説明

入力制御装置、入力制御方法及びプログラム

【課題】操作性の低下を回避しつつ、2つの表示部に同一の内容を表示させる。
【解決手段】相互に異なる処理と対応付けられた複数の画像を生成して第1及び第2の表示部に表示させ、生成された複数の画像のうち、予め決められた画像が第2の表示部において表示される位置を示す画像位置情報と、当該予め決められた画像に対応付けられた処理とを対応付ける制御部を有する。また、表示された画像の選択を受け付けると、第1の表示部は、選択された画像を示す選択画像情報を出力し、第2の表示部は、選択された画像が表示された位置を示す選択位置情報を出力する。そして、制御部は、第1の表示部から出力された選択画像情報を受け付けると、受け付けた選択画像情報が示す画像に対応付けられた処理を実行し、第2の表示部から出力された選択位置情報を受け付けると、受け付けた選択位置情報と一致する画像位置情報に対応付けられた処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つの表示部を有する入力制御装置、入力制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等においては、POS(Point of Sales)端末を利用することが一般的になってきている。POS端末を利用することにより、販売した商品名や価格、数量、日時等の販売データを記録することができ、商品の販売動向を観察することが可能となるという利点がある。
【0003】
また、最近では、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の店員が操作を行うためのオペレータ用の表示部と、顧客が操作を行うためのカスタマ用の表示部との2つの表示部を備えたPOS端末が利用されるようになってきている。
【0004】
図5は、POS端末の外観の一例を示す図である。
【0005】
図5に示すように、このPOS端末はオペレータ用表示部300とカスタマ用表示部400とを備えている。図5に示すような2つの表示部を備えたPOS端末においては通常、オペレータ用表示部300に表示される画面とカスタマ用表示部400に表示される画面とが異なる。
【0006】
この場合、カスタマ用表示部400を利用して顧客が操作を行う際、その操作状況は、オペレータ用表示部300に表示されることはない。従って、店員は、オペレータ用表示部300を見ていても、顧客が操作を行っているのか、または、顧客が操作をし終えたのか等を把握することはできない。
【0007】
ここで、オペレータ用表示部とカスタマ用表示部との両方に商品を選択するための同一の画面を表示し、店員からも顧客からも商品を選択することを可能にする技術が例えば、特許文献1に開示されている。
【0008】
特許文献1に開示されている技術を用いれば、オペレータ用表示部に表示される画面と、カスタマ用表示部に表示される画面とを同一にすることができる。そのため、顧客が行っている操作状況を店員が把握することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−338345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
オペレータ用表示部の画面とカスタマ用表示部の画面とを同一にした場合、店員だけが行うべき操作を顧客が行うことも可能となり、逆に、顧客だけが行うべき操作を店員が行うことも可能となる。
【0011】
この場合、店員や顧客が誤操作を行う可能性が高くなり、また、店員による操作と顧客による操作とが競合する可能性が高くなり、操作性が低下してしまうという問題点がある。
【0012】
本発明は、操作性の低下を回避しつつ、2つの表示部に同一の内容を表示させることを可能にする入力制御装置、入力制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明の入力制御装置は、画像を表示し、該表示された画像の選択を受け付ける第1及び第2の表示部を有する入力制御装置であって、
相互に異なる処理と対応付けられた複数の画像を生成し、該生成された複数の画像を前記第1及び第2の表示部に表示させ、前記生成された複数の画像のうち、予め決められた画像が前記第2の表示部において表示される位置を示す画像位置情報と、当該予め決められた画像に対応付けられた処理とを対応付ける制御部を有し、
前記第1の表示部は、前記表示された画像の選択を受け付けると、該選択された画像を示す選択画像情報を出力し、
前記第2の表示部は、前記表示された画像の選択を受け付けると、該選択された画像が表示された位置を示す選択位置情報を出力し、
前記制御部は、前記第1の表示部から出力された選択画像情報を受け付けると、該受け付けた選択画像情報が示す画像に対応付けられた処理を実行し、前記第2の表示部から出力された選択位置情報を受け付けると、該受け付けた選択位置情報と一致する前記画像位置情報に対応付けられた処理を実行する。
【0014】
また、上記目的を達成するために本発明の入力制御方法は、画像を表示し、該表示された画像の選択を受け付ける第1及び第2の表示部を有する入力制御装置における入力制御方法であって、
相互に異なる処理と対応付けられた複数の画像を生成し、該生成された画像を前記第1及び第2の表示部に表示させるステップと、
前記生成された複数の画像のうち、予め決められた画像が前記第2の表示部において表示される位置を示す画像位置情報と、当該予め決められた画像に対応付けられた処理とを対応付けるステップと、
前記第1の表示部が、前記表示された画像の選択を受け付けると、該選択された画像を示す選択画像情報を出力するステップと、
前記第2の表示部が、前記表示された画像の選択を受け付けると、該選択された画像が表示された位置を示す選択位置情報を出力するステップと、
前記第1の表示部から出力された選択画像情報を受け付けると、該受け付けた選択画像情報が示す画像に対応付けられた処理を実行し、前記第2の表示部から出力された選択位置情報を受け付けると、該受け付けた選択位置情報と一致する前記画像位置情報に対応付けられた処理を実行する実行ステップと、を有する。
【0015】
また、上記目的を達成するために本発明のプログラムは、画像を表示し、該表示された画像の選択を受け付ける第1及び第2の表示部を有する入力制御装置に、
相互に異なる処理と対応付けられた複数の画像を生成し、該生成された画像を前記第1及び第2の表示部に表示させる機能と、
前記生成された複数の画像のうち、予め決められた画像が前記第2の表示部において表示される位置を示す画像位置情報と、当該予め決められた画像に対応付けられた処理とを対応付ける機能と、
前記第1の表示部が、前記表示された画像の選択を受け付けると、該選択された画像を示す選択画像情報を出力する機能と、
前記第2の表示部が、前記表示された画像の選択を受け付けると、該選択された画像が表示された位置を示す選択位置情報を出力する機能と、
前記第1の表示部から出力された選択画像情報を受け付けると、該受け付けた選択画像情報が示す画像に対応付けられた処理を実行し、前記第2の表示部から出力された選択位置情報を受け付けると、該受け付けた選択位置情報と一致する前記画像位置情報に対応付けられた処理を実行する実行機能と、を実現させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、相互に異なる処理と対応付けられた複数の画像が生成され、生成された複数の画像が第1及び第2の表示部に表示される。そして、生成された複数の画像のうち、予め決められた画像が第2の表示部において表示される位置を示す画像位置情報と、当該予め決められた画像に対応付けられた処理とが対応付けられる。
【0017】
また、第1の表示部は、表示された画像の選択を受け付けると、選択された画像を示す選択画像情報を出力し、第2の表示部は、表示された画像の選択を受け付けると、選択された画像が表示された位置を示す選択位置情報を出力する。
【0018】
そして、第1の表示部から選択画像情報が出力されると、その選択画像情報が示す画像に対応付けられた処理が実行され、第2の表示部から選択位置情報が出力されると、その選択位置情報と一致する画像位置情報に対応付けられた処理が実行される。
【0019】
これにより、操作性の低下を回避しつつ、第1及び第2の表示部の2つの表示部に同一の内容を表示させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の入力制御装置を適用したPOS端末の実施の一形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したPOS端末のクローンモードにおいてオペレータ用表示部及びカスタマ用表示部に表示された画面の一例を示す図であり、(a)はオペレータ用表示部に表示された画面の一例を示す図、(b)はカスタマ用表示部に表示された画面の一例を示す図である。
【図3】図1に示したPOS端末におけるパスワード入力画面の一例を示す図である。
【図4】図1に示したPOS端末のクローンモードにおける動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】POS端末の外観の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
図1は、本発明の入力制御装置を適用したPOS端末の実施の一形態の構成を示すブロック図である。
【0023】
本実施形態のPOS端末1は図1に示すように、POS端末1を制御するためのPOSアプリケーションを有する制御部10と、画像制御部20と、タッチパネル方式で入力を受け付ける第1の表示部であるオペレータ用表示部30と、タッチパネル方式で入力を受け付ける第2の表示部であるカスタマ用表示部40とを備えている。
【0024】
本実施形態においてオペレータ用表示部30及びカスタマ用表示部40は、入力を受け付ける方法としてタッチパネル方式を採用しているが、これに限定されるものではなく、例えば、マウスやキーボード等によって入力を受け付けるようにしてもよい。
【0025】
また、オペレータ用表示部30及びカスタマ用表示部40に表示される画面には、店員や顧客が押下することによって選択される各種のボタン(不図示)が含まれる。この各種のボタンは、POSアプリケーションを用いて生成された画像であり、相互に異なる処理と対応付けられている。
【0026】
また、POSアプリケーションは、オペレータ用表示部30を制御するための店員用POSアプリケーションと、カスタマ用表示部40を制御するための顧客用POSアプリケーションとから構成されている。
【0027】
ここで、オペレータ用表示部30及びカスタマ用表示部40に表示される画面は、表示モードに応じて異なる。以下に、図1に示したPOS端末1における表示モードについて説明する。
【0028】
図1に示したPOS端末1における表示モードには、拡張モードとクローンモードとの2種類がある。
【0029】
拡張モードにおいてオペレータ用表示部30には、店員用POSアプリケーションを用いて生成され、店員が操作を行うための画面が表示される。それに対して、カスタマ用表示部40には、顧客用POSアプリケーションを用いて生成され、顧客が操作を行うための画面が表示される。すなわち、拡張モードにおいては、オペレータ用表示部30に表示される画面と、カスタマ用表示部40に表示される画面とが異なる。
【0030】
また、拡張モードにおいては、オペレータ用表示部30及びカスタマ用表示部40がともにマウス入力を受け付ける。マウス入力においては、押下されたボタンが認識され、認識されたボタンを示す情報である選択画像情報が出力される。
【0031】
一方、クローンモードにおいては、オペレータ用表示部30とカスタマ用表示部40とにPOSアプリケーションを用いて生成された同一の画面が表示される。
【0032】
また、クローンモードにおいては、オペレータ用表示部30はマウス入力を受け付け、カスタマ用表示部40はOCX(OLE Custom Control)入力を受け付ける。OCX入力においては、押下されたボタンの位置が認識され、認識された位置を示す情報である選択位置情報が出力される。なお、OCXについては後述する。
【0033】
ここで、OCX入力を受け付ける場合には、マウス入力を受け付けることはできなくなる。これは、マウス入力では、押下されたボタンが認識されるのに対し、OCX入力では、押下されたボタンの位置が認識されるためである。
【0034】
従って、クローンモードにおいては、カスタマ用表示部40において選択することができるボタンの位置と、そのボタンに対応付けられた処理とが対応付けられる。一方、カスタマ用表示部40において選択することができるボタン以外のボタンの位置と、そのボタンに対応付けられた処理との対応付けが行われない。これにより、カスタマ用表示部40において選択することのできるボタンを限定することができる。
【0035】
さらに、クローンモードにおいては、カスタマ用表示部40において選択することができるボタン上に、そのボタンと同一の形状を有する画像であるOCXが貼り付けられる。つまり、ボタン上にそのボタンと同一の形状を有するOCXが重ね合わせて表示される。
【0036】
OCXとは、OLE(Object Linking and Embedding)を用いて作られるWindows(登録商標)用のプログラム部品のことである。OCXはユーザーが独自に作成することができる。また、OLEとは、Windows(登録商標)において、アプリケーション間でデータを転送したり、共有したりするための仕組みのことである。OLEを利用することにより、あるアプリケーションで作成された画像や文章の中に、別のアプリケーションで作成した情報を埋め込むことが可能となる。
【0037】
図2は、図1に示したPOS端末1のクローンモードにおいてオペレータ用表示部30及びカスタマ用表示部40に表示された画面の一例を示す図であり、(a)はオペレータ用表示部30に表示された画面の一例を示す図、(b)はカスタマ用表示部40に表示された画面の一例を示す図である。
【0038】
図2において、ボタンA〜Dはカスタマ用表示部40において選択することができるボタンである。一方、ボタンE,Fはカスタマ用表示部40において選択することができないボタンである。
【0039】
クローンモードにおいては図2に示すように、オペレータ用表示部30に表示される画面と、カスタマ用表示部40に表示される画面とが同一である。但し、図2(b)の図中破線で示した部分は、OCXが貼り付けられた部分である。
【0040】
ここで、カスタマ用表示部40において選択することが可能なボタン上にOCXを貼り付ける理由について説明する。
【0041】
OCXを用いることにより、OCXイベントを設定することができる。OCXイベントとは、OCXが選択された際に実行される処理のことであり、例えば、OCXタッチイベントやOCXリリースイベントがある。OCXタッチイベントとは、OCXが貼り付けられた部分を押下した際に実行される処理のことであり、OCXリリースイベントとは、OCXが貼り付けられた部分を押下した後、そのOCXが貼り付けられた部分を解放した際に実行される処理のことである。
【0042】
通常、OCX入力の場合、OCXが貼り付けられた部分が選択されても、OCXの形状は変化しない。この場合、OCXを押下した人は、選択できたのかどうかが判別することができない。これを回避するために例えば、OCXが貼り付けられた部分が選択された際には、ボタンが押下された形状にそのOCXの形状を変化させるOCXタッチイベントを設定すればよい。また、その後、OCXが貼り付けられた部分が解放された際には、ボタンが押下されていない形状にそのOCXの形状を戻すOCXリリースイベントを設定すればよい。
【0043】
再度、図1を参照すると、制御部10は、POSアプリケーションを用い、相互に異なる処理と対応付けられた複数のボタンを生成する。このとき、制御部10は、表示させる画面の種類に応じ、表示モードを拡張モードにするかクローンモードにするかを判定する。そして、クローンモードとする判定がされた場合、制御部10は、生成された複数のボタンを含む画面をオペレータ用表示部30及びカスタマ用表示部40に表示させる。また、クローンモードとする判定がされた場合、制御部10は、カスタマ用表示部40へ切替信号を出力する。カスタマ用表示部40がこの切替信号を受け付けることにより、カスタマ用表示部40は、OCX入力を受け付けるようになる。また、制御部10は、クローンモードとする判定がされた場合、生成された複数のボタンのうち、カスタマ用表示部40において選択することができるボタンがカスタマ用表示部40において表示される位置を示す画像位置情報と、そのボタンに対応付けられた処理とを対応付ける。なお、カスタマ用表示部40において選択することができるボタンは、画面の種類に応じて予め決められている。また、制御部10は、オペレータ用表示部30から出力された選択画像情報を受け付け、受け付けた選択画像情報が示すボタンに対応付けられた処理を実行する。また、制御部10は、カスタマ用表示部40から出力された選択位置情報を受け付け、受け付けた選択位置情報と一致する画像位置情報に対応付けられた処理を実行する。
【0044】
画像制御部20は、クローンモードにおいて、制御部10にて生成された複数のボタンのうち、カスタマ用表示部40において選択することができるボタンと同一の形状を有し、所定のOCXイベントが設定されたOCXを生成する。そして、画像制御部20は、カスタマ用表示部40において、カスタマ用表示部40において選択することができるボタンの上に、生成されたOCXを表示させる。また、画像制御部20は、生成されたOCXと、上述した画像位置情報とを対応付ける。そして、画像制御部20は、カスタマ用表示部40から出力された選択位置情報を受け付け、受け付けた選択位置情報と一致する画像位置情報に対応付けられたOCXに設定されたOCXイベントを実行する。このOCXイベントは例えば、上述したようなOCXタッチイベントやOCXリリースイベントである。
【0045】
以下に、上記のように構成されたPOS端末1のクローンモードにおける動作について説明する。ここでは、顧客がカスタマ用表示部40からパスワードを入力する場合について説明する。なお、パスワードを入力するためのパスワード入力画面は、クローンモードで表示を行うものとする。
【0046】
図3は、図1に示したPOS端末1におけるパスワード入力画面の一例を示す図である。
【0047】
パスワード入力画面には図3に示すように、パスワードを入力するための0〜9の数字ボタン51、入力されたパスワードを確定するための確定ボタン52及びパスワードの入力を中断するためのキャンセルボタン53が配置されている。また、パスワード入力画面には図3に示すように、入力されたパスワードを「*」で表示し、入力されたパスワードの桁数を示す入力表示ボックス54が配置されている。なお、ここでは、数字ボタン51及び確定ボタン52は、カスタマ用表示部40において選択することができるボタンである。
【0048】
図4は、図1に示したPOS端末1のクローンモードにおける動作を説明するためのフローチャートである。
【0049】
まず、店員は、オペレータ用表示部30に表示されたボタンを押下することにより、パスワード入力画面の表示を選択する。
【0050】
店員からの選択を受け付けたオペレータ用表示部30は、パスワード入力画面の表示を指示するための信号を制御部10へ出力する。
【0051】
制御部10は、オペレータ用表示部30から出力された信号を受け付ける。ここでは、受け付けた信号が、クローンモードで表示を行うパスワード入力画面の表示を指示している。そのため、制御部10は、切替信号をカスタマ用表示部40へ出力する。これにより、カスタマ用表示部40は、マウス入力を受け付けなくなり、OCX入力を受け付けるようになる(ステップS1)。
【0052】
次に、制御部10は、図3に示したような複数のボタンをPOSアプリケーションを用いて生成し、生成された複数のボタンを含むパスワード入力画面をオペレータ用表示部30及びカスタマ用表示部40に表示させる(ステップS2)。
【0053】
そして、制御部10は、生成された複数のボタンのうち、カスタマ用表示部40において選択することができるボタンがカスタマ用表示部40において表示される位置を示す画像位置情報と、そのボタンに対応付けられた処理とを対応付ける(ステップS3)。ここでは例えば、カスタマ用表示部40において数字ボタン51が表示される位置を示す画像位置情報と、入力表示ボックス54に「*」を表示させる処理とが対応付けられるものとする。
【0054】
画像制御部20は、制御部10において生成された複数のボタンのうち、カスタマ用表示部40において選択することができるボタンと同一の形状を有し、所定のOCXイベントが設定されたOCXを生成する。なお、ここでは、OCXが選択された際に、ボタンが押下された形状にそのOCXの形状を変化させるOCXタッチイベントが設定されるものとする。また、OCXが貼り付けられた部分が解放された際に、ボタンが押下されていない形状にそのOCXの形状を戻すOCXリリースイベントが設定されるものとする。
【0055】
次に、画像制御部20は、カスタマ用表示部40において、カスタマ用表示部40にて選択することができるボタンの上に、生成されたOCXを表示させる(ステップS4)。なお、ここでは、数字ボタン51及び確定ボタン52の上に、生成されたOCXが表示される。
【0056】
そして、画像制御部20は、生成されたOCXと画像位置情報とを対応付ける(ステップS5)。
【0057】
顧客は、カスタマ用表示部40に表示された数字ボタン51として表示されたOCXを押下することにより、パスワードを入力する。
【0058】
カスタマ用表示部40は、顧客によって押下されたボタンが表示された位置を認識し(ステップS6)、認識された位置を示す選択位置情報を出力する。
【0059】
カスタマ用表示部40から出力された選択位置情報を受け付けた画像制御部20は、受け付けた選択位置情報と一致する画像位置情報に対応付けられたOCXに設定されたOCXイベントを実行する(ステップS7)。ここでは、画像制御部20は、ボタンが押下された形状にそのOCXの形状を変化させ、その後、ボタンが押下されていない形状にそのOCXの形状を戻す。
【0060】
また、カスタマ用表示部40から出力された選択位置情報を受け付けた制御部10は、受け付けた選択位置情報と一致する画像位置情報に対応付けられた処理を実行する(ステップS8)。ここでは、制御部10は、入力表示ボックス54に「*」を表示させる。
【0061】
なお、店員がオペレータ用表示部30に表示されたボタンを押下した場合、オペレータ用表示部30は、押下されたボタンを示す選択画像情報を出力する。そして、オペレータ用表示部30から出力された画像選択信号を受け付けた制御部10は、受け付けた画像選択信号が示すボタンに対応付けられた処理を実行する。
【0062】
この場合、例えば、店員がオペレータ用表示部30に表示された数字ボタン51を選択すると、制御部10は、数字ボタン51を示す画像選択情報を受け付けることとなる。従って、数字ボタン51に対応付けられた処理、すなわち、入力表示ボックス54に「*」を表示させる処理が実行されてしまう。これを回避するために、クローンモードでは、カスタマ用表示部40において選択することができるボタンに対応付けられた処理は、制御部10がそのボタンを示す選択画像情報を受け付けた場合でも実行されないようにしておけばよい。
【0063】
このように本実施形態においては、相互に異なる処理と対応付けられた複数のボタンが生成され、生成された複数のボタンがオペレータ用表示部30及びカスタマ用表示部40に表示される。そして、生成された複数のボタンのうち、予め決められたボタンがカスタマ用表示部40において表示される位置を示す画像位置情報と、当該予め決められたボタンに対応付けられた処理とが対応付けられる。
【0064】
また、オペレータ用表示部30は、表示されたボタンの選択を受け付けると、選択されたボタンを示す選択画像情報を出力し、カスタマ用表示部40は、表示されたボタンの選択を受け付けると、選択されたボタンが表示された位置を示す選択位置情報を出力する。
【0065】
そして、オペレータ用表示部30から選択画像情報が出力されると、その選択画像情報が示すボタンに対応付けられた処理が実行され、カスタマ用表示部40から選択位置情報が出力されると、その選択位置情報と一致する画像位置情報に対応付けられた処理が実行される。
【0066】
これにより、操作性の低下を回避しつつ、オペレータ用表示部30及びカスタマ用表示部40の2つの表示部に同一の内容を表示させることが可能となる。
【0067】
なお、本発明においては、入力制御装置内の処理は上述の専用のハードウェアにより実現されるもの以外に、その機能を実現するためのプログラムを入力制御装置にて読取可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを入力制御装置に読み込ませ、実行するものであっても良い。入力制御装置にて読取可能な記録媒体とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、DVD、CDなどの移設可能な記録媒体の他、入力制御装置に内蔵されたHDDなどを指す。
【符号の説明】
【0068】
1 POS端末
10 制御部
20 画像制御部
30 オペレータ用表示部
40 カスタマ用表示部
51 数字ボタン
52 確定ボタン
53 キャンセルボタン
54 入力表示ボックス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示し、該表示された画像の選択を受け付ける第1及び第2の表示部を有する入力制御装置であって、
相互に異なる処理と対応付けられた複数の画像を生成し、該生成された複数の画像を前記第1及び第2の表示部に表示させ、前記生成された複数の画像のうち、予め決められた画像が前記第2の表示部において表示される位置を示す画像位置情報と、当該予め決められた画像に対応付けられた処理とを対応付ける制御部を有し、
前記第1の表示部は、前記表示された画像の選択を受け付けると、該選択された画像を示す選択画像情報を出力し、
前記第2の表示部は、前記表示された画像の選択を受け付けると、該選択された画像が表示された位置を示す選択位置情報を出力し、
前記制御部は、前記第1の表示部から出力された選択画像情報を受け付けると、該受け付けた選択画像情報が示す画像に対応付けられた処理を実行し、前記第2の表示部から出力された選択位置情報を受け付けると、該受け付けた選択位置情報と一致する前記画像位置情報に対応付けられた処理を実行する入力制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力制御装置において、
前記制御部は、前記第1の表示部から出力された選択画像情報が示す画像が前記予め決められた画像である場合、当該予め決められた画像に対応付けられた処理を実行しない入力制御装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の入力制御装置において、
前記予め決められた画像と同一の形状の同一画像を生成し、該生成された同一画像を、当該予め決められた画像の上に重ね合わせて前記第2の表示部に表示させ、当該同一画像と前記画像位置情報とを対応付ける画像制御部を有し、
前記画像制御部は、前記第2の表示部から出力された選択位置情報を受け付けると、該受け付けた選択位置情報と一致する前記画像位置情報に対応付けられた前記同一画像の形状を変化させる入力制御装置。
【請求項4】
画像を表示し、該表示された画像の選択を受け付ける第1及び第2の表示部を有する入力制御装置における入力制御方法であって、
相互に異なる処理と対応付けられた複数の画像を生成し、該生成された画像を前記第1及び第2の表示部に表示させるステップと、
前記生成された複数の画像のうち、予め決められた画像が前記第2の表示部において表示される位置を示す画像位置情報と、当該予め決められた画像に対応付けられた処理とを対応付けるステップと、
前記第1の表示部が、前記表示された画像の選択を受け付けると、該選択された画像を示す選択画像情報を出力するステップと、
前記第2の表示部が、前記表示された画像の選択を受け付けると、該選択された画像が表示された位置を示す選択位置情報を出力するステップと、
前記第1の表示部から出力された選択画像情報を受け付けると、該受け付けた選択画像情報が示す画像に対応付けられた処理を実行し、前記第2の表示部から出力された選択位置情報を受け付けると、該受け付けた選択位置情報と一致する前記画像位置情報に対応付けられた処理を実行する実行ステップと、を有する入力制御方法。
【請求項5】
請求項4に記載の入力制御方法において、
前記実行ステップにおいて、前記第1の表示部から出力された選択画像情報が示す画像が前記予め決められた画像である場合、当該予め決められた画像に対応付けられた処理を実行しない入力制御方法。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の入力制御方法において、
前記予め決められた画像と同一の形状の同一画像を生成し、該生成された同一画像を、当該予め決められた画像の上に重ね合わせて前記第2の表示部に表示させるステップと、
前記同一画像と前記画像位置情報とを対応付けるステップと、
前記第2の表示部から出力された選択位置情報を受け付けると、該受け付けた選択位置情報と一致する前記画像位置情報に対応付けられた前記同一画像の形状を変化させるステップと、をさらに有する入力制御方法。
【請求項7】
画像を表示し、該表示された画像の選択を受け付ける第1及び第2の表示部を有する入力制御装置に、
相互に異なる処理と対応付けられた複数の画像を生成し、該生成された画像を前記第1及び第2の表示部に表示させる機能と、
前記生成された複数の画像のうち、予め決められた画像が前記第2の表示部において表示される位置を示す画像位置情報と、当該予め決められた画像に対応付けられた処理とを対応付ける機能と、
前記第1の表示部が、前記表示された画像の選択を受け付けると、該選択された画像を示す選択画像情報を出力する機能と、
前記第2の表示部が、前記表示された画像の選択を受け付けると、該選択された画像が表示された位置を示す選択位置情報を出力する機能と、
前記第1の表示部から出力された選択画像情報を受け付けると、該受け付けた選択画像情報が示す画像に対応付けられた処理を実行し、前記第2の表示部から出力された選択位置情報を受け付けると、該受け付けた選択位置情報と一致する前記画像位置情報に対応付けられた処理を実行する実行機能と、を実現させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムにおいて、
前記実行機能は、前記第1の表示部から出力された選択画像情報が示す画像が前記予め決められた画像である場合、当該予め決められた画像に対応付けられた処理を実行しないプログラム。
【請求項9】
請求項7または請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記入力制御装置に、
前記予め決められた画像と同一の形状の同一画像を生成し、該生成された同一画像を、当該予め決められた画像の上に重ね合わせて前記第2の表示部に表示させる機能と、
前記同一画像と前記画像位置情報とを対応付ける機能と、
前記第2の表示部から出力された選択位置情報を受け付けると、該受け付けた選択位置情報と一致する前記画像位置情報に対応付けられた前記同一画像の形状を変化させる機能と、をさらに実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−70371(P2011−70371A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220524(P2009−220524)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】