説明

光音響撮像装置およびそれに用いられるプローブユニット並びに内視鏡

【課題】光ファイバを用いてレーザ光を導光して実施する光音響イメージングにおいて、光ファイバの端面損傷を抑制しながら高エネルギーのレーザ光を導光することを可能とする。
【解決手段】光音響撮像装置10において、光学系の上流側から入射したレーザ光Loを拡散させる拡散板12と、拡散板12により拡散されたレーザ光Loを集光する集光レンズ系13と、コア41a/クラッド41b構造の光ファイバ41を包含する光ファイバケーブル14であって、集光レンズ系13により集光されたレーザ光Loを一端から入射させるように配置された光ファイバケーブル14とを備え、光照射部15を、光ファイバケーブル14により導光されたレーザ光Loを上記測定光Lとして照射するものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光が被検体に照射されることにより被検体内で発生した光音響波を検出して光音響画像を生成する光音響撮像装置およびそれに用いられるプローブユニット並びに内視鏡に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、被検体の内部の断層画像を取得する方法としては、超音波が被検体内に照射されることにより被検体内で反射した超音波を検出して超音波画像を生成し、被検体内の形態的な断層画像を得る超音波イメージングが知られている。一方、被検体の検査においては形態的な断層画像だけでなく機能的な断層画像を表示する装置の開発も近年進められている。そして、このような装置の一つに光音響分析法を利用した装置がある。この光音響分析法は、所定の波長を有する光(例えば、可視光、近赤外光又は中間赤外光)を被検体に照射し、被検体内の特定物質がこの光のエネルギーを吸収した結果生じる弾性波である光音響波を検出して、その特定物質の濃度を定量的に計測するものである(特許文献1)。被検体内の特定物質とは、例えば血液中に含まれるグルコースやヘモグロビンなどである。このように光音響波を検出しその検出信号に基づいて光音響画像を生成する技術は、光音響イメージング(PAI:Photoacoustic Imaging)或いは光音響トモグラフィーと呼ばれる。
【0003】
従来、上記のような光音響効果を利用した光音響イメージングにおいて、次のような課題がある。被検体に照射された光の強度は、被検体内を伝播する過程で吸収や散乱によって著しく減衰する。また、照射された光に基づいて被検体内で発生した光音響波の強度も、被検体内を伝播する過程で吸収や散乱によって減衰する。したがって、光音響イメージングでは、被検体の深部の情報を得ることが難しい。この課題を解決するため、例えば高エネルギーのレーザ光を用いて被検体内に照射される光のエネルギー量を増やすことにより、発生する光音響波を大きくすることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−12295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、光音響イメージングにおいて必要とされる高エネルギー(1mJ以上)のレーザ光を光ファイバによって導光する場合、その光ファイバの端面が破壊されてしまう可能性が高く、光ファイバの耐久性の問題が生じうる。通常、レーザ光を光ファイバに入射させる際、レーザ光のビーム径が光ファイバのコア径に収まるように集光レンズの焦点近傍位置に光ファイバの端面を配置する。しかし、集光レンズにより集光された際レーザ光が絞られすぎてエネルギーが局所的に集中し、このエネルギーが集中した部分を起点に光ファイバの端面の損傷が進むためである。光ファイバの端面におけるエネルギーの局所的な集中を抑制するために、光ファイバの端面を焦点近傍位置からずらして配置することが考えられるが、この場合には光ファイバの内部でエネルギーが局所的に集中して光ファイバの内部で損傷が発生したりエネルギーの結合損失が増加したりといった問題が生じる可能性があり、それほど大きな効果は期待できない
【0006】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、光ファイバを用いてレーザ光を導光して実施する光音響イメージングにおいて、光ファイバの端面損傷を抑制しながら高エネルギーのレーザ光を導光することを可能とする光音響撮像装置およびそれに用いられるプローブユニット並びに内視鏡を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係る光音響撮像装置は、
被検体内に測定光を照射する光照射部と、測定光の照射により被検体内で発生した光音響波を検出してこの光音響波を電気信号に変換する電気音響変換部と、電気信号に基づいて光音響画像を生成する画像生成部とを備える光音響撮像装置において、
光学系の上流側から入射したレーザ光を拡散させる拡散板と、
拡散板により拡散されたレーザ光を集光する集光レンズ系と、
コア/クラッド構造の光ファイバを包含する光ファイバケーブルであって、集光レンズ系により集光されたレーザ光を一端から入射させるように配置された光ファイバケーブルとを備え、
光照射部が、光ファイバケーブルにより導光されたレーザ光を上記測定光として照射するものであることを特徴とするものである。
【0008】
そして、本発明に係る光音響撮像装置において、集光レンズ系は、レーザ光の最小ビーム径が光ファイバのコア径の1/3以上2/3以下となるように、レーザ光を集光するものであり、
光ファイバケーブルは、レーザ光のビーム径が光ファイバのコア径の1/3以上2/3以下である状態でレーザ光を入射させるように配置されたものであることが好ましい。
【0009】
そして、本発明に係る光音響撮像装置において、拡散板に入射する際のレーザ光の拡がり角φ、拡散板の拡散角θ、集光レンズ系の焦点距離fおよび光ファイバのコア径dが下記式(1)を満たすことが好ましい。
【0010】
【数1】

【0011】
本明細書において、「拡がり角」とは、レーザ光のビーム径が伝搬に伴い拡がる角度を意味する。また、拡散板の「拡散角」とは、当該拡散板を透過した際のレーザ光のビーム径が伝搬に伴い拡がる角度を意味する。なお、本明細書において「拡がり角」および「拡散角」は平面角の全角で表すものとし、「ビーム径」とはレーザ光のエネルギーのおよそ86.5%が含まれる1/e径とする。なお、これらの角度を測定する場合には、あるビーム径から当該ビーム径の1.5倍のビーム径に拡散するまでの範囲内で測定することが好ましい。
【0012】
そして、本発明に係る光音響撮像装置において、集光レンズ系の焦点距離は4〜40mmであることが好ましい。
【0013】
そして、本発明に係る光音響撮像装置において、拡散板はホログラフィックディフューザであり、
ホログラフィックディフューザの拡散角は0.2〜2.0°であることが好ましい。
【0014】
そして、本発明に係る光音響撮像装置において、光ファイバのコア径は100〜600μmであることが好ましい。
【0015】
そして、本発明に係る光音響撮像装置において、集光レンズ系および光ファイバケーブルを一体化して保持する保持部を備えることが好ましい。
【0016】
そして、本発明に係る光音響撮像装置において、保持部は、拡散板も含めて一体化して保持するものであることが好ましい。
【0017】
そして、本発明に係る光音響撮像装置において、レーザ光を分岐させる分岐部を備え、
拡散板、集光レンズ系および光ファイバケーブルは、分岐したレーザ光の光路ごとに配置されることが好ましい。
【0018】
或いは、本発明に係る光音響撮像装置において、レーザ光を分岐させる分岐部を備え、
拡散板は、1つであり、かつ分岐したレーザ光のうち少なくとも2以上を拡散させるように配置され、
集光レンズ系および光ファイバケーブルは、分岐したレーザ光の光路ごとに配置されることが好ましい。
【0019】
或いは、本発明に係る光音響撮像装置において、集光レンズ系はレンズアレイであり、
光ファイバケーブルは複数存在し、
複数の光ファイバケーブル中の複数の光ファイバの端面であってレンズアレイ側の端面のそれぞれは、レンズアレイを構成するレンズ部にそれぞれ対応して配列していることが好ましい。
【0020】
或いは、本発明に係る光音響撮像装置において、集光レンズ系がマイクロレンズアレイであり、
光ファイバケーブルが複数の光ファイバを包含するバンドルファイバケーブルであり、
バンドルファイバケーブル中の複数の光ファイバの端面であってマイクロレンズアレイ側の端面のそれぞれが、マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズにそれぞれ対応して配列していることが好ましい。
【0021】
本明細書において、複数の光ファイバケーブル(或いはバンドルファイバケーブル。この段落において以下同じ。)中の複数の光ファイバの端面のそれぞれがレンズアレイ(或いはマイクロレンズアレイ。この段落において以下同じ。)を構成するレンズ部(或いはマイクロレンズ。この段落において以下同じ。)に「それぞれ対応して配列している」とは、複数の光ファイバの当該端面の配列パターンがレンズアレイの集光パターンに実質的に一致することを意味する。2つのパターンが「実質的に一致する」とは、これらのパターンが若干異なっていたとしても、レンズアレイを構成するレンズ部ごとに集光された複数のレーザ光のそれぞれが複数の光ファイバのコアのそれぞれに入射することができる範囲であれば、一致しているとして取り扱うことを意味する。端面の「配列パターン」とは、複数の光ファイバの一方の端面に関するそれぞれの代表点(例えばコアの中心)の配列のパターンを意味する。「集光パターン」とはレンズアレイを構成するレンズ部をそれぞれ透過し集光された複数のレーザ光がレンズアレイの光軸に垂直な焦点面に形成する輝点のパターンを意味する。
【0022】
さらに、本発明に係るプローブユニットは、
被検体内に測定光を照射し、この測定光の照射により被検体内で発生した光音響波を検出してこの光音響波を電気信号に変換し、この電気信号に基づいて光音響画像を生成する光音響撮像装置に用いられるプローブユニットにおいて、
被検体内に測定光を照射する光照射部と、
測定光の照射により被検体内で発生した光音響波を検出してこの光音響波を電気信号に変換する電気音響変換部と、
光学系の上流側から入射したレーザ光を拡散させる拡散板と、
拡散板により拡散されたレーザ光を集光する集光レンズ系と、
コア/クラッド構造の光ファイバを包含する光ファイバケーブルであって、集光レンズ系により集光されたレーザ光を一端から入射させるように配置された光ファイバケーブルとを備え、
光照射部が、光ファイバケーブルにより導光されたレーザ光を測定光として照射するものであることを特徴とするものである。
【0023】
さらに、本発明に係る内視鏡は、上記に記載のプローブユニットを備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る光音響撮像装置およびそれに用いられるプローブユニット並びに内視鏡は、被検体内に測定光を照射する光照射部と、測定光の照射により被検体内で発生した光音響波を検出してこの光音響波を電気信号に変換する電気音響変換部と、電気信号に基づいて光音響画像を生成する画像生成部とを備える光音響撮像装置において、光学系の上流側から入射したレーザ光を拡散させる拡散板と、拡散板により拡散されたレーザ光を集光する集光レンズ系と、コア/クラッド構造の光ファイバを包含する光ファイバケーブルであって、集光レンズ系により集光されたレーザ光を一端から入射させるように配置された光ファイバケーブルとを備え、光照射部が、光ファイバケーブルにより導光されたレーザ光を上記測定光として照射するものであることを特徴とするものである。つまり、レーザ光を一度拡散板に通すことによりレーザ光に含まれる光束の伝播角度の分布を拡げ、光ファイバに入射する際のビーム径を集光レンズ系の焦点距離によって制御しているから、集光レンズ系で集光させてレーザ光を光ファイバに入射させる際に、レーザ光が絞られすぎることを防止することができる。これにより、局所的なエネルギーがコアの損傷閾値エネルギーを超えることによる光ファイバの端面におけるコアの損傷を防止することができる。この結果、光ファイバを用いてレーザ光を導光して実施する光音響イメージングにおいて、光ファイバの端面損傷を抑制しながら高エネルギーのレーザ光を導光することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態の光音響撮像装置の一実施形態の構成を示す概略図である。
【図2】図1における画像生成部の構成を示すブロック図である。
【図3】拡散板、集光レンズ系および光ファイバケーブルからなる光学系の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図4】拡散板、集光レンズ系および光ファイバケーブルからなる光学系の実施形態の他の構成を示す概略断面図である。
【図5】光ファイバケーブルの構造を示す概略断面図である。
【図6】拡散板で拡散したレーザ光を集光レンズ系で集光した場合におけるレンズ焦点位置でのビームのエネルギープロファイルを示す図である。
【図7】拡散板を使用せずレーザ光を集光レンズ系で集光した場合におけるレンズ焦点位置でのビームのエネルギープロファイルを示す図である。
【図8】進行方向と集光レンズ系の光軸との成す角度が分布を持つレーザ光束が当該集光レンズ系に集光された場合における、集光範囲の直径およびビーム径の相関性を示すグラフである。
【図9】拡散板および集光レンズ系の条件を変えた実験により、レンズ焦点位置でのビーム径と光ファイバのコアの損傷閾値エネルギーとの関係を示すグラフである。
【図10】本発明の内視鏡の実施形態の構成を示す概略図である。
【図11】本発明の内視鏡の挿入部の先端の構成を示す概略図である。
【図12】分岐されたレーザ光の光路ごとに拡散板、集光レンズ系および光ファイバケーブルからなる光学系を配置する場合の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図13】分岐されたレーザ光の光路ごとに集光レンズ系および光ファイバケーブルからなる光学系を配置する場合の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図14】複数のレンズ部を備えたレンズアレイを用い、分岐されたレーザ光の光路ごとに光ファイバケーブルを配置する場合の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図15】マイクロレンズアレイを用いてレーザ光を分岐させ、バンドルファイバを用いて複数の分岐光のそれぞれを導光する場合の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【図16】本発明のプローブユニットの先端部の構成を示す概略断面図である。
【図17】本発明のプローブユニットの先端部の他の構成を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明するが、本発明はこれに限られるものではない。なお、視認しやすくするため、図面中の各構成要素の縮尺等は実際のものとは適宜異ならせてある。
【0027】
「光音響撮像装置およびそれに用いられるプローブユニット並びに内視鏡の実施形態」
本発明の光音響撮像装置10の実施形態について説明する。図1は、本実施形態における光音響撮像装置10全体の構成を示す概略図である。図2は、図1の画像生成部2の構成を示すブロック図である。図3および図4はそれぞれ、拡散板12、集光レンズ系13および光ファイバケーブル14からなる本発明の光学系の実施形態の構成を示す概略断面図である。
【0028】
本実施形態による光音響撮像装置10は、特定波長成分を含む測定光Lを発生させこの測定光Lを被検体7に照射する光送信部1と、この測定光Lが被検体7に照射されることにより被検体7内で発生する光音響波Uを検出して任意断面の光音響画像データを生成する画像生成部2と、音響信号と電気信号の変換を行う電気音響変換部3と、この光音響画像データを表示する表示部6と、操作者が患者情報や装置の撮影条件を入力するための操作部5と、これら各ユニットを統括的に制御するシステム制御部4とを備えている。
【0029】
そして、本実施形態のプローブユニット70は、電気音響変換部3、拡散板12、集光レンズ系13、光ファイバケーブル14および光照射部15を備えている。
【0030】
光送信部1は、波長の異なる複数の光源を備える光源部11と、光源部11から出力されたレーザ光Loを拡散させる拡散板12と、拡散板12により拡散されたレーザ光Loを集光する集光レンズ系13と、集光レンズ系13により集光されたレーザ光Loを一端から入射させ、このレーザ光Loを導光する光ファイバケーブル14と、光ファイバケーブル14に導光されたレーザ光Loを測定光Lとして被検体7の体表面へ照射する光照射部15とを備えている。
【0031】
光源部11は、例えば所定の波長の光を発生する1以上の光源を有する。光源として、特定の波長成分又はその成分を含む単色光を発生する半導体レーザ(LD)、固体レーザ、ガスレーザ等の発光素子を用いることができる。光源部11は、レーザ光として1〜100nsecのパルス幅を有するパルス光を出力するものであることが好ましい。レーザ光の波長は、計測の対象となる被検体内の物質の光吸収特性によって適宜決定される。生体内のヘモグロビンは、その状態(酸化ヘモグロビン、還元ヘモグロビン、メトヘモグロビン、炭酸ガスヘモグロビン、等)により光学的な吸収特性が異なるが、一般的には600nmから1000nmの光を吸収する。したがって、例えば計測対象が生体内のヘモグロビンである場合(つまり、血管を撮像する場合)には、一般的には600〜1000nm程度とすることが好ましい。さらに、被検体7の深部まで届くという観点から、上記レーザ光の波長は700〜1000nmであることが好ましい。そして、上記レーザ光の出力は、レーザ光と光音響波の伝搬ロス、光音響変換の効率および現状の検出器の検出感度等の観点から、10μJ/cm〜数10mJ/cmであることが好ましい。さらに、パルス光出力の繰り返しは、画像構築速度の観点から、10Hz以上であることが好ましい。また、レーザ光は上記パルス光が複数並んだパルス列とすることもできる。
【0032】
より具体的には例えば、被検体7のヘモグロビン濃度を測定する場合には、固体レーザの一種であるNd:YAGレーザ(発光波長:約1000nm)や、ガスレーザの一種であるHe-Neガスレーザ(発光波長:633nm)を用い、10nsec程度のパルス幅を有したレーザ光を形成する。また、LD等の小型発光素子を用いる場合には、InGaAlP(発光波長:550〜650nm)、GaAlAs(発光波長:650〜900nm)、InGaAsもしくはInGaAsP(発光波長:900〜2300nm)などの材料を用いた素子を使用することができる。また最近では、波長が550nm以下で発光するInGaNを用いた発光素子も使用可能になりつつある。更には、波長可変可能な非線形光学結晶を用いたOPO(Optical Parametrical Oscillators)レーザを用いることもできる。
【0033】
拡散板12は、光源部11から出力されたレーザ光Loを拡散させてレーザ光Loのビーム径を大きくする、つまりレーザ光Loを一度拡散板に通すことによりレーザ光Loに含まれる光束の伝播角度の分布を拡げる機能を果たす。これにより、拡散板の発光面がレーザ光Loの2次光源となるため、集光レンズ系13によりレーザ光Loが集光される際、レーザ光Loが絞られすぎることを防止できる。本発明の拡散板12はレンズ拡散板であることが好ましい。例えば本実施形態における拡散板12は、微小な凸レンズが基板の片面12sにランダムに配置されたレンズ拡散板であるホログラフィックディフューザであり、その拡散角は0.2〜2.0°であることが好ましく、0.4〜1.0°であることがより好ましい。拡散効率が高いためである。このようなホログラフィックディフューザとしては、例えば、Edmunds社製(型番:48513−L、材質:石英、拡散角:0.5°、透過効率:93%)を使用することができる。
【0034】
また、レンズ拡散板は、微小な凹レンズが基板の片面にランダムに配置されたレンズ拡散板でも良い。このような微小な凹レンズが配置されたレンズ拡散板としては、例えば、RPC Photonics社製(型番:EDC−0.5−A、拡散角:0.5°)を使用することもできる。さらに、本発明の拡散板12はレンズ拡散板に限られない。本発明に適用可能なレンズ拡散板以外の拡散板としては、例えば、ガラス基板の片面を擦りガラス(砂面)にすることでつや消し効果を利用したフロスト型の拡散板、およびガラス内に乳白色の光拡散物質を分散することで拡散特性を利用したオパールガラスの拡散板等の光散乱を利用した拡散板が挙げられる。
【0035】
拡散板12は、図3に示されるように、保持部40aによって集光レンズ系13および光ファイバケーブル14と一体化して保持されるように構成してもよい。この場合、拡散板12および集光レンズ系13の位置関係の調整が不要となり、光学系を小型化することができる。拡散板12は、集光レンズ系13に対して光学系の上流側かつ集光レンズ系13の中心から焦点距離の3倍の範囲内に配置されることが好ましい。
【0036】
集光レンズ系13は、光ファイバケーブル14中の光ファイバ41のコア41aにレーザ光Loを導光するためのものである。集光レンズ系13の焦点距離(光ファイバケーブル14側の主点と焦点との距離)は、4〜40mmであることが好ましく、8〜25mmであることがより好ましい。光学系の小型化が可能であり、コアが石英からなりクラッドがフッ素ドープ石英からなる一般的な光ファイバの開口数NA(最大で0.22程度)に焦点距離を整合させるためである。また、集光レンズ系13は、複数のレンズから構成される結合系レンズとすることもできる。集光レンズ系13が結合系レンズである場合には、集光レンズ系13の焦点距離とは、当該結合系レンズの合成焦点距離をいう。集光レンズ系13は、図3に示されるように保持部40aによって拡散板12および光ファイバケーブル14と一体化して保持されるように構成してもよく、図4に示されるように保持部40bによって光ファイバケーブル14のみと一体化して保持されるように構成してもよい。
【0037】
光ファイバケーブル14は、集光レンズ系13により集光されたレーザ光Loを光照射部15に導光するものである。光ファイバケーブル14は、例えば図5に示されるように、コア41aおよびクラッド41bから構成される光ファイバ41と、当該光ファイバ41の周囲を被覆するフェルールおよびシース等の被覆部材42とを備える。また、光ファイバ41および被覆部材42は接着剤41cで互いに固定される。光ファイバケーブル14中の光ファイバ41のコア径は100〜600μmであることが好ましく、200〜400μmであることがより好ましい。光ファイバケーブル14中の光ファイバ41は、特に限定されないが石英ファイバであることが好ましい。光ファイバケーブル14としては、Thorlabs社製のSMA型光ファイバを使用することができる。
【0038】
光ファイバケーブル14は、光ファイバ41の入射端が集光レンズ系13の焦点に位置するように位置調整される。光ファイバケーブル14の位置の微調整を可能にするため、光ファイバケーブル14をその光軸方向に移動せしめる光ファイバケーブル位置調整部を有するように構成することもできる。
【0039】
また、図3に示されるように保持部40aによって拡散板12、集光レンズ系13および光ファイバケーブル14が一体化して保持される場合、または図4に示されるように保持部40bによって集光レンズ系13および光ファイバケーブル14が一体化して保持される場合には、光ファイバケーブル14の入射端面が集光レンズ系13の焦点位置に容易に固定されるように、光ファイバケーブル14はネジ構造等の着脱を可能にする構造によって保持部40aまたは40bに固定されることが好ましい。図3および図4では、保持部40aおよび40bの接合部100a、並びに、光ファイバケーブル14の接続部100bのそれぞれが互いに相補的なネジ構造を有することにより、光ファイバケーブル14が保持部40aおよび40bに着脱可能に固定されている。このように、光ファイバケーブル14を例えばネジ構造によって保持部40aまたは40bに固定した場合、光ファイバケーブル位置調整部が不要となるため光学系を小型化することができる。また、保持部40aまたは40bからネジをはずすだけで容易に光ファイバケーブル14を交換することができるため、損傷した光ファイバケーブル14を交換する際に、集光レンズ系13および光ファイバケーブル14の再度の位置合わせが不要となりメンテナンス性が向上する。集光レンズ系13および光ファイバケーブル14の位置関係が固定されるようネジ部を介して一体化するためには、例えば、Thorlabs社製の非球面レンズファイバコリメータパッケージ(型番:F280SMA−AまたはF280SMA−B、焦点距離:18.4mm)等を使用することができる。また、Thorlabs社製の非球面レンズファイバコリメータパッケージのシリーズでは、約4mmから18.4mmまでの焦点距離を有する製品が揃えられているため、目的に合わせて適宜選択することが可能である。
【0040】
本発明において、集光レンズ系13は、レーザ光Loの最小ビーム径が光ファイバ41のコア径の1/3以上2/3以下となるように、レーザ光Loを集光するものであり、光ファイバケーブル14は、レーザ光Loのビーム径が光ファイバ41のコア径の1/3以上2/3以下である状態でレーザ光Loを入射させるように配置されたものであることが好ましい。具体的には、拡散板12に入射する前におけるレーザ光Loの拡がり角φ、拡散板12の拡散角θ、集光レンズ系13の焦点距離fおよび光ファイバ41のコア径dが下記式(1)を満たすことが好ましい。
【0041】
【数2】

【0042】
ビーム径を光ファイバ41のコア径の1/3以上としたのは、ビーム径が絞られることによりエネルギーが集中して光ファイバ41のコア41aが損傷すること(コア損傷モード)を抑制するためである。
【0043】
図6は拡散板で拡散したレーザ光を集光レンズ系で集光した場合におけるレンズ焦点位置でのビームのエネルギープロファイルを示す図であり、図7は、拡散板を使用せずレーザ光を集光レンズ系で集光した場合におけるレンズ焦点位置でのビームのエネルギープロファイルを示す図である。通常、レーザー光源から出力されたときのレーザ光の拡がり角φは小さい(大きくても0.15°程度)ため、集光されたレーザ光は光ファイバの入射端で小さく絞られてしまう。この結果、光ファイバの入射端でレーザ光のエネルギーが集中してしまい、光ファイバの端面におけるコアの損傷が生じる。そこで、本発明では、拡散板12でレーザ光Loを拡散することにより、レーザ光Loのレンズ焦点位置でのビーム径を制御する。
【0044】
本発明ではビーム径の制御方法として、集光レンズ系の光軸との成す角度がαとなる方向に進行する平行光が焦点距離fの当該集光レンズ系に入射した場合、当該平行光が集光される集光点の位置がその集光レンズ系の焦点の位置からずれてその集光点とその焦点との距離がftanαで近似することができる原理を利用している。
【0045】
したがって、集光レンズ系に入射するレーザ光束の進行方向と集光レンズ系の光軸との成す角度が分布を持つ場合には、それぞれの角度に対応した位置にレーザ光束が集光されるため、それぞれの角度に対応した集光点を重ね合わせたレーザ光全体の集光範囲は大きくなる。集光レンズ系の上流側に拡散板を配置した場合には、拡散板入射前におよそφ/2以内であったレーザ光束の上記角度分布は、拡散板透過後には半角でおよそ√((φ/2)^2+(θ/2)^2)以内に拡がるため、これに対応してその後集光レンズ系により集光されたレーザ光全体の集光範囲はさらに大きくなる。
【0046】
そして、集光範囲のうちレーザ光のエネルギーのおよそ86.5%が含まれる1/e径をビーム径としたことを考慮すると、集光範囲の直径2f・tan(√((φ/2)^2+(θ/2)^2))およびビーム径Dは互いに一定の相関性を有することが推定される。
【0047】
図8は、進行方向と集光レンズの光軸との成す角度が分布を持つレーザ光束が当該集光レンズに集光された場合における、集光範囲の直径2f・tan(√((φ/2)^2+(θ/2)^2))および実験的に得られた実際のビーム径Dの相関性を示すグラフである。より具体的にはこのグラフは、所定の拡散角θを有する拡散板に波長が532nm、パルス幅が3.5ns、拡散板に入射する際のビーム径が3.5mm、拡がり角φが0.13°のレーザ光を入射させた後、所定の焦点距離fを有する集光レンズにより当該レーザ光を集光した場合における集光範囲をビームプロファイラ(Coherent社製のLaserCam−HR)で測定した実験結果である。グラフ中の3点の丸形のプロットは、焦点距離fが40mmである集光レンズと拡散板との組み合わせからなる光学系で測定した結果であり、拡散板の拡散角θは左下のプロットからそれぞれ0(つまり拡散板なし)、0.65および0.95°である。また、グラフ中の5点の菱形のプロットは、焦点距離fが25mmである集光レンズと拡散板との組み合わせからなる光学系で測定した結果であり、拡散板の拡散角θは左下のプロットからそれぞれ0、0.65、0.95、1.15および1.35°である。また、グラフ中の3点の四角形のプロットは、焦点距離fが18.3mmである集光レンズと拡散板との組み合わせからなる光学系で測定した結果であり、拡散板の拡散角θは左下のプロットからそれぞれ0、0.65および1.80°である。また、グラフ中の6点の三角形のプロットは、焦点距離fが15.3mmである集光レンズと拡散板との組み合わせからなる光学系で測定した結果であり、拡散板の拡散角θは左下のプロットからそれぞれ0、0.65、0.95、1.15、1.35および1.80°である。
【0048】
図8からビーム径Dは集光範囲の直径に対して一次関数の関係にあることがわかる。そして、グラフ中の一次関数の傾きはおよそ2.4/2であった。したがって、ビーム径Dは下記式(2)で表すことができる。
【0049】
【数3】

【0050】
つまり、所定のレーザ光について、上記実験に用いた焦点距離および拡散角に限らず、焦点距離fおよび拡散角θを適当に設定することにより、任意のビーム径Dを作ることが可能であると言える。
【0051】
本発明では、上記の関係を用いてレーザ光Loのビーム径Dを制御することにより、光ファイバケーブル14中の光ファイバ41のコア41aの損傷閾値エネルギー密度を越えないように高エネルギーのレーザ光Loを光ファイバケーブル14によって導光することが可能となる。
【0052】
また、ビーム径を光ファイバケーブル14中の光ファイバ41のコア径の2/3以下としたのは、ビーム径Dが広がることにより光ファイバ41のコア41aの周囲の部材がレーザ光Loのエネルギーを吸収して当該部材が損傷し、損傷した部位から塵およびガス等の放出物が放出されることを抑制するためである。このような放出物は、光ファイバ41の端面に付着して端面付近におけるコア41aの破壊を誘発し、エネルギーの伝送を阻害するといった問題(周囲損傷モード)の原因となりうる。つまり、ビーム径を光ファイバ41のコア径の2/3以下としたのは上記のような周囲損傷モードの発生を抑制するためである。コアの周囲の部材とは、例えば樹脂製のクラッド、クラッド外表を被覆する接着剤および被膜、並びに、さらにその外周を覆う金属製フェルール等の被覆部材42を意味する。
【0053】
図9は、拡散板および集光レンズの条件を変えた実験により、レンズ焦点位置でのビーム径と光ファイバケーブル14の損傷閾値エネルギーとの関係を示すグラフである。より具体的にはこのグラフは、所定の拡散角θを有する拡散板に波長が532nm、パルス幅が3.5ns、拡散板に入射する際のビーム径が3.5mm、拡がり角φが0.13°のレーザ光を入射させた後、所定の焦点距離fを有する集光レンズにより光ファイバケーブル(コア径600μmまたは400μm)の端面に当該レーザ光を集光し、コア損傷モードまたは周囲損傷モードが生じ始めた時のエネルギーをプロットしたものである。実験においては、上記パルスレーザ光を光ファイバの一方の端部に入射して、他方の端部から出射したパルスレーザ光のエネルギーを測定した。そして、パルスレーザ光の入射エネルギーを入射側端部が損傷するまで増加させながら、出射側で測定されたエネルギーの最大値を損傷閾値エネルギーとした。レンズ焦点位置でのビーム径は、拡散角θが0.65または1.8°の拡散板、および焦点距離fが11.0、15.3、18.3または25.0mmの集光レンズを適宜組み合わせて調整した。図9において、実線は、石英コアの損傷閾値エネルギー密度から想定される光ファイバ端面の損傷閾値エネルギー曲線を示す。また点線は、コア径が600μmである石英コアを有する光ファイバケーブルの損傷閾値エネルギーを示す。また一点鎖線は、コア径が400μmである石英コアを有する光ファイバケーブルの損傷閾値エネルギーを示す。半値幅の開始点がコア径dのおよそ1/3、終了点がコア径dのおよそ2/3となっている。
【0054】
このグラフより、光ファイバの損傷のモードが、ビーム径が増加する途中でコア損傷モードから周囲損傷モードへと切り替わり、損傷閾値エネルギーはビーム径に対して上に凸となる変化を示すことがわかる。これは、石英等からなるコアに比べ、上記のような周囲の部材のレーザ光Loに対する耐久性が低いためである。
【0055】
また、図9のグラフから分かるように、拡散板を介さずに光ファイバケーブル(コア径600μm)にレーザ光を集光する従来の方法では、ビーム径の制御範囲が最大で90μm程度に限定されるため、伝送可能なエネルギー量は約1.0mJが限界であった。しかしながら、拡散板12および集光レンズ系13の組み合わせによりビーム径Dを制御する本発明においては、ビーム径Dを拡大制御するほどより大きなエネルギー量を伝送することができ、例えばコア径が400μmの光ファイバに対しビーム径を250μmとすれば約12mJ程度、コア径が600μmの光ファイバに対しビーム径を350μmとすれば約22mJ程度と飛躍的に大きなエネルギー量を伝送することが可能となる。これにより、本発明によれば伝送可能なエネルギー量を飛躍的に増大させることができる。
【0056】
光照射部15は、本実施形態では光ファイバケーブル14中の光ファイバ41の出射端面から構成される。光照射部15を構成する光ファイバ41の出射端面は、例えば電気音響変換部3の近傍に配置される。また、電気音響変換部3を構成する複数の変換素子54が透明材料である場合には、光照射部15は変換素子54の上方から変換素子全体を照射できるように配置してもよい。
【0057】
電気音響変換部3は、例えば1次元状或いは2次元状に配列された微小な複数の変換素子54から構成される。変換素子54は、例えば、圧電セラミクス、またはポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような高分子フィルムから構成される圧電素子である。電気音響変換部3は、光照射部15からの光の照射により被検体7内に発生する光音響波Uを受信する。この変換素子54は、受信時において光音響波Uを電気信号に変換する機能を有している。電気音響変換部3は、小型、軽量に構成されており、多チャンネルケーブルによって後述する受信部22に接続される。この電気音響変換部3は、セクタ走査対応、リニア走査対応、コンベックス走査対応等の中から診断部位に応じて選択される。電気音響変換部3は、光音響波Uを効率よく伝達するために音響整合層を備えてもよい。一般に圧電素子材料と生体では音響インピーダンスが大きく異なるため、圧電素子材料と生体が直接接した場合には、界面での反射が大きくなり光音響波Uは効率よく伝達することができない。このため、圧電素子材料と生体の間に中間的な音響インピーダンスを有する音響整合層が配置されることにより、光音響波Uは効率よく伝達することができる。音響整合層を構成する材料の例としては、エポキシ樹脂や石英ガラスなどが挙げられる。
【0058】
光音響撮像装置10の画像生成部2は、電気音響変換部3を構成する複数の変換素子54を選択駆動するとともに、また電気音響変換部3からの電気信号に所定の遅延時間を与え、整相加算を行うことにより受信信号を生成する受信部22と、変換素子54の選択駆動や受信部22の遅延時間を制御する走査制御部24と、受信部22から得られる受信信号に対して各種の処理を行う信号処理部25とを備えている。
【0059】
受信部22は、図2に示すように、電子スイッチ53と、プリアンプ55と、受信遅延回路56と、加算器57とを備えている。
【0060】
電子スイッチ53は、光音響走査における光音響波の受信に際して、連続して隣接する所定数の変換素子54を選択する。例えば、電気音響変換部3がアレイ型の192個の変換素子CH1〜CH192から構成される場合、このようなアレイ型変換素子は、電子スイッチ53によってエリア0(CH1〜CH64までの変換素子の領域)、エリア1(CH65〜CH128までの変換素子の領域)およびエリア2(CH129〜CH192までの変換素子の領域)の3つの領域に分割されて取り扱われる。このようにN個の変換素子から構成されるアレイ型変換素子をn(n<N)個の隣接する振動子のまとまり(エリア)として取り扱い、このエリアごとにイメージング作業を実施した場合には、すべてのチャンネルの変換素子にプリアンプやA/D変換ボードを接続する必要がなくなり、プローブユニット70の構造を簡素化できコストの増大を防ぐことができる。
【0061】
プリアンプ55は、上記のように選択された変換素子54によって受信された微小な電気信号を増幅し、充分なS/Nを確保する。
【0062】
受信遅延回路56は、電子スイッチ53によって選択された変換素子54から得られる光音響波Uの電気信号に対して、所定の方向からの光音響波Uの位相を一致させて収束受信ビームを形成するための遅延時間を与える。
【0063】
加算器57は、受信遅延回路56により遅延された複数チャンネルの電気信号を加算することによって1つの受信信号にまとめる。この加算によって所定の深さからの音響信号は整相加算され、受信収束点が設定される。
【0064】
走査制御部24は、ビーム集束制御回路67と変換素子選択制御回路68とを備える。変換素子選択制御回路68は、電子スイッチ53によって選択される受信時の所定数の変換素子54の位置情報を電子スイッチ53に供給する。一方、ビーム集束制御回路67は、所定数個の変換素子54が形成する受信収束点を形成するための遅延時間情報を受信遅延回路56に供給する。
【0065】
信号処理部25は、フィルタ66と、信号処理器59と、A/D変換器60と、画像データメモリ62とを備えている。受信部22の加算器57から出力された電気信号は、信号処理部25のフィルタ66において不要なノイズを除去した後、信号処理器59にて受信信号の振幅を対数変換し、弱い信号を相対的に強調する。一般に、被検体7からの受信信号は、80dB以上の広いダイナミックレンジをもった振幅を有しており、これを23dB程度のダイナミックレンジをもつ通常のモニタに表示するためには弱い信号を強調する振幅圧縮が必要となる。なお、フィルタ66は、帯域通過特性を有し、受信信号における基本波を抽出するモードと高調波成分を抽出するモードを有している。また、信号処理器59は、対数変換された受信信号に対して包絡線検波を行う。そして、A/D変換器60は、この信号処理器59の出力信号をA/D変換し、1ライン分の光音響画像データを形成する。この1ライン分の光音響画像データは、画像データメモリ62に保存される。
【0066】
画像データメモリ62は、前述のように生成された1ライン分の光音響画像データを順次保存する記憶回路である。システム制御部4は、画像データメモリ62に保存されたある断面についての1ライン分のデータであって1フレームの光音響画像を生成するのに必要なデータを読み出す。システム制御部4は、空間的に補間しながらそれら1ライン分のデータを合成して当該断面の1フレーム分の光音響画像データを生成する。そして、システム制御部4は、この1フレーム分の光音響画像データを画像データメモリ62に保存する。
【0067】
表示部6は、表示用画像メモリ63と、光音響画像データ変換器64と、モニタ65を備えている。表示用画像メモリ63は、モニタ65に表示する1フレーム分の光音響画像データを画像データメモリ62から読み出し、それを一時的に保存するバッファメモリである。光音響画像データ変換器64は、表示用画像メモリ63に保存された1フレーム分の光音響画像データに対してD/A変換とテレビフォーマット変換を行い、その出力はモニタ65において表示される。
【0068】
操作部5は、操作パネル上にキーボード、トラックボール、マウス等を備え、装置操作者が患者情報、装置の撮影条件、表示断面など必要な情報を入力するために用いられる。
【0069】
システム制御部4は、図示しないCPUと図示しない記憶回路を備え、操作部5からのコマンド信号に従って光送信部1、画像生成部2、表示部6などの各ユニットの制御やシステム全体の制御を統括して行う。特に、内部のCPUには、操作部5を介して送られる操作者の入力コマンド信号が保存される。
【0070】
以上より、本発明に係る光音響撮像装置およびそれに用いられるプローブユニットは、特に、レーザ光を一度拡散板に通すことによりレーザ光に含まれる光束の伝播角度の分布を拡げ、光ファイバに入射する際のビーム径を集光レンズ系の焦点距離によって制御しているから、集光レンズ系で集光させてレーザ光を光ファイバに入射させる際に、レーザ光が絞られすぎることを防止することができる。これにより、局所的なエネルギーがコアの損傷閾値エネルギーを超えることによるコア損傷モードを防止することができる。この結果、光ファイバを用いてレーザ光を導光して実施する光音響イメージングにおいて、光ファイバの端面損傷を抑制しながら高エネルギーのレーザ光を導光することが可能となる。
【0071】
その結果として、高エネルギーのレーザ光が伝送可能となる、つまり1本の光ファイバケーブルでより多くのエネルギーが伝送可能となり、より強い光音響信号が得られるために高画質の光音響画像を撮像することが可能となる。また、レーザ光の伝送ケーブルの小型化および軽量化が可能となり、光音響撮像装置の操作性が向上する。
【0072】
「内視鏡の実施形態」
本発明のプローブユニットは内視鏡に適用することも可能である。図10は本実施形態の内視鏡の構成を示す概略図であり、図11は本実施形態の内視鏡の挿入部の先端の構成を示す概略図である。
【0073】
本実施形態の内視鏡8は、図10に示すように、挿入部81、操作部82、接続コード83およびユニバーサルコード84から構成される。本実施形態において、光ファイバケーブル14が、挿入部81、操作部82およびユニバーサルコード84に亘って通されており、ユニバーサルコード84の上流側の接続部84aで例えば図3のように拡散板12、集光レンズ系13および光ファイバケーブル14が一体化して保持されるように構成されている。
【0074】
内視鏡8の挿入部81は、患者の体内に挿入することができるように細長い可撓性の管状となっている。操作部82は、挿入部81の基端に設けられており、接続コード83を介して図示しない光音響撮像装置本体に接続され、ユニバーサルコード84を介して図示しない光源装置及び光学観測装置に接続されている。
【0075】
内視鏡8の挿入部81の先端部85には、コンベックス型の超音波トランスデューサアレイ85aが設けられている。また挿入部81の先端部85では、光ファイバケーブル14が必要に応じて分岐され、分岐された光ファイバケーブル14によるレーザ光の照射範囲が超音波トランスデューサアレイ85aによる超音波の受信範囲と重なるように、分岐された光ファイバケーブル14の端部が配置されている。超音波トランスデューサアレイ85aは、レーザ光の照射に起因して生じる光音響波を受信して複数の受信信号を光音響撮像装置本体の受信回路に出力する。また、内視鏡8の挿入部81の先端部85には、操作部82に設けられた処置具挿入口82aから挿入された穿刺針85bが突出される孔が形成されている。
【0076】
超音波トランスデューサアレイ85aは、図11に示すように、半円周状に並べられた第1〜第12の超音波トランスデューサTA1〜TA12を有する。
【0077】
以上より、本発明に係る内視鏡は、本発明のプローブユニットを備えているから、本発明のプローブユニットについて説明した効果と同様の効果を奏する。
【0078】
「光音響撮像装置および内視鏡に用いられるプローブユニットの設計変更」
光音響撮像装置および内視鏡に用いられる本発明のプローブユニットは、上記で説明した実施形態に限定されるものではない。
【0079】
例えば光音響撮像装置および内視鏡に用いられる本発明のプローブユニットにおいては、操作性の観点から光伝送ケーブル部分の可撓性が求められるため、コア径が1200〜600μmのより細い光ファイバケーブルを用いることが好ましい。したがって、これらの光ファイバケーブルのコアに入射させるビーム径は33〜600μmであることが求められる。このような範囲でビーム径を制御するためには、上記式(2)を用いてレーザ光の拡がり角と、拡散板の拡散角と、集光レンズ系の焦点距離とを適宜調整して決定すればよい。
【0080】
例えば光音響撮像装置および内視鏡に用いられる本発明のプローブユニットにおいては、使用施設内において移動させて用いることが想定される観点から可搬性が求められるため、光学系はより小型化されることが好ましい。そのためには、4〜40mmの比較的短い焦点距離を有する集光レンズ系を用いて上記式(2)に基づき拡散板の拡散角を決定すればよい。
【0081】
例えば光音響撮像装置および内視鏡に用いられる本発明のプローブユニットにおいては、複数のレーザ光源を用いる場合には拡散板へ入射する際のビーム径が光源ごとに異なる場合も生じうる。拡散板がホログラフィック拡散板である場合に十分な拡散効果を得るためにはより大きなビーム径が必要であるが、この場合には最も小さいビーム径の光源で拡散効果が得られるように拡散角を0.2〜2.0°の範囲で調整することが好ましい。
【0082】
例えば光音響撮像装置および内視鏡に用いられる本発明のプローブユニットは、図12に示されるように、レーザ光Loを分岐させる分岐部45、46を備え、拡散板12、集光レンズ系13および光ファイバケーブル14は、分岐したレーザ光Loの光路ごとに保持部40aで一体化されて配置されるように構成することができる。分岐部は、複数のビームスプリッタ45および複数のミラー46の組み合わせから構成される。分岐本数は、ビームスプリッタ45およびミラー46の組み合わせにより調整することができる。また分岐本数は、特に限定されないが、効果的にレーザ光Loのエネルギーを分散させる観点から、4本以上に分岐せしめることが好ましい。これにより、複数の光ファイバケーブル14でレーザ光Loを導光するため、より多くのエネルギーが伝送可能となる。
【0083】
また、例えば本発明の光音響撮像装置および内視鏡に用いられる本発明のプローブユニットは、図13に示されるように、レーザ光Loを分岐させる分岐部45、46を備え、拡散板12は、分岐したレーザ光Loのそれぞれを1つの当該拡散板12で拡散させるように配置され、集光レンズ系13および光ファイバケーブル14は、分岐したレーザ光Loの光路ごとに保持部40cで一体化されて配置されるように構成することができる。
【0084】
分岐部は、複数のビームスプリッタ45および複数のミラー46の組み合わせから構成される。分岐本数は、ビームスプリッタ45およびミラー46の組み合わせにより調整することができる。また分岐本数は、特に限定されないが、効果的にレーザ光Loのエネルギーを分散させる観点から、4本以上に分岐せしめることが好ましい。これにより、上記と同様に、複数の光ファイバケーブル14でレーザ光Loを導光するため、より多くのエネルギーが伝送可能となる。さらに、使用する拡散板12が1つで済むためコストを削減することが可能となり、光学系が鏡筒に一体的に収めることができるためよりプローブユニットを小型化することが可能となる。
【0085】
また、例えば本発明の光音響撮像装置および内視鏡に用いられる本発明のプローブユニットは、図14に示されるように、集光レンズ系がレンズアレイ47であり、耐光エネルギー構造を有する光ファイバケーブル14が複数存在し、複数の光ファイバケーブル14中の複数の光ファイバ41の端面であってレンズアレイ47側の端面のそれぞれが、レンズアレイ47を構成するレンズ部47aにそれぞれ対応して配列するように、拡散板12、レンズアレイ47および複数の光ファイバケーブル14が保持部40dで一体化された構成とすることができる。
【0086】
この場合、図14ではビームスプリッタ45および複数のミラー46の組み合わせから構成される分岐部によりレーザ光Loが分岐する様子を示しているが、レンズアレイ47によってレーザ光Loが分岐する構成としてもよい。このような場合には、レンズアレイ47は、本発明における集光レンズ系および分岐部として機能することとなり、拡散板12により拡散されたレーザ光Loは、レンズアレイ47を構成するレンズ部47aによって分岐される。レンズアレイ47でレーザ光Loを分岐させる場合、分岐本数はレンズアレイ47の構造により調整することができる。例えば、六角形のレンズを組み合わせたレンズアレイを用いた場合には、レーザ光を7本或いは19本などに分岐させることができる。
【0087】
そして、上記のような分岐機能により分岐されたレーザ光Loはそれぞれ、レンズアレイ47を構成するレンズ部47aに対応して配列した光ファイバ41のコアに集光される。これにより、上記と同様に、複数の光ファイバケーブル14でレーザ光Loを導光するため、より多くのエネルギーが伝送可能となる。さらに、使用する拡散板12が1つで済むためコストを削減することが可能となり、光学系が鏡筒に一体的に収めることができるためよりプローブユニットを小型化することが可能となる。
【0088】
また、例えば本発明の光音響撮像装置および内視鏡に用いられる本発明のプローブユニットは、図15に示されるように、集光レンズ系がマイクロレンズアレイ48であり、耐光エネルギー構造を有する光ファイバケーブルが複数の光ファイバ41を包含するバンドルファイバケーブル44であり、バンドルファイバケーブル44中の複数の光ファイバ41の端面であってマイクロレンズアレイ48側の端面のそれぞれが、マイクロレンズアレイ48を構成するマイクロレンズ48aにそれぞれ対応して配列するように、拡散板12、マイクロレンズアレイ48およびバンドルファイバケーブル44が保持部40eで一体化された構成とすることができる。
【0089】
この場合、マイクロレンズアレイ48は、本発明における集光レンズ系および分岐部として機能する。拡散板12により拡散されたレーザ光Loは、マイクロレンズアレイ48を構成するマイクロレンズ48aによって分岐される。分岐本数は、マイクロレンズアレイ48の構造により調整することができる。また分岐本数は、特に限定されないが、効果的にレーザ光Loのエネルギーを分散させる観点から、16本以上に分岐せしめることが好ましい。
【0090】
分岐されたレーザ光Loはそれぞれ、マイクロレンズアレイ48を構成するマイクロレンズ48aに対応して配列したバンドルファイバケーブル44中の光ファイバ41のコアに集光される。これにより、上記と同様に、バンドルファイバケーブル44中の複数の光ファイバでレーザ光Loを導光するため、より多くのエネルギーが伝送可能となる。さらに、使用する拡散板12が1つで済むためコストを削減することが可能となり、光学系が鏡筒に一体的に収めることができるためよりプローブユニットを小型化することが可能となる。さらに、複数の分岐光のそれぞれと複数の光ファイバ41のそれぞれとの位置合わせが容易になる。さらに、バンドルファイバケーブル44を使用することができるため、プローブユニットのコード部分に可撓性を持たせることが可能となる。
【0091】
また、例えば本発明の光音響撮像装置に用いられるプローブユニットは、図16に示されるように、光照射部15が複数の光ファイバ41の下流側の端面であり、この端面が間隔を置いてライン状に配列されたものであるように構成することができる。このように構成することで、プローブユニット先端部71に複雑な構造の光学系を設ける必要がなく、均一なライン状光源を得ることができる。また、複数の光ファイバ41のそれぞれから出射するレーザ光の強度を勘案して上記間隔を調整することにより、より均一なライン状光源を得ることができる。例えば、レーザ光の強度が強い場合には上記間隔を広く、弱い場合には狭くする等して調整することが好ましい。
【0092】
また、例えば本発明の光音響撮像装置に用いられるプローブユニットは、図17に示されるように、光照射部15が先太りの形状を有する導光板72であり、バンドルファイバケーブル44の下流側の端面が、着脱可能な状態で導光板72の短辺側の端面に接続されたものであるように構成することができる。例えば図17では、コネクタ部73においてバンドルファイバケーブル44の上記端面と導光板72の短辺側の端面とが互いに接続されている。このように構成することで、バンドルファイバケーブル44が破損した場合、バンドルファイバケーブル44のみを交換することが可能となり、メンテナンス性能が向上する。
【符号の説明】
【0093】
1 光送信部
2 画像生成部
3 電気音響変換部
4 システム制御部
5 操作部
6 表示部
7 被検体
8 内視鏡
10 光音響撮像装置
11 光源部
12 拡散板
13 集光レンズ系
14 光ファイバケーブル
15 光照射部
40a〜e 保持部
41 光ファイバ
41a コア
41b クラッド
42 被覆部材
44 バンドルファイバケーブル
45 ビームスプリッタ
46 ミラー
47 レンズアレイ
47a レンズ部
48 マイクロレンズアレイ
48a マイクロレンズ
70 プローブユニット
81 挿入部
82 操作部
83 接続コード
84 ユニバーサルコード
L 測定光
Lo レーザ光
U 光音響波

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体内に測定光を照射する光照射部と、前記測定光の照射により前記被検体内で発生した光音響波を検出して該光音響波を電気信号に変換する電気音響変換部と、前記電気信号に基づいて光音響画像を生成する画像生成部とを備える光音響撮像装置において、
光学系の上流側から入射したレーザ光を拡散させる拡散板と、
該拡散板により拡散された前記レーザ光を集光する集光レンズ系と、
コア/クラッド構造の光ファイバを包含する光ファイバケーブルであって、前記集光レンズ系により集光された前記レーザ光を一端から入射させるように配置された前記光ファイバケーブルとを備え、
前記光照射部が、該光ファイバケーブルにより導光された前記レーザ光を前記測定光として照射するものであることを特徴とする光音響撮像装置。
【請求項2】
前記集光レンズ系が、前記レーザ光の最小ビーム径が前記光ファイバのコア径の1/3以上2/3以下となるように、前記レーザ光を集光するものであり、
前記光ファイバケーブルが、前記レーザ光のビーム径が前記光ファイバのコア径の1/3以上2/3以下である状態で前記レーザ光を入射させるように配置されたものであることを特徴とする請求項1に記載の光音響撮像装置。
【請求項3】
前記拡散板に入射する際の前記レーザ光の拡がり角φ、前記拡散板の拡散角θ、前記集光レンズ系の焦点距離fおよび前記光ファイバのコア径dが下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項2に記載の光音響撮像装置。
【数1】

【請求項4】
前記集光レンズ系の焦点距離が4〜40mmであることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の光音響撮像装置。
【請求項5】
前記拡散板がホログラフィックディフューザであり、
該ホログラフィックディフューザの拡散角が0.2〜2.0°であることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の光音響撮像装置。
【請求項6】
前記光ファイバのコア径が100〜600μmであることを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の光音響撮像装置。
【請求項7】
前記集光レンズ系および前記光ファイバケーブルを一体化して保持する保持部を備えることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載の光音響撮像装置。
【請求項8】
前記保持部が、前記拡散板も含めて一体化して保持するものであることを特徴とする請求項7に記載の光音響撮像装置。
【請求項9】
前記レーザ光を分岐させる分岐部を備え、
前記拡散板、前記集光レンズ系および前記光ファイバケーブルが、分岐した前記レーザ光の光路ごとに配置されたことを特徴とする請求項1から8いずれかに記載の光音響撮像装置。
【請求項10】
前記レーザ光を分岐させる分岐部を備え、
前記拡散板が、1つであり、かつ分岐した前記レーザ光のうち少なくとも2以上を拡散させるように配置され、
前記集光レンズ系および前記光ファイバケーブルが、分岐した前記レーザ光の光路ごとに配置されたことを特徴とする請求項1から8いずれかに記載の光音響撮像装置。
【請求項11】
前記集光レンズ系がレンズアレイであり、
前記光ファイバケーブルが複数存在し、
複数の前記光ファイバケーブル中の複数の前記光ファイバの端面であって前記レンズアレイ側の端面のそれぞれが、該レンズアレイを構成するレンズ部にそれぞれ対応して配列していることを特徴とする請求項1から8いずれかに記載の光音響撮像装置。
【請求項12】
前記集光レンズ系がマイクロレンズアレイであり、
前記光ファイバケーブルが複数の前記光ファイバを包含するバンドルファイバケーブルであり、
該バンドルファイバケーブル中の複数の前記光ファイバの端面であって前記マイクロレンズアレイ側の端面のそれぞれが、該マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズにそれぞれ対応して配列していることを特徴とする請求項1から8いずれかに記載の光音響撮像装置。
【請求項13】
被検体内に測定光を照射し、該測定光の照射により前記被検体内で発生した光音響波を検出して該光音響波を電気信号に変換し、該電気信号に基づいて光音響画像を生成する光音響撮像装置に用いられるプローブユニットにおいて、
被検体内に測定光を照射する光照射部と、
前記測定光の照射により前記被検体内で発生した光音響波を検出して該光音響波を電気信号に変換する電気音響変換部と、
光学系の上流側から入射したレーザ光を拡散させる拡散板と、
該拡散板により拡散された前記レーザ光を集光する集光レンズ系と、
コア/クラッド構造の光ファイバを包含する光ファイバケーブルであって、前記集光レンズ系により集光された前記レーザ光を一端から入射させるように配置された前記光ファイバケーブルとを備え、
前記光照射部が、該光ファイバケーブルにより導光された前記レーザ光を前記測定光として照射するものであることを特徴とするプローブユニット。
【請求項14】
請求項13に記載のプローブユニットを備えることを特徴とする内視鏡。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図16】
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【図17】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−228401(P2012−228401A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98969(P2011−98969)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】