説明

免疫アッセイに有用な6−モノアセチルモルヒネ誘導体

【課題】6−MAMおよび6−MACを認識する抗体の開発ならびに6−MAMおよび6−MACの検出のための免疫アッセイ法において有用な結合体の産生において有用な化学アナログを提供すること。
【解決手段】以下の構造を有する化合物であって、
【化1】


ここで、Rは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子を含む飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Lは、0〜2の置換または非置換芳香環を含むリンカー基であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、活性化エステルである、化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、薬物モニタリングの分野、特に、免疫アッセイによって生物学的サンプル中の薬物の濫用を検出する分野に関する。より詳細には、本発明は、6−モノアセチルモルヒネ(6−MAM)および6−モノアセチルコデイン(6−MAC)を認識する抗体の開発ならびに6−MAMおよび6−MACの検出のための免疫アッセイ法に有用な結合体の産生において有用なモルヒネの化学アナログに関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
ヘロイン(ジアセチルモルヒネ)は、19世紀後半の間に鎮咳剤として開発されたオピオイドである。ヘロイン濫用は、すぐに問題となり、一世紀より長い後の現在も続いている。摂取の後、ヘロインは、すぐに6−モノアセチルモルヒネ(6−MAM)に、次いでモルヒネに代謝され、次いで広範な代謝を受ける。
【0003】
【化1】

【0004】
アセチルコデインは、街頭ヘロインには存在するが薬学的ジアセチルモルヒネには存在しない合成副産物であり、アヘン剤依存薬物使用者に対するヘロイン援助治療において使用される。アセチルコデイン(AC)は、違法なヘロイン使用の検出のための尿の生物マーカーとして調査された。アセチルコデインの検出は、ヘロイン維持プログラムに登録された常習者が、彼らの管理されたジアセチルモルヒネ用量を違法なヘロインで補われるかどうかを決定するのに重要な役割を果たし得た。
【0005】
【化2】

【0006】
現在、先行技術によって未解決な問題は、合法な医薬処方、例えば、咳止めシロップ、または食物、例えば、ケシの実でさえに由来し得るモルヒネまたはコデインのような他のアヘン剤からの干渉なしに、ヘロイン濫用のマーカーとしての6−MAMまたは6−MACの検出を可能にする抗体の入手不可能性である。本発明は、6−MAMおよび6−MACを認識する抗体の開発ならびに6−MAMおよび6−MACの検出のための免疫アッセイ法において有用な結合体の産生において有用な化学アナログを提供する。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、以下の通りである。
[1]以下の構造を有する化合物であって、
【化3】


ここで、Rは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子を含む飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Lは、0〜2の置換または非置換芳香環を含むリンカー基であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、活性化エステルである、化合物。
[2]以下の構造を有する化合物であって、
【化4】


ここで、Rは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子の飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Lは、0〜2の置換または非置換芳香環からなるリンカー基であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、NH−Zであり、ここでZは、担体または標識である、化合物。
[3]担体が、カサガイヘモシアニン、ウシチログロブリン、ウシ血清アルブミンおよびアミノデキストランからなる群から選択される、前記[2]記載の化合物。
[4]以下の構造を有する化合物であって、
【化5】


ここで、Qが担体または標識である、化合物。
[5]担体が、カサガイヘモシアニン、ウシチログロブリン、ウシ血清アルブミンおよびアミノデキストランからなる群から選択される、前記[4]記載の化合物。
[6]以下の構造を有する化合物であって、
【化6】


ここで、Rは、CHまたはC=Oであり、Lは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子を含む飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、活性化エステルである、化合物。
[7]以下の構造を有する化合物であって、
【化7】


ここで、Rは、CHまたはC=Oであり、Lは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子を含む飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、NH−Zであり、ここで、Zは、担体または標識である、化合物。
[8]担体が、カサガイヘモシアニン、ウシチログロブリン、ウシ血清アルブミンおよびアミノデキストランからなる群から選択される、前記[7]記載の化合物。
【0008】
本発明に従うと、6−MAMおよび6−MACを認識する抗体の開発ならびに6−MAMおよび6−MACの検出のための免疫アッセイ法において有用な結合体の産生において有用な化学アナログが提供され得る。
【0009】
(発明の要旨)
本発明が先行技術に対する特定の明らかでない利点および進歩を提供することは上記の背景に反する。特に、発明者は、免疫アッセイに有用な6−モノアセチルモルヒネ誘導体の改良の必要を認識している。
【0010】
本発明は、特定の利点または機能性に限定されないが、本発明が、6−モノアセチルモルヒネおよび6−モノアセチルコデインを認識する抗体の産生における使用のための免疫原を提供することは注目される。この免疫原は、6−モノアセチルモルヒネ分子のアナログのC−3位で誘導される。C−環において還元された二重結合を有する免疫原構造がまた、記載される。
【0011】
本発明の1つの態様に従って、以下の構造を有する化合物が提供され、
【化8】


ここで、Rは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子の飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Lは、0〜2の置換または非置換芳香環からなるリンカー基であり、Yは、活性化エステルまたはNH−Zであり、ここでZは、担体または標識であり、Xは、NHまたはOである。
【0012】
本発明の別の態様に従って、以下の構造を有する化合物が提供され、
【化9】


ここで、Rは、CHまたはC=Oであり、Lは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子の飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Yは、活性化エステルまたはNH−Zであり、ここでZは、担体または標識であり、Xは、NHまたはOである。
【0013】
本発明の別の態様に従って、以下の構造を有する化合物が提供され、
【化10】


ここで、Qは、担体または標識である。
【0014】
本発明の別の態様に従って、6−モノアセチルモルヒネに対する特異性を有し、以下の構造を有する化合物に応答して産生される抗体が提供され、
【化11】


ここで、Rは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子の飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Lは、0〜2の置換または非置換の芳香環からなるリンカー基であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、NH−Zであり、ここでZは、担体である。
【0015】
本発明の別の態様に従って、6−モノアセチルコデインに対する特異性を有し、以下の構造を有する化合物に応答して産生され得る抗体が提供され、
【化12】


ここで、Qは、担体である。
【0016】
本発明の別の態様に従って、6−モノアセチルモルヒネおよび6−モノアセチルコデインに対する特異性を有し、以下の構造を有する化合物に応答して産生され得る抗体が提供され、
【化13】


ここで、Rは、CHまたはC=Oであり、Lは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子の飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、NH−Zであり、ここで、Zは、担体である。
【0017】
本発明のこれらのおよび他の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲と合わせて以下の発明の詳細な説明からより完全に理解される。特許請求の範囲の範囲は、その中の詳説によって規定され、本明細書中に示される特徴および利点の特定の議論によって規定されないことが注目される。
【0018】
(発明の詳細な説明)
「好ましくは」、「一般に」、および「典型的には」のような用語は、特許請求される本発明の範囲を限定するためにも、特定の特徴が、特許請求される本発明の構造または機能に重大で、本質的で、または重要でさえあることを意味するためにも、本明細書中で使用されない。むしろ、これらの用語は、本発明の特定の態様において使用され得るかまたは使用され得ない代替的な特徴またはさらなる特徴を強調するためだけに意図される。
【0019】
本発明の記載および規定の目的のために、用語「実質的には」は、本明細書中で、任意の定量的比較、定量値、定量的測定または他の定量的表示にあるとされ得る不確実性の固有の度合いを示すために使用される。用語「実質的には」はまた、本明細書中で、定量的表示が、発行物において対象物の基本的機能の変化を生じることなく記述した参照から変化し得る程度を示すために使用される。
【0020】
本明細書中で使用される場合、用語「分析物」は、その存在または量が決定されるべき物質または物質の群をいう。本明細書中で使用される場合、用語分析物は、用語「抗原」を包含し、抗原は、抗体に結合し得る任意の化合物をいう。
【0021】
用語「抗体」は、分析物の特定の結合パートナーを意味し、分析物に対して特定の結合親和性を有し、他の関連しない物質を本質的に排斥する任意の物質または物質の群である。該用語は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体および抗体フラグメントを含む。
【0022】
用語「ハプテン」は、部分的な抗原または不完全な抗原をいう。ハプテンは、タンパク質を含まない物質であり、ほとんどは抗体形成を刺激し得ないが、抗体と反応する低分子量物質である。後者は、高分子量担体にハプテンを結合し、この結合産物をヒトまたは動物に注射することによって形成される。ハプテンの例は、6−モノアセチルモルヒネおよび6−モノアセチルコデインを含む。
【0023】
用語「活性化ハプテン」は、例えば、ハプテンを担体、免疫原、標識、追跡子、または他の部分に結合するために使用され得る、反応部分を保持するリンカー基の付加によって、利用可能な反応部位を提供されるハプテンをいう。
【0024】
用語「リンカー」は、ハプテンを担体、免疫原、標識、追跡子または別のリンカーに結合する化学的部分をいう。リンカーは、直鎖または分枝鎖、飽和または不飽和の炭素鎖であり得る。これらはまた、鎖内または鎖の末端に1つ以上のへテロ原子を含み得る。ヘテロ原子とは、酸素、窒素および硫黄からなる群から選択される炭素以外の原子を意味する。リンカーの使用は、特定のハプテンおよび担体対に依存して、有利であっても必要とされてもよいし、そうでなくてもよい。
【0025】
該用語が本明細書中で使用される場合、「担体」は、ハプテンと結合し得、それによってハプテンが免疫応答を刺激し得る免疫原性物質、一般にタンパク質、または免疫アッセイに有用な結合体を形成し得る物質、例えば、アミノデキストランおよびウシ血清アルブミン(BSA)である。担体物質は、外来物として認識され、それによって宿主から免疫学的応答を導き出すタンパク質、糖タンパク質、複合多糖類および核酸を含む。担体として有用なポリ(アミノ酸)は、カサガイヘモシアニン、ウシチログロブリンおよびウシ血清アルブミンを含む。
【0026】
本明細書中で使用される場合、用語「免疫原」および「免疫原性」は、生物体において免疫応答を生じるかまたは起こし得る物質をいう。
【0027】
用語「誘導体」は、親化合物から1つ以上の化学反応によって作製された化合物または分子をいう。
【0028】
用語「結合体」は、2つの部分が一緒に結合することから形成される任意の物質をいう。本発明に従う代表的な結合体は、低分子とタンパク質のような巨大分子とが一緒に結合することによって形成された結合体を含む。用語結合体は、用語免疫原を包含する。
【0029】
本明細書中で使用される場合、検出体分子、標識または追跡子は、担体物質または分子に結合される場合、分析物を検出するために使用され得る同定タグである。標識は、リンカー部分または架橋部分によって直接的または間接的に担体物質に結合され得る。標識の例としては、β−ガラクトシダーゼおよびペルオキシダーゼのような酵素、ローダミンおよびフルオレセインイソチオシアネート(FITC)のような蛍光化合物、ジオキセタンおよびルシフェリンのような発光化合物ならびに125Iのような放射性同位元素が挙げられる。
【0030】
本発明の意味内での用語活性エステルは、求核試薬保持物質の他の反応性基との干渉的副反応が有用に生じ得ないような条件下で、求核試薬、例えば、限定されないが、ペプチドの遊離アミノ基、ポリアミノ酸、多糖類または標識と反応し得る活性化エステル基を含む。
【0031】
本発明の目的は、以下の構造を有する化合物を提供することであり、
【化14】


ここで、Rは、0〜10の炭素またはヘテロ原子の飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Lは、0〜2の置換または非置換の芳香環からなるリンカー基であり、Yは、活性化エステルまたはNH−Zであり、ここで、Zは、担体または標識であり、Xは、NHまたはOである。
【0032】
本発明の別の目的は、以下の構造を有する化合物を提供することであり、
【化15】


ここで、Rは、CHまたはC=Oであり、Lは、0〜10の炭素またはヘテロ原子の飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Yは、活性化エステルまたはNH−Zであり、ここでZは、担体または標識であり、Xは、NHまたはOである。
【0033】
本発明のなお別の目的は、以下の構造を有する化合物を提供することであり、
【化16】


ここで、Qは、担体または標識である。
【0034】
本発明のさらなる目的は、6−モノアセチルモルヒネに対して特異性を有し、以下の構造を有する化合物に応答して産生される抗体を提供することであり、
【化17】


ここで、Rは、0〜10の炭素またはヘテロ原子の飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Lは、0〜2の置換または非置換の芳香環からなるリンカー基であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、NH−Zであり、ここでZは担体である。
【0035】
本発明のさらなる目的は、6−モノアセチルコデインに対して特異性を有し、以下の構造を有する化合物に応答して産生され得る抗体を提供することであり、
【化18】


ここで、Qは、担体である。
【0036】
本発明のなおさらなる目的は、6−モノアセチルモルヒネおよび6−モノアセチルコデインに対して特異性を有し、以下の構造を有する化合物に応答して産生され得る抗体を提供することであり、
【化19】


ここで、Rは、CHまたはC=Oであり、Lは、0〜10の炭素またはヘテロ原子の飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、NH−Zであり、ここでZは、担体である。
【0037】
モノアセチルモルヒネおよびモノアセチルコデインの免疫原および結合体のスクリーニングのための合成スキームは、図1〜図7に示される。
【0038】
コデインは、水素ガスを使用して、好ましくは、圧力下で触媒として木炭上のパラジウムを使用して、ジヒドロコデインに還元される(図1を参照のこと)。水素化反応は、当該分野で周知であり、メタノール、エタノールまたは酢酸エチルのような溶媒中で、レーニーNi、木炭上の水酸化パラジウム、アダムス触媒などのような多くの異なる触媒を使用して実施され得る。ジヒドロコデインの第二級水酸基は、酸化されカルボニル基に戻される。多くの文献参照によって、還流条件下で第二級水酸基のカルボニル官能基、例えば、シュウ酸クロリド/DMSO、クロロクロム酸ピリジニウムおよび酸化クロム/ピリジン、最も好ましくはベンゾフェノンおよびt−ブトキシドカリウムへの転化は公知であり、化合物3を与える。後者の中間体は、次いで、酢酸アンモニウムおよび還元剤、水素化シアノホウ素ナトリウムの存在下で、好ましくはpH6〜7で、還元的アミノ化を受け、アミノジヒドロコデイン(4)を生じ、次いで、2つのジアステレオマーの混合物(化合物4)を提供する。化合物4のアミノ基のアセチル化反応は、室温から還流条件の範囲の温度で、酢酸無水物およびピリジンを使用して実施され得る。この反応は、4−ジメチルアミノピリジンの存在下で、アセチル化剤としての酢酸無水物およびトリエチルアミンを使用する塩基を使用して実施される。アセチル化された生成物は、ジアステレオマーの混合物として得られ、カラムクロマトグラフィーまたは調製的HPLCのいずれかによって分離され得る。ジアステレオマーを分離するためのクロマトグラフィー技術は、当該分野で周知である。所望される異性体(化合物5b)は、ジメチル化され、フェノール性化合物6を与える(図2)。例えば、0℃〜室温にわたる温度で、ヨウ化トリメチルシリル、ナトリウムチオエトキシド、カリウムチオフェノキシド、DMSO中のシアン化ナトリウム、エタンチオール中の三臭化アルミニウム、塩化アルミニウム/ジメチルスルフィドおよび臭化水素酸三臭化ホウ素(Greene, T. and Wuts, P.,「Protective groups in organic synthesis」, 2nd edition, Wiley Intersciences, 1991)のような種々の脱メチル化反応が当該分野で公知である。好ましくは、化合物5bの脱メチル化は、室温でジクロロメタン中の三臭化ホウ素の存在下で、なされる。次いで、化合物5bのフェノ−ル性水酸基は、エーテル結合によって、保護化カルボキシ末端化リンカーで伸張される(図2)。フェノ−ル性水酸基はまた、エステル結合またはウレタン結合によってカルボキシル束縛化リンカーに転換され得る。
【0039】
化合物7のt−ブチルエステル基は、カルボン酸官能基に脱保護され、その後、N−ヒドロキシスクシミドエステル(化合物9)に転化される。カルボキシル基の活性化は、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミドヒドロクロリド(EDC)、またはN,N,N’,N’−O−スクシンイミジル−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸のようなカルボジイミドを使用する活性化工程によって達成され得る。タンパク質への結合体化は、免疫原(化合物10)およびスクリーニング結合体を提供する。
【0040】
フェノール性基の伸長はまた、保護アミノ基を有するアルキル化試薬またはアシル化試薬を使用してなされ得る(図3)。メチルアミンまたはヒドラジン下で切断され得るアミノ保護基の例は、フタルイミド基である。得られたアミノ束縛化生成物のアミノ基は、当業者に周知である広く種々のカルボキシル活性化リンカー伸長または標識を用いるアシル化反応に敏感に反応する。
【0041】
リンカー伸長は、しばしば末端活性化基を生じるために実施される。テレフタル酸または4,4−ビフェニルジカルボン酸(bipenyl dicarboxylic acid)(図3)のような二カルボン酸のN−ヒドロキシスクシンイミドエステルのようなホモ二官能性リンカーを使用するリンカー伸長は、前述のアミノ基(化合物14)との反応による単一の工程において活性化エステル(化合物15)を生成するために使用され得る。リンカーの実体に対する優れた論文として、読者は、Hermanson, Greg T., “Bioconjugate Techniques”, Academic Press Inc., 1996を参照する。
【0042】
化合物15の6−ヒドロキシル基が、アセチル化される。アセチル化反応は、好ましくは、ピリジンおよび酢酸無水物を使用してなされ得る。得られた活性エステルは、スクリーニング結合体としての使用のためにタンパク質に結合体化される。
【0043】
窒素の外に束縛化された免疫原は、開始物質としてジヒドロノルモルヒネ(化合物18)を使用し得る。遊離フェノール性ヒドロキシル基の存在下でのアミノ基の保護は、当該分野で公知である。これらの反応は、保護基および反応条件の適切な選択によってなされ得る。穏やかな塩基性条件下で除去されるN保護基の例は、フルオロメチルオキシカルボニル(FMOC)である。酸で容易に除去されるN保護基の例は、t−ブトキシカルボニル(BOC)である。中性水素化条件下で除去されるN保護基の例は、カルボベンジルオキシ基(CBz基)である。この態様において、ジヒドロノルモルヒネの環状第二級アミンの好ましい保護は、この順序におけるカルボベンジルオキシ基の使用である(図4)。CBz保護された誘導体(化合物19)のフェノール基は、ベンジル基として保護され得る。次いで、第二級ヒドロキシル基は、アセチル基に転化される(化合物21)。ヒドロキシル基の好ましいアセチル化反応の1つは、還流条件下でのピリジンおよび酢酸無水物の使用である。N−CBzおよびベンジル基の脱保護は、水素および木炭触媒上パラジウムを使用して一つの工程において達成され、化合物22を与え得る。遊離第二級アミンは、pH6〜7でのコハク酸セミアルデヒドおよびシアノホウ素化水素ナトリウムを用いるスクシニル化反応または還元的アミノ化反応によってカルボキシル基に伸長される。次いで、化合物22は、活性エステル(化合物23)に転化される。カルボキシル基の活性化は、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、EDC、またはN,N,N’,N’−O−スクシンイミジル−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸のようなカルボジイミドを使用する活性化工程によって達成される。タンパク質への結合体化は、免疫原およびスクリーニング結合体を提供する。
【0044】
異なる態様において、N−束縛化6−アセトアミド6−MAMタンパク質結合体がまた、作製され得る(図5および図6)。化合物6のフェノール性水酸基は、ベンジル基として保護され得る。環状第二級アミンのN−脱メチル化は、文献で周知であり、1−クロロエチルクロロギ酸その後のメタノールでの処理、臭化シアンその後のZn塵での処理、またはクロロギ酸ビニルその後の臭化水素酸での処理のような種々の反応条件下で達成され得る。化合物26のN−脱メチル化のために使用される好ましい反応は、1−クロロエチルクロロギ酸その後のメタノールでの処理であり、化合物28を与える(図5)。ベンジル基の脱保護は、木炭上10%水酸化パラジウムを使用する水素化条件下でなされる。還元アミノ化による窒素位置でのカルボキシ末端基への伸長(図5)その後のカルボキシル基活性化手順は、前述の記載の通りになされ得る。
【0045】
ノル位置でのカルボキシ末端基への伸長はまた、化合物28のスクシニル化によって達成され、化合物33を与え得る(図6)。ベンジル基の脱保護その後のカルボキシル基官能基の活性化は、前述の記載の通りに達成され得る。
【0046】
図7は、モノアセチルコデイン免疫原の調製を記載する。これは、6−モノアセチルコデインと交差反応性の6−MAM抗体の調製のためのブースター抗体として使用され得る。1,2−ジクロロエタン中の1−クロロエチルクロロギ酸を使用する化合物5bのN−脱メチル化の間、化合物38は、単一の工程において形成された。中間体N−(1−クロロエトキシ)カルボニル誘導体(37)が反応条件下で加水分解を受け、化合物38を与えることが予想された。
【0047】
ノル位置でのカルボキシ末端官能基への伸長は、前述に記載されている。活性化の後に、免疫原調製のためのタンパク質への結合体化が続く(化合物41)。
【0048】
本発明がより容易に理解され得るために、本発明を例証することが意図されるが、その範囲を限定しない以下の実施例に対する参照がなされる。
【0049】
(特定の態様)
以下に続く実施例において、太字の番号は、図面の対応する構造をいう。
【0050】
実施例1.ジヒドロコデイン(2)の調製
40mLのメタノール中1.2g(4.0mmol)のコデインに、100mgの10% Pd−Cを添加した。得られた反応混合物を50psiの圧力下で水素化した。溶液を、CELITE(Celite Corporation)を通して濾過し、濾過物を濃縮し、白色固体として1.12g(3.7mmol、93%)のジヒドロコデインを与えた。ES(+)m/z 301。
【0051】
実施例2.ジヒドロコデイノン(3)の調製
50mLのベンゼン中1.25g(11.1mmol)のt−ブトキシドカリウムの混合物に、6.78g(37mmol)のベンゾフェノンおよび1.12g(3.7mmol)のジヒドロコデインを添加し、2時間還流させた。反応混合物は黄色に変わった。反応混合物は、室温まで冷却され、50mLの2N HClを添加した。得られた反応混合物を10分間攪拌した。有機層を分離し、3×40mLの2N HClで抽出した。有機層を捨て、水層を3×20mLのジクロロメタンで再度抽出した。水層を水性水酸化カリウム溶液でpH12まで塩基性化し、5×60mLのジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、MgSOで乾燥し、濾過した。濾過物を濃縮し、黄色固体として691mg(2.3mmol、55%)の3を与えた。
【0052】
実施例3.アミノジヒドロコデイン(4)の調製
70mlのメタノール中3.46g(11.5mmol)の化合物3に8.92g(115mmol)の酢酸アンモニウムを添加し、それを室温で15分間攪拌し、その時に澄んだ溶液を得た。反応混合物に、727mg(11.5mmol)のシアノ水素化ホウ素ナトリウムの溶液を添加し、反応混合物のpHを濃HClの添加によってpH6〜7に調整した。反応混合物を室温で18時間攪拌し、減圧下で濃縮し、黄色の油を与えた。この黄色の油に250mLの水を添加し、再びpHを6N HClで1に調整した。得られた水性反応混合物を、2×250mLのジクロロメタンで抽出した。水性部分のpHを6N HClで1に再調整し、3×250mLのジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、MgSOで乾燥し、濃縮し、濃厚な黄色の油として3.2g(10.6mmol、92%)の4を与えた。この生成物を、次の工程で精製なしに使用した。HR−ES(+);C1824に対する計算値、M+H301.1911;実測値301.1913。
【0053】
実施例4.アセトアミドジヒドロコデイン誘導体(5b)の調製
125mLのジクロロメタン中3.2g(10.6mmol)のアミノジヒドロコデイン4に、87mg(0.71mmol)の4−ジメチルアミノピリジンおよび9mLのトリエチルアミンを添加した。反応混合物を、0℃まで冷却し、7.1mL(74mmol)の酢酸無水物を添加した。反応混合物を室温まで温め、18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、黄色の油を得た。この黄色の油に125mLの水を添加し、生成物を、4×150mLのジクロロメタンで抽出した。水性溶液を、pHを10に調整し、溶液をクロロホルムで再抽出した。全ての有機層を合わせ、MgSOで乾燥し、濃縮し、無色の粗油を与えた。LC−MS分析は、2つのジアステレオマーの形成を示した。粗生成物の半分を、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル−水を用いるグラジエント実行を使用して、RP−HPLC(C−18カラム)によって精製した。所望の異性体を含む画分を合わせ、濃縮し、凍結乾燥し、オフホワイトの粉として614mgの生成物5を与えた。HR−ES(+) C2026に対する計算値、M+H343.2016;実測値343.2022。
【0054】
実施例5.アセトアミドジヒドロモルヒネ誘導体(6)の調製
644mg(1.8mmol)のジヒドロコデイン誘導体(5b)に、12mLのジクロロメタンを添加した。この溶液を20mLのジクロロメタン中11.3mL(11.2mmol)の1M BBrの室温で磁気的に攪拌した溶液に添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、60mLの濃NHOH溶液および30gの氷に注いだ。反応混合物を1時間攪拌し、5×100mLのジクロロメタン中80%エタノールで抽出した。有機層を合わせ、乾燥し、濃縮した。残渣を、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル−水を用いるグラジエント実行を使用して調製的RP−HPLCによって精製した。所望の生成物を含む画分を合わせ、濃縮し、凍結乾燥して、オフホワイト固体として480mg(78%、1.46mmol)の6を与えた。LR−ES(+)M+H 329。
【0055】
実施例6.アセトアミドジヒドロモルヒネ酪酸t−ブチルエステル誘導体(7)の調製
50mg(0.15mmol)のアセトアミドジヒドロモルヒネ誘導体(6)に、6mLの無水アセトン、0.5mLの無水ジメチルホルムアミド、150mg(1.08mmol)の炭酸カリウムおよび140μL(0.78mmol)のt−ブチルブロモ酪酸を添加した。反応混合物をアルゴン雰囲気下で18時間還流し、室温まで冷却し、濾過した。濾過物を減圧下で濃縮し、60mLのクロロホルムに再溶解し、25mLの水を添加した。有機部分を分離し、水性部分を、3×50mLのクロロホルムで抽出した。全ての有機層を合わせ、MgSOで乾燥し、濃縮した。残渣をクロロホルム中の10%メタノ−ルを使用するシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、濃厚な無色の油として35mg(48%、0.074mmol)の7を与えた。LR−MS−ES(+):M+H 471。
【0056】
実施例7.アセトアミドジヒドロモルヒネ酪酸誘導体(8)の調製
35mg(0.074mmol)のアセトアミドジヒドロモルヒネ酪酸誘導体(7)に、3mLのジクロロメタンおよび1mLのトリフルオロ酢酸を添加した。反応混合物を、室温で30分間攪拌し濃縮した。残渣に、10mLのジクロロメタンを添加し、濃縮した。残渣を、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル−水を用いるグラジエント実行を使用して調製的RP−HPLCによって精製した。所望の生成物を含む画分を合わせ、濃縮し、その後、凍結乾燥し、白色粉末として19mg(0.045mmol、63%)の所望の生成物8を与えた。HR−ES(+):C2330に対する計算値;M+H 415.2228;実測値415.2227。
【0057】
実施例8.アセトアミドジヒドロモルヒネ酪酸NHSエステル(9)の調製
17mg(0.041mmol)のアセトアミドジヒドロモルヒネ酪酸(8)に、新しく蒸留した3mLのTHFを添加し、混合物を0℃まで冷却した。反応混合物に、21.4μL(0.12mmol)のN,N−ジイソプロピルエチルアミンを、その後、37mg(0.12mmol)のO−(N−スクシンイミジル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸を添加した。反応混合物を室温まで温め、室温で18時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル−水を用いるグラジエント実行を使用する調製的RP−HPLCによって精製した。所望の生成物を含む画分を合わせ、濃縮し、その後、凍結乾燥し、白色固体として13mg(0.02mmol、62%)の9を与えた。LR−MS−ES(+):M+H 512。
【0058】
実施例9.6−MAM KLH結合体(10)の調製
1.2mlの50mMリン酸カリウム(pH7.5)中37mgのカサガイヘモシアニン(KLH)の溶液を、氷浴中冷却した。反応混合物に1.5mLのDMSOを滴下し、反応温度を室温未満で維持した。次いで、1mLのDMF中8mg(0.015mmol)の9の溶液を、タンパク質溶液に滴下した。混合物を室温まで温め、室温で18時間攪拌した。得られた結合体を、透析チューブ(10000MWカットオフ)に配置し、室温で50mMリン酸カリウム中1Lの70% DMSO(pH7.5、少なくとも3時間)に、室温で50mMリン酸カリウム中1Lの50% DMSO(少なくとも3時間)に、室温で50mMリン酸カリウム中1Lの30% DMSO(少なくとも3時間)に、室温で50mMリン酸カリウム中1Lの10% DMSO(少なくとも3時間)に、その後、50mMリン酸カリウムバッファ(6回、少なくとも6時間、各4℃)に透析した。タンパク質濃度を、BioRadクマシーブルータンパク質アッセイ(Bradford, M., Anal. Biochem. 72, 248, 1976)を使用して、2.2mg/mLであると決定した。利用可能なリジン修飾の程度を、TNBS法(Habeeb AFSA, Anal. Biochem. 14, 328-34, 1988)によって46%であると決定した。
【0059】
実施例10.1,1’−ビフェニル‐4,4’−ジカルボニルクロリド(11)の調製
アルゴン下200mLの無水THF(Naおよびベンゾフェノン上に蒸留された)中10.0g(0.041mol)の4,4’−ビフェニルジカルボン酸の混合物を、25.0mL(0.286mol)のシュウ酸クロリド、その後0.1mLの無水DMFで処理した。次いで、反応物を、減圧下で黄色の油まで濃縮した。これは、5回無水THFではがされ、任意の残余シュウ酸クロリドを運び出し黄色固体として11.5gの所望の生成物11を得た。これを、精製せずに次の工程において使用した。MS:m/e 278(M)。
【0060】
実施例11.1,1’−ビフェニル‐4,4’−ジ−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(12)の調製
アルゴン下500mLの無水ジクロロメタン中11.5g(0.041mol)の11の溶液を、25.0g(0.217mol)のN−ヒドロキシスクシンイミド、その後、25mLのトリエチルアミンで処理し、室温で一晩攪拌した。得られた沈殿を吸引濾過によって回収し、ジクロロメタンで洗浄し、白色固体として10.7gの生成物を得た。濾過物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタンで粉砕し、白色固体として3.84gの第二の収穫物を得、14.5g(81%)の所望の生成物12の合わせた収量であった。MS:m/e 437(M)。
【0061】
実施例12.3−O−フタルイミドプロピルモルヒネ(13)の調製
1.5g(37.5mmol)のNaH(鉱油中60%分散物)を、2×25mLのヘキサンでリンスし、油を除去した。反応混合物に、140mLの無水DMF、その後、10.1g(35mmol)のモルヒネを添加した。この混合物を、窒素雰囲気下室温で30分間攪拌し、14.5g(53mmol)のN−(3−ブロモプロピル)フタルイミドを添加した。反応混合物を、室温で18時間攪拌した。反応を、反応が不完全であることを示す薄層クロマトグラフィー(シリカ、7:2:1:1、MeOH:EtAc:NHOH:HO、I可視化)によってモニターした。反応混合物に0.15g(3.75mmol)のNaH(油中60%)を添加し、混合物をさらに1.5時間攪拌した。混合物を350mLの氷水に注ぎ、250mLの酢酸エチルで抽出した。有機層を分離し、水層を、2×250mLの酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、2×150mLの水、150mLの1N NaOHおよび2×150mLの水で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濃縮した。残渣をジエチルエーテルで結晶化し、白色固体として12.9g(27.3mmol、77%)の所望の生成物13を与えた。
【0062】
実施例13.3−O−アミノプロピルモルヒネ(14)の調製
14g(29.6mmol)の3−O−フタルイミドプロピルモルヒネ(13)に、188mLの2Mエタノール性メチルアミンを添加し、反応混合物を、窒素下室温で3.5時間攪拌した。反応混合物を650mLのクロロホルムおよび425mLの冷水に注いだ。有機層を分離し、水層を3×90mLのクロロホルムで抽出した。クロロホルム層を合わせ、2×140mLの1N HClで抽出した。水性抽出物を140mLの2.5N NaOHで塩基性化し、3×300mLのクロロホルムで抽出した。有機層をNa2SO4で乾燥し、濃縮した。残渣を、ジエチルエーテルで結晶化し、白色固体として8.9g(26mmol、88%)の14を与えた。
【0063】
実施例14.モルヒネ3−O−アミノプロピルビフェニル N-ヒドロキシスクシンイミドエステルヒドロクロリド塩(15)の調製
400mL無水THF中6.4g(14.6mmol)のビフェニルジ−N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(12)の混合物に、400mLの無水THF中3.2g(9.3mmol)の3−O−アミノプロピルモルヒネ(14)の溶液を、30分間にわたって滴下した。反応混合物を室温で2時間攪拌し、濾過した。濾過物を濃縮し、残渣を250mLのジクロロメタンに溶解した。これを、150mLの飽和水性重炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、まず酢酸エチルで溶出し、より高いRf不純物を除去し、その後、無水THFで溶出し、遊離塩基として所望の生成物を与えた。所望の生成物(Rf 0.13)を含む全ての画分を合わせ、エーテル中12mLの1M HClで処理した。次いで、溶液を減圧下で濃縮し、白色固体として3.2g(49%、4.5mmol)の15を与えた。MS:m/e 664(M+H)。
【0064】
実施例15.6−モノアセチルモルヒネ−3−O−アミノプロピルビフェニル N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(16)の調製
50mg(0.071mmol)のモルヒネ3−O−アミノプロピルビフェニル N-ヒドロキシスクシンイミドエステルヒドロクロリド塩15に、1mLの無水DMF、7.1μLの酢酸無水物および6.1μLの無水ピリジンを添加した。反応混合物を18時間攪拌した。分析的HPLCを、RP-HPLCカラム(C-18)を使用し、0.1%のトリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルおよび水を用いて実行し、反応の進行をモニターした。結果は、開始物質のみの存在を示した。反応混合物に、14μLの酢酸無水物および12μLのピリジンを添加した。混合物を、6時間攪拌し、HPLC分析は、反応なしを示した。反応混合物に20μLの酢酸無水物を添加し、18時間攪拌した。反応混合物に0.5mLのピリジンおよび40μLの酢酸無水物を添加した。反応混合物を室温で18時間攪拌し、HPLC分析は、生成物の形成を示した。これを減圧下で濃縮し、黄色の油を与え、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル−水を用いるグラジエント実行を使用するRP-HPLC(C−18カラム)によって精製した。所望の異性体を含む画分を合わせ、濃縮し、その後、凍結乾燥し、白色固体として32mg(64%、0.04mmol)の所望の生成物16を与えた。HR−ES(+):C40H39N3O9に対する計算値、M+H 706.2759;実測値706.2758。
【0065】
実施例16.6−MAM BSA結合体(17)の調製
500mgのウシ血清アルブミン(BSA)に、6mLの50mMリン酸カリウムを添加し、溶液を0℃まで冷却した。反応混合物に6mLのDMSOを5分間の期間の間滴下した。1mLの無水DMF中13mg(0.018mmol)の6−MAM NHSエステル誘導体(16)の溶液を、反応混合物に0℃で滴下した。混合物を室温まで温め、室温で18時間攪拌した。得られた結合体を、透析チューブ(10000MWカットオフ)に配置し、室温で50mMリン酸カリウム中1Lの70% DMSO(pH7.5、3時間)に、室温で50mMリン酸カリウム中1Lの50% DMSO(少なくとも3時間)に、室温で50mMリン酸カリウム中1Lの30% DMSO(少なくとも3時間)に、室温で50mMリン酸カリウム中1Lの10% DMSO(少なくとも3時間)に、その後、50mMリン酸カリウムバッファ(6回、少なくとも6時間、各4℃)に透析した。タンパク質濃度を、BioRadクマシーブルータンパク質アッセイを使用して、15mg/mLであると決定した。利用可能なリジン修飾の程度を、TNBS法によって46%であると決定した。
【0066】
実施例17.N-CBzノルジヒドロモルヒネ(19)の調製
200mg(0.73mmol)のジヒドロノルモルヒネ(18)に、12mLのTHFおよび8mLの水を添加する。反応混合物に310mg(2.92mmol)の炭酸ナトリウム、その後、0.12mL(0.84mmol)のベンジルクロロギ酸を添加する。混合物を室温で18時間攪拌し、減圧下で濃縮する。残渣に10mLの水を添加し、pHを3N HClを使用して、2に調整する。これを、酢酸エチルで抽出し、乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、19を生じる。
【0067】
実施例18.N-CBz―3―O-ベンジルノルジヒドロモルヒネ(20)の調製
5mLの無水DMF中100mg(0.23mmol)の化合物19に、33μl(0.27mmol)の臭化ベンジル、55mg(0.39mmol)の炭酸カリウムを添加し、反応混合物を、60℃で6時間加熱し、濾過し、濾過物を濃縮した。残渣を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、20を与えた。
【0068】
実施例19.6−アセチルN-CBz―3―O-ベンジルノルジヒドロモルヒネ(21)の調製
100mg(0.20mmol)の20に1.5mLのピリジンおよび74μL(0.78mmol)の酢酸無水物を添加する。反応混合物を攪拌し、90℃で3時間加熱する。得られた反応混合物を室温まで冷却し、濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、21を与える。
【0069】
実施例20.6−アセチルノルジヒドロモルヒネ(22)の調製
100mg(0.18mmol)の化合物21に30mlのエタノールおよび50mgの20% Pd(OH)2/Cを添加する。反応混合物を60psiで6時間水素化する。反応混合物を、CELITEを通して濾過し、濾過物を濃縮し、化合物22を与える。
【0070】
実施例21.6−アセチルジヒドロノルモルヒネN-酪酸(23)の調製
100mg(0.31mmol)の6−アセチルジヒドロノルモルヒネ(22)に、25mLの新しく蒸留したTHFを添加する。反応混合物を室温で攪拌する。266μl(0.38mmol)のコハク酸セミアルデヒド(水中15重量%溶液)、その後24mg(0.38mmol)のシアノホウ素化水素ナトリウムを添加する。反応混合物のpHを6〜6.5の間に調整し、反応混合物を室温で6時間攪拌する。反応混合物を減圧下で濃縮し、50mLのジクロロメタン、その後、25mLの水を添加する。有機層を分離し、水層を2×50mLのジクロロメタンで抽出する。合わせた有機層を、乾燥し濃縮する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、23を与える。
【0071】
実施例22.6−アセチルジヒドロノルモルヒネN-酪酸N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(24)の調製
100mg(0.24mmol)の6−アセチルジヒドロノルモルヒネN-酪酸(23)に30mLの新しく蒸留したTHFを添加し、混合物を0℃まで冷却する。反応混合物に、0.10ml(0.57mmol)のN,N-ジイソプロピルエチルアミン、その後、171mg(0.57mmol)のO-(N-スクシンイミジル)−N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムテトラフルオロホウ酸を添加する。反応混合物を室温まで温め、室温で18時間攪拌する。反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、24を与える。
【0072】
実施例23.6−アセチルジヒドロノルモルヒネN-酪酸KLH結合体(25)の調製
この結合体を化合物9から化合物10への転化について記載される手順に従って、化合物24から調製される。
【0073】
実施例24.6−アセトアミド−3-O-ベンジルジヒドロノルモルヒネ(26)の調製
500mg(1.52mmol)の6に、12mLの無水DMF、その後270μL(2.26mmol)の臭化ベンジルおよび734mg(5.3mmol)の無水炭酸カリウムを添加する。反応混合物を60℃で18時間加熱し、次いで、室温まで冷却し、濾過する。濾過物を濃縮し、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル−水を用いるグラジエント実行を使用する調製的RP-HPLCによって精製する。所望の生成物を含む画分を合わせ、濃縮し、その後、凍結乾燥し、26を与える。
【0074】
実施例25.6−アセトアミド−3-O-ベンジルN-[1-クロロエトキシカルボニル]ノルジヒドロモルヒネ(27)の調製
250mg(0.59mmol)の26に、5mLの1,2−ジクロロエタンを添加する。得られた溶液を攪拌し、636μL(5.8mmol)の1−クロロエチルクロロギ酸を添加する。反応混合物を還流条件下で18時間加熱し、さらに640μL(5.9mmol)の1−クロロエチルクロロギ酸を添加する。反応物を18時間還流して加熱し、濃縮する。残渣を精製せずに次の工程において使用する。
【0075】
実施例26.6−アセトアミド−3-O-ベンジルノルジヒドロモルヒネ(28)の調製
上記[6−アセトアミド−3-O-ベンジルN-[1-クロロエトキシカルボニル]ノルジヒドロモルヒネ(27)]の全てに、5mLのメタノールを添加し、混合物を6時間還流して加熱する。反応混合物を濃縮し、残渣を0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル−水を用いるグラジエント実行を使用する調製的RP-HPLCによって精製する。所望の生成物を含む画分を合わせ、濃縮し、その後凍結乾燥し、28を与える。
【0076】
実施例27.6−アセトアミド−3-OH-ノルジヒドロモルヒネ(29)の調製
エタノール中100mg(0.24mmol)の28の溶液に、10% Pd-Cを添加し、混合物を60psiで12時間水素化する。反応混合物を濾過し、濾過物を濃縮し、29を与える。
【0077】
実施例28.6−アセトアミド−3-OH-ノルジヒドロモルヒネN-酪酸誘導体(30)の調製
化合物30を、化合物23の調製について記載されるような手順に従って、化合物29から調製する。
【0078】
実施例29.6−アセトアミド−3-OH-ノルジヒドロモルヒネN-酪酸NHSエステル誘導体(31)の調製
この活性エステルを、酸23を活性エステル24に転化するために使用される手順に従って、化合物30から調製する。
【0079】
実施例30.6−アセトアミド−3-OH-ノルジヒドロモルヒネN-酪酸KLH結合体(32)の調製
この結合体は、結合体10について記載される手順に従って調製される。
【0080】
実施例31.6−アセトアミドノルジヒドロコデイン(38)の調製
250mg(0.73mmol)の5bに、5mLの1,2−ジクロロエタンを添加した。得られた溶液を攪拌し、636μL(5.8mmol)の1−クロロエチルクロロギ酸を添加した。反応混合物を18時間還流して加熱し、さらに640μL(5.9mmol)の1−クロロエチルクロロギ酸を添加した。反応混合物を還流条件化でさらに18時間加熱し、濃縮した。残渣を、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル−水を用いるグラジエント実行を使用して調製的RP-HPLCによって精製した。所望の生成物を含む画分を合わせ、濃縮し、その後、凍結乾燥し、白色固体として75mg(0.22mmol、31%)の38(M+H 329)を与えた。[注意:中間体6−アセトアミド−N-(1-クロロエトキシ)ノルジヒドロコデイン]誘導体(37)は、反応条件下で形成されることが期待され、反応条件下で加水分解された。]
【0081】
実施例32.6−アセトアミドノルジヒドロコデインN-酪酸(39)の調製
化合物39を、化合物23の調製について記載されるような手順に従って化合物38から調製される。
【0082】
実施例33.6−アセトアミドノルジヒドロコデインN-酪酸NHSエステル(40)の調製
この活性エステルは、酸23を活性エステル24に転化するために使用される手順に従って化合物39から調製される。
【0083】
実施例34.6−アセトアミドノルジヒドロコデインN-酪酸KLH結合体(41)の調製
この結合体は、結合体10について記載される手順に従って40から調製される。
【0084】
本発明を詳細に記載し、その特定の態様に参照することによって、改変およびバリエーションは、添付の特許請求の範囲に規定される発明の範囲から逸脱することなく可能であることが明らかである。より具体的には、本発明のいくつかの局面が本明細書中で好ましいまたは特に有利であるとして同定されているが、本発明は本発明のこれらの好ましい局面に限定される必要がないことが企図される。
【0085】
実施例35.6−モノアセチルモルヒネに対するモノクローナル抗体の開発
少なくとも3ヶ月齢の雌のBalb-cマウスを、免疫化のために使用した。1マウスあたり実施例9由来の100μgの6―MAM KLH 免疫原を含む免疫原を、50%の等張食塩水および50%のフロイントのアジュバント中に乳化した。フロイントの完全アジュバントを、初期腹腔内(ip)免疫化のために使用し、フロイントの不完全アジュバントを、残りの免疫化に使用した。マウスを、最初の免疫化後、30日、84日および114日に再免疫化した。融合に選択されたマウスに、第一の免疫化の509日後2〜4回の免疫化と同一のブースター免疫化を与えた。4日後、免疫化マウスを屠殺し、その脾細胞を、細胞融合に使用し、モノクローナル抗体分泌ハイブリドーマを産生した。
【0086】
融合に選択されたマウスを、全採血および頚部転位によって殺し、脾臓を無菌的に摘出し、2つの滅菌スライドガラスの間ですりつぶし、リンパ球を放出した。得られたリンパ球懸濁物をP3X63Ag8.653(ATCC細胞株番号CRL1580)骨髄腫株と融合した。
【0087】
生存能力のあるリンパ球を計数し、その数の20%の骨髄腫細胞を、マウスリンパ球を含むチューブに添加した。細胞を、血清を含まない暖かいイスコブの改変ダルベッコ培地(IMDM)中で、遠心分離、再懸濁および再遠心分離によって洗浄した。得られたペレットを含む遠心チューブを、穏やかに軽くたたき、ペレット化した細胞をくずした。次いで、1mlの温めたPEG/DMSO溶液(Sigma Chemicals)を、ゆっくりと細胞に添加し、その一方で、穏やかに混ぜた。血清を含まない前もって温めたIMDMを以下の速度:1ml/分、2ml/分、4ml/分および8ml/分で添加し、その後、細胞を37℃で1.5分間インキュベートした。チューブを50mlまで満たし、蓋をし、37℃で15分間インキュベートした。次いで、細胞懸濁物を遠心分離し、上清を捨て、細胞をHMT培地に再懸濁した。HMT培地は、コンディムド(77.9% IMDM、10% FCS、10% コンディムド H1、1% L-glut、1% L-glut-pen/strep、50μM 2-メルカプトエタノール、40μM エタノールアミン)および1×に希釈される50X HMT)を含む完全IMDMからなる。細胞を2×10リンパ球/mlの濃度で再懸濁し、200μlを、30.5滅菌カバー付96ウェルミクロ培養プレートの各ウェルにピペットで入れた。プレートを5% CO2組織培養インキュベーター中37℃で5日間インキュベートした。6日目に、上清の150μlを、各ウェルから抜き取り、150μlのHT救助培地と置き換えた。HT救助培地は、コンディムドおよび1×に希釈される50×HT補充物を含む完全IMDMからなる。プレートをインキュベーターに戻し、増殖のサインについて毎日視察した。細胞コロニーが十分大きい場合、ウェルを、ELISAを使用して抗体産生についてスクリーニングした。
【0088】
96ウェルマイクロタイタープレートを、37℃(加湿)で1時間、0.1M炭酸バッファpH9.5中1μg/mlで、実施例16由来の50μlの6−MAM-BSA結合体でコートした。プレートを空にして、pH7.4のTrisバッファ、1%ゼラチン加水分解物、2%スクロースおよび0.18% TWEEN 20からなる200μlの二次コート溶液を添加した。
【0089】
プレートを、37℃で1時間(加湿)インキュベートした。プレートを空にした後、200μlの0.15M Tris pH7.4中2%スクロース溶液を添加した。プレートを室温で約5分間立て、次いで、空にし、室温で一晩空気乾燥した。乾燥した際、プレートを、いくつかの乾燥剤枕を含むジプロック式の袋中に包み、封をし、使用まで4℃で保存した。
【0090】
クローンが試験のために準備が出来た場合、細胞の増殖を示す各ウェルから20μlの上清を取り、96ウェルの弾性プレートに移した。PBST(リン酸緩衝化生理食塩水、pH7.0および0.2% TWEEN 20)を、各ウェルに添加し、上清試料の1:10希釈を提供した。2つの6−MAM-BSAコートウェルを、試験された各培養物ウェルについて使用した。1つのウェルが25μlのPBSTバッファを受容し、もう1つは800ng/mlの濃度で6−MAMを含む25μlのPBSTを受容した。25μlの希釈された試料を、各ウェルの対に移し、遊離薬物(6−MAM)の有り無しで、上清抗体結合をアッセイした。プレートを加湿チャンバー中37℃で1時間インキュベートし、その後、これらをPBSTで洗浄した。次いで、ウェルに50μlの適切に希釈されたヤギ抗−マウスIgG−HRP結合体を満たし、再度1時間インキュベートした。プレートを再度洗浄し、50μlのK-ブルー基質を添加した。色が顕れる5分間のインキュベーションの後、反応を50μlの1N HClの添加によって停止した。色を、450nmでマイクロプレートリーダーで読み取り、データを解析のためにコンピューターに移した。6−MAM-BSA結合体(ウェル中に色を示す)を結合し、遊離薬物の存在下で結合の有意な阻害を示す上清を、正と考え、対応するクローンをサブクローニングした。総計40クローンをサブクローニングのために選択した。
【0091】
サブクローニングを、限定希釈を介するストリンジェントクローニングによって達成した。簡単に、元のウェルからの細胞を計数し、120の細胞が10%コンディムドを含む40mlの完全IMDMに添加されるように希釈した。次いで、これらの細胞を、2つの滅菌された96ウェルプレートに1ウェルあたり200μlで分配した。単一の細胞から成長したように見えるコロニーを含むウェルを、任意の遊離薬物の非存在下およびモルヒネまたはコデイン(各800ng/mlで)の存在下で、6−MAMコートされたELISAプレート上で結合についてスクリーニングした。次いで、選択されたウェル(6−MAM-BSAについて正)由来のクローンを、培養物中で増殖し、細胞バンクをつくるために凍結した。
【0092】
実施例36:6−MAMを定量するための6−MAM 9.3モノクローナル抗体の使用
6−MAM 9.3は、元の融合プレートにおいて同定された第9番目のクローンから選択された第3のサブクローンであった。6−MAM 9.3から回収された上清を、0.1μg/mlで6−MAM-BSAでコートされた96ウェルプレート上で滴定した。最大ODの90%を提供する上清の希釈は1:270であった。次いで、1:270に希釈された6−MAM 9.3の上清を、0.1μg/mlの6−MAM-BSAでコートされた96ウェルプレート上で、異なる濃度の遊離6−MAMをウェルに添加してアッセイし、図8に示す阻害曲線を生成した。ED50を1.22E-08であると決定した。遊離薬物非存在下の50%の結合に対応する遊離薬物の濃度を記載するこのパラメーターは、薬物のED50といわれる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
(図面の簡単な説明)
発明の態様の以下の詳細な記載は、以下の図面と共に解釈される場合、最高に理解され得る。
【図1】図1は、6−アセトアミドコデイン中間体の合成の概略図である。
【図2】図2は、3位からの6−MAMアナログ免疫原の合成の概略図である。
【図3】図3は、3位からの6−MAMスクリーニング結合体の合成の概略図である。
【図4】図4は、免疫原としての6−MAM 3−O−アセチル−N−位アルキル化結合体の合成の概略図である。
【図5】図5は、免疫原としての6−MAM−3−N−アセトアミド−N−位 N−アルキル化結合体の合成の概略図である。
【図6】図6は、6−MAMアナログ−N−位 N−アシル化免疫原の合成の概略図である。
【図7】図7は、6−MACアナログ N−位免疫原の合成の概略図である。
【図8】図8は、モノクローナル抗体MAM9.3を使用し、遊離6−MAMの濃度を変化させて作成した阻害曲線である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造を有する化合物であって、
【化1】


ここで、Rは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子を含む飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Lは、0〜2の置換または非置換芳香環を含むリンカー基であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、活性化エステルである、化合物。
【請求項2】
以下の構造を有する化合物であって、
【化2】


ここで、Rは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子の飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Lは、0〜2の置換または非置換芳香環からなるリンカー基であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、NH−Zであり、ここでZは、担体または標識である、化合物。
【請求項3】
担体が、カサガイヘモシアニン、ウシチログロブリン、ウシ血清アルブミンおよびアミノデキストランからなる群から選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
以下の構造を有する化合物であって、
【化3】


ここで、Qが担体または標識である、化合物。
【請求項5】
担体が、カサガイヘモシアニン、ウシチログロブリン、ウシ血清アルブミンおよびアミノデキストランからなる群から選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
以下の構造を有する化合物であって、
【化4】


ここで、Rは、CHまたはC=Oであり、Lは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子を含む飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、活性化エステルである、化合物。
【請求項7】
以下の構造を有する化合物であって、
【化5】


ここで、Rは、CHまたはC=Oであり、Lは、0〜10の炭素原子またはヘテロ原子を含む飽和または不飽和、置換または非置換、直鎖または分枝鎖であり、Xは、NHまたはOであり、Yは、NH−Zであり、ここで、Zは、担体または標識である、化合物。
【請求項8】
担体が、カサガイヘモシアニン、ウシチログロブリン、ウシ血清アルブミンおよびアミノデキストランからなる群から選択される、請求項7記載の化合物。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−161712(P2007−161712A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−334322(P2006−334322)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】