説明

免疫系の因子の調節に関連する組成物および方法

共同刺激分子に対する分子遮断因子を含んでいる組成物であって、前記共同刺激分子は以下の判定基準を満たす組成物:
a. ナイーブまたは静止T-リンパ球に非存在;
b. 誘導性;
c. 発現される;および
d. 疾患/状態の応答などの免疫病理学的な応答の絶頂期に顕著。好ましくは、前記共同刺激分子はOX40であり、前記分子遮断因子はOX40に対する抗体活性を有している抗体または抗体フラグメントである。さらに、システムには、前述の共同刺激分子の分子シグナル経路の変調が含まれえる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
[優先権の主張]
2007年3月22日に出願された米国特許出願第60/765,407号の優先権の利益を主張する。
【0002】
[技術分野]
本発明は、生物学的なシステムにおける免疫応答に付随する分子の産生および制御に関する。
【0003】
[背 景]
本発明の前後関係を提示するために、例えば、気道感染が伝染性の疾患による全ての死亡例の多くの例に関連することを考慮すべきである。
【0004】
一般的には、疾患の重症度は、感染の性質および宿主の免疫応答の大きさの両方に起因する。本発明は、後者の原因因子、特に感染又は外傷への宿主の免疫系の不適切な又は免疫病理学的な応答に取り組むことを意図している。
【0005】
[発明の様々な態様の記載]
1- イントロダクション
本発明は、共同刺激分子に対する分子遮断因子(molecular blockade agent)を導入する組成物に関する。前記共同刺激は、以下の判定基準を満たす:
a. ナイーブ(naive)または静止T-リンパ球(resting T-lymphocytes)に非存在;
b. 誘導可能(inducible);
c. 発現される;および
d. 免疫病理学的な応答(例えば、疾患および/または状態の応答)の絶頂期(height)が顕著(prominent)。
【0006】
加えて、本発明は、係る分子遮断因子が被験者(例えば、哺乳類、好ましくはヒト 被験者)に免疫病理学的な応答の絶頂期の前に又は同時期(contemporaneously)に投与される方法に関する。
【0007】
分子遮断因子は共同刺激分子に対する抗体又はその断片であってもよく、前記断片は前記共同刺激分子に対して抗体活性を有している。共同刺激分子は、サイトカインレセプターまたは前記レセプターに対する相関性リガンド(correlative ligand)であってもよい。サイトカインではないが(T細胞上の膜貫通タンパク質である)OX40は、前述の判定基準を満たす共同刺激分子の例である。また、OX4OLも、共同刺激分子の候補である。
【0008】
共同刺激のTNFRファミリーメンバーの他の候補の例は、4-1BB, CD27, HVEM, GITRR, CD30である(同様に、他のものも後に言及される)。相関性リガンドの例は、4-1BBLである。付加的な共同刺激分子の例は、ICOS, PD1, および CTLA4である。相関性リガンドの候補の例は、CD70 [CD30に関して], LIGHT [HVEMに関して], GITRL, CD30Lである(同様に、他のものも後に言及される)。
【0009】
更に、本発明は、前述の共同刺激分子及びそのレセプターまたは相関性リガンドの分子シグナル経路の調節に広く関与する。係る経路の例は、OX40または4-1BBのTRAF 2 経路である。この調節(modulation)は、一以上の経路の細胞外の因子, 膜貫通型の因子, または細胞内の因子または2以上の前述のものの組み合わせであってもよい。シグナル伝達経路の因子が他の経路と共有されるだろうこと及び遮断によってこれらの他の経路に影響しえることを心に留めるべきである。
【0010】
係る組成物および方法は、獣医学およびヒトの臨床上の使用のための研究製品の, 診断上の, 予防的な, および治療上の組成物としての使用、獣医学およびヒトの臨床上の使用のための研究の, 診断上の, 予防的な, および治療上の方法, 同様に組成物の選択, 同定, および特徴づける方法としての使用を有するだろう。係るシステムは、例えば、インフルエンザ感染〔汎発性のインフルエンザ、例えば、トリインフルエンザ A (H5N1)〕により引き起こされえる「サイトカインストーム(cytokine storm)」と称される免疫病理(immunopathology)などの急性(同様に、慢性)の徴候に対する適用を有してもよい。
【0011】
呼吸器感染に関する疾病は、部分的にT リンパ球(「T細胞」)によって媒介される。肺に認められる過剰なT細胞が補充(recruitment), 維持(maintenance)または両方の原因であるかどうかは現在知られていない。如何にしてT細胞が炎症の間に制御されるかを理解することによって、介入するための新たな手段が明らかになるだろう。
分子遮断因子は、特定の抗体活性を有している抗体, 抗体断片、および抗原に対する免疫学的な活性を有している因子を作出する周知の標準的な方法を用いて作出しえる。抗体は、外来の粒子(抗原)などの外来の実体(foreign entities)を認識するために産生される。分子遮断抗体を作出する一つの方法は、抗体のライブラリをスクリーニングすること、標的の共同刺激分子(例えば、OX40)と反応する抗体を見出すこと及びそれ又はそれらを精製することによって行なわれる。次に、抗体断片は、必要ではない抗体の部分を切断することによって形成し、それをPEG化(PEGylating)することができる。OX40の例において、抗体断片はOX40(共同刺激分子)に特異的に結合し、抗体断片はOX40リガンドへと結合するOX40(共同刺激分子)の能力をブロックする。結果として、通常(OX40リガンドにより)T細胞に伝達される陽性シグナルが、ブロックされる。
本発明において使用される以下の用語は、以下の関連する意味を包含する:
1. 「非存在(absent)」 ― 存在しない;
2. 「ナイーブ(naive)」 ― 前に抗原に遭遇していない及び免疫学的に応答しない;
3. 「静止(resting)」 ― おそらく前に抗原に遭遇している及び免疫学的に応答していたが、現在抗原に免疫学的に応答していない;
4. 「誘導可能(inducible)」 ― 構成的に存在しないが、アップレギュレートまたはダウンレギュレートされる能力がある;
5. 「発現された(expressed)」 ― 存在する;
6. 「顕著(prominent)」 ― フローサイトメトリーおよび/またはPCRで時間経過における発現のレベルを比較することによって測定される個々の細胞における高レベルの発現(20 好ましくは少なくとも5%のレベル)。
【0012】
7. 「共同刺激(costimulatory)」 ― 抗原の単純な認識によって提供されるものをこえるT細胞に対する刺激性シグナルを提供する分子。共同刺激シグナルは、T細胞の完全な生理的な活性化に必要とされ、抗原提示細胞における膜結合分子によって提供される。この共同刺激シグナルがない場合、T細胞は完全には活性化せず、それどころか永久にスイッチがオフにされるかもしれない。
【0013】
8. 「分子遮断因子(molecular blockade agent)」 ― 前述の特性を有している共同刺激分子に対してブロッキング活性を有している試薬。
【0014】
1.1 T細胞
T細胞は、それぞれ膜結合糖タンパク質CD4 および CD8の発現により、二つの集団(T ヘルパー細胞およびT細胞傷害性細胞)に分けることができる。細胞傷害性T細胞は、MHC クラス I 分子含有外来ペプチド(MHC class I molecules bearing foreign peptide)の認識後に感染した又は腫瘍の細胞を溶解する。他方で、CD4+ T細胞は、MHC クラス II: ペプチド複合体に結合し、それらを発現している細胞を補助する。T ヘルパー細胞は、さらに三つの集団(Th1, Th2 およびT制御性の細胞)に分けることができる。これらのサブセットは、彼等が産生するサイトカインにより規定される ― Th1細胞からIFN-γ, TNF-αおよびIL-2;Th2細胞からIL-4, IL-5およびIL-6;並びにT regsからIL-10およびTGF-β(IL-10はTh2細胞からも産生される)。しかしながら、T regsがそのサイトカイン産生単独に基づいて同定できないことに注意すべきである。これらの細胞のサイトカインプロフィールによって、脅威の性質にしたがい別々の免疫応答を誘発することが許容される。Th1サイトカインは、細胞内の病原体を標的とするための細胞性免疫応答を可能とする。他方で、Th2応答は、細胞外の病原体を標的とする体液性の応答を誘導する。T制御性の細胞は、これらの応答の両方を抑制することができる。他方で、Th1およびTh2細胞は、互いのみを阻害できる。幾つかの研究は、CD8+ T細胞をサイトカイン分泌プロフィールで細分できることを暗示(imply)している。
【0015】
1.2 T細胞共同刺激
初期のT細胞活性化に関して、少なくとも二つのシグナルが要求される。T細胞受容体が抗原提示細胞(APC)における自己のMHC分子を含有している抗原性のペプチドに結合する場合、最初(一次)のシグナルが伝達される。しかしながら、このシグナルのみが受け取られる場合、T細胞はアネルギーの状態に入り、寛容となる。細胞が完全に活性化状態に進行するために、共同刺激シグナルとして知られる第二(二次)のシグナルが要求される。
【0016】
最も研究されたT細胞の共同刺激分子は、CD28である(1型の膜貫通糖タンパク質 であり、免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバー)。APC上でのCD28とCD80およびCD86との会合(Engagement)によって、IL-2産生(自己分泌のT細胞成長因子)が増加すること及びBcl-2(抗アポトーシス遺伝子)の発現を誘導することでT細胞応答が増強する。CL128のライゲーションも、T細胞の原形質膜の再編成および免疫学的なシナプスの形成を生じる。
【0017】
共同刺激に関するパラダイムを残すCD28に加えて、引き続くT細胞生存を連続的なラウンドの分裂をとおして促進する幾つかの他のファミリーの分子が存在する。誘導性の共同刺激因子(ICOS;Inducible co-stimulator)は、構造的にCD28に関連するが、T細胞上に構成的に発現されない。むしろ、それはCD4+ および CD8+ T細胞の両方における活性化の後に誘導される。ICOSは、TCR―MHC相互作用に引き続き早期に発現され、12-24時間後にピークとなる。ICOSのライゲーションは、さらにT細胞増殖を誘導し、産生されるサイトカインの決定に役割を担うだろう。ICOSライゲーションは、IL-2産生の増加を導かないが、むしろIL-4, IL-5, IL-10, IFN-γ およびTNF-αを導き、エフェクターT細胞の表現型の決定における役割を指摘している。
腫瘍壊死因子レセプタースーパーファミリーも、T細胞の共同刺激に関与する。このファミリーには、OX40 (CD134) および 4-IBB (CD137) 同様に CD27 および HVEMが含まれる。全ては、幾つかの細胞外システインリッチドメインを有するI型膜貫通タンパク質である。
【0018】
1.3 OX40
OX40(CD 134)は、47-50 KDaの分子量を有し、O-およびN-結合型グリコシル化の両方を有する。OX40(CD 134)は、191残基の細胞外ドメイン, 25残基の膜貫通領域, および36残基の細胞内の尾部を含有する。細胞外ドメインは、三つのシステインリッチドメイン(CRDs)を含有する。
【0019】
OX40 および 4-1BBの両方は、T細胞活性化に引き続く48-72時間に誘導的に発現される。OX40をとおしたシグナル伝達によって、TNFレセプター関連因子 TRAF-2 および -5をとおしてNF-κBが活性化される。これらは、NF-κB誘導キナーゼ(NIK; NF-κB - inducing kinase)に結合し、活性化し、CHUKを活性化する。CHUKは、IκBαをリン酸化することができ、これが分解し、NF-κBから抑制が除かれ、核へのトランスロケーションが許容される。
【0020】
OX40 および 4-1 BBのライゲーションによって与えられる共同刺激シグナルは、遅発型のT細胞の増殖および増大(expansion)の間に重要であり;OX40欠損マウスは、TCR ライゲーションの4-5日後に、不変の早期のT細胞増殖を示すが、アポトーシスが増強し、T細胞の増殖が減少する。加えて、少数の記憶細胞が発生する。OX40は、CD4 および CD8 T細胞, 同様にB細胞および樹状細胞に発現する。炎症性疾患の間に、OX40は、肺, 関節炎関節(arthritic joint), および中枢神経系を含む炎症部位でT細胞に発現する。
【0021】
これらのレセプターに対するリガンド(OX40L および 4-1BBL)も、Toll-様レセプターリガンドおよびCD40L(T細胞上の彼等のレセプターと同じパターンにしたがった発現の動態を伴う)を発現しているT細胞によるCD40のライゲーションによって誘導的に発現される。両方の分子は、TNFと相同性を共有するII型膜貫通タンパク質であり、活性化に続きB細胞, マクロファージおよび樹状細胞で発現される。TNFRs及びそれらのリガンドの間の相互作用が二方向性(bi-directional)であることが知られているにもかかわらず、APCに対する利点の性質は今のところ未知である。T細胞は感染によって誘発される免疫病理に中心的な役割を担うので、遅発型のT細胞共同刺激シグナルの操作によって新規の免疫の治療戦略および相関性の診断的及び予防的な戦略が提供されえる。以下は、T細胞における共同刺激分子及びその機能の概要である:
【表1】

1.3 呼吸器の感染および免疫病理
気道感染は、世界保健機構による2001年の伝染性疾患の全死亡例の21.5%にかかわっていた。そして、新たな脅威(例えば、SARSおよびトリインフルエンザ)が、連続的に出現している。同じ研究によって、それらの死亡例の98%は、肺炎および細気管支炎を生じえる下気道感染によることが示されている。疾患の重症度は、感染の性質および宿主の免疫応答の大きさの両方に起因する。
【0022】
呼吸器合胞体ウイルス(RSV)は、世界中の乳児下気道感染の主因であり、50%の乳児 細気管支炎の原因であり、一歳未満の小児は70%の感染割合である。RSVが感染した小児の4%までが入院を必要とし、死亡率は免疫易感染性患者において70%を超える。RSVは、十の遺伝子をコード化している一本鎖マイナスセンスRNA(single-stranded negative sense RNA)を有するニューモウイルス属(Pneumovirus genus)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae family)からのものである。RSVは、上咽頭中で複製し、その後に細胞表面におけるGAGs(および他の未同定のレセプター)とRSV GおよびF表面糖タンパク質との相互作用をとおして呼吸上皮に感染する。図 1は、呼吸器合胞体ウイルスの模式的な図であり、次の事項を示している;A - マトリックス, タンパク質 MおよびM2を含有する;B - 核タンパク質およびリンタンパク質およびポリメラーゼから構成されるキャプシド;およびC - 融合および付着タンパク質を含む膜貫通タンパク質。(図 1は、Medscape.com-Newborn Infant Nursing Reviews 2005から取得された。)
感染の間、宿主でのダメージおよび呈された症状は、直接的または間接的である可能性がある。宿主への直接的なダメージは、ウイルスが細胞変性(即ち、細胞のネクローシスを生じる)であるかに依存する。インフルエンザと異なり、RSVは、非細胞変性ウイルスであり、T細胞により初期にコントロールされるにもかかわらず持続性の感染を確立できる。RSV感染の間に罹患する細気管支炎は、主に宿主 CD4+ および CD8+ T細胞, マクロファージ, プラズマ細胞. および好中球の気道への大規模な流入によって生じる。これによって炎症性サイトカインの産生、気道の閉塞および酸素移動(oxygen transfer)の減少が導かれる。1950年代のRSVに対するワクチンを開発する以前の試みは、失敗した。というのも、ワクチンに対する免疫記憶が、引き続く自然感染の間の細気管支炎を高めたからである。加えて、RSV感染それ自身は、成人における再感染を阻止する十分な記憶を誘発しないので、おそらくそれを行うためにホルマリン弱毒ワクチン株に期待することは現実的ではない。このために、我々は、感染の間に気道に入るTh1 CD4+ および CDS+ T細胞の数を減少させること(したがって、炎症性サイトカインの産生および気道の上皮細胞へのダメージを減少させること)に焦点を合わせた。我々は、次の仮説を立てた;その仮説とは、遅発型のT細胞共刺激を阻害することによって、静止したナイーブおよびメモリーT細胞がインタクト(intact)のままである間に適応免疫応答の大きさが減少することである(閉塞の減少)。ウイルス誘発性の炎症の間に本仮説を試験することに加えて、この戦略は自己免疫性の炎症性の障害にも効果的であろう。
以前の研究は、免疫病理によって気道の閉塞が生じるインフルエンザ感染の間に可溶性の融合タンパク質(OX40:Ig)を用いてOX40を阻害することに焦点を合わせていた。OX40の遮断によって、ウイルスのクリアランスを損なうことなく悪液質および重量減少が減少する。CD4+ および CD8+ T細胞の両方が減少し、おそらくは増殖の減少、アポトーシスの増強、及びおそらく遊走の減少が原因であるようである(OX40Lは、炎症をおこした内皮に発現する)。また、OX40をとおした刺激は、クリプトコッカス−ネオフォルマンス(Cryptococcus neoformans)感染の間にOX40L:Ig 融合タンパク質を使用して試験された。インフルエンザと異なり、C.neoformans感染で生じた疾患は、T細胞活性化の制限が原因の病原体複製の増強に起因する。従って、インフルエンザウイルス感染に対して正反対の戦略が必要とされた。活性化T細胞上のOX40ライゲーションによって、IFN-γ 産生が増加し、肺の好酸球増加が減少する。また、肺におけるC.neoformansの負荷(burden)が減少する。
【0023】
[例]
例 1-呼吸器合胞体ウイルス(RESPIRATORY SYNCYTIAL VIRUS)
2 - 材料および方法
2.1 マウスおよび細胞株。
【0024】
8-12 週齡の雌BALB/cおよび9-10週齡の雄DBA/1マウス (Harlan Olac Ltd, Bicester, UK)を、内務省ガイドライン(Home Office guidelines)にしたがって病原体フリーの状態に維持した。DO11.10 マウスを、内務省ガイドラインにしたがって動物施設の屋内で飼育した。
マクロファージ および 樹状細胞に由来する骨髄を、BALB/cマウスからの大腿骨からの摘出、大腿のRPMIでの洗浄、および2μl MCSF またはGM-CSFを25μM 2-メルカプトエタノールを含有している10ml R10F (RPMI, 10% 胎児ウシ血清, 2nM/ml L-グルタミン, 50U/ml ペニシリン, 50 mg/ml ストレプトマイシン)にプレーティングすることで成長させた。培地を、三日後に置換した。DO11.10脾細胞(DO11.10 splenocytes)を6 -10 週齡マウスから除去し、赤血球溶解を行なう前に100μMの篩をとおして漉し、細胞を10% FCSを有するRPMI中でインキュベーションした。RAW 264.7 マクロファージ 株化細胞をDMEM, 10% FCS, 50U/ml ペニシリン, 50 mg/ml ストレプトマイシン中で培養し、コンフルエントの際に三日毎に1:3に分けた。インビトロアッセイに関して、2 x 106の細胞を、6ウェルプレートの各ウェルの2ml 培地に蒔き、二時間静置して接着させ、100ng/ml IFN-γで50μg/mlのOX40:Igの存在下または非存在下で処理した。
【0025】
2.1a 細胞の精製
CD4細胞を、DO11.10の脾臓からの単一細胞の懸濁物から精製した。細胞を0.5% BSA および 2mM EDTAを含んでいるPBSに108 細胞/mlで再懸濁し、10% CD4マイクロビーズ(Miltenyi Biotec)を添加した。細胞を、15 分間、4°Cでインキュベーションした。細胞を、洗浄し、緩衝剤に再懸濁し、108 細胞までを一つのMS カラムに磁場の存在下で適用した。非標識の細胞を、緩衝剤で洗浄し、磁力的に標識された細胞を含んでいる分画をプランジャーで洗い流した。細胞を再集計し、純度をFACSで評価した。
【0026】
2.2 OX40のブロッキング試薬。
【0027】
使用した分子遮断因子は、PEG化された抗体断片であるOX40ブロッキング抗体試薬 (Celltech R&D Limited, Slough, United Kingdomから取得した「A9」)であった。A9は、ポリエチレングリコールに結合したヒトIgG1のFabフラグメントであり、4OKDaである。
【0028】
マウスのOX40: mIgG1融合タンパク質(OX40: Ig, および OX40L: mIgG1, OX40L: Ig)をXenova社(Xenova Research Ltd, Cambridge, UK)から取得し、マウスIgG1の定常領域へと融合させたOX40またはOX40Lの細胞外ドメインを含むキメラcDNAを用いて構築した。これらの構築物を使用してクローンのチャイニーズハムスター卵巣細胞をトランスフェクトし、融合タンパク質をプロテインGセファロース(Taylor および Schwarz, j immunol methods 255:67-72)を用いて培養上清から精製した。
【0029】
2.3 呼吸器合胞体ウイルス(RSV)
RSV(A2 系統)を、単層のHEp-2 細胞で成長させた。RSV (1pfu/細胞)を、血清非含有のR10Fで2 時間インキュベーションした。これを10% FCSを有する同じ培地で24 時間インキュベーションし、FCSを2%に減少させて更に24 時間行った。RSVを、細胞および上清を機械的に除去し、超音波処理し、-80°Cでアリコット(aliquots)を-80°Cで急速凍結して収穫した。感染力を、HEp-2 細胞単層で、2 時間、37°Cで50μlのウイルス貯蔵物をRPMI中に希釈したものでの感染で決定し、150μlのR10Fでオーバーレイした。48 時間後、単層を、PBS 1% BSAで洗浄し、100μlのメタノール 0.6% H2O2で20 分間固定した。細胞を、PBS/BSAで希釈した抗-RSV-HRP (生物発生, Poole, Dorset)で染色した。細胞を二回洗浄し、プラークをアミノ-エチルカルバゾール(AEC;amino-ethylcarbazole)基質(0.06mg/ml AEC, 過酸化水素, 6mM クエン酸, 52.6mM リン酸ナトリウム)で30 分間インキュベーションして可視化し、光学顕微鏡で計算した。
【0030】
2.4 RSVの感染。
【0031】
BALB/cマウスを、0日目に麻酔し、鼻内に50μlの1.4 x 106 プラーク形成単位 /ml RSVを感染させた。また、一群のマウスは、1および4日目に腹腔内に250μg A9 抗体をうけた。マウスの重量および外観を、毎日モニターした。3および7日目にマウスを、3mg のペントバルビタールを注射し、大腿動脈から失血させることによって屠殺した。肺, NALT, 縦隔リンパ節および脾臓を除去した;気管支肺胞洗浄を、1mlの1mM EDTAをEMEM中に含有するもので六回肺を膨張させて行なった。
【0032】
2.6 細胞の回収。
【0033】
大腿動脈から除去した血液を8000 rpm で8 分間遠心し、除去した血清を-70°Cで貯蔵した。BALの洗浄物を遠心し、上清を-20°Cで保存した;ペレットを、R10Fに再懸濁し、細胞の計数をトリパンブルーを用いて行なって死細胞を排除し、2 x 105 の細胞をフローサイトメトリーに関して染色ごとに使用した。肺組織, リンパ節, 脾臓およびNALTを、100μMの篩を通過させることによって単一細胞の懸濁液にした。これを1200rpm で5 分間遠心し、赤血球を0.15M 塩化アンモニウム, 1M 炭酸カリウム および 0.001mM EDTAで溶血させ、細胞をR10Fで洗浄した。細胞のペレットを、R10Fに再懸濁し、2 x 105を染色ごとに使用した。
2.7 フローサイトメトリー。
【0034】
全ての抗体を、BD Pharmingen (Heidelberg, Germany)から購入し、PBS/1%BSA/0.05% アジ化ナトリウム (PBA)に希釈した。細胞を、30分間、4°Cで染色し、PBAで洗浄し、1200rpmで5 分間で遠心した。必要な場合、二次的なストレプトアビジン 染色工程を、20 分間、4°Cで行なった。細胞を、再度洗浄し、2% ホルムアルデヒド/PBSで20 分間固定した。細胞を、次にPBAで洗浄し、再懸濁し、データを取得し、30 000のイベントをCellQuest Pro ソフトウェア (BD Biosciences, Belgium)で分析した。細胞内サイトカインを検出するために、細胞を50 ng/ml PMA, 500 ng/ml イオノマイシン および 10 mg/ml ブレホルディン(brefeldin)A で4 時間、37°Cとインキュベートした。細胞を、以前のとおり、表面染色し、固定した。1% サポニンを含有しているPEAで10 分間透過化処理した後で、細胞を抗IFN-γ, TNF-αまたはIL-10で染色した。細胞を、次にPBA/サポニン中およびPBA単独で洗浄し、以前のとおり行なった。foxp3染色を、Foxp3 染色キット (ebioscience)で上記のとおり表面分子を染色して行い、細胞を洗浄し、固定および透過化の処理溶液で一晩インキュベートした。細胞を、再び透過化処理溶液で洗浄し、抗-foxp3 PE-結合抗体を添加し、30 分間、4°Cでインキュベーションした。細胞を、再び洗浄し、PBAで再懸濁し、フローサイトメーターを一時間内に行なった。
【0035】
2.8 サイトカイン ELISAs。
【0036】
サイトカイン分泌をOptEIA kits (BD Pharmingen)で定量した。マイクロタイタープレート (ヌンク, デンマーク)を、l00μlの捕獲抗体で一晩4°Cでコートし、PBS 10% FCS で一時間、室温でブロックした。サンプルおよび標準を、PBS/FCSで希釈し、配置し、プレートを2 時間、室温でインキュベーションした。結合したTNF, IL- 10 またはIL-12を、ビオチン化抗体 および アビジン − HRPで、次にテトラメチルベンチジンおよびハイドロジェンペルオキシダーゼで検出した。光学濃度を450nm で読み取り、標準曲線から濃度を計算した。
【0037】
2.9 RSV特異的な抗体のELISAs。
【0038】
ELISA抗原を、HEp-2 細胞をRSVで1pfu/細胞で感染させて調製した。感染した細胞を、収穫し、400gで遠心し、3 ml 蒸留水に再懸濁し、2 分間超音波処理した。50μlのアリコットを、-20°Cで貯蔵した。マイクロタイタープレートを、超音波処理したRSVを蒸留水中に1:200 希釈したもの100μ1で一晩コートした。ウェルを2%ウサギ血清で2 時間ブロックし、室温でのさらなる時間でのインキュベーションの前にサンプルを添加した。結合抗体を、O-フェニレンジアミン(OPD, Sigma)で暗所で20分間インキュベーションすることで検出した。反応を50μlの2M 硫酸で停止し、プレートを490nmで読んだ。
【0039】
2.10 RSV-特異的なプラークアッセイ。
【0040】
RSVが感染した肺を、ホモジナイズし、RPMIで二倍に希釈し、Hep-2細胞に播種した。24 時間後に、細胞をR10Fでオーバーレイした。24 時間後に、単層をPBS 1% BSA中で洗浄し、100μl メタノール および 0.6% H2O2 で20 分間固定した。細胞を、抗-RSV-HRPで染色し、二回洗浄し、プラークを3アミノ−エチルカルバゾール基質 (0.06 mg/ml AEC, 過酸化水素, 6mM クエン酸, 52.6Mm リン酸ナトリウム)で30 分間インキュベーションすることで可視化した。プラークを光学顕微鏡下で計数した。
【0041】
2.11 NOアッセイ。
【0042】
Greiss kitsを使用して、細胞培養上清中の亜硝酸濃度を定量した。サンプル および 標準を、1%スルファニラミド(sulphanilamide)で10 分間処理し、2.5% H3PO4,中に亜硝酸の存在下でマゼンタ色を産生する 0.1%ナフチルエチレンジアミン(napthylethylenediamine)を添加した。光学濃度を550nmで読み取り、標準曲線から濃度を計算した。
【0043】
2.12 CFSE染色。
【0044】
精製に続き、CD4 T細胞を、細胞内の 蛍光色素 5-カルボキシフルオレセイン二酢酸スクシンイミジルエステル (CFSE;5-carboxyfluorescein diacetate succinimidyl ester)で標識して細胞分裂を分析した。細胞をPBS 中に5 x 107/mlで再懸濁し、CFSEを終濃度10μMまで急速に添加した。これを室温で十分間静置し、R10F中で二回洗浄して反応をブロックした。細胞を、次にプレーティングのためにR10F中に再懸濁した。
【0045】
2.13 エンドサイトーシスの検出。
【0046】
RAWマクロファージを、IFN-γおよび OX40:Igの存在下または非存在下で4 時間上記のとおり蒔いた。ウェルを次にPBS中で二回洗浄し、細胞を擦り取って除去した。サンプルを、次に37°Cで暗所で1 mg/mlのFITC-結合デキストランで2 時間インキュベーションした。サンプルを、再び洗浄し、1200 rpm で5 分間遠心し、200μ1 PBAに再懸濁し、三時間内にフローサイトメーターで分析した。
【0047】
2.14 統計学。
【0048】
特に明記しない限り、全ての実験を少なくとも二回行い、インビボ実験に関して5マウスをタイムポイントごとに分析し、インビトロアッセイに関して三つのサンプルをタイムポイントごとに分析した。統計学的な有意性を、スチューデントのt検定で両側検定で評価し、偏った分散を推定した。
3 - 例1の結果の考察 − 呼吸器合胞体ウイルス感染の間のOX40のブロッキング。
【0049】
3.1 イントロダクション。
可溶性のOX40: Ig融合タンパク質を用いるOX40の阻害によって、ウイルスのクリアランスを損なうことなく、インフルエンザウイルス感染の徴候が寛解したことが以前に示された。RSV 感染によって、CD4+ およびCD8+ T細胞, 好中球およびマクロファージの肺および気道への大きな流入が誘導され、これによって肺胞空隙の閉塞、酸素移動の減少が導かれる。我々は、OX40阻害によって、この細胞浸潤物が減少し、これによってウイルスのクリアランスを損なうことなく、疾患の重症度が寛解されるとの仮説を立てた。以下の研究において、我々は、ペグ化した抗-OX40 抗体(A9)を使用して、T細胞上のOX40とAPCs上のOX40Lとの間の相互作用をブロックした。融合タンパク質に対しA9を用いることの主な利点には、生産コストの減少およびインビボでの半減期の延長が含まれる。
3.2. 結果
3.2.1 RSV感染によって、肺の炎症および肺および縦隔リンパ節でのOX40発現が誘導される
BALB/cマウスのRSVでの鼻腔内感染は、三日以内で肺および気道へのリンパ球の浸潤に至る。感染後3および7日でOX40を発現している細胞のパーセンテージを、フローサイトメトリーを用いて決定した。OX40は、肺, 気道, および縦隔リンパ節中でCD4 および CD8細胞の両方で発現した。OX40-陽性細胞の総数は、感染に際し大きく増した。(RSV感染が肺への細胞浸潤および肺, BAL, および縦隔リンパ節におけるOX40発現を誘導することを説明している図 3.1を参照されたい。BALB/cマウスを、0日目で RSVまたはPBSコントロールで感染させ、3日目で屠殺した。洗浄を行い、肺および縦隔リンパ節を除去し、ホモジナイズし、全生細胞数をトリパンブルーを用いて決定して死細胞を排除した。OX40を発現しているCD4+ およびCD8+ T細胞の比率をフローサイトメトリーで決定し、数をCD4およびCD8 細胞の数によるパーセンテージと全体生細胞数を乗じて計算した。OX40 発現を、(a) 肺 (b) MLN および(c) 細気管支肺胞の洗浄物で可視化した。(d)は、4マウスの平均および標準偏差を示す表であり、2つの実験の代表である。N=4, *はナイーブマウスと比較でp<0.005であることを示す)。
3.2.2 OX40阻害は、ウイルス誘発性の炎症を減少させる。
【0050】
OX40 - OX40Lの破壊によってRSV誘発性の免疫病理の抑制が導かれるかどうかを決定するために、250μgのAPCs上のOX40Lに結合し、T細胞上でOX40との会合を阻止するPEG化抗体を、RSV 感染の1および4日目に投与した(呼吸器合胞体ウイルスでの感染のための実験プロトコールを説明している図 3.2を参照されたい)。我々は、1日目まで処理を遅らせた。というのも、OX40発現は、ナイーブマウスで検出されなかったからである。
【0051】
A9によるOX40阻害によって、CD4+ および CD8+ T細胞の減少に最も影響する肺および気道への細胞浸潤の有意な減少が導かれる。さらに、CD45Rblo 発現で評価したとおり少数が活性化した(A9処理が、感染後の3日目に、リンパ球, CD4 および CD8細胞の数の減少、およびそれらの気道における活性化の度合の減少を導くことを示す図3.3を参照されたい)。(a) マウスを0日目に感染させ、A9をi.p.で1および4日目に与えた。リンパ球を、フローサイトメトリーでCD4, CD8 および B220染色細胞をバックゲート(backgating)することで計数した。このパーセンテージを、総生細胞数(total viable cell count)で乗じた。(b) BAL CD4+ および CD8+ T細胞を、感染の3 日後にフローサイトメトリーで計数し、総細胞数をリンパ球数から計算した。(c) 活性化したCD4 および CD8 T細胞の比率をフローサイトメトリーで決定し、数をこのパーセンテージを生きたT細胞の総数で乗じることによって決定した。各ポイントは、個々のマウスを示す。N=5, *はp < 0.05を示す)。
3.2.3 A9によって二次リンパ器官における活性化細胞の保持が生じる。
【0052】
気道における細胞の減少は、他の部位における保持を反映しているだろう。縦隔リンパ節(MLN) および 鼻関連リンパ組織(NALT;Nasal Associated Lymphoid Tissue)は、気道におけるT細胞初回抗原刺激の部位である。従って、A9 治療による初回抗原刺激の減少によって、気道への細胞遊走が阻止されることが可能である。
【0053】
この仮説の支持することとして、OX40のA9による阻害によって、NALT および MLNにおける細胞密度が増加する(図3.4a)。A9処理は、二次リンパ器官における、CD4およびCD8細胞の数の増加、及びそのTNF-αの産生を導くことを示す図 3.4を参照されたい。マウスを、0日目に感染させ、A9でi.p.で1および4日目に処理した。マウスを、3日目に屠殺し、NALT (i) および 縦隔リンパ節 (ii)を除去した。(a) 総生細胞数を、トリパンブルーを用いて計数した。(b) NALT CD4+ および CD8+ T細胞を、感染の3 日後にフローサイトメトリーで計数し、総細胞数を総生細胞数で乗じたリンパ球のパーセンテージから計算した。(c) TNF産生CD4 および CD8 T細胞の比率をフローサイトメトリーで決定し、数をこのパーセンテージを生きたT細胞の総数で乗じることによって決定した。各ポイントは、個々のマウスを示す。N=5, *はp < 0.05を示す)。CD4+ および CD8+ T細胞の両方が増加した(図3.4b)。保持されたもののなかで、有意に多数の数が活性化された(データ示さず)。さらにまた、NALTにおいて、T細胞産生性のTNFの数は、有意に増加した(図 3.4c)。
3.2.4 OX40阻害は、アポトーシスの増強によりT細胞数を減少させる。
【0054】
気道における細胞数の減少は、アポトーシスの増強を反映しているだろう。肺細胞の区画におけるアポトーシスのレベルは、膜がアポトーシスのプロセスにおいて早期に反転する場合に細胞上に暴露されるアネキシン Vのフローサイトメトリー分析をとおして評価された。実際、CD4 および CD8 T細胞のアポトーシスは、有意にA9 治療により気道において(図 3.5)および肺において(データ示さず)増加した。(A9が気道におけるアポトーシス細胞の数を増加させることを示す図 3.5を参照されたい。マウスを0日目にRSVで感染させ、250μgのA9, またはPBS対照を1および4日目に与えた。気道を洗浄液で洗浄し、抗体のアネキシン Vへの結合をフローサイトメトリーを用いて検出した。各ポイントは、個々のマウスを示す。N=5, *はp < 0.05を示す)。
3.2.5 OX40阻害は、抗体のレベルまたはウイルス複製のコントロールを減少させない。
【0055】
肺に進入するT細胞の数の減少によってウイルス封じ込めが阻止されるかどうかを決定するために、プラークアッセイを感染後の3および7日目で屠殺したマウスからの急速凍結した肺で行った。7日目までに全てのウイルスは肺から除かれた。3日目に無処置およびA9-処理マウスに存在するプラークの数に有意差はなかった。従って、A9での治療は、肺のウイルスのクリアランスを変化させなかった。
【0056】
T細胞活性化の減少も、T-依存的な抗体産生に影響するだろう。血清中のトータルのRSV特異的な抗体を、ELISAで決定した。(OX40の阻害によって、RSV-特異的な抗体は損なわれなかったことを示す図 3.6を参照されたい。マウスを、鼻腔内(intranasally)に0日目にRSVで感染させ、無処置(オープンシンボル)か又は1および4日目に250μgのA9を与えた(クローズドシンボル)。(a) 7日目に、RSV特異的な抗体を、血清中でELISAで定量した。(b) トータルのIgA および (c) IgEを、鼻洗浄中でELISAで検出した。結果は、平均値 +/- st devで表した(n=5)。)処理および無処置の群の間の3または7日目の血清の抗体価に有意差は、観察されなかった(図 3.6a)。IgA および IgEは、ほとんど検出不可能なレベルで血清に存在するが、粘膜部位には濃縮される。従って、IgA および IgEの産生を、鼻洗浄サンプルでELISAで評価した。OX40の遮断によって、これらの抗体の3または7日目の産生は変化しなかった(図 3.6b および c)。
【0057】
3.2.6 OX40阻害は、肺のサイトカイン産生に影響しない。
【0058】
肺組織への傍観者的な障害(Bystander damage)は、T細胞 および マクロファージによる炎症性サイトカインの産生が原因で発生しえる。従って、我々は、A9によるOX40の遮断がこれらのサイトカインの産生を変化させるかどうかをサイトメトリーでのビーズアレイ技術を用いて決定した。しかしながら、我々は、A9処理でIL-4, IL-5 またはIL-6に差を観察しなかった。IFN-γは7日目でのみ検出されたが、他方でTNFは3 および 7日目で豊富に存在していた。再び、A9処理の効果はなかった(A9処理が、肺における炎症性サイトカイン産生を変化させないことを示す図 3.7を参照されたい。マウスを、0日目にRSVで感染させ、1および4日目に、PBS(オープンシンボル)か又は250μgのA9(クローズドシンボル)をi.p.で与えた。マウスを、3または7日目に屠殺し、一つの肺葉を急速凍結(snap frozen)した。肺を次にホモジナイズし、3000 rpmで5 分間遠心し、サイトメトリーでのビーズアレイ(cytometric bead arrays)を上清で行ってサイトカイン産生を検出した。感染後、TNF-αを(a)3日目および(b) 7日目、IFNγを(c)7日目、およびIL-2を(d)7日目に検出した。IFN-γもIL-2も、3日目に検出できなかった。IL-4, IL -5 および IL-6は、何れのタイムポイントでも検出できなかった。結果は、平均値 +/- st dev.で表した(N=5)。)
3.2.7 A9は、RSVへの応答のリコールを損なわない。
【0059】
一次感染の間のA9処理による細胞密度の減少が二次感染をクリアする能力を損なわないかどうかを検査するために、マウスを当初の感染の後に四週再免疫され、そして4日後に屠殺された。(初感染の間のOX40の阻害は、二次感染へのリコール応答を障害しないことを示す図 3.8を参照されたい。マウスを、0日目にRSVで鼻内に感染させ、1および4日目に、PBS(オープンシンボル)か又は250μgのA9(クローズドシンボル)をi.p.で与えた。30日目に、彼等は、同質(homogenous)のウイルスで再感染させられ、34日目に屠殺された。(a) 気道を採取し、総細胞数をトリパンブルーを用いて計数した。(b) RSV特異的な抗体を、血清中でELISAで定量した。(c) トータルのIgA(i)およびIgE(ii)を、鼻洗浄中でELISAで検出した。結果は、平均値 +/- st devで表した(n=5)。)気道への細胞の補充(recruitment)は、A9 処置群においてなおも低かった(図3.8a)。しかしながら、肺, MLN および NALTにおける細胞の数は、処理およびコントロール処理群の間で類似していた(データ示さず)。さらにまた、プラークアッセイは、全てのウイルスが両群の肺から消えたことを示していた(データ示さず)。全体のRSV - 特異的抗体, およびIgA および IgEの産生は、A9処理で影響されなかった(図 3.8b および c)。
3.2.8 OX40の遮断は気道における抗原提示細胞数を減少させる。
【0060】
研究室における以前の仕事は、T細胞活性化をブロックするためのOX40: Ig融合タンパク質を使用することに焦点を合わせていた。しかしながら、これによって陽性シグナルがOX40Lを保持しているAPCにも伝達される。対照的に、A9では、伝達されない。A9の使用によって、感染の間に気道に存在するAPCsの数の減少が導かれるだろうとの仮説がたてられた。A9処理が気道において抗原提示細胞の数を減少させることを示す図 3.9を参照されたい。マウスを0日目に感染させ、A9をi.p.で1および4日目に与えた。マウスを3日目に屠殺し、(c)気道中のCD11b+c+樹状細胞をフローサイトメトリーで計数した。総細胞数を、骨髄球集団(myeloid population)をゲートすること及び総生細胞数を乗じることによって計算した。(a) B220+ B細胞(i)およびMHC II(ii)を発現しているパーセンテージを、リンパ球をゲートしているフローサイトメトリーで計数した。(b) CD11b+ Cd11c-マクロファージ(i)およびOX40Lを発現している数(ii)を、フローサイトメトリーで計数し、総数を骨髄球のゲートのパーセントに総生細胞数を乗じて計算した。各ポイントは、個々のマウスを示す, n=5.*= p<0.05。)この事項を研究するために、肺および縦隔リンパ節を除去し、ホモジナイズし、DCS (CD11c+) マクロファージ (Cd11b+) およびB 細胞(B220+)の数を決定した。MHC クラス II 発現の強度を使用して、これらの細胞の活性化をOX40Lの発現と比較して試験した。
【0061】
B220+ 細胞のパーセンテージは、7日目にA9処理したNALT および 肺の双方で実際に増加した(図 3.9a)。しかしながら、実際の数は、未変化である。しかしながら、それらの気道に存在するB細胞は、A9処理でより活性化された。
【0062】
A9処理マウスの肺および気道に存在するマクロファージの数は、感染後の3日目で低かったが、7日目ではそうではなかった(図 3.9b)。OX40Lに関して陽性に染色されるマクロファージの数は、有意に減少していた。さらにまた、CD11c+ 樹状細胞は、感染後の3日目で気道および肺で有意に減少していた。
【0063】
3.2.9 A9の遅延した処理は、ウイルス誘発性の炎症を減少させる効果が低い。
【0064】
臨床の設定において、感染の一日後にA9を与えることは、現実的ではないだろう。というのも、疾患の臨床症状の発生(3日目)の前だからである。(A9での遅延性の処理がウイルス誘発性の炎症を減少させる効果が低いことを示す図 3.10を参照されたい。)A9の遅い投与が免疫病理を減少させることに効果的であるかどうかを評価するために、マウスを0日目にRSVに感染させ、4日目に250μgのA9を与えた。マウスを7日目に屠殺し、肺, 気道, および縦隔リンパ節を分析した。(a) RSV特異的な抗体を、血清中でELISAで定量した。(b) BAL CD4+ および CD8+ T細胞を、感染の4日後にフローサイトメトリーで計数した。結果は、平均値 +/- st devで表した(n=5)。)血清中のRSV-特異的な抗体は、遅延性の処理で未変化であった(図 3.10a)。また、プラークアッセイによって、ウイルス力価に差がないことが決定された(データ示さず)。T細胞も減少したが、有意なところまで達しなかった。将来の実験によって、3日目での処理または3つのポスト感染(3 post-infection)または4日目での高用量が効果的であるかどうかが決定されえる(図 3.10b)。
【0065】
3.2.10 OX40の遮断は、メモリー細胞の発生に影響しない。
【0066】
T細胞上でのOX40のライゲーションは、増殖を誘導し、Bcl ファミリーの抗アポトーシスタンパク質をアップレギュレートし、メモリーT細胞プールの供給(seeding)に役割を有していると考えられた。従って、OX40とそのリガンドとの相互作用をブロックすることによって、メモリーT細胞の発生を阻止することが関連した。この事項を調査するために、T細胞サブセットを、初感染の間にA9で処理したマウスで分析し、脾臓, リンパ節, 肺および気道において30日後に同質のウイルスで再免疫した。T 細胞を、Lazavecchiaの基準にしたがって、中心メモリー細胞(CD44hi CD62Llo)、エフェクターメモリー細胞(CD44hi CD62Lhi)、又はナイーブ細胞(CD44lo CD62Lhi)と決定した。A9処理によって、非処理群と比較して、これらの細胞集団のメンバーに差は観察されなかった(データ示さず)。CCR7を使用して、ナイーブおよび中心メモリー細胞(陽性)とエフェクターメモリー細胞(陰性)とを区別した。処理および無処理群の間のCCR7の発現に差は認められなかった(データ示さず)。
3.2.11 OX40の遮断は、血液中の制御性T細胞集団の増大を誘導しないが、それらを気道において減少させる。
【0067】
最近、多くの仕事が感染における制御性T細胞の役割に集中している。従って、肺および気道への浸潤が制御性T細胞の数の減少によるかどうかを検査することは興味深い。これらの細胞の正確な表現型は、議論の余地がある。しかしながら、我々は、それらを細胞内の foxp3 染色を用いて計数すると決定した。
【0068】
A9における感染後3日目の末梢血のfoxp3+ 細胞が、コントロール処置群と比べて有意に増加した。しかしながら、気道において、それらは有意に減少していた。A9処理が血液中のT制御性の細胞の増加および気道における減少を導くこと;A9処理単独が制御性の表現型を誘導しないことを示す図 3.11を参照されたい。(a) マウスを0日目に感染させ、A9をi.p.で1日目に与えた。マウスを3日目に屠殺し、血液を抽出し、50μl ヘパリンに維持した(i) および気道を洗浄した(ii)。総細胞数を、死細胞を排除するためにトリパンブルーを用いて計数した。CD4+ foxp3+ T制御性の細胞(CD4+ foxp3+ T regulatory cells)を、感染の3 日後に細胞内染色およびフローサイトメトリーで計数し、総生細胞数をリンパ球のパーセンテージに総生細胞数を乗じて計算した。(b) DO11.10 マウスからの精製した脾臓のCD4細胞を、100ng/ml LPS及び/又は骨髄由来の樹状細胞(bone marrow derived dendritic cells)(5:1のT:DC比で)の存在下で1μg/mlの卵白アルブミンの有り無しでインキュベーションし、500ng/ml A9の存在下または非存在下で48 時間インキュベーションした。次に、細胞を洗浄し、48 時間休ませ、新鮮な卵白アルブミンを全てのウェルに添加し、プレートを再びインキュベーションした。48 時間後にfoxp3の発現を、フローサイトメトリーで評価した。結果を、平均値 +/- st dev.で表した(N=5)。)
制御性のT細胞はOX40を発現するので、彼等のメンバーにおける変化が血液からの移動の遮断によるかどうか(他の細胞タイプと共に認められるので)又はOX40シグナリングの阻害が末梢CD4+細胞を制御性の表現型へと誘導するかどうかを決定することは重要であった。この事項に取り組むために、CD4+ T細胞をDO11.10 マウスから精製し、A9の有り無しの条件で1μg/mlの卵白アルブミンおよび骨髄由来の樹状細胞でインキュベーションした。48 時間後、細胞を洗浄し、さらなる48時間を新鮮な培地において休ませ、新鮮な卵白アルブミンを添加し、細胞の活性化および表現型を評価した。foxp3に関して陽性に染色された細胞の比率に差はなく、A9単独が制御性の表現型を誘導しなかったことを示している (図 3.11 b)。
【0069】
例 2 - インフルエンザウイルス
例 1の実験は、RSVの代わりにインフルエンザウイルスを用いて反復された。
【0070】
4 - 材料および方法。
インフルエンザウイルスに関して使用された材料および方法は、RSVに対するものと同じであった〔但し、インフルエンザ X-31(National Institute of Medical Research, Mill Hill, Londonから得られた)は、50 μlの58 HA単位のインフルエンザ X-31の用量で鼻内に投与された〕。全ての他の点において、セクション2.1〜2.14に記載の材料および方法が使用された。
【0071】
5. 例 2の結果の考察 ― インフルエンザ感染の間のOX40
5.1 BALE/cマウスのインフルエンザ感染によって、感染後の6-7日目にピークとなる急性の体重損失が惹起される。
【0072】
図4に関して認められるとおり、BALE/cマウスのインフルエンザ感染によって、感染後の6-7日目にピークとなる急性の体重損失が惹起される。気道への炎症性の浸潤は、このタイムポイントで最大であり、病気の重症度と宿主の免疫応答の豊富性(exuberance)との間の強い相関性を暗示している。肺のインフルエンザ感染によって引き起こされる観察された疾病(illness)および病状(pathology)の有意な程度は、宿主の免疫応答の過剰な豊富性(over-exuberance)に起因しうる。T細胞はウイルスクリアランスに重要であるが、観察された病状に重大な因子でもあり、気道の閉塞および観察された悪液質および発熱を生じる炎症性メディエータの産生を生じる。T細胞蓄積における疾病の依存性は、OX40をとおして伝達される遅発型の共刺激シグナルを阻害することによって容易に実証できる。BALB/cマウスは、0日目に50HA インフルエンザで鼻内に感染され、感染後の0および3日目にペグ化した抗-OX40阻止抗体 (A9)またはコントロール抗体 (A33)が腹腔内に投与された。A9の投与によって、コントロール抗体 A33で処理したマウスと比べて、BALB/cマウスのインフルエンザ感染に続く体重減少が有意に減少した(図 4, 左)。それらのA9で処理したマウスは、気道において感染後の7日目に、有意な細胞の数の減少を呈する(図 4 右)。フローサイトメトリー分析によって、次の事項が確認された;その事項とは、T細胞に対するOX40シグナルの遮断によって、感染の7日後に、気道におけるCD4+およびCDB+ T細胞の数および細胞内のIFN-γおよびTNFサイトカインの産生が減少することである。A9処理マウスの気道においてT細胞の数が有意に減少するにもかかわらず、これらのマウスは、なおもコントロール処理マウスに匹敵する割合で、肺からウイルスを排除できた。さらにまた、A9処理マウスにおけるメモリー応答は、不変である。これらのマウスは、インフルエンザへの二次的な曝露を首尾よく急速に排除できた。
【0073】
5.2 インフルエンザ感染と戦うための従来の戦略は、ワクチン接種および抗ウイルス性の薬物の投与に依存する。
【0074】
図 5と関連して認められる、インフルエンザ感染と戦うための従来の戦略は、ワクチン接種および抗ウイルス性の薬物の投与に依存する。ワクチン接種の戦略は、病原体の抗原性の変異によって妨げられる。他方で抗微生物薬剤(anti-microbial agents)は、時々有効性および薬剤抵抗性の発生の増加により制限される。さらにまた、インフルエンザなどの感染において、疾患の臨床的な徴候は、ウイルス力価が弱まり抗ウイルス性を無効にする場合にのみ現実に明らかとなる。A9処理の利点の一つは、症状が出現を開始するときに治療的に利用できることである。A9をインフルエンザ感染の3日後に投与されたマウスは、コントロール処理マウスと比較して、体重減少の減少および気道における細胞の数の減少をなおも示した。
【0075】
5.3 A9の遅延性の処理は、コントロール処理マウスと比較して、気道においてCD4+ および CDB+ T細胞の数の有意な減少を生じた。
【0076】
スライド6に関して認められるとおり、A9の遅延性の処理は、コントロール処理マウスと比較して、気道においてCD4+ および CDB+ T細胞の数の有意な減少を生じた。(スライド3を参照されたい)T細胞により放出される炎症促進性サイトカイン(pro-inflammatory cytokines), IFN-gamma およびTNFのレベルは、多くの観察された疾病および病状の多くに関係付けられる。重要なことに、A9処理は、コントロール処理(A33)マウスと比べて、IFN-gammaおよびTNFの両方を産生しているCD4+およびCDS+ T細胞の数を減少させた。
【0077】
本発明は本明細書中の開示に照らして当業者に明らかな修飾および変種が可能であり、本願の開示は本明細書中に言及または記載された特性の組み合わせ及びサブコンビネーションに拡大される。
【図面の簡単な説明】
【0078】
なし
【図1】

【図3.1a】

【図3.1b】

【図3.2】

【図3.3a】

【図3.3b】

【図3.4a】

【図3.4b】

【図3.5】

【図3.6】

【図3.7】

【図3.8】

【図3.9a】

【図3.9b】

【図3.10】

【図3.11a】

【図3.11b】

【図4】

【図5】

【図6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
共同刺激分子に対する分子遮断因子を含んでいる組成物であって、前記共同刺激分子は、
a. ナイーブまたは静止T-リンパ球に非存在であり;
b. 誘導性であり;
c. 発現され;および
d. 免疫病理学的な応答の絶頂期に顕著である
組成物。
【請求項2】
請求項 1に記載の組成物であって、前記共同刺激分子がレセプターまたはリガンドである組成物。
【請求項3】
請求項 1に記載の組成物であって、前記免疫病理学的な応答が疾患応答(disease response)または状態応答(condition response)である組成物。
【請求項4】
請求項 1に記載の組成物であって、前記共同刺激分子が以下を含む組成物:
a.OX40,
b.4-1 BB,
c.CD27,
d.CD30,
e.HVEM,
f.GITR,
g.ICOS,
h.PD1, または
i.CTLA4
g.活性が保存された前述のものの誘導体,
h.活性が保存された前述のもののバリアント(variant)または
i.前述のものの2以上の組み合わせ。
【請求項5】
請求項 1に記載の組成物であって、前記共同刺激分子が以下を含む組成物:
a.OX40 リガンド,
b.4-1BB リガンド,
c.CD70,
d.CD30 リガンド,
e.LIGHT,
f.GITR リガンド,
g.活性が保存された前述のものの誘導体,
h.活性が保存された前述のもののバリアント(variant),または
i.前述のものの2以上の組み合わせ。
【請求項6】
請求項 1に記載の組成物であって、前記免疫病理学的な応答が感染性の因子または外傷性の因子(traumatic agent)に対する応答である組成物。
【請求項7】
請求項 1に記載の組成物であって、前記免疫病理学的な応答が、
a. ペプチド,
b. ポリペプチド,
c. ヌクレオチド,
d. 抗原, または
e. 前述のものの2以上の組み合わせ,
に対する応答である組成物。
【請求項8】
請求項 6に記載の組成物であって、前記感染性の因子が以下を含む組成物:
a. 多細胞性の感染性の因子,
b. 細菌性の感染性の因子,
c. 真菌の感染性の因子,
d. ウイルス性の感染性の因子,
e. プリオン感染性の因子, または
f. 前述のものの2以上の組み合わせ。
【請求項9】
請求項 1に記載の組成物であって、前記感染性の因子がインフルエンザを含む組成物。
【請求項10】
請求項 1に記載の組成物であって、前記感染性の因子が汎発性のインフルエンザ(pandemic influenza)を含む組成物。
【請求項11】
請求項 1に記載の組成物であって、前記感染性の因子がトリインフルエンザ A (H5N1)を含む組成物。
【請求項12】
請求項 1に記載の組成物であって、前記外傷性の因子が以下を含む組成物:
a. 生物学的な外傷性の因子
b. 化学的な外傷性の因子
c. 核の外傷性の因子(nuclear traumatic agent)
d. 機械的な外傷性の因子(mechanical traumatic agent)
e. 前述のものの2以上の組み合わせ。
【請求項13】
共同刺激分子のシグナル経路のための調節因子を含んでいる組成物であって、前記共同刺激分子は、
a. ナイーブまたは静止T-リンパ球に非存在であり;
b. 誘導性であり;
c. 発現され;および
d. 免疫病理学的な応答の絶頂期に顕著である;
組成物。
【請求項14】
請求項 13に記載の組成物であって、前記経路が一以上の前記経路の 細胞外の因子, 膜貫通型の因子, または細胞内の因子または2以上の前述のものの組み合わせを含む組成物。
【請求項15】
請求項 13に記載の組成物であって、前記経路がTRAF 2因子を含む組成物。
【請求項16】
請求項 13に記載の組成物であって、前記因子が修飾されたTRAF 2因子を含む組成物。
【請求項17】
a. 被験者に共同刺激分子に対する分子遮断因子を投与することを備え、前記共同刺激分子は、
i. ナイーブまたは静止T-リンパ球に非存在であり;
ii. 誘導性であり;
iii. 発現され;および
iv. 前記被験者による免疫病理学的な応答の絶頂期に顕著である
方法。
【請求項18】
請求項 17に記載の方法であって、前記投与が免疫病理学的な応答の絶頂期の前である方法。
【請求項19】
請求項 17に記載の方法であって、前記投与が免疫病理学的な応答と同時期である方法。
【請求項20】
請求項 17に記載の方法であって、前記投与が免疫病理学的な応答の絶頂期と同時期である方法。
【請求項21】
請求項 17に記載の方法であって、前記被験者が哺乳類である方法。
【請求項22】
請求項 17に記載の方法であって、前記被験者がヒトである方法。

【公表番号】特表2009−530391(P2009−530391A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−501555(P2009−501555)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際出願番号】PCT/US2007/007098
【国際公開番号】WO2007/111931
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(505167543)インペリアル・イノベ−ションズ・リミテッド (23)
【Fターム(参考)】