説明

内視鏡システム

【課題】冷却ユニット全体を交換することなく、ユーザーの多様なニーズに対応することのできる内視鏡システムを提供する。
【解決手段】冷却装置のエア供給チューブが接続されるベース口金24を設け、ベース口金24にシース21と内視鏡挿入部10を脱着可能に固定する。ベース口金24のシース固定穴27には、円筒状のゴム弾性体31を嵌入し、ゴム弾性体31にシース21を嵌合した状態で押圧調整ねじ35を締め込む。ベース口金24の挿入部固定穴28には、円筒状のゴム弾性体32を嵌入し、ゴム弾性体32に内視鏡挿入部10を嵌合した状態で押圧調整ねじ36を締め込む。外径の異なるシースや内視鏡挿入部と交換する場合には、ゴム弾性体31,32との嵌合部の外径を一定にしておく等によってベース口金24に隙間無く取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、観察対象に挿入される内視鏡挿入部を冷却する構造を備えた内視鏡システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
観察者(ユーザー)が直接目視できない管路などの狭窄部を観察するために、長尺な内視鏡挿入部を有する内視鏡システムが従来より利用されている。ここで用いられる内視鏡システムの多くは、内視鏡挿入部の先端部に固体撮像素子(CCD)等の撮像手段やLED等の照明手段が設置され、照明手段で観察対象を適宜照射し、撮像手段で撮影した観察対象の画像をシステム本体部に出力するようになっている。
【0003】
ところで、固体撮像素子(CCD)等の撮像手段は、繊細な電子部品によって構成されていることもあり、高温での使用に適さず、一般的には、最大使用許容温度が80℃程度に制限されている。このため、工業用内視鏡としてエンジン等の内部を観察しようとしても、運転終了時の温度が200℃以上の高温状態となっているので、そのままでは内視鏡挿入部を内部に挿入して観察を行うことができず、観察可能な条件が大幅に狭められてしまう。そこで、このような高温環境下でも観察を行うことができる内視鏡システムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
特許文献1に記載の内視鏡システムは、冷却流体の流体配管が接続される口金部と、内視鏡挿入部の周囲を覆うシースが一体に形成され、口金部が内視鏡挿入部の付根部側にねじ固定されて内視鏡挿入部とシースの間に流体通路が形成されている。この内視鏡システムを使用するに際しては、口金部を通して流体通路内に空気等の冷却流体を流し、その冷却流体によって内視鏡挿入部の周囲を冷却しつつ撮像手段によって観察対象を観察する。
【特許文献1】特開2000−46482号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の内視鏡システムは、流体配管が接続される口金部とシースが一体ユニットとして形成され、口金部の基部が内視鏡挿入部の付根部にねじ固定される構造となっているため、外径の異なる内視鏡挿入部に用いるには、冷却ユニット全体を交換しなければならない。つまり、内視鏡挿入部の外径が異なる場合には、シースと内視鏡挿入部の間の流体通路の断面積が変化するため、適正な流速で内視鏡挿入部を冷却することが難しくなり、適正な流速で冷却を行うためには冷却ユニット全体を専用のものと交換せざるを得なくなる。
【0006】
また、特許文献1に記載の内視鏡システムにおいては、機能の異なるシースを利用しようとする場合、機能の異なるシース毎に専用の冷却ユニットを予め用意しなければならない。
したがって、ユーザーの多様なニーズに応えるためには、そのニーズの数だけ専用の冷却ユニットを用意する必要があり、ユーザーによる不要な大型部品の管理や出費を余儀なくされる。
【0007】
そこでこの発明は、冷却ユニット全体を交換することなく、ユーザーの多様なニーズに対応することのできる内視鏡システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するこの発明は、観察対象に挿入される内視鏡挿入部の外周側にシースが配置されるとともに、このシースの内側に流体を供給して前記内視鏡挿入部を冷却する冷却手段が設けられた内視鏡システムであって、前記冷却手段の流体配管が接続され、かつ前記シースが少なくとも脱着可能に取り付けられるベース口金と、前記ベース口金のシース固定部と前記シースとの間に設けられ、前記シース固定部とシースとのギャップを埋める第1のギャップ調整手段と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
この発明の場合、シースは、ベース口金のシース固定部に第1のギャップ調整手段を介して固定される。シースを換えるときには、第1のギャップ調整手段によってシースとベース口金とのギャップを埋めて新たなシースをベース口金に固定する。
【0010】
前記シースは、軟質シース表皮と硬質シース芯材とから構成されるようにしても良い。
この場合、硬質シース芯材をベース口金のシース固定部に固定することによって強固な固定が可能になる。また、軟質シース表皮を硬質シース芯材から単独で延出させ、その内部に内視鏡挿入部の湾曲部を配置することにより、湾曲部の柔軟な湾曲操作を許容し得るようになる。
【0011】
前記第1のギャップ調整手段は、前記シースに設けられる筒状のシース側ギャップ閉塞壁によって構成されるようにしても良い。
この場合、シース側ギャップ閉塞壁を換えることにより、外径や形状、機能等の異なるシースをベース口金に固定することができる。シース側ギャップ閉塞壁は、シースと一体構造であっても、別体部品として形成してシースに固定するようにしても良い。
【0012】
前記シース側ギャップ閉塞壁は、前記シースに脱着可能にねじ固定されるようにしても良い。
この場合、シースにシース側ギャップ閉塞壁をねじ固定することにより、シースとベース口金の間の隙間を無くすことができる。
【0013】
前記シース側ギャップ閉塞壁は、前記シースに脱着可能に嵌合されるゴム弾性体によって構成されるようにしても良い。
この場合、シースにゴム弾性体から成るシース側ギャップ閉塞壁を嵌合することにより、シースとベース口金の間のギャップを容易に無くすことができる。
【0014】
前記第1のギャップ調整手段は、前記ベース口金の内周面に嵌合される円筒状のゴム弾性体と、このゴム弾性体を軸方向に押圧して内周側に膨出変形させる押圧調整ねじとによって構成されるようにしても良い。
この場合、押圧調整ねじによってゴム弾性体を軸方向に押圧して内周側に膨出変形させることにより、ベース口金とシースの間のギャップがゴム弾性体によって埋められる。ゴム弾性体の内周側への膨出変形量は押圧調整ねじの締込み量によって容易に調整することができる。したがって、一種のゴム弾性体と押圧調整ねじによって多様な径のシースに対応することが可能になる。
【0015】
前記シースは、外シースと内シースとから構成され、前記第1のギャップ調整手段は、前記外シースのギャップを調整する外シース用ギャップ調整手段と、前記内シースのギャップを調整する内シース用ギャップ調整手段と、から構成されるようにしても良い。
この場合、外シースと内シースは、ベース口金のシース固定部に対して外シース用ギャップ調整手段と内シース用ギャップ調整手段を介して固定される。外シースと内シースを新たなものに換えるときには、外シース用ギャップ調整手段と内シース用ギャップ調整手段によって各シースとベース口金とのギャップを埋めて新たな各シースをベース口金に固定する。
【0016】
前記ベース口金は、前記内視鏡挿入部が脱着可能に構成され、前記挿入部固定部と内視鏡挿入部とのギャップを、前記シース固定部とシースとのギャップを埋める前記第1のギャップ調整手段で埋めるようにしても良い。
この場合、第1のギャップ調整手段により、ベース口金とシースとのギャップだけでなく、ベース口金と内視鏡挿入部とのギャップも埋めることが可能になるため、部品点数の削減が可能になる。
【0017】
前記ベース口金は、前記内視鏡挿入部が脱着可能で、前記ベース口金の挿入部固定部と前記内視鏡挿入部との間に設けられ、前記挿入部固定部と内視鏡挿入部とのギャップを埋める第2のギャップ調整手段を備える構成としても良い。
この場合、内視鏡挿入部は、ベース口金の挿入部固定部に第2のギャップ調整手段を介して固定される。また、内視鏡挿入部を換えるときには、第2のギャップ調整手段によって内視鏡挿入部とベース口金とのギャップを埋めて新たな内視鏡挿入部をベース口金に固定する。
【0018】
前記第2のギャップ調整手段は、前記内視鏡挿入部の外周に脱着可能に固定される円筒状の挿入部側ギャップ閉塞壁によって構成されるようにしても良い。
この場合、挿入部側ギャップ閉塞壁を換えることにより、外径や形状の異なる内視鏡挿入部をベース口金に固定することができる。挿入部側ギャップ閉塞壁は内視鏡挿入部と一体構造であっても、別体部品として形成して内視鏡挿入部に固定するようにしても良い。
【0019】
前記第2のギャップ調整手段は、前記ベース口金の内周面に嵌合される円筒状のゴム弾性体と、このゴム弾性体を軸方向に押圧して内周側に膨出変形させる押圧調整ねじとによって構成されるようにしても良い。
この場合、押圧調整ねじによってゴム弾性体を軸方向に押圧して内周側に膨出変形させることにより、ベース口金と内視鏡挿入部の間のギャップがゴム弾性体によって埋められる。したがって、一種のゴム弾性体と押圧調整ねじによって多様な径の内視鏡挿入部に対応することができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明は、流体配管が接続されるベース口金が、シースに対して脱着可能に固定されるとともに、ベース口金とシースの間に第1のギャップ調整手段が設けられているため、ベース口金を共用したまま、ユーザーのニーズに応じてシースを交換することができる。したがって、この発明によれば、ユーザーによる不要な大型部品の管理や出費を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に、この発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態については、同一部分に同一符号を付し、重複する部分については説明を省略するものとする。
【0022】
最初に、図1〜図5に示す第1の実施形態について説明する。
図1は、この発明にかかる内視鏡システム1の全体の概略構成を示すものである。同図に示すように、この内視鏡システム1は、エンジン等の観察対象に挿入される長尺な内視鏡挿入部10と、ボックス状のシステム本体部11と、システム本体部11と内視鏡挿入部10の間にあって観察者が把持して内視鏡挿入部10を操作する操作部12と、冷却用流体として空気を流通させて内視鏡挿入部10の先端側を冷却する冷却装置13(冷却手段)と、を備えている。なお、この例では、冷却装置13は、空気によって冷却するものとして説明するが、空気に換えて冷却水によって冷却するものであっても良い。
【0023】
内視鏡挿入部10の先端側には、撮像手段であるCCD14(固体撮像素子)と照明手段であるLED15を備えた撮像・照明ユニット16が設けられるとともに、撮像・照明ユニット16の先端部の向きを任意の方向に変えるための湾曲部(図示せず。)が設けられている。操作部12には、ジョイスティック17が設置され、そのジョイスティック17の操作によって湾曲部を任意方向に湾曲させるようになっている。また、システム本体部11には、電源部や制御部が内蔵されるとともに、撮影画像やデータ情報等を表示可能なモニター18と、各種のスイッチや操作パネル19等が設置されている。
【0024】
冷却装置13は、内視鏡挿入部10の先端側領域の外側に被着されて、内視鏡挿入部10の外周面との間に冷却用流路20(図3参照。)を形成する略円筒状のシース21と、このシース21内に冷却用空気(冷却用流体)を供給する冷却装置本体22と、この冷却装置本体22のエア供給チューブ23(流体配管)が接続され、前記シース21と内視鏡挿入部10に脱着可能に取り付けられるベース口金24と、を備えている。
【0025】
この実施形態の場合、シース21は、図2,図3に示すように、金属パイプから成る硬質シース芯材21aと円筒状の耐熱性樹脂から成る軟質シース表皮21bとから成り、軟質シース表皮21bが硬質シース芯材21aの外周面に嵌合固定されるとともに、軟質シース表皮21bの前縁部が硬質シース芯材21aの前方側に単独で延出し、その軟質シース表皮21bの前縁部が内視鏡挿入部10の湾曲部の外側を囲繞するようになっている。内視鏡挿入部10の湾曲部はこの軟質シース表皮21bの前縁部によって自由な湾曲操作を許容されている。また、硬質シース芯材21aの基端側は、図3に示すように軟質シース表皮21bの基部から軸方向に外側に露出し、その露出部分が後述するベース口金24に密閉状態で保持されるシース側ギャップ閉塞壁30A(第1のギャップ調整手段)とされている。シース21は、内外径や断面形状、機能等の異なるものと交換可能となっているが、各シースのシース側ギャップ閉塞壁部分はすべてが同外径になるように設定されている。
【0026】
図4は、図1〜図3に示すシース21に比較して内径と外径の小さい別のシース121を示すものであり、このシース121のシース側ギャップ閉塞壁130A(第1のギャップ調整手段)は、ねじによって硬質シース芯材121aの基端部に脱着可能に取り付けられている。すなわち、シース側ギャップ閉塞壁130Aは、シース121の硬質シース芯材121aとは別の部品として円筒状に形成され、硬質シース芯材121aの基端に形成された雄ねじ部121cに螺合し得るように内周面に雌ねじ130Aaが切られている。そして、シース側ギャップ閉塞壁130Aの外周面の外径は前述したシース21の硬質シース芯材21aの外周面の外径(シース側ギャップ閉塞壁30Aの外周面の外径)と同外径となっている。
【0027】
ベース口金24は、軸心部に内視鏡挿入部10が挿入し得るように全体が略円筒状に形成され、軸方向の略中央位置にエア供給チューブ23(図1参照。)を接続するための接続継手25が設けられている。この接続継手25は、ベース口金24の半径方向に沿って設けられ、エア供給チューブ23とベース口金24の軸心孔26(図3参照。)とを接続するようになっている。また、ベース口金24の軸方向の一端側には、軸心孔26の中央部の内径よりも内径の大きいシース固定穴27(シース固定部)が段差状に形成され、ベース口金24の軸方向の他端側には、同様に軸心孔26の中央の内径よりも内径の大きい挿入部固定穴28(挿入部固定部)が段差状に形成されている。なお、シース固定穴27は、大径穴27aと、その大径穴27aの底部に連設された小径穴27bとから成り、小径穴27bには、硬質シース芯材21aが嵌入され、その先端部が突き当てられるようになっている。
【0028】
シース固定穴27と挿入部固定穴28は、夫々穴の底部側領域に円筒状のゴム弾性体31,32が挿入嵌合されるとともに、内周面の開口側領域に雌ねじ33,34が形成され、その各雌ねじ33,34部分に、略円筒状の押圧調整ねじ35,36が螺合されるようになっている。押圧調整ねじ35,36は、夫々の各基端にフランジ状の調整つまみ35a,36aが形成されるとともに、ベース口金24のシース固定穴27と挿入部固定穴28に挿入される各先端側領域にベース口金24側の雌ねじ33,34に螺合される雄ねじ35b,36bが形成されている。なお、挿入部固定穴28内には、ゴム弾性体32とともにワッシャ37が挿入され、押圧調整ねじ36のねじ調整に伴う軸方向の推力がこのワッシャ37を介してゴム弾性体32に伝達されるようになっている。シース固定穴27と挿入部固定穴28に嵌合された各ゴム弾性体31,32は、押圧調整ねじ35,36の締込みによって各内周面が径方向内側に膨出し、シース21と内視鏡挿入部10の各外周面を密着状態で固定する。なお、図3に示す例の場合、内視鏡挿入部10の外周面のうちの、ゴム弾性体32の内周面が密接する部位が挿入部側ギャップ閉塞壁30B(第2のギャップ調整手段)とされている。
【0029】
図5は、図3に示すものに比較して内外径の小さいシース121と内視鏡挿入部110に交換したときの内視鏡システム1の断面図を示すものである。
シース21を交換する前においては、シース固定穴27側のゴム弾性体31の内周面は、前述した硬質シース芯材21aの基端のシース側ギャップ閉塞壁30Aに密接することになるが、内径と外径の小さい別のシース121に交換した場合には、ゴム弾性体31の内周面は、シース側ギャップ閉塞壁30Aと同外径のシース側ギャップ閉塞壁130Aの外周面に密接する。また、挿入部固定穴28側のゴム弾性体32の内周面は、内視鏡挿入部10を交換前においては内視鏡挿入部10の外周の挿入部側ギャップ閉塞壁30Bに密接することになるが、内視鏡挿入部10を外径の小さい別の内視鏡挿入部110に交換した場合には、ゴム弾性体32の内周面は、内視鏡挿入部110の外周面に嵌合固定した挿入部側ギャップ閉塞壁130B(第2のギャップ調整手段)に密接する。この挿入部側ギャップ閉塞壁130Bは、ゴム弾性体や金属,樹脂等によって形成されるが、その外径は挿入部側ギャップ閉塞壁30Bの外径と同径に設定されている。
【0030】
したがって、この実施形態の場合、シース21,121や内視鏡挿入部10,110を交換した場合にも、押圧調整ねじ35,36のほぼ同量の締込みによってシース21,121や挿入部固定部10,110はベース口金24に密着状態で固定される。そして、このようにしてシース21,121や内視鏡挿入部10,110がベース口金24に固定されると、内視鏡挿入部10,110とシース21,121の間の各冷却用流路20が接続継手25に密閉状態で接続されることになる。
【0031】
以上の構成において、例えば、標準径の内視鏡挿入部10にベース口金24とシース21を取り付けてエンジン等の高温環境下の観察対象を観察する場合には、冷却装置本体22からエア供給パイプ23を通して冷却エアを冷却用流路20に連続的に送り、その冷却エアによって内視鏡挿入部10の周囲を冷却しつつ、CCD14によって観察を行う。このようにしてエアによって内視鏡挿入部10を冷却しつつ観察作業を行うと、CCD14等の内視鏡挿入部10内の部品の温度上昇を抑制できるため、観察を継続可能な作業条件が大幅に拡大される。なお、この実施形態の場合、シース21の先端側に送給されたエアはシース21の先端部から外部に排出される。
【0032】
また、標準径の内視鏡挿入部10よりも外径の小さい内視鏡挿入部110を用いる場合には、ベース口金24を共用したまま適宜シース21,121を交換する。すなわち、ベース口金24の各押圧調整ねじ35,36を緩めることによってベース口金24から内視鏡挿入部10とシース21を取り外し、新たな内視鏡挿入部110とシース121をセットした後に各押圧調整ねじ35,36を再度締め込む。
【0033】
この内視鏡システム1においては、冷却装置本体22に配管接続されるベース口金24を共用したまま、外径の異なる内視鏡挿入部10,110に容易に適用することができるうえ、シース21,121も最適径のものに容易に交換することができる。すなわち、この内視鏡システム1の場合、ベース口金24に対してシース21,121と内視鏡挿入部10,110がゴム弾性体31,32と押圧調整ねじ35,36によって脱着可能にされるとともに、シース21,121と内視鏡挿入部10,110に、外径の同じシース側ギャップ閉塞壁30A,130Aと挿入部側ギャップ閉塞壁30B,130Bが夫々設けられているため、シース21,121と内視鏡挿入部10,110の外径が異なっていても、押圧調整ねじ35,36のねじ操作のみによって、これらを隙間なくベース口金24に、容易に、かつ確実に取り付けることができる。
【0034】
そして、この内視鏡システム1においては、冷却装置本体2との接続部とシースを一体に形成して専用ユニットとする場合に比較して、大型の専用ユニットを複数用意する必要がないため、ユーザーによる部品管理が容易になるとともに、購入出費の抑制も可能となる。
特に、この内視鏡システム1にあっては、内視鏡挿入部10,110の外径に応じて最適径のシース21,121に交換することができるため、シース21,121内の冷却用流路20の断面積を最適値に設定し、内視鏡挿入部10,110を最適な流速でもって効率良く冷却することができる。
【0035】
また、この内視鏡システム1においては、ベース口金24に対して、シース21,121および内視鏡挿入部10,110が容易に脱着可能であり、かつ内視鏡挿入部10,110の任意位置に支持固定可能となっている。したがって、シース21,121の太さを容易に変えることができるとともに、長さも用途に合わせて交換でき、しかも、内視鏡挿入部10,110の任意位置で支持固定可能なので、容易にセッティングを行なうことができる。
【0036】
さらに、この実施形態の内視鏡システム1の場合、基準シース径に対して外径の小さいシース121には、シース側ギャップ閉塞壁130Aを円筒状の別体部品として形成して、ねじによって脱着可能としているため、シース121の本体部側の成形が容易になるとともに、特に、本体部側をコストの高い材料で形成する必要がある場合には、より低コストでの製造が可能になる。
【0037】
また、シース側ギャップ閉塞壁130Aや挿入部側ギャップ閉塞壁130Bは、ゴム弾性体によって別部品として形成し、シース121や内視鏡挿入部110の外周に嵌合するようにしても良い。この場合には、脱着が容易になるとともに、気密性をより高めることが可能になる。
【0038】
図6,図7は、この発明の第2の実施形態を示すものである。これらの図のうち、図6は、標準径の内視鏡挿入部10とシース21を用いた場合の縦断面図であり、図7は、標準径よりも径の小さい内視鏡挿入部110とシース221を用いた場合の縦断面図である。
この第2の実施形態の内視鏡システム201は、内視鏡挿入部10,110や冷却装置の基本的な構成は第1の実施形態と同様であるが、ベース口金24のシース固定穴27とシース21,221の間のギャップを埋める第1のギャップ調整手段と、ベース口金24の挿入部固定穴28と内視鏡挿入部10,210の間のギャップを埋める第2のギャップ調整手段の構成が異なっている。
【0039】
すなわち、シース21,221は、第1の実施形態と同様に硬質シース芯材21a,221aの外周に軟質シース表皮21b,221bが被着されて成るが、硬質シース芯材21a,221aの基端の軟質シース表皮21b,221bから露出する部分が一定外径になるように製造時に予め肉厚調整されている。この肉厚調整される露出部分は、第1のギャップ調整手段を構成するシース側ギャップ閉塞壁30A,230Aとされている。また、挿入部固定穴28側のゴム弾性体32の内周面には、内視鏡挿入部10,110の外径に応じて適宜肉厚の異なる円筒状の隙間調整ゴム40,240が取り付けられるようになっており、この隙間調整ゴム40,240が夫々第2のギャップ調整手段を構成する挿入部側ギャップ閉塞壁とされている。
【0040】
この実施形態の内視鏡システム201は、第1のギャップ調整手段と第2のギャップ調整手段の構成が上述のように若干異なるものの、第1の実施形態と同様に、ベース口金24を共用したまま、外径の異なる内視鏡挿入部10,110に容易に適用することができるとともに、シース21,221も最適径のものに容易に交換することができる。
【0041】
図8〜図11は、この発明の第3の実施形態を示すものである。これらの図のうち、図8,図9は、標準径のシース21と内視鏡挿入部10を用いる場合の冷却ユニットの分解斜視図と内視鏡システム301の断面図であり、図10,図11は、標準径よりも径の小さいシース321と内視鏡挿入部110を用いる場合のシース321の斜視図と内視鏡システム301の断面図である。
この第3の実施形態の内視鏡システム301は、やはり基本的な構成は第1の実施形態と同様であるが、内視鏡挿入部10,110とシース21,321をベース口金24に固定するためのゴム弾性体331,332と押圧調整ねじ35,36が第1のギャップ調整手段と第2のギャップ調整手段を兼ねるようになっている点が第1の実施形態のものと異なっている。
【0042】
すなわち、この実施形態の内視鏡システム301においては、ベース口金24のシース固定穴27とシース21,321の間のギャップと、ベース口金24の挿入部固定穴28と内視鏡挿入部10,110の間のギャップを、ゴム弾性体331,332の径方向の膨出変形のみによって埋めるようになっている。このため、この実施形態で用いるゴム弾性体331,332は、第1の実施形態と同様に円筒形状に形成されているが、押圧調整ねじ35,36によって軸方向に押圧されたときに、径方向内側方向に大きく、かつ確実に膨出する材質と、軸長と肉厚の比が選定されている。
つまり、図9の標準径のシース21と内視鏡挿入部10では、図11の標準径よりも径の小さいシース321と内視鏡挿入部110に比べて押圧調整ねじ35,36の締め込み量が少なく、ゴム弾性体331,332の径方向の変形が少ない。細くなるほど押圧調整ねじ35,36の締め込み量が大きくなる。
【0043】
この内視鏡システム301は、ベース口金24と、シース21,321や内視鏡挿入部10,110との間に、径の相違に応じて専用の隙間調整部材を設けることなく、押圧調整ねじ35,36の締込み量の調整のみによって径の異なるシース21,321や内視鏡挿入部10,110に容易に適用することができる。したがって、第1の実施形態と同様の基本的な効果を得ることができるうえ、各径毎に隙間調整部材を設ける必要がないことから、製造コストのさらなる低減を図ることができる。
なお、図10,11中321a,321bは、それぞれ硬質シース芯材と軟質シース表皮である。
【0044】
図12〜図14は、この発明の第4の実施形態を示すものである。
この第4の実施形態の内視鏡システム401は、基本的な構成は第3の実施形態と同様であるが、前述した他の実施形態と構造の異なるシース421を用いている。
【0045】
すなわち、この実施形態で用いるシース421は、耐熱性樹脂から成るシース本体421aの外周にシース本体421aの裂傷等を防止するための保護管421bが被着されている。保護管421bは、金属製のメッシュ筒50の両端部に口金51,52が夫々取り付けられて成り、シース本体421aの外周側に嵌装した後にメッシュ筒50を軸方向に引っ張り延ばすことによって、メッシュ筒50を縮径し、それによってシース本体421aの外周面に圧着固定されている。
【0046】
また、シース本体421aの基部側は保護管421bの口金52部分から軸方向外側に露出し、その露出部分がベース口金24内のゴム弾性体331によって押圧固定されるようになっている。ゴム弾性体331は、第3の実施形態と同様に、押圧調整ねじ35の締め込みで軸方向に押圧されることによって内周面が径方向内側に膨出し、そのときにシース本体421aの外周面に密着してシース本体421aをベース口金24に固定する。なお、このとき保護管421bの口金52部分は調整ねじ35の軸孔35c内に嵌入される。
【0047】
この第4の実施形態の内視鏡システム401は、第3の実施形態と同様の効果を得ることができるが、樹脂製のシース本体421aの外周に保護管421bが被着されたシース421についても確実にベース口金24に取り付けることができる。また、この実施形態のように保護管421bがシース本体421aに対して脱着可能である場合には、保護管421bとシース本体421aの傷み具合に応じて保護管421bとシース本体421aを個別に取り替えることができる。
【0048】
図15は、第4の実施形態を一部改良したこの発明の第5の実施形態を示すものである。
この第5の実施形態の内視鏡システム501は、シース521を構成するシース本体521aの基部のうちの、ゴム弾性体331によって押圧固定される部分の内周側に金属製の補強リング55が嵌入され、ゴム弾性体331による押圧時にこの補強リング55によってシース本体521aの潰れが阻止されるようになっている。そして、シース本体521aの前端部は保護管521bから前方側に大きく突出し、その突出部分の内側に内視鏡挿入部10の湾曲部が配置されるようになっている。
【0049】
したがって、この第5の実施形態の内視鏡システム501は、シース本体521aの剛性を低くすることによって内視鏡挿入部10の湾曲部をより自由に湾曲操作することができるとともに、補強リング55によってベース口金24に対するシース本体521aの取付強度を充分に確保することができる。
【0050】
図16,図17は、この発明の第6の実施形態を示すものである。
この第6の実施形態の内視鏡システム601は、前述した他の実施形態とは第2のギャップ調整手段の構成が異なっている。この実施形態の第2のギャップ調整手段は、外径の小さいの内視鏡挿入部110に適用する場合に隙間調整ゴム640を用いるが、この隙間調整ゴム640は、ゴム弾性体32と押圧調整ねじ36の内周部に跨って嵌入される筒部640aと、筒部640aの外周から径方向外側に延出するフランジ部640bとから成り、フランジ部640bがゴム弾性体32の端面とワッシャ37の間に介装されて、押圧調整ねじ36のねじ操作によって軸方向に押圧されるようになっている。この実施形態の場合、隙間調整ゴム640が挿入部側ギャップ閉塞壁とされている。
【0051】
この実施形態の場合、筒部640aとフランジ部640bが一体に形成された隙間調整ゴム640を用いるため、隙間調整ゴム640を内視鏡挿入部110の外周に嵌合固定した状態において、隙間調整ゴム640のフランジ部640bとゴム弾性体32が押圧調整ねじ36によって締め込まれると、隙間調整ゴム640がゴム弾性体32の肉厚と軸長を実質的に増加させて、押圧調整ねじ36による軸方向の押圧力を、内視鏡挿入部110の外周面に密着する力に確実に変換することができる。したがって、この実施形態においては、外径の小さい内視鏡挿入部110に適用するうえで特に有利となる。
【0052】
図18,図19は、この発明の第7の実施形態を示すものである。
この第7の実施形態の内視鏡システム701は、前述した他の実施形態とは第2のギャップ調整手段の構成が異なっている。この実施形態の第2のギャップ調整手段は、外径の小さい内視鏡挿入部110に適用する場合に、脱着可能な専用のギャップ調整ユニット60(挿入部側ギャップ閉塞壁)が用いられる。このギャップ調整ユニット60は、内視鏡挿入部110の外周に嵌挿される樹脂や金属から成る円筒体61と、この円筒体61の軸方向の一端側外周に脱着可能に螺合される有底円筒状の蓋体62と、円筒体61の軸方向の一方の端面と蓋体62の内側端面の間に介装される円筒状のゴム弾性体63と、によって構成されている。なお、蓋体62には、内視鏡挿入部110が嵌挿される貫通孔62aが形成されている。
【0053】
ギャップ調整ユニット60は、蓋体62、ゴム弾性体63、円筒体61が緩く仮り組みされた状態において内視鏡挿入部110の外周に嵌合され、内視鏡挿入部110の軸方向の所定位置において、蓋体62を円筒体61に対して締め込むことによって内視鏡挿入部110の外周面に固定される。すなわち、このとき蓋体62が円筒体61に締め込まれてゴム弾性体63が軸方向に押圧されると、ゴム弾性体63の内周面が径方向内側に膨出し、ゴム弾性体63が内視鏡挿入部110に密着固定され、その結果、ギャップ調整ユニット60全体が内視鏡挿入部110に固定されることになる。そして、こうして内視鏡挿入部110に固定されたギャップ調整ユニット60は、ベース口金24の挿入部固定穴28側において押圧調整ねじ36が締め込まれることによってゴム弾性体332によって押圧固定される。ベース口金24は、この結果、内視鏡挿入部110上の設定位置に固定されることになる。
【0054】
この実施形態の内視鏡システム701においては、蓋体62の締め込みによって内視鏡挿入部110に対する締め付け量を調整可能なギャップ調整ユニット60を用いているため、外径の異なる内視鏡挿入部110を共通のベース口金24に容易にかつ確実に固定することができる。すなわち、蓋体62の締め込みを予め緩めておくことによって内視鏡挿入部110上の設定位置にギャップ調整ユニット60を容易にセットすることができるうえ、その設定位置において蓋体62を締め込むことによって内視鏡挿入部110に対するギャップ調整ユニット60の固定を強固なものとすることができる。
【0055】
さらに、この実施形態で用いるギャップ調整ユニット60は、蓋体62の締め込みに伴うゴム弾性体63の内周面の膨出変形によって内視鏡挿入部110に対する締め込み量を調整することができることから、内視鏡挿入部110の任意の位置で固定できるとともに、外径の多少異なる内視鏡挿入部110に対しても蓋体62の締め込み調整によって対応することができる。したがって、ユーザーの部品管理と出費をより少なくすることができる。
【0056】
図20,図21は、この発明の第8の実施形態を示すものである。
この第8の実施形態の内視鏡システム801は、前述した他の実施形態とは第1のギャップ調整手段の構成が異なっている。この実施形態の第1のギャップ調整手段は、外径の小さいシース121に適用する場合に、脱着可能な専用のギャップ調整ユニット65(シース側ギャップ閉塞壁)が用いられる。このギャップ調整ユニット65の構成は、前述した第7の実施形態のギャップ調整ユニット60とほぼ同様であり、シース121の外周に嵌挿される樹脂や金属から成る円筒体66と、この円筒体66の軸方向の一端側外周に脱着可能に螺合される有底円筒状の蓋体67と、円筒体66の軸方向の一方の端面と蓋体67の内側端面の間に介装される円筒状のゴム弾性体68と、によって構成されている。
【0057】
このギャップ調整ユニット65は、蓋体67、ゴム弾性体68、円筒体66が緩く仮り組みされた状態でシース121の基端側の外周面に嵌合され、蓋体67の締め込みによってシース121に固定される。このとき、ギャップ調整ユニット65は、蓋体67がシース121の基端から離間する側に配置され、ベース口金24に固定されるときには、シース121の基端とともに円筒体66部分のみがシース側固定穴27に嵌入される。この後、ベース口金24のシース側固定穴27側において押圧調整ねじ35が締め込まれることにより、ギャップ調整ユニット65の円筒体66部分がゴム弾性体331によって固定され、その結果、シース121の基端がベース口金24に固定されることになる。
【0058】
この実施形態の内視鏡システム801は、ギャップ調整ユニット65を用いることにより、外径の異なるシース121を共通のベース口金24に容易にかつ確実に固定することができる。また、この実施形態のギャップ調整ユニット65の場合も、蓋体67の締め込み調整によって外径の異なるシース121に共通のギャップ調整ユニット65を取り付けることができるため、ユーザーの部品管理と出費をより抑制することができる。
【0059】
図22,図23は、この発明の第9の実施形態を示すものである。このうち、図22は、標準径の内視鏡挿入部10とシース21を用いた場合の内視鏡システム901の断面図であり、図23は、標準径よりも外径の小さいシース921の単体の断面図である。
この第9の実施形態の内視鏡システム901は、前述した他の実施形態とはベース口金924の構成が大きく異なり、ベース口金924を共通のゴム弾性体70と押圧調整ねじ71によって内視鏡挿入部10とシース21,921に固定できるようになっている。
【0060】
ベース口金924は、軸心部に内視鏡挿入部10,110が挿入し得るように全体が略円筒状に形成され、その軸心孔72に連通するようにエア供給チューブの接続継手25が半径方向に沿って取り付けられている。ベース口金924の軸心孔72には、軸方向の一端側からシース21,921の基端が嵌入されるが、シース21,921の基端の外周面には、接続継手25とシース21,921の内部を連通させる連通孔73が形成されている。また、ベース口金924の軸方向の他端には、軸心孔72よりも大径の大径穴74が段差状に形成され、この大径穴74の底部側に略円筒状のゴム弾性体70が嵌合されるとともに、この大径穴74の開口側の縁部に略円筒状の押圧調整ねじ71が脱着可能に螺合されている。この押圧調整ねじ71は、ベース口金924の端部から露出する位置に調整つまみ71aを有し、その調整つまみ71aの回転操作によってベース口金724に対する締め込み量を調整し得るようになっている。なお、大径穴74にはゴム弾性体70とともにワッシャ37が嵌入され、押圧調整ねじ71の軸方向の押圧力が、このワッシャ37を介してゴム弾性体70に入力されるようになっている。
また、ゴム弾性体70の軸方向の一端側の内周面には、ゴム弾性体70の一般部の内径より径の大きい段差穴77が設けられ、この段差穴77内にシース21,921の基端が嵌合されるようになっている。なお、図中78は、ベース口金924の軸心孔72内に配置されて、軸心孔72とシース21,921の間をシールする環状シール部材である。
【0061】
また、シース921は、一般部の外周面は標準径のシール21に対して小径に形成されているが、その基端側領域921dは、シース21の基端側領域21dの外径と同径に形成されている。つまり、シース921の基端側領域921dは、図23に示すようにシース21の基端側領域21dに対して肉厚に、かつ径方向外側に膨出して形成されている。そして、シース921の基端側領域921dには、シース21と同様に接続継手25とシース921の内部を連通させる連通孔73が形成されている。なお、基端側領域21d,921dは、この実施形態におけるシース側ギャップ閉塞壁(第1のギャップ調整手段)を構成している。
【0062】
ベース口金924にシース21と内視鏡挿入部10を固定する場合には、ベース口金924の大径穴74にゴム弾性体70とシース21をセットし、その状態において大径穴74に押圧調整ねじ71を緩く締め込み、その状態において、ベース口金924にシース21の基端と内視鏡挿入部10とを嵌入する。この状態において、シース21の基端はゴム弾性体70の段差穴77に嵌入されて段差穴77の底部に突き当てられ、内視鏡挿入部10はゴム弾性体70の一般部の内周面に嵌合される。なお、この実施形態においては、ゴム弾性体70と押圧調整ねじ71とが第2のギャップ調整手段を構成している。
次に、この状態から押圧調整ねじ71を締め込み、それによってゴム弾性体70の内周面を径方向内側に膨出変形させ、それによって段差穴77部分に嵌合されているシース21の外周面を押圧固定する。さらに、押圧調整ねじ71を締め込むことにより、一般部の内周面に嵌合されている内視鏡挿入部10の外周面を押圧固定する。これにより、ベース口金924はシース21と内視鏡挿入部10とに固定される。
つまり、押圧調整ねじ71の締め込み量により、段階的にシース21を固定したり、内視鏡挿入部10を固定したりする。この場合は、はじめにシース21を固定して、その後、内視鏡挿入部10を固定するものである。
【0063】
また、シース21と内視鏡挿入部10を別のシース921と内視鏡挿入部に交換する場合には、押圧調整ねじ71を緩めてシース21と内視鏡挿入部10をベース口金924から外し、上記と同様にして別のシース921と内視鏡挿入部110をベース口金924に固定する。こうして、ベース口金924に固定されるシース921の基端側領域921dはシース21の基端側領域21dと同外径とされているため、ベース口金924の軸心孔72にほぼ隙間なく嵌合されるとともに、軸心孔72との間を環状シール78によって封止される。
【0064】
この内視鏡システム901においては、前述の他の実施形態と同様にベース口金924を共用したまま、外径の異なる内視鏡挿入部10とシース21,921を自由に交換することができる。そして、内視鏡挿入部10とシース21,921の交換にあたっては、一つの押圧調整ねじ71の締め込みを調整するだけで良いため、極めて容易に交換作業を行なうことができる。また、部品点数を削減することができることから、製造コストのさらなる低減を図ることもできる。
【0065】
図24,図25は、この発明の第10の実施形態を示すものである。図24は、この第10の実施形態の内視鏡システム1001の全体の概略構成を示す斜視図であり、図25は、内視鏡システム1001の要部の縦断面図である。
この内視鏡システム1001の全体構成は、図1に示した第1の実施形態ものとほぼ同様であるが、内視鏡挿入部の外側に被着されるシース1021の構造と機能が異なっている。
【0066】
すなわち、この実施形態のシース1021は、先端側領域に曲がり形状部80を有し、長手方向のほぼ全域が内シース材81、中間シース材82、外シース材83の三層構造とされている。内シース材81は、基端側から先端領域の近傍までは金属パイプ81aによって形成され、先端側領域は金属メッシュ管81bによって形成されている。また、中間シース材82は、加熱成形時の形状を常温下で保持し続ける熱可塑性材料によって形成されている。先端側領域の曲がり形状部80の形状はこの熱可塑性材料の加熱成形時の形状である。また、外シース材83は、中間シース材82を外部の高温環境下から保護するためのものであり、耐熱性樹脂によって形成されている。
【0067】
ベース口金24と、このベース口金24に対する内視鏡挿入部10とシース1021の固定部の構造は、図8〜図11に示す第3の実施形態のものとほぼ同様とされており、シース1021の基端部は、外シース材83の基端部から突出した中間シース材82と内シース材83がベース口金24のシース固定穴27に挿入され、押圧調整ねじ35の締め込みに伴うゴム弾性体331の膨出によってベース口金24に固定されるようになっている。この第10の実施形態の内視鏡システム1001の場合も、押圧調整ねじ35の締め込み量の調整によって種々の外径のシースをベース口金24に固定し得るようになっている。すなわち、この実施実施形態においては、ゴム弾性体331と押圧調整ねじ35が第1のギャップ調整手段を構成している。
【0068】
この内視鏡システム1001においては、冷却装置本体22から接続継手25を通してベース口金24に冷却空気が導入されると、その冷却空気は、内視鏡挿入部10とシース1021の間の冷却用流路20に供給され、シース1021の中間シース材82と内視鏡挿入部10の先端領域を夫々冷却するようになる。特に、中間シース材82は曲がり形状部80のある先端側領域の内面が金属メッシュ管81bによって支持され、金属メッシュ管81bのメッシュ隙間を通して冷却空気を直接的に受けるようになっているため、外部の高温環境による昇温が効果的に抑制される。
したがって、この内視鏡システム1001においては、高温環境下での使用によって内視鏡挿入部10が規定温度以上に上昇するのを抑制することができるとともに、曲がり形状部80の形状が外部の高温によって変化するのを未然に防止することができる。
【0069】
図26は、この発明の第11の実施形態を示すシース1121とベース口金24の分解斜視図である。この第11の実施形態はシース1121の構造と機能だけが第10の実施形態と異なっている。
この実施形態で用いるシース1121は、シース本体部85が外部から規定値以上の入力荷重を受けたときに容易に変形し、入力荷重が規定値に満たない間は形状を保持し得る金属材料等によって形成されており、シース本体85の基端部には、ベース口金24のシース固定穴に接続し得る筒状部86aを備えた連結口金86が接続されている。この連結口金86の筒状部86aの外径は、標準径のシースの外径とほぼ同径に形成されている。
このような形状保持機能を備えたシース1121においても、共通のベース口金24を用いて内視鏡挿入部の外側に容易に取り付けることができる。
【0070】
図27は、この発明の第12の実施形態を示すシース1221とベース口金24の分解斜視図である。この第12の実施形態の場合も、シース1221の構造と機能だけが第10の実施形態と異なっている。
この実施形態で用いるシース1221は、シース本体部1285が矩形断面の筒状に形成され、そのシース本体部1285の基端が環状シール87を介して連結口金1286に接続されている。連結口金1286には、標準径のシースの外径とほぼ同径の円形の筒状部1286aが設けられ、その筒状部1286aがベース口金24のシース固定穴に接続し得るようになっている。
このような異形断面のシース1221においても、共通のベース口金24を用いて内視鏡挿入部の外側に容易に取り付けることができる。
【0071】
なお、シース本体1285は、図28に示す変形例のように変形可能な断面矩形状のチューブによって形成し、そのチューブ内の対向する二辺に板ばね88,88を長手方向に沿って取り付けるようにしても良い。この場合、シース本体1285を板ばね88の板厚方向にのみ変形可能にすることができる。
【0072】
図29〜図31は、この発明の第13の実施形態を示すものである。このうち、図29は、内視鏡システム1301のシース1321を中心とする分解斜視図であり、図30は、ベース口金1324の分解斜視図、図31は内視鏡システム1301の縦断面図である。
この第13の実施形態の内視鏡システム1301は、ベース口金1324を通して内視鏡挿入部10の先端側に供給された冷却空気が先端側で折り返し循環し、ベース口金1324から図示しないエア排出チューブを介して外部に排出されるようになっている。
【0073】
ベース口金1324は、略筒状の第1口金90と第2口金91とが相互に同軸になるように直列にねじ固定されて成り、第2口金91側に、前記エア排出チューブを接続するための第1の接続継手92が設けらるとともに、第1口金90側に、エア供給チューブ(図示せず)を接続するための第2の接続継手93が設けられている。
また、シース1321は、内シース94の外周側に外シース95が同軸に配置された二重構造とされており、内視鏡挿入部10と内シース94の間の空間部が供給側の流路96とされ、内シース94と外シース95の間の空間部が排出側の流路97とされている。内シース94と外シース95は、夫々シース本体部94a,95aの基端側に接続管94b,95bが接続され、接続管94b,95b部分がベース口金1324に接続されるようになっている。
【0074】
以下、ベース口金1324の説明において、内視鏡挿入部10に固定された状態で内視鏡挿入部10の先端部が位置される側を「前」、内視鏡挿入部10の基端部が位置される側を「後」と呼ぶものとすると、第2口金91の前端部には口金固定穴98が設けられ、第1口金90の後端部には口金固定穴98に対応する接続ボス部42が設けられており、接続ボス42に形成された雄ねじ42a部分が口金固定穴98の開口寄りの内周面に形成された雌ねじ98aに螺合されるようになっている。口金固定穴98の底部側には略円筒状のゴム弾性体43が嵌入され、接続ボス部42の締め込みによって円筒状のゴム弾性体43が軸方向に押圧されるようになっている。
また、口金固定穴98は、ゴム弾性体43が嵌入される大径穴98bと、その大径穴98bの底部に連設された小径穴98cとから成り、小径穴98cには、第1口金90を軸方向に貫通した内シース94の接続管94bが嵌入され、その先端部が突き当てられるようになっている。このように、小径穴98cに接続管94bが嵌入された状態において接続ボス部42の締め込みによってゴム弾性体43が軸方向に押圧されると、ゴム弾性体43の内周面が径方向内側に膨出し、それによって接続管94bがゴム弾性体43を介して第2口金91に気密に固定される。これにより、内視鏡挿入部10と内シース94の間に形成される供給側の流路96は、第2口金91側の第1の接続継手92に接続される。
なお、ゴム弾性体43と接続ボス部42は内シース94側の第1のギャップ調整手段を構成している。
【0075】
第1口金90の前端部には、シース固定穴44(シース固定部)が設けられ、このシース固定穴44に外シース95の接続管95bが脱着可能に固定されるようになっている。シース固定穴44には、円筒状のゴム弾性体45が嵌入されるとともに、略円筒状の押圧調整ねじ46が脱着可能に固定されている。押圧調整ねじ46は、シース固定穴44に形成された雌ねじ44aに螺合される雄ねじ46aの一端側にフランジ状の調整つまみ46bを有し、調整つまみ46bが回転調整されることによってシース固定穴44に対する締め込み量が調整されるようになっている。
また、シース固定穴44は、ゴム弾性体45が嵌入される大径穴44bと、その大径穴44bの底部に連設された小径穴44cとから成り、小径穴44cには、外シース95の接続管95bが嵌入されて、その先端部が突き当てられるようになっている。小径穴44cに接続管95bが嵌入された状態において押圧調整ねじ46が締め込まれると、ゴム弾性体45が押圧調整ねじ46によって軸方向に押圧されて内周面が径方向内側に膨出し、その結果、接続管95bがゴム弾性体45を介して第1口金90に気密に固定される。これにより、内シース94と外シース95の間に形成される排出側の流路97は、第1の口金90側の第2の接続継手93に接続される。
なお、ゴム弾性体45と押圧調整ねじ46は外シース95側の第2のギャップ調整手段を構成している。
【0076】
また、第2口金91の後端部には、挿入部固定穴47(挿入部固定部)が設けられ、この挿入部固定穴47に内視鏡挿入部10が脱着可能に固定されるようになっている。挿入部固定穴47には、円筒状のゴム弾性体48が嵌入されるとともに、略円筒状の押圧調整ねじ49が脱着可能に固定されている。押圧調整ねじ49は、挿入部固定穴47の内周側の雌ねじ47aに螺合される雄ねじ49aの一端側にフランジ状の調整つまみ49bを有し、調整つまみ49bの操作によって内視鏡挿入部10に対する締め込み量が調整されるようになっている。
【0077】
以上の構成において、シース1321とベース口金1324を内視鏡挿入部10に取り付ける場合には、予め、各ゴム弾性体43,45,48をセットした状態において、第1口金90の接続ボス部42を第2口金91の口金固定穴98に緩く締め込み、第1口金90のシース固定穴44と第2口金91の挿入部固定穴47に押圧調整ねじ46,49を夫々緩く締め込んでおき、その状態において、内シース94と外シース95の各接続管94b,95bを口金固定穴98とシース固定穴44に夫々嵌入する。この状態から、第1口金90の接続ボス部42を第2口金91の口金固定穴98にさらに締め込み、第1口金90と第2口金91を相互に固定するとともに、ゴム弾性体43を押圧して内周面を径方向内側に膨出させ、そのゴム弾性体43を介して内シース94の接続管94bを口金固定穴98に固定する。次に、押圧調整ねじ46を第1口金90のシース固定穴44に締め込み、ゴム弾性体45を押圧して内周面を径方向内側に膨出させ、同様に外シース95の接続管95bをシース固定穴44に対してゴム弾性体45を介して固定する。そして、こうして組み立てられた冷却ユニットを内視鏡挿入部10の周囲にセットし、押圧調整ねじ49を第2口金91の挿入部固定穴47に締め込むことによってゴム弾性体48を押圧し、ゴム弾性体48の内周面を径方向内側に膨出させる。これにより、ベース口金1324を含む冷却ユニット全体がゴム弾性体48を介して内視鏡挿入部10に固定される。
【0078】
こうして構成された内視鏡システム1301は、ベース口金1324の第1の接続継手92を通して供給された冷却空気が内視鏡挿入部10の先端側に向かって流れ、さらに先端側で折り返してベース口金1324の第2の接続継手93を通して外部に排出される。この間、内側の供給側の流路96を流れる冷却空気が内視鏡挿入部10を冷却し、外側の排出側の流路97を流れる空気が高温環境下の外気から熱を遮断する遮断層を成す。したがって、この内視鏡システム1301においては、内視鏡挿入部10を効率良く冷却することができるとともに、内視鏡挿入部10の先端側からの空気の噴出を好まない環境においても、好適に使用することができる。
【0079】
ところで、この第13の実施形態の内視鏡システム1301においても、ベース口金1324を共用したまま、外径の異なる内シース94と外シース95に交換し、外径の異なる内視鏡挿入部10にベース口金1324を取り付けることができる。すなわち、この装置1301においては、第1口金90の接続ボス部42の締め込み量と押圧調整ねじ46の締め込み量を調整することによってゴム弾性体43,45の膨出量を変化させることができるため、これらの締め込み量の調整により、外径の異なる内シース94と外シース95をベース口金1324に対して密着状態で固定することができる。同様に、内視鏡挿入部10の固定部側においても、押圧調整ねじ49の締め込み量を調整することによってゴム弾性体48の膨出量を変化させることができるため、この締め込み量の調整によって外径の異なる内視鏡挿入部10を密着状態で固定することができる。
【0080】
また、この実施形態の内視鏡システム1301においては、ベース口金1324の口金固定穴98とシース固定穴44のいずれか一方のみにシース(例えば、図31における内シース94または外シース95)を取り付け、冷却空気を循環させずにシースの先端部側から冷却空気を排出するようにして用いることも可能である。
すなわち、例えば、図31における内シース94だけを取り付けて用いる場合には、内シース94の接続管94bを口金固定穴98に入れてゴム弾性体43により固定し、第1の接続継手92から供給された冷却空気を内シース94と内視鏡挿入部10の間に形成される流路を通して先端部側に向かって流す。また、図31における外シース95だけを取り付けて用いる場合には、第2の接続継手93を閉塞するとともに内シース94の接続管94bに変えて軸長の短い支持リング(内径、外径は同サイズで長さ違いは図示せず。)をゴム弾性体45の内側にあてがい、第1の接続継手92から供給された冷却空気を外シース95と内視鏡挿入部10の間に形成される流路を通して先端部側に向かって流す。
したがって、この内視鏡システム1301においては、ベース口金1324を共用したまま、ユーザーのさらに多様なニーズ対応することができる。
【0081】
図32は、この発明の第14の実施形態の内視鏡システム1401の縦断面図である。
この第14の実施形態の内視鏡システム1401は、第13の実施形態のものと同様に、ベース口金1424を通して内視鏡挿入部10の先端側に供給された冷却空気を再度ベース口金1424に戻す循環タイプのものであるが、ベース口金1424の本体部分が単一の筒状部材によって構成されるとともに、一つの押圧調整ねじ46によって内シース94と外シース95がベース口金1424に同時に固定されるようになっている点が第13の実施形態のものと大きく異なっている。
【0082】
ベース口金1424は、全体が略円筒状に形成され、軸方向の一端側にシース固定穴56が形成されるとともに、他端側に挿入部固定穴47が形成されている。そして、ベース口金1424のうちの、シース固定穴56の底部と挿入部固定穴47の底部の間の略中間位置には、空気供給側の第1の接続継手92が設けられ、シース固定穴56の周壁の軸方向の略中間位置には、空気排出側の第2の接続継手93が設けられている。シース固定穴56は、開口側の内周面に雌ねじ56aが設けられる大径穴56bと、その大径穴56bの底部に連設された小径穴56cとから成り、小径穴56cには、内シース94の接続管94bが嵌入されて、その先端部が突き当てられるようになっている。そして、大径穴56bには、肉厚の厚いの略円筒状の第1ゴム弾性体57と、通路確保用の略C字状のスペーサリング58と、第1ゴム弾性体57よりも肉厚の薄い略円筒状の第2ゴム弾性体59が順次嵌入され、その状態において押圧調整ねじ46が螺合されている。押圧調整ねじ46は、第13の実施形態と同様に、雄ねじ46aの一端側にフランジ状の調整つまみ46bを有し、調整つまみ46bの操作によってシース固定穴56に対する締め込み量を調整するようになっている。
【0083】
ここで、シース固定穴56に嵌入されるスペーサリング58は、第1ゴム弾性体57と第2ゴム弾性体59に挟まれたかたちで第2の接続継手93の延長位置に配置され、C字形状の円周上の隙間58a部分が第2の接続継手93に連続する通路を形成するようになっている。また、外シース95の接続管95bの基端は押圧調整ねじ46を貫通して第2ゴム弾性体59の内周面に嵌入されるとともに、その先端面がスペーサリング58に突き当てられている。
【0084】
したがって、ベース口金1424に内シース94と外シース95の各接続管94b,95bが嵌入された状態で押圧調整ねじ46が締め込まれると、第2ゴム弾性体59と第1ゴム弾性体57が軸方向に押圧され、これらのゴム弾性体59,57が軸方向の押圧力を受けて径方向内側に夫々膨出する。これにより、第1ゴム弾性体57は内シース94の接続管9bの外周面に密着状態で押圧されてベース口金1424と内シース94とを固定し、第2のゴム弾性体59は外シース95の接続管95bの外周面に密着状態で押圧されてベース口金1424と外シース95とを固定する。こうして、ベース口金1424に内シース94と外シース95が取り付けられると、内シース94と外シース95の間に形成される排出側の流路97は、スペーサリング58の隙間58a部分による通路を通して第2の接続継手93と接続される。
なお、この実施形態の場合、第1,第2ゴム弾性体57,59と押圧調整ねじ46が第1のギャップ調整手段を構成している。
【0085】
また、ベース口金1424の挿入部固定穴47には、第13の実施形態と同様に、円筒状のゴム弾性体48が嵌入され、その状態で押圧調整ねじ49が螺合されている。ゴム弾性体48は、押圧調整ねじ49の締め込みによって内周面が径方向内側に膨出し、内視鏡挿入部10の外周面に密着状態で押圧されることにより、ベース口金1424と内視鏡挿入部10とを相互に固定する。
【0086】
なお、図32中、94d,95dは、夫々接続管94c,95cを介して内シース94(シース本体部94a)と外シース95(シース本体部95a)に夫々接続された内シース延長部と外シース延長部である。
【0087】
この第14の実施形態の内視鏡システム1401は、基本的には第13の実施形態と同様の作用および効果を得ることができるが、ベース口金1424の本体部分が単一の筒状部材によって構成されているため、構造の簡素化を図ることができるとともに、シースの固定時に第2の接続継手93の向きが変化することがないというさらなる利点がある。
【0088】
さらに、この内視鏡システム1401においては、一つの押圧調整ねじ46によって内シース94と外シース95をベース口金1424に同時に固定することができるため、ベース口金1424に対するシース94,95の組付作業の容易化を図ることができる。
【0089】
尚、この発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】この発明の第1の実施形態の内視鏡システムを示す全体概略構成図。
【図2】同実施形態の内視鏡システムを示す分解斜視図。
【図3】同実施形態の内視鏡システムを示す縦断面図。
【図4】同実施形態の別のシースを示す分解斜視図。
【図5】同実施形態のシースと内視鏡挿入部を別のものに換えた内視鏡システムを示す縦断面図。
【図6】この発明の第2の実施形態の内視鏡システムを示す縦断面図。
【図7】同実施形態のシースと内視鏡挿入部を別のものに換えた内視鏡システムの縦断面図。
【図8】この発明の第3の実施形態の内視鏡システムを示す分解斜視図。
【図9】同実施形態の内視鏡システムを示す縦断面図。
【図10】同実施形態の別のシースを示す斜視図。
【図11】同実施形態のシースと内視鏡挿入部を別のものに換えた内視鏡システムの縦断面図。
【図12】この発明の第4の実施形態の内視鏡システムを示す斜視図。
【図13】同実施形態の内視鏡システムを示す分解斜視図。
【図14】同実施形態の内視鏡システムを示す縦断面図。
【図15】この発明の第5の実施形態の内視鏡システムを示す縦断面図。
【図16】この発明の第6の実施形態の内視鏡システムを示す縦断面図。
【図17】同実施形態の内視鏡システムの部品を示す斜視図。
【図18】この発明の第7の実施形態の内視鏡システムを示す縦断面図。
【図19】同実施形態の内視鏡システムの部品を示す斜視図。
【図20】この発明の第8の実施形態の内視鏡システムを示す縦断面図。
【図21】同実施形態の内視鏡システムの部品を示す斜視図。
【図22】この発明の第9の実施形態の内視鏡システムを示す縦断面図。
【図23】同実施形態の別のシースを示す縦断面図。
【図24】この発明の第10の実施形態の内視鏡システムを示す斜視図。
【図25】同実施形態の内視鏡システムを示す縦断面図。
【図26】この発明の第11の実施形態の内視鏡システムを示す分解斜視図。
【図27】この発明の第12の実施形態の内視鏡システムを示す分解斜視図。
【図28】同実施形態の変形例を示す斜視図。
【図29】この発明の第13の実施形態の内視鏡システムを示す分解斜視図。
【図30】同実施形態の内視鏡システムを示す分解斜視図。
【図31】同実施形態の内視鏡システムを示す縦断面図。
【図32】この発明の第14の実施形態を示す縦断面図。
【符号の説明】
【0091】
1,201,301,401,501,601,701,801,901,1001,1301,1401…内視鏡システム
10,110…内視鏡挿入部
13…冷却装置(冷却手段)
21,121,221,421,521,921,1021,1121,1221,1321…シース
21a…硬質シース芯材
21b…軟質シース表皮
21d,921d…基端側領域(シース側ギャップ閉塞壁,第1のギャップ調整手段)
24,924,1324,1424…ベース口金
27…シース固定穴(シース固定部)
28…内視鏡固定穴(内視鏡固定部)
30A,130A…シース側ギャップ閉塞壁(第1のギャップ調整手段)
30B,130B…挿入部側ギャップ閉塞壁(第2のギャップ調整手段)
31,32,331,332…ゴム弾性体
35,36…押圧調整ねじ
40,240,640…隙間調整ゴム(挿入部側ギャップ閉塞壁,第2のギャップ調整手段)
42…接続ボス部(第1のギャップ調整手段)
43,45…ゴム弾性体(第1のギャップ調整手段)
44…シース固定穴(第1のギャップ調整手段)
46…押圧調整ねじ(第1のギャップ調整手段)
47…挿入部固定穴(挿入部固定部)
48…ゴム弾性体(第2のギャップ調整手段)
49…押圧調整ねじ(第2のギャップ調整手段)
421b,521b…保護管
57…第1ゴム弾性体
59…第2ゴム弾性体
60…ギャップ調整ユニット(挿入部側ギャップ閉塞壁)
65…ギャップ調整ユニット(シース側ギャップ閉塞壁)
70…ゴム弾性体
94…内シース
95…外シース
98…口金固定穴(内側シース固定部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
観察対象に挿入される内視鏡挿入部の外周側にシースが配置されるとともに、このシースの内側に流体を供給して前記内視鏡挿入部を冷却する冷却手段が設けられた内視鏡システムであって、
前記冷却手段の流体配管が接続され、かつ前記シースが少なくとも脱着可能に取り付けられるベース口金と、
前記ベース口金のシース固定部と前記シースとの間に設けられ、前記シース固定部とシースとのギャップを埋める第1のギャップ調整手段と、を備えていることを特徴とする内視鏡システム。
【請求項2】
前記シースは、軟質シース表皮と硬質シース芯材とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項3】
前記第1のギャップ調整手段は、前記シースに設けられる筒状のシース側ギャップ閉塞壁によって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡システム。
【請求項4】
前記シース側ギャップ閉塞壁は、前記シースに脱着可能にねじ固定されることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡システム。
【請求項5】
前記シース側ギャップ閉塞壁は、前記シースに脱着可能に嵌合されるゴム弾性体によって構成されていることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡システム。
【請求項6】
前記第1のギャップ調整手段は、前記ベース口金の内周面に嵌合される円筒状のゴム弾性体と、このゴム弾性体を軸方向に押圧して内周側に膨出変形させる押圧調整ねじとによって構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡システム。
【請求項7】
前記シースは、外シースと内シースとから構成され、
前記第1のギャップ調整手段は、前記外シースのギャップを調整する外シース用ギャップ調整手段と、前記内シースのギャップを調整する内シース用ギャップ調整手段と、から構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡システム。
【請求項8】
前記ベース口金は、前記内視鏡挿入部が脱着可能に構成されており、
前記挿入部固定部と内視鏡挿入部とのギャップを、前記シース固定部とシースとのギャップを埋める前記第1のギャップ調整手段で埋めることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項9】
前記ベース口金は、前記内視鏡挿入部が脱着可能で、前記ベース口金の挿入部固定部と前記内視鏡挿入部との間に設けられ、前記挿入部固定部と内視鏡挿入部とのギャップを埋める第2のギャップ調整手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
【請求項10】
前記第2のギャップ調整手段は、前記内視鏡挿入部の外周に脱着可能に固定される円筒状の挿入部側ギャップ閉塞壁によって構成されていることを特徴とする請求項9に記載の内視鏡システム。
【請求項11】
前記第2のギャップ調整手段は、前記ベース口金の内周面に嵌合される円筒状のゴム弾性体と、このゴム弾性体を軸方向に押圧して内周側に膨出変形させる押圧調整ねじとによって構成されていることを特徴とする請求項9に記載の内視鏡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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