内視鏡システム
【課題】ユーザの手技行動領域に邪魔とならずコンパクトで、且つ各種情報入力を容易に行うことができる内視鏡システムを実現すること。
【解決手段】本発明の内視鏡システム1は、入力部6を備えた内視鏡2と、該内視鏡が撮影した像を表示するモニタ13と、上記内視鏡と着脱自在であって、該内視鏡と接続した場合、上記入力部により設定自在な設定画面を上記モニタに自動表示させる観測装置10と、を具備することを特徴とする。
【解決手段】本発明の内視鏡システム1は、入力部6を備えた内視鏡2と、該内視鏡が撮影した像を表示するモニタ13と、上記内視鏡と着脱自在であって、該内視鏡と接続した場合、上記入力部により設定自在な設定画面を上記モニタに自動表示させる観測装置10と、を具備することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔内へ挿入して内視鏡検査を行う電子内視鏡と、該電子内視鏡によって撮影された該体腔内の内視鏡画像を表示する表示装置と、を備えた内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療用の内視鏡は、体腔内に挿入され内視鏡検査に用いられている。近年においては、撮像素子などにより、体腔内を撮影して、内視鏡画像をモニタに表示する電子内視鏡が知られている。
【0003】
このような電子内視鏡により撮影された内視鏡画像は、検査記録としてフィルム写真、或いは記録媒体へ録画される。その際に、受診者識別のために内視鏡検査を受けた患者の情報、日時などの各種情報を正確に記録する必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、上記各種情報をモニタ画面に文字列として表示することができる電子内視鏡装置が開示されている。
【特許文献1】特開平7−111976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子内視鏡装置は、プロセッサ装置に接続されたキーボードにより上記各種情報を入力する必要がある。そのため、従来の電子内視鏡装置は、モニタを初め、電子内視鏡が有線接続されるプロセッサ装置、及びキーボードを配置するためのスペースが必要である。
【0006】
また、電子内視鏡がプロセッサ装置と有線により接続されているため、該プロセッサ装置は、電子内視鏡に近接した位置にしか設置することが出来ない。これに合わせて、プロセッサ装置に接続されるキーボードも、該プロセッサ装置、及び電子内視鏡の近傍に設置するほか無かった。
【0007】
これらのことから、医師であるユーザとっては、各種装置が患者に近接する周囲となる手技行動領域内に設置されるため、該各種装置が邪魔となり手技がし難く、手狭に感じるという問題があった。
【0008】
また、特に、キーボードにおいては、術前、或いは術中において、上記各種情報を手入力するため、その衛生管理が必要とされる。そのため、上記キーボードは、抗菌コート、或いはキーボードを覆う防菌カバーによる感染防止の処置が施されている。
【0009】
しかしながら、上記キーボードは、術後に滅菌処理しなければならず、連続した内視鏡検査の際に、稼動率が低減するという問題がある。また、内視鏡検査の施術中には、衛生上、キーボードによる各種情報の入力を行わないほうが好ましいとされる。
【0010】
そこで、本発明は、上述の事情に鑑み、ユーザの手技行動領域に邪魔とならないようにコンパクトで、且つ各種情報入力を容易に行える内視鏡システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成すべく、本発明の内視鏡システムは、入力部を備えた内視鏡と、該内視鏡が撮影した像を表示するモニタと、上記内視鏡と着脱自在であって、該内視鏡と接続した場合、上記入力部により設定自在な設定画面を上記モニタに自動表示させる観測装置と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の内視鏡システムによれば、ユーザの手技行動領域に邪魔とならずコンパクトで、且つ各種情報入力を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
先ず、図1〜図9を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1〜図9は、本発明の内視鏡システムの第1の実施の形態の説明に係り、図1は内視鏡システムを示す全体構成図、図2は電子内視鏡と観測装置とを接続した際に起動されるモニタ画面を示す平面図、図3は患者情報を日本語(かな漢字変換)入力する際のモニタ画面を示す平面図、図4は患者情報を英字入力する際のモニタ画面を示す平面図、図5は患者情報を数字入力する際のモニタ画面を示す平面図、図6は患者情報入力後の確認画面が表示されたモニタ画面を示す平面図、図7は第1変形例を示し、患者情報を日本語(かな漢字変換)入力する際のモニタ画面を示す平面図、図8は第2変形例を示し、背景に内視鏡画像が表示され、タッチパネル方式にて日本語(かな漢字変換)入力する際のモニタ画面を示す平面図、図9は第3変形例を示し、ソフトキーボードの構成を示す平面図である。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態の内視鏡システム1は、電子内視鏡(以下、単に内視鏡という)2と、カメラコントロールユニット(CCU)である観測装置10と、表示装置であるモニタ13と、から構成されている。
【0015】
内視鏡2は、先端から順に、先端部3と、この先端部3に連設された挿入部4と、この挿入部4の基端に接続された操作部5と、この操作部5から延設する電気ケーブルであるユニバーサルコード7と、から構成されている。
【0016】
内視鏡2の先端部3は、本実施の形態では照明手段、及び撮像手段が内蔵された図示しない撮像ユニットが配設されている。この撮像ユニットの照明手段は、例えば、それ自体が光源となるLED、或いは挿入部4、操作部5からユニバーサルコード7内を挿通するライトガイドファイバーによって外部光源からの照明光を導光して照射する構成となっている。また、撮像ユニットの撮像手段は、例えば、CCD、CMOSなどの撮像素子が用いられ、先端部3内、或いはイメージガイドファイバーを介して内視鏡像を撮影する構成となっている。
【0017】
挿入部4は、可撓性を備えた軟性内視鏡挿入部、或いは硬質な硬性内視鏡挿入部である。尚、挿入部4は、上記軟性内視鏡挿入部である場合、先端部分に湾曲部を備えた構成としても良い。
【0018】
操作部5は、ポインティングデバイスであるジョイスティックタイプの入力部である操作レバー6が配設されている。尚、操作レバー6は、ジョイスティックタイプのポインティングデバイスに限定されること無く、例えば、トラックボールでも良い。
【0019】
ユニバーサルコード7は、延出端に接続部8を備えている。この接続部8は、観測装置10と着脱自在に電気的に接続される。また、この接続部8には、被検出部品である検出用チップ9が内蔵されている。
【0020】
観測装置10には、上記接続部8が電気的に接続されたときに検出用チップ9を検出する検出部である検出装置11と、上記電子内視鏡2により撮影された内視鏡像を録画記録する記録装置12と、図示しないプロセッサと、が内蔵されている。
【0021】
尚、上記検出装置11は、単にユニバーサルコード7の接続部8が検出されたことを認識するもので、上述したような検出用チップ9を電気的に検出するほか、機械的な接続検出スイッチでも良い。
【0022】
記録装置12は、例えば、ハードディスク、各種ディスク、フラッシュメモリ、及び各種ピクチャーカードの記録媒体に上記内視鏡像を書き込みすることができるもので、観測装置10に内蔵されるものに限定することなく、外付けとしても良い。
【0023】
プロセッサ(不図示)は、内視鏡2からの光電変換された撮像信号を画像処理し、内視鏡画像としてモニタ13に表示できるようにする。尚、プロセッサには、検出装置11からの検出信号が入力される。
モニタ13は、観測装置10に接続され、モニタ画面14に内視鏡画像、並びに各種設定画面を表示する。
【0024】
次に、図2〜図6を用いて、以上のように構成された本実施の形態の内視鏡システム1の作用について説明する。
先ず、術者であるユーザは、内視鏡検査のために内視鏡システム1を準備する。このとき、内視鏡2と観測装置10とを接続する。つまり、ユーザは、内視鏡2のユニバーサルコード7の接続部8を観測装置10の所定の接続位置で連結接続する。
【0025】
この内視鏡2と観測装置10が接続されたとき、観測装置10の検出装置11が接続部8の検出用チップ9を検出し、その検出信号をプロセッサに出力する。すると、図2に示すような、初期設定画面がモニタ画面14に表示(立ち上がる)される。
【0026】
モニタ画面14に表示される初期設定画面には、患者情報入力タブ、画像設定タブ、色調整タブ、周辺機器設定タブなどの複数の設定項目からなるコマンドボタンである設定タブ群15と、患者氏名表示部17と、患者ID表示部18と、日時表示部19と、図示しない患者の生年月日などが表示される。尚、本実施の形態では、設定タブ群15は、モニタ画面14の左側に、各表示部17〜19は右側に表示されている。
【0027】
また、モニタ画面14には、内視鏡2の操作部5に配設された操作レバー6により操作自在な選択ポインタ16が表示される。この選択ポインタ16は、操作レバー6の操作に連動して、モニタ画面14内で移動する。
【0028】
ユーザは、例えば、図2に示すように、設定タブ群15のうち患者設定入力上に選択ポインタ16を移動させ、操作レバー6を押下すると、患者情報の入力画面に切り替わる。すると、モニタ画面14には、右側上部に入力項目表示部20、及び入力セル21が表示されると共に、中央から下部に、ひらがな文字列のソフトキーボード23、及び複数の変更キーからなる変更キー群24が表示(立ち上がる)される。このとき、図3に示すような、ソフトキーボード23、及び変更キー群24は、図2に示したメニュー画面の設定タブ群15を背景にした透過表示となっている。
【0029】
ユーザは、患者氏名を日本語入力する際に、操作部5の操作レバー6の操作によって、五十音が羅列された、ひらがな文字のソフトキーボード23上で、選択したい、ひらがな文字に選択ポインタ16を移動して、操作レバー6を押下(クリック)する。すると、図3に示すように、選択した、ひらがな文字が入力セル21に表示される。
【0030】
また、ユーザは、ひらがな文字から漢字、或いはカタカナ文字に変換したい場合には、変更キー群24の漢字キー上、或いはカナキー上に選択ポインタ16を合わせ、操作レバー6を押下(クリック)する。尚、ユーザは、選択した、ひらがな文字を小文字にしたい場合、再度、選択した、文字をクリック(ダブルクリック)するか、ソフトキーボード23の小文字をクリックすることで、変換することができる。ユーザは、スペースを入力したい場合、変更キー群24のスペースキーを選択することにより行える。さらに、変換する漢字は、変更キー群24の漢字キーをクリックすることで、変換候補が順次表示される。
【0031】
また、本実施の形態の内視鏡システム1では、アルファベット(英字)入力、及び数字入力できるものであり、変更キー群24の英字キー、及び数字キーの選択により行える。
【0032】
ユーザは、変更キー群24の英字キーをクリックすると、図4に示すように、アルファベット文字列のソフトキーボード23に変更される。そのため、ユーザは、ひらがな文字の入力と同様に選択したい、アルファベット文字に選択ポインタ16を移動して、操作レバー6を押下(クリック)して、患者氏名をアルファベット入力することができる。
尚、ユーザは、選択した、アルファベット文字を小文字にしたい場合、再度、選択した、文字をクリック(ダブルクリック)することで、変換することができる。
【0033】
また、ユーザは、変更キー群24の数字キーをクリックすると、図5に示すように、数字列のソフトキーボード23に変更される。ここでも、ユーザは、選択したい、数字に選択ポインタ16を移動して、操作レバー6を押下(クリック)して、各種IDを数字入力することができる。上記各種IDとは、患者ID、医師ID、内視鏡ID、録画した記録媒体の管理IDなどである。これらソフトキーボード23により入力された文字情報は、観測装置10の記録装置12の記録媒体に内視鏡像と共に書き込まれる。
【0034】
尚、本実施の形態では、患者氏名、及び患者IDの順で入力項目が入れ替わり、ユーザにより、対応した情報が文字入力した後に、変更キー群24の決定キーが選択されると、次の入力項目に移動する。また、ユーザは、変更キー群24の戻るキーを選択することで、入力項目を1つ手前に戻すこともできる。
【0035】
そして、ユーザは、各種項目を入力後、変更キー群24の閉じるキーを選択すると、図6に示すように、入力項目表示部20、入力セル21、及びソフトキーボード23がモニタ画面14から消すことができる。
【0036】
このとき、モニタ画面14には、設定タブ群15が表示された初期の画面に戻り、右側に入力した情報が各表示部17〜19に表示される。また、モニタ画面14の最下部には、登録キー、変更キー、メニューキー、戻るキー、及び閉じるキーからなる変更キー群24aが表示される。尚、本実施の形態では、図6に患者氏名、患者ID、及び日時のみ図示しているが、医師ID、内視鏡IDなどの各種情報を表示するようにしても良い。
【0037】
ユーザは、この初期画面から内視鏡画像に切り換えたい場合に変更キー群24aの閉じるキーを選択することにより行うことができる。また、ユーザは、入力した各種情報を変更したい場合、変更キー群24aの変更キーを選択するか、再度、設定タブ群15の患者情報入力タブを選択することにより、上述した手順で行える。
【0038】
以上のように本実施の形態の内視鏡システム1によれば、観測装置10にキーボードなどの入力装置が無くとも、内視鏡2の操作部5に配設された操作レバー6によって、モニタ画面14に表示される設定タブ群15の選択と、ソフトキーボード23からの文字入力によって、上記各種情報を入力することができる。これにより、内視鏡システム1は、別途の入力装置を備える必要が無く、コンパクトな構成とすることができる。
【0039】
その結果、処置を行う院内のスペースが手狭になることなく、医師であるユーザとっては、患者に近接する周囲となる手技行動領域に、各種情報を入力する入力装置が邪魔とならず、手技がし易くなる。
【0040】
また、本実施の形態の内視鏡システム1は、入力装置が必要ないため、術後に滅菌処理に内視鏡2のみで良くなる。そのため、連続した内視鏡検査の際に、単に新たな滅菌処理済みの内視鏡2を接続するのみで良いため、内視鏡システム1の稼動率を向上させることができる。
【0041】
尚、ソフトキーボード23は、図7に示すように、あ行〜わ行の行頭文字のみ表示されており、選択ポインタ16を例えば、あ行の行頭文字(あ)に合わせると、あ行の文字(あ〜お)が表示され、選択できる構成としても良い。このようなソフトキーボード23では、背景画面の表示領域を大きくすることができる。
【0042】
また、図8に示すように、ソフトキーボード23は、選択を指Fにより行えるタッチパネル方式にしても良い。また、入力項目表示部20、入力セル21、ソフトキーボード23、変更キー群24は、図8に示すように、背景画面が内視鏡画像25上にも表示させることができると共に、各種情報の入力を可能な構成にしても良い。
【0043】
さらに、図9に示すように、ソフトキーボード23aは、各種文字列キーをクリック選択する度に、その文字列の文字が順に選択できる構成としても良い。具体的には、あ行〜わ行のキーをクリックする回数に応じた各行の任意の文字を選択することができる。尚、アルファベット、或いは数字は、変更キー群24bの英字、或いは数字の選択により入力可能となり、表示された文字をクリックする回数に応じて選択可能となっている。
【0044】
以上に説明した本実施の形態の内視鏡システム1では、選択ポインタ16、或いはタッチパネルにより、任意の操作選択をモニタ画面14上で行う構成としたが、例えば、選択位置が強調表示されるカーソルなどの構成としても良い。
【0045】
(第2の実施の形態)
次に、図10、及び図11を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。
図10、及び図11は、本発明の内視鏡システムの第2の実施の形態の説明に係り、図10は内視鏡システムを示す全体構成図、図11は電子内視鏡と観測装置とを接続すると共に、内視鏡の挿入部と操作部とを接続した際に起動されるモニタ画面を示す平面図である。
【0046】
本実施の形態の内視鏡システム1の内視鏡2は、挿入部4と操作部5が着脱自在な構成となっている。また、以下の説明において、上述した第1の実施の形態の内視鏡システム1と同一の構成について同じ符号を用い、それら構成の詳細な説明を省略する。
【0047】
内視鏡2の挿入部4は、基端部に挿入部コネクタ27を備えている。この挿入部コネクタ27は、内視鏡IDが記録されたIDチップ28を内蔵し、操作部5に連結される。また、操作部5には、挿入部コネクタ27のIDチップ28を読み取る検出部29が内蔵されている。この検出部29は、ユニバーサルコード7を介して、観測装置10と電気的に接続される。
【0048】
本実施の形態の挿入部4は、単回使用(ディスポーザブル)タイプであり、患者毎に使用され、使用後に医療廃棄処分がなされる。尚、挿入部4は、再利用できるタイプでも勿論構わない。
【0049】
このように構成された本実施の形態の内視鏡システム1は、内視鏡検査前に、第1の実施の形態と同様に、内視鏡2のユニバーサルコード7の接続部8が観測装置10に接続される。そして、挿入部2の挿入部コネクタ27が操作部29に接続される。
【0050】
このとき、操作部5の検出部29は、挿入部コネクタ27内のIDチップ28を検出し、挿入部4と操作部5が接続された情報と、IDチップ28に記憶されている内視鏡IDの情報を観測装置10に出力する。
【0051】
すると、第1の実施の形態と同様に、図11に示すような、初期設定画面がモニタ画面14に表示(立ち上がる)される。このモニタ画面14には、日時表示部19の下方に内視鏡ID(SCOPE ID)表示部30に識別情報である内視鏡ID番号が自動で表示される。
【0052】
尚、内視鏡2の挿入部4は、ディスポーザブルである場合、操作部5に接続されるとIDチップ28に検出部29から使用済みを識別する識別情報が書き込まれる。このような構成とすることで、一度使用した内視鏡2の挿入部4は、IDチップ28の情報から検出部29が使用済みとの認識がされる。
【0053】
挿入部4が使用済みである情報をIDチップから検出した検出部29は、観測装置10に検出信号を出力する。そして、観測装置10は、モニタ画面14に挿入部4が使用済みであるという警告表示を行う。
【0054】
以上のような構成とすることで、本実施の形態の内視鏡システム1は、内視鏡IDを入力する手間が省け、ディスポーザブルタイプの使用済みの挿入部4の誤使用を防止することができる。尚、その他の患者情報などの入力については、第1の実施の形態と同様である。
【0055】
以上に記載した発明は、各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0056】
例えば、各実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0057】
尚、本発明には、以下の付記に記載する特徴がある。
【0058】
(付記1)
入力部を備えた内視鏡と、
該内視鏡が撮影した像を表示するモニタと、
上記内視鏡が着脱自在であって、該内視鏡と接続した場合、上記入力部により設定自在な設定画面を上記モニタに自動表示させる観測装置と、
を具備することを特徴とする内視鏡システム。
【0059】
(付記2)
上記操作画面は、上記入力部により、各種情報を入力するためのコマンドボタンが表示されることを特徴とする付記1に記載の内視鏡システム。
【0060】
(付記3)
上記観測装置は、上記コマンドボタンの選択により、上記入力部によって、画面上で文字が入力自在なソフトキーボードを上記操作画面へ表示することを特徴とする付記2に記載の内視鏡システム。
【0061】
(付記4)
上記内視鏡は、操作部と、
該操作部と着脱自在な識別情報が記録された挿入部と、
を有し、
上記操作部と上記挿入部とが接続された場合、上記識別情報が上記観測装置に出力され、上記設定画面に該識別情報が自動表示される
ことを特徴とする付記1から付記3のいずれか1つに記載の内視鏡システム。
【0062】
(付記5)
さらに、上記観測装置は、記録装置を備え、
該記録装置は、上記内視鏡が撮影する像と共に、上記ソフトキーボードにより入力された文字情報を記録することができる
ことを特徴とする付記1から付記4のいずれか1つに記載の内視鏡システム。
【0063】
(付記6)
上記記録装置は、上記内視鏡が撮影する内視鏡像と共に、上記識別情報を記録することを特徴とする付記5に記載の内視鏡システム。
【0064】
(付記7)
上記入力部は、ポインティングデバイスであることを特徴とする付記1から付記6の何れか1つに記載の内視鏡システム。
【0065】
(付記8)
上記ソフトキーボードは、上記入力部のほか、画面上で設定自在なタッチパネルであることを特徴とする付記1から付記7の何れか1つに記載の内視鏡システム。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡システムを示す全体構成図。
【図2】同、内視鏡と観測装置とを接続した際に起動されるモニタ画面を示す平面図。
【図3】同、患者情報を日本語(かな漢字変換)入力する際のモニタ画面を示す平面図。
【図4】同、患者情報を英字入力する際のモニタ画面を示す平面図
【図5】同、患者情報を数字入力する際のモニタ画面を示す平面図。
【図6】同、患者情報入力後の確認画面が表示されたモニタ画面を示す平面図。
【図7】同、第1変形例を示し、患者情報を日本語(かな漢字変換)入力する際のモニタ画面を示す平面図。
【図8】同、第2変形例を示し、背景に内視鏡画像が表示され、タッチパネル方式にて日本語(かな漢字変換)入力する際のモニタ画面を示す平面図。
【図9】同、第3変形例を示し、ソフトキーボードの構成を示す平面図。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡システムを示す全体構成図。
【図11】同、内視鏡と観測装置とを接続すると共に、内視鏡の挿入部と操作部とを接続した際に起動されるモニタ画面を示す平面図。
【符号の説明】
【0067】
1・・・内視鏡システム
2・・・電子内視鏡
3・・・先端部
4・・・挿入部
5・・・操作部
6・・・操作レバー
7・・・ユニバーサルコード
8・・・接続部
9・・・検出用チップ
10・・・観測装置
11・・・検出装置
12・・・記録装置
13・・・モニタ
14・・・モニタ画面
15・・・設定タブ群
16・・・選択ポインタ
17・・・患者氏名表示部
18・・・表示部
19・・・日時表示部
20・・・入力項目表示部
21・・・入力セル
23,23a・・・ソフトキーボード
24,24a,24b・・・変更キー群
25・・・内視鏡画像
27・・・挿入部コネクタ
28・・・チップ
29・・・検出部-・・・行
F・・・指
【技術分野】
【0001】
本発明は、体腔内へ挿入して内視鏡検査を行う電子内視鏡と、該電子内視鏡によって撮影された該体腔内の内視鏡画像を表示する表示装置と、を備えた内視鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、医療用の内視鏡は、体腔内に挿入され内視鏡検査に用いられている。近年においては、撮像素子などにより、体腔内を撮影して、内視鏡画像をモニタに表示する電子内視鏡が知られている。
【0003】
このような電子内視鏡により撮影された内視鏡画像は、検査記録としてフィルム写真、或いは記録媒体へ録画される。その際に、受診者識別のために内視鏡検査を受けた患者の情報、日時などの各種情報を正確に記録する必要がある。
【0004】
例えば、特許文献1には、上記各種情報をモニタ画面に文字列として表示することができる電子内視鏡装置が開示されている。
【特許文献1】特開平7−111976号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電子内視鏡装置は、プロセッサ装置に接続されたキーボードにより上記各種情報を入力する必要がある。そのため、従来の電子内視鏡装置は、モニタを初め、電子内視鏡が有線接続されるプロセッサ装置、及びキーボードを配置するためのスペースが必要である。
【0006】
また、電子内視鏡がプロセッサ装置と有線により接続されているため、該プロセッサ装置は、電子内視鏡に近接した位置にしか設置することが出来ない。これに合わせて、プロセッサ装置に接続されるキーボードも、該プロセッサ装置、及び電子内視鏡の近傍に設置するほか無かった。
【0007】
これらのことから、医師であるユーザとっては、各種装置が患者に近接する周囲となる手技行動領域内に設置されるため、該各種装置が邪魔となり手技がし難く、手狭に感じるという問題があった。
【0008】
また、特に、キーボードにおいては、術前、或いは術中において、上記各種情報を手入力するため、その衛生管理が必要とされる。そのため、上記キーボードは、抗菌コート、或いはキーボードを覆う防菌カバーによる感染防止の処置が施されている。
【0009】
しかしながら、上記キーボードは、術後に滅菌処理しなければならず、連続した内視鏡検査の際に、稼動率が低減するという問題がある。また、内視鏡検査の施術中には、衛生上、キーボードによる各種情報の入力を行わないほうが好ましいとされる。
【0010】
そこで、本発明は、上述の事情に鑑み、ユーザの手技行動領域に邪魔とならないようにコンパクトで、且つ各種情報入力を容易に行える内視鏡システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成すべく、本発明の内視鏡システムは、入力部を備えた内視鏡と、該内視鏡が撮影した像を表示するモニタと、上記内視鏡と着脱自在であって、該内視鏡と接続した場合、上記入力部により設定自在な設定画面を上記モニタに自動表示させる観測装置と、を具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の内視鏡システムによれば、ユーザの手技行動領域に邪魔とならずコンパクトで、且つ各種情報入力を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(第1の実施の形態)
先ず、図1〜図9を参照して本発明の第1の実施の形態を説明する。
図1〜図9は、本発明の内視鏡システムの第1の実施の形態の説明に係り、図1は内視鏡システムを示す全体構成図、図2は電子内視鏡と観測装置とを接続した際に起動されるモニタ画面を示す平面図、図3は患者情報を日本語(かな漢字変換)入力する際のモニタ画面を示す平面図、図4は患者情報を英字入力する際のモニタ画面を示す平面図、図5は患者情報を数字入力する際のモニタ画面を示す平面図、図6は患者情報入力後の確認画面が表示されたモニタ画面を示す平面図、図7は第1変形例を示し、患者情報を日本語(かな漢字変換)入力する際のモニタ画面を示す平面図、図8は第2変形例を示し、背景に内視鏡画像が表示され、タッチパネル方式にて日本語(かな漢字変換)入力する際のモニタ画面を示す平面図、図9は第3変形例を示し、ソフトキーボードの構成を示す平面図である。
【0014】
図1に示すように、本実施の形態の内視鏡システム1は、電子内視鏡(以下、単に内視鏡という)2と、カメラコントロールユニット(CCU)である観測装置10と、表示装置であるモニタ13と、から構成されている。
【0015】
内視鏡2は、先端から順に、先端部3と、この先端部3に連設された挿入部4と、この挿入部4の基端に接続された操作部5と、この操作部5から延設する電気ケーブルであるユニバーサルコード7と、から構成されている。
【0016】
内視鏡2の先端部3は、本実施の形態では照明手段、及び撮像手段が内蔵された図示しない撮像ユニットが配設されている。この撮像ユニットの照明手段は、例えば、それ自体が光源となるLED、或いは挿入部4、操作部5からユニバーサルコード7内を挿通するライトガイドファイバーによって外部光源からの照明光を導光して照射する構成となっている。また、撮像ユニットの撮像手段は、例えば、CCD、CMOSなどの撮像素子が用いられ、先端部3内、或いはイメージガイドファイバーを介して内視鏡像を撮影する構成となっている。
【0017】
挿入部4は、可撓性を備えた軟性内視鏡挿入部、或いは硬質な硬性内視鏡挿入部である。尚、挿入部4は、上記軟性内視鏡挿入部である場合、先端部分に湾曲部を備えた構成としても良い。
【0018】
操作部5は、ポインティングデバイスであるジョイスティックタイプの入力部である操作レバー6が配設されている。尚、操作レバー6は、ジョイスティックタイプのポインティングデバイスに限定されること無く、例えば、トラックボールでも良い。
【0019】
ユニバーサルコード7は、延出端に接続部8を備えている。この接続部8は、観測装置10と着脱自在に電気的に接続される。また、この接続部8には、被検出部品である検出用チップ9が内蔵されている。
【0020】
観測装置10には、上記接続部8が電気的に接続されたときに検出用チップ9を検出する検出部である検出装置11と、上記電子内視鏡2により撮影された内視鏡像を録画記録する記録装置12と、図示しないプロセッサと、が内蔵されている。
【0021】
尚、上記検出装置11は、単にユニバーサルコード7の接続部8が検出されたことを認識するもので、上述したような検出用チップ9を電気的に検出するほか、機械的な接続検出スイッチでも良い。
【0022】
記録装置12は、例えば、ハードディスク、各種ディスク、フラッシュメモリ、及び各種ピクチャーカードの記録媒体に上記内視鏡像を書き込みすることができるもので、観測装置10に内蔵されるものに限定することなく、外付けとしても良い。
【0023】
プロセッサ(不図示)は、内視鏡2からの光電変換された撮像信号を画像処理し、内視鏡画像としてモニタ13に表示できるようにする。尚、プロセッサには、検出装置11からの検出信号が入力される。
モニタ13は、観測装置10に接続され、モニタ画面14に内視鏡画像、並びに各種設定画面を表示する。
【0024】
次に、図2〜図6を用いて、以上のように構成された本実施の形態の内視鏡システム1の作用について説明する。
先ず、術者であるユーザは、内視鏡検査のために内視鏡システム1を準備する。このとき、内視鏡2と観測装置10とを接続する。つまり、ユーザは、内視鏡2のユニバーサルコード7の接続部8を観測装置10の所定の接続位置で連結接続する。
【0025】
この内視鏡2と観測装置10が接続されたとき、観測装置10の検出装置11が接続部8の検出用チップ9を検出し、その検出信号をプロセッサに出力する。すると、図2に示すような、初期設定画面がモニタ画面14に表示(立ち上がる)される。
【0026】
モニタ画面14に表示される初期設定画面には、患者情報入力タブ、画像設定タブ、色調整タブ、周辺機器設定タブなどの複数の設定項目からなるコマンドボタンである設定タブ群15と、患者氏名表示部17と、患者ID表示部18と、日時表示部19と、図示しない患者の生年月日などが表示される。尚、本実施の形態では、設定タブ群15は、モニタ画面14の左側に、各表示部17〜19は右側に表示されている。
【0027】
また、モニタ画面14には、内視鏡2の操作部5に配設された操作レバー6により操作自在な選択ポインタ16が表示される。この選択ポインタ16は、操作レバー6の操作に連動して、モニタ画面14内で移動する。
【0028】
ユーザは、例えば、図2に示すように、設定タブ群15のうち患者設定入力上に選択ポインタ16を移動させ、操作レバー6を押下すると、患者情報の入力画面に切り替わる。すると、モニタ画面14には、右側上部に入力項目表示部20、及び入力セル21が表示されると共に、中央から下部に、ひらがな文字列のソフトキーボード23、及び複数の変更キーからなる変更キー群24が表示(立ち上がる)される。このとき、図3に示すような、ソフトキーボード23、及び変更キー群24は、図2に示したメニュー画面の設定タブ群15を背景にした透過表示となっている。
【0029】
ユーザは、患者氏名を日本語入力する際に、操作部5の操作レバー6の操作によって、五十音が羅列された、ひらがな文字のソフトキーボード23上で、選択したい、ひらがな文字に選択ポインタ16を移動して、操作レバー6を押下(クリック)する。すると、図3に示すように、選択した、ひらがな文字が入力セル21に表示される。
【0030】
また、ユーザは、ひらがな文字から漢字、或いはカタカナ文字に変換したい場合には、変更キー群24の漢字キー上、或いはカナキー上に選択ポインタ16を合わせ、操作レバー6を押下(クリック)する。尚、ユーザは、選択した、ひらがな文字を小文字にしたい場合、再度、選択した、文字をクリック(ダブルクリック)するか、ソフトキーボード23の小文字をクリックすることで、変換することができる。ユーザは、スペースを入力したい場合、変更キー群24のスペースキーを選択することにより行える。さらに、変換する漢字は、変更キー群24の漢字キーをクリックすることで、変換候補が順次表示される。
【0031】
また、本実施の形態の内視鏡システム1では、アルファベット(英字)入力、及び数字入力できるものであり、変更キー群24の英字キー、及び数字キーの選択により行える。
【0032】
ユーザは、変更キー群24の英字キーをクリックすると、図4に示すように、アルファベット文字列のソフトキーボード23に変更される。そのため、ユーザは、ひらがな文字の入力と同様に選択したい、アルファベット文字に選択ポインタ16を移動して、操作レバー6を押下(クリック)して、患者氏名をアルファベット入力することができる。
尚、ユーザは、選択した、アルファベット文字を小文字にしたい場合、再度、選択した、文字をクリック(ダブルクリック)することで、変換することができる。
【0033】
また、ユーザは、変更キー群24の数字キーをクリックすると、図5に示すように、数字列のソフトキーボード23に変更される。ここでも、ユーザは、選択したい、数字に選択ポインタ16を移動して、操作レバー6を押下(クリック)して、各種IDを数字入力することができる。上記各種IDとは、患者ID、医師ID、内視鏡ID、録画した記録媒体の管理IDなどである。これらソフトキーボード23により入力された文字情報は、観測装置10の記録装置12の記録媒体に内視鏡像と共に書き込まれる。
【0034】
尚、本実施の形態では、患者氏名、及び患者IDの順で入力項目が入れ替わり、ユーザにより、対応した情報が文字入力した後に、変更キー群24の決定キーが選択されると、次の入力項目に移動する。また、ユーザは、変更キー群24の戻るキーを選択することで、入力項目を1つ手前に戻すこともできる。
【0035】
そして、ユーザは、各種項目を入力後、変更キー群24の閉じるキーを選択すると、図6に示すように、入力項目表示部20、入力セル21、及びソフトキーボード23がモニタ画面14から消すことができる。
【0036】
このとき、モニタ画面14には、設定タブ群15が表示された初期の画面に戻り、右側に入力した情報が各表示部17〜19に表示される。また、モニタ画面14の最下部には、登録キー、変更キー、メニューキー、戻るキー、及び閉じるキーからなる変更キー群24aが表示される。尚、本実施の形態では、図6に患者氏名、患者ID、及び日時のみ図示しているが、医師ID、内視鏡IDなどの各種情報を表示するようにしても良い。
【0037】
ユーザは、この初期画面から内視鏡画像に切り換えたい場合に変更キー群24aの閉じるキーを選択することにより行うことができる。また、ユーザは、入力した各種情報を変更したい場合、変更キー群24aの変更キーを選択するか、再度、設定タブ群15の患者情報入力タブを選択することにより、上述した手順で行える。
【0038】
以上のように本実施の形態の内視鏡システム1によれば、観測装置10にキーボードなどの入力装置が無くとも、内視鏡2の操作部5に配設された操作レバー6によって、モニタ画面14に表示される設定タブ群15の選択と、ソフトキーボード23からの文字入力によって、上記各種情報を入力することができる。これにより、内視鏡システム1は、別途の入力装置を備える必要が無く、コンパクトな構成とすることができる。
【0039】
その結果、処置を行う院内のスペースが手狭になることなく、医師であるユーザとっては、患者に近接する周囲となる手技行動領域に、各種情報を入力する入力装置が邪魔とならず、手技がし易くなる。
【0040】
また、本実施の形態の内視鏡システム1は、入力装置が必要ないため、術後に滅菌処理に内視鏡2のみで良くなる。そのため、連続した内視鏡検査の際に、単に新たな滅菌処理済みの内視鏡2を接続するのみで良いため、内視鏡システム1の稼動率を向上させることができる。
【0041】
尚、ソフトキーボード23は、図7に示すように、あ行〜わ行の行頭文字のみ表示されており、選択ポインタ16を例えば、あ行の行頭文字(あ)に合わせると、あ行の文字(あ〜お)が表示され、選択できる構成としても良い。このようなソフトキーボード23では、背景画面の表示領域を大きくすることができる。
【0042】
また、図8に示すように、ソフトキーボード23は、選択を指Fにより行えるタッチパネル方式にしても良い。また、入力項目表示部20、入力セル21、ソフトキーボード23、変更キー群24は、図8に示すように、背景画面が内視鏡画像25上にも表示させることができると共に、各種情報の入力を可能な構成にしても良い。
【0043】
さらに、図9に示すように、ソフトキーボード23aは、各種文字列キーをクリック選択する度に、その文字列の文字が順に選択できる構成としても良い。具体的には、あ行〜わ行のキーをクリックする回数に応じた各行の任意の文字を選択することができる。尚、アルファベット、或いは数字は、変更キー群24bの英字、或いは数字の選択により入力可能となり、表示された文字をクリックする回数に応じて選択可能となっている。
【0044】
以上に説明した本実施の形態の内視鏡システム1では、選択ポインタ16、或いはタッチパネルにより、任意の操作選択をモニタ画面14上で行う構成としたが、例えば、選択位置が強調表示されるカーソルなどの構成としても良い。
【0045】
(第2の実施の形態)
次に、図10、及び図11を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。
図10、及び図11は、本発明の内視鏡システムの第2の実施の形態の説明に係り、図10は内視鏡システムを示す全体構成図、図11は電子内視鏡と観測装置とを接続すると共に、内視鏡の挿入部と操作部とを接続した際に起動されるモニタ画面を示す平面図である。
【0046】
本実施の形態の内視鏡システム1の内視鏡2は、挿入部4と操作部5が着脱自在な構成となっている。また、以下の説明において、上述した第1の実施の形態の内視鏡システム1と同一の構成について同じ符号を用い、それら構成の詳細な説明を省略する。
【0047】
内視鏡2の挿入部4は、基端部に挿入部コネクタ27を備えている。この挿入部コネクタ27は、内視鏡IDが記録されたIDチップ28を内蔵し、操作部5に連結される。また、操作部5には、挿入部コネクタ27のIDチップ28を読み取る検出部29が内蔵されている。この検出部29は、ユニバーサルコード7を介して、観測装置10と電気的に接続される。
【0048】
本実施の形態の挿入部4は、単回使用(ディスポーザブル)タイプであり、患者毎に使用され、使用後に医療廃棄処分がなされる。尚、挿入部4は、再利用できるタイプでも勿論構わない。
【0049】
このように構成された本実施の形態の内視鏡システム1は、内視鏡検査前に、第1の実施の形態と同様に、内視鏡2のユニバーサルコード7の接続部8が観測装置10に接続される。そして、挿入部2の挿入部コネクタ27が操作部29に接続される。
【0050】
このとき、操作部5の検出部29は、挿入部コネクタ27内のIDチップ28を検出し、挿入部4と操作部5が接続された情報と、IDチップ28に記憶されている内視鏡IDの情報を観測装置10に出力する。
【0051】
すると、第1の実施の形態と同様に、図11に示すような、初期設定画面がモニタ画面14に表示(立ち上がる)される。このモニタ画面14には、日時表示部19の下方に内視鏡ID(SCOPE ID)表示部30に識別情報である内視鏡ID番号が自動で表示される。
【0052】
尚、内視鏡2の挿入部4は、ディスポーザブルである場合、操作部5に接続されるとIDチップ28に検出部29から使用済みを識別する識別情報が書き込まれる。このような構成とすることで、一度使用した内視鏡2の挿入部4は、IDチップ28の情報から検出部29が使用済みとの認識がされる。
【0053】
挿入部4が使用済みである情報をIDチップから検出した検出部29は、観測装置10に検出信号を出力する。そして、観測装置10は、モニタ画面14に挿入部4が使用済みであるという警告表示を行う。
【0054】
以上のような構成とすることで、本実施の形態の内視鏡システム1は、内視鏡IDを入力する手間が省け、ディスポーザブルタイプの使用済みの挿入部4の誤使用を防止することができる。尚、その他の患者情報などの入力については、第1の実施の形態と同様である。
【0055】
以上に記載した発明は、各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0056】
例えば、各実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0057】
尚、本発明には、以下の付記に記載する特徴がある。
【0058】
(付記1)
入力部を備えた内視鏡と、
該内視鏡が撮影した像を表示するモニタと、
上記内視鏡が着脱自在であって、該内視鏡と接続した場合、上記入力部により設定自在な設定画面を上記モニタに自動表示させる観測装置と、
を具備することを特徴とする内視鏡システム。
【0059】
(付記2)
上記操作画面は、上記入力部により、各種情報を入力するためのコマンドボタンが表示されることを特徴とする付記1に記載の内視鏡システム。
【0060】
(付記3)
上記観測装置は、上記コマンドボタンの選択により、上記入力部によって、画面上で文字が入力自在なソフトキーボードを上記操作画面へ表示することを特徴とする付記2に記載の内視鏡システム。
【0061】
(付記4)
上記内視鏡は、操作部と、
該操作部と着脱自在な識別情報が記録された挿入部と、
を有し、
上記操作部と上記挿入部とが接続された場合、上記識別情報が上記観測装置に出力され、上記設定画面に該識別情報が自動表示される
ことを特徴とする付記1から付記3のいずれか1つに記載の内視鏡システム。
【0062】
(付記5)
さらに、上記観測装置は、記録装置を備え、
該記録装置は、上記内視鏡が撮影する像と共に、上記ソフトキーボードにより入力された文字情報を記録することができる
ことを特徴とする付記1から付記4のいずれか1つに記載の内視鏡システム。
【0063】
(付記6)
上記記録装置は、上記内視鏡が撮影する内視鏡像と共に、上記識別情報を記録することを特徴とする付記5に記載の内視鏡システム。
【0064】
(付記7)
上記入力部は、ポインティングデバイスであることを特徴とする付記1から付記6の何れか1つに記載の内視鏡システム。
【0065】
(付記8)
上記ソフトキーボードは、上記入力部のほか、画面上で設定自在なタッチパネルであることを特徴とする付記1から付記7の何れか1つに記載の内視鏡システム。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る内視鏡システムを示す全体構成図。
【図2】同、内視鏡と観測装置とを接続した際に起動されるモニタ画面を示す平面図。
【図3】同、患者情報を日本語(かな漢字変換)入力する際のモニタ画面を示す平面図。
【図4】同、患者情報を英字入力する際のモニタ画面を示す平面図
【図5】同、患者情報を数字入力する際のモニタ画面を示す平面図。
【図6】同、患者情報入力後の確認画面が表示されたモニタ画面を示す平面図。
【図7】同、第1変形例を示し、患者情報を日本語(かな漢字変換)入力する際のモニタ画面を示す平面図。
【図8】同、第2変形例を示し、背景に内視鏡画像が表示され、タッチパネル方式にて日本語(かな漢字変換)入力する際のモニタ画面を示す平面図。
【図9】同、第3変形例を示し、ソフトキーボードの構成を示す平面図。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る内視鏡システムを示す全体構成図。
【図11】同、内視鏡と観測装置とを接続すると共に、内視鏡の挿入部と操作部とを接続した際に起動されるモニタ画面を示す平面図。
【符号の説明】
【0067】
1・・・内視鏡システム
2・・・電子内視鏡
3・・・先端部
4・・・挿入部
5・・・操作部
6・・・操作レバー
7・・・ユニバーサルコード
8・・・接続部
9・・・検出用チップ
10・・・観測装置
11・・・検出装置
12・・・記録装置
13・・・モニタ
14・・・モニタ画面
15・・・設定タブ群
16・・・選択ポインタ
17・・・患者氏名表示部
18・・・表示部
19・・・日時表示部
20・・・入力項目表示部
21・・・入力セル
23,23a・・・ソフトキーボード
24,24a,24b・・・変更キー群
25・・・内視鏡画像
27・・・挿入部コネクタ
28・・・チップ
29・・・検出部-・・・行
F・・・指
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力部を備えた内視鏡と、
該内視鏡が撮影した像を表示するモニタと、
上記内視鏡と着脱自在であって、該内視鏡と接続した場合、上記入力部により設定自在な設定画面を上記モニタに自動表示させる観測装置と、
を具備することを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
上記設定画面は、上記入力部により、各種情報を入力するためのコマンドボタンが表示されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
上記観測装置は、上記入力部によって、上記コマンドボタンの選択により、画面上で文字が入力自在なソフトキーボードを上記設定画面へ表示することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
上記内視鏡は、操作部と、
該操作部と着脱自在で、識別情報が記録された挿入部と、
を有し、
上記操作部と上記挿入部とが接続された場合、上記識別情報が上記観測装置に出力され、上記設定画面に該識別情報が自動表示される
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
さらに、上記観測装置は、記録装置を備え、
該記録装置は、上記内視鏡が撮影する像と共に、上記ソフトキーボードにより入力された文字情報を記録することができる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
上記記録装置は、上記内視鏡が撮影する像と共に、上記識別情報を記録することを特徴とする請求項5に記載の内視鏡システム。
【請求項1】
入力部を備えた内視鏡と、
該内視鏡が撮影した像を表示するモニタと、
上記内視鏡と着脱自在であって、該内視鏡と接続した場合、上記入力部により設定自在な設定画面を上記モニタに自動表示させる観測装置と、
を具備することを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
上記設定画面は、上記入力部により、各種情報を入力するためのコマンドボタンが表示されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
上記観測装置は、上記入力部によって、上記コマンドボタンの選択により、画面上で文字が入力自在なソフトキーボードを上記設定画面へ表示することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
上記内視鏡は、操作部と、
該操作部と着脱自在で、識別情報が記録された挿入部と、
を有し、
上記操作部と上記挿入部とが接続された場合、上記識別情報が上記観測装置に出力され、上記設定画面に該識別情報が自動表示される
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
さらに、上記観測装置は、記録装置を備え、
該記録装置は、上記内視鏡が撮影する像と共に、上記ソフトキーボードにより入力された文字情報を記録することができる
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
上記記録装置は、上記内視鏡が撮影する像と共に、上記識別情報を記録することを特徴とする請求項5に記載の内視鏡システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−29521(P2008−29521A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−205143(P2006−205143)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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