内視鏡用シース
【課題】狭窄な体腔内に容易に挿入することが可能な内視鏡用シースを提供する。
【解決手段】この内視鏡用シース12は、内視鏡が進退可能に挿通される中空部18を有するシース本体14と、シース本体14の先端側に形成され、中空部18の先端部を閉塞している軟性の袋状部24と、袋状部24においてシース本体14の中心軸Cに対して偏心して形成され、内視鏡が挿脱される挿脱孔30と、袋状部24において少なくとも一部分が中心軸Cに対して挿脱孔30の反対側かつ挿脱孔30の基端側に形成され、袋状部24の他の部分よりも変形されやすい変形部32と、を有する。
【解決手段】この内視鏡用シース12は、内視鏡が進退可能に挿通される中空部18を有するシース本体14と、シース本体14の先端側に形成され、中空部18の先端部を閉塞している軟性の袋状部24と、袋状部24においてシース本体14の中心軸Cに対して偏心して形成され、内視鏡が挿脱される挿脱孔30と、袋状部24において少なくとも一部分が中心軸Cに対して挿脱孔30の反対側かつ挿脱孔30の基端側に形成され、袋状部24の他の部分よりも変形されやすい変形部32と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、狭窄な体腔内に内視鏡を挿入するために内視鏡に外挿されて用いられる内視鏡用シースに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内視鏡用シースとして、泌尿器用の外套シースが開示されている。この外套シースでは、シース本体の基端部に円筒状のゴム栓が共軸に連結されており、ゴム栓の基端側の中心開口から内視鏡が水密的に挿脱される。シース本体の中空部には内視鏡が進退自在に挿通され、シース本体の先端部の中心開口から内視鏡の先端部が突没される。さらに、シース本体の中央部には側孔が形成されており、シース本体とシース本体に挿入された内視鏡との間には側孔に連通する吸引路が形成され、シース本体の基端部には吸引路に連通する吸引口金が配設されている。そして、シース本体を尿道、膀胱を経て尿管内に挿入した後、シース本体を介して内視鏡を尿管に挿入して尿管内の観察を行うと共に、膀胱に側孔を配置して、膀胱内の尿を側孔、吸引路、吸引口金を介して排出する。
【0003】
一方で、特許文献2には、十二指腸用内視鏡の処置具チャンネルを介して膵・胆管に挿入され、膵・胆管に造影剤を注入するための造影チューブが開示されている。この造影チューブの先端部は、挿入性を向上するために、先細りで先端が丸みを帯びた袋状をなしている。そして、造影チューブの先端には開口が形成されており、この開口を横切ってスリットが形成されている。造影チューブの先端部から造影剤を放出する際、又は、造影チューブにガイドワイヤを挿通して、造影チューブの先端部からガイドワイヤの先端部を突出させる際には、スリットが割れて造影チューブの先端部が開くことで、少ない抵抗で造影剤の放出、ガイドワイヤの突出を行うことが可能となっている。
【特許文献1】実開平3−36602号公報
【特許文献2】特開平9−99089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の外套シースの先端部では、シース本体の先端部は袋状をなしていないため、狭窄な体腔内に外套シースを挿入する際には、挿入がしにくくなっている。
【0005】
特許文献2の造影チューブの先端部では、スリットが造影チューブの中心軸を通って延びているため、その先端部の構成を狭窄な体腔内に挿入される内視鏡用シースに転用した場合には、体腔内に挿入する際に先端部に基端側への力が付与されると、先端部において先割れが生じてしまい、挿入がしにくくなる。
【0006】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、狭窄な体腔内に容易に挿入することが可能な内視鏡用シースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1実施態様では、内視鏡用シースは、内視鏡が進退可能に挿通される中空部を有するシース本体と、前記シース本体の先端側に形成され、前記中空部の先端部を閉塞している軟性の袋状部と、前記袋状部において前記シース本体の中心軸に対して偏心して形成され、前記内視鏡が挿脱される挿脱孔と、前記袋状部において少なくとも一部分が前記中心軸に対して前記挿脱孔の反対側かつ前記挿脱孔の基端側に形成され、前記袋状部の他の部分よりも変形されやすい変形部と、を具備することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2実施態様では、内視鏡用シースは、前記挿脱孔は、前記シース本体の長手軸方向に延びている1つのスリットである、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3実施態様では、内視鏡用シースは、前記変形部は、前記シース本体の長手軸方向に対して略直交して延びている、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第4実施態様では、内視鏡用シースは、前記変形部は、貫通孔を有する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第5実施態様では、内視鏡用シースは、前記変形部は、前記袋状部の他の部分よりも薄肉の薄肉部を有する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の第6実施態様では、内視鏡用シースは、前記変形部は、前記袋状部の他の部分よりも軟らかい軟性部を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1実施態様の内視鏡用シースでは、内視鏡を挿脱するための挿脱孔が中心軸に対して偏心して形成されているため、内視鏡用シースを狭窄な体腔内に挿入していく場合であっても、袋状部に先割れが生じることが防止され、内視鏡用シースを容易に挿入することが可能となっている。さらに、挿脱孔に内視鏡を挿通する際には、変形部を起点として袋状部の先端側が挿脱孔側から変形部側へと回動するように変形されるため、挿脱孔の偏心にもかかわらず内視鏡をシース本体の中心軸に沿って直線的に突出させることができ、内視鏡の観察方向と前進方向とが略一致するため、内視鏡の前進方向を容易に把握することが可能となっている。
【0014】
本発明の第2実施態様の内視鏡用シースでは、挿脱孔としてシース本体の長手軸方向に延びている1つのスリットを用いているため、挿脱孔に内視鏡を挿脱する際の抵抗の増大を抑制しつつ、体腔内への内視鏡用シースの挿入において先割れを充分に防止することが可能となっている。
【0015】
本発明の第3実施態様の内視鏡用シースでは、変形部が長手軸方向に略直交して延びているため、挿脱孔に内視鏡を挿通する際には、袋状部の基端側に対して袋状部の先端側が変形部を折線部として屈曲されることとなり、袋状部の変形を充分に促進することが可能となっている。
【0016】
本発明の第4実施態様の内視鏡用シースでは、変形部として形成の容易な貫通孔を用いているため、安価に変形部を形成することが可能となっている。
【0017】
本発明の第5実施態様の内視鏡用シースでは、薄肉部を用いて変形部を形成しているため、薄肉部の厚さを調節することで、変形しやすさと強度とを微細に調節することが可能となっている。
【0018】
本発明の第6実施態様の内視鏡用シースでは、軟性部を用いて変形部を形成しているため、軟性部の軟らかさを調節することで、変形しやすさと強度とを微細に調節することが可能となっていると共に、変形部の形成によって袋状部の外形に凹凸形状が形成されてしまうようなことが少なく、内視鏡用シースの挿入性の低下が防止されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の各実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1A乃至図3Bは、本発明の第1実施形態を示す。
【0021】
本実施形態では、泌尿器用内視鏡装置を例として説明する。この内視鏡装置は、内視鏡と、狭窄な体腔内へと内視鏡を挿入するために内視鏡に外挿されて用いられる内視鏡用シースと、を有する。
【0022】
図1A乃至図2Dを参照して、内視鏡用シース12について説明する。
【0023】
図1A及び図1Bを参照し、内視鏡用シース12は、長尺管状で軟性のシース本体14を有する。シース本体14の基端部には、操作者に把持される太径で筒状の把持部16が略共軸に連結されている。シース本体14及び把持部16の内腔によって、内視鏡が進退自在に挿通される中空部が形成されている。把持部16の基端部には弁構造20が形成されており、この弁構造20を介して中空部へと内視鏡を水密的に挿脱することが可能である。シース本体14及び把持部16の内周面と、シース本体14及び把持部16に挿通された内視鏡の外周面との間に、送液吸引を行うための送液吸引路が形成される。把持部16には、送液吸引路の基端部と連通する一対のルアー口金22が配設されている。また、シース本体14の内周面には、送液吸引効率を向上させるために、螺旋状の多数の溝がシース本体14の長手軸方向に延設されていると共に、親水性コートが被覆されている。
【0024】
図2A乃至図2Dを参照して、シース本体14の先端部について詳細に説明する。
【0025】
シース本体14の先端部には、中空部18の先端部を閉塞している袋状部24が形成されている。この袋状部24は、基端側の円筒状部分26と、先端側のテーパ状部分28とによって形成されている。
【0026】
テーパ状部分28では、外周面は基端側から先端側へと外径の減少する滑らかな曲面をなしており、内周面は外周面に対応して基端側から先端側へと内径の減少する滑らかな曲面をなしている。テーパ状部分28の先端部はシース本体14の中心軸Cの位置に配置されており、先端部の外面は所定の曲率を有する滑らかな曲面をなしている。
【0027】
テーパ状部分28には、内視鏡が挿脱される挿脱孔としてのスリット30が、シース本体14の中心軸Cに対して偏心して形成されている。即ち、スリット30は、シース本体14の長手軸方向に、テーパ状部分28の先端部から基端側まで、換言すれば、シース本体14の中心軸Cの位置から外周面の位置まで、延設されている。
【0028】
一方、テーパ状部分28には、袋状部24の他の部分よりも変形されやすい変形部としての貫通孔32が形成されている。この貫通孔32は、シース本体14の中心軸Cに対してスリット30の反対側かつ基端側に配置されている。本実施形態では、貫通孔32は丸穴状を有し、スリット30の中心線と貫通孔32の中心は略シース本体14の中心軸Cを含む同一の平面内にあり、シース本体14の長手軸方向に対してスリット30の基端の位置と貫通孔32の先端の位置とが略一致している。
【0029】
次に、本実施形態の内視鏡装置の使用方法について説明する。
【0030】
内視鏡装置を用いて膀胱内の観察を行う際には、内視鏡用シース12を尿道から膀胱へと挿入していく。シース本体14の先端部には袋状部24が形成されており、さらに袋状部24の先端側にはテーパ状部分28が形成されているため、尿道、膀胱に存在する狭窄部や閉塞部にかかわらず、シース本体14が円滑に挿入される。また、テーパ状部分28のスリット30はシース本体14の中心軸Cに対して偏心して形成されているため、テーパ状部分28の先端部に基端側への力が付与された場合であっても、先割れが生じることが少なく、先割れによって挿入が妨げられることが少ない。
【0031】
続いて、内視鏡用シース12の把持部16を把持して、内視鏡用シース12に内視鏡を把持部16の弁構造20を介して挿入していき、把持部16及びシース本体14の中空部18に内視鏡を挿通する。内視鏡を前進させていくと、図3Aに示されるように、内視鏡42の先端部は、シース本体14の袋状部24まで前進され、さらに、袋状部24のテーパ状部分28の先端部の内面に当接される。ここで、内視鏡42はシース本体14の中心軸Cに沿って前進されるため、テーパ状部分28のスリット30は、内視鏡42の中心軸に対して偏心して位置されることになる。さらに内視鏡42を前進させていくと、図3Bに示されるように、内視鏡42の先端部がスリット30に挿入され、スリット30を押し広げつつ挿通されていくと共に、内視鏡42によってテーパ状部分28がスリット30側から貫通孔32側へと付勢されて、テーパ状部分28が円筒状部分26に対して貫通孔32を起点としてスリット30側から貫通孔32側へと回動するように変形されていく。このようにして、内視鏡42は略内視鏡用シース12の中心軸Cに沿って直線的に突出される。この際、内視鏡42の観察方向と内視鏡42の先端部の前進方向とが略一致するため、内視鏡42の前進方向が把握しやすくなる。
【0032】
以上のようにして膀胱内に内視鏡の先端部を挿入し、膀胱内の観察を行う。必要に応じて、内視鏡によって押し広げられたスリット30又は貫通孔32から、ルアー口金22、送液吸引路を介して送液吸引を行う。さらに、膀胱、尿道から内視鏡用シース12と内視鏡とを一体的に引き抜いていき、尿道内の観察を行うことも可能である。
【0033】
従って、本実施形態の内視鏡装置は次の効果を奏する。
【0034】
本実施形態の内視鏡用シース12では、内視鏡を挿脱するためのスリット30が中心軸Cに対して偏心して形成されているため、内視鏡用シース12を尿道、膀胱に挿入していく場合であっても、テーパ状部分28に先割れが生じることが防止され、内視鏡用シース12を容易に挿入することが可能となっている。さらに、スリット30に内視鏡を挿通する際には、貫通孔32を起点としてテーパ状部分28がスリット30側から貫通孔32側へと回動するように変形されるため、スリット30の偏心にもかかわらず内視鏡をシース本体14の中心軸Cに沿って直線的に突出させることができ、内視鏡の観察方向と前進方向とが略一致するため、内視鏡の前進方向を容易に把握することが可能となっている。
【0035】
また、挿脱孔30としてシース本体14の長手軸方向に延びている1つのスリット30を用いているため、スリット30に内視鏡を挿脱する際の抵抗の増大を抑制しつつ、尿道、膀胱への内視鏡用シース12の挿入において先割れを充分に防止することが可能となっている。
【0036】
さらに、変形部として形成の容易な貫通孔32を用いているため、安価に変形部を形成することが可能となっている。
【0037】
図4A及び図4Bは、本発明の第2実施形態を示す。
【0038】
本実施形態では、貫通孔32は、シース本体14の長手軸方向に対して略直交して延びている長丸穴状を有する。スリット30に内視鏡を挿通する際には、テーパ状部分28が円筒状部分26に対してスリット30側から貫通孔32側へと貫通孔32を折線部として屈曲されることとなり、袋状部24における変形が充分に促進される。このため、内視鏡を内視鏡用シース12の中心軸Cに沿ってさらに直線的に突出させることが可能となっている。
【0039】
図5は、本発明の第3実施形態を示す。
【0040】
本実施形態では、変形部として袋状部24の他の部分よりも薄肉の薄肉部34を用いている。即ち、袋状部24のテーパ状部分28の外周面には、第2実施形態の貫通孔32と同じ位置に凹部36が形成されている。本実施形態では、薄肉部34の配置に加えて、薄肉部34の厚さを調節することにより、袋状部24の変形のしやすさと強度とを微細に調節することが可能となっている。
【0041】
図6A乃至図6Cは、本発明の第4実施形態を示す。
【0042】
本実施形態の袋状部24では、テーパ状部分28が円筒状部分26よりも軟らかい材料で形成されており、テーパ状部分28の全体によって変形部としての軟性部38が形成されている。即ち、シース本体14の基端側部分と円筒状部分26とは一体的に形成されており、円筒状部分26の先端面にテーパ状部分28の基端面が接合されている。シース本体14は基本的に軟性であるが、シース本体14の基端側部分及び円筒状部分26は体腔内への内視鏡用シース12の挿入に際して座屈しない程度の強度を有し、テーパ状部分28は、シース本体14の基端側部分及び円筒状部分26よりも軟らかいが、挿入に際して先割れが生じない程度の強度を有する。シース本体14の基端側部分及び円筒状部分26とテーパ状部分28とは、互いに硬度の異なる同種の材料、例えば、シリコンゴム、塩化ビニール、天然ゴム、熱可塑性エラストマーによって形成されている。そして、円筒状部分26とテーパ状部分28とは、一体成形、溶着、接着等によって接合されている。
【0043】
袋状部24のスリット30に内視鏡を挿通する際には、円筒状部分26の先端面を支持面として、テーパ状部分28の全体が円筒状部分26に対してスリット30側から中心軸Cに対して反対側へとテーパ状部分28の基端外周部を起点として屈曲され、内視鏡が略内視鏡用シース12の中心軸Cに沿って直線的に突出される。
【0044】
従って、本実施形態の内視鏡装置は次の効果を奏する。
本実施形態の内視鏡装置では、テーパ状部分28の軟らかさを適切に調節することで、袋状部24の変形のしやすさと強度とを微細に調節することが可能となっている。また、袋状部24の外形は凹凸形状の少ない滑らかな形状となっており、内視鏡用シース12の挿入性の低下が防止されている。
【0045】
なお、第1乃至第3実施形態の貫通孔32、薄肉部34の位置のみに軟性部38を形成するようにしてもよい。
【0046】
上述した本実施形態では、泌尿器用内視鏡装置を例として説明したが、本発明は、狭窄な体腔内に挿入される内視鏡装置、例えば、子宮用、大腸用の内視鏡装置に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】本発明の第1実施形態の内視鏡用シースを示す側面図。
【図1B】本発明の第1実施形態の内視鏡用シースを示す上面図。
【図2A】本発明の第1実施形態のシース本体を示す部分断面側面図。
【図2B】本発明の第1実施形態のシース本体を示す正面図。
【図2C】本発明の第1実施形態のシース本体を示す上面図。
【図2D】本発明の第1実施形態のシース本体を示す下面図。
【図3A】本発明の第1実施形態の内視鏡装置の突出作動を説明するための突出前の状態を示す模式図。
【図3B】本発明の第1実施形態の内視鏡装置の突出作動を説明するための突出後の状態を示す模式図。
【図4A】本発明の第2実施形態のシース本体を示す部分断面側面図。
【図4B】本発明の第2実施形態のシース本体を示す下面図。
【図5】本発明の第3実施形態のシース本体を示す部分断面側面図。
【図6A】本発明の第4実施形態のシース本体を示す部分断面側面図。
【図6B】本発明の第4実施形態のシース本体を示す上面図。
【図6C】本発明の第4実施形態のシース本体を示す下面図。
【符号の説明】
【0048】
12…内視鏡用シース、14…シース本体、18…中空部、24…袋状部、C…中心軸、30…挿脱孔(スリット)、32…変形部(貫通孔)、34…変形部(薄肉部)、38…変形部(軟性部)、42…内視鏡。
【技術分野】
【0001】
本発明は、狭窄な体腔内に内視鏡を挿入するために内視鏡に外挿されて用いられる内視鏡用シースに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、内視鏡用シースとして、泌尿器用の外套シースが開示されている。この外套シースでは、シース本体の基端部に円筒状のゴム栓が共軸に連結されており、ゴム栓の基端側の中心開口から内視鏡が水密的に挿脱される。シース本体の中空部には内視鏡が進退自在に挿通され、シース本体の先端部の中心開口から内視鏡の先端部が突没される。さらに、シース本体の中央部には側孔が形成されており、シース本体とシース本体に挿入された内視鏡との間には側孔に連通する吸引路が形成され、シース本体の基端部には吸引路に連通する吸引口金が配設されている。そして、シース本体を尿道、膀胱を経て尿管内に挿入した後、シース本体を介して内視鏡を尿管に挿入して尿管内の観察を行うと共に、膀胱に側孔を配置して、膀胱内の尿を側孔、吸引路、吸引口金を介して排出する。
【0003】
一方で、特許文献2には、十二指腸用内視鏡の処置具チャンネルを介して膵・胆管に挿入され、膵・胆管に造影剤を注入するための造影チューブが開示されている。この造影チューブの先端部は、挿入性を向上するために、先細りで先端が丸みを帯びた袋状をなしている。そして、造影チューブの先端には開口が形成されており、この開口を横切ってスリットが形成されている。造影チューブの先端部から造影剤を放出する際、又は、造影チューブにガイドワイヤを挿通して、造影チューブの先端部からガイドワイヤの先端部を突出させる際には、スリットが割れて造影チューブの先端部が開くことで、少ない抵抗で造影剤の放出、ガイドワイヤの突出を行うことが可能となっている。
【特許文献1】実開平3−36602号公報
【特許文献2】特開平9−99089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の外套シースの先端部では、シース本体の先端部は袋状をなしていないため、狭窄な体腔内に外套シースを挿入する際には、挿入がしにくくなっている。
【0005】
特許文献2の造影チューブの先端部では、スリットが造影チューブの中心軸を通って延びているため、その先端部の構成を狭窄な体腔内に挿入される内視鏡用シースに転用した場合には、体腔内に挿入する際に先端部に基端側への力が付与されると、先端部において先割れが生じてしまい、挿入がしにくくなる。
【0006】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、狭窄な体腔内に容易に挿入することが可能な内視鏡用シースを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1実施態様では、内視鏡用シースは、内視鏡が進退可能に挿通される中空部を有するシース本体と、前記シース本体の先端側に形成され、前記中空部の先端部を閉塞している軟性の袋状部と、前記袋状部において前記シース本体の中心軸に対して偏心して形成され、前記内視鏡が挿脱される挿脱孔と、前記袋状部において少なくとも一部分が前記中心軸に対して前記挿脱孔の反対側かつ前記挿脱孔の基端側に形成され、前記袋状部の他の部分よりも変形されやすい変形部と、を具備することを特徴とする。
【0008】
本発明の第2実施態様では、内視鏡用シースは、前記挿脱孔は、前記シース本体の長手軸方向に延びている1つのスリットである、ことを特徴とする。
【0009】
本発明の第3実施態様では、内視鏡用シースは、前記変形部は、前記シース本体の長手軸方向に対して略直交して延びている、ことを特徴とする。
【0010】
本発明の第4実施態様では、内視鏡用シースは、前記変形部は、貫通孔を有する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の第5実施態様では、内視鏡用シースは、前記変形部は、前記袋状部の他の部分よりも薄肉の薄肉部を有する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明の第6実施態様では、内視鏡用シースは、前記変形部は、前記袋状部の他の部分よりも軟らかい軟性部を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の第1実施態様の内視鏡用シースでは、内視鏡を挿脱するための挿脱孔が中心軸に対して偏心して形成されているため、内視鏡用シースを狭窄な体腔内に挿入していく場合であっても、袋状部に先割れが生じることが防止され、内視鏡用シースを容易に挿入することが可能となっている。さらに、挿脱孔に内視鏡を挿通する際には、変形部を起点として袋状部の先端側が挿脱孔側から変形部側へと回動するように変形されるため、挿脱孔の偏心にもかかわらず内視鏡をシース本体の中心軸に沿って直線的に突出させることができ、内視鏡の観察方向と前進方向とが略一致するため、内視鏡の前進方向を容易に把握することが可能となっている。
【0014】
本発明の第2実施態様の内視鏡用シースでは、挿脱孔としてシース本体の長手軸方向に延びている1つのスリットを用いているため、挿脱孔に内視鏡を挿脱する際の抵抗の増大を抑制しつつ、体腔内への内視鏡用シースの挿入において先割れを充分に防止することが可能となっている。
【0015】
本発明の第3実施態様の内視鏡用シースでは、変形部が長手軸方向に略直交して延びているため、挿脱孔に内視鏡を挿通する際には、袋状部の基端側に対して袋状部の先端側が変形部を折線部として屈曲されることとなり、袋状部の変形を充分に促進することが可能となっている。
【0016】
本発明の第4実施態様の内視鏡用シースでは、変形部として形成の容易な貫通孔を用いているため、安価に変形部を形成することが可能となっている。
【0017】
本発明の第5実施態様の内視鏡用シースでは、薄肉部を用いて変形部を形成しているため、薄肉部の厚さを調節することで、変形しやすさと強度とを微細に調節することが可能となっている。
【0018】
本発明の第6実施態様の内視鏡用シースでは、軟性部を用いて変形部を形成しているため、軟性部の軟らかさを調節することで、変形しやすさと強度とを微細に調節することが可能となっていると共に、変形部の形成によって袋状部の外形に凹凸形状が形成されてしまうようなことが少なく、内視鏡用シースの挿入性の低下が防止されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の各実施形態を図面を参照して説明する。
【0020】
図1A乃至図3Bは、本発明の第1実施形態を示す。
【0021】
本実施形態では、泌尿器用内視鏡装置を例として説明する。この内視鏡装置は、内視鏡と、狭窄な体腔内へと内視鏡を挿入するために内視鏡に外挿されて用いられる内視鏡用シースと、を有する。
【0022】
図1A乃至図2Dを参照して、内視鏡用シース12について説明する。
【0023】
図1A及び図1Bを参照し、内視鏡用シース12は、長尺管状で軟性のシース本体14を有する。シース本体14の基端部には、操作者に把持される太径で筒状の把持部16が略共軸に連結されている。シース本体14及び把持部16の内腔によって、内視鏡が進退自在に挿通される中空部が形成されている。把持部16の基端部には弁構造20が形成されており、この弁構造20を介して中空部へと内視鏡を水密的に挿脱することが可能である。シース本体14及び把持部16の内周面と、シース本体14及び把持部16に挿通された内視鏡の外周面との間に、送液吸引を行うための送液吸引路が形成される。把持部16には、送液吸引路の基端部と連通する一対のルアー口金22が配設されている。また、シース本体14の内周面には、送液吸引効率を向上させるために、螺旋状の多数の溝がシース本体14の長手軸方向に延設されていると共に、親水性コートが被覆されている。
【0024】
図2A乃至図2Dを参照して、シース本体14の先端部について詳細に説明する。
【0025】
シース本体14の先端部には、中空部18の先端部を閉塞している袋状部24が形成されている。この袋状部24は、基端側の円筒状部分26と、先端側のテーパ状部分28とによって形成されている。
【0026】
テーパ状部分28では、外周面は基端側から先端側へと外径の減少する滑らかな曲面をなしており、内周面は外周面に対応して基端側から先端側へと内径の減少する滑らかな曲面をなしている。テーパ状部分28の先端部はシース本体14の中心軸Cの位置に配置されており、先端部の外面は所定の曲率を有する滑らかな曲面をなしている。
【0027】
テーパ状部分28には、内視鏡が挿脱される挿脱孔としてのスリット30が、シース本体14の中心軸Cに対して偏心して形成されている。即ち、スリット30は、シース本体14の長手軸方向に、テーパ状部分28の先端部から基端側まで、換言すれば、シース本体14の中心軸Cの位置から外周面の位置まで、延設されている。
【0028】
一方、テーパ状部分28には、袋状部24の他の部分よりも変形されやすい変形部としての貫通孔32が形成されている。この貫通孔32は、シース本体14の中心軸Cに対してスリット30の反対側かつ基端側に配置されている。本実施形態では、貫通孔32は丸穴状を有し、スリット30の中心線と貫通孔32の中心は略シース本体14の中心軸Cを含む同一の平面内にあり、シース本体14の長手軸方向に対してスリット30の基端の位置と貫通孔32の先端の位置とが略一致している。
【0029】
次に、本実施形態の内視鏡装置の使用方法について説明する。
【0030】
内視鏡装置を用いて膀胱内の観察を行う際には、内視鏡用シース12を尿道から膀胱へと挿入していく。シース本体14の先端部には袋状部24が形成されており、さらに袋状部24の先端側にはテーパ状部分28が形成されているため、尿道、膀胱に存在する狭窄部や閉塞部にかかわらず、シース本体14が円滑に挿入される。また、テーパ状部分28のスリット30はシース本体14の中心軸Cに対して偏心して形成されているため、テーパ状部分28の先端部に基端側への力が付与された場合であっても、先割れが生じることが少なく、先割れによって挿入が妨げられることが少ない。
【0031】
続いて、内視鏡用シース12の把持部16を把持して、内視鏡用シース12に内視鏡を把持部16の弁構造20を介して挿入していき、把持部16及びシース本体14の中空部18に内視鏡を挿通する。内視鏡を前進させていくと、図3Aに示されるように、内視鏡42の先端部は、シース本体14の袋状部24まで前進され、さらに、袋状部24のテーパ状部分28の先端部の内面に当接される。ここで、内視鏡42はシース本体14の中心軸Cに沿って前進されるため、テーパ状部分28のスリット30は、内視鏡42の中心軸に対して偏心して位置されることになる。さらに内視鏡42を前進させていくと、図3Bに示されるように、内視鏡42の先端部がスリット30に挿入され、スリット30を押し広げつつ挿通されていくと共に、内視鏡42によってテーパ状部分28がスリット30側から貫通孔32側へと付勢されて、テーパ状部分28が円筒状部分26に対して貫通孔32を起点としてスリット30側から貫通孔32側へと回動するように変形されていく。このようにして、内視鏡42は略内視鏡用シース12の中心軸Cに沿って直線的に突出される。この際、内視鏡42の観察方向と内視鏡42の先端部の前進方向とが略一致するため、内視鏡42の前進方向が把握しやすくなる。
【0032】
以上のようにして膀胱内に内視鏡の先端部を挿入し、膀胱内の観察を行う。必要に応じて、内視鏡によって押し広げられたスリット30又は貫通孔32から、ルアー口金22、送液吸引路を介して送液吸引を行う。さらに、膀胱、尿道から内視鏡用シース12と内視鏡とを一体的に引き抜いていき、尿道内の観察を行うことも可能である。
【0033】
従って、本実施形態の内視鏡装置は次の効果を奏する。
【0034】
本実施形態の内視鏡用シース12では、内視鏡を挿脱するためのスリット30が中心軸Cに対して偏心して形成されているため、内視鏡用シース12を尿道、膀胱に挿入していく場合であっても、テーパ状部分28に先割れが生じることが防止され、内視鏡用シース12を容易に挿入することが可能となっている。さらに、スリット30に内視鏡を挿通する際には、貫通孔32を起点としてテーパ状部分28がスリット30側から貫通孔32側へと回動するように変形されるため、スリット30の偏心にもかかわらず内視鏡をシース本体14の中心軸Cに沿って直線的に突出させることができ、内視鏡の観察方向と前進方向とが略一致するため、内視鏡の前進方向を容易に把握することが可能となっている。
【0035】
また、挿脱孔30としてシース本体14の長手軸方向に延びている1つのスリット30を用いているため、スリット30に内視鏡を挿脱する際の抵抗の増大を抑制しつつ、尿道、膀胱への内視鏡用シース12の挿入において先割れを充分に防止することが可能となっている。
【0036】
さらに、変形部として形成の容易な貫通孔32を用いているため、安価に変形部を形成することが可能となっている。
【0037】
図4A及び図4Bは、本発明の第2実施形態を示す。
【0038】
本実施形態では、貫通孔32は、シース本体14の長手軸方向に対して略直交して延びている長丸穴状を有する。スリット30に内視鏡を挿通する際には、テーパ状部分28が円筒状部分26に対してスリット30側から貫通孔32側へと貫通孔32を折線部として屈曲されることとなり、袋状部24における変形が充分に促進される。このため、内視鏡を内視鏡用シース12の中心軸Cに沿ってさらに直線的に突出させることが可能となっている。
【0039】
図5は、本発明の第3実施形態を示す。
【0040】
本実施形態では、変形部として袋状部24の他の部分よりも薄肉の薄肉部34を用いている。即ち、袋状部24のテーパ状部分28の外周面には、第2実施形態の貫通孔32と同じ位置に凹部36が形成されている。本実施形態では、薄肉部34の配置に加えて、薄肉部34の厚さを調節することにより、袋状部24の変形のしやすさと強度とを微細に調節することが可能となっている。
【0041】
図6A乃至図6Cは、本発明の第4実施形態を示す。
【0042】
本実施形態の袋状部24では、テーパ状部分28が円筒状部分26よりも軟らかい材料で形成されており、テーパ状部分28の全体によって変形部としての軟性部38が形成されている。即ち、シース本体14の基端側部分と円筒状部分26とは一体的に形成されており、円筒状部分26の先端面にテーパ状部分28の基端面が接合されている。シース本体14は基本的に軟性であるが、シース本体14の基端側部分及び円筒状部分26は体腔内への内視鏡用シース12の挿入に際して座屈しない程度の強度を有し、テーパ状部分28は、シース本体14の基端側部分及び円筒状部分26よりも軟らかいが、挿入に際して先割れが生じない程度の強度を有する。シース本体14の基端側部分及び円筒状部分26とテーパ状部分28とは、互いに硬度の異なる同種の材料、例えば、シリコンゴム、塩化ビニール、天然ゴム、熱可塑性エラストマーによって形成されている。そして、円筒状部分26とテーパ状部分28とは、一体成形、溶着、接着等によって接合されている。
【0043】
袋状部24のスリット30に内視鏡を挿通する際には、円筒状部分26の先端面を支持面として、テーパ状部分28の全体が円筒状部分26に対してスリット30側から中心軸Cに対して反対側へとテーパ状部分28の基端外周部を起点として屈曲され、内視鏡が略内視鏡用シース12の中心軸Cに沿って直線的に突出される。
【0044】
従って、本実施形態の内視鏡装置は次の効果を奏する。
本実施形態の内視鏡装置では、テーパ状部分28の軟らかさを適切に調節することで、袋状部24の変形のしやすさと強度とを微細に調節することが可能となっている。また、袋状部24の外形は凹凸形状の少ない滑らかな形状となっており、内視鏡用シース12の挿入性の低下が防止されている。
【0045】
なお、第1乃至第3実施形態の貫通孔32、薄肉部34の位置のみに軟性部38を形成するようにしてもよい。
【0046】
上述した本実施形態では、泌尿器用内視鏡装置を例として説明したが、本発明は、狭窄な体腔内に挿入される内視鏡装置、例えば、子宮用、大腸用の内視鏡装置に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1A】本発明の第1実施形態の内視鏡用シースを示す側面図。
【図1B】本発明の第1実施形態の内視鏡用シースを示す上面図。
【図2A】本発明の第1実施形態のシース本体を示す部分断面側面図。
【図2B】本発明の第1実施形態のシース本体を示す正面図。
【図2C】本発明の第1実施形態のシース本体を示す上面図。
【図2D】本発明の第1実施形態のシース本体を示す下面図。
【図3A】本発明の第1実施形態の内視鏡装置の突出作動を説明するための突出前の状態を示す模式図。
【図3B】本発明の第1実施形態の内視鏡装置の突出作動を説明するための突出後の状態を示す模式図。
【図4A】本発明の第2実施形態のシース本体を示す部分断面側面図。
【図4B】本発明の第2実施形態のシース本体を示す下面図。
【図5】本発明の第3実施形態のシース本体を示す部分断面側面図。
【図6A】本発明の第4実施形態のシース本体を示す部分断面側面図。
【図6B】本発明の第4実施形態のシース本体を示す上面図。
【図6C】本発明の第4実施形態のシース本体を示す下面図。
【符号の説明】
【0048】
12…内視鏡用シース、14…シース本体、18…中空部、24…袋状部、C…中心軸、30…挿脱孔(スリット)、32…変形部(貫通孔)、34…変形部(薄肉部)、38…変形部(軟性部)、42…内視鏡。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡が進退可能に挿通される中空部を有するシース本体と、
前記シース本体の先端側に形成され、前記中空部の先端部を閉塞している軟性の袋状部と、
前記袋状部において前記シース本体の中心軸に対して偏心して形成され、前記内視鏡が挿脱される挿脱孔と、
前記袋状部において少なくとも一部分が前記中心軸に対して前記挿脱孔の反対側かつ前記挿脱孔の基端側に形成され、前記袋状部の他の部分よりも変形されやすい変形部と、
を具備することを特徴とする内視鏡用シース。
【請求項2】
前記挿脱孔は、前記シース本体の長手軸方向に延びている1つのスリットである、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用シース。
【請求項3】
前記変形部は、前記シース本体の長手軸方向に対して略直交して延びている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡用シース。
【請求項4】
前記変形部は、貫通孔を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内視鏡用シース。
【請求項5】
前記変形部は、前記袋状部の他の部分よりも薄肉の薄肉部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内視鏡用シース。
【請求項6】
前記変形部は、前記袋状部の他の部分よりも軟らかい軟性部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内視鏡用シース。
【請求項7】
内視鏡と、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の内視鏡用シースと、
を具備することを特徴とする内視鏡装置。
【請求項1】
内視鏡が進退可能に挿通される中空部を有するシース本体と、
前記シース本体の先端側に形成され、前記中空部の先端部を閉塞している軟性の袋状部と、
前記袋状部において前記シース本体の中心軸に対して偏心して形成され、前記内視鏡が挿脱される挿脱孔と、
前記袋状部において少なくとも一部分が前記中心軸に対して前記挿脱孔の反対側かつ前記挿脱孔の基端側に形成され、前記袋状部の他の部分よりも変形されやすい変形部と、
を具備することを特徴とする内視鏡用シース。
【請求項2】
前記挿脱孔は、前記シース本体の長手軸方向に延びている1つのスリットである、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用シース。
【請求項3】
前記変形部は、前記シース本体の長手軸方向に対して略直交して延びている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内視鏡用シース。
【請求項4】
前記変形部は、貫通孔を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内視鏡用シース。
【請求項5】
前記変形部は、前記袋状部の他の部分よりも薄肉の薄肉部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内視鏡用シース。
【請求項6】
前記変形部は、前記袋状部の他の部分よりも軟らかい軟性部を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内視鏡用シース。
【請求項7】
内視鏡と、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の内視鏡用シースと、
を具備することを特徴とする内視鏡装置。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【公開番号】特開2008−220419(P2008−220419A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−58938(P2007−58938)
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(304050923)オリンパスメディカルシステムズ株式会社 (1,905)
【Fターム(参考)】
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