説明

共結晶

本発明はプロピコナゾールと共結晶形成化合物の共結晶に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規なプロピコナゾール共結晶及び殺カビ剤組成物、特に農薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
プロピコナゾールはトリアゾール群からの殺カビ剤であり、ステロイド脱メチル化(エルゴステロール生合成)阻害剤である。保護及び病効作用を有し、木質部に求項的転移を有する浸透葉殺カビ剤である。標識施用率でプロピコナゾールは例えば、穀類のCochlibolus sativus、Erysiphe graminis、Leptospaeria nodorum、Puccinia種、Pyrenophora teres、Pyrenophora titici-repentis、Rynchosporiumu secalisおよびSeptoria種;バナナMycosphaerella musicolaならびにMycosphaerella fijiensis変異性difformis;芝生Sclerotinia homoeocarpa、Rhizoctonia solani、Puccinia種、Erysiphe graminis;イネRhizoctonia solani、Helminthosporium oryzaeおよび汚円錐花序複合種;コーヒーノキHemileia vastatrix;落花生Cercospora種;石果Monilinia種、Podosphaera種、Sphaerotheca種、およびTranzschelia種;及びトウモロコシHelminthosporium種によりもたらされる非常に多くの病気を規制する。プロピコナゾールは「農薬要覧」(“The Pesticide Manual”)[The Pesticide Manual - 世界大要(A World Compendium);第13版;編者:トムリン(C. D. S. Tomlin);英国農作物保護評議会(The British Crop Protection Council)]見出し項目番号(675)のもとで記載される。
【0003】
異性組成物に依存してプロピコナゾールは一般的に帯黄色、無臭、-10〜60度の粘稠液体である。室温で長時間にわたって結晶化することは知られている。さらに農薬配合物の加工処理及び貯蔵の間に生ずることがある相当の温度変動のためにピコナゾールは大きくて望ましくない粒子の発生につながる融解ならびに再結晶化周期を経験するかもしれない。これらの粒子は、例えば製品の塗布の間に噴霧ノズルを閉塞しうる。加えてそのような融解ならびに再結晶化事象は、製品を均質配合物として維持することが難く、これは稀釈槽へ輸送中に及び適当な稀釈濃度を確保することにおいて問題につながるかもしれないことを意味する。かくしてこれらの課題を克服し、しかるになお有利な殺カビ性を保持するであろう新規形態のプロピコナゾールの必要が存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「農薬要覧」(“The Pesticide Manual”)、 編者:トムリン(C. D. S. Tomlin)、英国農作物保護評議会(The British Crop Protection Council)、第13版
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
それ故に本発明は商業的入手可能なプロピコナゾール変種よりも高融点を有する新規な共結晶形のプロピコナゾールを提供する。相当に単一融解発熱量として示差走査熱量測定法(DSC)により測定される共結晶の融点は50℃を越え、好ましくは80〜140℃である。もっと適当に融点は100〜130℃である。最も適当に融点は125〜135℃である。
【0006】
特にこの発明はプロピコナゾールと共結晶形成化合物またはビフェニル誘導体との共結晶であって、共結晶形成化合物がヒドロキシル(アルコール及びフェノールを含む)、ケトン、カルボン酸、アミド、第一アミン、第二アミン、第三アミン、sp2アミン、ジアゾ、N-複素環式環、ピリミジンもしくはピリジンから選択される少なくとも1つの官能基を有する共結晶形成化合物かまたはビフェニル誘導体が一方もしくは両方のフェニル環のオルト、メタまたはパラ位の少なくとも1つは-OH,-ROH,-C(O)H,-C(O)R',-COOH,-RCOOH,-NH2,-RNH2,-NHR',-RNHR',-NR'2,-RNR'2,-NHOR',-RNHOR'(式中、Rはアルキレン基またはアシル基(-C(O)R”-)であり、R'はアルキル基であり、しかもR”はアルキレン基である)から選択される適当な水素結合官能基で独立に置換されたビフェニル誘導体である共結晶を提供する。
【0007】
少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する適当な共結晶形成化合物はこれらに限定されないが、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、7-オキソ-DHEA、アセトヒドロキシアミド酸、アロプリナオール、アスコルビン酸、クリシン、くえん酸、D-リボース、ガラクタン酸、ゲニステイン、ゲンチシン酸、N-メチルグルカミン、グルコン酸、グルコサミン、グルカロン酸、グリコール酸、ヒドロキノン、ラクトビオン酸、リンゴ酸、マンデル酸、パモイン酸、ピリドキサミン、ピリドキシン、ケルセチン、レスベラトロール、4-アミノサリチル酸、サリチル酸、セリン、トレオニン、TRIS、チロシン、ビタミンK5及びキシリトールを含む。
【0008】
ヒドロキシル基を有する好ましい共結晶形成化合物は1,9-ノナンジオールのようなC4-20アルカンジオールおよび2,3,5,6-テトラヒドロキシベンゾキノンのような環状ポリオールである。
【0009】
少なくとも1つのカルボン酸を含有する適当な共結晶形成化合物はこれらに限定されないが、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、4-アミノ安息香酸、酢酸、アジピン酸、アラニン、アルギニン、アスコルビン酸、アスパラギン、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、2-フェノキシ安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、カプリン酸、樟脳酸、桂皮酸、くえん酸、システイン、ジメチルグリシン、蟻酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコン酸、グルカロン酸、グルタミン酸、グルタミン、グルタル酸、グリシン、グリコール酸、馬尿酸、ヒスチジン、イソロイシン、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、ロイシン、リシン、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メチオニン、ニコチン酸、オロチン酸、蓚酸、パルミチン酸、パモイン酸、フェニルアラニン、プロリン、プロピオン酸、ピログルタミン酸、ピラジンカルボン酸、4-アミノサリチル酸、サリチル酸、セバシン酸、セリン、ステアリン酸、琥珀酸、酒石酸、チオシアン酸、トレオニン、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、トリプトファン、チロシン、バリンを含む。カルボン酸基を有する好ましい共結晶形成化合物は15-ヒドロキシペンタデカン酸のように1つから3つのヒドロキシルまたはアミノ基で所望により置換されるC4-20アルカン酸である。
【0010】
少なくとも1つのアミン官能基を含有する適当な共結晶形成化合物はこれらに限定されないが、4-アミノ安息香酸、4-アミノピリジン、4-エトキシフェニル尿素、アセトヒドロキシアミド酸、アデニン、アラニン、アロプリナオール、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シクラミン酸、システイン、ジメチルグリシン、N-メチルグルカミン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、馬尿酸、ヒスチジン、イミダゾール、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、ピペラジン、プロカイン、プラリン、ピリドキサミン、サッカリン、セリン、トレオニン、TRIS、トリプトファン、チロシン、尿素、バリン及びビタミンK5を含む。アミン基を有する適当な共結晶形成化合物はメチルヒドラジノカルボキシレートを含む。
【0011】
少なくとも1つのピリジン基を含有する適当な共結晶形成化合物はこれらに限定されないが、4-アミノピリジン、ニコチンアミド、ニコチン酸、ピリドキサミン及びピリドキシンを含む。ピリジン基を有する適当な共結晶形成化合物は5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン、2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン、ニコチンアミドおよびイソニコチンアミドのように一以上のアルキル基、ヒドロキシル基またはアミド基で置換されるピリジンである。
【0012】
少なくとも1つのピリミジン基を含有する適当な共結晶形成化合物は4-(3H)-ピリミジノンを含む。
【0013】
好ましくはビフェニル誘導体の水素結合官能基は-OH,-ROH,-COOH,-RCOOH,-NH2,-RNH2,-NHR'及び-RNHR'の1つまたはそれ以上から選択される。
【0014】
ビフェニル誘導体の例は4-アミノビフェニル、2-アミノビフェニル、4-フェニルベンジルアミン、2-アミノ-4-フェニルフェノール、5-フェニル-o-アニシジン、3,3'-ジアミノベンジジン、o-ジアニシジン、ビフェニル-4-カルボン酸、ビフェニル-2-カルボン酸、4'-メチル-2-ビフェニルカルボン酸、4-ビフェニル酢酸、4'-ヒドロキシ-4-ビフェニルカルボン酸、フェンブフェン、2-フェニルフェノール、4-フェニルフェノール、3-フェニルフェノール、2-ビフェニルメタノール、ビフェニル-4-メタノール、4,4'-ジヒドロキシビフェニル、2,2'-ビフェノール、2-フェニルヒドロキノン、2-メチル-3-ビフェニルメタノール、1-(4-ビフェニリル)1-エタノールおよび2,2'-ジフェニルジメタノール、N,N,N',N'-テトラメチルベンジジン、2-メチル-3-ビフェニルメタノール、1-(4-ビフェニリル)1-エタノール、ビフェニル-4-カルボキシアルデヒド、4-アセチル-ビフェニル及び4,4'-ジアセチルビフェニルである。
【0015】
最も好ましくはビフェニル誘導体は4,4'-ジヒドロキシビフェニル.あるいは4,4-ジヒドロキシシクロヘキシリジンビスフェノールである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)プロピコナゾール工業銘柄、(b)プロピコナゾール-4,4'-ジヒドロキシビフェニル共結晶及び(c)4,4'-ジヒドロキシビフェニルの粉末X線回折図形を示す図である。
【図2】(a)プロピコナゾール-4,4'-ジヒドロキシビフェニル共結晶及び(b)4,4'-ジヒドロキシビフェニルの示差走査熱量形跡を示す図である。
【図3】(a)プロピコナゾール工業銘柄、(b)プロピコナゾール-4,4'-ジヒドロキシビフェニル共結晶及び(c)4,4'-ジヒドロキシビフェニルのラマンスペクトルを示す図である。
【図4】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-4,4-シクロヘキシリデンビスフェノール共結晶(b)及び4,4-シクロヘキシリデンビスフェノール(c)の粉末X線回折図形である。
【図5】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-4,4-シクロヘキシリデンビスフェノール共結晶(b)及び4,4-シクロヘキシリデンビスフェノール(c)のDSC形跡である。
【図6】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-イソニコチンアミド共結晶(b)及びイソニコチンアミド(c)の粉末X線回折図形である。
【図7】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-イソニコチンアミド共結晶(b)及びイソニコチンアミド(c)のDSC形跡である。
【図8】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-2,3,5,6-テトラヒドロキシ-1,4-ベンゾキノン共結晶(b)及び2,3,5,6-テトラヒドロキシ-1,4-ベンゾキノン(c)の粉末X線回折図形である。
【図9】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-2,3,5,6-テトラジドロキシ-1,4-ベンゾキノン共結晶(b)及び2,3,5,6-テトラヒドロキシ-1,4-ベンゾキノン(c)のDSC形跡である。
【図10】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン共結晶(b)及び5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン(c)の粉末X線回折図形である。
【図11】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン共結晶(b)及び5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン(c)のDSC形跡である。
【図12】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール−ニコチンアミド共結晶(b)及びニコチンアミド(c)の粉末X線回折図形である。
【図13】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-ニコチンアミド共結晶(b)及びニコチンアミド(c)のDSC形跡である。
【図14】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール−メチルヒドラジノカルボキシレート共結晶(b)及びメチルヒドラジノカルボキシレート(c)の粉末X線回折図形である。
【図15】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール−4(3H)-ピリミジノン共結晶(b)及び4(3H)-ピリミジノン(c)の粉末X線回折図形である。
【図16】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール−15-ヒドロキシペンタデカン酸共結晶(b)及び15-ヒドロキシペンタデカン酸(c)の粉末X線回折図形である。
【図17】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-尿素共結晶(b)及び尿素(c)の粉末X線回折図形である。
【図18】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール−1,9-ノナンジオール共結晶(b)及び1,9-ノナンジオール(c)の粉末X線回折図形である。
【図19】プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール−2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン共結晶(b)及び2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン(c)の粉末X線回折図形である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の文脈において「アルキル」とは1個〜6個の炭素原子の線状飽和一価炭化水素基、または3個〜6個の炭素原子の枝分れ飽和一価炭化水素基をいい、「アルキレン」とは1個〜6個の炭素原子の線状飽和二価炭化水素基か枝分れ飽和二価炭化水素基または3個〜6個の炭素原子をいう。適当なアルキル基は例えば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、iso-ブチル、ter-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル等である。適当なアルキレン基は例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、2-メチルプロピレン等である。
【0018】
共結晶形成化合物の好ましい基は1,9-ノナンジオール、2,3,5,6-テトラヒドロキシベンゾキノン、15-ヒドロキシペンタデカン酸、5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン、2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、4-(3H)-ピリミジノン、メチルヒドラジノカルボキシレート、4,4'-ジヒドロキシビフェニル.もしくは4,4-ジヒドロキシシクロヘキシリジンビスフェノールを含み、これらの中から特別に2,3,5,6-テトラヒドロキシベンゾキノン、5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、4,4'-ジヒドロキシビフェニル.および4,4-ジヒドロキシシクロヘキシリジンビスフェノールが好ましい。
【0019】
プロピコナゾールと共結晶形成化合物の共結晶形は結晶組織形態または2シータ角に関して表した粉末X線回折図形の選択ピークを特性とすることが可能である。
【0020】
この発明の一実施形態で2シータ角に関して表した粉末X線回折図形を特性とするプロピコナゾールと4,4'-ジヒドロキシビフェニルの共結晶形が提供され、ただし、粉末X線回折図形は表1に記載される2シータ角度値を含む。表1はプロピコナゾール-4,4'-ジヒドロキシビフェニル共結晶の粉末X線回折図形についての選択ピーク位置の2θ値、d間隔、及び相対強度を示す。
【0021】
【表1】

【0022】
驚くほどにプロピコナゾールと共結晶形成化合物は共結晶を形成することを許容されるならば結果として生ずる共結晶は自由形態のプロピコナゾールと比べてプロピコナゾールの改良特性を生じさせることがわかった。特に共結晶はプロピコナゾールだけよりも実質的に高融点を示す:例えば、プロピコナゾールならびに4,4'-ジヒドロキシビフェニル共結晶の示差走査測熱結果は共結晶が126〜130℃の温度でプロピコナゾールだけに観測されるものより実質的に高い単一融解発熱量を示すことを証明した。この増加される融点は製造、配合及び貯蔵の間に利益を有するので重要である。特に加工処理及び貯蔵に通常関連した温度範囲を越える融点を有するこの新規な固体状態のプロピコナゾールはその配合の間に融解および再結晶化事象を経験もせず、工業銘柄物質と配合物質の両方の貯蔵の間に融解および再結晶化事象を経験もしないものであり、−工業物質及び配合物はそれによって均質性を保持する。さらに高融点は懸濁濃厚物、suspo-乳濁液及び湿式粒状化のような新しい固体配合形式が展開されることを許容し、改良取扱適性(例えば、減少毒性)ばかりでなく潜在純度利益(液体よりもむしろ固体状態を単離する能力による)をもたらすであろう。最後にこの新しい固体状態のプロピコナゾールのほかの有効成分との混合物はほかの有効成分で潜在的な融点降下が決定的なものにならないので改良安定性を示すだろう。
【0023】
ここで使用されるときは「共結晶」とは二以上の固有成分を理論比で含み、各自構造、融点及び融解熱のような特有の物理的性質を含む結晶質をいう。共結晶は水素結合、Π(パイ)積重、客生-寄主複雑化及びファンデルワールス相互作用を含むいくつかの分子認識様態によって構成されることができる。上に列挙した相互作用について水素結合は共結晶の生成において主相互作用であり、それによって非共有結合は一方の部分の水素結合供与体と他方の水素結合受容体の間に形成される。本発明の好ましい共結晶は水素結合が共結晶形成化合物およびプロピコナゾール間に発生するものである。
【0024】
水素結合はいくつかの異なる分子間集成体に結果としてなることができ、それ自体では本発明の共結晶は一以上の重合形態で存在することが可能であることが言及される。多形共結晶は有効成分と混合形成物のどの比率でも含有することが可能であるが典型的には3:1〜1:3の範囲にあるであろう。プロピコナゾールが異性を示すので多形結晶形はまた異なる異性比率を含むことも可能である。これは共結晶形成化合物が異性を示すときもそうである。各多形結晶形は単結晶X線回折、粉末X線回折、DSC、ラマンまたは赤外分光学を含む一以上の固体状態分析手法により規定されることができる。
【0025】
ここで使用されるときは術語「プロピコナゾール」は(±)-1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-4-プロピル-1,3-ジオキソラン-2-イルメチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、その4つのステリオ異性体(2R, 4S: 2S, 4R: 2R, 4R; 2S, 4S)、それらのジアステレオマー組ならびにジアステレオマー組の混合物を言う。特に「プロピコナゾール」は商業的に入手可能なプロピコナゾール工業物質を言う。
【0026】
適当に共結晶におけるプロピコナゾールと共結晶形成化合物の比は3:1〜1:3の範囲である。もっと適当に共結晶におけるプロピコナゾールと共結晶形成化合物の比は2:1〜1:1の範囲である。最も適当に共結晶におけるプロピコナゾールと共結晶形成化合物の比はほぼ2:1である。
【0027】
本発明の共結晶はプロピコナゾールを共結晶形成化合物と接触させることで形成される。
これは(i)二固体を一緒に粉砕し、(ii)一方または両方の成分を融解し、再結晶することを許容し、(iii)プロピコナゾールを可溶化し、共結晶形成化合物を加え、または(iv)共結晶形成化合物を可溶化し、プロピコナゾールを加えることにより行なわれることが可能である。プロピコナゾールを共結晶形成化合物に可溶化するおよび逆の可能性もあるかもしれない。結晶化は次に適性条件のもとで起こることを許容される。例えば、結晶化はpHまたは温度のような溶液の性質の変更を要することがあり、通例は溶媒の除去および典型的には溶液を乾燥することによる溶質の濃縮を要することがある。溶媒除去は結晶化を促進するように時間を通じて増加するプロピコナゾール濃度に結果としてなる。どの結晶も含む固相が形成されたら、これはここで記述されるように検査されることが可能である。
【0028】
よって本発明は
(a)粉砕、加熱するかまたは固相を形成するように結晶化条件の下に溶液でプロピコナゾールを共結晶形成化合物と接触し;
(b)プロピコナゾールと共結晶形成化合物を含む共結晶を単離することを含むプロピコナゾールならびに共結晶形成化合物の共結晶の製造法を提供する。
【0029】
この発明の製法で用いる共結晶形成化合物は前に規定されるようなものである。製法の一つの実施形態でビフェニル誘導体は1,9-ノナンジオール、2,3,5,6-テトラヒドロキシベンゾキノン、15-ヒドロキシペンタデカン酸、5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン、2-ヒドロキシ-2-メチルピリジン、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、4-(3H)-ピリミジノン、メチルヒドラジノカルボキシレート、4,4'-ジヒドロキシビフェニル.または4,4-ジヒドロキシシクロヘキシリジンビスフェノールである。
【0030】
固相をプロピコナゾールならびに共結晶形成化合物の共結晶の存在について検定することは当該分野で知られる慣用法により実施されることが可能である。例えば、粉末X線回折手法を使用して共結晶の存在を検定することは便利であり、きまりの手順である。これは真の共結晶が形成されたかどうかを確証するためにプロピコナゾール、共結晶形成化合物及び推定共結晶のスペクトルを比較することにより実行されることが可能である。類似の仕方で用いられるほかの手法は示差走査熱量法(DSC)、熱重量分析(TGA)及びラマン分光学を含む。単結晶X線回折は共結晶構造を同定するのに有用である。
【0031】
この発明の共結晶は容易に殺カビ組成物(農薬組成物及び工業材料の保護に用いる組成物を含む)に慣用手段により組込まれることが可能である。しかるべくこの発明はまたプロピコナゾールならびに共結晶形成化合物の共結晶を含む殺カビ組成物、ただし、共結晶形成化合物は前に規定されるようなものである、を提供する。さらなる実施形態で殺カビ組成物は農薬組成物である。
【0032】
本発明の共結晶を含む農薬組成物は多数の植物種で植物病原性菌類の抑制に使用されることができる。よってこの発明はまた植物または植物生長物質を殺カビ有効量の農業用組成物で処理することを含む植物または植物生長物質のカビ感染防止/抑制方法を提供する。「植物生長物質」により全種類の種子(果物、塊茎、球根、穀物等)、挿し木、切苗条などが意味される。
【0033】
特にこの発明の農薬組成物は例えば、Cochliobolus sativus、Erysiphe graminis、Leptosphaeria nodorum、Puccinia種、Pyrenophora teres、Pyrenophora tritici-repentis、Rhynchosporium secalis、Septoria種、Mycosphaerella musicola、Mycosphaerella fijiensis変異性difformis、Sclerotinia homoeocarpa、Rhizoctonia solani、Puccinia種、Erysiphe gramini、Rhizoctonia solani、Helminthosporium oryzae、汚円錐花序複合種、Hemileia vastarix、Cercospora種、Monilinia種、Podosphaera種、Sphaerotheca種、Tranzschelia種及びHelminthosporium種を抑制するために使用可能である。
【0034】
本発明の農薬組成物はこれらに限定されないが以下の目標農作物:穀類(小麦、大麦、ライ麦、オート麦、トウモロコシ(飼料用トウモロコシ、爆裂種トウモロコシ及び甘味種トウモロコシを含む)、イネ、モロコシおよび関連作物);ビート(テンサイ及び飼料ビート);豆科植物(豆、ヒラマメ、エンドウ、大豆);油科植物(ナタネ、アブラナ、ヒマワリ);キュウリ植物(マロー、キュウリ、メロン);繊維植物(綿、亜麻、麻、ツナソ);野菜(ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、ナス、タマネギ、コショウ、トマト、ジャガイモ、パプリカ、オクラ);農園作物(バナナ、果樹、ゴムの木、木養樹園)、観賞植物(花、低木、広葉樹、針葉樹のような常緑樹);およびつる植物、灌木ベリー(ブルーベリーのような)、木質茎ベリー、クランベリー、ペパーミント、ルバーブ、スペアミント、サトウキビ、ならびにこれらに限定されないが冷涼季節芝草(例えば、ケンタッキーブルーグラス(Poa pratensis L.)、粗野ブルーグラス(Poa trivialis L.)、カナダブルーグラス(Poa compressa L.)及び一年生ブルーグラス(Poa annua L.)のようなブルーグラス(Poa L.);匍匐ベントグラス(Agrostis palustris Huds.)、群生ベントグラス(Agrostis tenius Sibth.)、ベルベットベントグラス(Agrostis canina L.)及びコヌカグサ(Agrostis alba L.)のようなベントグラス(Agrostis L.);トールフェスク(Festuca arundinacea Schreb.)、メドーフェスク(Festuca elatior L.)ならびに匍匐オオウシノケグサ(Festuca rubra L.)、チューイングフェスク(Festuca rubra変異性commutata Gaud.)、シープフェスク(Festuca ovina L.)のような細フェスクならびに硬フェスク(Festuca longifolia)のようなフェストゥーカ属;多年生ライグラス(Lolium perenne L.)ならびに一年生(イタリアン)ライグラス(Lolium multiflorum Lam.)のようなライグラス(Lolium L.))及び、温暖芝草(例えば、雑種ならびに普通バミューダグラスを含むバミューダグラス(Cynodon L.C. Rich.);シバ属草(Zoysia Willd.)、セント・オーガスティングラス(Stenotaphrum secundatum (Walt.) Kuntze);センチピードグラス(Eremochloa ophiuroides (Munro.) Hack.))を含む多数の植物及びそれらの生長物質のそのような病気を抑制するために適当である。
【0035】
加えて「農作物」は品種改良及び遺伝子工学の通常法の結果として病害虫及び農薬耐性にされ、除草剤ならびに除草剤類を包含するそれら農作物を含むと理解されるべきである。例えば除草剤耐性とは常用農作物品種に比較して特別の除草剤によりもたらされる減少された損傷感受性をいう。農作物は例えば、メソトリオンのようなHPPD阻害剤またはグリホセートのようなEPSPS阻害剤耐性であるように改良されまたは育てられることができる。
【0036】
この発明の農薬組成物が適用される比率は抑制される特定種類のカビ、要求される規制度、施用の調時及び方法に依存するであろう。一般にこの発明の組成物は組成物における有効プロピコナゾールの全量に基づいて0.005キログラム/ヘクタール(kg/ha)〜約5.0kg/haの施用率で適用されることができる。約0.1 kg/ha〜約3.0 kg/haの施用率は好ましく、約0.2 kg/ha〜1 kg/haの施用率が格別に好ましい。
【0037】
実際はこの発明の共結晶を含む農薬組成物は産業に知られるかそれで使用される多様な補助剤および担体を含有する配合物として適用される。かくして顆粒として、湿潤粉として、乳化可能濃厚物として、懸濁濃厚物として、粉末または粉剤として、流動に適する物として、溶液として、懸濁液または乳濁液またはsuspo-乳濁液として、またはマイクロカプセルのように調節解放形態として配合されることが可能である。適当にこの発明の農薬組成物は懸濁濃厚物、suspo-乳濁液または湿式粒状化として配合されることが可能である。これらの配合物は以下にもっと詳細に記述され、共結晶形態の有効成分の重量で僅かに約0.5%だけ〜約95%以上ほど含有することが可能である。最適量は配合、施用装置、及び抑制される植物病原性菌類の性質に依存するであろう。
【0038】
湿潤粉は容易に水または他の液体運搬体に分散する細粒の形態である。粒子は固体基材に保持される有効成分を含有する。典型的な固体基材はフラー土、カオリンクレー、シリカおよびほかの濡れ容易な有機または無機固体を含む。湿潤粉は通常は小量の湿潤、分散または乳化剤を加えて約5%〜約95%の有効成分を含有する。
【0039】
乳化可能濃厚物は水または他の液体に分散できる均質液体組成物であり、液体または固体乳化剤と共に完全に活性化合物からなることが可能であるかキシレン、重質芳香族ナフサ、イソホロン及びほかの不揮発性有機溶剤のような液体担体を含有することも可能である。使用ではこれらの濃厚物は水または他の液体に分散され、通常は処理される面積に噴霧として適用される。有効成分の量は濃厚物の約0.5%〜約95%の範囲で変化することが可能である。
【0040】
懸濁濃厚物は活性化合物の固体細粒が安定に懸濁される水性配合物である。そのような配合物は沈降防止剤及び分散助剤を含み、さらに活性を増進するために湿潤剤加えて消泡ならびに結晶成長抑制剤を含むことが可能である。使用でこれらの濃厚物は水で稀釈され、通常は処理される面積に噴霧として適用される。有効成分の量は濃厚物の約0.5%〜約95%の範囲で変化することが可能である。
【0041】
粒状配合物は押出物及び比較的粗粒の両方を含み、植物病原性菌類の制圧が必要とされる面積に通常は稀釈なしに適用される。粒状配合物の典型的担体は、砂、フラー土、アタプルギットクレー、ベントナイトクレー、モンモリロナイトクレー、バーミキュライト、パーライト、炭酸カルシウム、煉瓦、軽石、葉蝋石、カオリン、ドロマイト、粉末石膏、木粉、粉砕トウモロコシの穂軸、粉砕落花生殻、糖、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、硼酸ナトリウム、マグネシア、マイカ、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アンチモン、氷晶石、石膏、珪藻土、硫酸カルシウムおよび吸着するか活性化合物で被覆されることができるほかの有機または無機物質を含む。粒状配合物は通常は約5%〜約25%の有効成分を含有し、重質芳香族ナフサ、ケロシンおよびほかの石油流文のような界面活性剤、または野菜油:および/またはデキストリン、糊または合成樹脂のような展着剤を含むことが可能である。
【0042】
粉剤は有効成分のタルク、クレー、穀粉および分散剤ならびに担体として作用するほかの有機または無機固体のような微粉固体との易流動性添加剤である。
【0043】
マイクロカプセルは典型的には調節される速度で密閉物質の周囲への脱出を許容する不活性多孔殻に閉じ込められた液滴または微粒である。封入液滴は典型的に直径が約1〜50マイクロメートルである。密閉液体は典型的にカプセルの重量の約50〜95%を構成し、溶剤を活性化合物に加えて含むことが可能である。封入微粒は一般的に微粒気孔口を封止し、液体形態の活性種を微粒気孔内部に保持する多孔質膜を有する多孔微粒である。微粒は典型的に直径1ミリメートル〜1センチメートル、好ましくは1〜2ミリメートルの範囲で変化する。微粒は押出、凝集または落下凝固小球で形成され、あるいは自然発生する。そのような物質の例はバーミキュライト、焼結クレー、カオリン、アタプルギットクレー、おがくず及び粒状炭素である。殻または膜物質は天然ならびに合成ゴム、セルロース系材料、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ尿素、ポリウレタン及び澱粉キサントゲンサン塩を含む。
【0044】
他の農薬用途に有用な配合物はアセトン、アルキル化ナフタレン、キシレンおよびほかの有機溶媒のように希望濃度で完全に溶解できる溶媒中で有効成分の単純溶液を含む。有効成分が低沸点分散溶媒担体の気化の結果として微細形態で分散される加圧噴霧器はまた使用されることが可能である。
【0045】
前述される配合物の多くは湿潤、分散または乳化剤を含む。例はスルホン酸ならびに硫酸アルキルおよびアラルキル及びそれらの塩、多価アルコール;ポリエトキシル化アルコール、エステル及び脂肪アミンである。
【0046】
発明の組成物を前述される配合形式で配合するのに有用である適当な農業用補助剤及び担体は当業者によく知られている。異なる等級の適当例は下記の非限定列挙に求められる。
【0047】
採用されることができる液体担体は水、トルエン、キシレン、石油ナフサ、作物油、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、アセトニトリル、アセトフェノン、酢酸アミル、2-ブタノン、クロロベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、酢酸アルキル、ジアセトンアルコール、1,2-ジクロロプロパン、ジエタノールアミン、p-ジエチルベンゼン、ジエチレングリコール、アビエチエン酸ジエチレングリコール、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,4-ジオキサン、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールメチルエーテル、二安息香酸ジプロピレングリコール、ジプロキシトール、アルキルピロリジノン、酢酸エチル、2-エチルヘキサノール、炭酸エチレン、1,1,1-トリクロロエタン、2-ヘプタノン、アルファピネン、d-リモネン、エチレングリコール、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールメチルエーテル、ガンマ-ブチロラクトン、グリセロール、二酢酸グリセロール、一酢酸グリセロール、三酢酸グリセロール、ヘキサデカン、ヘキシレングリコール、酢酸イソアミル、酢酸イソボルニル、イソオクタン、イソホロン、イソプロピルベンゼン、ミリスチン酸イソプロピル、乳酸、ラウリルアミン、メシチルオキシド、メトキシ-プロパノール、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、ラウリン酸メチル、オクタン酸メチル、オレイン酸メチル、塩化メチレン、m-キシレン、n-ヘキサン、n-オクチルアミン、オクタデカン酸、酢酸オクチルアミン、オレイン酸、オレイルアミン、o-キシレン、フェノール、ポリエチレングリコール(PEG400)、プロピオン酸、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、p-キシレン、トルエン、燐酸トリメチル、トリエチレングリコール、キシレンスルホン酸、パラフィン、鉱油、トリクロロエチレン、ペルクロロエチレン、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチル、メタノール、エタノール、イソプロパノール、およびアミルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ヘキサノール、オクタノールなどのような高分子量アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリジノン等を含む。
【0048】
適当な固体担体はタルク、二酸化チタン、葉蝋石クレー、シリカ、アタプルギットクレー、多孔質珪藻土、白亜、珪藻土、石灰、炭酸カルシウム、ベントナイトクレー、フラー土、綿種子殻皮、小麦粉、大豆粉、軽石、木粉、クルミ殻粉、リグニン等を含む。
【0049】
広範囲の界面活性剤は前記液体及び固体組成物の両方で、格別には適用前に担体で稀釈されるように設計されるもので有利に用いられる。界面活性剤は特性で陰イオン性、陽イオン性、非イオン性または重合体であることができ、乳化剤、湿潤剤、沈殿防止剤としてもしくは他の目的に用いられることができる。典型的な界面活性剤は硫酸ジエタノールアンモニウムラウリルのような硫酸アルキルの塩;ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムのようなアルキルアリールスルホン酸塩;アルキルフェノール-アルキレンオキシド付加生成物のようなノニルフェノール-C.18以下エトキシレート;トリデシルアルコールC.16以下エトキシレートのようなアルコール-アルキレンオキシド付加生成物;ステアリン酸ナトリウムのような石鹸;ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウムのようなアルキルナフタレンスルホン酸塩;ジ(2-エチルヘキシル)スルホ琥珀酸ナトリウムのようなスルホスクシネート塩のジアルキルエステル;オレイン酸ソルビトールのようなソルビトールエステル;塩化ラウリルトリメチルアンモニウムのような第四アミン;ステアリン酸ポリエチレングリコールのような脂肪酸のポリエチレングリコールエステル;エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマー;及びモノならびにジアルキル燐酸エステルを含む。
【0050】
農業用組成物に普通利用される他の補助剤は結晶抑制剤、粘度調整剤、沈殿防止剤、噴霧液滴調整剤、顔料、酸化防止剤、発泡剤、光閉塞剤、相溶化剤、消泡剤、金属イオン封鎖剤、中和剤および緩衝剤、腐蝕抑制剤、染料、付臭剤、展着剤、浸透助剤、微量栄養素、緩和薬、滑剤、粘着剤等を含む。
【0051】
ほかにさらにまた他の殺生物有効成分または組成物は当発明の農薬組成物と組合せられることが可能である。例えば、組成物は活性範囲を広げるためまたは耐性展開の危険を減少するために他の殺カビ剤、除草剤、殺虫剤、殺菌剤、ダニ駆除剤、殺線虫剤および/または植物生長調節剤を含有することが可能である。
【0052】
上記配合物の各々は殺カビ剤を配合物の他構成成分(稀釈剤、乳化剤、界面活性剤、等)と共に含有するパッケージとして調製されることができる。配合物はまた構成成分が別々に得られ、栽培者立地で組合せられる槽混合方法により調製されることができる。
【0053】
これらの配合物は防除が通常法により望まれる領域に適用されることができる。粉剤及び液体組成物は例えば、粉末散布器、箒および手動噴霧器ならびに噴霧散布器の使用により塗布されることができる。配合物はまた飛行機から粉剤または噴霧としてまたは索芯施用により適用されることができる。固体及び液体配合物の両方はまた処理される植物場所の表土に適用されることが可能であり、有効成分が植物に根を通して浸透することを許容する。この発明の配合物はまた植物生長物質の施肥用に使用され、植物生長物質のカビ感染に対する加えて表土に発生する植物病原体菌類に対する保護を提供することが可能である。適当に有効成分は保護される植物生長物質に植物生長物質、特に種子を殺カビ剤の液体配合物で含浸するか固体配合物で覆うかいずれかにより適用されることが可能である。特別な場合には他の種類の適用、例えば特殊の植物挿し木または小枝種付生長処理も可能である。
【0054】
相当に本発明の農薬組成物および配合物は病気発現より前に適用される。配合物の使用率及び頻度は当該分野で慣用されるものであり、カビ病原体による侵入の危険に依存するであろう。
【0055】
この発明の組成物は工業資材の保護にも使用されることができる。この発明のなおさらなる側面で工業資材をこの発明の共結晶を含む組成物で処理することを含む工業資材のカビの攻撃からの保護方法がかくして提供される。さらなる側面で本発明は工業資材の保護のためにこの発明の共結晶を含む組成物の使用を提供する。特定の実施形態で前記工業資材は:木材;プラスチック;木材プラスチック複合材;ペンキ;紙;及び壁板からなる群から選択される。
【0056】
「工業資材」はこれらに限定されないが、建築等で使用されるそれら資材を含む。例えば、工業資材は構造用材、戸、戸棚、貯蔵単位、カーペット、ウール及びヘッシャンのような特定の天然繊維カーペット、プラスチック製品、木材(強化木材を含む)及び木材プラスチック複合材であることが可能である。
【0057】
特定の実施形態で工業資材は塗料である。「塗料」はこれらに限定されないが基材に塗布される組成物、例えばペイント、ステイン、ワニス、ラッカー、下塗剤、半艶塗料、艶塗料、艶消塗料、仕上塗、汚染防止塗料、多孔基材、コンクリート、及び大理石の浸透目止剤、エラストマー塗料、マスチック、コーキング材、およびシーラント、板ならびに羽目板塗料、運搬塗料、家具塗料、およびコイル被覆、橋ならびに槽塗料および表面標示ペイント、皮革塗および処理、床保護塗料、紙用塗料、髪、皮膚、爪向けのようなパーソナルケア塗料、織布及び不織布塗料ならびに顔料捺染ペースト、及び、例えば粘着剤および湿式ならびに乾式貼合わせ接着剤および膏剤を含む。
【0058】
特定の実施形態で塗料はペイント;ワニス;ステイン、ラッカーまたは膏剤をいう。さらなる実施形態で前記塗料はラッカーである。特有の実施形態で塗料はペイントをいう。ペイントは例えば、塗膜形成剤及びキャリアー(キャリアーは水および/または有機溶剤であることができる)そして所望により顔料を含むことができる。
【0059】
これに加えて工業資材は接着剤、シーラント、接合材料および継ぎ目ならびに絶縁材料を含む。特定の実施形態で「工業資材」は構造用材をいう。さらなる実施形態で「工業資材」は強化木材をいう。さらなる実施形態で「工業資材」はプラスチックをいう。
【0060】
プラスチック製品は:アクリロニトリルブタジエンスチレン、ブチルゴム、エポキシ、フルオロポリマー、イソプレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ弗化ビニリデン、ポリアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリフタトアミド、ポリスルフェン、ポリエステル、シリコーン、スチレンブタジエンゴムおよびポリマーの組合せを含むプラスチックポリマー及びコポリマーを含む。さらなる実施形態で「工業資材」はポリ塩化ビニル(PVC)をいう。さらなる実施形態で「工業資材」はポリウレタン(PU)をいう。さらなる実施形態で「工業資材」は木材プラスチック複合材(WPC)をいう。木材プラスチック複合材は当該分野でよく知られている。WPCの検討は次の刊行物−クレイグ・クレモンズ(Craig Clemons)−フォレスト製品雑誌(Forrest Products Journal.)、2002年6月、第52巻、第6号、pp 10-18に見られることができる。
【0061】
「木材」とは木材及び木材製品、例えば:誘導用材製品、製材、合板、チップボード、フレークボード、積層梁、配向ストランドボード、ハードボード、およびパーティクルボード、熱帯木材、構造用材、木製梁、鉄道枕木、橋梁要素、突堤、木造車両、箱、パレット、コンテナ、電柱、木製フェンス、木製矢板、木造窓および戸、合板、チップボード、建具類、または木製品を意味すると理解されるべきであり、建築家屋または甲板向けに強化木材、建築ならびに木工品を含む家屋建築業で一般的に使用される建築建具類または木材製品にとても一般的に使用される。
【0062】
「工業資材」はまた冷却潤滑剤、冷却ならびに加熱装置系統、換気ならびに空気調和装置系統及び生産プラント例えば、冷却水回路の部品を含む。
【0063】
「工業資材」はまた石膏基剤壁板のような壁板を含む。
【0064】
この発明のなおさらなる側面で発明の共結晶を含む組成物を含む工業資材が提供される。特定の実施形態で前記工業資材は木材、プラスチック、木材プラスチック複合材、ペンキ、紙及び壁板からなる群から選択される。特定の実施形態で前記工業資材は木材を含む。
【0065】
工業資材はこの発明による組成物でこれらに限定されないが組成物を工業資材それ自体に包含するだけ、前記資材に前記組成物を吸着、含浸、処理し(密閉圧力または真空設備において)、建築資材を浸漬または浸透し、または建築資材を例えば、流し塗、ロール、はけ、噴霧、霧化、散布、分散または注入塗布により塗被することを含む多数の方法で処理されることができる。この発明の組成物は当該分野で熟練を要するものによく知られた手法を用いることにより工業資材の処理において使用するために配合されることができる。そのような配合物は例えば、農薬配合物に関して前に列記される配合物質を利用することが可能である。
【0066】
本発明はそこで以下の非限定実施例及び図面を通して記述されることになる。
【実施例】
【0067】
1.プロピコナゾール/4,4'-ジヒドロキシビフェニル共結晶
2L丸底フラスコは頭上攪拌装置、温度計、装填漏斗及び凝縮器を備えられた。405.5gのプロピコナゾール(工業銘柄)は400mlのエタノールに加えられ装入された。プロピコナゾールは30分間40℃で可溶化されるまでかき混ぜられた。111.76gの4,4'-ジヒドロキシビフェニルは次に加えられた。反応混合物は40℃に加熱された。加熱で4,4'-ジヒドロキシビフェニルは溶解して明澄溶液を形成し、結晶化は白色沈殿物の生成をもって起こる。反応混合物は1時間40℃でかき混ぜられ、続いて5℃に冷却された。固体は濾過によりブフナー装置で単離され、空気乾燥を許容された。
【0068】
図1は(a)プロピコナゾール工業銘柄、(b)プロピコナゾール-4,4'-ジヒドロキシビフェニル共結晶及び(c)4,4'-ジヒドロキシビフェニルの粉末X線回折図形を示す。
【0069】
図2−(a)プロピコナゾール-4,4'-ジヒドロキシビフェニル共結晶及び(b)4,4'-ジヒドロキシビフェニルの示差走査熱量形跡を示す。
【0070】
図3−(a)プロピコナゾール工業銘柄、(b)プロピコナゾール-4,4'-ジヒドロキシビフェニル共結晶及び(c)4,4'-ジヒドロキシビフェニルのラマンスペクトルを示す。
【0071】
粉末X線回折分析は生成物が構成相のどちらにも似ていないことを明瞭に証明し、新規固体状態が形成されたことを示唆する。
【0072】
生成物の示差走査熱量形跡は130℃で単一融解発熱量を示す。構成相はプロピコナゾール工業銘柄について61℃で4,4'-ジヒドロキシビフェニルについて292℃で融解する。
【0073】
プロピコナゾール/4,4'-ジヒドロキシビフェニル共結晶の安定性
次のプロピコナゾール/4,4'-ジヒドロキシビフェニル共結晶の懸濁濃厚物が調製された:
【0074】
【表2】

【0075】
配合物は種々の促進貯蔵プログラムで2週、1月及び3月後に評価された。すべての場合に最小変化はpH、粘度、粒径及び分散ならびに懸濁特性に見られ、配合物は物理的に安定であることを暗示する。
【0076】
プロピコナゾール/4,4'-ジヒドロキシビフェニル共結晶の生物学的活性
上記配合物の活性は商業的に入手可能な配合物のプロピコナゾールと比較すればLeptosphaeria種、Puccinia種、Rhynchosporium種、及びSeptoria種に対して温室及び現地条件で評価された。共結晶の全菌種に対する活性は商業的に利用可能な形態のプロピコナゾールに大変類似していた。
【0077】
2.プロピコナゾール-4,4-シクロヘキシリデンビスフェノール共結晶
図4:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-4,4-シクロヘキシリデンビスフェノール共結晶(b)及び4,4-シクロヘキシリデンビスフェノール(c)の粉末X線回折図形。
図5:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-4,4-シクロヘキシリデンビスフェノール共結晶(b)及び4,4-シクロヘキシリデンビスフェノール(c)のDSC形跡。
表3:プロピコナゾール-4,4-シクロヘキシリデンビスフェノール共結晶の粉末X線回折図形の選択ピーク位置の2θ値。
【0078】
【表3】

【0079】
実験
蒸発結晶化による1:2共結晶について.
2gのPPZは40mlガラス瓶に5mlイソヘキサンと加えられた。
5mlエタノールで3.14gのシクロヘキシリデンビスフェノールはこの混合物に加えられた。
試料は2時間50℃にしておかれ、次に冷却、及びブフナーで濾過される前に蒸発を許容された。
【0080】
3 プロピコナゾール-イソニコチンアミド共結晶
図6:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-イソニコチンアミド共結晶(b)及びイソニコチンアミド(c)の粉末X線回折図形。
【0081】
図7:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-イソニコチンアミド共結晶(b)及びイソニコチンアミド(c)のDSC形跡。
表4:プロピコナゾール-イソニコチンアミド共結晶の粉末X線回折図形の選択ピーク位置の2θ値。
【0082】
【表4】

【0083】
実験
冷却結晶化による2:1共結晶について
2gのPPZは40mlガラス瓶に5mlイソヘキサンと加えられた。
5mlのメタノールで1.5gのイソニコチンアミドはこの混合物に加えられた。
試料は2時間50℃に保たれ、次に1時間40℃に保たれ、次に1時間30℃に保たれ、そして最後に冷蔵庫に夜通し放置される前に1時間20℃に保たれた。生成物は次にブフナーで単離された。
【0084】
4 プロピコナゾール-2,3,5,6-テトラヒドロキシ-1,4-ベンゾキノン共結晶
図8:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-2,3,5,6-テトラヒドロキシ-1,4-ベンゾキノン共結晶(b)及び2,3,5,6-テトラヒドロキシ-1,4-ベンゾキノン(c)の粉末X線回折図形。
図9:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-2,3,5,6-テトラジドロキシ-1,4-ベンゾキノン共結晶(b)及び2,3,5,6-テトラヒドロキシ-1,4-ベンゾキノン(c)のDSC形跡。
表5:プロピコナゾール-2,3,5,6-テトラヒドロキシ-1,4-ベンゾキノン共結晶の粉末X線回折図形の選択ピーク位置の2θ値。
【0085】
【表5】

【0086】
実験
蒸発結晶化による1:2共結晶について
1.286gのPPZは40mlのガラス瓶に5mlアセトンと加えられた。
5mlメタノールで1.57gの2,3,5,6-テトラヒドロキシ-1,4-ベンゾキノンはこの混合物に加えられた。
試料は2時間50℃にしておかれ、次に冷却、及びブフナーで濾過される前に蒸発を許容された。
【0087】
5 プロピコナゾール−5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン共結晶
図10:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン共結晶(b)及び5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン(c)の粉末X線回折図形。
図11:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン共結晶(b)及び5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン(c)のDSC形跡。
表6:プロピコナゾール-5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン共結晶の粉末X線回折図形の選択ピーク位置の2θ値。
【0088】
【表6】

【0089】
実験
冷却結晶化による2:1共結晶について
2gのPPZは40mlガラス瓶に5mlキシレンと加えられた。
5mlメタノールで1.3gの5-ヒドロキシ-2-メチルピリジンはこの混合物に加えられた。
試料は2時間50℃に保たれ、次に1時間40℃に保たれ、次に1時間30℃に保たれ、そして最後に冷蔵庫に夜通し放置される前に1時間20℃に保たれた。生成物は次にブフナーで単離された。
【0090】
6 プロピコナゾール-ニコチンアミド共結晶
図12:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール−ニコチンアミド共結晶(b)及びニコチンアミド(c)の粉末X線回折図形。
図13:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-ニコチンアミド共結晶(b)及びニコチンアミド(c)のDSC形跡。
表7:プロピコナゾール-ニコチンアミド共結晶の粉末X線回折図形の選択ピーク位置の2θ値。
【0091】
【表7】

【0092】
実験
冷却結晶化による2:1共結晶について
2gのPPZは40mlガラス瓶に5mlアセトンと加えられた。
5ml酢酸エチルで1.3gのニコチンアミドはこの混合物に加えられた。
試料は2時間50℃に保たれ、次に1時間40℃に保たれ、次に1時間30℃に保たれ、そして最後に冷蔵庫に夜通し放置される前に1時間20℃に保たれた。生成物は次にブフナーで単離された。
【0093】
7 プロピコナゾール−メチルヒドラジノカルボキシレート共結晶
図14:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール−メチルヒドラジノカルボキシレート共結晶(b)及びメチルヒドラジノカルボキシレート(c)の粉末X線回折図形。
表8:プロピコナゾール-メチルヒドラジノカルボキシレート共結晶の粉末X線回折図形の選択ピーク位置の2θ値。
【0094】
【表8】

【0095】
実験
冷却結晶化による1:2共結晶について
0.5gのPPZは40mlガラス瓶に5mlアセトンと加えられた。
5mlメタノールで3.8gのメチルヒドラジノカルボキシレートはこの混合物に加えられた。
試料は2時間50℃に保たれ、次に1時間40℃に保たれ、次に1時間30℃に保たれ、そして最後に冷蔵庫に夜通し放置される前に1時間20℃に保たれた。生成物は次にブフナーで単離された。
【0096】
8.プロピコナゾール−4(3H)-ピリミジノン共結晶
図15:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール−4(3H)-ピリミジノン共結晶(b)及び4(3H)-ピリミジノン(c)の粉末X線回折図形。
表9:プロピコナゾール-4(3H)-ピリミジノン共結晶の粉末X線回折図形の選択ピーク位置の2θ値。
【0097】
【表9】

【0098】
実験
蒸発結晶化による1:1共結晶について
0.5gのPPZは40mlガラス瓶に5mlアセトンと加えられた。
5mlメタノールで1.8gの4(3H)-ピリミジノンはこの混合物に加えられた。
試料は2時間50℃にしておかれ、次に冷却、及びブフナーで濾過される前に蒸発を許容された。
【0099】
9 プロピコナゾール−15-ヒドロキシペンタデカン酸共結晶
図16:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール−15-ヒドロキシペンタデカン酸共結晶(b)及び15-ヒドロキシペンタデカン酸(c)の粉末X線回折図形。
表10:プロピコナゾール-15-ヒドロキシペンタデカン酸共結晶の粉末X線回折図形の選択ピーク位置の2θ値。
【0100】
【表10】

【0101】
実験
冷却結晶化による2:1共結晶について
2gのPPZは40mlガラス瓶に5mlアセトンと加えられた。
5ml酢酸エチルで1.3gの15-ヒドロキシペンタデカン酸はこの混合物に加えられた。
試料は2時間50℃に保たれ、次に1時間40℃に保たれ、次に1時間30℃に保たれ、そして最後に冷蔵庫に夜通し放置される前に1時間20℃に保たれた。生成物は次にブフナーで単離された。
【0102】
10 プロピコナゾール−尿素共結晶
図17:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール-尿素共結晶(b)及び尿素(c)の粉末X線回折図形。
表11:プロピコナゾール-尿素共結晶の粉末X線回折図形の選択ピーク位置の2θ値。
【0103】
【表11】

【0104】
実験
冷却結晶化による1:2共結晶について
0.5gのPPZは40mlガラス瓶に5mlアセトンと加えられた。
5mlイソヘキサンで2.8gの尿素はこの混合物に加えられた。
試料は2時間50℃に保たれ、次に1時間40℃に保たれ、次に1時間30℃に保たれ、そして最後に冷蔵庫に夜通し放置される前に1時間20℃に保たれた。生成物は次にブフナーで単離された。
【0105】
11 プロピコナゾール−1,9-ノナンジオール酸共結晶
図18:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール−1,9-ノナンジオール共結晶(b)及び1,9-ノナンジオール(c)の粉末X線回折図形。
表12:プロピコナゾール−1,9-ノナンジオール酸共結晶の粉末X線回折図形の選択ピーク位置の2θ値。
【0106】
【表12】

【0107】
実験
冷却結晶化による2:1共結晶について
2gのPPZは40mlガラス瓶に5mlイソヘキサンと加えられた。
5mlエタノールで1.9gの1,9-ノナンジオールはこの混合物に加えられた。
試料は2時間50℃にしておかれ、次に冷却、及びブフナーで濾過される前に蒸発を許容された。
【0108】
12 プロピコナゾール−2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン共結晶
図19:プロピコナゾール(a)、プロピコナゾール−2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン共結晶(b)及び2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン(c)の粉末X線回折図形。
表13:プロピコナゾール-2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン共結晶の粉末X線回折図形の選択ピーク位置の2θ値。
【0109】
【表13】

【0110】
実験
蒸発結晶化による1:2共結晶について
2gのPPZは40mlガラス瓶に5mlアセトニトリルと加えられた。
0.7gの2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン(エタノール中5%)はこの混合物に加えられた。
試料は2時間50℃にしておかれ、次に冷却、及びブフナーで濾過される前に蒸発を許容された。
【0111】
本発明は望ましい実施形態及びその実施例に関して記述されたが、本発明の範囲はそれらの記述実施形態だけに限定されない。当業者にはっきりわかるものであるように前述の発明の改良及び適合は添付の特許請求の範囲により規定され、範囲を定められるこの発明の精神および趣旨から逸脱することなくなされることができる。ここで引用されるすべての刊行物はこれによって完全にすべての目的のために各個々の刊行物が具体的かつ個別的にそのように参考により取入れられることを示されるような同程度に参照により取入れられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロピコナゾールと共結晶形成化合物またはビフェニル誘導体との共結晶であって、共結晶形成化合物がヒドロキシル(アルコール及びフェノールを含む)、ケトン、カルボン酸、アミド、第一アミン、第二アミン、第三アミン、sp2アミン、ジアゾ、N-複素環式環、ピリミジンまたはピリジンから選択される少なくとも1つの官能基を有する共結晶形成化合物かまたはビフェニル誘導体が一もしくは両方のフェニル環のオルト、メタもしくはパラ位の少なくとも1つは独立に-OH,-ROH,-C(O)H,-C(O)R',-COOH,-RCOOH,-NH2,-RNH2,-NHR',-RNHR',-NR'2,-RNR'2,-NHOR',-RNHOR'(式中、Rはアルキレン基またはアシル基(-C(O)R”-)であり、R'はアルキル基であり、R”はアルキレン基である)から選択される適当な水素結合官能基で置換されたビフェニル誘導体である、共結晶。
【請求項2】
プロピコナゾールとビフェニル誘導体を含み、該ビフェニル誘導体の一または両方のフェニル環のオルト、メタまたはパラ位の少なくとも1つは独立に-OH,-ROH,-C(O)H,-C(O)R,-COOH,-RCOOH,-NH2,-RNH2,-NHR,-RNHR,-NR2,-RNR2,-NHOR',-RNHOR'(式中、Rはアルキレン基または-C(O)R”であり、R'はアルキル基であり、R”はアルキレン基である)から選択される適当な水素結合官能基で置換された、共結晶。
【請求項3】
該水素結合官能基は-OH,-ROH,-COOH,-RCOOH,-NH2,-RNH2,-NHR'およびRNHR'から選択される、請求項2に記載の共結晶。
【請求項4】
該共結晶形成化合物は1,9-ノナンジオール、2,3,5,6-テトラヒドロキシベンゾキノン、15-ヒドロキシペンタデカン酸、5-ヒドロキシ-2-メチルピリジン、2-ヒドロキシ-6-メチルピリジン、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、4-(3H)-ピリミジノン、メチルヒドラジノカルボキシレート、4,4'-ジヒドロキシビフェニル.または4,4-ジヒドロキシシクロヘキシリジンビスフェノールを含む群から選択される、請求項1に記載の共結晶。
【請求項5】
該共結晶形成化合物は2,3,5,6-テトラヒドロキシベンゾキノンである、請求項4に記載の共結晶。
【請求項6】
該共結晶形成化合物は5-ヒドロキシ-2-メチルピリジンである、請求項4に記載の共結晶。
【請求項7】
該共結晶形成化合物はニコチンアミドである、請求項4に記載の共結晶。
【請求項8】
該共結晶形成化合物はイソニコチンアミドである、請求項4に記載の共結晶。
【請求項9】
該共結晶形成化合物は4,4'-ジヒドロキシビフェニルである、請求項4に記載の共結晶。
【請求項10】
該共結晶形成化合物は4,4-ジヒドロキシシクロヘキシリジンビスフェノールである、請求項1に記載の共結晶。
【請求項11】
a)粉砕し、加熱するか溶液でプロピコナゾールを共結晶形成化合物と固相を形成するように結晶化条件の下に接触し;
b)プロピコナゾールと該共結晶形成化合物を含む共結晶を単離することを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の共結晶を調製する方法。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の共結晶を含む殺カビ剤組成物。
【請求項13】
農薬組成物である、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
請求項13に記載の殺カビ有効量の農業用組成物で植物を処理することを含む、植物のカビ感染を防止/抑制する方法。
【請求項15】
請求項13に記載の該組成物を含む農薬配合物であって、懸濁濃厚物である農薬配合物。
【請求項16】
請求項12に記載の組成物で工業資材を処理することを含む、工業資材のカビ襲撃からの保護方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate


【公表番号】特表2010−522153(P2010−522153A)
【公表日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−554085(P2009−554085)
【出願日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001019
【国際公開番号】WO2008/117037
【国際公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【出願人】(500371307)シンジェンタ リミテッド (141)
【Fターム(参考)】