説明

入れ子式容器の位置決めおよび輸送のための資材

本発明の輸送資材は、少なくとも二つの折りたたみ式の容器(2,3)の輸送のために用いられる。それぞれの容器は開口部(5)と、底部(6)と、縦軸(10)の周りで閉じられた外周を持つ周壁(7、8)と、そして開口部を取り囲む上縁部(11)と、で構成されている。この輸送資材は、たった一つのウェッジを備えている。ウェッジの面は、第1容器(2)の周壁(7)の面部分を横方向から受けるための横方向位置決め表面要素(12、13、14)の少なくとも一つの第1グループと、第2容器(3)の周壁(8)の面部分を横方向から受けるための横方向位置決め表面要素(12、13、14)の第2グループと、第1容器(2)の上縁部(11−2)および第2容器(3)の上縁部(11−3)を縦方向から受けるための縦方向位置決め表面要素の少なくとも第1(21、22)および第2(23、24)グループとからなる。位置決め表面要素のグループは、第2容器(3)の中で第1容器(2)を受けることができる上に、第1容器(2)と第2容器(3)とが接触しないように互いに配置される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
一般的に、本発明は入れ子式容器の位置決めおよび輸送のための資材に関するものである。
【0002】
本発明の技術分野は、物体の保管もしくは輸送のための容器に関わる。
【0003】
より詳しくは、本発明は、入れ子式容器のための輸送資源に関するものであり、その入れ子式容器は、開口部と、底面部と、縦軸の周りで閉じられた外周と、上記開口部を囲む上縁部を有する周壁とを備えている。
【0004】
入れ子式容器の保管もしくは輸送においては、さながらソースパンやフライパンや料理用型といった、入れ子式容器一式を、与えられたパッケージ内に一緒にまとめることが必要である。当該パッケージは、輸送もしくは保管の際に起こる衝撃や、容器と容器との間で起こる衝撃、そして容器と梱包の外の要素との間で起こる衝撃に対して、容器を保護するものでなければならない。
【0005】
そのため、多くの梱包資材製造業者は、容器を保管および保護するよう設計された、様々な解決法を生み出してきた。
【0006】
上述したような、容器の保管と保護に用いられるタイプの輸送、保管、位置決めのための資源は、例えば、連続的な入れ子式容器の底部と壁の間とに設置するダンボール梱包手段のセットなどで構成されている。このように互いに分離した入れ子式容器は、最も大きいものから最も小さいものへ容器の上方開口部の中へ入れ子にされる。容器はその後、さらなる外装としてプラスチックフィルムや段ボール箱によって梱包される。そして、該外装には販売ラベルと留め具とが状況に合わせて取り付けられている。
【0007】
このような配置の問題は、多くの梱包資材を必要とし、それに比例して無駄な資材の量の増加や、容器の梱包作業に要求される手作業段階の数の増加である。その上、このような梱包資材や外装でいったん梱包されてしまうと、輸送資源が動きうるので、入れ子式容器はそれぞれ接触状態になりうる。そして、これは衝撃や摩擦による磨耗の危険を増加させる。注目すべきは、破損した容器が製造業者に頻繁に返品され、それはコストに取って代わられるということである。
【0008】
問題は、入れ子式容器を詰め込み、梱包する作業の際の生産性を改善し、輸送中乱雑に扱われる場合でさえ、互いの容器間の接触を避け、その上、容器の位置決めと入れ子状態を可能にすることである。
【0009】
この目的を達成するために、本発明による入れ子式容器の輸送資源は、上述した一般的な内容ともまた適応性があって、容器の位置決めのための梱包要素のようなものを有している。そして、本発明は次のようなある一面を有している。
【0010】
互いに間隔を置いて配置され、第1容器の周壁の表面部分を横方向から支えるとともに、第1容器の上記周壁において不連続な横方向からの接触を可能とするように配置された、横方向位置決め表面要素の第1グループと、互いに間隔を置いて配置され、第2容器の周壁の面部分を横方向から支えるとともに、第2容器の上記周壁において不連続な横方向からの接触を可能とするように配置された、横方向位置決め表面要素の第2グループとを少なくとも含み、上記横方向位置決め表面要素の第2グループは、上記横方向位置決め表面要素の第1グループによって規定される内側面の外側に配置されており、上記梱包部品のある面は、さらに、上記横方向位置決め表面要素のグループに対し略垂直な、縦方向位置決め表面要素の第1グループと第2グループとを含み、縦方向位置決め表面要素の第1グループおよび第2グループは、それぞれ第1容器の上縁部と、第2容器の上縁部とを縦方向の接触により支えるために配置されており、上記二つの容器の底部が一度所定の位置に置かれると、当該底部が0でない間隔によって隔てられるように、上記縦方向位置決め表面要素の第2グループは、上記縦方向位置決め表面要素の第1グループに対して縦方向に配置され、上記位置決め表面要素のグループは、第2容器の内側に第1容器を受けるように、互いに対して配置されており、これら二つの容器間で接触はまったくない。
【0011】
本発明による輸送資源を用いることによって、それぞれの内側に入れ子状態にされたいくつかの入れ子式容器は、縦横の位置決めをする表面要素によって、このようにしっかりと保持されている。この梱包部品は、上述の方法によって保持されたそれぞれの容器のための、縦方向の位置決めをする表面要素のグループと横方向の位置決めをする表面要素のグループとを含んでいる。このグループは、二つの容器間のいかなる接触も避けるように位置決めされている。
【0012】
また、所定のグループ要素(第1および第2グループ)の横方向位置決め表面が互いに間隔を置いて配置されていることにより、対応する容器の周壁に対して、横方向から不連続に支持することができる。容器の周壁は、それ故、工場内での組み立ての際、輸送資材内での容器の入れ子状態での力を減少させる輸送資材に変わって、部分的な支持面となる。輸送資材内に入れ子式容器を所定の場所に収納する梱包作業が、このようにして容易になる。この作業が手作業であるとき特に有利となる。
【0013】
容器の周壁における輸送資材の断続的な側面接触の圧力により、所定の位置にある輸送資材を変形させるという結果をももたらす。なぜなら、輸送資材は、当該輸送資材から取り出しやすい容器の周壁と連続的に接触していないからである。つまり、互いに間隔を置いて配置された二つの支持要素の間で、輸送資材が周壁から距離をとっている状態にあるからである。
【0014】
最良な実施の形態において、縦横位置決め表面要素のグループは、段状部と蹴上げ部からなる階段構造の形に配される。段状部はそれぞれ縦方向の位置決め表面要素グループの1つによって形成され、蹴上げ部はそれぞれ横方向の位置決め表面要素グループの1つによって形成されている。
【0015】
このような実施の形態は、それぞれ異なった高さの入れ子式容器を効率的に梱包することを可能にする。
【0016】
もう一つの例によると、梱包部品の形成もまた可能である。少なくとも横方向の位置決め表面要素グループの一つは、柔軟な表面要素を有している。この表面要素は、このグループの表面要素によって位置決めされた容器の障壁の一部によって、適度に圧迫され、はめ込み作業によって容器の障壁を支持するために適応させられる。これらの柔軟な表面要素は、断続的に、容器の横壁に分布させられ、簡単なはめ込み作業が可能なように、取り付け区域を形成する。これらの柔軟な表面要素の一部は、望ましくは丸い形状であり、容器との接点の中に入ることができるいかなる鋭い角も有さない。
【0017】
本発明のこの実施の形態は、簡単な嵌め込み工程によって容器と梱包部品の間で作り出すぴったりとした梱包と結合とを可能にするので有利である。梱包部品上の容器の組み立ては、粘着材や粘着フィルムもしくは熱縮小性プラスチックフィルムのように特別な構成要素の必須の付加を要求しないことと簡単な入れ子状態と、によって達成される。
【0018】
梱包部品は、また、硬いプラスチック資材で形成することが可能である。結果は、入れ子式容器の位置決めおよび輸送のための資材の新しい型である。この新しい型の資材は、位置決めのための梱包として作用するたった一つの構成要素からなり、最終梱包と輸送する前にあらかじめ保管する作業期間を短縮することを可能にする。加えて、本発明による梱包部品は、梱包の留め具の役割を梱包部品自身が果たすことができ、その透明性は、消費者が容器を直接よく見ることを可能にする。
【0019】
最良のそして網羅的なというわけでは全くない一般的な指針としてという条件で、本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照と、下記の記述から明らかになるであろう。
【0020】
図1-Aは本発明による入れ子式容器が位置づけされた梱包部品の縦断面図を表している。
【0021】
図1-Bは本発明による入れ子式容器が位置づけされた梱包部品の横断面を表している。
【0022】
図(2)は梱包部品および梱包部品で入れ子状態にされていない容器の縦断面図を表している。
【0023】
図(3)は本発明による蓋と取っ手のための覆いを備えた梱包部品の縦断面図を表している。
【0024】
図(4)は梱包部品の一部と挟み込み容器の一部との細部の切断面を表している。
【0025】
上述したように、本発明は、あらかじめ保管することができ、入れ子式容器2、3、4の商品化のための最終的な梱包ができ、入れ子式容器の位置決めのために用いられたたった一つの梱包部品1から構成できる輸送資材に関わるものである
入れ子式容器という用語は、互いに中に入れ子状態にすることができる容器のすべてのタイプに属するものとする。
【0026】
図1-Aは、異なった3つの容器の間で接触が無いような方法で、本発明による梱包部品を用いて位置決めされ、互いに入れ子状態にされた、3つの入れ子式容器を表している。
【0027】
第1容器2は、梱包部品1で位置決めされており、第2容器3に入れ子状態にされている。その第2容器3自身は該梱包部品で位置決めされており、これもまた梱包部品1によって位置決めされた第3容器4に入れ子状態にされている。
【0028】
梱包部品のこの型は、少なくとも二つの容器の位置決めをこのようにしてすることが可能である。しかしながら、一つ一つの付加された容器を位置決めするために、少なくとも縦方向位置決め表面要素のグループの一つと、少なくとも横方向位置決め表面要素のグループの一つとの付加によって、この梱包部品はより多くの数の容器を梱包することができるように改造することができる。
【0029】
入れ子式容器2、3、4は、例えば円形、楕円形、長方形、もしくは三角形といった多様な形をとることもできる。図1の特別な場合において、第1容器2、第2容器3、そして第3容器4の入れ子式容器は、底部6と円形の縦軸10の周りで閉じられた外周を持つ周壁7、8、9とを含む。図1-Aおよび図1-Bで説明した特別な場合において、縦軸10は、また、容器と梱包部品1の回転軸である。これらの容器2、3、4のそれぞれもまた、開口部5と該開口部5を囲む上縁部11とを含んでいる。
【0030】
上縁部5は容器の周壁の簡単な部分ででき、もしくは、容器の周壁に置いて整えられた段部や、つばや、鋳ばりによって形成できる。
【0031】
当該容器はよく知られていて、例えば、取り外し可能な取っ手ありもしくはなしのソースパンやフライパンや料理用型などであり、従来の金型や打ち抜き加工や溶接や押し出し成型技術によって作られる。
【0032】
梱包部品1は、第1容器2、第2容器3、第3容器4の横方向の位置に対してそれぞれ設計された、横方向位置決め表面要素のグループ、第1の12、13、14、15と、第2の16、17、18、19と、第3の27、28、29、30とを含む。
【0033】
梱包部品1はまた、第1容器2、第2容器3、第3容器4の縦方向の位置に対してそれぞれ設計された、縦方向位置決め表面要素のグループ、第1の21、22と、第2の2、3、24と、第3の25、26とを含む。
【0034】
要素のグループにおいて位置決め表面要素の大きさと数とは、位置決めするための容器の重さと容積とに基づいて変化する。図1-Aおよび図1-Bの例においては、横方向位置決め表面要素グループのそれぞれは、4つの横方向位置決め表面要素を含み、縦方向位置決め表面要素のグループは、それぞれ少なくとも二つの縦方向位置決め表面要素を含む。
【0035】
これらの表面要素グループは、容器の縁部11において断続的な接触の形を作るために小さな表面部分で作ることができる。梱包部品における容器の接触力を分配するため、また、梱包部品と容器と両者の損傷をさけるため、それぞれの表面要素は、1センチメートルより大きい、輸送資材と容器の周壁との間の接点の長さといったようなある寸法を有さねばならない。これら表面要素の全ては、外周の半分を覆うことができなければならない。
【0036】
容器2、3、4は、それぞれ縦方向に第1容器2に対する少なくとも二つの表面要素21、22と、第2容器3に対する少なくとも二つの表面要素2、3、24と、そして第3容器4に対する少なくとも2つの表面要素25、26とによって、位置決めされている。縦方向位置決め表面要素の第1、第2、第3グループは、横方向位置決め表面要素の第1、第2、第3グループの表面要素と略垂直である。
【0037】
横方向位置決め表面要素の第1グループ12、13、14、15は、図1Bにおける斜線によって描かれた、第1容器2の外周に、おおよそ一致する外周を持つ第1内部面20について説明する。第2容器3の横および縦方向位置決め表面要素の2グループの表面要素は、この第1内部面20の外側に設置される。
【0038】
同様に、横方向位置決め表面要素の第2グループ16、17、18、19もまた、図1Bにおける斜線によって描かれた、第2容器3の外周に、おおよそ一致する外周を持つ第2内部面39について説明する。第3容器4の横および縦方向位置決め表面要素の第3グループの表面要素25、26、27、28、29、30は、この第2内部面39の外側に設置される。
【0039】
横方向位置決め表面要素は、容器2、3、4の縁部11の外側部分で接触状態になるとして説明された。しかし、当該接触状態は、容器の内側の縁部において、あるいは容器の内側および外側の縁部において同時に起こったとしてもまた、効果がもたらされる。
【0040】
類似の方法において、縦方向位置決め表面要素は容器2、3、4のそれぞれの縁部11において接触状態になるとして説明された。しかしこれらの接触は、他の容器に対してなされるものである。
【0041】
縦方向位置決め表面要素のグループ、第1の21、22、第2の2、3、24、そして第3の25、26は、3つのそれぞれ別個の平面にそって、それぞれ設置される。そして、縦軸10に沿って設置される。故に、いったん置いて設置したら、これらの要素の接点において容器は互いから分離して残る。二つの連続した容器底部の間の少なくとも1mmの空間は、二つの連続する容器の間の接触リスクを避けるために、望ましい。
【0042】
図1-Aおよび図1-Bに示すように、梱包部品は、階段構造の形をとっており、縦方向位置決め表面要素のそれぞれのグループの平面は階段構造の段状部の一つを形成しており、横方向位置決め表面要素のグループは蹴上げ部を形成している。
【0043】
階段構造の形式における第1、第2、第3の梱包部品1の段状部は、それぞれ縦方向位置決め表面要素の第1、第2、第3のグループによってそれぞれ形成される。
【0044】
階段構造の形式における第1、第2、第3の梱包部品1の蹴上げ部は、それぞれ横方向位置決め表面要素の第1、第2、第3のグループによってそれぞれ形成される。
【0045】
図2は、この梱包部品1においてまだ入れ子状態にされていない、梱包部品1と第1容器2、第2容器3、第3容器4との断面図を表している。3つの入れ子式容器は、縦軸10にて位置決めされる。縦軸10は、矢印40によって示される動きの方向に沿って、梱包部品1にて所定の位置に置いていく際の、容器の入れ子状態軸でもある。
【0046】
図3は、梱包部品1と共に、容器2、3、4のための保護用梱包の構成要素となる蓋34で構成される本発明の特徴的な実施の形態を表している。この蓋は第3容器の外周の上に適合し、底部6と梱包部品1の側面周壁37と接しうる。望ましくは、この蓋34は、側面周壁35
梱包部品1の側面周壁の上に取り付けられ、接触状態になる側面周壁35を含むべきである。他の容器よりも大きい入れ子式容器4は、蓋として用いることもできる。例えば、これは他の容器2、3のすべてを覆う、図1-Aに描かれている第3容器4の場合である。
【0047】
梱包部品1の外側に適応させられた蓋34の表面は、容器の識別のための荷印を含むことができる。その梱包部品1はいかなる一般的な荷印とも同様に取り外すことができる。
【0048】
位置決め表面の外側に示されている梱包部品の外側部分は、支柱を取り巻くのに適した単純なオリフィスのような販売用展示ユニットや保管ユニットにおいて、梱包部品を吊り下げることができるように設計された、吊り下げ資材33の従来用法を少なくとも含むことが可能である。
【0049】
筐体36は、少なくとも容器の運搬のために取り外し可能な取っ手32の組み入れが可能なように梱包部品の外側部分において作られ、これらの容器で一般的に販売される。蓋34の一部は、取っ手を固定するために、また、この取っ手の窃盗の危険を減らすためにも望ましくは筐体36を覆うつもりである。
【0050】
図3の詳細は、図4に拡大されている。この詳細図は少なくとも梱包部品1で位置決めされた容器の一つを保持するために設計された嵌め込み機構の例を示している。
【0051】
柔軟で弾力性のある部分31は、少なくとも横方向位置決め表面要素のグループの一つに配置される。これら柔軟な部分は、容器の周壁に略平行に配置され、容器の周壁と接触し圧迫するために容器の縁部で閉じている。梱包部品1を備えた位置決め範囲での容器の組み込みの際に、柔軟な部分31は、容器の縁部11によって圧迫され、伸縮自在に変形させられる。容器がいったん設置されると、この柔軟な部分は、容器の縁部のわずかに傾いた部分で接触するようになり、そしてまた、少なくとも縦方向位置決め表面要素22の一つにおける容器に弾性圧力を及ぼす。このように固定されると、容器は、梱包部品1の嵌め込み作用によって保持される。それぞれの容器は、二つのクリップ、望ましくは、互いに等距離にあるいくつかのクリップによって、少なくとも保持されている。
【0052】
このようなクリップは逆にすることができ、梱包部品に対する関係において、容器上で単純に引っ張ったり、分離する力によって、嵌め込まれた容器の取り外しができる。クリップは、容器の取り外しは梱包部品の破壊によってのみ実現できるように、不可逆的に作ることもできる。
【0053】
クリップが不可逆的である場合において、梱包部品は、一つもしくはそれ以上の局部的に弱められた軸に沿って、予め切断される。予め切断される範囲は、望ましくは、圧迫されるのに適した面を持ち、そして、横方向位置決め表面要素の同じグループに属しているすべての柔軟な部分31を囲む。
【0054】
この予め切断する範囲は、梱包部品1と5との分裂、そして、容器2、3、4の取り外しができるように設計される。
【0055】
もう一つの実施の形態によると、第1面38とは別に(に加えて)、梱包部品1は、第1面38の反対に位置づけられた第2面37を有する。第2面37は、少なくとも一つの容器を受けるのに適している、少なくとも横方向位置決め表面要素の一つのグループと、少なくとも縦方向位置決め表面要素の一つのグループとを有する。このように、ソースパンのような入れ子式容器を、所定の梱包部品が有する2つの面のうちの1つで位置決めできる。上記所定の梱包部品は、他の面で違った形の容器、例えばフライパン、を同時に受けることができるものである。
【0056】
階段構造の形式をとる梱包部品は、プラスチック素材のシートを熱成形する従来の方法によって一般的に生産される。
【0057】
梱包部品は入れ子式容器を保持するために硬くなることと、取り出せるように変形することの両方の性質を有しているので、熱成形シートの厚さは、1ミリメートルより少なく、有利である。望ましくは、500ミクロンと1ミリメートルの間、最もよいのは800ミクロンである。
【0058】
このような梱包部品を形作るために使われたプラスチック素材は、ポリエチレンPE(polyethylene)や、望ましくはポリエチレンテレフタレートPET(polyethylene terephtalate)である。これらの素材は、熱成形が容易で、紫外線に対する透明性、耐久性があり、そしてリサイクル可能な、食物と互換性がある素材である。ポリスチレンPS(polystyrene)や高濃度ポリスチレンHDPS(high-density polystyrene)や中濃度ポリスチレンMDPS(medium-density polystyrene)や、ポリプロピレンPP(Plypropylene)や、ポリウレタンPU(Polyurethane)や、ポリ塩化ビニールPVC(Polyvinyl chloride)や、望ましくは非晶質ポリエチレンテレフタレートAPET(amorphous polyethylene terephtalate)を用いて、熱成形された梱包部品を作ることもまた可能である。
【0059】
APETは容器の内側と縁部とを保護できるよう、その剛性のため選択される。そして、梱包部品1で位置づけされた容器の内部が見えるよう、また、その透明な特徴のため選択される。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1A】本発明による入れ子式容器が位置づけされた梱包部品の縦断面図である。
【図1B】本発明による入れ子式容器が位置づけされた梱包部品の横断面である。
【図2】梱包部品および梱包部品で入れ子状態にされていない容器の縦断面図である。
【図3】本発明による蓋と取っ手のための覆いを備えた梱包部品の縦断面図である。
【図4】梱包部品の一部と挟み込み容器の一部との細部の切断面である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二つの入れ子式容器(2、3)のための輸送資材であって、当該容器はそれぞれ開口部(5)と、底部(6)と、縦軸(10)の周りで閉じられた外周を有する周壁(7、8)と、当該開口部(5)を囲む上縁部(11)と、を有し、
上記資材は上記容器の位置決めのための梱包部品(1)を含み、
上記梱包部品(1)のある面(38)は、
互いに間隔を置いて配置され、第1容器(2)の周壁(7)の表面部分を横方向から支えるとともに、第1容器(2)の上記周壁において不連続な横方向からの接触を可能とするように配置された、横方向位置決め表面要素(12、13、14)の第1グループと、
互いに間隔を置いて配置され、第2容器(3)の周壁(8)の面部分を横方向から支えるとともに、第2容器(3)の上記周壁において不連続な横方向からの接触を可能とするように配置された、横方向位置決め表面要素(16、17、18)の第2グループとを少なくとも含み、
上記横方向位置決め表面要素(16、17、18)の第2グループは、上記横方向位置決め表面要素(12、13、14)の第1グループによって規定される内側面(20)の外側に配置されており、
上記梱包部品(1)のある面(38)は、さらに、
上記横方向位置決め表面要素(12から19)のグループに対し略垂直な、縦方向位置決め表面要素の第1グループ(21、22)と第2グループ(23、24)とを含み、
縦方向位置決め表面要素の第1グループ(21、22)および第2グループ(23、24)は、それぞれ第1容器(2)の上縁部(11-2)と、第2容器(3)の上縁部(11-3)とを縦方向の接触により支えるために配置されており、
上記二つの容器(2、3)の底部(6)が一度所定の位置に置かれると、当該底部(6)が0でない間隔によって隔てられるように、上記縦方向位置決め表面要素の第2グループ(23、24)は、上記縦方向位置決め表面要素の第1グループ(21、22)に対して縦方向に配置され、
上記位置決め表面要素のグループは、第2容器(3)の内側に第1容器(2)を受けるように、互いに対して配置されており、これら二つの容器間で接触はまったくないことを特徴とする少なくとも二つの入れ子式容器(2、3)のための輸送資材。
【請求項2】
上記梱包部品は、望ましくは1ミリメートルより薄い厚さの熱成形プラスチックシートで構成されることを特徴とする請求項1記載の入れ子式容器(2、3)のための輸送資材。
【請求項3】
横方向(12から19、27から30)および縦方向(21から26)位置決め表面要素は、段状部と蹴上げ部とで構成される階段構造を有しており、
当該段状部は、それぞれ上記縦方向位置決め要素グループの一つによって形成され、
当該蹴上げ部は、それぞれ上記横方向位置決め表面要素グループの一つによって形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の入れ子式容器(2、3)のための輸送資材。
【請求項4】
上記横方向位置決め要素グループの少なくとも一つ(12から19、27から30)は、この表面要素グループによって位置決めされる容器(2、3)の周壁(7、8)の部分によって圧迫されるのに適した柔軟な表面部分(31)を有しており、それ故、嵌め込み作用によって上記容器を保持することができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の入れ子式容器(2、3)の位置決めのための輸送資材。
【請求項5】
上記梱包部品(1)は、すべての上記柔軟な表面部分(31)を囲むプレカットゾーンを少なくとも含み、
上記柔軟な表面部分(31)は、圧迫されるのに適したものであり、上記横方向位置決め表面要素と同じグループに属するものであり、
上記プレカットゾーンは、梱包部品(1)の引き剥がしと、上記容器(2、3)の取り出しとができるように設計されており、それゆえ、梱包部品(1)は、嵌め込み作用によって受け止められ保持されることを特徴とする請求項4に記載の入れ子式容器(2、3)のための輸送資材。
【請求項6】
上記梱包部品(1)は、透明で硬いプラスチック素材から作られることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の入れ子式容器(2、3)の輸送資材。
【請求項7】
上記梱包部品(1)は、APET、PE、PS、HDPS、MDPS、PP、PU、PVC、のような熱成形プラスチック素材からなり、望ましくはPETであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の入れ子式容器(2、3)の輸送資材。
【請求項8】
上記梱包部品(1)は、上記容器を運搬するために差し込むことができる少なくとも一つの取り外し可能な取っ手のある筐体(36)を少なくとも含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の入れ子式容器(2、3)の輸送資材。
【請求項9】
上記梱包部品(1)は、上記位置決め表面要素のすべてのグループの外側に配置された吊り下げ資材(33)を少なくとも含み、
上記吊り下げ資材(33)は、互換性のある展示ユニットにおける容器(2、3)の位置決めのための梱包部品(1)を吊り下げることができることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の入れ子式容器(2、3)の輸送資材。
【請求項10】
上記入れ子式容器(2、3)は、上記梱包部品と共に、当該容器を保護することができる梱包材である蓋(34)を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の入れ子式容器(2、3)の輸送資材。
【請求項11】
上記蓋(34)は、周側壁(35)を有し、
上記周側壁(35)は、上記梱包部品(1)の周側壁(37)と接触するとともに、当該周側壁(37)の上に取り付けられることを特徴とする請求項10に記載の記載の入れ子式容器(2、3)の輸送資材。
【請求項12】
上記蓋(34)は、厚紙で作られることを特徴とする請求項10または11に記載の入れ子式容器の輸送資材。
【請求項13】
上記梱包部品(1)の外側に向けられた上記蓋(34)の表面には、梱包部品(1)が収納することができる容器の識別表示を少なくとも含む印が付されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の入れ子式容器(2、3)の輸送資材。
【請求項14】
上記入れ子式容器を受ける第1面(38)の反対側に配置された上記梱包部品(1)の第2面(37)は、少なくとも一つの容器を受けることができる、横方向位置決め表面要素の一つのグループと縦方向位置決め表面要素の一つのグループとを少なくとも含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の入れ子式容器(2、3)の輸送資材。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−511406(P2006−511406A)
【公表日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−564287(P2004−564287)
【出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【国際出願番号】PCT/FR2003/003801
【国際公開番号】WO2004/060769
【国際公開日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願人】(591125670)セブ ソシエテ アノニム (20)
【Fターム(参考)】