光記録情報保存媒体、記録/再生方法、記録/再生装置、及びその方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体
【課題】 光記録情報保存媒体、記録/再生方法、記録/再生装置及びその方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【解決手段】 媒体の一部または全部についてのディスク検定のためにディスク検定のための無意味なデータと、前記データが無意味なデータであることを知らせるパディング識別子とを含む記録/再生単位ブロックを記録媒体に記録する段階を含むデータ記録/再生方法。そのような構成によれば、ドライブシステムの不要な再試行過程を減らしてドライブシステムの性能を向上させ、エラー訂正能力を向上させうる。
【解決手段】 媒体の一部または全部についてのディスク検定のためにディスク検定のための無意味なデータと、前記データが無意味なデータであることを知らせるパディング識別子とを含む記録/再生単位ブロックを記録媒体に記録する段階を含むデータ記録/再生方法。そのような構成によれば、ドライブシステムの不要な再試行過程を減らしてドライブシステムの性能を向上させ、エラー訂正能力を向上させうる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク分野に係り、更に具体的には、光記録情報保存媒体、記録/再生方法、記録/再生装置、及びその方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
HD(ハードディスク)、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタルバーサタイル)などの情報保存媒体についてのデータの記録/再生は一定の単位からなる。その単位を記録単位ブロックまたは再生単位ブロックと言う。記録単位ブロックまたは再生単位ブロックの一例としては、記録または再生時に発生するエラーを訂正するためのエラー訂正ブロックがある。
【0003】
エラー訂正ブロックのサイズが64Kバイトであるとすれば、エラー訂正ブロック全体ではない、その一部に該当するサイズのデータ4Kバイトのみを記録しようとする場合、残りの部分、すなわち60Kバイトは00hのような無意味な値で満たされて記録される。
【0004】
ディスクドライブが、その一部のみが有意味なデータを有するエラー訂正ブロックを再生するために、そのエラー訂正ブロックを読み取った後にエラー訂正を行えば、有意味なデータ4Kバイトを含むコードワードは、エラー訂正が可能であるにも拘らず、残りの無意味に満たされたデータ60Kバイトを含むコードワードがエラー訂正ができなくて、エラー訂正ブロックの全体が訂正不能であると判断される。ディスクドライブは、エラー訂正ブロック内にどの部分が有意味なデータであり、どの部分が無意味に満たされたデータであるかを識別できないため、再びエラー訂正または再生を試みるか、または一部の有意味なデータが入っているにもかかわらず、そのエラー訂正ブロックを最終的にエラー処理してしまう問題点がある。そのような状況は、データの再生動作でだけでなく、データの更新動作及びデータの追加動作においても同様に発生する。
【0005】
一方、特許文献1(以下、“インターリービングエンコーディング”)には、インターリービング方式でデータをエンコーディングする技術を開示している。“インターリービングエンコーディング”は、“LDSブロック”と呼ばれるユーザーデータを含むブロックと、“BISブロック”と呼ばれるアドレスデータを含むブロックとを一つの物理クラスタにインターリービングされるように配列して記録し、再生時にはアドレスデータを含むブロックをエラー訂正してからユーザーデータを含むブロックをエラー訂正する。図1を参照して前記“インターリービングエンコーディング”を簡略に紹介する。
【0006】
図1は、従来技術に係りインターリービング方式によりデータをエンコーディングする概念を説明するための参考図である。ホストまたはアプリケーションなどのソースから受信されたユーザーデータ11は、2048+4バイトよりそれぞれ構成されたデータフレームに分けられる。そのようなユーザーデータは、304カラムと216ローで配列されたデータブロック12を形成する。次いで、データブロック12に32ローパリティを付加することでLDS(ロングディスタンス)ブロック13が形成される。そして、そのようなLDSブロック13は、152カラムと496ローで配列されてECCクラスタ14を構成する。そのようなECCクラスタ14は、物理クラスタブロック20のECC部分に分散されて満たされる。
【0007】
記録システムにより合わせられた論理アドレスと制御データ15とは32*18バイトで配列される。媒体上の物理的な位置と関連した物理アドレス16は16*9バイトに配列される。論理アドレス+制御データ15と物理アドレス16とが結合して24カラム*30ローのアクセスブロック17を形成する。次いで、アクセスブロック17に32ローのパリティが付加されてBISブロック18を形成する。そのようなBIS(バーストインジケータサブコード)ブロック18が、3カラムと496ローのBISクラスタ19で配列される。そのようなBISクラスタ19が物理クラスタブロック20のBISカラムに分散されて満たされる。そして、そのような物理クラスタブロック20に1カラムの同期化ビットグループが付加されて155カラム*496ローの物理クラスタが形成される。そのように、インターリービング方式によりデータを配列することでエラー訂正能力を向上させる。
【0008】
一方、記録可能情報保存媒体においてディスク上にデータを記録しようとする場合、ドライブシステムは、記録単位であるクラスタ単位で記録する。例えば、クラスタが32個のセクタより構成されていると仮定する場合に、もし、記録されるべきセクタのサイズが32の倍数でなければ、ドライブシステムは、クラスタ単位を合わせるために無意味な一部のセクタをパディングして、クラスタの倍数単位にして記録する。
【0009】
また、既に記録されたクラスタにデータを追加またはアップデートしようとする場合において、クラスタの単位ではない(すなわち、32セクタではない)一部のセクタ、例えば、16セクタを記録する場合にも、ドライブシステムは追加またはアップデートする16セクタを含む32セクタより構成されたクラスタをディスク21から読み取って内部メモリに保存する。そして、そのクラスタをエラー訂正した後に追加またはアップデートしようとする16セクタを内部メモリで該当する位置に修正した後、残りの16セクタと共に一つのECCクラスタにエンコーディングして記録する。そのような過程を“Read−Modify−Write”という。そのような過程が図2に示されている。もちろん、記録可能情報保存媒体において、前記クラスタの再生過程で前記クラスタが欠陥でなければ、同じ物理アドレスにクラスタを記録し、欠陥であれば、具現された欠陥管理方法により代替クラスタに記録される。追記型情報記録媒体においては、1回のみを記録できるという特性から欠陥処理により代替クラスタに記録される。
【0010】
前記した“インターリービングエンコーディング”技術でのようなデータ構造下で、16セクタを既に記録されたクラスタに追加またはアップデートする動作を更に具体的に説明する。前記16セクタを追加またはアップデートするためにRead−Modify−Write過程でReadする間に、ディスクから記録/再生単位クラスタのデータを読み取って内部メモリに保存する。そして、先ずBISクラスタをエラー訂正した後、32セクタのデータのためのLDSクラスタをエラー訂正する。その時、LDSクラスタのエラー訂正が成功しなかった場合、追加またはアップデートしようとする16セクタを除外した残りの記録されている16セクタを再生できないため、追加またはアップデートしようとするデータを記録するのに問題が発生する。それは、追加またはアップデートしようとする16セクタを除外した残りの16セクタに有効なデータが入っていることもあり、完全にエラー訂正せねばならないためである。したがって、そのような場合に、前記16セクタについてのデータの有効性如何を知らないならば、ドライブシステムは前記ディスク上のクラスタに再び接近して再生のために再試行するか、そのような再試行にもかかわらず前記クラスタを再生できないならば、エラーメッセージをホストに報告せねばならない。したがって、そのような状況で無用なドライブシステムの動作が不回避に発生するしかない。
【0011】
また、そのような場合に、もし、ドライブシステムが追加またはアップデートしようとする16セクタを除外した残りの16セクタについてのデータの有効性如何が分かれば、そして、前記残りの16セクタについてのデータが有効ではないということが分かれば、ドライブシステムは不要に再生を再試行するか、またはホストにエラーメッセージを報告する必要なしに、追加またはアップデートしようとする16セクタに新たなデータを追加または更新できる。しかし、前記残りの16セクタの有効性如何を知らないため、ドライブシステムはそれをエラー処理する確率が高くなり、したがって、エラー訂正能力は結果的に落ちると言える。
【0012】
一方、ドライブシステムは、ディスクの欠陥有無を確認するためにディスク検定を行う。ディスク検定とは、ディスク使用のための初期化時点で全体ディスクの欠陥状態を把握するために、またはディスクの使用中にディスクを初めから再び使用するための再初期化時点で全体ディスクの欠陥状態を再び把握するために、またはディスク使用中、必要時に特定領域についての欠陥状態を把握するために、ドライブシステムが、ドライブシステムが知っている所定の値(00hまたはFFh)でクラスタ全体をパディングして、検定しようとするクラスタ位置に記録した後に再生してクラスタの欠陥有無を確認する過程をいう。そして、ドライブシステムは、そのような検定実行の結果を反映してクラスタについての欠陥情報をアップデートする。
【0013】
図3は、従来技術に係りディスク検定を説明するための参考図である。リ―ドイン領域31と、データ領域32と、リ―ドアウト領域33からなるディスク30全体を検定した場合に、ディスクのデータ領域が、例えば何れも“0”で満たされていることが図示されている。
【0014】
そのように、ディスクの一部または全体の欠陥状態を把握するために検定を行ってからは、少なくとも検定を行った領域は既に記録された領域であるため、以後その領域にデータを記録しようとする場合、ドライブシステムはその領域が既に記録された領域であるということをRF信号から分かる。したがって、32セクタからなるクラスタの一部である16セクタを、既に記録されたクラスタに追加またはアップデートしようとする場合に“Read−Modify−Write”過程を必要とする。“Read−Modify−Write”過程でReadする間にドライブシステムは、ディスクから記録/再生単位クラスタ内にあるデータを読み取って内部メモリに保存し、まずBISクラスタをエラー訂正した後に32セクタのデータのためのLDSクラスタをエラー訂正する。その時、LDSクラスタをエラー訂正できない場合、追加またはアップデートしようとする16セクタを除外した残りの記録されている16セクタを再生できないため、追加またはアップデートしようとするデータを記録するのに難しさが発生する。したがって、ドライブシステムは、前記ディスク上のクラスタに再び接近して再生のために再試行することもあり、そのような再試行にもかかわらず前記クラスタを再生できなければ、エラーメッセージをホストに報告することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第6,367,049号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前記問題点を解決してディスク検定により記録された記録単位ブロックに入っているデータの無意味性如何を確認することで、データ記録時に無用なドライブシステムの動作を防止し、エラー訂正能力を向上させうる光記録情報保存媒体、記録/再生方法、記録/再生装置、及びその方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記のような課題を解決するための本発明の一つの特徴は、光記録情報保存媒体において、前記媒体の一部または全部についてのディスク検定のためにディスク検定のための無意味なデータと、前記データが無意味なデータであることを知らせるパディング識別子を含む記録/再生単位ブロックが記録されることである。
【0018】
前記記録/再生単位ブロックは、前記無意味なデータを含むデータブロックと、前記データをアクセスするためのアクセスブロックとからなり、前記アクセスブロックは、前記データブロック内のデータのアドレス情報と前記パディング識別子とを含むことが好ましい。
【0019】
前記記録/再生単位ブロックは、LDSクラスタとBISクラスタとからなる物理クラスタであり、前記BISクラスタは、前記LDSクラスタ内のデータのアドレス情報と、前記パディング識別子を含むダミーバイトとを含むことが好ましい。
【0020】
前記パディング識別子は、2セクタについてのパディング情報を示すか、または前記パディング識別子は、1クラスタについてのパディング情報を示しうる。
【0021】
本発明の他の特徴は、データ記録/再生方法において、記録媒体の一部または全部についてのディスク検定のためにディスク検定のための無意味なデータと、前記データが無意味なデータであることを知らせるパディング識別子とを含む記録/再生単位ブロックを記録媒体に記録する段階を含むことである。
【0022】
前記記録/再生方法は、前記記録媒体に記録された前記記録/再生単位ブロックを再生して検定を行う段階と、検定実行の結果、前記記録/再生単位ブロックについての欠陥情報を前記記録媒体に記録する段階とを含む。
【0023】
前記記録/再生方法は、前記記録/再生単位ブロックに前記無意味なデータが含んでいることを知らせる前記パディング識別子に基づいて、前記記録/再生単位ブロックのデータのエラー訂正に関係なく前記記録/再生単位ブロックにデータを記録する段階を更に含む。
【0024】
前記記録/再生方法は、前記検定実行の結果、欠陥ブロックに登録された記録/再生単位ブロックについてデータ記録命令を受信した場合には、Read−Modify−Write動作なしに直ちに前記記録/再生単位ブロックにデータを記録する段階を更に含むことが好ましい。
【0025】
本発明の更に他の特徴は、記録/再生方法において、記録媒体のディスク検定のための無意味なデータを含むLDSクラスタを生成する段階と、前記LDSクラスタが無意味なデータで満たされたことを示すパディング識別子を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成する段階と、前記LDSクラスタと前記BISクラスタとを結合した物理クラスタを前記記録媒体に記録する段階と、前記記録媒体に記録された前記物理クラスタを再生して検定を行う段階と、前記検定実行の結果を欠陥情報として前記記録媒体に記録する段階とを含むことである。
【0026】
本発明の更に他の特徴は、記録/再生装置において、記録媒体にデータを書き込むか、または前記記録媒体からデータを読み取る書き込み/読み取リ部と、前記媒体の一部または全部についてのディスク検定のためにディスク検定のための無意味なデータと、前記データが無意味なデータであることを知らせるパディング識別子を含む記録/再生単位ブロックを前記記録媒体に記録するように前記記録/読み取り部を制御する制御部とを含むことである。
【0027】
本発明の更に他の特徴は、記録/再生装置において、記録媒体にデータを書き込むか、または前記記録媒体からデータを読み取る書き込み/読み取リ部と、前記媒体のディスク検定のための無意味なデータを含むLDSクラスタ、及び前記LDSクラスタが無意味なデータで満たされたことを示すパディング識別子を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成し、前記LDSクラスタと前記BISクラスタとを結合した物理クラスタを前記記録媒体に記録するように前記記録/読み取り部を制御し、前記記録媒体に記録された前記物理クラスタを再生して検定を行い、前記検定実行の結果を欠陥情報として前記記録媒体に記録するように前記記録/読み取り部を制御する制御部とを含むことである。
【0028】
本発明の更に他の特徴は、データ記録/再生方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記記録/再生方法は、前記媒体の一部または全部についてのディスク検定のために、ディスク検定のための無意味なデータと、前記データが無意味なデータであることを知らせるパディング識別子とを含む記録/再生単位ブロックを記録媒体に記録する段階を含むことである。
【0029】
本発明の更に他の特徴は、記録/再生方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記記録/再生方法は、前記媒体のディスク検定のための無意味なデータを含むLDSクラスタを生成する段階と、前記LDSクラスタが無意味なデータで満たされたことを示すパディング識別子を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成する段階と、前記LDSクラスタと前記BISクラスタとを結合した物理クラスタを前記記録媒体に記録する段階と、前記記録媒体に記録された前記物理クラスタを再生して検定を行う段階と、前記検定実行の結果を欠陥情報として前記記録媒体に記録する段階とを含むことである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、ディスクの検定により記録された記録単位ブロック内に含まれた無意味なデータに関する情報をあらかじめ確認してデータの記録動作を行うことで、ドライブシステムの不要な再試行過程を減らしてドライブシステムの性能向上を図り得る。また、実際的に処理できるデータ記録動作をエラーとして報告しないことによって、結果的にエラー訂正能力を向上させうる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術に係りインターリービング方式によってデータをエンコーディングする概念を説明するための参考図である。
【図2】従来技術に係り“Read−Modify−Write”を説明するための参考図である。
【図3】従来技術に係りディスク検定を説明するための参考図である。
【図4】本発明に係りディスクの検定時にパディング識別子が挿入される記録単位ブロックを示す図である。
【図5】本発明に係りディスクの検定時にパディング識別子が挿入される再生単位ブロックを示す図である。
【図6】本発明に係りパディング情報が挿入されたBISクラスタの構造の一例を説明するための参考図である。
【図7】図6に示された各物理的セクタが2セクタについてのパディング情報を含んでいることを示す細部的な構造図の一例である。
【図8】図6に示された物理的セクタが1クラスタについてのパディング情報を含んでいることを示す細部的な構造図の他の例である。
【図9】本発明に係る記録/再生装置の概略的な構成図である。
【図10】図9に示された記録/再生装置の細部的な構成図である。
【図11】本発明に係りディスク検定を行う過程を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係りディスク検定後に記録単位ブロックのデータ記録過程を示すフローチャートである。
【図13】LDSクラスタとBISクラスタとのエラー訂正能力を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下で、添付された図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0033】
本発明が前記のような問題点を解決するために鑑みたことは、ディスク検定のための記録単位ブロックをディスクに記録する時、その記録単位ブロックに無意味なデータが入っているということを示すパディング識別子をその記録単位ブロックに含めて記録しようとすることである。そのように、パディング識別子を記録単位ブロックに入れることで、以後にその記録単位ブロックにデータを記録する場合、その記録単位ブロックのエラー訂正が成功しなくても、その記録単位ブロックに入っているパディング識別子を確認して、その記録単位ブロックには無意味なデータがあることを判別することで、read−modify−writeによりデータを記録できるようになる。以下の説明では主に記録単位ブロックで説明されるが、再生単位ブロックにも同じく適用されうる。
【0034】
まず、本発明に係りディスクの検定時にディスクに記録されるパディング識別子が挿入された記録単位ブロックについて説明する。
【0035】
図4は、本発明に係りディスクの検定時にパディング識別子が挿入される記録単位ブロックを示す。本発明に係りディスクの検定時に記録される記録単位ブロック40は、無意味なデータが入っているデータブロック41と、そのデータブロック41のデータをアクセスするためのアクセスブロック42とを含む。図4に示された例では、無意味なデータブロック41に入っている無意味なデータを“00h”として示したが、それに限定されるものではなく、“FFh”またはその他の値になってもよい。
【0036】
アクセスブロック42は、データブロック41のデータのアドレス情報43と、そのデータブロック41に入っているデータが無意味なデータであることを表示するためのパディング識別子44とを含む。ドライブシステムがその記録単位ブロック40をアクセスする場合に、ドライブシステムはまずアクセスブロック42を読み取ってパディング識別子44を確認することで、その記録単位ブロックに入っているデータが無意味なデータであることが分かる。
【0037】
図5は、本発明に係りディスクの検定時にパディング識別子が挿入される再生単位ブロックを示す。本発明に係りディスクの検定時に記録される再生単位ブロック50は、無意味なデータが入っているデータブロック51と、そのデータブロック51のデータをアクセスするためのアクセスブロック52とを含む。図5に示された例では、無意味なデータブロック51に入っている無意味なデータを“FFh”として示している。しかし、そのような無意味なデータの値としては“00h”になってもよく、その他の値になってもよい。
【0038】
アクセスブロック52は、データブロック51のデータのアドレス情報53と、そのデータブロック51に入っているデータが無意味なデータであることを表示するためのパディング識別子54とを含む。ドライブシステムがその再生単位ブロック50をアクセスする場合に、ドライブシステムは、まずアクセスブロック52を読み取ってパディング識別子54を確認することで、その記録単位ブロックに入っているデータが無意味なデータであることが分かる。
【0039】
以下では、本発明に係るパディング識別子がLDSクラスタとBISクラスタとからなる物理クラスタに適用された例を説明する。
【0040】
図6は、本発明に係りパディング情報が挿入されたBISクラスタの構造の一例を説明するための参考図である。図6に示されたデータ構造は、本発明に係るパディング識別子が“インターリービングエンコーディング”技術で開示されたようなデータ構造に適用された場合の一例を示す。しかし、本発明に係る“パディング識別子”が適用されうるデータ構造及びシステムは、記録単位ブロックに入っているユーザーデータとパディング識別子とが別途にECCエンコーディングされ、ユーザーデータがエラー訂正される前にパディング情報が先にエラー訂正されるデータ構造及びシステムであれば充分であり、図6に例示されたような“インターリービングのコーディング”技術によるシステム及び構造は、説明の便宜のために例示したものであり、その一例に該当されるということを明らかにする。
【0041】
図示されていないが、ECCクラスタを形成するユーザーデータの一部または全部にディスク検定のための無意味なデータがパディングされる。そして、そのような無意味なデータに関する情報であるパディング情報が、BISクラスタ60を形成する物理的アドレス62の一部に挿入される。
【0042】
すなわち、図6を参照するに、物理的アドレス62は、物理的セクタ0から物理的セクタ15まで総16個の物理的セクタについてのアドレス情報を有している。各物理的セクタについての情報は9バイトからなる。すなわち、9バイトからなる各物理的セクタについての情報は、4バイトのアドレス情報63と、1バイトのパディング情報64と、4バイトのパリティ65とを含む。すなわち、BISクラスタ内には、ディスク上に記録されたクラスタ内に同じ間隔を有する16個の物理的セクタ番号(Physicl Sector Number:以下、PSN)が保存されているが、そのようなそれぞれのPSNはアドレスのための4バイトとダミー1バイトより構成されており、記録時に(9,5,5)コードにエンコーディングされてBISクラスタ内に保存される。
【0043】
アドレス情報63は、該当物理的セクタについてのアドレスを表し、パディング情報64は、その該当物理的セクタに入っているデータが無意味なデータであることを表示するための情報であり、パリティ65は、アドレス情報63やパディング情報64をエラー訂正するためのパリティ値を示す。
【0044】
図7及び図8を参照してパディング情報を更に具体的に説明する。
【0045】
図7は、図6に示された各物理的セクタが、2セクタについてのパディング情報を含んでいることを示す細部的な構造図の一例である。1バイトより構成されたパディング情報64はダミーバイトであって、8ビットのうち、下位2ビット(b0、b1)を利用して2セクタについてのパディング情報を示すパディング識別子として利用できる。
【0046】
BISクラスタ内には、ディスク上に記録されたクラスタ内に同じ間隔を有する16個のPSNが保存されているが、そのようなそれぞれのPSNは、アドレスのための4バイトとダミー1byteより構成されており、記録時に(9,5,5)コードにエンコーディングされてBISクラスタ内に保存される。
【0047】
もし、検定による物理クラスタ内のLDSクラスタのそれぞれのセクタについてのパディング情報のためには、一つのクラスタが64Kバイト=32セクタであるため、1クラスタ当り32ビットのパディング情報が要求される。その場合、1クラスタに16個のPSNがあるため、それぞれのPSN内のダミーバイト内に2ビットずつ割り当てれば、全体64Kバイト=32セクタLDSクラスタのそれぞれのセクタにパディング情報を示しうる。すなわち、一つのPSN内のダミーバイト内の2ビットが、2セクタについてのパディング情報を示す。
【0048】
図8は、図6に示された物理的セクタが、1クラスタについてのパディング情報を含んでいることを示す細部的な構造図の他の例である。1バイトより構成されたパディング情報64はダミーバイトであって、8ビットのうち、下位から3番目のビットb2を利用して1クラスタについてのパディング情報を示すパディング識別子として利用できる。
【0049】
もし、検定によるクラスタ内のLDSクラスタ全体がドライブシステムによりパディングされたということを示すには、クラスタ当り1ビットのパディング情報のみでも充分である。したがって、図8に示されたように、ダミーバイト内のある1ビット67を利用してクラスタ全体についてのパディング情報を示しうる。
【0050】
パディング情報は、ECCクラスタ内に入っている各セクタまたは全体クラスタについて無意味な情報が入っていることを表示する。そのように、BISクラスタに入っているセクタ単位のパディング情報を利用して、ドライブシステムは、Read−Modify−Write動作のRead過程中に追加またはアップデートしようとするセクタについてのデータの無意味性を把握することで、たとえ前記ECCクラスタのLDSクラスタがエラー訂正され得ないとしても、クラスタについての追加またはアップデート動作を行いうる。
【0051】
図9は、本発明に係る記録/再生装置の概略的な構成図である。本実施例に係る装置は、記録または再生が可能な装置であって、記録/読み取り部1及び制御部2を含む。記録/読み取り部1は、制御部2の制御によって、本実施例に係る情報保存媒体のディスク100にデータを書き込み、書き込まれたデータを再生するためにデータを読み取る。制御部2は、本発明によってデータを所定記録単位ブロックで記録するように記録/読み取り部1を制御するか、または記録/読み取り部1により読み取られたデータを処理して有効なデータを得る。再生は、読み取ったデータをエラー訂正して有効なデータを得ることを意味し、所定単位で行われる。再生が実行される単位を、記録単位ブロックに対応して再生単位ブロックという。再生単位ブロックは、少なくとも一つの記録単位ブロックに対応する。
【0052】
記録時に、制御部2は、記録単位ブロックを全部満たせない量のデータをディスク100に記録する場合、一部には有効なデータが含まれており、残りには有効ではないデータをパディングして、一定のサイズを有する記録単位ブロックに作った後にそれを記録する。特に、本発明に係る制御部2は、ディスク検定のために記録単位ブロックをディスク100に記録する時に、その記録単位ブロック内に含まれているデータが無意味なデータであることを示すパディング識別子をその記録単位ブロックに含めてディスク100に記録する。本発明に係るそのようなパディング識別子は、セクタ別に無意味なデータが入っていることを示すこともあり、1クラスタ別に無意味なデータが入っていることを示すこともある。詳細な説明は後述する。
【0053】
再生時に、記録/読み取り部1は、ディスク100からパディング識別子が含まれている記録単位ブロックを読み取り、制御部2は、記録単位ブロック内に含まれているパディング識別子に基づいて、その記録単位ブロックに無意味なデータが含まれていることが分かる。
【0054】
図10は、図9に示された記録/再生装置がディスクドライブシステムで具現された細部的な構成図である。ディスクドライブは、記録/読み取り部1としてピックアップ10を備える。ディスク100はピックアップ10に装着されている。また、ディスクドライブは、制御部2としてホストI/F 101、DSP 102、RF AMP 103、サーボ104、システム制御器105及びメモリ106を備える。
【0055】
記録時に、ホストI/F 101は、ホスト(図示せず)から記録するデータと共に記録命令を受ける。システム制御器105は、記録に必要な初期化を行う。DSP 102は、ホストI/F 101から受けた記録するデータをエラー訂正のためにパリティなどの付加データを添加してECCエンコーディングを行い、エラー訂正ブロックであるECCブロックを生成した後に、それをあらかじめ決められた方式に変調する。ここで、ディスク検定を行う場合には、記録単位ブロックに入るデータを無意味なデータで満たし、無意味なデータが含まれていることを示すパディング識別子を添加してECCブロックを作る。RF AMP 103は、DSP 102から出力されたデータをRF信号に変える。ピックアップ10は、RF AMP 103から出力されたRF信号をディスク100に記録する。サーボ104は、システム制御器105からサーボ制御に必要な命令を入力されてピックアップ10をサーボ制御する。
【0056】
特に、本発明に係るシステム制御器105は、ディスク検定のためにディスクに無意味な記録単位ブロックを記録する時、その記録単位ブロックに無意味なデータを満たすだけでなく、その記録単位ブロックに無意味なデータが満たされていることを示すパディング識別子を含めて生成し、それをディスクに記録するように制御する。
【0057】
また、そのようにディスク検定が行われた後に、ディスクで無意味なデータが記録されたアドレスについてデータを記録する場合には、前記記録単位ブロックに入っているパディング識別子から前記記録単位ブロックに無意味なデータが満たされていることを確認して、その記録単位ブロックに入っているデータのエラー訂正が失敗しても、データをread−modify−writeにより記録できる。また、データ記録時に、その記録に関するブロックがディスク検定の結果、欠陥ブロックとして登録された場合には、そのブロックをディスクからreadする必要なしに直ちに記録動作を行う。詳細な説明は後述する。
【0058】
再生時、ホストI/F 101は、ホスト(図示せず)から再生命令を受ける。システム制御器105は、再生に必要な初期化を行う。ピックアップ10は、ディスク100にレーザービームを照射し、ディスク100から反射されたレーザービームを受光して得られた光信号を出力する。RF AMP 103は、ピックアップ10から出力された光信号をRF信号に変えて、RF信号から得られた変調されたデータをDSP 102に提供する一方、RF信号から得られた制御のためのサーボ信号をサーボ104に提供する。DSP 102は、変調されたデータを復調し、ECCエラー訂正を経て得られたデータを出力する。サーボ104は、RF AMP 103から受けたサーボ信号と、システム制御器105から受けたサーボ制御とに必要な命令を受けてピックアップ10についてのサーボ制御を行う。ホストI/F 101は、DSP 102から受けたデータをホストに送る。特に、本発明に係るシステム制御器105は、記録単位ブロックのエラー訂正により記録単位ブロックに入っているパディング識別子を検出した場合に、その該当記録単位ブロックには無意味なデータが入っていることを判別できる。
【0059】
以下で、前記記録/再生装置により行なわれるディスク検定過程を説明する。
【0060】
再記録可能なディスクがドライブシステムに挿入されて空ディスクであると判別されれば、ドライブシステムのシステム制御器105は、ホストの命令またはドライブ製作者の意図によってディスク使用のための初期化を進行する。初期化する過程で、ディスクのデータ領域を含む記録可能領域についてのそれぞれのクラスタについての欠陥状態を把握しようとすれば、システム制御器105は、ディスクのデータ領域を含む記録可能領域のそれぞれのクラスタに00hまたはFFhのような特定値で記録した後に再生し、エラー訂正して、それぞれのクラスタについての欠陥有無を判断する検定過程を行いうる。また、システム制御器105は、使用中にある再記録可能なディスクをホストの命令により再初期化時に、ディスクのデータ領域を含む記録可能領域についてのそれぞれのクラスタについての欠陥状態を再把握しようとするか、または一部特定領域についてのそれぞれのクラスタについての欠陥状態を把握しようとする時に高速検定を行いうる。
【0061】
図11は、本発明によってディスク検定を行う過程を示すフローチャートである。
【0062】
まず、ドライブシステムのシステム制御器は、ディスク検定のために00hまたはFFhより構成された64KバイトデータをECCエンコーディングしてLDSクラスタを生成する(段階111)。
【0063】
そして、システム制御器は、そのクラスタについてのPSNと、他の付加情報を含めてECCエンコーディングしてBISクラスタを生成する(段階112)。その時、そのBISクラスタには、64Kバイトより構成されたLDSクラスタのそれぞれのセクタ(2Kバイト)または64Kバイト全体について無意味なデータで満たされたことを示すパディング情報を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成する。
【0064】
その後、システム制御器は、そのようなLDSクラスタとBISクラスタとをインターリービングしてECC物理クラスタを生成し(段階113)、また、記録のために必要な過程(シンクパターン挿入など)を経て、一つの記録単位ブロックを作って記録媒体の該当するクラスタに記録する(段階114)。
【0065】
次いで、システム制御器は、記録媒体に記録されたクラスタを再生して検定を行う(段階115)。
【0066】
そして、システム制御器は、検定実行の結果、欠陥のあるクラスタについての欠陥情報を記録媒体に記録する(段階116)。
【0067】
そのように、ディスクの記録可能な一部領域または全体について検定を経た後、ホストが検定が行われたクラスタ上にデータを記録しようとすれば、ドライブシステムはホストの記録命令による論理的セクタ番号(Logical Sector Number:LSN)に該当するPSNを探して記録を行う。もし、その時、ホストの記録命令による論理的セクタのサイズがクラスタ(64Kバイト=32セクタ)の倍数でなければ、ホストの命令による開始または終了の一部セクタが記録されるディスク上のクラスタは既に記録された領域であるため(ドライブシステムは、ディスク上に記録されたクラスタ内の有効なデータが記録されているか否かを、BISクラスタを再生してパディング情報を得る前には知らない)、ドライブシステムによって以下で説明するようなRead−Modify−Write過程が行われる。
【0068】
図12は、本発明によってディスク検定後に記録単位ブロックのデータ記録過程を示すフローチャートである。ドライブシステムは、ホストまたはアプリケーションからデータ記録命令を受信する(1201)。ホストまたはアプリケーションは、記録しようとするデータの論理アドレスと共にデータの記録命令を伝送する。
【0069】
システム制御器は、まず、記録命令と共に伝送された記録するデータの論理アドレスに対応する物理アドレスを探し、その物理アドレスが欠陥情報に含まれたアドレスであるかを判断する(段階1202)。
【0070】
データを記録するアドレスが欠陥情報に含まれたアドレスである場合には、記録しようとするアドレスにデータを直ちに書き込む(段階1203)。すなわち、ディスク検定の結果、欠陥情報として登録されたということは、そのアドレスのクラスタが欠陥であるか、または欠陥である可能性が高いということであり、それは、有意味なデータが記録されていないことを示すため、Read−Modify−Writeによって再生して、エラー訂正する必要なしに直ちにそのアドレスにデータを記録すればよい。そのアドレスのクラスタが欠陥であるか、または欠陥である可能性があって、以後再生時に問題が発生する可能性があっても、他のドライブシステムによって正しく再生される可能性もあるため、一旦、その記録しようとするアドレスにデータを記録する。
【0071】
データを記録するアドレスが欠陥情報に含まれたアドレスではない場合には、ディスクの該当物理アドレスから記録単位ブロックを読み取ってメモリに保存する(段階1204)。その時、ドライブシステムは、記録するデータの分量が一つの記録単位ブロックにならない場合にも、そのデータを含む一つの記録単位ブロックを読み取る。例えば、一つの記録単位ブロックが32セクタとすれば、記録するデータの量が16セクタである場合にも、ドライブシステムは、記録する16セクタのデータを含む32セクタの記録単位ブロックをディスクから読み取る。
【0072】
次いで、システム制御器は、メモリに保存した記録単位ブロックのBISクラスタをエラー訂正するように制御する(段階1205)。そのようなBISクラスタのエラー訂正によりシステム制御器は、BISクラスタ内にあるLDSクラスタのそれぞれのセクタまたはLDSクラスタ全体についてのパディング情報が得られる。
【0073】
BISクラスタのエラー訂正が完了すれば、システム制御器は記録単位ブロックのLDSクラスタをエラー訂正するように制御する(段階1206)。
【0074】
次いで、システム制御器は、LDSクラスタのエラー訂正が成功的に行われたかを判断し(段階1207)、成功的にエラー訂正が行われた場合には、一般的な方法によってその記録単位ブロックを処理する。
【0075】
すなわち、その記録単位ブロックに欠陥があるかを判断する(段階1209)。実際には、段階1205のエラー訂正からその記録単位ブロックを欠陥として処理するか否かについて決定されうる。欠陥有無判断の結果、欠陥のない場合には、メモリに保存された記録単位ブロックで記録しようとする位置にデータを更新し、そのデータが記録された記録単位ブロックをディスクに記録する(段階1210)。それは、一般的なRead−Modify−Write過程である。
【0076】
段階1207の欠陥有無判断の結果、欠陥のある場合には、メモリに保存された記録単位ブロックで記録しようとする位置にデータを記録し、そのデータが記録された代替記録単位ブロックをディスクの代替位置に記録する(段階1211)。
【0077】
段階1207でLDSクラスタのエラー訂正が成功しなかった場合には、BISクラスタのエラー訂正の結果、BISクラスタ内のパディング情報に基づいて記録単位ブロックで記録しようとするアドレスにあるデータを除いたデータが無意味なデータであることを確認する(段階1208)。すなわち、本発明の一例により、記録単位ブロックの何れも有意味なデータで満たされることでなく、有意味なデータは、一部のみが満たされ、一つの記録単位ブロックを作るために残りのデータを無意味なパディングデータで満たした場合に、その記録単位ブロックにはそのようなパディングデータに関する情報であるパディング情報を更に記録する。そして、本発明の一例では、そのようなパディング情報をBISクラスタ内に含めることによって、BISクラスタがエラー訂正されれば、システム制御器は、そのようなパディング情報から記録単位ブロックに入っている有意味なデータと無意味なデータとの位置を確認できるようになる。
【0078】
そのような場合、もし、記録単位ブロックで記録しようとする位置のデータを除外したデータが無意味なパディングデータであることが確認されれば、たとえ、LDSクラスタのエラー訂正が失敗しても、システム制御器は、その記録単位ブロックにデータを記録できるようになる。それは、その記録単位ブロックで記録しようとする位置のデータはどうせ上書きされるため、エラー訂正されなくとも関係なく、また、記録しようとする位置のデータ以外のデータが無意味なデータであれば、それもまたエラー訂正される必要がないためである。
【0079】
したがって、そのような場合に、システム制御器はメモリに保存された記録単位ブロックで記録しようとする位置にデータを記録し、記録しようとする位置以外の部分には、無意味なパディングデータをパディングして代替記録単位ブロックを作った後、その代替記録単位ブロックをディスクの代替位置に記録する(段階1211)。すなわち、ホストの記録命令によるデータと残りの部分とは、ドライブシステムがパディングして完全な64Kバイトにして記録する。その時にも同様に、システム制御器によりパディングされたデータは、BISクラスタ内にセクタ別にパディング情報を示す。
【0080】
図13は、LDSクラスタとBISクラスタとのエラー訂正能力を比較したグラフである。ランダムエラーによるBISクラスタとLDSクラスタとのエラー訂正の比較を示す。ランダムエラーの場合に、LDSクラスタよりBISクラスタのエラー訂正能力がはるかに良いことがわかる。図13に示されたように、ランダムエラーについてエラー訂正の差があることはLDSクラスタ=(248,216,33)コードであり、BISクラスタ=(62,30,33)コードであるためである。そのように、そのパリティバイト数は同じであるが、BISクラスタのコードの長さがはるかに短いため、エラー訂正能力の差が図13に示された通りである。
【0081】
バストエラーについてのBISクラスタとLDSクラスタとのエラー訂正の差は次の通りである。LDSクラスタのそれぞれのコードワードは、そのパリティバイト数が32であるため、そのインターリービングされた方式とBISバイトとを利用したイレイザー訂正とで、それぞれのコードワードで最大32バイトを訂正することが可能である。イレイザー訂正は、リードソロモンコードに関してエラー訂正性能を向上させるのに利用される。例えば、内部コードワードのエラー訂正が失敗すれば、そのコードワードにイレイザーフラッグが設定され、そのフラッグを利用して外部コードワードがエラー訂正される。エラー訂正は、位置と値とを知らないエラーに関して行われることを言い、イレイザー訂正は、位置は知っているが、値を知らないエラーに関して行われる。したがって、LDSクラスタは、記録単位ブロック内で最大64記録フレームまで訂正が可能である。それに対し、BISクラスタは、たとえそれぞれのコードワードについてのそのパリティバイト数はLDSコードワードと同じであるが、イレイザー訂正をしないためそれぞれのBISコードワード内で最大16個のエラーバイトを訂正せざるを得ないが、24個のBISコードワードより構成されて全体BISクラスタに均一にインターリービングされているため、記録単位ブロック内で最大128記録フレームまで訂正できる。例えば、LDSクラスタが最大長さ1cmに該当するスクラッチのように、非常に長いエラーについてLDSクラスタ内に発生したエラーを訂正することが可能であれば、BISクラスタは、その2倍である最大2cmに該当するスクラッチのように、非常に長いエラーについてBISクラスタ内に発生したエラーを訂正することが可能である。
【0082】
すなわち、BISクラスタはエラー訂正が可能であり、LDSクラスタはエラー訂正が不可能である場合が頻繁に発生するため、そのような状況で本発明のように、BISクラスタ内にそれぞれのセクタについてのパディング情報を置き、Read−Modify−Writeのうち、Read中にLDSクラスタが欠陥であっても、前記のパディング情報をデータの追加またはアップデートを行えば、ドライブシステムの不要な再試行過程を減らしてドライブシステムの性能向上を図り得る。
【0083】
以上、説明したような記録/再生方法は、また、コンピュータ可読記録媒体にコンピュータ可読コードとして具現できる。コンピュータ可読記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られ得るデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。コンピュータ可読記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置などがあり、また、キャリアウェーブ(例えば、インターネットを介した伝送)の形態で具現されることも含む。また、コンピュータ可読記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータ可読コードが保存され且つ実行されうる。そして、前記記録/再生方法を具現するための機能的なプログラム、コード及びコードセグメントは、本発明が属する技術分野のプログラマにより容易に推論されうる。
【0084】
以上では、本発明についてその好ましい実施例を中心に説明した。当業者ならば、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態で具現されうるということが理解できる。したがって、開示された実施例は限定的な観点でなく、説明的な観点から考慮されねばならない。本発明の範囲は、前記した説明でなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる相違点は本発明に含まれたことと解釈されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、光記録情報保存媒体、光記録媒体にデータを書き込むか、または前記媒体からデータを再生する記録/再生装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0086】
40 記録単位ブロック
41 データブロック
42 アクセスブロック
43 アドレス情報
44 パディング識別子
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク分野に係り、更に具体的には、光記録情報保存媒体、記録/再生方法、記録/再生装置、及びその方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
HD(ハードディスク)、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタルバーサタイル)などの情報保存媒体についてのデータの記録/再生は一定の単位からなる。その単位を記録単位ブロックまたは再生単位ブロックと言う。記録単位ブロックまたは再生単位ブロックの一例としては、記録または再生時に発生するエラーを訂正するためのエラー訂正ブロックがある。
【0003】
エラー訂正ブロックのサイズが64Kバイトであるとすれば、エラー訂正ブロック全体ではない、その一部に該当するサイズのデータ4Kバイトのみを記録しようとする場合、残りの部分、すなわち60Kバイトは00hのような無意味な値で満たされて記録される。
【0004】
ディスクドライブが、その一部のみが有意味なデータを有するエラー訂正ブロックを再生するために、そのエラー訂正ブロックを読み取った後にエラー訂正を行えば、有意味なデータ4Kバイトを含むコードワードは、エラー訂正が可能であるにも拘らず、残りの無意味に満たされたデータ60Kバイトを含むコードワードがエラー訂正ができなくて、エラー訂正ブロックの全体が訂正不能であると判断される。ディスクドライブは、エラー訂正ブロック内にどの部分が有意味なデータであり、どの部分が無意味に満たされたデータであるかを識別できないため、再びエラー訂正または再生を試みるか、または一部の有意味なデータが入っているにもかかわらず、そのエラー訂正ブロックを最終的にエラー処理してしまう問題点がある。そのような状況は、データの再生動作でだけでなく、データの更新動作及びデータの追加動作においても同様に発生する。
【0005】
一方、特許文献1(以下、“インターリービングエンコーディング”)には、インターリービング方式でデータをエンコーディングする技術を開示している。“インターリービングエンコーディング”は、“LDSブロック”と呼ばれるユーザーデータを含むブロックと、“BISブロック”と呼ばれるアドレスデータを含むブロックとを一つの物理クラスタにインターリービングされるように配列して記録し、再生時にはアドレスデータを含むブロックをエラー訂正してからユーザーデータを含むブロックをエラー訂正する。図1を参照して前記“インターリービングエンコーディング”を簡略に紹介する。
【0006】
図1は、従来技術に係りインターリービング方式によりデータをエンコーディングする概念を説明するための参考図である。ホストまたはアプリケーションなどのソースから受信されたユーザーデータ11は、2048+4バイトよりそれぞれ構成されたデータフレームに分けられる。そのようなユーザーデータは、304カラムと216ローで配列されたデータブロック12を形成する。次いで、データブロック12に32ローパリティを付加することでLDS(ロングディスタンス)ブロック13が形成される。そして、そのようなLDSブロック13は、152カラムと496ローで配列されてECCクラスタ14を構成する。そのようなECCクラスタ14は、物理クラスタブロック20のECC部分に分散されて満たされる。
【0007】
記録システムにより合わせられた論理アドレスと制御データ15とは32*18バイトで配列される。媒体上の物理的な位置と関連した物理アドレス16は16*9バイトに配列される。論理アドレス+制御データ15と物理アドレス16とが結合して24カラム*30ローのアクセスブロック17を形成する。次いで、アクセスブロック17に32ローのパリティが付加されてBISブロック18を形成する。そのようなBIS(バーストインジケータサブコード)ブロック18が、3カラムと496ローのBISクラスタ19で配列される。そのようなBISクラスタ19が物理クラスタブロック20のBISカラムに分散されて満たされる。そして、そのような物理クラスタブロック20に1カラムの同期化ビットグループが付加されて155カラム*496ローの物理クラスタが形成される。そのように、インターリービング方式によりデータを配列することでエラー訂正能力を向上させる。
【0008】
一方、記録可能情報保存媒体においてディスク上にデータを記録しようとする場合、ドライブシステムは、記録単位であるクラスタ単位で記録する。例えば、クラスタが32個のセクタより構成されていると仮定する場合に、もし、記録されるべきセクタのサイズが32の倍数でなければ、ドライブシステムは、クラスタ単位を合わせるために無意味な一部のセクタをパディングして、クラスタの倍数単位にして記録する。
【0009】
また、既に記録されたクラスタにデータを追加またはアップデートしようとする場合において、クラスタの単位ではない(すなわち、32セクタではない)一部のセクタ、例えば、16セクタを記録する場合にも、ドライブシステムは追加またはアップデートする16セクタを含む32セクタより構成されたクラスタをディスク21から読み取って内部メモリに保存する。そして、そのクラスタをエラー訂正した後に追加またはアップデートしようとする16セクタを内部メモリで該当する位置に修正した後、残りの16セクタと共に一つのECCクラスタにエンコーディングして記録する。そのような過程を“Read−Modify−Write”という。そのような過程が図2に示されている。もちろん、記録可能情報保存媒体において、前記クラスタの再生過程で前記クラスタが欠陥でなければ、同じ物理アドレスにクラスタを記録し、欠陥であれば、具現された欠陥管理方法により代替クラスタに記録される。追記型情報記録媒体においては、1回のみを記録できるという特性から欠陥処理により代替クラスタに記録される。
【0010】
前記した“インターリービングエンコーディング”技術でのようなデータ構造下で、16セクタを既に記録されたクラスタに追加またはアップデートする動作を更に具体的に説明する。前記16セクタを追加またはアップデートするためにRead−Modify−Write過程でReadする間に、ディスクから記録/再生単位クラスタのデータを読み取って内部メモリに保存する。そして、先ずBISクラスタをエラー訂正した後、32セクタのデータのためのLDSクラスタをエラー訂正する。その時、LDSクラスタのエラー訂正が成功しなかった場合、追加またはアップデートしようとする16セクタを除外した残りの記録されている16セクタを再生できないため、追加またはアップデートしようとするデータを記録するのに問題が発生する。それは、追加またはアップデートしようとする16セクタを除外した残りの16セクタに有効なデータが入っていることもあり、完全にエラー訂正せねばならないためである。したがって、そのような場合に、前記16セクタについてのデータの有効性如何を知らないならば、ドライブシステムは前記ディスク上のクラスタに再び接近して再生のために再試行するか、そのような再試行にもかかわらず前記クラスタを再生できないならば、エラーメッセージをホストに報告せねばならない。したがって、そのような状況で無用なドライブシステムの動作が不回避に発生するしかない。
【0011】
また、そのような場合に、もし、ドライブシステムが追加またはアップデートしようとする16セクタを除外した残りの16セクタについてのデータの有効性如何が分かれば、そして、前記残りの16セクタについてのデータが有効ではないということが分かれば、ドライブシステムは不要に再生を再試行するか、またはホストにエラーメッセージを報告する必要なしに、追加またはアップデートしようとする16セクタに新たなデータを追加または更新できる。しかし、前記残りの16セクタの有効性如何を知らないため、ドライブシステムはそれをエラー処理する確率が高くなり、したがって、エラー訂正能力は結果的に落ちると言える。
【0012】
一方、ドライブシステムは、ディスクの欠陥有無を確認するためにディスク検定を行う。ディスク検定とは、ディスク使用のための初期化時点で全体ディスクの欠陥状態を把握するために、またはディスクの使用中にディスクを初めから再び使用するための再初期化時点で全体ディスクの欠陥状態を再び把握するために、またはディスク使用中、必要時に特定領域についての欠陥状態を把握するために、ドライブシステムが、ドライブシステムが知っている所定の値(00hまたはFFh)でクラスタ全体をパディングして、検定しようとするクラスタ位置に記録した後に再生してクラスタの欠陥有無を確認する過程をいう。そして、ドライブシステムは、そのような検定実行の結果を反映してクラスタについての欠陥情報をアップデートする。
【0013】
図3は、従来技術に係りディスク検定を説明するための参考図である。リ―ドイン領域31と、データ領域32と、リ―ドアウト領域33からなるディスク30全体を検定した場合に、ディスクのデータ領域が、例えば何れも“0”で満たされていることが図示されている。
【0014】
そのように、ディスクの一部または全体の欠陥状態を把握するために検定を行ってからは、少なくとも検定を行った領域は既に記録された領域であるため、以後その領域にデータを記録しようとする場合、ドライブシステムはその領域が既に記録された領域であるということをRF信号から分かる。したがって、32セクタからなるクラスタの一部である16セクタを、既に記録されたクラスタに追加またはアップデートしようとする場合に“Read−Modify−Write”過程を必要とする。“Read−Modify−Write”過程でReadする間にドライブシステムは、ディスクから記録/再生単位クラスタ内にあるデータを読み取って内部メモリに保存し、まずBISクラスタをエラー訂正した後に32セクタのデータのためのLDSクラスタをエラー訂正する。その時、LDSクラスタをエラー訂正できない場合、追加またはアップデートしようとする16セクタを除外した残りの記録されている16セクタを再生できないため、追加またはアップデートしようとするデータを記録するのに難しさが発生する。したがって、ドライブシステムは、前記ディスク上のクラスタに再び接近して再生のために再試行することもあり、そのような再試行にもかかわらず前記クラスタを再生できなければ、エラーメッセージをホストに報告することもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第6,367,049号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、前記問題点を解決してディスク検定により記録された記録単位ブロックに入っているデータの無意味性如何を確認することで、データ記録時に無用なドライブシステムの動作を防止し、エラー訂正能力を向上させうる光記録情報保存媒体、記録/再生方法、記録/再生装置、及びその方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
前記のような課題を解決するための本発明の一つの特徴は、光記録情報保存媒体において、前記媒体の一部または全部についてのディスク検定のためにディスク検定のための無意味なデータと、前記データが無意味なデータであることを知らせるパディング識別子を含む記録/再生単位ブロックが記録されることである。
【0018】
前記記録/再生単位ブロックは、前記無意味なデータを含むデータブロックと、前記データをアクセスするためのアクセスブロックとからなり、前記アクセスブロックは、前記データブロック内のデータのアドレス情報と前記パディング識別子とを含むことが好ましい。
【0019】
前記記録/再生単位ブロックは、LDSクラスタとBISクラスタとからなる物理クラスタであり、前記BISクラスタは、前記LDSクラスタ内のデータのアドレス情報と、前記パディング識別子を含むダミーバイトとを含むことが好ましい。
【0020】
前記パディング識別子は、2セクタについてのパディング情報を示すか、または前記パディング識別子は、1クラスタについてのパディング情報を示しうる。
【0021】
本発明の他の特徴は、データ記録/再生方法において、記録媒体の一部または全部についてのディスク検定のためにディスク検定のための無意味なデータと、前記データが無意味なデータであることを知らせるパディング識別子とを含む記録/再生単位ブロックを記録媒体に記録する段階を含むことである。
【0022】
前記記録/再生方法は、前記記録媒体に記録された前記記録/再生単位ブロックを再生して検定を行う段階と、検定実行の結果、前記記録/再生単位ブロックについての欠陥情報を前記記録媒体に記録する段階とを含む。
【0023】
前記記録/再生方法は、前記記録/再生単位ブロックに前記無意味なデータが含んでいることを知らせる前記パディング識別子に基づいて、前記記録/再生単位ブロックのデータのエラー訂正に関係なく前記記録/再生単位ブロックにデータを記録する段階を更に含む。
【0024】
前記記録/再生方法は、前記検定実行の結果、欠陥ブロックに登録された記録/再生単位ブロックについてデータ記録命令を受信した場合には、Read−Modify−Write動作なしに直ちに前記記録/再生単位ブロックにデータを記録する段階を更に含むことが好ましい。
【0025】
本発明の更に他の特徴は、記録/再生方法において、記録媒体のディスク検定のための無意味なデータを含むLDSクラスタを生成する段階と、前記LDSクラスタが無意味なデータで満たされたことを示すパディング識別子を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成する段階と、前記LDSクラスタと前記BISクラスタとを結合した物理クラスタを前記記録媒体に記録する段階と、前記記録媒体に記録された前記物理クラスタを再生して検定を行う段階と、前記検定実行の結果を欠陥情報として前記記録媒体に記録する段階とを含むことである。
【0026】
本発明の更に他の特徴は、記録/再生装置において、記録媒体にデータを書き込むか、または前記記録媒体からデータを読み取る書き込み/読み取リ部と、前記媒体の一部または全部についてのディスク検定のためにディスク検定のための無意味なデータと、前記データが無意味なデータであることを知らせるパディング識別子を含む記録/再生単位ブロックを前記記録媒体に記録するように前記記録/読み取り部を制御する制御部とを含むことである。
【0027】
本発明の更に他の特徴は、記録/再生装置において、記録媒体にデータを書き込むか、または前記記録媒体からデータを読み取る書き込み/読み取リ部と、前記媒体のディスク検定のための無意味なデータを含むLDSクラスタ、及び前記LDSクラスタが無意味なデータで満たされたことを示すパディング識別子を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成し、前記LDSクラスタと前記BISクラスタとを結合した物理クラスタを前記記録媒体に記録するように前記記録/読み取り部を制御し、前記記録媒体に記録された前記物理クラスタを再生して検定を行い、前記検定実行の結果を欠陥情報として前記記録媒体に記録するように前記記録/読み取り部を制御する制御部とを含むことである。
【0028】
本発明の更に他の特徴は、データ記録/再生方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記記録/再生方法は、前記媒体の一部または全部についてのディスク検定のために、ディスク検定のための無意味なデータと、前記データが無意味なデータであることを知らせるパディング識別子とを含む記録/再生単位ブロックを記録媒体に記録する段階を含むことである。
【0029】
本発明の更に他の特徴は、記録/再生方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記記録/再生方法は、前記媒体のディスク検定のための無意味なデータを含むLDSクラスタを生成する段階と、前記LDSクラスタが無意味なデータで満たされたことを示すパディング識別子を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成する段階と、前記LDSクラスタと前記BISクラスタとを結合した物理クラスタを前記記録媒体に記録する段階と、前記記録媒体に記録された前記物理クラスタを再生して検定を行う段階と、前記検定実行の結果を欠陥情報として前記記録媒体に記録する段階とを含むことである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、ディスクの検定により記録された記録単位ブロック内に含まれた無意味なデータに関する情報をあらかじめ確認してデータの記録動作を行うことで、ドライブシステムの不要な再試行過程を減らしてドライブシステムの性能向上を図り得る。また、実際的に処理できるデータ記録動作をエラーとして報告しないことによって、結果的にエラー訂正能力を向上させうる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】従来技術に係りインターリービング方式によってデータをエンコーディングする概念を説明するための参考図である。
【図2】従来技術に係り“Read−Modify−Write”を説明するための参考図である。
【図3】従来技術に係りディスク検定を説明するための参考図である。
【図4】本発明に係りディスクの検定時にパディング識別子が挿入される記録単位ブロックを示す図である。
【図5】本発明に係りディスクの検定時にパディング識別子が挿入される再生単位ブロックを示す図である。
【図6】本発明に係りパディング情報が挿入されたBISクラスタの構造の一例を説明するための参考図である。
【図7】図6に示された各物理的セクタが2セクタについてのパディング情報を含んでいることを示す細部的な構造図の一例である。
【図8】図6に示された物理的セクタが1クラスタについてのパディング情報を含んでいることを示す細部的な構造図の他の例である。
【図9】本発明に係る記録/再生装置の概略的な構成図である。
【図10】図9に示された記録/再生装置の細部的な構成図である。
【図11】本発明に係りディスク検定を行う過程を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係りディスク検定後に記録単位ブロックのデータ記録過程を示すフローチャートである。
【図13】LDSクラスタとBISクラスタとのエラー訂正能力を比較したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下で、添付された図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0033】
本発明が前記のような問題点を解決するために鑑みたことは、ディスク検定のための記録単位ブロックをディスクに記録する時、その記録単位ブロックに無意味なデータが入っているということを示すパディング識別子をその記録単位ブロックに含めて記録しようとすることである。そのように、パディング識別子を記録単位ブロックに入れることで、以後にその記録単位ブロックにデータを記録する場合、その記録単位ブロックのエラー訂正が成功しなくても、その記録単位ブロックに入っているパディング識別子を確認して、その記録単位ブロックには無意味なデータがあることを判別することで、read−modify−writeによりデータを記録できるようになる。以下の説明では主に記録単位ブロックで説明されるが、再生単位ブロックにも同じく適用されうる。
【0034】
まず、本発明に係りディスクの検定時にディスクに記録されるパディング識別子が挿入された記録単位ブロックについて説明する。
【0035】
図4は、本発明に係りディスクの検定時にパディング識別子が挿入される記録単位ブロックを示す。本発明に係りディスクの検定時に記録される記録単位ブロック40は、無意味なデータが入っているデータブロック41と、そのデータブロック41のデータをアクセスするためのアクセスブロック42とを含む。図4に示された例では、無意味なデータブロック41に入っている無意味なデータを“00h”として示したが、それに限定されるものではなく、“FFh”またはその他の値になってもよい。
【0036】
アクセスブロック42は、データブロック41のデータのアドレス情報43と、そのデータブロック41に入っているデータが無意味なデータであることを表示するためのパディング識別子44とを含む。ドライブシステムがその記録単位ブロック40をアクセスする場合に、ドライブシステムはまずアクセスブロック42を読み取ってパディング識別子44を確認することで、その記録単位ブロックに入っているデータが無意味なデータであることが分かる。
【0037】
図5は、本発明に係りディスクの検定時にパディング識別子が挿入される再生単位ブロックを示す。本発明に係りディスクの検定時に記録される再生単位ブロック50は、無意味なデータが入っているデータブロック51と、そのデータブロック51のデータをアクセスするためのアクセスブロック52とを含む。図5に示された例では、無意味なデータブロック51に入っている無意味なデータを“FFh”として示している。しかし、そのような無意味なデータの値としては“00h”になってもよく、その他の値になってもよい。
【0038】
アクセスブロック52は、データブロック51のデータのアドレス情報53と、そのデータブロック51に入っているデータが無意味なデータであることを表示するためのパディング識別子54とを含む。ドライブシステムがその再生単位ブロック50をアクセスする場合に、ドライブシステムは、まずアクセスブロック52を読み取ってパディング識別子54を確認することで、その記録単位ブロックに入っているデータが無意味なデータであることが分かる。
【0039】
以下では、本発明に係るパディング識別子がLDSクラスタとBISクラスタとからなる物理クラスタに適用された例を説明する。
【0040】
図6は、本発明に係りパディング情報が挿入されたBISクラスタの構造の一例を説明するための参考図である。図6に示されたデータ構造は、本発明に係るパディング識別子が“インターリービングエンコーディング”技術で開示されたようなデータ構造に適用された場合の一例を示す。しかし、本発明に係る“パディング識別子”が適用されうるデータ構造及びシステムは、記録単位ブロックに入っているユーザーデータとパディング識別子とが別途にECCエンコーディングされ、ユーザーデータがエラー訂正される前にパディング情報が先にエラー訂正されるデータ構造及びシステムであれば充分であり、図6に例示されたような“インターリービングのコーディング”技術によるシステム及び構造は、説明の便宜のために例示したものであり、その一例に該当されるということを明らかにする。
【0041】
図示されていないが、ECCクラスタを形成するユーザーデータの一部または全部にディスク検定のための無意味なデータがパディングされる。そして、そのような無意味なデータに関する情報であるパディング情報が、BISクラスタ60を形成する物理的アドレス62の一部に挿入される。
【0042】
すなわち、図6を参照するに、物理的アドレス62は、物理的セクタ0から物理的セクタ15まで総16個の物理的セクタについてのアドレス情報を有している。各物理的セクタについての情報は9バイトからなる。すなわち、9バイトからなる各物理的セクタについての情報は、4バイトのアドレス情報63と、1バイトのパディング情報64と、4バイトのパリティ65とを含む。すなわち、BISクラスタ内には、ディスク上に記録されたクラスタ内に同じ間隔を有する16個の物理的セクタ番号(Physicl Sector Number:以下、PSN)が保存されているが、そのようなそれぞれのPSNはアドレスのための4バイトとダミー1バイトより構成されており、記録時に(9,5,5)コードにエンコーディングされてBISクラスタ内に保存される。
【0043】
アドレス情報63は、該当物理的セクタについてのアドレスを表し、パディング情報64は、その該当物理的セクタに入っているデータが無意味なデータであることを表示するための情報であり、パリティ65は、アドレス情報63やパディング情報64をエラー訂正するためのパリティ値を示す。
【0044】
図7及び図8を参照してパディング情報を更に具体的に説明する。
【0045】
図7は、図6に示された各物理的セクタが、2セクタについてのパディング情報を含んでいることを示す細部的な構造図の一例である。1バイトより構成されたパディング情報64はダミーバイトであって、8ビットのうち、下位2ビット(b0、b1)を利用して2セクタについてのパディング情報を示すパディング識別子として利用できる。
【0046】
BISクラスタ内には、ディスク上に記録されたクラスタ内に同じ間隔を有する16個のPSNが保存されているが、そのようなそれぞれのPSNは、アドレスのための4バイトとダミー1byteより構成されており、記録時に(9,5,5)コードにエンコーディングされてBISクラスタ内に保存される。
【0047】
もし、検定による物理クラスタ内のLDSクラスタのそれぞれのセクタについてのパディング情報のためには、一つのクラスタが64Kバイト=32セクタであるため、1クラスタ当り32ビットのパディング情報が要求される。その場合、1クラスタに16個のPSNがあるため、それぞれのPSN内のダミーバイト内に2ビットずつ割り当てれば、全体64Kバイト=32セクタLDSクラスタのそれぞれのセクタにパディング情報を示しうる。すなわち、一つのPSN内のダミーバイト内の2ビットが、2セクタについてのパディング情報を示す。
【0048】
図8は、図6に示された物理的セクタが、1クラスタについてのパディング情報を含んでいることを示す細部的な構造図の他の例である。1バイトより構成されたパディング情報64はダミーバイトであって、8ビットのうち、下位から3番目のビットb2を利用して1クラスタについてのパディング情報を示すパディング識別子として利用できる。
【0049】
もし、検定によるクラスタ内のLDSクラスタ全体がドライブシステムによりパディングされたということを示すには、クラスタ当り1ビットのパディング情報のみでも充分である。したがって、図8に示されたように、ダミーバイト内のある1ビット67を利用してクラスタ全体についてのパディング情報を示しうる。
【0050】
パディング情報は、ECCクラスタ内に入っている各セクタまたは全体クラスタについて無意味な情報が入っていることを表示する。そのように、BISクラスタに入っているセクタ単位のパディング情報を利用して、ドライブシステムは、Read−Modify−Write動作のRead過程中に追加またはアップデートしようとするセクタについてのデータの無意味性を把握することで、たとえ前記ECCクラスタのLDSクラスタがエラー訂正され得ないとしても、クラスタについての追加またはアップデート動作を行いうる。
【0051】
図9は、本発明に係る記録/再生装置の概略的な構成図である。本実施例に係る装置は、記録または再生が可能な装置であって、記録/読み取り部1及び制御部2を含む。記録/読み取り部1は、制御部2の制御によって、本実施例に係る情報保存媒体のディスク100にデータを書き込み、書き込まれたデータを再生するためにデータを読み取る。制御部2は、本発明によってデータを所定記録単位ブロックで記録するように記録/読み取り部1を制御するか、または記録/読み取り部1により読み取られたデータを処理して有効なデータを得る。再生は、読み取ったデータをエラー訂正して有効なデータを得ることを意味し、所定単位で行われる。再生が実行される単位を、記録単位ブロックに対応して再生単位ブロックという。再生単位ブロックは、少なくとも一つの記録単位ブロックに対応する。
【0052】
記録時に、制御部2は、記録単位ブロックを全部満たせない量のデータをディスク100に記録する場合、一部には有効なデータが含まれており、残りには有効ではないデータをパディングして、一定のサイズを有する記録単位ブロックに作った後にそれを記録する。特に、本発明に係る制御部2は、ディスク検定のために記録単位ブロックをディスク100に記録する時に、その記録単位ブロック内に含まれているデータが無意味なデータであることを示すパディング識別子をその記録単位ブロックに含めてディスク100に記録する。本発明に係るそのようなパディング識別子は、セクタ別に無意味なデータが入っていることを示すこともあり、1クラスタ別に無意味なデータが入っていることを示すこともある。詳細な説明は後述する。
【0053】
再生時に、記録/読み取り部1は、ディスク100からパディング識別子が含まれている記録単位ブロックを読み取り、制御部2は、記録単位ブロック内に含まれているパディング識別子に基づいて、その記録単位ブロックに無意味なデータが含まれていることが分かる。
【0054】
図10は、図9に示された記録/再生装置がディスクドライブシステムで具現された細部的な構成図である。ディスクドライブは、記録/読み取り部1としてピックアップ10を備える。ディスク100はピックアップ10に装着されている。また、ディスクドライブは、制御部2としてホストI/F 101、DSP 102、RF AMP 103、サーボ104、システム制御器105及びメモリ106を備える。
【0055】
記録時に、ホストI/F 101は、ホスト(図示せず)から記録するデータと共に記録命令を受ける。システム制御器105は、記録に必要な初期化を行う。DSP 102は、ホストI/F 101から受けた記録するデータをエラー訂正のためにパリティなどの付加データを添加してECCエンコーディングを行い、エラー訂正ブロックであるECCブロックを生成した後に、それをあらかじめ決められた方式に変調する。ここで、ディスク検定を行う場合には、記録単位ブロックに入るデータを無意味なデータで満たし、無意味なデータが含まれていることを示すパディング識別子を添加してECCブロックを作る。RF AMP 103は、DSP 102から出力されたデータをRF信号に変える。ピックアップ10は、RF AMP 103から出力されたRF信号をディスク100に記録する。サーボ104は、システム制御器105からサーボ制御に必要な命令を入力されてピックアップ10をサーボ制御する。
【0056】
特に、本発明に係るシステム制御器105は、ディスク検定のためにディスクに無意味な記録単位ブロックを記録する時、その記録単位ブロックに無意味なデータを満たすだけでなく、その記録単位ブロックに無意味なデータが満たされていることを示すパディング識別子を含めて生成し、それをディスクに記録するように制御する。
【0057】
また、そのようにディスク検定が行われた後に、ディスクで無意味なデータが記録されたアドレスについてデータを記録する場合には、前記記録単位ブロックに入っているパディング識別子から前記記録単位ブロックに無意味なデータが満たされていることを確認して、その記録単位ブロックに入っているデータのエラー訂正が失敗しても、データをread−modify−writeにより記録できる。また、データ記録時に、その記録に関するブロックがディスク検定の結果、欠陥ブロックとして登録された場合には、そのブロックをディスクからreadする必要なしに直ちに記録動作を行う。詳細な説明は後述する。
【0058】
再生時、ホストI/F 101は、ホスト(図示せず)から再生命令を受ける。システム制御器105は、再生に必要な初期化を行う。ピックアップ10は、ディスク100にレーザービームを照射し、ディスク100から反射されたレーザービームを受光して得られた光信号を出力する。RF AMP 103は、ピックアップ10から出力された光信号をRF信号に変えて、RF信号から得られた変調されたデータをDSP 102に提供する一方、RF信号から得られた制御のためのサーボ信号をサーボ104に提供する。DSP 102は、変調されたデータを復調し、ECCエラー訂正を経て得られたデータを出力する。サーボ104は、RF AMP 103から受けたサーボ信号と、システム制御器105から受けたサーボ制御とに必要な命令を受けてピックアップ10についてのサーボ制御を行う。ホストI/F 101は、DSP 102から受けたデータをホストに送る。特に、本発明に係るシステム制御器105は、記録単位ブロックのエラー訂正により記録単位ブロックに入っているパディング識別子を検出した場合に、その該当記録単位ブロックには無意味なデータが入っていることを判別できる。
【0059】
以下で、前記記録/再生装置により行なわれるディスク検定過程を説明する。
【0060】
再記録可能なディスクがドライブシステムに挿入されて空ディスクであると判別されれば、ドライブシステムのシステム制御器105は、ホストの命令またはドライブ製作者の意図によってディスク使用のための初期化を進行する。初期化する過程で、ディスクのデータ領域を含む記録可能領域についてのそれぞれのクラスタについての欠陥状態を把握しようとすれば、システム制御器105は、ディスクのデータ領域を含む記録可能領域のそれぞれのクラスタに00hまたはFFhのような特定値で記録した後に再生し、エラー訂正して、それぞれのクラスタについての欠陥有無を判断する検定過程を行いうる。また、システム制御器105は、使用中にある再記録可能なディスクをホストの命令により再初期化時に、ディスクのデータ領域を含む記録可能領域についてのそれぞれのクラスタについての欠陥状態を再把握しようとするか、または一部特定領域についてのそれぞれのクラスタについての欠陥状態を把握しようとする時に高速検定を行いうる。
【0061】
図11は、本発明によってディスク検定を行う過程を示すフローチャートである。
【0062】
まず、ドライブシステムのシステム制御器は、ディスク検定のために00hまたはFFhより構成された64KバイトデータをECCエンコーディングしてLDSクラスタを生成する(段階111)。
【0063】
そして、システム制御器は、そのクラスタについてのPSNと、他の付加情報を含めてECCエンコーディングしてBISクラスタを生成する(段階112)。その時、そのBISクラスタには、64Kバイトより構成されたLDSクラスタのそれぞれのセクタ(2Kバイト)または64Kバイト全体について無意味なデータで満たされたことを示すパディング情報を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成する。
【0064】
その後、システム制御器は、そのようなLDSクラスタとBISクラスタとをインターリービングしてECC物理クラスタを生成し(段階113)、また、記録のために必要な過程(シンクパターン挿入など)を経て、一つの記録単位ブロックを作って記録媒体の該当するクラスタに記録する(段階114)。
【0065】
次いで、システム制御器は、記録媒体に記録されたクラスタを再生して検定を行う(段階115)。
【0066】
そして、システム制御器は、検定実行の結果、欠陥のあるクラスタについての欠陥情報を記録媒体に記録する(段階116)。
【0067】
そのように、ディスクの記録可能な一部領域または全体について検定を経た後、ホストが検定が行われたクラスタ上にデータを記録しようとすれば、ドライブシステムはホストの記録命令による論理的セクタ番号(Logical Sector Number:LSN)に該当するPSNを探して記録を行う。もし、その時、ホストの記録命令による論理的セクタのサイズがクラスタ(64Kバイト=32セクタ)の倍数でなければ、ホストの命令による開始または終了の一部セクタが記録されるディスク上のクラスタは既に記録された領域であるため(ドライブシステムは、ディスク上に記録されたクラスタ内の有効なデータが記録されているか否かを、BISクラスタを再生してパディング情報を得る前には知らない)、ドライブシステムによって以下で説明するようなRead−Modify−Write過程が行われる。
【0068】
図12は、本発明によってディスク検定後に記録単位ブロックのデータ記録過程を示すフローチャートである。ドライブシステムは、ホストまたはアプリケーションからデータ記録命令を受信する(1201)。ホストまたはアプリケーションは、記録しようとするデータの論理アドレスと共にデータの記録命令を伝送する。
【0069】
システム制御器は、まず、記録命令と共に伝送された記録するデータの論理アドレスに対応する物理アドレスを探し、その物理アドレスが欠陥情報に含まれたアドレスであるかを判断する(段階1202)。
【0070】
データを記録するアドレスが欠陥情報に含まれたアドレスである場合には、記録しようとするアドレスにデータを直ちに書き込む(段階1203)。すなわち、ディスク検定の結果、欠陥情報として登録されたということは、そのアドレスのクラスタが欠陥であるか、または欠陥である可能性が高いということであり、それは、有意味なデータが記録されていないことを示すため、Read−Modify−Writeによって再生して、エラー訂正する必要なしに直ちにそのアドレスにデータを記録すればよい。そのアドレスのクラスタが欠陥であるか、または欠陥である可能性があって、以後再生時に問題が発生する可能性があっても、他のドライブシステムによって正しく再生される可能性もあるため、一旦、その記録しようとするアドレスにデータを記録する。
【0071】
データを記録するアドレスが欠陥情報に含まれたアドレスではない場合には、ディスクの該当物理アドレスから記録単位ブロックを読み取ってメモリに保存する(段階1204)。その時、ドライブシステムは、記録するデータの分量が一つの記録単位ブロックにならない場合にも、そのデータを含む一つの記録単位ブロックを読み取る。例えば、一つの記録単位ブロックが32セクタとすれば、記録するデータの量が16セクタである場合にも、ドライブシステムは、記録する16セクタのデータを含む32セクタの記録単位ブロックをディスクから読み取る。
【0072】
次いで、システム制御器は、メモリに保存した記録単位ブロックのBISクラスタをエラー訂正するように制御する(段階1205)。そのようなBISクラスタのエラー訂正によりシステム制御器は、BISクラスタ内にあるLDSクラスタのそれぞれのセクタまたはLDSクラスタ全体についてのパディング情報が得られる。
【0073】
BISクラスタのエラー訂正が完了すれば、システム制御器は記録単位ブロックのLDSクラスタをエラー訂正するように制御する(段階1206)。
【0074】
次いで、システム制御器は、LDSクラスタのエラー訂正が成功的に行われたかを判断し(段階1207)、成功的にエラー訂正が行われた場合には、一般的な方法によってその記録単位ブロックを処理する。
【0075】
すなわち、その記録単位ブロックに欠陥があるかを判断する(段階1209)。実際には、段階1205のエラー訂正からその記録単位ブロックを欠陥として処理するか否かについて決定されうる。欠陥有無判断の結果、欠陥のない場合には、メモリに保存された記録単位ブロックで記録しようとする位置にデータを更新し、そのデータが記録された記録単位ブロックをディスクに記録する(段階1210)。それは、一般的なRead−Modify−Write過程である。
【0076】
段階1207の欠陥有無判断の結果、欠陥のある場合には、メモリに保存された記録単位ブロックで記録しようとする位置にデータを記録し、そのデータが記録された代替記録単位ブロックをディスクの代替位置に記録する(段階1211)。
【0077】
段階1207でLDSクラスタのエラー訂正が成功しなかった場合には、BISクラスタのエラー訂正の結果、BISクラスタ内のパディング情報に基づいて記録単位ブロックで記録しようとするアドレスにあるデータを除いたデータが無意味なデータであることを確認する(段階1208)。すなわち、本発明の一例により、記録単位ブロックの何れも有意味なデータで満たされることでなく、有意味なデータは、一部のみが満たされ、一つの記録単位ブロックを作るために残りのデータを無意味なパディングデータで満たした場合に、その記録単位ブロックにはそのようなパディングデータに関する情報であるパディング情報を更に記録する。そして、本発明の一例では、そのようなパディング情報をBISクラスタ内に含めることによって、BISクラスタがエラー訂正されれば、システム制御器は、そのようなパディング情報から記録単位ブロックに入っている有意味なデータと無意味なデータとの位置を確認できるようになる。
【0078】
そのような場合、もし、記録単位ブロックで記録しようとする位置のデータを除外したデータが無意味なパディングデータであることが確認されれば、たとえ、LDSクラスタのエラー訂正が失敗しても、システム制御器は、その記録単位ブロックにデータを記録できるようになる。それは、その記録単位ブロックで記録しようとする位置のデータはどうせ上書きされるため、エラー訂正されなくとも関係なく、また、記録しようとする位置のデータ以外のデータが無意味なデータであれば、それもまたエラー訂正される必要がないためである。
【0079】
したがって、そのような場合に、システム制御器はメモリに保存された記録単位ブロックで記録しようとする位置にデータを記録し、記録しようとする位置以外の部分には、無意味なパディングデータをパディングして代替記録単位ブロックを作った後、その代替記録単位ブロックをディスクの代替位置に記録する(段階1211)。すなわち、ホストの記録命令によるデータと残りの部分とは、ドライブシステムがパディングして完全な64Kバイトにして記録する。その時にも同様に、システム制御器によりパディングされたデータは、BISクラスタ内にセクタ別にパディング情報を示す。
【0080】
図13は、LDSクラスタとBISクラスタとのエラー訂正能力を比較したグラフである。ランダムエラーによるBISクラスタとLDSクラスタとのエラー訂正の比較を示す。ランダムエラーの場合に、LDSクラスタよりBISクラスタのエラー訂正能力がはるかに良いことがわかる。図13に示されたように、ランダムエラーについてエラー訂正の差があることはLDSクラスタ=(248,216,33)コードであり、BISクラスタ=(62,30,33)コードであるためである。そのように、そのパリティバイト数は同じであるが、BISクラスタのコードの長さがはるかに短いため、エラー訂正能力の差が図13に示された通りである。
【0081】
バストエラーについてのBISクラスタとLDSクラスタとのエラー訂正の差は次の通りである。LDSクラスタのそれぞれのコードワードは、そのパリティバイト数が32であるため、そのインターリービングされた方式とBISバイトとを利用したイレイザー訂正とで、それぞれのコードワードで最大32バイトを訂正することが可能である。イレイザー訂正は、リードソロモンコードに関してエラー訂正性能を向上させるのに利用される。例えば、内部コードワードのエラー訂正が失敗すれば、そのコードワードにイレイザーフラッグが設定され、そのフラッグを利用して外部コードワードがエラー訂正される。エラー訂正は、位置と値とを知らないエラーに関して行われることを言い、イレイザー訂正は、位置は知っているが、値を知らないエラーに関して行われる。したがって、LDSクラスタは、記録単位ブロック内で最大64記録フレームまで訂正が可能である。それに対し、BISクラスタは、たとえそれぞれのコードワードについてのそのパリティバイト数はLDSコードワードと同じであるが、イレイザー訂正をしないためそれぞれのBISコードワード内で最大16個のエラーバイトを訂正せざるを得ないが、24個のBISコードワードより構成されて全体BISクラスタに均一にインターリービングされているため、記録単位ブロック内で最大128記録フレームまで訂正できる。例えば、LDSクラスタが最大長さ1cmに該当するスクラッチのように、非常に長いエラーについてLDSクラスタ内に発生したエラーを訂正することが可能であれば、BISクラスタは、その2倍である最大2cmに該当するスクラッチのように、非常に長いエラーについてBISクラスタ内に発生したエラーを訂正することが可能である。
【0082】
すなわち、BISクラスタはエラー訂正が可能であり、LDSクラスタはエラー訂正が不可能である場合が頻繁に発生するため、そのような状況で本発明のように、BISクラスタ内にそれぞれのセクタについてのパディング情報を置き、Read−Modify−Writeのうち、Read中にLDSクラスタが欠陥であっても、前記のパディング情報をデータの追加またはアップデートを行えば、ドライブシステムの不要な再試行過程を減らしてドライブシステムの性能向上を図り得る。
【0083】
以上、説明したような記録/再生方法は、また、コンピュータ可読記録媒体にコンピュータ可読コードとして具現できる。コンピュータ可読記録媒体は、コンピュータシステムによって読み取られ得るデータが保存されるあらゆる種類の記録装置を含む。コンピュータ可読記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ保存装置などがあり、また、キャリアウェーブ(例えば、インターネットを介した伝送)の形態で具現されることも含む。また、コンピュータ可読記録媒体は、ネットワークで連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータ可読コードが保存され且つ実行されうる。そして、前記記録/再生方法を具現するための機能的なプログラム、コード及びコードセグメントは、本発明が属する技術分野のプログラマにより容易に推論されうる。
【0084】
以上では、本発明についてその好ましい実施例を中心に説明した。当業者ならば、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形された形態で具現されうるということが理解できる。したがって、開示された実施例は限定的な観点でなく、説明的な観点から考慮されねばならない。本発明の範囲は、前記した説明でなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる相違点は本発明に含まれたことと解釈されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、光記録情報保存媒体、光記録媒体にデータを書き込むか、または前記媒体からデータを再生する記録/再生装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0086】
40 記録単位ブロック
41 データブロック
42 アクセスブロック
43 アドレス情報
44 パディング識別子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録/再生方法において、
記録媒体のディスク検定のための無意味なデータを含むLDSクラスタを生成する段階と、
前記LDSクラスタが無意味なデータで満たされたことを示すパディング識別子を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成する段階と、
前記LDSクラスタと前記BISクラスタとを結合した物理クラスタを前記記録媒体に記録する段階と、
前記記録媒体に記録された前記物理クラスタを再生して検定を行う段階と、
前記検定実行の結果を欠陥情報として前記記録媒体に記録する段階とを含むことを特徴とする記録/再生方法。
【請求項2】
記録/再生装置において、
記録媒体にデータを書き込むか、または前記記録媒体からデータを読み取る書き込み/読み取リ部と、
前記媒体のディスク検定のための無意味なデータを含むLDSクラスタ及び前記LDSクラスタが無意味なデータで満たされたことを示すパディング識別子を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成し、
前記LDSクラスタと前記BISクラスタとを結合した物理クラスタを前記記録媒体に記録するように前記記録/読み取り部を制御し、
前記記録媒体に記録された前記物理クラスタを再生して検定を行い、
前記検定実行の結果を欠陥情報として前記記録媒体に記録するように前記記録/読み取り部を制御する制御部とを含むことを特徴とする記録/再生装置。
【請求項3】
データ記録/再生方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記記録/再生方法は、
前記媒体の一部または全部についてのディスク検定のためにディスク検定のための無意味なデータと、前記データが無意味なデータであることを知らせるパディング識別子とを含む記録/再生単位ブロックを記録媒体に記録する段階を含むことを特徴とする記録媒体。
【請求項4】
記録/再生方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記記録/再生方法は、
前記媒体のディスク検定のための無意味なデータを含むLDSクラスタを生成する段階と、
前記LDSクラスタが無意味なデータで満たされたことを示すパディング識別子を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成する段階と、
前記LDSクラスタと前記BISクラスタとを結合した物理クラスタを前記記録媒体に記録する段階と、
前記記録媒体に記録された前記物理クラスタを再生して検定を行う段階と、
前記検定実行の結果を欠陥情報として前記記録媒体に記録する段階とを含むことを特徴とする記録媒体。
【請求項1】
記録/再生方法において、
記録媒体のディスク検定のための無意味なデータを含むLDSクラスタを生成する段階と、
前記LDSクラスタが無意味なデータで満たされたことを示すパディング識別子を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成する段階と、
前記LDSクラスタと前記BISクラスタとを結合した物理クラスタを前記記録媒体に記録する段階と、
前記記録媒体に記録された前記物理クラスタを再生して検定を行う段階と、
前記検定実行の結果を欠陥情報として前記記録媒体に記録する段階とを含むことを特徴とする記録/再生方法。
【請求項2】
記録/再生装置において、
記録媒体にデータを書き込むか、または前記記録媒体からデータを読み取る書き込み/読み取リ部と、
前記媒体のディスク検定のための無意味なデータを含むLDSクラスタ及び前記LDSクラスタが無意味なデータで満たされたことを示すパディング識別子を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成し、
前記LDSクラスタと前記BISクラスタとを結合した物理クラスタを前記記録媒体に記録するように前記記録/読み取り部を制御し、
前記記録媒体に記録された前記物理クラスタを再生して検定を行い、
前記検定実行の結果を欠陥情報として前記記録媒体に記録するように前記記録/読み取り部を制御する制御部とを含むことを特徴とする記録/再生装置。
【請求項3】
データ記録/再生方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記記録/再生方法は、
前記媒体の一部または全部についてのディスク検定のためにディスク検定のための無意味なデータと、前記データが無意味なデータであることを知らせるパディング識別子とを含む記録/再生単位ブロックを記録媒体に記録する段階を含むことを特徴とする記録媒体。
【請求項4】
記録/再生方法を行うプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、前記記録/再生方法は、
前記媒体のディスク検定のための無意味なデータを含むLDSクラスタを生成する段階と、
前記LDSクラスタが無意味なデータで満たされたことを示すパディング識別子を物理アドレスブロックに含めてBISクラスタを生成する段階と、
前記LDSクラスタと前記BISクラスタとを結合した物理クラスタを前記記録媒体に記録する段階と、
前記記録媒体に記録された前記物理クラスタを再生して検定を行う段階と、
前記検定実行の結果を欠陥情報として前記記録媒体に記録する段階とを含むことを特徴とする記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−108360(P2011−108360A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49477(P2011−49477)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【分割の表示】特願2005−142936(P2005−142936)の分割
【原出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【分割の表示】特願2005−142936(P2005−142936)の分割
【原出願日】平成17年5月16日(2005.5.16)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】
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