説明

内視鏡用掃除ブラシ

【課題】掃除時間の短縮化を図るとともに、掃除効果の向上を図ることができる内視鏡用掃除ブラシを提供すること。
【解決手段】内視鏡の内部に形成された管路内を掃除する内視鏡用掃除ブラシであって、前記管路内に挿入された際に前記管路の内壁に沿って曲がるように可撓性を有する長尺の本体部2と、本体部2に設けられたスポンジ部3と、本体部2に設けられたブラシ部4とを備える。また、本発明において、スポンジ部3は、樹脂を主材料として構成されているのが好ましく、さらには、前記樹脂は、親水性ポリマーであるのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡用掃除ブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡の内部には、例えば、鉗子等の処置具を挿通する処置具挿通チャンネルや、観察の邪魔となる体液等を吸引して排出する吸引チャンネル、送水チャンネル、送気チャンネル等の各種の管路が設けられている。内視鏡の使用後、このような管路内の掃除(汚れやゴミ等の除去)をするために、内視鏡用掃除ブラシが用いられている。
【0003】
従来の内視鏡用掃除ブラシは、可撓性を有する細長い本体部の先端側にブラシ部のみが設けられ、基端側に把持部(柄)が設けられた構成になっている。この内視鏡用掃除ブラシは、内視鏡の管路内にブラシ部側より挿入し、ブラシ部を管路の他端部まで挿入した後、把持部を引っ張って管路内より抜去して使用する。これにより、管路の内壁に付着した汚れ等をブラシ部が掻き落として、掃除が行われる。通常、この掃除は、その掃除効果の向上を図るために、ブラシ部に洗浄液を担持させた状態で行われる。
【0004】
しかしながら、ブラシ部の主な機能は汚れ等を掻き落とすことであり、ブラシ部は掻き落とされた汚れ等をほとんど保持することができないため、従来の内視鏡用掃除ブラシでは、掻き落とした汚れ等を管路外へ排出するのに多大な時間と手間を要してしまうという問題があった。また、ブラシ部では比較的少量の洗浄剤を担持させることしかできないため、洗浄剤による掃除効果の向上を十分に図ることができない。
【0005】
【特許文献1】特開2002−102167号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、掃除時間の短縮化を図るとともに、掃除効果の向上を図ることができる内視鏡用掃除ブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
(1) 内視鏡の内部に形成された管路内を掃除する内視鏡用掃除ブラシであって、
前記管路内に挿入された際に前記管路の内壁に沿って曲がるように可撓性を有する長尺の本体部と、
前記本体部に設けられたブラシ部と、
前記本体部に設けられたスポンジ部とを備えることを特徴とする内視鏡用掃除ブラシ。
【0008】
これにより、管路の内壁に付着した汚れを、ブラシ部により掻き落とすとともに、スポンジ部により保持して、管路外へ速やかに排出させることができる。その結果、掃除時間の短縮化を図ることができる。
【0009】
また、液状等の洗浄剤を併用して掃除を行うと、スポンジ部に比較的多量の洗浄剤を担持させることができるので、洗浄剤の機能を十分に発揮させて、掃除効果の向上を図ることができる。
【0010】
このように、本発明の内視鏡用掃除ブラシは、スポンジ部およびブラシ部の相乗効果により、掃除時間の短縮化を図るとともに、掃除効果の向上を図ることができる。
【0011】
(2) 前記スポンジ部は、前記本体部の長手方向に間隔を隔てて複数箇所に設けられている上記(1)に記載の内視鏡掃除ブラシ。
【0012】
これにより、隣接するスポンジ部同士の間隔により本体部の可撓性の低下を防止して操作性の向上を図りつつ、管路に対するスポンジ部の接触面積の拡大化を図って、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力を効果的に発揮させて、掃除効果の向上、掃除時間の短縮化をより効果的に図ることができる。
【0013】
(3) 前記本体部の長手方向において、複数の前記スポンジ部のうち前記挿入時の先行側のスポンジ部の長さは、後行側のスポンジ部の長さよりも短い上記(2)に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【0014】
これにより、内視鏡用掃除ブラシを管路内へ挿入する際にその先端部を管路の内壁に沿ってより曲がりやすくして操作性の向上をさらに図りつつ、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力を十分に発揮させることができる。
【0015】
(4) 複数の前記スポンジ部のうち前記挿入時の先行側のスポンジ部の空孔率は、後行側のスポンジ部の空孔率よりも大きい上記(2)または(3)に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【0016】
これにより、内視鏡用掃除ブラシを管路内へ挿入する際にその先端部を管路の内壁に沿ってより曲がりやすくして操作性の向上をさらに図りつつ、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力を十分に発揮させることができる。
【0017】
(5) 前記ブラシ部は、前記本体部の長手方向に間隔を隔てて複数箇所に設けられている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の内視鏡掃除ブラシ。
【0018】
これにより、隣接するブラシ部同士の間隔により本体部の可撓性の低下を防止しつつ、ブラシ部による汚れ等の掻き落とし能力を効果的に発揮させて、掃除効果の向上をより効果的に図ることができる。
【0019】
(6) 前記本体部の長手方向において、複数の前記ブラシ部のうち前記挿入時の先行側のブラシ部の長さは、後行側のブラシ部の長さよりも短い上記(5)に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【0020】
これにより、内視鏡用掃除ブラシを管路内へ挿入する際にその先端部を管路の内壁に沿ってより曲がりやすくして操作性の向上をさらに図りつつ、ブラシ部による汚れ等の掻き落とし能力を十分に発揮させることができる。
【0021】
(7) 複数の前記ブラシ部のうち前記挿入時の先行側のブラシ部におけるブラシの密集度は、後行側のブラシ部におけるブラシの密集度よりも小さい上記(5)または(6)に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【0022】
これにより、内視鏡用掃除ブラシを管路内へ挿入する際にその先端部を管路の内壁に沿ってより曲がりやすくして操作性の向上をさらに図りつつ、ブラシ部による汚れ等の掻き落とし能力を十分に発揮させることができる。
【0023】
(8) 前記スポンジ部と前記ブラシ部とが前記本体部の長手方向に交互に並んでいる上記(2)ないし(7)のいずれかに記載の内視鏡掃除ブラシ。
【0024】
これにより、ブラシ部によって掻き落とされた汚れ等をより確実にスポンジ部に保持させることができるので、掃除時間の短縮化をより効果的に図ることができる。
【0025】
また、スポンジ部に担持された洗浄剤をブラシ部へより確実に供給することができるので、掃除効果の向上をより効果的に図ることができる。
【0026】
(9) 隣接する前記スポンジ部と前記ブラシ部とは、互いに間隔を隔てて設けられている上記(8)に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【0027】
これにより、隣接するスポンジ部とブラシ部との間隔により本体部の可撓性の低下を防止しつつ、管路に対するスポンジ部の接触面積の拡大化を図って、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力を効果的に発揮させて、掃除効果の向上、掃除時間の短縮化をより効果的に図ることができる。
【0028】
(10) 複数の前記間隔のうち前記挿入時の先行側の間隔が後行側の間隔よりも大きい上記(9)に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【0029】
これにより、内視鏡用掃除ブラシを管路内へ挿入する際にその先端部を管路の内壁に沿ってより曲がりやすくして操作性の向上をさらに図りつつ、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力と、ブラシ部による汚れ等の掻き落とし能力とを十分に発揮させることができる。
【0030】
(11) 前記スポンジ部は、樹脂を主材料として構成されている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の内視鏡用掃除ブラシ。
これにより、比較的簡単に、スポンジ部を所望の特性のものとすることができる。
【0031】
(12) 前記樹脂は、親水性ポリマーである上記(11)に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【0032】
これにより、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力をより優れたものとすることができる。
【0033】
(13) 前記スポンジ部は、隣接する空孔同士が連通している上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【0034】
これにより、空孔内により多くの汚れや洗浄剤等を収容して、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力をより優れたものとすることができる。
【0035】
(14) 前記スポンジ部の空孔率が、20〜80%である上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【0036】
これにより、スポンジ部の強度や弾性等の特性を所望のものとしつつ、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力をより優れたものとすることができる。
【0037】
(15) 前記スポンジ部は、その硬度が30〜70°である上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【0038】
これにより、スポンジ部の強度や弾性等の特性を所望のものとしつつ、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力をより優れたものとすることができる。
【0039】
(16) 前記スポンジ部は、前記本体部の端部に設けられている上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【0040】
これにより、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力を発揮させつつ、管路の内周面を保護し、これを傷つけるのを防止することができる。
【0041】
(17) 前記本体部の端部に設けられた把持部を備える上記(1)ないし(16)に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
これにより、より優れた操作性を有する内視鏡用掃除ブラシを提供することができる。
【発明の効果】
【0042】
前述したように、本発明によれば、掃除時間の短縮化を図るとともに、掃除効果の向上を図ることができる内視鏡用掃除ブラシを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明の内視鏡用掃除ブラシを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0044】
<第1実施形態>
まず、本発明の内視鏡用掃除ブラシの第1実施形態を図1または図2を参照して説明する。
【0045】
図1は、本発明の内視鏡用掃除ブラシを適用する内視鏡を示す平面図、図2は、本発明の内視鏡用掃除ブラシの実施形態を示す部分縦断面図である。
【0046】
まず、本発明の内視鏡用掃除ブラシの説明に先立ち、図1に基づいて、内視鏡の一例について説明する。
図1に示す内視鏡10は、電子内視鏡であり、可撓性を有する長尺の挿入部可撓管11と、該挿入部可撓管11の基端側に設けられ、術者が把持して内視鏡10全体を操作する操作部12と、挿入部可撓管11の先端側に設けられ、操作部12から湾曲状態を遠隔操作可能な湾曲部13と、光源プロセッサ装置(図示せず)に接続するための光源差込部14と、操作部12と光源差込部14とを接続する接続部可撓管15とを有している。この内視鏡10の内部には、光ファイバー束によるライトガイド、画像信号ケーブル、ケーブル、チューブ類等の内蔵物(図示せず)が配置、挿通されている。
【0047】
この内視鏡10の使用時には、前記光源プロセッサ装置内の光源から発せられた光が、前記ライトガイドを通り、湾曲部13の先端部より観察部位に照射され、照明する。
【0048】
湾曲部13の先端部には、観察部位における被写体像を撮像する図示しない撮像素子(CCD)が設けられており、この撮像素子で撮像された被写体像に応じた画像信号は、前記画像信号ケーブルを介して前記光源プロセッサ装置に伝達され、所定の処理がなされた後、モニタ装置(図示せず)に入力される。モニタ装置では、撮像素子で撮像された画像(電子画像)、すなわち動画の内視鏡モニタ画像が表示される。
【0049】
このような内視鏡10の内部には、例えば、鉗子等の処置具を挿通する処置具挿通チャンネル、観察の邪魔となる体液等を吸引して排出する吸引チャンネル、送水チャンネル、送気チャンネル等の各種の管路が形成されている。本発明の内視鏡用掃除ブラシ1は、これら各種の管路の掃除に用いることができるが、本実施形態では、代表して吸引チャンネル16について説明する。
【0050】
吸引チャンネル16は、湾曲部13、挿入部可撓管11および操作部12内に連続して配設されたチューブ161と、操作部12、光源差込部14、接続部可撓管15内に連続して配設されたチューブ162と、操作部12に設置された筒状のシリンダ部163と、光源差込部14に設置された吸引口金164とで構成されている。
【0051】
操作部12内で、チューブ161は、シリンダ部163の下端部に接続されており、チューブ162は、シリンダ部163の側部に接続されている。すなわち、チューブ161の内腔とチューブ162の内腔とは、シリンダ部163の内腔を介して連通している。
【0052】
内視鏡10の使用時には、吸引口金164に吸引ポンプ(図示せず)が接続され、チューブ161、シリンダ部163およびチューブ162を介して湾曲部13の先端より吸引を行うことができる。
【0053】
シリンダ部163には、内視鏡10の使用時には、吸引のオン/オフを操作する吸引操作弁(図示せず)が設置される。吸引チャンネル16を掃除する際には、この吸引操作弁を取り外すと、シリンダ部163の上端部(開口165)が外部に開放する。
【0054】
なお、本発明の内視鏡用掃除ブラシ1は、内視鏡10のような電子内視鏡に限らず、ファイバー内視鏡等の各種の内視鏡に対して使用することができることは言うまでもない。
【0055】
以下、内視鏡用掃除ブラシ1の構成について説明する。
図2に示す内視鏡用掃除ブラシ1は、内視鏡の使用後、内視鏡内部の例えば処置具挿通チャンネル、吸引チャンネル、送水チャンネル、送気チャンネル等の管路の掃除(汚れ、ゴミ等の除去)を行うものである。
図2に示すように、内視鏡用掃除ブラシ1は、可撓性を有する細長い本体部2と、本体部2の先端に設けられたスポンジ部3と、スポンジ部3よりも基端側で本体部2の先端側に設けられたブラシ部4と、本体部2の基端部に設けられた把持部5とを備えている。
【0056】
本体部2は、湾曲、屈曲した管路内に挿入することができるよう、可撓性を有している。すなわち、本体部2は、管路内に挿入される際に、管路の内壁に沿って曲がるようになっている。また、本体部2は、適度な曲げ剛性および捩じり剛性を有している。これにより、基端側で加えた押し込み力や捩じり力が先端部まで効率良く伝達し、管路内で容易に前進させることができる。
【0057】
本実施形態では、本体部2は、合成樹脂で構成された長尺なチューブ部材(中空部材)よりなるものである。これにより、適度な曲げ剛性および捩じり剛性が得られるとともに、管路の内周面に対する摺動抵抗も小さく、よって、より優れた挿入操作性が得られる。
【0058】
この本体部2を構成する合成樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、特に高密度ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエステルエラストマー等であるのが好ましい。
【0059】
また、本体部2は、構成材料や剛性等の条件の異なる複数の層の積層体で構成されていてもよい。また、本体部2には、各種金属材料や比較的硬質の樹脂等で構成された補強材(芯材)が配設されていてもよい。
【0060】
なお、本発明では、本体部2は、図示のような構成に限らず、例えば、長尺な中実の部材、コイル状(螺旋状)の部材、複数の線状体を束ねた(撚り合わせた)部材や、これらを組み合わせたような部材等であってもよい。また、その構成材料も合成樹脂に限らず、例えばステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の各種金属材料であってもよい。
【0061】
本体部2の長さは、適用する内視鏡の管路の長さに応じて適宜設定されるが、通常、800〜2500mm程度であるのが好ましい。また、本体部2の長さは、内視鏡の管路の長さとほぼ同じか、またはこれより長いのが好ましい。
【0062】
このような本体部2の先端側(一端側)には、スポンジ部3が設けられている。このスポンジ部3は、弾性を有する多孔質体である。これにより、スポンジ部3は、内視鏡用掃除ブラシ1の使用時に、弾性変形しつつ管路の内壁に接触して、前記多孔質体の空孔に洗浄剤や汚れ等を効果的に収容することができる。すなわち、スポンジ部3は、洗浄剤などを担持する能力や、管路内の汚れを保持する能力に優れている。
【0063】
スポンジ部3に担持させる洗浄剤としては、特に限定されないが、例えば、中性、アルカリ性、酸素系等の洗浄液が挙げられる。なお、スポンジ部3の管路への挿入前に予めスポンジ部3に洗浄液を含浸させてもよいし、洗浄剤を注入した管路内へスポンジ部3を挿入することにより、スポンジ部3に洗浄剤を担持させてもよい。
【0064】
このスポンジ部3は、本体部2の外周面に、例えば接着(接着剤や溶媒による接着)、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)等の方法により本体部2に接合(連結)されている。これにより、スポンジ部3を本体部2に対し強固に連結することができる。
【0065】
本実施形態では、スポンジ部3は、本体部2の端部に設けられているので、スポンジ部3による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力を発揮させつつ、管路の内周面を保護し、これを傷つけるのを防止することができる。
【0066】
スポンジ部3は、前述したような機能を発揮できるものであれば、特に限定されず、例えば、セルローススポンジ、ポリビニルアルコールスポンジ、ウレタンフォーム、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)スポンジ、メラミンフォーム、ポリエチレンフォーム等の樹脂系スポンジ、天然ゴム(NR)スポンジ、クロロプレンゴム(CR)スポンジ、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)スポンジ、ブタジエン−アクリロニトリルゴムスポンジ等のゴム系スポンジ等で構成することができる。
【0067】
前述したものの中でも、スポンジ部3は、樹脂系スポンジで構成、すなわち樹脂を主材料として構成されているのが好ましい。これにより、比較的簡単に、スポンジ部3を所望の特性のものとすることができる。
【0068】
また、前記樹脂は、ポリウレタン、メラミン樹脂、セルロース、ポリビニルアルコール等の親水性ポリマーであるのが好ましい。これにより、スポンジ部3による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力をより優れたものとすることができる。
【0069】
また、スポンジ部3は、隣接する空孔同士が連通しているのが好ましい。これにより、スポンジ部3を構成する多孔質体の空孔内により多くの汚れや洗浄剤等を収容して、スポンジ部3による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力をより優れたものとすることができる。
【0070】
スポンジ部3の空孔率が、20〜80%であるのが好ましく、30〜70%であるのがより好ましい。これにより、スポンジ部の強度や弾性等の特性を所望のものとしつつ、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力をより優れたものとすることができる。
【0071】
スポンジ部3は、その硬度が30〜70°であるのが好ましく、35〜55°であるのがより好ましい。これにより、スポンジ部3の強度や弾性等の特性を所望のものとしつつ、スポンジ部3による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力をより優れたものとすることができる。なお、ここで、硬度とは、JIS K7312に準拠して測定されたものをいう。
【0072】
スポンジ部3の横断面形状は、本実施形態では円形をなしているが、特に限定されず、例えば、楕円形であっても、3角形、4角形、5角形などの多角形でもよく、また、異形状をなしていてもよい。また、スポンジ部3の横断面積は、本実施形態では本体部2の長手方向にほぼ一定となっているが、特に限定されず、例えば、少なくとも一部にて基端から先端へ向け漸増または漸減していてもよい。
【0073】
このようなスポンジ部3よりも基端側で本体部2の先端側に、ブラシ部4が設けられている。このブラシ部4は、多数の線状体(ブラシ毛)の根元部が本体部2に支持された構成となっている。
【0074】
このブラシ部4の線状体の根元部は、本体部2の外周面に、例えば接着(接着剤や溶媒による接着)、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)等の方法により本体部2に接合(連結)されている。これにより、ブラシ部4を本体部2に対し強固に連結することができ、その結果、管路内にブラシ毛が残留するのを確実に防止することができる。
【0075】
また、ブラシ部4の構成材料としては、ブラシとしての機能を発揮することができるものであれば、特に限定されず、例えば、各種樹脂材料、各種金属材料等を用いることができる。
【0076】
このようなブラシ部4よりもさらに基端側で本体部2の基端部に、把持部5が設けられている。この把持部5は、本体部2の外径とほぼ同等の内径の貫通孔を有する筒状をなし、その貫通孔に本体部2が挿入された状態で、本体部2に接合されている。
【0077】
把持部5と本体部2との接合方法は、特に限定されず、例えば、接着(接着剤や溶媒による接着)、融着(熱融着、高周波融着、超音波融着等)等が挙げられる。
【0078】
このような把持部5は本体部2の端部に設けられているので、内視鏡用掃除ブラシ1をより優れた操作性を有するものとすることができる。
【0079】
なお、把持部5は、前述したような筒状のものに限定されない。例えば、本体部と同様に可撓性を有する長尺状のものであってもよい。この場合、管路へ内視鏡用掃除ブラシを把持部側から挿入することができるため、把持部の曲げ剛性を本体部よりも小さいものとすると、取り扱い性に優れたものとなる。
【0080】
このような内視鏡用掃除ブラシ1は、例えば、その先端側、すなわちスポンジ部3側から内視鏡10の管路の一端開口より挿入した状態で、スポンジ部3およびブラシ部4を管路内で往復させて使用する。掃除後に、スポンジ部3およびブラシ部4を管路の一端開口より引き抜く。
【0081】
これにより、管路の内壁に付着した汚れを、ブラシ部4により掻き落とすとともに、スポンジ部3により保持して、管路外へ速やかに排出させることができる。その結果、掃除時間の短縮化を図ることができる。
【0082】
その際、液状等の洗浄剤を併用して掃除を行うと、スポンジ部3に比較的多量の洗浄剤を担持させることができるので、洗浄剤の機能を十分に発揮させて、掃除効果の向上を図ることができる。
【0083】
より具体的には、本発明の内視鏡用掃除ブラシ1は、ブラシ部4の洗浄剤等の担持能力と汚れの保持能力との不足をスポンジ部3が補って、ブラシ部4がその掃除能力を効果的に発揮する。また、スポンジ部3は、その弾性や形状などによって、それ自体優れた掃除効果を発揮させることもできる。このように、本発明の内視鏡用掃除ブラシ1は、スポンジ部3およびブラシ部4の相乗効果により、掃除時間の短縮化を図るとともに、掃除効果の向上を図ることができる。
【0084】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を図3に基づいて説明する。
【0085】
図3は、本発明の内視鏡用掃除ブラシの第2実施形態を示す縦断面図である。以下、この図を参照して本発明の内視鏡用掃除ブラシの第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0086】
本実施形態の内視鏡用掃除ブラシ1’は、スポンジ部およびブラシ部のそれぞれの数、位置、長さが異なる以外は、前述の第1実施形態と同様である。
【0087】
本実施形態の内視鏡用掃除ブラシ1’は、本体部2に、スポンジ部およびブラシ部がそれぞれ複数設けられているとともに、スポンジ部とブラシ部とが交互に間隔を隔てて並んでいる。すなわち、内視鏡用掃除ブラシ1’は、スポンジ部31、32、33およびブラシ部41、42、43を備え、本体部2の先端側から基端側へ向け、スポンジ部31、ブラシ部41、スポンジ部32、ブラシ部42、スポンジ部33、ブラシ部43の順にこれらが間隔を隔てて並んでいる。
【0088】
このように複数のブラシ部が設けられていることより、内視鏡用掃除ブラシ1’を管路内に1回挿通することによって、複数回繰り返し挿通したのと同様の効果が得られ、よって、挿通回数を少なくすることができ、掃除作業に要する労力を軽減することができる。例えば、ブラシ部が1つのみの場合には、管路内の汚れ、ゴミ等を残存なく除去するには、通常、3回程度繰り返し挿通することを必要とするが、本実施形態の内視鏡用掃除ブラシ1では、1回の挿通で済ませることができる。
【0089】
また、複数のブラシ部に対応して複数のスポンジ部が設けられていることにより、掃除効果の向上、掃除時間の短縮化をより効果的に図ることができる。
【0090】
このような内視鏡用掃除ブラシは、スポンジ部31、32、33が本体部2の長手方向に間隔を隔てて複数箇所に設けられているので、隣接するスポンジ部同士の間隔により本体部の可撓性の低下を防止して操作性の向上を図りつつ、管路の内壁に対するスポンジ部31、32、33の接触面積の拡大化を図って、スポンジ部31、32、33による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力を効果的に発揮させて、掃除効果の向上、掃除時間の短縮化をより効果的に図ることができる。
【0091】
また、複数のスポンジ部31、32、33のうち内視鏡用掃除ブラシ1’の挿入時の先行側(すなわち、先端側)のスポンジ部の長さ(本体部2の長手方向での長さをいう。以下同様。)は、後行側(すなわち、基端側)のスポンジ部の長さよりも短くなっている。具体的には、スポンジ部31の長さはスポンジ部32の長さよりも短く、スポンジ部32の長さはスポンジ部33の長さよりも短くなっている。言い換えすれば、スポンジ部31、スポンジ部32、スポンジ部33の順に、長さが短いものから長いものとなっている。
【0092】
これにより、内視鏡用掃除ブラシを管路内へ挿入する際にその先端部を管路の内壁に沿ってより曲がりやすくして操作性の向上をさらに図りつつ、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力を十分に発揮させることができる。
【0093】
また、複数のスポンジ部31、32、33のうち前記挿入時の先行側(先端側)のスポンジ部の空孔率は、後行側のスポンジ部の空孔率よりも大きいのが好ましい。具体的には、スポンジ部31の空孔率はスポンジ部32の空孔率よりも大きく、スポンジ部32の空孔率はスポンジ部33の空孔率よりも大きくなっているのが好ましい。言い換えすれば、スポンジ部31、スポンジ部32、スポンジ部33の順に、空孔率が大きいものから小さいものとなっているのが好ましい。
【0094】
これにより、内視鏡用掃除ブラシ1’を管路内へ挿入する際にその先端部を管路の内壁に沿ってより曲がりやすくして操作性の向上をさらに図りつつ、スポンジ部31、32、33による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力を十分に発揮させることができる。
【0095】
一方、ブラシ部41、42、43も、本体部2の長手方向に間隔を隔てて複数箇所に設けられているので、隣接するブラシ部同士の間隔により本体部2の可撓性の低下を防止しつつ、ブラシ部41、42、43による汚れ等の掻き落とし能力を効果的に発揮させて、掃除効果の向上をより効果的に図ることができる。
【0096】
また、複数のブラシ部41、42、43のうち前記挿入時の先行側(先端側)のブラシ部の長さは、後行側(すなわち、基端側)のブラシ部の長さよりも短くなっている。具体的には、ブラシ部41の長さはブラシ部42の長さよりも短く、ブラシ部42の長さはブラシ部43の長さよりも短くなっている。言い換えすれば、ブラシ部41、ブラシ部42、ブラシ部43の順に、長さが短いものから長いものとなっている。
【0097】
これにより、内視鏡用掃除ブラシ1’を管路内へ挿入する際にその先端部を管路の内壁に沿ってより曲がりやすくして操作性の向上をさらに図りつつ、ブラシ部41、42、43による汚れ等の掻き落とし能力を十分に発揮させることができる。
【0098】
また、複数のブラシ部41、42、43のうち前記挿入時の先行側(先端側)のブラシ部におけるブラシの密集度(すなわち、単位面積あたりの線状体の本数)は、後行側のブラシ部におけるブラシの密集度よりも小さいのが好ましい。具体的には、ブラシ部41のブラシの密集度はブラシ部42のブラシの密集度よりも小さく、ブラシ部42のブラシの密集度はブラシ部43のブラシの密集度よりも小さくなっているのが好ましい。言い換えすれば、ブラシ部41、ブラシ部42、ブラシ部43の順に、ブラシの密集度が小さいものから大きいものとなっているのが好ましい。
【0099】
これにより、内視鏡用掃除ブラシ1’を管路内へ挿入する際にその先端部を管路の内壁に沿ってより曲がりやすくして操作性の向上をさらに図りつつ、ブラシ部41、42、43による汚れ等の掻き落とし能力を十分に発揮させることができる。
【0100】
また、スポンジ部31、32、33とブラシ部41、42、43とが本体部2の長手方向に交互に並んでいるので、ブラシ部41、42、43によって掻き落とされた汚れ等をより確実にスポンジ部31、32、33に保持させることができるので、掃除時間の短縮化をより効果的に図ることができる。また、スポンジ部31、32、33に担持された洗浄剤をブラシ部41、42、43へより確実に供給することができるので、掃除効果の向上をより効果的に図ることができる。
【0101】
また、隣接するスポンジ部とブラシ部とが互いに間隔を隔てて設けられているので、隣接するスポンジ部とブラシ部との間隔により本体部の可撓性の低下を防止しつつ、管路に対するスポンジ部の接触面積の拡大化を図って、スポンジ部による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力を効果的に発揮させて、掃除効果の向上、掃除時間の短縮化をより効果的に図ることができる。
【0102】
より具体的には、図3に示すように、スポンジ部31とブラシ部41とが距離aを隔てて、ブラシ部41とスポンジ部32とが距離bを隔てて、スポンジ部32とブラシ部42とが距離cを隔てて、ブラシ部42とスポンジ部33とが距離dを隔てて、スポンジ部33とブラシ部43とが距離eを隔てて設けられている。
【0103】
間隔a〜eのうち、管路への内視鏡用掃除ブラシ1’の挿入時の先行側の間隔が後行側の間隔よりも大きくなっている。すなわち、間隔a、間隔b、間隔c、間隔d、間隔eの順に、大きいものから小さいものになっている。
【0104】
これにより、内視鏡用掃除ブラシ1’を管路内へ挿入する際にその先端部を管路の内壁に沿ってより曲がりやすくして操作性の向上をさらに図りつつ、スポンジ部31、32、33による汚れ等の保持能力および洗浄剤の担持能力と、ブラシ部41、42、43による汚れ等の掻き落とし能力とを十分に発揮させることができる。
【0105】
間隔a〜eは、特に限定されないが、それぞれ、例えば、0.3〜8cm程度であるのが好ましい。
【0106】
ブラシ部41、42、43は、互いに同様のものでもよく、前述したように互いに条件の異なるものであってもよい。この条件としては、前述したものの他に、例えば、ブラシ部の直径、線状体(ブラシ毛)の材質、線状体の太さ等が挙げられる。
【0107】
なお、本発明では、ブラシ部の設置個数は、特に限定されず、1個、2個または4個以上(例えば4〜10個程度)でもよい。
【0108】
以上、本発明の内視鏡用掃除ブラシを図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、内視鏡用掃除ブラシを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0109】
また、本発明は、本体部にスポンジ部とブラシ部が設けられていればよく、その数は特に限定されず、その効果を発揮することができる。例えば、スポンジ部の数は2つでもよく、4つ以上であってもよい。また、ブラシ部の数は2つでもよく、4つ以上であってもよい。さらに、スポンジ部の数とブラシ部の数は、同じであっても、異なっていてもよい。また、内視鏡用掃除ブラシの挿入方向におけるスポンジ部およびブラシ部の順序は、どちらが先であっても後であってもよい。
【実施例】
【0110】
(実施例1)
ブラシ(ペンタックス社製、CS6002SN)の先端に、スポンジ部3としてポリウレタンスポンジを取り付けることによって、図2に示すような本発明の内視鏡用掃除ブラシを製造した。
【0111】
スポンジ部3は、円柱状をなしており、その直径:0.2cm、長さ:0.5cm、空孔率:20%、硬度:40°であった。
スポンジ部3とブラシ部4との間の距離は、0.5cmであった。
【0112】
(実施例2)
ブラシ(ペンタックス社製、CS6002SN)を改造して、図3に示すような本発明の内視鏡用掃除ブラシを製造した。
【0113】
スポンジ部31、32、33は、いずれも直径:0.2cmで円柱状をなしていた。また、スポンジ部31の長さは0.4cm、スポンジ部32の長さは0.5cm、スポンジ部33の長さは0.6cmであった。また、スポンジ部31の空孔率は40%、スポンジ部32の空孔率は30%、スポンジ部33の空孔率は20%であった。また、スポンジ部31の硬度は40°、スポンジ部32の硬度は50°、スポンジ部33の硬度は60°であった。
【0114】
ブラシ部41、42、43は、いずれも直径:0.25cmで円柱状をなしていた。また、ブラシ部41の長さは0.4cm、ブラシ部42の長さは0.5cm、ブラシ部43の長さは0.6cmであった。また、ブラシ部41のブラシの密集度は26本/cm、ブラシ部42のブラシの密集度は28本/cm、ブラシ部43のブラシの密集度は30本/cmであった。
【0115】
スポンジ部31とブラシ部41との間の距離aは、2.5cmであった。また、ブラシ部41とスポンジ部32との間の距離bは、2.0cmであった。また、スポンジ部32とブラシ部42との間の距離cは、1.5cmであった。また、ブラシ部42とスポンジ部33との間の距離dは、1.0cmであった。また、スポンジ部33とブラシ部43との間の距離eは、0.5cmであった。
【0116】
(比較例)
本発明品のスポンジ部を省略したもの、すなわち、ブラシ(ペンタックス社製、CS6002SN)を従来品とした。
【0117】
(評価)
前述したような実施例1、2および比較例の各内視鏡用掃除ブラシを、洗浄剤の担持容易性(洗浄剤の含有しやすさ)、菌の吸着容易性(菌の吸着しやすさ)、内視鏡管路の洗浄容易性(内視鏡管路の洗浄のしやすさ)について、評価した。
【0118】
1.洗浄剤の担持容易性
内視鏡用洗浄剤(Ruhof社製、ENDOZIME AW)を100ml調整し、これに各内視鏡用掃除ブラシを5秒間浸漬した。取り出した各内視鏡用掃除ブラシの重量を測定することにより、洗浄剤の含有しやすさを評価した。なお、評価は、実施例1、2での測定重量と比較例での測定重量との比較により行った。
【0119】
2.菌の吸着容易性
B.Subtilisの菌液を調整し、これを内視鏡(ペンタックス社製、FB−15P)の管路(管路容積:20ml以下)内に200ml流し込み、1時間放置した。
【0120】
そして、各内視鏡用掃除ブラシを前記内視鏡管路に挿通し、各内視鏡用掃除ブラシに付着した菌液を回収し、これを培養し、菌の有無を検査することにより、菌の吸着のしやすさを評価した。なお、検査結果では、+:陽性、−:陰性とした。
【0121】
3.内視鏡管路の洗浄容易性
B.Subtilisの菌液を調整し、これを内視鏡(ペンタックス社製、FB−15P)の管路(管路容積:20ml以下)内に200ml流し込み、38±2℃のもと、1時間放置した。
【0122】
そして、各内視鏡用掃除ブラシを前記内視鏡管路に挿通し、各内視鏡用掃除ブラシに付着した菌液を回収し、これを培養し、菌の有無を検査するという作業を3回行った。その際、各作業には、滅菌済みの新しい内視鏡用掃除ブラシを用いた。各作業での測定結果の変遷により、内視鏡管路の洗浄のしやすさを評価した。なお、検査結果では、+:陽性、−:陰性とした。
【0123】
また、B.Subtilisの菌液を調整し、これを内視鏡(ペンタックス社製、FB−15P)の管路(管路容積:20ml以下)内に200ml流し込み、38±2℃のもと、3時間放置した。
【0124】
そして、各内視鏡用掃除ブラシを前記内視鏡管路に挿通し、本発明品に付着した菌液を回収し、これを培養し、菌の有無を検査するという作業を3回行った。その際、各作業には、滅菌済みの新しい内視鏡用掃除ブラシを用いた。各作業での測定結果の変遷により、内視鏡管路の洗浄のしやすさを評価した。なお、検査結果では、+:陽性、−:陰性とした。
以上のような評価の結果を表1に示す。
【0125】
【表1】

【0126】
表1から明らかなように、本発明の実施例1、2の内視鏡用掃除ブラシは、比較例の内視鏡用掃除ブラシに比し、いずれの評価においても優れていた。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の内視鏡用掃除ブラシが使用される内視鏡の管路の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の内視鏡用掃除ブラシの第1実施形態を示す縦断面図である。
【図3】本発明の内視鏡用掃除ブラシの第2実施形態を示す縦断面図である。示す断面図である。
【符号の説明】
【0128】
1、1’ 内視鏡用掃除ブラシ
2 本体部
3 スポンジ部
31、32、33 スポンジ部
4 ブラシ部
41、42、43 ブラシ部
5 把持部
10 内視鏡
11 挿入部可撓管
12 操作部
13 湾曲部
14 光源差込部
15 接続部可撓管
16 吸引チャンネル
161、162 チューブ
163 シリンダ部
164 吸引口金
165、166 開口
A、B、C 湾曲部位
a、b、c、d、e 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の内部に形成された管路内を掃除する内視鏡用掃除ブラシであって、
前記管路内に挿入された際に前記管路の内壁に沿って曲がるように可撓性を有する長尺の本体部と、
前記本体部に設けられたブラシ部と、
前記本体部に設けられたスポンジ部とを備えることを特徴とする内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項2】
前記スポンジ部は、前記本体部の長手方向に間隔を隔てて複数箇所に設けられている請求項1に記載の内視鏡掃除ブラシ。
【請求項3】
前記本体部の長手方向において、複数の前記スポンジ部のうち前記挿入時の先行側のスポンジ部の長さは、後行側のスポンジ部の長さよりも短い請求項2に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項4】
複数の前記スポンジ部のうち前記挿入時の先行側のスポンジ部の空孔率は、後行側のスポンジ部の空孔率よりも大きい請求項2または3に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項5】
前記ブラシ部は、前記本体部の長手方向に間隔を隔てて複数箇所に設けられている請求項1ないし4のいずれかに記載の内視鏡掃除ブラシ。
【請求項6】
前記本体部の長手方向において、複数の前記ブラシ部のうち前記挿入時の先行側のブラシ部の長さは、後行側のブラシ部の長さよりも短い請求項5に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項7】
複数の前記ブラシ部のうち前記挿入時の先行側のブラシ部におけるブラシの密集度は、後行側のブラシ部におけるブラシの密集度よりも小さい請求項5または6に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項8】
前記スポンジ部と前記ブラシ部とが前記本体部の長手方向に交互に並んでいる請求項2ないし7のいずれかに記載の内視鏡掃除ブラシ。
【請求項9】
隣接する前記スポンジ部と前記ブラシ部とは、互いに間隔を隔てて設けられている請求項8に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項10】
複数の前記間隔のうち前記挿入時の先行側の間隔が後行側の間隔よりも大きい請求項9に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項11】
前記スポンジ部は、樹脂を主材料として構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項12】
前記樹脂は、親水性ポリマーである請求項11に記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項13】
前記スポンジ部は、隣接する空孔同士が連通している請求項1ないし12のいずれかに記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項14】
前記スポンジ部の空孔率が、20〜80%である請求項1ないし13のいずれかに記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項15】
前記スポンジ部は、その硬度が30〜70°である請求項1ないし14のいずれかに記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項16】
前記スポンジ部は、前記本体部の端部に設けられている請求項1ないし15のいずれかに記載の内視鏡用掃除ブラシ。
【請求項17】
前記本体部の端部に設けられた把持部を備える請求項1ないし16に記載の内視鏡用掃除ブラシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−51057(P2006−51057A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−232779(P2004−232779)
【出願日】平成16年8月9日(2004.8.9)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】