全開型再閉可能爆発ベント装置
超過圧力状態から保護されるべき領域と位置あわせされたベント開口を形成するベント支持ユニットと、排気口を塞ぐ通常は閉じた位置で支持ユニットに移動可能に取り付けられていて、ある強度の圧力の超過圧力が付加されると、第一の移動としてその閉じた位置から第一の、超過圧力除去位置まで移動できるベントパネルとを含み、より高い超過圧力が付加されると、ベントパネルを第二の、より大きい移動として、第二の、超過圧力除去位置まで移動することを可能とする爆発ベント装置を提供する。ベントパネルは開くときに変形又は破裂することがなく、また圧力除去の後、より低い第一の圧力下で開けられたときにはばねの圧力により、またはより高い第二の圧力下でベントパネルが全開したときには流体駆動再閉機構により、再閉する。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
本発明は垂直に若しくは水平に又は垂直若しくは水平から或る角度を以て取り付けられ、爆発、急速な火災等で起こりうるような急速な超過圧力状態になる可能性のある囲まれた領域における除去開口に対して閉じる関係で配置される爆発ベントに関するものである。各種の工業処理工程及び機器においては爆発又は発火して、重大な爆発又は火災を惹起しうる微粒子状の材料、気体、及び/又は微細に分割された流体が内部に閉じ込められた状態にある。危険な超過圧力状態は爆発又は鎮圧できない火災により惹起されうる。したがって、急速に燃焼する可能性にさらされている危険な材料を内部に閉じ込めている領域は、大災害となる爆発又は火災から保護することが望ましい。
【0002】
より詳細には、本発明はベントにより保護される領域が、蓄積した所定の強度の圧力を付加されると確実に開くが、ベントの設定開放圧力より低い超過圧力状態が発生しても、ベントが早まって開くことのない全開型再閉可能爆発ベント装置に関するものである。本爆発ベント装置は、ベントの圧力除去特性を損なうことなくベントを開く圧力より低い連続する圧力周期に長期にわたり耐える構造及び設計となっている。
【0003】
本発明のベント装置のベントパネルは、ある強度の超過圧力状態になったとき、装置のベントパネルの破裂なしに第一の部分的に開いた圧力除去位置に開くことができ、また、より高い強度の超過圧力状態になったとき、やはり装置のベントパネルの破裂なしに、第二の全開圧力除去位置に開くことができる。本爆発ベント装置の特に重要な特長は、超過圧力が除去されたとき、そのいずれの開放位置からも再閉可能なことにあり、これにより二次爆発を起こしうる、または火災を悪化させうる、周囲空気の被保護領域に通じる開口からの再進入を防止できる。ベントの再閉は空気圧装置、ねじりばね又は弾性バンドにより行なうことができる。
【0004】
爆発ベントはバッグハウス、フィルター設備、乾燥システム、タンク、処理器及び導管システムのような閉じた領域内で除去開口を覆い、危険な超過圧力状態がそのような制限された領域で発生するのを防止するために一般的に用いられる。例えば、バッグハウス、フィルター設備、及び乾燥システムは存在する可能性の或る高濃度の微細に分割された材料、気体、及び流体により常に爆発の危険にさらされている。爆発又は極めて急速な超過圧力状態を惹起する急速に反応する火災が引き起こす災害からこれらの危険な領域を保護するため、従来では、被保護領域の周囲から被保護領域を密封する機器に1以上の圧力除去開口が設けられている。機器又はシステムが所定制限値内の正常な圧力で作動しているときは、これらの爆発ベントは圧力除去開口を密封している。閉じ込められた領域が所定強度の超過圧力状態となったとき、通常は圧力除去開口を閉じている各ベントが断裂又は破裂し、除去開口を通して高圧力体を逃す。爆発ベントはベントが長期間にわたりさらされてきた圧力周期の数には実質的に無関係に、或る圧力レベルで必ず破裂するように設計されていた。
【0005】
爆発又は急速な超過圧力状態を惹起する急速に反応する火災を引き起こす物質を含む領域もたびたび真空状態にさらされる。したがって、所定の強度の超過圧力が発生したとき破裂するように設計された従来のベントパネルは或るレベルの真空にも確実に耐えることが要求される。加えて、バッグハウスやフィルター設備などもしばしば圧力/真空が反復される状態にさらされ、爆発ベントが双方向に曲げられることになる。一般に、空気の脈動をバッグハウスフィルターの、ダスト粒子を集める面に向け、粒子をフィルター表面から除去して、粒子がフィルターバッグの下の収集領域に落下させることが行なわれている。この場合、爆発ベントは被保護領域の方向つまり内側に陥没することなく、真空圧並びに反復する圧力及び真空の状態に耐えるように構成しなければならない。
【0006】
従来の爆発ベントは通常、縁が対向するフレーム部材に挟まれた比較的に薄い平坦な金属板をそなえている。ベントパネル自体は破裂圧力を制御する構築材料、材料の厚さ、及びスリットや刻み目で形成される脆弱線又は脆弱線の形状等の様々な特徴とともに様々な形態で供給されてきた。しかしながら、いずれの場合も、圧力除去は通常は、脆弱線があればそれに沿って、ベントパネルの破裂又は破壊により達成される。
【0007】
脆弱線を形成するスリットを有する従来の爆発ベントには蓄積した所定の強度の圧力が加わるまでパネルの中央部をその閉じた位置で脆弱線による限定内に保持するためにスリットをまたいで装着された複数の接続体又は破裂タブを供えたものがあった。この破裂タブ構造では、破裂タブすべてに一様な力が付加されないためベントパネルを所定の超過圧力レベルで確実に破裂又は断裂させるのは困難であり、破裂タブのあるものが早まって破壊されていた。ここで留意すべきは、1以上の破裂タブが早まって破壊された場合、残りの破裂タブは連続して不確定な順序で破壊されるということである。これらの破裂タブを追加してみても、ベントパネルがその場合遅めに破裂する傾向にあり、爆発又は初期の火災からの充分な保護がえられないため、改善は見られない。
【0008】
パネルの内側方向への陥没に充分な抵抗を示し、同時に所定の正の強度の圧力下でベントの外側方向への破裂を制御することのできるタブを設けることは困難であることがわかっていたため、タブをスリットの線全体にわたって設けることもベントパネルの真空支持特性を制限していた。高い真空状態では、ベントパネルを補強する必要がある場合もあり、パネルの、前方向に作用する破裂特性を複雑化し、同時にパネルアセンブリの複雑性、重量、及びコストを増大させていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の爆発ベント装置は、ベントパネルが破裂して爆発又は急速に燃焼する火災による圧力を除去する従来のベントとは異なる。脆弱線を形成する刻み目線又は一連のスリットがベントパネルの開放形状を制御するのに多くの場合設けられる。本爆発ベント装置においては、所定の、より低い超過圧力下でベントパネルが部分的に開き、より高い超過圧力下で全開する。いずれの場合も、破裂しなかったベントパネルはその閉じた位置に戻るので、超過圧力状態下でベントが動作する度にベントを交換する必要が回避される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本爆発ベント装置は超過圧力状態から保護されるべき領域の排気口を蓋う位置に配置されるベント支持フレームユニットを備える。フレームユニットは被保護領域の排気口と位置あわせされるベント開口を形成する。ベントパネルは通常は被保護領域の排気口を塞ぐ閉じた位置でフレームユニット上に軸着されている。ベントパネルはその通常は閉じた位置から開いた超過圧力除去位置まで回動可能となっている。フレームユニット上の構造がベントパネルに接続されていて、排気口を通して所定の強度の超過圧力状態がパネルに付加されるまでベントパネルをその閉じた位置に維持している。同構造はベントパネルにある強度の超過圧力がかかるとベントパネルをその閉じた位置から部分的に開いた超過圧力除去位置まで、またベントパネルにより高い強度の超過圧力がかかるとベントパネルを全開の位置まで、回動させるよう作動することができる。ある好ましい実施形態においては、圧力除去の後、ベントパネルを再閉するための機構がもうけられている。
【0011】
ベントパネルを通常その閉じた位置に維持する構造は、フレームユニットとベントパネルとを相互に接続する少なくともひとつの断裂タブ構成要素を含む。タブ構成要素は超過圧力がベントパネルに加わると張力がタブ構成要素に加わるような向きで配置されている。タブ構成要素は断裂に耐え、また所定の、より低い強度の圧力の超過圧力がベントパネルに付加されるとベントパネルが制限された円弧を通って第一の部分的に開いた超過圧力除去位置まで回動することを可能にしている。タブ構成要素が断裂し、第二の、より高い超過圧力がベントパネルに付加されるとベントパネルが全開の位置まで回動することを可能となる。
【0012】
横方向に間隔を置いて配置した複数のタブ構成要素をベントパネルとフレームユニットの間に設けるのが好ましい。間隔を置いて配置した複数のタブ構成要素を設けることにより、超過圧力状態により発生するタブ構成要素に働く張力がタブ構成要素の列全体に配分される。コイルばねが各タブ構成要素に設けられ、対応するタブ構成要素とフレームユニットとの間に配置されていて、タブ構造の各部品間の誤差を補償する。
【0013】
ベントパネルに超過圧力が付加された時には、ベントパネルが部分的に開いた圧力除去位置まで揺動する程度までばねの圧縮がベントパネルの回動を可能にするのに充分になる前に、ベントパネルをその閉じた位置に保持するコイルばねのすべての集合的な力が超えられなければならない。各タブ構成要素と連動したコイルばねの圧縮特性及びベント装置の設置時にばねが圧縮される程度により、ベントパネルがその部分的に開いた圧力除去位置まで揺動できる程度までばねを更に圧縮するのに要求される、ベントパネルに付加される超過圧力の量が制御される。
【0014】
個々のタブ構成要素は2つの端部区分を有し、それらは幅が2つの端部区分より狭い中間のくびれ部により分割されている。個々のタブ構成要素のすべてのくびれ部が断裂するのに必要な張力はタブ構成要素の列全体のくびれ部の集合的な断裂抵抗をうわまわらなければならない。個々のタブ構成要素が断裂するのに必要な力はタブが製作される材料のタイプ、タブ材料が製作される方法、タブ材料の厚さ、タブ材料が例えば熱処理のような処理をうけたかどうか、及びタブ構成要素のくびれ部の寸法、特にくびれ部の幅、の関数である。
【0015】
ベントパネルを担持する第二のフレームアセンブリがベント支持枠に軸着されている。解除可能な接続体がフレームアセンブリを、ベントパネルがフレームユニットの開口を閉じる位置に固定している。接続体を解除することにより、ベントパネルが取り付けられたフレームアセンブリを排気口の位置から円弧状に手動で回し、排気口及び排気口の下流側の領域の目視検査を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の好ましい実施形態による爆発ベント装置を図面において番号20により包括的に指し示す。装置20は、爆発事故もしくは火災などの高速燃焼事故による危険にさらされているバッグハウス、フィルター設備、乾燥機、タンク及びその他の貯蔵設備、処理器、又は各種導管構造体などの閉じた領域を含む、損傷をきたす超過圧力から保護されるべきシステムの垂直壁への取り付けに特に有効である。装置20は垂直に設置するのが好ましいが、水平に、又は水平に対し任意の角度で取り付けてもよい。便宜上および図示の上でのみ、装置20はフランジ24を有する導管22に固定されて示されている。フランジ24は例えば略円形形状をした超過圧力排気排出口26を有する。装置20はボルトとナット28のような従来の一連の固定具を用いてフランジ24に取り付けられている。
【0017】
図2の包括的な分解図を参照すると、装置20はその主たるアセンブリとして、例えば導管22のフランジ24に直接に載るベント支持体30、ベント支持枠32、ガスケット34、ベントパネル36、ベントパネル支持構造体38及びベントパネル36をその圧力解除開放の後にその閉じた状態に戻す再閉機構40を有する。
【0018】
ベント支持体30は、外側に向けて反対方向に開いた、装置20が支持表面に取り付けられるときは、通常は垂直に配置されている一対のチャネル42と44(図5)を含む。下方に開いている下端チャネル46はチャネル42と44の下端の間に延在して、それらを連結し、一方上方に開いた上端チャネル48はチャネル42と44の通常は上側となる端部に連結されていて、それらの間に延在する(図8)。矩形のプレート50は4つのチャネル42〜48の最も内側の桁腹に固定されている。プレート50は装置20が取り付けられる表面の排気口と位置合わせされた中央開口52を有する。開口52は導管22の排出排気口26に対応する円形として図示されているが、排気口の形状により、任意の形状とすることができる。プレート50にはボルトとナットの連結体28を受ける一連の孔54が設けられている。
【0019】
二つの垂直の側方パネル56と58が側面のチャネル42と44の長手方向に沿って、チャネル42と44の、プレート50から遠い方の表面に固定されて延在し、一方上部パネル60がパネル56と58の各端部を連結している。側方パネル56と58はチャネル42と44の外側にあり、上部パネル60は上端チャネル48の外側にある。二つの細長い側部帯62と64がチャネル42と44の桁腹部に連結し、チャネル42と44の最も内側の脚部から内側に突出している。下部帯66が同様に下端チャネル46の桁腹に固定され同チャネルから内側に突出していて、一方上部帯68が上端チャネル48の桁腹に固定され、後者から内側に突出している。各帯62〜68はその各端部が連結していて、チャネル42〜48の内側で外側に広がる矩形のレール70を形成し、それは例えば図2〜5からわかるように、各チャネルの桁腹から突出している。
【0020】
図8を参照すると、プレート72が側方パネル56と58の下端と、側部チャネル42と44の、下方に突出している最も内側の脚部の縁部とに固定されていることがわかる。垂直プレート74が上端チャネル48の最も内側の脚部の縁部に取り付けられ、側方パネル56及び58の上端と上端パネル60との間に延在し、それらに連結されている。したがって、構成要素42〜74はベント支持ユニット30を構成する溶接物を含む。
【0021】
ベント支持枠32の構成要素は一体に構成した側方脚部82と84、下部脚部86、及び上部脚部88を有する平坦パネル80を含む。脚部82〜88の最も内側の縁部は中央開口90を画成する。例えば図2から、下部脚部86は脚部82、84、及び88より幅が広いことがわかる。細長い側面バー92と94は側方脚部82と84の最も外側の縁部に取り付けられそこから外側に突出している。上端の狭いプレート部材96はベント支持枠32の上部脚部88の最も外側の縁部に固定されている。プレート部材96は最も外側の、外側に開いた切り欠き98と100を有する。プレート部材96には切り欠き98と100の近傍に細長い開口102と104がそれぞれ設けられている。蝶番筒106と108が対応する開口102と104内で、パネル80の上部脚部88に固定されている。
【0022】
パネル80の下部脚部86の前面マージンは外側に延在するU字型のハンドル114を載せた2つの、一体に形成した外側に突出する区分110と112を有する。内側に向かう、間隔を置いて設けた切り欠き116が下部脚部86の最も外側の縁部に、各ハンドル114間及びその反対側に設けられている。切り欠き116は、プレート72の最も外側の面に固定されたねじ切り鋲118を受け、各鋲118にはナット119が嵌められている。
【0023】
断面がU字型の4つの脚部を有するガスケット34がベント支持枠32の開口90内に嵌り、ガスケットの内側及び外側脚部はパネル80の脚部82−88の上下表面にそれぞれ係合する。ガスケット34はベントパネル36の中央部分の全周囲に亘ってシールを付与する。図8Aから、ベントパネル36がその閉じた位置にあるときは、ガスケット34の脚部34aの最も内側の表面がレール70の外側縁部に係合することがわかる。また、図8Aから、ガスケット34の湾曲部34cから内側に突出する脚部34bがガスケット34の脚部34dと協働しベントパネル36の対向する外側縁部表面とともにシールを付与することがわかる。図9Aに最もよく示されているように、ガスケット34の脚部34dはベントパネル38がその閉じた状態にあるときガスケット34とベントパネル36との対向表面間の密封を高める、外側に面した折返し溝34eを有する。
【0024】
ベントパネル支持構造38は一対の細長い管状側面部材120と122を有する。断面がU字型の下部チャネル部材124が側面部材120と124の対応端部の間に延在し、それに連結されている。図2及び8から、管状体120と122の、チャネル部材124から遠い方の端部は上部脚部88とプレート96に近づくところで面取りが施してあることがわかる。
【0025】
下部チャネル部材124の外側表面上には一連のタブ構成要素及びばねアセンブリ構造126が設けられている。図2にはチャネル部材124の長手方向に等間隔に配したアセンブリ126が5つ示されているが、アセンブリ126の数は所望により増減させてよい。各アセンブリ126は水平脚部130と垂直脚部132とを有する取付けブラケット128を含む。図6と8Aに示すように、ベントパネル36の下端マージン134はチャネル部材124の外側表面を包んでいる。ナットを備えたボルト136は対応するブラケット128のそれぞれの水平脚部130、ベントパネル36のマージン134、及びチャネル部材の湾曲部を貫通し、各アセンブリ126をチャネル部材124に確実に固定する。
【0026】
各ブラケット128の垂直脚部132は、アセンブリ126の外側タブ保持部材142を含む外側タブ止め具140を通す開口138を有する。部材142は中央の、内側に開いた、ねじ山付き通路146、環状の外側に突出した中央フランジ部148、及び最も内側に位置する分岐部150を有する細長い、横断面が六角形の形状をした本体144を有する。開口138は内側に向いた多数の突起を備え、それがその間に、タブ保持部材142の本体144の隅角と相補的に係合する形状とした切欠きを画成している。本体144の隅角と開口138の切欠きを画成している突起との係合により、保持部材142の、対応する取付けブラケット128に対する回転を防止する。
【0027】
ベント支持枠32の下部脚部86はタブ及びばねアセンブリ126の各々に対して、断面が八角形の開口152を有し、アセンブリ126に対応する数の開口152が等間隔に配置されている。各開口152は分岐本体156を備えた内側タブ保持部材154を受ける。外側に突出する環状フランジ部158は中央部160の八角形形状の外側にある。タブ保持部材154はそれぞれの開口152が受け、中央部160が開口152の各面と相補的に係合する。タブ保持部材154を各開口152に設置すると、タブ保持部材154は中央部160の隅角が開口152の切欠き部分と係止して回転が制限される。
【0028】
区分150の軸方向に延在するスロット162及びタブ保持部材154の軸方向に延在するスロット164は相互に位置あわせされ、断裂タブ構成要素166を受け止める。例えば図8Bからわかるように、各タブ構成要素166は2つの対向する端部168と170を有し、これらは端部168と170より幅の狭いくびれ部172で隔てられている。タブ構成要素166の端部168はタブ保持部材142のスロット162が離脱可能に受け止め、一方タブ構成要素166の各端部170はタブ保持部材154のスロット164が離脱可能に受け止めている。ボルト174はタブ保持部材142の、そのために設けた、位置あわせされた開口を通って、及び各タブ構成要素166の端部168の開口176を通って延在する。同様に、ボルト178はタブ保持部材154の分岐部156の、位置あわせされた開口を通って、及び端部170の開口180を通って延在する。これにより、ボルト174と178はタブ構成要素166をタブ保持部材142と154とに離脱可能に連結する。
【0029】
各タブ構成要素166を保持部材142と保持部材154とに連結し、本体144が開口138に挿入されると、コイルばね182が各取付けブラケット128の脚部132に係止する配置で部材142の本体144にかぶせられる。コイルばね182の外側縁部に掛けた座金184は部材142の本体144の開口146にねじ込まれるボルト186により位置が固定される。各ボルト186は各々のばね182を或る程度まで圧縮した状態で保持する。ベント支持枠32の下部脚部86の下に位置するタブ保持部材154の環状フランジ部158はコイルばね182の弾力に抵抗する。図8Aから、タブ保持部材142の中央フランジ部148は各アセンブリ126の取付けブラケット128の脚部132の底面から離間した位置に保持されていることがわかる。しかし、後述するように、タブ構成要素166が断裂するとタブ保持部材142が解除されて上方の、図10Aに示す位置に移動し、中央フランジ部148が各取付けブラケット128の脚部130の下面に係止する。
【0030】
ベントパネル36は本発明の好ましい実施形態においてはベントパネル支持構造38に担持されているが、図示の通り矩形形状を有し、支持構造38内に収まる中央部194を有する。図3及び図4に最も明確に示されているように、パネル36の中央部194は外側方向に張り出ていて、張り出しの移行領域は図中248で示されている。既にのべたように、ベントパネル36の下端マージン134は支持構造38の、上方に向いたチャネル124を部分的に包み、ベントパネル36の下端リップがチャネル124の最も外側の端部の上に折り返している。同様に、ベントパネル36の側方マージン196が管状部材120の外側を包み、ベントパネル36の側方マージン198は管状部材122の外側を包んでいる。ベントパネル36のマージン196及び198も管状部材120及び122の最も外側の最上端部上に再度折り返されている。図8に最も明確に示されているように、ベントパネル36のマージン196及び198は管状部材120及び122の斜角をほどこした上端部に合わせて斜角が施されている。
【0031】
図2、4、5及び8に示したようにベントパネル36の上端マージン200は上方に曲げられ、最も外側の縁部202は折り返されてベントパネル36の区分194の内部に向けられている。ベントパネル36の、外側に突出した上端マージン200はプレート96により支持されている。ベントパネル36の上端マージン200近傍の、ベントパネル36の頂部に亘る細長い帯板204には一連の開口206(図2)が帯板204の長手方向に沿って設けられ、外側に突出した板状部材96に固定される垂直脚部88にネジ止めされる固定具208を受ける。
【0032】
ベントパネル36の上端面状端部210はベントパネル36の頂部に亘って、パネル折曲脆弱線214となる間隔を置いた、細長い、整列した一連のスリット212を有する。ベントパネル36が開くときに、スリット216の、隣接する、離間した端部間で部材が断裂するのを防ぐため、各スリット212の両端は円形の小開口216を有することが好ましい。
【0033】
ベント支持部30は2対の部片218及び220を上端チャネル48の外側表面に備え、各隣接する部片対はそれぞれのヒンジバレル106及び108が受けるヒンジピン222を有する。したがって、ベント支持枠32はヒンジピン222の位置あわせされた軸を中心に揺動可能となっている。
【0034】
2つの再閉機構40及び40’が爆発ベント装置20の頂部に、ベント支持部30及びベント支持枠32の両側に設けられている。再閉機構40及び40’はそれぞれパネル60と側方パネル56及び58との融合領域で上端パネル60の内側表面に固定された脚部を有する角ブラケット224を含む。各ブラケット224は一対のピン支持部片226を有する。再閉機構40及び40’は同一の構造を有する。再閉機構40及び40’の各々は三角形の再閉バー支持部228を含む。各バー支持部228の内側はブラケット224上の対応する対の部片226が担持するピボットピンを受ける開口を有する。三角形の支持部228の各々の外側頂点部はベント支持枠32の全幅に亘る細長い横棒230を担持し、横棒230の外側端部にはローラ231が配置されている。
上端プレート96から離間した側部バー92及び94の外側表面に固定された2つの対向する、水平に位置あわせされた三角形のブラケット232及び234が流体駆動シリンダアセンブリ236及び238の一端の固定部となっている。各アセンブリ236及び238は対応する支持ブラケット232及び234に軸着されたシリンダ240と、それぞれの三角形の再閉支持部228の上端頂点部に軸着されたピストンロッド242とを有する。ピストンロッド242が再閉部40及び40’の各シリンダ240に格納されると、再閉支持部228が円弧状に回動してバー230をベント支持枠32に担持されたベントパネル36の近傍まで動かす。
【0035】
装置の作動
断裂タブ構成要素166は爆発ベント装置20の特定のベント用途の破裂仕様を満たすように製造される。そのため、その材料は特定の金属の、及び所定の厚さの個々のタブ166を製造するべく選択され、またタブはくびれ部172を有して製造され、各タブ166のくびれ部172は所定の力が加わると断裂する所定の厚さを有する。これらのパラメータは、各爆発ベント装置20のための所定数のタブ166が所定の値でまとまって断裂するように相互に関連付けられている。
【0036】
同様に、各爆発ベント装置20の所定の爆発保護仕様での構築において、ボルト186には、すべてのスプリング182の圧縮に対する集合的な抵抗が、ベントパネル36を開いて通気を行なうためにベントパネル36の中央部194に付加されるべき力を制御するような所定の数値までのトルクをかける。
【0037】
特定の用途に構成された爆発ベント装置20は次に所定の超過圧力から保護されるべき領域を蓋う位置にボルト止めされる。一般的に、装置20は図8に示すように、再閉機構40が装置の頂部側に位置し、タブ構成要素及びスプリングアセンブリ126は装置の底部に位置するように、垂直に位置決めされる。一例として図示した装置20の実施形態において、ベント装置20は導管22に連絡するものとして示されている。しかし、多くの場合、装置20はバッグハウス、フィルター設備、乾燥機、貯蔵タンク、処理器、又は、爆発若しくは鎮圧できない火災から起こる超過圧力からの保護を必要とするその他の機器の壁面の垂直な開口を蓋う位置に垂直な位置で取り付けられる。
【0038】
爆発ベント装置20の待機位置を一例として図1及び8に示す。ベントパネル36の外周はタブ保持部材142とタブ保持部材154との間に閉じ込められたタブ構成要素166に付加されるスプリング182の圧力によりガスケット34の下部脚部244と気密に係合した状態に維持されているが、部材154のフランジ部158はベント支持枠32の下部脚部86の下面側に係止している。図2及び8ではバー230を担持する再閉機構40及び40’は格納位置にある。
【0039】
タブ保持部材142の各区分144の長手方向に沿ったスプリング182のすべてを、ベントパネル支持構造38がヒンジバレル106及び108の軸を中心に図9に示したベントパネル36の部分的に開閉した位置まで回動可能な程度まで加圧するのに十分な所定の強度の超過圧力が発生した場合、ベントパネル36の下面側とベント支持枠32のパネル82により担持されるガスケット34の上端脚部34dとの間に空隙が生じ、ベントパネル36の中央部194の下面側に働く超過圧力が解除されるが、すべてがベントパネル36の破裂なしに行なわれる。超過圧力が解除されると直ぐに、ベントパネルはスプリング182のばね力に押され、図8に示す位置まで再閉する。したがって、ベント装置20の全開に至る超過圧力より低い所定の超過圧力は解除することができることがわかる。さらに、この超過圧力が解除されると、ベント装置20は直ちに閉じ、超過圧力保護状態に戻る。その結果、ベントパネル36の即座の閉鎖により、爆発を再度惹起し得るまたは火災条件をつくり得る、被保護領域への空気の逆気流が防止される。
【0040】
一方、所定の強度の超過圧力がベント装置20の下流側で発生した場合は、ベントパネル36を開くのに要求される圧力は図10に示すすべての断裂タブ構成要素166のくびれ部172の断裂に要求される集合的な所定の圧力の関数となる。すべての断裂タブ構成要素166が断裂すると、ベントパネル支持構造38が、間隔を置いて配したスリット212により画成されるベントパネル36の中央部194の線214を中心に曲がり始める。ベントパネル36を曲げるために、ヒンジ構造ではなく脆弱線を用いることにより、特に装置20が、多くの場合そうであるように、様々な気候的条件下に長期間晒される場合、ヒンジが詰まることに起因する動作不良の可能性がなくなる。
【0041】
この高超過圧力作動シークエンスにおいて、アセンブリ126のタブ保持部材142はスプリング182の力により外側に移動して、図10、10A、及び10Bに示すように部材142の中央フランジ部148がブラケット128の各脚部130の下面に係止する。ベント装置20の開放動作時の、ベントパネル36を担持するベントパネル支持構造38の連続した動きを図11に示し、その結果全開となった位置を図12に示す。これにより超過圧力は完全に発散される。特筆すべきは、純粋な伸張負荷がすべてのタブ構成要素166に対してかかるが、せん断応力がタブに全く付加されないことであり、したがってパネルは開放動作時にねじれない上に、ベントパネルは所定の超過圧力下で開放されてその開放位置まで移動する。
【0042】
ベントパネル36を担持するベントパネル支持構造は再閉機構40及び40’を選択的に駆動してその閉じた位置に戻るようにしてもよい。ピストンロッド242を格納する方向にアセンブリ238のシリンダ240に油圧又は空気圧をかける場合は、図13に示すように三角形の支持部228をその待機位置から時計方向に回転させ、ローラ231及び横棒230をベントパネル支持構造38の各管状部材20及び22と係合させる。ローラ231は構造38の閉鎖動作の際、各部材120及び122の上側表面を走行する。ピストンロッド242を各シリンダ240に連続的に格納することで横棒230がベントパネル支持構造38をその閉じた位置に戻し、ベントパネル36の外周はガスケット34の上端脚部246と係合する。機構40及び40’の動作は、流体シリンダアセンブリ238の駆動をPLCやEPCで制御し、ベントパネル36の全開により圧力が除去されたことを感知する磁気式スイッチ、誘導装置または断裂片のような断裂表示器を設けて自動的に行ってもよい。ベントパネル36を好ましくは約5〜30秒以内、最も好ましくは約5秒以内で急速に閉鎖することにより、二次爆発又は鎮圧できない火災の再発を惹起しかねない、被保護領域への空気の逆流を防止することができる。または、ベントパネル36をその閉じた位置に戻すことの自動制御が必要とは見なされない場合、そのような駆動の開始を手動で制御するようにしてもよい。爆発ベント装置20は各タブ構成要素166を置換して、その元の超過圧力保護状態に戻すことができる。
【0043】
図17及び18に示す別のベント装置250においては、ベントパネル36を担持するベントパネル支持構造38を再閉するために、流体駆動シリンダアセンブリ238の代わりに2つのねじりばねアセンブリ252及び254が設けられている。アセンブリ252及び254の各々は、それぞれの側面バー92及び94に固定されそこから内側に突き出る片持ちピン256を含む。各スプリング252及び254の、外側に突出する端部脚部258は板状部材96の下になり、一方反対側の、各スプリング252及び254の、内側に突出するL字型脚部260はベントパネル支持構造38の各管状側面部材120及び122の上にある。上記のように、各タブ構成要素166が断裂してベントパネル支持構造38及びベントパネル36が開くと、ねじりばね252及び254の脚部260が側面部材120及び122と共に回転し、各ねじりばねの張力が増大する。排出排気口26の超過圧力状態が除去されると、ねじりばね252及び254の付勢によりベントパネル支持構造38がその完全に閉じた位置まで迅速に閉じる。
【0044】
図19及び20に示す別のベント装置262においては、シリンダアセンブリ238は2つの弾性バンドユニット264及び266に置き換わっている。各ユニット264及び266はゴム、合成ゴム、又はその他の弾性体でできた、弾性バンド268を含む。各バンド268の対峙する端部に固定されたはめ輪270はねじ山を切った延長部272を有し、それがベント支持枠32の各側方脚部82及び84を通っている。対応する脚部82及び84の反対側のナット274及び276はバンド268のそれぞれの端部を脚部82及び84に固定している。図20からバンド268が管状の側面部材120及び122の上側表面上を通過し、その上に載っていることがわかる。2つのT字型バンド保持部材278及び280はベントパネル支持構造38のピボット軸よりいくぶんスプリングアセンブリ126寄りに配置されて、各側面部材120及び122上に備えられている。部材278及び280はベントパネル支持構造38の開放動作時にバンド268をスプリングアセンブリ126の方向にずれるのを抑制する。排気口26において超過圧力状態が除去されると、またバンド268が伸張する結果、バンドが協働してベントパネル支持構造38を直ちに再閉する。一方のバンドがベント装置20の駆動の最中に動作しなかった場合に備えて、2つのバンド268を設けてベントが圧力除去時に確実に閉じるようにすることが好ましい。
【0045】
爆発ベント装置20の別の特徴はその裏側にある被保護領域の検査のためにユニットを開けることができることである。これはスタッド118上のナット119をはずし、取っ手114を外側方向に引くことで達成され、これによりベントパネルを担持するベント支持枠はヒンジバレル106及び108の軸を中心に図16に示す開放位置まで回動することができ、ベント装置20の下流側にある領域の目視検査が可能となる。また、ベントパネル36の中央部194が張り出すことにより、中央部194はベントパネル36が変形することなく装置20の裏側の被保護領域の相当の真空状態に耐えることができる。また、ベントパネル36の中央部194が張り出すことは、被保護領域における正と負の値の間での圧力反復、正の値の反復、及び/又は負の圧力の反復の結果としての、反転または破裂による中央部194の動作不良の防止にも寄与する。
【0046】
ベントパネル36の全体の寸法は爆発ベント装置20の特定の商業的な用途に依る。ベントパネル36は例えば200mm×200mmから約1110mm×1110mmまでの大きさをとり得る。通常はベントパネルは566mm×900mmの大きさでよい。ベントパネル36を製作する板状材料は厚さが約0.25mmから約3mmとすることができ、好ましい厚さは1.5mmである。装置20を各種材料から製作し、100ミリバールという典型的な超過圧力で図12に示すように全開するような構成とした場合、個々のタブ構成要素126が断裂することなく、全開超過圧力の約30%〜約90%、好ましくは約30%〜約40%の圧力下でベントパネル36を担持するベント支持枠32がスプリング182の圧力に抗して開くことが好ましい。
【0047】
タブ構成要素166は約1mm〜約2mmの厚さのステンレススチール材から製作するのが好ましく、2mmがより好ましい。2mmの厚さを有するタブ構成要素166の場合、細いくびれ部172は約1mmの幅とすることが好ましい。1mmの厚さの板状部材をタブ構成要素166の製作に用いる場合、細いくびれ部172は約2mmの幅とするのが好ましい。タブ構成要素166は特に耐食性を向上させたい場合、例えばインコネル、ハスタロイ、インコロイ、モネル、チタン、パラジウム、金、及びこれらに類似の金属などの温度非依存性金属を含むステンレススチール以外の材料で製作してもよいがこれらに限定するものではない。また、タブ構成要素166がベント装置の全体の構成に占める割合は極めて僅かであるため、装置20には貴金属を用いることも可能である。
【0048】
1000mm×1000mmの大きさで、100ミリバールで全開するベントパネル36を有し、部分的な開放が全開圧力の30%〜40%である装置20の実施形態においては、長さが約67.5mmで直径が28.5mmのスプリング182を用いることができ、スプリング182を製作するための棒材は4.5mmの直径を有する。これらの、具体例としてのスプリング182の圧縮に対する抵抗値は約32.8N/mmであるのが好ましい。ベントパネル36の部分的開放のための30〜40ミリバールという仕様を満足するには、各スプリング182は約1N・mの力で予め張力をかけておくのが好ましい。
【0049】
本再閉可能爆発ベント装置20はいくつもの重要な特徴と独自の改良を有するものであり、それらは以下を含む:
・断裂タブ構成要素166には極めて抑制された、予測可能な破裂圧力となる純粋な張力が負荷されている。特定のタブ構成要素166設計に対して、従来の方法で行なわれる標準的なパネル破裂試験に代え、材料の種類、金属の厚さ、該当する場合は脆弱刻み目線又はスリット線の形状、並びにベントパネルの形状及び寸法に基づき特定の破裂型ベントの破裂値を特定する張力試験を行うことができる。既知のロットの板金から抽出した試料タブの張力試験から得られた試験データを用いてタブ製造の用意をすることができ、そのロットから所定数のタブを試験する必要はない。
・ばね、特にマルチスプリングをパネルの部分的開放の制御に用いることで、また、その場合、それは各タブ構成要素が断裂し得る前に縮む必要があるが、タブ構成要素及びタブ構成要素のための取り付け構造等の部品間の製造許容誤差を最小限に抑えることができる。
・また本発明の装置は、機器が垂直ではなく水平に設置されている場合に、人が機器の上を歩行する際、中に落下してしまうことを防止することができる。
・爆発ベント装置20には死角又はデッドスペースがなく、またガスケット34は一体構造であるため、無菌用途のためのCIP(クリーン-イン-プレイス;定置洗浄)基準を満足するアセンブリを提供する。
・装置20の可動部位は質量が小さく、したがってPred(減圧)も小さい。爆発ベントが開くとき、ベントパネル36のスリット212が形成する折り曲げ線214の脆弱性が制御されたヒンジ点を構成し、ベントパネル36の中央部194の変形を抑え、機構40、40’のような空気圧又は油圧駆動装置による再閉が更に容易となる。ベント装置20を直立の位置で設置すると、ベントパネル支持構造38はベントパネル36とともに部分的に重力で閉じることができる。
・爆発の後は、概して従来の爆発ベントは極度に変形するか、または破裂することさえあり、開いた状態のままとなる。これにより、酸素を含む空気が継続して供給され、再燃または二次爆発を惹起する。爆発ベント装置20が速やかに再閉し、またガスケット34及びレール70間が再度密封されることにより、酸素/空気の被保護領域への侵入を防ぎ、火災の継続又は二次爆発の発生を著しく制限することができる。
・可動部位は限られているので、装置の信頼性が向上する。
・保護されたプロセス及びベント装置の状態は目視で容易に検査することができる。
・爆発ベント装置20は完全真空に対して耐性を有する。
・装置20は組み立てが容易でオペレータに依存しない。
・装置は稼働率が高く、超過圧力弁と同様に機能する。
・開放圧力はプロセス温度及び媒質からは独立して確保される。
・モジュール設計であるため、製造者は特定の動作仕様向けに製作された断裂タブ構成要素以外の部品すべてを在庫保管することができる。
・U字形状の一体型ガスケットを設けることにより、特にレール70とガスケット34の脚部34aとによる連続した、とぎれのない外縁シールにより、装置が長期間駆動されない待機状態にあっても、ガスケットによる気密を実質的に漏れのないものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】完全に閉じた状態にある本発明の全開型再閉爆発ベント装置の斜視図である。
【図2】図1に示すアセンブリを構成する構成要素を示す分解斜視図である。
【図3】図1に示す閉じた状態にあるアセンブリの正面図である。
【図4】図3において矢印の方向すなわち上方に見た4−4線水平断面図である。
【図5】図3においてスリットにより形成されるベントパネルの屈曲線を通る、図において上方に見た水平断面図である。
【図6】タブ構成要素を載せた部材を含む断裂タブ構造及び関連するばねアセンブリの拡大部分分解図である。
【図7】図3に示すベントパネルの左上方の隅角の部分拡大側面図であり、スリットの、間隔を置いた屈曲線をより詳細に示している。
【図8】図3の矢印の方向に見た8−8線垂直断面図である。
【図8A】図3に示すばねアセンブリのひとつとタブ構成要素構造の拡大部分垂直断面図である。
【図8B】図8Aの矢印の方向に見た8B−8B線拡大部分断面図である。
【図9】個々のばねが圧縮された状態にあり、ベントパネルがその部分的に開いた圧力除去位置で示されていること以外は図8の断面図と同様の垂直断面図である。
【図9A】ばねアセンブリのひとつとタブ構成要素構造の拡大部分垂直断面図であり、ばねが圧縮された状態にあり、ベントパネルは圧力除去のため部分的に開いている。
【図9B】図9Aに示すばねアセンブリとタブ構成要素構造の図9Aにおいて矢印の方向に見た9B−9B線断面図である。
【図10】図8及び9と同様の垂直断面図であり、タブ構成要素のすべてが断裂した直後に、ベントパネルが開き始めたときのベントパネルの位置を示している。
【図10A】タブ構成要素の断裂直後にパネルが開きかけたときのばねアセンブリのひとつとタブ構成要素構造の拡大部分断面図である。
【図10B】図10Aの矢印の方向に見た10B−10B線拡大部分断面図である。
【図11】図8と同様のベントアセンブリの垂直断面図であるが、ベントパネルをその全開位置への移動における中間の位置で示している。
【図12】図11と同様の垂直断面図であるが、全開位置にあるベントパネルを示している。
【図13】図12と同様の垂直断面図であるが、ベントパネルの再閉動作における或る位置でのベントパネルを示している。
【図14】図13と同様の垂直断面図であるが、流体駆動ベント再閉機構と部分的に再閉されたベントパネルとの最初の接触を示している。
【図15】タブ構成要素が断裂状態にあり、また流体再閉器がベントパネルをその閉じた位置に移動させた後、流体再閉器が伸張している状態にある、再閉されたベントパネルの垂直断面図である。
【図16】移動可能なベントパネルアセンブリが被保護領域の検査のため、手動で開かれた状態にあるベントパネルの垂直断面図である。
【図17】ベントパネルを再閉するための別の構造としての、ベント支持フレームにより担持され、かつベントパネル支持構造に作動可能に接続されたねじりばねを有する全開型再閉爆発ベント装置の正面平面図である。
【図18】図17の矢印の方向に見た略18−18線に沿う部分垂直断面図である。
【図19】ベントパネルを再閉するための別の構造としての、ベント支持フレームに固定され、ベントパネル支持構造を包む一対の弾性バンドを有する全開型再閉爆発ベント装置の側面図であるが、各弾性バンドをベント支持枠に固定するはめ輪をより明確に示すためにベント支持ユニットの側方パネルが除去され、構造が分解されている。
【図20】図19の矢印の方向に見た略20−20線に沿う垂直断面図である。
【発明の背景】
【0001】
本発明は垂直に若しくは水平に又は垂直若しくは水平から或る角度を以て取り付けられ、爆発、急速な火災等で起こりうるような急速な超過圧力状態になる可能性のある囲まれた領域における除去開口に対して閉じる関係で配置される爆発ベントに関するものである。各種の工業処理工程及び機器においては爆発又は発火して、重大な爆発又は火災を惹起しうる微粒子状の材料、気体、及び/又は微細に分割された流体が内部に閉じ込められた状態にある。危険な超過圧力状態は爆発又は鎮圧できない火災により惹起されうる。したがって、急速に燃焼する可能性にさらされている危険な材料を内部に閉じ込めている領域は、大災害となる爆発又は火災から保護することが望ましい。
【0002】
より詳細には、本発明はベントにより保護される領域が、蓄積した所定の強度の圧力を付加されると確実に開くが、ベントの設定開放圧力より低い超過圧力状態が発生しても、ベントが早まって開くことのない全開型再閉可能爆発ベント装置に関するものである。本爆発ベント装置は、ベントの圧力除去特性を損なうことなくベントを開く圧力より低い連続する圧力周期に長期にわたり耐える構造及び設計となっている。
【0003】
本発明のベント装置のベントパネルは、ある強度の超過圧力状態になったとき、装置のベントパネルの破裂なしに第一の部分的に開いた圧力除去位置に開くことができ、また、より高い強度の超過圧力状態になったとき、やはり装置のベントパネルの破裂なしに、第二の全開圧力除去位置に開くことができる。本爆発ベント装置の特に重要な特長は、超過圧力が除去されたとき、そのいずれの開放位置からも再閉可能なことにあり、これにより二次爆発を起こしうる、または火災を悪化させうる、周囲空気の被保護領域に通じる開口からの再進入を防止できる。ベントの再閉は空気圧装置、ねじりばね又は弾性バンドにより行なうことができる。
【0004】
爆発ベントはバッグハウス、フィルター設備、乾燥システム、タンク、処理器及び導管システムのような閉じた領域内で除去開口を覆い、危険な超過圧力状態がそのような制限された領域で発生するのを防止するために一般的に用いられる。例えば、バッグハウス、フィルター設備、及び乾燥システムは存在する可能性の或る高濃度の微細に分割された材料、気体、及び流体により常に爆発の危険にさらされている。爆発又は極めて急速な超過圧力状態を惹起する急速に反応する火災が引き起こす災害からこれらの危険な領域を保護するため、従来では、被保護領域の周囲から被保護領域を密封する機器に1以上の圧力除去開口が設けられている。機器又はシステムが所定制限値内の正常な圧力で作動しているときは、これらの爆発ベントは圧力除去開口を密封している。閉じ込められた領域が所定強度の超過圧力状態となったとき、通常は圧力除去開口を閉じている各ベントが断裂又は破裂し、除去開口を通して高圧力体を逃す。爆発ベントはベントが長期間にわたりさらされてきた圧力周期の数には実質的に無関係に、或る圧力レベルで必ず破裂するように設計されていた。
【0005】
爆発又は急速な超過圧力状態を惹起する急速に反応する火災を引き起こす物質を含む領域もたびたび真空状態にさらされる。したがって、所定の強度の超過圧力が発生したとき破裂するように設計された従来のベントパネルは或るレベルの真空にも確実に耐えることが要求される。加えて、バッグハウスやフィルター設備などもしばしば圧力/真空が反復される状態にさらされ、爆発ベントが双方向に曲げられることになる。一般に、空気の脈動をバッグハウスフィルターの、ダスト粒子を集める面に向け、粒子をフィルター表面から除去して、粒子がフィルターバッグの下の収集領域に落下させることが行なわれている。この場合、爆発ベントは被保護領域の方向つまり内側に陥没することなく、真空圧並びに反復する圧力及び真空の状態に耐えるように構成しなければならない。
【0006】
従来の爆発ベントは通常、縁が対向するフレーム部材に挟まれた比較的に薄い平坦な金属板をそなえている。ベントパネル自体は破裂圧力を制御する構築材料、材料の厚さ、及びスリットや刻み目で形成される脆弱線又は脆弱線の形状等の様々な特徴とともに様々な形態で供給されてきた。しかしながら、いずれの場合も、圧力除去は通常は、脆弱線があればそれに沿って、ベントパネルの破裂又は破壊により達成される。
【0007】
脆弱線を形成するスリットを有する従来の爆発ベントには蓄積した所定の強度の圧力が加わるまでパネルの中央部をその閉じた位置で脆弱線による限定内に保持するためにスリットをまたいで装着された複数の接続体又は破裂タブを供えたものがあった。この破裂タブ構造では、破裂タブすべてに一様な力が付加されないためベントパネルを所定の超過圧力レベルで確実に破裂又は断裂させるのは困難であり、破裂タブのあるものが早まって破壊されていた。ここで留意すべきは、1以上の破裂タブが早まって破壊された場合、残りの破裂タブは連続して不確定な順序で破壊されるということである。これらの破裂タブを追加してみても、ベントパネルがその場合遅めに破裂する傾向にあり、爆発又は初期の火災からの充分な保護がえられないため、改善は見られない。
【0008】
パネルの内側方向への陥没に充分な抵抗を示し、同時に所定の正の強度の圧力下でベントの外側方向への破裂を制御することのできるタブを設けることは困難であることがわかっていたため、タブをスリットの線全体にわたって設けることもベントパネルの真空支持特性を制限していた。高い真空状態では、ベントパネルを補強する必要がある場合もあり、パネルの、前方向に作用する破裂特性を複雑化し、同時にパネルアセンブリの複雑性、重量、及びコストを増大させていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の爆発ベント装置は、ベントパネルが破裂して爆発又は急速に燃焼する火災による圧力を除去する従来のベントとは異なる。脆弱線を形成する刻み目線又は一連のスリットがベントパネルの開放形状を制御するのに多くの場合設けられる。本爆発ベント装置においては、所定の、より低い超過圧力下でベントパネルが部分的に開き、より高い超過圧力下で全開する。いずれの場合も、破裂しなかったベントパネルはその閉じた位置に戻るので、超過圧力状態下でベントが動作する度にベントを交換する必要が回避される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本爆発ベント装置は超過圧力状態から保護されるべき領域の排気口を蓋う位置に配置されるベント支持フレームユニットを備える。フレームユニットは被保護領域の排気口と位置あわせされるベント開口を形成する。ベントパネルは通常は被保護領域の排気口を塞ぐ閉じた位置でフレームユニット上に軸着されている。ベントパネルはその通常は閉じた位置から開いた超過圧力除去位置まで回動可能となっている。フレームユニット上の構造がベントパネルに接続されていて、排気口を通して所定の強度の超過圧力状態がパネルに付加されるまでベントパネルをその閉じた位置に維持している。同構造はベントパネルにある強度の超過圧力がかかるとベントパネルをその閉じた位置から部分的に開いた超過圧力除去位置まで、またベントパネルにより高い強度の超過圧力がかかるとベントパネルを全開の位置まで、回動させるよう作動することができる。ある好ましい実施形態においては、圧力除去の後、ベントパネルを再閉するための機構がもうけられている。
【0011】
ベントパネルを通常その閉じた位置に維持する構造は、フレームユニットとベントパネルとを相互に接続する少なくともひとつの断裂タブ構成要素を含む。タブ構成要素は超過圧力がベントパネルに加わると張力がタブ構成要素に加わるような向きで配置されている。タブ構成要素は断裂に耐え、また所定の、より低い強度の圧力の超過圧力がベントパネルに付加されるとベントパネルが制限された円弧を通って第一の部分的に開いた超過圧力除去位置まで回動することを可能にしている。タブ構成要素が断裂し、第二の、より高い超過圧力がベントパネルに付加されるとベントパネルが全開の位置まで回動することを可能となる。
【0012】
横方向に間隔を置いて配置した複数のタブ構成要素をベントパネルとフレームユニットの間に設けるのが好ましい。間隔を置いて配置した複数のタブ構成要素を設けることにより、超過圧力状態により発生するタブ構成要素に働く張力がタブ構成要素の列全体に配分される。コイルばねが各タブ構成要素に設けられ、対応するタブ構成要素とフレームユニットとの間に配置されていて、タブ構造の各部品間の誤差を補償する。
【0013】
ベントパネルに超過圧力が付加された時には、ベントパネルが部分的に開いた圧力除去位置まで揺動する程度までばねの圧縮がベントパネルの回動を可能にするのに充分になる前に、ベントパネルをその閉じた位置に保持するコイルばねのすべての集合的な力が超えられなければならない。各タブ構成要素と連動したコイルばねの圧縮特性及びベント装置の設置時にばねが圧縮される程度により、ベントパネルがその部分的に開いた圧力除去位置まで揺動できる程度までばねを更に圧縮するのに要求される、ベントパネルに付加される超過圧力の量が制御される。
【0014】
個々のタブ構成要素は2つの端部区分を有し、それらは幅が2つの端部区分より狭い中間のくびれ部により分割されている。個々のタブ構成要素のすべてのくびれ部が断裂するのに必要な張力はタブ構成要素の列全体のくびれ部の集合的な断裂抵抗をうわまわらなければならない。個々のタブ構成要素が断裂するのに必要な力はタブが製作される材料のタイプ、タブ材料が製作される方法、タブ材料の厚さ、タブ材料が例えば熱処理のような処理をうけたかどうか、及びタブ構成要素のくびれ部の寸法、特にくびれ部の幅、の関数である。
【0015】
ベントパネルを担持する第二のフレームアセンブリがベント支持枠に軸着されている。解除可能な接続体がフレームアセンブリを、ベントパネルがフレームユニットの開口を閉じる位置に固定している。接続体を解除することにより、ベントパネルが取り付けられたフレームアセンブリを排気口の位置から円弧状に手動で回し、排気口及び排気口の下流側の領域の目視検査を行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の好ましい実施形態による爆発ベント装置を図面において番号20により包括的に指し示す。装置20は、爆発事故もしくは火災などの高速燃焼事故による危険にさらされているバッグハウス、フィルター設備、乾燥機、タンク及びその他の貯蔵設備、処理器、又は各種導管構造体などの閉じた領域を含む、損傷をきたす超過圧力から保護されるべきシステムの垂直壁への取り付けに特に有効である。装置20は垂直に設置するのが好ましいが、水平に、又は水平に対し任意の角度で取り付けてもよい。便宜上および図示の上でのみ、装置20はフランジ24を有する導管22に固定されて示されている。フランジ24は例えば略円形形状をした超過圧力排気排出口26を有する。装置20はボルトとナット28のような従来の一連の固定具を用いてフランジ24に取り付けられている。
【0017】
図2の包括的な分解図を参照すると、装置20はその主たるアセンブリとして、例えば導管22のフランジ24に直接に載るベント支持体30、ベント支持枠32、ガスケット34、ベントパネル36、ベントパネル支持構造体38及びベントパネル36をその圧力解除開放の後にその閉じた状態に戻す再閉機構40を有する。
【0018】
ベント支持体30は、外側に向けて反対方向に開いた、装置20が支持表面に取り付けられるときは、通常は垂直に配置されている一対のチャネル42と44(図5)を含む。下方に開いている下端チャネル46はチャネル42と44の下端の間に延在して、それらを連結し、一方上方に開いた上端チャネル48はチャネル42と44の通常は上側となる端部に連結されていて、それらの間に延在する(図8)。矩形のプレート50は4つのチャネル42〜48の最も内側の桁腹に固定されている。プレート50は装置20が取り付けられる表面の排気口と位置合わせされた中央開口52を有する。開口52は導管22の排出排気口26に対応する円形として図示されているが、排気口の形状により、任意の形状とすることができる。プレート50にはボルトとナットの連結体28を受ける一連の孔54が設けられている。
【0019】
二つの垂直の側方パネル56と58が側面のチャネル42と44の長手方向に沿って、チャネル42と44の、プレート50から遠い方の表面に固定されて延在し、一方上部パネル60がパネル56と58の各端部を連結している。側方パネル56と58はチャネル42と44の外側にあり、上部パネル60は上端チャネル48の外側にある。二つの細長い側部帯62と64がチャネル42と44の桁腹部に連結し、チャネル42と44の最も内側の脚部から内側に突出している。下部帯66が同様に下端チャネル46の桁腹に固定され同チャネルから内側に突出していて、一方上部帯68が上端チャネル48の桁腹に固定され、後者から内側に突出している。各帯62〜68はその各端部が連結していて、チャネル42〜48の内側で外側に広がる矩形のレール70を形成し、それは例えば図2〜5からわかるように、各チャネルの桁腹から突出している。
【0020】
図8を参照すると、プレート72が側方パネル56と58の下端と、側部チャネル42と44の、下方に突出している最も内側の脚部の縁部とに固定されていることがわかる。垂直プレート74が上端チャネル48の最も内側の脚部の縁部に取り付けられ、側方パネル56及び58の上端と上端パネル60との間に延在し、それらに連結されている。したがって、構成要素42〜74はベント支持ユニット30を構成する溶接物を含む。
【0021】
ベント支持枠32の構成要素は一体に構成した側方脚部82と84、下部脚部86、及び上部脚部88を有する平坦パネル80を含む。脚部82〜88の最も内側の縁部は中央開口90を画成する。例えば図2から、下部脚部86は脚部82、84、及び88より幅が広いことがわかる。細長い側面バー92と94は側方脚部82と84の最も外側の縁部に取り付けられそこから外側に突出している。上端の狭いプレート部材96はベント支持枠32の上部脚部88の最も外側の縁部に固定されている。プレート部材96は最も外側の、外側に開いた切り欠き98と100を有する。プレート部材96には切り欠き98と100の近傍に細長い開口102と104がそれぞれ設けられている。蝶番筒106と108が対応する開口102と104内で、パネル80の上部脚部88に固定されている。
【0022】
パネル80の下部脚部86の前面マージンは外側に延在するU字型のハンドル114を載せた2つの、一体に形成した外側に突出する区分110と112を有する。内側に向かう、間隔を置いて設けた切り欠き116が下部脚部86の最も外側の縁部に、各ハンドル114間及びその反対側に設けられている。切り欠き116は、プレート72の最も外側の面に固定されたねじ切り鋲118を受け、各鋲118にはナット119が嵌められている。
【0023】
断面がU字型の4つの脚部を有するガスケット34がベント支持枠32の開口90内に嵌り、ガスケットの内側及び外側脚部はパネル80の脚部82−88の上下表面にそれぞれ係合する。ガスケット34はベントパネル36の中央部分の全周囲に亘ってシールを付与する。図8Aから、ベントパネル36がその閉じた位置にあるときは、ガスケット34の脚部34aの最も内側の表面がレール70の外側縁部に係合することがわかる。また、図8Aから、ガスケット34の湾曲部34cから内側に突出する脚部34bがガスケット34の脚部34dと協働しベントパネル36の対向する外側縁部表面とともにシールを付与することがわかる。図9Aに最もよく示されているように、ガスケット34の脚部34dはベントパネル38がその閉じた状態にあるときガスケット34とベントパネル36との対向表面間の密封を高める、外側に面した折返し溝34eを有する。
【0024】
ベントパネル支持構造38は一対の細長い管状側面部材120と122を有する。断面がU字型の下部チャネル部材124が側面部材120と124の対応端部の間に延在し、それに連結されている。図2及び8から、管状体120と122の、チャネル部材124から遠い方の端部は上部脚部88とプレート96に近づくところで面取りが施してあることがわかる。
【0025】
下部チャネル部材124の外側表面上には一連のタブ構成要素及びばねアセンブリ構造126が設けられている。図2にはチャネル部材124の長手方向に等間隔に配したアセンブリ126が5つ示されているが、アセンブリ126の数は所望により増減させてよい。各アセンブリ126は水平脚部130と垂直脚部132とを有する取付けブラケット128を含む。図6と8Aに示すように、ベントパネル36の下端マージン134はチャネル部材124の外側表面を包んでいる。ナットを備えたボルト136は対応するブラケット128のそれぞれの水平脚部130、ベントパネル36のマージン134、及びチャネル部材の湾曲部を貫通し、各アセンブリ126をチャネル部材124に確実に固定する。
【0026】
各ブラケット128の垂直脚部132は、アセンブリ126の外側タブ保持部材142を含む外側タブ止め具140を通す開口138を有する。部材142は中央の、内側に開いた、ねじ山付き通路146、環状の外側に突出した中央フランジ部148、及び最も内側に位置する分岐部150を有する細長い、横断面が六角形の形状をした本体144を有する。開口138は内側に向いた多数の突起を備え、それがその間に、タブ保持部材142の本体144の隅角と相補的に係合する形状とした切欠きを画成している。本体144の隅角と開口138の切欠きを画成している突起との係合により、保持部材142の、対応する取付けブラケット128に対する回転を防止する。
【0027】
ベント支持枠32の下部脚部86はタブ及びばねアセンブリ126の各々に対して、断面が八角形の開口152を有し、アセンブリ126に対応する数の開口152が等間隔に配置されている。各開口152は分岐本体156を備えた内側タブ保持部材154を受ける。外側に突出する環状フランジ部158は中央部160の八角形形状の外側にある。タブ保持部材154はそれぞれの開口152が受け、中央部160が開口152の各面と相補的に係合する。タブ保持部材154を各開口152に設置すると、タブ保持部材154は中央部160の隅角が開口152の切欠き部分と係止して回転が制限される。
【0028】
区分150の軸方向に延在するスロット162及びタブ保持部材154の軸方向に延在するスロット164は相互に位置あわせされ、断裂タブ構成要素166を受け止める。例えば図8Bからわかるように、各タブ構成要素166は2つの対向する端部168と170を有し、これらは端部168と170より幅の狭いくびれ部172で隔てられている。タブ構成要素166の端部168はタブ保持部材142のスロット162が離脱可能に受け止め、一方タブ構成要素166の各端部170はタブ保持部材154のスロット164が離脱可能に受け止めている。ボルト174はタブ保持部材142の、そのために設けた、位置あわせされた開口を通って、及び各タブ構成要素166の端部168の開口176を通って延在する。同様に、ボルト178はタブ保持部材154の分岐部156の、位置あわせされた開口を通って、及び端部170の開口180を通って延在する。これにより、ボルト174と178はタブ構成要素166をタブ保持部材142と154とに離脱可能に連結する。
【0029】
各タブ構成要素166を保持部材142と保持部材154とに連結し、本体144が開口138に挿入されると、コイルばね182が各取付けブラケット128の脚部132に係止する配置で部材142の本体144にかぶせられる。コイルばね182の外側縁部に掛けた座金184は部材142の本体144の開口146にねじ込まれるボルト186により位置が固定される。各ボルト186は各々のばね182を或る程度まで圧縮した状態で保持する。ベント支持枠32の下部脚部86の下に位置するタブ保持部材154の環状フランジ部158はコイルばね182の弾力に抵抗する。図8Aから、タブ保持部材142の中央フランジ部148は各アセンブリ126の取付けブラケット128の脚部132の底面から離間した位置に保持されていることがわかる。しかし、後述するように、タブ構成要素166が断裂するとタブ保持部材142が解除されて上方の、図10Aに示す位置に移動し、中央フランジ部148が各取付けブラケット128の脚部130の下面に係止する。
【0030】
ベントパネル36は本発明の好ましい実施形態においてはベントパネル支持構造38に担持されているが、図示の通り矩形形状を有し、支持構造38内に収まる中央部194を有する。図3及び図4に最も明確に示されているように、パネル36の中央部194は外側方向に張り出ていて、張り出しの移行領域は図中248で示されている。既にのべたように、ベントパネル36の下端マージン134は支持構造38の、上方に向いたチャネル124を部分的に包み、ベントパネル36の下端リップがチャネル124の最も外側の端部の上に折り返している。同様に、ベントパネル36の側方マージン196が管状部材120の外側を包み、ベントパネル36の側方マージン198は管状部材122の外側を包んでいる。ベントパネル36のマージン196及び198も管状部材120及び122の最も外側の最上端部上に再度折り返されている。図8に最も明確に示されているように、ベントパネル36のマージン196及び198は管状部材120及び122の斜角をほどこした上端部に合わせて斜角が施されている。
【0031】
図2、4、5及び8に示したようにベントパネル36の上端マージン200は上方に曲げられ、最も外側の縁部202は折り返されてベントパネル36の区分194の内部に向けられている。ベントパネル36の、外側に突出した上端マージン200はプレート96により支持されている。ベントパネル36の上端マージン200近傍の、ベントパネル36の頂部に亘る細長い帯板204には一連の開口206(図2)が帯板204の長手方向に沿って設けられ、外側に突出した板状部材96に固定される垂直脚部88にネジ止めされる固定具208を受ける。
【0032】
ベントパネル36の上端面状端部210はベントパネル36の頂部に亘って、パネル折曲脆弱線214となる間隔を置いた、細長い、整列した一連のスリット212を有する。ベントパネル36が開くときに、スリット216の、隣接する、離間した端部間で部材が断裂するのを防ぐため、各スリット212の両端は円形の小開口216を有することが好ましい。
【0033】
ベント支持部30は2対の部片218及び220を上端チャネル48の外側表面に備え、各隣接する部片対はそれぞれのヒンジバレル106及び108が受けるヒンジピン222を有する。したがって、ベント支持枠32はヒンジピン222の位置あわせされた軸を中心に揺動可能となっている。
【0034】
2つの再閉機構40及び40’が爆発ベント装置20の頂部に、ベント支持部30及びベント支持枠32の両側に設けられている。再閉機構40及び40’はそれぞれパネル60と側方パネル56及び58との融合領域で上端パネル60の内側表面に固定された脚部を有する角ブラケット224を含む。各ブラケット224は一対のピン支持部片226を有する。再閉機構40及び40’は同一の構造を有する。再閉機構40及び40’の各々は三角形の再閉バー支持部228を含む。各バー支持部228の内側はブラケット224上の対応する対の部片226が担持するピボットピンを受ける開口を有する。三角形の支持部228の各々の外側頂点部はベント支持枠32の全幅に亘る細長い横棒230を担持し、横棒230の外側端部にはローラ231が配置されている。
上端プレート96から離間した側部バー92及び94の外側表面に固定された2つの対向する、水平に位置あわせされた三角形のブラケット232及び234が流体駆動シリンダアセンブリ236及び238の一端の固定部となっている。各アセンブリ236及び238は対応する支持ブラケット232及び234に軸着されたシリンダ240と、それぞれの三角形の再閉支持部228の上端頂点部に軸着されたピストンロッド242とを有する。ピストンロッド242が再閉部40及び40’の各シリンダ240に格納されると、再閉支持部228が円弧状に回動してバー230をベント支持枠32に担持されたベントパネル36の近傍まで動かす。
【0035】
装置の作動
断裂タブ構成要素166は爆発ベント装置20の特定のベント用途の破裂仕様を満たすように製造される。そのため、その材料は特定の金属の、及び所定の厚さの個々のタブ166を製造するべく選択され、またタブはくびれ部172を有して製造され、各タブ166のくびれ部172は所定の力が加わると断裂する所定の厚さを有する。これらのパラメータは、各爆発ベント装置20のための所定数のタブ166が所定の値でまとまって断裂するように相互に関連付けられている。
【0036】
同様に、各爆発ベント装置20の所定の爆発保護仕様での構築において、ボルト186には、すべてのスプリング182の圧縮に対する集合的な抵抗が、ベントパネル36を開いて通気を行なうためにベントパネル36の中央部194に付加されるべき力を制御するような所定の数値までのトルクをかける。
【0037】
特定の用途に構成された爆発ベント装置20は次に所定の超過圧力から保護されるべき領域を蓋う位置にボルト止めされる。一般的に、装置20は図8に示すように、再閉機構40が装置の頂部側に位置し、タブ構成要素及びスプリングアセンブリ126は装置の底部に位置するように、垂直に位置決めされる。一例として図示した装置20の実施形態において、ベント装置20は導管22に連絡するものとして示されている。しかし、多くの場合、装置20はバッグハウス、フィルター設備、乾燥機、貯蔵タンク、処理器、又は、爆発若しくは鎮圧できない火災から起こる超過圧力からの保護を必要とするその他の機器の壁面の垂直な開口を蓋う位置に垂直な位置で取り付けられる。
【0038】
爆発ベント装置20の待機位置を一例として図1及び8に示す。ベントパネル36の外周はタブ保持部材142とタブ保持部材154との間に閉じ込められたタブ構成要素166に付加されるスプリング182の圧力によりガスケット34の下部脚部244と気密に係合した状態に維持されているが、部材154のフランジ部158はベント支持枠32の下部脚部86の下面側に係止している。図2及び8ではバー230を担持する再閉機構40及び40’は格納位置にある。
【0039】
タブ保持部材142の各区分144の長手方向に沿ったスプリング182のすべてを、ベントパネル支持構造38がヒンジバレル106及び108の軸を中心に図9に示したベントパネル36の部分的に開閉した位置まで回動可能な程度まで加圧するのに十分な所定の強度の超過圧力が発生した場合、ベントパネル36の下面側とベント支持枠32のパネル82により担持されるガスケット34の上端脚部34dとの間に空隙が生じ、ベントパネル36の中央部194の下面側に働く超過圧力が解除されるが、すべてがベントパネル36の破裂なしに行なわれる。超過圧力が解除されると直ぐに、ベントパネルはスプリング182のばね力に押され、図8に示す位置まで再閉する。したがって、ベント装置20の全開に至る超過圧力より低い所定の超過圧力は解除することができることがわかる。さらに、この超過圧力が解除されると、ベント装置20は直ちに閉じ、超過圧力保護状態に戻る。その結果、ベントパネル36の即座の閉鎖により、爆発を再度惹起し得るまたは火災条件をつくり得る、被保護領域への空気の逆気流が防止される。
【0040】
一方、所定の強度の超過圧力がベント装置20の下流側で発生した場合は、ベントパネル36を開くのに要求される圧力は図10に示すすべての断裂タブ構成要素166のくびれ部172の断裂に要求される集合的な所定の圧力の関数となる。すべての断裂タブ構成要素166が断裂すると、ベントパネル支持構造38が、間隔を置いて配したスリット212により画成されるベントパネル36の中央部194の線214を中心に曲がり始める。ベントパネル36を曲げるために、ヒンジ構造ではなく脆弱線を用いることにより、特に装置20が、多くの場合そうであるように、様々な気候的条件下に長期間晒される場合、ヒンジが詰まることに起因する動作不良の可能性がなくなる。
【0041】
この高超過圧力作動シークエンスにおいて、アセンブリ126のタブ保持部材142はスプリング182の力により外側に移動して、図10、10A、及び10Bに示すように部材142の中央フランジ部148がブラケット128の各脚部130の下面に係止する。ベント装置20の開放動作時の、ベントパネル36を担持するベントパネル支持構造38の連続した動きを図11に示し、その結果全開となった位置を図12に示す。これにより超過圧力は完全に発散される。特筆すべきは、純粋な伸張負荷がすべてのタブ構成要素166に対してかかるが、せん断応力がタブに全く付加されないことであり、したがってパネルは開放動作時にねじれない上に、ベントパネルは所定の超過圧力下で開放されてその開放位置まで移動する。
【0042】
ベントパネル36を担持するベントパネル支持構造は再閉機構40及び40’を選択的に駆動してその閉じた位置に戻るようにしてもよい。ピストンロッド242を格納する方向にアセンブリ238のシリンダ240に油圧又は空気圧をかける場合は、図13に示すように三角形の支持部228をその待機位置から時計方向に回転させ、ローラ231及び横棒230をベントパネル支持構造38の各管状部材20及び22と係合させる。ローラ231は構造38の閉鎖動作の際、各部材120及び122の上側表面を走行する。ピストンロッド242を各シリンダ240に連続的に格納することで横棒230がベントパネル支持構造38をその閉じた位置に戻し、ベントパネル36の外周はガスケット34の上端脚部246と係合する。機構40及び40’の動作は、流体シリンダアセンブリ238の駆動をPLCやEPCで制御し、ベントパネル36の全開により圧力が除去されたことを感知する磁気式スイッチ、誘導装置または断裂片のような断裂表示器を設けて自動的に行ってもよい。ベントパネル36を好ましくは約5〜30秒以内、最も好ましくは約5秒以内で急速に閉鎖することにより、二次爆発又は鎮圧できない火災の再発を惹起しかねない、被保護領域への空気の逆流を防止することができる。または、ベントパネル36をその閉じた位置に戻すことの自動制御が必要とは見なされない場合、そのような駆動の開始を手動で制御するようにしてもよい。爆発ベント装置20は各タブ構成要素166を置換して、その元の超過圧力保護状態に戻すことができる。
【0043】
図17及び18に示す別のベント装置250においては、ベントパネル36を担持するベントパネル支持構造38を再閉するために、流体駆動シリンダアセンブリ238の代わりに2つのねじりばねアセンブリ252及び254が設けられている。アセンブリ252及び254の各々は、それぞれの側面バー92及び94に固定されそこから内側に突き出る片持ちピン256を含む。各スプリング252及び254の、外側に突出する端部脚部258は板状部材96の下になり、一方反対側の、各スプリング252及び254の、内側に突出するL字型脚部260はベントパネル支持構造38の各管状側面部材120及び122の上にある。上記のように、各タブ構成要素166が断裂してベントパネル支持構造38及びベントパネル36が開くと、ねじりばね252及び254の脚部260が側面部材120及び122と共に回転し、各ねじりばねの張力が増大する。排出排気口26の超過圧力状態が除去されると、ねじりばね252及び254の付勢によりベントパネル支持構造38がその完全に閉じた位置まで迅速に閉じる。
【0044】
図19及び20に示す別のベント装置262においては、シリンダアセンブリ238は2つの弾性バンドユニット264及び266に置き換わっている。各ユニット264及び266はゴム、合成ゴム、又はその他の弾性体でできた、弾性バンド268を含む。各バンド268の対峙する端部に固定されたはめ輪270はねじ山を切った延長部272を有し、それがベント支持枠32の各側方脚部82及び84を通っている。対応する脚部82及び84の反対側のナット274及び276はバンド268のそれぞれの端部を脚部82及び84に固定している。図20からバンド268が管状の側面部材120及び122の上側表面上を通過し、その上に載っていることがわかる。2つのT字型バンド保持部材278及び280はベントパネル支持構造38のピボット軸よりいくぶんスプリングアセンブリ126寄りに配置されて、各側面部材120及び122上に備えられている。部材278及び280はベントパネル支持構造38の開放動作時にバンド268をスプリングアセンブリ126の方向にずれるのを抑制する。排気口26において超過圧力状態が除去されると、またバンド268が伸張する結果、バンドが協働してベントパネル支持構造38を直ちに再閉する。一方のバンドがベント装置20の駆動の最中に動作しなかった場合に備えて、2つのバンド268を設けてベントが圧力除去時に確実に閉じるようにすることが好ましい。
【0045】
爆発ベント装置20の別の特徴はその裏側にある被保護領域の検査のためにユニットを開けることができることである。これはスタッド118上のナット119をはずし、取っ手114を外側方向に引くことで達成され、これによりベントパネルを担持するベント支持枠はヒンジバレル106及び108の軸を中心に図16に示す開放位置まで回動することができ、ベント装置20の下流側にある領域の目視検査が可能となる。また、ベントパネル36の中央部194が張り出すことにより、中央部194はベントパネル36が変形することなく装置20の裏側の被保護領域の相当の真空状態に耐えることができる。また、ベントパネル36の中央部194が張り出すことは、被保護領域における正と負の値の間での圧力反復、正の値の反復、及び/又は負の圧力の反復の結果としての、反転または破裂による中央部194の動作不良の防止にも寄与する。
【0046】
ベントパネル36の全体の寸法は爆発ベント装置20の特定の商業的な用途に依る。ベントパネル36は例えば200mm×200mmから約1110mm×1110mmまでの大きさをとり得る。通常はベントパネルは566mm×900mmの大きさでよい。ベントパネル36を製作する板状材料は厚さが約0.25mmから約3mmとすることができ、好ましい厚さは1.5mmである。装置20を各種材料から製作し、100ミリバールという典型的な超過圧力で図12に示すように全開するような構成とした場合、個々のタブ構成要素126が断裂することなく、全開超過圧力の約30%〜約90%、好ましくは約30%〜約40%の圧力下でベントパネル36を担持するベント支持枠32がスプリング182の圧力に抗して開くことが好ましい。
【0047】
タブ構成要素166は約1mm〜約2mmの厚さのステンレススチール材から製作するのが好ましく、2mmがより好ましい。2mmの厚さを有するタブ構成要素166の場合、細いくびれ部172は約1mmの幅とすることが好ましい。1mmの厚さの板状部材をタブ構成要素166の製作に用いる場合、細いくびれ部172は約2mmの幅とするのが好ましい。タブ構成要素166は特に耐食性を向上させたい場合、例えばインコネル、ハスタロイ、インコロイ、モネル、チタン、パラジウム、金、及びこれらに類似の金属などの温度非依存性金属を含むステンレススチール以外の材料で製作してもよいがこれらに限定するものではない。また、タブ構成要素166がベント装置の全体の構成に占める割合は極めて僅かであるため、装置20には貴金属を用いることも可能である。
【0048】
1000mm×1000mmの大きさで、100ミリバールで全開するベントパネル36を有し、部分的な開放が全開圧力の30%〜40%である装置20の実施形態においては、長さが約67.5mmで直径が28.5mmのスプリング182を用いることができ、スプリング182を製作するための棒材は4.5mmの直径を有する。これらの、具体例としてのスプリング182の圧縮に対する抵抗値は約32.8N/mmであるのが好ましい。ベントパネル36の部分的開放のための30〜40ミリバールという仕様を満足するには、各スプリング182は約1N・mの力で予め張力をかけておくのが好ましい。
【0049】
本再閉可能爆発ベント装置20はいくつもの重要な特徴と独自の改良を有するものであり、それらは以下を含む:
・断裂タブ構成要素166には極めて抑制された、予測可能な破裂圧力となる純粋な張力が負荷されている。特定のタブ構成要素166設計に対して、従来の方法で行なわれる標準的なパネル破裂試験に代え、材料の種類、金属の厚さ、該当する場合は脆弱刻み目線又はスリット線の形状、並びにベントパネルの形状及び寸法に基づき特定の破裂型ベントの破裂値を特定する張力試験を行うことができる。既知のロットの板金から抽出した試料タブの張力試験から得られた試験データを用いてタブ製造の用意をすることができ、そのロットから所定数のタブを試験する必要はない。
・ばね、特にマルチスプリングをパネルの部分的開放の制御に用いることで、また、その場合、それは各タブ構成要素が断裂し得る前に縮む必要があるが、タブ構成要素及びタブ構成要素のための取り付け構造等の部品間の製造許容誤差を最小限に抑えることができる。
・また本発明の装置は、機器が垂直ではなく水平に設置されている場合に、人が機器の上を歩行する際、中に落下してしまうことを防止することができる。
・爆発ベント装置20には死角又はデッドスペースがなく、またガスケット34は一体構造であるため、無菌用途のためのCIP(クリーン-イン-プレイス;定置洗浄)基準を満足するアセンブリを提供する。
・装置20の可動部位は質量が小さく、したがってPred(減圧)も小さい。爆発ベントが開くとき、ベントパネル36のスリット212が形成する折り曲げ線214の脆弱性が制御されたヒンジ点を構成し、ベントパネル36の中央部194の変形を抑え、機構40、40’のような空気圧又は油圧駆動装置による再閉が更に容易となる。ベント装置20を直立の位置で設置すると、ベントパネル支持構造38はベントパネル36とともに部分的に重力で閉じることができる。
・爆発の後は、概して従来の爆発ベントは極度に変形するか、または破裂することさえあり、開いた状態のままとなる。これにより、酸素を含む空気が継続して供給され、再燃または二次爆発を惹起する。爆発ベント装置20が速やかに再閉し、またガスケット34及びレール70間が再度密封されることにより、酸素/空気の被保護領域への侵入を防ぎ、火災の継続又は二次爆発の発生を著しく制限することができる。
・可動部位は限られているので、装置の信頼性が向上する。
・保護されたプロセス及びベント装置の状態は目視で容易に検査することができる。
・爆発ベント装置20は完全真空に対して耐性を有する。
・装置20は組み立てが容易でオペレータに依存しない。
・装置は稼働率が高く、超過圧力弁と同様に機能する。
・開放圧力はプロセス温度及び媒質からは独立して確保される。
・モジュール設計であるため、製造者は特定の動作仕様向けに製作された断裂タブ構成要素以外の部品すべてを在庫保管することができる。
・U字形状の一体型ガスケットを設けることにより、特にレール70とガスケット34の脚部34aとによる連続した、とぎれのない外縁シールにより、装置が長期間駆動されない待機状態にあっても、ガスケットによる気密を実質的に漏れのないものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】完全に閉じた状態にある本発明の全開型再閉爆発ベント装置の斜視図である。
【図2】図1に示すアセンブリを構成する構成要素を示す分解斜視図である。
【図3】図1に示す閉じた状態にあるアセンブリの正面図である。
【図4】図3において矢印の方向すなわち上方に見た4−4線水平断面図である。
【図5】図3においてスリットにより形成されるベントパネルの屈曲線を通る、図において上方に見た水平断面図である。
【図6】タブ構成要素を載せた部材を含む断裂タブ構造及び関連するばねアセンブリの拡大部分分解図である。
【図7】図3に示すベントパネルの左上方の隅角の部分拡大側面図であり、スリットの、間隔を置いた屈曲線をより詳細に示している。
【図8】図3の矢印の方向に見た8−8線垂直断面図である。
【図8A】図3に示すばねアセンブリのひとつとタブ構成要素構造の拡大部分垂直断面図である。
【図8B】図8Aの矢印の方向に見た8B−8B線拡大部分断面図である。
【図9】個々のばねが圧縮された状態にあり、ベントパネルがその部分的に開いた圧力除去位置で示されていること以外は図8の断面図と同様の垂直断面図である。
【図9A】ばねアセンブリのひとつとタブ構成要素構造の拡大部分垂直断面図であり、ばねが圧縮された状態にあり、ベントパネルは圧力除去のため部分的に開いている。
【図9B】図9Aに示すばねアセンブリとタブ構成要素構造の図9Aにおいて矢印の方向に見た9B−9B線断面図である。
【図10】図8及び9と同様の垂直断面図であり、タブ構成要素のすべてが断裂した直後に、ベントパネルが開き始めたときのベントパネルの位置を示している。
【図10A】タブ構成要素の断裂直後にパネルが開きかけたときのばねアセンブリのひとつとタブ構成要素構造の拡大部分断面図である。
【図10B】図10Aの矢印の方向に見た10B−10B線拡大部分断面図である。
【図11】図8と同様のベントアセンブリの垂直断面図であるが、ベントパネルをその全開位置への移動における中間の位置で示している。
【図12】図11と同様の垂直断面図であるが、全開位置にあるベントパネルを示している。
【図13】図12と同様の垂直断面図であるが、ベントパネルの再閉動作における或る位置でのベントパネルを示している。
【図14】図13と同様の垂直断面図であるが、流体駆動ベント再閉機構と部分的に再閉されたベントパネルとの最初の接触を示している。
【図15】タブ構成要素が断裂状態にあり、また流体再閉器がベントパネルをその閉じた位置に移動させた後、流体再閉器が伸張している状態にある、再閉されたベントパネルの垂直断面図である。
【図16】移動可能なベントパネルアセンブリが被保護領域の検査のため、手動で開かれた状態にあるベントパネルの垂直断面図である。
【図17】ベントパネルを再閉するための別の構造としての、ベント支持フレームにより担持され、かつベントパネル支持構造に作動可能に接続されたねじりばねを有する全開型再閉爆発ベント装置の正面平面図である。
【図18】図17の矢印の方向に見た略18−18線に沿う部分垂直断面図である。
【図19】ベントパネルを再閉するための別の構造としての、ベント支持フレームに固定され、ベントパネル支持構造を包む一対の弾性バンドを有する全開型再閉爆発ベント装置の側面図であるが、各弾性バンドをベント支持枠に固定するはめ輪をより明確に示すためにベント支持ユニットの側方パネルが除去され、構造が分解されている。
【図20】図19の矢印の方向に見た略20−20線に沿う垂直断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超過圧力状態から保護すべき領域の排気口を蓋う位置に配置され、排気口と位置あわせされたベント開口を形成するベント支持ユニットと、
排気口を塞ぐ閉じた位置で、移動可能に前記ユニットに取り付けられ、前記閉じた位置から、開いた超過圧力除去位置まで移動可能なベントパネルと、
ユニット上にあり、ベントパネルに接続された、通常はベントパネルをその閉じた位置に維持する構造と、を含み、
前記構造がベントパネルに対するある強度の超過圧力の付加によりベントパネルを第一の移動として前記閉じた位置から第一の開いた超過除去位置まで移動させるよう作動し、かつパネルをベントパネルに対する、前記ある強度の圧力より高い第二の強度の超過圧力の付加により、前記第一の移動より大きい第二の移動として第二の開いた超過圧力除去位置まで移動させる、爆発ベント装置。
【請求項2】
ベントパネルに対して前記ある強度の圧力の超過圧力が付加されると、前記パネルが前記閉じた位置から第一の部分的に開いた超過圧力除去位置まで、またベントパネルに対して前記第二の強度の圧力の超過圧力が付加されると前記閉じた位置から第二の全開した超過圧力除去位置まで、移動可能な請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項3】
前記ある強度の圧力がベントパネルに付加されたとき、前記ベントパネルが破裂に耐えるように構成されている請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項4】
前記第二の強度の圧力がベントパネルに付加されたとき、前記ベントパネルが破裂に耐えるように構成された請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項5】
前記第一及び前記第二の強度の圧力が除去されると前記ベントパネルがその閉じた位置に戻り前記排気口を塞ぐように作動することができる請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項6】
通常はベントパネルをその閉じた位置に維持する前記構造が、超過圧力がベントパネルに加わると張力がタブ構成要素に加わるような向きで配置されている少なくともひとつの断裂可能なタブ構成要素を含み、前記タブ構成要素は断裂に耐え、前記第一の強度の圧力がベントパネルに付加されたとき、前記第一の移動としてベントパネルが前記第一の開いた超過圧力除去位置まで動き、前記少なくともひとつのタブは前記第二の強度の圧力がベントパネルに付加されたとき断裂し、前記第二の移動としてベントパネルが前記第二の開いた超過圧力除去位置まで動くことを可能とする請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項7】
ベントパネルがその前記開いた第二の位置まで移動できるようにまとまって断裂する、間隔を置いて配置した横方向に位置あわせされた、複数のタブ構成要素が設けられた請求項6に記載の爆発ベント装置。
【請求項8】
前記タブ構成要素の各々が2つの端部とその端部の間にある中央部を有し、前記中央部はタブ構成要素の端部の幅より狭い幅のくびれ部を画成する請求項7に記載の爆発ベント装置。
【請求項9】
前記タブ構成要素が対向する側方マージンと、各側方マージンから内側方向に延在するノッチとを有し、前記ノッチはタブ構成要素の側方マージンの横方向に位置あわせされていて、かつタブ構成要素のくびれ部を画成するよう作動する請求項8に記載の爆発ベント装置。
【請求項10】
各タブ構成要素とベントパネルとの間に配置され、前記ある強度の圧力がベントパネルに付加されるまでベントパネルが前記第一の移動工程として移動するのを防止するのに十分な圧縮力を集合的にベントパネルに付勢する弾性部材が設けられた請求項7に記載の爆発ベント装置。
【請求項11】
前記第二の移動としてベントパネルが移動した後にベントパネルをその閉じた位置に戻し、前記第二の強度の圧力の超過圧力を除去するための、ベントパネルと作動可能に連動した戻り構造が設けられた請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項12】
前記戻り構造が、超過圧力状態下でベントパネルが開いた後にベントパネルを再閉するための流体圧力により駆動される装置を含む請求項11に記載の爆発ベント装置。
【請求項13】
前記流体圧力により駆動される装置が、ベントパネルが所定量だけ開いて初めて、圧力により駆動される装置を駆動し、次いで圧力除去時にベントパネルをその閉じた位置に戻す構成要素を有するロストモーション機構を含む請求項12に記載の爆発ベント装置。
【請求項14】
前記戻し構造がねじりばねを備え、それが圧力除去時にベントパネルをその閉じた位置に戻すよう作動可能な請求項11に記載の爆発ベント装置。
【請求項15】
前記戻し構造が弾性バンドユニット構造を含み、それが圧力除去時にベントパネルをその閉じた位置に戻すよう作動可能な請求項11に記載の爆発ベント装置。
【請求項16】
前記ベントパネルを担持し支持ユニットに軸着されたフレームと、フレームを支持ユニットに固定する解除可能な接続部とを備え、前記フレームとベントパネルはその下に位置する排気口の検査を可能にする位置まで回動自在である請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項17】
前記ベントパネルが閉じた位置から前記開いた超過圧力除去位置まで移動するときの、脆弱線に沿ったベントパネルの屈折動作のための、前記構造から遠い一本の線を画成し、ベントパネルに沿った脆弱線を示す一連のスリットを備えた請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項18】
ベントパネルが中央の張り出した部分を有する請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項19】
超過圧力から保護されるべき領域の排気口を蓋う位置に配置され、排気口と位置あわせされたベント開口を画成するベント支持ユニットと、
排気口を塞ぐ閉じた位置で前記ユニットに軸着され、前記閉じた位置から開いた超過圧力除去位置まで回動自在であるベントパネルと、
ユニット上にあり、ベントパネルに接続され、ベントパネルをその閉じた位置に維持する構造と、を含み、
前記構造がベントパネルに対する超過圧力の付加時、ベントパネルの破裂なしに、前記閉じた位置から開いた超過圧力除去位置までの充分な移動により、前記構造がベントパネルの回動を可能とするように作動することができ、さらに前記超過圧力状態が除去されると、前記ベントパネルがその閉じた位置に戻り、前記排気口を塞ぐように作動することができる爆発ベント装置。
【請求項20】
前記構造が、通常はベントパネルをその閉じた位置に維持する、少なくともひとつのタブ構成要素を含み、前記タブ構成要素は超過圧力がベントパネルに加わると張力がタブ構成要素に付加されるような向きで配置されていて、前記所定の強度の超過圧力がベントパネルに付加されたとき前記タブ構成要素が断裂し、ベントパネルが移動により超過圧力状態を除去する前記開いた位置まで動くことを可能にする請求項19に記載の爆発ベント装置。
【請求項21】
前記タブ構成要素が少なくとも2つの区分を有するタブを含み、前記区分の一方が他方の区分より幅が狭い請求項20に記載の爆発ベント装置。
【請求項22】
タブ構成要素のすべてが断裂するのに必要な、ベントパネルに付加される超過圧力の強度を制御できるようにタブ構成要素の前記一方の区分の幅が変更可能である請求項21に記載の爆発ベント装置。
【請求項23】
前記タブ構成要素構成要素が2つの端部区分と中間区分とを有するタブを含み、中間区分が端部区分より幅が狭い請求項20に記載の爆発ベント装置。
【請求項24】
間隔を置いて配置され横方向に位置あわせされ、まとまって断裂し、ベントパネルがその前記第二の開いた位置まで移動することを可能にする複数のタブ構成要素を備えた請求項20に記載の爆発ベント装置。
【請求項25】
各タブ構成要素とベントパネルとの間に配置され、前記所定の強度の圧力の超過圧力がベントパネルに付加されるまで、ベントパネルが移動により前記開いた位置まで移動するのを防止するのに十分な所定の圧縮力をまとまってベントパネルに付加する弾性部材を備えた請求項24に記載の爆発ベント装置。
【請求項26】
前記弾性部材の各々が各タブ構成要素とベントパネルとの間に配置されたばねを含み、ベントパネルが開く前にベントパネルに付加されねばならない超過圧力の量を制御するように前記ばねの圧縮力が調節可能である請求項25に記載の爆発ベント装置。
【請求項27】
ベントパネルのその前記開いた超過圧力除去位置への移動の後、ベントパネルをその閉じた位置に戻すための、ベントパネルと係合可能な機構を備えた請求項19に記載の爆発ベント装置。
【請求項28】
閉じた位置にあるベントパネルの周囲を密封するガスケットを備えた請求項19に記載の爆発ベント装置。
【請求項29】
前記ガスケットがU字型の断面形状を有する請求項28に記載の爆発ベント装置。
【請求項30】
ベントパネルの一つのマージンを支持ユニットに接続するヒンジを備え、ベントパネルの円弧状の手動回動が可能で、排気口とその下流側の領域の目視検査が可能な請求項19に記載の爆発ベント装置。
【請求項31】
超過圧力状態から保護すべき領域の排気口を蓋う位置に配置され、排気口と位置あわせされたベント開口を形成するベント支持ユニットと、
排気口を塞ぐ閉じた位置において回動可能に前記ユニットに取り付けられ、前記閉じた位置から、開いた超過圧力除去位置まで回動可能なベントパネルと、
ベントパネルと支持ユニットとの間に接続されていて、所定の強度の超過圧力が排気口を通じてベントパネルに付加されるまでベントパネルをその閉じた位置に維持する断裂可能なタブ構造とを含み、
前記タブ構造は超過圧力が排気口を通してベントパネルに加わると張力がタブ構成要素に加わるような向きで配置され、前記タブ構造はタブ構造が断裂し、それによりベントパネルの開いた超過圧力除去位置への移動を可能にするのに充分な強度の超過圧力がベントパネルに付与されるまで張力に抗う爆発ベント装置。
【請求項1】
超過圧力状態から保護すべき領域の排気口を蓋う位置に配置され、排気口と位置あわせされたベント開口を形成するベント支持ユニットと、
排気口を塞ぐ閉じた位置で、移動可能に前記ユニットに取り付けられ、前記閉じた位置から、開いた超過圧力除去位置まで移動可能なベントパネルと、
ユニット上にあり、ベントパネルに接続された、通常はベントパネルをその閉じた位置に維持する構造と、を含み、
前記構造がベントパネルに対するある強度の超過圧力の付加によりベントパネルを第一の移動として前記閉じた位置から第一の開いた超過除去位置まで移動させるよう作動し、かつパネルをベントパネルに対する、前記ある強度の圧力より高い第二の強度の超過圧力の付加により、前記第一の移動より大きい第二の移動として第二の開いた超過圧力除去位置まで移動させる、爆発ベント装置。
【請求項2】
ベントパネルに対して前記ある強度の圧力の超過圧力が付加されると、前記パネルが前記閉じた位置から第一の部分的に開いた超過圧力除去位置まで、またベントパネルに対して前記第二の強度の圧力の超過圧力が付加されると前記閉じた位置から第二の全開した超過圧力除去位置まで、移動可能な請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項3】
前記ある強度の圧力がベントパネルに付加されたとき、前記ベントパネルが破裂に耐えるように構成されている請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項4】
前記第二の強度の圧力がベントパネルに付加されたとき、前記ベントパネルが破裂に耐えるように構成された請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項5】
前記第一及び前記第二の強度の圧力が除去されると前記ベントパネルがその閉じた位置に戻り前記排気口を塞ぐように作動することができる請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項6】
通常はベントパネルをその閉じた位置に維持する前記構造が、超過圧力がベントパネルに加わると張力がタブ構成要素に加わるような向きで配置されている少なくともひとつの断裂可能なタブ構成要素を含み、前記タブ構成要素は断裂に耐え、前記第一の強度の圧力がベントパネルに付加されたとき、前記第一の移動としてベントパネルが前記第一の開いた超過圧力除去位置まで動き、前記少なくともひとつのタブは前記第二の強度の圧力がベントパネルに付加されたとき断裂し、前記第二の移動としてベントパネルが前記第二の開いた超過圧力除去位置まで動くことを可能とする請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項7】
ベントパネルがその前記開いた第二の位置まで移動できるようにまとまって断裂する、間隔を置いて配置した横方向に位置あわせされた、複数のタブ構成要素が設けられた請求項6に記載の爆発ベント装置。
【請求項8】
前記タブ構成要素の各々が2つの端部とその端部の間にある中央部を有し、前記中央部はタブ構成要素の端部の幅より狭い幅のくびれ部を画成する請求項7に記載の爆発ベント装置。
【請求項9】
前記タブ構成要素が対向する側方マージンと、各側方マージンから内側方向に延在するノッチとを有し、前記ノッチはタブ構成要素の側方マージンの横方向に位置あわせされていて、かつタブ構成要素のくびれ部を画成するよう作動する請求項8に記載の爆発ベント装置。
【請求項10】
各タブ構成要素とベントパネルとの間に配置され、前記ある強度の圧力がベントパネルに付加されるまでベントパネルが前記第一の移動工程として移動するのを防止するのに十分な圧縮力を集合的にベントパネルに付勢する弾性部材が設けられた請求項7に記載の爆発ベント装置。
【請求項11】
前記第二の移動としてベントパネルが移動した後にベントパネルをその閉じた位置に戻し、前記第二の強度の圧力の超過圧力を除去するための、ベントパネルと作動可能に連動した戻り構造が設けられた請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項12】
前記戻り構造が、超過圧力状態下でベントパネルが開いた後にベントパネルを再閉するための流体圧力により駆動される装置を含む請求項11に記載の爆発ベント装置。
【請求項13】
前記流体圧力により駆動される装置が、ベントパネルが所定量だけ開いて初めて、圧力により駆動される装置を駆動し、次いで圧力除去時にベントパネルをその閉じた位置に戻す構成要素を有するロストモーション機構を含む請求項12に記載の爆発ベント装置。
【請求項14】
前記戻し構造がねじりばねを備え、それが圧力除去時にベントパネルをその閉じた位置に戻すよう作動可能な請求項11に記載の爆発ベント装置。
【請求項15】
前記戻し構造が弾性バンドユニット構造を含み、それが圧力除去時にベントパネルをその閉じた位置に戻すよう作動可能な請求項11に記載の爆発ベント装置。
【請求項16】
前記ベントパネルを担持し支持ユニットに軸着されたフレームと、フレームを支持ユニットに固定する解除可能な接続部とを備え、前記フレームとベントパネルはその下に位置する排気口の検査を可能にする位置まで回動自在である請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項17】
前記ベントパネルが閉じた位置から前記開いた超過圧力除去位置まで移動するときの、脆弱線に沿ったベントパネルの屈折動作のための、前記構造から遠い一本の線を画成し、ベントパネルに沿った脆弱線を示す一連のスリットを備えた請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項18】
ベントパネルが中央の張り出した部分を有する請求項1に記載の爆発ベント装置。
【請求項19】
超過圧力から保護されるべき領域の排気口を蓋う位置に配置され、排気口と位置あわせされたベント開口を画成するベント支持ユニットと、
排気口を塞ぐ閉じた位置で前記ユニットに軸着され、前記閉じた位置から開いた超過圧力除去位置まで回動自在であるベントパネルと、
ユニット上にあり、ベントパネルに接続され、ベントパネルをその閉じた位置に維持する構造と、を含み、
前記構造がベントパネルに対する超過圧力の付加時、ベントパネルの破裂なしに、前記閉じた位置から開いた超過圧力除去位置までの充分な移動により、前記構造がベントパネルの回動を可能とするように作動することができ、さらに前記超過圧力状態が除去されると、前記ベントパネルがその閉じた位置に戻り、前記排気口を塞ぐように作動することができる爆発ベント装置。
【請求項20】
前記構造が、通常はベントパネルをその閉じた位置に維持する、少なくともひとつのタブ構成要素を含み、前記タブ構成要素は超過圧力がベントパネルに加わると張力がタブ構成要素に付加されるような向きで配置されていて、前記所定の強度の超過圧力がベントパネルに付加されたとき前記タブ構成要素が断裂し、ベントパネルが移動により超過圧力状態を除去する前記開いた位置まで動くことを可能にする請求項19に記載の爆発ベント装置。
【請求項21】
前記タブ構成要素が少なくとも2つの区分を有するタブを含み、前記区分の一方が他方の区分より幅が狭い請求項20に記載の爆発ベント装置。
【請求項22】
タブ構成要素のすべてが断裂するのに必要な、ベントパネルに付加される超過圧力の強度を制御できるようにタブ構成要素の前記一方の区分の幅が変更可能である請求項21に記載の爆発ベント装置。
【請求項23】
前記タブ構成要素構成要素が2つの端部区分と中間区分とを有するタブを含み、中間区分が端部区分より幅が狭い請求項20に記載の爆発ベント装置。
【請求項24】
間隔を置いて配置され横方向に位置あわせされ、まとまって断裂し、ベントパネルがその前記第二の開いた位置まで移動することを可能にする複数のタブ構成要素を備えた請求項20に記載の爆発ベント装置。
【請求項25】
各タブ構成要素とベントパネルとの間に配置され、前記所定の強度の圧力の超過圧力がベントパネルに付加されるまで、ベントパネルが移動により前記開いた位置まで移動するのを防止するのに十分な所定の圧縮力をまとまってベントパネルに付加する弾性部材を備えた請求項24に記載の爆発ベント装置。
【請求項26】
前記弾性部材の各々が各タブ構成要素とベントパネルとの間に配置されたばねを含み、ベントパネルが開く前にベントパネルに付加されねばならない超過圧力の量を制御するように前記ばねの圧縮力が調節可能である請求項25に記載の爆発ベント装置。
【請求項27】
ベントパネルのその前記開いた超過圧力除去位置への移動の後、ベントパネルをその閉じた位置に戻すための、ベントパネルと係合可能な機構を備えた請求項19に記載の爆発ベント装置。
【請求項28】
閉じた位置にあるベントパネルの周囲を密封するガスケットを備えた請求項19に記載の爆発ベント装置。
【請求項29】
前記ガスケットがU字型の断面形状を有する請求項28に記載の爆発ベント装置。
【請求項30】
ベントパネルの一つのマージンを支持ユニットに接続するヒンジを備え、ベントパネルの円弧状の手動回動が可能で、排気口とその下流側の領域の目視検査が可能な請求項19に記載の爆発ベント装置。
【請求項31】
超過圧力状態から保護すべき領域の排気口を蓋う位置に配置され、排気口と位置あわせされたベント開口を形成するベント支持ユニットと、
排気口を塞ぐ閉じた位置において回動可能に前記ユニットに取り付けられ、前記閉じた位置から、開いた超過圧力除去位置まで回動可能なベントパネルと、
ベントパネルと支持ユニットとの間に接続されていて、所定の強度の超過圧力が排気口を通じてベントパネルに付加されるまでベントパネルをその閉じた位置に維持する断裂可能なタブ構造とを含み、
前記タブ構造は超過圧力が排気口を通してベントパネルに加わると張力がタブ構成要素に加わるような向きで配置され、前記タブ構造はタブ構造が断裂し、それによりベントパネルの開いた超過圧力除去位置への移動を可能にするのに充分な強度の超過圧力がベントパネルに付与されるまで張力に抗う爆発ベント装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公表番号】特表2009−523673(P2009−523673A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551496(P2008−551496)
【出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/060392
【国際公開番号】WO2007/133817
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(593224670)ファイク・コーポレーション (18)
【氏名又は名称原語表記】FIKE CORPORATION
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2007/060392
【国際公開番号】WO2007/133817
【国際公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(593224670)ファイク・コーポレーション (18)
【氏名又は名称原語表記】FIKE CORPORATION
【Fターム(参考)】
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