説明

入力装置

【課題】ユーザに対して回転方向への操作感を認識させることが可能な入力装置を提供する。
【解決手段】この回転入力装置100(入力装置)は、Z方向に延びる軸線200回りの回転と、軸線200と直交する水平方向(X方向およびY方向)へのスライド移動とが可能な操作部1と、操作部1の下方(Z2側)に配置され、操作部1と共にスライド移動する上部スライド部材14と、上部スライド部材14と一体的にスライド移動するように上部スライド部材14に固定され、操作部1に対して軸線200回りの回転方向(A方向およびB方向)の駆動力を付与する駆動部13とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入力装置に関し、特に、回転とスライド移動とが可能な操作部を備える入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転とスライド移動とが可能な操作部を備える入力装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ユーザの回転操作によって回転可能な外ノブホルダ(操作部)と、外ノブホルダの回転をロータリエンコーダに伝達する連動用スプリングと、外ノブホルダのスライド移動が伝達されるスライダ(スライド部材)とを備える複合操作入力装置が開示されている。すなわち、この複合操作入力装置では、ユーザによって外ノブホルダの回転操作とスライド操作とが可能なように構成されている。なお、外ノブホルダは、ユーザの回転操作に応じて単に回転するように構成されていると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−317377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の複合操作入力装置では、ユーザによって回転操作される外ノブホルダは、ユーザの回転操作に応じて単に回転するように構成されているため、ユーザに対して回転方向への操作感を認識させることができないという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、ユーザに対して回転方向への操作感を認識させることが可能な入力装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0007】
この発明の一の局面による入力装置は、上下方向に延びる軸線回りの回転と、軸線と直交する水平方向へのスライド移動とが可能な操作部と、操作部の下方に配置され、操作部と共にスライド移動するスライド部と、スライド部と一体的にスライド移動するようにスライド部に固定され、操作部に対して軸線回りの回転方向の駆動力を付与する駆動部とを備える。
【0008】
この発明の一の局面による入力装置では、上記のように、操作部に対して軸線回りの回転方向の駆動力を付与する駆動部を備えることによって、入力装置側の駆動部を駆動源として、操作部において回転方向の駆動力(トルク)を生じさせることができる。これにより、ユーザが操作部を回転させる際に、操作部において発生した回転方向の駆動力をユーザに対して認識させることができる。すなわち、操作部を介して、ユーザに対して回転方向への操作感(触感)を認識させることができる。また、駆動部をスライド部と一体的にスライド移動するようにスライド部に固定することによって、操作部のスライド移動に伴ってスライド部のみならず駆動部も共にスライド移動させることができる。これにより、操作部がスライド移動された状態であっても、駆動部によって、操作部に対して回転方向の駆動力を常に付与し続けることができる。
【0009】
上記一の局面による入力装置において、好ましくは、操作部は、下方に開口を有し、駆動部を収容する凹状の収容部を含み、駆動部は、駆動力を操作部に伝達するための第1ギア部を含むとともに、スライド部の操作部側に固定されており、収容部の内側面には、操作部がスライド移動した状態であっても、第1ギア部と噛合可能な第2ギア部が形成されている。このように構成すれば、駆動部が操作部の外部に配置されている場合と比較して、駆動部が操作部の収容部に収容される分、入力装置全体を小型化することができる。また、操作部のスライド移動に関係なく常に互いに噛合する第1ギア部および第2ギア部を設けることによって、操作部がスライド移動した状態であっても、駆動部において発生した回転方向の駆動力(トルク)を容易に操作部に対して付与することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、操作部は、上下方向に移動可能であるとともに、スライド部は、上下方向に移動しないように構成されており、第1ギア部の少なくとも一部と第2ギア部の少なくとも一部とは、操作部がユーザによって下方に押下操作された状態であっても、水平方向から見て互いに重なった状態で噛合するように配置されている。このように構成すれば、操作部が下方に押下操作された状態であっても、第1ギア部と第2ギア部との噛合状態が維持されるので、ユーザによる押下操作の有無に関係なく、駆動部において発生した回転方向の駆動力を常に操作部に対して付与し続けることができる。
【0011】
上記操作部が上下方向に移動可能な入力装置において、好ましくは、第1ギア部の少なくとも一部と第2ギア部の少なくとも一部とは、操作部がスライド移動され、かつ、ユーザによって下方に押下操作された状態であっても、水平方向から見て互いに重なった状態で噛合状態を維持するように配置されている。このように構成すれば、操作部の水平方向へのスライド移動と下方への押下操作とが同時になされた状態であっても、第1ギア部と第2ギア部との噛合状態が維持されるので、駆動部において発生した回転方向の駆動力を確実に操作部に対して付与し続けることができる。
【0012】
上記一の局面による入力装置において、好ましくは、スライド移動しない固定部と、固定部の外周面に係合した状態で固定部の外周面を取り囲むように配置され、スライド部のスライド移動を打ち消す方向に付勢力を発生させる環状の付勢部材とをさらに備え、操作部は、上下方向に移動可能であるとともに、スライド部および固定部は、上下方向に移動しないように構成されており、操作部がユーザによって下方に押下操作された状態であっても、固定部の少なくとも一部と付勢部材の少なくとも一部とが水平方向から見て互いに重なるように配置されることによって、付勢部材は、固定部の外周面に対する係合状態を維持してスライド部のスライド移動を打ち消す方向に付勢力を発生させることが可能なように構成されている。このように構成すれば、操作部の水平方向へのスライド移動と下方への押下操作とが同時になされた状態であっても、操作部に対してスライド部の上記したスライド移動を打ち消す方向に付勢力を付与することができるので、ユーザが操作部をスライド移動させた後、操作部から手を放すだけで、操作部をスライド移動前の位置に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態による回転入力装置を示した斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態による回転入力装置の構成を説明するための分解斜視図である。
【図3】図1の400−400線に沿った本発明の第1実施形態による回転入力装置を示した断面図である。
【図4】図1の500−500線に沿った本発明の第1実施形態による回転入力装置を示した断面図である。
【図5】図1の400−400線に沿った本発明の第1実施形態による回転入力装置の押下状態および押下状態における回転を示した断面図である。
【図6】図1の400−400線に沿った本発明の第1実施形態による回転入力装置のスライド状態およびスライド状態における回転を示した断面図である。
【図7】図1の500−500線に沿った本発明の第1実施形態による回転入力装置のスライド状態およびスライド状態における回転を示した断面図である。
【図8】図1の400−400線に沿った本発明の第1実施形態による回転入力装置のスライド押下状態およびスライド押下状態における回転を示した断面図である。
【図9】図1の500−500線に沿った本発明の第1実施形態による回転入力装置のスライド押下状態およびスライド押下状態における回転を示した断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による回転入力装置の構成を説明するための分解斜視図である。
【図11】本発明の第2実施形態による回転入力装置のスライド部材の下面側を上にして見た斜視図である。
【図12】本発明の第2実施形態によるスライド部材のスライド移動を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1〜図7を参照して、本発明の第1実施形態による回転入力装置100の構成について説明する。なお、回転入力装置100は、本発明の「入力装置」の一例である。
【0016】
本発明の第1実施形態による回転入力装置100は、図1に示すように、操作部1と、操作部1の下方(Z2側)に配置された上部筐体2と、上部筐体2の下方に配置された下部筐体3とを備える。また、操作部1と上部筐体2と下部筐体3とは、共に、軸線200に沿って同軸状に配置されている。
【0017】
また、操作部1は、ユーザまたは後述する駆動部13(図2参照)により、軸線200回りにA方向またはB方向に回転可能に構成されている。また、操作部1は、上部筐体2および下部筐体3に対して、水平面(XY平面)内でスライド移動可能に構成されている。さらに、操作部1と上部筐体2とは、鉛直方向(Z方向)に所定の間隔を隔てて対向するように配置されている。これにより、操作部1は、ユーザによる下方(Z2側)への押下操作に応じて、下方に長さL1(図3参照)だけ移動可能に構成されている。すなわち、操作部1は、ユーザによって、回転操作と、スライド操作と、押下操作とが行われるように構成されている。なお、上部筐体2および下部筐体3については、回転、スライド移動および下方への移動のいずれも行われないように構成されている。
【0018】
また、回転入力装置100は、図示しないPCに接続されることによって、ポインティングデバイスとして用いられるように構成されている。すなわち、操作部1の回転操作に応じて、PCが有する図示しない画面上のアイコンを回転させるように構成することが可能である。また、操作部1のスライド操作に応じて、PCの画面上のカーソルを移動させるように構成することが可能である。また、操作部1の押下操作に応じて、PCの画面上のカーソルが選択したアイコンなどを選択決定するように構成することが可能である。したがって、ユーザは、回転入力装置100のみを用いて、複数の操作を行うことが可能である。
【0019】
また、図2に示すように、回転入力装置100の内部には、操作部1側(Z1側)から順に、上部基板10と、固定板11と、スライド抵抗12aおよび12bと、駆動部13と、上部スライド部材14と、コイルバネ15とが配置されている。なお、上部スライド部材14は、円盤状に形成されているとともに、コイルバネ15は、コイルバネの両端部を接続することによって、全体として円環状に形成されている。また、上部スライド部材14と、コイルバネ15とは、共に、軸線200に沿って同軸状に配置されている。なお、上部スライド部材14は、本発明の「スライド部」の一例であり、コイルバネ15は、本発明の「付勢部材」の一例である。
【0020】
また、図3に示すように、上部基板10と、固定板11と、スライド抵抗12aおよび12b(図2参照)と、駆動部13と、上部スライド部材14と、コイルバネ15とは、共に操作部1の収容部1aの内部に配置されている。この収容部1aは、操作部1の下方(Z2側)において開口101aを有する凹形状に形成されている。
【0021】
また、図2に示すように、上部スライド部材14の下方(Z2側)には、上部筐体2の一部であるベース部20が配置されている。また、回転入力装置100の内部には、ベース部20側(Z1側)から順に、下部スライド部材16と、回転止め部材17と、押下センサ18と、下部基板19とが配置されている。そして、下部基板19の下方(Z2側)には、下部筐体3が配置されている。なお、下部スライド部材16は、円盤状に形成されている。また、ベース部20と、下部スライド部材16と、押下センサ18と、下部基板19とは、共に、軸線200に沿って同軸状に配置されている。なお、ベース部20は、本発明の「固定部」の一例である。
【0022】
また、上部基板10と、固定板11と、スライド抵抗12aおよび12bと、駆動部13と、上部スライド部材14とは、操作部1と共に水平面(XY平面)内において操作部1と同じ方向に同じ移動量、スライド移動可能に構成されている。一方、上部基板10と、固定板11と、スライド抵抗12aおよび12bと、駆動部13と、上部スライド部材14とは、操作部1と異なり、軸線200回りに回転しないとともに、下方に移動しないように構成されている。
【0023】
また、下部スライド部材16と、回転止め部材17とは、操作部1と共に水平面(XY平面)内においてスライド移動可能であるとともに、下方(Z2側)に移動可能である一方、軸線200回りに回転しないように構成されている。また、ベース部20と、押下センサ18と、下部基板19とにおいては、回転、スライド移動および下方への移動のいずれも行われないように構成されている。
【0024】
また、下部基板19には、回転入力装置100全体を制御するMPU(Micro Processing Unit)や、駆動部13の後述する超音波モータ13aを駆動するための電流を供給するモータ駆動回路などが設けられている。また、下部基板19は、下部筐体3に等角度間隔で4つ形成された支持部3aによって下方から支持されている。
【0025】
また、図3および図4に示すように、操作部1の収容部1aの内側面には、全周に渡って後述する駆動側ギア部13bに対応する従動側ギア部1bが形成されている。この従動側ギア部1bは、歯すじが操作部1の収容部1aの内側上面から下方(Z2側)に向かって鉛直方向(Z方向)に延びるように形成されており、収容部1aの内部に配置された駆動側ギア部13bと水平面内で噛合するように構成されている。ここで、従動側ギア部1bの鉛直方向(Z方向)の長さL2が、操作部1の下方(Z2側)に移動可能な長さL1よりも大きくなるように形成されている。なお、図2においては、従動側ギア部1bの図示を省略している。なお、従動側ギア部1bは、本発明の「第2ギア部」の一例である。
【0026】
また、図2に示すように、操作部1には、操作部1の収容部1aの内側上面から下方(Z2側)に延びるように円柱状の軸部1cが形成されている。この軸部1cは、軸部1cの中心を軸線200が通るように形成されているとともに、軸線200に沿って鉛直方向(Z方向)に延びるように形成されている。また、図3に示すように、ネジ部材30が軸部1cの下端において螺合するように構成されている。また、軸部1cの下端とネジ部材30との間には、ワッシャ31が挟み込まれている。
【0027】
また、操作部1の収容部1aの内側上面には、エンコーダ1dが配置されている。このエンコーダ1dは、図2に示すように、軸線200を中心とする円環状に形成されている。また、上部基板10には、下部基板19と図示しない配線によって接続される端子部10aと、光検知部10bとが設けられている。この光検知部10bは、図3に示すように、操作部1に配置されたエンコーダ1dに対応するようにエンコーダ1dの下方(Z2側)に配置されている。また、光検知部10bは、エンコーダ1d側(Z1側)に向かってレーザ光を照射し、エンコーダ1dからの反射光を検知することによって、操作部1の軸線200回りの回転を検知するように構成されている。また、図2に示すように、上部基板10は、固定板11の上面に形成された突出部11aにおいて、ネジ部材40により固定されている。
【0028】
また、固定板11は、上部スライド部材14の上面に形成された突出部14aにおいて、ネジ部材40により固定されている。この際、固定板11は、スライド抵抗12aおよび12bを上方(Z1側)から覆うように配置されている。
【0029】
また、スライド抵抗12aおよび12bは、それぞれ、本体部112aおよび112bと、下方(Z2側)に突出する突出部212aおよび212bとを有している。この突出部212aおよび212bは、それぞれ、本体部112aおよび112bに対して、水平面内の一方向(X方向)および水平面内の他方向(Y方向)に移動可能に構成されている。ここで、スライド抵抗12aにおいて本体部112aに対する突出部212aの位置が変化することによって、スライド抵抗12aにおける電気抵抗の値が変化するように構成されている。また、スライド抵抗12bにおいて本体部112bに対する突出部212bの位置が変化することによって、スライド抵抗12bにおける電気抵抗の値が変化するように構成されている。
【0030】
ここで、第1実施形態では、図2に示すように、駆動部13は、上部スライド部材14の操作部1側(Z1側)上面にネジ部材40により固定されている。この駆動部13は、操作部1に対して軸線200回りのA方向またはB方向の駆動力を付与するように構成されている。具体的には、駆動部13は、上部スライド部材14側(Z2側)に配置され、駆動力を発生させる超音波モータ13aと、操作部1側(Z1側)に形成された駆動側ギア部13bと、超音波モータ13aからの駆動力を駆動側ギア部13bに伝達する鉛直方向(Z方向)に延びるシャフト13cとを含んでいる。また、駆動部13は、上部スライド部材14と一体的にスライド移動するように構成されている。
【0031】
また、駆動部13の超音波モータ13aは、ステータ113aとステータ113aの上面に押圧されたロータ213aとからなる。この超音波モータ13aでは、ステータ113aに電圧が印加されることによって発生されるステータ113aの撓み振動に応じて、ロータ213aが回転される。これにより、超音波モータ13aにおいて駆動力が発生するように構成されている。
【0032】
また、駆動側ギア部13bは、平歯車であり、上記したように、従動側ギア部1bと水平面内で噛合するように構成されている。また、図3に示すように、駆動側ギア部13bは、駆動側ギア部13bの上端面と、操作部1における収容部1aの内側上面との鉛直方向(Z方向)における間隔が長さL3になるように、収容部1a内に配置されている。ここで、駆動側ギア部13bの上端面と収容部1aの内側上面との間隔L3は、操作部1の下方(Z2側)に移動可能な長さL1よりも大きくなるように構成されている。これにより、図5に示すように、操作部1が下方に移動した状態であっても、駆動側ギア部13bの上端面と収容部1aの内側上面とが接触しないように構成されている。なお、駆動側ギア部13bは、本発明の「第1ギア部」の一例である。
【0033】
また、第1実施形態では、図3に示すように、駆動側ギア部13bの下端面と、従動側ギア部1bの下端とは、鉛直方向の略同じ高さ位置に位置するように構成されている。また、図5に示すように、操作部1が下方に移動した状態においても、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとは、水平方向(X方向およびY方向)から見て、互いに重なるように配置されている。
【0034】
具体的には、操作部1が下方(Z2側)に移動した状態においても、駆動部13(駆動側ギア部13b)は下方に移動しないので、従動側ギア部1bは、駆動側ギア部13bに対して下方に移動する。ここで、従動側ギア部1bは、操作部1の下方に移動可能な長さL1よりも大きい長さL2で、操作部1の収容部1aの内側上面から下方に向かって形成されている。これにより、駆動側ギア部13bは、ユーザにより操作部1が押下操作された状態(押下状態)であっても、常に従動側ギア部1bが設けられている高さ位置に位置することによって、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとは、水平方向(X方向およびY方向)から見て、互いに重なるように構成されている。
【0035】
また、操作部1が下方(Z2側)に移動した場合であっても、駆動側ギア部13bには従動側ギア部1bからの鉛直方向(Z方向)における力(歯すじに沿う方向の力)が略伝達されないように構成されている。これにより、駆動側ギア部13bおよびシャフト13cを介して超音波モータ13aに上記した鉛直方向の力が加えられることに起因して、超音波モータ13aの駆動が阻害されたり、超音波モータ13aが破損したりするのを抑制することが可能である。
【0036】
また、駆動部13が上部スライド部材14と一体的にスライド移動することによって、駆動部13の駆動側ギア部13bと操作部1の従動側ギア部1bとは、噛合状態を維持した状態で一体的にスライド移動されるように構成されている。
【0037】
また、ユーザによって操作部1が軸線200回りに所定の角度回転されたことが光検知部10bによって検知された際に、駆動部13は、ユーザによる軸線200回りの回転方向(A方向またはB方向)とは逆の回転方向(B方向またはA方向)の駆動力を所定の時間操作部1に対して付与するように構成されている。これにより、操作部1を回転操作するユーザに、駆動力(トルク)に基づく抵抗感を付与して、回転方向への操作感を認識させるように構成されている。
【0038】
また、図2に示すように、上部スライド部材14の上面には、軸線200に沿って上方(Z1側)に突出する円筒部14bと、スライド抵抗12aの本体部112aが嵌め込まれる溝部14cと、スライド抵抗12bの本体部112bが嵌め込まれる溝部14dとが設けられている。なお、スライド抵抗12aの本体部112aおよびスライド抵抗12bの本体部112bは、それぞれ、溝部14cおよび14dに嵌め込まれた状態で、固定板11によって上方から固定されている。
【0039】
また、溝部14cの底部および溝部14dの底部には、それぞれ、スライド抵抗12aの突出部212aおよびスライド抵抗12bの突出部212bが挿入されるスライド孔部114cおよび114dが形成されている。このスライド孔部114cは、X方向に延びるとともに、スライド孔部114dは、Y方向に延びるように形成されている。
【0040】
また、図3に示すように、円筒部14bの内周面には、操作部1の軸部1cが挿入されるように構成されている。この際、円筒部14bの内周面と軸部1cの外周面とが略接触した状態になるように構成されている。これにより、上部スライド部材14は、操作部1と共に水平面(XY平面)内においてスライド移動するように構成されている。一方、上部スライド部材14は、下方に移動しないベース部20の上面上に配置されることによって、操作部1の下方(Z2側)への移動にかかわらず、下方に移動しないように構成されている。これにより、上部スライド部材14に固定されている上部基板10、固定板11、スライド抵抗12aおよび12bならびに駆動部13も、上部スライド部材14と同様に、操作部1と共に水平面(XY平面)内においてスライド移動する一方、下方には移動しないように構成されている。
【0041】
また、円筒部14bの上端面と操作部1の収容部1aの内側上面との間には、操作部1の軸部1cが挿入される内周面を有するコイルバネ50が配置されている。ここで、ユーザによって操作部1が下方(Z2側)に押下操作された際に、下方に移動しない上部スライド部材14と、下方に移動する操作部1の収容部1aの内側上面との間隔が小さくなることによって、コイルバネ50がZ方向に圧縮される。これにより、操作部1は、コイルバネ50によって上方(Z1側)に付勢されるように構成されている。
【0042】
また、図3に示すように、上部スライド部材14の下面(Z2側の面)の外周面近傍には、コイルバネ15の上部の内周面が係止する係止部14eが周状に形成されている。このコイルバネ15は、上部スライド部材14のスライド移動を打ち消す方向に付勢力を発生させるように構成されている。なお、スライド状態におけるコイルバネ15の動作については後述する。
【0043】
また、図5に示すように、操作部1の下方(Z2側)への移動によって、コイルバネ15が操作部1と共に下方に移動した状態(押下状態)であっても、コイルバネ15の上部の内周面と係止部14eとは係止状態を維持するように構成されている。さらに、図6および図7に示すように、上部スライド部材14が、操作部1と共に水平面(XY平面)内においてスライド移動した状態であっても、コイルバネ15の上部の内周面と係止部14eとは係止状態を維持するように構成されている。
【0044】
また、図3に示すように、コイルバネ15の内周面とベース部20の外周面20aとは、互いに係合可能に構成されている。ここで、コイルバネ15の鉛直方向(Z方向)の略中央部と、ベース部20の外周面20aの鉛直方向の略中央部とが略同じ高さ位置に位置するように構成されている。また、コイルバネ15の鉛直方向の長さL4は、ベース部20の外周面20aの鉛直方向の長さL5よりも大きい。これにより、コイルバネ15は、ベース部20の外周面20aを取り囲むように配置されている。
【0045】
また、第1実施形態では、コイルバネ15の鉛直方向の長さL4は、操作部1の下方(Z2側)に移動可能な長さL1よりも大きい。すなわち、図3および図5に示すように、コイルバネ15は、押下状態の有無にかかわらず、ベース部20の外周面20aを取り囲むように配置されている。これにより、操作部1が下方(Z2側)に移動した場合においても、コイルバネ15とベース部20の外周面20aとは、水平方向(X方向およびY方向)から見て互いに重なるように配置されている。
【0046】
また、図2に示すように、ベース部20には、平面的に見て略円形状を有し、軸部1cが挿入される孔部20bと、スライド抵抗12aの突出部212aが挿入される溝部20cと、スライド抵抗12bの突出部212bが挿入される溝部20dとが設けられている。また、孔部20bの内周面は、操作部1が水平面(XY平面)上をスライド移動した場合であっても、操作部1の軸部1cの外周面には接触しないように構成されている。これにより、上部筐体2(ベース部20)は、水平面上をスライド移動しないように構成されている。
【0047】
また、溝部20cは、Y方向に延びるように形成されているとともに、溝部20dは、X方向に延びるように形成されている。これにより、図6に示すように、上部スライド部材14がY方向にスライド移動した状態(スライド状態)においては、スライド抵抗12aの突出部212aは、本体部112aと共にY方向に延びる溝部20c(図2参照)に沿って移動することによって、スライド抵抗12aにおける電気抵抗の値が変化しない。また、スライド抵抗12bの突出部212bは、図7に示すように、溝部20dのY方向の側面に当接することによって、Y方向にスライド移動されない。一方、本体部112bは上部スライド部材14と共にY方向にスライド移動する。これにより、本体部112bに対する突出部212bのY方向における位置が点線に示した位置から実線で示した位置に変化する。これにより、スライド抵抗12bにおける電気抵抗の値が変化して、上部スライド部材14(操作部1)がY方向にスライド移動されたことが検知されるように構成されている。
【0048】
同様に、上部スライド部材14がX方向にスライド移動した状態(スライド状態)においては、スライド抵抗12bの突出部212bは、本体部112bと共にX方向に延びる溝部20dに沿って移動することによって、スライド抵抗12bにおける電気抵抗の値が変化しない。また、スライド抵抗12aの突出部212aは、溝部20cのX方向の側面に当接することによって、X方向にスライド移動されない。一方、本体部112aは上部スライド部材14と共にX方向にスライド移動することによって、本体部112aに対する突出部212aのX方向における位置が変化する。これにより、スライド抵抗12aにおける電気抵抗の値が変化して、上部スライド部材14(操作部1)がX方向にスライド移動されたことが検知されるように構成されている。
【0049】
なお、上部スライド部材14がX方向およびY方向以外の所定の方向にスライド移動した状態(スライド状態)においては、本体部112aおよび112bに対する突出部212aおよび212bの位置がそれぞれ変化することによって、スライド抵抗12aおよび12bにおける電気抵抗の値がそれぞれ変化する。これにより、上部スライド部材14がX方向およびY方向以外の所定の方向へのスライド移動が検知されるように構成されている。
【0050】
また、図2に示すように、ベース部20は、上部筐体2に一体的に設けられた4つの支持部21a、21b、21cおよび21dによって、下方(Z2側)から支持されている。また、4つの支持部21a、21b、21cおよび21dは、それぞれ、孔部20bのX1側、X2側、Y1側およびY2側に設けられている。
【0051】
また、下部スライド部材16には、上部筐体2の支持部21a、21b、21cおよび21dにそれぞれ対応する孔部16a、16b、16cおよび16dと、操作部1の軸部1cが挿入される軸孔部16eとが設けられている。また、軸孔部16eの内周面と軸部1cの外周面とが接触可能なことによって、下部スライド部材16は、操作部1と共に水平面(XY平面)内においてスライド移動するように構成されている。また、下部スライド部材16は、上部スライド部材14と異なり、操作部1の下方(Z2側)への移動により下方に移動可能に構成されている。
【0052】
また、孔部16a、16b、16cおよび16dには、それぞれ、支持部21a、21b、21cおよび21dが上方(Z1側)から挿入されるように構成されている。この孔部16a、16b、16cおよび16dと、対応する支持部21a、21b、21cおよび21dとは、下部スライド部材16が所定の距離スライド移動した際に互いに当接することによって、操作部1のスライド移動を規制するように構成されている。たとえば、図6に示すように、操作部1および下部スライド部材16を共にY2側に所定の距離スライド移動させると、孔部16dの内周面と支持部21dのY1側とが互いに当接される。これにより、操作部1および下部スライド部材16におけるY2側へのスライド移動が規制されるように構成されている。
【0053】
また、図3に示すように、下部スライド部材16の上面(Z1側の面)の外周面近傍には、コイルバネ15の下部の内周面が係止する係止部16fが周状に形成されている。これにより、コイルバネ15は、Z1側に位置する上部スライド部材14の係止部14eと、Z2側に位置する下部スライド部材16の係止部16fとによって、鉛直方向(Z方向)に挟み込まれるように保持されている。
【0054】
また、図2に示すように、回転止め部材17には、操作部1の軸部1cが挿入される軸孔部17aと、X1側およびX2側にそれぞれ延びる溝部17bおよび17cとが設けられている。この軸孔部17aの内周面は、軸部1cの外周面と接触可能に構成されている。これにより、回転止め部材17は、操作部1と共に水平面(XY平面)内においてスライド移動するように構成されている。また、回転止め部材17は、操作部1の下方(Z2側)への移動により下方に移動可能に構成されている。
【0055】
また、溝部17bおよび17cは、それぞれ、ベース部20の支持部21aおよび21bが挿入されるように構成されている。これにより、上部スライド部材14などに操作部1の軸線200回りの回転する力が伝わった場合に、溝部17bと支持部21aとが係止するとともに、溝部17cと支持部21bとが係止することによって、上部スライド部材14などが軸線200回りに回転するのを抑制するように構成されている。また、図3に示すように、回転止め部材17の下面は、操作部1の下面に配置されたワッシャ31と当接するように構成されている。
【0056】
また、押下センサ18は、操作部1が下方(Z2側)に移動した場合に、操作部1の下部に配置されたネジ部材30によって上面が押圧されるように構成されている。これにより、押下センサ18によって、操作部1の下方への移動が検知されるように構成されている。
【0057】
次に、図3を参照して、本発明の第1実施形態による回転入力装置100の操作部1の回転操作について説明する。
【0058】
回転入力装置100の駆動部13の超音波モータ13aに電圧が印加されると、超音波モータ13aにおいて発生した駆動力がシャフト13cを介して駆動側ギア部13bに伝達される。そして、駆動側ギア部13bが回転されることによって、駆動側ギア部13bと噛合する従動側ギア部1bに駆動力が伝達される。これにより、従動側ギア部1bを収容部1aの内周面に有する操作部1が軸線200(図1および図2参照)回りの回転方向(A方向またはB方向)で回転される。
【0059】
また、回転入力装置100では、光検知部10bによって検知されたユーザによる軸線200回りの回転方向(A方向またはB方向)とは逆の回転方向(B方向またはA方向)の駆動力が操作部1に対して所定の時間付与される。これにより、操作部1を回転操作するユーザに駆動力(トルク)に基づく抵抗感が付与される。
【0060】
次に、図3および図5を参照して、回転入力装置100の操作部1の押下および押下状態における回転操作について説明する。
【0061】
図3に示す状態から、回転入力装置100の操作部1がユーザによって下方(Z2側)に押下操作されると、図5に示すように、押下センサ18の上面が操作部1の軸部1cに螺合されたネジ部材30によって押圧される。これにより、操作部1が押下された状態(押下状態)になったことが検知される。この際、操作部1が下方に移動した状態においても、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとは、水平方向(X方向およびY方向)から見て、互いに重なるように配置されているので、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとが水平面内で噛合された状態が維持される。これにより、ユーザによって操作部1が押下状態で操作部1が回転されたとしても、操作部1は押下された高さ位置の水平面内で回転される。
【0062】
また、操作部1が押下操作されることによって、円筒部14bの上端面と操作部1の収容部1aの内側上面との間に配置されたコイルバネ50がZ方向に圧縮されて、操作部1が上方(Z1側)に付勢される。その後、ユーザが操作部1から手を放す(押下操作を中止する)と、操作部1に対して加えられた上方への付勢力に基づいて、操作部1は、上方へ移動される。これにより、操作部1は、図3に示す下方に移動していない状態に戻される。
【0063】
次に、図3、図4、図6および図7を参照して、回転入力装置100の操作部1のスライド移動およびスライド状態における回転操作について説明する。
【0064】
図3および図4に示す状態から、回転入力装置100の操作部1がユーザによって水平面内の一方向(Y2側)にスライド移動されると、図6および図7に示すように、上部スライド部材14における円筒部14bの内周面に操作部1の軸部1cが当接されることによって、上部スライド部材14が操作部1と共にY2側にスライド移動される。この際、上部スライド部材14に固定された上部基板10、固定板11、スライド抵抗12aおよび12bならびに駆動部13も、同様に、Y2側にスライド移動される。また、下部スライド部材16における軸孔部16eの内周面に操作部1の軸部1cが当接されることによって、下部スライド部材16が操作部1と共にY2側にスライド移動される。一方、ベース部20はY2側にスライド移動されない。
【0065】
この際、図7に示すように、スライド移動されないベース部20の溝部20dにおけるY2側の側面にスライド抵抗12bの突出部212bが当接されることによって、スライド抵抗12bにおいて、本体部112bに対する突出部212bのY方向における位置が変化する。これにより、スライド抵抗12bにおける電気抵抗の値が変化することによって、操作部1がY2側に移動された状態(スライド状態)になったことが検知される。
【0066】
また、図6に示すように、駆動側ギア部13b(駆動部13)は操作部1のスライド移動に伴ってスライド移動するので、操作部1がスライド状態であっても、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとが水平面内で噛合された状態が維持される。これにより、ユーザによって操作部1がスライド状態で操作部1が回転されたとしても、操作部1は水平面内で回転される。
【0067】
ここで、上部スライド部材14の係止部14eと下部スライド部材16の係止部16fとにより挟み込まれるように保持されているコイルバネ15のY2側は、上部スライド部材14および下部スライド部材16のスライド移動に起因してY2側に移動される。一方、ベース部20はスライド移動されないことにより、ベース部20の外周面20aのY1側によって、コイルバネ15のY1側は係合されて移動されない。これにより、コイルバネ15がY方向に伸ばされる。この結果、上部スライド部材14および下部スライド部材16に対してスライド移動の方向(Y2側)とは反対側(Y1側)の方向に付勢力を加えるように、コイルバネ15が変形される。
【0068】
その後、ユーザが操作部1から手を放す(スライド移動を中止する)と、上部スライド部材14および下部スライド部材16に対して加えられたY1側への付勢力に基づいて、上部スライド部材14および下部スライド部材16は、共に、Y1側へ移動される。これにより、操作部1は、図3および図4に示すスライド移動しない状態に戻される。なお、操作部1がY1側、X1側、X2側、または、X方向およびY方向以外の水平面内における方向にスライド移動された場合においても、上記したY2側へのスライド移動と同様に、コイルバネ15が、スライド移動の方向とは反対側の方向に付勢力を加えるように変形される。そして、ユーザが操作部1から手を放す(スライド移動を中止する)と、操作部1は、付勢力によって図3および図4に示すスライド移動しない状態に戻される。
【0069】
次に、図3〜図9を参照して、回転入力装置100の操作部1のスライド押下状態(スライド状態で、かつ、押下された状態)およびスライド押下状態における回転操作について説明する。
【0070】
図6および図7に示すY2側へのスライド状態から、回転入力装置100の操作部1がユーザによって下方(Z2側)に押下操作されると、図8に示すように、操作部1がY2側へのスライド状態を維持した状態で、押下センサ18の上面が操作部1の軸部1cに螺合されたネジ部材30によって押圧される。これにより、操作部1のスライド移動だけでなく押下も検知されて、操作部1がY2側へのスライド状態の下で押下された状態(スライド押下状態)になったことが検知される。なお、この際、コイルバネ50がZ方向に圧縮されて、操作部1が上方(Z1側)に付勢される。
【0071】
また、図5に示す押下状態から、回転入力装置100の操作部1がユーザによってY2側にスライド移動されると、図8に示すように、押下センサ18の上面がネジ部材30によって押圧された状態(押下状態)を維持した状態で、上部スライド部材14および下部スライド部材16がY2側にスライド移動される。これにより、図9に示すように、本体部112bに対する突出部212bのY方向における位置が変化して、スライド抵抗12bにおける電気抵抗の値が変化する。これにより、操作部1の押下だけでなくスライド移動も検知されて、操作部1が押下状態の下でY2側にスライド移動された状態(スライド押下状態)になったことが検知される。
【0072】
この際、図8に示すように、操作部1が下方に移動した状態においても、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとは、水平方向(X方向およびY方向)から見て、互いに重なるように配置されているとともに、駆動側ギア部13b(駆動部13)は操作部1のスライド移動に伴ってスライド移動するので、操作部1がスライド押下状態であっても、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとが水平面内で噛合された状態が維持される。これにより、ユーザによって操作部1がスライド押下状態で操作部1が回転されたとしても、操作部1は押下された高さ位置の水平面内で回転される。
【0073】
なお、図8および図9に示すように、コイルバネ15のY2側は、上部スライド部材14の係止部14eには係止されずに下部スライド部材16の係止部16fにのみ係止された状態でY2側に移動される。ここで、操作部1が下方(Z2側)に移動した場合においても、コイルバネ15とベース部20の外周面20aとは、水平方向(X方向およびY方向)から見て、互いに重なるように配置されてことにより、コイルバネ15とベース部20の外周面20aとは、押下状態であっても互いに係合可能である。これにより、コイルバネ15がY方向に伸ばされることによって、コイルバネ15が上部スライド部材14および下部スライド部材16に対して、スライド移動の方向(Y2側)とは反対側(Y1側)の方向に付勢力を加えるように変形される。
【0074】
そして、ユーザがスライド移動を中止すると、操作部1は、コイルバネ15による付勢力によって図6および図7に示すスライド移動していない押下状態に戻される。また、ユーザが押下操作を中止すると、操作部1は、コイルバネ50による付勢力によって図5に示すZ2方向に移動していないスライド状態に戻される。さらに、ユーザが操作部1から手を放す(スライド移動と押下操作とを中止する)と、操作部1は、コイルバネ15および50の付勢力によって図3および図4に示す状態に戻される。
【0075】
第1実施形態では、上記のように、操作部1に対して軸線200回りのA方向またはB方向(回転方向)の駆動力を付与する駆動部13を備えることによって、回転入力装置100側の駆動部13を駆動源として、操作部1において回転方向の駆動力(トルク)を生じさせることができる。これにより、ユーザが操作部1を回転させる際に、操作部1において発生した回転方向の駆動力をユーザに対して認識させることができる。すなわち、操作部1を介して、ユーザに対して回転方向への操作感(触感)を認識させることができる。また、駆動部13を上部スライド部材14と一体的にスライド移動するように上部スライド部材14の上面にネジ部材40により固定することによって、操作部1のスライド移動に伴って上部スライド部材14のみならず駆動部13も共にスライド移動させることができる。これにより、操作部1がスライド移動された状態(スライド状態)であっても、駆動部13によって、操作部1に対して回転方向の駆動力を付与し続けることができる。
【0076】
また、第1実施形態では、上記のように、上部基板10と、固定板11と、スライド抵抗12aおよび12bと、駆動部13と、上部スライド部材14と、コイルバネ15とを、共に収容部1aの内部に配置することによって、駆動部13などが操作部1の外部に配置されている場合と比較して、駆動部13などが操作部1の収容部1aに収容される分、回転入力装置100全体を小型化することができる。また、操作部1のスライド移動に関係なく常に互いに噛合する駆動側ギア部13bおよび従動側ギア部1bを設けることによって、操作部1がスライド移動した状態であっても、収容部1aに収容した駆動部13において発生した回転方向の駆動力を操作部1に対して付与することができる。
【0077】
また、第1実施形態では、上記のように、操作部1が下方に移動した状態においても、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとを、水平方向(X方向およびY方向)から見て、互いに重なるように配置することによって、操作部1がユーザによって下方(Z2側)に押下操作された状態であっても、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとの噛合状態が維持されるので、ユーザによる押下操作の有無に関係なく、駆動部13において発生した回転方向の駆動力を常に操作部1に対して付与し続けることができる。
【0078】
また、第1実施形態では、上記のように、操作部1が下方に移動した状態においても、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとを、水平方向(X方向およびY方向)から見て、互いに重なるように配置するとともに、駆動側ギア部13b(駆動部13)が操作部1のスライド移動に伴ってスライド移動することによって、操作部1がスライド押下状態になっても、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとを水平面内で噛合された状態が維持されるように構成することによって、操作部1の水平方向へのスライド移動と下方(Z2側)への移動(押下操作)とが同時になされても、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとの噛合状態が維持されるので、駆動部13において発生した回転方向の駆動力を確実に操作部1に対して付与し続けることができる。
【0079】
また、第1実施形態では、上記のように、操作部1が下方(Z2側)に移動した場合においても、コイルバネ15とベース部20の外周面20aとを、水平方向(X方向およびY方向)から見て互いに重なるように配置することによって、スライド押下状態であっても、操作部1に対して上部スライド部材14のスライド移動を打ち消す方向に付勢力を付与することができるので、ユーザが操作部1をスライド移動させた後、操作部1から手を放す(スライド移動を中止する)だけで、操作部1をスライド移動前の位置に戻すことができる。
【0080】
(第2実施形態)
次に、図10〜図12を参照して、第2実施形態による回転入力装置300について説明する。この第2実施形態では、第1実施形態のコイルバネ15に代えて、一対のねじりコイルバネ380および390を用いてスライド部材314のスライド移動を打ち消す方向に付勢力を発生させる例について説明する。なお、回転入力装置300は、本発明の「入力装置」の一例である。
【0081】
まず、図10および図11を参照して、本発明の第2実施形態による回転入力装置300の構造について説明する。
【0082】
本発明の第2実施形態による回転入力装置300では、図10に示すように、操作部301は、ユーザまたは駆動部13により、軸線200回りにA方向またはB方向に回転可能に構成されている。また、操作部301は、上部筐体302および下部筐体3に対して、水平面(XY平面)内でスライド移動可能に構成されている。すなわち、操作部301は、ユーザによって、回転操作と、スライド操作とが行われるように構成されている。ここで、第2実施形態の回転入力装置300では、第1実施形態と異なり、ユーザによる押下操作が可能なようには構成されていない。
【0083】
また、回転入力装置300の内部には、操作部301側(Z1側)から順に、上部基板10と、駆動部13と、スライド部材314と、係止部材360および370と、ねじりコイルバネ380および390とが配置されている。なお、スライド部材314は、本発明の「スライド部」の一例である。
【0084】
また、上部基板10と、駆動部13と、スライド部材314と、係止部材360および370と、ねじりコイルバネ380および390とは、共に操作部301の収容部1aの内部に配置されている。また、スライド部材314の下方(Z2側)には、上部筐体302の一部であるベース部320と、スライド抵抗312aおよび312bとが配置されている。また、回転入力装置300の内部には、ベース部320側(Z1側)の下方に、下部基板19が配置されている。また、スライド部材314と、ベース部320とは、軸線200に沿って同軸状に配置されている。
【0085】
また、上部基板10と、駆動部13と、スライド部材314とは、操作部301と共に水平面(XY平面)内において操作部301と同じ方向に同じ移動量、スライド移動可能に構成されている。一方、上部基板10と、駆動部13と、スライド部材314とは、操作部301とは異なり、軸線200回りに回転しないように構成されている。なお、ベース部320と、スライド抵抗312aおよび312bと、下部基板19とは、回転およびスライド移動しないように構成されている。
【0086】
また、図10に示すように、操作部301の軸部1cにおける側面の上部には、全周に渡って駆動側ギア部13bに対応する従動側ギア部301bが形成されている。この従動側ギア部301bでは、歯すじが鉛直方向(Z方向)に延びるように形成されており、収容部1aの内部に配置された駆動側ギア部13bと水平面内で噛合するように構成されている。また、操作部301がスライド移動した際に、駆動部13の駆動側ギア部13bと操作部301の従動側ギア部301bとは、噛合状態を維持した状態で一体的にスライド移動されるように構成されている。なお、従動側ギア部301bは、本発明の「第2ギア部」の一例である。
【0087】
また、上部基板10は、スライド部材314の上面に形成された突出部14aにおいて、ネジ部材40により固定されるように構成されている。
【0088】
また、スライド部材314の上面側(Z1側)には、軸線200に沿って上方(Z1側)に突出する円筒部14bと、モータ収容部314fとが設けられている。この円筒部14bの内側には、操作部301の軸部1cが挿入されるように構成されている。また、モータ収容部314fには、駆動部13の超音波モータ13aが操作部301側であるZ1側から嵌め込まれて固定されるように構成されている。
【0089】
また、スライド部材314を下面側から見た場合、図11に示すように、スライド部材314の下面側(Z2側)には、軸部314gおよび314hと、溝部314iおよび314jと、係止部314kおよび314lとが設けられている。
【0090】
軸部314gおよび314hは、それぞれ、ねじりコイルバネ380および390の各々のコイル部分が軸支されるとともに、ねじりコイルバネ380および390が下方(Z2側)に移動しないように構成されている。また、溝部314iは、係止部材360の頭部360aが挿入された状態で、スライド部材314がY方向に移動可能に構成されている。また、溝部314jは、係止部材370の頭部370aが挿入された状態で、スライド部材314がX方向に移動可能に構成されている。
【0091】
係止部314kおよび係止部314lは、共にT字形状を有している。これにより、ねじりコイルバネ380のY1側の端部380aとY2側の端部380bとは、それぞれ、係止部314kのT字形状の部分に係止されることによって、Y2側およびY1側への移動が制限されるように構成されている。同様に、ねじりコイルバネ390のX1側の端部390aとX2側の端部390bとは、それぞれ、係止部314lのT字形状の部分に係止されることによって、X2側およびX1側への移動が制限されるように構成されている。また、係止部314kは、ねじりコイルバネ380の端部380aおよび380bが下方(Z2側)に脱落しないようように構成されているとともに、係止部314lは、ねじりコイルバネ390の端部390aおよび390bが下方に脱落しないようように構成されている。
【0092】
また、係止部材360は、スライド部材314と共にX方向にスライド移動可能である一方、Y方向にはスライド移動しないように構成されている。また、係止部材370は、スライド部材314と共にY方向にスライド移動可能である一方、X方向にはスライド移動しないように構成されている。
【0093】
また、係止部材360および370には、それぞれ、Z1側に形成され、溝部314iおよび314jに挿入される頭部360aおよび370aと、Z2側に形成された凹部360bおよび370bとが設けられている。凹部360bは、係止部材360がスライド抵抗312aの本体部112aの上面に配置された状態で、スライド抵抗312aの突出部212aが嵌め込まれるように構成されている。これにより、図10に示すように、係止部材360がX方向に移動された際に、凹部360bに嵌め込まれた突出部212aも同様にX方向に移動することによって、スライド抵抗312aにおいて本体部112aに対する突出部212aのX方向における位置が変化する。これにより、スライド抵抗312aにおける電気抵抗の値が変化して、スライド部材314(操作部301)がX方向に移動されたことが検知されるように構成されている。
【0094】
また、図11に示すように、凹部370bは、係止部材370がスライド抵抗312bの本体部112bの上面に配置された状態で、スライド抵抗312bの突出部212bが嵌め込まれるように構成されている。これにより、図10に示すように、係止部材370がY方向に移動された際に、凹部370bに嵌め込まれた突出部212bも同様にY方向に移動することによって、スライド抵抗312bにおいて本体部112bに対する突出部212bのY方向における位置が変化する。これにより、スライド抵抗312bにおける電気抵抗の値が変化して、スライド部材314(操作部301)がY方向に移動されたことが検知されるように構成されている。
【0095】
また、ベース部320には、係止部材360および370が嵌め込まれるスライド溝320eが設けられている。このスライド溝320eは、X方向に延びるように形成され、係止部材360が嵌め込まれるX方向スライド溝320fと、Y方向に延びるように形成され、係止部材370が嵌め込まれるY方向スライド溝320gとからなる。これにより、係止部材360は、スライド部材314と共にX方向にスライド移動可能である一方、X方向スライド溝320fのY方向の側面に当接することによって、Y方向にスライド移動しないように構成されている。また、係止部材370は、スライド部材314と共にY方向にスライド移動可能である一方、Y方向スライド溝320gのX方向の側面に当接することによって、X方向にスライド移動しないように構成されている。また、ベース部320は、上部筐体302に一体的に設けられた支持部321によって、下方(Z2側)から支持されている。
【0096】
また、上部筐体302のベース部320の下方(Z2側)には、支持面322が上部筐体302と一体的に形成されている。この支持面322は、スライド抵抗312aの本体部112aと、スライド抵抗312bの本体部112bとが上面に配置されるように構成されている。
【0097】
なお、第2実施形態のその他の構成および操作部301の回転操作については、上記第1実施形態と同様である。
【0098】
次に、図10〜図12を参照して、本発明の第2実施形態による回転入力装置300の操作部301のスライド移動およびスライド状態における回転操作について説明する。
【0099】
図11に示す状態から、回転入力装置300の操作部301(図10参照)がユーザによって水平面内の一方向(X2側)にスライド移動されると、図12に示すように、スライド部材314が、操作部301と共にX2側にスライド移動される。この際、スライド部材314に固定された上部基板10(図10参照)および駆動部13も、同様に、X2側にスライド移動される。一方、ベース部320(図10参照)はX2側にスライド移動されない。
【0100】
この際、係止部材360は、スライド部材314と共にX方向にスライド移動される。これにより、スライド抵抗312a(図10参照)において、本体部112aに対する突出部212aのX方向における位置が変化する。これにより、スライド抵抗312aにおける電気抵抗の値が変化して、操作部301がX2側に移動された状態(スライド状態)になったことが検知される。
【0101】
この際、駆動側ギア部13b(図10参照)は操作部301のスライド移動に伴ってスライド移動するので、操作部301がスライド状態であっても、駆動側ギア部13bと従動側ギア部301b(図10参照)とが水平面内で噛合された状態が維持される。これにより、スライド状態において操作部301が回転されたとしても、操作部301は水平面内で回転される。
【0102】
一方、係止部材370は、Y方向スライド溝320gのX方向の側面(図10参照)に当接することによって、X方向にスライド移動されない。これにより、スライド部材314が係止部材370に対してX2側に移動する。これにより、スライド部材314の軸部314hに軸支されているねじりコイルバネ390のX1側の端部390a近傍が係止部材370のX1側に当接されて、X2側への移動が規制される。ここで、ねじりコイルバネ390のX2側の端部390bはX2側に移動されるので、ねじりコイルバネ390のX1側の端部390aとねじりコイルバネ390のX2側の端部390bとの位置が変化する。これにより、ねじりコイルバネ390によって、スライド部材314にスライド移動を打ち消す方向(X1側)に付勢力が発生される。
【0103】
その後、ユーザが操作部301から手を放す(スライド移動を中止する)と、スライド部材314に対して加えられたX1側への付勢力に基づいて、スライド部材314はX1側へ移動される。これにより、操作部301は、図11に示すスライド移動しない状態に戻される。なお、操作部301がY1側、X1側、X2側、または、X方向およびY方向以外の水平面内における方向にスライド移動された場合においても、上記したY2側へのスライド移動と同様に、ねじりコイルバネ380および390の少なくともいずれか一方が、スライド移動の方向とは反対側の方向に付勢力を加えるように変形される。そして、ユーザが操作部301から手を放す(スライド移動を中止する)と、操作部301は、付勢力によって図11に示すスライド移動しない状態に戻される。
【0104】
なお、第2実施形態の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0105】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0106】
たとえば、上記第1実施形態では、駆動部13を上部スライド部材14(スライド部)の操作部1側(Z1側)の上面に固定するとともに、上記第2実施形態では、スライド部材314(スライド部)の操作部301側(Z1側)の上面側のモータ収容部314fに、駆動部13を固定した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、駆動部がスライド部に固定されていれば、スライド部の操作部とは反対側に駆動部を固定してもよい。
【0107】
また、上記第1実施形態では、上部基板10と、固定板11と、スライド抵抗12aおよび12bと、駆動部13と、上部スライド部材14と、コイルバネ15とを共に操作部1の収容部1aの内部に配置するとともに、上記第2実施形態では、上部基板10と、駆動部13と、スライド部材314と、係止部材360および370と、ねじりコイルバネ380および390とを共に操作部301の収容部1aの内部に配置した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、駆動部のみを収容部に収容してその他の部材を収容部の外側に配置してもよいし、駆動部などの上記した部材の全てを収容部の外側に配置してもよい。
【0108】
また、上記第1および第2実施形態では、駆動部13の駆動側ギア部13bと操作部1(301)の従動側ギア部1b(301b)とを、噛合状態を維持した状態で一体的にスライド移動されるように構成することによって、操作部1(301)をスライド状態で回転可能に構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、駆動部の駆動側ギア部と操作部の従動側ギア部との噛合状態を維持することが可能であれば、駆動側ギア部と従動側ギア部とを一体的にスライド移動しないように構成してもよい。
【0109】
また、上記第1実施形態では、駆動側ギア部13bと従動側ギア部1bとを、水平方向(X方向およびY方向)から見て、互いに重なるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、駆動側ギア部と従動側ギア部との少なくとも一部が、水平方向から見て、互いに重なるように構成されていればよい。
【0110】
また、上記第1および第2実施形態では、駆動部13に駆動力を発生させる駆動源として超音波モータ13aを用いた例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、超音波モータの代わりに、永久磁石を用いる電磁モータを用いてもよい。また、超音波モータの代わりに、たとえば電磁ソレノイド式アクチュエータなどのモータ以外の駆動源を用いてもよい。
【0111】
また、上記第1および第2実施形態では、回転入力装置100および300を図示しないPCに接続されることによって、ポインティングデバイスとして用いられるように構成した例について示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、回転入力装置は、TVに信号を伝達するリモコンや、ゲーム機器に信号を伝達するコントローラなどとして用いられてもよい。
【符号の説明】
【0112】
1、301 操作部
1a 収容部
1b、301b 従動側ギア部(第2ギア部)
13 駆動部
13b 駆動側ギア部(第1ギア部)
14 上部スライド部材(スライド部)
15 コイルバネ(付勢部材)
20 ベース部(固定部)
20a 外周面
100、300 回転入力装置(入力装置)
101a 開口
200 軸線
314 スライド部材(スライド部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる軸線回りの回転と、前記軸線と直交する水平方向へのスライド移動とが可能な操作部と、
前記操作部の下方に配置され、前記操作部と共にスライド移動するスライド部と、
前記スライド部と一体的にスライド移動するように前記スライド部に固定され、前記操作部に対して前記軸線回りの回転方向の駆動力を付与する駆動部とを備える、入力装置。
【請求項2】
前記操作部は、下方に開口を有し、前記駆動部を収容する凹状の収容部を含み、
前記駆動部は、駆動力を前記操作部に伝達するための第1ギア部を含むとともに、前記スライド部の前記操作部側に固定されており、
前記収容部の内側面には、前記操作部がスライド移動した状態であっても、前記第1ギア部と噛合可能な第2ギア部が形成されている、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記操作部は、上下方向に移動可能であるとともに、前記スライド部は、上下方向に移動しないように構成されており、
前記第1ギア部の少なくとも一部と前記第2ギア部の少なくとも一部とは、前記操作部がユーザによって下方に押下操作された状態であっても、前記水平方向から見て互いに重なった状態で噛合するように配置されている、請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第1ギア部の少なくとも一部と前記第2ギア部の少なくとも一部とは、前記操作部がスライド移動され、かつ、ユーザによって下方に押下操作された状態であっても、前記水平方向から見て互いに重なった状態で噛合状態を維持するように配置されている、請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
スライド移動しない固定部と、
前記固定部の外周面に係合した状態で前記固定部の外周面を取り囲むように配置され、前記スライド部のスライド移動を打ち消す方向に付勢力を発生させる環状の付勢部材とをさらに備え、
前記操作部は、上下方向に移動可能であるとともに、前記スライド部および前記固定部は、上下方向に移動しないように構成されており、
前記操作部がユーザによって下方に押下操作された状態であっても、前記固定部の少なくとも一部と前記付勢部材の少なくとも一部とが前記水平方向から見て互いに重なるように配置されることによって、前記付勢部材は、前記固定部の外周面に対する係合状態を維持して前記スライド部のスライド移動を打ち消す方向に付勢力を発生させることが可能なように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の入力装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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