説明

入力支援プログラム、端末及びWebシステム

【課題】汎用的なWebページでのユーザの入力作業を軽減する入力支援プログラム、端末及びWebシステムを提供する。
【解決手段】HTMLテキストのチェックボックスに連携した入力インタフェースを提供するスクリプト36及びFlashファイル38は、ユーザ端末1を、Webページを読み込んだことでHTMLテキストのチェックボックスの各々のHTMLテキストにより規定される領域での位置データを取得する位置取得手段12と、位置取得手段12により取得されたチェックボックスの各々の位置が、ユーザの指定操作を受け付けて決定した範囲内に存在するか否かを判定する位置判定手段15と、位置判定手段15によって範囲内に存在すると判定された場合に、判定された位置に対応するチェックボックスの状態を変更する変更手段16として機能させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webページでの入力を支援する入力支援プログラム、端末及びWebシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
Webページは、ユーザが入力したデータをWebサーバに送信するためのページとして、また、Webサーバで処理した結果を表示するページとして、広く用いられている。そのような中で、ユーザによるWebページへの入力作業を軽減する入力支援システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−169730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の入力支援システムは、サービスを提供するサイトにアクセスするたびに、入力項目ごとに予め用意した既定値を適用するものであった。特許文献1に記載の入力支援システムは、よく使用する特定のWebページを想定したものであったので、毎回異なる内容を入力する場合には、ユーザの入力作業の軽減を図ることができなかった。
【0005】
本発明は、汎用的なWebページでのユーザの入力作業を軽減する入力支援プログラム、端末及びWebシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、ユーザの入力操作により選択された範囲のHTML(HyperText Markup Language)文書ファイルに記述されたテキストの入力フォームに対してプログラムに入力を支援する処理を行わせることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
(1) HTMLテキストの入力フォームに連携した入力インタフェースを提供する入力支援プログラムであって、
コンピュータを、
前記HTMLテキストを読み込んだことに応じて、前記入力フォームを構成する複数の部品の各々の表示位置を含み、前記HTMLテキストにより規定される領域において、前記複数の部品の各々の位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得された前記位置情報が示す各々の位置が、Webブラウザに表示した前記領域において、ユーザの指定操作を受け付けて決定した範囲内に存在するか否かを判定する位置判定手段と、
前記位置判定手段によって前記範囲内に存在すると判定された場合に、前記位置に対応する前記部品の状態を変更する変更手段と、
して機能させる、
入力支援プログラム。
【0008】
本発明のこのような構成によれば、入力フォームを構成する複数の部品の各々の、HTMLテキストに規定される領域における位置を取得して、ユーザの指定操作を受け付けて決定した範囲内にその部品が位置していることに応じて、部品の状態を変更する。よって、Webページにこの入力支援プログラムを付加することで、ユーザが指定した範囲内に存在する入力フォームを構成する部品の各々の状態を変更することができるので、例えば、ユーザがいちいち部品の1つ1つを選択して変更せずに済み、ユーザの入力作業の軽減を図ることができる。
【0009】
(2) 前記複数の部品の各々は、チェックボックス及びラジオボタンのうち少なくともいずれかであり、
前記変更手段を、前記部品のオンとオフとの状態を切り替えるように機能させる、
(1)に記載の入力支援プログラム。
【0010】
本発明のこのような構成によれば、オンとオフとの状態を有する部品であるチェックボックス及びラジオボタンのうち少なくともいずれかがユーザが指定した範囲内に存在する場合に、そのオンとオフとを切り替えることができる。よって、チェックボックスやラジオボタンをユーザがいちいち指定して、入力する手間を省くことができる。
【0011】
(3) 前記コンピュータを、前記ユーザによる入力装置のドラッグ操作を受け付けたことに応じて、前記領域において指定された範囲を示す範囲情報を取得する範囲指定受付手段として機能させ、
前記位置判定手段を、前記範囲指定受付手段により取得した前記範囲情報が示す範囲内に、前記複数の部品の各々の位置が含まれるか否かを判定するように機能させる、
(1)又は(2)に記載の入力支援プログラム。
【0012】
本発明のこのような構成によれば、ドラッグ操作が可能な、例えば、マウス等の入力装置を用いることで、簡易な操作でユーザが領域において指定した範囲を取得することができる。そして、その簡易な操作で示された範囲内にある部品の各々に対して、状態を変更することができる。
【0013】
(4) 前記コンピュータを、前記複数の部品の各々の表示位置を含む前記領域を表示装置に出力する際に、前記領域に重ねて出力する透過性を有した位置把握用画像を呼び出す画像呼出手段として機能させ、
前記範囲指定受付手段を、前記画像呼出手段により呼び出された前記位置把握用画像の出力領域で検出した範囲を示す前記範囲情報を取得するように機能させる、
(3)に記載の入力支援プログラム。
【0014】
本発明のこのような構成によれば、HTMLテキストにより規定される領域を表示する際に、領域に重ねて出力する透過性を有した位置把握用画像を呼び出して、位置把握用画像の出力領域で検出した範囲を取得する。よって、HTMLテキストによるWebページをユーザに見せつつ、ユーザの指定操作を透過性のある位置把握用画像に把握させることができるので、汎用的なWebページに用いることで、本機能を有したWebページを構築できる。
【0015】
(5) 前記位置把握用画像は、Flash(登録商標)により作成されたものである、
(4)に記載の入力支援プログラム。
【0016】
本発明のこのような構成によれば、位置把握用画像をFlashにより作成することができる。よって、汎用的なツールを用いて本機能を実現できる。
【0017】
(6) (1)から(5)までのいずれかに記載の入力支援プログラムを実行する制御部を備える、
端末。
【0018】
本発明のこのような構成によれば、HTMLテキストによるWebページを端末に表示させて、ユーザの範囲指定の操作を受け付けて、範囲指定内に配置された入力フォームの部品の状態を変更できる。よって、Webページを表示でき、入力装置を有する端末であれば、本機能を使用できる。
【0019】
(7) (6)に記載の端末と、
前記端末に対して通信ネットワークを介して接続され、前記端末に送信する前記入力支援プログラムを記憶するWebサーバと、
を備える、
Webシステム。
【0020】
本発明のこのような構成によれば、Webシステムにおいて(1)の機能を実現できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、HTMLテキストの入力フォームに入力支援プログラムを付加することで、ユーザの操作によって、ユーザが指定した範囲内に存在する入力フォームを構成する部品の各々の状態を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施形態に係るWebシステムの全体構成並びにユーザ端末及びWebサーバの機能構成を示す図である。
【図2】本実施形態に係るユーザ端末での処理を説明するフローチャートである。
【図3】本実施形態に係るWebページ、HTMLテキスト及びID対応表を示す図である。
【図4】本実施形態に係るWebページとFlash画像ページとの表示態様を示す図である。
【図5】本実施形態に係るチェックボックスでのチェックの切替態様を示す図である。
【図6】本実施形態に係るプログラムの処理の概要を模式化して示す図である。
【図7】本実施形態に係るチェックボックス及びラジオボタンでの切替態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0024】
(実施形態)
[Webシステム100の全体構成並びにユーザ端末1及びWebサーバ3の機能構成]
図1は、本実施形態に係るWebシステム100の全体構成並びにユーザ端末1及びWebサーバ3の機能構成を示す図である。
【0025】
Webシステム100は、ユーザ端末1と、Webサーバ3と、通信ネットワーク9とにより構成される。
【0026】
ユーザ端末1は、Webサーバ3に記憶されたWebページをダウンロード(受信)して、そのWebページを表示する端末である。ユーザ端末1は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等の、通信機能を有する情報端末である。ユーザ端末1は、制御部10と、記憶部20と、ディスプレイ26(表示装置)と、マウス28(入力装置)とを備える。
【0027】
制御部10は、ID付与手段11(ID:identifier)と、位置取得手段12と、Flash呼出手段13(画像呼出手段)と、範囲指定受付手段14と、位置判定手段15と、変更手段16とを備える。
【0028】
ID付与手段11は、Webページを読み込んだことを条件に、WebページのソースコードであるHTMLテキストに含む入力フォームを構成する部品の各々について、それらの部品の各々を特定するコードとして、部品ごとに異なるIDを付与する制御部である。入力フォームの部品とは、ユーザによって値の入力が可能で、入力値をWebサーバ3に送信するための入力インタフェースであり、例えば、チェックボックス、ラジオボタン、テキストボックス、リストボックス及びコンボボックスをいうが、本実施形態では、そのうちオンとオフとの2つの状態を有する入力インタフェースであるチェックボックス及びラジオボタンをいう。
【0029】
位置取得手段12は、Webページに含む入力フォームの部品の位置データ(位置情報)として、座標を取得する制御部である。取得する位置データは、例えば、Webブラウザに表示したWebページ(領域)の左上を開始位置として、右方向Xと、下方向Y(図3(a)参照)との組による座標により表すことができる。
【0030】
Flash呼出手段13は、後述するFlashファイルを呼び出す制御部である。呼び出されたFlashファイルにより生成されるFlash画像ページ(位置把握用画像)は、Webページに重ねて表示するように出力される。また、Flashファイルには、Flash画像ページを透明にする設定がされている。
【0031】
範囲指定受付手段14は、ユーザの操作によって指定されたWebページ中の範囲を示す範囲データ(範囲情報)を取得する制御部である。
【0032】
位置判定手段15は、範囲指定受付手段14により取得した範囲データから座標の範囲を算出し、位置取得手段12で取得した入力フォームの部品の位置が、算出された範囲内に存在するか否かを判定する制御部である。入力フォームの部品の位置は、その部品の座標の範囲として認識できる。位置のうちの一部でも座標の範囲内に存在する場合には、位置判定手段15は、範囲内に存在すると判定してもよい。
【0033】
変更手段16は、位置判定手段15により範囲内に存在すると判定された入力フォームを構成する部品のオンとオフとの状態を切り替える制御部である。
【0034】
記憶部20は、Webブラウザ21と、Flashプレーヤ22とを備える。
【0035】
Webブラウザ21は、Webページを構成するHTMLテキストを解析して、ディスプレイ26にWebページを表示するためのプログラムである。また、Webブラウザ21は、後述するスクリプトに制御を移す。
【0036】
Flashプレーヤ22は、Flashファイルを解釈してFlashコンテンツ(例えば、上述のFlash画像)をWebブラウザ21で再生するためのプラグインソフトである。
【0037】
ディスプレイ26は、Webページを表示するための表示装置である。ディスプレイ26は、例えば、液晶ディスプレイや、プラズマディスプレイである。
【0038】
マウス28は、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置である。ユーザが、マウス28をドラッグすることで、Webページ上で範囲を指定することができる。マウス28は、その他、入力装置としてユーザの入力操作によりWebページの範囲を指定可能なものであれば、例えば、キーボード、デジタイザ等で代替してもよい。
【0039】
本実施形態のユーザ端末1のハードウェアは、一般的なコンピュータによって構成してもよい。一般的なコンピュータは、例えば、制御部10として、中央処理装置(CPU)を備える他、記憶部20として、メモリ(RAM、ROM)、ハードディスク(HDD)及び光ディスク(CD、DVD等)を、ネットワーク通信装置として、各種有線及び無線LAN装置を適宜備え、これらはバスラインにより接続されている。このような一般的なコンピュータにおいて、CPUは、ユーザ端末1を統括的に制御し、各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0040】
Webサーバ3は、複数のWebページを記憶したサーバである。Webサーバ3は、ユーザ端末1からリクエストを受け付けて、WebページのHTMLテキスト及びHTMLテキストに関連付けられたスクリプト等のプログラムをユーザ端末1に送信するサーバである。なお、Webサーバ3のハードウェアの数に制限はなく、必要に応じて1又は複数のハードウェアで構成してよい。Webサーバ3は、制御部30と、記憶部32とを備える。
【0041】
制御部30は、Webサーバ3全体を制御する中央処理装置である。
【0042】
記憶部32は、Webページ群34と、スクリプト36と、Flashファイル38とを記憶する。
【0043】
Webページ群34は、入力フォームの部品が含まれる複数のWebページの集合である。
【0044】
スクリプト36は、Webページに<script>タグを定義し、タグ内にスクリプト36のファイル名を記述することで、Webページから呼び出されるプログラムである。スクリプト36は、例えば、Javascript(登録商標)である。
【0045】
Flashファイル38は、スクリプト36にFlashファイル38の呼び出しを記述することで呼び出され、Flash画像ページを生成して表示するプログラムである。
【0046】
通信ネットワーク9は、ユーザ端末1と、Webサーバ3との間で通信を行うための、例えば、インターネット等の通信回線である。通信ネットワーク9は、有線であってもよいし、その一部又は全部が無線であってもよい。
【0047】
[ユーザ端末1の処理概要]
次に、ユーザ端末1での処理について説明する。図2は、本実施形態に係るユーザ端末1での処理を説明するフローチャートである。図3は、本実施形態に係るWebページ40、HTMLテキスト50及びID対応表を示す図である。図4は、本実施形態に係るWebページ40とFlash画像ページ60との表示態様を示す図である。
【0048】
図2のS1:ユーザ端末1の制御部10は、Webブラウザ21を起動してWebサーバ3のURL(Uniform Resource Locator)及びWebページ40のファイル名を指定することで、Webサーバ3と通信を行い、Webサーバ3の記憶部32の中の指定されたWebページ40を読み込む。
【0049】
S2:制御部10は、Webページ40のHTMLテキスト50を解釈して、Webページ40をディスプレイ26に表示する。
【0050】
図3(a)は、Webブラウザ21によりディスプレイ26に表示されたWebページ40を示す。Webページ40は、複数の入力フォームの部品であるチェックボックス41(41a,41b,41c,・・・)が配置されたWebページである。ユーザは、マウス28を操作して、ポインタ(図示せず)をあるチェックボックス41に移動させ、そのチェックボックス41を指し示した状態でクリックをすることで、そのチェックボックス41にチェックを入れたり、チェックが入った状態のチェックボックス41のチェックを解除したりすることができる。
【0051】
図3(b)は、Webページ40のソースコードであるHTMLテキスト50を示す。HTMLテキスト50は、<form>タグに複数のチェックボックス41を定義している。また、<script>タグに「○○.js」というファイル名のスクリプト51を記載している。スクリプト51は、例えば、Webサーバ3の記憶部32に記憶されているスクリプト36である。
【0052】
図2に戻り、S3:制御部10は、Javascriptを読み込む。図3(b)の例では、Javascriptは、スクリプト51である。
【0053】
<script>タグに記述するスクリプトは、HTMLテキスト50に直接記述してもよいし、スクリプト51のように別ファイルにしてもよい。一般に、汎用的なスクリプトは、別ファイルにして他でも共通して使用できるようにするのが望ましい。
【0054】
S4:制御部10(ID付与手段11)は、Webページ40に配置された各チェックボックス41にIDを付与する。IDは、各チェックボックス41で異なる記号であれば、どのような記号を付してもよい。
【0055】
S5:制御部10(位置取得手段12)は、Webページ40に配置された各チェックボックス41の位置データとして、チェックボックス41の座標を取得する。座標は、例えば、Webページ40の左上を(X,Y)=(0,0)とし、右方向Xと下方向Yの距離により、位置を算出することができる。図3(a)の例では、チェックボックス41aに付与されたIDは、Cbo01であり、取得された座標は、(X,Y)=(5〜6,8〜9)である。同様に、チェックボックス41bは、IDが、Cbo02であり、座標が、(X,Y)=(5〜6,11〜12)である。チェックボックス41cは、IDが、Cbo06であり、座標が、(X,Y)=(23〜24,8〜9)である。
【0056】
図3(c)は、IDと位置データとを対応付けたID対応表を示す図である。図3(c)に示すように、IDは、チェックボックス41ごとに異なる記号が付与されている。また、位置データは、矩形のチェックボックス41の範囲を示している。制御部10は、このIDと位置データとを、配列の形式で保存してもよい。
【0057】
図2に戻り、S6:制御部10(Flash呼出手段13)は、各チェックボックス41のIDと、その位置データとを、Flashファイル38に引き渡す。データの引き渡し先のFlashファイル38を特定するデータは、スクリプト51に記載されている。
【0058】
S7:制御部10(Flash呼出手段13)は、Flashファイル38に基づいてFlash画像ページ60をディスプレイ26に表示する。Flash画像ページ60は、透明の画像ページであり、この透明のページを透してWebページ40が表示される。よって、Flash画像ページ60が表示されていても、ユーザは、Flash画像ページ60の下に重ねて表示されたWebページ40を視認できる。
【0059】
S8:制御部10は、Webページ40のチェックボックス41の各々の座標の位置に対応するFlash画像ページ60上に目印オブジェクト61を各々作成して、IDに関連付ける。
【0060】
図4は、Webページ40にFlash画像ページ60が重ねて表示された態様を示す図である。Flash画像ページ60は、Flashで作成された透明の画像ページである。そして、目印オブジェクト61(61a,61b,61c,・・・)は、Webページ40のチェックボックス41の位置に作成されている。目印オブジェクト61は、透明なオブジェクトである。そのため、ユーザは、目印オブジェクト61を視認することができない。
【0061】
なお、図2のS1において制御部10がWebページ40を読み込んだ後、S8までは、即時に処理が行われる。そのため、ユーザがディスプレイ26で視認するのは、S8までの処理がされた状態の、Webページ40にFlash画像ページ60が重ねて表示された態様(図4参照)になる。そして、Flash画像ページ60は、目印オブジェクト61と共に透明であるので、Webページ40のみがディスプレイ26に表示されているかのようにユーザに感じさせることができ、Webページ40に連携しているFlash画像ページ60の存在を感じさせることがない。よって、ユーザに、Webページ40上での煩雑な操作を連想させることなく、通常のWebページ40のインタフェースで行う感覚で、ユーザの作業を実現させることができる。
【0062】
図2に戻り、S9:制御部10(範囲指定受付手段14)は、ユーザの入力操作によってマウス28をドラッグし、その後ドロップすることで、Webページ40の中の範囲を取得したか否かを判断する。範囲を取得した場合(S9:YES)には、制御部10は、処理をS10に移す。他方、範囲の指定を取得していない場合(S9:NO)には、制御部10は、S9の処理を繰り返す。
【0063】
S10:制御部10(位置判定手段15)は、Webページ40の中の指定された範囲の座標を算出して座標データを受け付ける。具体的には、Webページ40の上に重ねて表示されたFlash画像ページ60を表示するFlashファイル38が指定された範囲を検出することで、制御部10は、座標を算出する。
【0064】
このように、ユーザ端末1は、Webページ40をユーザに見せつつ、ユーザの指定操作を、透過性のあるFlash画像ページ60に把握させることができるので、汎用的なWebページ40でも指定された範囲の座標を算出できる。
【0065】
S11:制御部10(位置判定手段15)は、算出した座標の中に、目印オブジェクト61を含むか否かを判断する。目印オブジェクト61を含む場合(S11:YES)には、制御部10は、処理をS12に移す。他方、目印オブジェクト61を含まない場合(S11:NO)には、制御部10は、処理をS9に移す。
【0066】
S12:制御部10(位置判定手段15)は、目印オブジェクト61に対応するチェックボックス41のIDを、Javascriptに引き渡す。
【0067】
S13:制御部10(変更手段16)は、JavascriptによってIDに対応するチェックボックス41の状態を切り替える。つまり、制御部10は、IDに対応するチェックボックス41の状態がオフであったものを、オンの状態に切り替え、逆にチェックボックス41の状態がオンであったものを、オフの状態に切り替える。その後、制御部10は、本処理を終了する。
【0068】
このように、制御部10は、チェックボックス41の各々に対して、各々を特定するIDを付与し、Webページ40でのチェックボックス41の位置を取得して、ユーザの指定操作を受け付けて決定した範囲内にそのチェックボックス41が位置していることに応じて、チェックボックス41のオンとオフとの状態を変更する。よって、Webページ40に、このスクリプト36とFlashファイル38とを付加することで、ユーザが指定した範囲内に存在するチェックボックス41の各々のオンとオフとの状態を変更することができるので、チェックボックス41をユーザがいちいち指定しながら入力する手間を省くことができ、ユーザの入力作業の軽減を図ることができる。
【0069】
[具体例1]
図5は、本実施形態に係るチェックボックスでのチェックの切替態様を示す図である。図5(a)は、30個のチェックボックスが配置されたWebページ70を示す。Webページ70の30個のチェックボックスは、全てがオフの状態(チェックがされていない状態)である。この状態のWebページ70に、ユーザがマウス28を操作して、ポインタ71を図中(D1)に示すようにドラッグして、その後ドロップする。
【0070】
図5(b)は、図5(a)で指定した(D1)を含む範囲(A)内に配置されたチェックボックスの状態が、オンの状態(チェックされている状態)になったことを示す図である。さらに、ユーザがマウス28を操作して、ポインタ71を図中(D2)に示すようにドラッグ&ドロップする。
【0071】
図5(c)は、図5(b)で指定した(D2)を含む範囲(B)内に配置されたチェックボックスのオンとオフとの状態が、切り替えられたことを示す図である。
【0072】
このように、ユーザがマウス28を操作して、ポインタ71をドラッグして任意の範囲を選択し、その後ドロップすることで、その範囲内のチェックボックスのオンとオフとの状態を切り替えることができる。よって、ユーザがチェックボックスに入力する際に、チェックボックスの1つ1つを指定してマウス28をクリックするという、入力の煩雑な作業を解消して、範囲内のチェックボックスの状態を簡易に変更させることができる。
【0073】
[各プログラムの処理概要]
図6は、本実施形態に係るプログラムの処理の概要を模式化して示す図である。まず、ユーザ端末1において、Webページを読み込むことで、WebページからJavascriptが呼び出される(1)。
【0074】
Javascriptは、Webページに配置された複数のチェックボックスに対してIDを付与し(2)、チェックボックスの位置を取得する(3)。
【0075】
また、Javascriptは、Flashファイルを呼び出す(4)ことで、呼び出されたFlashファイルは、Flash画像ページを表示する(5)。具体的には、Javascriptが、Flashファイルの読み込み用のタグを自動でHTML上に出力することで、Webブラウザ21が、Flashファイル(ファイルの識別子は、SWF)を読みにいく。
【0076】
そして、Javascriptは、チェックボックスのID及び位置をFlashファイルに引き渡す(6)。
【0077】
Flashファイルは、Webページのチェックボックスが配置された位置と同じFlash画像ページ上の座標位置に、目印オブジェクトを配置する(7)。目印オブジェクトは、各々同位置のチェックボックスのIDに対応付けておく。
【0078】
ユーザによる入力操作によって、Flash画像ページ上をドラッグ&ドロップして範囲が指定されることで(8)、Flashファイルは、指定範囲に含まれる目印オブジェクトに対応するIDを、Javascriptに引き渡す(9)。
【0079】
Javascriptは、受け付けたIDに対応するチェックボックスのオンとオフとを切り替える(10)ことで、Webページに反映させる(11)。
【0080】
[具体例2]
上述において、Webページに配置されたチェックボックスのオンとオフとを切り替えることを説明したが、ラジオボタンでも同様の処理を行うことができる。図7は、本実施形態に係るチェックボックス及びラジオボタンでの切替態様を示す図である。
【0081】
図7(a)は、6個のチェックボックス及び1組のラジオボタン81が配置されたWebページ80を示す。Webページ80に配置された6個のチェックボックスは、オンの状態とオフの状態とが混在した状態である。また、1組のラジオボタン81は、ボタン81aがオフであり、ボタン81bがオンの状態になっている。
【0082】
図7(b)は、ユーザがマウス28を操作して、ポインタ82を図中(D)に示すようにボタン81aを囲むようにドラッグした状態を示す。その後、ユーザがマウス28をドロップすることで、指定範囲が決定される。
【0083】
図7(c)は、図7(b)で指定された(D)を含む図中(C)の範囲内に配置されたチェックボックス及びラジオボタン81のオンとオフとの状態が切り替えられたWebページ80を示す図である。この場合、図7(b)では、ボタン81bがユーザによる指定範囲内にはないが、ボタン81aと一連であるので、ボタン81bの状態をあわせて変更する。
【0084】
このように、ユーザがマウス28を操作してポインタ82をドラッグして、1組のラジオボタン81のうちの1つのボタン81aを含む範囲を選択し、ドロップすることで、ラジオボタン81のオンとオフとの状態を、チェックボックスと同様に切り替えることができる。なお、ラジオボタン81の特質上、ラジオボタン81の中では1つのボタンのみがオンの状態でなければならない。よって、1組のラジオボタン81のうち複数のボタンを含む範囲が選択されることで2つ以上のボタンがオンに切り替わる場合には、制御部10は、切替処理を行わないようにしてもよい。そのようにすることで、一連のラジオボタン81に対して不整合な処理を回避することができる。
【0085】
(変形形態)
本実施形態は、位置データの取得を、Webページの左上を基準にして座標値を算出するものであった。しかし、例えば、<DIV>タグを用いて複数のチェックボックスを囲うように規定することで、複数のチェックボックスの範囲をひとかたまりの領域とし、その領域内での位置を算出して入力支援をするようにしてもよい。
【0086】
本実施形態は、ユーザの入力操作によってドラッグ&ドロップした際にその指定範囲に含むチェックボックス及びラジオボタンについて、オンとオフとの状態を切り替えるものであった。しかし、切り替えるタイミングは、これに限定されない。例えば、ドラッグ中の矩形範囲にチェックボックスが含まれたタイミングで、オンとオフとの状態を切り替えてもよい。
【0087】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0088】
1 ユーザ端末
3 Webサーバ
10,30 制御部
11 ID付与手段
12 位置取得手段
13 Flash呼出手段
14 範囲指定受付手段
15 位置判定手段
16 変更手段
20,32 記憶部
21 Webブラウザ
22 Flashプレーヤ
26 ディスプレイ
28 マウス
36,51 スクリプト
38 Flashファイル
40,70,80 Webページ
41,41a,41b,41c チェックボックス
50 HTMLテキスト
60 Flash画像ページ
61,61a,61b,61c 目印オブジェクト
71,82 ポインタ
81 ラジオボタン
100 Webシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HTMLテキストの入力フォームに連携した入力インタフェースを提供する入力支援プログラムであって、
コンピュータを、
前記HTMLテキストを読み込んだことに応じて、前記入力フォームを構成する複数の部品の各々の表示位置を含み、前記HTMLテキストにより規定される領域において、前記複数の部品の各々の位置を示す位置情報を取得する位置取得手段と、
前記位置取得手段により取得された前記位置情報が示す各々の位置が、Webブラウザに表示した前記領域において、ユーザの指定操作を受け付けて決定した範囲内に存在するか否かを判定する位置判定手段と、
前記位置判定手段によって前記範囲内に存在すると判定された場合に、前記位置に対応する前記部品の状態を変更する変更手段と、
して機能させる、
入力支援プログラム。
【請求項2】
前記複数の部品の各々は、チェックボックス及びラジオボタンのうち少なくともいずれかであり、
前記変更手段を、前記部品のオンとオフとの状態を切り替えるように機能させる、
請求項1に記載の入力支援プログラム。
【請求項3】
前記コンピュータを、前記ユーザによる入力装置のドラッグ操作を受け付けたことに応じて、前記領域において指定された範囲を示す範囲情報を取得する範囲指定受付手段として機能させ、
前記位置判定手段を、前記範囲指定受付手段により取得した前記範囲情報が示す範囲内に、前記複数の部品の各々の位置が含まれるか否かを判定するように機能させる、
請求項1又は請求項2に記載の入力支援プログラム。
【請求項4】
前記コンピュータを、前記複数の部品の各々の表示位置を含む前記領域を表示装置に出力する際に、前記領域に重ねて出力する透過性を有した位置把握用画像を呼び出す画像呼出手段として機能させ、
前記範囲指定受付手段を、前記画像呼出手段により呼び出された前記位置把握用画像の出力領域で検出した範囲を示す前記範囲情報を取得するように機能させる、
請求項3に記載の入力支援プログラム。
【請求項5】
前記位置把握用画像は、Flash(登録商標)により作成されたものである、
請求項4に記載の入力支援プログラム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれかに記載の入力支援プログラムを実行する制御部を備える、
端末。
【請求項7】
請求項6に記載の端末と、
前記端末に対して通信ネットワークを介して接続され、前記端末に送信する前記入力支援プログラムを記憶するWebサーバと、
を備える、
Webシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−65439(P2011−65439A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−215760(P2009−215760)
【出願日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】