乱ははるかに低いエネルギ、たとえば、2−5J/cm2において起こる。よって、この装置自体が大幅に小型化し、組立費用が少なく済む。
【0017】
この発明の装置は、事前の専門的訓練経験のないあらゆる患者によって、家庭内で使用されてもよい。
【0018】
よって、この発明の実施例に従い、光熱分解のための方法であって、波長約350−1
200nm、継続時間約20−500μsec、およびエネルギフルエンス約2−6J/cm2のインコヒーレント光のフラッシュに、皮膚を当てるステップを含む方法が提供される。光源は、たとえばキセノンランプであってもよい。フラッシュは、たとえばコンデンサ放電によって生成されてもよい。
【0019】
この発明の実施例に従い、光熱分解のための装置であって、電源に接続され電源によって通電されるインコヒーレント光源と、この光源に関して配置され、光源から発する光を、皮膚へ向かって、ハウジングに形成される開口部を経由して導くように適合された反射器とを備え、このハウジングは、光源および反射器を少なくとも部分的に包囲し、光源から皮膚に向かって発するこの光は波長約350−1200nm、継続時間約20−500μsec、およびエネルギフルエンス約2−6J/cm2のインコヒーレント光のフラッシュを含む、装置も提供される。反射器は実質的に非拡散性であってもよく、または拡散性であってもよい。
【0020】
光学フィルタが、光源に関して配置され、皮膚に向かって導かれる光にフィルタをかけてもよい。光学フィルタは光スペクトルの可視部および大部分は紫外部におけるカットフィルタを含んでもよい。
【0021】
光源は、単一のフラッシュランプ(たとえばガス充填線形フラッシュランプ)であってもよく、または電気的に直列接続された複数のフラッシュランプを含んでもよい。
【0022】
この発明の、これらのおよび追加的な構造的特徴ならびに利点は、以下に続いて例としてのみ記載されるこの発明の実施例の説明を考慮し、添付の図面を参照してより容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
実施例の詳細な説明
効率的な光熱分解を、毛幹から周囲の組織層への熱移動に基づいて得るためには、照射される光は以下の基準を満たすべきであると考えられている:
1.毛包および毛乳頭へ到達するのに十分な深さまで透過すること;
2.周囲の組織の吸収作用よりも高い、毛における吸収率;および
3.処置される毛の熱緩和または冷却時間よりも短い、パルス継続時間
基準(1)および(2)を満たすためには、光スペクトルの範囲は、可視部から近赤外部の中にあるべきである。500−1200nmの波長範囲は、毛包へ到達するのに十分に深く進入し、同時に、図1のグラフから導き出されるとおり、毛幹における顕著な吸収作用を有する。
【0024】
条件(3)については、毛幹の熱緩和(冷却)時間は、毛包の熱緩和(冷却)時間と比較してはるかに短いので、毛幹の燃焼/蒸発を引き起こすには、パルスの継続時間は、毛幹の熱緩和時間よりも短く抑えられなければならない。
【0025】
周囲の組織よりも高い温度におかれた生体の熱緩和時間は、とりわけその大きさおよび熱的性質の関数であることが周知である。円筒状の物体(たとえば毛幹または毛包)の冷却時間は、式t=d2/16αで決定され、式中αは熱拡散率であり、dは円筒状の物体の直径である。よって、毛包の冷却時間は、その直径に大部分は影響される。よって、冷却時間は、直径100μmの毛と、直径300μmの毛との間で約9倍に変化する。この式は、概略に過ぎず、冷却は、たとえば、とりわけ熱伝導率および熱対流などの、他の因子にも影響を受けることが注目される。
【0026】
毛の拡散率は、約0.5 10-72/secである。毛幹および毛包は、両方とも熱
によって破壊されるので、パルス継続時間は、通常直径が50μmある毛幹の直径に従い選択されてもよい。よって、パルス継続時間は、50μmの毛幹の熱緩和時間である3msecよりも相当に短くてもよい。
【0027】
熱緩和時間は、パルス継続時間の上限であることを理解することは重要である。より短いパルスを用いて、より低いエネルギ設定での毛幹の蒸発を得ることができる。
【0028】
これこそが、高いエネルギフルエンスおよび長いパルス幅を用いる従来の光熱分解機器が、既に上で述べたように、扱いにくく、高価であった理由である。
【0029】
この発明の方法は、高ピーク出力を備えた短いパルスに圧縮されたエネルギの原理に基づいているので、以下に説明されるように、この方法を実行するための機器は大きさがはるかに小さく、患者が自宅で容易に使用することができる。
【0030】
パルスモードでのフラッシュランプの操作は、コンデンサを、直流電源から、たとえば1secなどの比較的長い継続時間充電することと、そしてその後、図4に示されるように、たとえば0.5msec未満急放電することとを含む。パルス継続時間は、キャパシタンスと、たとえばキセノンランプなどの発光素子の抵抗との乗算の結果であり、次式により与えられる:()。
【0031】
フラッシュランプの抵抗は事実上一定であり、よってパルス幅を制御する唯一の方法はキャパシタンスを調整することによる。キャパシタンスが高いほどパルスは長くなる。
【0032】
コンデンサに蓄えられるエネルギはJ=0.5CV2である。
毛を効率的に永久除去するために、高エネルギフルエンスおよび高ピーク出力を用いてもよい。キャパシタンスを増加させることにより、エネルギフルエンスも増加する。しかしながら、エネルギフルエンスを過度に増加させないようにし、処置される組織への熱傷または焦げを防止するために、キャパシタンスの増加につれて、望ましくないレベルを超えてエネルギフルエンスが増加しないようすることにより、コンデンサにかかる電圧が制御されてもよい。コンデンサにかかる電圧を低減することにより、ピーク出力が低減し、処置の有効性が低減する。
【0033】
キャパシタンスを増加させることにより、システムの体積と、コンデンサおよびそれを充電する電源のコストとが増加する。
【0034】
ここで、図5を参照する。この発明の実施例に従い、コンデンサを用いて、0.5msec未満のパルス幅を得て、同時に、コンデンサにかかる電圧を1000Vまで増加させ、高いエネルギフルエンスと高ピーク出力とを得て、これにより、処置のよりよい有効性が得られる。エネルギは、電圧の増加に関して2:1で増加し、しかしキャパシタンスの減少に関しては1:1でしか低減しない。よって、電圧を増加させることは、キャパシタンスの減少を補ってなお余りあり、有利である。キャパシタンスおよび電源の平均電力の低減により、より体積が小さくコストが低いシステムを使用することが可能となり、これは消費者製品用途のためには魅力的で適切である。
【0035】
上述のすべての考慮に基づいて、ここで、この発明の実施例に基づいて構成され、動作する光熱分解システムを説明する残りの図面を参照する。
【0036】
図5Aは、たとえばキセノンフラッシュランプなどのガス放電ランプ45を通じて、コンデンサ42を周期的に充電および放電するのに好適な回路の例である。
【0037】
この回路は線形またはスイッチング電源などの直流電源44をさらに含んでもよい。スイッチ46(たとえばSCRスイッチ)、変圧器47、およびコンデンサ48は、フラッシュランプに高圧点火を起こしてもよい。この発明は、直列または並列点火によって実施することができる。
【0038】
図5Bは、図5Aと同様だが、1対のフラッシュランプ45およびフラッシュランプ45′が、直列接続されて設けられている。
【0039】
構成要素の代表的な値は、以下を含むがこれに限定されない:電源44は定格1000Vであってもよく、コンデンサ42は定格300μFであってもよく、一方、コンデンサ48は定格0.1μFであってもよい。
【0040】
回路の出力、つまり光パルスの特性は、図4に示される。振幅の高さの1/eにおけるパルス幅は、約0.4msecであることがわかるであろう。
【0041】
ここで、図6Aおよび図6Bを参照し、これらの図は、この発明の実施例に従い構成され、操作されるインコヒーレントパルス光源皮膚処理装置を示す。この装置は、電源76に接続され電源によって通電される光源71を含んでもよい。反射器72が、光源71に関して配置されてもよく、反射器72は、光源71から発し、光源71および反射器72を少なくとも部分的に包囲するハウジング73に形成される開口部を経由し、皮膚へ向かう光を、反射および/または拡散する。(反射器72が反射性(つまり実質的に非拡散性)であるかまたは拡散性であるかの選択は、特定の用途および処置のニーズに基づいてもよい。)光学フィルタ74が、光源71に関して配置されてもよく、光学フィルタ74は、光源71から直接か、反射器72によって反射されてかのいずれかの光に、フィルタをかけてもよい。光学フィルタ74は、NDフィルタ(neutral density filter)であってもよいがこれに限定されず、光学フィルタ74は、処置部位の近傍に装着され、光のスペクトルを制御してもよい。光学フィルタは、光スペクトルの可視部および大部分は紫外部におけるローカットフィルタであってもよい。
【0042】
光源71は、これに限定されないがガス充填線形フラッシュランプなどのインコヒーレント光源であってもよく、単一のフラッシュランプか、エネルギフルエンスを増加させるために電気的に直列接続された複数のフラッシュランプかのいずれかであってもよい。フラッシュランプは線形、円形または螺旋形にすることができ、または任意の他の形状にすることができる。フラッシュランプは、ボアシリカ(bore silica)、融解シリカ、または石英から作られた外部筐体を有してもよい。ガス充填フラッシュランプにより発せられる光のスペクトルは、300から1200nmの範囲内に大部分はあってもよい。この発明の最も好適な実施例に従い、光源71により発せられる光は、波長範囲約350−1200nm、継続時間約20−500μsec、およびエネルギフルエンス約2−6J/cm2である。
【0043】
皮膚70を処置するためには、皮膚上での所要の光フルエンス、ピーク出力、パルス幅、およびスペクトル波長が伝達されねばならない。光フルエンスは、反射器72(たとえば、反射性または拡散性)の集束機構によって実現することができる。反射器72は、フラッシュランプから照射される光に対するコリメータとして機能し、光の一部または大部分を処置される部位へ集め、光を処置部位一面に均一に広げる。
【0044】
先行技術においては、超音波エネルギが単独で皮膚の処置のために使用されていることが注目される。たとえば、米国特許出願2003233103には手持ち式超音波装置が、皮膚を刺激することなく不要な表皮表層を取り除き、組織砕片および垢も取り除く剥離液とともに記載されている。しかしながら、超音波エネルギをインコヒーレント光のフラ
ッシュと組合せることは知られていない。
【0045】
よって、この発明の別の実施例に従い、皮膚は、超音波エネルギと組合されたインコヒーレント光のフラッシュにより処置されてもよい。たとえば、超音波変換器77(たとえば、圧電水晶発振子)が設けられ、たとえば、これに制限されないが周波数約50KHzから5MHzの、超音波エネルギを生成してもよい。超音波変換器77は、光源71に隣接してもしくは任意の他の適当なハウジング73内の場所に置かれてもよく、またはハウジング73の外部に置かれてもよい。
【0046】
米国特許出願2003233103には、そこに記載される装置は、実質的に皮膚の表皮層を剥離するのに十分なエネルギまたは熱を生じることができず、そのために、超音波によって生じるエネルギおよび熱の、共振および移動を助ける一方で、皮膚刺激の最小化を助ける回復ミネラル分も提供する剥離液を使用する必要があると記載されていることが注目される。この発明では、光エネルギおよび超音波エネルギの組合せは、剥離液を必要とせずに、角質層、表皮または他の皮膚層の熱分解を相乗的に高める。(もちろん、この発明においても剥離液を用いることができる。剥離液の一例は、アロエベラ、イースト、グルコサミン、および藻類という活性成分を含むがこれに制限されない。グルコサミンおよびイーストは、超音波によって生成されたエネルギおよび熱の超音波変換器77から表皮への伝達を助けてもよい。藻類およびアロエベラは、新たに露出された表皮を鎮静し冷却するために用いられてもよい。)
超音波エネルギは、栄養分または他の物質を経皮的に皮膚に導入するためにも用いられてもよい。
【0047】
ここで図7を参照して、図7は、この発明のシステムを、茶色の毛を有しフィッツパトリック皮膚質分類タイプIIであるヒトの皮膚へ使用し、処置から2ヶ月後の結果を示す。図7からわかるように、毛の再生は、最小限または存在せず、明らかに毛包への永久的な損傷を示している。実験は900Vで充電した300μFコンデンサを使用した。1/eで計測された光パルス継続時間は0.45msecであり、エネルギフルエンスは4J/cm2であった。実験は、毛を剃られた部位および剃られていない部位の両方について行なわれ、結果は同じであった。
【0048】
このシステムは、350Vで充電した1200μFのキャパシタンスおよび4倍のパルス幅(1.80msec)に調整され、しかしエネルギフルエンスは4J/cm2のままであった。この結果は、第1の実験結果と比較し非常に悪かった。
【0049】
この発明は、この明細書で具体的に図示され、記載されたものに限られないことが当業者によって理解されるであろう。より厳密には、この発明の範囲は、この明細書に記載された特徴の組合せおよび下位の組合せを含み、上記の記載を読んで当業者が想起するであろう、先行技術にはないこの発明の変形例および変更例も含む。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】メラニンを含む種々の物質について、照射された光の波長に対する吸収係数を示すグラフである。
【図2】真皮にある毛包の断面図である。
【図3】毛包への損傷を示す、処置後の図2の毛包の断面図である。
【図4】経時的な光パルス反応を示す、オシロスコープ記録である。
【図5A】単一のフラッシュランプのためのコンデンサ充電放電回路の電気回路図である。
【図5B】一対のフラッシュランプを含む回路である。
【図6A】この発明の基本的な実施例に従う、インコヒーレントパルス光源皮膚処理装置の概略側面図である。
【図6B】この発明の基本的な実施例に従う、インコヒーレントパルス光源皮膚処理装置の概略正面図である。
【図7】この発明の毛除去方法による処置を受けてから2ヶ月後の患者の皮膚部位を示す写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光熱分解のための方法であって、
波長約350−1200nm、継続時間約20−500μsec、およびエネルギフルエンス約2−6J/cm2のインコヒーレント光のフラッシュに皮膚を当てるステップを備える、方法。
【請求項2】
光源はキセノンランプである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フラッシュはコンデンサの放電により生成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記インコヒーレント光のフラッシュを超音波エネルギと組合せるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記超音波エネルギは、約50KHzから5MHzの周波数範囲内にある、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
光熱分解のための装置であって、
電源に接続され前記電源によって通電されるインコヒーレント光源と、
前記光源に関して配置され、前記光源から発する光を、皮膚へ向かって、ハウジングに形成される開口部を経由して導くように適合された反射器とを備え、前記ハウジングは、前記光源および前記反射器を少なくとも部分的に包囲し、前記光源から皮膚に向かって発する光は波長約350−1200nm、継続時間約20−500μsec、およびエネルギフルエンス約2−6J/cm2のインコヒーレント光のフラッシュを含む、装置。
【請求項7】
前記反射器は、実質的に非拡散性である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記反射器は拡散性である、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記光源に関して配置され、皮膚に向かって導かれる光にフィルタをかけるように適合された光学フィルタをさらに備える、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記光学フィルタは、光スペクトルの可視部および大部分は紫外部におけるカットフィルタを含む、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記光源は、単一のフラッシュランプを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項12】
前記光源は、電気的に直列に接続された複数のフラッシュランプを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項13】
前記光源は、ガス充填線形フラッシュランプを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項14】
超音波エネルギを、前記インコヒーレント光のフラッシュとともに皮膚に向かって生成するように適合された超音波変換器をさらに備える、請求項6に記載の装置。
【請求項15】
前記超音波エネルギは、約50KHzから5MHzの周波数範囲内にある、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記超音波変換器は、前記ハウジングの内部にある、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記超音波変換器は、前記ハウジングの外部にある、請求項14に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−538157(P2009−538157A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503735(P2009−503735)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際出願番号】PCT/IL2007/000418
【国際公開番号】WO2007/113817
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(508298190)ライトタッチ・リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】LITETOUCH LTD.
【Fターム(参考)】