説明

内視鏡ワイパーブレードクリーナー

【課題】低侵襲性視認器具のレンズから残渣を除去するように構成される洗浄装置を提供すること。
【解決手段】低侵襲性外科手術器具は、視認器具と、視認器具のレンズを洗浄するために構成され、かつ適合されるワイパー機構とを含む。ワイパー機構は、レンズの表面と接触し、かつレンズの表面にわたって並進するように構成され、かつ適合されるワイパーを含む。アクチュエータは、レンズを洗浄するために、レンズにわたってワイパーを動かす。ワイパーは、長手方向軸を有する実質的に円筒形の部材を含み、長手方向軸は、視認器具の長手方向軸に実質的に横切っている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
本出願は、2010年10月20日に出願した仮出願シリアル番号61/394,819号からの優先権を主張する。上記出願の全内容は、参照によって本明細書に援用される。
【0002】
(技術分野)
本開示は、低侵襲性視認器具のレンズから残渣を除去するために構成される洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
近年、低侵襲性外科手術は、流行に成りつつある。低侵襲性外科手術は、患者に大きな切開を切断する必要性を除去し、それによって、不快、回復時間、および従来の開放外科手術に関連する有害面の影響の多くを低減する。低侵襲性視認器具、例えば、腹腔鏡および内視鏡は、内部の組織および/または器官を視認することを容易にするための光学器具である。
【0004】
腹腔鏡外科手術は、外科手術部位を視認するために、患者の腹壁の小さい切開内に腹腔鏡を配置することを含む。内視鏡外科手術は、外科手術部位を視認するために、自然発生のオリフィス(例えば、口、鼻、肛門、尿道、および膣)内に内視鏡を配置することを含む。他の低侵襲性外科手術手順は、肋骨の間の小さい切開を介して行われるビデオ支援胸部外科手術および心臓血管外科手術等を含む。これらの手順は、また、外科手術部位を視認するためにスコープを利用する。
【0005】
典型的な低侵襲性視認器具(例えば、腹腔鏡または内視鏡)は、ハウジングと、ハウジングの1つの端部から延在する細長いレンズシャフトと、レンズシャフトの遠位端に提供されるレンズとを含む。カメラビューファインダーは、ハウジングのもう1つの端部から延在する。カメラは、ハウジングに接続され、レンズを介して照準を合わせられた画像をテレビジョンモニターに伝送し、このテレビジョンモニターに、画像が表示される。外科手術手順の間に、レンズシャフトの遠位端部分は、患者体内に延ばされ、その一方で、レンズシャフトの近位端部分、ハウジングおよびカメラビューファインダーは、患者の体外に残る。このように、腹腔鏡/内視鏡は、モニター上の外科手術野における特定の解剖構造を視認するために、位置決めされ、かつ調整される。
【0006】
体内に内視鏡または腹腔鏡を挿入する間に、および外科手順の間に、残渣(例えば、有機物および水分)は、スコープのレンズ上に堆積され得る。レンズ上での残渣の付着および凝縮は、外科手術部位の視覚化を損ない、しばしば、レンズを洗浄することを必要とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要約)
本開示は、概して、低侵襲性外科手術手順の間に、内視鏡などの医療視認器具のレンズを洗浄するための器具に関連する。1つの局面において、本開示は、低侵襲性外科手術器具を提供し、外科手術器具は、レンズを含み、長手方向軸を有する視認器具と、患者の体内に視認器具を導入する前に、視認器具に取り付け可能なワイパー機構とを含む。ワイパー機構は、レンズの表面と接触し、かつレンズの表面にわたって並進するように構成され、かつ適合されるワイパーを含む。アクチュエータが、視認器具の近位部分に位置決めされ、レンズを洗浄するために、最初の位置からレンズにわたってワイパーを動かすように作動可能である。
【0008】
いくつかの実施形態において、ワイパーは、可撓性であり得る少なくとも1つの細長い部材によって、アクチュエータに動作可能に接続される。ワイパーは、最初の位置に向かって付勢され得る。
【0009】
いくつかの実施形態において、ワイパーは、長手方向軸を有する実質的に円筒形の部材を含み、長手方向軸は、視認器具の長手方向軸を実質的に横切っている。いくつかの実施形態において、ワイパー機構は、間隔を空けられた第1の実質的に円筒形の部材と第2の実質的に円筒形の部材とを含み、これらの部材は、少なくとも1つのコネクタによって接続される。実質的に円筒形の部材は、向かい合う第1の端部と第2の端部とを有し、制御機構が、向かい合う第1の端部と第2の端部とに取り付けられ得る。
【0010】
細長い部材は、近位端においてアクチュエータに動作可能に接続され、遠位端においてワイパーに動作可能に接続され、そしてレンズにわたってワイパーを動かすように並進可能であるように提供され得る。いくつかの実施形態において、細長い部材は、視認器具の外側表面に沿って延在する制御ワイヤである。制御ワイヤは、視認器具の外側表面にクリップされ得る。細長い部材は、視認器具の中心軸からオフセットされた位置においてワイパーを維持するために、ばね付勢され得、それによって、レンズの中心視認エリアから除去され得る。
【0011】
ワイパー機構は、視認器具の遠位端において取り付けられたカラーを含み得、ワイパーは、カラーに移動可能に接続され得る。
【0012】
別の局面において、本開示は、レンズを有する視認器具に固定されるように適合されるワイパー機構を含む外科手術器具を提供する。ワイパー機構は、第1の実質的に円筒形の部材を含み、第1の実質的に円筒形の部材は、視認器具の長手方向軸を横切る長手方向軸を有する。実質的に円筒形の部材は、レンズを洗浄するために、視認器具のレンズにわたって移動可能である。
【0013】
いくつかの実施形態において、ワイパー機構は、第2の実質的に円筒形の部材を含み、実質的に円筒形の部材は、間隔を空けられ、かつ少なくとも1つのコネクタによって接続される。
【0014】
いくつかの実施形態において、ワイパー機構は、視認器具に取り付けられたカラーに接続され、制御部材は、視認器具の外側表面に隣接して延在し、かつレンズにわたって少なくとも第1の実質的に円筒形の部材を動かすように作動可能である。
【0015】
いくつかの実施形態において、ワイパーはまた、レンズを洗浄するために、加圧流体リザーバに接続されたスプレーアタッチメントを有し得る。
【0016】
いくつかの実施形態において、視認器具の一部分を受け取るための内部寸法を有するシースが提供され、第1の円筒形の部材が、シースに接続される。いくつかの実施形態において、アームは、円筒形の部材の一部分内に延在する。シースは、アームを受け取るためのスロットを含み得る。
【0017】
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
低侵襲性外科手術器具であって、該外科手術器具は、
レンズを含み、長手方向軸を有する視認器具と、
患者の体内に該視認器具を導入する前に、該視認器具に取り付け可能なワイパー機構であって、該ワイパー機構は、該レンズの表面と接触し、かつ該レンズの表面にわたって並進するように構成され、かつ適合されるワイパーを含む、ワイパー機構と、
該視認器具の近位部分において位置決め可能なアクチュエータであって、該アクチュエータは、該レンズを洗浄するために、最初の位置から該レンズにわたって該ワイパーを動かすように作動可能である、アクチュエータと
を含む、外科手術器具。
(項目2)
上記ワイパーは、長手方向軸を有する実質的に円筒形の部材を含み、該長手方向軸は、上記視認器具の長手方向軸を実質的に横切っている、上記項目に記載の外科手術器具。
(項目3)
上記ワイパー機構は、第2のワイパーを含み、該ワイパーは、間隔を空けられた第1の実質的に円筒形の部材と第2の実質的に円筒形の部材との形態であり、該部材は、少なくとも1つのコネクタによって接続される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目4)
上記少なくとも1つのコネクタは、弓状である、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目5)
上記外科手術器具は、近位端において上記アクチュエータに動作可能に接続され、遠位端において上記ワイパーに動作可能に接続された細長い部材をさらに含み、該細長い部材は、上記レンズにわたって該ワイパーを動かすように並進可能である、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目6)
上記細長い部材は、上記視認器具の中心軸からオフセットされた位置に上記ワイパーを維持するようにばね付勢される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目7)
上記ワイパー機構は、上記視認器具の遠位端に取り付けられたカラーを含み、上記ワイパーは、該カラーに移動可能に接続される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目8)
上記細長い部材は、上記視認器具の外側表面に沿って延在する制御ワイヤであり、該制御ワイヤは、該視認器具の外側表面にクリップされる、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目9)
上記ワイパーは、上記レンズにわたって回転可能である、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目10)
上記実質的に円筒形の部材は、向かい合う第1の端部と第2の端部とを有し、制御機構は、向かい合う第1の端部と第2の端部とに取り付けられる、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目11)
上記視認器具は、上記実質的に円筒形の部材を該視認器具の上記レンズにわたって動かすために、該実質的に円筒形の部材と接触する、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目12)
上記外科手術器具は、上記レンズにわたって両方の実質的に円筒形の部材を動かす制御部材をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目13)
上記外科手術器具は、上記視認器具の一部分を受け取るための内部寸法を有するシースをさらに含み、上記第1の実質的に円筒形の部材は、該シースと接触される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目14)
上記外科手術器具は、上記実質的に円筒形の部材の一部分内に延在するアームをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目15)
上記シースは、上記アームを受け取るためのスロットを含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目11a)
外科手術器具であって、該外科手術器具は、レンズを有する視認器具に固定されるように適合されるワイパー機構を含み、該ワイパー機構は、第1の実質的に円筒形の部材を含み、該第1の実質的に円筒形の部材は、該視認器具の長手方向軸に実質的に横切る長手方向軸を有し、該実質的に円筒形の部材は、該レンズを洗浄するために、該視認器具の該レンズにわたって移動可能である、外科手術器具。
(項目12a)
上記外科手術器具は、第2の実質的に円筒形の部材をさらに含み、上記第1の実質的に円筒形の部材と該第2の実質的に円筒形の部材は、間隔を空けられ、かつ少なくとも1つのコネクタによって接続される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目13a)
上記外科手術器具は、カラーと細長い制御部材とをさらに含み、上記ワイパーは、該カラーに接続され、該カラーは、上記視認器具に取り付け可能である、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目14a)
上記制御部材は、上記視認器具の外側表面に隣接して延在し、かつ上記レンズにわたって上記ワイパーを動かすように作動可能である、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目15a)
上記視認器具は、上記視認器具の上記レンズにわたって上記実質的に円筒形の部材を動かすために、該実質的に円筒形の部材と接触する、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目16a)
上記外科手術器具は、上記レンズにわたって両方の実質的に円筒形の部材を動かす制御部材をさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目17a)
上記外科手術器具は、上記視認器具の一部分を受け取るための内部寸法を有するシースをさらに含み、上記第1の円筒形の部材は、該シースに接続される、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目18a)
上記外科手術器具は、上記実質的に円筒形の部材の一部分内に延在するアームをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目19a)
上記外科手術器具は、上記視認器具の一部分を受け取るための内部寸法を有するシースと、上記第1の実質的に円筒形の部材を該シースに接続するアームとをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
(項目20a)
上記シースは、上記アームを受け取るためのスロットを含む、上記項目のいずれかに記載の外科手術器具。
【0018】
(摘要)
低侵襲性外科手術器具は、視認器具と、視認器具のレンズを洗浄するように構成され、かつ適合されるワイパー機構とを含む。ワイパー機構は、レンズの表面と接触し、かつレンズの表面にわたって並進するように構成され、かつ適合されるワイパーを含む。アクチュエータは、レンズを洗浄するために、レンズにわたってワイパーを動かす。
【0019】
本開示のこれらの特徴および他の特徴は、添付の図面を参照すると、より完全に説明される。
【0020】
説明のみのために、本開示の実施形態が添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本開示の実施形態に従う外科手術視認器具およびワイパー機構の透視図である。
【図2】図2は、図1の外科手術視認器具の遠位端部分の拡大透視図である。
【図3】図3は、外科手術視認器具の遠位端部分の拡大透視図であり、該外科手術視認器具は、該外科手術視認器具に取り付けられたワイパー機構の代替的な実施形態を有する。
【図4】図4は、外科手術視認器具の遠位端部分の拡大透視図であり、該外科手術視認器具は、該外科手術視認器具に取り付けられたワイパー機構のもう1つの代替的な実施形態を有する。
【図5】図5は、スコープレンズにわたって動かされている、図4のワイパーを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(詳細な説明)
内視鏡は、典型的に、その外科手術用途に依存して、剛性または可撓性であり得る内視鏡のハウジングまたは本体を含む。カメラビューファインダー、例えば、接眼レンズは、スコープハウジングの近位(画像化)端に位置決めされる。レンズは、スコープ本体の遠位端に提供される。
【0023】
内視鏡の典型的な使用において、スコープの位置が、外科手術野において特定の1つの解剖構造または複数の解剖構造を視認するために調整されるときに、ビューファインダーは、患者の外科手術野、例えば、腹腔、胸腔の画像を照準に合わせるように適合される。カメラは、レンズを介して照準を合わせられた外科手術野の画像を受信し、カメラに接続される外部モニターに画像を伝送するように適合され、外科手術野の画像は、モニター上に表示される。すなわち、視覚的表示デバイスが接眼レンズに動作可能に接続され、光信号をビデオ信号に変換して、モニター上にビデオ画像を生成する(または選択した媒体上に格納する)。従って、外科手術手順が低侵襲性外科手術器具または内視鏡外科手術器具を用いて実行されるときに、モニターは、外科手術チームが患者体内の外科手術野において1つの解剖構造または複数の解剖構造を視認することを可能にする。外科手術手順を通して、凝縮、煙の粒子、および生物的組織または物質は、スコープのレンズに接触し、そしてレンズ上に集積する傾向がある。それらがモニター上に表示されるので、外科手術野の画像を不明りょうにする傾向がある。
【0024】
本開示の器具は、外科手術手順の間に、患者の体内からスコープを取り外すことなしに、鮮明な画像を維持するために、スコープレンズを洗浄することを可能にする。
【0025】
本開示の特定の実施形態は、添付の図面を参照すると共に、本明細書において説明される。図面および続く説明において、同様の参照数字は、類似または同一の構成要素を見なし、用語「近位」は、使用の間にオペレータに最も近い器具の端部を指し、その一方で、用語「遠位」は、使用の間にオペレータから離れる端部を指す。
【0026】
本開示は、従来の視認器具、例えば、腹腔鏡または内視鏡に取り付け可能であり得るワイパー機構を対象とする。ワイパー機構は、レンズを洗浄するために、スコープにわたって移動可能な1つ以上のローラーまたはワイパー部材を含む。いくつかの実施形態において、ローラー部材は、離れて位置決めされたアクチュエータによって動かされる。他の実施形態において、ローラー部材は、スコープレンズの進行によってレンズにわたって動かされ、ローラー部材と接触する。スプレーヘッドのような注入ポートはまた、レンズ上に流体を注入し、例えば、噴射するために提供され得る。すなわち、ワイパーは、流体をスコープレンズに送達する流体導管を含む細長いシースの一部分であり得る。代替的な実施形態において、スコープの部分的収縮は、洗浄要素の一部分を作動させるための洗浄サイクルの一部分を容易にし得る。
【0027】
従来の内視鏡は、一例として図1に例示され、参照数字10によって示される。スコープ10は、ハンドル12と、ハンドル12から遠位に延在し、かつレンズ19で終端する細長い管状シャフト14とを有する。管状シャフトは、剛性、半剛性または可撓性であり得る。図1の実施形態において、シース110を含むワイパー機構100は、スコープレンズ19およびシャフト14の一部分上に位置決めされる。シース110は、スコープの可撓性のある細長いシャフトを収容するために、剛性、半剛性または可撓性であり得る。シースは、スコープを受け取るための内部寸法を有する。代替的な実施形態において、ワイパー機構は、スコープの遠位先端部上に取り付けられたカラーに取り付けられる。
【0028】
まず、図1および図2の実施形態に向けると、ワイパー機構100は、向かい合わせた第1の端部104と第2の端部106とを有する実質的に円筒形のローラー部材102の形のワイパーを含む。ローラー部材102は、(わずかに湾曲した)長手方向軸を有し、長手方向軸は、実質的にスコープ10の長手方向軸に横切りである。ワイパー機構100は、スコープ10の遠位端上に取り付けられたシース110に接続される。シース110は、カラーまたはリング112を含み、カラーまたはリング112は、各側面上のカラーまたはリング112において形成されたスロット114を有する。シースは、様々な長さのスコープ10を覆うために、様々な長さで構成され得る。
【0029】
アーム107、109は、アームの向かい合う端部上でローラー部材102を支持し、半径方向に位置決めされたカラー112のスロット114を通って延在するように内側へ曲がる。アーム107、109は、ロッド、管、ワイヤ等の形であり得、アームがローラー部材102内部に1つのユニットとして延在するように、一体に形成され得る。代替的には、別個の接続部材は、2つのアーム107、109を連結するために、ローラー部材102の内部を通して延在し得、またはローラー部材102の内部に位置決めされ得る。アーム107、109は、シース110内に延在し、シース110の近位端116からスコープ10の外側表面の横側(示されていない)に存在する、ロッドまたはワイヤのような作動部材(示されていない)に接続される。ロッドまたはワイヤは、スコープ10の側面(示されていない)にクリップされ得る。ロッドまたはワイヤは、ローラー102を作動させるためのロッドまたはワイヤの動きに対して、レバー18または他の制御部材(アクチュエータ)に動作可能に接続される。
【0030】
ローラー部材102は、好ましくは、レンズ19の中心の視認エリアから除去された第1の位置へばね付勢される。使用時に、作動ロッドまたはワイヤは、制御(作動)部材の作動によって近位に引っ張られ、それによって、レンズを洗浄するために、スコープレンズ19にわたってローラー部材102を回転するように、スロット114内にアーム107、109を動かす。本明細書に説明された本実施形態および他の実施形態のローラー部材は、レンズを拭くための材料からなり得、または代替的には、本実施形態および他の実施形態のローラー部材は、金属または他の材料からなり得、またはスコープレンズを拭くための材料を用いて覆われ得る。
【0031】
図3の代替的な実施形態において、ワイパー機構200のローラー部材202は、図2のローラー部材102に類似し、アーム107、109に類似するアーム207、209を有する。ワイパー機構200は、支持部材220、223がシースを通って延在する作動部材の代わりにアーム207、209に取り付けられ、Y構成であり、ディスク219においてシース210の外側表面にクリップされ、好ましくは、またスコープにクリップされることにおいて、ワイパー機構100と異なる。アーム207、209は、ローラー部材202をカラー212に接続するために、カラーまたはリング212において、半径方向に延在するスロット214を通って延在する。ワイヤ、ロッドまたは引きひもの形であり得る作動部材226の近位への収縮は、レンズ19にわたってローラー部材202を回転するように、支持部材220、223を近位に引っ張る。図2の実施形態と同じように、ローラー202は、好ましくは、レンズ19の視認エリアから除去されるようにばね付勢され、ワイヤ226を引っ張ることは、スロット214内に移動するアーム207、209を用いて、レンズにわたってローラー部材を回転させるための付勢を克服する。
【0032】
図1〜図3の実施形態において、手動レバー、例えば、図1のレバー18は、洗浄する前にレンズに隣接する位置(視認エリアから離れるエリア)から洗浄するためのレンズにわたる位置までワイパー機構を動かすように、近位位置と遠位位置との間に作動部材を手動的に動かすために、作動部材(アクチュエータ)に取り付けられ得る。手動レバーは、利用しやすいために、ハンドルの近傍にスコープの本体に固定され得、レバーは、レンズの中心の視認エリアから離れてワイパーを維持する位置へばね付勢され得る。
【0033】
アクチュエータに対する代替的なものとして、例えば、ローラー部材を動かすための、スコープの近位端において作動可能であるレバーであり、ローラー部材は、スコープ自身の動きによって、スコープにわたって動かされ得る。このことは、図4および図5の実施形態において示される。
【0034】
図4および図5の実施形態において、実質的に円筒形のローラー部材310、311の形である2つのワイパーが提供される。ローラー部材310、311は、少なくとも1つのコネクタによって接続され、例示された実施形態において、3つの間隔を空けられたコネクタ314によって接続される。コネクタ314は、弓状であり、スコープのレンズ19にわたって延在する。レンズにわたるローラー部材310、311の動きは、図4および図5を比較することによって理解され得る。図5において、スコープおよびレンズがシースを通って遠位に延ばされ、ローラー310と接触するときに、ローラー部材310は、視認レンズ19にわたって回転され、それによって、ローラー部材310がレンズ19にわたって回転されることを引き起こす。視認器具が収縮されるときに、ワイパー300は、最初位置に戻るように並進する。このことは、例えば、ばねまたは他の機構によって最初位置へ付勢されるワイパー機構によって達成され得る。ローラー310、311は、ローラー311からカラー312のスロット315内に延在するアーム317を介してカラー312に取り付けられる。第2のアームは、オプション的に、ローラー310からカラーの第2のスロット内に延在し得る。
【0035】
本明細書に説明されたワイパー機構は、シース、例えば、スコープ上に取り付けられたシース110の遠位端に恒久的にまたは取り外し可能に結合され得る。リングまたはカラー、例えば、カラー112は、例えば、摩擦、接着剤、または磁気的手段によってシースの遠位端に結合され得る。カラーは、ローラーに動作可能に接続されるアームのためのガイドスロットを含み得る。レンズ19にわたって並進するためのローラーの作動は、既知の機械的または電気機械的手段を用いて達成され得る。加えて、作動は、自動的に、断続的に、および/またはある状況に応じて生じ得る。
【0036】
レンズ19を介して妨害されずに視認することを容易にするために、ローラーは、レンズ19の半径を超えてどの方向でも動かされ得る。
【0037】
本明細書に開示されたローラーは、レンズを洗浄し、そして乾燥させることを容易にする。ローラーは、ポリマー、布、ゴム、またはスポンジのような材料を含むが、これらに限定されない材料から形成され得る。代替的には、ローラーは、これらのような材料を用いて覆われ得る。ローラーは、半剛性であったり、可撓性であったりして、レンズ19の形状に一致して、レンズ19とローラーとの間の最大の接触を容易にする。さらに、ローラーは、回転を容易にするために、実質的に円筒形の形状であり得る。
【0038】
本開示のいくつかの実施形態は、図面に示され、そして/または本明細書に議論され、本開示が当技術分野に可能な範囲と同じ広さであり、本明細書が同様に読み取られることが意図されるように、本開示が、上記実施形態に限定されることは意図されない。それゆえに、上記の説明は、限定する実施形態としてではなく、むしろ単に特定の実施形態の代表的な例として解釈されるべきである。当業者は、本開示に添付の請求項の範囲および精神内に他の変更を考えられる。
【符号の説明】
【0039】
10 スコープ
12 ハンドル
14 シャフト
18 レバー
19 レンズ
100 ワイパー機構
102 ローラー部材
110 シース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低侵襲性外科手術器具であって、該外科手術器具は、
レンズを含み、長手方向軸を有する視認器具と、
患者の体内に該視認器具を導入する前に、該視認器具に取り付け可能なワイパー機構であって、該ワイパー機構は、該レンズの表面と接触し、かつ該レンズの表面にわたって並進するように構成され、かつ適合されるワイパーを含む、ワイパー機構と、
該視認器具の近位部分において位置決め可能なアクチュエータであって、該アクチュエータは、該レンズを洗浄するために、最初の位置から該レンズにわたって該ワイパーを動かすように作動可能である、アクチュエータと
を含む、外科手術器具。
【請求項2】
前記ワイパーは、長手方向軸を有する実質的に円筒形の部材を含み、該長手方向軸は、前記視認器具の長手方向軸を実質的に横切っている、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項3】
前記ワイパー機構は、第2のワイパーを含み、該ワイパーは、間隔を空けられた第1の実質的に円筒形の部材と第2の実質的に円筒形の部材との形態であり、該部材は、少なくとも1つのコネクタによって接続される、請求項1に記載の外科手術器具。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコネクタは、弓状である、請求項3に記載の外科手術器具。
【請求項5】
前記外科手術器具は、近位端において前記アクチュエータに動作可能に接続され、遠位端において前記ワイパーに動作可能に接続された細長い部材をさらに含み、該細長い部材は、前記レンズにわたって該ワイパーを動かすように並進可能である、請求項1〜4のいずれかに記載の外科手術器具。
【請求項6】
前記細長い部材は、前記視認器具の中心軸からオフセットされた位置に前記ワイパーを維持するようにばね付勢される、請求項5に記載の外科手術器具。
【請求項7】
前記ワイパー機構は、前記視認器具の遠位端に取り付けられたカラーを含み、前記ワイパーは、該カラーに移動可能に接続される、請求項1〜6のいずれかに記載の外科手術器具。
【請求項8】
前記細長い部材は、前記視認器具の外側表面に沿って延在する制御ワイヤであり、該制御ワイヤは、該視認器具の外側表面にクリップされる、請求項6または7に記載の外科手術器具。
【請求項9】
前記ワイパーは、前記レンズにわたって回転可能である、請求項1〜8のいずれかに記載の外科手術器具。
【請求項10】
前記実質的に円筒形の部材は、向かい合う第1の端部と第2の端部とを有し、制御機構は、向かい合う第1の端部と第2の端部とに取り付けられる、請求項2〜9のいずれかに記載の外科手術器具。
【請求項11】
前記視認器具は、前記実質的に円筒形の部材を該視認器具の前記レンズにわたって動かすために、該実質的に円筒形の部材と接触する、請求項2〜10のいずれかに記載の外科手術器具。
【請求項12】
前記外科手術器具は、前記レンズにわたって両方の実質的に円筒形の部材を動かす制御部材をさらに含む、請求項3〜11のいずれかに記載の外科手術器具。
【請求項13】
前記外科手術器具は、前記視認器具の一部分を受け取るための内部寸法を有するシースをさらに含み、前記第1の実質的に円筒形の部材は、該シースと接触される、請求項2〜12のいずれかに記載の外科手術器具。
【請求項14】
前記外科手術器具は、前記実質的に円筒形の部材の一部分内に延在するアームをさらに含む、請求項2〜13のいずれかに記載の外科手術器具。
【請求項15】
前記シースは、前記アームを受け取るためのスロットを含む、請求項14に記載の外科手術器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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