説明

六角底面ケース

【課題】 本発明は、使用時に底面が抜けにくい六角底面ケースを提供する。
【解決手段】 六角底面ケース1は、第1下辺〜第6下辺を有する平面視六角形の下方開口部を有し且つ折り畳み可能な筒状の周壁2と、前記下方開口部を塞ぐ底面5と、を有し、前記底面5が、右サイドフラップ片6と、左サイドフラップ片7と、センターフラップ片8と、を有し、前記センターフラップ片8の面内中央部には、第3下辺と平行なセンター折り罫線8aが形成され、前記右サイドフラップ片6及び左サイドフラップ片7の面内には、前記センター折り罫線8aの延長線上に沿って右サイド折り罫線6a及び左サイド折り罫線7aが形成され、前記センターフラップ片8は、前記センター折り罫線8aにおいて前記周壁2の内側方向のみに折り曲げ可能であり、前記センターフラップ片8が、右サイドフラップ片6及び左サイドフラップ片7の下面側に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、底面が六角形状に形成された折り畳み可能な六角底面ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、底面が六角形状に形成された折り畳み可能な六角底面ケースが知られている。
この六角底面ケースは、平面視六角形の下方開口部を有する六角柱状の周壁と、前記周壁の下方開口部を塞ぐ底面と、を有する。該六角底面ケースは、底面を周壁の内側に折り畳むことによってその全体を扁平状にでき、使用時には、折り畳まれていた底面を起立させることによって物品を収納可能な箱型に形成できる。
従来、この種の六角底面ケースとしては、例えば、特許文献1に記載の六角箱の折畳み構造が知られている。
【0003】
具体的には、特許文献1に記載の用語及び符号を援用して説明すると、この六角箱の折畳み構造は、面A1に折目b1を介して連設された底面B1と、面A6に折目b6を介して連設され且つ突縁C4を有する底面B6と、面A2に折目b2を介して連設された底面B2と、の3面を糊着して一体化し、他方、面A4に折目b4を介して連設された底面B4と、面A3に折目b3を介して連設され且つ突縁C2を有する底面B3と、面A5に折目b5を介して連設された底面B5と、の3面を糊着して一体化し、対向する突縁C2の付根P2と突縁C4の付根P4を係合させる。このように係合させることによって六角箱の底面が構成され、この六角箱は折り畳むこともできる。
【特許文献1】実公平2−4039号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の六角箱は、対向する突縁の付根を係合させることによって底面が構成されているため、箱内に比較的重い物品を入れたときに、前記突縁の係合が外れ、その結果、箱の底面が抜ける場合がある。
【0005】
本発明の目的は、不使用時に扁平状に折り畳むことができ、使用時に底面が抜けにくい六角底面ケースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の六角底面ケースは、第1下辺〜第6下辺を有する平面視六角形の下方開口部を有し且つ折り畳み可能な筒状の周壁と、前記下方開口部を塞ぐ底面と、を有し、前記底面が、隣接する第1下辺及び第2下辺に連設された右サイドフラップ片と、隣接する第4下辺及び第5下辺に連設された左サイドフラップ片と、対向する第3下辺及び第6下辺に連設されたセンターフラップ片と、を有し、前記センターフラップ片の面内中央部には、第3下辺と平行なセンター折り罫線が形成され、前記右サイドフラップ片の面内には、前記センター折り罫線の延長線上に沿って右サイド折り罫線が形成され、前記左サイドフラップ片の面内には、前記センター折り罫線の延長線上に沿って左サイド折り罫線が形成され、前記センターフラップ片は、前記センター折り罫線において前記周壁の内側方向のみに折り曲げ可能であり、前記センターフラップ片が、右サイドフラップ片及び左サイドフラップ片の下面側に配置されている。
【0007】
本発明の六角底面ケースは、右サイド折り罫線、左サイド折り罫線及びセンター折り罫線において、右サイドフラップ片、左サイドフラップ片及びセンターフラップ片を折り曲げることができる。従って、上記六角底面ケースは、周壁及び底面を扁平状に折り畳むことができる。一方、折り曲げられた右サイドフラップ片、左サイドフラップ片及びセンターフラップ片を平坦状に起立させることにより、周壁の下方開口部を塞ぐ底面を構成できる。
底面を構成するセンターフラップ片は、対向する第3下辺及び第6下辺に連設されており、且つ、センター折り罫線において前記周壁の内側方向のみに折り畳み可能であり、更に、センターフラップ片は、右サイドフラップ片及び左サイドフラップ片の下面側に配置されている。従って、本発明の六角底面ケースの底面は、右サイドフラップ片及び左サイドフラップ片の下面側に、周壁の外側方向へ折れ曲がり難いセンターフラップ片が重なって構成されている。従って、本発明の六角底面ケースは、ケース内に比較的重い物品を入れても、底面が抜ける虞がない。
【発明の効果】
【0008】
本発明の六角底面ケースは、不使用時に、扁平状に折り畳むことができる。また、本発明の六角底面ケースは、使用時に、右サイドフラップ片、左サイドフラップ片及びセンターフラップ片を平坦状に起立させることにより、容易に抜けにくい底面を形成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。なお、各部の用語の接頭語として、第1、第2などを付す場合があるが、該接頭語は、用語を区別するために付加されるものであり、各部の順序や優劣などを意味しない。
また、各図において、一点鎖線は、折り罫線を示す。折り罫線は、特に限定されず、例えば、シート材の厚み方向に切り込んだVノッチ線、ミシン目線などが挙げられる。
【0010】
図1〜図5に於いて、1は、シート材11を組み立てて形成された六角底面ケースを示す。
なお、図1は、六角底面ケース1を形成するために所定形状に切り抜かれたシート材の展開平面図である。
該六角底面ケース1は、上下に開口部を有する筒状の周壁2と、前記周壁2の上方開口部を塞ぐ蓋3と、前記周壁2の下方開口部を塞ぐ底面5と、を有する。
【0011】
六角底面ケース1を形成するシート材11としては、特に限定されず、従来公知のシートを用いることができる。
該シート材11としては、例えば、合成樹脂製シート、金属蒸着層を有する合成樹脂製シート、厚紙、及びこれらの積層シートなどが挙げられる。
好ましくは、シート材11としては、合成樹脂製シートを含むシートが用いられ、より好ましくは、合成樹脂製シート(2枚以上の合成樹脂製シートが積層された樹脂製シートを含む)が用いられる。合成樹脂製シートの材質としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアミド系などが挙げられる。
【0012】
また、シート材11は、透明性に優れたシートを用いることが好ましい。該透明性に優れたシートとしては、全光線透過率が70%以上であるシートが好ましく、より好ましくは80%以上であり、さらに好ましくは90%以上である。ただし、全光線透過率は、JIS K7105(プラスチックの光学的特性試験方法)に準拠した測定法によって測定される値をいう。
【0013】
上記シート材11は、無色であることが好ましいが、透明性を損なわない範囲で着色されていてもよい。また、シート材11には、必要に応じて、所望の意匠印刷が施されていてもよい。
シート材11の厚みは、特に限定されないが、好ましくは0.2mm〜1.0mm程度である。中でも、適度な剛性を有することから、厚み0.2mm〜0.6mm程度の透明なポリプロピレン製シートを用いることが好ましい。
【0014】
周壁2は、連設された第1〜第6壁面21〜26を有し、第1〜第6壁面21〜26の境界には、上下方向に且つ平行に第1〜第6折り罫線21a〜26aがそれぞれ形成されている。
周壁2は、第1壁面21の側部に延設された糊代片27(図1参照)を第6壁面26に接着し且つ第1〜第6折り罫線21a〜26aにおいて折り曲げることによって、六角筒状に形成されている。好ましくは、前記周壁2は、隣接する壁面の成す角が約60度となる正六角筒状に形成されている。
該周壁2は、対向する第2折り罫線22a及び第5折り罫線25aにおいて山折りすることによって、扁平状に折り畳むことができる。また、扁平状に折り畳んだ周壁2は、第2折り罫線22a及び第5折り罫線25aにおいて、外側から内側へ押圧することによって六角筒状に起立させることができる。
なお、本明細書において、山折りとは、周壁2の外側方向へ折られることをいい、谷折りとは、周壁2の内側方向へ折られることをいう。
【0015】
周壁2の上方開口部は、第1〜第6壁面21〜26の各上辺21b〜26bから形成されており、周壁2の下方開口部は、第1〜第6壁面21〜26の各下辺21c〜26cから形成されている。従って、起立させた状態の周壁2の上方開口部及び下方開口部は、平面視六角形状(好ましくは、平面視正六角形状)である。
なお、第1壁面21の上辺21bを「第1上辺21b」といい、第2〜第6壁面22〜26の上辺22b〜26bも同様に「第2〜第6上辺22b〜26b」という。また、第1壁面21の下辺21cを「第1下辺21c」といい、第2〜第6壁面22〜26の下辺22c〜26cも同様に「第2〜第6下辺22c〜26c」という。
【0016】
蓋3は、第3上辺23bに連設されている。蓋3は、周壁2の上方開口部の形状に合致する平面視六角形状に形成されている。六角形状の蓋3の隣接しない辺には、差込み部31が延設されている。該差込み部31は、蓋3を閉じたときに、第1壁面21及び第5壁面25に形成された切込み部28に差し込まれる。
また、第1上辺21b、第2上辺22b、第4上辺24b及び第5上辺25bには、平面視略台形状の小フラップ片32がそれぞれ連設されている。この小フラップ片32は、蓋3を閉じたときに、周壁2の上方開口部と蓋3の間に介在し、両者間の隙間を塞ぐ。
【0017】
さらに、第6上辺26bには、折り罫線を介して、平面視略矩形状の突出フラップ片33が連設されている。この突出フラップ片33は、蓋3を閉じたときに上方へ突出される。該突出フラップ片33は、例えば、ケースの持ち手部分として利用できる。また、図示したように突出フラップ片33の面内に孔34を穿設することによって、該突出フラップ片33は、吊下げ部として利用することもできる。
なお、第1〜第6上辺21b〜26b上には、蓋3、小フラップ片32及び突出フラップ片33を折り曲げやすくするため、折り罫線が形成されている。
【0018】
前記底面5は、隣接する第1下辺21c及び第2下辺22cに連設された右サイドフラップ片6と、隣接する第4下辺24c及び第5下辺25cに連設された左サイドフラップ片7と、対向する第3下辺23c及び第6下辺26cに連設されたセンターフラップ片8と、を有する。
なお、上記各フラップ片6,7,8を折り曲げ易くするため、第1下辺21c〜第6下辺26c上に、それぞれ折り罫線が形成されている。
【0019】
右サイドフラップ片6は、第1下辺21cから延設された第1右サイドフラップ部61と、第1下辺21cに隣接する第2下辺22cから延設された第2右サイドフラップ部62と、を有する。
第1右サイドフラップ部61は、第1下辺21cの一方端部(第1折り罫線21aに隣接する端部)から前記第1折り罫線21aの略延長線上に延びる辺を有し且つ第1下辺21cの他方端部(第2折り罫線22aに隣接する端部)から約60度の斜辺を有して延設された平面視略台形状の右サイド本体部611と、前記右サイド本体部611の斜辺から延設された平面視略正三角形状の右サイド糊代部612と、を有する。
【0020】
さらに、第1右サイドフラップ部61の面内には、前記斜辺上に右サイド折り罫線6aが形成されている。また、第1右サイドフラップ部61の斜辺の先端部は、第2右サイドフラップ部62側へと突出している。この突出により、第1右サイドフラップ部61の先端部には、係合用の右サイド段部63が形成されている。
第2右サイドフラップ部62は、第2下辺22cの一方端部(第2折り罫線22aに隣接する端部)からから約60度の斜辺を有し且つ第2下辺22cの他方端部(第3折り罫線23aに隣接する端部)から前記第3折り罫線23aの略延長線上に延びる辺を有する。
【0021】
上記第2右サイドフラップ部62の斜辺が右サイド折り罫線6aを越えないようにしつつ、第2右サイドフラップ部62に右サイド糊代部612を重ねて接着することによって、右サイドフラップ片6が構成されている。
なお、図1において、第1右サイドフラップ部61と第2右サイドフラップ部62の接着部分を網掛けで示す。
【0022】
かかる右サイドフラップ片6が第1下辺21c及び第2下辺22cに連設されていることにより、周壁2の起立状態において、第1下辺21cと第2下辺22cとの成す角が約120度となる。
また、周壁2の起立状態において、右サイド折り罫線6aは、第1下辺21cの他方端部(第2折り罫線22aに隣接する端部)を起点として第3下辺23cと平行に延びている(右サイド折り罫線6aと第1下辺21cとの成す角が約60度となる)。
従って、右サイドフラップ片6の面内に形成された右サイド折り罫線6aは、後述するセンターフラップ片8のセンター折り罫線8aの延長線上に位置している。
【0023】
上記右サイドフラップ片6は、右サイド折り罫線6aにおいて谷折りでき、周壁2の内側方向のみに折り曲げ可能である。このように右サイドフラップ片6を周壁2の内側方向のみに折り曲げるようにする方法として、本実施形態では、右サイド折り罫線6aとしてVノッチが用いられ、該Vノッチが右サイドフラップ片6の上面側から刻設されている。
また、右サイドフラップ片6を周壁2の内側方向のみに折り曲げ可能とする他の方法としては、第2右サイドフラップ部62の先端部が右サイド折り罫線6aを越えて第1右サイドフラップ部61の上面に重ねられ、右サイド折り罫線6aを越えた先端部を除いて、第2右サイドフラップ部62が第1センターフラップ部81の上面に接着すればよい(この方法は、後述するセンターフラップ片8と同様である)。
【0024】
左サイドフラップ片7は、第4下辺24cから延設された第1左サイドフラップ部71と、第4下辺24cに隣接する第5下辺25cから延設された第2左サイドフラップ部72と、を有する。
第1左サイドフラップ部71は、第4下辺24cの一方端部(第4折り罫線24aに隣接する端部)から前記第4折り罫線24aの略延長線上に延びる辺を有し且つ第4下辺24cの他方端部(第5折り罫線25aに隣接する端部)から約60度の斜辺を有して延設された平面視略台形状の左サイド本体部711と、前記左サイド本体部711の斜辺から延設された平面視略正三角形状の左サイド糊代部712と、を有する。
【0025】
さらに、第1左サイドフラップ部71の面内には、前記斜辺上に左サイド折り罫線7aが形成されている。また、第1左サイドフラップ部71の斜辺の先端部は、第2左サイドフラップ部72側へと突出している。この突出により、第1左サイドフラップ部71の先端部には、係合用の左サイド段部73が形成されている。
第2左サイドフラップ部72は、第5下辺25cの一方端部(第5折り罫線25aに隣接する端部)からから約60度の斜辺を有し且つ第5下辺25cの他方端部(第6折り罫線26aに隣接する端部)から前記第6折り罫線26aの略延長線上に延びる辺を有する。
【0026】
上記第2左サイドフラップ部72の斜辺が左サイド折り罫線7aを越えないようにしつつ、第2左サイドフラップ部72に左サイド糊代部712を重ねて接着することによって、左サイドフラップ片7が構成されている。
なお、図1において、第1左サイドフラップ部71と第2左サイドフラップ部72の接着部分を網掛けで示す。
【0027】
かかる左サイドフラップ片7が第4下辺24c及び第5下辺25cに連設されていることにより、周壁2の起立状態において、第4下辺24cと第5下辺25cとの成す角が約120度となる。
また、周壁2の起立状態において、左サイド折り罫線7aは、第4下辺24cの他方端部(第5折り罫線25aに隣接する端部)を起点として第3下辺23cと平行に延びている(左サイド折り罫線7aと第4下辺24cとの成す角が約60度となる)。
従って、左サイドフラップ片7の面内に形成された左サイド折り罫線7aは、後述するセンターフラップ片8のセンター折り罫線8aの延長線上に位置している。
【0028】
上記左サイドフラップ片7は、左サイド折り罫線7aにおいて谷折りでき、周壁2の内側方向のみに折り曲げ可能である。このように左サイドフラップ片7を周壁2の内側方向のみに折り曲げるようにする方法としては、上記右サイドフラップ片6で示した方法が挙げられる。
【0029】
上記右サイドフラップ片6及び左サイドフラップ片7は、起立状態(右サイド折り罫線6a及び左サイド折り罫線7aにおいて折り曲げず、平坦状にした状態)では、右サイドフラップ片6の先端部と左サイドフラップ片7の先端部が重なると共に、右サイドフラップ片6の右サイド段部63と左サイドフラップ片7の左サイド段部73が係合し合う(図4参照)。
【0030】
センターフラップ片8は、第3下辺23cから延設された平面視略矩形状の第1センターフラップ部81と、第6下辺26cから延設された平面視略矩形状の第2センターフラップ部82と、を有する。第2センターフラップ部82の延設長さは、第1センターフラップ部81の延設長さの約1/2倍よりも少し長く形成されている。さらに、第1センターフラップ部81の面内の中央部には、第3下辺23cと平行なセンター折り罫線8aが形成されている。
【0031】
第2センターフラップ部82の先端部がセンター折り罫線8aに跨るようにして、第1センターフラップ部81の上面に第2センターフラップ部82の下面を重ねると共に、第1センターフラップ部81の先端部からセンター折り罫線8aまでの領域と第2センターフラップ部82の下面とを接着することによって、センターフラップ片8が構成されている。従って、センターフラップ片8は、第3下辺23c及び第6下辺26cに架け渡されるように連設されている。
なお、図1において、第1センターフラップ部81と第2センターフラップ部82の接着部分を網掛けで示す。
【0032】
第1センターフラップ部81及び第2センターフラップ部82が、上記のように重ねられ且つ接着されていることによって、センターフラップ片8は、センター折り罫線8aにおいて谷折りすることができる。一方、第2センターフラップ部82は、その先端部がセンター折り罫線8aを越えているので、上記センターフラップ片8は、山折りすることはできない。従って、センターフラップ片8は、周壁2の内側方向のみに折り曲げ可能である。
【0033】
このセンターフラップ片8は、右サイドフラップ片6及び左サイドフラップ片7の下面側に配置されている。従って、センターフラップ片8は、右サイドフラップ片6及び左サイドフラップ片7の下面の一部分に重なるように配置され、この右サイドフラップ片6及び左サイドフラップ片7を下方から支持している。
【0034】
上記六角底面ケース1は、第2折り罫線22a及び第5折り罫線25aにおいて周壁2を山折りすると同時に、右サイド折り罫線6a、左サイド折り罫線7a及びセンター折り罫線8aにおいて右サイドフラップ片6、左サイドフラップ片7及びセンターフラップ片8を谷折りすることにより、全体として扁平状に折り畳むことができる(図6参照)。
右サイド折り罫線6a及び左サイド折り罫線7aは、センター折り罫線8aの延長線上に形成されているので、各折り罫線6a,7a,8aにて折り曲げた右サイドフラップ片6、左サイドフラップ片7及びセンターフラップ片8は、何れも扁平状に折り畳まれる。
【0035】
扁平状に折り畳まれた六角底面ケース1は、第2折り罫線22a及び第5折り罫線25aにおいて周壁2を内側へ押圧することによって、周壁2が第1〜第6折り罫線21a〜26aにて起立し始めると共に、右サイドフラップ片6、左サイドフラップ片7及びセンターフラップ片8が起立し始める(図7参照)。
そして、周壁2が六角筒状になると同時に、右サイドフラップ片6、左サイドフラップ片7及びセンターフラップ片8が平坦状となる(図5参照)。平坦状となった右サイドフラップ片6と左サイドフラップ片7は、右サイド段部63と左サイド段部73が互いに係合し、この係合した右サイドフラップ片6と左サイドフラップ片7の下面側に、平坦状となったセンターフラップ片8が位置する。
センターフラップ片8は、対向する第3下辺23c及び第6下辺26cに連設され、且つ周壁2の内側方向のみに折れ曲げ可能であり(換言すると、周壁2の外側方向へ折れ曲がり難い)、更に、右サイドフラップ片6と左サイドフラップ片7の下面側に位置している。このため、該センターフラップ片8によって、右サイドフラップ片6と左サイドフラップ片7が下方から支持される。よって、右サイドフラップ片6、左サイドフラップ片7及びセンターフラップ片8から形成された底面5は、ケース内に比較的重い物品を入れても抜ける虞がない。
周壁2及び底面5を形成した六角底面ケース1の上方開口部は、蓋3によって開閉される。
【0036】
次に、本発明の六角底面ケース1の他の実施形態を示す。
以下、他の実施形態について説明するが、上記実施形態と同様の構成及び効果についてはその説明を省略し、用語及び図番を援用する場合がある。
上記実施形態では、センターフラップ片8は、平面視略矩形状であるが、これに限定されず、図8〜図10に示すように、センターフラップ片8は、平面視六角形状に形成されていてもよい。
なお、図8〜図10において、上記実施形態と同様の部分に、上記実施形態と同じ符号を付している。
【0037】
また、上記実施形態では、起立状態の右サイドフラップ片6及び左サイドフラップ片7は、先端部において係合するように構成されているが、例えば、図8〜図10に示すように、右サイドフラップ片6及び左サイドフラップ片7は、非係合とされていてもよい。この場合、右サイドフラップ片6と左サイドフラップ片7は、図10に示すように、離反しているが、右サイドフラップ片6及び左サイドフラップ片7の下面全体又は下面の一部分に重なるように、センターフラップ片8が配置されていることにより、底面5の抜けを防止できる。
【0038】
また、上記実施形態では、起立状態の周壁2は、六角筒状であるが、この形状に限定されない。例えば、周壁2は、対向する2つの折り罫線のみが形成されていてもよい。このように対向する2つの折り罫線(上記実施形態の第2折り罫線と第5折り罫線に相当)が形成されていれば、周壁2を扁平状に折り畳むことができる。一方、周壁2を起立させた状態においては、六角筒状にならなくても、周壁2内に物品を収納できる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の1つの実施形態に係る六角底面ケースを構成するシート材の展開平面図。
【図2】同六角底面ケースの開蓋状態の正面図。
【図3】同六角底面ケースの底面図。
【図4】同六角底面ケースの一部省略底面図(センターフラップ片を省略)。
【図5】図2のA−A線で切断した縦断面図。
【図6】同六角底面ケースを扁平状に折り畳んだ状態の縦断面図。
【図7】同六角底面ケースを起立させる途中の縦断面図。
【図8】本発明の他の実施形態に係る六角底面ケースを構成するシート材の展開平面図。
【図9】同六角底面ケースの底面図。
【図10】同六角底面ケースの一部省略底面図(センターフラップ片を省略)。
【符号の説明】
【0040】
1…六角底面ケース、2…周壁、21a〜26a…第1〜第6折り罫線、21b〜26b…第1〜第6上辺、21c〜26c…第1〜第6下辺、3…蓋、5…底面、6…右サイドフラップ片、6a…右サイド折り罫線、7…左サイドフラップ片、7a…左サイド折り罫線、8…センターフラップ片、8a…センター折り罫線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1下辺〜第6下辺を有する平面視六角形の下方開口部を有し且つ折り畳み可能な筒状の周壁と、前記下方開口部を塞ぐ底面と、を有する六角底面ケースであって、
前記底面が、隣接する第1下辺及び第2下辺に連設された右サイドフラップ片と、隣接する第4下辺及び第5下辺に連設された左サイドフラップ片と、対向する第3下辺及び第6下辺に連設されたセンターフラップ片と、を有し、
前記センターフラップ片の面内中央部には、第3下辺と平行なセンター折り罫線が形成され、
前記右サイドフラップ片の面内には、前記センター折り罫線の延長線上に沿って右サイド折り罫線が形成され、前記左サイドフラップ片の面内には、前記センター折り罫線の延長線上に沿って左サイド折り罫線が形成され、
前記センターフラップ片は、前記センター折り罫線において前記周壁の内側方向のみに折り曲げ可能であり、
前記センターフラップ片が、右サイドフラップ片及び左サイドフラップ片の下面側に配置されていることを特徴とする六角底面ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−18297(P2010−18297A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−178611(P2008−178611)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000238005)株式会社フジシールインターナショナル (641)
【出願人】(000202154)相互印刷紙器株式会社 (43)
【Fターム(参考)】