説明

内容物放出方向変更機構ならびにこの内容物放出方向変更機構を備えたポンプ式製品およびエアゾール式製品

【課題】縦回動操作レバーの内容物放出操作に連動するL字状ノズルの横平面内での内容物放出方向を変更できる機構において、製品高さを抑え、静止モード位置の当該ノズルが不用意にずれてその状態で内容物放出動作が行われることを防止する。
【解決手段】操作レバー1の前後方向の開口部1cを、前方向放出静止モード位置のL字状ノズル6の横回動を阻止する幅とし、当該開口部の最前端部分1dは、この阻止状態から上方に縦回動する当該レバーが当該ノズルを通過できる位置に設定される。この通過状態で、当該ノズルを図示の前方向放出状態から90度横回動させると左または右への放出状態に変更できる。その後、操作レバー1を下方に戻すと、当該レバーとL字状ノズル6とが再び一体化する。操作レバー両側面の切欠状部1fは、前方向放出静止モード位置では横向き円柱状部6cと係合し、左・右方向放出静止モード位置では横筒状部6aと係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプ式製品およびエアゾール式製品に用いられる内容物放出方向変更機構であって、操作レバー(トリガーレバー)の内容物放出用の縦回動操作と連動するノズルに対しての、内容物放出方向変更用の横回動操作を行えるようにしたものに関する。
【0002】
特に、縦回動タイプの操作レバーの前後方向に形成されて、その中における内容物放出用のノズルの横回動を規制する開口部を、当該操作レバーが、前方向放出静止モード位置から通常の内容物放出用の縦回動操作とは逆方向に当該内容物放出部を通過してその上方位置まで移動(縦回動)できる形に、設定した内容物放出方向変更機構である。
【0003】
すなわち、前方向放出静止モード位置の操作レバーの内容物放出方向を変更する場合、先ず当該操作レバーを上方に縦回動させてそれが内容物放出用のノズルの上方に位置する状態に設定し、その後、当該ノズルを操作レバーに対して横回動操作することにより内容物放出方向を基準の前方向から左右方向などに変化させるようにした、内容物放出方向変更機構に関する。
【0004】
なお、内容物放出用のノズルの横回動操作終了後は、上方位置にある操作レバーに対しての下方への縦回動操作により、当該操作レバーと当該ノズルとが当接する左右いずれかの横方向静止モード位置に移行させる。
【0005】
本明細書において、
(11)図示の操作レバーの縦回動中心側を「後」、それとは逆のノズル基準状態(=内容物放出用のノズルが操作レバーの開口部に入り込んだ状態)における流出口側を「前」とし、すなわち図1〜図7それぞれの左側を「前」、右側を「後」とし、
(12)この「前」,「後」に対する横方向側を「左右」とし、すなわち図5の上下側を「左右」とし、
(13)容器上下方向に仮想設定される平面を「縦平面」とし、
(14)「左−前−右」方向に仮想設定される平面を「横平面」とし、
(15)縦平面内における操作レバーの回動,回動操作のそれぞれを「縦回動」,「縦回動操作」と記載し、
(16)横平面内におけるノズルなどの回動,回動操作のそれぞれを「横回動」,「横回動操作」と記載する。
【0006】
ここで後述の操作レバー1に対する内容物放出動作用の上下方向への回動操作が「縦回動操作」に相当する。
【0007】
また、L字状ノズル6に対する放出方向変更用の左右方向への回動操作および、ロック部材7に対する操作レバー縦回動操作(L字状ノズル6の静止モード位置から下方向への移動)の許容・阻止用の左右方向への回動操作などが「横回動操作」に相当する。
【背景技術】
【0008】
従来、縦回動タイプの操作レバー(トリガーレバー)に対するノズルの内容物放出方向を基準の前方向から任意の左右方向に設定できる内容物放出方向変更機構が提案されている(後述の特許文献1参照)。
【0009】
この内容物放出方向変更機構は、トリガーレバーの内容物放出用の縦回動操作と連動するL字状ノズルを常に横回動操作可能な形で、トリガーレバーの上方に配している。
【0010】
このように常時トリガーレバーの上方にいわば飛び出ているL字状ノズルの横回動操作により、当該L字状ノズルからの内容物放出方向が基準の「前」から「左右」の任意の横方向へと設定可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2002−37301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように、従来の、トリガーレバーの内容物放出操作(縦回動操作)と連動するL字状ノズルの内容物流出口の向きをその基準の「前」から左右に変更できる内容物放出方向変更機構の場合、当該L字状ノズルがトリガーレバーの上方に設けられている。
【0013】
そして、このL字状ノズルの横回動操作は、トリガーレバーの静止モード位置,縦回動状態にかかわらず当該トリガーレバーによって何ら規制されない。
【0014】
そのため、例えば利用者が静止モード位置のトリガーレバーの縦回動操作をおこなうに際してL字状ノズルの下流側横部分(水平部分)が何らかにあたるなどした場合には、L字状ノズル自体がその横回動操作時と同じように不用意に横回動してしまい、本来の方向からずれた状態での内容物放出動作、すなわち誤動作を生じやすいという問題点があった。
【0015】
また、L字状ノズルは基準の前方向にも何らロックされずに、常に横回動可能となっているため、当該L字状ノズルを搭載した複数の例えばポンプ式製品を陳列したり、輸送したりするときなどに、L字状ノズル全体の向きを容器本体正面側へ継続的に統一することが難しいという問題点があった。
【0016】
また、L字状ノズルがトリガーレバーから上方に飛び出る形で設定されているため、これとは異なる汎用タイプ、すなわちL字状ノズルがその少なくとも上下方向にはトリガーレバーの開口部にいわば収まっている内容物放出機構を持つ同種のポンプ式製品などに比べて、製品全体の高さも大きく、当該製品の陳列や輸送に際してのスペース効率が悪いという問題点があった。
【0017】
本発明は、このような従来の内容物放出方向変更機構とは異なり、内容物放出用ノズルの横回動がその基準状態(=前方向放出静止モード)のときにトリガーレバーの開口部で阻止されるタイプの内容物放出機構を前提とし、当該開口部の前端側を積極的に延ばしたものである。
【0018】
すなわち、トリガーレバーを内容物放出操作とは逆の上方に縦回動させた場合に当該トリガーレバーの開口部が内容物放出用ノズルの前端部分を通過できるように、当該開口部の前端側を延ばしたものである。
【0019】
本発明はこれにより、前方向放出静止モードにおいてトリガーレバーの開口部で横回動操作が阻止されている内容物放出用ノズルに対し、その基準の前方向から左右方向への横回動操作を、利用者の、通常の内容物放出操作とは逆方向への意識的なトリガーレバー縦回動操作の下で可能とし、
(21)本来の放出予定方向からずれた状態での不用意な内容物放出動作が行なわれるのを防止し、
(22)本件機構を搭載した複数製品の陳列,輸送などにおける内容物放出部全体の向きの統一性を継続的に担保し、
(23)本件機構を搭載した製品の高さの増加を抑えて当該複数製品の陳列,輸送などにおけるスペース効率の低減を阻止する、
ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、以上の課題を次のようにして解決する。
(1)操作レバー(例えば後述の操作レバー1)の容器本体内容物放出用の縦回動操作と連動するノズル(例えば後述のL字状ノズル6)への横回動操作により、当該操作レバーに対する横平面内での内容物放出方向が変更される機能を備えた内容物放出方向変更機構において、
前記ノズルは、
外部空間域への内容物の流出口(例えば後述の流出口6b)を備え、
前記操作レバーは、
前記前向きノズルに対する前後方向の開口部(例えば後述の開口部1c)を備えて、静止モード位置から、内容物放出操作の下方および、これとは逆で前記内容物放出方向の変更機能を実現するための上方のそれぞれに縦回動でき、
前記開口部は、
前記ノズルが当該開口部に入り込んだ前方向放出静止モードにおいては前記横回動操作を阻止する横幅(例えば後述の横幅w1)からなり、かつ、
前記操作レバーが当該前方向放出静止モードの位置から前記上方に縦回動するときに当該ノズルの流出口側端部を通過する位置の最前端部分(例えば後述の最前端部分1d)を備える。
(2)上記(1)において、
前記操作レバーは、
前記上方への縦回動位置から静止モード位置へと復帰する際、前記横回動操作により前記開口部から離脱した状態に設定済みの前記ノズルに当接して、これを位置決めするための係合作用部(例えば後述の切欠状部1f)を備える。
(3)上記(2)において、
前記ノズルは、
前記開口部に入り込んだ前方向放出静止モードのときに前記係合作用部と当接する被係合作用部(例えば後述の横向き円柱状部6c)を備える。
(4)上記(3)において、
前記係合作用部は、
前記ノズルの上側外面形状に対応した態様で前記操作レバーの下縁部分に形成された切欠状部であり、
前記被係合作用部は、
前記ノズルの外面に形成された凸状部である。
【0021】
このような構成からなる内容物放出方向変更機構および、当該内容物放出方向変更機構を備えたポンプ式製品やエアゾール式製品を本発明の対象としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明は以上の課題解決手段により、
(31)本来の放出予定方向からずれた状態での不用意な内容物放出動作が行なわれるのを防止し、
(32)本件機構を搭載した複数製品の陳列,輸送などにおける内容物放出部全体の向きの統一性を継続的に担保し、
(33)本件機構を搭載した製品の高さの増加を抑えて当該複数製品の陳列,輸送などにおけるスペース効率の低減を阻止する、
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】内容物放出方向変更機構の前方向放出静止モードを示す説明図である。
【図2】図1の内容物放出方向変更機構の操作レバーの内容物放出用縦回動操作をおこなった状態を示す説明図である。
【図3】図2の内容物放出用縦回動操作を解除した状態を示す説明図である。
【図4】図1の内容物放出方向変更機構(前方向放出静止モード)の操作レバーを上方に縦回動させている状態(L字状ノズルの横回動操作により内容物放出方向を変更するための初期操作段階)を示す説明図である。
【図5】操作レバーの開口部とL字状ノズルの横筒状部との形状関係を示す平面図である。
【図6】図4の内容物放出方向変更用の初期操作の操作完了後(操作レバーの上方への縦回動操作完了後)にL字状ノズルを左方向に横回動操作した後の状態を示す説明図である。
【図7】図6の操作レバーをそれがL字状ノズルの横筒状部に当接する位置(左方向放出静止モードの位置)まで下方に縦回動させた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、内容物放出用ノズルの横回動がトリガーレバーの開口部で阻止されるタイプの内容物放出機構を前提として当該開口部の前端側を積極的に延ばしたものである。
【0025】
そして、トリガーレバーをその静止モード位置から上方に縦回動操作するときにこのトリガーレバー開口部が内容物放出用ノズルを通過してその上方へと移動し、これにより当該内容物放出用ノズルに対する内容物放出方向変更用の横回動操作を可能にした、ことを基本的骨子とするものである。
【0026】
すなわち、本発明は、トリガーレバーの開口部と、この開口部によって前方向放出静止モードにおける横回動操作が規制される内容物放出用ノズルと、のもっぱら内容物流出側部分を対象とするものであって、勿論、ポンプ式作用に基づく内容物放出機構およびエアゾールバルブ作用に基づく内容物放出機構のいずれにも適用可能である。
【0027】
以下の図1〜図7を用いた説明では、単なる説明の便宜上、ポンプ式製品を対象とした内容物放出方向変更機構の実施形態を説明する。
【0028】
図1〜図7で用いるアルファベット付き参照番号の構成要素(例えば斜め操作部1a)は原則として、当該参照番号の数字部分の構成要素(例えば操作レバー1)の一部であることを示している。
【0029】
図1〜図7において、
Aは次回放出対象内容物のハウジング内の貯留空間域,
Bは内容物放出操作にともなう内容物吐出弁の作用により設定される貯留空間域Aから外部空間域への内容物放出経路(図2参照),
Cは内容物放出操作解除にともなう内容物吸込弁の作用により設定される容器本体内部から貯留空間域Aへの内容物流入経路(図3参照),
Dは内容物放出操作解除にともなう外気吸込弁の作用により設定される外部空間域から容器本体内部への減圧防止用の外気流入経路(図3参照),
Eは内容物放出状態を設定する際の操作レバーの下方(後方)への縦回動操作方向(図2参照),
Fは最初の静止モード位置(図1参照)へ戻る際の操作レバーの上方(前方)への縦回動復帰方向(図3参照),
Gは後述のL字状ノズル6の操作レバーに対する横平面内での内容物放出方向を変化させる際の、初期操作段階としての操作レバー上方への縦回動操作方向(図4参照),
w1は操作レバーに形成した後述の開口部1cの横幅(図5参照),
w2は後述のL字状ノズル6を構成する横筒状部6aの横幅(図5参照),
をそれぞれ示している。
【0030】
また、
1は内容物放出操作用の縦回動タイプの操作レバー,
1aは引き金式縦回動操作の対象となる斜め操作部(面部分),
1bは当該斜め操作部の上端から後方に続く天井部(面部分),
1cは斜め操作部1aから天井部1bまでにわたって連続態様で部分的に形成された前後方向の開口部,
1dは当該開口部の最前端部分(最下端部分),
1eは斜め操作部1aおよび天井部1bの左右両端から垂下する態様で形成された一対の側部,
1fは当該側部のそれぞれに、後述のL字状ノズル6の横筒状部6aまたは横向き円柱状部6cと係合する位置・輪郭態様で形成された切欠状部,
1gは側部1eのそれぞれの後端部分に形成された縦回動中心用の一対の孔部,
1hは当該操作レバーの上方への縦回動限界を設定するための天井部後端部分,
をそれぞれ示している。
【0031】
また、
2は操作レバー1をその縦回動操作が可能な態様で保持する操作レバー取付け部,
2aは操作レバー1の取付け対象であるアーム部,
2bは当該アーム部の上端側の対向部分に孔部1gのそれぞれに対応する形で設定されて、操作レバー1の縦回動中心軸として作用する一対の凸状部,
2cは操作レバー1の上方への縦回動限界を設定するためのアーム部2aの上端面,
2dは後述のハウジング3に嵌合保持される筒状基部,
2eは当該筒状基部の底面側に形成された嵌合保持用の上向き環溝状部,
2fは後述のロック部材7を横回動操作が可能な態様で保持するための上筒状部,
2gは当該上筒状部の前下端側内周面の一部分に形成されて、ロック部材7の横回動操作の範囲を略180度に規制するための内向き凸状部,
をそれぞれ示している。
【0032】
また、
3は操作レバー取付け部2を嵌合保持して、自らの内部空間に次回放出対象内容物の貯留空間域Aが設定されるハウジング,
3aは当該ハウジングの上側に形成された環鍔状部,
3bは当該環鍔状部の上面に形成されて、上向き環溝状部2eとの嵌合作用により操作レバー取付け部2を保持する起立筒状部,
3cは当該ハウジングの周面上側部分に形成されて減圧防止用の外気が流入する孔部,
3dは当該ハウジングの内周面下側部分に形成されて、後述のボール弁12を受ける環状受け部(吸込弁作用部),
をそれぞれ示している。
【0033】
また、
4はハウジング3の内部に上下方向に移動可能な形で配設されて、吐出弁の作用を呈するステム,
4aは当該ステムの外周面下側部分に形成されて、後述の下筒状部材8とともに吐出弁を構成する環凹状部,
5はステム4の外周面上部分に嵌合保持された内容物通過用の上筒状部材,
5aは当該上筒状部材の内周面中間部分の上下方向およびこれの上側に続く環天井部分の径方向に連続する態様で複数形成された内容物通過用の溝状部,
をそれぞれ示している。
【0034】
また、
6は筒状基部2dの内周面と上筒状部材5の外周面とのそれぞれに当接する形で取り付けられて、横平面内で横回動可能な内容物放出用のL字状ノズル,
6aは当該L字状ノズルの略水平状態の横筒状部,
6bは当該横筒状部の前端に形成された内容物放出用の流出口,
6cは当該横筒状部の後端部分左右両側の同じ高さの外周面にこれと略直交する外向き態様でそれぞれ形成されて、当該横筒状部が前向き状態のとき、操作レバー1の切欠状部1fと当接する横向き円柱状部,
6dは当該横向き円柱状部の真下に続く外周面部分に形成されて、後述のロック部材7との協働作用により当該L字状ノズルの静止モード位置から下方への移動を阻止する上下方向凸状部,
をそれぞれ示している。
【0035】
また、
7は筒状部からなり、その下側部分が、操作レバー取付け部2の上筒状部2fとL字状ノズル6の上下方向部分内周面との間の環状空間域に入り込んで、全体として横回動可能な形に設定され、その横回動位置によりL字状ノズル6の下動(放出状態への移動)を選択的に許容,阻止するロック部材,
7aは当該ロック部材の横回動操作を行うための摘み片部,
7bは当該ロック部材の筒状部下端側の当該摘み片部とは反対側の周方向部分に形成されて、操作レバー取付け部2の内向き凸状部2gとの協働作用により当該ロック部材の横回動操作の範囲を略180度に規制するための下向き凸状部,
7cは当該ロック部材の摘み片部7aの真裏側内周面と、それから周方向に略180度離れた対向内周面とに形成されて、L字状ノズル6の操作の上下方向凸状部6dの上下動を許容する一対の上下方向凹状部,
7dは当該上下方向凹状部以外の周方向内面に形成されて、上下方向凸状部6dの上下動を阻止する一対の周方向凸状部,
をそれぞれ示している。
【0036】
また、
8はハウジング内部空間域におけるステム4と上筒状部材5との間に上下動可能な態様で配設されて、貯留空間域Aのシール作用およびステム4との間の吐出弁作用などを呈する下筒状部材,
8aは上筒状部材5の内周面に密接する逆スカート部,
8bは当該逆スカート部の下側に連続形成されて、ステム4の環凹状部4aとともに吐出弁を構成する環凸状部,
8cはハウジング3の内周面に密接するスカート部,
8dは当該スカート部の上側に連続形成されて、その上端部分が後述の環状弁部材11と接離する弁作用筒状部(容器本体減圧防止用の外気供給弁),
をそれぞれ示している。
【0037】
また、
9は後述の各種内容物が収容された容器本体,
9aは外周面に螺子部分が形成された筒状首部,
10は操作レバー取付け部2とハウジング3との間に配設されて、容器本体と螺子結合するネジキャップ,
11は操作レバー取付け部2とハウジング3との間に挟持されて、内容物放出操作の終了段階で下筒状部材8とともに容器本体9の減圧防止用の外気供給弁として作用する環状弁部材,
をそれぞれ示している。
【0038】
また、
12はハウジング3の環状受け部3dとの協働作用により吸込弁を構成するボール弁,
13はステム4を上方向に付勢し、かつ、ボール弁12の上動を規制する機能を備えたコイルスプリング,
14は環鍔状部3aのいわば直下のハウジング外周面部分に係合保持された状態で容器本体9(筒状首部9a)の上端面部分と密接して、当該容器本体の内部空間域のシール作用を呈する環状シール部材,
15はハウジング3の下端側筒状部に取り付けられて、容器本体9の内容物を貯留空間域Aに流入させるためのチューブ,
をそれぞれ示している。
【0039】
ここで例えば、操作レバー1,操作レバー取付け部2,ハウジング3,ステム4,上筒状部材5,L字状ノズル6,ロック部材7,下筒状部材8,ネジキャップ10およびチューブ15は、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリアセタール,ナイロン,ポリブチレンテレフタレートなどからなるプラスチック製のものを用いる。
【0040】
また、容器本体9およびボール弁12は金属製,プラスチック製,ガラス製のものを用い、環状弁部材11および環状シール部材14はゴム製,プラスチック製のものを用い、コイルスプリング13は金属製,プラスチック製のものを用いる。
【0041】
図示の内容物放出方向変更機構の基本的特徴は、
(41)前方向放出静止モード位置(図1参照)の操作レバー1に対する上方への縦回動操作により、その斜め操作部1aがL字状ノズル6の横筒状部6aの上方へ移動できるように(図4参照)、当該操作レバーの開口部1cを形成し(図5参照)、
(42)この操作レバー1の上方移動状態で、L字状ノズル6の横筒状部6aに対する利用者の横回動操作を可能とし(図6参照)、
(43)この横回動操作によりL字状ノズル6を操作レバー1の縦回動操作面(縦平面)と例えば略直交する状態に横回動させてから、当該操作レバーを下方へ縦回動操作することにより、流出口6bの向きがそれまでの「前」から「左右の一方」へと変化した状態の左・右方向放出静止モードを設定できる(図7参照)、
ことである。
【0042】
上記(41)で述べた開口部1cは図5などで示すように、略同一の横幅で、その長手方向(前後方向)にL字状の形で延びる開口部である。
【0043】
開口部1cの横幅w1はL字状ノズル6の横筒状部6aの横幅w2よりもわずかだけ長く、また当該開口部の最前端部分1dは、操作レバー1の前方向放出静止モード位置から上方への縦回動操作の際に横筒状部6aの流出口6bの前方を通過して当該横筒状部の上側へと移動できる部分に形成されている。
【0044】
上記(42)の横回動操作により、内容物の放出方向が、基準の「前方向」以外の「左右方向」にも設定される。
【0045】
これにより、例えば身体の左右部分(頭側部など)などへの内容物放出作業においても、操作レバー1の斜め操作部1aを、基準の前方向放出のときと同様に後方へ縦回動操作すればよい。
【0046】
なお、図示の実施形態では基準の「前方向」以外の内容物放出方向として、操作レバー1の縦回動操作に対応した縦平面と直交する「左右方向」を示しているが、これは一例にすぎない。
【0047】
すなわち操作レバー1の上方移行状態で、流出口6bからの内容物放出方向を当該縦平面に対する「斜め方向」に設定した上で、当該操作レバーを下方(縦方向)の静止モード位置へと復帰させるようにしてもよい。
【0048】
上述の「前方向」,「左右方向」および「斜め方向」のいずれの場合にも、静止モード位置の操作レバー1の斜め操作部1aを通常のように後方へ縦回動操作することにより、L字状ノズル6が下方向へと駆動されて内容物放出状態へと移行する。
【0049】
ここで、操作レバー1およびL字状ノズル6における下方向駆動力の伝達・被伝達部分は、
(51)L字状ノズル6の流出口6bの向きが上記「前方向」の場合、切欠状部1fおよび横向き円柱状部6cの上端側外周面であり、
(52)L字状ノズル6の流出口6bの向きが上記「左右方向」の場合、切欠状部1fおよび横筒状部6aの上側外周面であり、
(53)L字状ノズル6の流出口6bの向きが上記「斜め方向」の場合、一方の側部1eの下面および横筒状部6aの上端側外周面である。
【0050】
なお、上記(53)の「斜め方向」における側部1eと横筒状部6aとの当接位置を決定するための係合部を、これら側部の下面および横筒状部の上端側外周面の一方または双方に形成してもよい。
【0051】
また、L字状ノズル6に対するロック部材7の横回動位置を選択的に設定することにより、操作レバー1の縦回動操作が不能状態に設定される。
【0052】
すなわち、L字状ノズル6およびロック部材7に関して、
(61)横筒状部6aと摘み片部7aとが略直交する状態の横回動位置に設定した場合には、操作レバー1の後方への縦回動操作(=通常のトリガー操作)が可能であり、
(62)この略直交状態の横回動位置以外に設定した場合には、操作レバー1の後方への縦回動操作ができない状態にロックされる。
【0053】
これは、L字状ノズル6およびロック部材7が上記(61)の横回動位置に設定された場合、L字状ノズル6の上下方向凸状部6dの直下にロック部材7の上下方向凹状部7cが位置するからである(図2,図3,図6,図7参照)。
【0054】
他方、それ以外の横回動位置にL字状ノズル6およびロック部材7が設定された場合には、L字状ノズル6の上下方向凸状部6dの直下にロック部材7の周方向凸状部7dが位置するため、利用者が操作レバー1の後方への縦回動操作を試みても、上下方向凸状部6dが周方向凸状部7dに当接してL字状ノズル6の下動が阻止されてしまう(図1,図4,図5参照)。
【0055】
図1の場合、流出口6bが上記(51)の前向き状態に設定され、かつ、操作レバー1が非作動状態にロックされている。このとき、吐出弁(環凹状部4a,環凸状部8b)および吸込弁(環状受け部3d,ボール弁12)はそれぞれ周知のように閉状態であり、ポンプ式製品は静止モードとなっている。
【0056】
この静止モードのとき、下筒状部材8の弁作用筒状部8dの上端部分が環状弁部材11の下面に密接し、かつ、当該下筒状部材の環凸状部8bがステム4の環凹状部4aに密接している。
【0057】
これによりハウジング3の孔部3cが外部空間域から遮断され、吐出弁(環凹状部4a,環凸状部8b)が閉状態に設定される。また、容器側に対するステム4,上筒状部材5およびL字状ノズル6それぞれの静止モード位置が特定される。
【0058】
ここで利用者が図1の操作レバー1を作動状態に設定するには、摘み片部7aを左右いずれかの横方向に90度ほど回動操作すればよい。
【0059】
この横回動操作にともない、L字状ノズル6の上下方向凸状部6dの直下にロック部材7の上下方向凹状部7cが位置して、操作レバー1のロックが解除されてその後方への縦回動操作が可能、すなわち通常のトリガー操作に基づくL字状ノズル6の下方への移動が可能となる。
【0060】
図2は、このロック解除後の操作レバー1に対するE方向への縦回動操作(トリガー操作)に基づく内容物放出状態であって、周知の弁作用により、貯留空間域Aの収容済み内容物が内容物放出経路Bに沿った流れでL字状ノズル6の流出口6bから外部空間域へ放出される様子を示している。
【0061】
ここで操作レバー1のトリガー操作にともない、
(71)切欠状部1fおよび横向き円柱状部6cの係合作用に基づいて、L字状ノズル6およびこれと連動する上筒状部材5およびステム4が下方に駆動され、
(72)このステム4の下動により貯留空間域Aの容積が減少してそこでの内容物圧力が大きくなり、
(73)この大きな内容物圧力を上方向に受ける下筒状部材8がステム4に対して相対的に上方に位置し、すなわち吐出弁(環凹状部4a,環凸状部8b)が開き、
(74)貯留空間域Aの内容物が、内容物放出経路Bを通って流出口6bから外部空間域に放出される。
【0062】
このとき、下筒状部材8は絶対的には下動しており、その弁作用筒状部8dの上端部分が環状弁部材11から離間した状態になっている。また、ボール弁12が下方への貯留空間域Aの内容物圧力を受けるので、吸込弁(環状受け部3d,ボール弁12)は閉じたままである。
【0063】
図3は、図2の内容物放出動作が終了し操作レバー1のトリガー操作が解除されたいわば直後の状態であって、容器本体9から貯留空間域Aへの次回放出対象の内容物供給および容器本体内部の減圧防止用の外気供給の様子を示している。
【0064】
この操作レバー1のトリガー操作解除に基づいて、
(81)ステム4,上筒状部材5およびL字状ノズル6の全体がコイルスプリング13の弾性作用により上方向へ移動し、かつ、操作レバー1が、切欠状部1fおよび横向き円柱状部6cの係合作用によりF方向へ縦回動し、
(82)このステム4などの上動により、当該ステムと、ハウジング3の内周面と摩擦係合している下筒状部材8との間の吐出弁(環凹状部4a,環凸状部8b)がそれまでの開状態から閉状態へと変化し、
(83)また、このステム4などの上動にともない貯留空間域Aの容積が増加してそこでの内容物圧力、すなわちボール弁12に作用する下方向への内容物圧力は減少し、
(84)この下方向への内容物圧力とボール弁12の自重との合力よりも、当該ボール弁に対して上方向に作用する容器本体9の内容物圧力が大きくなることにより、当該ボール弁が上動して、吐出弁(環状受け部3d,ボール弁12)がそれまでの閉状態から開状態へと変化し、
(85)この吐出弁の開状態への移行により、容器本体9の内容物がチューブ15などの内容物流入経路Cを通って貯留空間域Aへ流入し、
(86)この貯留空間域Aへの内容物流入による容器本体内部の圧力減少分をいわば補うための外気が孔部3cなどの外気流入経路Dを通って容器本体9に流入する。
【0065】
そして、操作レバー1,ステム4,上筒状部材5,L字状ノズル6および下筒状部材8はそれぞれ前方向放出静止モード位置(図1参照)へ復帰する。復帰後における弁作用筒状部8dの上端部分は環状弁部材11の下面部分に密接し、これにより孔部3cと外部空間域との間が遮断状態に設定される。
【0066】
図4は、L字状ノズル6の内容物放出方向を「前」から「左右」に変えるための初期操作であって、静止モード位置の操作レバー1をトリガー操作方向とは逆の上方に縦回動させる様子を示している。
【0067】
すなわち、図1の操作レバー1を図示G方向(時計方向)へ縦回動操作することにより、その開口部1cがL字状ノズル6の横筒状部6aを通過して当該横筒状部の上方まで移動する途中の状態である。
【0068】
図5は、この操作レバー1のG方向(図4参照)への縦回動操作を担保するための開口部1cおよび操作レバー通過対象の横筒状部6aなどを上からみたときの形状関係を示している。なお、このときの操作レバー1は、その開口部1cの最前端部分1dが横筒状部6aの流出口6bと略対向する状態の縦回動位置にある。
【0069】
図6は、図1の操作レバー1を先ず最上位置までG方向に縦回動させ、その後、L字状ノズル6を前方向位置から横平面上の左方向(L字状ノズル6を上から見て反時計方向)に90度横回動させた状態を示している。このL字状ノズル6の横回動操作は、例えば利用者が横筒状部6aの外側面をそれぞれ把持する形でおこなわれる。ロック部材7の位置は図1のままである。
【0070】
このL字状ノズル6の横回動操作のとき、当該L字状ノズルが上筒状部材5に対して横回動する。すなわち、上筒状部材5,ステム4および下筒状部材8はいわば一体化した状態となって、横回動しない。
【0071】
なお、L字状ノズル6の横回動操作にともない、上筒状部材5,ステム4および下筒状部材8の全体が当該L字状ノズルとともに横回動するようにしてもよい。このとき、ステム4とコイルスプリング13との間にすべりが生じる。
【0072】
図6の操作レバー1は、その天井部後端部分1hがアーム部2aの上端面2cに当接した状態に位置している。
【0073】
また、図6のL字状ノズル6およびロック部材7は、上記(61)で述べたような上下方向凸状部6dの直下に上下方向凹状部7cが位置する関係にある。すなわち操作レバー1の内容物放出動作用の縦回動操作(=通常のトリガー操作)が可能である。
【0074】
図7は、図6の操作レバー1を下方に、その静止モード位置(左方向放出静止モードの位置)まで縦回動させた状態を示している。
【0075】
このとき、
(91)操作レバー1の切欠状部1fの一方が、L字状ノズル6の横筒状部6aの上側周面部分を跨ぐ形でこれに当接し、
(92)上述したようにL字状ノズル6の上下方向凸状部6dがロック部材7の上下方向凹状部7cに対向している。
【0076】
すなわちL字状ノズル6は下方向に移動できる状態である。
操作レバー1の縦回動操作(トリガー操作)に応じて、図2の場合と同様に吐出弁(環凹状部4a,環凸状部8b)が開き、貯留空間域Aの内容物が内容物放出経路Bを通過して流出口6bから外部空間域に放出される。
【0077】
この内容物放出方向は勿論、図2の前方向ではなく、これから横平面内で略90度横回動した形の左方向(L字状ノズル6を上から見て反時計方向)である。
【0078】
また、操作レバー1の縦回動操作(トリガー操作)の解除にともない、図3の場合と同じように、
(101)ステム4,上筒状部材5およびL字状ノズル6の全体がコイルスプリング13の弾性作用により上方向へ復帰し、かつ、操作レバー1が切欠状部1fおよび横筒状部6aの係合作用によりF方向へ縦回動復帰し、
(102)貯留空間域Aには次回トリガー操作時の放出対象内容物が容器本体9から流入し(内容物流入経路C)、
(103)容器本体9には減圧防止用の外気が孔部3cから流入する(外気流入経路D)。
【0079】
本発明が適用されるポンプ式製品,エアゾール式製品としては、洗浄剤,清掃剤,制汗剤,冷却剤,筋肉消炎剤,ヘアスタイリング剤,ヘアトリートメント剤,染毛剤,育毛剤,化粧品,シェービングフォーム,食品,液滴状のもの(ビタミンなど),医薬品,医薬部外品,塗料,園芸用剤,忌避剤(殺虫剤),クリーナー,消臭剤,洗濯のり,ウレタンフォーム,消火器,接着剤,潤滑剤などの各種用途のものがある。
【0080】
容器本体に収納する内容物は、液状,クリーム状,ゲル状など種々の形態のものを用いることができ、内容物に配合される成分としては例えば、粉状物,油成分,アルコール類,界面活性剤,高分子化合物,各用途に応じた有効成分,水などが挙げられる。
【0081】
粉状物としては、金属塩類粉末,無機物粉末や樹脂粉末などを用いる。例えば、タルク,カオリン,アルミニウムヒドロキシクロライド(アルミ塩),アルギン酸カルシウム,金粉,銀粉,雲母,炭酸塩,硫酸バリウム,セルロース,これらの混合物などを用いる。
【0082】
油成分としては、シリコーン油,パーム油,ユーカリ油,ツバキ油,オリーブ油,ホホバ油,パラフィン油,ミリスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,リノール酸,リノレン酸などを用いる。
【0083】
アルコール類としては、エタノールなどの1価の低級アルコール,ラウリルアルコールなどの1価の高級アルコール,エチレングリコール,グリセリン,1,3−ブチレングリコールなどの多価アルコールなどを用いる。
【0084】
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの両性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウムなどのカチオン性界面活性剤などを用いる。
【0085】
高分子化合物としては、メチルセルロース,ゼラチン,デンプン,カゼイン,ヒドロキシエチルセルロース,キサンタンガム,カルボキシビニルポリマーなどを用いる。
【0086】
各用途に応じた有効成分としては、サリチル酸メチル,インドメタシンなどの消炎鎮痛剤、安息香酸ナトリウム,クレゾールなどの除菌剤、ヒレスロイド,ジエチルトルアミドなどの害虫忌避剤、酸化亜鉛などの制汗剤、カンフル,メントールなどの清涼剤、エフェドリン,アドレナリンなどの抗喘息薬、スクラロース,アスパルテームなどの甘味料、エポキシ樹脂,ウレタンなどの接着剤や塗料、パラフェニレンジアミン,アミノフェノールなどの染料,リン酸二水素アンモニウム,炭酸水素ナトリウム・カリウムなどの消火剤などを用いる。
【0087】
さらに、上記内容物以外の、懸濁剤,紫外線吸収剤,乳化剤,保湿剤,酸化防止剤、金属イオン封鎖剤なども用いることができる。
【0088】
エアゾール式製品の内容物噴射用ガスとしては、炭酸ガス,窒素ガス,圧縮空気,酸素ガス,希ガス,これらの混合ガスなどの圧縮ガスや、液化石油ガス,ジメチルエーテル,フロロカーボンなどの液化ガスを用いる。
【符号の説明】
【0089】
A:次回放出対象内容物の貯留空間域
B:貯留空間域Aから外部空間域への内容物放出経路(図2参照)
C:貯留空間域Aへの内容物流入経路(図3参照)
D:外部空間域から容器本体内部への減圧防止用の外気流入経路(図3参照)
E:内容物放出動作をおこなうための操作レバーの縦回動操作方向(図2参照)
F:操作レバーの縦回動復帰方向(図3参照)
G:内容物放出方向を変化させる際の操作レバーの縦回動操作方向(図4参照)
w1:操作レバーの開口部の横幅(図5参照)
w2:L字状ノズルの横筒状部の横幅(図5参照)
【0090】
1:縦回動タイプの操作レバー
1a:斜め操作部
1b:天井部
1c:前後方向の開口部
1d:該開口部の最前端部分(最下端部分)
1e:一対の側部
1f:切欠状部
1g:縦回動中心用の一対の孔部
1h:天井部後端部分
2:操作レバー取付け部
2a:アーム部
2b:一対の凸状部
2c:アーム部の上端面
2d:筒状基部
2e:上向き環溝状部
2f:上筒状部
2g:内向き凸状部
【0091】
3:ハウジング
3a:環鍔状部
3b:起立筒状部
3c:外気流入用の孔部
3d:環状受け部(吸込弁)
4:ステム
4a:環凹状部(吐出弁)
5:内容物通過用の上筒状部材
5a:内容物通過用の溝状部
6:L字状ノズル
6a:横筒状部
6b:内容物放出用の流出口
6c:横向き円柱状部
6d:上下方向凸状部
【0092】
7:ロック部材
7a:摘み片部
7b:下向き凸状部
7c:一対の上下方向凹状部
7d:一対の周方向凸状部
8:下筒状部材
8a:逆スカート部
8b:環凸状部(吐出弁)
8c:スカート部
8d:弁作用筒状部(外気供給弁)
9:容器本体
9a:筒状首部
10:ネジキャップ
11:環状弁部材(外気供給弁)
12:ボール弁(吸込弁)
13:コイルスプリング
14:環状シール部材
15:チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作レバーの容器本体内容物放出用の縦回動操作と連動するノズルへの横回動操作により、当該操作レバーに対する横平面内での内容物放出方向が変更される機能を備えた内容物放出方向変更機構において、
前記ノズルは、
外部空間域への内容物の流出口を備え、
前記操作レバーは、
前記前向きノズルに対する前後方向の開口部を備えて、静止モード位置から、内容物放出操作の下方および、これとは逆で前記内容物放出方向の変更機能を実現するための上方のそれぞれに縦回動でき、
前記開口部は、
前記ノズルが当該開口部に入り込んだ前方向放出静止モードにおいては前記横回動操作を阻止する横幅からなり、かつ、
前記操作レバーが当該前方向放出静止モードの位置から前記上方に縦回動するときに当該ノズルの流出口側端部を通過する位置の最前端部分を備えている、
ことを特徴とする内容物放出方向変更機構。
【請求項2】
前記操作レバーは、
前記上方への縦回動位置から静止モード位置へと復帰する際、前記横回動操作により前記開口部から離脱する状態に設定済みの前記ノズルに当接して、これを位置決めするための係合作用部を備えている、
ことを特徴とする請求項1記載の内容物放出方向変更機構。
【請求項3】
前記ノズルは、
前記開口部に入り込んだ前方向放出静止モードのときに前記係合作用部と当接する被係合作用部を備えている、
ことを特徴とする請求項2記載の内容物放出方向変更機構。
【請求項4】
前記係合作用部は、
前記ノズルの上側外面形状に対応した態様で前記操作レバーの下縁部分に形成された切欠状部であり、
前記被係合作用部は、
前記ノズルの外面に形成された凸状部である、
ことを特徴とする請求項3記載の内容物放出方向変更機構。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の内容物放出方向変更機構を備え、かつ、内容物を収容した、
ことを特徴とするポンプ式製品。
【請求項6】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の内容物放出方向変更機構を備え、かつ、噴射剤および内容物を収容した、
ことを特徴とするエアゾール式製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−152678(P2012−152678A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12415(P2011−12415)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【出願人】(000144463)株式会社三谷バルブ (142)
【Fターム(参考)】