説明

入力装置、入力装置の制御方法、および、プログラム

【課題】キー入力時の使い勝手を向上させる。
【解決手段】本発明の入力装置は、複数のキーを有し、前記複数のキーのいずれかが押下されると、前記押下されたキーに応じた信号を出力する入力部と、前記複数のキーの各々について、前記キーが押下されてから該キーに対するキー入力として受け付けられるまでの時間である入力確定時間を前記キーに対応させて記憶する記憶部と、前記キーが押下され、前記入力部から前記信号が出力されると、該信号に基づいて前記キーが押下されてから押下が解除されるまでの時間である押下時間を計測し、前記計測した押下時間が前記キーに対応して前記記憶部に記憶されている前記入力確定時間以上であれば、前記キーに対するキー入力として受け付ける制御部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キー入力を受け付ける入力装置、入力装置の制御方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話などの電子機器においては、操作入力のためにキーが設けられており、キーを押下するキー入力が受け付けられると、受け付けられたキー入力に応じた処理が行われる。このような電子機器においては、通常、機構的なチャタリング(微細な電気振動)などに起因する誤入力を防止するために、キーが所定時間以上押下されると、キー入力として受け付けられる。以下では、キーが押下されてからキー入力として受け付けられるまでの時間を入力確定時間と称する。
【0003】
上述したような電子機器を用いて、例えば、ユーザが文字入力を行う場合には、ある文字に対応するキーを入力確定時間以上押下し、キー入力として受け付けられた後に、別の文字に対応するキーを押下する。ここで、一般に、操作入力の習熟の度合いに応じて、入力しようとする文字に対応するキーを選択し、押下する速度はユーザ毎に異なる。そのため、入力確定時間を一律とすると、すばやくキーを選択し、押下することができるユーザにとっては、あるキーを押した後、キー入力として受け付けられるまでの時間が長く感じられるなどして、使い勝手の悪いものとなることがある。
【0004】
そこで、特許文献1(特開2011−028429号公報)には、キーが押下されてから別のキーが押下されるまでの時間を計測し、計測結果に応じて入力確定時間を調整する入力装置が開示されている。この入力装置によれば、ユーザの操作入力の習熟の度合いに応じた入力確定時間とすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−028429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、電子機器においては、複数のキーが設けられていることが多く、その複数のキー毎の位置、押下する指などに応じてキーの押下のし易さが異なるため、ユーザがキーを押下してから押下を解除するまでの押下時間もキー毎にばらつくことがある。特許文献1に開示の入力装置においては、キー毎の押下時間のばらつきは考慮されていないため、キー入力時の使い勝手の向上を十分に図ることができないおそれがある。
【0007】
本発明の目的は、キー入力時の使い勝手の向上を図ることができる入力装置および入力装置の制御方法、および、プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明の入力装置は、
複数のキーを有し、前記複数のキーのいずれかが押下されると、前記押下されたキーに応じた信号を出力する入力部と、
前記複数のキーの各々について、前記キーが押下されてから該キーに対するキー入力として受け付けられるまでの時間である入力確定時間を前記キーに対応させて記憶する記憶部と、
前記キーが押下され、前記入力部から前記信号が出力されると、該信号に基づいて前記キーが押下されてから押下が解除されるまでの時間である押下時間を計測し、前記計測した押下時間が前記キーに対応して前記記憶部に記憶されている前記入力確定時間以上であれば、前記キーに対するキー入力として受け付ける制御部と、を有する。
【0009】
上記目的を達成するために本発明の入力装置の制御方法は、
複数のキーを有する入力装置の制御方法であって、
前記複数のキーのいずれかが押下されると、前記押下されたキーに応じた信号を出力し、
前記複数のキーの各々について、前記キーが押下されてから該キーに対するキー入力として受け付けられるまでの時間である入力確定時間を前記キーに対応させて記憶し、
前記キーが押下され、前記信号が出力されると、該信号に基づき前記キーが押下されてから押下が解除されるまでの時間である押下時間を計測し、前記計測した押下時間が前記キーに対応して記憶している前記入力確定時間以上であれば、前記キーに対するキー入力として受け付ける。
【0010】
上記目的を達成するために本発明のプログラムは、
複数のキーを有する入力装置に、
前記複数のキーのいずれかが押下されると、前記押下されたキーに応じた信号を出力する処理と、
前記複数のキーの各々について、前記キーが押下されてから該キーに対するキー入力として受け付けられるまでの時間である入力確定時間を前記キーに対応させて記憶する処理と、
前記キーが押下され、前記信号が出力されると、該信号に基づき前記キーが押下されてから押下が解除されるまでの時間である押下時間を計測し、該計測した押下時間が前記キーに対応して記憶している前記入力確定時間以上であれば、前記キーに対するキー入力として受け付ける処理と、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、キー入力時の使い勝手の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態の入力装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す記憶部に記憶される管理テーブルの構成の一例を示す図である。
【図3】図1に示す入力装置の動作を示すフローチャートである。
【図4A】図1に示す入力部の単一押下時の出力信号の波形を示す図である。
【図4B】図1に示す入力部の連続押下時の出力信号の波形を示す図である。
【図4C】図1に示す入力部の長押下時の出力信号の波形を示す図である。
【図5】図1に示す入力装置の動作の一例を示す図である。
【図6】図1に示す入力装置の動作の他の一例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態の入力装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の入力装置10の構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示す入力装置10は、入力部11と、記憶部12と、表示部13と、CPU(Central Processing Unit)14と、を有する。なお、CPU14は、制御部の一例である。
【0016】
入力部11は、操作入力のための複数のキーを有しており、複数のキーのいずれかが押下されると、押下されたキーに応じた信号を出力する。
【0017】
記憶部12は、複数のキーの各々についての入力確定時間を示す管理テーブル、CPU14が行う処理に必要な情報など、種々の情報を記憶する。
【0018】
表示部13は、種々の映像を表示する。
【0019】
CPU14は、キーの押下時間を入力部11からの信号に基づき計測し、計測した押下時間がそのキーに対応して記憶部12に記憶されている入力確定時間以上であればキー入力として受け付ける。また、CPU14は、キーが押下されてから所定時間が経過すると、そのキーに対するキー入力に応じた処理結果を表示部13に表示させる。以下では、キーが押下されてから、そのキーに対するキー入力に応じた処理結果を表示部13に表示させるまでの時間を表示確定時間と称する。
【0020】
次に、管理テーブルの構成について説明する。
【0021】
図2は、管理テーブル20の構成の一例を示す図である。
【0022】
図2に示すように、記憶部12は、各キーについての入力確定時間および表示確定時間をそのキーに対応させた管理テーブル20を記憶する。ここで、記憶部12は、キーの押下が、キーを所定時間だけ押下した後に押下を解除する単一押下の場合、キーの押下と押下の解除とを連続的に複数回繰り返す連続押下(いわゆる、トグル入力)における1回目の押下から最終押下の1回前までの押下(以下、最終以外の押下と称する)の場合、連続押下における最終押下の場合、および、キーを単一押下よりも長い時間だけ押下した後に押下を解除する長押下の場合のそれぞれについて、入力確定時間および表示確定時間を記憶する。なお、入力確定時間および表示確定時間の単位は、ミリ秒(msec)である。
【0023】
ここで、キーの押下が、単一押下である場合の入力確定時間Ts、連続押下における最終以外の押下である場合の入力確定時間Tp1、連続押下における最終押下である場合の入力確定時間Tp2、長押下である場合の入力確定時間Tl、および、チャタリングに起因して検知されるキーの押下時間Tcには、一般に、式(1)のような関係がある。
【0024】
Tc<Tp1≦Ts≦Tp2<Tl (1)
なお、各キーについての入力確定時間は、ユーザが設定してもよく、また、CPU14が各キーの押下時間の平均値などに基づき設定してもよい。また、表示確定時間についても、ユーザが設定してもよく、また、CPU14が、例えば、入力確定時間から所定値だけ増減させるなどして設定してもよい。
【0025】
次に、本実施形態の入力装置10の動作について説明する。
【0026】
図3は、キー入力の受け付け時の動作を示すフローチャートである。
【0027】
なお、以下では、図2に示す管理テーブルにおけるキー「1」に対する押下を例として説明する。
【0028】
CPU14は、入力部11からの信号に基づき、キーが押下されたか否かを判定する(ステップS301)。
【0029】
キーが押下されていない場合には(ステップS301:No)、CPU14は、ステップS301の処理を繰り返す。
【0030】
キー「1」が押下されると(ステップS301:Yes)、CPU14は、押下時間(Th)を計測する(ステップS302)。
【0031】
次に、CPU14は、連続押下が行われていると判定済みであるか否かを判定する(ステップS303)。なお、例えば、CPU14は、後述するように、連続押下が行われていると判定した場合には、その旨を示すフラグを立てて記憶部12に記憶させ、また、連続押下におけるキーの押下と押下の解除とが繰り返された回数を記憶部12に記憶させる。CPU14は、このフラグに基づき、連続押下が行われていると判定済みであるか否かを判定する
連続押下が行われていると判定済みでない場合には(ステップS303:No)、CPU14は、押下時間Thが入力確定時間Tl以上であるか否かを判定する(ステップS304)。
【0032】
押下時間Thが入力確定時間Tl以上である場合には(ステップS304:Yes)、CPU14は、長押下が行われたと判定し、キー入力として受け付け(ステップS305)、ステップS301に戻る。
【0033】
押下時間Thが入力確定時間Tl未満である場合には(ステップS304:No)、CPU14は、押下時間Thが入力確定時間Ts以上であるか否かを判定する(ステップS306)。
【0034】
押下時間Thが入力確定時間Ts以上である場合には(ステップS306:Yes)、CPU14は、単一押下が行われたと判定し、キー入力として受け付け(ステップS307)、ステップS301に戻る。
【0035】
押下時間Thが入力確定時間Ts未満である場合には(ステップS306:No)、CPU14は、押下時間Thが入力確定時間Tp1以上であるか否かを判定する(ステップS308)。
【0036】
押下時間Thが入力確定時間Tp1以上である場合には(ステップS308:Yes)、CPU14は、連続押下における最終以外の押下が行われたと判定し、キー入力として受け付け(ステップS309)、ステップS301に戻る。
【0037】
押下時間Thが入力確定時間Tp1未満である場合には(ステップS308:No)、CPU14は、チャタリングに起因する押下であると判定し(ステップS310)、キー入力として受け付けず、ステップS301に戻る。
【0038】
連続押下が行われていると判定済みである場合には(ステップS303:Yes)、CPU14は、押下時間Thが入力確定時間Tp2以上であるか否かを判定する(ステップS311)。
【0039】
押下時間Thが入力確定時間Tp2以上である場合には(ステップS311:Yes)、CPU14は、連続押下における最終押下が行われたと判定し、キー入力として受け付け(ステップS312)、ステップS301に戻る。なお、CPU14は、連続押下における最終押下が行われたと判定すると、記憶部12に記憶されている連続押下が行われている旨を示すフラグおよびキーの押下と押下の解除とが繰り返された回数をリセットする。
【0040】
押下時間Thが入力確定時間Tp2未満である場合には(ステップS311:No)、CPU14は、ステップS308に進む。
【0041】
次に、単一押下時、連続押下時、および、長押下時の動作について説明する。
【0042】
図4Aは、単一押下時の入力部11の出力信号の波形を示す図であり、図4Bは、連続押下時の入力部11の出力信号の波形を示す図であり、図4Cは、長押下時の入力部11の出力信号の波形を示す図である。
【0043】
なお、以下では、入力部11の出力信号が、「H」である状態はキーが押下されていない状態を示し、「L」である状態はキーが押下されている状態を示すものとする。
【0044】
また、図4A〜図4Cにおいては、キー「1」の押下が行われたものとし、入力確定時間Ts,Tp1,Tp2,Tlにはそれぞれ、図2に示す管理テーブルにおけるキー「1」に対応する値が設定されているものとする。
【0045】
まず、単一押下時の動作について説明する。
【0046】
図4Aに示すように、時刻t0においてキー「1」が押下され、時刻t0から25msec経過後の時刻t1において、キー「1」の押下が解除されたとする。
【0047】
CPU14は、キー「1」の押下時間を計測し、計測した押下時間(25msec)が入力確定時間Tl未満であり入力確定時間Ts以上であるので、図3に示したフローに従い、キー「1」に対する単一押下が行われたと判定し、キー入力として受け付ける。また、CPU14は、時刻t0からキーの押下が単一押下である場合にキー「1」に対応して記憶されている表示確定時間Ds(30msec)の経過後の時刻t2において、キー「1」に対する単一押下に応じた処理結果を表示部13に表示させる。
【0048】
次に、連続押下時の動作について説明する。
【0049】
図4Bに示すように、時刻t0においてキー「1」が押下され、時刻t0から15msec経過後の時刻t3においてキー「1」の押下が解除されたとする。
【0050】
CPU14は、キー「1」の押下時間を計測し、計測した押下時間(15msec)が入力確定時間Ts未満であり入力確定時間Tp1以上であるので、図3に示したフローに従い、キー「1」に対する連続押下における最終以外の押下が行われたと判定し、キー入力として受け付ける。また、CPU14は、時刻t0からキー入力が連続押下である場合の表示確定時間Dp(20msec)の経過後の時刻t4において、キー「1」に対する連続押下における1回目の押下に応じた処理結果を表示部13に表示させる。
【0051】
時刻t5においてキー「1」が再び押下され、時刻t5から15msec経過後の時刻t6においてキー「1」の押下が解除されたとする。
【0052】
CPU14は、キー「1」の押下時間を計測し、計測した押下時間(15msec)入力確定時間Tp2未満でありが入力確定時間Tp1以上であるので、図3に示したフローに従い、キー「1」に対する連続押下における最終以外の押下が行われたと判定し、キー入力として受け付ける。また、CPU14は、時刻t5から表示確定時間Dpの経過後の時刻t6において、キー「1」に対する連続押下における2回目の押下に応じた処理結果を表示部13に表示させる。
【0053】
時刻t8においてキー「1」が再び押下され、時刻t8から35msec経過後の時刻t10においてキー「1」の押下が解除されたとする。
【0054】
CPU14は、キー「1」の押下時間を計測する。
【0055】
また、CPU14は、キー「1」に対する連続押下が行われていると判定しているため、時刻t8から表示確定時間Dp(20msec)の経過後の時刻t9において、キー「1」に対する連続押下における3回目の押下に応じた処理結果を表示部13に表示させる。なお、時刻t9の時点では、キー入力は受け付けられていない。
【0056】
時刻t10において、CPU14は、計測した押下時間(35msec)が入力確定時間Tp2以上であるので、図3に示したフローに従い、連続押下における最終押下が行われたと判定し、キー入力として受け付ける。このように、連続押下における最終押下の前に、キー入力に応じた処理結果を表示部13に表示させることで、表示部13の表示を見て最終押下を行うことができるので、誤入力が行われる可能性を低減することができる。
【0057】
次に、長押下時の動作について説明する。
【0058】
図4Cに示すように、時刻t0においてキー「1」が押下され、時刻t0から80msec経過後の時刻t12において、キー「1」の押下が解除されたとする。
【0059】
CPU14は、キー「1」の押下時間を計測する。
【0060】
また、CPU14は、時刻t0からキーの押下が長押下である場合にキー「1」に対応して記憶されている表示確定時間Dl(50msec)の経過後の時刻t11において、キー「1」に対する長押下に応じた処理結果を表示部13に表示させる。なお、時刻t11の時点では、キー入力は受け付けられていない。ここで、例えば、時刻t0から70msec経過後にキー「1」の押下が解除されたとする。この場合、押下時間が入力確定時間Tl未満であり入力確定時間Ts以上であるので、CPU14は、単一押下が行われたと判定し、表示部13の表示を、キー「1」の長押下に応じた処理結果から、キー「1」の単一押下に応じた処理結果に切り替える。
【0061】
通常、表示確定時間Dlは、入力確定時間Tsよりもある程度長く設定される(図2においては、表示確定時間Dlは入力確定時間Tsの2倍)。そのため、キーが押下されてから表示確定時間Dlが経過した時点では、単一押下ではなく、長押下が行われる可能性が高い。そこで、キー入力の受け付け前に、長押下に応じた処理結果を表示部13に表示させることで、表示部13の表示を見てキー入力を行うことができるので、誤入力が行われる可能性を低減することができる。
【0062】
時刻t12において、CPU14は、計測した押下時間(80msec)が入力確定時間Tl以上であるので、図3に示したフローに従い、長押下が行われたと判定し、キー入力として受け付ける。
【0063】
以下では、具体的な例を用いて、本実施形態の入力装置10の動作について説明する。
【0064】
1つめの例として、一般的な英字キーボードを入力部11とし、文字「a」に対応するキー(キー「a」)の単一押下、文字「i」に対応するキー(キー「i」)の単一押下を順に行い、文字「a」、文字「i」を順に入力する場合を考える。
【0065】
英字キーボードにおいて、キー「a」の押下は、通常、左手小指を用いて行われる。また、キー「i」の押下は、通常、右手中指を用いて行われる。ここで、各指の反応速度の違いなどのために、キーを押下してから押下を解除するまでの時間が、キー「a」とキー「i」との間で異なることがある。
【0066】
そこで、例えば、キー「i」を押下してから押下を解除するまでの時間が、キー「a」を押下してから押下を解除するまでの時間よりも短いとすると、図5に示すように、キー「i」の入力確定時間Tiを、キー「a」の入力確定時間Taよりも短くすることで、キー「i」に対するキー入力の受け付けがより早く行われることになるので、キー入時の使い勝手を向上させることができる。
【0067】
2つめの例として、1つのキーに複数の文字が割り当てられ、そのキーに対する連続押下を行うことで、入力候補文字が1文字ずつ順に送られ、最終押下が行われると、入力文字が確定される、いわゆる、かなめくり入力を行う場合を考える。
【0068】
かなめくり入力においては、例えば、キー「あ」に、文字「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」が割り当てられ、キー「あ」の押下ごとに、「あ」→「い」→「う」→「え」→「お」→「あ」と入力候補文字が送られる。
【0069】
かなめくり入力において文字「う」を入力する場合、キー「あ」の押下と押下の解除とを3回繰り返す連続押下が行われる。このうち、1回目と2回目のキー「あ」の押下と押下の解除とは、文字を送るだけなので、すばやく行うことが考えられる。一方、3回目のキー「あ」の押下と押下の解除とは、入力される文字を確認するために、1回目、2回目よりもゆっくり行われることが考えられる。
【0070】
そこで、図6に示すように、入力確定時間Tp1を入力確定時間Tp2よりも短くするとともに、表示確定時間Dpを入力確定時間Tp2よりも短くすることで、文字送りをすばやく行うことができるとともに、最終押下を行う前に入力候補文字が表示部13に表示されるので、誤入力の可能性を低減することができる。
【0071】
このように、本実施形態によれば、入力装置10は、複数のキーの各々について、キーに対するキー入力の入力確定時間をそのキーに対応させて記憶する。
【0072】
そのため、各キーの入力確定時間を、キーの押下のし易さなどに応じた適当な値とすることができるので、キー入力時の使い勝手の向上を図ることができる。
【0073】
なお、本実施形態においては、入力確定時間および表示確定時間を各キーに対応させて記憶する例を説明したが、これに限られず、入力確定時間だけを各キーに対応させて記憶するようにしてもよい。
【0074】
また、本実施形態においては、キーボードなどの物理的なキーに対するキー入力の受け付けを例として説明したが、これに限られず、例えば、タッチパネル上に表示されたキーに対するキー入力の受け付けに適用してもよい。
【0075】
また、本実施形態においては、入力確定時間を、キー入力を受け付けるか否かの基準とする例を説明したが、これに限られず、例えば、キー入力を用いたユーザ認証のための認証用データとして用いてもよい。
【0076】
(第2の実施形態)
図7は、本発明の第2の実施形態の入力装置70の構成を示す図である。
【0077】
図7に示す入力装置70は、入力部71と、記憶部72と、制御部73と、を有する。
【0078】
入力部71は、操作入力のための複数のキーを有し、複数のキーのいずれかが押下されると、押下されたキーに応じた信号を出力する。
【0079】
記憶部72は、複数のキーの各々について、入力確定時間をそのキーに対応させて記憶する。
【0080】
制御部73は、キーの押下時間を入力部71から出力される信号に基づき計測し、計測した押下時間がそのキーに対応して記憶部72に記憶されている入力確定時間以上であれば、そのキーに対するキー入力として受け付ける。
【0081】
このように、本実施形態によれば、入力装置70は、複数のキーの各々について、キーに対するキー入力の入力確定時間をそのキーに対応させて記憶する。
【0082】
そのため、各キーの入力確定時間を、キーの押下のし易さなどに応じた適当な値とすることができるので、キー入力時の使い勝手の向上を図ることができる。
【0083】
なお、本発明の入力装置において行われる方法は、コンピュータに実行させるためのプログラムに適用してもよい。また、そのプログラムを記憶媒体に格納することも可能であり、ネットワークを介して外部に提供することも可能である。
【符号の説明】
【0084】
10,70 入力装置
11,71 入力部
12,72 記憶部
13 表示部
14 CPU
20 管理テーブル
73 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキーを有し、前記複数のキーのいずれかが押下されると、前記押下されたキーに応じた信号を出力する入力部と、
前記複数のキーの各々について、前記キーが押下されてから該キーに対するキー入力として受け付けられるまでの時間である入力確定時間を前記キーに対応させて記憶する記憶部と、
前記キーが押下され、前記入力部から前記信号が出力されると、該信号に基づいて前記キーが押下されてから押下が解除されるまでの時間である押下時間を計測し、前記計測した押下時間が前記キーに対応して前記記憶部に記憶されている前記入力確定時間以上であれば、前記キーに対するキー入力として受け付ける制御部と、を有することを特徴とする入力装置。
【請求項2】
請求項1記載の入力装置において、
前記記憶部は、前記キーの押下が、前記キーを押下した後、押下を解除する単一押下である場合の前記入力確定時間、前記キーを前記単一押下よりも長い時間押下した後、押下を解除する長押下である場合の前記入力確定時間、前記キーの押下と押下の解除とを連続的に複数回繰り返す連続押下における最終押下以外の押下である場合の前記入力確定時間、および、前記連続押下における最終押下である場合の前記入力確定時間を、前記キーに対応させて記憶することを特徴とする入力装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の入力装置において、
前記制御部は、前記キーの押下時間の測定結果に応じて、前記キーに対応する前記入力確定時間を変更することを特徴とする入力装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の入力装置において、
表示部をさらに有し、
前記記憶部は、前記キーが押下されてから、該キーに対するキー入力に応じた処理結果を前記表示部に表示させるまでの時間である表示確定時間を前記キーに対応させてさらに記憶し、
前記制御部は、前記キーが押下されてから該キーに対応して前記記憶部に記憶されている前記表示確定時間が経過すると、前記キーに対するキー入力に応じた処理結果を前記表示部に表示させることを特徴とする入力装置。
【請求項5】
複数のキーを有する入力装置の制御方法であって、
前記複数のキーのいずれかが押下されると、前記押下されたキーに応じた信号を出力し、
前記複数のキーの各々について、前記キーが押下されてから該キーに対するキー入力として受け付けられるまでの時間である入力確定時間を前記キーに対応させて記憶し、
前記キーが押下され、前記信号が出力されると、該信号に基づき前記キーが押下されてから押下が解除されるまでの時間である押下時間を計測し、前記計測した押下時間が前記キーに対応して記憶している前記入力確定時間以上であれば、前記キーに対するキー入力として受け付けることを特徴とする入力装置の制御方法。
【請求項6】
請求項5記載の入力装置の制御方法において、
前記キーの押下が、前記キーを押下した後、押下を解除する単一押下である場合の前記入力確定時間、前記キーを前記単一押下入力よりも長い時間押下した後、押下を解除する長押下である場合の前記入力確定時間、前記キーの押下と押下の解除とを連続的に複数回繰り返す連続押下における最終押下以外の押下である場合の前記入力確定時間、および、前記連続押下における最終押下である場合の前記入力確定時間を、前記キーに対応させて記憶することを特徴とする入力装置の制御方法。
【請求項7】
請求項5または6記載の入力装置の制御方法において、
前記キーの押下時間の測定結果に応じて、前記キーに対応する前記入力確定時間を変更することを特徴とする入力装置の制御方法。
【請求項8】
請求項5から7のいずれか1項に記載の入力装置の制御方法において、
前記キーが押下されてから、該キーに対するキー入力に応じた処理結果を表示するまでの時間である表示確定時間を前記キーに対応させてさらに記憶し、
前記キーが押下されてから該キーに対応して記憶している前記表示確定時間が経過すると、前記キーに対するキー入力に応じた処理結果を表示することを特徴とする入力装置の制御方法。
【請求項9】
複数のキーを有する入力装置に、
前記複数のキーのいずれかが押下されると、前記押下されたキーに応じた信号を出力する処理と、
前記複数のキーの各々について、前記キーが押下されてから該キーに対するキー入力として受け付けられるまでの時間である入力確定時間を前記キーに対応させて記憶する処理と、
前記キーが押下され、前記信号が出力されると、該信号に基づき前記キーが押下されてから押下が解除されるまでの時間である押下時間を計測し、該計測した押下時間が前記キーに対応して記憶している前記入力確定時間以上であれば、前記キーに対するキー入力として受け付ける処理と、を実行させるプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図4C】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−243014(P2012−243014A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−111358(P2011−111358)
【出願日】平成23年5月18日(2011.5.18)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】