説明

光通信システム、ONUの送信器、OLTの受信器、およびONUの上り信号送信方法

【課題】 波長可変フィルタを用いずにパワースプリッタ型WDM−PONおよび搬送波供給方式に対応するカラーレスONUを実現する。
【解決手段】 局側のOLTと、複数のユーザ側のONUがパワースプリッタおよび光ファイバ伝送路を介して接続された光通信システムにおいて、各ONUは少なくとも1つのサブキャリア周波数が割り当てられ、そのサブキャリア周波数のRF搬送波を送信信号で変調したRF変調信号を生成するRF変調手段と、局側のWDM光源から出力された複数の波長成分を有するCW光をパワースプリッタを介して入力し、RF変調信号でCW光を変調した変調光を上り信号としてOLTに送信する光変調器とを含む送信器を備え、OLTは、各ONUからそれぞれ送信された上り信号をサブキャリア多重された上り信号として電気信号に変換する受光器と、各ONUのサブキャリア周波数に基づいて電気信号から各ONUの送信信号を復調する各ONU対応のRF復調器とを含む受信器を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光アクセスシステムの高速化に適する光通信システムに関する。また、本発明は、光通信システムにおけるONUの送信器、OLTの受信器、およびONUの上り信号送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光アクセスシステムの高速化は著しく、この5年程度の間に 100倍の高速・広帯域化が進み、ギガビットクラスのブロードバンドサービスがGE−PON(Gigabit Ethernet( 登録商標)−Passive Optical Network)システムの商用導入で経済的に提供されている。さらなる高速・広帯域化に向けた次世代PON技術のアプローチとしては、主に、これまでの延長技術である時間軸上でユーザ多重を行う時間多重(TDM)方式と、波長軸上でユーザ多重を行う波長多重(WDM)方式があり、後者をWDM−PONと呼んでいる。
【0003】
図1は、WDM−PONシステムの構成例を示す(非特許文献1)。
図において、局側に配置されるOLT(Optical Line Terminal:光加入者線終端盤)10と、ユーザ側に配置されるONU(Optical Network Unit:光ネットワーク終端装置)20−1〜20−n(nは自然数)とが、光ファイバ伝送路31、波長スプリッタ33またはパワースプリッタ34、n本の光ファイバ伝送路32を介して1対nで接続される。
【0004】
図1(a) の波長スプリッタ型WDM−PONでは、ONU20−1〜20−nにそれぞれ対応する波長λd1〜λdnの下り信号は、波長スプリッタ33で波長分波して各ONUに伝送される。また、ONU20−1〜20−nからそれぞれ出力される波長λu1〜λunの上り信号は、波長スプリッタ33で波長合波してOLT10に伝送される。
【0005】
図1(b) のパワースプリッタ型WDM−PONでは、ONU20−1〜20−nにそれぞれ対応する波長λd1〜λdnの下り信号は、パワースプリッタ34でn分岐して各ONUに伝送される。各ONUは、それぞれ対応する波長λd1〜λdnの下り信号を選択して受信する。ONU20−1〜20−nからそれぞれ出力される波長λu1〜λunの上り信号は、パワースプリッタ34で合流してOLT10に伝送される。
【0006】
WDM−PONの物理的なトポロジーはパッシブダブルスターで、伝送路である光ファイバを複数のユーザで共用しているが、ユーザごとに異なる波長を割り当てているため、論理的なトポロジーはシングルスターとなっている。このため、伝送路をユーザで共用しながら、他のユーザに影響を与えることなく、ユーザごとに独立にサービスを設定・変更することができる。
【非特許文献1】K.Iwatsuki, J.Kani, H.Suzuki, and M.Fujiwara,"Access and Metro Networks based on WDM Technologies", IEEE J.Lightwave Technol.,Vol.22, No.11, pp.2623-2630,(2004)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
WDM−PONでは、各ONUに波長が固定的に割り当てられるため、ユーザごとに送信波長が異なるONUを用意しなければならず、ユーザの利便性や保守運用性に欠けることになる。このため、波長を意識することなく使いやすいONUを実現するには、ONUを単一品種化し、局側(OLT側)からONUの送信波長を設定できるようにする必要があり、このような機能を実現する技術をONUのカラーレス技術と呼んでいる。
【0008】
カラーレス技術は、自発光方式と搬送波供給方式に大別できる。自発光方式は、図2(a) に示すように、ONU自身に波長選択性をもつ光源が搭載されており、開通時に局側から各ONUの送信波長を設定する。ここでは、ONU20−1〜20−nの送信器がそれぞれ波長λu1〜λunの上り信号を送信する。
【0009】
搬送波供給方式は、図2(b) に示すように、ONU20−1〜20−nの送信器に光変調器が搭載されており、OLT10の光源から送信された波長λu1〜λunのCW光を波長スプリッタ33で波長分波し、各ONUに供給される各波長のCW光を変調して上り信号を生成している。例えば、ONU20−1に波長λd1の下り信号と波長λu1のCW光が入力し、波長λu1のCW光を変調して上り信号として折り返す構成を示す。
【0010】
図3は、既存PON(GE−PON)とWDM−PONが共存するシステム構成例を示す。ここでは、既存PONの光スプリッタはパワースプリッタであるため、共存するWDM−PONは図1(b) に示すパワースプリッタ34を用いた構成となる。
【0011】
図において、GE−PONに対応するOLT(GE−OLT)とONU(GE−ONU)、WDM−PONで波長λ1 を占有するOLT(λ1 −OLT)とONU(λ1 −ONU)、WDM−PONで波長λ2 を占有するOLT(λ2 −OLT)とONU(λ2 −ONU)は、波長合分波器35、光ファイバ伝送路31、パワースプリッタ34、光ファイバ伝送路32を介して接続される。GE−PONは、1波長を複数のONUで共用し、複数のONUで帯域を時間的にシェアする帯域共有サービスである。WDM−PONは、GE−PONとは別の波長帯でONUごとに1つの波長λ1,λ2を割り当て、各波長ごとに伝送速度の設定が可能な帯域占有サービスである。
【0012】
図3に示すパワースプリッタ型WDM−PONにおいて、搬送波供給方式のカラーレスONUの送信器は、図2(b) に示す波長スプリッタ型対応で分波された波長のCW光をそのまま変調して折り返す構成と異なり、OLTの光源から各ONUに供給される波長λu1〜λunのCW光の中から任意の波長のCW光を選択するために、波長可変フィルタが用いられる。しかし、応答性が高く、広帯域で選択波長を可変できる安価な波長可変フィルタを実現することは困難であり、パワースプリッタ型WDM−PONおよび搬送波供給方式に対応するカラーレスONUを実現する上で課題になっていた。
【0013】
本発明は、波長可変フィルタを用いずにパワースプリッタ型WDM−PONおよび搬送波供給方式に対応するカラーレスONUを実現できる光通信システム、ONUの送信器、OLTの受信器、およびONUの上り信号送信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
第1の発明は、局側に配置されるOLTと、複数のユーザ側にそれぞれ配置されるONUがパワースプリッタおよび光ファイバ伝送路を介して接続された光通信システムにおいて、各ONUは、互いに異なる少なくとも1つのサブキャリア周波数が割り当てられ、それぞれ割り当てられたサブキャリア周波数のRF搬送波を送信信号で変調したRF変調信号を生成するRF変調手段と、局側のWDM光源から出力された複数の波長成分を有するCW光をパワースプリッタを介して入力し、RF変調信号でCW光を変調した変調光を上り信号としてOLTに送信する光変調器とを含む送信器を備え、OLTは、各ONUからそれぞれ送信された上り信号をパワースプリッタを介してサブキャリア多重された上り信号として受光して電気信号に変換する受光器と、各ONUに割り当てられたサブキャリア周波数に基づいて電気信号から各ONUの送信信号を復調する各ONU対応のRF復調器とを含む受信器を備える。
【0015】
各ONUの光変調器は、上り信号を増幅する光増幅器を含む構成としてもよい。OLTは、受光器の前段に、複数の波長成分を有する上り信号が光ファイバ伝送路の波長分散によって生じた遅延差を補償する遅延補償器を備える構成としてもよい。
【0016】
また、OLTは、複数の波長成分を有する上り信号を各波長成分に分波する波長分波器と、各ONU対応の受光器とを備え、波長分波器で分波された各波長成分の上り信号を各ONU対応の受光器でそれぞれ電気信号に変換し、各ONU対応のRF復調器で復調する構成としてもよい。
【0017】
第2の発明は、第1の発明の光通信システムのONUの送信器において、各ONUに対して互いに異なる少なくとも1つのサブキャリア周波数が割り当てられ、それぞれ割り当てられたサブキャリア周波数のRF搬送波を送信信号で変調したRF変調信号を生成するRF変調手段と、局側のWDM光源から出力された複数の波長成分を有するCW光をパワースプリッタを介して入力し、RF変調信号でCW光を変調した変調光を上り信号としてOLTに送信する光変調器とを備える。
【0018】
第3の発明は、第1の発明の光通信システムのOLTの受信器において、各ONUからそれぞれ送信された上り信号をパワースプリッタを介してサブキャリア多重された上り信号として受光して電気信号に変換する受光器と、各ONUに割り当てられたサブキャリア周波数に基づいて電気信号から各ONUの送信信号を復調する各ONU対応のRF復調器とを備える。
【0019】
第4の発明は、第1の発明の光通信システムのONUの上り信号送信方法において、各ONUに対して互いに異なる少なくとも1つのサブキャリア周波数が割り当てられたRF変調手段が、それぞれ割り当てられたサブキャリア周波数のRF搬送波を送信信号で変調したRF変調信号を生成し、局側のWDM光源から出力された複数の波長成分を有するCW光をパワースプリッタを介して入力する光変調器が、RF変調信号でCW光を変調した変調光を生成し、上り信号としてOLTに送信する。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、互いに異なるサブキャリア周波数を利用する各ONUにおいて、サブキャリア周波数のRF搬送波を送信信号で変調したRF変調信号を生成し、WDM光源から与えられる複数の波長成分を有するCW光に対して一括してRF変調信号で変調し、上り信号を生成する。各ONUから送信された上り信号は、パワースプリッタを介してサブキャリア多重された上り信号としてOLTに入力される。OLTでは、この上り信号を電気信号に変換し、各ONUに割り当てられたサブキャリア周波数に基づいて電気信号から各ONUの送信信号を復調する。
【0021】
このように、RF搬送波のサブキャリア周波数を各ONUとOLTの各RF復調器で対応させることにより、ONUとRF変調器が1対1に対応し、波長可変フィルタを用いずにパワースプリッタ型WDM−PONおよび搬送波供給方式に対応するカラーレスONUを実現することができる。なお、ONUに電子回路からなるRF変調手段をもたせた方が、ONUに光モジュールである波長可変フィルタをもたせるよりも圧倒的に安価なONUを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(第1の実施形態)
図4は、本発明の光通信システムの第1の実施形態を示す。
図において、局側に配置されるOLT10と、複数のユーザ側にそれぞれ配置されるONU20−1〜20−nは、光ファイバ伝送路31,32およびパワースプリッタ34を介して1対nに接続され、OLT10のWDM光源11から出力される波長λ1 〜λn のCW光(連続光)は分波されることなく各ONUに到着する。ONU20−1〜20−nの送信器に光変調器が搭載されており、OLT10のWDM光源11から各ONUに供給される波長λ1 〜λn のCW光を変調して上り信号を生成する。ここでは、ONU20−1〜20−nの送信器および各ONUに対応する上り信号を受信するOLT10の受信器の構成例を示し、下り信号の伝送系であるOLT10の送信器およびONU20−1〜20−nの受信器の構成は省略している。
【0023】
なお、本実施形態では、OLT10内にWDM光源11を備え、WDM光源11から出力される波長λ1 〜λn のCW光を光ファイバ伝送路31に入力し、下り信号とともにパワースプリッタ34を介してONU20−1〜20−nに供給する例を示したが、WDM光源11はOLT10の外部にあってもよく、また下り信号とは別の経路で各ONUに供給する構成であってもよい。以下に示す他の実施形態においても同様である。
【0024】
ONU20−nの送信器は、乗算器21でサブキャリア周波数fn のRF搬送波にベースバンド送信信号を重畳し、フィルタ22で乗算器21から出力されるRF変調信号の片側帯波およびRF搬送波成分を切り出し、増幅器23で増幅して光変調器24に入力する構成である。光変調器24は、波長λ1 〜λn のCW光をサブキャリア周波数fn のRF変調信号で一括して光変調して変調光を出力する。なお、フィルタ22は省いてもよい。
【0025】
ここで、ONU20−1〜20−nの各送信器でベースバンド送信信号が重畳されるRF搬送波は、互いに異なるサブキャリア周波数f1 〜fn が用いられる。したがって、パワースプリッタ34で各ONUからの上り信号(変調光)が合流したときに、波長λ1 〜λn のCW光に対してそれぞれサブキャリア周波数f1 〜fn の変調成分がサブキャリア多重された状態になる。
【0026】
OLT10の受信器は、受信する変調光を受光器12で電気信号に変換し、増幅器13で増幅し、増幅した電気信号を分配器14で各ONU対応の中心周波数f1 〜fn のRF復調器15−1〜15−nに分配する構成である。中心周波数fn のRF復調器15−nは、波長λ1 〜λn の変調光に対応する電気信号からサブキャリア周波数fn 成分を復調することにより、ONU20−nから送信されたベースバンド送信信号を抽出する。
【0027】
このように、RF搬送波のサブキャリア周波数f1 〜fn をONU20−1〜20−nとOLT10のRF復調器15−1〜15−nで対応させることにより、ONUとRF変調器が1対1に対応し、波長可変フィルタを用いずにパワースプリッタ型WDM−PONおよび搬送波供給方式に対応するカラーレスONUを実現することができる。
【0028】
なお、WDM光源11に代えて1波長のCW光を出力する光源を用い、各ONUで1波長のCW光をそれぞれサブキャリア周波数f1 〜fn のRF変調信号で変調する構成としても、波長可変フィルタを用いないカラーレスONUの実現は可能である。それに対して、図1に示すように、例えばONU20−nにおいて、波長λ1 〜λn のCW光をサブキャリア周波数fn のRF変調信号で一括して光変調し、OLT10の中心周波数fn のRF復調器15−nにおいて、波長λ1 〜λn の変調光に対応する電気信号から周波数fn 成分を復調することにより、1波長を用いる構成に比べてn倍のSN比を確保することができる。
【0029】
(第2の実施形態)
図5は、本発明の光通信システムの第2の実施形態を示す。
本実施形態は、OLT10とONU20−1〜20−nとの間の伝送路である光ファイバが長延化された場合などにより、光損失が大きくなるとともに光ファイバの波長分散の影響が大きくなる場合に対応するものである。
【0030】
図において、ONU20−1〜20−nの送信器には、光変調器24の後段に光増幅器25を配置する他は図4の第1の実施形態と同様である。なお、光変調器24および光増幅器25に代えて、光増幅機能をもつ光変調器を用いてもよい。
【0031】
OLT10の受信器には、光ファイバ伝送路31,32およびパワースプリッタ34の波長分散により、複数の波長成分を有する上り信号に生じた遅延差を補償するために、受光器12の前段に遅延補償器40を配置し、波長ごとに遅延調整した変調光を受光器12に入力する構成とする。その他の構成は図4の第1の実施形態と同様である。遅延補償器40は、例えば図6に示すように、波長分波器41、遅延線42、波長合波器43を用い、波長ごとに異なる遅延を遅延線42で補正する構成とする。また、遅延補償器40は、光サーキュレータと波長対応の遅延量を与えるファイバグレーティングを用いた構成や、光ファイバ伝送路31,32の逆分散特性を有する光ファイバを用いてもよい。
【0032】
なお、本実施形態では、光損失の増大と光ファイバの波長分散の双方に対応する構成を示したが、光損失の増大に対応する光増幅器25と、伝送路の波長分散に対応する遅延補償器40を個別に配置する構成としてもよい。
【0033】
(第3の実施形態)
図7は、本発明の光通信システムの第3の実施形態を示す。
本実施形態は、第1の実施形態のOLT10の構成を変更したものであるが、ONU20−1〜20−nとRF搬送波のサブキャリア周波数f1 〜fn を1対1に対応させ、よってONU20−1〜20−nとOLT10の中心周波数f1 〜fn のRF復調器15−1〜15−nを1対1で対応させるところは同じである。
【0034】
本実施形態のOLT10は、上り信号として入力する波長λ1 〜λn の変調光を波長フィルタ16で各波長に分波し、各波長の変調光をそれぞれ対応するOSU(Optical Subscriber Unit:光加入者線終端装置) 17−1〜17−nに入力する。例えばOSU17−nの受信器は、受信する波長λn の変調光を受光器12で電気信号に変換し、増幅器13で増幅し、増幅した電気信号を中心周波数fn のRF復調器15−nに入力する構成である。中心周波数fn のRF復調器15−nは、波長λn の変調光に対応する電気信号から周波数fn 成分を復調することにより、ONU20−nから送信されたベースバンド送信信号を抽出する。なお、本実施形態においてもOSUの下り信号の送信系の構成は省略している。
【0035】
また、第1の実施形態は、波長λ1 〜λn の各変調光から例えば周波数fn のRF周波数成分を受信する構成であるが、本実施形態は、例えば波長λn の変調光から周波数fn のRF周波数成分を受信する構成であり、受信信号のSN比は第1の実施形態の方が優れている。
【0036】
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、ONU20−1〜20−nとRF搬送波のサブキャリア周波数f1 〜fn を1対1に対応させ、よってONU20−1〜20−nとOLT10の中心周波数f1 〜fn のRF復調器15−1〜15−nを1対1で対応させていた。
【0037】
第1〜第3の実施形態において、各ONUに割り当てるRF搬送波のサブキャリア周波数を複数とし、例えば互いに異なるサブキャリア周波数のRF搬送波に複数のベースバンド送信信号を重畳した複数のRF変調信号を多重し、多重RF変調信号で波長λ1 〜λn のCW光を変調する。ONUの送信器の一例を図8に示す。図8では、ベースバンド送信信号a,bをそれぞれサブキャリア周波数fa,fb のRF搬送波で変調したRF変調信号を加算器26で加算し、多重RF変調信号としている。一方、OLT10においても各ONUごとに中心周波数をそれぞれ対応させたRF復調器を用いることにより、各ONUに割り当てる帯域の増大が可能となる。
【0038】
また、各ONUに割り当てる複数のRF搬送波のサブキャリア周波数を固定的ではなく、OLTからの制御信号により動的に変更することにより、各ONUに割り当てる帯域を可変制御することができる。例えば、ONUの変調方式にOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing) を利用し、OFDMの各周波数成分をONUとOLTのRF復調器との間で割り当てることにより、帯域割り当てのきめ細かい制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】WDM−PONシステムの構成例を示す図。
【図2】カラーレスONUを用いたWDM−PONシステムの構成例を示す図。
【図3】既存PON(GE−PON)とWDM−PONが共存するシステム構成例を示す図。
【図4】本発明の光通信システムの第1の実施形態を示す図。
【図5】本発明の光通信システムの第2の実施形態を示す図。
【図6】遅延補償器40の構成例を示す図。
【図7】本発明の光通信システムの第3の実施形態を示す図。
【図8】本発明の光通信システムの第4の実施形態におけるONUの送信器の一例を示す図。
【符号の説明】
【0040】
10 OLT(光加入者線終端盤)
11 WDM光源
12 受光器
13 増幅器
14 分配器
15 RF復調器
16 波長フィルタ
17 OSU(光加入者線終端装置)
20 ONU(光ネットワーク終端装置)
21 乗算器
22 フィルタ
23 増幅器
24 光変調器
25 光増幅器
26 加算器
31,32 光ファイバ伝送路
33 波長スプリッタ
34 パワースプリッタ
35 波長合分波器
40 遅延補償器
41 波長分波器
42 遅延線
43 波長合波器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
局側に配置される光加入者線終端盤(以下「OLT」という)と、複数のユーザ側にそれぞれ配置される光ネットワーク終端装置(以下「ONU」という)がパワースプリッタおよび光ファイバ伝送路を介して接続された光通信システムにおいて、
前記各ONUは、互いに異なる少なくとも1つのサブキャリア周波数が割り当てられ、それぞれ割り当てられたサブキャリア周波数のRF搬送波を送信信号で変調したRF変調信号を生成するRF変調手段と、前記局側のWDM光源から出力された複数の波長成分を有するCW光を前記パワースプリッタを介して入力し、前記RF変調信号で前記CW光を変調した変調光を上り信号として前記OLTに送信する光変調器とを含む送信器を備え、
前記OLTは、前記各ONUからそれぞれ送信された前記上り信号を前記パワースプリッタを介してサブキャリア多重された上り信号として受光して電気信号に変換する受光器と、前記各ONUに割り当てられたサブキャリア周波数に基づいて前記電気信号から前記各ONUの送信信号を復調する各ONU対応のRF復調器とを含む受信器を備えた
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の光通信システムにおいて、
前記各ONUの前記光変調器は、前記上り信号を増幅する光増幅器を含む構成である
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の光通信システムにおいて、
前記OLTは、前記受光器の前段に、前記複数の波長成分を有する前記上り信号が前記光ファイバ伝送路の波長分散によって生じた遅延差を補償する遅延補償器を備えた
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項4】
請求項1に記載の光通信システムにおいて、
前記OLTは、前記複数の波長成分を有する前記上り信号を各波長成分に分波する波長分波器と、前記各ONU対応の受光器とを備え、前記波長分波器で分波された各波長成分の上り信号を前記各ONU対応の受光器でそれぞれ電気信号に変換し、前記各ONU対応のRF復調器で復調する構成である
ことを特徴とする光通信システム。
【請求項5】
請求項1に記載の光通信システムのONUの送信器において、
前記各ONUに対して互いに異なる少なくとも1つのサブキャリア周波数が割り当てられ、それぞれ割り当てられたサブキャリア周波数のRF搬送波を送信信号で変調したRF変調信号を生成するRF変調手段と、
前記局側のWDM光源から出力された複数の波長成分を有するCW光を前記パワースプリッタを介して入力し、前記RF変調信号で前記CW光を変調した変調光を上り信号として前記OLTに送信する光変調器と
を備えたことを特徴とするONUの送信器。
【請求項6】
請求項1に記載の光通信システムのOLTの受信器において、
前記各ONUからそれぞれ送信された前記上り信号を前記パワースプリッタを介してサブキャリア多重された上り信号として受光して電気信号に変換する受光器と、
前記各ONUに割り当てられたサブキャリア周波数に基づいて前記電気信号から前記各ONUの送信信号を復調する各ONU対応のRF復調器と
を備えたことを特徴とするOLTの受信器。
【請求項7】
請求項1に記載の光通信システムのONUの上り信号送信方法において、
前記各ONUに対して互いに異なる少なくとも1つのサブキャリア周波数が割り当てられたRF変調手段が、それぞれ割り当てられたサブキャリア周波数のRF搬送波を送信信号で変調したRF変調信号を生成し、
前記局側のWDM光源から出力された複数の波長成分を有するCW光を前記パワースプリッタを介して入力する光変調器が、前記RF変調信号で前記CW光を変調した変調光を生成し、上り信号として前記OLTに送信する
ことを特徴とするONUの上り信号送信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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