説明

入力支援装置、および、コンピュータプログラム

【課題】グラフから指定した演算の対象である演算要素を、演算式に代入して演算を行う際のユーザビリティを向上させる技術を提供する。
【解決手段】本発明の入力支援装置100は、入力受付部110がユーザからの指示を受け付け、(スペクトル)グラフ生成部112が画像から生成したグラフを表示装置160に表示させ、演算式生成(表示)部113が変数を含む演算式を表示装置160に表示させ、対応付け処理部114が、画面上のグラフから演算の対象となる演算要素を指定して、その演算要素を画面上の演算式に含まれる変数に対応させる操作の対応付け指示を入力受付部110が受け付けたときに、その演算要素の値を求め、求めた演算要素の値を、演算式の変数に対応付け、演算処理部115がその演算結果を求める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力支援装置、および、コンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の分光装置としては、例えば、特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載される分光装置は、1つの回折格子と、この回折格子で分光された各波長域(例えば、32チャンネル)の光を受光する検出器と、検出器からデータを処理するデータ処理装置と、を備えている。この分光装置では、検出器は、回折格子で分光された各波長域の光を受光して、各波長域の光強度を示すデータを、データ処理装置に送信する。
【0003】
ここで、データ処理装置は、受信したデータに対して各種処理を施すことができる。例えば、データ処理装置は、受信したデータから、2次元スペクトルイメージを生成する。そして、例えば、データ処理装置は、2次元スペクトルイメージ中で指定された領域のスペクトルグラフを生成・表示する。
【0004】
さらに、データ処理装置は、生成・表示したスペクトルグラフを利用して、様々な演算を行う。例えば、表示したスペクトルグラフにおいて指定された波長域の積分値(演算の対象である計算要素)を、任意の演算式に代入して各種演算を行う、といったことはよく行われている。
【0005】
【特許文献1】特開2004−345672号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、スペクトルグラフから得られる演算要素(例えば、上記の積分値)を演算式に代入するためには、ユーザがその数値を手入力しなければならず、特に、数値を何度も入力しなければならない場合には、ユーザにとって操作は煩雑である。
【0007】
本発明は、グラフから指定した演算の対象である演算要素を、演算式に代入して演算を行う際のユーザビリティを向上させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1に係る発明の入力支援装置は、表示装置と、試料に関する画像を提供する観察装置と、に接続される入力支援装置であって、ユーザからの指示を受け付ける入力受付部と、前記画像から対応するグラフを生成し、該グラフを表示する第1の画面データを前記表示装置に出力するグラフ生成部と、変数を含む演算式を表示する第2の画面データを前記表示装置に出力する演算式表示部と、前記表示装置の画面上で、前記第1の画面データに基づくグラフから演算の対象となる演算要素を指定して、該演算要素を前記第2の画面データに基く前記演算式に含まれる変数に対応させる指示を前記入力受付部から受け付けたときに、前記演算要素の値を求め、求めた該演算要素の値を、前記演算式の変数に対応付ける対応付け処理部と、前記演算式の変数に、対応付けられた前記演算要素の値を代入して演算結果を求める演算処理部と、前記演算結果を前記表示装置に出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の入力支援装置によれば、グラフから指定した演算の対象である演算要素を、演算式に代入して演算を行う際のユーザビリティを向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の最良の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0011】
本発明の実施形態に適用される入力支援装置100の機能構成の一例を、図1のブロック図に示す。入力支援装置100は、図示するように、制御部101と、記憶部102と、インタフェース部103と、を有する。
【0012】
入力支援装置100は、例えば、図2に示すような顕微鏡分光システム50で使用される。図示するように、顕微鏡分光システム50は、入力支援装置100と、顕微鏡装置200と、分光検出器300と、コントローラ400と、を備えている。
【0013】
顕微鏡装置200は、レーザ光源201と、光ファイバ202と、コリメートレンズ203と、ダイクロイックミラー204と、ガルバノミラー205と、対物レンズ206と、テーブル207と、集光レンズ208と、ピンホール209と、を有する。
【0014】
ここで、顕微鏡装置200の照明光学系は、レーザ光源201、光ファイバ202、コリメートレンズ203、ダイクロイックミラー204、ガルバノミラー205、対物レンズ206、から構成される。また、顕微鏡装置200の観察光学系は、対物レンズ206、ガルバノミラー205、ダイクロイックミラー204、集光レンズ208、から構成される。
【0015】
顕微鏡装置200において、レーザ光源201から出射されたレーザ光は、光ファイバ202を介して、コリメートレンズ203に導かれる。コリメートレンズ203は、導かれたレーザ光をコリメートする。ダイクロイックミラー204は、コリメートレンズ203でコリメートされたレーザ光を受け、試料S方向に反射する。ガルバノミラー205は、ダイクロイックミラー204で反射されたレーザ光を、試料S上で2次元的に走査する。対物レンズ206は、ガルバノミラー205からの光を試料Sの観察面上に集光させる。そして、集光レンズ208は、テーブル207に載せられている試料Sの観察面で反射されたレーザ光を、ピンホール209の位置に集光させる。ここで、ピンホール209に入射された光は、光ファイバを介して、分光検出器300に送られる。
【0016】
顕微鏡装置200は、以上の構成を備えることにより、試料Sの2次元的な像を得ることができる。
【0017】
分光検出器300は、コリメートレンズ301と、回折格子302と、光検出アレイ303と、信号処理回路304と、を有する。
【0018】
コリメートレンズ301は、顕微鏡装置200から送られてきた光をコリメートする。回折格子302は、コリメートレンズ301でコリメートされた光を、異なる波長域の光に分光する。光検出アレイ303は、回折格子302で分光された各波長域の光の強度を電気的な検出信号に変換する。信号処理回路304は、光検出アレイ303で変換された検出信号をサンプリングし、そのサンプリングデータをコントローラ400に供給する。
【0019】
分光検出器300は、以上の構成を備えることにより、顕微鏡装置200から送られてきた光の波長域ごとの光強度を得ることができる。
【0020】
コントローラ400は、制御回路401と、レーザ駆動回路402と、スキャナ駆動回路403と、インタフェース回路404と、を有する。
【0021】
制御回路401は、各種プログラムを実行するCPU、各種データやプログラム等が格納されるROM、各種データやプログラムが一時的に記憶されるRAM、分光検出器300からのデータ等が一時的に記憶されるフレームメモリ、等から構成される。このような構成からなる制御回路401は、レーザ駆動回路402に対して、レーザ光の出力指示信号、レーザ光シャッターの開口指示信号を出力する。また、制御回路401は、スキャナ駆動回路403に対して、ガルバノミラー205の動作制御信号を出力する。
【0022】
さらに、制御回路401は、試料Sに関する2次元スペクトル画像を生成する。具体的には、制御回路401は、スキャナ駆動回路403に対して、2次元的な走査を指示する制御信号を出力しながら、分光検出器300から供給されるサンプリングデータを、順次受信することにより、各波長域の2次元スペクトル画像を生成することができる。すなわち、分光検出器300の光検出アレイ304の使用チャネルが32チャネルである場合には、制御回路401は、32枚の2次元スペクトル画像を生成する。
【0023】
そして、制御回路401は、生成した2次元スペクトル画像を、インタフェース回路404を介して、入力支援装置100に送信する。
【0024】
レーザ駆動回路402は、制御回路401から供給された信号に応じて、レーザ光源201にレーザ光を出力させる制御信号や、レーザ光源201のレーザ光シャッターを開口させる制御信号を出力して、レーザ光源201を制御する。
【0025】
スキャン駆動回路403は、制御回路401から供給された信号に応じた信号を、ガルバノミラー205に出力して、ダイクロイックミラー204で反射されたレーザ光を試料S上で2次元的に走査させる。
【0026】
インタフェース回路404は、入力支援装置100と通信を行うためのインタフェースである。インタフェース回路404は、例えば、入力支援装置100とUSB通信を行うための機構を備える。この場合、通信データには、USBの通信プロトコルに対応したものを使用する。
【0027】
コントローラ400は、以上の構成を備えることにより、顕微鏡装置200で観測した試料Sに関する2次元スペクトル画像を、入力支援装置100に提供することができる。
【0028】
入力支援装置100は、コントローラ400から提供された2次元スペクトル画像を記憶する。そして、入力支援装置100は、接続されている表示装置160に、この2次元スペクトル画像を表示させることができる。
【0029】
また、入力支援装置100は、ユーザが2次元スペクトル画像に対して各種処理を行うための機能を有する。本実施形態では、入力支援装置100は、2次元スペクトル画像を用いて、試料SにおけるFret(Fluorescence resonance energy transfer)現象を観察するための機能を有している。ここで、Fret現象とは、試料Sにおいて、レーザ光を照射したときに、特定の波長領域に含まれる波長の蛍光を発するドナー蛍光分子と、ドナー蛍光分子とは異なる波長の蛍光を発するアクセプター分子が近接している時に、ドナー蛍光分子が発した光エネルギーをアクセプター分子が吸収する現象である。このFret現象を観察するためには、例えば、ある時刻に顕微鏡装置200を用いて得られた2次元スペクトル画像内の一部の領域の光強度を示すスペクトルグラフと、その後の時刻に得られた同一領域の光強度を示すスペクトルグラフと、を比較すればよい。そこで、本実施形態の入力支援装置100は、試料SにおけるFret現象を観察するために、2次元スペクトル画像からスペクトルグラフを生成する機能を有し、スペクトルグラフから得られる計算要素(例えば、指定された波長領域における積分値)を、所定の演算式に代入して演算を行うといった演算機能を有するものとする。そして、入力支援装置100には、入力装置150が接続され、Fret現象の観察が行われる際に、スペクトルグラフから計算要素を特定する指示や、計算要素を所定の演算式に代入する指示、等をユーザから受け付けることができる。
【0030】
図1の説明に戻り、以上のような顕微鏡分光システム50で使用される入力支援装置100の制御部101は、入力受付部110と、スペクトル画像取得部111と、スペクトルグラフ生成部112と、演算式生成部113と、対応付け処理部114と、演算処理部115と、Teaching処理部116と、を有する。
【0031】
スペクトル画像取得部111は、コントローラ400に対して、上述した2次元スペクトル画像を生成させるコマンドを発行し、コントローラ400から提供された2次元スペクトル画像を、スペクトル画像DB120に格納する処理を行う。2次元スペクトル画像を生成させるコマンドは、例えば、顕微鏡装置200にタイムラプス撮影を行わせるときや、ユーザからの指示毎に顕微鏡装置200に撮影させるとき等に発行される。
【0032】
また、スペクトル画像取得部111は、コントローラ400から取得した2次元スペクトル画像から、図3(A)に示すようなスペクトル画像表示画面500を生成し、表示装置160に表示させる。ここで、スペクトル画像表示画面500は、コントローラ400から取得した全ての2次元スペクトル画像(各波長域の2次元スペクトル画像)を重ね合わせて生成される。
【0033】
スペクトルグラフ生成部112は、表示装置160に表示させたスペクトル画像表示画面500に含まれる各波長域の2次元スペクトル画像からスペクトルグラフを生成する処理を行う。スペクトルグラフ生成部112は、スペクトル画像表示画面500内の一部の領域501をユーザに指定されたときに、その領域501内のスペクトルデータをグラフ化する。そして、スペクトルグラフ生成部112は、図3(B)に示すようなスペクトルグラフ表示画面600を、表示装置160に表示させる。ここで図示するスペクトルグラフ表示画面600は、異なる時刻に取得した複数の2次元スペクトル画像の同一座標に位置する領域に含まれるスペクトルデータから生成したスペクトルグラフを重ね合わせて表示させた画面例である(実線:T=1の時刻のスペクトルグラフ、一点鎖線:T=2の時刻のスペクトルグラフ)。
【0034】
また、スペクトルグラフ生成部112は、同一のスペクトル画像表示画面500内で、複数の領域(例えば、A領域(実線)501、B領域(破線)502)をユーザに指定された場合は、図4に示すように、それぞれの領域(501、502)に対応するスペクトルグラフ(実線グラフ、破線グラフ)を同一のスペクトルグラフ表示画面600上に重ねて表示させてもよい。なお、複数の領域をユーザに指定された場合に、それぞれの領域(501、502)に対応するスペクトルグラフを、別個のスペクトルグラフ表示画面600(図示せず)に表示させてもよい。
【0035】
さらに、スペクトルグラフ生成部112は、スペクトルグラフ表示画面600に、波長下限値線602及び波長上限値線603を表示させる。この波長下限値線602及び波長上限値線603は、ユーザの指示に従って、スペクトルグラフ表示画面600上でx軸(波長軸)に平行な方向に移動させることができる。そして、スペクトルグラフ表示画面600は、スペクトルグラフ、波長下限値線602、波長上限値線603、x軸(波長軸)、で囲まれた領域601上にマウスポインタが配置されたときに、その領域601の色を反転させるようにしてもよい。
【0036】
演算式生成部113は、スペクトルグラフ生成部112が生成したスペクトルグラフから、Fret現象を観察するために用いる演算式を生成する処理を行う。例えば、演算式生成部113は、演算式を生成するための演算式表示画面700を表示装置160に表示させ、ユーザからの指示に基づいて所定の演算式701を生成する。このとき、生成する演算式701には、式中に変数を表す空欄(702、703)を設けることもでき、演算式701の生成後、空欄(702、703)に数値(上述した計算要素)が代入されたときに、この演算式701の解Xを得ることができる。そして、演算式生成部113は、生成した演算式701を、後述する対応テーブル121に格納する。ここで用いる演算式701の生成方法は、これに限定されず、例えば、予め記憶部102に記憶されている演算式から選択することで、演算式701を生成してもよい。
【0037】
対応付け処理部114は、スペクトルグラフ生成部112が生成したスペクトルグラフにおいてユーザに指定された演算要素と、演算式生成部113が生成した演算式701と、を対応付ける処理を行う。すなわち、対応付け処理部114は、スペクトルグラフにおいてユーザに指定された演算要素を、演算式701中のどの空欄(701、702)に代入するかを決定する処理を行う。
【0038】
具体的には、まず、対応付け処理部114は、図6(A)に示すように表示装置160にスペクトルグラフを表示させたスペクトルグラフ表示画面600上において、マウスポインタで指定された演算要素の値を求める。例えば、演算要素には、スペクトルグラフ、波長下限値線602、波長上限値線603、x軸(波長軸)、で囲まれた領域601の積分値、等が含まれる。対応付け処理部114は、スペクトルグラフ、波長下限値線602、波長上限値線603、x軸(波長軸)、で囲まれた領域601がユーザの指示に基づきドラッグされたときに、その領域601の積分値を求める処理を行う。
【0039】
そして、対応付け処理部114は、ユーザの指示に基づきドラッグされた領域601が、演算式表示画面700上の演算式701に含まれる空欄702(703)にドロップされたときに、求めた演算要素の値を、後述する対応テーブル121に格納する。ここで、対応テーブル121に格納するデータは、例えば、「変数名(空欄702を特定する名前)=演算要素の値」といった形式であり、ドロップされた演算式701に対応付けて格納される。
【0040】
さらに、対応付け処理部114は、このような演算要素と演算式701とを対応付ける処理を、演算式701中の全ての空欄(702、703)に対して行ったときに、対応付け処理を終了して、これを演算処理部115に通知する。
【0041】
なお、ここでは、図6(A)に示すように、スペクトルグラフ表示画面600上でドラッグされた領域601が、演算式表示画面700上の空欄702(703)にドロップされた場合に、対応付け処理を行うようにしているが、本発明はこれに限定されない。他の場合に対応付け処理を行う具体的な例については、後述する。
【0042】
演算処理部115は、対応付け処理部114が演算要素を演算式701に対応付けたときに、その演算式の演算結果(解X)を求める処理を行う。具体的には、演算処理部115は、対応テーブル121に対応付けて格納された演算要素及び演算式を参照して、演算結果(解X)を求める。さらに、演算処理部115は、求めた演算結果(解X)の値を対応テーブル121に記憶する。
【0043】
Teaching処理部116は、顕微鏡装置200に試料Sを連続観測させる場合(例えば、タイムラプス観測)に、スペクトルグラフ上の演算要素と、その演算要素を代入する演算式と、その演算要素を演算式に代入する時刻と、を予め設定(Teaching)しておき、観測後にその演算式の演算結果(解X)を求める処理を行う。具体的には、Teaching処理部116は、まず、試料Sの観測前にユーザの指示に基づき、図6(B)に示すようなTeaching機能設定画面800を、表示装置160に表示させる。Teachign機能設定画面800には、スペクトルグラフ表示画面600と同様のスペクトルグラフを表示させる領域、演算式表示画面700と同様の演算式701を作成する領域、演算要素を演算式701に代入する時刻を入力させる領域(例えば、空欄)801、演算式の演算結果(解X)の経時グラフを表示させる領域、観測開始の指示をユーザから受け付けるための観測開始ボタン802、が設けられる。Teaching処理部116は、Teaching機能設定画面800を表示させた後に、ユーザからの各種設定を受け付け、観測開始ボタン802が押されたときに、コントローラ400に連続観測開始の指示信号を送信する。ここで、ユーザから受け付ける各種設定には、演算要素を確定するための波長下限値線601及び波長上限値線602の指定、演算式701の作成、演算要素を演算式に代入する時刻の指定、が含まれる。そして、Teaching処理部116は、各種設定内容を、後述するTeachingテーブル122に格納しておく。なお、Teaching機能が設定された場合であっても、連続観測が開始した後は、対応付け処理部116が、演算要素(指定された時刻に求めた演算要素)と演算式701とを対応付ける処理を行う。
【0044】
また、Teaching処理部116は、連続観測を開始後、Teaching機能設定画面800上のスペクトルグラフ、及び、演算結果(解X)の経時グラフ、を所定の時間間隔で更新する処理を行うようにしてもよい。
【0045】
入力受付部110は、後述する入力装置150からの入力信号を受け付ける処理を行う。具体的には、入力受付部110は、受け付けた入力信号の供給先(例えば、各部111〜117)を特定して、特定した供給先に入力信号を供給する。例えば、スペクトルグラフ生成部112が生成したスペクトルグラフ表示画面600上にマウスポインタがあるときに、入力装置150のマウス152がクリックされたときは、スペクトルグラフ表示画面600上におけるマウスポインタの位置を示す情報と、操作を特定する情報とを対応付け処理部112に供給する。
【0046】
記憶部102は、スペクトル画像データベース(DB)120と、対応テーブル121と、Teachingテーブル122と、を有する。
【0047】
スペクトル画像DB120には、コントローラ400から提供された2次元スペクトル画像が格納される。
【0048】
対応テーブル121は、スペクトルグラフ生成部112が生成したスペクトルグラフにおいてユーザに指定された演算要素と、演算式生成部113が生成した演算式701と、を対応付けるためのテーブルである。対応テーブル121は、図7に示すように、演算式ごとのレコード1217からなる。各レコード1217には、ID1211と、演算式1212と、変数A〜C(1213〜1215)と、演算結果1216と、が対応付けて格納される。なお、本実施形態では、対応テーブル121には、変数A〜C(1213〜1215)を格納するための欄を3つ設けているが、これに限定されず、演算式1212中の変数の個数に応じて、変数を格納する欄を増減させてもよい。
【0049】
ID1211は、演算式生成部113が生成した演算式701を識別するコードであり、例えば、「1」、「2」といった数字列である。
【0050】
演算式1212は、演算式生成部113が生成した演算式701である。演算式表示画面700上で、ユーザにより作成された演算式701に含まれる空欄(702、703)は、各空欄702(703)にそれぞれ異なる変数名(例えば、「A」、「B」、等)に変換されて、対応テーブル121に記憶される。
【0051】
変数A〜C(1213〜1215)は、対応付け処理部114が求めた演算要素の値であり、「変数名=演算要素の値」といった形式の文字列である。変数A〜Cに含まれる変数名は、演算式1212に含まれる変数名と対応したものであり、演算要素の値は、変数A〜Cに対応する空欄702(703)に演算要素がドロップされたときに求めた演算要素の値である。
【0052】
演算結果1216は、演算処理部115が求めた演算結果(解X)の値を示す数字列である。
【0053】
Teachingテーブル122は、図8に示すように、演算式ごとのレコード1228からなる。各レコード1228には、ID1221と、演算式1222と、(波長)下限値1223と、(波長)上限値1224と、変数A〜Cの入力時刻1225〜1227と、が対応付けて格納される。なお、本実施形態では、Teachingテーブル122には、変数A〜Cの入力時刻1225〜1227を格納するための欄を3つ設けているが、これに限定されず、演算式1221中の変数の個数に応じて、変数の入力時刻を格納する欄を増減させてもよい。
【0054】
ID1221は、対応テーブル121に格納されるID1211に相当する。
【0055】
演算式1222は、対応テーブル121に格納される演算式1212に相当する。
【0056】
(波長)下限値1223、(波長)上限値1224は、タイムラプス観測等の連続観測を顕微鏡装置200に行わせる際に、演算要素の波長域を決定するための波長下限値、波長上限値を特定するデータである。具体的には、(波長)下限値1223は、Teaching機能設定画面800上でユーザに指定された波長下限値を示す数字列である。例えば、(波長)下限値1223は、「580」等の数字列でよい。また、(波長)上限値1224も同様に、Teaching機能設定画面でユーザに指定された波長上限値を示す数字列である。
【0057】
変数A〜Cの入力時刻1225〜1227は、タイムラプス観測等の連続観測を顕微鏡装置200に行わせる際に、Teaching処理部117が演算要素の値を求め、求めた値を演算式に代入する時刻を特定するデータである。具体的には、変数A〜Cの入力時刻1225〜1227は、Teaching機能設定画面800上の領域801の空欄に入力された時刻を示す文字列である。例えば、変数A〜Cの入力時刻1225〜1227は、「T=1」や、「T=10(H):24(M):34(S)」等の文字列でよい。
【0058】
インタフェース部103は、コントローラ400と通信データの送受信を行うためのインタフェースである。
【0059】
また、入力装置150は、キーボード151と、マウス152と、を含む。キーボード151やマウス152がユーザに操作されることで、入力支援装置100に対してユーザの指示が入力される。表示装置160は、入力支援装置100で生成したデータや処理内容を、ユーザに通知するためのディスプレイである。
【0060】
以上のように構成される入力支援装置100は、例えば、図9に示すような、CPU901と、主記憶部902と、HDD等の外部記憶装置903と、CD−ROMやDVD−ROM等の可搬性を有する可搬型記憶媒体907から情報を読み出す読取装置905と、表示装置160、キーボード151やマウス152等から構成される入出力装置906と、コントローラ400とUSB通信等の通信を行なうためや、インターネット等のネットワークに接続するための通信装置904と、を備えた一般的なコンピュータで実現される。
【0061】
例えば、図1に示す記憶部102は、外部記憶装置903により実現可能であり、制御部101は、外部記憶装置903に記憶されている所定のプログラムを主記憶装置902にロードしてCPU901で実行することで実現可能である。
【0062】
この所定のプログラムは、読取装置905を介して可搬型記憶媒体907から、或いは、通信装置904を介してネットワークから、外部記憶装置903にダウンロードされ、それから、主記憶装置902上にロードされてCPU901により実行されるようにしてもよい。また、読取装置905を介して可搬型記憶媒体907から、或いは、通信装置904を介してネットワークから、主記憶装置902上に直接ロードされ、CPU901により実行されるようにしてもよい。
【0063】
以上のような構成により、入力支援装置100は、スペクトルグラフから得られる計算要素を、演算式に代入して演算を行う際のユーザビリティを向上させることができる。
【0064】
図10は、入力支援装置100で行う第1の入力支援処理を示すフローチャートである。
【0065】
制御部101は、入力受付部110がFret現象を観察する指示をユーザから受け付けたときに、第1の入力支援処理を開始する。まず、入力受付部110は、Fret現象を観察する指示を受け付けたことを、スペクトル画像取得部111に通知する。
【0066】
スペクトル画像取得部111は、スペクトル画像表示画面500を、表示装置160に表示させる(ステップS101)。具体的には、スペクトル画像取得部111は、スペクトル画像DB120に格納されている2次元スペクトル画像のうち、ユーザに選択された2次元スペクトル画像から、図3(A)に示すようなスペクトル画像表示画面500を生成する。このとき、異なる時刻に取得した2次元スペクトル画像から生成した他のスペクトル画像表示画面500をさらに生成してもよい。そして、スペクトル画像取得部111は、生成したスペクトル画像表示画面500を、表示装置160に送信して表示させる。
【0067】
次に、スペクトルグラフ生成部112は、表示装置160に表示させたスペクトル画像表示画面500上で、グラフ化させる領域を指定する指示を受け付ける(ステップS102)。具体的には、ユーザによるマウス152の操作で、スペクトル画像表示画面500上に図3(A)に示すような円が描かれたときに、入力受付部110は、その円で指定された領域501(502)に含まれている画素の座標を、スペクトルグラフ生成部112に供給する。
【0068】
スペクトルグラフ生成部112は、ステップS102で指定された領域501のスペクトルデータをグラフ化したスペクトルグラフを生成し、これを表示装置160に表示させる(ステップS103)。具体的には、スペクトルグラフ生成部112は、入力受付部110からユーザに指定された領域501の座標が供給されたときに、スペクトル画像表示画面500を構成している全ての2次元スペクトル画像について、同座標に位置する画素のスペクトルデータを参照する。そして、スペクトルグラフ生成部112は、各2次元スペクトル画像に対応する波長域ごとのスペクトルグラフを生成し、これらを合成して最終的なスペクトルグラフを生成する。さらに、スペクトルグラフ生成部112は、生成したスペクトルグラフを含むスペクトルグラフ表示画面600を、表示装置160に表示させる。なお、ステップS102で、複数のスペクトル画像表示画面500上で同一座標の領域501が指定された場合には、スペクトルグラフ生成部112は、各領域501からそれぞれ生成したスペクトルグラフを重ね合わせたスペクトルグラフ表示画面600を生成して、表示装置160に表示させる。
【0069】
次に、演算式生成部113は、演算式を生成する処理を行う(ステップS104)。具体的には、演算式生成部113は、図5に示すような演算式表示画面700を、表示装置160に表示させ、ユーザの操作に従って、演算式表示画面700上に、数式や空欄702(703)を含んだ演算式701を生成する。演算式生成部113は、生成した演算式701に含まれている空欄702(703)を、空欄702(703)を特定するための変数名に変換した演算式1212を、ID1211と対応付けて対応テーブル121に格納する。ここで、ID1211には、昇順の数字を割り当てる。複数の演算式701を生成した場合は、演算式生成部113は、空欄702(703)を変数名に変換した演算式1212に、それぞれ異なるID1212を割り当てた複数のレコード1217を対応テーブル121に生成する。
【0070】
ステップS103でスペクトルグラフ生成部112が生成したスペクトルグラフ表示画面600と、ステップS104で演算式表示画面700と、を表示装置160に表示させた状態で、入力受付部110は、ユーザからの入力を受け付ける(ステップS105)。ここで、ユーザからの入力には、例えば、スペクトルグラフ表示画面600上で演算要素となる領域601を指定する入力、指定した領域601をドラッグする操作による入力、ドラッグした領域601を演算式表示画面700上の演算式701に含まれる空欄702にドロップする操作による入力、等が含まれる。入力受付部110は、これらのユーザからの入力を、対応付け処理部114に供給する。
【0071】
対応付け処理部114は、入力受付部110から供給された入力に基づいて、対応付け処理を行う(ステップS106)。具体的には、対応付け処理部114は、図6(A)に示すように表示装置160にスペクトルグラフ表示画面600を表示させる。スペクトルグラフ表示画面600上で、スペクトルグラフ、波長下限値線602、波長上限値線603、x軸(波長軸)、で囲まれた領域601をドラッグする入力が、ステップS105で供給された場合、対応付け処理部114は、その領域601の積分値を求める。そして、対応付け処理部114は、ユーザの指示に基づきドラッグされた領域601が、演算式表示画面700上の演算式701に含まれる空欄702(703)にドロップされたときに、求めた演算要素の値を、対応テーブル121に格納する。これにより、対応付け処理部114は、演算式701と演算要素とを対応付けることができる。
【0072】
また、対応付け処理部114は、ドラッグ&ドロップ以外の方法でも、演算式701と演算要素とを対応付けるようにしてもよい。例えば、図11(A)に示すようにスペクトルグラフ表示画面600上の領域601をクリックする入力が、ステップS105で供給された場合に、対応付け処理部114は、その領域601の積分値(演算要素の値)を求める。そして、対応付け処理部114は、領域601がクリックされた後に、連続して、演算式表示画面700上の演算式701に含まれる空欄702(703)がクリックれたときに、求めた演算要素の値を、対応テーブル121に格納するようにしてもよい。
【0073】
また、図11(B)に示すようにスペクトルグラフ表示画面600には、スペクトルグラフを表示する領域と、スペクトルグラフから得られる演算要素を代入するための空欄604と、を設けてもよい。この場合、スペクトルグラフ表示画面600上の領域601をドラッグして、空欄604上にドロップする入力が、ステップS105で供給された場合に、対応付け処理部114は、その領域601の積分値(演算要素の値)を求める。そして、対応付け処理部114は、求めた演算要素の値を、対応テーブル121に格納する。
【0074】
以上のような対応付け処理が、演算式701中の全ての空欄(702、703)に対して行われるまで、対応付け処理部114は、ステップS105、ステップS106の処理を、繰り返す(ステップS107;No)。一方、演算式701中の全ての空欄(702、703)に対して、対応付け処理が完了したときに(ステップS107;Yes)、対応付け処理部114は、対応付け処理を完了したことを、演算処理部115に通知して、処理をステップS108に移行する。
【0075】
以上のような対応付け処理を、本実施形態の入力処理装置100が行うことにより、ユーザは、スペクトルグラフから得られる演算要素を、容易に演算式701に代入することができる。
【0076】
ステップS107で、対応付け処理が完了した通知を受けた演算処理部115は、その演算式の演算結果(解X)を求める処理を行う(ステップS108)。具体的には、演算処理部115は、対応テーブル121にアクセスして、変数A〜C(1213〜1215)の値を、同一レコード1217に格納されている演算式1212に代入して演算を行う。例えば、図7の例で説明すると、演算処理部115は、「X=1−(A/B)」という演算式1212に、「A=52」、「B=23」という変数A1213、変数B1214の値を代入して演算を行う。これにより、演算処理部115は、「−1.26」という解Xを求めることができる。そして、演算処理部115は、求めた演算結果(解X)1216を、同一のレコード1217に格納する。
【0077】
そして、演算処理部115は、ステップS108で求めた演算結果(解X)を、表示装置160に表示させる(ステップS109)。これにより、本実施形態の入力支援装置100は、試料SにおいてFret現象が起こっているか否か、或いは、Fret現象がどのように起こっているか、等の判断材料となるデータをユーザに通知することができる。
【0078】
演算結果(解X)を表示後、制御部101は、第1の入力支援処理を終了する。
【0079】
図12は、入力支援装置100において、Teaching機能を設定した際の第2の入力支援処理を示すフローチャートである。
【0080】
制御部101は、ユーザからTeaching機能を設定する指示が入力されるまで待機している(ステップS201;No)。制御部101は、ユーザからTeaching機能を設定する指示が入力されたとき(ステップS201;Yes)、第2の入力支援処理を開始する。具体的には、制御部101の入力受付部110は、Teaching機能の設定を開始する指示を受け付けたときに、第2の入力支援処理を開始する通知を、Teaching処理部116に対して行う。
【0081】
この通知を受けたTeaching処理部116は、図6(B)に示すようなTeaching機能設定画面800を、表示装置160に表示させる(ステップS202)。
【0082】
ここで、Teaching処理部116は、ユーザからのTeaching機能に関する各種設定を受け付け、その設定内容を記憶する(ステップS203)。具体的には、Teaching処理部116は、図6(B)に示すように、Teaching機能設定画面800上に、数式や空欄702(703)を含んだ演算式701が作成された場合、作成された演算式701を、Teachingテーブル122に格納する。ただし、Teaching処理部116は、この際、演算式701に含まれている空欄702(703)を、空欄702(703)を特定するための変数名に変換してから、その演算式1222を、ID1221と対応付けてTeachingテーブル122に格納する。さらに、Teaching処理部116は、ID1221及び演算式1222と同一のID1211及び演算式1221を、対応テーブル121にも格納する。また、Teaching処理部116は、演算要素を確定するための波長下限値線602及び波長上限値線603が指定された場合には、対応する(波長)下限値1223、(波長)上限値1224を、Teachingテーブル122に格納する。さらに、Teaching処理部116は、Teaching機能設定画面800上の領域801に、演算要素を演算式に代入する時刻が入力された場合には、入力された時刻を、入力された空欄に対応している変数名(変数A〜C)の入力時刻(1225〜1227)として、Teachingテーブル122に格納する。
【0083】
Teaching機能の設定が終了後、Teaching処理部116は、Teaching機能設定画面800上の観測開始ボタン802が押下されたときに、処理をステップS204に移行させる。
【0084】
ステップS204では、Teaching処理部204は、タイムラプス観測等の試料Sの連続観測を、顕微鏡装置200に開始させる(ステップS204)。具体的には、Teaching処理部204は、コントローラ400に、タイムラプス観測等の試料Sの連続観測を開始させる指示信号を供給する。これとともに、Teaching処理部204は、CPU901の内部タイマ等を用いた計時処理を開始する。
【0085】
試料Sの連続観測中、コントローラ400からは、所定間隔で2次元スペクトル画像が提供される。ここで、スペクトル画像取得部111は、コントローラ400から提供される2次元スペクトル画像を、スペクトル画像DB120に、順次、格納していく。
【0086】
続いて、Teaching処理部116は、Teaching機能設定画面800上で設定した演算要素と、作成した演算式701と、と対応付ける処理を行う(ステップS206)。具体的には、試料Sを顕微鏡装置200に連続観測させている期間中は、Teaching処理部204は、Teachingテーブル122の変数A〜Cの入力時刻(1225〜1227)を参照して、CPU901の内部タイマが計時している時刻が、入力時刻(1225〜1227)のいずれかに一致するタイミングまで待機する(ステップS205;No)。ここで、CPU901の内部タイマが計時している時刻が、入力時刻(1225〜1227)のいずれかに一致したとき(ステップS205;Yes)、Teaching処理部116は、予めステップS203で確定された演算要素の値を求める。演算要素を求める際には、Teaching処理部116は、一致した時刻にコントローラ400から提供された使用チャネル分の2次元スペクトル画像を、スペクトル画像DB120から読み出して、演算要素の値を求める。そして、Teaching処理部116は、求めた演算要素の値を、対応テーブル121の対応する変数A1213〜変数C1215に格納する。ただし、このとき演算要素の値は、Teaching機能設定画面800上で作成された演算式701と同一の演算式1212を有するレコード1217に格納される。
【0087】
Teaching処理部116は、以上のステップS204〜ステップS206の処理を、演算式701中の全ての空欄(702、703)に対して、演算要素の値を対応付け終わるまで繰り返す(ステップS207;No)。一方、演算式701中の全ての空欄(702、703)に対して、対応付け処理が完了したときに(ステップS207;Yes)、Teaching処理部116は、対応付け処理を完了したことを、演算処理部115に通知して、処理をステップS208に移行する。
【0088】
以降の処理は、第1の入力支援処理と同様に、ステップS207で、対応付け処理が完了した通知を受けた演算処理部115は、その演算式の演算結果(解X)を求める処理を行う(ステップS208)。そして、演算処理部115は、ステップS208で求めた演算結果(解X)を、表示装置160に表示させる(ステップS209)。
【0089】
演算結果(解X)を表示後、制御部101は、第2の入力支援処理を終了する。
【0090】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形、応用が可能である。
【0091】
例えば、上記実施形態では、スペクトルグラフ生成部112が、顕微鏡装置200で観察した試料Sの2次元スペクトル画像から、スペクトルグラフを生成するようにしている。しかしながら、本発明は、これに限定されず、例えば、顕微鏡装置200は、カメラ等の観察装置でよく、2次元スペクトル画像は、カメラで撮影した画像等の画像でよく、スペクトルグラフは、関数で表現できるグラフであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の実施形態に係る入力支援装置の機能構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る顕微鏡分光システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図3】(A)スペクトル画像表示画面のレイアウト例を示す図である。(B)スペクトルグラフ表示画面のレイアウト例を示す図である。
【図4】スペクトル画像表示画面の別のレイアウト例を示す図である。
【図5】演算式表示画面のレイアウト例を示す図である。
【図6】(A)スペクトル画像表示画面と演算式表示画面とを表示装置に表示させた場合のレイアウト例を示す図である。(B)Teaching機能設定画面のレイアウト例を示す図である。
【図7】対応テーブルのデータ構造を概念的に示す図である。
【図8】Teachingテーブルのデータ構造を概念的に示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る入力支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図10】入力支援装置で実行される第1の入力支援処理のフローチャートを示す図である。
【図11】(A)(B)スペクトル画像表示画面と演算式表示画面とを表示装置に表示させた場合の別のレイアウト例を示す図である。
【図12】入力支援装置で実行される第2の入力支援処理のフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0093】
50 顕微鏡分光システム
100 入力支援装置
101 制御部
102 記憶部
103 インタフェース部
110 入力受付部
111 スペクトル画像取得部
112 スペクトルグラフ生成部
113 演算式生成部
114 対応付け処理部
115 演算処理部
116 Teaching処理部
120 スペクトル画像データベース
121 対応テーブル
122 Teachingテーブル
150 入力装置
160 表示装置
200 顕微鏡装置
300 分光検出器
400 コントローラ
500 スペクトル画像表示画面
600 スペクトルグラフ表示画面
700 演算式表示画面
800 Teaching機能設定画面
901 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、試料に関する画像を提供する観察装置と、に接続される入力支援装置であって、
ユーザからの指示を受け付ける入力受付部と、
前記画像から対応するグラフを生成し、該グラフを表示する第1の画面データを前記表示装置に出力するグラフ生成部と、
変数を含む演算式を表示する第2の画面データを前記表示装置に出力する演算式表示部と、
前記表示装置の画面上で、前記第1の画面データに基づくグラフから演算の対象となる演算要素を指定して、該演算要素を前記第2の画面データに基く前記演算式に含まれる変数に対応させる指示を前記入力受付部から受け付けたときに、前記演算要素の値を求め、求めた該演算要素の値を、前記演算式の変数に対応付ける対応付け処理部と、
前記演算式の変数に、対応付けられた前記演算要素の値を代入して演算結果を求める演算処理部と、
前記演算結果を前記表示装置に出力する出力部と、
を備えることを特徴とする入力支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載される入力支援装置であって、
前記観察装置は、顕微鏡装置であり、
前記画像は、2次元スペクトル画像であり、
前記グラフは、スペクトルグラフである、
ことを特徴とする入力支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載される入力支援装置であって、
前記対応付け指示は、
前記第1の画面データに基づく演算要素をドラッグして、該演算要素を前記第2の画面データに基づいて表示した画面上の演算式に含まれる変数にドロップすることである、
ことを特徴とする入力支援装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載される入力支援装置であって、
前記対応付け指示は、
前記第1の画面データに基づく演算要素をクリックして、続いて、該演算要素を前記第2の画面データに基づいて表示した画面上の演算式に含まれる変数をクリックすることである、
ことを特徴とする入力支援装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載される入力支援装置であって、
前記第1の画面データに基づいて表示する画面には、前記演算式に含まれる変数に対応させた空欄が設けられ、
前記対応付け指示は、
前記第1の画面データに基づいて表示した画面上で指定された演算要素をドラッグして、該演算要素を前記第1の画面データに基づいて表示した画面上の前記空欄にドロップすることである、
ことを特徴とする入力支援装置。
【請求項6】
請求項1又は2に記載される入力支援装置であって、
前記演算式表示部が表示する前記演算式は、複数の変数を含み、
前記対応付け処理部は、
前記入力受付部が、前記第1の画面データに基づくグラフから演算の対象となる複数の演算要素を指定して、該複数の演算要素を前記第2の画面データに基づいて表示した画面上の前記演算式に含まれる複数の変数にそれぞれ対応させる操作の対応付け指示を受け付けたときに、前記複数の演算要素の値をそれぞれ求め、求めた該複数の演算要素の値を、前記演算式の複数の変数にそれぞれ対応付ける、
ことを特徴とする入力支援装置。
【請求項7】
表示装置と、試料に関する画像を提供する観察装置と、に接続される入力支援装置であって、
ユーザからの指示を受け付ける入力受付部と、
設定データを記憶しておく記憶部と、
前記画像から対応するグラフを生成し、該グラフを表示する第1の画面データを前記表示装置に出力するグラフ生成部と、
変数を含む演算式を表示する第2の画面データを前記表示装置に出力する演算式表示部と、
計時する計時部と、
前記第1画面データに基づくグラフから演算の対象となる演算要素を指定する指示を前記入力受付部から受け付けたときに、前記演算要素を特定する特定データを予め前記記憶部に記憶しておき、また、該演算要素を前記第2の画面データに基づく演算式に含まれる変数に対応付けるタイミングを指定する指示を前記入力受付部から受け付けたときに、前記タイミングを特定する時刻情報を予め前記記憶部に記憶しておき、前記計時部が計時している時刻が前記時刻情報と一致するときに、前記特定データで特定される演算要素の値を求め、求めた該演算要素の値を、前記演算式の変数に対応付けるTeaching処理部と、
前記演算式の変数に、対応付けられた前記演算要素の値を代入して演算結果を求める演算処理部と、
前記演算結果を前記表示装置に出力する出力部と、
を備えることを特徴とする入力支援装置。
【請求項8】
コンピュータを、試料に関する画像を提供する観察装置及び表示装置が接続される入力支援装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータは、
ユーザからの指示を受け付ける入力受付手段、を備え、
前記コンピュータに、
前記画像から対応するグラフを生成し、該グラフを表示する第1の画面データを前記表示装置に出力するグラフ生成処理と、
変数を含む演算式を表示する第2の画面データを出力する演算式表示処理と、
前記入力受付手段が、前記第1の画面データに基づいて表示した画面上のグラフから演算の対象となる演算要素を指定して、該演算要素を前記第2の画面データに基づいて表示した画面上の前記演算式に含まれる変数に対応させる操作の対応付け指示を受け付けたときに、前記演算要素の値を求め、求めた該演算要素の値を、前記演算式の変数に対応付ける対応付け処理と、
前記演算式の変数に、対応付けられた前記演算要素の値を代入して演算結果を求める演算処理と、
前記演算結果を前記表示装置に出力する出力処理と、を行わせる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−42835(P2009−42835A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204533(P2007−204533)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】