説明

入浴設備

【課題】 電気分解によりアルカリイオン水を得る際に酸性イオン水を減少させる。
【解決手段】 正電極15及び負電極16に挟まれて陽イオン交換膜12が設けられ、負電極16と陽イオン交換膜12の間の陰極側の通路に水道水を流通させる経路21を備え、陽イオン交換膜12を正電極15に密着して設け、正電極15側の陽イオン交換膜12に対してはHイオンが透過する湿潤状況にして水素ガスの気泡を負電極16に生成し、陽イオン交換膜12に水酸イオンOH-を透過させずに酸素イオンの発生を抑制して酸性イオン水を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素含有電解水を用いた入浴設備に関する。
【背景技術】
【0002】
水道水から水素含有電解水(アルカリイオン水)及び酸性イオン水を生成するアルカリイオン整水器(水素含有電解水生成装置)として、陽極、陰極の電極間にイオン交換膜を介在させ、水の電気分解作用を利用して、水素含有電解水と酸性イオン水とに分離生成するビルトインタイプの整水器が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、新陳代謝の低下等により体内の脂肪が充分に代謝されずに脂肪細胞の周りに固まりとなる脂肪塊が発生することがある。美容志向、健康志向の高まりから脂肪塊の存在がクローズアップされてきている。また、血液は酸化ストレスを受けると、赤血球の表面が粘着力を持ち表面同士がくっついて凝集し(溶血し)、動脈硬化の原因になることがある。
【0004】
脂肪塊の抑制や酸化ストレスの抑制にはサプリメントの服用が効果的であることが知られているが、サプリメントの服用に関する副作用等の問題があるのも実情である。このため、水素含有電解水による入浴により肌を活性化させて脂肪塊を抑制したり、血液の溶血を抑制することが注目されてきている。入浴に用いる水素含有電解水は、アルカリイオン整水器を用いて水道水から得るのが一般的である。
【0005】
しかし、水道水から水素含有電解水を得る場合、入浴用として所定の温度に維持する時間が必要であり、また、水素の溶存量は時間と共に減少し、酸化還元電位も高くなり還元力が低下してしまう。このため、水道水から得た水素含有電解水を入浴用に用いる場合、脂肪塊の抑制や血液の溶血の抑制に効果的な状態を持続させることが困難な状況であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−192858号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、還元力を持続させた水素含有電解水を入浴用に用いることができる入浴設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための請求項1に係る本発明の入浴設備は、陽極、陰極一対の電極に挟まれてイオン交換膜が電解槽内に備えられ、電気分解により水素含有電解水を得る電解水生成手段と、入浴用の湯が貯められる浴槽と、前記浴槽に貯められた湯を前記電解水生成手段に送るとともに前記電解水生成手段で生成された水素含有電解水を循環流体として前記浴槽に循環させる循環経路とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項1に係る本発明では、浴槽と電解水生成手段の間で水素含有電解水を循環させることで、還元力が持続している水素含有電解水を浴槽の湯とすることができる。このため、還元力を持続させた水素含有電解水を入浴用に用いることが可能になる。
【0010】
そして、請求項2に係る本発明の入浴設備は、請求項1に記載の入浴設備において、前記電解水生成手段が前記浴槽に給湯を行う給湯手段の給湯経路に備えられ、前記循環経路と前記給湯経路を切換える切換え手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る本発明では、給湯手段からの湯を電気分解して還元力を有する水素含有電解水とし浴槽に給湯を行うことで、水素含有電解水を浴槽の湯として給湯することができる。給湯後は、切換え手段により浴槽の湯を循環経路で循環させることで、浴槽と電解水生成手段の間で水素含有電解水が循環し、還元力が持続した状態が維持される。
【0012】
また、請求項3に係る本発明の入浴設備は、請求項2に記載の入浴設備において、前記給湯手段は、ヒートポンプにより得られた温水を貯留する貯湯タンクを備え、前記貯湯タンクに貯留された前記温水が前記給湯経路から前記浴槽に送られることを特徴とする。また、請求項4に係る本発明の入浴設備は、請求項3に記載の入浴設備において、前記貯湯タンクからの温水を熱媒体として前記循環経路の前記循環流体を昇温する熱交換器を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3及び請求項4に係る本発明では、ヒートポンプにより給湯用の湯の熱エネルギーを得る給湯設備を用いた入浴設備とすることができる。
【0014】
また、請求項5に係る本発明の入浴設備は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の入浴設備において、前記電解水生成手段は、陰極側の前記電極及び陽極側の前記電極がそれぞれメッシュ状に形成され、陰極側の通路に循環流体を流通させる流通路を備え、前記イオン交換膜が、陽イオン交換膜であると共に陽極側の前記電極に密着して前記流通路に対向していることを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る本発明では、陽イオン交換膜が陽極側の電極に密着して流通路に対向しているので、陽極側の電極側の陽イオン交換膜に対しては水素イオンHが透過する湿潤状況にすることで、水素イオンの気泡を陰極側の電極に生成させることができると共に、水酸イオンOHは陽イオン交換膜を透過しないので酸素イオンの発生が抑制され、酸性イオン水を減少させることができる。また、陰極側の電極がメッシュ状に形成されているので、電極に生成される水素ガスの泡のぬれ角を小さくすることができ、水素ガスの泡を小さい状態で離脱させることができ、水素ガスがナノバブルとされた水素含有電解水を浴槽に送ることができる。
【0016】
また、請求項6に係る本発明の入浴設備は、請求項5に記載の入浴設備において、前記電解水生成手段は、陽極側の前記電極が円筒状とされて外周部に円筒状の前記陽イオン交換膜が密着され、前記陽イオン交換膜が密着された陽極側の前記電極の外周に円筒状の陰極側の前記電極が配され、前記流通路が、陽極側の前記電極と陰極側の前記電極との間が前記循環流体の流入側とされると共に、陰極側の前記電極の外側が前記循環流体の流出側とされて水素含有電解水が流出されることを特徴とする。
【0017】
請求項6に係る本発明では、円筒状の電解槽を有する電解水生成手段となり、循環系等の配管に容易に設置することができ、既存の給湯設備に対しても設置が容易となる。
【0018】
また、請求項7に係る本発明の入浴設備は、請求項6に記載の入浴設備において、陽極側の前記電極の内周側に陽極側流路を備え、前記陽極側流路への前記循環流体の流入量を規制する規制部材を前記陽極側流路に備えたことを特徴とする。
【0019】
請求項7に係る本発明では、陽極側に流入する循環流体の量が規制部材により規制されて制限されることで、酸性イオン水を最小限に減少させることができ、電解水生成手段での排水を大幅に減少させることができる。
【0020】
また、請求項8に係る本発明の入浴設備は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の入浴設備において、前記電解水生成手段は、前記イオン交換膜が、イオンと共に水粒子を通す中性膜であり、陽極側の前記電極が円筒状とされて外周部に円筒状の前記中性膜が密着され、前記中性膜が密着された陽極側の前記電極の外周に円筒状の陰極側の前記電極が配され、陽極側の前記電極と陰極側の前記電極との間が循環流体の流入側とされると共に、陰極側の前記電極の外側が前記循環流体の流出側とされて水素含有電解水が流出され、前記陽極側の前記電極の内側の電解水に発生する酸素ガスを脱気する脱気手段を前記陽極側の前記電極の内側の流路に備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項8に係る本発明では、酸性水の発生がなく、陽極側で生成される電解水は中成膜を透過して水素イオンHの還元で水素に変わり、陽極側の電極の内側の流路の電解水に発生する酸素ガスを脱気手段で放出することにより、酸性排水を一切伴わずに水素含有電解水を得ることができる。
【0022】
また、請求項9に係る本発明の入浴設備は、請求項8に記載の入浴設備において、陰極側の前記電極及び陽極側の前記電極がそれぞれメッシュ状に形成されたことを特徴とする。
【0023】
請求項9に係る本発明では、電極がメッシュ状に形成されているので、電極に生成される水素ガスの泡のぬれ角を小さくすることができ、水素ガスの泡を小さい状態で離脱させることができ、水素ガスがナノバブルとされた水素含有電解水を浴槽に送ることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の入浴設備は、還元力を持続させた水素含有電解水を入浴用に用いることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態例に係る入浴設備の概略構成図である。
【図2】電解水生成手段の断面図である。
【図3】図2中のIII−III線矢視図である。
【図4】酸化還元電位とpHの経時変化を表すグラフである。
【図5】酸化還元電位とpH及び水素ガスの粒径の経時変化の表図である。
【図6】水素ガスの粒径の分布を表すグラフである。
【図7】水素ガスの粒径の分布を表すグラフである。
【図8】電解水生成手段の他の例を表す平面断面図である。
【図9】酸化還元電位とpHの経時変化を表すグラフである。
【図10】酸化還元電位とpHの経時変化の表図である。
【図11】本発明の第2実施形態例に係る入浴設備の概略構成図である。
【図12】給湯手段の概略系統図である。
【図13】酸化還元電位とpHの経時変化を表すグラフである。
【図14】酸化還元電位とpHの経時変化の表図である。
【図15】酸化還元電位とpHの経時変化を表すグラフである。
【図16】酸化還元電位とpHの経時変化の表図である。
【図17】電解水生成手段の他の例を説明する断面図である。
【図18】酸化還元電位とpHの経時変化を表すグラフである。
【図19】酸化還元電位とpHの経時変化の表図である。
【図20】酸化還元電位とpHの経時変化の表図である。
【図21】水素ガスの粒径の分布を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1には本発明の一実施形態例に係る入浴設備の概略系統、図2には電解水生成手段の構成を説明する側面の断面、図3には電解水生成手段の平面の断面(図2中のIII−III線矢視)を示してある。そして、図4、図5には酸化還元電位とpHの経時変化の状況、図6には電解開始から15分経過後の水素ガスの粒径の分布状況、図7には電解開始から30分経過後の水素ガスの粒径の分布状況を示してある。
【0027】
図1に基づいて本発明の入浴設備の概略を説明する。
【0028】
図に示すように、入浴設備10は、入浴用の湯が貯められる浴槽1が備えられ、浴槽1には図示しない給湯設備等から給湯が行われる。浴槽1には循環経路2が備えられ、循環経路2には電解水生成手段3が備えられている。電解水生成手段3は、詳細は後述するが、陽極、陰極一対の電極に挟まれてイオンだけを通し水粒子を通さないイオン交換膜(陽イオン交換膜)が電解槽4内に備えられ、電気分解により水素含有電解水(アルカリイオン水)を得るものである。
【0029】
つまり、電解槽4内には一対の電極(正電極、負電極)に挟まれた陽イオン交換膜が備えられ、正電極及び負電極の間に所定の電圧が印加される。電解槽4内に循環される湯は、陽イオン交換膜で区切られた通路に流れ込み、水素イオンHと水酸イオンOHとに電離する。電離した水素イオンHが陽イオン交換膜を透過して陰極側の通路に集まり、負電極に水素ガスの気泡が生成され、湯(2HO)は、電子(2e)によりH+2OHに整水され(水に水素ガスが溶存し)、水素が溶存されたアルカリイオン水が生成される。
【0030】
循環経路2は、フィルタ5を通して浴槽1内の湯を電解槽4に送る引入れ路6と、電解槽4で得られたアルカリイオン水を浴槽1に送る流入路7とを備えている。引入れ路6には循環ポンプ8が備えられ、流入路7には流量センサー9が備えられている。循環ポンプ8の駆動により浴槽1内の湯が電解槽4に送られ、流量センサー9により所定流量の湯の流通が検出されると、電解槽4の運転が開始されてアルカリイオン水が循環される。
【0031】
図1中の符号で11は、酸性イオン水を排出するための排出路であり、12は排出路11に備えられ電解槽4の運転が開始された後に開弁されて酸性イオン水を流通させる(排出させる)電磁弁である。また図示は省略したが、流入路7と同一の経路が電磁弁を介して設けられ、排出路及び同一の経路の電磁弁を制御することで、電解水生成手段3の洗浄が行われる。
【0032】
図2、図3に基づいて電解水生成手段3を具体的に説明する。
【0033】
筒状の電解槽4は下側基台31を備え、電解槽4の上部には上側基台32が固定されている。電解槽4は、筒の内側に出入り口を除いてプラスチック製のシート4aが配された構成とされている。電解槽4の下部の筒面には原水入口19が設けられ、原水入口19には浴槽1(図1参照)の湯が流入する引入れ路6が接続されている。電解槽4の上部の筒面にはアルカリイオン水が送り出される吐出口33が設けられ、吐出口33には流入路7が接続されている。
【0034】
下側基台31の上面には筒状の下ソケット35が設けられ、上側基台32の下面には筒状の上ソケット38が設けられ、上ソケット38の内側の上側基台32に排出口34が設けられている。下ソケット35の上部には、負電極16の外側における電解槽4のへの湯の流入を規制する下部スペーサ18が設けられ、下ソケット35には湯を内側に流入させる流入口35aが設けられている。
【0035】
下ソケット35の内側における下側基台31には、天井面を有する円筒状の台座41が設けられている。台座41の筒面には湯の流入口42が形成され、台座41の天井面の中心には台座41の内側からの湯を天井面に送る送出口43が形成されている。
【0036】
台座41の天井面の上には筒状の正電極15が配され、正電極15は台座41と同径とされている。正電極15は細かい網目のメッシュ状に形成され、正電極15の周囲には陽イオン交換膜13の筒が嵌合している。つまり、円筒状の正電極15の外周部に円筒状の陽イオン交換膜13が密着されている。
【0037】
正電極15の上端部の内周は上ソケット38の外周側に嵌合し、円筒状の陽イオン交換膜13の下端部の内周は台座41の筒部に嵌合している。つまり、外周部に陽イオン交換膜13が密着された正電極15は、上ソケット38と台座41とに嵌合されて電解槽4に収容されている。
【0038】
正電極15の内周側には正極側の端子となる正電極棒45が固定され、正電極棒45の下部にはフランジ部46が設けられている。正電極棒45の下部はフランジ部46を介して下側基台31に係合し、正電極棒45の下端部は下側基台31を貫通して外部に導かれて図示しない電源に接続されている。
【0039】
外周部に陽イオン交換膜13が密着された正電極15の外周側には筒状の負電極16が同心状態に隙間をあけて配され、陽イオン交換膜13と負電極16との間に経路21が形成されている。負電極16は細かい網目のメッシュ状に形成され、正電極15の上端側における陽イオン交換膜13の外周には上部スペーサ17が設けられ、負電極16の上端が上部スペーサ17に嵌合して経路21の上端が閉じられている。
【0040】
負電極16の下端部は下ソケット35の内周側に嵌合し、負電極16は上部スペーサ17と下ソケット35とに嵌合されて、外周部に陽イオン交換膜13が密着された正電極15の外側に配された状態で、電解槽4に収容されている。負電極16の外側における電解槽4の内周側(吐出口33に連通する部位)が経路22とされている。
【0041】
負電極16の外周側には負極側の端子となる負電極棒55が固定され、負電極棒55の下部にはフランジ部56が設けられている。負電極棒55の下部はフランジ部56を介して下側基台31に係合し、負電極棒55の下端部は下側基台31を貫通して外部に導かれて図示しない電源に接続されている。
【0042】
引入れ路6を通して電解槽4の原水入口19から供給される湯は、下ソケット35の内側に導かれ、陽イオン交換膜13と負電極16との間に形成された経路21に送られる。また、下ソケット35の内側に導かれた湯の一部は、流入口42から台座41の内側に送られ、送出口43から正電極15の内周側に導かれる。正電極15及び負電極16の間に所定の電圧が印加され、原水入口19から流入し、経路21に流れ込んだ湯及び正電極15の内周側に送られた湯は、流通の過程で水素イオンHと水酸イオンOHとに電離する。
【0043】
電離した水素イオンHが陽イオン交換膜13を透過して陰極側の経路21に集まり、負電極16に水素ガスの気泡が生成され、湯(2HO)は、電子(2e)によりH+2OHに整水され(水に水素ガスが溶存し)、水素が溶存されたアルカリイオン水が生成される。
【0044】
そして、陽イオン交換膜13と負電極16との間の経路21から負電極16の反対側(外周側)の面に水素ガスの気泡を通過させて水流と共に水素ガスを流出させ、水素ガスの気泡が小さい状態で負電極16から離脱させる。負電極16が細かい網目のメッシュ状に形成されているため、水素ガスの泡が小さい状態(ナノバブル状態)で離脱され、水素ガスが水に溶存し易くなり、長時間水に水素ガスを留まらせることが可能になる。水素ガスが溶存されたアルカリイオン水は、吐出口33から流入路7を通して浴槽1(図1参照)に循環される。
【0045】
一方、電離した水酸イオンOH(水粒子)は陽イオン交換膜13を透過しないため陽極側の正電極15の内周側には水酸イオンOHが集まらず、酸性イオン水はほとんど生成されない。また、正電極15はメッシュ状に形成されているので、陽イオン交換膜13への水分の拡散が容易になり、少ない水分量で陽イオン交換膜13を湿潤させることができ、酸性イオン水の排出量を大幅に減らすことができる。このため、排出口34から排出される酸性イオン水は極僅かとなる。
【0046】
上述した電解水生成手段3を備えた入浴設備10では、循環ポンプ8の駆動により浴槽1の内部の湯が電解水生成手段3との間を循環し、アルカリイオン水の湯として浴槽1に戻すことができる。このため、水素ガスの泡を小さい状態のまま浴槽1からの湯に溶存させて循環させるので、長時間に亘り浴槽1内の湯に水素ガスを留まらせて還元力を有する湯を得ることができる。
【0047】
図4から図7に基づいて循環される湯の還元力の状況を説明する。
【0048】
浴槽1内の湯の水量を165リットル、温度を42℃、電解水生成手段3の電解電流を7A、循環水量を毎分15.5リットルとした場合の水素イオン指数(pH)と酸化還元電位(ORP:マイナス側の値が大きいほど還元力が強く酸化を抑制する)の状況を説明する。
【0049】
図4、図5に示すように、循環初期におけるpH(図4中○印:以下同じ)が7.11であり、ORP(図4中△印:以下同じ)が590mVである。循環開始から5分経過後は、pHが7.34になり、ORPが21mVになり、10分経過後は、pHが7.66になり、ORPが−68mVになり、15分経過後は、pHが7.90になり、ORPが−140mVになっている。そして、20分経過後は、pHが8.10になり、ORPが−224mVになり、25分経過後は、pHが8.21になり、ORPが−340mVになり、30分経過後は、pHが8.29になり、ORPが−428mVになっている。
【0050】
図5〜図7に示すように、循環開始から15分経過後の水素ガスの粒径の平均分布は約77nmになり、30分経過後の水素ガスの粒径の平均分布は約45nmになっている。
【0051】
以上の結果から、循環を開始してから20分が経過すると、pHが8を超えると共にORPが充分に低下(−150mV以下)し、還元力を有する湯が浴槽1に貯められ、循環開始から30分が経過すると、充分に小さい状態の水素ガスの泡を溶存させて、高い還元力を有する湯が浴槽1に貯められていることがわかる。
【0052】
このため、上述した入浴設備10の浴槽1に入ることにより、水素の特性及び還元作用の高い酸化還元電位の特性及びアルカリ性の特性による活性酸素への消去作用を介して、例えば、皮膚中の脂肪の酸化変質を防ぐことができる。即ち、充分な濃度の水素を溶存させて高い還元力を得ることにより、活性酸素への消去作用を働かせ、皮膚中の酸化変質を防御し、脂肪滴の形成を抑制して脂肪塊を抑制することができる。また、水素の特性及び還元作用の高い酸化還元電位の特性及びアルカリ性の特性により、肌を活性化させて皮膚中の脂肪の酸化変質を防ぎ、脂肪塊の形成を阻害することができると共に脂肪を燃焼させることができる。
【0053】
図8から図10に基づいて他の形態の電解水生成手段を説明する。
【0054】
図8には電解水生成手段の他の例を説明する平面断面であり、図3に相当する状態である。このため、図3に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。また、図9、図10には酸化還元電位とpHの経時変化の状況を示してある。
【0055】
図8に示すように、本実施形態例の電解水生成手段23は、正電極15の内周に円柱状のスペーサ25が配され、スペーサ25と正電極15の内周面との間には僅かな隙間(例えば、1mm)の通路26が形成されている。正電極15の内周側に導かれた湯は通路26に送られ、正電極15に密着されている陽イオン交換膜13に正電極15側から浸るようになっている。ファラデーの法則に基づき酸性イオン水が少なくなり、負電極16で生成されるアルカリイオン水のpHが中性領域に制御される。
【0056】
図9、図10に基づいて循環される湯の還元力の状況を説明する。
【0057】
浴槽1内の湯の水量を165リットル、温度を42℃、電解水生成手段3の電解電流を7A、循環水量を毎分10.5リットルとした場合の水素イオン指数(pH)と酸化還元電位(ORP:マイナス側の値が大きいほど還元力が強く酸化を抑制する)の状況を説明する。
【0058】
図9、図10に示すように、循環初期におけるpH(図9中○印:以下同じ)が7.1であり、ORP(図9中△印:以下同じ)が547mVである。循環開始から5分経過後は、pHが7.3になり、ORPが36mVになり、10分経過後は、pHが7.6になり、ORPが−72mVになり、15分経過後は、pHが7.7になり、ORPが−178mVになっている。そして、20分経過後は、pHが7.8になり、ORPが−278mVになり、25分経過後は、pHが7.8になり、ORPが−324mVになり、30分経過後は、pHが7.8になり、ORPが−341mVになっている。
【0059】
以上の結果から、循環を開始してから15分が経過すると、pHが中性領域に制御された状態でORPが充分に低下(−150mV以下)し、還元力を有する湯が浴槽1に貯められ、循環開始から30分が経過すると、酸性イオン水を減少させた状態で高い還元力を有する湯が浴槽1に貯められていることがわかる。
【0060】
上述した入浴設備は、浴槽1と電解水生成手段3の間で水素含有電解水を循環させることで、還元力が持続している水素含有電解水を浴槽1の湯とすることができる。このため、還元力を持続させた水素含有電解水を入浴用に用いることが可能になる。
【0061】
図11から図14に基づいて本発明の第2実施形態例に係る入浴設備を説明する。
【0062】
図11には本発明の第2実施形態例に係る入浴設備の概略の系統、図12には給水手段の内部の概略的な系統、図13、図14には酸化還元電位とpHの経時変化の状況を示してある。尚、図1から図3に示した部材と同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略してある。
【0063】
図11に示すように、入浴設備70は、自然冷媒ヒートポンプ給湯機(エコキュート:登録商標)の電気温水器61に電解水生成手段3(図2、図3参照)が備えられている。浴槽1には電気温水器61から電解水生成手段3を介しての給湯(湯の落とし込み)が行われると共に、浴槽1に貯められた湯は電解水生成手段3との間で循環される。電気温水器61には水道水等が給水される給水口62が備えられ、また、図示しないヒートポンプユニットと電気温水器61との間で加熱用の冷媒が循環されている。
【0064】
図12に基づいて電気温水器61を具体的に説明する。
【0065】
図12に示すように、電気温水器61には貯湯タンク63が備えられ、貯湯タンク63には給水口62からの給水路64が接続されている。また、貯湯タンク63には加熱用の冷媒が循環される冷媒路65が接続されている。加熱用の冷媒により加熱された貯湯タンク63内の湯は、給湯路66から給湯口67に送られる。
【0066】
給湯路66の途中部には給湯三方弁69が設けられ、給湯三方弁69には給水口62からの給水路64が接続されている。給湯三方弁69の開閉状況を調整することにより、貯湯タンク63からの湯が給水路64からの給水と混合され、所望の温度の湯となって給湯口67から給湯される。
【0067】
給湯路66から分岐して貯湯路71(給湯経路)が設けられ、貯湯路71は電解水生成手段3の上流側の引入れ路6に接続されている。貯湯路71の途中部には切換え手段としての貯湯三方弁72が設けられ、貯湯三方弁72には給水口62からの給水路64が接続されている。
【0068】
貯湯三方弁72の開閉状況を調整することにより、貯湯タンク63からの湯が給水路64からの給水と混合され、所望の温度の湯となって電解水生成手段3に送られ、浴槽1への湯の落とし込み(湯張り)が実施される(図中白抜き矢印で示してある)。また、貯湯三方弁72の貯湯路71側への流路を閉じた状態で循環ポンプ8を駆動することにより、浴槽1内の湯が引入れ路6から電解水生成手段3に送られ、アルカリイオン水の湯として流入路7から浴槽1に戻される(図中黒太矢印で示してある)。
【0069】
一方、貯湯路71の接続部の上流側における引入れ路6には熱交換器75が設けられ、熱交換器75には貯湯タンク63からの温水が熱媒体として送られる追い炊き経路76が備えられている。炊き経路76から送られる貯湯タンク63からの温水と引入れ路6を循環する湯(循環流体)とが熱交換され、引入れ路6の湯が所定の温度に昇温維持(追い炊き)される。
【0070】
電解水生成手段3を備えた電気温水器61では、貯湯三方弁72の貯湯路71側への流路を開いた状態で貯湯タンク63からの湯を電解水生成手段3に送り、電解水生成手段3で電気分解した湯を浴槽1に供給して湯張り(落とし込み)を実施する(図中白抜き矢印で示してある)。所定量の湯が浴槽1に供給されると、貯湯三方弁72の貯湯路71側への流路を閉じて浴槽1と電解水生成手段3との間で湯を循環させ(図中黒太矢印で示してある)、浴槽1の湯の電気分解を実施する。
【0071】
図13、図14に基づいて上述した入浴設備において湯張り後に循環させた場合の還元力の状況を説明する。
【0072】
浴槽1内の湯の水量を165リットル、温度を42℃、電解水生成手段3の電解電流を7A、循環水量を毎分10.5リットルとした場合の水素イオン指数(pH)と酸化還元電位(ORP)の状況を説明する。
【0073】
図13、図14に示すように、電解水生成手段3で電気分解した湯を浴槽1に供給して湯張りを行い、満水となった時のpH(図13中○印:以下同じ)が7.5であり、ORP(図13中△印:以下同じ)が−103mVである。満水になった後に循環を開始し、開始から5分経過後は、pHが8.2になり、ORPが−273mVになり、10分経過後は、pHが8.4になり、ORPが−340mVになり、15分経過後は、pHが8.6になり、ORPが−371mVになっている。そして、20分経過後は、pHが8.7になり、ORPが−391mVになり、25分経過後は、pHが8.7であり、ORPが−417mVになり、30分経過後は、pHが8.7であり、ORPが−421mVになっている。
【0074】
以上の結果から、湯張りを終了して循環を開始した直後から、pHが中性領域に制御された状態でORPが充分に低下(−150mV以下)し、還元力を有する湯が浴槽1に貯められる。そして循環開始から30分が経過しても、高い還元力を有する湯が浴槽1に維持されることがわかる。
【0075】
上述した入浴設備70において、電解水生成手段3(図2、図3参照)に代えて電気温水器61に電解水生成手段23(図8参照)を備えた際の湯の還元力の状況を、図15、図16に基づいて説明する。即ち、正電極15の内周に円柱状のスペーサ25が配された電解水生成手段23が電気温水器61に備えられた入浴設備における湯張り後に循環させた場合の還元力の状況を説明する。
【0076】
浴槽1内の湯の水量を165リットル、温度を42℃、電解水生成手段3の電解電流を7A、循環水量を毎分10.5リットルとした場合の水素イオン指数(pH)と酸化還元電位(ORP)の状況を説明する。
【0077】
図15、図16に示すように、電解水生成手段23で電気分解した湯を浴槽1に供給して湯張りを行い、満水となった時のpH(図15中○印:以下同じ)が7.1であり、ORP(図15中△印:以下同じ)が−79mVである。満水になった後に循環を開始し、開始から5分経過後は、pHが7.1であり、ORPが−210mVになり、10分経過後は、pHが7.3になり、ORPが−259mVになり、15分経過後は、pHが7.3であり、ORPが−298mVになっている。そして、20分経過後は、pHが7.3であり、ORPが−325mVになり、25分経過後は、pHが7.3であり、ORPが−362mVになり、30分経過後は、pHが7.3であり、ORPが−390mVになっている。
【0078】
以上の結果から、湯張りを終了した直後から、pHが中性領域に制御された状態でORPが充分に低下(−150mV以下)し、還元力を有する湯が浴槽1に貯められる。そして、酸性イオン水を減少させた状態で(排出させない状態で)高い還元力を有する湯が、循環開始から30分が経過しても浴槽1に維持されることがわかる。
【0079】
上述した入浴設備70は、貯湯タンク63の湯を電解水生成手段3(23)に通して湯張りを行うことで、還元力を有する水素含有電解水を浴槽1に落とし込むことができる。そして、浴槽1と電解水生成手段3(23)の間で水素含有電解水を循環させることで、還元力が持続している水素含有電解水を浴槽1の湯とすることができる。このため、還元力を持続させた水素含有電解水を短時間で入浴用に用いることが可能になる。
【0080】
図17に基づいて電解水生成手段の他の形態を説明する。
【0081】
図17には電解水生成手段の他の例を説明する断面であり、図2に相当する状態である。即ち、図示の電解水生成手段81は、図2に示した電解水生成手段3の一部の構成を変更したものである。このため、図2に示した部材と同一部材には同一符号を付して重複する説明は省略してある。
【0082】
また、図18から図20には酸化還元電位とpH、水素ガスの粒径の経時変化、図21には電解開始から30分経過後の水素ガスの粒径の分布状況を示してある。
【0083】
図17に示すように、正電極15の周囲にはイオンと共に水粒子を通すイオン交換膜としての中性膜82の筒が嵌合し、円筒状の正電極15の外周部に円筒状の中性膜82が密着されている。外周部に中性膜82が密着された正電極15の外周側に負電極16が同心状態に隙間をあけて配され、中性膜82と負電極16との間に経路21が形成されている。
【0084】
上ソケット38の上側基台32に設けられた排出口34は正電極15の筒の内側に連通し、排出口34には正電極15の内側の電解水に発生する酸素ガス(Oガス)を脱気する脱気手段としての脱気弁83が設けられている。つまり、正電極15の内側の流路に電解水に発生するOガスを脱気する脱気手段が設けられている。
【0085】
引入れ路6を通して電解槽4の原水入口19から供給される湯は、下ソケット35の内側に導かれ、正電極15の内部及び中性膜82と負電極16との間に形成された経路21に送られる。正電極15及び負電極16の間に所定の電圧が印加され、原水入口19から流入した湯は水素イオンHと水酸イオンOHとに電離する。
【0086】
つまり、正電極15側では、
O→1/2・O+2H+2e
の反応が生じ、
負電極16側では、
2H+2e→H
の反応が生じ、
全体で、
O→1/2・O+H
の反応が生じる。
【0087】
電離した水素イオンHが中性膜82を透過して陰極側の経路21に集まり、負電極16に水素ガスの気泡が生成され、湯(2HO)は、電子(2e-)によりH+2OH-に整水され(水に水素ガスが溶存し)、水素が溶存されたアルカリイオン水が生成される。また、正電極15側のHを含む陽極液が中性膜82を通過して陰極側の経路21に導かれる。正電極15の内側に発生するOガスは脱気弁83に集められて脱気される。即ち、酸性排水の発生は生じない。
【0088】
水素ガスの気泡を、経路21から負電極16の反対側(外周側)の面に通過させて水流と共に水素ガスを流出させ、水素ガスの気泡が小さい状態で負電極16から離脱させる。水素ガスが溶存されたアルカリイオン水は、吐出口33から流入路7を通して浴槽1(図1参照)に循環される。
【0089】
図18から図21に基づいて、上述した電解水生成手段81を図1に示した入浴設備10に適用した場合の湯の還元力の状況を説明する。
【0090】
浴槽1内の湯の水量を165リットル、温度を42℃、電解水生成手段81の電解電流を7A、循環水量を毎分15.5リットルとした場合の水素イオン指数(pH)と酸化還元電位(ORP:マイナス側の値が大きいほど還元力が強く酸化を抑制する)の状況を説明する。
【0091】
図18、図19に示すように、循環初期におけるpH(図18中○印:以下同じ)が7.09であり、ORP(図18中△印:以下同じ)が320mVである。循環開始から5分経過後は、pHが7.22になり、ORPが−61mVになり、10分経過後は、pHが7.34になり、ORPが−227mVになり、15分経過後は、pHが7.49になり、ORPが−485mVになっている。そして、20分経過後は、pHが7.66になり、ORPが−508mVになり、25分経過後は、pHが7.87になり、ORPが−513mVになり、30分経過後は、pHが8.07になり、ORPが−507mVになっている。
【0092】
図19、図21に示すように、循環開始から15分経過後の水素ガスの粒径の平均分布は約75nmになり、図19に示すように、30分経過後の水素ガスの粒径の平均分布は約157nmになっている。
【0093】
また、図18、図20に示すように、電解停止直後におけるpHが8.07であり、ORPが−507mVである。循環停止から5分経過後は、pHが8.05になり、ORPが−520mVになり、10分経過後は、pHが7.89になり、ORPが−530mVになり、15分経過後は、pHが7.84になり、ORPが−495mVになり、20分経過後は、pHが7.83になり、ORPが−480mVになっている。
【0094】
また、図20に示すように、電解停止から5分経過後の水素ガスの粒径の平均分布は約185nmになり、20分経過後の水素ガスの粒径の平均分布は約181nmになっている。
【0095】
以上の結果から、酸性排水を一切伴わずに、循環を開始してからpHの値が高くなり、循環を開始してから10分を経過するとORPが充分に低下(−150mV以下)し、還元力を有する湯が浴槽1に貯められ、循環開始から15分が経過すると、充分に小さい状態の水素ガスの泡を溶存させて、高い還元力を有する湯が浴槽1に貯められていることがわかる。また、電解が停止した後も、pHの値が維持され、ORPも充分に低下した状態が維持されていることがわかる。
【0096】
尚、電解電流を5A、3Aで同様の検証を行った結果、充分に還元力を有する湯が浴槽1に貯められ、電解が停止した後も、pHの値が維持され、ORPも充分に低下した状態が維持されていることが確認されている。電解電流を低くした場合、pHを中性に近い(7に近い)領域で略一定に維持できることが確認されている。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、水素含有電解水を用いた入浴設備の産業分野で利用することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 浴槽
2 循環経路
3、23、81 電解水生成手段
4 電解槽
5 フィルタ
6 引入れ路
11 排出路
13 陽イオン交換膜
15 正電極
16 負電極
17 上部スペーサ
18 下部スペーサ
19 原水入口
20 流通路
21 経路(流入側)
22 経路(流出側)
31 下側基台
32 上側基台
33 吐出口
34 排出口
35 下ソケット
38 上ソケット
41 台座
42 流入口
43 送出口
45 正電極棒
46、56 フランジ部
55 負電極棒
61 電気温水器
62 給水口
63 貯湯タンク
64 給水路
65 冷媒路
66 給湯路
67 給湯口
71 貯湯路
72 貯湯三方弁
75 熱交換器
82 中性膜
83 脱気弁


【特許請求の範囲】
【請求項1】
陽極、陰極一対の電極に挟まれてイオン交換膜が電解槽内に備えられ、電気分解により水素含有電解水を得る電解水生成手段と、
入浴用の湯が貯められる浴槽と、
前記浴槽に貯められた湯を前記電解水生成手段に送るとともに前記電解水生成手段で生成された水素含有電解水を循環流体として前記浴槽に循環させる循環経路とを備えた
ことを特徴とする入浴設備。
【請求項2】
請求項1に記載の入浴設備において、
前記電解水生成手段が前記浴槽に給湯を行う給湯手段の給湯経路に備えられ、
前記循環経路と前記給湯経路を切換える切換え手段を備えた
ことを特徴とする入浴設備。
【請求項3】
請求項2に記載の入浴設備において、
前記給湯手段は、ヒートポンプにより得られた温水を貯留する貯湯タンクを備え、
前記貯湯タンクに貯留された前記温水が前記給湯経路から前記浴槽に送られる
ことを特徴とする入浴設備。
【請求項4】
請求項3に記載の入浴設備において、
前記貯湯タンクからの温水を熱媒体として前記循環経路の前記循環流体を昇温する熱交換器を備えた
ことを特徴とする入浴設備。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の入浴設備において、
前記電解水生成手段は、
陰極側の前記電極及び陽極側の前記電極がそれぞれメッシュ状に形成され、
陰極側の通路に循環流体を流通させる流通路を備え、
前記イオン交換膜が、陽イオン交換膜であると共に陽極側の前記電極に密着して前記流通路に対向している
ことを特徴とする入浴設備。
【請求項6】
請求項5に記載の入浴設備において、
前記電解水生成手段は、
陽極側の前記電極が円筒状とされて外周部に円筒状の前記陽イオン交換膜が密着され、
前記陽イオン交換膜が密着された陽極側の前記電極の外周に円筒状の陰極側の前記電極が配され、
前記流通路が、陽極側の前記電極と陰極側の前記電極との間が前記循環流体の流入側とされると共に、陰極側の前記電極の外側が前記循環流体の流出側とされて水素含有電解水が流出される
ことを特徴とする入浴設備。
【請求項7】
請求項6に記載の入浴設備において、
陽極側の前記電極の内周側に陽極側流路を備え、
前記陽極側流路への前記循環流体の流入量を規制する規制部材を前記陽極側流路に備えた
ことを特徴とする入浴設備。
【請求項8】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の入浴設備において、
前記電解水生成手段は、
前記イオン交換膜が、イオンと共に水粒子を通す中性膜であり、
陽極側の前記電極が円筒状とされて外周部に円筒状の前記中性膜が密着され、
前記中性膜が密着された陽極側の前記電極の外周に円筒状の陰極側の前記電極が配され、
陽極側の前記電極と陰極側の前記電極との間が循環流体の流入側とされると共に、陰極側の前記電極の外側が前記循環流体の流出側とされて水素含有電解水が流出され、
前記陽極側の前記電極の内側の電解水に発生する酸素ガスを脱気する脱気手段を前記陽極側の前記電極の内側の流路に備えた
ことを特徴とする入浴設備。
【請求項9】
請求項8に記載の入浴設備において、
陰極側の前記電極及び陽極側の前記電極がそれぞれメッシュ状に形成されたことを特徴とする入浴設備。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2010−284504(P2010−284504A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289685(P2009−289685)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【特許番号】特許第4497558号(P4497558)
【特許公報発行日】平成22年7月7日(2010.7.7)
【出願人】(000211293)中国電機製造株式会社 (69)
【Fターム(参考)】