説明

光送信モジュール

【課題】クロック信号によるデータ再生に頼らずにジッタ発生を抑えることのできる光送信モジュールを提供する。
【解決手段】 光送信モジュール10は、データ信号入力端子12、14と、光変調器ドライバ20と、イコライザ(周波数特性変更部)16とを備えている。イコライザ16は、データ信号入力端子12、14と光変調器ドライバ20の間に設けられている。光変調器ドライバ20は、データ信号入力端子12、14に電気的に接続され、特定の周波数域にリップルを示す。イコライザ16は、特定の周波数域の信号が、光変調器ドライバ20におけるリップルの周波数特性とは逆の特性に調節されるように、データ信号入力端子12、14からの信号の周波数特性を変更可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光送信モジュールに関し、特に、光通信において、電気的なデータ信号を所望の振幅まで増幅した後に光信号に変換する光送信モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特開2010−109764号公報に開示されているように、クロック信号出力装置と接続し、このクロック信号によるデータ再生を行う光送信モジュールが知られている。図9は、特開2010−109764号公報に開示された光送信モジュールを示すブロック図である。図において、光送信モジュール110は、データ信号線111と、クロック信号線112と、光変調器ドライバ102と、光変調器103と、インピーダンス整合回路113と、を備えている。
【0003】
データ信号線111は、光変調器ドライバ20と、光送信モジュール10外のプリント回路板114とを電気的に接続している。クロック信号線112は、光変調器ドライバ20と、光送信モジュール10外のクロック信号出力装置115とを電気的に接続している。なお、クロック信号出力装置115がプリント回路板114上に設けられていてもよい。上記の構成において、クロック信号出力装置からのクロック信号によるデータ再生が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−109764号公報
【特許文献2】再公表特許2008−065784号公報
【特許文献3】特開平8−019088号公報
【特許文献4】特開平11−041301号公報
【特許文献5】特開2011−114458号公報
【特許文献6】特開平7−086878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術にかかる光送信モジュール110は、ジッタの少ない良質のデジタル信号を得るために、光送信モジュール110内部でクロックに基づきデータを再生する必要がある。これにより、光変調器ドライバ102の回路規模が増大してしまう。これに付随して、光送信モジュール110のコスト、サイズ、消費電力が増加するという問題点もある。
【0006】
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、クロック信号によるデータ再生に頼らずにジッタ発生を抑えることのできる光送信モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる光送信モジュールは、
データ信号入力端子と、
光変調器と、
前記データ信号入力端子からの信号に基づいて前記光変調器を駆動し、第1の周波数域にリップルを示す光変調器ドライバと、
前記データ信号入力端子と前記光変調器ドライバとの間に介在して、前記第1の周波数域の信号が前記光変調器ドライバにおける前記第1の周波数域の前記リップルの周波数特性とは逆の特性に調節されるように、前記データ信号入力端子からの信号に対して周波数特性の変更を行う周波数特性変更部と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明にかかる光送信モジュールによれば、クロック信号によるデータ再生に頼らずにジッタ発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態にかかる光送信モジュールの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるイコライザ(周波数特性変更部)の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかる光変調器ドライバ単体の周波数応答特性を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるイコライザ単体の周波数応答特性を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかる光送信モジュールの周波数応答特性を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかる光送信モジュールの群遅延時間を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかるイコライザ適用前の光出力波形を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかるイコライザ適用後の光出力波形を示す図である。
【図9】従来の光送信モジュールの概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態.
図1は、本発明の実施の形態にかかる光送信モジュール10の概略構成を示すブロック図である。図1中で、実線の矢印は電気信号の伝達経路を示しており、破線は光信号の出力を表している。
【0011】
光送信モジュール10は、正側データ信号入力端子12と、負側データ信号入力端子14と、光変調器ドライバ20と、イコライザ16と、光変調器22とを備えている。イコライザ16は、データ信号入力端子12、14と光変調器ドライバ20の間に設けられており、正側データ信号入力端子12および負側データ信号入力端子14は、イコライザ16a及びイコライザ16bを介して、光変調器ドライバ(レーザドライバ)20と電気的に接続している。以下、イコライザ16a及びイコライザ16bをまとめてイコライザ16とも称す。
【0012】
光変調器ドライバ(レーザドライバ)20は、光変調器22と電気的に接続している。光変調器ドライバ20は、データ信号入力端子12、14と電気的に接続されたInPヘテロバイポーラトランジスタを集積回路(IC)として集積したものである。光変調器22は、光変調器ドライバ20からの出力電気信号を受け、強度変調信号を重畳された光信号を出力する。
なお、パッケージ24によって、データ信号入力端子12、14、イコライザ16、光変調器ドライバ20、および光変調器22が気密封止されている。
【0013】
図2は、実施の形態にかかるイコライザ16の内部構成(つまり、イコライザ16a及びイコライザ16bのそれぞれの内部構成)を示した上面図である。図1で説明したように、イコライザ16a及びイコライザ16bは、データ信号入力端子12、14と光変調器ドライバ20との間に挿入されている。図2に実線で示す矢印は、それぞれ、データ信号入力端子12、14からの電気信号の経路と光変調器ドライバ20への電気信号の経路とを示している。
【0014】
実施の形態にかかるイコライザ16は、図2に示すように誘電体基板30上に設けられた金属膜パターン32、抵抗膜パターン34および金属膜パターン36によって構成されている。誘電体基板30は、アルミナセラミック素材を焼き固めて作成した誘電体基板である。金属膜パターン32は、誘電体基板30上に蒸着により形成された第1金属膜パターンである。抵抗膜パターン34は、同じく、誘電体基板30上に蒸着により形成された抵抗値20Ωの抵抗膜パターンである。金属膜パターン36は、金属膜パターン32と同時に形成された第2金属膜パターンである。これらのパターンが一体となって、実施の形態にかかるイコライザ16を形成している。
【0015】
第1金属膜パターン32は、第1部分32a、第2部分32b、第3部分32cを備えている。第1部分32aは、誘電体基板30の図2紙面左側の略中央位置から、誘電体基板30の中央に向かって直線に伸びる部分である。第2部分32bは、第1部分32aと接続し、誘電体基板30を図2紙面下方に直線に延びる部分である。つまり、第1部分32aと第2部分32bとの接続部分において、パターンが直角に折れ曲がっている。第3部分32cは、第2部分32と接続し、誘電体基板30を紙面横方向に直線に伸びている。第2金属膜パターン36は、第3部分32cの略中央において、抵抗膜パターン34を介して、第1金属膜パターン32と接続している。
【0016】
実施の形態にかかるイコライザ16では、第1金属膜パターン32を伝播するデータ信号の一部は、抵抗膜パターン34を介して第2金属膜パターン36に導波される。第2金属膜パターン36はオープンスタブとなっており、そのスタブ長が1/4波長となるような周波数で共振により伝播損失を極大にすることができ、特定の周波数近傍で「ノッチフィルタ」として作用する。つまり、イコライザ16の内部構成は、金属膜パターン等で構成されたノッチフィルタである。ノッチフィルタ (notch filter) とは、バンドストップフィルタ(または帯域除去フィルタ)の一種であり、阻止帯域が狭いバンドストップフィルタである。バンドストップフィルタとは、ほとんどの周波数はそのまま通すが、特定の帯域だけを非常に低いレベルに減衰させることができるフィルタ回路である。このようなフィルタ機能を有するイコライザ16は、データ信号入力端子12、14からの電気信号の周波数特性を変更する周波数特性変更部として機能することができる。
【0017】
以下、上記構成を備える光送信モジュール10の動作を説明する。
【0018】
正側データ信号入力端子12及び負側データ信号入力端子14には、図示されていないマルチプレクサといった高速ICからの40Gbpsデータ信号が入力される。この信号は、正側データ信号入力端子12及び負側データ信号入力端子14に、差動CML(Current mode logic)信号として入力される。信号の振幅は、一般的には、差動500mV程度である。
【0019】
データ信号入力端子12、14には、SMPMコネクタといった気密封止型の同軸コネクタが対になって用いられる。その理由は、データ信号入力端子で40Gbpsの高速なデータ信号が損なわれることのないようにするためである。
【0020】
外部からのデータ信号は、データ信号入力端子12、14によってパッケージ24の内部に導入される。導入されたデータ信号は、イコライザ16a及び16b上に形成された第1金属膜パターン32を伝播する。第1金属膜パターン32を伝播するデータ信号は、光変調器ドライバ20に入力される。第1金属膜パターン32は、誘電体基板30との間で特性インピーダンスが50Ωのマイクロストリップ線路を形成している。第1金属膜パターン32は、パッケージ内部に導入されたデータ信号を、低損失で光変調器ドライバ20に入力することができる。光変調器22は、電界吸収型変調器と半導体レーザとをモノリシックに集積したものである。光変調器ドライバ20は、電気信号を2.5Vまで増幅することができる。光変調器ドライバ20により増幅された電気信号は、光変調器22に給電され、光信号に変換されて光送信モジュールから出力される。なお、図1では、光変調器22の出力(つまり光送信モジュール10の出力)が光伝送路(光ファイバ)26に送信されている。
【0021】
以上の動作において光信号の品質を決定するのは、光変調器ドライバ20の増幅特性である。この点について以下説明する。図3は、本発明の実施の形態にかかる光変調器ドライバ20単体の周波数応答特性を示す図である。具体的には、図3は、光変調器ドライバ20の増幅度の周波数応答特性を示す図であり、光変調器ドライバ20単体での特性を示している。図3は、横軸上に周波数を表し縦軸に周波数応答特性(dB)表した直交座標グラフである。40Gbpsの電気信号を増幅するには、ICとして30GHz以上の周波数応答特性を持つ必要がある。このため、IC内部のインダクタンスやキャパシタンスは、多段のトランジスタを経ても十分な周波数応答特性が得られるように設計されている。
【0022】
しかしながら、実際のICは必ずしも最適な状態で動作するとは限らず、しばしば特定の周波数(具体的には、例えば30GHz周辺)で過度に応答特性を持ち上げたピーキング特性を示すことがある。図3は、このようなピーキング特性が生じている場合の一例を表した図であり、30GHz近傍の一部の周波数域で周波数応答特性の値(dB)が増大している。図3に示す周波数特性は、30GHzにおいて約3dBのピーキングを持っており、30GHz近傍の周波数域にリップル(紙面上向きの凸)が生じている。このような帯域内におけるピーキングはジッタの原因となり、このジッタがデジタル信号の符号誤りに劣化をもたらしてしまう。
【0023】
そこで、実施の形態にかかる光送信モジュール10においては、IC(光変調器ドライバ20)の前段に配置したイコライザ16を用いて、IC(光変調器ドライバ20)の内部回路に起因して生ずる上記のリップルを平坦化(イコライズ)することとした。すなわち、実施の形態にかかるイコライザ16においては、前述したように、第2金属膜パターン36はオープンスタブとなっており、そのスタブ長が1/4波長となるような周波数で共振により伝播損失を極大にすることができる。これにより、イコライザ16は、特定の周波数近傍で「ノッチフィルタ」として作用する。さらに、実施の形態にかかる光送信モジュール10では、イコライザ16に抵抗膜パターン34が設けられている。この抵抗膜パターン34により、フィルタの効き具合を所望の程度に調節することができる。このようにして、実施の形態では、第2金属膜パターン36がノッチフィルタとして作用する場合におけるフィルタの効き具合は、抵抗膜パターン34の抵抗値によって最適な値に作りこまれている。
【0024】
図4は、本発明の実施の形態にかかるイコライザ16単体の周波数応答特性を示したものである。より具体的には、図4は、第2金属膜パターン36をスタブ長1mmとし、抵抗膜パターン34を抵抗20Ω程度にした場合におけるイコライザ16単体の周波数応答特性を示したものである。図4も、図3と同様に、横軸上に周波数を表し縦軸に周波数応答特性(dB)表した直交座標グラフである。図4によれば、30GHz近傍にディップ(紙面下向きの凸)を持つノッチフィルタ特性を示していることがわかる。
【0025】
図5は、本発明の実施の形態にかかる光送信モジュール10の周波数応答特性を示す図である。図5は、平坦な周波数応答特性を有する光送信モジュール10が得られていることがわかる。上記のイコライザ16と図3に示した周波数応答特性の光変調器ドライバ20とを組み合わせることにより、周波数応答特性を図5のように平坦化することができる。
【0026】
デジタル通信においては、時間領域の揺らぎであるジッタが、信号品質を決める重要な要素である。ジッタは、周波数領域における解析においては、群遅延偏差として評価される。図6に群遅延偏差の周波数依存性を示す。30GHz近傍で18ps程度発生していた群遅延偏差が、イコライザ16の挿入により、概ね1ps以下のレベルまで平坦化されていることがわかる。このようなイコライザ16による群遅延時間の補償効果は、時間領域の評価でもジッタの低減という形で確認することができる。
【0027】
図7はイコライザ16の挿入前のアイパターン計算結果である。2.3psp−pのジッタが発生していることがわかる。図8はイコライザ16の挿入後のアイパターン計算結果である。p−pジッタがイコライザの挿入により2.3psから0.2psまで抑制されていることがわかる。
【0028】
以上説明したように、実施の形態にかかる光送信モジュール10によれば、データ信号入力端子12、14と光変調器ドライバ20との間に、光変調器ドライバ20のリップルとは逆の特性を持つイコライザ16が挿入される。つまり、イコライザ16はリップルと対応するディップを持つ周波数特性を有しており、このイコライザ16が光送信モジュール10内で周波数特性変更部として働き、データ信号入力端子12、14からの電気信号の周波数特性を変更することができる。このような構成によれば、クロック信号によるデータ再生に頼らずに、ジッタ発生を抑えることができる。
【0029】
すなわち、光変調器ドライバ20単体では図3に示すように30GHzにおいて約3dBのピーキングを持っている一方で、これに対して、イコライザ16は図4に示すように30GHz近傍にディップを持つノッチフィルタ特性を有するものである。このような特性を持つイコライザ16が挿入されることで、データ信号入力端子12、14からの信号の周波数特性を、30GHz周波数域に対応する周波数域の信号が光変調器ドライバ20における30GHzのピーキング(リップル)の周波数特性と逆の特性に調節される。
なお、「逆の特性」とは、図3と図4に示すように一方の周波数特性の値(周波数応答特性値(dB))に対して反対の変化を有するような特性を意味し、「逆の特性に調節」とは、そのような逆の特性の関係が成立するように、電気信号の周波数特性を調節(変更)することである。
上記実施形態では、これを実現するため、イコライザ16の周波数応答特性が、光変調器ドライバ20におけるリップルとは逆の特性(30GHz付近のディップ)を有している。このようなイコライザ16と、図3に示した周波数応答特性の光変調器ドライバ20とが組み合わせされることで、周波数応答特性を図5のように平坦化することができる。その結果、光変調器ドライバ20からの出力電気信号の群遅延特性を平坦化し、ジッタを削減する効果を奏する。
【0030】
さらに、実施の形態にかかる光送信モジュール10によれば、誘電体基板30上に形成された抵抗膜及び金属膜のパターン(第1金属膜パターン32、抵抗膜パターン34、および第2金属膜パターン36)によって、イコライザ16が形成されている。パターンの形成精度が、イコライザ16の周波数応答特性を決定する。金属膜、抵抗膜についての既に公知の各種パターニング技術により十分に高い精度でのパターニングを行うことにより、光送信モジュール10のジッタ特性の製造個体間ばらつきを十分に小さくすることができる。
【0031】
なお、実施の形態にかかる光送信モジュール10として抵抗膜パターン34(抵抗値20Ωの抵抗膜パターン)を有するものを示したが、本発明はこれに限られるものではない。抵抗膜パターン34を省略した単純なスタブの構成(金属膜パターン32および金属膜パターン36のみの構成)でもよく、その場合でもイコライザ16によるジッタ低減の効果を奏する。
【0032】
なお、実施の形態にかかる光送信モジュール10では、第2金属膜パターン36をスタブ長1mmとし、抵抗膜パターン34を抵抗20Ω程度にすることにより、イコライザ16単体の周波数応答特性を、図4のごとく30GHz近傍にディップを持つノッチフィルタ特性としている。このようなイコライザ16と図3に示した周波数応答特性の光変調器ドライバ20とを組み合わせることで、図5のごとく、リップルの凸が十分に平坦化された良好な周波数応答特性を実現できる。
しかしながら、上記実施の形態は本発明の好ましい形態の1つであり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。実際の製品の仕様に応じた所望の平坦化を実現する観点から、光変調器ドライバ20においてリップルが表れる周波数域の信号が、リップルの周波数特性とは逆の特性(リップルに応じてディップを有する特性)に調節されるように、イコライザ16のフィルタリング周波数域を決定すればよい。実際の製品において周波数応答特性がどの程度平坦される必要があるかを考慮したうえで、イコライザ16として、リップルの表れる周波数域の信号を所望の平坦化効果が得られる程度に減衰する特性を備えたバンドストップフィルタ、ノッチフィルタを用いればよい。
【0033】
なお、イコライザ16の内部構成を、コンデンサと抵抗とで構成されたノッチフィルタとしてもよい。温度依存性や経時変化が少ないコンデンサ及び抵抗をイコライザ16の回路構成要素として用いることにより、耐環境性能や長期信頼性に優れた光送受信モジュールを得ることができる。
【0034】
なお、本明細書の先行技術文献の一つとして記載した再公表特許2008−065784号公報には、入力部、電気イコライザ回路および光変調器ドライバ回路が接続された回路構成が記載されている(当該公報の図8および段落0082参照)。しかしながら、当該公報の段落0087乃至0089にあるように、この公報には、光変調器ドライバ回路は電気イコライザ回路の出力信号をもとに光変調器を制御する等の記載があるにすぎない。上記説明した本願発明にかかる、光変調器ドライバの周波数特性をデータ信号入力端子と光変調器ドライバとの間に設けたイコライザにより補償するという技術は、先行技術文献には記載も示唆もされていない。
【符号の説明】
【0035】
10 光送信モジュール
12 データ信号入力端子
16 イコライザ
20 光変調器ドライバ
22 光変調器
24 パッケージ
30 誘電体基板
32 金属膜パターン
34 抵抗膜パターン
36 金属膜パターン
110 光送信モジュール
111 データ信号線
112 クロック信号線
113 インピーダンス整合回路
114 プリント回路板
115 クロック信号出力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ信号入力端子と、
光変調器と、
前記データ信号入力端子からの信号に基づいて前記光変調器を駆動し、第1の周波数域にリップルを示す光変調器ドライバと、
前記データ信号入力端子と前記光変調器ドライバとの間に介在して、前記第1の周波数域の信号が前記光変調器ドライバにおける前記第1の周波数域の前記リップルの周波数特性とは逆の特性に調節されるように、前記データ信号入力端子からの信号に対して周波数特性の変更を行う周波数特性変更部と、
を備えることを特徴とする光送信モジュール。
【請求項2】
前記光変調ドライバが示す前記リップルは、前記第1の周波数域で周波数応答特性の値が増大するピーキング特性を含み、
前記周波数特性変更部は、入力される信号のうち前記第1の周波数域の信号の減衰を行う周波数特性を備えたバンドストップフィルタであり、
前記第1の周波数域の信号は、前記周波数特性変更部で前記減衰が行われて前記光変調器ドライバに入力されることを特徴とする請求項1に記載の光送信モジュール。
【請求項3】
前記周波数特性変更部が、コンデンサと抵抗とで構成されたノッチフィルタであることを特徴とする請求項1または2に記載の光送信モジュール。
【請求項4】
前記周波数特性変更部が、
誘電体基板と、
前記誘電体基板上に形成された金属膜のパターンと、
で構成されたノッチフィルタであることを特徴とする請求項1または2記載の光送信モジュール。
【請求項5】
前記周波数特性変更部における前記金属膜のパターンは、
前記データ信号入力端子と接続するマイクロストリップ線路のパターンと、
前記マイクロストリップ線路に接続するスタブのパターンと、
を含み、
前記周波数特性変更部は、前記マイクロストリップ線路のパターンと前記スタブのパターンとの間に設けられた抵抗膜のパターンを、さらに備えることを特徴とする請求項4に記載の光送信モジュール。
【請求項6】
データ信号入力手段と、
光変調器と、
前記データ信号入力手段からの信号に基づいて前記光変調器を駆動し、第1の周波数域にリップルを示す光変調器ドライバと、
前記第1の周波数域の信号が前記光変調器ドライバにおける前記第1の周波数域の前記リップルの周波数特性とは逆の特性に調節されるように、前記データ信号入力手段からの信号に対し周波数特性の変更が可能な周波数特性変更手段と、
を備えることを特徴とする光送信モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−66033(P2013−66033A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203075(P2011−203075)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】