入金機案内システムおよび入金機予約案内システム
【課題】複数の店舗で共用されていて、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えたシステムにおいて、入金カセット残容量不足による入金機への入金作業のやり直しを回避することを可能とした入金機案内システムを提供することである。
【解決手段】提案する入金機案内システムは、複数台の入金機と、複数台の入金機案内端末とが入金機管理サーバを介して接続されたシステムである。前記入金機管理サーバは、1台の入金機案内端末から入金予定額を指定した入金受け入れ可能な入金機の検索依頼を受信したときに、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報を基に、前記複数台の入金機の中から前記入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を選定して、前記依頼元の入金機案内端末に送信する。
【解決手段】提案する入金機案内システムは、複数台の入金機と、複数台の入金機案内端末とが入金機管理サーバを介して接続されたシステムである。前記入金機管理サーバは、1台の入金機案内端末から入金予定額を指定した入金受け入れ可能な入金機の検索依頼を受信したときに、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報を基に、前記複数台の入金機の中から前記入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を選定して、前記依頼元の入金機案内端末に送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の店舗で共用されていて、かつ、それら店舗の外に設置される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えたシステムにおいて、それら入金機のうちから適切な入金機を案内する、あるいは、それら入金機のうちから入金予約可能な入金機を案内する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
警備輸送会社が実施しているサービスの1つに、現金入金機売上管理サービス(CSD(Cash Safety Delivery)サービス)がある。
【0003】
このCSDサービスでは、契約店舗に入金機を設置し、契約店舗の店員が売上金額をその入金機に投入し、警備輸送会社の担当警備員が入金機の現金を輸送管理している。
【0004】
一方、百貨店などでは、複数の店舗が入っており、それら複数の店舗で共用されるように、複数台の入金機を、百貨店内であり、それら店舗が入っているテナントエリアの外である所定のエリア(このエリアを”バックヤード”と呼ぶことがある)に設置している。
【0005】
このような百貨店などに設置される複数台の入金機を有するシステムでは、従来、図14に示すように、(1)で、百貨店内のある店舗で売上締めが行われ、(2)で、その日のその店舗の売上(現金)をその店舗の店員がバックヤード内の入金機のある場所へ持ち込む。
【0006】
そして、(3)で、その店舗の店員は店舗毎に発行される入金カードの情報をその入金機に読み取らせて、その店舗をその入金機に識別させ、店舗売上金をその入金機に投入する。
【0007】
以上の(1)〜(3)が店舗側で行なう処理である。一方、(4)で、警備輸送会社の警備担当者は例えば一定の時間間隔で各入金機から入金された現金(紙幣や硬貨)を回収し警備輸送する。
【0008】
このように、百貨店等に複数台の入金機を設置する場合、以下のような問題が生じる。
【0009】
まず、第1の問題として、店員がレジの売上を入金機に持参して入金しようとした際、その入金機の入金カセットにその持参した売上分の金額を入金できる容量が空いていなかったため(入金カセット残容量不足のため)、その入金機では入金できず、入金機から返却された売上に相当する金額(紙幣等)を受け取って、入金を再度行うために他の入金機まで行く、という作業効率上好ましくない状況がある。なお、この第1の問題は入金カセットの残容量を表示すれば解決できることであるが、セキュリティ上の観点から、盗難リスクを軽減させるために入金カセットの残容量は表示しないことになっている。
【0010】
また、第2の問題として、店員がレジの売上を入金機のところまで持参したときに、他店舗の店員がその入金機のところで既に作業していた場合、そのレジの売上を持参した店員はその場で待ち続けなければならない、という作業効率上好ましくない状況がある。また、1台の入金機の前でそれぞれ別の店舗の店員同士が出会うことはセキュリティ上の観点から望ましくない。しかし、いつどこの入金機が空いているのか(無人なのか)知る方法が現状ではないため、入金機まで入金に行く店員のリスクをコントロールできていない、という状況がある。
【0011】
なお、周辺技術として、特許文献1では、売上データ管理システムが示されている。このシステムでは、ある企業の複数の店舗のそれぞれに、複数のレジスタと1台の入金機を設置している。そして、その企業の管理部門のサーバマシンは、通信ネットワークを通して各店舗の入金機と接続された情報提供会社の受信サーバにアクセスすることによって、各入金機の現金金額を確認できる。
【0012】
また、特許文献2には、集配警備現金管理システムが示されている。このシステムでは、店舗に設置された入金機と、入金処理を行なうセンターとが通信回線を通して接続されていて、入金機は、現金の計数を行い、入金データをセンターに送信している。
【0013】
しかし、特許文献1および特許文献2の技術はいずれも、複数の店舗で共用されていて、かつ、それら店舗の外に設置される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えたシステム、を前提としてはいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−308375号公報
【特許文献2】特開平09−016691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、複数の店舗で共用されていて、かつ、それら店舗の外に設置される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えたシステムにおいて、入金カセット残容量不足による入金機への入金作業のやり直しを回避することを可能とした入金機案内システムおよび入金機予約案内システムを提供することを第1の目的とする。
【0016】
また、本発明は、複数の店舗で共用されていて、かつ、それら店舗の外に設置される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えたシステムにおいて、複数の各店舗の売上を持参した各店員が、1台の入金機の前で出会うことを回避することを可能とした入金機予約案内システムを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
提案する入金機案内システムは、複数台の入金機と、前記複数台の入金機のうちから入金作業可能な入金機を案内する、複数台の入金機案内端末とが入金機管理サーバを介して接続されたシステムである。そして、前記入金機管理サーバは、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報を記憶した記憶部と、前記複数台の入金機案内端末のうちの1台の入金機案内端末から入金予定額を指定した入金受け入れ可能な入金機の検索依頼を受信したときに、前記入金機残高情報を基に、前記複数台の入金機の中から前記入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を選定して、前記依頼元の入金機案内端末に送信する受け入れ可能入金機選定部と、を備える。
【0018】
提案する入金機予約案内システムは、複数台の入金機予約端末と、複数台の入金機とが入金機予約管理サーバを介して接続されたシステムである。そして、前記入金機予約管理サーバは、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報、および、予約時間帯と入金予定額を予約の数だけ入金機毎に有する入金機予約情報を記憶した記憶部と、前記複数台の入金機予約端末のうちの1台の入金機予約端末から入金予定額を指定した入金受け入れ可能な入金機の検索依頼を受信したときに、前記入金機残高情報および前記入金機予約情報を基に、前記複数台の入金機の中から前記入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を
前記入金機予約情報の各予約時間帯を避けて選定して、前記依頼元の入金機予約端末に送信する受け入れ可能入金機選定部と、を備える。
【発明の効果】
【0019】
提案する入金機案内システムでは、受け入れ可能入金機選定部は、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報を基に、複数台の入金機の中から指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を選定している。選定された入金機のいずれかの設置場所に出向いてそこの入金機に入金を行なうことで、入金カセット残容量不足による入金機への入金作業のやり直しを回避することができる、あるいは、少なくとも入金作業のやり直し発生のリスクを軽減することができる。
【0020】
提案する入金機予約案内システムでは、受け入れ可能入金機選定部は、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報、および、予約時間帯と入金予定額を予約の数だけ入金機毎に有する入金機予約情報を基に、複数台の入金機の中から指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を前記入金機予約情報の各予約時間帯を避けて選定している。選定された入金機のいずれかを予約して予約した入金機に予約時間帯に入金を行なうことで、入金カセット残容量不足による入金機への入金作業のやり直しを回避できるとともに、例えば複数の各店舗の売上を持参した各店員が、1台の入金機の前で出会うことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】複数の店舗で共用される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えた本発明のシステムにおける入金機の予約運用方法を示す図である。
【図2】入金機予約端末の概観(正面図)および表示画面例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る入金機予約案内システムを示す図である。
【図4】入金機が有する各種データを示す図である。
【図5】予約検索DBのデータ構造を示す図である。
【図6】入金機予約情報DBのデータ構造を示す図である。
【図7】入金機予約端末、入金機予約管理サーバ、入金機の間でやり取りされる各種電文のデータ構造を示す図である。
【図8A】本実施形態の予約可能な入金機の案内処理のフローチャート(前半)である。
【図8B】本実施形態の予約可能な入金機の案内処理のフローチャート(後半)である。
【図9】図8AのステップS9の詳細フローチャートである。
【図10】複数の店舗で共用される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えたシステムの従来の運用方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、複数の店舗で共用される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えた本発明のシステムにおける入金機の予約運用方法を示す図である。
【0023】
本発明の入金機予約案内システムは百貨店などの複数の店舗が入っている商業施設に、店舗毎に入金機予約端末(図1では百貨店内のある店舗に入金機予約端末1がある)を備えるとともに、複数の店舗が入っているテナントエリア外のバックヤードに、それら複数の店舗により共用される複数台の入金機(図1では3台の入金機8−1、8−2、8−3がある)を備えている。
【0024】
入金機予約管理サーバ6はLAN(Local Area Network)7を通して入金機8−1、8
−2、8−3に接続されるとともに、不図示の有線あるいは無線ネットワークを介して店舗内の入金機予約端末1等に接続される。
【0025】
入金機への売上の入金を効率的に行うために、店舗の店員は入金機予約端末1を操作して入金機の作業予約を行うがその処理方法について以下に説明する。
【0026】
まず、(1)で、店員は入金機予約端末1に入金カード(不図示)を通すことで、その入金カードにデータとして記憶されている入金カードNo.が入金機予約端末1に読み込まれる。また、その日の売上を入金予定額として店員は入金機予約端末1に入力する。図2は、入金機予約端末1の概観(正面図)および表示画面例を示す図である。図2に示すように、入金機予約端末1は、操作画面(タッチパネル)2を有する。カードリーダー4に入金カード(不図示)を通すことで、入金機予約端末1に入金カード(不図示)のデータ(入金カードNo.)が読み込まれる。また、その日の売上を入金予定額として店員は入金機予約端末1に入力する。入金機予約端末1は無線LAN3を通して入金機予約管理サーバ6とデータのやり取りを行う。図2の操作画面11は、入金予定額の入力画面の一例である。
【0027】
図1において、続く、(2)では、入金機予約端末1から入金機予約管理サーバ6に入金予定端末コード、入金予定額が通知される。
【0028】
この通知を受信した入金機予約管理サーバ6は、(3)で、すべての入金機(図1では、入金機8−1、8−2、8−3)の状況(受入れ可能額等)を照会し、入金予定額を受入れ可能な入金機を選定する。
【0029】
そして、(4)で、入金機予約管理サーバ6は、(3)の選定処理の結果として得られた入金予定額を入金受け入れ可能な入金機一覧を入金機予約端末1に送信する。
【0030】
入金機予約管理サーバ6から予約可能な入金機一覧を受信した入金機予約端末1は、その入金機一覧を図2に示すように、操作画面12に表示させ、店員の選択を促す。(5)で、店員が入金機予約端末1の操作画面12から作業する入金機のボタンを押下することでその入金機に対する予約が行われる。なお、予約可能な入金機がない場合、図2の操作画面13に示すような画面表示が例えば行われる。
【0031】
そして、(6)で、入金機予約端末1から入金機予約管理サーバ6に対し、入金機予約依頼が行われる。
【0032】
入金機予約依頼を受信した入金機予約管理サーバ6は、(7)で、その依頼に含まれる入金機に対し作業予約を通知する。
【0033】
(8)で、作業予約通知を受信した入金機(図1では入金機8−1)は、作業予約状況を更新する。
【0034】
一方で、予約を入れた店員は作業予約時間になると、(9)で、予約した入金機のところに行き、入金カードを使用して、入金カードNo.をその入金機に読み取らせて、売上金の投入作業を行う。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態に係る入金機予約案内システムを示す図である。
本実施形態の入金機予約案内システムは、百貨店などの商業施設内に設置される。
【0036】
この入金機予約案内システムは、図3に示すように、テナントエリアの各店舗内に設置
されるn台の入金機予約端末1−1、・・・、1−nと、バックヤード内に設置されるm台の入金機8−1、・・・、8−mと、入金機予約管理サーバ6とを有する。
【0037】
n台の入金機予約端末1−1、・・・、1−nと入金機予約管理サーバ6とは無線ネットワーク(無線LAN3)により接続され、m台の入金機8−1、・・・、8−mと入金機予約管理サーバ6とはLAN7により接続されている。
【0038】
入金機8−1は、入金機状態情報21、入金機予約情報22、各種設定情報23を記憶したメモリ、自機状態情報送信部24、予約情報更新部25、外部I/F26、を有する。
【0039】
図4に示すように、入金機状態情報21は、入金可能残高金額:P、実入金合計金額、(入金の)予定含む合計金額:R、入金作業終了見込時間、の各項目を含む。入金機予約情報22は、予約開始時間、予約終了時間、入金カードNo.、入金予約金額、の各項目を含む。各種設定情報23は、入金機号機(入金機コード)、入金可能上限金額:Q、1入金作業見込時間、の各項目を含む。なお、入金可能残高金額:P、入金可能上限金額:Q、予定含む合計金額:Rの間には、P=Q−Rの関係があり、この関係式を用いて、入金機では入金可能残高金額:Pを算出している。また、予定含む合計金額:Rは、入金予約した分の合計を実入金合計金額に加算して求めている。
【0040】
図3の自機状態情報送信部24は、入金機予約管理サーバ6からのリクエスト(状態通知依頼)に応じて入金機状態情報21および各種設定情報23を参照して、自機の入金機コードと、入金可能残高金額を含む入金機状態情報(後述の入金機状態返信電文)を作成し、外部I/F26を通して入金機予約管理サーバ6に送信する。
【0041】
予約情報更新部25は、入金機予約管理サーバ6から自機が予約されたことを示す予約情報(後述の入金機予約電文)を受信すると、その予約情報の内容を入金機予約情報22に追加し、入金機状態情報21の該当箇所を変更する。すなわち、予定含む合計金額:Rを、受信した予約情報中の入金予定額だけ増やし、上記式により、入金可能残高金額:Pを更新する。そして、それらの処理が正常に完了すると、予約が成功したことを示す情報(後述の入金予約完了電文)を入金機予約管理サーバ6に送信する。
【0042】
また、予約情報更新部25は、入金予約した分について予約した入金作業が完了した場合、入金機予約情報22の該当部分を削除し、予定含む合計金額:R、実入金合計金額、等を再計算する。
【0043】
なお、各入金機側は、入金機予約情報22の各予約時間帯(予約開始時間、予約終了時間)には、予約時に使用された利用者識別情報(入金カードNo.)以外での利用を不可とする利用者認証部(不図示)を備える。
【0044】
また、図3において、入金機予約管理サーバ6は、予約検索DB31、入金機予約情報DB32、予約検索DB更新部33、予約候補入金機情報出力部34、入金機予約情報DB更新部35、入金機予約端末間I/F36、入金機間I/F37、を有する。
【0045】
予約検索DB31は、入金機予約端末コードの後に、入金機コードと入金可能残高金額の組み合わせが、入金機の数だけ、その入金機予約端末の設置場所に近い順に並べられたデータである(予約検索DB31については図5で詳しく説明する)。
【0046】
入金機予約情報DB32は、予約時間帯と入金予定額を予約の数だけ入金機毎に有する可変長のデータである(入金機予約情報DB32については図5で詳しく説明する)。
【0047】
予約検索DB更新部33は、配下にあるすべての入金機に対して状態情報(入金可能残高)を送信するように依頼し(後述の状態通知依頼電文を同報送信し)、その依頼への応答として各入金機から受信した状態情報を用いて予約検索DB31の該当箇所を更新する。
【0048】
予約候補入金機情報出力部34は、予約検索DB31および入金機予約情報DB32を基に、指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を、それぞれの入金機で予約が入っている時間帯を避けて選定し、その1台以上の入金機の情報を検索依頼の送信元の入金機予約端末に送信している。
【0049】
入金機予約情報DB更新部35は、新たにある入金機に対して入った予約を、入金機予約情報DB32内のその入金機のレコード(行)に追加する。そして、その入金機に対して、その予約内容を通知する。
【0050】
続いて、データ例が設定されたテーブルや各種電文について図5〜図7を参照して説明するが、それに先立ってこれらデータ例での表記方法について説明する。すなわち、これらデータ例では、入金機予約端末を"Y"、入金機予約管理サーバを"S"、入金機を"N"、でそれぞれ示している。
【0051】
例えば"Y1001"は、1001番の入金機予約端末を示している。"N3001"は、3001番の入金機を示している。
【0052】
図5は、予約検索DBのデータ構造を示す図である。
図5に示すように、予約検索DB31は、入金機予約端末コード(ここでは、英数字5桁)の後に、入金機コード(ここでは、英数字5桁)と入金可能残高金額(ここでは、数字8桁)の組み合わせが、入金機の数だけ、その入金機予約端末の設置場所に近い順に並べられたデータ構造を有している。
【0053】
この予約検索DB31は、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報と、入金機予約端末毎に複数台の入金機をその入金機予約端末の設置場所に近い順に並べた形式で一本化した冗長性を持つデータであるということができる。
【0054】
図6は、入金機予約情報DBのデータ構造を示す図である。
図6に示すように、入金機予約情報DB32は、予約時間帯と入金予定額を予約の数だけ入金機毎に有する可変長のデータである。
【0055】
この入金機予約情報DB32は、入金機コード(ここでは、英数字5桁)の後に、予約順(ここでは、数字2桁)、予約開始時間(ここでは、数字4桁("1800"等))、予約終了時間(ここでは、数字4桁)、入金カードNo.(ここでは英数字5桁)、予約金額(=入金予定額、ここでは、数字8桁)、の組み合わせがその入金機に入っている予約の数だけ続いたデータである。
【0056】
図7は、入金機予約端末、入金機予約管理サーバ、入金機の間でやり取りされる各種電文のデータ構造を示す図である。
【0057】
図7のデータ例では、入金機予約端末から入金機予約管理サーバに送信される電文の電文コードは"YS***"(***は3桁の数字)という形式をしている。入金機予約管理サーバから入金機に送信される電文の電文コードは"SN***"(***は3桁の数字)という形式をしている。入金機から入金機予約管理サーバに送信される電文の電文コード
は"NS***"(***は3桁の数字)という形式をしている。入金機予約管理サーバから入金機予約端末に送信される電文の電文コードは"SY***"(***は3桁の数字)という形式をしている。
【0058】
図7に示すように、入金機予約検索依頼電文41は、入金機予約端末から入金機予約管理サーバ6に送信される電文であり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"YS001"という値を持つ)、入金機予約端末コード(ここでは、英数字5桁)、予約金額(=入金予定額、ここでは、数字8桁)、の各項目を有する。
【0059】
状態通知依頼電文42は、入金機予約管理サーバから配下のすべての入金機に同報されるものであり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"SN002"という値を持つ)、のみを有する。
【0060】
入金機状態返信電文43は、入金機から入金機予約管理サーバ6に送信される電文であり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"NS003"という値を持つ)、入金機コード(ここでは、英数字5桁)、入金可能残高金額(ここでは、数字8桁)、の各項目を有する。
【0061】
予約候補電文44は、入金機予約管理サーバ6から入金機予約端末に送信される電文であり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"SY005"という値を持つ)、の後に、入金機コード(ここでは、英数字5桁)、予約順(ここでは、数字2桁)、予約開始時間(ここでは、数字4桁("1800"等))、予約終了時間(ここでは、数字4桁)の組み合わせが入金予定額を受け入れ可能として選定された入金機の数だけ続く形式を持つ。
【0062】
予約電文45は、入金機予約端末から入金機予約管理サーバ6に送信される電文であり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"YS007"という値を持つ)、入金機コード(ここでは、英数字5桁)、予約順(ここでは、数字2桁)、予約開始時間(ここでは、数字4桁)、予約終了時間(ここでは、数字4桁)、入金カードNo.(ここでは英数字5桁)、予約金額(=入金予定額、ここでは、数字8桁)、の各項目を有する。
【0063】
入金機予約電文46は、入金機予約管理サーバ6から入金機に送信される電文であり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"SN008"という値を持つ)、予約順(ここでは、数字2桁)、予約開始時間(ここでは、数字4桁)、予約終了時間(ここでは、数字4桁)、入金カードNo.(ここでは英数字5桁)、予約金額(=入金予定額、ここでは、数字8桁)、の各項目を有する。
【0064】
入金予約不可電文47は、入金機予約管理サーバから配下のすべての入金機予約端末に同報されるものであり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"SY009"という値を持つ)のみを有する。システム上、入金機が使用不可の場合等にこの電文を用いる。
【0065】
入金予約完了電文48は、入金機から入金機予約管理サーバ6に送信される電文であり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"NS010"という値を持つ)、入金機コード(ここでは、英数字5桁)、予約順(ここでは、数字2桁)、予約開始時間(ここでは、数字4桁)、予約終了時間(ここでは、数字4桁)、の各項目を有する。
【0066】
図8Aおよび図8Bは、本実施形態の予約可能な入金機の案内処理のフローチャートである。
このフローチャートの処理は、図3の入金機予約管理サーバ6により行われる。
【0067】
図8AのステップS1で、予約検索DB更新部33により、入金機予約端末から入金予定額を指定して入金可能な入金機の検索依頼(図7の入金機予約検索依頼電文41)を受信したかどうかが判定される。
【0068】
ステップS1で入金機予約端末から入金予定額を指定して入金可能な入金機の検索依頼を受信しない間はこのステップS1の判定処理が続行する。
【0069】
ステップS1で入金機予約端末から入金予定額を指定して入金可能な入金機の検索依頼を受信したと判定された場合(ステップS1の判定結果がYESの場合)、ステップS2で、配下のすべての入金機(図3では、m台の入金機8−1、・・・8−m)に状態通知依頼(図7の状態通知依頼電文42)を(同報)送信する。
【0070】
この状態通知を受信した入金機側では、図3の自機状態情報送信部24により、入金機状態情報21および各種設定情報23が参照されて、自機の入金機コードと、入金可能残高金額を含む入金機状態返信電文が作成され、入金機予約管理サーバ6に送信される。
【0071】
図8AのステップS2に続くステップS3では、入金機状態情報(図7の入金機状態返信電文43)を受信したかどうかが予約検索DB更新部33により判定される。
ステップS3で入金機状態情報を受信しない間はこのステップS3の判定処理が続行する。
【0072】
ステップS3で入金機状態返信電文を受信したと判定された場合、ステップS4で、受信した入金機状態返信電文で予約検索DB31を更新する。具体的には、予約検索DB31中の、受信した入金機状態返信電文の入金機コードに対応する すべての入金機コードの次の位置の入金可能残高金額を、受信した入金機状態返信電文の入金可能残高金額で置き換える。
【0073】
そして、ステップS5で、予約検索DB更新部33により、すべての入金機から入金機状態情報を受信したかどうかが判定される。
ステップS5ですべての入金機状態情報を受信していないと判定された場合(ステップS5の判定結果がNOの場合)、ステップS3に戻る。
【0074】
ステップS5ですべての入金機状態情報を受信したと判定された場合(ステップS5の判定結果がYESの場合)、予約検索DB更新部33から予約候補入金機情報出力部34に制御が移る。そして、ステップS6で、予約候補入金機情報出力部34は、変数初期化を行う(入金機の台数カウント用変数m=1、受入れ可能入金機の数を示す変数P=1)。
【0075】
続くステップS7では、予約候補入金機情報出力部34は、予約検索DB31のステップS1で受信した入金機予約検索依頼電文の入金予約端末コードに対応する入金機予約端末コードのデータを参照して、依頼元の入金機予約端末にm番目に近い入金機の入金可能残高を取得する。
【0076】
そして、ステップS8で、予約候補入金機情報出力部34により、ステップS7で取得したm番目に近い入金機の入金可能残高が(入金)ステップS1で受信した入金機予約検索依頼電文の予約金額より大きいかどうか(入金可能残高>予約金額?)が判定される。
【0077】
ステップS8で入金可能残高が予約金額以下であると判定された場合(ステップS8の判定結果がNOの場合)、ステップS11に進む。
【0078】
ステップS8で入金可能残高が予約金額より大きいと判定された場合(ステップS8の判定結果がYESの場合)、ステップS9で、予約候補入金機情報出力部34は、入金機予約情報DB32を参照して、処理対象入金機(ステップS7で入金可能残高を取得した入金機)の現在時刻以降の予約可能時間帯を抽出する。この抽出方法は図9で後述する。
【0079】
続くステップS10では、予約候補入金機情報出力部34は、予約可能時間帯がステップS9で抽出できた場合、処理対象入金機について、入金機コード、予約順、予約可能時間帯(予約開始時間、予約終了時間)を図7の予約候補電文44にセットし、受入れ可能入金機の数を示す変数Pをインクリメントする。
【0080】
そして、続くステップS11で、予約候補入金機情報出力部34は、入金機の台数カウント用変数mをインクリメントし、ステップS12で、変数mがシステムに設置される入金機台数nより大きいかどうか(m>n?)が判定される。 ステップS12で変数mがシステムに設置される入金機台数n以下である場合(ステップS12の判定結果がNOの場合)、まだ、全入金機について入金可能残高をチェックしていないので、ステップS7に戻り、処理を続行する。
【0081】
ステップS12で変数mがシステムに設置される入金機台数nより大きい場合(ステップS12の判定結果がYESの場合)、続く図8BのステップS13で、その時点で生成されている予約候補電文44をステップS1の依頼元の入金機予約端末に送信する。その後、予約候補入金機情報出力部34から入金機予約情報DB更新部35に制御が移る。
【0082】
予約候補電文44を受信した依頼元の入金機予約端末側では、予約候補電文44に候補として含まれる1台以上の入金機のうちから、入金の予約を行う入金機を1台、操作画面上で選択して、選択結果を図7の予約電文45として入金機予約管理サーバ6に送信する。
【0083】
一方、入金機予約管理サーバ6側では、ステップS14で、入金機予約情報DB更新部35により、予約依頼(予約電文45)を受信したかどうかが判定される。
【0084】
ステップS14で予約依頼を受信しない間(ステップS14の判定結果がNOである間)はこのステップS14の判定処理が続行する。
【0085】
ステップS14で予約依頼を受信したと判定された場合(ステップS14の判定結果がYESの場合)、ステップS15で、入金機予約情報DB更新部35は、予約依頼の内容に基づいて入金機予約情報DB32を更新する。具体的には、入金機予約情報DB32にステップ14で受信した予約電文の予約開始時間、予約終了時間、入金カードNo.、予約金額が入金機予約情報DB32に追加される。
【0086】
続く、ステップS16では、入金機予約情報DB更新部35は、ステップS15で予約情報を更新した入金機に対して、更新により追加した予約情報(図7の入金機予約電文46)を送信する。なお、予約情報を受信した入金機では、その予約情報の内容を入金機予約情報22に追加し、入金機状態情報21の該当箇所を変更する。すなわち、予定含む合計金額:Rを、受信した予約情報中の入金予定額だけ増やし、上述した式により、入金可能残高金額:Pを更新する。そして、それらの処理が正常に完了すると、予約が成功したことを示す情報(後述の入金予約完了電文)を入金機予約管理サーバ6に送信する。
【0087】
続く、ステップS17では、入金機予約情報DB更新部35により、予約情報をステップS16で送信した入金機から更新成功通知(図7の入金予約完了電文48)を受信したかどうかが判定される。
【0088】
ステップS17で入金機から更新成功通知を受信しない間(ステップS17の判定結果がNOである間)はこのステップS17の判定処理が続行する。
【0089】
ステップS17で入金機から更新成功通知を受信したと判定された場合(ステップS17の判定結果がYESの場合)、ステップS18で、入金機予約情報DB更新部35は、予約依頼送信元の入金機予約端末に、予約完了を通知する。
【0090】
図9は、図8AのステップS9の詳細フローチャートである。
図9のステップS21では、現在時刻以降で、現在時刻に最も近い所定時間帯(ここでは、15分を入金機での入金作業に要する時間とする)を、予約候補時間帯とする。例えば時間帯を00−14、15−29、30−44、45−59と、15分間隔で設定している場合、現在時刻が17:58分である場合、現在時刻に最も近い時間帯は18:00−18:14分となり、この時間帯(開始時間、終了時間の組)が予約候補時間帯にセットされる。
【0091】
続くステップS22では、入金機予約情報DB32を参照して、図8AのステップS9の処理対象入金機(入金機コード)に対応する入金機予約情報DB32のレコード(行)に、予約候補時間帯と同一時間帯の予約があるか否かをチェックする。
【0092】
ステップS22のチェック結果を参照して、続くステップS23では、予約候補時間帯と同一時間帯の予約がありの場合、ステップS24で、予約候補時間帯を一定時間(ここでは、15分)進めて、次の所定時間帯を予約候補時間帯に設定し、ステップS22に戻り、処理を続行する。
【0093】
ステップS23で、予約候補時間帯と同一時間帯の予約がなしの場合、ステップS25で、現在の予約候補時間帯を、予約可能時間帯として決定する。
【0094】
以上説明したように、本実施形態の入金機予約案内システムでは、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報、および、予約時間帯と入金予定額を予約の数だけ入金機毎に有する入金機予約情報を含んでいる予約検索DB31および入金機予約情報DB32を基に、複数台の入金機の中から指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を上記入金機予約情報の各予約時間帯を避けて選定している。選定された入金機のいずれかを予約して予約した入金機に入金を行なうことで、入金カセット残容量不足による入金機への入金作業のやり直しを回避できるとともに、例えば複数の各店舗の売上を持参した各店員が、1台の入金機の前で出会うことを回避することができる。
【0095】
また、本実施形態の入金機予約案内システムでは、予約検索DB31は、入金機予約端末毎に前記複数台の入金機をその入金機予約端末の設置場所に近い順に並べた入金機近い順情報をさらに含んでいるので、指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を、検索依頼の送信元の入金機予約端末に近い順に並べて提示することができ、入金機への入金作業の手間を一層軽減でき、一層効率的に入金作業を行うことができる。
【0096】
更に、入金予定額を入金可能な入金機が存在しない場合に、2台以上にまたがって選定することができるので、利便性に優れている。
【0097】
また、以上の説明では、指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を選定するだけでなく、予約も行うようにしていた。このようにすると、予定していた時間に予定していた入金機で確実に入金できるので好都合であるが、指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を検索依頼の送信元の入金機予約端末に提示するだけの入金機案内
システムとして機能させてもよい。この場合、図3の入金機予約端末1−1、・・・、1−nに、通常の予約と伴う検索依頼実施モードの他に、予約を伴わない検索依頼実施モードを選択可能に設け、利用者(店員)が予約を伴わない検索依頼を入金機予約端末から行った場合には、その予約を伴わない検索依頼を受信した入金予約管理サーバ6側において、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報を含む予約検索DB31を基に、複数台の入金機の中から指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を選定して入金機予約端末側に提示する。この方法でも、選定された入金機のいずれかの設置場所に出向いてそこの入金機に入金を行なうことで、入金カセット残容量不足による入金機への入金作業のやり直しを回避することができる、あるいは、少なくとも入金作業のやり直し発生のリスクを軽減することができる。
【符号の説明】
【0098】
1、1−1、・・・、1−n 入金機予約端末
2、11、12、13 操作画面
3 無線LAN
4 カードリーダー
6 入金機予約管理サーバ
7 LAN
8−1、8−2、8−3、・・・、8−m 入金機
21 入金機状態情報
22 入金機予約情報
23 各種設定情報
24 自機状態情報送信部
25 予約情報更新部
26 外部I/F
31 予約検索DB
32 入金機予約情報DB
33 予約検索DB更新部
34 予約候補入金機情報出力部
35 入金機予約情報DB更新部
36 入金機予約端末間I/F
37 入金機間I/F
41 入金機予約検索依頼電文
42 状態通知依頼電文
43 入金機状態返信電文
44 予約候補電文
45 予約電文
46 入金機予約電文
47 入金予約不可電文
48 入金予約完了電文
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の店舗で共用されていて、かつ、それら店舗の外に設置される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えたシステムにおいて、それら入金機のうちから適切な入金機を案内する、あるいは、それら入金機のうちから入金予約可能な入金機を案内する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
警備輸送会社が実施しているサービスの1つに、現金入金機売上管理サービス(CSD(Cash Safety Delivery)サービス)がある。
【0003】
このCSDサービスでは、契約店舗に入金機を設置し、契約店舗の店員が売上金額をその入金機に投入し、警備輸送会社の担当警備員が入金機の現金を輸送管理している。
【0004】
一方、百貨店などでは、複数の店舗が入っており、それら複数の店舗で共用されるように、複数台の入金機を、百貨店内であり、それら店舗が入っているテナントエリアの外である所定のエリア(このエリアを”バックヤード”と呼ぶことがある)に設置している。
【0005】
このような百貨店などに設置される複数台の入金機を有するシステムでは、従来、図14に示すように、(1)で、百貨店内のある店舗で売上締めが行われ、(2)で、その日のその店舗の売上(現金)をその店舗の店員がバックヤード内の入金機のある場所へ持ち込む。
【0006】
そして、(3)で、その店舗の店員は店舗毎に発行される入金カードの情報をその入金機に読み取らせて、その店舗をその入金機に識別させ、店舗売上金をその入金機に投入する。
【0007】
以上の(1)〜(3)が店舗側で行なう処理である。一方、(4)で、警備輸送会社の警備担当者は例えば一定の時間間隔で各入金機から入金された現金(紙幣や硬貨)を回収し警備輸送する。
【0008】
このように、百貨店等に複数台の入金機を設置する場合、以下のような問題が生じる。
【0009】
まず、第1の問題として、店員がレジの売上を入金機に持参して入金しようとした際、その入金機の入金カセットにその持参した売上分の金額を入金できる容量が空いていなかったため(入金カセット残容量不足のため)、その入金機では入金できず、入金機から返却された売上に相当する金額(紙幣等)を受け取って、入金を再度行うために他の入金機まで行く、という作業効率上好ましくない状況がある。なお、この第1の問題は入金カセットの残容量を表示すれば解決できることであるが、セキュリティ上の観点から、盗難リスクを軽減させるために入金カセットの残容量は表示しないことになっている。
【0010】
また、第2の問題として、店員がレジの売上を入金機のところまで持参したときに、他店舗の店員がその入金機のところで既に作業していた場合、そのレジの売上を持参した店員はその場で待ち続けなければならない、という作業効率上好ましくない状況がある。また、1台の入金機の前でそれぞれ別の店舗の店員同士が出会うことはセキュリティ上の観点から望ましくない。しかし、いつどこの入金機が空いているのか(無人なのか)知る方法が現状ではないため、入金機まで入金に行く店員のリスクをコントロールできていない、という状況がある。
【0011】
なお、周辺技術として、特許文献1では、売上データ管理システムが示されている。このシステムでは、ある企業の複数の店舗のそれぞれに、複数のレジスタと1台の入金機を設置している。そして、その企業の管理部門のサーバマシンは、通信ネットワークを通して各店舗の入金機と接続された情報提供会社の受信サーバにアクセスすることによって、各入金機の現金金額を確認できる。
【0012】
また、特許文献2には、集配警備現金管理システムが示されている。このシステムでは、店舗に設置された入金機と、入金処理を行なうセンターとが通信回線を通して接続されていて、入金機は、現金の計数を行い、入金データをセンターに送信している。
【0013】
しかし、特許文献1および特許文献2の技術はいずれも、複数の店舗で共用されていて、かつ、それら店舗の外に設置される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えたシステム、を前提としてはいない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開2003−308375号公報
【特許文献2】特開平09−016691号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、複数の店舗で共用されていて、かつ、それら店舗の外に設置される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えたシステムにおいて、入金カセット残容量不足による入金機への入金作業のやり直しを回避することを可能とした入金機案内システムおよび入金機予約案内システムを提供することを第1の目的とする。
【0016】
また、本発明は、複数の店舗で共用されていて、かつ、それら店舗の外に設置される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えたシステムにおいて、複数の各店舗の売上を持参した各店員が、1台の入金機の前で出会うことを回避することを可能とした入金機予約案内システムを提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
提案する入金機案内システムは、複数台の入金機と、前記複数台の入金機のうちから入金作業可能な入金機を案内する、複数台の入金機案内端末とが入金機管理サーバを介して接続されたシステムである。そして、前記入金機管理サーバは、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報を記憶した記憶部と、前記複数台の入金機案内端末のうちの1台の入金機案内端末から入金予定額を指定した入金受け入れ可能な入金機の検索依頼を受信したときに、前記入金機残高情報を基に、前記複数台の入金機の中から前記入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を選定して、前記依頼元の入金機案内端末に送信する受け入れ可能入金機選定部と、を備える。
【0018】
提案する入金機予約案内システムは、複数台の入金機予約端末と、複数台の入金機とが入金機予約管理サーバを介して接続されたシステムである。そして、前記入金機予約管理サーバは、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報、および、予約時間帯と入金予定額を予約の数だけ入金機毎に有する入金機予約情報を記憶した記憶部と、前記複数台の入金機予約端末のうちの1台の入金機予約端末から入金予定額を指定した入金受け入れ可能な入金機の検索依頼を受信したときに、前記入金機残高情報および前記入金機予約情報を基に、前記複数台の入金機の中から前記入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を
前記入金機予約情報の各予約時間帯を避けて選定して、前記依頼元の入金機予約端末に送信する受け入れ可能入金機選定部と、を備える。
【発明の効果】
【0019】
提案する入金機案内システムでは、受け入れ可能入金機選定部は、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報を基に、複数台の入金機の中から指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を選定している。選定された入金機のいずれかの設置場所に出向いてそこの入金機に入金を行なうことで、入金カセット残容量不足による入金機への入金作業のやり直しを回避することができる、あるいは、少なくとも入金作業のやり直し発生のリスクを軽減することができる。
【0020】
提案する入金機予約案内システムでは、受け入れ可能入金機選定部は、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報、および、予約時間帯と入金予定額を予約の数だけ入金機毎に有する入金機予約情報を基に、複数台の入金機の中から指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を前記入金機予約情報の各予約時間帯を避けて選定している。選定された入金機のいずれかを予約して予約した入金機に予約時間帯に入金を行なうことで、入金カセット残容量不足による入金機への入金作業のやり直しを回避できるとともに、例えば複数の各店舗の売上を持参した各店員が、1台の入金機の前で出会うことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】複数の店舗で共用される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えた本発明のシステムにおける入金機の予約運用方法を示す図である。
【図2】入金機予約端末の概観(正面図)および表示画面例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る入金機予約案内システムを示す図である。
【図4】入金機が有する各種データを示す図である。
【図5】予約検索DBのデータ構造を示す図である。
【図6】入金機予約情報DBのデータ構造を示す図である。
【図7】入金機予約端末、入金機予約管理サーバ、入金機の間でやり取りされる各種電文のデータ構造を示す図である。
【図8A】本実施形態の予約可能な入金機の案内処理のフローチャート(前半)である。
【図8B】本実施形態の予約可能な入金機の案内処理のフローチャート(後半)である。
【図9】図8AのステップS9の詳細フローチャートである。
【図10】複数の店舗で共用される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えたシステムの従来の運用方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、複数の店舗で共用される、店舗の売上を入金する複数台の入金機を備えた本発明のシステムにおける入金機の予約運用方法を示す図である。
【0023】
本発明の入金機予約案内システムは百貨店などの複数の店舗が入っている商業施設に、店舗毎に入金機予約端末(図1では百貨店内のある店舗に入金機予約端末1がある)を備えるとともに、複数の店舗が入っているテナントエリア外のバックヤードに、それら複数の店舗により共用される複数台の入金機(図1では3台の入金機8−1、8−2、8−3がある)を備えている。
【0024】
入金機予約管理サーバ6はLAN(Local Area Network)7を通して入金機8−1、8
−2、8−3に接続されるとともに、不図示の有線あるいは無線ネットワークを介して店舗内の入金機予約端末1等に接続される。
【0025】
入金機への売上の入金を効率的に行うために、店舗の店員は入金機予約端末1を操作して入金機の作業予約を行うがその処理方法について以下に説明する。
【0026】
まず、(1)で、店員は入金機予約端末1に入金カード(不図示)を通すことで、その入金カードにデータとして記憶されている入金カードNo.が入金機予約端末1に読み込まれる。また、その日の売上を入金予定額として店員は入金機予約端末1に入力する。図2は、入金機予約端末1の概観(正面図)および表示画面例を示す図である。図2に示すように、入金機予約端末1は、操作画面(タッチパネル)2を有する。カードリーダー4に入金カード(不図示)を通すことで、入金機予約端末1に入金カード(不図示)のデータ(入金カードNo.)が読み込まれる。また、その日の売上を入金予定額として店員は入金機予約端末1に入力する。入金機予約端末1は無線LAN3を通して入金機予約管理サーバ6とデータのやり取りを行う。図2の操作画面11は、入金予定額の入力画面の一例である。
【0027】
図1において、続く、(2)では、入金機予約端末1から入金機予約管理サーバ6に入金予定端末コード、入金予定額が通知される。
【0028】
この通知を受信した入金機予約管理サーバ6は、(3)で、すべての入金機(図1では、入金機8−1、8−2、8−3)の状況(受入れ可能額等)を照会し、入金予定額を受入れ可能な入金機を選定する。
【0029】
そして、(4)で、入金機予約管理サーバ6は、(3)の選定処理の結果として得られた入金予定額を入金受け入れ可能な入金機一覧を入金機予約端末1に送信する。
【0030】
入金機予約管理サーバ6から予約可能な入金機一覧を受信した入金機予約端末1は、その入金機一覧を図2に示すように、操作画面12に表示させ、店員の選択を促す。(5)で、店員が入金機予約端末1の操作画面12から作業する入金機のボタンを押下することでその入金機に対する予約が行われる。なお、予約可能な入金機がない場合、図2の操作画面13に示すような画面表示が例えば行われる。
【0031】
そして、(6)で、入金機予約端末1から入金機予約管理サーバ6に対し、入金機予約依頼が行われる。
【0032】
入金機予約依頼を受信した入金機予約管理サーバ6は、(7)で、その依頼に含まれる入金機に対し作業予約を通知する。
【0033】
(8)で、作業予約通知を受信した入金機(図1では入金機8−1)は、作業予約状況を更新する。
【0034】
一方で、予約を入れた店員は作業予約時間になると、(9)で、予約した入金機のところに行き、入金カードを使用して、入金カードNo.をその入金機に読み取らせて、売上金の投入作業を行う。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態に係る入金機予約案内システムを示す図である。
本実施形態の入金機予約案内システムは、百貨店などの商業施設内に設置される。
【0036】
この入金機予約案内システムは、図3に示すように、テナントエリアの各店舗内に設置
されるn台の入金機予約端末1−1、・・・、1−nと、バックヤード内に設置されるm台の入金機8−1、・・・、8−mと、入金機予約管理サーバ6とを有する。
【0037】
n台の入金機予約端末1−1、・・・、1−nと入金機予約管理サーバ6とは無線ネットワーク(無線LAN3)により接続され、m台の入金機8−1、・・・、8−mと入金機予約管理サーバ6とはLAN7により接続されている。
【0038】
入金機8−1は、入金機状態情報21、入金機予約情報22、各種設定情報23を記憶したメモリ、自機状態情報送信部24、予約情報更新部25、外部I/F26、を有する。
【0039】
図4に示すように、入金機状態情報21は、入金可能残高金額:P、実入金合計金額、(入金の)予定含む合計金額:R、入金作業終了見込時間、の各項目を含む。入金機予約情報22は、予約開始時間、予約終了時間、入金カードNo.、入金予約金額、の各項目を含む。各種設定情報23は、入金機号機(入金機コード)、入金可能上限金額:Q、1入金作業見込時間、の各項目を含む。なお、入金可能残高金額:P、入金可能上限金額:Q、予定含む合計金額:Rの間には、P=Q−Rの関係があり、この関係式を用いて、入金機では入金可能残高金額:Pを算出している。また、予定含む合計金額:Rは、入金予約した分の合計を実入金合計金額に加算して求めている。
【0040】
図3の自機状態情報送信部24は、入金機予約管理サーバ6からのリクエスト(状態通知依頼)に応じて入金機状態情報21および各種設定情報23を参照して、自機の入金機コードと、入金可能残高金額を含む入金機状態情報(後述の入金機状態返信電文)を作成し、外部I/F26を通して入金機予約管理サーバ6に送信する。
【0041】
予約情報更新部25は、入金機予約管理サーバ6から自機が予約されたことを示す予約情報(後述の入金機予約電文)を受信すると、その予約情報の内容を入金機予約情報22に追加し、入金機状態情報21の該当箇所を変更する。すなわち、予定含む合計金額:Rを、受信した予約情報中の入金予定額だけ増やし、上記式により、入金可能残高金額:Pを更新する。そして、それらの処理が正常に完了すると、予約が成功したことを示す情報(後述の入金予約完了電文)を入金機予約管理サーバ6に送信する。
【0042】
また、予約情報更新部25は、入金予約した分について予約した入金作業が完了した場合、入金機予約情報22の該当部分を削除し、予定含む合計金額:R、実入金合計金額、等を再計算する。
【0043】
なお、各入金機側は、入金機予約情報22の各予約時間帯(予約開始時間、予約終了時間)には、予約時に使用された利用者識別情報(入金カードNo.)以外での利用を不可とする利用者認証部(不図示)を備える。
【0044】
また、図3において、入金機予約管理サーバ6は、予約検索DB31、入金機予約情報DB32、予約検索DB更新部33、予約候補入金機情報出力部34、入金機予約情報DB更新部35、入金機予約端末間I/F36、入金機間I/F37、を有する。
【0045】
予約検索DB31は、入金機予約端末コードの後に、入金機コードと入金可能残高金額の組み合わせが、入金機の数だけ、その入金機予約端末の設置場所に近い順に並べられたデータである(予約検索DB31については図5で詳しく説明する)。
【0046】
入金機予約情報DB32は、予約時間帯と入金予定額を予約の数だけ入金機毎に有する可変長のデータである(入金機予約情報DB32については図5で詳しく説明する)。
【0047】
予約検索DB更新部33は、配下にあるすべての入金機に対して状態情報(入金可能残高)を送信するように依頼し(後述の状態通知依頼電文を同報送信し)、その依頼への応答として各入金機から受信した状態情報を用いて予約検索DB31の該当箇所を更新する。
【0048】
予約候補入金機情報出力部34は、予約検索DB31および入金機予約情報DB32を基に、指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を、それぞれの入金機で予約が入っている時間帯を避けて選定し、その1台以上の入金機の情報を検索依頼の送信元の入金機予約端末に送信している。
【0049】
入金機予約情報DB更新部35は、新たにある入金機に対して入った予約を、入金機予約情報DB32内のその入金機のレコード(行)に追加する。そして、その入金機に対して、その予約内容を通知する。
【0050】
続いて、データ例が設定されたテーブルや各種電文について図5〜図7を参照して説明するが、それに先立ってこれらデータ例での表記方法について説明する。すなわち、これらデータ例では、入金機予約端末を"Y"、入金機予約管理サーバを"S"、入金機を"N"、でそれぞれ示している。
【0051】
例えば"Y1001"は、1001番の入金機予約端末を示している。"N3001"は、3001番の入金機を示している。
【0052】
図5は、予約検索DBのデータ構造を示す図である。
図5に示すように、予約検索DB31は、入金機予約端末コード(ここでは、英数字5桁)の後に、入金機コード(ここでは、英数字5桁)と入金可能残高金額(ここでは、数字8桁)の組み合わせが、入金機の数だけ、その入金機予約端末の設置場所に近い順に並べられたデータ構造を有している。
【0053】
この予約検索DB31は、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報と、入金機予約端末毎に複数台の入金機をその入金機予約端末の設置場所に近い順に並べた形式で一本化した冗長性を持つデータであるということができる。
【0054】
図6は、入金機予約情報DBのデータ構造を示す図である。
図6に示すように、入金機予約情報DB32は、予約時間帯と入金予定額を予約の数だけ入金機毎に有する可変長のデータである。
【0055】
この入金機予約情報DB32は、入金機コード(ここでは、英数字5桁)の後に、予約順(ここでは、数字2桁)、予約開始時間(ここでは、数字4桁("1800"等))、予約終了時間(ここでは、数字4桁)、入金カードNo.(ここでは英数字5桁)、予約金額(=入金予定額、ここでは、数字8桁)、の組み合わせがその入金機に入っている予約の数だけ続いたデータである。
【0056】
図7は、入金機予約端末、入金機予約管理サーバ、入金機の間でやり取りされる各種電文のデータ構造を示す図である。
【0057】
図7のデータ例では、入金機予約端末から入金機予約管理サーバに送信される電文の電文コードは"YS***"(***は3桁の数字)という形式をしている。入金機予約管理サーバから入金機に送信される電文の電文コードは"SN***"(***は3桁の数字)という形式をしている。入金機から入金機予約管理サーバに送信される電文の電文コード
は"NS***"(***は3桁の数字)という形式をしている。入金機予約管理サーバから入金機予約端末に送信される電文の電文コードは"SY***"(***は3桁の数字)という形式をしている。
【0058】
図7に示すように、入金機予約検索依頼電文41は、入金機予約端末から入金機予約管理サーバ6に送信される電文であり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"YS001"という値を持つ)、入金機予約端末コード(ここでは、英数字5桁)、予約金額(=入金予定額、ここでは、数字8桁)、の各項目を有する。
【0059】
状態通知依頼電文42は、入金機予約管理サーバから配下のすべての入金機に同報されるものであり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"SN002"という値を持つ)、のみを有する。
【0060】
入金機状態返信電文43は、入金機から入金機予約管理サーバ6に送信される電文であり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"NS003"という値を持つ)、入金機コード(ここでは、英数字5桁)、入金可能残高金額(ここでは、数字8桁)、の各項目を有する。
【0061】
予約候補電文44は、入金機予約管理サーバ6から入金機予約端末に送信される電文であり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"SY005"という値を持つ)、の後に、入金機コード(ここでは、英数字5桁)、予約順(ここでは、数字2桁)、予約開始時間(ここでは、数字4桁("1800"等))、予約終了時間(ここでは、数字4桁)の組み合わせが入金予定額を受け入れ可能として選定された入金機の数だけ続く形式を持つ。
【0062】
予約電文45は、入金機予約端末から入金機予約管理サーバ6に送信される電文であり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"YS007"という値を持つ)、入金機コード(ここでは、英数字5桁)、予約順(ここでは、数字2桁)、予約開始時間(ここでは、数字4桁)、予約終了時間(ここでは、数字4桁)、入金カードNo.(ここでは英数字5桁)、予約金額(=入金予定額、ここでは、数字8桁)、の各項目を有する。
【0063】
入金機予約電文46は、入金機予約管理サーバ6から入金機に送信される電文であり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"SN008"という値を持つ)、予約順(ここでは、数字2桁)、予約開始時間(ここでは、数字4桁)、予約終了時間(ここでは、数字4桁)、入金カードNo.(ここでは英数字5桁)、予約金額(=入金予定額、ここでは、数字8桁)、の各項目を有する。
【0064】
入金予約不可電文47は、入金機予約管理サーバから配下のすべての入金機予約端末に同報されるものであり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"SY009"という値を持つ)のみを有する。システム上、入金機が使用不可の場合等にこの電文を用いる。
【0065】
入金予約完了電文48は、入金機から入金機予約管理サーバ6に送信される電文であり、電文コード(ここでは、英数字5桁であり、"NS010"という値を持つ)、入金機コード(ここでは、英数字5桁)、予約順(ここでは、数字2桁)、予約開始時間(ここでは、数字4桁)、予約終了時間(ここでは、数字4桁)、の各項目を有する。
【0066】
図8Aおよび図8Bは、本実施形態の予約可能な入金機の案内処理のフローチャートである。
このフローチャートの処理は、図3の入金機予約管理サーバ6により行われる。
【0067】
図8AのステップS1で、予約検索DB更新部33により、入金機予約端末から入金予定額を指定して入金可能な入金機の検索依頼(図7の入金機予約検索依頼電文41)を受信したかどうかが判定される。
【0068】
ステップS1で入金機予約端末から入金予定額を指定して入金可能な入金機の検索依頼を受信しない間はこのステップS1の判定処理が続行する。
【0069】
ステップS1で入金機予約端末から入金予定額を指定して入金可能な入金機の検索依頼を受信したと判定された場合(ステップS1の判定結果がYESの場合)、ステップS2で、配下のすべての入金機(図3では、m台の入金機8−1、・・・8−m)に状態通知依頼(図7の状態通知依頼電文42)を(同報)送信する。
【0070】
この状態通知を受信した入金機側では、図3の自機状態情報送信部24により、入金機状態情報21および各種設定情報23が参照されて、自機の入金機コードと、入金可能残高金額を含む入金機状態返信電文が作成され、入金機予約管理サーバ6に送信される。
【0071】
図8AのステップS2に続くステップS3では、入金機状態情報(図7の入金機状態返信電文43)を受信したかどうかが予約検索DB更新部33により判定される。
ステップS3で入金機状態情報を受信しない間はこのステップS3の判定処理が続行する。
【0072】
ステップS3で入金機状態返信電文を受信したと判定された場合、ステップS4で、受信した入金機状態返信電文で予約検索DB31を更新する。具体的には、予約検索DB31中の、受信した入金機状態返信電文の入金機コードに対応する すべての入金機コードの次の位置の入金可能残高金額を、受信した入金機状態返信電文の入金可能残高金額で置き換える。
【0073】
そして、ステップS5で、予約検索DB更新部33により、すべての入金機から入金機状態情報を受信したかどうかが判定される。
ステップS5ですべての入金機状態情報を受信していないと判定された場合(ステップS5の判定結果がNOの場合)、ステップS3に戻る。
【0074】
ステップS5ですべての入金機状態情報を受信したと判定された場合(ステップS5の判定結果がYESの場合)、予約検索DB更新部33から予約候補入金機情報出力部34に制御が移る。そして、ステップS6で、予約候補入金機情報出力部34は、変数初期化を行う(入金機の台数カウント用変数m=1、受入れ可能入金機の数を示す変数P=1)。
【0075】
続くステップS7では、予約候補入金機情報出力部34は、予約検索DB31のステップS1で受信した入金機予約検索依頼電文の入金予約端末コードに対応する入金機予約端末コードのデータを参照して、依頼元の入金機予約端末にm番目に近い入金機の入金可能残高を取得する。
【0076】
そして、ステップS8で、予約候補入金機情報出力部34により、ステップS7で取得したm番目に近い入金機の入金可能残高が(入金)ステップS1で受信した入金機予約検索依頼電文の予約金額より大きいかどうか(入金可能残高>予約金額?)が判定される。
【0077】
ステップS8で入金可能残高が予約金額以下であると判定された場合(ステップS8の判定結果がNOの場合)、ステップS11に進む。
【0078】
ステップS8で入金可能残高が予約金額より大きいと判定された場合(ステップS8の判定結果がYESの場合)、ステップS9で、予約候補入金機情報出力部34は、入金機予約情報DB32を参照して、処理対象入金機(ステップS7で入金可能残高を取得した入金機)の現在時刻以降の予約可能時間帯を抽出する。この抽出方法は図9で後述する。
【0079】
続くステップS10では、予約候補入金機情報出力部34は、予約可能時間帯がステップS9で抽出できた場合、処理対象入金機について、入金機コード、予約順、予約可能時間帯(予約開始時間、予約終了時間)を図7の予約候補電文44にセットし、受入れ可能入金機の数を示す変数Pをインクリメントする。
【0080】
そして、続くステップS11で、予約候補入金機情報出力部34は、入金機の台数カウント用変数mをインクリメントし、ステップS12で、変数mがシステムに設置される入金機台数nより大きいかどうか(m>n?)が判定される。 ステップS12で変数mがシステムに設置される入金機台数n以下である場合(ステップS12の判定結果がNOの場合)、まだ、全入金機について入金可能残高をチェックしていないので、ステップS7に戻り、処理を続行する。
【0081】
ステップS12で変数mがシステムに設置される入金機台数nより大きい場合(ステップS12の判定結果がYESの場合)、続く図8BのステップS13で、その時点で生成されている予約候補電文44をステップS1の依頼元の入金機予約端末に送信する。その後、予約候補入金機情報出力部34から入金機予約情報DB更新部35に制御が移る。
【0082】
予約候補電文44を受信した依頼元の入金機予約端末側では、予約候補電文44に候補として含まれる1台以上の入金機のうちから、入金の予約を行う入金機を1台、操作画面上で選択して、選択結果を図7の予約電文45として入金機予約管理サーバ6に送信する。
【0083】
一方、入金機予約管理サーバ6側では、ステップS14で、入金機予約情報DB更新部35により、予約依頼(予約電文45)を受信したかどうかが判定される。
【0084】
ステップS14で予約依頼を受信しない間(ステップS14の判定結果がNOである間)はこのステップS14の判定処理が続行する。
【0085】
ステップS14で予約依頼を受信したと判定された場合(ステップS14の判定結果がYESの場合)、ステップS15で、入金機予約情報DB更新部35は、予約依頼の内容に基づいて入金機予約情報DB32を更新する。具体的には、入金機予約情報DB32にステップ14で受信した予約電文の予約開始時間、予約終了時間、入金カードNo.、予約金額が入金機予約情報DB32に追加される。
【0086】
続く、ステップS16では、入金機予約情報DB更新部35は、ステップS15で予約情報を更新した入金機に対して、更新により追加した予約情報(図7の入金機予約電文46)を送信する。なお、予約情報を受信した入金機では、その予約情報の内容を入金機予約情報22に追加し、入金機状態情報21の該当箇所を変更する。すなわち、予定含む合計金額:Rを、受信した予約情報中の入金予定額だけ増やし、上述した式により、入金可能残高金額:Pを更新する。そして、それらの処理が正常に完了すると、予約が成功したことを示す情報(後述の入金予約完了電文)を入金機予約管理サーバ6に送信する。
【0087】
続く、ステップS17では、入金機予約情報DB更新部35により、予約情報をステップS16で送信した入金機から更新成功通知(図7の入金予約完了電文48)を受信したかどうかが判定される。
【0088】
ステップS17で入金機から更新成功通知を受信しない間(ステップS17の判定結果がNOである間)はこのステップS17の判定処理が続行する。
【0089】
ステップS17で入金機から更新成功通知を受信したと判定された場合(ステップS17の判定結果がYESの場合)、ステップS18で、入金機予約情報DB更新部35は、予約依頼送信元の入金機予約端末に、予約完了を通知する。
【0090】
図9は、図8AのステップS9の詳細フローチャートである。
図9のステップS21では、現在時刻以降で、現在時刻に最も近い所定時間帯(ここでは、15分を入金機での入金作業に要する時間とする)を、予約候補時間帯とする。例えば時間帯を00−14、15−29、30−44、45−59と、15分間隔で設定している場合、現在時刻が17:58分である場合、現在時刻に最も近い時間帯は18:00−18:14分となり、この時間帯(開始時間、終了時間の組)が予約候補時間帯にセットされる。
【0091】
続くステップS22では、入金機予約情報DB32を参照して、図8AのステップS9の処理対象入金機(入金機コード)に対応する入金機予約情報DB32のレコード(行)に、予約候補時間帯と同一時間帯の予約があるか否かをチェックする。
【0092】
ステップS22のチェック結果を参照して、続くステップS23では、予約候補時間帯と同一時間帯の予約がありの場合、ステップS24で、予約候補時間帯を一定時間(ここでは、15分)進めて、次の所定時間帯を予約候補時間帯に設定し、ステップS22に戻り、処理を続行する。
【0093】
ステップS23で、予約候補時間帯と同一時間帯の予約がなしの場合、ステップS25で、現在の予約候補時間帯を、予約可能時間帯として決定する。
【0094】
以上説明したように、本実施形態の入金機予約案内システムでは、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報、および、予約時間帯と入金予定額を予約の数だけ入金機毎に有する入金機予約情報を含んでいる予約検索DB31および入金機予約情報DB32を基に、複数台の入金機の中から指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を上記入金機予約情報の各予約時間帯を避けて選定している。選定された入金機のいずれかを予約して予約した入金機に入金を行なうことで、入金カセット残容量不足による入金機への入金作業のやり直しを回避できるとともに、例えば複数の各店舗の売上を持参した各店員が、1台の入金機の前で出会うことを回避することができる。
【0095】
また、本実施形態の入金機予約案内システムでは、予約検索DB31は、入金機予約端末毎に前記複数台の入金機をその入金機予約端末の設置場所に近い順に並べた入金機近い順情報をさらに含んでいるので、指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を、検索依頼の送信元の入金機予約端末に近い順に並べて提示することができ、入金機への入金作業の手間を一層軽減でき、一層効率的に入金作業を行うことができる。
【0096】
更に、入金予定額を入金可能な入金機が存在しない場合に、2台以上にまたがって選定することができるので、利便性に優れている。
【0097】
また、以上の説明では、指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を選定するだけでなく、予約も行うようにしていた。このようにすると、予定していた時間に予定していた入金機で確実に入金できるので好都合であるが、指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を検索依頼の送信元の入金機予約端末に提示するだけの入金機案内
システムとして機能させてもよい。この場合、図3の入金機予約端末1−1、・・・、1−nに、通常の予約と伴う検索依頼実施モードの他に、予約を伴わない検索依頼実施モードを選択可能に設け、利用者(店員)が予約を伴わない検索依頼を入金機予約端末から行った場合には、その予約を伴わない検索依頼を受信した入金予約管理サーバ6側において、入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報を含む予約検索DB31を基に、複数台の入金機の中から指定された入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を選定して入金機予約端末側に提示する。この方法でも、選定された入金機のいずれかの設置場所に出向いてそこの入金機に入金を行なうことで、入金カセット残容量不足による入金機への入金作業のやり直しを回避することができる、あるいは、少なくとも入金作業のやり直し発生のリスクを軽減することができる。
【符号の説明】
【0098】
1、1−1、・・・、1−n 入金機予約端末
2、11、12、13 操作画面
3 無線LAN
4 カードリーダー
6 入金機予約管理サーバ
7 LAN
8−1、8−2、8−3、・・・、8−m 入金機
21 入金機状態情報
22 入金機予約情報
23 各種設定情報
24 自機状態情報送信部
25 予約情報更新部
26 外部I/F
31 予約検索DB
32 入金機予約情報DB
33 予約検索DB更新部
34 予約候補入金機情報出力部
35 入金機予約情報DB更新部
36 入金機予約端末間I/F
37 入金機間I/F
41 入金機予約検索依頼電文
42 状態通知依頼電文
43 入金機状態返信電文
44 予約候補電文
45 予約電文
46 入金機予約電文
47 入金予約不可電文
48 入金予約完了電文
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数台の入金機と、前記複数台の入金機のうちから入金作業可能な入金機を案内する、複数台の入金機案内端末とが入金機管理サーバを介して接続された入金機案内システムにおいて、
前記入金機管理サーバは、
入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報を記憶した記憶部と、
前記複数台の入金機案内端末のうちの1台の入金機案内端末から入金予定額を指定した入金受け入れ可能な入金機の検索依頼を受信したときに、前記入金機残高情報を基に、前記複数台の入金機の中から前記入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を選定して、前記依頼元の入金機案内端末に送信する受け入れ可能入金機選定部と、を備えることを特徴とする入金機案内システム。
【請求項2】
複数台の入金機予約端末と、複数台の入金機とが入金機予約管理サーバを介して接続された入金機予約案内システムにおいて、
前記入金機予約管理サーバは、
入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報、および、予約時間帯と入金予定額を予約の数だけ入金機毎に有する入金機予約情報を記憶した記憶部と、
前記複数台の入金機予約端末のうちの1台の入金機予約端末から入金予定額を指定した入金受け入れ可能な入金機の検索依頼を受信したときに、前記入金機残高情報および前記入金機予約情報を基に、前記複数台の入金機の中から前記入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を前記入金機予約情報の各予約時間帯を避けて選定して、前記依頼元の入金機予約端末に送信する受け入れ可能入金機選定部と、を備えることを特徴とする入金機予約案内システム。
【請求項3】
前記記憶部は、入金機予約端末毎に前記複数台の入金機をその入金機予約端末の設置場所に近い順に並べて記憶し、
前記受け入れ可能入金機選定部は、前記入金機予約情報の各予約時間帯を避けて選定された、入金予定額を入金可能な1台以上の入金機の情報を、前記近い順に並べて、前記依頼元の入金機予約端末に送信することを特徴とする請求項2記載の入金機予約案内システム。
【請求項4】
前記受け入れ可能入金機選定部は、前記複数台の入金機の中に、前記入金予定額を入金可能な入金機が存在しない場合に、2台以上にまたがって前記入金予定額を入金可能な入金機の組み合わせを選定することを特徴とする請求項2記載の入金機予約案内システム。
【請求項5】
前記各入金機は、前記入金機予約情報の各予約時間帯には、予約時に使用された利用者識別情報以外での利用を不可とする利用者認証部、を備えることを特徴とする請求項2記載の入金機予約案内システム。
【請求項1】
複数台の入金機と、前記複数台の入金機のうちから入金作業可能な入金機を案内する、複数台の入金機案内端末とが入金機管理サーバを介して接続された入金機案内システムにおいて、
前記入金機管理サーバは、
入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報を記憶した記憶部と、
前記複数台の入金機案内端末のうちの1台の入金機案内端末から入金予定額を指定した入金受け入れ可能な入金機の検索依頼を受信したときに、前記入金機残高情報を基に、前記複数台の入金機の中から前記入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を選定して、前記依頼元の入金機案内端末に送信する受け入れ可能入金機選定部と、を備えることを特徴とする入金機案内システム。
【請求項2】
複数台の入金機予約端末と、複数台の入金機とが入金機予約管理サーバを介して接続された入金機予約案内システムにおいて、
前記入金機予約管理サーバは、
入金機毎の入金可能残高を有する入金機残高情報、および、予約時間帯と入金予定額を予約の数だけ入金機毎に有する入金機予約情報を記憶した記憶部と、
前記複数台の入金機予約端末のうちの1台の入金機予約端末から入金予定額を指定した入金受け入れ可能な入金機の検索依頼を受信したときに、前記入金機残高情報および前記入金機予約情報を基に、前記複数台の入金機の中から前記入金予定額を入金可能な1台以上の入金機を前記入金機予約情報の各予約時間帯を避けて選定して、前記依頼元の入金機予約端末に送信する受け入れ可能入金機選定部と、を備えることを特徴とする入金機予約案内システム。
【請求項3】
前記記憶部は、入金機予約端末毎に前記複数台の入金機をその入金機予約端末の設置場所に近い順に並べて記憶し、
前記受け入れ可能入金機選定部は、前記入金機予約情報の各予約時間帯を避けて選定された、入金予定額を入金可能な1台以上の入金機の情報を、前記近い順に並べて、前記依頼元の入金機予約端末に送信することを特徴とする請求項2記載の入金機予約案内システム。
【請求項4】
前記受け入れ可能入金機選定部は、前記複数台の入金機の中に、前記入金予定額を入金可能な入金機が存在しない場合に、2台以上にまたがって前記入金予定額を入金可能な入金機の組み合わせを選定することを特徴とする請求項2記載の入金機予約案内システム。
【請求項5】
前記各入金機は、前記入金機予約情報の各予約時間帯には、予約時に使用された利用者識別情報以外での利用を不可とする利用者認証部、を備えることを特徴とする請求項2記載の入金機予約案内システム。
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図1】
【図2】
【図10】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図1】
【図2】
【図10】
【公開番号】特開2012−160026(P2012−160026A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−19278(P2011−19278)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】
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