説明

内蔵式の心臓ポンプ及び前記ポンプを実行する方法

本発明は、心臓の全身性心室へ部分的に挿入される回転式パルス発生器;
上胃部に取り込まれており、そして、動力供給部及び前記回転式パルス発生器を制御するための制御ユニットを備えている管理ユニット;及び
前記管理ユニットと前記回転式パルス発生器との間の有線接続部;
を備える心臓ポンプであって、
前記インペラが:
心臓の壁に前記回転式パルス発生器をしっかりと固定するように心臓の外壁に縫合される膜と;
血液をひき込んで排出するように前記全身性心室の内部に配置される筐体と;
メンテナンスを容易にするように、部分的に前記全身性心室の外側に配置され、そして、前記筐体へ接続しているモーターと;
を備えているものとする、前記心臓ポンプに関する。図1を参照のこと。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、血流の調節を可能にする人工心臓ポンプに関するものである。
【0002】
心臓は、その律動的な収縮によって、弁を介して血液の進行を確実にする中空状の筋肉である。心臓は4つの空洞部を備えている。心臓の上部に配置される右心房及び左心房と、下部に配置される右心室及び左心室である。
【0003】
右心室は、右心房からくる血液を受け取り、そして、次に前記血液を肺動脈へ排出するように設計されている。これは、再酸素化のために血液が肺へ送られることを可能にする「小循環;petit circuit」を形成する。
【0004】
左心室は、左心房を介して酸素化した血液を肺から回収し、そして、次に前記血液を大動脈へ放出して、生物の細胞の全てに酸素をもたらす。これは、体循環と呼ばれる「大循環;grande circulation」である。
【0005】
心不全(CI)、すなわち、日常生活の間で個体の代謝要求に必要な血流を提供する能力の進行性の低下は、西洋諸国において2番目に多い死因である。患者の要求にふさわしい方法で血流を増加させることからなる心不全の治療は、現在の技術では全く効果的ではなく、そして、非常に費用のかかるものである。
【0006】
心臓のS状弁の不活性化による心不全の治療用ポンプを開示する文献US2009/0024212が公知である。前記ポンプは、弁の機能に取って代わるように左心室の内部から大動脈の内部へ延びている細長い形状を有している。
【0007】
大動脈を介して心室内部へも挿入される心臓ポンプを開示する文献US6217541も公知である。ポンプの端部が左心室内に含まれる血液をひき込み(aspire)、そして、次に、ポンプの端部と一体となっており弁を通じて配置されるフレキシブルチャネルを介して前記血液を大動脈へ輸送する。
【0008】
前述のポンプは、複雑な設備を必要とし、そして、永久的な使用のために設計されるものではない。
【0009】
埋め込み型の回転式ポンプを開示する文献US6234772も公知である。このポンプは磁気駆動であり、そして、任意の停滞域を避けて血液を循環させるために使用される。この文献では依然として、任意の効率的なポンプの設置に関する開示がされていない。
【0010】
文献WO2010/010407は、大動脈弁を通って左心室から血液を放出する回転式心臓補助ポンプを開示している。前記ポンプは、大動脈弁を通って大動脈内で及び心尖部で締め具により固定される。電気モーターが、大動脈弁を通過するコンジット内に配置される。
【0011】
最後に、左心室補助デバイス(混流型血液ポンプ)を開示する文献US2005/0107657が公知であり、前記左心室補助デバイスは、前記デバイスの中央に位置する回転式インペラによるいわゆる「アキシアル;axial」の血液排出回路及びいわゆる「放射状;radial」の血液流入回路を有する。ベース部は、心室の先端を介して、半剛体ロッドによって左心室内腔内部に保持されており、その一方で、前記デバイスの頂点は、機能的な修正又は弁の除去を伴う大動脈弁を通過する。外科的に、大動脈基部において切開をする必要があるように、心肺バイパスの導入に伴う胸骨切開が必要である。デバイス内部に、従って、左心室内部に電気モーターを配置する。前記文献は、ポンプの直径と、インペラの回転数/分(最大11,000rpmまで)との間の最適な効率均衡も開示している。ポンプの直径は、20〜22mmとして記載されている。
【0012】
本発明の目的は、現行システムの設置と比べると容易に設置することのできる新規の心臓ポンプである。
【0013】
本発明の別の目的は、長期使用のために設計される前記ポンプのメンテナンスの単純化である。
【0014】
本発明の更なる目的は、心臓の心室において全く侵襲性でなく、そして、安定的に維持する上での安定性を提供するポンプである。
【0015】
前記目的の少なくとも1つは、
心臓の全身性心室へ部分的に挿入されるインペラ;
動力供給部及びインペラ制御ユニットを備えている管理ユニット;及び
前記管理ユニットと前記インペラとの間の有線リンク;
を備える心臓ポンプであって、
前記インペラが、心臓の壁を介して:
心臓の壁に前記インペラを固定するように心臓の外壁、すなわち、心外膜に縫合される密封及び固定膜と;
前記全身性心室のS状弁の方向へ血液をひき込み、そして、次に排出するように、前記全身性心室の内部に配置される筐体と;
部分的に前記全身性心室の外側に配置され、そして、前記筐体へ接続しているモーターと;
を備えているものとする、前記心臓ポンプによって達成される。
【0016】
全身性心室とは、血液を循環させて、大動脈を介して酸素を患者の体に提供する心室である。原則として、この役割は左心室に与えられるが、ある病的状態では、この役割は右心室によって果たされることもある。
【0017】
本発明による心臓ポンプでは、インペラが心臓の壁へ確実に固定されており、患者は任意の外傷のリスク無しで活発的に体を動かすことができる。血流は、血液循環を直接制御することによって直接的に作用される。本発明のポンプは、必須の基準を必要とすることなく全ての心不全患者に対して適用される。
【0018】
更に、部分的に心臓の外側にあるモーターの配置は、前記モーターが心室の外側からアクセス可能であることを意味しており、それによってメンテナンスを単純化することが可能である。
【0019】
有利には、インペラを、心尖付近の心臓の下部に挿入して縫合することができる。好ましくは、モーターは取り外し可能であり、その結果、前記モーターが機能しなくなった場合でも容易に交換することができる。
【0020】
本発明によるインペラは、例えば、放出(projectionnel)又は回転式の種々のタイプの生体適合性インペラである。
【0021】
本発明の第1の変異体によると、インペラは回転式であり、そして、筐体中に配置されるプロペラシャフトを備えている。この場合には、遠心力によって血液が放出される。第2の変異体は、インペラが回転式であり、そして、筐体中に配置されるアルキメデススクリュー又は「ウォーム」軸を備えているという事実によって特徴付けられることができる。この場合には、筐体に沿った縦方向の前進力によって放出が起こる。
【0022】
好ましくは、筐体は細長い円筒であり、その側壁はひき込まれた血液を排出できるように穿孔されており、そして、その回転軸は相当するS状弁に面している。このような配置によって、血液をS状弁に向けて排出することが可能になるが、全身性心房からくる血液を効率的にひき込むことも可能になる。全身性心房は、全身性心室と関連する心房を意味する。
【0023】
本発明によると、管理ユニットを患者の体外に配置することができるが、好ましくは体内であり、そして、上胃部、すなわち、腹部の上部が有利である。従って、先行技術のシステムとは異なり、本発明の動力供給部を任意の外面化なしで完全に埋め込むことが好ましい。この目的を達成するために、動力供給部は、少なくとも1つのバッテリー、好ましくは充電式のバッテリーを備えることができ;バッテリーの充電は、場合により経皮的導入によって実施することができる。
【0024】
従って、本発明によるポンプは、完全に埋め込むことができ、そして、内蔵式であることができる。
【0025】
本発明の有利な特徴によると、ポンプは、インペラの動きを心臓の電気収縮活動と同期させるように心臓活動を収集する活動センサーと呼ばれるセンサーも備えることができる;前記活動センサーは心臓の壁に接続され、そして、管理ユニットへの有線リンクを有している。この構成によって、インペラの動きを心律動と同期させることができる。
【0026】
完全に一体化した構成では、活動センサーが、前記有線リンクを介して管理ユニットへ接続している。この場合、有線リンクは、管理ユニットとインペラとの間の唯一のリンクを形成する。
【0027】
本発明の有利な実施態様によると、心臓ポンプは、全身性センサーと呼ばれる心臓活動収集及び刺激センサーを備えており、前記センサーは、全身性心室の壁に接続しており、そして、有線リンク又は無線リンクを介して、特に、無線テレメトリーによって管理ユニットとつながることができる。前記センサーは、心臓の情報を収集し、そして、管理ユニットからくる指示に応じて筋肉を収縮させるように心臓を刺激する二重の役割を果たす。同一タイプの第2のセンサー(非全身性センサーとして公知である)を提供することができ、前記センサーは、非全身性心室の壁へ接続しており、そして、有線リンク又は無線リンクを介して、特に、無線テレメトリーによって管理ユニットとつながることができる。この場合、2つのセンサーを制御して、二心室刺激を実施することができる。心臓を刺激することができるという事実によって、インペラが血流に及ぼす直接的な作用と、心臓の収縮による間接的な作用とを組み合わせることが可能になる。種々のセンサーにより検出される心律動によって、インペラの動きを心臓活動と同期させることも可能になる。言い換えると、インペラは、心臓活動に関する情報を収集することが見込まれる場合、又は、連続モードで作動することが可能な場合に、心室収縮活動と同期する。
【0028】
全身性心房の壁に接続しており、そして、心臓活動収集及び刺激システムを完結させるように管理ユニットとつながることができる、心房センサーと呼ばれる別の心臓活動収集及び刺激センサーを想定することもできる。伝達手段は、有線又は無線であるか、特に、無線テレメトリーによるものであることができる。
【0029】
管理ユニットと無線で通じている場合には、センサーは電源に関して内蔵式である。
【0030】
特に前記の事項に加えて、本発明のポンプは、有利には、除細動センサーと呼ばれる心臓活動収集、刺激及び除細動センサーを備えることができ、前記センサーは、心臓の壁に接続しており、そして、管理ユニットへの有線リンクを有している;制御ユニットは除細動器としても構成される。
【0031】
あるいは、除細動器への無線接続を有する管理ユニットを提供することもできる。除細動器は、体外の(皮膚の)ものであるか又はそうでないものであることができ、特に、電波によって管理ユニットとつながっているが、独立した埋め込み型自動除細動器であることができる。
【0032】
本発明の有利な実施態様によると、前述の第2のインペラが、非全身性心室に配置され、そして、管理ユニットへも接続される。
【0033】
本発明の別の観点によると、前述の心臓ポンプによって心臓中の血流を調節する方法が提案される。本発明によると、心臓活動に関する自動制御指示にもとづいて、又は、規定の制御法則に基づいて、ポンプの速度及び作動時間を制御することによって血流を調節する。自動制御指示では、血流をリアルタイムで制御する。
【0034】
有利には、心臓の壁に接続しており、そして、管理ユニットへの有線リンクを有しているセンサーにより心臓活動を収集することによって、前記自動制御指示を展開する。心臓の壁に接続しており、そして、管理ユニットへの有線リンクを有している少なくとも1つの刺激センサーにより心臓を刺激することによって、血流を調節することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明の更なる利点及び特徴は、決して制限的でない実施態様の詳細な説明及び添付の図面を検討することにより明らかになるであろう。
【図1】心臓の左心室へ挿入される本発明による心臓ポンプの単純化された概略図である。
【図2】心臓活動に対して心臓ポンプを効率的に同期させるように複数のセンサー又は心外膜電極を備えている、本発明の心臓ポンプの概略図である。
【0036】
本発明は以下に制限されるわけではないが、原則として全身性心室である心臓の左心室に埋め込まれる心臓ポンプを説明する。しかしながら、本発明は、右心室が全身性心室である場合には、同じ方法で右心室へ適用される。
【0037】
図1及び2において、様々の変異体又は実施態様について共通の種々の構成要素は、同じ参照番号を有する。
【0038】
図1及び2では、心臓は全体として参照番号1で表されている。S状弁4を介して肺動脈3へ血液を排出する機能を有する右心室2を見ることができる。左心室5は、S状弁7を介して酸素化された血液を大動脈6へ排出することによって、体循環を実施する機能を有する。
【0039】
右心房8は、耳介−肺(auriculo-pulmonaires)弁9を介して右心室2に血液を供給する。左心房10は、耳介−肺弁11を介して左心室5に血液を供給する。
【0040】
本発明によるポンプは管理ユニット12を備えており、前記管理ユニット12は、先端で、すなわち、左心室の下側先端で、左心室5中に部分的に挿入されるインペラ14への有線リンク13を有する。
【0041】
インペラはモーター15を含み、前記モーター15は大部分が左心室の外側に位置しているので、胸郭を完全に開く胸骨切開と比較すると、前記モーター15は開胸(外科的切開)及び/又は上腹部経路による手術の後で容易にアクセス可能である。このモーターは、駆動軸の形態で心室内部へ延びるローターを備えている磁気駆動モーターである。前記軸は、血液を心室下部から大動脈6へ排出することの可能な「ウォーム」型(アルキメデススクリュー)である。この軸は、有利には、その自由端にプロペラ17が配置されている駆動軸16であることができる。前記プロペラは、血流の力学によって血液が大動脈6へ排出されることが可能になるように形成される。そのためには、軸16及びそのプロペラ17の周囲全体に円筒形の筐体18を形成する。左心房からくる血液をひき込み、そして、プロペラ17の動きによって筐体18を形成する円筒の上側開口部を通って血液を排出することを可能にするように、筐体18は、例えば、その側壁に少なくとも1つの開口部(好ましくは、ハニカム構造の複数の開口部)を含む。円筒形筐体18の回転軸は、大動脈口に向けられている。このような方向付けは、縫合によるインペラの位置付けの間で達成されることが有利である。その他の型の小型化された生体適合モーターを使用して血液をひき込んで排出できることは、当業者に容易に理解されるであろう。一般的に、本発明によるポンプの実施に使用される材料は生体適合性であり、そして、従って、患者の体内に埋め込むことができる。
【0042】
インペラ14は心尖へ挿入されており、そして、円形の密封及び固定膜19によってそこで保持される。完全な密封を提供する膜のその他の型を想定することができる。この膜19は、左心室5と心臓の外側との間に完全な密封を保証するように、モーター15の周囲全体で心臓の外壁に縫合されている。
【0043】
有線リンク13はインペラ14を管理ユニット12へ接続しており、前記管理ユニットは、動力供給部23(例えば、バッテリー)及び遠隔構造化可能な制御ユニット24を備えている。有線リンク13は制御ライン21を備えており、前記制御ライン21は、双方向式であることができ、そして、制御ユニット24が制御指示をインペラ14へ送ることを可能にする。ケーブル22は、心臓の心臓活動を収集するように心臓の壁へ挿入されている任意の活動センサーS1へ管理ユニット12を電気的に接続することができる。活動センサーS1は、密封を損なわないように前記密封及び固定膜19の外側で挿入されるか、又は、密封及び固定膜19を介して挿入されることができる。前記活動センサーS1は、左心室又は右心室を刺激することもできる。この場合、前記センサーS1は、左心室又は右心室に相当する壁に配置される。
【0044】
本発明による前記心臓ポンプでは、管理ユニット12とインペラ14との間のリンクは、単一のリンク13によって達成される。
【0045】
作動の間で、規定の法則又は制御指示の関数としてモーターの回転速度及び作動時間を調節するように、管理ユニットが構成される。センサー(例えば、活動センサーS1)を提供して心臓活動を収集する場合、制御ユニット24を構成して、心律動に基づいてモーターをリアルタイムで自動的に制御することができる。この自動制御によって、回転インペラを心拍と同期させることが可能になる。
【0046】
管理ユニットを患者の腹部の内側、すなわち、上胃部に埋め込むことが好ましい。従って、無線通信によって制御ユニット24を遠隔構造化可能にすることが見込まれる。
【0047】
図2は、複数のセンサー又は心外膜電極を導入する実施態様における本発明の心臓ポンプの例を示す。
【0048】
心臓に配置されるセンサーは、情報収集及び刺激型である。これらを使用して電気的活動の開始を同定し、そして、インペラを弁の開放(ouverture)と同期させる。二つの心室のそれぞれが1つのインペラに従う場合、各インペラは相当する弁の開放と同期する。有利には、心臓周期毎に20〜35mLの収縮期容積を供給するように、各インペラの頻度(frequence)を適合させる。
【0049】
開放弁を有する心室におけるインペラの作動(心収縮の間の)が放出される血液量を増加させる場合には、本発明のポンプは収縮期容積を増加させ、及び、その結果として血流を増加させることが可能である。
【0050】
図2に示される実施例によると、本発明によるポンプは全身性センサーS2と呼ばれる心臓活動収集及び刺激センサーを備えており、前記センサーは、特に、左心室が筋肉の収縮により刺激されることを可能にする。前記全身性センサーS2は、管理ユニット12へ接続しており、左心室の心臓の壁に配置される。同様に、非全身性センサーS3と呼ばれる別の心臓活動収集及び刺激センサーが、右心室の壁に配置され、そして、管理ユニット12へ接続している。前記センサーは、特に、右心室が筋肉の収縮により刺激されることを可能にする。2つのセンサーS2及びS3の組み合わされた作用によって、規定の法則によるか、又は、規定の指示に応答する心律動を維持するように、二心室の刺激が制御ユニット24から実施されることが可能になる。
【0051】
図2では、管理ユニット12と接続している、心房センサーS4と呼ばれる心臓活動収集及び刺激センサーを左心房の壁に見ることもできる。有利には、制御ユニット24を構成して、全身性センサーS2及び非全身性センサーS3の刺激を、前記センサーS4から収集された情報に対して同期させることができる。
【0052】
特に前記の事項に加えて、センサーS2及びS4のそれぞれは活動センサーS1の役割を果たすことができる。
【0053】
心室細動のリスクに対処するために、心外膜パッチ又は除細動センサーS5を心臓の外壁に配置すること、そして、細動状況を検出しそして低エネルギーの電気パルスを供給するように制御ユニットを構成することが見込まれる。
【0054】
心臓活動を完全に理解するために、患者活動検出器25(例えば、加速度計又は圧力センサー)を、例えば、管理ユニット12内に配置するか、又は、前述のセンサーの1つに導入することが見込まれる。患者の身体活動における任意の加速を検出して制御ユニットへ信号を送るために、そのような検出器は、変時性不全を有する患者にとって有用であることができる。
【0055】
心律動について得られる情報を補足してインペラを効率的に制御するように患者の血流力学的状態を検出するための、血流力学検出器も見込まれる。血流力学検出器は、例えば、電極S2と一緒に埋め込まれるPEA(ピーク心外膜加速;Peak EndocardialAcceleration)型の心外膜加速検出器であることができる。
【0056】
従って、本発明による心臓ポンプは、任意の心不全を防止するために血流を調節することを可能にする。更に、前記心臓ポンプは、開胸により心臓に埋め込むことができる。回転式インペラを左心室の先端(下側先端)で挿入することができ、そして、必要な場合には、第2の回転式インペラを右心室の先端で挿入することができる。これらの2つのインペラを、上胃部内に置かれる管理ユニットへ有利に接続させることができる。従って、電力及び動力供給機器を具体化することのないクローズドシステムである。
【0057】
勿論、本発明は前述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲を超えることなくこれらの実施例に種々の調整を行うことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の全身性心室(5)へ部分的に挿入されるインペラ(14);
動力供給部(23)及びインペラ制御ユニット(24)を備えている管理ユニット(12);及び
前記管理ユニットと前記インペラとの間の有線リンク(13);
を備える心臓ポンプであって、
前記インペラが、心臓の壁を介して:
心臓の壁に前記インペラを固定するように心臓の外壁に縫合される密封及び固定膜(19)と;
前記全身性心室のS状弁(7)の方向へ血液をひき込み、そして、次に排出するように、前記全身性心室の内部に配置される筐体(18)と;
部分的に前記全身性心室の外側に配置され、そして、前記筐体へ接続しているモーター(15)と;
を備えているものとする、前記心臓ポンプ。
【請求項2】
完全な密封を保証し、そして、心尖付近の心臓の下部へインペラを固定するために、密封及び固定膜(19)が円形であることを特徴とする、請求項1に記載の心臓ポンプ。
【請求項3】
インペラが回転式であり、そして、筐体中に配置されるプロペラシャフト(16)を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の心臓ポンプ。
【請求項4】
インペラが回転式であり、そして、筐体中に配置されるアルキメデススクリュー又はウォーム軸を備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の心臓ポンプ。
【請求項5】
筐体(18)が細長い円筒であり、その側壁はひき込まれた血液を排出できるように穿孔されており、そして、その回転軸は相当するS状弁に面していることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の心臓ポンプ。
【請求項6】
管理ユニット(12)が生体適合性であり、その結果、上胃部で患者の体内に配置することができることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の心臓ポンプ。
【請求項7】
モーター(15)が取り出し可能であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の心臓ポンプ。
【請求項8】
動力供給部(23)が少なくとも1つの再充電可能なバッテリーを備えていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の心臓ポンプ。
【請求項9】
インペラの動きを心臓の電気収縮活動と同期させるように心臓活動を収集する、活動センサー(S1)と呼ばれるセンサーも備えており;前記活動センサーは心臓の壁に接続され、そして、管理ユニットへの有線リンクを有していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の心臓ポンプ。
【請求項10】
全身性心室の壁に接続しており、そして、管理ユニットとつながることができる、全身性センサー(S2)と呼ばれる心臓活動収集及び刺激センサーを備えていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の心臓ポンプ。
【請求項11】
非全身性心室の壁に接続しており、そして、管理ユニットとつながることができる、非全身性センサー(S3)と呼ばれる心臓活動収集及び刺激センサーをも備えていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の心臓ポンプ。
【請求項12】
全身性心房の壁に接続しており、そして、管理ユニットとつながることができる、心房センサー(S4)と呼ばれる心臓活動収集及び刺激センサーをも備えていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の心臓ポンプ。
【請求項13】
心臓の壁に接続しており、そして、管理ユニットへの有線リンクを有する、除細動センサー(S5)と呼ばれる心臓活動収集、刺激及び除細動センサーをも備えており;制御ユニットも除細動器として構成されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の心臓ポンプ。
【請求項14】
管理ユニット(12)が除細動器への無線リンクを有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の心臓ポンプ。
【請求項15】
非全身性心室に配置され、そして、前記管理ユニットへ接続している第二のインペラをも備えていることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の心臓ポンプ。
【請求項16】
心臓ポンプによって心臓における血流を調節する方法であって、前記心臓ポンプは:
心臓の全身性心室へ部分的に挿入されるインペラ;
動力供給部及びインペラ制御ユニットを備えている管理ユニット;及び
前記管理ユニットと前記インペラとの間の有線リンク;
を備えており、
ここで、前記インペラが、心臓の壁を介して:
心臓の壁に前記インペラを固定するように心臓の外壁に縫合される密封及び固定膜と;
前記全身性心室のS状弁の方向へ血液をひき込み、そして、次に排出するように、前記全身性心室の内部に配置される筐体と;
前記全身性心室の外側に配置され、そして、前記筐体へ接続しているモーターと;
を備えているものとし、
前記方法において、
心臓活動に関する自動的な制御指示に基づくか、又は、所定の制御法則に基づいて、ポンプの速度及び作動時間を制御することによって血流を調節するものとする、前記方法。
【請求項17】
心臓の壁に接続しており、そして、管理ユニットへの有線リンクを有するセンサーを用いて心臓活動を収集することによって、自動的な制御指示を展開することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
心臓の壁に接続しており、そして、管理ユニットへの有線リンクを有する少なくとも1つの刺激センサーを用いて心臓を刺激することによって、血流を調節することを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2013−517873(P2013−517873A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−550485(P2012−550485)
【出願日】平成22年12月30日(2010.12.30)
【国際出願番号】PCT/FR2010/052940
【国際公開番号】WO2011/092394
【国際公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(512197630)
【氏名又は名称原語表記】FINEHEART
【Fターム(参考)】