説明

光触媒計及び光能力測定方法並びにそれに用いるセンサヘッド

【課題】本発明は、測定対象に着色することなく、また指示薬を光透過性の容器に密閉することで、指示薬の酸化を防止し、二酸化チタン濃度を精度よく測定する光触媒計を提供すること目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、指示薬を密閉する指示薬収納容器と、前記指示薬収納容器を保持する収納部、UVファイバを挿通する第1貫通孔、レーザーファイバを挿通する第2貫通孔、レーザーの反射光を受光する受光ファイバを挿通する第3貫通孔を有するホルダー及び窓を設けた測定時に測定対象に接触する接触部材よりなるセンサヘッドを用いる光触媒計の構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗料などに二酸化チタン(TiO2)を添加・混合・複合させた塗料等の中の二酸化チタン濃度を測定する光触媒計及び二酸化チタンの光触媒(殺菌)能力を測定する光触媒能力評価方法並びにそれに用いるセンサヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の光触媒計として、特許文献1に、光触媒機能膜の層を有し該膜の表面を着色した被測定材の載置部分に透孔を形成した基台と、該被測定材に対し基台と反対方向の位置に配置したブラックライト・ランプを備え、発光素子又は受光素子を着脱自在に収容するケースを、該被測定材の表面に垂直な軸線上であって該被測定材の表裏に対向して1対設けると共に該被測定材の表面の反射光軸上に対向して1対設けたことを特徴とする光触媒機能評価装置が公開されている。
【特許文献1】特開000−62120号公報
【0003】
光触媒能力測定方法として、特許文献2に、 光触媒応用材料の評価試験方法であって、ゼリー状物質又はゼリー状テープからなる粘着体3内にメチレンブルー4を混合させて指示薬2を構成し、この指示薬2を光触媒応用材料からなる評価対象物1の表面に粘着し、この指示薬2のメチレンブルー4の呈色の変化により評価対象物1の光触媒反応性を評価する。評価対象物1が多孔質のものであっても、吸水性が高いものであっても、傾斜していても、光触媒反応を評価することができる。評価対象物1の表面に指示薬2を粘着するだけでよいので、評価対象物1から試験体を切り取る必要がなく、非破壊状態で評価対象物1の光触媒性能を評価することができる光触媒応用材料の評価試験方法が公開されている。
【特許文献2】特開2006−3105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1、2に記載の光触媒機能評価装置、光触媒応用材料の評価試験方法では、測定対象に直接指示薬を着色することをようし、指示薬が空気と触れ、酸化し精度よく、二酸化チタン濃度、光触媒能力を測定することができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、測定対象に着色することなく、また指示薬を光透過性の容器に密閉することで、指示薬の酸化を防止し、二酸化チタン濃度、光触媒能力を精度よく測定する光触媒計及び光触媒能力測定方法並びにそれに用いるセンサヘッドを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、指示薬7を入れるスリット3cを有する透過性セル3a及び前記透過性セル3aを密閉する栓3bよりなる指示薬収納容器3と、前記指示薬収納容器3を保持する収納部2f、前記指示薬7に向け、紫外線4fを照射するUVファイバ4aを前記収納部2fまで挿通する第1貫通孔2b、レーザー4gを照射するレーザーファイバ4bを前記収納部2fまで挿通する第2貫通孔2c、レーザー4gの反射光4hを受光する受光ファイバ4cを前記収納部2fまで挿通する第3貫通孔2dを有するホルダー2a及び前記ホルダー2aの測定対象8a側に取り付けられ、照射された紫外線4f、レーザー4gを通す窓2iを設けた測定時に測定対象8aに接触する接触部材2hよりなるセンサヘッド2と、前記指示薬収納容器3を透過し測定対象8aに照射される紫外線4fを生成する紫外線生成部5p、前記指示薬7に照射されるレーザー4gを発生させるレーザー発生部5q、前記指示薬7から反射した反射光4hを検出する光検知部5r、前記光検知部5rで検出した光強度及び検量線データから測定対象8a中の二酸化チタンの濃度を計算し、各構成の動作を制御する制御部5s、前記制御部5sで求められた測定値を表示する表示部5bよりなる計測本体5と、前記紫外線生成部5p、レーザー発生部5qからの紫外線4f、レーザー4g、指示薬7からの反射光4hをそれぞれ通すUVファイバ4a、レーザーファイバ4b、受光ファイバ4cよりなるケーブル4と、からなることを特徴とする光触媒計1の構成とし、
前記透過性セル3aが、石英セルであることを特徴とする前記光触媒計の構成とし、
前記ホルダー2aに設けられたネジ穴2jに支持体6を取り付け、測定時センサヘッド2を固定することを特徴とする前記光触媒計1の構成とし、
二酸化チタンが混合された測定対象8aに、指示薬7が注入され、密閉された石英セルを接触させ、指示薬7入り石英セルを透過させ、測定対象8aに紫外線4fを照射するとともに、レーザー4gを指示薬7に照射し、指示薬7からのレーザー4gの反射光4hを検出し、その反射光4hより得られる測定値を既知濃度の二酸化チタンによる光触媒能力である基準値に照合し、測定対象8a中の二酸化チタンの濃度を測定することを特徴とする光触媒能力測定方法の構成とし、
前記石英セルが、指示薬7を入れるスリット3cを有し、栓3bより密封された指示薬収納容器3であり、前記指示薬収納容器3を保持する収納部2f、前記指示薬7に向け、紫外線4fを照射するUVファイバ4aを前記収納部2fまで挿通する第1貫通孔2b、レーザー4gを照射するレーザーファイバ4bを前記収納部2fまで挿通する第2貫通孔2c、レーザー4gの反射光4hを受光する受光ファイバ4cを前記収納部2fまで挿通する第3貫通孔2dを有するホルダー2a及び前記ホルダー2aの測定対象8a側に取り付けられ、照射された紫外線4f、レーザー4gを通す窓2iを設けた測定時に測定対象8aに接触する接触部材2hよりなるセンサヘッド2に収納され、前記UVファイバ4aから紫外線4fを照射し、前記レーザーファイバ4bからレーザー4gを照射し、前記受光ファイバ4cにより指示薬7からの反射光4hを受光し、反射光4hより測定値を得ることを特徴とする前記光触媒能力測定方法の構成とし、
指示薬収納容器3を保持する収納部2f、前記指示薬7に向け、紫外線4fを照射するUVファイバ4aを前記収納部2fまで挿通する第1貫通孔2b、レーザー4gを照射するレーザーファイバ4bを前記収納部2fまで挿通する第2貫通孔2c、レーザー4gの反射光4hを受光する受光ファイバ4cを前記収納部2fまで挿通する第3貫通孔2dを有するホルダー2a及び前記ホルダー2aの測定対象8a側に取り付けられ、照射された紫外線4f、レーザー4gを通す窓2iを設けた測定時に測定対象8aに接触する接触部材2hよりなる前記光触媒能力測定の測定に用いられるセンサヘッド2の構成とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上の構成であるから以下の効果が得られる。第1に、指示薬を入れるスリットを有する透過性セル及び前記透過性セルを密閉する栓よりなる指示薬収納容器を採用することから、指示薬の酸化が防ぐことができる。また、センサヘッドと本体をケーブルで、接続し、分離したことで測定現場での測定が容易である。
【0008】
第2に、透過性セルを石英セルとすることで、透過率を向上させ、測定精度を上げ、より低エネルギーレベルの紫外線で、短時間であっても、精度よく二酸化チタン濃度、光触媒能力を測定することができる。従って、光触媒計をコンパクト、安価に製造できる。
【0009】
第3に、カメラ、ビデオ用三脚などの支持体にセンサヘッドを取り付けることができるため、測定点を固定することができ、測定精度が高い。
【0010】
第4に、センサヘッドに指示薬容器を収納し、光ファイバにより、紫外線、レーザーを照射することから、外部の太陽光、蛍光灯などの光の遮断することができ、外部光の影響を抑え、精度よく測定対象の二酸化チタン濃度、光触媒能力を測定することができる。また、測定対象と接する接触部材2hをゴムなどの弾力がある素材で作成することで、測定対象が平坦でなく、凹凸があっても測定可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
光触媒計を提唱するという目的を、指示薬7を入れるスリット3cを有する石英セル及び前記石英セルを密閉する栓3bよりなる指示薬収納容器3と、前記指示薬収納容器3を保持する収納部2f、前記指示薬7に向け、紫外線4fを照射するUVファイバ4aを前記収納部2fまで挿通する第1貫通孔2b、レーザー4gを照射するレーザーファイバ4bを前記収納部2fまで挿通する第2貫通孔2c、レーザー4gの反射光4hを受光する受光ファイバ4cを前記収納部2fまで挿通する第3貫通孔2d、支持体6を取り付けるネジ穴2jを有するホルダー2a及び前記ホルダー2aの測定対象8a側に取り付けられ、照射された紫外線4f、レーザー4gを通す窓2iを設けた測定時に測定対象8aに接触する接触部材2hよりなるセンサヘッド2と、前記指示薬収納容器3を透過し測定対象8aに照射される紫外線4fを生成する紫外線生成部5p、前記指示薬7に照射されるレーザー4gを発生させるレーザー発生部5q、前記指示薬7から反射した反射光4hを検出する光検知部5r、前記光検知部5rで検出した光強度及び検量線データから測定対象8a中の二酸化チタンの濃度を計算し、各構成の動作を制御する制御部5s、前記制御部5sで求められた測定値を表示する表示部5bよりなる計測本体5と、前記紫外線生成部5p、レーザー発生部5qからの紫外線4f、レーザー4g、指示薬7からの反射光4hをそれぞれ通すUVファイバ4a、レーザーファイバ4b、受光ファイバ4cよりなるケーブル4と、からなることを特徴とする光触媒計1の構成とすることで実現した。
【0012】
以下、添付図面に基づき本発明である光触媒計及び光触媒能力測定方法並びにセンサヘッドについて詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
先ず、本発明である光触媒計について詳細に説明する。図1は、本発明である光触媒計の全体模式図である。
【0014】
光触媒計1は、指示薬7を入れるスリット3cを有する透過性セル3a及び前記透過性セル3aを密閉する栓3bよりなる指示薬収納容器3と、センサヘッド2と、計測本体5と、センサヘッド2内部に挿通し、計測本体5と接続するUVファイバ4a、レーザーファイバ4b、受光ファイバ4cよりなるケーブル4からなる。
【0015】
センサヘッド2は、略円柱状で、前記指示薬収納容器3を保持する収納部2f、前記指示薬7に向け、紫外線4fを照射するUVファイバ4aを前記収納部2fまで挿通する第1貫通孔2b、レーザー4gを照射するレーザーファイバ4bを前記収納部2fまで挿通する第2貫通孔2c、レーザー4gの反射光4hを受光する受光ファイバ4cを前記収納部2fまで挿通する第3貫通孔2dを有するホルダー2a及び前記ホルダー2aの測定対象8a側に取り付けられ、照射された紫外線4f、レーザー4gを通す窓2iを設けた測定時に測定対象8aに接触する接触部材2hよりなる。計測本体5は、家庭用100Vにプラグ5aを接続し、電源の供給を受ける。
【0016】
ホルダー2aより少し指示薬収納容器3を突出させるため、一部切り込んだ切欠部2eを設けると、指示薬収納容器3出し入れが容易になる。また、収納部2fをセンサヘッド2の図1に示すように上下まで削り、ストッパ2gを貼り付けると容易に作成することができる。ホルダー2aは、アルミニウムを加工すればよい。
【0017】
接触部材2hは、ゴムなどの弾力がある素材で作成すると、測定対象に凹凸が合っても、外部光を遮断し、精度よく、光触媒能力を測定することができる。
【0018】
支持体6は、カメラ、ビデオなどに一般に使用される三脚でよい。ネジ6aをホルダー2aに設けられたネジ穴2jにネジ込み、センサヘッド2を固定することで、測定対象の一点を固定して測定することができる。
【0019】
計測本体5は、指示薬収納容器3を透過し測定対象8aに照射される紫外線4fを生成する紫外線生成部5p、前記指示薬7に照射されるレーザー4gを発生させるレーザー発生部5q、前記指示薬7から反射した反射光4hを検出する光検知部5r、前記光検知部5rで検出した光強度及び検量線データから測定対象8a中の二酸化チタンの濃度を計算し、各構成の動作を制御する制御部5s、前記制御部5sで求められた測定値を表示する表示部5bよりなる。また計測本体5は、家庭用100Vコンセントに接続し、電源の供給を受けることができる。これにより、測定場所で容易に測定が可能で、かつコンパクトな構成であるから、落ち運びが容易である。
【0020】
ケーブル4は、前記紫外線生成部5p、レーザー発生部5qからの紫外線4f、レーザー4g、指示薬7からの反射光4hをそれぞれ通すUVファイバ4a、レーザーファイバ4b、受光ファイバ4cよりなる。ケーブル4で、センサヘッド2と、計測本体5を接続することで、測定位置に制限されることなく、容易に測定点を手でもって測定、三脚固定して測定することができる。
【0021】
図2は、本発明である光触媒計を構成するセンサヘッドの正面図である。第1〜第3貫通孔2b〜2dが見え、透過性セル3aより狭い窓2iが接触部材2hに設けられている。なお、ホルダー2a、接触部材2h、ストッパ2gを一体として、成型し、収納部2fを設けて良い。なお、一点破線A−Aは、図8に示す断面位置を表す。
【0022】
図3は、センサヘッドに指示薬収納容器を収納したときの平面図である。点線で、UVファイバ4a、レーザーファイバ4b、受光ファイバ4cを示した。なお、第1〜第3貫通孔2b〜2dは、ここでは、背面から収納部2fに向け貫通しているが、側面から収納部2fまで設けてもよい。但し、測定対象8aに向け、紫外線、レーザーが垂直に照射されることが望ましい。
【0023】
図4は、センサヘッドの側面図である。なお、一点破線B−Bは、図8に示す断面位置を表す。図5は、センサヘッドの底面図である。ホルダー2aの底面には、三脚などの支持体6と連結固定するネジ穴2jが設けられている。また、三脚などを安定して固定できるように、底面に切欠部2kを設けてもよい。図6は、センサヘッドの背面図である。
【0024】
図7は、センサヘッドに指示薬収納容器を収納したときのセンサヘッドの一部分解正面図である。図7Aは、接触部材2hを除いた、センサヘッド2の正面図である。図7Bは、接触部材2h、指示薬収納容器3を除いたときのセンサヘッド2(ホルダー2a)の正面図である。接触部材2h、ストッパ2gは接着材で、ホルダー2aに貼付け、収納部2fを形成し、指示薬収納容器3を保持する。
【0025】
図8は、センサヘッドの断面図である。図8Aは図2に示す一点破線A−A位置、図8Bは図4に示す一点破線BーB位置の断面である。透過性セル3aには、指示薬7を入れるスリット3cが形成され、栓3bによって指示薬7が密閉される。指示薬は、メチレンブルーが最適であるが、紫外線により変色するものであればよい。UVファイバ4a、レーザーファイバ4b、受光ファイバ4cは、被覆材4eによって被覆されている。
【0026】
図9は、本発明である光触媒計を構成する本体の正面図である。主電源5cにより、光触媒計1は起動し、計測開始スイッチ5dにより、レーザーを照射すると共に、指示薬7に反射した反射光をカウントする。紫外線照射開始スイッチ5fにより、紫外線を測定対象8aに照射し、その紫外線強度は、紫外線強度切換スイッチ5gにより変更できる。また、中断スイッチ5eにより、照射、カウントが中断できる。
【0027】
計測本体5で生成され、測定対象8aに照射する紫外線を取り出し、UVファイバ4aが接続される紫外線照射口部5h、及び指示薬7に照射するレーザー、その反射光を受光する受光ファイバ4cが接続されるレーザー照射受光口部5iがある。
【0028】
また、カウントされたレーザーの反射光を表示、或いは予め入力された二酸化チタンの光触媒能力と比較し、計算された二酸化チタンの濃度を表示する表示部5bがある。
【0029】
図10は、本発明である光触媒計を構成する本体の背面図である。電源として、12VACアダプタからの電源、家庭用100V電源を使用できることから、直流12VACアダプタからの電源を差し込む直流12V差込部5n、家庭用100V電源を差し込む、100V差込部5mがある。
【0030】
内部に、紫外線生成用のランプ、レーザー発生部があり、計測本体5内部の温度を冷却するために、換気ファン5kと、送風口が設けられている。また、測定されたデータは、USBポートからパーソナルコンピューターに送ることができ、測定値を計算、管理することができる。
【実施例2】
【0031】
次に、本発明である光触媒能力測定方法について詳細に説明する。図11は、本発明である光触媒計で二酸化チタン濃度を測定するときのセンサヘッド部の断面図である。本発明である光触媒能力測定方法は、二酸化チタンが混合された測定対象8a、例えば、壁などの被塗装材8に塗布された塗料、ガラス、建築建材の内塗装、建築外壁材、木材、樹脂、自動車などに使用される各パネル、コンクリート素材、磁気、タイルなどの表面の測定対象8aに、指示薬7が注入され、密閉された透過性セル3aを接触させ、指示薬7入り透過性セル3aを透過させ、測定対象8aに紫外線4fを照射するとともに、レーザー4gを指示薬7に照射し、指示薬7からのレーザー4gの反射光4hを検出し、その反射光4hより得られる測定値を既知濃度の二酸化チタンによる光触媒能力である基準値に照合し、測定対象8a中の二酸化チタンの濃度を測定することを特徴とする。
【0032】
図11は、本発明である光触媒計の測定原理を示す図である。計測本体5内部に設置された制御部で、各構成である 表示部5b、紫外線生成部5p、レーザー発生部5q、反射光4hを受光する光検知部5rを制御し、測定された反射光4hを表示部5bに表示する。また、前記光検知部5rで検出した光強度(カウント数)及び検量線データから測定対象中の二酸化チタンの濃度を計算し、表示部5bで表示することもできる。さらに、USBポート5oから一定時間の光触媒作用による指示薬の色変化を表す反射光4hのカウント数をPC5t(パーソナルコンピューター)に送信し、PC5tで二酸化チタン濃度を計算することもできる。
【0033】
図13は、二酸化チタン濃度を計測するために用いられる検量線の一例である。図13Aは、一定濃度のメチレンブルーなどの指示薬7に、既知の二酸化チタンを溶解し、一定時間、一定量の紫外線を照射したときの指示薬7からのレーザーの反射光を測定したデータである。図13Bは、その時のグラフ(検量線グラフ)である。横軸が指示薬7中の二酸化チタン濃度(g/ml)、縦軸か光検知器でカウントされた反射光のカウント数である。
【0034】
従って、図11Bの検量線グラフと、本発明である光触媒計、及び光触媒能力測定方法で測定した、反射光4hのカウント数を比較することで、測定対象8a中の二酸化チタン濃度を計算することができる。これらは、光触媒能力の基準値として、測定結果と比較してもよいし、制御部5sの基礎データーベースに予め入力し、制御部5sで計算し、測定対象8aの二酸化チタン濃度を表示部5bに表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明である光触媒計の全体模式図である。
【図2】本発明である光触媒計を構成するセンサヘッドの正面図である。
【図3】センサヘッドに指示薬収納容器を収納したときの平面図である。
【図4】センサヘッドの側面図である。
【図5】センサヘッドの底面図である。
【図6】センサヘッドの背面図である。
【図7】センサヘッドに指示薬収納容器を収納したときのセンサヘッドの一部分解正面図である。
【図8】センサヘッドの断面図である。
【図9】本発明である光触媒計を構成する本体の正面図である。
【図10】本発明である光触媒計を構成する本体の背面図である。
【図11】本発明である光触媒計で二酸化チタン濃度を測定するときのセンサヘッド部の断面図である。
【図12】本発明である光触媒計の測定原理を示す図である。
【図13】二酸化チタン濃度を計測するために用いられる検量線の一例である。
【符号の説明】
【0036】
1 光触媒計
2 センサヘッド
2a ホルダー
2b 第1貫通孔
2c 第2貫通孔
2d 第3貫通孔
2e 切欠部
2f 収納部
2g ストッパ
2h 接触部材
2i 窓
2j ネジ穴
2k 切欠部
3 指示薬収納容器
3a 透過性セル
3b 栓
4 ケーブル
4a UVファイバ
4b レーザーファイバ
4c 受光ファイバ
4e 被覆材
4f 紫外線
4g レーザー
4h 反射光
5 計測本体
5a プラグ
5b 表示部
5c 主電源
5d 計測開始スイッチ
5e 中断スイッチ
5f 紫外線照射開始スイッチ
5g 紫外線強度切換スイッチ
5h 紫外線照射口部
5i レーザー照射受光口部
5j スタンバイランプ
5k 換気ファン
5l フューズ
5m 100V差込部
5n 直流12V差込部
5o USBポート
5p 紫外線生成部
5q レーザー発生部
5r 光検知部
5s 制御部
5t PC
6 支持体
6a ネジ
7 指示薬
8 被塗装材
8a 測定対象

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指示薬を入れるスリットを有する透過性セル及び前記透過性セルを密閉する栓よりなる指示薬収納容器と、
前記指示薬収納容器を保持する収納部、前記指示薬に向け、紫外線を照射するUVファイバを前記収納部まで挿通する第1貫通孔、レーザーを照射するレーザーファイバを前記収納部まで挿通する第2貫通孔、レーザーの反射光を受光する受光ファイバを前記収納部まで挿通する第3貫通孔を有するホルダー及び前記ホルダーの測定対象側に取り付けられ、照射された紫外線、レーザーを通す窓を設けた測定時に測定対象に接触する接触部材よりなるセンサヘッドと、
前記指示薬収納容器を透過し測定対象に照射される紫外線を生成する紫外線生成部、前記指示薬に照射されるレーザーを発生させるレーザー発生部、前記指示薬から反射した反射光を検出する光検知部、前記光検知部で検出した光強度及び検量線データから測定対象中の二酸化チタンの濃度を計算し、各構成の動作を制御する制御部、前記制御部で求められた測定値を表示する表示部よりなる計測本体と、
前記紫外線生成部、レーザー発生部からの紫外線、レーザー、指示薬からの反射光をそれぞれ通すUVファイバ、レーザーファイバ、受光ファイバよりなるケーブルと、
からなることを特徴とする光触媒計。
【請求項2】
前記透過性セルが、石英セルであることを特徴とする請求項1に記載の光触媒計。
【請求項3】
前記ホルダーに設けられたネジ穴に支持体を取り付け、測定時センサヘッドを固定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光触媒計。
【請求項4】
二酸化チタンが混合された測定対象に、指示薬が注入され、密閉された石英セルを接触させ、指示薬入り石英セルを透過させ、測定対象に紫外線を照射するとともに、レーザーを指示薬に照射し、指示薬からのレーザーの反射光を検出し、その反射光より得られる測定値を既知濃度の二酸化チタンによる光触媒能力である基準値に照合し、測定対象中の二酸化チタンの濃度を測定することを特徴とする光触媒能力測定方法。
【請求項5】
前記石英セルが、指示薬を入れるスリットを有し、栓より密封された指示薬収納容器であり、
前記指示薬収納容器を保持する収納部、前記指示薬に向け、紫外線を照射するUVファイバを前記収納部まで挿通する第1貫通孔、レーザーを照射するレーザーファイバを前記収納部まで挿通する第2貫通孔、レーザーの反射光を受光する受光ファイバを前記収納部まで挿通する第3貫通孔を有するホルダー及び前記ホルダーの測定対象側に取り付けられ、照射された紫外線、レーザーを通す窓を設けた測定時に測定対象に接触する接触部材よりなるセンサヘッドに収納され、
前記UVファイバから紫外線を照射し、前記レーザーファイバからレーザーを照射し、前記受光ファイバにより指示薬からの反射光を受光し、反射光より測定値を得ることを特徴とする請求項4に記載の光触媒能力測定方法。
【請求項6】
指示薬収納容器を保持する収納部、前記指示薬に向け、紫外線を照射するUVファイバを前記収納部まで挿通する第1貫通孔、レーザーを照射するレーザーファイバを前記収納部まで挿通する第2貫通孔、レーザーの反射光を受光する受光ファイバを前記収納部まで挿通する第3貫通孔を有するホルダー及び前記ホルダーの測定対象側に取り付けられ、照射された紫外線、レーザーを通す窓を設けた測定時に測定対象に接触する接触部材よりなる光触媒能力測定の測定に用いられるセンサヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−89395(P2008−89395A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−270320(P2006−270320)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(506332269)有限会社本多計測器サービス (1)
【Fターム(参考)】