説明

入力装置、及び、入力プログラム

【課題】数値入力を効率的で且つ正確に行うことができ、入力した数値の割合を視覚的に判断することができる入力装置等を提供する。
【解決手段】商品毎に価格を入力する入力装置1において、前記商品毎に予め設定された価格帯の範囲内で価格を表示して入力を受け付ける一般価格設定処理部210と、前記一般価格設定処理部210にて入力ができない場合に、前記一般価格設定処理部と同一画面上に前記価格帯の範囲外で価格を表示して入力を受け付ける特別価格設定処理部230とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、価格を入力する入力装置に関し、特に、入力ミスを抑制するように入力操作を行う入力装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパー等で特売日に、個別の商品に対して特売価格を設定する場合がある。その際POSシステム(Point Of Salesシステム)の画面から商品ごとに当日の特売価格を入力する。通常POSシステムでは商品の価格帯が設定されており、その価格帯からはずれた価格を入力するとアラーム表示を行って入力ミスを喚起する場合が多い。しかし、特別な商品に関しては、特売日に限って設定された価格帯以下で価格を設定する場合がある。その場合には、アラーム表示が出ても敢えて無視して入力を行う。アラーム表示を無視して入力を行う場合に、もし桁違い等の入力ミスがあってもアラーム表示が無視されることで、桁違いのミスに気付かない可能性がある。
【0003】
具体的には、例えば、定価100円の商品Aに対して80円〜100円の価格帯が設定されているとすると、特売日に70円で販売したい場合に、「70」を入力する。この時、「70」は価格帯の範囲外であるためアラーム表示が出るが、敢えて無視して入力を行う。もし入力ミスにより「7」を入力した場合でも、「70」の場合と同じアラームが表示され、その場合にも敢えて無視して入力を行ってしまうと、桁違いにより極端に低い価格に設定されてしまう可能性がある。従って、設定された価格帯からはずれた価格をミスがないように入力する技術が望まれている。
【0004】
正確かつ素早く数値を指定して入力を行う技術として、特許文献1に示す技術がある。特許文献1の技術は、スケールバーによるスライダの上限値及び下限値がディスプレイに表示された状態でその上限値、下限値の間で任意の数値をマウス等のデバイスにより指定する数値入力方法において、予め設定された上限値及び下限値がディスプレイに表示されている状態で、指定デバイスによる所定の操作があった場合、上限値及び下限値を他の値に変更し、その変更した後の上限値、下限値間でスライダを移動して任意の数値を指定デバイスにより指定する方法である。
【特許文献1】特開平11−345056号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示す技術は、上限値と下限値を他の値に変更することで、スライダの移動変化量に対する値の変化量が変更されて、様々な範囲で数値を入力することが可能であるが、スライダの移動量が設定された範囲ごとに変化するため、操作者の操作が一様に定まらず、操作に時間が掛かってしまうという課題を有する。特に、入力項目が多数ある場合には、項目ごとに範囲が変更されると、効率的な入力操作を行うことができない。
【0006】
また、上限値と下限値が変更されることで、入力した数値の割合を視覚的に把握することが困難になってしまうという課題を有する。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、数値入力を効率的で且つ正確に行うことができ、入力した数値の割合を視覚的に判断することができる入力装置、及び、入力プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1.第1の入力手段と第2の入力手段)
本発明に係る入力装置は、商品毎に価格を入力する入力装置において、前記商品毎に予め設定された価格帯の範囲内で価格を表示して入力を受け付ける第1の入力手段と、前記第1の入力手段にて入力ができない前記価格帯以外の場合に、前記第1の入力手段と同一画面上に前記価格帯の範囲外で価格を表示して入力を受け付ける第2の入力手段とを備えるものである。
【0008】
このように、本発明においては、商品毎に予め設定された価格帯の範囲内で価格を表示して入力を受け付ける第1の入力手段と、第1の入力手段にて入力ができない場合に、第1の入力手段と同一画面上に価格帯の範囲外で価格を表示して入力を受け付ける第2の入力手段とを備えるため、特別なアラーム処理等を行わなくても価格の入力を価格帯の範囲内に制限することができると共に、価格帯の範囲を超えて入力を行う場合は、別の入力手段にて価格の入力を行うことができるため、処理を効率的で正確に行うことができるという効果を奏する。
【0009】
また、価格帯の範囲外の入力を行う場合は、第1の入力手段から第2の入力手段に移行する動作が入ることで、注意が喚起され、第2の入力手段での入力ミスを減少させる効果を奏する。
【0010】
(2.第1の表示手段)
本発明に係る入力装置は、前記第1の入力手段に隣接し、当該第1の入力手段にて入力される第1入力価格の商品の定価及び/又は原価に対する当該第1入力価格の割合を図表として表示する第1の表示手段を備えるものである。
【0011】
このように、本発明においては、第1の入力手段に隣接し、第1の入力手段にて入力される第1入力価格の商品の定価及び/又は原価に対する第1入力価格の割合を図表として表示する第1の表示手段を備えるため、第1の入力手段にて入力された価格が定価及び/又は原価に対してどれくらいの割合であるかを視覚的に確認することができ、操作者が一見して割引率を把握することができるという効果を奏する。
【0012】
(3.第2の表示手段)
本発明に係る入力装置は、前記第2の入力手段に隣接し、当該第2の入力手段にて入力される第2入力価格の商品の原価及び/又は当該商品における価格帯の最低価格に対する当該第2入力価格の割合を図表として表示する第2の表示手段を備えるものである。
【0013】
このように、本発明においては、第2の入力手段に隣接し、第2の入力手段にて入力される第2入力価格の商品の原価及び/又は商品における価格帯の最低価格に対する第2入力価格の割合を図表として表示する第2の表示手段を備えるため、第2の入力手段にて入力された価格が原価及び/又は商品における価格帯の最低価格に対してどれくらいの割合であるかを視覚的に確認することができ、操作者が一見して割引率を把握することができるという効果を奏する。
また、操作者が視覚的に割引率を把握することができることで、桁間違い等による極端な入力ミスを確実に防止することができるという効果を奏する。
【0014】
(4.割合の可変調整)
本発明に係る入力装置は、前記割合を示す第1及び/又は第2の表示手段に図表として表示される割合を可変調整して価格の入力を行うものである。
このように、本発明においては、第1及び/又は第2の表示手段に表示される割合を可変調整して価格の入力を行うため、割合に応じて視覚的に価格の入力を行うことができ、作業の効率を上げることができるという効果を奏する。
【0015】
(5.スライダーバーによる割合の可変調整)
本発明に係る入力装置は、前記割合を示す第1及び/又は第2の表示手段にスライダーバーが備えられており、当該スライダーバーによる割合の可変調整を所定のステップ数で段階的に行うものである。
このように、本発明においては、スライダーバーによる割合の可変調整を所定のステップ数で段階的に行うため、視覚的に価格の入力を行うことができると共に、操作性が向上させ、処理効率を上げることができるという効果を奏する。
【0016】
(6.一括での割合の可変調整)
本発明に係る入力装置は、複数のスライダーバーによる割合の可変調整を各商品ごとに一括で行うためのマスタ調整手段を備え、前記マスタ調整手段による可変調整に応じて、当該マスタ調整手段に関連付けられた各商品のスライダーバーで割合を調整して価格の入力が行われるものである。
このように、本発明においては、複数のスライダーバーによる割合の可変調整を一括で行うためのマスタ調整手段を備え、マスタ調整手段による可変調整に応じて、マスタ調整手段に関連付けられたスライダーバーが割合を調整して価格の入力を行うため、複数の商品に対する価格の入力を一括で行うことができ、作業効率を格段に上げることができるという効果を奏する。
【0017】
これまで、本発明を装置として示したが、所謂当業者であれば明らかであるように本発明を方法、及び、プログラムとして捉えることもできる。これら前記の発明の概要は、本発明に必須となる特徴を列挙したものではなく、これら複数の特徴のサブコンビネーションも発明となり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は多くの異なる形態で実施可能である。従って、本実施形態の記載内容のみで本発明を解釈すべきではない。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。
【0019】
本実施の形態では、主に装置について説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明はシステム、方法、及び、コンピュータを動作させるためのプログラムとしても実施できる。また、本発明はハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェア及びソフトウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、光記憶装置、または、磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる。
【0020】
(本発明の第1の実施形態)
(1.構成と機能)
(1−1 入力装置のハードウェア構成)
図1は、本実施形態に係る入力装置のハードウェアの構成図である。入力装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、フラッシュメモリ(Flash memory)104、外部記憶装置であるHD(Hard disk)105、LAN(Local Area Network)カード106、マウス107、キーボード108、ビデオカード109、このビデオカード109と電気的に接続する表示装置であるディスプレイ109a、サウンドカード110、このサウンドカード110と電気的に接続する音出力装置であるスピーカ110a及びフレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等の記憶媒体を読み書きするドライブ111からなる。
なお、上記ハードウェア構成はあくまで一例を示したものであり、構成要素の変更をすることができるのは当然である。
【0021】
(1−2 入力装置のモジュール構成と機能)
図2は、本実施形態に係る入力装置のモジュール構成図である。入力装置1は、第1の入力手段としての一般価格設定処理部210と、割引率算出処理部220と、第2の入力手段としての特別価格設定処理部230と、第1の表示手段及び第2の表示手段に表示する表示情報を制御する表示制御部240とを備える。
【0022】
一般価格設定処理部210は、予め設定された価格帯の範囲内で価格の設定をする処理を行う。
特別価格設定処理部230は、予め設定された価格帯の範囲外で価格の設定をする処理を行う。予め設定された価格帯とは、下限値が商品の販売利益が出る最小限の価格で、上限値が定価である範囲の価格帯である。
【0023】
なお、価格帯は操作者が任意に設定できる範囲であり、上限値と下限値は上記設定に限定されない。例えば、商品を販売する店によっては下限値を原価としてもよいし、任意の値に設定してもよい。
また、上限値と下限値を割合で設定するようにしてもよい。例えば、下限値を定価の3割引の値というような設定にしてもよい。
【0024】
割引加減演算処理部220は、一般価格設定処理部210及び特別価格設定処理部230で設定された価格が、その基準となる価格からどれくらい割引されたかを演算する処理を行う。基準となる価格とは、予め設定された価格帯の上限値であり、前述の通り操作者が任意に設定することができる。
【0025】
表示制御部240は、一般価格設定処理部210及び特別価格設定処理部230が設定した価格並びに割引加減演算処理部220が算出した割引加減の情報を表示手段202に表示制御する処理を行う。
なお、割引加減演算処理部220は必須の構成要素ではなく、構成要素から省いてもよい。
【0026】
(2.動作)
図3は、本実施形態に係る入力装置の動作を示すフローチャートである。まず、一般価格設定処理部210が第1の入力部からの一般価格の入力を受け付け、表示する(ステップS301)。一般価格とは、予め設定された価格帯の範囲内の価格のことである。表示された一般価格の定価(または、価格帯の上限値)に対する割引加減を割引加減演算処理部220が算出し、その割引加減を図表として表示する(ステップS302)。図表による表示は、グラフや表による表示であり、視覚的に割引加減が一見して確認できるように表示する。入力する価格が価格帯の範囲内かどうかを判定し(ステップS303)、価格帯の範囲内であればそのまま価格を決定して(ステップS308)処理を終了する。入力する価格が価格帯の範囲外であれば表示領域を第2の入力部に変更する(ステップS304)。特別価格設定処理部230が第2の入力部からの特別価格の入力を受け付け、表示する(ステップS305)。特別価格とは、予め設定された価格帯の範囲外の価格のことである。表示された特別価格の原価(または、価格帯の下限値)に対する割引加減を割引加減演算処理部220が算出し、その割引加減を図表として表示する(ステップS306)。表示された特別価格で決定するかどうかを判定し(ステップS307)、決定しない場合は、ステップS305に戻って再び特別価格の入力を行う。決定する場合は、価格を決定し(ステップS308)、処理を終了する。
【0027】
なお、ステップS302及びステップS306の割引加減を算出して表示する処理は必須の処理ではなく、省略するようにしてもよい。
また、ステップS302の処理のみを行ってステップS306の処理を省略してもよいし、ステップS306の処理のみを行ってステップS302の処理を省略してもよいし、双方の処理を行うようにしてもよい。
【0028】
さらに、価格の入力方法は、キーボードにより値を直接入力してもよいし、マウスによりスライダーバーをスライドさせたり、プルダウンメニューから価格を選択して入力するようにしてもよい。特にスライダーバーの場合は、割引加減を可変調整して価格を入力することができるため、効率的に作業を行うことができる。
【0029】
ここで、上記入力装置の動作をさらに具体的に説明する。図4は、本実施形態に係る入力装置の動作を具体的に示した図である。図4(a)は、割引加減を図表として表示しない場合であり、図4(b)は、一般価格のみ割引加減を図表として表示した場合であり、図4(c)は、一般価格及び特別価格について割引加減を図表として表示した場合を示す。ここでは、白菜とキャベツの値段を設定したとする。白菜の価格帯を50円〜100円(定価100円)に設定し、キャベツの価格帯を70円〜120円(定価120円)に設定してそれぞれの販売価格の決定を行う。仮に特売日ということで、白菜を48円、キャベツを75円に設定する。
【0030】
図4(a)の場合、第1の入力部410に入力できる価格は白菜の場合50円〜150円であるため、それ以下の48円を入力する際には、第2の入力部411に入力領域を変更する必要がある。この第2の入力部411に入力領域を変更するという1つの動作が入ることで、第2の入力部411に入力する際に注意が喚起され、入力ミスを防止する効果を奏する。キャベツの場合には、75円が価格帯の範囲内であるため、第1の入力部412に入力することができ、入力領域を変更する必要はない。また、第1の入力部412には価格帯の範囲内の値しか入力できないようにすることで、桁違い等の大きな入力ミスを防止することができる。
【0031】
図4(b)の場合、第1の入力部420、422がスライダーバーにより入力する構成となっており、マウスでの入力が可能となっている。図4(a)の場合と同様に第1の入力部420には50円〜150円の範囲の価格を入力することができ、第1の入力部422には70円〜120円の範囲の価格を入力することができる。白菜の場合、48円を入力する際には、まず、第1の入力部420のスライダーバーを最低価格(右端位置)に移動させる。そうすることで、第2の入力部421がアクティブとなりカーソルが移動する。第2の入力部421では、キーボードにより48円の入力を行うことができる。ここでも、入力領域を変更する際にスライダーバーを移動させるという1つの動作が入ることで、第2の入力部421に入力する際に注意が喚起され、入力ミスを防止する効果を奏する。キャベツの場合には、75円が価格帯の範囲内であるため、第1の入力部422に入力することができ、入力領域を変更する必要はない。また、価格帯の上限値に対する入力した価格の割合を視覚的に確認しながら入力することができるため、入力動作を効率的に行うことができる。
【0032】
図4(c)の場合、全ての入力部430、431、432、433がスライダーバーにより入力する構成となっている。図4(b)の場合と同様に第1の入力部430には50円〜150円の範囲の価格を入力することができ、第1の入力部432には70円〜120円の範囲の価格を入力することができる。白菜の場合、48円を入力する際には、まず、第1の入力部430のスライダーバーを最低価格(右端位置)に移動させる。そうすることで、第2の入力部431のスライダーバーがアクティブとなる。そして、第2の入力部431でも同様に、マウスでスライダーバーを移動させて48円の入力を行うことができる。ここでも、入力領域を変更する際にスライダーバーを移動させるという1つの動作が入ることで、第2の入力部431に入力する際に注意が喚起され、入力ミスを防止する効果を奏する。キャベツの場合には、75円が価格帯の範囲内であるため、第1の入力部432に入力することができ、入力領域を変更する必要はない。また、価格帯の上限値に対する入力した価格の割合を視覚的に確認しながら入力することができるため、入力動作を効率的に行うことができる。
なお、上記スライダーバーによる入力の際には、マウスでスライダーバーを移動させて入力を行うようにしたが、キーボードにより数値入力を行うようにしてもよい。
【0033】
上記図4(b)、図4(c)におけるスライダーバーによる価格の入力は1円単位で行うようにしてもよいし、所定の割合または所定の金額で行うようにしてもよい。例えば、予めステップ数を5と設定し、ステップごとに割引加減を増やしていく。定価298円の場合、278円(ステップ1)→268円(ステップ2)→250円(ステップ3)→198円(ステップ4)→147円(ステップ5=下限値)のようにスライダーバーを移動させる。1円単位の設定を行いたい場合は、キーボードにより価格を入力し、その価格に応じた位置にスライダーバーを移動させる。
なお、上記のように所定のステップが予め設定されている場合においては、スライダーバーを使用せずに、プルダウンメニューにより価格を選択するようにしてもよい。
【0034】
このように、実施形態に係る入力装置によれば、商品毎に予め設定された価格帯の範囲内で価格を表示して入力を受け付ける第1の入力手段と、第1の入力手段にて入力ができない場合に、第1の入力手段と同一画面上に価格帯の範囲外で価格を表示して入力を受け付ける第2の入力手段とを備えるため、特別なアラーム処理等を行わなくても価格の入力を価格帯の範囲内に制限することができると共に、価格帯の範囲を超えて入力を行う場合は、別の入力手段にて価格の入力を行うことができる。
【0035】
また、価格帯の範囲外の入力を行う場合は、第1の入力手段から第2の入力手段に移行する動作が入ることで、注意が喚起され、第2の入力手段での入力ミスを減少させる
さらに、入力された価格が価格帯の上限値または下限値に対してどれくらいの割合であるかを視覚的に確認することができ、操作者が一見して割引率を把握することができる。
【0036】
さらにまた、操作者が視覚的に割引率を把握することができることで、桁間違い等による極端な入力ミスを確実に防止することができる。
さらにまた、割合を可変調整して価格の入力を行うため、割合に応じて視覚的に価格の入力を行うことができ、作業の効率を上げることができる。
さらにまた、スライダーバーによる割合の可変調整を所定のステップ数で段階的に行うため、視覚的に価格の入力を行うことができると共に、操作性が向上し、処理効率を上げることができる。
【0037】
(その他の実施形態)
(1.一括入力)
本発明に係る入力装置は、価格の入力を一括で行うことができる。図5は、価格の入力を一括で行う様子を示す図である。操作者は、一括で入力を行う商品を一覧の中から選択し、選択領域510のチェックを入れる。ここでは、レタスとトマト以外が選択されたとする。そして、マスタ入力部500のスライダーバーを可変調整すると、それに伴って選択領域510でチェックした商品の価格が入力される。ここでは、マスタ入力部500の入力値をステップ4にしている。レタスとトマト以外の商品についてもステップ4の価格で入力されて表示される。
【0038】
なお、選択領域510は設けても設けなくてもよい。予め一括入力を行うグループを登録してもよいし、商品の種別ごとに一括入力できるようにしてもよい。
このように、実施形態に係る入力装置によれば、複数のスライダーバーによる割合の可変調整を一括で行うためのマスタ調整手段を備え、マスタ調整手段による可変調整に応じて、マスタ調整手段に関連付けられたスライダーバーが割合を調整して価格の入力を行うため、複数の商品に対する価格の入力を一括で行うことができ、作業効率を格段に上げることができる。
【0039】
(2.グラフ表示)
本発明に係る入力装置は、価格の割引加減を示すために図表として表示する。図表の1つの形態が上記で説明したスライダーバーであるが、その他にグラフや色の濃淡を利用することもできる。図6は、割引加減を表示するその他の例を示した図である。図6(a)は入力部の下にグラフが表示されている。グラフは2つの領域に分かれており、それぞれの領域で矢印の色が異なる。左の領域には、第1の入力部に入力した価格の割引加減が示され、右の領域には、第2の入力部に入力した価格の割引加減が示される。このように、視覚的に表示されることで、操作者は一見して価格の割引加減を確認することができると共に、商品ごとに割引加減を相対的に確認することができ、割引加減の偏りや極端な割引加減が設定された商品を瞬時に認識することができる。
【0040】
なお、このようにグラフの表示を行う場合は、スライダーバーは備える必要はなく、グラフの矢印で価格の入力が行える構成としてもよい。また、キーボードにより直接価格を入力できるようにしてもよい。
【0041】
図6(b)は、割引加減が入力部の背景に示されている。入力した価格の割合が高い程色が濃く表示されている。この場合も、視覚的に表示されることで、操作者は一見して価格の割引加減がを確認することができると共に、商品ごとに割引加減を相対的に確認することができ、割引加減の偏りや極端な割引加減が設定された商品を瞬時に認識することができる。
【0042】
なお、この場合も、スライダーバーは備える必要はなく、背景の色の境目を変更させて価格の入力が行える構成としてもよい。また、キーボードにより直接価格を入力できるようにしてもよい。
また、図表ではなく、数値で割合を表示するようにしてもよい。
【0043】
(3.レイアウト表示)
割引加減を視覚的に表示させる応用の一例について説明する。図7は、割引加減を視覚的に表示させた場合の応用の一例を示す図である。図7は店全体のレイアウトを示しており、コーナーごとに色の濃淡が異なる。これは、濃淡が割引加減を示しており、色が濃いほど割引率が大きくなっている。この日は、特売品コーナーの色が最も濃いため、割引加減が大きく(例えば、割引率4割)、野菜と飲料はその次に割引加減が大きく(例えば、割引率3割)、肉と魚は割引加減が小さい(例えば、割引率0.5割)。惣菜は時間帯により割引加減が異なる。弊店間際になると賞味期限の関係から半額での販売もあるため時間帯に応じて濃淡が変化する。お菓子、調味料、及び、加工品は割引がなく定価での販売である。
【0044】
店側は、このレイアウト図から翌日は何を安売りするかを決めたり、お客の流れと割引加減を連動させたりして店の売り上げの増加に貢献できるツールとして利用することができる。一方お客側にもこのレイアウト図を示すことで、どの部分が割引加減が大きいかを確認しながらその日に買う商品を選別することができる。
【0045】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そして、かような変更又は改良を加えた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。このことは、特許請求の範囲及び課題を解決する手段からも明らかなことである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】第1の実施形態に係る入力装置のハードウェアの構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る入力装置のモジュール構成図である。
【図3】第1の実施形態に係る入力装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施形態に係る入力装置の動作を具体的に示した図である。
【図5】価格の入力を一括で行う様子を示す図である。
【図6】割引加減を表示するその他の例を示した図である。
【図7】割引加減を視覚的に表示させた場合の応用の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1 入力装置
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 フラッシュメモリ
105 HD
106 LANカード
107 マウス
108 キーボード
109 ビデオカード
109a ディスプレイ
110 サウンドカード
110a スピーカ
111 ドライブ
201 入力データ
202 表示手段
210 一般価格設定処理部
220 割引加減演算処理部
230 特別価格設定処理部
240 表示制御部
500 マスタ入力部
510 選択領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品毎に価格を入力する入力装置において、
前記商品毎に予め設定された価格帯の範囲内で価格を表示して入力を受け付ける第1の入力手段と、
前記第1の入力手段にて入力ができない前記価格帯以外の場合に、前記第1の入力手段と同一画面上に前記価格帯の範囲外で価格を表示して入力を受け付ける第2の入力手段とを備えることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力装置において、
前記第1の入力手段に隣接し、当該第1の入力手段にて入力される第1入力価格の商品の定価及び/又は原価に対する当該第1入力価格の割合を図表として表示する第1の表示手段を備えることを特徴とする入力装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の入力装置において、
前記第2の入力手段に隣接し、当該第2の入力手段にて入力される第2入力価格の商品の原価及び/又は当該商品における価格帯の最低価格に対する当該第2入力価格の割合を図表として表示する第2の表示手段を備えることを特徴とする入力装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の入力装置において、
前記割合を示す第1及び/又は第2の表示手段に図表として表示される割合を可変調整して価格の入力を行うことを特徴とする入力装置。
【請求項5】
請求項4に記載の入力装置において、
前記割合を示す第1及び/又は第2の表示手段にスライダーバーが備えられており、
当該スライダーバーによる割合の可変調整を所定のステップ数で段階的に行うことを特徴とする入力装置。
【請求項6】
請求項5に記載の入力装置において、
複数のスライダーバーによる割合の可変調整を各商品ごとに一括で行うためのマスタ調整手段を備え、
前記マスタ調整手段による可変調整に応じて、当該マスタ調整手段に関連付けられた各商品のスライダーバーで割合を調整して価格の入力が行われることを特徴とする入力装置。
【請求項7】
商品毎に入力された価格を入力情報として受信し、当該受信した入力情報を商品の価格として設定するようにコンピュータを実行させるための入力プログラムにおいて、
前記商品毎に予め設定された価格帯の範囲内で価格を表示して入力された入力情報を受け付ける第1の入力手順と、
前記第1の入力手順にて入力される第1入力価格の商品の定価及び/又は原価に対する当該第1入力価格の割合を図表として表示し、当該図表として表示された割合を可変調整して価格を決定する第1の価格決定手順と、
前記第1の入力手順にて入力ができない場合に、前記第1の入力手順にて入力された入力領域と同一画面上に前記価格帯の範囲外で価格を表示して入力された入力情報を受け付ける第2の入力手順とをコンピュータに実行させるための入力プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載の入力プログラムにおいて、
第2の入力手順にて入力される第2入力価格の商品の原価及び/又は当該商品における価格帯の最低価格に対する当該第2入力価格の割合を図表として表示し、当該図表として表示された割合を可変調整して価格を決定する第2の価格決定手順をコンピュータに実行させるための入力プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−129241(P2009−129241A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−304375(P2007−304375)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】