説明

共焦点内視鏡装置

【課題】レーザ光の走査位置が多少ずれたとしても、集光レンズからレーザ光がはみ出さないよう自動校正可能な共焦点内視鏡装置を提供する。
【解決手段】共焦点内視鏡装置は、走査部材と、走査部材を第1の方向に揺動可能に支持するマウントと、先端部が走査部材の先端に固定されレーザ光を導光する光ファイバと、走査部材を第1の方向に揺動しレーザ光を第1の方向に走査させる主駆動手段と、光ファイバから出射されるレーザ光が入射面に入射され該レーザ光を出射面側の焦点位置に集光させる集光レンズとを内視鏡先端部に備え、焦点位置からの戻り光を検出する共焦点内視鏡装置であって、集光レンズの入射面の周縁部に入射したレーザ光を検出するエラー検出手段と、エラー検出手段の検出結果に基づいて主駆動手段を制御し、レーザ光が周縁部に入射しないように走査部材の揺動範囲を制御するエラー校正手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共焦点内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体組織のスライス像を非侵襲的に観察するための装置として、共焦点内視鏡装置が利用されている。共焦点内視鏡装置は、レーザ光を、生体組織において観察を希望する観察面上で焦点を結ばせると共に、この焦点位置を、観察面上で連続的に変化させて走査を行う。
【0003】
上記レーザ光の走査を行うため、共焦点内視鏡装置は、例えば特許文献1に記載されているもののような、チューニングフォーク(走査部材)を共焦点内視鏡の内視鏡先端部に内蔵している。チューニングフォーク及び、チューニングフォークを駆動するためのコイルの一例の側面図を図11に示す。図11に示されるチューニングフォーク1140は、長板状の基部1141と、この基部1141の先端から基部1141の大凡長軸方向に延びる一対のアーム1142及び1143を有する。アーム1142及び1143の夫々は、基部1141の厚さ方向を幅方向とする長板状の部材である。なお、以下の説明においては、基部1141の長軸方向をZ軸方向、基部1141の厚さ方向(すなわち、アーム1142及び1143の幅方向)をY軸方向、Z軸方向とY軸方向の双方に垂直な方向(すなわち、基部1141の幅方向)をX軸方向と定義する。
【0004】
一対のアーム1142及び1143は、共にX軸コイル1161中に配置されている。また、一対のアームの一方1142(図中上側)には永久磁石(Xマグネット)1163が取りつけられている。また、上記一対のアームの一方1142は十分な大きさの板厚を有しており容易には撓まないようになっていると共に、上記一対のアームの他方1143は薄板状に形成されており容易に撓むようになっている。そのため、X軸コイル1161に交流電流を流すと、Xマグネット1163からの磁束とX軸コイル1161によって他方のアーム1143に作用する磁束との相互作用により、他方のアーム1143はアームの面に垂直な方向(すなわち、X軸方向)に振動するようになっている。他方のアーム1143の振動周期および振幅は、交流電流の大きさや周期並びにXマグネット1163の磁力及び取りつけ位置によって決まる。
【0005】
チューニングフォーク1140は、その中央部(基部1141において、一対のアーム1142、1143に近接する部分)がゴム製のマウント1166に保持されるようになっており、このマウント1166の位置を中心にY軸方向に揺動可能となっている。チューニングフォーク1140の基部1141はY軸コイル1162内に配置されていると共に、基部1141の基端(一対のアーム1142、1143に対して遠位となる端部)近傍には、永久磁石(Yマグネット)1164が配置されている。このような構成において、Y軸コイル1162にのこぎり波状の電流を流すと、Yマグネット1164からの磁束とY軸コイル1162によって生じる磁束との相互作用により、チューニングフォーク1140は、マウント1166の位置を中心に、基部1141の面に垂直な方向(すなわちY軸方向)に揺動する。このとき、チューニングフォーク1140の基部1141の基端は、Y軸コイル1162に流されるのこぎり波状の電流の大きさと方向に応じた位置に移動する。
【0006】
共焦点観察の為のレーザ光を被検体としての生体組織に導く為の光ファイバ1150は、他方のアーム1143に沿って配置されており、その先端部1151は他方のアーム1143の先端部に固定されている。そのため、X軸コイル1161とY軸コイル1162に流す電流を制御することによって、他方のアーム1143の向き、すなわちレーザ光の射出方向を変化させることが可能である。そして、他方のアーム1143の振動周期の複数倍(観察するスライス像の解像度による。数10倍〜数1000倍程度)の周期で揺動させることによって、マウント1166の位置を中心とする球面の一部である観察面上をレーザ光の焦点で走査することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2008−514970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、チューニングフォーク1140は、その略中央部をマウント1166によって支持されている。ここで、共焦点内視鏡をY軸方向が上下方向となるような状態のままにしておくと、Xマグネット1163の重量によるモーメントがマウント1166に加わった状態となる。このようなモーメントが長時間加え続けられると、ゴム製のマウント1166に劣化が生じ、モーメントが解除されてもチューニングフォーク1140がマウント1166に対してY軸方向に傾斜したままの状態となる可能性がある。
【0009】
このような状態で走査を行うと、共焦点内視鏡において光ファイバ1150の先端側に配置された集光レンズからレーザ光がはみ出す可能性があり、正しい走査画像を取得できなくなる可能性がある。このような問題が発生した場合は、従来は共焦点内視鏡をメーカに送り、メーカ側でチューニングフォーク1140の位置調整を行う等修理を行っていた。
【0010】
本発明は上記の問題を解決するものである。すなわち、本発明は、レーザ光の走査位置が多少ずれたとしても、集光レンズからレーザ光がはみ出さないよう自動校正可能な共焦点内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明の共焦点内視鏡装置は、走査部材と、走査部材を第1の方向に揺動可能に支持するマウントと、先端部が走査部材の先端に固定されレーザ光を導光する光ファイバと、走査部材を第1の方向に揺動しレーザ光を第1の方向に走査させる主駆動手段と、光ファイバから出射されるレーザ光が入射面に入射され該レーザ光を出射面側の焦点位置に集光させる集光レンズとを内視鏡先端部に備え、焦点位置からの戻り光を検出する共焦点内視鏡装置であって、集光レンズの入射面の周縁部に入射したレーザ光を検出するエラー検出手段と、エラー検出手段の検出結果に基づいて主駆動手段を制御しレーザ光が周縁部に入射しないように走査部材の揺動範囲を制御するエラー校正手段とを有する。
【0012】
このような構成とすると、光ファイバの先端から出射されるレーザ光が確実に集光レンズに入射されるように、走査部材の揺動範囲が自動制御される。すなわち、本発明によれば、集光レンズからレーザ光がはみ出さないよう自動校正される。
【0013】
また、エラー検出手段が、周縁部に設けられ、光ファイバから出射されるレーザ光を反射して光ファイバに戻す反射ミラーと、反射ミラーで反射され光ファイバに戻された反射レーザ光を検出する反射レーザ光検出手段とを有する構成としても良い。
【0014】
この場合は、反射ミラーは、マウントによる走査部材の支持点を中心とする球面状の凹面鏡である構成とすることが好ましい。このような構成とすると、反射ミラーで反射したレーザ光を確実に光ファイバの先端に戻すことが可能となる。
【0015】
また、反射ミラーは、反射ミラーに入射したレーザ光の波長とは異なる波長の反射レーザ光を反射する構成とすることが好ましい。
【0016】
このような構成とすると、反射レーザ光検出手段は、反射ミラーで反射したレーザ光のみを選択的に検出することが可能となる。
【0017】
また、エラー検出手段が、反射レーザ光と戻り光とを波長に基づいて分光する分光手段を有する構成としても良い。
【0018】
また、エラー検出手段は、周縁部へのレーザ光の入射が主駆動手段による走査の前半部分で発生したか後半部分で発生したかを検出可能であり、周縁部へのレーザ光の入射が走査の前半部分で発生したことを検出した時は、走査の開始位置が集光レンズの中央寄りに移動するように走査の開始位置及び終了位置をシフトさせ、周縁部へのレーザ光の入射が走査の後半部分で発生したことを検出した時は、走査の終了位置が集光レンズの中央寄りに移動するように走査の開始位置及び終了位置をシフトさせる構成としても良い。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、レーザ光の走査位置が多少ずれたとしても、集光レンズからレーザ光がはみ出さないよう自動校正可能な共焦点内視鏡装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態の共焦点内視鏡装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の光学ユニットのブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の共焦点内視鏡の内視鏡先端部の斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態のチューニングフォークの斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態の共焦点内視鏡の内視鏡先端部の断面図である。
【図6】チューニングフォークが正常な位置にあるときの図5のA−A線図である。
【図7】チューニングフォークが異常な位置にあるときの図5のA−A線図の一例である。
【図8】チューニングフォークが異常な位置にあるときの図5のA−A線図の別例である。
【図9】本発明の実施の形態による、Y方向スキャン制御信号およびレンズ枠反射信号のタイムチャートである
【図10】本発明の実施の形態の、チューニングフォーク位置補正ルーチンのフローチャートである。
【図11】従来構成のチューニングフォーク及びチューニングフォークを駆動するためのコイルの一例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の共焦点内視鏡装置1のブロック図である。本実施形態の共焦点内視鏡装置1は、共焦点内視鏡100と、画像処理装置200とを有する。本実施形態の共焦点内視鏡装置1は、共焦点内視鏡100内に挿通された光ファイバ150を用いて、共焦点内視鏡100の内視鏡先端部101近傍の被検体の生体スライス像を取得するものである。
【0022】
具体的には、光ファイバ150の光ファイバ基端部152は、画像処理装置200の光学デバイス部230に接続されている。
【0023】
図2は、光学デバイス部230のブロック図である。図2に示されるように、光学デバイス部230は内視鏡用レーザ光源233と、内視鏡観察用受光ユニット234と、反射光検出ユニット235と、第1分光ユニット231と、第2分光ユニット232を内蔵している。
【0024】
第1分光ユニット231は、第1端231aと一対の第2端231bを有しており、第1端231aに入射した光を一対の第2端231bに分光して送ると共に、第2端231bに入射した光を第1端231aに送る光カプラである。同様に、第2分光ユニット232は、第1端232aと一対の第2端232bを有しており、第1端232aに入射した光を一対の第2端232bに分光して送ると共に、第2端232bに入射した光を第1端232aに送る光カプラである。第1分光ユニット231の第1端231aは、光ファイバ150の光ファイバ基端部152に接続されており、一対の第2端231bは、夫々第2分光ユニット232の第1端232a及び反射光検出ユニット235に光ファイバ(点線で示す)を介して接続されている。また、第2分光ユニット232の一対の第2端232bは、夫々内視鏡用レーザ光源233及び内視鏡観察用受光ユニット234に光ファイバ(点線で示す)を介して接続されている。
【0025】
内視鏡用レーザ光源233は、レーザ光αを出射する。レーザ光αは、第2分光ユニット232及び第1分光ユニット231を介して、光ファイバ基端部152に入射する。光ファイバ基端部152に入射したレーザ光は、光ファイバ150の内部を通って光ファイバ先端部151から出射し、内視鏡先端部101に内蔵されたレンズユニット130に入射される。レンズユニット130は、全体として正のパワーを有する組レンズを有しており、この組レンズによって、レーザ光は、内視鏡先端部101(図1)の近傍で焦点を結ぶようになっている。この焦点位置が生体組織の表面又は内部である場合は、レーザ光は焦点位置にて反射又は散乱し、一部の光が戻り光βとしてレンズユニット130を介して光ファイバ先端部151に入射する。
【0026】
戻り光βは、光ファイバ150に導かれて光学デバイス部230に戻り、光学デバイス部230の第1分光ユニット231及び第2分光ユニット232を介して内視鏡観察用受光ユニット234に入射する。内視鏡観察用受光ユニット234は、レンズユニット130と同一のパワーを有するレンズユニット(不図示)と、このレンズユニットの焦点の位置に設けられたピンホール(不図示)と、ピンホールを通過した光を受光する受光素子(不図示)を備えている。ここで、ピンホールを通過した戻り光βの状態(輝度や色等)は、レンズユニット130の焦点位置の状態を示したものとなる。
【0027】
また、図1に示されるように、内視鏡先端部101には、アクチュエータMが内蔵されている。詳細は後述するが、アクチュエータMは、光ファイバ先端部151を3軸方向に移動させることによって、レーザ光αの焦点位置を3軸方向に移動させることが可能である。アクチュエータMを制御することによって、レーザ光αの焦点位置を特定の観察面上を走査させ、各焦点位置での戻り光βの情報を内視鏡観察用受光ユニット234にて取得することによって、上記観察面における生体組織の情報を得ることができる。この生体組織の情報は、画像処理装置200のドライブ/プロセス回路220に送られる。ドライブ/プロセス回路220は、上記観察面上の生体組織の情報をデジタルデータに変換し、画像処理装置200のシステムコントローラ210に送る。そして、システムコントローラ210は、上記デジタルデータから、観察面の状態を示す画像データを作成し、これを画像信号処理回路240に送る。画像信号処理回路240は、画像データをドライブ/プロセス回路220から入力される所定のタイミングに従って所定の形式のビデオ信号(例えば、NTSC方式のビデオ信号)に変換して、ディスプレイコネクタ241に出力する。以上のような構成により、本実施形態の共焦点内視鏡装置1は、ディスプレイコネクタ241に接続される外部モニタ(不図示)に生体組織を上記観察面上でスライスしたスライス像を表示させることができる。
【0028】
なお、本実施形態においては、アクチュエータMは、共焦点内視鏡100の長軸方向(Z軸)に垂直な2軸(X軸及びY軸)方向にレーザ光αの焦点位置を移動させるように走査を行うように設定されている。この走査を行うための制御は、共焦点内視鏡100の内視鏡基端部102に内蔵されているドライブ/プロセス回路171によって制御される。共焦点内視鏡100側のドライブ/プロセス回路171と、画像処理装置200側のドライブ/プロセス回路220とは、信号ケーブルによって接続されており、共焦点内視鏡100側のドライブ/プロセス回路171及び画像処理装置200側のドライブ/プロセス回路220とで走査タイミングやデータの取得タイミング周期等の同期をとるように構成される。従って、上記走査のタイミングや周期は、共焦点内視鏡100側と画像処理装置200側とで同期がとられてシステムコントローラ210に送られる。システムコントローラ210は、この走査タイミング等に基づいて、スライス像の画像データを作成する。
【0029】
また、共焦点内視鏡100側のドライブ/プロセス回路171には、操作部173が接続されている。操作部173は、複数のスイッチで構成され、操作部173を操作することによって、例えば、レーザ光αの焦点位置をZ軸方向に移動させることができる(すなわち、観察面の深度を変更することができる)。
【0030】
次に、アクチュエータMの構成について説明する。図3は、共焦点内視鏡100の内視鏡先端部101の斜視図である。図3に示されるように、内視鏡先端部101は、外筒110を有している。外筒110の先端側には、レンズユニット130が配置されている。また、外筒110の内部には、内筒120が摺動可能に配置されている。レンズユニット130は、内筒120に固定されている。また、内筒120の中途には、マウント166が固定されている。マウント166は、チューニングフォーク140(特許請求の範囲における「走査部材」)をその中途で保持している。
【0031】
チューニングフォーク140について以下に説明する。図4は、チューニングフォーク140の斜視図である。図4に示されるように、チューニングフォーク140は、Y軸方向が板厚方向、Z軸方向が長軸方向となるような長板状の基部141と、基部141の先端で二又に別れてZ軸方向に延びる第1アーム142及び第2アーム143を有している。第1アーム142及び第2アーム143は、共にX軸方向が大凡の板厚方向、Z軸方向が大凡の長軸方向となるような長板状の部材である。また、第1アーム142には、Xマグネット163が固定されている。また、図4に示されるように、第1アーム142と第2アーム143とは、X軸方向に並べて配置されている。さらに、図3及び図4に示されるように、第2アーム143の外側面(第1アーム142に対して遠位となる側の面)143aには、光ファイバ150が固定されており、光ファイバ先端部151は、第2アーム143の先端に配置されている。
【0032】
図3に示されるように、内筒120のマウント166よりも先端側には、X軸コイル161が固定されている。第1アーム142及び第2アーム143は、共にX軸コイル161の内部に挿通されている。チューニングフォーク140は、軟磁性材料(例えばケイ素鋼)であり、X軸コイル161に電流を流すことによって、チューニングフォーク140の内部に磁束が通過するようになり、第2アーム143を通過する磁束と、Xマグネット163から放射される磁束との相互作用により、第1アーム142及び第2アーム143には、X軸方向の力が加わる。ここで、第1アーム142の板厚は、第2アーム143の板厚よりも十分に大きく、上記X軸方向の力が加わった場合は、専ら第2アーム143が撓み、第1アーム142はほとんど撓まない。このように、X軸コイル161に電流を流すことにより、第2アーム143をX軸方向に屈曲させることができる。ここで、X軸コイル161に交流電流を流すことにより、極めて高い周波数で、第2アーム143の先端(すなわち、光ファイバ先端部151)をX軸方向に往復運動させることができる。換言すれば、X軸コイル161に交流電流を流すことにより、レーザ光α(図2)の焦点の位置がX軸方向に走査される。
【0033】
次に、レーザ光αをY軸方向に走査させる機構について、図3、図4及び、内視鏡先端部101をYZ平面で切断した断面図である図5を参照して説明する。図3に示されるように、内筒120のマウント166よりも基端側には、Y軸コイル162が固定されている。チューニングフォーク140の基部141はY軸コイル162の内部に通されている。さらに、内筒120の基端側端部には、Yマグネット164が固定されている。Yマグネット164は、図5に示されるように、その一方の磁極164aが先端側の面のY軸方向中央部に配置されたマグネットである。また、Yマグネット164の磁極164aと、チューニングフォーク140の基部141の基端面141aとは近接している。前述のように、チューニングフォーク140は軟磁性材料から形成されているので、Y軸コイル162に電流を流すと、チューニングフォーク140を通る磁束とYマグネット164の磁極164aからの磁束との相互作用により、チューニングフォーク140の基部141の基端面141aには、Y軸コイル162に流れる電流の方向及び大きさ並びに基端面141aとYマグネット164の磁極164aの距離に応じた大きさの引力又は斥力が働き、この引力又は斥力によって、チューニングフォーク140は、マウント166による支持点P(図5)を中心としてY軸方向に揺動する。すなわち、本実施形態においては、Y軸コイル162に流す電流の大きさ及び方向を制御することによって、Y軸方向の所望の位置にチューニングフォーク140の基部141の基端面141aを移動させることができる。そして、Y軸コイル162に流す電流の大きさ及び方向を周期的に変化させることによって、基端面141aを(すなわち、支持件Pを挟んで基端面141aの反対側に位置する光ファイバ先端部151を)Y軸方向に走査させることができる。
【0034】
以上のように、本実施形態においては、X軸コイル161及びY軸コイル162に流す電流を制御することによって、光ファイバ先端部151、すなわち、レーザ光α(図2)の焦点位置を、XY平面上で走査させることが可能となる。なお、本実施形態においては、第2アーム143の屈曲によるX軸方向の往復運動の周期を、基部141の揺動によるY軸方向の往復運動の周期の数100倍〜数1000分の位置とし、X軸方向の走査を主走査、Y軸方向の走査を副走査としている。すなわち、Y軸方向の往復運動の往路にて主走査を多数回繰り返すことによって、1枚のスライス像に相当する情報を得るようになっている。また、Y軸方向の走査においては、復路でのチューニングフォーク140の揺動速度を、往路での揺動速度よりも大幅に速くすることにより、往路中での主走査の回数を極力多くとり、より解像度の高いスライス像を短い副走査期間で得られるようになっている。
【0035】
また、Yマグネット164の基端側には、Z軸アクチュエータ165が配置されている。Z軸アクチュエータ165は、リニアモータ等により、内筒120を外筒110に対してZ軸方向に進退させることによって、光ファイバ先端部151及びレンズユニット130をZ軸方向に移動させ、レーザ光α(図2)の焦点の位置をZ軸方向に移動させることができる。なお、図1に示されるアクチュエータMは、X軸コイル161、Y軸コイル162、Xマグネット163、Yマグネット164及びZ軸アクチュエータ165によって構成されるものである。
【0036】
次に、本実施形態の共焦点内視鏡装置1による、走査範囲の校正機構について説明する。図6は、チューニングフォーク140が正常な位置にあるときの図5のA−A線図である。本実施形態においては、チューニングフォーク140が正常な位置にある状態では、走査を行っている時のレーザ光αの軌跡Lは、図6に示されるように、その全てがレンズユニット130のレンズ面131に位置する正常領域走査LNを行う。
【0037】
しかしながら、例えばX軸方向の走査の繰り返しによって、第2アーム143が自然状態でもX軸方向に屈曲したままとなる(第2アーム143が永久変形する)可能性がある。このような状態で走査を行うと、レーザ光αの軌跡Lの一部が、レンズ面131からはずれ、レンズ面の外側を走査する可能性がある。レンズ面の外側を走査するレーザ光αは観察対象となる生体組織に入射することはないため、上記のように、レーザ光αの軌跡Lの一部がレンズ面の外側を走査すると、正確な範囲のスライス像が得られないことになる。このため、本実施形態においては、第1アーム142の外側面(第2アーム143に対して遠位となる面)142bに、シート状の圧電センサ167を取りつけている(図4)。圧電センサ167は、X軸方向の振動を検出可能なセンサであり、圧電センサ167によって、第2アーム143の屈曲の方向及び程度を検出することができる。図1に示されるように、圧電センサ167は、共焦点内視鏡100のドライブ/プロセス回路171に接続されている。ドライブ/プロセス回路171は、圧電センサ167を介して検出した第2アーム143の屈曲範囲から、レーザ光αのX軸方向の走査範囲を求め、このX軸方向の走査範囲が、確実にレンズユニット130のレンズ面131の範囲内となるように、X軸コイル161に与える電流を制御している。
【0038】
また、共焦点内視鏡100の内視鏡先端部101を、Y軸が鉛直方向となるような状態にして、Xマグネット163の重量によってチューニングフォーク140がY軸方向に傾斜した状態が長期間に亙って続くと、上記Y軸方向の傾斜によるX軸周りのモーメントがマウント166に加わったままの状態となる。マウント166はゴム製であるため、長期間に亙って一定の方向のモーメントを受け続けると劣化により、モーメントが除荷された後も、チューニングフォーク140がY軸方向に傾いたままとなる。図7は、このような状態において走査を行った時の、図5のA−A線図である。チューニングフォーク140がY軸方向に傾いたままの状態で走査を行うと、図7に示されるように、レーザ光αの軌跡Lが全体的にY軸方向にシフトし、その一部が、レンズ面131に入射しない異常領域走査LEを行うこととなる。このように異常領域走査LE(図中一点鎖線部)が生じた状態では、正確な範囲のスライス像を得ることができなくなる。
【0039】
本実施形態においては、共焦点内視鏡装置1の起動時に、異常領域走査LEが生じているかどうかの判定を行い、異常領域走査LEが生じている時は、Y軸コイル162に加える電流を調整して、異常領域走査LEが発生しないよう、チューニングフォーク140のY軸方向の揺動範囲を調整するよう構成されている。
【0040】
異常領域走査LEの発生を検出するため、レンズユニット130のレンズ面131の周縁部には、図5、図6及び図7に示されるように、環状の反射ミラー168が固定されている。反射ミラー168は、図5に示されるように、反射面が支持点Pを中心とする球面状の凹面鏡である。前述のように、チューニングフォーク140は支持点Pを中心にY軸方向に揺動するものであり、また、マウント166は、第2アーム143の根本部分(すなわち、基部141と第2アーム143の境界)にてチューニングフォーク140を支持しているため、第2アーム143は、大凡支持点Pを中心に揺動するように屈曲する。従って、第2アーム143の先端部分、すなわち光ファイバ先端部151は、支持点Pを中心とする球面C(図5)上に位置する。そのため、光ファイバ先端部151から出射されるレーザ光αの光路は、支持点Pを通過する直線上に位置し、反射ミラー168で反射する反射光γ(図2)は、同じく支持点Pを通過する直線上を通過し、光ファイバ先端部151に確実に入射する。
【0041】
反射光γは、図2に示されるように、光ファイバ150を通って第1分光ユニット231の第1端231aに入射し、次いで、第2端231bから出射して反射光検出ユニット235に入射する。反射光検出ユニット235は、入射した反射光γを検出することによって、レンズユニット130のレンズ面131からはずれたレーザ光αがあるかどうか、すなわち、チューニングフォーク140のY軸方向の揺動範囲を調整する必要があるかどうかの検出を行うことができるようになっている。
【0042】
上述のように、光ファイバ先端部151に入射する光は、生体組織の表面又は内部で反射した戻り光βと反射ミラー168で反射した反射光γであるが、戻り光βと反射光γの波長とが同じである場合にはこれらを明確に区別することは困難である。そこで、本実施形態においては、反射ミラー168の反射面に波長変換機能を持たせた構成としている。具体的には、反射ミラー168上にコーティングを施し、反射ミラー168に入射するレーザ光αの波長とは異なる波長の反射光が反射するようになっている。そして、第1分光ユニット231は、戻り光βと反射光γとの波長の違いを利用してこれらを分光し、戻り光βは第2分光ユニット232aに送られ、反射光γは反射光検出ユニット235にそれぞれ送られる。
【0043】
なお、共焦点内視鏡100の姿勢によっては、チューニングフォーク140がY軸方向とZ軸周りの双方に傾いた状態となる可能性がある。そのような別例における図5のA−A線図を図8に示す。チューニングフォーク140のY軸方向の傾斜とZ軸周りの傾斜(すなわち、Z軸周りの回転)が同時に発生すると、図8に示されるように、レーザ光αの軌跡Lがレンズ面131の中心点CPに対して回転した状態で、さらに、レーザ光αの一部がレンズ面131に入射しない異常領域走査LEを行うこととなる。この場合、異常領域走査LEは、図7の状態と比べるとレンズ面131の中心点CP周りに回転した位置に発生するが、本実施形態においては、反射ミラー168が円環状であるため、図8のような状態であっても、異常領域走査LEの発生を検出可能である。
【0044】
本実施形態による、異常領域走査LEの発生の検出及び、チューニングフォーク140のY軸方向の揺動範囲の自動調整を行うための方法について、以下に説明する。図9は、画像処理装置200のドライブ/プロセス回路220が、Y軸コイル162を制御するためのY方向制御信号と、反射光検出ユニット235が検出する反射光信号を示すタイムチャートである。なお、Y方向制御信号は、光ファイバ先端部151のY方向の目標位置を示す信号である。また、図10は、チューニングフォーク140のY軸方向の揺動範囲の自動調整を行うために、画像処理装置200のシステムコントローラ210によって実行されるルーチン(プログラム)のフローチャートである。なお、このプログラムは、画像処理装置200の記憶デバイス250(図1)から読み出されて実行されるものである。
【0045】
図10のフローチャートに示されるルーチンは、共焦点内視鏡装置1の起動時に実行される。本ルーチンが開始すると、ステップS1が実行される。
【0046】
ステップS1では、システムコントローラ210は、ドライブ/プロセス回路220を制御して、内視鏡用レーザ光源233(図2)を点灯させる。次いで、ステップS2に進む。
【0047】
ステップS2では、システムコントローラ210は、ドライブ/プロセス回路220を制御して、X軸コイル161及びY軸コイル162を駆動して、レーザ光αのXY方向の走査を開始する。次いでステップS3に進む。
【0048】
ステップS3では、システムコントローラ210は、内蔵するタイマのカウントをリセットする。次いで、ステップS4に進む。
【0049】
図9のタイムチャートに示されるように、走査が開始すると、Y軸コイル162は、光ファイバ先端部151が副走査の開始位置(前述の往路の開始位置)に移動するような信号を生成する。光ファイバ先端部151が初期位置から副走査の開始位置に移動するまでの時間(t〜t間の時間)はToである。そのため、ステップS4では、タイマが時間Toを示す(すなわち、光ファイバ先端部151が初期位置から副走査の開始位置に移動する)まで待機する(S4:NO)。タイマが時間Toを示した後(S4:YES)、ステップS5に進む。
【0050】
ステップS5では、反射光検出ユニット235による反射光γの検出を開始する。具体的には、反射光検出ユニット235から出力される反射光信号は、反射光γを検出した時にレベルHとなるものであり、システムコントローラ210は、反射光信号がレベルHになっている時間のカウントを開始する。次いで、ステップS6に進む。
【0051】
本実施形態においては、副走査の開始(図9:t)から終了(図9:t)迄にかかる時間は2Tiであり、走査の開始から副走査の前半が終了する(図9:t)迄の時間はTo+Tiである。そのため、ステップS6では、タイマが時間To+Tiを示す(すなわち、副走査の前半が完了する)まで待機する(S6:NO)。タイマが時間To+Tiを示した後(S6:YES)、ステップS7に進む。
【0052】
ステップS7では、ステップS5から現在まで(すなわち、図9のt〜t間)に反射光γが検出された時間を変数Rに代入する。次いでステップS8に進む。
【0053】
ステップS8では、タイマが時間To+2Tiを示す(すなわち、一回の副走査が完了する)まで待機する(S8:NO)。タイマが時間To+2Tiを示した後(S8:YES)、ステップS9に進む。
【0054】
ステップS9では、ステップS5から現在まで(すなわち、図9のt〜t間)に反射光γが検出された時間を変数Rに代入する。次いでステップS10に進む。
【0055】
ステップS10では、反射光検出ユニット235による反射光γの検出を終了する。次いで、ステップS11に進む。
【0056】
ステップS11では、変数RとRの差分を演算し、演算結果を変数Rに代入する。変数Rの内容は、副走査の後半(図9のt〜t間)に反射光γが検出された時間である。次いで、ステップS12に進む。
【0057】
ステップS12では、変数Rの内容と変数Rの内容の比較が行われる。R及びRが0である場合、すなわち、副走査期間(図9のt〜t)の全域に亙って反射光γが検出されなかった場合(S12:R=R=0)、異常領域走査LEが発生していないことを意味するため、ステップS13に進む。
【0058】
ステップS13では、システムコントローラ210は、画像信号処理回路240の初期化などの、システム起動処理を行い、次いで、本ルーチンを終了する。
【0059】
一方、ステップS12において、変数Rが変数Rよりも十分大きい、すなわち、副走査の前半にて専ら反射光γが検出された場合(S12:R》R)は、ステップS14に進む。
【0060】
ステップS14では、次の副走査から、副走査の開始位置及び終了位置が、夫々正方向(副走査の開始位置から終了位置に向かう方向)に所定のオフセット値Δy(図9)だけ移動するよう、Y方向制御信号の値を変更する。この結果、次回の副走査では、副走査の開始位置が、オフセット値Δyだけレンズ面131の中心に近づく方向に移動する。次いで、ステップS16に進む。
【0061】
また、ステップS12において、変数Rが変数Rよりも十分大きい、すなわち、副走査の後半にて専ら反射光γが検出された場合(S12:R》R)は、ステップS15に進む。
【0062】
ステップS15では、次の副走査から、副走査の開始位置及び終了位置が、夫々負方向(副走査の終了位置から開始位置に向かう方向)に所定のオフセット値Δy(図9)だけ移動するよう、Y方向制御信号の値を変更する。すなわち、次回の副走査においては、図9に示されるY方向制御信号は、図中一点鎖線で示される波形となる。この結果、次回の副走査では、副走査の終了位置が、オフセット値Δyだけレンズ面131の中心に近づく方向に移動する。次いで、ステップS16に進む。
【0063】
ステップS16では、本ルーチンの開始から、ステップS14又はS15にて行われたオフセットの累計が、所定の上限値を超えたかどうかの判定を行っている。オフセットの累計が上限値を超えたのであれば、レンズユニット130に入射するレーザ光αのずれが、校正できる範囲を超えていることを意味するため(S16:YES)、ステップS17に進む。
【0064】
ステップS17では、システムコントローラ210は、レンズユニット130に入射するレーザ光αのずれが、校正できる範囲を超えていることを報知するエラー出力(例えば、故障ランプの点灯)を行った後、共焦点内視鏡装置1のシステム停止処理を行い、次いで本ルーチンを終了する。
【0065】
一方、ステップS16において、オフセットの累計が上限値を超えていないのであれば、仮に次回の副走査において、未だレーザ光αのずれが発生したとしても、校正する余地が残されていることを意味するため(S16:NO)、ステップS18に進む。
【0066】
副走査の完了(図9:t)から、光ファイバ先端部151が初期位置に戻る(図9:t´)までの時間はToである。ステップS18では、タイマが時間2To+2Tiを示す(すなわち、光ファイバ先端部151が初期位置に戻る)まで待機する(S18:NO)。タイマが時間2To+2Tiを示した後(S18)は、ステップS3に戻り、次の副走査での反射光γの検出を行う。
【0067】
以上のように、本ルーチンが実行されると、反射光γが検出されなくなるか、レンズユニット130に入射するレーザ光αのずれが校正できる範囲を超えていることが分かるまで、ステップS3〜S18のループが繰り返される。従って、最初の副走査でのレーザ光αのずれが校正できる範囲内であれば、ステップS3〜S18のループを繰り返すことにより、最終的に、走査時に全てのレーザ光αがレンズ面131に入射する状態となるよう、チューニングフォーク140のY軸方向の揺動範囲の自動調整が行われることになる。
【0068】
以上説明した本実施形態においては、反射ミラー168によって、レンズユニット130のレンズ面131からはずれたレーザ光αを反射ミラー168によって反射させて光ファイバ150に戻し、画像処理装置200側に内蔵された反射光検出ユニット235にて反射光γを検出する構成としているが、本発明は上記構成に限定されるものではない。例えば、反射ミラー168の代わりに、レンズユニット130のレンズ面131からはずれたレーザ光αを入射させる為の、円環状の入射面を有するライトガイドを反射ミラー168の代わりに使用し、ライトガイドによって導かれる光を、共焦点内視鏡100に内蔵された受光センサで検出する構成としてもよい。或いは、反射ミラー168の代わりに、円環状の入射面を備えた受光センサを使用して、レンズ面131からはずれたレーザ光αを直接検出する構成としてもよい。
【0069】
また、本実施形態においては、反射ミラー168の反射面に波長変換機能を持たせた構成とし、第1分光ユニット231は、戻り光βと反射光γとの波長の違いを利用してこれらを分光する構成としたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、戻り光βは反射光γと比較して光量が著しく小さくなるため、この光量差を利用してこれらを分光しても良い。この場合、反射ミラー168の反射面は一般的なミラー面で構成され、第1分光ユニット231は、光ファイバ先端部151に入射される光の光量に応じて分岐を切換える光スイッチで構成される。
【符号の説明】
【0070】
1 共焦点内視鏡装置
100 共焦点内視鏡
101 内視鏡先端部
102 内視鏡基端部
110 外筒
120 内筒
130 レンズユニット
131 レンズ面
140 チューニングフォーク
141 基部
141a 基端面
142 第1アーム
143 第2アーム
143a 外側面
143b 内側面
150 光ファイバ
151 光ファイバ先端部
152 光ファイバ基端部
161 X軸コイル
162 Y軸コイル
163 Xマグネット
164 Yマグネット
164a 磁極
165 Z軸アクチュエータ
166 マウント
167 圧電センサ
168 反射ミラー
171 ドライブ/プロセス回路
173 操作部
200 画像処理装置
210 システムコントローラ
220 ドライブ/プロセス回路
230 光学デバイス部
231 第1分光ユニット
231a 第1端
231b 第2端
232 第2分光ユニット
232a 第1端
232b 第2端
233 内視鏡用レーザ光源
234 内視鏡観察用受光ユニット
235 反射光検出ユニット
240 画像信号処理回路
241 ディスプレイコネクタ
250 記憶デバイス
CP 中心点
L 軌跡
LN 正常領域走査
LE 異常領域走査
M アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査部材と、
前記走査部材を第1の方向に揺動可能に支持するマウントと、
先端部が前記走査部材の先端に固定され、レーザ光を導光する光ファイバと、
前記走査部材を前記第1の方向に揺動し、前記レーザ光を前記第1の方向に走査させる主駆動手段と、
前記光ファイバから出射される前記レーザ光が入射面に入射され、該レーザ光を出射面側の焦点位置に集光させる集光レンズと、
を内視鏡先端部に備え、前記焦点位置からの戻り光を検出する共焦点内視鏡装置であって、
前記集光レンズの前記入射面の周縁部に入射した前記レーザ光を検出するエラー検出手段と、
前記エラー検出手段の検出結果に基づいて前記主駆動手段を制御し、前記レーザ光が前記周縁部に入射しないように前記走査部材の揺動範囲を制御するエラー校正手段と、
を有することを特徴とする共焦点内視鏡装置。
【請求項2】
前記エラー検出手段が、
前記周縁部に設けられ、前記光ファイバから出射される前記レーザ光を反射して前記光ファイバに戻す反射ミラーと、
前記反射ミラーで反射され前記光ファイバに戻された反射レーザ光を検出する反射レーザ光検出手段と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の共焦点内視鏡装置。
【請求項3】
前記反射ミラーは、前記マウントによる前記走査部材の支持点を中心とする球面状の凹面鏡であることを特徴とする請求項2に記載の共焦点内視鏡装置。
【請求項4】
前記反射ミラーは、前記反射ミラーに入射した前記レーザ光の波長とは異なる波長の前記反射レーザ光を反射することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の共焦点内視鏡装置。
【請求項5】
前記エラー検出手段が、前記反射レーザ光と前記戻り光とを波長に基づいて分光する分光手段を有することを特徴とする請求項4に記載の共焦点内視鏡装置。
【請求項6】
前記エラー検出手段は、前記周縁部への前記レーザ光の入射が前記主駆動手段による前記走査の前半部分で発生したか後半部分で発生したかを検出可能であり、
前記周縁部への前記レーザ光の入射が前記走査の前半部分で発生したことを検出した時は、前記走査の開始位置が前記集光レンズの中央寄りに移動するように前記走査の開始位置及び終了位置をシフトさせ、
前記周縁部への前記レーザ光の入射が前記走査の後半部分で発生したことを検出した時は、前記走査の終了位置が前記集光レンズの中央寄りに移動するように前記走査の開始位置及び終了位置をシフトさせる
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の共焦点内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−78733(P2012−78733A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226207(P2010−226207)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】