入退場管理システムおよび方法
【課題】履歴情報を記録する場合でも、来訪者を識別するコードに関する管理コストを大幅に削減する。
【解決手段】照合データ生成端末10の照合データ生成部12で、来訪者間で共用される共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成し、入退場管理装置20の入退場判定部22で、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御し、履歴管理部23で、入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部21へ記録する。
【解決手段】照合データ生成端末10の照合データ生成部12で、来訪者間で共用される共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成し、入退場管理装置20の入退場判定部22で、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御し、履歴管理部23で、入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部21へ記録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退場管理技術に関し、特に来訪者に対する入退場を判定し、その履歴を記録する入退場管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、施設や建物を管理する入退場管理システムでは、特定区画について来訪者に対するセキュリティが必要な場合、来訪者に対して受付においてIDカードを貸し出し、このIDカードからリーダで読み取った識別情報に基づき、予め記憶部に保存されている入退場判定情報を参照することにより、入退場の可否を判定して特定区画での入退場を制御するものとなっている。また、後日、必要に応じて特定区画で入退場した来訪者や、特定来訪者が入室した区画を調べるため、入退場判定処理ごとに、処理日時、ユーザ識別情報、さらには判定結果などを履歴情報として記録するものとなっている。
【0003】
このような入退場管理システムでは、来訪時、IDカードを来訪者に貸し出す際、当該IDカードと来訪者とを紐付けて管理するため、来訪者の個人情報や来訪者に許可する特定区画など、各種情報を登録する必要がある。このため、IDカードの貸し出し時における登録作業に時間がかかり来訪者を待たせることになる。また、受付時の登録作業だけでなくIDカード返却時の紐付け抹消作業や、IDカードの未返却時や破損時に対する管理作業も必要となり、来訪者のIDカード管理に要する作業コストが増大する要因となる。
【0004】
従来、入退場管理システムにおいて、IDカードに代えて暗証コードを来訪者に発行し、特定区画への入退場時に来訪者が操作入力した暗証コードの照合結果、当該暗証コードに対応する利用制限情報とに基づいて、通行管理を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
また、このような暗証コードなど、来訪者を識別するための識別コードとして、バーコードから読み取った識別コードや携帯端末との近距離無線通信により取得した識別コードを用いることにより、入退場時の操作負担を軽減する技術も提案されている(例えば、特許文献2など参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−097976号公報
【特許文献2】特開2007−168952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来技術によれば、来訪者ごとに付与した識別コードに基づき入退場判定を行うため、来訪者に貸し出すIDカード自体が不要となり、IDカードの管理に要する作業コストを軽減することができる。
しかしながら、従来技術では、入退場判定時に取得した識別コードを履歴情報として記録するだけでは、後日、識別コードから来訪者を特定できないため、識別コードと来訪者とを1対1で紐付けて管理しておく必要がある。このため、識別コードの重複付与を回避するため、識別コードの付与状況を入退場管理システム全体で一元管理する必要があり、識別コードに関する管理コストを削減できないという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、履歴情報を記録する場合でも、来訪者を識別するコードに関する管理コストを大幅に削減できる入退場管理技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかる入退場管理システムは、入退場可否判定に用いる情報として複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶する記憶部と、共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成する照合データ生成部とを備える照合データ生成端末と、共用コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶部と、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御する入退場判定部と、入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部へ記録する履歴管理部とを備える入退場管理装置とを含んでいる。
【0009】
この際、照合データ生成部で、照合データを生成する際、照合データの有効期限を照合データに付加し、入退場判定部で、入退場可否判定時、照合データに含まれる有効期限に基づき照合データの有効性を確認するようにしてもよい。
【0010】
また、照合データ生成部で、照合データを生成する際、任意の暗証番号を照合データに付加し、入退場判定部で、入退場可否判定時、リーダで操作入力された暗証番号と照合データに含まれる暗証番号の一致を確認するようにしてもよい。
【0011】
また、照合データ生成部で、照合データの一部または全部を暗号化し、入退場判定部で、照合データのうち暗号化されている一部または全部を復号するようにしてもよい。
【0012】
また、照合データ生成部で、生成した照合データを記録媒体となる来訪者の携帯端末へ電子メールで通知し、リーダで、電子メールで通知されて携帯端末で画面表示された照合データ、あるいは携帯端末から近距離無線通信で送信された照合データを取得するようにしてもよい。
【0013】
また、リーダで、記録媒体に印刷出力された照合データを取得するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明にかかる入退場管理方法は、照合データ生成端末の記憶部が、入退場可否判定に用いる情報として複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶する記憶ステップと、照合データ生成端末の照合データ生成部が、共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成する照合データ生成ステップと、入退場管理装置の記憶部が、共用コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶ステップと、入退場管理装置の入退場判定部が、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御する入退場判定ステップと、入退場管理装置の履歴管理部が、入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部へ記録する履歴管理ステップとを含んでいる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、照合データに含まれている来訪者の個人情報が履歴情報として記録されるため、来訪者を特定できる識別コードを用いることなく、後日、来訪者に関する履歴情報を容易に特定できる。したがって、来訪者の入退場判定を行うための識別コードとして、複数の来訪者間で共用される共用コードを用いることができる。
【0016】
また、この共用コードは、入退場判定情報により、入退場が許可された区画が予め対応付けられているだけで、来訪者と対応付けられていないことから、複数の来訪者間で共用できるため、個々の共用コードについて使用状態を管理する必要がない。
このため、識別コードと来訪者とを1対1で紐付けて各識別コードの使用状態を管理しておき、来訪者に対して入退場を許可する区画に対応する識別コードのうち未使用状態の識別コードを選択して付与し、来訪終了時に当該識別コードを未使用状態とするなど、従来の識別コードで必要とされた管理コストを大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態にかかる入退場管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】共用コードの構成例である。
【図3】照合データの構成例である。
【図4】QRコードの変換例である。
【図5】入退場判定情報の構成例である。
【図6】区画情報の構成例である。
【図7】履歴情報の構成例である。
【図8】第1の実施の形態にかかる入退場管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【図9】照合データの流れを示す説明図である。
【図10】照合データの他の構成例である。ここでは、
【図11】第2の実施の形態にかかる入退場管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退場管理システムについて説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる入退場管理システムの構成を示すブロック図である。
【0019】
この入退場管理システム1は、施設や建物に設けられた区画ごとに来訪者の入退場を管理するシステムであり、主な構成として、照合データ生成端末10、入退場管理装置20、リーダ31、およびゲート装置32を含んでいる。
各区画Sの出入口に対して設置されているリーダ31およびゲート装置32は、制御バスBSを介してそれぞれデータ通信可能に入退場管理装置30と接続されている。また、照合データ生成端末10と入退場管理装置20は、互いに独立して設置されているが、通信回線を介してデータ通信可能に接続してもよい。
【0020】
本実施の形態は、照合データ生成端末10で、入退場可否判定に用いる情報として複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶しておき、共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成し、入退場管理装置20で、共用コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶部と、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御し、入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部へ記録するようにしたものである。
【0021】
リーダ31は、来訪者の所持する携帯端末50などの記録媒体から、入退場可否判定に用いる照合データDを取得する機能を有している。特に、照合データDとして、QRコードに代表されるような、データを図柄でエンコードして表現したシンボルを用いる場合には、このシンボルを表示した画面や印刷出力した紙ラベルから光学的にシンボルを読み取るスキャナ機能を持つリーダ31を用いればよい。また、携帯端末50からデータ通信により照合データDを取得する場合には、赤外線通信やRFIDなどの近距離無線通信機能を持つリーダ31を用いればよい。
【0022】
ゲート装置32は、区画Sの出入口に設けられて、入退場管理装置20からの開扉指示に応じて、出入口を開扉し、あるいは扉の電気錠を開錠する機能を有している。このゲート装置32は、常時、閉扉あるいは施錠状態を維持することにより来訪者の入退場を禁止しており、入退場管理装置20から開扉指示が到来した場合にのみ所定期間だけ開扉あるいは開錠するものとする。
【0023】
携帯端末50は、一般的な携帯電話やPDAなどの情報通信端末からなり、通信網NWを介して照合データ生成端末10からの電子メールを受信する機能を有している。特に、照合データDとして、QRコードに代表されるような、データを図柄でエンコードして表現したシンボルを用いる場合には、電子メールで通知されたシンボルを画面表示する機能を持つ携帯端末50を用いればよい。また、データ通信により照合データDをリーダ31へ通知する場合には、赤外線通信やRFIDなどの近距離無線通信機能を持つ携帯端末50を用いればよい。
【0024】
[照合データ生成端末]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システム1の照合データ生成端末10について詳細に説明する。本実施の形態では、照合データとして、QRコードを用いる場合を例として説明する。
【0025】
照合データ生成端末10は、全体としてパソコンなどの情報処理端末からなり、主な機能として、記憶部11と照合データ生成部12とが設けられている。このほか、照合データ生成端末10には、キーボードやマウスなどの操作入力部、LCDなどの画面表示装置、電子メールを送受信する際に用いるデータ通信部など、一般的な情報処理端末に設けられている各種機能を有しているものとする。
【0026】
記憶部11は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、照合データ生成端末10での処理動作に用いる各種処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。
記憶部11で記憶する主な処理情報として共用コードがある。図2は、共用コードの構成例である。ここでは、9桁の数字から構成された共用コードが複数登録されている。各共用コードには、後述する入退場管理装置20の入場判定情報において、当該共用コードで入退場を許可する入退場許可区画を示す許可レベルが予め設定されている。任意の来訪者の照合データを生成する場合には、当該来訪者に許可する区画に対応する共用コードが選択される。
【0027】
照合データ生成部12は、CPUで記憶部11のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、記憶部11の共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成する機能と、生成した照合データの一部または全部を暗号化する機能と、照合データをQRコードに変換する機能と、得られたQRコードからなる照合データを電子メールで来訪者の携帯端末50へ通知する機能とを有している。
【0028】
図3は、照合データの構成例である。ここでは、共用コードと、来訪者の名前・会社名、所属部署などを含む来訪者の個人情報、および照合データの有効な期間を示す有効期限が含まれている。このうち、共用コードは、来訪者が入退場する区画と対応する共用コードが記憶部11からオペレータが選択したものである。個人情報は、事前に取得した来訪者の個人情報をオペレータが入力したものである。有効期限は、来訪者の来訪期間に合わせてオペレータが入力したものである。
【0029】
図4は、QRコードの変換例である。ここでは、図3に示した照合データをQRコードに変換した例が示されている。なお、個人情報など、セキュリティ性が求められる場合には、当該部分を暗号化した後、QRコードに変換すればよい。QRコードは、画像ファイルとして生成されるため、電子メールにQRコードの画像ファイルを添付する形式で来訪者へ通知される。なお、照合データについてはQRコード以外のシンボル、例えば1次元バーコードやカラーバーコードなど、他のシンボルに変換してもよい。
【0030】
[入退場管理装置]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システム1の入退場管理装置20について詳細に説明する。本実施の形態では、照合データとして、QRコードを用いる場合を例として説明する。
【0031】
入退場管理装置20は、全体としてコンピュータを用いて制御バスBSに接続された各種機器を制御するコントローラなどの機器制御装置からなり、制御バスBSを介して各区画Sのリーダ31やゲート装置32とデータ通信可能に接続されている。この入退場管理装置20には、主な機能部として、記憶部21、入退場判定部22、および履歴管理部23が設けられている。
【0032】
記憶部21は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、入退場管理装置20での処理動作に用いる各種処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。
記憶部21で記憶する主な処理情報として、入退場判定情報、区画情報、および履歴情報がある。
【0033】
図5は、入退場判定情報の構成例である。入退場判定情報は、共用コードで入退場可能な区画を示す情報である。ここでは、共用コードごとに、当該共用コードで入退場可能な区画を示す入退場許可情報として許可レベルが登録されている。例えば、共用コード「006002001」には、応接室の入退場を許可する許可レベル「1」が登録されており、共用コード「006002002」には、応接室の入退場を許可する許可レベル「2」が登録されている。
【0034】
この許可レベルは、入退場許可の順位を示す情報であり、そのレベル値と等しい許可レベルを持つ区画の入退場が許可されているだけでなく、そのレベル値より低い許可レベルを持つ区画の入退場も許可されている。したがって、共用コード「006002002」が付与された来訪者は、許可レベル「2」だけでなく許可レベル「1」の区画での入退場も許可されている。
【0035】
図6は、区画情報の構成例である。区画情報は、入退場管理システムで管理する区画に設けられているリーダと、その区画で入退場可能な区画許可レベルとを示す情報である。ここでは、区画を識別するための区画ごとに、当該区画の出入口に設置されているリーダ31を識別するためのリーダIDと、当該区画で入退場可能な区画許可レベルとが組として登録されている。例えば、「応接室1」という区画には、リーダID「00101」を持つリーダ31が設置されており、「応接室1」で入退場可能な区画許可レベルは許可レベル「1」であることが登録されている。
【0036】
図7は、履歴情報の構成例である。ここでは、入退場管理装置20の入退場判定部22で実行した入退場判定処理ごとに、判定日時、共用コード、個人情報、区画、および種別が登録されている。このうち、判定日時は、入退場判定処理を実行した日時を示している。また、共用コードおよび個人情報は、入退場判定処理で照合データから取得した共用コードおよび個人情報である。区画は、入退場判定の対象となる区画を示し、種別は、入退場判定の処理結果である入場/退場/エラーの区別を示している。
【0037】
図7では、例えば、共用コード「0060020001」が付与された来訪者「山武太郎」が、「2010−06−01 09:55」に「応接室1」へ「入場」したことが記録されている。また、上記と同一の共用コード「0060020001」が付与された来訪者「山武花子」が、「2010−06−01 10:08」に「応接室2」へ「入場」したことが記録されている。この場合、異なる来訪者の入退場可否判定において同一の共用コードが用いられているが、履歴情報にはそれぞれの来訪者の個人情報が含まれているため、履歴情報を区別することができる。
【0038】
入退場判定部22は、CPUで記憶部11のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、制御バスBSを介してリーダ31から判定要求を受信する機能と、受信した判定要求に含まれる照合データのうち暗号化されている一部または全部を復号する機能と、得られた照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定する機能と、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御する機能とを有している。
【0039】
入退場判定部22の具体的な機能としては、判定要求で通知された照合データに含まれる共用コードを取得する機能と、記憶部21の入退場判定情報から当該共用コードに対応する入退場許可情報を取得する機能と、判定要求で通知されたリーダ31のリーダIDを取得する機能と、記憶部21の区画情報から当該リーダIDに対応する区画許可レベルを取得する機能と、入退場許可情報の許可レベルと区画許可レベルとを比較することにより、当該区画での入退場可否を判定する機能がある。
【0040】
履歴管理部23は、CPUで記憶部11のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、入退場判定部22での入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部21へ記録する機能とを有している。入退場可否判定の処理内容としては、図7の履歴情報について説明した、判定日時、共用コード、区画、種別などの各種情報がある。
【0041】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図8を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システムの動作について説明する。図8は、第1の実施の形態にかかる入退場管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【0042】
ここでは、来訪者の来訪先となる担当者が照合データ生成端末10により来訪者の照合データをQRコードで生成して、電子メールで来訪者の携帯端末50へ予め通知し、来訪時には来訪者が携帯端末50を操作してQRコードを画面表示して、区画Sである応接室の出入口に設置されているリーダ31へ提示することにより、入退場の許可を要請する場合について説明する。
【0043】
まず、照合データ生成端末10において、照合データ生成部12は、担当者の操作に応じて、記憶部11に記憶されている共用コードのうちから、来訪者が入退場する区画Sでの入退場許可を示す共用コードを選択する(ステップ100)。
また、照合データ生成部12は、担当者の操作に応じて、来訪者の個人情報を取得して(ステップ101)、当該個人情報を暗号化し(ステップ102)、担当者の操作に応じて、生成する照合データの有効期限を設定する(ステップ103)。
【0044】
続いて、照合データ生成部12は、これら共用コード、暗号化された個人情報、および有効期限を用いて、前述の図3に示した照合データを生成し(ステップ104)、当該照合データを、前述の図4に示したQRコードに変換する(ステップ105)。
次に、照合データ生成部12は、担当者の操作に応じて、来訪者の携帯端末50の電子メールアドレスや、来訪日時などを含む本文を取得して、QRコードを示す画像ファイルが添付された電子メールを生成し(ステップ106)、通信網NWを介して携帯端末50へ送信することにより照合データを来訪者へ発行する(ステップ107)。
携帯端末50は、通信網NWを介して照合データ生成端末10からの電子メールを受信し、電子メールに添付されているQRコードからなる照合データをメモリに保存する(ステップ108)。
【0045】
この後、来訪者が来訪して応接室への入場の許可を要請する場合、来訪者の操作に応じて携帯端末50がQRコードを画面表示する(ステップ110)。
応接室である区画Sの出入口に設けられているリーダ31は、携帯端末50で画面表示されているQRコードを取得して照合データに変換し(ステップ111)、当該照合データと自己のリーダIDと含む判定要求を、制御バスBSを介して入退場管理装置20へ通知する(ステップ112)。
【0046】
入退場管理装置20の入退場判定部22は、リーダ31からの判定要求に応じて、判定要求で通知された照合データのうちの暗号化個人情報を復号し(ステップ120)、得られた照合データに含まれる有効期限を取得して、現在日時と比較することにより、照合データの有効性を確認する(ステップ121)。
ここで、現在日時が有効期限の範囲外であり、照合データの有効性が確認できなかった場合、入退場判定部22は、リーダ31へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ31は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0047】
一方、現在日時が有効期限の範囲内であり、照合データの有効性が確認できた場合、入退場判定部22は、照合データから取得した共用コードと対応する入退場許可情報を、記憶部21の入退場判定情報から取得するとともに、判定要求で通知されたリーダ31のリーダIDと対応する区画許可レベルを記憶部21の区画情報から取得し、これら入退場許可情報の許可レベルと区画許可レベルとを比較することにより、当該区画での入退場可否を判定する(ステップ122)。
【0048】
ここで、入退場許可情報の許可レベルのレベル値が区画許可レベルのレベル値より低く、入退場不可と判定された場合、入退場判定部22は、リーダ31へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ31は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0049】
一方、入退場許可情報の許可レベルのレベル値が区画許可レベルのレベル値以上であり、入退場可能と判定された場合(ステップ122:YES)、入退場判定部22は、制御バスBSを介して区画Sのゲート装置32へ、開扉指示を通知する(ステップ123)。これに応じて、ゲート装置32は、区画Sの出入口に設けられている扉を開扉する(ステップ124)。これにより、来訪者は区画Sである応接室へ入場可能となる。
【0050】
この後、履歴管理部23は、照合データに含まれている来訪者の個人情報と、入退場判定に用いた、判定日時、共用コード、区画、および種別を示す処理内容とを、入退場判定部22から取得し、これらを記憶部21の履歴情報として記録する(ステップ125)。
【0051】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、照合データ生成端末10の照合データ生成部12で、来訪者間で共用される共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成するようにしたものである。また、入退場管理装置20の入退場判定部22で、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御し、履歴管理部23で、入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部21へ記録するようにしたものである。
【0052】
これにより、照合データに含まれている来訪者の個人情報が履歴情報として記録されるため、来訪者を特定できる識別コードを用いることなく、後日、来訪者に関する履歴情報を容易に特定できる。したがって、来訪者の入退場判定を行うための識別コードとして、複数の来訪者間で共用される共用コードを用いることができる。
【0053】
また、この共用コードは、入退場判定情報により、入退場が許可された区画が予め対応付けられているだけで、来訪者と対応付けられていないことから、複数の来訪者間で共用できるため、個々の共用コードについて使用状態を管理する必要がない。
このため、識別コードと来訪者とを1対1で紐付けて各識別コードの使用状態を管理しておき、来訪者に対して入退場を許可する区画に対応する識別コードのうち未使用状態の識別コードを選択して付与し、来訪終了時に当該識別コードを未使用状態とするなど、従来の識別コードで必要とされた管理コストを大幅に削減できる。
【0054】
また、本実施の形態では、照合データ生成部12で、照合データを生成する際、照合データの有効期限を照合データに付加し、入退場判定部22で、照合データに含まれる有効期限に基づき照合データの有効性を確認した後、入退場可否を判定するようにしたので、照合データの不正使用を抑制することができる。
【0055】
また、本実施の形態では、照合データ生成部12で、照合データの一部または全部を暗号化し、入退場判定部22で、照合データのうち暗号化されている一部または全部を復号するようにしたので、照合データを第三者が不正に入手した場合でも、来訪者の個人情報などの秘密情報の漏洩を防ぐことができる。なお、暗号化の対象としては、個人情報に限定されるものではなく、共用コードや有効期限を暗号化してもよい。これにより、照合データの不正使用を抑止することができる。
【0056】
また、本実施の形態では、照合データ生成部12で、生成した照合データを記録媒体となる来訪者の携帯端末50へ電子メールで通知し、リーダ31で、電子メールで通知されて携帯端末50で画面表示された照合データ、あるいは携帯端末50から近距離無線通信で送信された照合データを取得するようにしたので、携帯端末50を操作するだけで入退場判定に必要な照合データをリーダ31へ提示することができる。これにより、入退場判定時における来訪者の作業負担を大幅に削減することができる。
【0057】
なお、本実施の形態では、照合データを電子メールで来訪者の携帯端末50へ通知した後、携帯端末50で画面表示することによりリーダ31へ提示する場合を例として説明したが、照合データをリーダ31へ通知する方法については、これに限定されるものではない。
図9は、照合データの流れを示す説明図である。本実施の形態で説明した照合データの流れは、担当者の照合データ生成端末10で生成された照合データが電子メールにより通信網NWを介して、来訪者の携帯端末50へ通知され、入退場判定時に携帯端末50で画面表示された照合データD0がリーダ31へ取り込まれる経路である。この際、画面表示に代えて近距離無線通信により携帯端末50からリーダ31へ照合データD0を通知する経路もある。
【0058】
また、照合データの生成は、担当者に限定されるものではなく、来訪者の受付を行う受付者など他の利用者が照合データを生成してもよい。例えば、来訪者が来訪した際、来訪者から提示された名刺に基づいて、受付者が照合データ生成端末10により照合データを生成して、来訪者の携帯端末50へ通知してもよい。これにより、担当者の作業負担を抑止することができる。
【0059】
また、照合データは、紙レベルなどの記録媒体に印刷出力し、リーダ31で読み取るようにしてもよい。この場合には、照合データ生成端末10で印刷出力した照合データD1を来訪者へ配布してもよく、来訪者が携帯端末50で受信した電子メールを印刷出力した照合データD2を用いてもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、入退室管理装置20で履歴情報を記録する場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、入退室管理装置20とは別個に、履歴管理装置を設け、入退室管理装置20から通知された履歴情報を逐次記録するようにしてもよい。
【0061】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態かかる入退場管理システムについて説明する。
第1の実施の形態では、照合データの不正使用を防止するため、有効期限を設定する場合について説明した。本実施の形態では、暗証番号を用いて照合データの不正使用を防止する場合について説明する。
【0062】
本実施の形態において、照合データ生成端末10の照合データ生成部12は、照合データを生成する際、任意の暗証番号を照合データに付加する機能を有している。
入退場管理装置20の入退場判定部22は、入退場可否判定時、リーダ31で操作入力された暗証番号と照合データに含まれる暗証番号の一致を確認する機能を有している。
【0063】
図10は、照合データの他の構成例である。ここでは、前述の図3で説明した共用コード、個人情報、および有効期限に加え、暗証番号が新たな付加されている。この暗証番号は、照合データ生成部12がランダムに発生させてもよく、担当者が任意の番号を操作入力してもよい。
本実施の形態にかかる入退場管理システム1におけるこの他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0064】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図11を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システムの動作について説明する。図11は、第2の実施の形態にかかる入退場管理システムの動作を示すシーケンス図であり、前述の図8と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
【0065】
ここでは、来訪者の来訪先となる担当者が照合データ生成端末10により、暗証番号を含む照合データをQRコードで生成して、電子メールで来訪者の携帯端末50へ予め通知し、来訪時には来訪者が携帯端末50を操作してQRコードを画面表示して、区画Sである応接室の出入口に設置されているリーダ31へ提示するとともに、暗証番号を操作入力することにより、入退場の許可を要請する場合について説明する。
【0066】
まず、照合データ生成端末10において、照合データ生成部12は、担当者の操作に応じて、記憶部11に記憶されている共用コードのうちから、来訪者が入退場する区画Sでの入退場許可を示す共用コードを選択する(ステップ100)。
また、照合データ生成部12は、担当者の操作に応じて、来訪者の個人情報を取得して(ステップ101)、当該個人情報を暗号化し(ステップ102)、暗証番号を生成し(ステップ200)、担当者の操作に応じて、生成する照合データの有効期限を設定する(ステップ103)。
【0067】
続いて、照合データ生成部12は、これら共用コード、暗号化された個人情報、暗証番号、および有効期限を用いて、前述の図3に示した照合データを生成し(ステップ104)、当該照合データを、前述の図4に示したQRコードに変換する(ステップ105)。
次に、照合データ生成部12は、担当者の操作に応じて、来訪者の携帯端末50の電子メールアドレスや、来訪日時などを含む本文を取得して、QRコードを示す画像ファイルが添付された電子メールを生成し(ステップ106)、通信網NWを介して携帯端末50へ送信することにより照合データを来訪者へ発行する(ステップ107)。
【0068】
この後、来訪者が来訪して応接室への入場の許可を要請する場合、来訪者の操作に応じて携帯端末50がQRコードを画面表示する(ステップ110)。
応接室である区画Sの出入口に設けられているリーダ31は、携帯端末50で画面表示されているQRコードを取得して照合データに変換するとともに(ステップ111)、来訪者の操作に応じて暗証番号を取得し(ステップ210)、当該照合データおよび暗証番号と自己のリーダIDとを含む判定要求を、制御バスBSを介して入退場管理装置20へ通知する(ステップ112)。このとき、暗証番号は、照合データを生成した担当者が、別途、電子メールや電話連絡で来訪者に前もって通知すればよい。
【0069】
入退場管理装置20の入退場判定部22は、リーダ31からの判定要求に応じて、判定要求で通知された照合データのうちの暗号化個人情報を復号し(ステップ120)、得られた照合データに含まれる有効期限を取得して、現在日時と比較することにより、照合データの有効性を確認する(ステップ121)。
ここで、現在日時が有効期限の範囲外であり、照合データの有効性が確認できなかった場合、入退場判定部22は、リーダ31へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ31は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0070】
また、入退場判定部22は、得られた照合データに含まれる暗証番号を取得して、判定要求で通知された、来訪者が入力した暗証番号と比較することにより、照合データおよび来訪者の正当性を確認する(ステップ121)。
ここで、両暗証番号が一致せず、照合データおよび来訪者の正当性が確認できなかった場合、入退場判定部22は、リーダ31へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ31は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0071】
一方、現在日時が有効期限の範囲内であり、照合データの有効性が確認できた場合、入退場判定部22は、照合データから取得した共用コードと対応する入退場許可情報を、記憶部21の入退場判定情報から取得するとともに、判定要求で通知されたリーダ31のリーダIDと対応する区画許可レベルを記憶部21の区画情報から取得し、これら入退場許可情報の許可レベルと区画許可レベルとを比較することにより、当該区画での入退場可否を判定する(ステップ122)。
【0072】
ここで、入退場許可情報の許可レベルのレベル値が区画許可レベルのレベル値より低く、入退場不可と判定された場合、入退場判定部22は、入退場判定部22は、リーダ31へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ31は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0073】
一方、入退場許可情報の許可レベルのレベル値が区画許可レベルのレベル値以上であり、入退場可能と判定された場合(ステップ122:YES)、入退場判定部22は、制御バスBSを介して区画Sのゲート装置32へ、開扉指示を通知する(ステップ123)。これに応じて、ゲート装置32は、区画Sの出入口に設けられている扉を開扉する(ステップ124)。これにより、来訪者は区画Sである応接室へ入場可能となる。
【0074】
この後、履歴管理部23は、照合データに含まれている来訪者の個人情報と、入退場判定に用いた、判定日時、共用コード、区画、および種別を示す処理内容とを、入退場判定部22から取得し、これらを記憶部21の履歴情報として記録する(ステップ125)。
【0075】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、照合データ生成端末10の照合データ生成部12で、照合データを生成する際、任意の暗証番号を照合データに付加し、入退場管理装置20の入退場判定部22で、入退場可否判定時、リーダ31で操作入力された暗証番号と照合データに含まれる暗証番号の一致を確認するようにしたので、照合データおよび来訪者の正当性を確認することができる。
これにより、照合データを第三者が入手して入退場を試みた場合でも、その不正行為を的確に検知することができ、高いセキュリティ性を得ることができる。
【0076】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0077】
1…入退場管理システム、10…照合データ生成端末、11…記憶部、12…照合データ生成部、20…入退場管理装置、21…記憶部、22…入退場判定部、23…履歴管理部、31…リーダ、32…ゲート装置、50…携帯端末、NW…通信網、D…照合データ、S…区画、BS…制御バス。
【技術分野】
【0001】
本発明は、入退場管理技術に関し、特に来訪者に対する入退場を判定し、その履歴を記録する入退場管理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、施設や建物を管理する入退場管理システムでは、特定区画について来訪者に対するセキュリティが必要な場合、来訪者に対して受付においてIDカードを貸し出し、このIDカードからリーダで読み取った識別情報に基づき、予め記憶部に保存されている入退場判定情報を参照することにより、入退場の可否を判定して特定区画での入退場を制御するものとなっている。また、後日、必要に応じて特定区画で入退場した来訪者や、特定来訪者が入室した区画を調べるため、入退場判定処理ごとに、処理日時、ユーザ識別情報、さらには判定結果などを履歴情報として記録するものとなっている。
【0003】
このような入退場管理システムでは、来訪時、IDカードを来訪者に貸し出す際、当該IDカードと来訪者とを紐付けて管理するため、来訪者の個人情報や来訪者に許可する特定区画など、各種情報を登録する必要がある。このため、IDカードの貸し出し時における登録作業に時間がかかり来訪者を待たせることになる。また、受付時の登録作業だけでなくIDカード返却時の紐付け抹消作業や、IDカードの未返却時や破損時に対する管理作業も必要となり、来訪者のIDカード管理に要する作業コストが増大する要因となる。
【0004】
従来、入退場管理システムにおいて、IDカードに代えて暗証コードを来訪者に発行し、特定区画への入退場時に来訪者が操作入力した暗証コードの照合結果、当該暗証コードに対応する利用制限情報とに基づいて、通行管理を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1など参照)。
また、このような暗証コードなど、来訪者を識別するための識別コードとして、バーコードから読み取った識別コードや携帯端末との近距離無線通信により取得した識別コードを用いることにより、入退場時の操作負担を軽減する技術も提案されている(例えば、特許文献2など参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−097976号公報
【特許文献2】特開2007−168952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来技術によれば、来訪者ごとに付与した識別コードに基づき入退場判定を行うため、来訪者に貸し出すIDカード自体が不要となり、IDカードの管理に要する作業コストを軽減することができる。
しかしながら、従来技術では、入退場判定時に取得した識別コードを履歴情報として記録するだけでは、後日、識別コードから来訪者を特定できないため、識別コードと来訪者とを1対1で紐付けて管理しておく必要がある。このため、識別コードの重複付与を回避するため、識別コードの付与状況を入退場管理システム全体で一元管理する必要があり、識別コードに関する管理コストを削減できないという問題点があった。
【0007】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、履歴情報を記録する場合でも、来訪者を識別するコードに関する管理コストを大幅に削減できる入退場管理技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するために、本発明にかかる入退場管理システムは、入退場可否判定に用いる情報として複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶する記憶部と、共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成する照合データ生成部とを備える照合データ生成端末と、共用コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶部と、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御する入退場判定部と、入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部へ記録する履歴管理部とを備える入退場管理装置とを含んでいる。
【0009】
この際、照合データ生成部で、照合データを生成する際、照合データの有効期限を照合データに付加し、入退場判定部で、入退場可否判定時、照合データに含まれる有効期限に基づき照合データの有効性を確認するようにしてもよい。
【0010】
また、照合データ生成部で、照合データを生成する際、任意の暗証番号を照合データに付加し、入退場判定部で、入退場可否判定時、リーダで操作入力された暗証番号と照合データに含まれる暗証番号の一致を確認するようにしてもよい。
【0011】
また、照合データ生成部で、照合データの一部または全部を暗号化し、入退場判定部で、照合データのうち暗号化されている一部または全部を復号するようにしてもよい。
【0012】
また、照合データ生成部で、生成した照合データを記録媒体となる来訪者の携帯端末へ電子メールで通知し、リーダで、電子メールで通知されて携帯端末で画面表示された照合データ、あるいは携帯端末から近距離無線通信で送信された照合データを取得するようにしてもよい。
【0013】
また、リーダで、記録媒体に印刷出力された照合データを取得するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明にかかる入退場管理方法は、照合データ生成端末の記憶部が、入退場可否判定に用いる情報として複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶する記憶ステップと、照合データ生成端末の照合データ生成部が、共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成する照合データ生成ステップと、入退場管理装置の記憶部が、共用コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶ステップと、入退場管理装置の入退場判定部が、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御する入退場判定ステップと、入退場管理装置の履歴管理部が、入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部へ記録する履歴管理ステップとを含んでいる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、照合データに含まれている来訪者の個人情報が履歴情報として記録されるため、来訪者を特定できる識別コードを用いることなく、後日、来訪者に関する履歴情報を容易に特定できる。したがって、来訪者の入退場判定を行うための識別コードとして、複数の来訪者間で共用される共用コードを用いることができる。
【0016】
また、この共用コードは、入退場判定情報により、入退場が許可された区画が予め対応付けられているだけで、来訪者と対応付けられていないことから、複数の来訪者間で共用できるため、個々の共用コードについて使用状態を管理する必要がない。
このため、識別コードと来訪者とを1対1で紐付けて各識別コードの使用状態を管理しておき、来訪者に対して入退場を許可する区画に対応する識別コードのうち未使用状態の識別コードを選択して付与し、来訪終了時に当該識別コードを未使用状態とするなど、従来の識別コードで必要とされた管理コストを大幅に削減できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1の実施の形態にかかる入退場管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】共用コードの構成例である。
【図3】照合データの構成例である。
【図4】QRコードの変換例である。
【図5】入退場判定情報の構成例である。
【図6】区画情報の構成例である。
【図7】履歴情報の構成例である。
【図8】第1の実施の形態にかかる入退場管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【図9】照合データの流れを示す説明図である。
【図10】照合データの他の構成例である。ここでは、
【図11】第2の実施の形態にかかる入退場管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退場管理システムについて説明する。図1は、第1の実施の形態にかかる入退場管理システムの構成を示すブロック図である。
【0019】
この入退場管理システム1は、施設や建物に設けられた区画ごとに来訪者の入退場を管理するシステムであり、主な構成として、照合データ生成端末10、入退場管理装置20、リーダ31、およびゲート装置32を含んでいる。
各区画Sの出入口に対して設置されているリーダ31およびゲート装置32は、制御バスBSを介してそれぞれデータ通信可能に入退場管理装置30と接続されている。また、照合データ生成端末10と入退場管理装置20は、互いに独立して設置されているが、通信回線を介してデータ通信可能に接続してもよい。
【0020】
本実施の形態は、照合データ生成端末10で、入退場可否判定に用いる情報として複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶しておき、共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成し、入退場管理装置20で、共用コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶部と、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御し、入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部へ記録するようにしたものである。
【0021】
リーダ31は、来訪者の所持する携帯端末50などの記録媒体から、入退場可否判定に用いる照合データDを取得する機能を有している。特に、照合データDとして、QRコードに代表されるような、データを図柄でエンコードして表現したシンボルを用いる場合には、このシンボルを表示した画面や印刷出力した紙ラベルから光学的にシンボルを読み取るスキャナ機能を持つリーダ31を用いればよい。また、携帯端末50からデータ通信により照合データDを取得する場合には、赤外線通信やRFIDなどの近距離無線通信機能を持つリーダ31を用いればよい。
【0022】
ゲート装置32は、区画Sの出入口に設けられて、入退場管理装置20からの開扉指示に応じて、出入口を開扉し、あるいは扉の電気錠を開錠する機能を有している。このゲート装置32は、常時、閉扉あるいは施錠状態を維持することにより来訪者の入退場を禁止しており、入退場管理装置20から開扉指示が到来した場合にのみ所定期間だけ開扉あるいは開錠するものとする。
【0023】
携帯端末50は、一般的な携帯電話やPDAなどの情報通信端末からなり、通信網NWを介して照合データ生成端末10からの電子メールを受信する機能を有している。特に、照合データDとして、QRコードに代表されるような、データを図柄でエンコードして表現したシンボルを用いる場合には、電子メールで通知されたシンボルを画面表示する機能を持つ携帯端末50を用いればよい。また、データ通信により照合データDをリーダ31へ通知する場合には、赤外線通信やRFIDなどの近距離無線通信機能を持つ携帯端末50を用いればよい。
【0024】
[照合データ生成端末]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システム1の照合データ生成端末10について詳細に説明する。本実施の形態では、照合データとして、QRコードを用いる場合を例として説明する。
【0025】
照合データ生成端末10は、全体としてパソコンなどの情報処理端末からなり、主な機能として、記憶部11と照合データ生成部12とが設けられている。このほか、照合データ生成端末10には、キーボードやマウスなどの操作入力部、LCDなどの画面表示装置、電子メールを送受信する際に用いるデータ通信部など、一般的な情報処理端末に設けられている各種機能を有しているものとする。
【0026】
記憶部11は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、照合データ生成端末10での処理動作に用いる各種処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。
記憶部11で記憶する主な処理情報として共用コードがある。図2は、共用コードの構成例である。ここでは、9桁の数字から構成された共用コードが複数登録されている。各共用コードには、後述する入退場管理装置20の入場判定情報において、当該共用コードで入退場を許可する入退場許可区画を示す許可レベルが予め設定されている。任意の来訪者の照合データを生成する場合には、当該来訪者に許可する区画に対応する共用コードが選択される。
【0027】
照合データ生成部12は、CPUで記憶部11のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、記憶部11の共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成する機能と、生成した照合データの一部または全部を暗号化する機能と、照合データをQRコードに変換する機能と、得られたQRコードからなる照合データを電子メールで来訪者の携帯端末50へ通知する機能とを有している。
【0028】
図3は、照合データの構成例である。ここでは、共用コードと、来訪者の名前・会社名、所属部署などを含む来訪者の個人情報、および照合データの有効な期間を示す有効期限が含まれている。このうち、共用コードは、来訪者が入退場する区画と対応する共用コードが記憶部11からオペレータが選択したものである。個人情報は、事前に取得した来訪者の個人情報をオペレータが入力したものである。有効期限は、来訪者の来訪期間に合わせてオペレータが入力したものである。
【0029】
図4は、QRコードの変換例である。ここでは、図3に示した照合データをQRコードに変換した例が示されている。なお、個人情報など、セキュリティ性が求められる場合には、当該部分を暗号化した後、QRコードに変換すればよい。QRコードは、画像ファイルとして生成されるため、電子メールにQRコードの画像ファイルを添付する形式で来訪者へ通知される。なお、照合データについてはQRコード以外のシンボル、例えば1次元バーコードやカラーバーコードなど、他のシンボルに変換してもよい。
【0030】
[入退場管理装置]
次に、図1を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システム1の入退場管理装置20について詳細に説明する。本実施の形態では、照合データとして、QRコードを用いる場合を例として説明する。
【0031】
入退場管理装置20は、全体としてコンピュータを用いて制御バスBSに接続された各種機器を制御するコントローラなどの機器制御装置からなり、制御バスBSを介して各区画Sのリーダ31やゲート装置32とデータ通信可能に接続されている。この入退場管理装置20には、主な機能部として、記憶部21、入退場判定部22、および履歴管理部23が設けられている。
【0032】
記憶部21は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置からなり、入退場管理装置20での処理動作に用いる各種処理情報やプログラムを記憶する機能を有している。
記憶部21で記憶する主な処理情報として、入退場判定情報、区画情報、および履歴情報がある。
【0033】
図5は、入退場判定情報の構成例である。入退場判定情報は、共用コードで入退場可能な区画を示す情報である。ここでは、共用コードごとに、当該共用コードで入退場可能な区画を示す入退場許可情報として許可レベルが登録されている。例えば、共用コード「006002001」には、応接室の入退場を許可する許可レベル「1」が登録されており、共用コード「006002002」には、応接室の入退場を許可する許可レベル「2」が登録されている。
【0034】
この許可レベルは、入退場許可の順位を示す情報であり、そのレベル値と等しい許可レベルを持つ区画の入退場が許可されているだけでなく、そのレベル値より低い許可レベルを持つ区画の入退場も許可されている。したがって、共用コード「006002002」が付与された来訪者は、許可レベル「2」だけでなく許可レベル「1」の区画での入退場も許可されている。
【0035】
図6は、区画情報の構成例である。区画情報は、入退場管理システムで管理する区画に設けられているリーダと、その区画で入退場可能な区画許可レベルとを示す情報である。ここでは、区画を識別するための区画ごとに、当該区画の出入口に設置されているリーダ31を識別するためのリーダIDと、当該区画で入退場可能な区画許可レベルとが組として登録されている。例えば、「応接室1」という区画には、リーダID「00101」を持つリーダ31が設置されており、「応接室1」で入退場可能な区画許可レベルは許可レベル「1」であることが登録されている。
【0036】
図7は、履歴情報の構成例である。ここでは、入退場管理装置20の入退場判定部22で実行した入退場判定処理ごとに、判定日時、共用コード、個人情報、区画、および種別が登録されている。このうち、判定日時は、入退場判定処理を実行した日時を示している。また、共用コードおよび個人情報は、入退場判定処理で照合データから取得した共用コードおよび個人情報である。区画は、入退場判定の対象となる区画を示し、種別は、入退場判定の処理結果である入場/退場/エラーの区別を示している。
【0037】
図7では、例えば、共用コード「0060020001」が付与された来訪者「山武太郎」が、「2010−06−01 09:55」に「応接室1」へ「入場」したことが記録されている。また、上記と同一の共用コード「0060020001」が付与された来訪者「山武花子」が、「2010−06−01 10:08」に「応接室2」へ「入場」したことが記録されている。この場合、異なる来訪者の入退場可否判定において同一の共用コードが用いられているが、履歴情報にはそれぞれの来訪者の個人情報が含まれているため、履歴情報を区別することができる。
【0038】
入退場判定部22は、CPUで記憶部11のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、制御バスBSを介してリーダ31から判定要求を受信する機能と、受信した判定要求に含まれる照合データのうち暗号化されている一部または全部を復号する機能と、得られた照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定する機能と、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御する機能とを有している。
【0039】
入退場判定部22の具体的な機能としては、判定要求で通知された照合データに含まれる共用コードを取得する機能と、記憶部21の入退場判定情報から当該共用コードに対応する入退場許可情報を取得する機能と、判定要求で通知されたリーダ31のリーダIDを取得する機能と、記憶部21の区画情報から当該リーダIDに対応する区画許可レベルを取得する機能と、入退場許可情報の許可レベルと区画許可レベルとを比較することにより、当該区画での入退場可否を判定する機能がある。
【0040】
履歴管理部23は、CPUで記憶部11のプログラムを実行することにより各種処理を実現する演算処理部からなり、入退場判定部22での入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部21へ記録する機能とを有している。入退場可否判定の処理内容としては、図7の履歴情報について説明した、判定日時、共用コード、区画、種別などの各種情報がある。
【0041】
[第1の実施の形態の動作]
次に、図8を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システムの動作について説明する。図8は、第1の実施の形態にかかる入退場管理システムの動作を示すシーケンス図である。
【0042】
ここでは、来訪者の来訪先となる担当者が照合データ生成端末10により来訪者の照合データをQRコードで生成して、電子メールで来訪者の携帯端末50へ予め通知し、来訪時には来訪者が携帯端末50を操作してQRコードを画面表示して、区画Sである応接室の出入口に設置されているリーダ31へ提示することにより、入退場の許可を要請する場合について説明する。
【0043】
まず、照合データ生成端末10において、照合データ生成部12は、担当者の操作に応じて、記憶部11に記憶されている共用コードのうちから、来訪者が入退場する区画Sでの入退場許可を示す共用コードを選択する(ステップ100)。
また、照合データ生成部12は、担当者の操作に応じて、来訪者の個人情報を取得して(ステップ101)、当該個人情報を暗号化し(ステップ102)、担当者の操作に応じて、生成する照合データの有効期限を設定する(ステップ103)。
【0044】
続いて、照合データ生成部12は、これら共用コード、暗号化された個人情報、および有効期限を用いて、前述の図3に示した照合データを生成し(ステップ104)、当該照合データを、前述の図4に示したQRコードに変換する(ステップ105)。
次に、照合データ生成部12は、担当者の操作に応じて、来訪者の携帯端末50の電子メールアドレスや、来訪日時などを含む本文を取得して、QRコードを示す画像ファイルが添付された電子メールを生成し(ステップ106)、通信網NWを介して携帯端末50へ送信することにより照合データを来訪者へ発行する(ステップ107)。
携帯端末50は、通信網NWを介して照合データ生成端末10からの電子メールを受信し、電子メールに添付されているQRコードからなる照合データをメモリに保存する(ステップ108)。
【0045】
この後、来訪者が来訪して応接室への入場の許可を要請する場合、来訪者の操作に応じて携帯端末50がQRコードを画面表示する(ステップ110)。
応接室である区画Sの出入口に設けられているリーダ31は、携帯端末50で画面表示されているQRコードを取得して照合データに変換し(ステップ111)、当該照合データと自己のリーダIDと含む判定要求を、制御バスBSを介して入退場管理装置20へ通知する(ステップ112)。
【0046】
入退場管理装置20の入退場判定部22は、リーダ31からの判定要求に応じて、判定要求で通知された照合データのうちの暗号化個人情報を復号し(ステップ120)、得られた照合データに含まれる有効期限を取得して、現在日時と比較することにより、照合データの有効性を確認する(ステップ121)。
ここで、現在日時が有効期限の範囲外であり、照合データの有効性が確認できなかった場合、入退場判定部22は、リーダ31へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ31は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0047】
一方、現在日時が有効期限の範囲内であり、照合データの有効性が確認できた場合、入退場判定部22は、照合データから取得した共用コードと対応する入退場許可情報を、記憶部21の入退場判定情報から取得するとともに、判定要求で通知されたリーダ31のリーダIDと対応する区画許可レベルを記憶部21の区画情報から取得し、これら入退場許可情報の許可レベルと区画許可レベルとを比較することにより、当該区画での入退場可否を判定する(ステップ122)。
【0048】
ここで、入退場許可情報の許可レベルのレベル値が区画許可レベルのレベル値より低く、入退場不可と判定された場合、入退場判定部22は、リーダ31へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ31は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0049】
一方、入退場許可情報の許可レベルのレベル値が区画許可レベルのレベル値以上であり、入退場可能と判定された場合(ステップ122:YES)、入退場判定部22は、制御バスBSを介して区画Sのゲート装置32へ、開扉指示を通知する(ステップ123)。これに応じて、ゲート装置32は、区画Sの出入口に設けられている扉を開扉する(ステップ124)。これにより、来訪者は区画Sである応接室へ入場可能となる。
【0050】
この後、履歴管理部23は、照合データに含まれている来訪者の個人情報と、入退場判定に用いた、判定日時、共用コード、区画、および種別を示す処理内容とを、入退場判定部22から取得し、これらを記憶部21の履歴情報として記録する(ステップ125)。
【0051】
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、照合データ生成端末10の照合データ生成部12で、来訪者間で共用される共用コードのいずれか1つと来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成するようにしたものである。また、入退場管理装置20の入退場判定部22で、来訪者の照合データが記録された記録媒体から区画に設置されたリーダで取得した照合データに含まれる共用コードを入退場判定情報と照合することにより、区画における来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて区画における来訪者の入退場を制御し、履歴管理部23で、入退場可否判定の処理内容と照合データに含まれる個人情報とを、入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部21へ記録するようにしたものである。
【0052】
これにより、照合データに含まれている来訪者の個人情報が履歴情報として記録されるため、来訪者を特定できる識別コードを用いることなく、後日、来訪者に関する履歴情報を容易に特定できる。したがって、来訪者の入退場判定を行うための識別コードとして、複数の来訪者間で共用される共用コードを用いることができる。
【0053】
また、この共用コードは、入退場判定情報により、入退場が許可された区画が予め対応付けられているだけで、来訪者と対応付けられていないことから、複数の来訪者間で共用できるため、個々の共用コードについて使用状態を管理する必要がない。
このため、識別コードと来訪者とを1対1で紐付けて各識別コードの使用状態を管理しておき、来訪者に対して入退場を許可する区画に対応する識別コードのうち未使用状態の識別コードを選択して付与し、来訪終了時に当該識別コードを未使用状態とするなど、従来の識別コードで必要とされた管理コストを大幅に削減できる。
【0054】
また、本実施の形態では、照合データ生成部12で、照合データを生成する際、照合データの有効期限を照合データに付加し、入退場判定部22で、照合データに含まれる有効期限に基づき照合データの有効性を確認した後、入退場可否を判定するようにしたので、照合データの不正使用を抑制することができる。
【0055】
また、本実施の形態では、照合データ生成部12で、照合データの一部または全部を暗号化し、入退場判定部22で、照合データのうち暗号化されている一部または全部を復号するようにしたので、照合データを第三者が不正に入手した場合でも、来訪者の個人情報などの秘密情報の漏洩を防ぐことができる。なお、暗号化の対象としては、個人情報に限定されるものではなく、共用コードや有効期限を暗号化してもよい。これにより、照合データの不正使用を抑止することができる。
【0056】
また、本実施の形態では、照合データ生成部12で、生成した照合データを記録媒体となる来訪者の携帯端末50へ電子メールで通知し、リーダ31で、電子メールで通知されて携帯端末50で画面表示された照合データ、あるいは携帯端末50から近距離無線通信で送信された照合データを取得するようにしたので、携帯端末50を操作するだけで入退場判定に必要な照合データをリーダ31へ提示することができる。これにより、入退場判定時における来訪者の作業負担を大幅に削減することができる。
【0057】
なお、本実施の形態では、照合データを電子メールで来訪者の携帯端末50へ通知した後、携帯端末50で画面表示することによりリーダ31へ提示する場合を例として説明したが、照合データをリーダ31へ通知する方法については、これに限定されるものではない。
図9は、照合データの流れを示す説明図である。本実施の形態で説明した照合データの流れは、担当者の照合データ生成端末10で生成された照合データが電子メールにより通信網NWを介して、来訪者の携帯端末50へ通知され、入退場判定時に携帯端末50で画面表示された照合データD0がリーダ31へ取り込まれる経路である。この際、画面表示に代えて近距離無線通信により携帯端末50からリーダ31へ照合データD0を通知する経路もある。
【0058】
また、照合データの生成は、担当者に限定されるものではなく、来訪者の受付を行う受付者など他の利用者が照合データを生成してもよい。例えば、来訪者が来訪した際、来訪者から提示された名刺に基づいて、受付者が照合データ生成端末10により照合データを生成して、来訪者の携帯端末50へ通知してもよい。これにより、担当者の作業負担を抑止することができる。
【0059】
また、照合データは、紙レベルなどの記録媒体に印刷出力し、リーダ31で読み取るようにしてもよい。この場合には、照合データ生成端末10で印刷出力した照合データD1を来訪者へ配布してもよく、来訪者が携帯端末50で受信した電子メールを印刷出力した照合データD2を用いてもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、入退室管理装置20で履歴情報を記録する場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、入退室管理装置20とは別個に、履歴管理装置を設け、入退室管理装置20から通知された履歴情報を逐次記録するようにしてもよい。
【0061】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態かかる入退場管理システムについて説明する。
第1の実施の形態では、照合データの不正使用を防止するため、有効期限を設定する場合について説明した。本実施の形態では、暗証番号を用いて照合データの不正使用を防止する場合について説明する。
【0062】
本実施の形態において、照合データ生成端末10の照合データ生成部12は、照合データを生成する際、任意の暗証番号を照合データに付加する機能を有している。
入退場管理装置20の入退場判定部22は、入退場可否判定時、リーダ31で操作入力された暗証番号と照合データに含まれる暗証番号の一致を確認する機能を有している。
【0063】
図10は、照合データの他の構成例である。ここでは、前述の図3で説明した共用コード、個人情報、および有効期限に加え、暗証番号が新たな付加されている。この暗証番号は、照合データ生成部12がランダムに発生させてもよく、担当者が任意の番号を操作入力してもよい。
本実施の形態にかかる入退場管理システム1におけるこの他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0064】
[第2の実施の形態の動作]
次に、図11を参照して、本実施の形態にかかる入退場管理システムの動作について説明する。図11は、第2の実施の形態にかかる入退場管理システムの動作を示すシーケンス図であり、前述の図8と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
【0065】
ここでは、来訪者の来訪先となる担当者が照合データ生成端末10により、暗証番号を含む照合データをQRコードで生成して、電子メールで来訪者の携帯端末50へ予め通知し、来訪時には来訪者が携帯端末50を操作してQRコードを画面表示して、区画Sである応接室の出入口に設置されているリーダ31へ提示するとともに、暗証番号を操作入力することにより、入退場の許可を要請する場合について説明する。
【0066】
まず、照合データ生成端末10において、照合データ生成部12は、担当者の操作に応じて、記憶部11に記憶されている共用コードのうちから、来訪者が入退場する区画Sでの入退場許可を示す共用コードを選択する(ステップ100)。
また、照合データ生成部12は、担当者の操作に応じて、来訪者の個人情報を取得して(ステップ101)、当該個人情報を暗号化し(ステップ102)、暗証番号を生成し(ステップ200)、担当者の操作に応じて、生成する照合データの有効期限を設定する(ステップ103)。
【0067】
続いて、照合データ生成部12は、これら共用コード、暗号化された個人情報、暗証番号、および有効期限を用いて、前述の図3に示した照合データを生成し(ステップ104)、当該照合データを、前述の図4に示したQRコードに変換する(ステップ105)。
次に、照合データ生成部12は、担当者の操作に応じて、来訪者の携帯端末50の電子メールアドレスや、来訪日時などを含む本文を取得して、QRコードを示す画像ファイルが添付された電子メールを生成し(ステップ106)、通信網NWを介して携帯端末50へ送信することにより照合データを来訪者へ発行する(ステップ107)。
【0068】
この後、来訪者が来訪して応接室への入場の許可を要請する場合、来訪者の操作に応じて携帯端末50がQRコードを画面表示する(ステップ110)。
応接室である区画Sの出入口に設けられているリーダ31は、携帯端末50で画面表示されているQRコードを取得して照合データに変換するとともに(ステップ111)、来訪者の操作に応じて暗証番号を取得し(ステップ210)、当該照合データおよび暗証番号と自己のリーダIDとを含む判定要求を、制御バスBSを介して入退場管理装置20へ通知する(ステップ112)。このとき、暗証番号は、照合データを生成した担当者が、別途、電子メールや電話連絡で来訪者に前もって通知すればよい。
【0069】
入退場管理装置20の入退場判定部22は、リーダ31からの判定要求に応じて、判定要求で通知された照合データのうちの暗号化個人情報を復号し(ステップ120)、得られた照合データに含まれる有効期限を取得して、現在日時と比較することにより、照合データの有効性を確認する(ステップ121)。
ここで、現在日時が有効期限の範囲外であり、照合データの有効性が確認できなかった場合、入退場判定部22は、リーダ31へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ31は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0070】
また、入退場判定部22は、得られた照合データに含まれる暗証番号を取得して、判定要求で通知された、来訪者が入力した暗証番号と比較することにより、照合データおよび来訪者の正当性を確認する(ステップ121)。
ここで、両暗証番号が一致せず、照合データおよび来訪者の正当性が確認できなかった場合、入退場判定部22は、リーダ31へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ31は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0071】
一方、現在日時が有効期限の範囲内であり、照合データの有効性が確認できた場合、入退場判定部22は、照合データから取得した共用コードと対応する入退場許可情報を、記憶部21の入退場判定情報から取得するとともに、判定要求で通知されたリーダ31のリーダIDと対応する区画許可レベルを記憶部21の区画情報から取得し、これら入退場許可情報の許可レベルと区画許可レベルとを比較することにより、当該区画での入退場可否を判定する(ステップ122)。
【0072】
ここで、入退場許可情報の許可レベルのレベル値が区画許可レベルのレベル値より低く、入退場不可と判定された場合、入退場判定部22は、入退場判定部22は、リーダ31へ判定エラーを通知し、これに応じてリーダ31は入退場不可を表示するなどのエラー処理を実行する。
【0073】
一方、入退場許可情報の許可レベルのレベル値が区画許可レベルのレベル値以上であり、入退場可能と判定された場合(ステップ122:YES)、入退場判定部22は、制御バスBSを介して区画Sのゲート装置32へ、開扉指示を通知する(ステップ123)。これに応じて、ゲート装置32は、区画Sの出入口に設けられている扉を開扉する(ステップ124)。これにより、来訪者は区画Sである応接室へ入場可能となる。
【0074】
この後、履歴管理部23は、照合データに含まれている来訪者の個人情報と、入退場判定に用いた、判定日時、共用コード、区画、および種別を示す処理内容とを、入退場判定部22から取得し、これらを記憶部21の履歴情報として記録する(ステップ125)。
【0075】
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、照合データ生成端末10の照合データ生成部12で、照合データを生成する際、任意の暗証番号を照合データに付加し、入退場管理装置20の入退場判定部22で、入退場可否判定時、リーダ31で操作入力された暗証番号と照合データに含まれる暗証番号の一致を確認するようにしたので、照合データおよび来訪者の正当性を確認することができる。
これにより、照合データを第三者が入手して入退場を試みた場合でも、その不正行為を的確に検知することができ、高いセキュリティ性を得ることができる。
【0076】
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0077】
1…入退場管理システム、10…照合データ生成端末、11…記憶部、12…照合データ生成部、20…入退場管理装置、21…記憶部、22…入退場判定部、23…履歴管理部、31…リーダ、32…ゲート装置、50…携帯端末、NW…通信網、D…照合データ、S…区画、BS…制御バス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入退場可否判定に用いる情報として複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶する記憶部と、前記共用コードのいずれか1つと前記来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で前記来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成する照合データ生成部とを備える照合データ生成端末と、
前記共用コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶部と、前記来訪者の前記照合データが記録された記録媒体から前記区画に設置されたリーダで取得した前記照合データに含まれる前記共用コードを前記入退場判定情報と照合することにより、前記区画における前記来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて前記区画における前記来訪者の入退場を制御する入退場判定部と、前記入退場可否判定の処理内容と前記照合データに含まれる前記個人情報とを、前記入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部へ記録する履歴管理部とを備える入退場管理装置と
を含むことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記照合データ生成部は、前記照合データを生成する際、前記照合データの有効期限を前記照合データに付加し、
前記入退場判定部は、前記入退場可否判定時、前記照合データに含まれる有効期限に基づき前記照合データの有効性を確認する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記照合データ生成部は、前記照合データを生成する際、任意の暗証番号を前記照合データに付加し、
前記入退場判定部は、前記入退場可否判定時、前記リーダで操作入力された暗証番号と前記照合データに含まれる暗証番号の一致を確認する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記照合データ生成部は、前記照合データの一部または全部を暗号化し、
前記入退場判定部は、前記照合データのうち暗号化されている一部または全部を復号することを特徴とする入退場管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記照合データ生成部は、生成した前記照合データを前記記録媒体となる前記来訪者の携帯端末へ電子メールで通知し、
前記リーダは、前記電子メールで通知されて前記携帯端末で画面表示された前記照合データ、あるいは前記携帯端末から近距離無線通信で送信された前記照合データを取得する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記リーダは、前記記録媒体に印刷出力された前記照合データを取得することを特徴とする入退場管理システム。
【請求項7】
照合データ生成端末の記憶部が、入退場可否判定に用いる情報として複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶する記憶ステップと、
前記照合データ生成端末の照合データ生成部が、前記共用コードのいずれか1つと前記来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で前記来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成する照合データ生成ステップと、
入退場管理装置の記憶部が、前記共用コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶ステップと、
前記入退場管理装置の入退場判定部が、前記来訪者の前記照合データが記録された記録媒体から前記区画に設置されたリーダで取得した前記照合データに含まれる前記共用コードを前記入退場判定情報と照合することにより、前記区画における前記来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて前記区画における前記来訪者の入退場を制御する入退場判定ステップと、
前記入退場管理装置の履歴管理部が、前記入退場可否判定の処理内容と前記照合データに含まれる前記個人情報とを、前記入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部へ記録する履歴管理ステップと
を含むことを特徴とする入退場管理方法。
【請求項1】
入退場可否判定に用いる情報として複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶する記憶部と、前記共用コードのいずれか1つと前記来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で前記来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成する照合データ生成部とを備える照合データ生成端末と、
前記共用コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶部と、前記来訪者の前記照合データが記録された記録媒体から前記区画に設置されたリーダで取得した前記照合データに含まれる前記共用コードを前記入退場判定情報と照合することにより、前記区画における前記来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて前記区画における前記来訪者の入退場を制御する入退場判定部と、前記入退場可否判定の処理内容と前記照合データに含まれる前記個人情報とを、前記入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部へ記録する履歴管理部とを備える入退場管理装置と
を含むことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記照合データ生成部は、前記照合データを生成する際、前記照合データの有効期限を前記照合データに付加し、
前記入退場判定部は、前記入退場可否判定時、前記照合データに含まれる有効期限に基づき前記照合データの有効性を確認する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記照合データ生成部は、前記照合データを生成する際、任意の暗証番号を前記照合データに付加し、
前記入退場判定部は、前記入退場可否判定時、前記リーダで操作入力された暗証番号と前記照合データに含まれる暗証番号の一致を確認する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記照合データ生成部は、前記照合データの一部または全部を暗号化し、
前記入退場判定部は、前記照合データのうち暗号化されている一部または全部を復号することを特徴とする入退場管理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記照合データ生成部は、生成した前記照合データを前記記録媒体となる前記来訪者の携帯端末へ電子メールで通知し、
前記リーダは、前記電子メールで通知されて前記携帯端末で画面表示された前記照合データ、あるいは前記携帯端末から近距離無線通信で送信された前記照合データを取得する
ことを特徴とする入退場管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の入退場管理システムにおいて、
前記リーダは、前記記録媒体に印刷出力された前記照合データを取得することを特徴とする入退場管理システム。
【請求項7】
照合データ生成端末の記憶部が、入退場可否判定に用いる情報として複数の来訪者間で共用される1つ以上の共用コードを予め記憶する記憶ステップと、
前記照合データ生成端末の照合データ生成部が、前記共用コードのいずれか1つと前記来訪者の個人情報とを含み、入退場を管理する区画で前記来訪者が入退場する際に必要となる照合データを生成する照合データ生成ステップと、
入退場管理装置の記憶部が、前記共用コードごとに入退場許可区画が登録された入退場判定情報を予め記憶する記憶ステップと、
前記入退場管理装置の入退場判定部が、前記来訪者の前記照合データが記録された記録媒体から前記区画に設置されたリーダで取得した前記照合データに含まれる前記共用コードを前記入退場判定情報と照合することにより、前記区画における前記来訪者の入退場可否を判定し、この入退場可否判定の判定結果に基づいて前記区画における前記来訪者の入退場を制御する入退場判定ステップと、
前記入退場管理装置の履歴管理部が、前記入退場可否判定の処理内容と前記照合データに含まれる前記個人情報とを、前記入退場可否判定に関する履歴情報として記憶部へ記録する履歴管理ステップと
を含むことを特徴とする入退場管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−69036(P2012−69036A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214863(P2010−214863)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】
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