説明

入出力装置及びコンピュータプログラム

【課題】手書きした情報の表示終了時間を気にすることなくプレゼンテーションを行なうことができると共に、不要な軌跡を消去するために必要な操作が不要な入出力装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】手書き入力された軌跡を入力監視部11が受け付けた場合、入力位置判断部12は、入力開始位置が、軌跡テーブル2aに格納されている軌跡情報が示す軌跡又は保存軌跡テーブル2bに格納されている軌跡情報が示す保存軌跡の一部に一致するか否かを判断する。いずれにも一致しない場合、軌跡蓄積部14は、入力監視部11が順次受け付ける軌跡情報を軌跡テーブル2aに蓄積する。いずれかに一致する場合、メニュー画像出力部16は、対応するメニュー画像を表示させ、処理判定部17は、メニュー画像を介していずれの処理が選択されたかを判定する。処理実行部18は、メニュー画像を介して選択された処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データを表示装置に表示させると共に、手書きされた軌跡を受け付け、受け付けた軌跡を、表示されたデータ上に表示させる入出力装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
研究発表、講演、プレゼンテーション等を行なう際に、液晶プロジェクタ等の投影装置、大型液晶ディスプレイ等の表示装置、スピーカ等の音声出力装置等、各種の視聴覚機器をパーソナルコンピュータに接続して構成されるプレゼンテーションツールが用いられる。プレゼンテーションツールを用いたプレゼンテーションでは、発表者が、表示画面中の任意の箇所を指し棒又はレーザーポインタ等を用いて指し示すことにより、聴講者に注目して欲しい箇所への注目を促すことが行なわれている。
【0003】
また近年のプレゼンテーションでは、例えばマイクロソフト社製のPowerPoint(登録商標)等のプレゼンテーションソフトウェアを用い、予め用意してある複数の画像ファイルを順次又はランダムに切り替えて表示させることが行なわれている。更に、発表者がプレゼンテーション中にマウス、タブレット、デジタイザ等の入力装置を用い、追加して説明した内容等を表示内容に追記し、あるいは表示内容を修正又は削除することが行なわれている。
【0004】
また例えば、特許文献1には、会議出席者間で共有される情報に対する加筆及び修正を、各出席者が使用する全ての端末から行なうことが可能なシステムが開示されている。このシステムでは、会議出席者の全員が常に同一の共有情報を見るので、会議出席者間で共有の情報に対していずれかの会議出席者によって加筆又は修正された場合であっても、会議出席者の全員が常に最新の情報を見ることができる。
【0005】
また特許文献2,3には、プレゼンテーション用のコンテンツに対して、プレゼンテーション途中で手書き入力された画像を重畳又は合成し、所定時間の経過後に、重畳又は合成した画像をコンテンツから自動的に消去する装置が開示されている。この装置では、プレゼンテーション途中で加筆された内容が所定時間の経過後に自動的に消去されるので、加筆された内容を消去するための操作が不要であり、プレゼンテーションを行なう発表者の操作手間は省くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−56425号公報
【特許文献2】特開2007−80005号公報
【特許文献3】特開2006−145643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムは、会議出席者間での共有情報に対して加筆又は修正された内容を会議参加者全員で共有することを目的とするので、加筆された内容を消去することは想定されていない。即ち、特許文献1に開示されたシステムは、加筆又は修正された内容をその都度更新する構成であり、加筆された内容の表示のみを一時的に行なう構成ではない。
【0008】
また特許文献2,3に開示された装置では、プレゼンテーション途中で手書き入力された画像が、予め設定された時間だけ表示されるので、プレゼンテーションの進行状況によっては、手書き入力された画像が消去されるタイミングが早過ぎたり遅すぎたりし、発表者の所望のタイミングとならない虞がある。特に、手書き入力した画像の表示を継続した状態でプレゼンテーションを行ないたいというような発表者の要望に応えることはできなかった。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、手書きした情報(軌跡)の表示終了時間を気にすることなくプレゼンテーションを行なうことができると共に、不要な軌跡を消去するために必要な操作が不要であり、ユーザの操作負担を軽減することが可能な入出力装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る入出力装置は、データを表示装置へ出力して表示させるデータ出力部と、手書きの軌跡を受け付ける軌跡受付部と、該軌跡受付部が受け付けた軌跡を前記表示装置へ出力し、前記表示装置に表示されたデータ上に表示させる軌跡出力部とを備える入出力装置において、前記軌跡受付部が軌跡を受け付けた場合に、次に軌跡を受け付けるまでの時間を計時する計時部を備え、前記軌跡出力部は、前記計時部が所定時間を計時した後に前記軌跡受付部が次の軌跡を受け付けた場合、先に受け付けた軌跡の前記表示装置への出力を終了することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る入出力装置は、前記軌跡受付部が軌跡を受け付けた場合に、受け付けた軌跡が、前記軌跡受付部が先に受け付けて前記表示装置に表示中の軌跡の一部に一致するか否かを判断する判断部と、該判断部が一致すると判断した場合に、前記表示中の軌跡に対する処理を選択するためのメニュー画像を前記表示装置へ出力して表示させるメニュー出力部と、前記処理の選択を受け付ける選択受付部と、該選択受付部が選択を受け付けた処理を実行する実行部とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る入出力装置は、前記処理は、前記表示中の軌跡に対して手書きを継続する継続処理を含み、前記実行部は、前記選択受付部が継続処理の選択を受け付けた場合、前記軌跡受付部に、以降に手書きされる軌跡を、前記表示中の軌跡の続きとして受け付けさせることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る入出力装置は、前記処理は、前記表示中の軌跡の保存処理を含み、前記実行部は、前記選択受付部が保存処理の選択を受け付けた場合、前記表示中の軌跡を記憶部に記憶させる記憶処理部を有し、前記軌跡出力部は、前記記憶部に記憶された軌跡を前記表示装置へ出力することを特徴とする。
【0014】
本発明に係る入出力装置は、前記判断部が一致すると判断した場合に、前記表示中の軌跡が、前記記憶部に記憶されているか否かを判定する判定部と、該判定部が前記記憶部に記憶されていると判定した場合に、前記軌跡を前記記憶部から消去するか否かの指示を受け付ける指示受付部と、該指示受付部が消去の指示を受け付けた場合に、前記軌跡を前記記憶部から消去する消去部とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明に係る入出力装置は、前記表示装置に表示される軌跡の一画毎に異なる表示色を設定する表示色設定部を備え、前記軌跡出力部は、前記表示色設定部によって表示色を設定された軌跡を前記表示装置へ出力することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る入出力装置は、前記表示装置に表示される軌跡の表示色を、時間の経過に伴って変更する表示色設定部を備え、前記軌跡出力部は、前記表示色設定部によって表示色を設定された軌跡を前記表示装置へ出力することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る入出力装置は、前記表示装置に表示される軌跡の表示色の濃度を、時間の経過に伴って変更する表示色設定部を備え、前記軌跡出力部は、前記表示色設定部によって表示色を設定された軌跡を前記表示装置へ出力することを特徴とする。
【0018】
本発明に係る入出力装置は、前記表示装置に表示される軌跡の一画毎に異なる線種を設定する表示線設定部を備え、前記軌跡出力部は、前記表示線設定部によって一画毎の線種を設定された軌跡を前記表示装置へ出力することを特徴とする。
【0019】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、データを表示装置へ出力させて表示させると共に、手書きの軌跡を受け付け、受け付けた軌跡を前記表示装置へ出力させて、前記表示装置に表示されたデータ上に表示させるためのコンピュータプログラムにおいて、コンピュータに、軌跡を受け付けた場合に、次に軌跡を受け付けるまでの時間を計時するステップと、所定時間を計時した後に次の軌跡を受け付けた場合に、先に受け付けた軌跡の前記表示装置への出力を終了するステップとを実行させることを特徴とする。
【0020】
本発明によれば、入出力装置は、データを表示装置へ出力して表示させると共に、手書き入力された軌跡を受け付け、受け付けた軌跡を表示装置へ出力し、表示装置に表示されたデータ上に表示させる。また、入出力装置は、1つの軌跡を受け付けてから所定時間が経過した後に次の軌跡を受け付けた場合、先に受け付けていた軌跡の表示装置への出力を終了する。即ち、順次手書きされる軌跡の受付間隔が所定時間内であれば一連の軌跡(筆跡)として扱い、受付間隔が所定時間以上空いた場合に異なる軌跡として扱うことが可能となる。また、所定時間以上空けて次の軌跡が入力された場合に、先に入力されていた軌跡の表示を自動的に終了させることが可能となる。
【0021】
本発明によれば、入出力装置は、受け付けた軌跡が、先に受け付けて表示装置に表示中の軌跡の一部に一致する場合に、前記表示中の軌跡に対する処理を選択するためのメニュー画像を表示装置に表示させる。また、入出力装置は、メニュー画像を介して、前記表示中の軌跡に対する処理の選択を受け付け、受け付けた処理を実行する。よって、既に表示中の軌跡の一部の上に手書き入力することにより、先に入力されて表示中の軌跡に対して各種の処理を行なうことが可能となる。
【0022】
例えば、入出力装置は、既に表示中の軌跡に対して手書きを継続する継続処理が選択された場合、以降に入力される軌跡を、表示中の軌跡の続きとして受け付ける。よって、表示中の軌跡が入力されてから所定時間以上が経過した場合であっても、先に入力された軌跡の表示を終了させることなく、一連の軌跡として扱うことが可能となる。従って、入出力装置の使用者(発表者)は、自身の選択によって、順次手書きする軌跡を一連の軌跡として扱うことができ、効率のよいプレゼンテーションが可能となる。
【0023】
また、入出力装置は、既に表示中の軌跡の保存処理が選択された場合、表示中の軌跡を記憶部に記憶させると共に、記憶部に記憶された軌跡の表示装置への出力を開始する。よって、手書き入力された軌跡を常に表示させておくことが可能となる。従って、発表者は、先に入力した内容の表示を継続させておくことにより、以降の説明においても参照することができるので、効率のよいプレゼンテーションが可能となる。
【0024】
更に、入出力装置は、常に表示されるように記憶部に記憶されている軌跡であっても、この表示中の軌跡を記憶部から消去する指示を受け付けた場合に記憶部から消去する。よって、常に表示されるように記憶部に記憶されている軌跡であっても、表示の継続を解除することが可能となる。従って、発表者は、常に表示されるように記憶部に記憶されている軌跡が不要となった場合に、この軌跡の表示を終了させることができるので、不要な軌跡の表示によって本来表示すべきデータが見え難くなることを防止し、見易い表示画面を用いたプレゼンテーションが可能となる。
【0025】
本発明によれば、入出力装置は、表示装置に表示される軌跡の一画毎に異なる表示色を設定する。よって、例えば、表示装置に表示中のデータにおいて、聴講者に注目して欲しい箇所、これから説明したい箇所等に下線、囲み線、目印等の一筆のマークが手書き入力された場合に、各マークを異なる色で表示させることが可能となる。従って、発表者は、プレゼンテーション中に各軌跡の表示色を用いることによって、表示画面中の任意の箇所への注目を促すことができ、効率のよいプレゼンテーションが可能となる。特に、表示画面中に類似した軌跡が複数錯綜している状態であっても、軌跡毎に異なる表示色で表示することによって視認性が高まるので、軌跡毎の判別が容易となる。
【0026】
また、入出力装置は、表示装置に表示される軌跡の表示色を、時間の経過に伴って変更する。よって、一連の軌跡の表示色を時間の経過に伴って変更することにより、聴講者に注目して欲しい箇所がクローズアップされ、聴講者の注目度を高めることが可能となる。
【0027】
更に、入出力装置は、表示装置に表示される軌跡の表示色の濃度を、時間の経過に伴って変更する。よって、一連の軌跡の表示色の濃度を時間の経過に伴って変更することにより、聴講者に注目して欲しい箇所がクローズアップされ、聴講者の注目度を高めることが可能となる。
【0028】
更に、入出力装置は、表示装置に表示される軌跡の一画毎に異なる線種を設定する。よって、例えば、表示装置に表示中のデータにおいて、聴講者に注目して欲しい箇所に一筆のマークが手書き入力された場合に、各マークを異なる種類又は太さの線で表示させることが可能となる。従って、発表者は、プレゼンテーション中に各軌跡の線種又は太さを用いることによって、表示画面中の任意の箇所への注目を促すことができ、効率のよいプレゼンテーションが可能となる。特に、表示画面中に類似した軌跡が複数錯綜している状態であっても、軌跡毎に異なる種類又は太さで表示することによって視認性が高まるので、軌跡毎の判別が容易となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明では、手書き入力された軌跡が表示装置に表示されている状態で、所定時間以上空けて次の軌跡が入力された場合に、先に入力されていた軌跡の表示が終了されるので、不要な軌跡が自動的に消去される。よって、不要な軌跡を消去するために必要な操作が不要となり、ユーザの操作負担が軽減される。また、入力された軌跡は、所定時間以上空けて次の軌跡が入力されるまで表示され続けるので、発表者は、手書きした軌跡の表示終了時間を気にすることなくプレゼンテーションを行なうことができる。更に、入力された軌跡によって背景画像(表示中のデータ)が塗りつぶされた場合であっても、不要な軌跡は消去されるので、発表者は、本来表示すべきデータが見え難くなる弊害を気にすることなくデータへの書き込みを行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】実施形態1のPCのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図2】軌跡テーブル及び保存軌跡テーブルの格納内容を示す模式図である。
【図3】実施形態1のPCの機能構成を示す機能ブロック図である。
【図4】表示部に表示される軌跡の例を示す模式図である。
【図5】手書き入力された場合に制御部が行なう処理の手順を示すフローチャートである。
【図6】手書き入力された場合に制御部が行なう処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】軌跡蓄積処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】軌跡蓄積処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】軌跡を表示させる際に制御部が行なう処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】軌跡テーブル又は保存軌跡テーブルが更新された場合に制御部が行なう処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、本発明に係る入出力装置及びコンピュータプログラムについて、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。なお、以下の各実施形態では、本発明に係るコンピュータプログラムを公知のパーソナルコンピュータ(以下、PCという)等に読み取らせ、PCのCPU(Central Processing Unit)等に実行させることによって本発明に係る入出力装置を実現する構成について説明する。しかし、汎用のPCではなく、専用の装置によって本発明に係る入出力装置を実現してもよい。
【0032】
また、本発明に係る入出力装置は、PCに限らず、例えば、画像を表示部に表示させる機能、タッチパネル又はペンタブレット等のように表示部に表示された画像を直感的に操作できる機能等を備えた装置に適用できる。例えば、本発明に係る入出力装置は、タブレット型のコンピュータ、電子黒板、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話機、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯ゲーム機等に適用できる。
【0033】
(実施形態1)
以下に、実施形態1のPCについて説明する。図1は実施形態1のPCのハードウェア構成を示すブロック図である。本実施形態1のPC10は、例えば、公知のパーソナルコンピュータであり、制御部1、記憶部2、入力処理部3、出力処理部4、ネットワークインタフェース部(以下、ネットワークI/F部という)5等を備える。これらのハードウェア各部はバス1aを介して相互に接続されている。
【0034】
制御部1は、CPU、MPU(Micro Processor Unit)等であり、上述したようなハードウェア各部を制御すると共に、記憶部2に格納されている制御プログラムを適宜実行する。記憶部2は、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)、フラッシュROM、HDD(Hard Disk Drive)等である。記憶部2は、PC10を本発明に係る入出力装置として動作させるために必要な種々の制御プログラム、制御部1による制御プログラムの実行時に発生する種々のデータ等を記憶する。また、記憶部2は、PC10又は他のPCを用いて予め作成されたドキュメントデータ、画像データ等の会議資料データ、図2(a)に示すような軌跡テーブル2a、図2(b)に示すような保存軌跡テーブル2b等を格納する。なお、軌跡テーブル2a及び保存軌跡テーブル2bの詳細な構成については後述する。
【0035】
入力処理部3は、操作部3aに接続されており、操作部3aを介してユーザが入力した各種の情報を取得する。入力処理部3は、操作部3aを介して入力された各種の情報を制御部1へ送出し、制御部1は、入力処理部3から取得した情報に応じた処理を実行する。操作部3aは、例えば、マウス、キーボード、タブレット、デジタイザ等であり、ユーザがPC10を操作するために必要な各種のボタンを備える。特に本実施形態1の操作部3aは、表示部4aに表示された画像に対して直感的な手書き入力操作が可能な装置を含む。
【0036】
出力処理部(データ出力部)4は、表示部4aに接続されており、制御部1からの指示に従った映像信号を表示部4aへ出力して表示させる。また、出力処理部4は、制御部1からの指示に従って、PC10の動作状態、操作部3aを介して入力された情報、ユーザに対して通知すべき情報等を表示部4aへ出力する。表示部4aは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、PDP(Plasma Display Panel)等の表示装置である。なお、PC10を用いて多数の聴講者に対してプレゼンテーションを行なう場合、大画面の表示装置を出力処理部4に接続させて用いる。
また、操作部3a及び表示部4aとしてタッチパネルを用いた場合、表示部4aに表示された画像に対してより直感的な操作が可能となる。
【0037】
本実施形態1のPC10は、同一の室内の聴講者に対して、表示部4aに表示された会議資料を用いたプレゼンテーションに利用されることが想定されているので、発表者が発した音声を集音するマイクロホンが必ずしもPC10に接続されている必要はない。しかし、例えば、複数のPC10をネットワークを介して接続して遠隔会議に用いる場合、複数のPC10が離れた拠点にそれぞれ設置されることになる。従って、この場合、各PC10の使用者が発した音声を集音するためのマイクロホン及びスピーカをPC10に接続し、各マイクロホンが取得した音声情報をPC10間で送受信する必要がある。また、マイクロホンのほかに、各PC10の使用者の顔を撮影するカメラをPC10に接続し、各カメラで撮影した映像情報をPC10間で送受信するようにしてもよい。
【0038】
ネットワークI/F部5は、LAN(Local Area Network)又はWAN(Wide Area Network)等のIP(Internet Protocol)ネットワーク(図示せず)に接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F部5は、IPネットワークを介して接続される各種の装置との間で情報の送受信を行なう。
【0039】
図2は軌跡テーブル2a及び保存軌跡テーブル2bの格納内容を示す模式図である。図2(a)は軌跡テーブル2aの格納内容を、図2(b)は保存軌跡テーブル2bの格納内容をそれぞれ示す。軌跡テーブル2aには、PC10の使用者(発表者)が操作部3aを介して手書き入力した軌跡を示す軌跡情報が格納されており、軌跡情報は、図2(a)に示すように、番号、時間、X座標、Y座標等を含む。また、軌跡テーブル2aには、一連の軌跡の軌跡情報のみが格納される。
【0040】
なお、発表者が手書き入力を終了してから(例えばタッチパネルを使用する場合、発表者の指又はタッチペンがディスプレイから離れてから)、予め設定された時間(軌跡確定時間)が経過するまで次の手書き入力が開始されなかった場合、それ以前に入力された軌跡を一連の軌跡として扱う。即ち、発表者が手書き入力を終了してから予め設定された時間が経過する前に次の手書き入力が開始された場合、これらの軌跡は一連の軌跡として扱う。一連の軌跡を確定するための軌跡確定時間は、例えば数十ミリ秒、数秒等であり、PC10の使用者によって任意に設定されて記憶部2に格納されている。
【0041】
軌跡テーブル2a中の番号は、手書きされた軌跡を構成する各点を識別するための番号であり、例えば、軌跡テーブル2aに格納された順に1,2,3…が割り当てられる。軌跡テーブル2a中の時間は、一連の手書き入力が開始されたときを0分00秒00ミリ秒とし、手書き入力が開始されてからの経過時間を示している。なお、図2(a)に示す軌跡テーブル2aでは、一連の軌跡を構成する各点の軌跡情報(座標)が1ミリ秒毎に蓄積されているが、各点の軌跡情報を蓄積するタイミング(軌跡蓄積時間)は1ミリ秒に限らず、PC10の使用者が任意に変更できるようにしてもよい。各点の軌跡情報を蓄積する際に参照する軌跡蓄積時間は、PC10の使用者によって予め設定されて記憶部2に格納されている。
【0042】
軌跡テーブル2aのX座標及びY座標は、一連の軌跡を構成する各点の座標値であり、例えば、表示部4aが表示可能な領域の左上の点を基準点(0,0)とし、基準点(0,0)から右方向をX座標軸とし、下方向をY座標軸とした場合の座標値である。なお、基準点(0,0)は、表示部4aが表示可能な領域の右上の点、左下の点又は右下の点としてもよい。なお、軌跡テーブル2aにX座標及びY座標を格納する際に、発表者が一時的に手書き入力を終了していた場合、即ち、一画毎の区切れ目であった場合、X座標及びY座標にはそれぞれ−1が格納される。
軌跡テーブル2aに格納される各情報は、発表者が操作部3aを介して手書き入力を開始した場合に、軌跡蓄積時間が経過する都度、制御部1によって格納される。
【0043】
保存軌跡テーブル2bには、発表者が操作部3aを介して既に手書き入力した軌跡のうちで永久表示が設定された軌跡(保存軌跡)の軌跡情報が格納されており、図2(b)に示すように、軌跡ID、資料情報、番号、時間、X座標、Y座標等が格納されている。保存軌跡テーブル2b中の番号、時間、X座標、Y座標の欄には、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡に対して永久表示が設定された場合に、そのときに軌跡テーブル2aに格納されていた番号、時間、X座標、Y座標がそのまま格納される。
【0044】
保存軌跡テーブル2b中の軌跡IDは、保存軌跡テーブル2bに格納される軌跡情報を識別するための情報であり、例えば、保存軌跡テーブル2bに格納された順に1,2,3…が割り当てられる。保存軌跡テーブル2b中の資料情報は、軌跡情報が示す軌跡を追記された会議資料を示す情報であり、例えば、会議資料データのファイル名、フォルダ名及びページ番号等である。
保存軌跡テーブル2bに格納される各情報は、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡に対して発表者が永久表示を設定した場合に、制御部1によって格納される。
【0045】
記憶部2に格納される各情報は、記憶部2に予め格納されている構成に限られない。PC10が外部メモリ(図示せず)に記憶してあるデータの読み出しが可能なドライバ(図示せず)を備える場合には、外部メモリに記憶された各種情報をドライバによって読み出して記憶部2に格納させてもよい。また、IPネットワークを介して外部の装置から各種情報をダウンロードして記憶部2に格納させてもよい。
【0046】
上述した構成のPC10は、PC10を用いてプレゼンテーションを行なう使用者(発表者)からの指示に従って記憶部2に格納してある会議資料データを表示部4aに表示させる。また、PC10は、発表者が操作部3aを介して手書き入力した情報を、表示部4aに表示されている会議資料上に重ねて表示させる。これにより、発表者は、表示画面において、聴講者に注目して欲しい箇所を容易に指し示すことができ、聴講者は、発表者が会議資料のどの箇所を説明しているのかを容易に把握できる。
【0047】
以下に、本実施形態1のPC10において、制御部1が記憶部2に格納されている制御プログラムを実行することによって実現する機能について説明する。図3は実施形態1のPC10の機能構成を示す機能ブロック図である。本実施形態1のPC10は、制御部1が記憶部2に格納されている制御プログラムを実行することによって、入力監視部11、入力位置判断部12、軌跡処理部13、軌跡表示部19等の機能を実現する。また、軌跡処理部13は、軌跡蓄積部14、軌跡情報消去部15、メニュー画像出力部16、処理判定部17、処理実行部18の機能を有する。
【0048】
PC10を使用する発表者は、プレゼンテーションに使用する会議資料データを表示部4aに表示させつつ、操作部3aを介して、表示部4aに表示されている会議資料上に追記する情報を手書き入力する。
【0049】
入力監視部(軌跡受付部)11は、発表者が操作部3aを用いて手書き入力した軌跡を、入力処理部3を介して受け付ける。具体的には、表示部4aに表示された会議資料に対して、発表者が操作部3aを介して手書き入力を開始した場合、入力監視部11は、手書きされた軌跡を示す各点の座標値を、所定の軌跡蓄積時間間隔で取得する。なお、軌跡を示す各点の座標値は、所定の基準点(0,0)を基準とした座標値で表される。また、入力監視部11は、各点の座標値を取得するタイミングで、発表者が手書き入力を終了していた場合、ここでのX座標及びY座標をそれぞれ−1とする。
【0050】
入力監視部11は、予め設定された軌跡蓄積時間をカウントするための軌跡蓄積用タイマと、予め設定された軌跡確定時間をカウントするための軌跡確定用タイマとを有している。そして、入力監視部11は、発表者の手書き入力が開始された場合、軌跡蓄積用タイマを0分00秒00ミリ秒にリセットし、軌跡蓄積時間(例えば1ミリ秒)毎のカウントアップを開始する。入力監視部11は、軌跡蓄積時間毎に、軌跡蓄積用タイマが示す時間と、各時間に取得した各点の座標値とを入力位置判断部12及び軌跡処理部13へ随時送出する。
【0051】
また、入力監視部(計時部)11は、発表者の手書き入力が終了した場合、即ち、軌跡の座標値として(−1,−1)を取得した場合、軌跡確定用タイマをリセットし、次に手書き入力が開始されるまでの時間の計時を開始する。入力監視部11は、次に手書き入力が開始された場合、軌跡確定用タイマの計時結果に基づいて軌跡確定時間が経過したか否かを判断し、軌跡確定時間が経過する前に次の手書き入力が開始されていれば、先に入力された軌跡の続きとして、次に入力される軌跡を受け付ける。一方、入力監視部11は、軌跡確定時間が経過した後に次の手書き入力が開始されていれば、先に入力された軌跡と、次に入力される軌跡とを異なる軌跡とし、軌跡蓄積用タイマを0分00秒00ミリ秒にリセットし、次に入力される軌跡の各点の座標値の取得を開始する。
【0052】
入力位置判断部12は、入力監視部11の軌跡蓄積用タイマが示す時間と、各時間に取得した各点の座標値とを取得する。入力位置判断部(判断部、判定部)12は、0分00秒00ミリ秒に対応する座標値を入力監視部11から取得した場合、取得した座標値が示す点が、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡又は保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されている保存軌跡の一部に一致するか否かを判断する。具体的には、入力位置判断部12は、取得した座標値と同一の座標値が、軌跡テーブル2a又は保存軌跡テーブル2bに格納されているか否かを判断する。入力位置判断部12は、取得した座標値が示す点が、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡の一部に一致する、保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されている保存軌跡の一部に一致する、いずれにも一致しない、のいずれかを示す判断結果を軌跡処理部13に通知する。
【0053】
軌跡処理部13は、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡及び保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されている保存軌跡のいずれにも一致しないことを示す判断結果を通知された場合、軌跡蓄積部14にて、入力監視部11から順次取得する時間及び座標値(X座標及びY座標)を軌跡テーブル2aに蓄積する。具体的には、軌跡蓄積部14は、入力監視部11から順次取得する時間及び座標値に対して番号を割り当て、割り当てた番号と、順次取得する時間及び座標値とを軌跡テーブル2aに格納する。
【0054】
なおここで、軌跡テーブル2aに既に軌跡情報が格納されている場合、軌跡処理部13は、軌跡情報消去部15にて、軌跡テーブル2aに格納されている軌跡情報を消去することにより軌跡テーブル2aをリセットした後に、軌跡蓄積部14による蓄積処理を開始する。これにより、入力監視部11から0分00秒00ミリ秒に対応する座標値が入力された場合、即ち、操作部3aを介して新たな軌跡の手書きが開始された場合、先に入力されていた軌跡の軌跡情報を軌跡テーブル2aから消去することができる。
【0055】
軌跡処理部13は、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡又は保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されている保存軌跡のいずれかに一致することを示す判断結果を通知された場合、メニュー画像出力部(メニュー出力部)16にて、それぞれに対応するメニュー画像を表示部4aに表示させる。具体的には、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡に一致することを示す判断結果を通知された場合、メニュー画像出力部16は、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡に対する処理を選択するためのメニュー画像を出力処理部4へ出力する。一方、保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されている保存軌跡に一致することを示す判断結果を通知された場合、メニュー画像出力部16は、保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されている保存軌跡に対する処理を選択するためのメニュー画像を出力処理部4へ出力する。出力処理部4は、メニュー画像出力部16から取得したメニュー画像を表示部4aへ出力し、表示部4aに表示された会議資料上に表示させる。
【0056】
表示部4aにメニュー画像が表示された場合、入力監視部11は、発表者がこれ以降に操作部3aを介して手書き入力した軌跡を示す各点の座標値のみを軌跡処理部13へ送出する。そして軌跡処理部13は、入力監視部11から取得した座標値に基づいて、メニュー画像に表示されたいずれの処理が選択されたかを処理判定部(選択受付部)17にて判定する。具体的には、処理判定部17は、メニュー画像に表示された各処理の表示領域と、入力監視部11から取得した座標値とを比較し、入力監視部11から取得した座標値が示す点が、いずれの処理の表示領域内にあるかを判定する。そして、処理判定部17は、入力監視部11から取得した座標値が示す点を表示領域内に含む処理を、実行すべき処理として受け付ける。
【0057】
本実施形態1では、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡に対する処理として、軌跡を保存する保存処理、軌跡に対して手書きを継続する継続処理がある。また、保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されている保存軌跡に対する処理として、保存軌跡の保存を解除して消去する消去処理がある。
【0058】
処理判定部17は、メニュー画像を介していずれかの処理を受け付けた場合、受け付けた処理を処理実行部18に通知し、処理実行部(実行部)18は、処理判定部17から通知された処理を実行する。
【0059】
例えば、処理判定部17が軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡に対して継続処理を受け付けた場合、処理実行部18は、軌跡蓄積部14に、それまでに軌跡テーブル2aに蓄積された軌跡情報の続きとして、以降に手書きされる軌跡の軌跡情報を軌跡テーブル2aに蓄積させる。具体的には、処理実行部18は、軌跡テーブル2aに格納されている時間のうちで最も遅い時間を読み出し、入力監視部11の軌跡蓄積用タイマにセットし、入力監視部11による座標値の取得を開始する。入力監視部11は、軌跡蓄積用タイマが示す時間と、各時間に取得した各点の座標値との軌跡処理部13への送出を開始する。
【0060】
軌跡テーブル2aが図2(a)に示した状態であれば、処理実行部18は、0分00秒07ミリ秒を読み出し、軌跡蓄積用タイマにセットし、座標値の取得を開始する。これにより、例えば、先に手書きされた軌跡の軌跡情報が軌跡テーブル2aに蓄積されてから長時間(軌跡確定時間)が経過した場合であっても、次に手書きされる軌跡を、先に手書きされた軌跡の続きとして扱うことができる。
【0061】
また、処理判定部17が軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡に対して保存処理を受け付けた場合、処理実行部(記憶処理部)18は、軌跡テーブル2aに格納されている軌跡情報に軌跡ID及び資料情報を対応付けて保存軌跡テーブル2bに記憶させる。なお、処理実行部18が軌跡テーブル2aから保存軌跡テーブル2bに軌跡情報をコピーした場合、軌跡情報消去部15は、軌跡テーブル2aから軌跡情報を消去して軌跡テーブル2aをリセットする。
【0062】
更に、処理判定部(指示受付部)17が保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されている保存軌跡に対して消去処理を受け付けた場合、処理実行部18は、軌跡情報消去部(消去部)15に、消去すべき保存軌跡の軌跡情報を保存軌跡テーブル2bから消去させる。
【0063】
軌跡表示部19は、軌跡テーブル2aに格納されている座標値及び保存軌跡テーブル2bに格納されている座標値に基づいて、表示部4aに表示された会議資料上に表示すべき軌跡の軌跡情報を生成し、出力処理部4へ出力する。具体的には、軌跡表示部19は、軌跡テーブル2aに格納されている各座標値が示す点をプロットすると共に、直前の座標値が(−1,−1)でなければ直前にプロットされた点との間に直線を付加する。同様に、軌跡表示部19は、保存軌跡テーブル2bに格納されている各座標値が示す点をプロットすると共に、直前の座標値が(−1,−1)でなければ直前にプロットされた点との間に直線を付加する。これにより、発表者によって手書きされ、軌跡テーブル2a又は保存軌跡テーブル2bに格納された一連の軌跡を表示させるための軌跡情報が生成できる。
【0064】
出力処理部(軌跡出力部)4は、軌跡表示部19から取得した軌跡情報を表示部4aへ出力し、出力した軌跡情報に基づく軌跡を、表示部4aに表示された会議資料上に表示させる。これにより、軌跡処理部13が行なう各種の処理によって、軌跡テーブル2a及び保存軌跡テーブル2bに格納される軌跡情報が適宜変更された場合であっても、それぞれ最新の軌跡及び保存軌跡を表示させることが可能となる。なお、本実施形態1のPC10は、表示部4aに表示される会議資料データと、会議資料上に表示される軌跡情報とを異なるレイヤーとして扱うので、適宜変更される軌跡情報のレイヤーのみを更新することにより、発表者が適宜入力する軌跡情報を適切に表示させることができる。
【0065】
図4は表示部4aに表示される軌跡の例を示す模式図である。図4(a)は、表示部4aに表示中の会議資料において、「ABCDEFG」に1本の下線が手書きされた状態を示している。図4(a)に示す表示画面において、下線が手書きされてから所定時間(軌跡確定時間)が経過した後に、「あいうえお」を囲む囲み線が手書きされた場合、制御部1は、図4(b)に示すように「ABCDEFG」に付加された下線の表示を終了し、囲み線のみを表示させる。
【0066】
具体的には、制御部1は、「ABCDEFG」に付加された下線を示す軌跡情報を軌跡テーブル2aから削除し、「あいうえお」に付加された囲み線を示す軌跡情報を軌跡テーブル2aに蓄積する。なお、図4(a)に示す表示画面において、下線が手書きされてから軌跡確定時間が経過する前に囲み線が手書きされた場合、制御部1は、下線と囲み線とを一連の軌跡として扱い、下線を示す軌跡情報の続きとして、囲み線を示す軌跡情報を軌跡テーブル2aに蓄積する。
【0067】
また、図4(b)に示す表示画面において、「あいうえお」を囲む囲み線の軌跡情報が軌跡テーブル2aに格納されている状態で、この囲み線の一部の上を操作部3aを介して操作(手書き)された場合、制御部1は、図4(c)に示すようなメニュー画像を表示させる。一方、図4(b)に示す表示画面において、「あいうえお」を囲む囲み線の軌跡情報が保存軌跡テーブル2bに格納されている状態で、この囲み線の一部の上を操作部3aを介して操作(手書き)された場合、制御部1は、図4(d)に示すようなメニュー画像を表示させる。
【0068】
更に、図4(c)又は図4(d)に示す表示画面において、メニュー画像中のいずれかの処理(具体的には、永久表示、手書きの継続又は消去)が選択された場合、制御部1は、選択された処理を実行する。
【0069】
以下に、本実施形態1のPC10において、操作部3aを介して手書き入力された場合に制御部1が行なう処理についてフローチャートに基づいて説明する。図5及び図6は手書き入力された場合に制御部1が行なう処理の手順を示すフローチャートである。以下の処理は、PC10の記憶部2に格納されている制御プログラムに従って制御部1によって実行される。
【0070】
PC10の制御部1は、操作部3aを介した発表者(使用者)からの指示に従って会議資料データを表示部4aに表示させつつ、表示中の会議資料上に操作部3aを介して、発表者が手書き入力を開始したか否かを判断する(S1)。発表者が手書き入力を開始していないと判断した場合(S1:NO)、制御部1は、手書き入力が開始されるまで、会議資料データを表示部4aに表示させつつ待機する。
【0071】
発表者が手書き入力を開始したと判断した場合(S1:YES)、制御部1は、軌跡蓄積用タイマを0分00秒00ミリ秒にリセットし、軌跡蓄積時間の計時を開始する(S2)。また、制御部1は、入力処理部3から取得する情報に基づいて、発表者が手書きした軌跡を示す各点の座標値の取得を開始する(S3)。なお、本実施形態1の制御部1は、軌跡蓄積用タイマがカウントする1ミリ秒毎に(所定の軌跡蓄積時間間隔で)、各点の座標値を取得する。また、制御部1は、各点の座標値を取得するタイミングで、発表者が手書き入力を終了していた場合、ここでのX座標及びY座標をそれぞれ−1とする。
【0072】
制御部1は、順次取得する座標値において、軌跡蓄積用タイマが示す0分00秒00ミリ秒に対応する座標値が示す点が、保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されている保存軌跡の一部に一致するか否かを判断する(S4)。保存軌跡の一部に一致しないと判断した場合(S4:NO)、制御部1は、軌跡蓄積用タイマが示す0分00秒00ミリ秒に対応する座標値が示す点が、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡の一部に一致するか否かを判断する(S5)。
【0073】
軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡の一部に一致しないと判断した場合(S5:NO)、制御部1は、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されているか否かを判断する(S6)。軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されていると判断した場合(S6:YES)、制御部1は、軌跡テーブル2aに格納されている軌跡情報を消去して軌跡テーブル2aをリセットし(S7)、後述の軌跡蓄積処理を実行する(S8)。よって、操作部3aを介して新たな軌跡の手書きが開始された場合に、先に入力されていた軌跡の軌跡情報が軌跡テーブル2aに格納されていれば、この軌跡情報を軌跡テーブル2aから消去することができる。
【0074】
軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されていないと判断した場合(S6:NO)、制御部1は、ステップS7の処理をスキップし、後述の軌跡蓄積処理を実行する(S8)。制御部1は、軌跡蓄積処理の実行後、ステップS19へ処理を移行する。
【0075】
一方、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡の一部に一致すると判断した場合(S5:YES)、制御部1は、予め用意されているメニュー画像を表示部4aに出力して表示させる(S9)。ここでは、図4(c)に示すように、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡に対する処理を選択するためのメニュー画像が会議資料上に表示される。
【0076】
制御部1は、表示部4aに表示されたメニュー画像を介して、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡に対して永久表示(保存処理)が選択されたか否かを判断する(S10)。具体的には、制御部1は、メニュー画像に表示された各処理の表示領域と、手書きされた軌跡を示す座標値とを比較し、手書きされた軌跡が、永久表示の表示領域内にあるか否かを判断する。永久表示が選択されたと判断した場合(S10:YES)、制御部1は、軌跡テーブル2aに格納されている軌跡情報に軌跡ID及び資料情報を対応付け、保存軌跡テーブル2bに記憶させる(S11)。なおこのとき、制御部1は、軌跡テーブル2aに格納されている軌跡情報を消去して軌跡テーブル2aをリセットしておく。
【0077】
そして制御部1は、保存軌跡テーブル2bに格納されている軌跡情報(座標値)の表示部4aへの出力を開始し、保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されている保存軌跡の表示部4aへの表示を開始する(S12)。これにより、発表者によって永久表示が設定された軌跡(保存軌跡)が常に会議資料上に表示されるので、発表者は、永久表示を設定した軌跡を以降の説明においても参照することができ、効率のよいプレゼンテーションが可能となる。制御部1は、ステップS19に処理を移行する。
【0078】
永久表示が選択されていないと判断した場合(S10:NO)、即ち、図4(c)に示すメニュー画像を介して手書きの継続処理が選択された場合、制御部1は、軌跡テーブル2aに格納されている時間のうちで最も遅い時間を読み出して軌跡蓄積用タイマにセットし、軌跡蓄積時間の計時を開始する(S13)。また、制御部1は、入力処理部3から取得する情報に基づいて、発表者が以降に手書きする軌跡を示す各点の座標値の取得を開始する(S14)。そして制御部1は、後述の軌跡蓄積処理を実行し(S8)、軌跡蓄積処理の実行後、ステップS19へ処理を移行する。これにより、それまでに軌跡テーブル2aに蓄積された軌跡情報の続きとして、以降に手書きされる軌跡の軌跡情報を軌跡テーブル2aに蓄積させることができる。
【0079】
保存軌跡の一部に一致すると判断した場合(S4:YES)、制御部1は、予め用意されているメニュー画像を表示部4aへ出力して表示させる(S15)。ここでは、図4(d)に示すように、保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されている保存軌跡に対する処理を選択するためのメニュー画像が会議資料上に表示される。
【0080】
制御部1は、表示部4aに表示されたメニュー画像を介して、保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されている保存軌跡に対して削除が選択されたか否かを判断する(S16)。削除が選択されたと判断した場合(S16:YES)、制御部1は、ステップS4で一部に一致すると判断された保存軌跡の軌跡情報を保存軌跡テーブル2bから消去する(S17)。
【0081】
そして制御部1は、保存軌跡テーブル2bから消去した軌跡情報(座標値)の表示部4aへの出力を終了し、この保存軌跡の表示部4aへの表示を終了する(S18)。これにより、一旦永久表示が設定された軌跡であっても、発表者によって消去が指定された場合には会議資料上から消去できるので、不要となった時点で各軌跡の表示を終了させることができ、効率のよいプレゼンテーションが可能となる。
【0082】
削除が選択されていないと判断した場合(S16:NO)、制御部1は、ステップS17,S18の処理をスキップし、PC10の動作の終了を指定されたか否かを判断する(S19)。制御部1は、PC10の動作の終了を指定されていないと判断した場合(S19:NO)、ステップS1に処理を戻し、上述した処理を繰り返し、PC10の動作の終了を指定されたと判断した場合(S19:YES)、PC10の動作を終了する。
【0083】
次に、本実施形態1のPC10において、制御部1が行なう軌跡蓄積処理(図6中のステップS8)についてフローチャートに基づいて説明する。図7は軌跡蓄積処理の手順を示すフローチャートである。
【0084】
制御部1は、手書き入力が開始された場合、図5中のステップS2で開始した計時処理によって順次更新される軌跡蓄積用タイマが示す時間と、ステップS3で開始した取得処理によって順次取得する座標値(軌跡の点の座標値)とに番号を割り当て、軌跡テーブル2aに記憶させる(S21)。そして制御部1は、軌跡テーブル2aに格納した軌跡情報(座標値)を表示部4aへ出力し、この軌跡情報が示す軌跡を会議資料上に表示させる(S22)。これにより、発表者によって随時手書きされる軌跡が会議資料上に随時更新して表示されるので、発表者は、会議資料上に追記した内容を参照しながらプレゼンテーションを行なうことができる。
【0085】
制御部1は、図5中のステップS1で開始された手書き入力が終了したか否かを判断する(S23)。具体的には、制御部1は、入力処理部3から取得する情報に基づいて、発表者が手書きした軌跡の座標値として(−1,−1)を取得したか否かを判断し、(−1,−1)の座標値を取得した場合、手書き入力が終了したと判断する。
【0086】
手書き入力が終了していないと判断した場合(S23:NO)、制御部1は、所定時間(軌跡蓄積時間)毎に取得される座標値を取得したか否かを判断する(S24)。具体的には、制御部1は、軌跡蓄積用タイマが示す時間に基づいて、入力処理部3から取得する情報から、発表者が手書きした軌跡の座標値を軌跡蓄積時間毎に取得しており、次の座標値を取得したか否かを判断する。
【0087】
次の座標値を取得していないと判断した場合(S24:NO)、制御部1は、ステップS23に処理を戻し、発表者が手書き入力を終了するか、次の座標値を取得するまでステップS23,S24の処理を繰り返す。次の座標値を取得したと判断した場合(S24:YES)、制御部1は、ステップS21に処理を戻し、軌跡蓄積用タイマが示す時間と、次に取得した座標値とに番号を割り当て、軌跡テーブル2aに記憶させる(S21)。そして、制御部1は、ステップS22以降の処理を繰り返す。
【0088】
発表者による手書き入力が終了したと判断した場合(S23:YES)、制御部1は、軌跡確定用タイマを0分00秒00ミリ秒にリセットし、予め設定された軌跡確定時間の計時を開始する(S25)。制御部1は、軌跡確定用タイマが示す時間に基づいて、軌跡確定時間が経過したか否かを判断しており(S26)、軌跡確定時間が経過したと判断した場合(S26:YES)、図5,6の処理に戻る。これにより、発表者が手書き入力を終了してから軌跡確定時間が経過した場合、その前後に入力される軌跡を異なる軌跡として扱うことができる。
【0089】
軌跡確定時間が経過していないと判断した場合(S26:NO)、制御部1は、入力処理部3から取得する情報に基づいて、発表者による手書き入力が再開されたか否かを判断する(S27)。手書き入力が再開されていないと判断した場合(S27:NO)、制御部1は、ステップS26に処理を戻し、軌跡確定時間が経過するか、手書き入力が再開されるまでステップS26,S27の処理を繰り返す。
【0090】
発表者による手書き入力が再開されたと判断した場合(S27:YES)、制御部1は、入力処理部3から取得する情報に基づいて、発表者が手書きした軌跡を示す各点の座標値の取得を開始する(S28)。そして制御部1は、ステップS21に処理を戻し、軌跡蓄積用タイマが示す時間と、取得した座標値とに番号を割り当て、軌跡テーブル2aに記憶させ(S21)、ステップS22以降の処理を繰り返す。
【0091】
上述した処理により、本実施形態1のPC10は、発表者による手書きが終了してから所定時間(軌跡確定時間)が経過した場合、その後に手書きされた軌跡を、先に手書きされた軌跡とは異なる軌跡として扱うことができる。また、本実施形態1のPC10は、軌跡確定時間が経過した後に新たな軌跡の入力が開始された場合、先に入力された軌跡の表示部4aへの表示を自動的に終了させることができる。よって、不要な軌跡を消去するための操作を行なうことなく、不要な軌跡が自動的に表示画面から消去されるので、PC10の使用者(発表者)の操作負担が軽減できる。
【0092】
また、本実施形態1のPC10は、手書きされた軌跡を、軌跡確定時間が経過した後に次の軌跡が手書きされるまで表示画面中に表示し続けることができる。よって、発表者は、手書きした軌跡の表示終了時間を気にすることなくプレゼンテーションを行なうことができ、プレゼンテーションに集中できる。また、本実施形態1のPC10は、発表者による手書きが終了してから軌跡確定時間が経過した場合であっても、発表者からの指示に応じて、その後に手書きされる軌跡を、先に手書きされた軌跡の続きとして扱うことができる。よって、発表者は、手書きした軌跡の表示終了時間を気にすることなく、自身のタイミングで会議資料に追記できる。
【0093】
更に、本実施形態1のPC10は、手書きされた軌跡を、発表者からの指示に応じて、会議資料上に常に表示(永久表示)させておくことができる。よって、発表者は、手書きした内容を以降の説明で参照したい場合には、手書きした軌跡に対して永久表示を設定しておくことにより、以降の説明でも用いることができる。また、本実施形態1のPC10は、永久表示が設定された軌跡であっても、発表者からの指示に応じて表示画面から消去させることができる。よって、発表者は、表示中の会議資料の上に手書きされることによって会議資料が見え難くなることを気にせずに書き込みを行なうことができる。
【0094】
本実施形態1のPC10は、手書きされた軌跡を示す各点の座標値を、軌跡蓄積時間(例えば1ミリ秒)毎に軌跡テーブル2aに格納する構成であった。このほかに、例えば、手書きされた軌跡が直線であるか否かを判断し、直線である場合に、手書きされた直線の開始位置の座標値及び終了位置の座標値のみを軌跡テーブル2aに格納させるようにしてもよい。また、直線を入力するためのモードを用意しておき、このモードが設定された後に手書きされた軌跡は直線であると判断し、手書きされた軌跡の開始位置の座標値及び終了位置の座標値のみを軌跡テーブル2aに格納させてもよい。なお、直線と判断された軌跡と、それ以外の軌跡とを異なるテーブルに格納させてもよく、直線の開始位置又は終了位置であることを示すフラグを軌跡テーブル2aに設けることによって、直線と判断された軌跡と、それ以外の軌跡とを同一のテーブルに格納させてもよい。また、直線と判断された軌跡をテーブルに格納する際には、各軌跡(直線)の開始位置の座標値及び終了位置の座標値を順次格納してもよいし、各軌跡の開始位置の座標値及び終了位置の座標値を1つのデータとして軌跡毎に順次格納してもよい。
【0095】
本実施形態1のPC10は、新たに入力された軌跡が、表示中の軌跡の一部、又は表示中の保存軌跡の一部に一致する場合に、それぞれに対応するメニュー画像を表示させて、実行すべき処理の選択を受け付ける構成であった。このほかに、例えば、表示中の軌跡又は保存軌跡の一部に対して、操作部3aを介して所定時間以上操作(長押し)する、所定回数操作(2度押し)する等、各処理に応じて予め設定された操作を行なうことによって、実行すべき処理を選択するようにしてもよい。これにより、メニュー画像を表示させることなく、任意の処理の実行指示が可能となり、発表者の操作負担をより軽減できる。
【0096】
本実施形態1のPC10は、一連の手書き入力が開始された際に、軌跡蓄積用タイマが示す時間0分00秒00ミリ秒に対応する座標値が、軌跡テーブル2a又は保存軌跡テーブル2bに格納されている軌跡情報の一部に一致するか否かを判断し、判断結果に応じた処理を行なう構成であった。しかし、0分00秒00ミリ秒の時間に対応する座標値だけでなく、0分00秒00ミリ秒から所定時間に対応する座標値のいずれかが、軌跡テーブル2a又は保存軌跡テーブル2bに格納されている軌跡情報の一部に一致するか否かを判断するようにしてもよい。この場合、手書きの書き始めが、表示中の軌跡又は保存軌跡の一部に一致しない場合であっても、書き始めから所定時間内の軌跡が、表示中の軌跡又は保存軌跡の一部に一致する場合には、発表者が表示中の軌跡又は保存軌跡に対する処理を行ないたいことを把握できる。よって、発表者は、表示中の軌跡又は保存軌跡の上から厳密に手書きを開始させる必要がなく、操作負担を軽減できる。
【0097】
(実施形態2)
以下に、実施形態2のPCについて説明する。なお、本実施形態2のPCは、上述した実施形態1のPC10と同一の構成によって実現できるので、構成についての説明を省略する。
【0098】
本実施形態2のPC10は、上述した実施形態1のPC10が行なう処理と同一の処理を行なう。具体的には、本実施形態2のPC10は、PC10を用いてプレゼンテーションを行なう発表者からの指示に従って記憶部2に格納してある会議資料データを表示部4aに表示させると共に、発表者が操作部3aを介して手書き入力した情報を表示中の会議資料上に重ねて表示させる。
【0099】
なお、本実施形態2のPC10は、発表者が操作部3aを介して手書き入力した情報を表示中の会議資料上に重ねて表示させる際に、一画毎に異なる表示色で表示させるための処理を行なう。具体的には、軌跡表示部(表示色設定部)19は、1つの表示色を決定し、軌跡テーブル2aに格納されている各座標値が示す点を、決定した表示色でプロットすると共に、直前の座標値が(−1,−1)でなければ直前にプロットされた点との間に、決定した表示色の直線を付加する。また、軌跡表示部19は、直前の座標値が(−1,−1)であれば異なる表示色を決定し、決定した表示色を用いて、座標値が(−1,−1)となるまで、各座標値が示す点のプロットと、各点間の直線の付加とを継続する。
【0100】
同様に、軌跡表示部19は、更に異なる表示色を決定し、保存軌跡テーブル2bに格納されている各座標値が示す点を、決定した表示色でプロットすると共に、直前の座標値が(−1,−1)でなければ直前にプロットされた点との間に、決定した表示色の直線を付加する。また、軌跡表示部19は、直前の座標値が(−1,−1)であれば更に異なる表示色を決定し、決定した表示色を用いて、座標値が(−1,−1)となるまで、各座標値が示す点のプロットと、各点間の直線の付加とを継続する。
【0101】
これにより、軌跡表示部19は、発表者によって手書きされ、軌跡テーブル2a及び保存軌跡テーブル2bに格納された軌跡及び保存軌跡を、一画毎に異なる表示色で表示させるための軌跡情報を生成できる。
なお、一画毎に設定される表示色は、予め所定の順序で各軌跡(一画分の軌跡)に割り当てられてもよいし、まだ使用されていない表示色から任意に割り当てられてもよい。
【0102】
以下に、本実施形態2のPC10において、操作部3aを介して手書き入力された場合に制御部1が行なう処理について説明する。本実施形態2のPC10において、制御部1が行なう処理は、実施形態1において図5及び図6で説明した処理と同一であるので説明を省略する。
【0103】
次に、本実施形態2のPC10において、制御部1が行なう軌跡蓄積処理(図6中のステップS8)についてフローチャートに基づいて説明する。図8は軌跡蓄積処理の手順を示すフローチャートである。
【0104】
制御部1は、手書き入力が開始された場合、これから軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納される1画分の軌跡に対して表示色を設定する(S31)。制御部1は、図5中のステップS2で開始した計時処理によって順次更新される軌跡蓄積用タイマが示す時間と、ステップS3で開始した取得処理によって順次取得する座標値(軌跡の点の座標値)とに番号を割り当て、軌跡テーブル2aに記憶させる(S32)。制御部1は、軌跡テーブル2aに格納した軌跡情報(座標値)が示す軌跡を、ステップS31で設定した表示色を用いて、表示部4aに表示中の会議資料上に表示させる(S33)。
【0105】
制御部1は、発表者による手書き入力が終了したか否かを判断し(S34)、終了していないと判断した場合(S34:NO)、所定時間(軌跡蓄積時間)毎に取得される座標値を取得したか否かを判断する(S35)。次の座標値を取得していないと判断した場合(S35:NO)、制御部1は、ステップS34に処理を戻し、発表者が手書き入力を終了するか、次の座標値を取得するまでステップS34,S35の処理を繰り返す。
【0106】
次の座標値を取得したと判断した場合(S35:YES)、制御部1は、ステップS32に処理を戻し、軌跡蓄積用タイマが示す時間と、次に取得した座標値とに番号を割り当て、軌跡テーブル2aに記憶させ(S32)、ステップS33以降の処理を繰り返す。発表者による手書き入力が終了したと判断した場合(S34:YES)、制御部1は、軌跡確定用タイマを0分00秒00ミリ秒にリセットし、予め設定された軌跡確定時間の計時を開始する(S36)。
【0107】
制御部1は、軌跡確定用タイマが示す時間に基づいて、軌跡確定時間が経過したか否かを判断しており(S37)、軌跡確定時間が経過したと判断した場合(S37:YES)、図5,6の処理に戻る。軌跡確定時間が経過していないと判断した場合(S37:NO)、制御部1は、入力処理部3から取得する情報に基づいて、発表者による手書き入力が再開されたか否かを判断する(S38)。手書き入力が再開されていないと判断した場合(S38:NO)、制御部1は、ステップS37に処理を戻し、軌跡確定時間が経過するか、手書き入力が再開されるまでステップS37,S38の処理を繰り返す。
【0108】
発表者による手書き入力が再開されたと判断した場合(S38:YES)、制御部1は、入力処理部3から取得する情報に基づいて、発表者が手書きした軌跡を示す各点の座標値の取得を開始する(S39)。そして制御部1は、これから軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納される1画分の軌跡に対して、まだ使用されていない表示色を設定する(S40)。制御部1は、ステップS32に処理を戻し、軌跡蓄積用タイマが示す時間と、取得した座標値とに番号を割り当て、軌跡テーブル2aに記憶させ(S32)、ステップS33以降の処理を繰り返す。なおここでは、制御部1は、軌跡テーブル2aに格納した軌跡情報(座標値)が示す軌跡を、ステップS40で設定した表示色を用いて、表示部4aに表示中の会議資料上に表示させる(S33)。
【0109】
上述した処理により、本実施形態2のPC10は、発表者によって手書きされた軌跡を、一画毎に異なる表示色で表示させることができる。よって、例えば、表示中の会議資料において、聴講者に注目して欲しい箇所、これから説明したい箇所等に下線、囲み線、目印等の一筆のマークが手書きされた場合に、各マークを異なる色で表示させることができる。従って、発表者は、プレゼンテーション中に、例えば「赤線を付した箇所」のように各軌跡の表示色を用いることによって、会議資料中の任意の箇所への注目を促すことができ、効率のよいプレゼンテーションができる。特に、表示画面中に類似した軌跡が複数錯綜している状態であっても、軌跡毎に異なる表示色で表示することによって視認性が高まるので、軌跡毎の判別が容易となる。
【0110】
本実施形態2のPC10は、発表者が操作部3aを介して手書き入力した情報を、一画毎に異なる表示色で表示中の会議資料上に重ねて表示させる構成であった。このほかに、例えば、発表者が操作部3aを介して手書き入力した情報を、一画毎に異なる線種又は太さで表示させるようにしてもよい。この場合、図8に示した軌跡蓄積処理中のステップS31,S40において、制御部1は、表示色の代わりに、一画分の軌跡を表示させる際の線種又は太さを設定すればよい。これにより、発表者は、プレゼンテーション中に、例えば「波線を付した箇所」、「破線で囲んだ箇所」、「太線を付した箇所」のように各軌跡の線種又は太さを用いることによって、軌跡毎の判別が容易となり、効率よくプレゼンテーションできる。
【0111】
(実施形態3)
以下に、実施形態3のPCについて説明する。なお、本実施形態3のPCは、上述した実施形態1のPC10と同一の構成によって実現できるので、構成についての説明を省略する。
【0112】
本実施形態3のPC10は、上述した実施形態1のPC10が行なう処理と同一の処理を行なう。具体的には、本実施形態3のPC10は、PC10を用いてプレゼンテーションを行なう発表者からの指示に従って記憶部2に格納してある会議資料データを表示部4aに表示させると共に、発表者が操作部3aを介して手書き入力した情報を表示中の会議資料上に重ねて表示させる。
【0113】
なお、本実施形態3のPC10は、発表者が操作部3aを介して手書き入力した情報を表示中の会議資料上に重ねて表示させる際に、表示色を時間の経過に伴って変更させるための処理を行なう。具体的には、複数の表示色に表示順序が予め設定されており、軌跡表示部(表示色設定部)19は、所定時間(色変更時間)が経過する毎に異なる表示色を決定し、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されている軌跡を、決定した表示色で表示させるための軌跡情報を表示部4aへ出力する。これにより、軌跡表示部19は、発表者によって手書きされた軌跡を、所定時間毎に異なる表示色で表示させることができる。
【0114】
以下に、本実施形態3のPC10において、操作部3aを介して手書き入力された場合に制御部1が行なう処理について説明する。なお、本実施形態3の制御部1は、実施形態1において図5乃至図7で説明した処理を行ないつつ、手書きされた軌跡を表示部4aに表示させる際に、以下の処理を行なう。
【0115】
図9は軌跡を表示させる際に制御部1が行なう処理の手順を示すフローチャートである。以下の処理は、PC10の記憶部2に格納されている制御プログラムに従って制御部1によって実行される。
【0116】
PC10の制御部1は、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されているか否かを判断し(S51)、格納されていないと判断した場合(S51:NO)、図5乃至図7に示した処理を行ないつつ待機する。軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されていると判断した場合(S51:YES)、制御部1は、軌跡テーブル2aに格納されている軌跡情報(座標値)を読み出し(S52)、読み出した軌跡情報に基づく軌跡の表示色を設定する(S53)。
【0117】
制御部1は、読み出した軌跡情報に基づく軌跡を、設定した表示色で表示させるための軌跡情報(座標値)を表示部4aに出力し、軌跡情報に基づく軌跡を表示させる(S54)。制御部1は、軌跡を表示部4aに表示させてから所定時間(色変更時間)が経過したか否かを判断しており(S55)、所定時間が経過していないと判断した場合(S55:NO)、PC10の動作の終了を指定されたか否かを判断する(S56)。制御部1は、PC10の動作の終了を指定されていないと判断した場合(S56:NO)、ステップS55に処理を戻し、所定時間が経過するか、PC10の動作の終了を指定されるまでステップS55,S56の処理を繰り返す。
【0118】
所定時間が経過したと判断した場合(S55:YES)、制御部1は、ステップS51に処理を戻し、上述した処理を繰り返す。これにより、軌跡テーブル2aに格納されている軌跡情報に基づく軌跡が、所定時間毎に異なる表示色で表示される。PC10の動作の終了を指定されたと判断した場合(S56:YES)、制御部1は、PC10の動作を終了する。
【0119】
上述した処理により、本実施形態3のPC10は、発表者によって手書きされた軌跡を、所定時間毎に異なる表示色で表示させることができる。よって、聴講者に注目して欲しい箇所をよりクローズアップさせることができ、聴講者の注目度を高めることができる。特に、明度の差が大きい表示色を交互に用いて軌跡を表示した場合には、軌跡を点滅(フラッシュ)させるように表示することができ、聴講者に注目して欲しい箇所をより明確に示すことができる。また、例えば、手書きされた直後に一時的に目立つ表示色を用いて軌跡を表示した場合には、一時的に軌跡を強調させることができる。
【0120】
本実施形態3のPC10は、発表者が操作部3aを介して手書き入力した情報を、所定時間毎に異なる表示色を用いて、表示中の会議資料上に重ねて表示させる構成であった。このほかに、例えば、発表者が操作部3aを介して手書き入力した情報の表示色の濃度を、時間の経過に伴って連続的に又は段階的に異ならせて表示させるようにしても同様の効果が得られる。この場合、図9に示した処理中のステップS53において、制御部1は、表示色の代わりに、表示色の濃度を設定すればよい。
【0121】
本実施形態3のPC10は、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納された軌跡の表示色を時間の経過に伴って変更させる構成であった。同様に、保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納された保存軌跡の表示色を時間の経過に伴って変更させるようにしてもよい。
【0122】
(実施形態4)
以下に、実施形態4のPCについて説明する。なお、本実施形態4のPCは、上述した実施形態1のPC10と同一の構成によって実現できるので、構成についての説明を省略する。
【0123】
本実施形態4のPC10は、上述した実施形態1のPC10が行なう処理と同一の処理を行なう。具体的には、本実施形態4のPC10は、PC10を用いてプレゼンテーションを行なう発表者からの指示に従って記憶部2に格納してある会議資料データを表示部4aに表示させると共に、発表者が操作部3aを介して手書き入力した情報を表示中の会議資料上に重ねて表示させる。
【0124】
なお、上述した実施形態1〜3のPC10は、表示部4aに表示される会議資料データと、軌跡テーブル2aに格納された軌跡情報と、保存軌跡テーブル2bに格納された軌跡情報とを異なるレイヤーとして扱っていた。具体的には、軌跡テーブル2aが更新された場合には、軌跡テーブル2aに格納された軌跡情報のレイヤーのみが更新されて表示部4aに再表示され、保存軌跡テーブル2bが更新された場合には、保存軌跡テーブル2bに格納された軌跡情報のレイヤーのみが更新されて表示部4aに再表示されていた。
【0125】
本実施形態4のPC10は、軌跡テーブル2a又は保存軌跡テーブル2bが更新された場合、一旦全てのデータの表示部4aへの表示を終了させ、改めて会議資料データ、軌跡テーブル2aに格納されている軌跡情報及び保存軌跡テーブル2bに格納されている軌跡情報の表示を行なう。
【0126】
以下に、本実施形態4のPC10において、軌跡テーブル2a又は保存軌跡テーブル2bが更新された場合に制御部1が行なう処理について説明する。なお、本実施形態4の制御部1は、実施形態1において図5乃至図7で説明した処理を行ないつつ、軌跡テーブル2a又は保存軌跡テーブル2bを更新した場合に以下の処理を行なう。
【0127】
図10は軌跡テーブル2a又は保存軌跡テーブル2bが更新された場合に制御部1が行なう処理の手順を示すフローチャートである。以下の処理は、PC10の記憶部2に格納されている制御プログラムに従って制御部1によって実行される。
【0128】
軌跡テーブル2a又は保存軌跡テーブル2bが更新された場合、PC10の制御部1は、表示部4aに表示中の会議資料データ、軌跡テーブル2a及び保存軌跡テーブル2bに格納されている軌跡情報の表示部4aへ出力を停止し、これらのデータの表示部4aへの表示を終了させる(S61)。そして、制御部1は、表示部4aに表示すべき会議資料データを表示部4aへ出力し、会議資料を表示させる(S62)。
【0129】
制御部1は、保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されているか否かを判断し(S63)、格納されていないと判断した場合(S63:NO)、ステップS66に処理を移行する。保存軌跡テーブル2bに軌跡情報が格納されていると判断した場合(S63:YES)、制御部1は、保存軌跡テーブル2bに格納されている軌跡情報を読み出し(S64)、表示部4aへ出力し、軌跡情報に基づく保存軌跡を表示中の会議資料上を表示させる(S65)。
【0130】
制御部1は、軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されているか否かを判断し(S66)、格納されていないと判断した場合(S66:NO)、上述した処理を終了する。軌跡テーブル2aに軌跡情報が格納されていると判断した場合(S66:YES)、制御部1は、軌跡テーブル2aに格納されている軌跡情報を読み出し(S67)、表示部4aへ出力し、軌跡情報に基づく軌跡を表示中の会議資料上を表示させる(S68)。これにより、会議資料、軌跡テーブル2aに格納されている軌跡情報に基づく軌跡、保存軌跡テーブル2bに格納されている軌跡情報に基づく保存軌跡が再表示され、制御部1は、上述した処理を終了する。
【0131】
上述した処理により、本実施形態4のPC10は、軌跡テーブル2a又は保存軌跡テーブル2bが更新された場合に、表示部4aに表示すべき会議資料、既に手書きされた軌跡及び保存軌跡を再表示させるので、表示漏れを発生させることがない。また、不要な軌跡及び保存軌跡の表示を確実に終了させることができる。
【0132】
本実施形態4のPC10は、軌跡テーブル2a又は保存軌跡テーブル2bが更新された場合に、会議資料データ、軌跡テーブル2a及び保存軌跡テーブル2bに格納されている軌跡情報の再表示を行なう構成であった。このほかに、表示部4aに表示すべき会議資料データが更新された場合にも同様の処理を行なうようにしてもよい。
【0133】
上述した実施形態1〜4では、本発明に係る入出力装置をPC10に適用した構成について説明した。しかし、本発明に係る入出力装置は、PC10だけでなく、パーソナルコンピュータ又はサーバコンピュータ等に接続されるタッチパネル等の入力装置に適用することもできる。また、本発明に係る入出力装置は、IPネットワークに複数の端末装置(パーソナルコンピュータ)を接続して構成される会議システムに用いられる端末装置に適用することもできる。この場合、同一の室内の聴講者だけでなく、IPネットワークを介して会議に参加する参加者に対しても、会議資料だけでなく、会議資料上に手書きで追記された情報を見せることができる。
【0134】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0135】
10 PC(入出力装置)
1 制御部
2 記憶部
4 出力処理部(データ出力部、軌跡出力部)
11 入力監視部(軌跡受付部、計時部)
12 入力位置判断部(判断部、判定部)
15 軌跡情報消去部(消去部)
16 メニュー画像出力部(メニュー出力部)
17 処理判定部(選択受付部、指示受付部)
18 処理実行部(実行部、記憶処理部)
19 軌跡表示部(表示色設定部、表示線設定部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを表示装置へ出力して表示させるデータ出力部と、手書きの軌跡を受け付ける軌跡受付部と、該軌跡受付部が受け付けた軌跡を前記表示装置へ出力し、前記表示装置に表示されたデータ上に表示させる軌跡出力部とを備える入出力装置において、
前記軌跡受付部が軌跡を受け付けた場合に、次に軌跡を受け付けるまでの時間を計時する計時部を備え、
前記軌跡出力部は、前記計時部が所定時間を計時した後に前記軌跡受付部が次の軌跡を受け付けた場合、先に受け付けた軌跡の前記表示装置への出力を終了することを特徴とする入出力装置。
【請求項2】
前記軌跡受付部が軌跡を受け付けた場合に、受け付けた軌跡が、前記軌跡受付部が先に受け付けて前記表示装置に表示中の軌跡の一部に一致するか否かを判断する判断部と、
該判断部が一致すると判断した場合に、前記表示中の軌跡に対する処理を選択するためのメニュー画像を前記表示装置へ出力して表示させるメニュー出力部と、
前記処理の選択を受け付ける選択受付部と、
該選択受付部が選択を受け付けた処理を実行する実行部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の入出力装置。
【請求項3】
前記処理は、前記表示中の軌跡に対して手書きを継続する継続処理を含み、
前記実行部は、前記選択受付部が継続処理の選択を受け付けた場合、前記軌跡受付部に、以降に手書きされる軌跡を、前記表示中の軌跡の続きとして受け付けさせることを特徴とする請求項2に記載の入出力装置。
【請求項4】
前記処理は、前記表示中の軌跡の保存処理を含み、
前記実行部は、前記選択受付部が保存処理の選択を受け付けた場合、前記表示中の軌跡を記憶部に記憶させる記憶処理部を有し、
前記軌跡出力部は、前記記憶部に記憶された軌跡を前記表示装置へ出力することを特徴とする請求項2又は3に記載の入出力装置。
【請求項5】
前記判断部が一致すると判断した場合に、前記表示中の軌跡が、前記記憶部に記憶されているか否かを判定する判定部と、
該判定部が前記記憶部に記憶されていると判定した場合に、前記軌跡を前記記憶部から消去するか否かの指示を受け付ける指示受付部と、
該指示受付部が消去の指示を受け付けた場合に、前記軌跡を前記記憶部から消去する消去部と
を備えることを特徴とする請求項4に記載の入出力装置。
【請求項6】
前記表示装置に表示される軌跡の一画毎に異なる表示色を設定する表示色設定部を備え、
前記軌跡出力部は、前記表示色設定部によって表示色を設定された軌跡を前記表示装置へ出力することを特徴とする請求項1から5までのいずれかひとつに記載の入出力装置。
【請求項7】
前記表示装置に表示される軌跡の表示色を、時間の経過に伴って変更する表示色設定部を備え、
前記軌跡出力部は、前記表示色設定部によって表示色を設定された軌跡を前記表示装置へ出力することを特徴とする請求項1から5までのいずれかひとつに記載の入出力装置。
【請求項8】
前記表示装置に表示される軌跡の表示色の濃度を、時間の経過に伴って変更する表示色設定部を備え、
前記軌跡出力部は、前記表示色設定部によって表示色を設定された軌跡を前記表示装置へ出力することを特徴とする請求項1から5までのいずれかひとつに記載の入出力装置。
【請求項9】
前記表示装置に表示される軌跡の一画毎に異なる線種を設定する表示線設定部を備え、
前記軌跡出力部は、前記表示線設定部によって一画毎の線種を設定された軌跡を前記表示装置へ出力することを特徴とする請求項1から8までのいずれかひとつに記載の入出力装置。
【請求項10】
コンピュータに、データを表示装置へ出力させて表示させると共に、手書きの軌跡を受け付け、受け付けた軌跡を前記表示装置へ出力させて、前記表示装置に表示されたデータ上に表示させるためのコンピュータプログラムにおいて、
コンピュータに、
軌跡を受け付けた場合に、次に軌跡を受け付けるまでの時間を計時するステップと、
所定時間を計時した後に次の軌跡を受け付けた場合に、先に受け付けた軌跡の前記表示装置への出力を終了するステップと
を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−141835(P2011−141835A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−3190(P2010−3190)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】