入力装置及びその入力装置を備えた入力制御装置
【課題】 ポインタを容易に大きく動かすことを可能とする入力装置を提供することを目的とする。
【解決手段】平面状の入力面2bと、入力面2bに接触した物体Aの移動を検出する検出部2cと、を有する入力部2を備えた入力装置1において、入力部2は、入力装置本体4に入力装置本体4に対して入力面2bに沿った方向に移動可能に設けられ、入力装置本体4に、入力装置本体4に対する入力部2の移動を検出する入力部移動検出部を設けた。
【解決手段】平面状の入力面2bと、入力面2bに接触した物体Aの移動を検出する検出部2cと、を有する入力部2を備えた入力装置1において、入力部2は、入力装置本体4に入力装置本体4に対して入力面2bに沿った方向に移動可能に設けられ、入力装置本体4に、入力装置本体4に対する入力部2の移動を検出する入力部移動検出部を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置及びその入力装置を備えた入力制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ノートパソコンにおける入力装置として、所謂タッチパッドがある。このタッチパッドは、平面状の入力面を有している。そして、入力面の下側には、この入力面に入力された操作を検出する検出部を有している。タッチパッドは、入力面に指を接触させ、入力面上において指を滑らせることにより、ノートパソコンの画面に表示されているポインタを移動させるものである。
【0003】
タッチパッドの検出部は、静電容量センサを備えており、入力面において指を滑らせた際に変化する静電容量を検出するようになっている。そして、この検出された静電容量の変化に基づき、入力面に触れられた指の動きを検出し、ポインタの動きに反映させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−226100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のような入力装置は、ポインタを大きく移動させる場合、タッチパッドの入力面上を何度も指を滑らせる必要があり、操作性に問題があった。また、ポインタを大きく移動させるためにタッチパッドの入力面を広くすることも考えられるが、そうすると指の移動量も大きくなり、操作者の負担が増大する。また、このような場合、装置が大型化するという問題もある。
【0006】
そこで、本発明はこのような従来の問題に鑑み、ポインタを容易に大きく動かすことを可能とする入力装置及びその入力装置を備えた入力制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、所期の目的を達成するための本発明にかかる入力装置は、平面状の入力面と、該入力面に接触した物体の移動を検出する検出部と、を有する入力部を備えた入力装置において、前記入力部は、入力装置本体に該入力装置本体に対して前記入力面に沿った方向に移動可能に設けられ、前記入力装置本体に、該入力装置本体に対する前記入力部の移動を検出する入力部移動検出部を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の入力装置は、上記構成に加えて、前記入力部に、該入力部の底面から突出するように歪み伝達部材を設け、該歪み伝達部材の突出方向先端部を前記入力装置本体に対して固定し、前記入力部移動検出部に、前記入力部を前記入力装置本体に対して移動させた際に発生する前記歪み伝達部材の歪みを検出する歪みセンサを設けたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の入力装置は、上記構成に加えて、前記入力部に、該入力部の底面から突出するように歪み伝達部材を設け、該歪み伝達部材の突出方向先端部を前記入力装置本体に備えられた弾性板に固定し、前記入力部移動検出部に、前記入力部を前記入力装置本体に対して移動させた際に発生する前記弾性板の歪みを検出する歪みセンサを設けたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の入力装置は、上記構成に加えて、前記入力部を前記入力装置本体に対して前記入力面に沿った方向にスライド可能に前記入力装置本体に配設し、前記入力部移動検出部には、前記入力部のスライド方向に前記入力部がスライド移動した際に起動するスイッチを設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の入力制御装置は、上記構成に加えて、上記入力装置と、表示装置の画面にアイコンを表示させるとともに、該アイコンを表示させた位置であるアイコン位置を保持するアイコン表示制御手段と、ポインタ表示位置が与えられた際には、前記表示装置の画面の前記ポインタ表示位置にポインタを表示させるとともに前記ポインタ表示位置をポインタ基準位置として保持し、前記入力装置から前記検出部において検出された物体の移動に基づく操作信号が入力された際には、該操作信号と保持しているポインタ基準位置とに基づきポインタ表示位置を算出し、該ポインタ表示位置にポインタを移動表示するとともに前記ポインタ表示位置をポインタ基準位置として保持するポインタ表示制御手段と、前記入力部移動検出部によって検出された前記入力部の移動に対応するポインタの移動方向が前記入力装置から入力された際に、前記ポインタ基準位置から前記入力されたポインタの移動方向にポインタを移動させた場合に最初に交差するアイコンを判別し、該アイコンのアイコン位置の近傍の位置を前記ポインタ表示制御手段にポインタ表示位置として出力するアイコン判別手段と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の入力制御装置は、上記構成に加えて、前記アイコン判別手段は、前記移動先アイコンが存在しない場合は、前記表示装置の表示画面において、前記ポインタ基準位置から前記入力されたポインタの移動方向にポインタを移動させた際に突き当たる画面端近傍にポインタを移動させて表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、平面状の入力面と入力面に接触した物体の移動を検出する検出部とを有する入力部が、入力装置本体に対して入力面に沿った方向に移動可能に設けられ、その移動を検出する入力部移動検出部を備えているので、入力部における通常の操作と、さらに入力部を入力面に沿った方向に移動させる操作が可能であり、これらの操作を組み合わせることにより、ポインタの細かい操作と大きな操作が両方可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1の入力装置を模式的に示す側面図である。
【図2】図2は、同上の入力装置を模式的に示す側面図である。
【図3】図3は、同上の入力装置を示す平面図である。
【図4】図4は、同上の入力装置の要部を示す斜視図である。
【図5】図5は、同上の入力装置の要部を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2の入力装置を示す平面図である。
【図7】図7は、同上の入力装置を示す平面図である。
【図8】図8は、同上の入力装置を示す側面図である。
【図9】図9は、同上の入力装置の動作状態を示す平面図である。
【図10】図10は、同上の入力装置の動作状態を示す平面図である。
【図11】図11は、同上の入力装置を備えた入力制御装置を示すブロック図である。
【図12】図12は、同上の入力制御装置によって表示されるポインタの動作を説明するための説明図である。
【図13】図13は、同上の入力制御装置によって表示されるポインタの動作を説明するための説明図である。
【図14】図14は、同上の入力制御装置の入力装置を示す平面図である。
【図15】図15は、同上の入力制御装置によって表示されるポインタの動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明にかかる入力装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1〜図5は、実施の形態1にかかる入力装置を示している。本実施の形態における入力装置1は、所謂、パッド型のポインティングデバイスであり、ノートパソコン等の携帯型情報機器に設置されるものである。即ち、この入力装置1によって画面上のポインタを操作するものである。入力装置1は、入力部2と入力部移動検出部と入力装置本体4とを有している。入力装置本体4は、入力部2を支持するものであり、入力装置1の外殻を構成する。
【0017】
入力部2は、反力発生部材2aと、平面状の入力面2bと、この入力面2bに接触した物体Aの移動を検出する検出部2cとを備えている。入力部2は、入力装置本体4に対して入力面2bに沿った方向に移動可能に入力装置本体4に設けられている。入力部2は、略板状に形成されている。入力部2は、入力面2bに指を接触させて滑らせることによって入力を行うものである。本実施の形態1においては、入力部2は、所謂静電容量方式のものを使用している。
【0018】
検出部2cは、略板状に形成されている。検出部2cは、所謂静電容量式のタッチセンサであり、内部には、図示せぬ複数の電極が入力面2bに沿って配設され、複数のコンデンサを形成している。検出部2cは、入力面2bに指等の導電性の物体Aが接触した際に変化するコンデンサの容量から物体Aの入力面2bにおける位置、移動量、移動速さ、移動方向等を検出する。
【0019】
反力発生部材2aは、図1及び図2に示すように、検出部2cの上面に、検出部2cを覆うように配設されている。反力発生部材2aは、操作者の操作に対して反力を発生させ、操作感を得させしめるためのものである。反力発生部材2aは、本実施の形態1においては、ゴムシートから構成されている。また、この反力発生部材2aの上面が、入力面2bとなっている。
【0020】
入力部2の入力面2bとは反対側(底面側)には、歪み伝達部材11が配設されている。歪み伝達部材11は柱状に形成され、入力部2の底面から突出するように形成されている。歪み伝達部材11は、図4に示すように、入力部2の底面の中央部と四隅に配設されている。歪み伝達部材11の突出方向先端部には、弾性板3が固定されている。
【0021】
弾性板3は、板状に形成され、その板状面が入力面2bに沿うように配設されている。弾性板3は、図1に示すように、支持部材4aに四隅を支持させて、弾性変形可能に入力装置本体4に固定されている。弾性板3は、入力部2が入力面2bに沿った方向に移動した際に歪み伝達部材11を介して歪むようになっている。弾性板3は、図4に示すように、歪み伝達部材11が弾性板3の四隅部及び中央部に配設された状態となるように入力装置本体4に設置されている。
【0022】
弾性板3には、歪みセンサを構成する歪み検出素子12が複数設置されている。即ち、歪みセンサが複数設置されている。歪み検出素子12は、測定対象に設置され、測定対象とともに歪む。歪み検出素子12が歪むと歪み検出素子12の電気抵抗が変化する。歪み検出素子12は、電気抵抗の変化を検出する図示せぬ電子回路に接続されている。この電気抵抗の変化を歪みとして検出するものが歪みセンサである。
【0023】
歪み検出素子12は、図4に示すように、弾性板3の略中央に配設された歪み伝達部材11の周りに略等間隔に前後左右に配設されている。尚、図5に示すように、歪み伝達部材11を入力部2の4辺の中央部に配設し、弾性板3の入力部2と対向する面において、歪み伝達部材11の根本付近から中央に向けて歪み検出素子12を配設してもよい。歪み検出素子12は、少なくとも2方向に配設されていれば、歪みから、物体Aの押圧方向を検出することができる。
【0024】
歪みセンサは、歪み検出素子12と歪み検出素子12の抵抗の変化を検出する図示せぬ電子回路とから構成されている。本実施の形態1における入力部移動検出部は、この歪みセンサから構成されている。
【0025】
入力部2及び入力部移動検出部は、図示せぬ信号処理部と接続されている。入力部2及び入力部移動検出部において発生した信号は、信号処理部に送られる。即ち、歪みセンサによって検出された歪み信号と、検出部2cにおいて検出された物体Aの位置、移動量、移動速さ、移動方向等の信号とが信号処理部に送られる。この信号処理部において、複数の歪みセンサからの信号を合わせて、入力面2bがどの方向にどのくらいの大きさで押されたか算出する。信号処理部において、入力部2及び入力部移動検出部の信号が処理され、操作信号として外部に発信される。操作信号としては、ポインタの移動方向と速度とを出力する。
【0026】
信号処理部は、入力部2の信号を基にポインタの移動方向と速度を算出し操作信号として出力するモードと、入力部2と入力部移動検出部の両信号をもとにポインタの移動方向と速度を算出し操作信号として出力するモードと、入力部移動検出部の信号をもとにポインタの移動方向と速度とを算出し操作信号として出力するモードと、の少なくとも3つのモードを設定することができる。
【0027】
入力部2は、操作者が入力面2bを所定の方向に押圧した際には、例えば、図1から図2に示す状態に、微小ではあるが入力面2bに沿った方向に移動する。従って、歪み伝達部材11もその方向に歪む。更に、その歪みが弾性板3に伝達される。この弾性板3の歪みを歪み検出素子12で検出する。
【0028】
上述のように構成される入力装置1は、ノートパソコンの本体やキーボードに固定される。また、入力装置1の信号処理部は、情報機器の制御部と接続される。入力装置1は、操作者が指などの物体Aを入力面2bに接触させて操作を行うものである。入力部2は、通常のタッチパッドと同様に、物体Aを接触させ、入力面2b上を滑らせることにより、入力を行うことができる。また、入力部2の入力面2bを任意の方向に押圧することによる入力を行うことができる。従って、この入力装置1は、1つの入力装置によって2つの異なる信号を発生させることができる。入力部2と入力部移動検出部とから発生する2つの信号をもとに操作信号としてポインタの移動方向と移動速度とを出力することができるので、従来のタッチパッドと比較して、特に移動速度において多彩な操作信号として出力することができる。
【0029】
例えば、入力部2と入力部移動検出部の信号をもとにポインタの移動方向と速度を算出し操作信号として出力するモードの場合、入力面2bを押圧しながら滑らせた際には、ポインタを速く移動させる出力をし、入力面2bを滑らせるだけの操作の場合は、ポインタを遅く移動させる出力をするということができる。このようにすることにより、入力面2b上において指を何度も滑らせる操作をしなくとも、画面上のポインタを大きく動かすことができる。従って、操作性を向上させることができる。このような場合、入力面2bが大きくなくとも、十分な入力を行うことができるので、入力装置1を小型化することができる。また、入力面2bを入力面2bと垂直に押圧した際には、別の操作信号を発信することもできる。
【0030】
尚、本実施の形態1においては、弾性板3に歪み検出素子12を設置し、弾性板3の歪みを歪み検出素子12によって検出するようにしているが、歪み伝達部材11に歪み検出素子12を設置して歪み伝達部材11の歪みを検出するようにしてもよい。また、本実施の形態1においては、歪み伝達部材11が複数設けられているが、1つでもよい。本実施の形態1においては、歪み検出素子12は、4箇所設置されているが、歪み検出素子12は、最低2箇所互いに異なる向きに設置されていればよい。本実施の形態1においては、弾性板3は、矩形状に形成されているが、歪み伝達部材11を中心に少なくとも2方向に延在する部分があれば、どのような形状でもよい。
【0031】
尚、本実施の形態1においては、歪みセンサは、電気抵抗の変化を検出する歪み検出素子12を使用しているが、測定対象に力が作用して測定対象が歪んだ際に、その歪みを検出し、どの方向にどのくらいの大きさの力が作用したのかを検出する種々のセンサを使用することができる。
【0032】
本実施の形態1においては、入力部2は、静電容量式であるが、操作者の指等である物体Aを入力面2bに接触させて操作を行った際に、物体Aの入力面2bにおける位置、移動量、移動速さ、移動方向等を検出する接触型の入力部であればよい。尚、本実施の形態1における入力部2は、反力発生部材2aを備えているが、反力発生部材2aがなくともよい。即ち、検出部2cの上面を入力面2bとしてよい。
【0033】
また、本実施の形態1においては、操作信号としてポインタの移動方向と移動速度とを出力しているが、ポインタの移動距離も出力するようにしてもよい。即ち、一定時間内に物体Aが入力面上を移動した距離に基づいてポインタの移動距離を算出し、操作信号として出力するようにしてもよい。操作信号として、ポインタを移動させるために必要な情報を出力すればよい。
【0034】
(実施の形態2)
図6〜図10は、実施の形態2にかかる入力装置を示している。本実施の形態における入力装置21は、所謂、パッド型のポインティングデバイスであり、ノートパソコン等の携帯型情報機器に設置されるものである。即ち、この入力装置21によって画面上のポインタを操作するものである。入力装置21は、入力部22と入力部移動検出部41と入力装置本体24とを有している。入力装置本体24は、入力部22を支持するものである。入力装置本体24は、略板状に形成されている。
【0035】
入力部22は、平面状の入力面22bと、この入力面22bに接触した物体Aの移動を検出する検出部22aとを備えている。入力部22は、入力装置本体24に対して入力面22bに沿った方向に移動可能に入力装置本体24に設けられている。入力部22は、略板状に形成されている。入力部22は、入力面22bに指を接触させて滑らせることによって入力を行うものである。本実施の形態2においては、入力部22は、所謂静電容量方式のものを使用している。
【0036】
検出部22aは、略板状に形成されている。検出部22aは、所謂静電容量式のタッチセンサであり、内部には、図示せぬ複数の電極が入力面22bに沿って配設され、複数のコンデンサを形成している。検出部22aは、入力面22bに指等の導電性の物体Aが接触した際に変化するコンデンサの容量から物体Aの入力面22bにおける位置、移動量、移動速さ、移動方向等を検出する。検出部22aの上面が、入力面22bとなっている。
【0037】
入力部22の入力面22bとは反対側(底面側)には、スライド機構25が配設されている。入力部22は、図8に示すように、スライド機構25を介して入力装置本体24と対向するように設置されている。
【0038】
スライド機構25は、相互にスライド移動可能に組み合わされた一対の部材を有しており、一方の部材を検出部22aに固定し、他方の部材を入力装置本体24に固定することにより、入力部22を入力装置本体24に対してスライド移動可能に配設しているものである。スライド機構25は、バネ等を使用した既存の構造のものでよい。
【0039】
入力部22は、スライド機構25によって、入力面22bに沿った方向であって、中心から8方向にスライド移動可能に配設されている。入力装置本体24には、図7に示すように、スライド機構25の周囲であって入力部22がスライド移動可能な方向にそれぞれスイッチ23が配設されている。本実施の形態2における入力部移動検出部41は、このスイッチ23によって構成されている。
【0040】
スイッチ23は、クリック感のあるプッシュ式のスイッチである。本実施の形態2においては、所謂メタルドーム式のタクタイルスイッチを使用している。スイッチ23は、スイッチ部を押圧することにより、スイッチがONされるものである。スイッチ23は、スイッチ部が、スライド機構25の側面と対向するように配設されている。即ち、スライド機構25の入力部2に固定されている部分は、略円筒形状に形成されており、入力部22をスライド移動させた際には、スライド機構25の円筒形の側面がスイッチ23に当接することにより、スイッチ23のスイッチが入る、即ちスイッチが起動される。
【0041】
入力部22及び入力部移動検出部41は、信号処理部42と接続されている。入力部22及び入力部移動検出部41において発生した信号は、信号処理部42に送られる。入力部22からは、物体Aの入力面2bにおける位置、移動量、移動速さ、移動方向等の信号が信号処理部42に送られる。入力部移動検出部41からは、各スイッチ23の起動信号が送られてくる。そして、信号処理部42において、入力部22及び入力部移動検出部41の信号が処理され操作信号として外部に発信される。操作信号としては、ポインタの移動方向と速度とを出力する。また、入力移動検出部41から送られてきたスイッチ23の起動信号は、入力されたスイッチ23の位置に対応するポインタの移動方向として出力される。入力装置21は、この信号処理部42を介して、入力装置21が設置される情報機器の制御部と接続される。
【0042】
信号処理部42は、入力部22の信号を基にポインタの移動方向と速度を算出し操作信号として出力するモードと、入力部22と入力部移動検出部41の信号をもとにポインタの移動方向と速度を算出し操作信号として出力するモードと、入力部移動検出部41の信号をもとにポインタの移動方向と速度を設定し操作信号として出力するモードと、の少なくとも3つのモードを設定することができる。
【0043】
上述のように構成される入力装置21は、ノートパソコンの本体やキーボードに固定される。また、入力装置21の信号処理部42は、情報機器の制御部と接続される。入力装置21は、操作者が指などの物体Aを入力面22bに接触させて操作を行うものである。入力部22は、通常のタッチパッドと同様に、物体Aを接触させ、入力面22b上を滑らせることにより、入力を行うことができる。また、図9及び図10に示すように、入力部22を入力面22bに沿ってスライド移動させることにより、入力を行うことができる。入力部22をスライド移動させた際には、クリック感が生じ、操作者に操作したことが感じられるようになっている。このように、入力装置21は、1つの入力装置によって2つの異なる操作信号を発生させることができる。
【0044】
例えば、入力部22をスライド移動させた際の操作信号として発信するカーソルの移動速度を入力面22bのタッチ操作時に発信するカーソルの移動速度より大きくすることにより、入力面22b上を物体Aを滑らせることによる操作時は、カーソルを細かく動かすことができ、入力部22をスライドさせた際には、カーソルを大きく動かすことができる。従って、操作性を向上させることができる。特に、スイッチ23が押されてON状態となった際には、その方向の画面上におけるオブジェクトにカーソルが移動するとよい。このようにすることにより、更に操作性を向上させることができる。また、カーソルを大きく移動させる際には、入力部22をスライド移動させればよいので、入力面22bが大きい必要がなく、入力面22bを小さくすることができ、入力装置21を小型化することができる。
【0045】
尚、本実施の形態2においては、入力部22は、静電容量式であるが、操作者の指等である物体Aを入力面22bに接触させて操作を行った際に、物体Aの入力面22bにおける位置、移動量、移動速さ、移動方向等を検出する接触型の入力部であればよい。また、本実施の形態2においては、スイッチ23は、タクタイルスイッチであるが、入力部22を所定の方向にスライドした際に、入力されるスイッチであればよい。
【0046】
(実施の形態3)
ここで、上述の入力装置を使用した入力制御装置について説明する。この入力制御装置は、ノートパソコン等の情報処理機器に使用されるものである。入力装置としては、実施の形態1における入力装置1でも、実施の形態2における入力装置21でもよいが、本実施の形態3においては、入力装置21を使用した場合について説明する。
【0047】
入力制御装置51は、図11に示すように、入力装置21と、制御部52とを有している。制御部52は、ポインタ表示制御手段61と、アイコン表示制御手段62と、アイコン判別手段63と、を有している。
【0048】
ポインタ表示制御手段61は、予め設定されているポインタ32の初期位置(座標)を読み込んで、この初期位置をポインタ表示位置として、ポインタ32を表示装置71の画面上に表示させる。ポインタ32は、矢印の画像として表示される。ポインタ表示制御手段61は、ポインタ32の矢印の頂点がポインタ表示位置となるように表示する。ポインタ表示制御手段61は、ポインタ表示位置(座標)をポインタ基準位置(座標)として保持する。
【0049】
ポインタ表示制御手段61は、入力装置21の操作信号に基づいてポインタ32を表示装置71の画面31において移動表示させる。即ち、ポインタ表示制御手段61は、入力装置21から移動方向と移動速度が入力されると、保持しているポインタ基準位置と、入力された移動方向と移動速度と、からポインタ表示位置を算出し、ポインタ基準位置からポインタ表示位置までポインタを移動表示する。ポインタ表示位置は、ポインタ基準位置から、入力された移動方向に入力された移動速度で所定の単位時間移動した位置として算出する。ポインタ表示制御手段61は、ポインタを移動する毎に、ポインタ基準位置を最新のポインタ表示位置に更新する。
【0050】
このようにして、例えば、図14に示すように、ある軌跡Lを描くように入力面22b上を指で滑らせる操作を行うと、表示装置71の画面31においては、図15に示すように画面31の大きさに合わせて拡大した軌跡Lを描く。
【0051】
アイコン表示制御手段62は、予め設定されているアイコン33の位置(座標)を読み込んで、この位置がアイコン33の中心となるようにアイコン33を表示装置71の画面31上に表示させる。また、アイコン表示制御手段62は、読み込んだアイコン33の位置をアイコン位置として保持する。アイコン33の表示領域は、アイコン33の表示画像よりもやや大きめの略矩形状に形成されている。
【0052】
アイコン判別手段63は、入力装置21からジャンピング信号が入力された場合、後述する移動先アイコンの存在の有無を判別する。本実施の形態において、ジャンピング信号は、入力部移動検出部によって検出された入力部の移動に対応するポインタの移動方向の信号である。即ち、移動速度と移動方向とから構成されている操作信号において、速度がゼロの場合である。換言すれば、ポインタの移動方向のみが入力された場合である。
【0053】
アイコン判別手段63は、ジャンピング信号が入力された時点での、ポインタ基準位置と、アイコン位置とをポインタ表示制御手段61とアイコン表示制御手段62とから取得する。アイコン判別手段63は、ポインタ基準位置から入力されたポインタの移動方向に直線を延伸させた場合に、この直線とアイコン33の表示領域が交差するアイコン33があるかどうかを判別する。換言すると、ポインタ基準位置から、入力されたポインタの移動方向にポインタを移動させた場合に最初に交差するアイコン33があるかどうかを判別する。アイコン判別手段63は、そのようなアイコン33が複数ある場合は、そのアイコン33の中でも、最も手前のアイコン33を決定する。この決定されたアイコン33が移動先アイコンである。
【0054】
アイコン判別手段63は、判別結果として、移動先アイコンの位置(座標)の近傍の位置(座標)をポインタ表示位置としてポインタ表示制御手段61に出力する。その結果、ポインタ32は、ポインタ表示制御手段61によって、移動先アイコン近傍に表示される。また、アイコン判別手段63は、移動先アイコンが存在しない場合は、ポインタ基準位置から、入力されたポインタの移動方向に直線を延伸させて突き当たる画面31端近傍の座標をポインタ表示位置としてポインタ表示制御手段61に出力する。その結果、ポインタ32は、ポインタ表示制御手段61によって、画面31端近傍に表示される。
【0055】
例えば、ポインタ32が、表示装置71の画面31において図12に示す位置にあった場合に、図10に示すように、入力部22をスライド移動させる。そうすると、入力部22のスライド方向に配設されているスイッチ23が起動され、信号処理部42を介してジャンピング信号がアイコン判別手段63に入力される。その結果、アイコン判別手段63とポインタ表示制御手段61によって、ポインタ32が図13に示すように、アイコン33の近傍の位置に移動する。
【0056】
上述のように構成される表示制御装置51は、入力部22によって、通常のポインタの操作が可能であると同時に、図12に示すように、ポインタ32とアイコン33が大きく離れている場合において、入力部22を移動させることにより、スイッチ23を起動させて、入力部22の移動方向に対応する画面31上のポインタの移動方向に存在するアイコン33に素早くポインタを移動させることができる。このようにワンタッチでポインタ32をアイコン33上に移動させることができるので、操作性が向上される。
【符号の説明】
【0057】
A 物体
1 入力装置
2 入力部
2a 反力発生部材
2b 入力面
2c 検出部
3 弾性板
4a 支持部材
4 入力装置本体
11 歪み伝達部材
12 歪み検出素子
21 入力装置
22a 検出部
22 入力部
22b 入力面
23 スイッチ
24 入力装置本体
25 スライド機構
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置及びその入力装置を備えた入力制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、ノートパソコンにおける入力装置として、所謂タッチパッドがある。このタッチパッドは、平面状の入力面を有している。そして、入力面の下側には、この入力面に入力された操作を検出する検出部を有している。タッチパッドは、入力面に指を接触させ、入力面上において指を滑らせることにより、ノートパソコンの画面に表示されているポインタを移動させるものである。
【0003】
タッチパッドの検出部は、静電容量センサを備えており、入力面において指を滑らせた際に変化する静電容量を検出するようになっている。そして、この検出された静電容量の変化に基づき、入力面に触れられた指の動きを検出し、ポインタの動きに反映させるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−226100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述のような入力装置は、ポインタを大きく移動させる場合、タッチパッドの入力面上を何度も指を滑らせる必要があり、操作性に問題があった。また、ポインタを大きく移動させるためにタッチパッドの入力面を広くすることも考えられるが、そうすると指の移動量も大きくなり、操作者の負担が増大する。また、このような場合、装置が大型化するという問題もある。
【0006】
そこで、本発明はこのような従来の問題に鑑み、ポインタを容易に大きく動かすことを可能とする入力装置及びその入力装置を備えた入力制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、所期の目的を達成するための本発明にかかる入力装置は、平面状の入力面と、該入力面に接触した物体の移動を検出する検出部と、を有する入力部を備えた入力装置において、前記入力部は、入力装置本体に該入力装置本体に対して前記入力面に沿った方向に移動可能に設けられ、前記入力装置本体に、該入力装置本体に対する前記入力部の移動を検出する入力部移動検出部を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の入力装置は、上記構成に加えて、前記入力部に、該入力部の底面から突出するように歪み伝達部材を設け、該歪み伝達部材の突出方向先端部を前記入力装置本体に対して固定し、前記入力部移動検出部に、前記入力部を前記入力装置本体に対して移動させた際に発生する前記歪み伝達部材の歪みを検出する歪みセンサを設けたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の入力装置は、上記構成に加えて、前記入力部に、該入力部の底面から突出するように歪み伝達部材を設け、該歪み伝達部材の突出方向先端部を前記入力装置本体に備えられた弾性板に固定し、前記入力部移動検出部に、前記入力部を前記入力装置本体に対して移動させた際に発生する前記弾性板の歪みを検出する歪みセンサを設けたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の入力装置は、上記構成に加えて、前記入力部を前記入力装置本体に対して前記入力面に沿った方向にスライド可能に前記入力装置本体に配設し、前記入力部移動検出部には、前記入力部のスライド方向に前記入力部がスライド移動した際に起動するスイッチを設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明の入力制御装置は、上記構成に加えて、上記入力装置と、表示装置の画面にアイコンを表示させるとともに、該アイコンを表示させた位置であるアイコン位置を保持するアイコン表示制御手段と、ポインタ表示位置が与えられた際には、前記表示装置の画面の前記ポインタ表示位置にポインタを表示させるとともに前記ポインタ表示位置をポインタ基準位置として保持し、前記入力装置から前記検出部において検出された物体の移動に基づく操作信号が入力された際には、該操作信号と保持しているポインタ基準位置とに基づきポインタ表示位置を算出し、該ポインタ表示位置にポインタを移動表示するとともに前記ポインタ表示位置をポインタ基準位置として保持するポインタ表示制御手段と、前記入力部移動検出部によって検出された前記入力部の移動に対応するポインタの移動方向が前記入力装置から入力された際に、前記ポインタ基準位置から前記入力されたポインタの移動方向にポインタを移動させた場合に最初に交差するアイコンを判別し、該アイコンのアイコン位置の近傍の位置を前記ポインタ表示制御手段にポインタ表示位置として出力するアイコン判別手段と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の入力制御装置は、上記構成に加えて、前記アイコン判別手段は、前記移動先アイコンが存在しない場合は、前記表示装置の表示画面において、前記ポインタ基準位置から前記入力されたポインタの移動方向にポインタを移動させた際に突き当たる画面端近傍にポインタを移動させて表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、平面状の入力面と入力面に接触した物体の移動を検出する検出部とを有する入力部が、入力装置本体に対して入力面に沿った方向に移動可能に設けられ、その移動を検出する入力部移動検出部を備えているので、入力部における通常の操作と、さらに入力部を入力面に沿った方向に移動させる操作が可能であり、これらの操作を組み合わせることにより、ポインタの細かい操作と大きな操作が両方可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1の入力装置を模式的に示す側面図である。
【図2】図2は、同上の入力装置を模式的に示す側面図である。
【図3】図3は、同上の入力装置を示す平面図である。
【図4】図4は、同上の入力装置の要部を示す斜視図である。
【図5】図5は、同上の入力装置の要部を示す斜視図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態2の入力装置を示す平面図である。
【図7】図7は、同上の入力装置を示す平面図である。
【図8】図8は、同上の入力装置を示す側面図である。
【図9】図9は、同上の入力装置の動作状態を示す平面図である。
【図10】図10は、同上の入力装置の動作状態を示す平面図である。
【図11】図11は、同上の入力装置を備えた入力制御装置を示すブロック図である。
【図12】図12は、同上の入力制御装置によって表示されるポインタの動作を説明するための説明図である。
【図13】図13は、同上の入力制御装置によって表示されるポインタの動作を説明するための説明図である。
【図14】図14は、同上の入力制御装置の入力装置を示す平面図である。
【図15】図15は、同上の入力制御装置によって表示されるポインタの動作を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明にかかる入力装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1〜図5は、実施の形態1にかかる入力装置を示している。本実施の形態における入力装置1は、所謂、パッド型のポインティングデバイスであり、ノートパソコン等の携帯型情報機器に設置されるものである。即ち、この入力装置1によって画面上のポインタを操作するものである。入力装置1は、入力部2と入力部移動検出部と入力装置本体4とを有している。入力装置本体4は、入力部2を支持するものであり、入力装置1の外殻を構成する。
【0017】
入力部2は、反力発生部材2aと、平面状の入力面2bと、この入力面2bに接触した物体Aの移動を検出する検出部2cとを備えている。入力部2は、入力装置本体4に対して入力面2bに沿った方向に移動可能に入力装置本体4に設けられている。入力部2は、略板状に形成されている。入力部2は、入力面2bに指を接触させて滑らせることによって入力を行うものである。本実施の形態1においては、入力部2は、所謂静電容量方式のものを使用している。
【0018】
検出部2cは、略板状に形成されている。検出部2cは、所謂静電容量式のタッチセンサであり、内部には、図示せぬ複数の電極が入力面2bに沿って配設され、複数のコンデンサを形成している。検出部2cは、入力面2bに指等の導電性の物体Aが接触した際に変化するコンデンサの容量から物体Aの入力面2bにおける位置、移動量、移動速さ、移動方向等を検出する。
【0019】
反力発生部材2aは、図1及び図2に示すように、検出部2cの上面に、検出部2cを覆うように配設されている。反力発生部材2aは、操作者の操作に対して反力を発生させ、操作感を得させしめるためのものである。反力発生部材2aは、本実施の形態1においては、ゴムシートから構成されている。また、この反力発生部材2aの上面が、入力面2bとなっている。
【0020】
入力部2の入力面2bとは反対側(底面側)には、歪み伝達部材11が配設されている。歪み伝達部材11は柱状に形成され、入力部2の底面から突出するように形成されている。歪み伝達部材11は、図4に示すように、入力部2の底面の中央部と四隅に配設されている。歪み伝達部材11の突出方向先端部には、弾性板3が固定されている。
【0021】
弾性板3は、板状に形成され、その板状面が入力面2bに沿うように配設されている。弾性板3は、図1に示すように、支持部材4aに四隅を支持させて、弾性変形可能に入力装置本体4に固定されている。弾性板3は、入力部2が入力面2bに沿った方向に移動した際に歪み伝達部材11を介して歪むようになっている。弾性板3は、図4に示すように、歪み伝達部材11が弾性板3の四隅部及び中央部に配設された状態となるように入力装置本体4に設置されている。
【0022】
弾性板3には、歪みセンサを構成する歪み検出素子12が複数設置されている。即ち、歪みセンサが複数設置されている。歪み検出素子12は、測定対象に設置され、測定対象とともに歪む。歪み検出素子12が歪むと歪み検出素子12の電気抵抗が変化する。歪み検出素子12は、電気抵抗の変化を検出する図示せぬ電子回路に接続されている。この電気抵抗の変化を歪みとして検出するものが歪みセンサである。
【0023】
歪み検出素子12は、図4に示すように、弾性板3の略中央に配設された歪み伝達部材11の周りに略等間隔に前後左右に配設されている。尚、図5に示すように、歪み伝達部材11を入力部2の4辺の中央部に配設し、弾性板3の入力部2と対向する面において、歪み伝達部材11の根本付近から中央に向けて歪み検出素子12を配設してもよい。歪み検出素子12は、少なくとも2方向に配設されていれば、歪みから、物体Aの押圧方向を検出することができる。
【0024】
歪みセンサは、歪み検出素子12と歪み検出素子12の抵抗の変化を検出する図示せぬ電子回路とから構成されている。本実施の形態1における入力部移動検出部は、この歪みセンサから構成されている。
【0025】
入力部2及び入力部移動検出部は、図示せぬ信号処理部と接続されている。入力部2及び入力部移動検出部において発生した信号は、信号処理部に送られる。即ち、歪みセンサによって検出された歪み信号と、検出部2cにおいて検出された物体Aの位置、移動量、移動速さ、移動方向等の信号とが信号処理部に送られる。この信号処理部において、複数の歪みセンサからの信号を合わせて、入力面2bがどの方向にどのくらいの大きさで押されたか算出する。信号処理部において、入力部2及び入力部移動検出部の信号が処理され、操作信号として外部に発信される。操作信号としては、ポインタの移動方向と速度とを出力する。
【0026】
信号処理部は、入力部2の信号を基にポインタの移動方向と速度を算出し操作信号として出力するモードと、入力部2と入力部移動検出部の両信号をもとにポインタの移動方向と速度を算出し操作信号として出力するモードと、入力部移動検出部の信号をもとにポインタの移動方向と速度とを算出し操作信号として出力するモードと、の少なくとも3つのモードを設定することができる。
【0027】
入力部2は、操作者が入力面2bを所定の方向に押圧した際には、例えば、図1から図2に示す状態に、微小ではあるが入力面2bに沿った方向に移動する。従って、歪み伝達部材11もその方向に歪む。更に、その歪みが弾性板3に伝達される。この弾性板3の歪みを歪み検出素子12で検出する。
【0028】
上述のように構成される入力装置1は、ノートパソコンの本体やキーボードに固定される。また、入力装置1の信号処理部は、情報機器の制御部と接続される。入力装置1は、操作者が指などの物体Aを入力面2bに接触させて操作を行うものである。入力部2は、通常のタッチパッドと同様に、物体Aを接触させ、入力面2b上を滑らせることにより、入力を行うことができる。また、入力部2の入力面2bを任意の方向に押圧することによる入力を行うことができる。従って、この入力装置1は、1つの入力装置によって2つの異なる信号を発生させることができる。入力部2と入力部移動検出部とから発生する2つの信号をもとに操作信号としてポインタの移動方向と移動速度とを出力することができるので、従来のタッチパッドと比較して、特に移動速度において多彩な操作信号として出力することができる。
【0029】
例えば、入力部2と入力部移動検出部の信号をもとにポインタの移動方向と速度を算出し操作信号として出力するモードの場合、入力面2bを押圧しながら滑らせた際には、ポインタを速く移動させる出力をし、入力面2bを滑らせるだけの操作の場合は、ポインタを遅く移動させる出力をするということができる。このようにすることにより、入力面2b上において指を何度も滑らせる操作をしなくとも、画面上のポインタを大きく動かすことができる。従って、操作性を向上させることができる。このような場合、入力面2bが大きくなくとも、十分な入力を行うことができるので、入力装置1を小型化することができる。また、入力面2bを入力面2bと垂直に押圧した際には、別の操作信号を発信することもできる。
【0030】
尚、本実施の形態1においては、弾性板3に歪み検出素子12を設置し、弾性板3の歪みを歪み検出素子12によって検出するようにしているが、歪み伝達部材11に歪み検出素子12を設置して歪み伝達部材11の歪みを検出するようにしてもよい。また、本実施の形態1においては、歪み伝達部材11が複数設けられているが、1つでもよい。本実施の形態1においては、歪み検出素子12は、4箇所設置されているが、歪み検出素子12は、最低2箇所互いに異なる向きに設置されていればよい。本実施の形態1においては、弾性板3は、矩形状に形成されているが、歪み伝達部材11を中心に少なくとも2方向に延在する部分があれば、どのような形状でもよい。
【0031】
尚、本実施の形態1においては、歪みセンサは、電気抵抗の変化を検出する歪み検出素子12を使用しているが、測定対象に力が作用して測定対象が歪んだ際に、その歪みを検出し、どの方向にどのくらいの大きさの力が作用したのかを検出する種々のセンサを使用することができる。
【0032】
本実施の形態1においては、入力部2は、静電容量式であるが、操作者の指等である物体Aを入力面2bに接触させて操作を行った際に、物体Aの入力面2bにおける位置、移動量、移動速さ、移動方向等を検出する接触型の入力部であればよい。尚、本実施の形態1における入力部2は、反力発生部材2aを備えているが、反力発生部材2aがなくともよい。即ち、検出部2cの上面を入力面2bとしてよい。
【0033】
また、本実施の形態1においては、操作信号としてポインタの移動方向と移動速度とを出力しているが、ポインタの移動距離も出力するようにしてもよい。即ち、一定時間内に物体Aが入力面上を移動した距離に基づいてポインタの移動距離を算出し、操作信号として出力するようにしてもよい。操作信号として、ポインタを移動させるために必要な情報を出力すればよい。
【0034】
(実施の形態2)
図6〜図10は、実施の形態2にかかる入力装置を示している。本実施の形態における入力装置21は、所謂、パッド型のポインティングデバイスであり、ノートパソコン等の携帯型情報機器に設置されるものである。即ち、この入力装置21によって画面上のポインタを操作するものである。入力装置21は、入力部22と入力部移動検出部41と入力装置本体24とを有している。入力装置本体24は、入力部22を支持するものである。入力装置本体24は、略板状に形成されている。
【0035】
入力部22は、平面状の入力面22bと、この入力面22bに接触した物体Aの移動を検出する検出部22aとを備えている。入力部22は、入力装置本体24に対して入力面22bに沿った方向に移動可能に入力装置本体24に設けられている。入力部22は、略板状に形成されている。入力部22は、入力面22bに指を接触させて滑らせることによって入力を行うものである。本実施の形態2においては、入力部22は、所謂静電容量方式のものを使用している。
【0036】
検出部22aは、略板状に形成されている。検出部22aは、所謂静電容量式のタッチセンサであり、内部には、図示せぬ複数の電極が入力面22bに沿って配設され、複数のコンデンサを形成している。検出部22aは、入力面22bに指等の導電性の物体Aが接触した際に変化するコンデンサの容量から物体Aの入力面22bにおける位置、移動量、移動速さ、移動方向等を検出する。検出部22aの上面が、入力面22bとなっている。
【0037】
入力部22の入力面22bとは反対側(底面側)には、スライド機構25が配設されている。入力部22は、図8に示すように、スライド機構25を介して入力装置本体24と対向するように設置されている。
【0038】
スライド機構25は、相互にスライド移動可能に組み合わされた一対の部材を有しており、一方の部材を検出部22aに固定し、他方の部材を入力装置本体24に固定することにより、入力部22を入力装置本体24に対してスライド移動可能に配設しているものである。スライド機構25は、バネ等を使用した既存の構造のものでよい。
【0039】
入力部22は、スライド機構25によって、入力面22bに沿った方向であって、中心から8方向にスライド移動可能に配設されている。入力装置本体24には、図7に示すように、スライド機構25の周囲であって入力部22がスライド移動可能な方向にそれぞれスイッチ23が配設されている。本実施の形態2における入力部移動検出部41は、このスイッチ23によって構成されている。
【0040】
スイッチ23は、クリック感のあるプッシュ式のスイッチである。本実施の形態2においては、所謂メタルドーム式のタクタイルスイッチを使用している。スイッチ23は、スイッチ部を押圧することにより、スイッチがONされるものである。スイッチ23は、スイッチ部が、スライド機構25の側面と対向するように配設されている。即ち、スライド機構25の入力部2に固定されている部分は、略円筒形状に形成されており、入力部22をスライド移動させた際には、スライド機構25の円筒形の側面がスイッチ23に当接することにより、スイッチ23のスイッチが入る、即ちスイッチが起動される。
【0041】
入力部22及び入力部移動検出部41は、信号処理部42と接続されている。入力部22及び入力部移動検出部41において発生した信号は、信号処理部42に送られる。入力部22からは、物体Aの入力面2bにおける位置、移動量、移動速さ、移動方向等の信号が信号処理部42に送られる。入力部移動検出部41からは、各スイッチ23の起動信号が送られてくる。そして、信号処理部42において、入力部22及び入力部移動検出部41の信号が処理され操作信号として外部に発信される。操作信号としては、ポインタの移動方向と速度とを出力する。また、入力移動検出部41から送られてきたスイッチ23の起動信号は、入力されたスイッチ23の位置に対応するポインタの移動方向として出力される。入力装置21は、この信号処理部42を介して、入力装置21が設置される情報機器の制御部と接続される。
【0042】
信号処理部42は、入力部22の信号を基にポインタの移動方向と速度を算出し操作信号として出力するモードと、入力部22と入力部移動検出部41の信号をもとにポインタの移動方向と速度を算出し操作信号として出力するモードと、入力部移動検出部41の信号をもとにポインタの移動方向と速度を設定し操作信号として出力するモードと、の少なくとも3つのモードを設定することができる。
【0043】
上述のように構成される入力装置21は、ノートパソコンの本体やキーボードに固定される。また、入力装置21の信号処理部42は、情報機器の制御部と接続される。入力装置21は、操作者が指などの物体Aを入力面22bに接触させて操作を行うものである。入力部22は、通常のタッチパッドと同様に、物体Aを接触させ、入力面22b上を滑らせることにより、入力を行うことができる。また、図9及び図10に示すように、入力部22を入力面22bに沿ってスライド移動させることにより、入力を行うことができる。入力部22をスライド移動させた際には、クリック感が生じ、操作者に操作したことが感じられるようになっている。このように、入力装置21は、1つの入力装置によって2つの異なる操作信号を発生させることができる。
【0044】
例えば、入力部22をスライド移動させた際の操作信号として発信するカーソルの移動速度を入力面22bのタッチ操作時に発信するカーソルの移動速度より大きくすることにより、入力面22b上を物体Aを滑らせることによる操作時は、カーソルを細かく動かすことができ、入力部22をスライドさせた際には、カーソルを大きく動かすことができる。従って、操作性を向上させることができる。特に、スイッチ23が押されてON状態となった際には、その方向の画面上におけるオブジェクトにカーソルが移動するとよい。このようにすることにより、更に操作性を向上させることができる。また、カーソルを大きく移動させる際には、入力部22をスライド移動させればよいので、入力面22bが大きい必要がなく、入力面22bを小さくすることができ、入力装置21を小型化することができる。
【0045】
尚、本実施の形態2においては、入力部22は、静電容量式であるが、操作者の指等である物体Aを入力面22bに接触させて操作を行った際に、物体Aの入力面22bにおける位置、移動量、移動速さ、移動方向等を検出する接触型の入力部であればよい。また、本実施の形態2においては、スイッチ23は、タクタイルスイッチであるが、入力部22を所定の方向にスライドした際に、入力されるスイッチであればよい。
【0046】
(実施の形態3)
ここで、上述の入力装置を使用した入力制御装置について説明する。この入力制御装置は、ノートパソコン等の情報処理機器に使用されるものである。入力装置としては、実施の形態1における入力装置1でも、実施の形態2における入力装置21でもよいが、本実施の形態3においては、入力装置21を使用した場合について説明する。
【0047】
入力制御装置51は、図11に示すように、入力装置21と、制御部52とを有している。制御部52は、ポインタ表示制御手段61と、アイコン表示制御手段62と、アイコン判別手段63と、を有している。
【0048】
ポインタ表示制御手段61は、予め設定されているポインタ32の初期位置(座標)を読み込んで、この初期位置をポインタ表示位置として、ポインタ32を表示装置71の画面上に表示させる。ポインタ32は、矢印の画像として表示される。ポインタ表示制御手段61は、ポインタ32の矢印の頂点がポインタ表示位置となるように表示する。ポインタ表示制御手段61は、ポインタ表示位置(座標)をポインタ基準位置(座標)として保持する。
【0049】
ポインタ表示制御手段61は、入力装置21の操作信号に基づいてポインタ32を表示装置71の画面31において移動表示させる。即ち、ポインタ表示制御手段61は、入力装置21から移動方向と移動速度が入力されると、保持しているポインタ基準位置と、入力された移動方向と移動速度と、からポインタ表示位置を算出し、ポインタ基準位置からポインタ表示位置までポインタを移動表示する。ポインタ表示位置は、ポインタ基準位置から、入力された移動方向に入力された移動速度で所定の単位時間移動した位置として算出する。ポインタ表示制御手段61は、ポインタを移動する毎に、ポインタ基準位置を最新のポインタ表示位置に更新する。
【0050】
このようにして、例えば、図14に示すように、ある軌跡Lを描くように入力面22b上を指で滑らせる操作を行うと、表示装置71の画面31においては、図15に示すように画面31の大きさに合わせて拡大した軌跡Lを描く。
【0051】
アイコン表示制御手段62は、予め設定されているアイコン33の位置(座標)を読み込んで、この位置がアイコン33の中心となるようにアイコン33を表示装置71の画面31上に表示させる。また、アイコン表示制御手段62は、読み込んだアイコン33の位置をアイコン位置として保持する。アイコン33の表示領域は、アイコン33の表示画像よりもやや大きめの略矩形状に形成されている。
【0052】
アイコン判別手段63は、入力装置21からジャンピング信号が入力された場合、後述する移動先アイコンの存在の有無を判別する。本実施の形態において、ジャンピング信号は、入力部移動検出部によって検出された入力部の移動に対応するポインタの移動方向の信号である。即ち、移動速度と移動方向とから構成されている操作信号において、速度がゼロの場合である。換言すれば、ポインタの移動方向のみが入力された場合である。
【0053】
アイコン判別手段63は、ジャンピング信号が入力された時点での、ポインタ基準位置と、アイコン位置とをポインタ表示制御手段61とアイコン表示制御手段62とから取得する。アイコン判別手段63は、ポインタ基準位置から入力されたポインタの移動方向に直線を延伸させた場合に、この直線とアイコン33の表示領域が交差するアイコン33があるかどうかを判別する。換言すると、ポインタ基準位置から、入力されたポインタの移動方向にポインタを移動させた場合に最初に交差するアイコン33があるかどうかを判別する。アイコン判別手段63は、そのようなアイコン33が複数ある場合は、そのアイコン33の中でも、最も手前のアイコン33を決定する。この決定されたアイコン33が移動先アイコンである。
【0054】
アイコン判別手段63は、判別結果として、移動先アイコンの位置(座標)の近傍の位置(座標)をポインタ表示位置としてポインタ表示制御手段61に出力する。その結果、ポインタ32は、ポインタ表示制御手段61によって、移動先アイコン近傍に表示される。また、アイコン判別手段63は、移動先アイコンが存在しない場合は、ポインタ基準位置から、入力されたポインタの移動方向に直線を延伸させて突き当たる画面31端近傍の座標をポインタ表示位置としてポインタ表示制御手段61に出力する。その結果、ポインタ32は、ポインタ表示制御手段61によって、画面31端近傍に表示される。
【0055】
例えば、ポインタ32が、表示装置71の画面31において図12に示す位置にあった場合に、図10に示すように、入力部22をスライド移動させる。そうすると、入力部22のスライド方向に配設されているスイッチ23が起動され、信号処理部42を介してジャンピング信号がアイコン判別手段63に入力される。その結果、アイコン判別手段63とポインタ表示制御手段61によって、ポインタ32が図13に示すように、アイコン33の近傍の位置に移動する。
【0056】
上述のように構成される表示制御装置51は、入力部22によって、通常のポインタの操作が可能であると同時に、図12に示すように、ポインタ32とアイコン33が大きく離れている場合において、入力部22を移動させることにより、スイッチ23を起動させて、入力部22の移動方向に対応する画面31上のポインタの移動方向に存在するアイコン33に素早くポインタを移動させることができる。このようにワンタッチでポインタ32をアイコン33上に移動させることができるので、操作性が向上される。
【符号の説明】
【0057】
A 物体
1 入力装置
2 入力部
2a 反力発生部材
2b 入力面
2c 検出部
3 弾性板
4a 支持部材
4 入力装置本体
11 歪み伝達部材
12 歪み検出素子
21 入力装置
22a 検出部
22 入力部
22b 入力面
23 スイッチ
24 入力装置本体
25 スライド機構
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状の入力面と、該入力面に接触した物体の移動を検出する検出部と、を有する入力部を備えた入力装置において、
前記入力部は、入力装置本体に該入力装置本体に対して前記入力面に沿った方向に移動可能に設けられ、
前記入力装置本体に、該入力装置本体に対する前記入力部の移動を検出する入力部移動検出部を設けたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記入力部に、該入力部の底面から突出するように歪み伝達部材を設け、該歪み伝達部材の突出方向先端部を前記入力装置本体に対して固定し、前記入力部移動検出部に、前記入力部を前記入力装置本体に対して移動させた際に発生する前記歪み伝達部材の歪みを検出する歪みセンサを設けたことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記入力部に、該入力部の底面から突出するように歪み伝達部材を設け、該歪み伝達部材の突出方向先端部を前記入力装置本体に備えられた弾性板に固定し、前記入力部移動検出部に、前記入力部を前記入力装置本体に対して移動させた際に発生する前記弾性板の歪みを検出する歪みセンサを設けたことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項4】
前記入力部を前記入力装置本体に対して前記入力面に沿った方向にスライド可能に前記入力装置本体に配設し、前記入力部移動検出部には、前記入力部のスライド方向に前記入力部がスライド移動した際に起動するスイッチを設けたことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項5】
請求項1に記載の入力装置と、
表示装置の画面にアイコンを表示させるとともに、該アイコンを表示させた位置であるアイコン位置を保持するアイコン表示制御手段と、
ポインタ表示位置が与えられた際には、前記表示装置の画面の前記ポインタ表示位置にポインタを表示させるとともに前記ポインタ表示位置をポインタ基準位置として保持し、前記入力装置から前記検出部において検出された物体の移動に基づく操作信号が入力された際には、該操作信号と保持しているポインタ基準位置とに基づきポインタ表示位置を算出し、該ポインタ表示位置にポインタを移動表示するとともに前記ポインタ表示位置をポインタ基準位置として保持するポインタ表示制御手段と、
前記入力部移動検出部によって検出された前記入力部の移動に対応するポインタの移動方向が前記入力装置から入力された際に、前記ポインタ基準位置から前記入力されたポインタの移動方向にポインタを移動させた場合に最初に交差するアイコンを判別し、該アイコンのアイコン位置の近傍の位置を前記ポインタ表示制御手段にポインタ表示位置として出力するアイコン判別手段と、を備えていることを特徴とする入力制御装置。
【請求項6】
前記アイコン判別手段は、前記移動先アイコンが存在しない場合は、前記表示装置の表示画面において、前記ポインタ基準位置から前記入力されたポインタの移動方向にポインタを移動させた際に突き当たる画面端近傍にポインタを移動させて表示させることを特徴とする請求項5に記載の入力制御装置。
【請求項1】
平面状の入力面と、該入力面に接触した物体の移動を検出する検出部と、を有する入力部を備えた入力装置において、
前記入力部は、入力装置本体に該入力装置本体に対して前記入力面に沿った方向に移動可能に設けられ、
前記入力装置本体に、該入力装置本体に対する前記入力部の移動を検出する入力部移動検出部を設けたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記入力部に、該入力部の底面から突出するように歪み伝達部材を設け、該歪み伝達部材の突出方向先端部を前記入力装置本体に対して固定し、前記入力部移動検出部に、前記入力部を前記入力装置本体に対して移動させた際に発生する前記歪み伝達部材の歪みを検出する歪みセンサを設けたことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記入力部に、該入力部の底面から突出するように歪み伝達部材を設け、該歪み伝達部材の突出方向先端部を前記入力装置本体に備えられた弾性板に固定し、前記入力部移動検出部に、前記入力部を前記入力装置本体に対して移動させた際に発生する前記弾性板の歪みを検出する歪みセンサを設けたことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項4】
前記入力部を前記入力装置本体に対して前記入力面に沿った方向にスライド可能に前記入力装置本体に配設し、前記入力部移動検出部には、前記入力部のスライド方向に前記入力部がスライド移動した際に起動するスイッチを設けたことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項5】
請求項1に記載の入力装置と、
表示装置の画面にアイコンを表示させるとともに、該アイコンを表示させた位置であるアイコン位置を保持するアイコン表示制御手段と、
ポインタ表示位置が与えられた際には、前記表示装置の画面の前記ポインタ表示位置にポインタを表示させるとともに前記ポインタ表示位置をポインタ基準位置として保持し、前記入力装置から前記検出部において検出された物体の移動に基づく操作信号が入力された際には、該操作信号と保持しているポインタ基準位置とに基づきポインタ表示位置を算出し、該ポインタ表示位置にポインタを移動表示するとともに前記ポインタ表示位置をポインタ基準位置として保持するポインタ表示制御手段と、
前記入力部移動検出部によって検出された前記入力部の移動に対応するポインタの移動方向が前記入力装置から入力された際に、前記ポインタ基準位置から前記入力されたポインタの移動方向にポインタを移動させた場合に最初に交差するアイコンを判別し、該アイコンのアイコン位置の近傍の位置を前記ポインタ表示制御手段にポインタ表示位置として出力するアイコン判別手段と、を備えていることを特徴とする入力制御装置。
【請求項6】
前記アイコン判別手段は、前記移動先アイコンが存在しない場合は、前記表示装置の表示画面において、前記ポインタ基準位置から前記入力されたポインタの移動方向にポインタを移動させた際に突き当たる画面端近傍にポインタを移動させて表示させることを特徴とする請求項5に記載の入力制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−134258(P2011−134258A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−295388(P2009−295388)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(505205731)レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド (292)
【復代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(505205731)レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド (292)
【復代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
【Fターム(参考)】
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