内視鏡装置
【目的】OCT光学系から検査部位の領域までの距離をOCT光学系の焦点距離とほぼ等しくさせる。
【構成】内視鏡1の挿入部2の先端に,円管状のフード10が装着される。フード10の先端面13の中心CにOCT光学系6からの測定光Lが通る場合に,測定光Lが先端面13の法線となるように,フード10の先端面13の傾斜角θが決定されている。また,OCT光学系6の先端面からフード10の先端面13の中心Cまでの距離がOCT光学系6の焦点距離となるようにフード10と内視鏡1の挿入部2とが位置決めされる。フード10の先端面13によって検査部位が囲まれるように,先端面13が生体に当てられると,検査部位までの距離がOCT光学系6の焦点距離fとなり,検査部位について高画質の断層像が得られる。
【構成】内視鏡1の挿入部2の先端に,円管状のフード10が装着される。フード10の先端面13の中心CにOCT光学系6からの測定光Lが通る場合に,測定光Lが先端面13の法線となるように,フード10の先端面13の傾斜角θが決定されている。また,OCT光学系6の先端面からフード10の先端面13の中心Cまでの距離がOCT光学系6の焦点距離となるようにフード10と内視鏡1の挿入部2とが位置決めされる。フード10の先端面13によって検査部位が囲まれるように,先端面13が生体に当てられると,検査部位までの距離がOCT光学系6の焦点距離fとなり,検査部位について高画質の断層像が得られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡を用いて検査部位近傍を観察する場合,CCDなどの固体電子撮像素子を利用して検査部位近傍を単純に撮像する観察装置と他の方法を利用した観察装置とが一つの内視鏡内に組み込まれることがある。たとえば,NBI(Narrow Band Imaging )を利用した内視鏡では,検査部位に照射する光の波長を切り換えることにより,波長に応じた画像を取得できる。また,内視鏡の挿入部の先端にフードやカバーを付けるものもある(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-263055号公報
【特許文献2】特開2010-253110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光断層撮像装置のように,径の極めて小さい測定光を検査部位に照射して(ポイント・スキャン)検査部位の断層像を得る場合には,検査部位のすべての領域が測定光によってなぞられるように走査する必要がある(エリア・スキャン)。このように,ポイント・スキャンを走査することで実現されるエリア・スキャンが内視鏡装置において行われる場合には,次のような課題が考えられる。次のような課題は,特許文献1,2においても解決されていない。
【0005】
(1)ポイント・スキャンによるために,内視鏡下での距離感が把握できず,走査位置が定量的に把握できない。(2)測定時間がかかり,呼吸や拍動などの影響を無視できない。(3)光断層などでのポイント・スキャンは画質がもっとも良くなる焦点が存在するため,内視鏡下での測定においては測定距離を一定とする必要がある。(4)超音波でのポイント・スキャンでは検査部位と接する必要があり,共焦点顕微鏡でのポイント・スキャンでは検査部位に近接する必要があるために,いずれも観察部位との間隔をあけて測定することは困難である。(5)内視鏡には鉗子チャネルなどが必要であるために,ポイント・スキャンのための測定光の射出位置を内視鏡の挿入部の先端中央に配置することは困難である。測定光を走査のために偏向させずに射出した場合,測定光は検査部位に対して垂直とはならないので,測定光の射出位置からスキャンすべき検査部位の領域のそれぞれまでの距離がほぼ一定とならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は,高画質の断層像を得ることを目的とする。
【0007】
この発明は,検査部位近傍を観察する内視鏡装置において,上記内視鏡装置の挿入部の先端部に設けられ,上記検査部位に対して走査自在に測定光を照射するOCT光学系,および上記OCT光学系の測定光射出面から先端面の中心までの距離が,上記OCT光学系の焦点距離と等しい位置決め部材を備えていることを特徴とする。
【0008】
この発明によると,内視鏡装置の挿入部の先端部には,検査部位に対して走査自在に測定光を射出するOCT(Optical Coherence Tomography)光学系が設けられている。また,内視鏡装置の挿入部の先端部には,OCT光学系の測定光射出面から,先端面の中心までの距離がOCT光学系の焦点距離(OCT光学系の主点の位置からOCT光学系によって結像するまでの位置)と等しい位置決め部材が設けられている。位置決め部材の先端面の中心が検査部位の領域の中心となるように,検査部位に位置決め部材の先端面を当てると,OCT光学系の測定光射出面から,検査部位の領域の中心までの距離がOCT光学系の焦点距離と等しくなる。OCT光学系から射出される測定光が検査部位の領域に走査された場合であっても,OCT光学系の測定光射出面から検査部位のすべての領域までの距離は,ほぼOCT光学系の焦点距離に等しくなる。検査部位の全体にわたって高画質の断層像が得られる。
【0009】
また,位置決め部材が設けられているので,内視鏡下での距離感を把握でき,走査位置を定量的に把握できる。さらに,位置決め部材によって検査部位を固定できるので,呼吸や体動の影響を受けにくい。位置決め部材により,検査部位との感覚をあけて観察でき,かつ検査部位の断層像を得ることができる。
【0010】
上記測定光による生体からの反射光を用いて,光断層画像を生成する信号処理部をさらに備えてもよい。
【0011】
上記位置決め部材は,たとえば,上記内視鏡装置の挿入部の先端に取り付けられている樹脂製のフードである。また,上記位置決め部材は,上記内視鏡装置の挿入部の先端に着脱自在または進退自在であることが好ましい。
【0012】
測定光による走査範囲の中心に射出される測定光の照射方向が法線方向となるように上記位置決め部材の先端面が,内視鏡装置の挿入部の先端面に対して斜めに形成されているとよい。
【0013】
上記測定光が照射される測定光射出口は,上記内視鏡装置の挿入部の中心軸から径方向に距離aだけ偏心しており,上記位置決め部材の先端面は,上記内視鏡装置の挿入部の先端面に対してsinθ=(距離a/OCT光学系の焦点距離f)を満足する角度θだけ斜めに形成されていることが好ましい。
【0014】
上記位置決め部材は,たとえば,上記内視鏡装置の挿入部の先端部に着脱自在なように,上記位置決め部材および上記内視鏡の挿入部の端部に係合部が形成されているものである。また,上記位置決め部材は,上記内視鏡装置の挿入部の先端部に所定範囲内に進退自在な規制部が形成されていることが好ましい。さらに,上記位置決め部材の先端面は,たとえば,上記測定光射出面から上記OCT光学系の焦点距離と等しい半径をもつ球面上に形成されているものである。
【0015】
この発明は,上記位置決め部材を単独で構成するものも提供している。すなわち,検査部位に対して走査自在に測定光を照射するOCT光学系が,挿入部の先端部に設けられている内視鏡装置の上記先端部に装着される位置決め部材であって,内視鏡装置の上記先端部に装着されたときの上記OCT光学系の測定光照射口から先端面の中心までの距離が上記OCT光学系の焦点距離と等しいものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】内視鏡の挿入部を示す斜視図である。
【図2】(A)はフードの斜視図,(B)はフードの断面図である。
【図3】(A)はフードが装着された内視鏡の挿入部の斜視図,(B)はフードが装着された内視鏡の挿入部の正面図である。
【図4】フードが装着された内視鏡の挿入部の側面図である。
【図5】検査部位をOCT光学系により走査している様子を示す。
【図6】(A)はフードが装着された内視鏡を用いて検査している様子を示し,(B)はその断面図である。
【図7】内視鏡の挿入部を示す斜視図である。
【図8】(A)はフードの斜視図,(B)はフードの断面図である。
【図9】フードが装着された内視鏡の挿入部の斜視図である。
【図10】(A)は内視鏡の挿入部の斜視図,(B)は内視鏡の挿入部の正面図である。
【図11】(A)はフードの斜視図,(B)はフードの断面図である。
【図12】フードが装着された内視鏡の挿入部の斜視図である。
【図13】規制部材の斜視図である。
【図14】規制部材が取り付けられた内視鏡の挿入部の斜視図である。
【図15】(A)はフードの斜視図,(B)はフードの断面図である。
【図16】フードが装着された内視鏡の挿入部の斜視図である。
【図17】(A)および(B)は,フードが装着された内視鏡の挿入部の断面図である。
【図18】フードが装着された内視鏡の挿入部の側面図である。
【図19】光断層画像化システムの電気的構成を示すブロック図である。
【実施例】
【0017】
図1は,この発明の実施例を示すもので,内視鏡1の挿入部2の先端部を示す斜視図である。
【0018】
内視鏡1の挿入部2は,細長い円筒状の形状をしている。挿入部2の先端面3は,ほぼ円形であり,その先端面3に,中心から偏心した位置に撮像レンズ4が固定されている。撮像レンズ4によって集光される光(検査部位からの反射光)は,挿入部2内部に設けられているCCD(図示略)の受光面に導かれる。CCDによって検査部位が撮像される。撮像によって得られる検査部位の画像は,表示装置(図示略)の表示画面に表示される。
【0019】
また,挿入部2の先端部には,OCT光学系6が配置されている。先端面3からOCT光学系6が覗いている。OCT光学系6の先端面から測定光が検査部位に射出される。わかりやすくするために,OCT光学系6は円柱で図示されているが,内部にレンズや光を所定角度で走査できるように偏向ミラー(いずれも図示略)が含まれているのはいうまでもない。
【0020】
図2(A)は,内視鏡1の挿入部2の先端に取り付けられるフード10の斜視図,図2(B)は,図2(A)のIIB−IIB線に沿う断面図である。
【0021】
フード10は,円管状であり,内視鏡1の挿入部2が後端面14から通されるように挿通路11が形成されている。フード10が内視鏡1の挿入部2に着脱自在に取り付けられるように,挿通路11の内径は,内視鏡1の挿入部2の外径とほぼ同じとされている。フード10の先端面13は,斜めに切られている。挿通路11のほぼ中間には,内部に突出しているリング状のストッパ12が形成されている。このストッパ12により,フード10に内視鏡1の挿入部2が挿入された場合に,挿入部2の先端面3の周囲の部分がストッパ12に当たり,フード10と挿入部2との位置関係が規定される。
【0022】
図3(A)は,フード10が装着された内視鏡1の挿入部2の斜視図,図3(B)は,フード10が装着された内視鏡1の挿入部2の正面図である。
【0023】
フード10の後端面14から内視鏡1の挿入部2が挿入されていくと,挿入部2の先端面3がフード10のストッパ12に当たる。これにより,挿入部2の動きが規制され,挿入部2にフード10が装着される。図3(B)に示すように,挿入部2にフード10が装着されてもフード10は円環状であるから,正面から見ると,撮像レンズ4,OCT光学系6が見える。
【0024】
図4は,フード10が装着された内視鏡1の挿入部2の側面図,図5は,生体20がOCT用プローブ6から射出された測定光Lにより照射されている様子を示している。
【0025】
OCT光学系6は,先端面の測定光射出口(必ずしも孔が開いているわけではない)から径の極めて小さい測定光Lを射出する。OCT光学系6は,図5に示すように,測定光Lを正面からみて上下左右に振らして射出することができる。これにより,生体20のうち,検査部位21のすべての領域が測定光Lによってなぞられるように走査される。測定光Lが正面から見て左右に振られるように射出されることにより,検査部位21のX方向に測定光Lが走査させられる。測定光Lが正面から見て上下に振られるように射出されることにより,検査部位21のY方向に測定光Lが走査させられる。
【0026】
図4に示すように,この実施例では,OCT光学系6から射出される測定光Lがフード10の先端面13の中心Cを通る場合に,OCT光学系6の先端面(測定光Lの出射点)から,その中心Cまでの距離がOCT光学系6の(光学系の)焦点距離fと等しくなるように,内視鏡1の挿入部2にフード10が取り付けられる。すなわち,挿入部2がフード10に挿入され,挿入部2の先端面3がストッパ12に当たったときに,OCT光学系6の先端面からフード10の先端面13の中心Cまでの距離がOCT光学系6の焦点距離fと等しくなるような位置に,上述したストッパ12が形成されている。もちろん,フード10にストッパ12が形成されていなくとも,OCT光学系6の先端面からフード10の先端面13の中心Cまでの距離がOCT光学系6の焦点距離fとほぼ等しくなればよい。OCT光学系6の先端面から検査部位21まで距離が一定となる。
【0027】
また,この実施例では,OCT光学系6から射出される測定光Lがフード10の先端面13の中心Cを通る場合に,そのような測定光Lの方向が,先端面13の法線方向となるように,先端面13の傾斜角がθと定められている。この傾斜角θは,OCT光学系6の先端を頂点A,フード10の中心軸と頂点Aを通る鉛直線との交点を頂点B,フード10の先端面13の中心を頂点Cとする直角三角形ABCを考えた場合に,sinθ=a/fが成立するものである。ここで,距離aは,頂点Aから頂点Bまでの距離である。もっとも,OCT光学系6の先端面からフード10の先端面13の中心Cまでの距離がOCT光学系6の焦点距離fと等しくなれば,先端面13の傾斜角θがsinθ=a/fとならなくともよい。
【0028】
図4におけるフード10と内視鏡1の挿入部2との関係を維持するために,フード10と挿入部2との周方向の位置関係を規定するマークをフード10および挿入部2に形成してもよい。それらのマークが一致するようにフード10が挿入部2に装着される。マークでなくとも,規制部材をフード10および挿入部2に形成してもよい。たとえば,溝などの凹部をフード10または挿入部2のいずれか一方に形成し,その凹部に嵌る凸部をフード10または挿入部2のいずれか他方を形成する。
【0029】
図6(A)および図6(B)は,フード10を取り付けた内視鏡1を使用する様子を示している。図6(A)は,側面から見た様子を示し,図6(B)は,図6(A)のVIB−VIB線に沿う断面図である。
【0030】
内視鏡1の挿入部2にフード10が取り付けられている。フード10の先端面13が検査部位21を囲むように生体20に押し付けられる。上述したように(図5参照),検査部位21の領域全体がOCT光学系6から射出される測定光Lによって走査させられる。すると,検査部位21の断層像が得られる。OCT光学系6の先端からフード10の先端面13の中心Cまでの距離はOCT光学系6の焦点距離fに等しいから,OCT光学系6の先端から検査部位21の各部分までの距離もほぼ焦点距離fに等しく一定となる。したがって,検査部位21の断層像の画質が向上することとなる。
【0031】
上述の実施例においては,フード10が内視鏡1の挿入部2から外れないようにフード10が挿入部2に固定されるのはいうまでもない。
【0032】
図7から図9は,他の実施例を示している。この実施例は,図4の位置関係を保つように,フード10Aを内視鏡1Aの挿入部2に位置決めできるものである。
【0033】
図7は,内視鏡1Aの挿入部2を示す斜視図である。この図において,図1に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0034】
挿入部2の先端部には,挿入部2の外周面に,径方向に突出したOリング7が設けられている。
【0035】
図8(A)は,フード10Aの斜視図,図8(B)は,図8(A)のVIIIB−VIIIB線に沿う断面図である。これらの図においても,図2(A)および図2(B)に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0036】
フード10Aの後端面14近傍に,挿通路11の周面に沿って溝17が形成されている。
【0037】
図9は,フード10Aが装着された内視鏡1Aの挿入部2の斜視図である。
【0038】
フード10Aの挿通路11に沿ってフード10Aの後端面14から内視鏡1Aの挿入部2が挿入させられる。フード10Aは可撓性の材料から構成されているから,径方向に拡がり挿入部2がフード10A内に通される。挿入部2に形成されているOリング7が,フード10Aに形成されている溝17の位置となると,Oリング7が溝17に入り込む。フード10Aと挿入部2とが係合する。図4に示す位置関係を維持するように,フード10Aが挿入部2Aに装着される。この実施例においても,フード10Aと挿入部2Aとの周方向の位置が決定されるようにマーク,位置決め部材などがフード10Aおよび挿入部2Aに形成されていることが好ましい。
【0039】
図10(A)および図10(B)から図12は,さらに他の実施例を示している。この実施例においても,図4に示す位置関係を維持するようにフード10Bと内視鏡1Bの挿入部2とを位置決めできるものである。
【0040】
図10(A)は,内視鏡1Bの挿入部2の斜視図,図10(B)は,内視鏡1Bの挿入部2の正面図である。これらの図において,図1に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
挿入部2の先端の外周面には,正面から見て右側および左側のそれぞれに径方向に突出した凸部8Aおよび8Bが形成されている。
【0042】
図11(A)は,フード10Bの斜視図,図11(B)は,図11(A)のVIIIB−VIIIB線に沿う断面図である。これらの図において,図2(A)および図2(B)に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
フード10Bの内部に形成されている挿通路11には,正面から見て右側および左側に,フード10Bの長手方向に伸びているスライド溝19および20が掘られている。これらのスライド溝19および20は,上述した内視鏡1Bの挿入部2に形成されている凸部8Aおよび8Bの高さよりも浅い。正面から見て右側に形成されているスライド溝19の後端部(後端面14側の端部)には,スライド溝19よりも深く,内視鏡1Bの挿入部2に形成されている凸部8Aの高さと同じ深さをもつ凹部19Aが形成されている。スライド溝19の先端部(先端面13側の端部)にも,凸部8Aの高さと同じ深さをもつ凹部19Bが形成されている。正面から見て左側に形成されているスライド溝20の後端部には,スライド溝20よりも深く,内視鏡1Bの挿入部2に形成されている凸部8Bの高さと同じ深さをもつ凹部20Bが形成されている。スライド溝20の先端部(先端面13側の端部)にも,凸部8Bの高さと同じ深さをもつ凹部20Bが形成されている。
【0044】
図12は,上述した内視鏡1Bの挿入部2にフード10Bが装着されている様子を示す斜視図である。この図において,図3(A)などに示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0045】
内視鏡1Bの挿入部2がフード10Bの後端面14から挿入させられると,挿入部2に形成されている凸部8Aがフード10Bに形成されている凹部19Aに入り込み,凸部8Bが凹部20Aに入り込む。これにより,図12に示すように,フード10Bが内視鏡1Bの挿入部2に装着される。凸部8Aおよび8Bが凹部19Aおよび20Aにそれぞれ入り込んでいるので,フード10Bと挿入部2との位置関係は,図4に示す関係を保つこととなる。フード10Bと挿入部2とは,所定以上の力が加わらなければ長手方向に移動しないし,周方向にも移動しない。
【0046】
凸部8Aおよび8Bが凹部19Aおよび20Aにそれぞれ入り込んでいる状態で,フード10Bが挿入部2の方向に所定以上の力で押されると,凸部8Aおよび8Bが凹部19Aおよび20Aのそれぞれから外れる。凸部8Aおよび8Bがスライド溝19および20内をスライドしながら,フード10Bは挿入部2に重なっていく。挿入部2に形成されている凸部8Aおよび8Bがスライド溝19および20のそれぞれの先端部に形成されている凹部19Bおよび20Bのそれぞれに入り込み,フード10Bの動きが規制される。フード10Bを引っ張ることにより,凹部19Bおよび20Bに入っている凸部8Aおよび8Bが凹部19Bおよび20Bからはずれ,スライド溝19および20に沿ってフード10Bがスライドする。フード10Bは,スライド溝19および20の長さの間でスライド自在となる。
【0047】
図13から図17(A)および図17(B)は,変形例を示すもので,フード10をスライドできるものである。
【0048】
図13は,挿入部2の先端部に取り付けられる規制部材30の斜視図,図14は,規制部材30が嵌められた内視鏡1Cの挿入部2の斜視図である。
【0049】
規制部材30は,円環状の形状であり,挿入部2を挿入する挿通路33が形成されている。規制部材30の先端側(図13において左側)の端面および基端側(図13において右側)の端面には,それぞれ径方向に突出している円形のストッパ31および32が形成されている。基端側のストッパ32の上部には,軸方向に貫通している貫通孔35が開いている。
【0050】
内視鏡2の外周面の上部には,気体,液体などの流体を流すための流管9が,挿入部2の長手方向に沿って形成されている。
【0051】
ストッパ31および32の直径はいずれもd11である。ストッパ31と32との間の外周部34の直径はd12である。外周部34の直径d12は,ストッパ31および32の直径d11よりも小さく,挿入部2の外径よりも大きい。
【0052】
挿通路33の内径は,挿入部2の外径とほぼ同じであり,挿入部2が挿通路33に通されることにより,規制部材30が挿入部2の先端部に嵌め込まれる。挿入部2の先端面3と規制部材30の先端側のストッパ31の先端面とがほぼ一致するように,規制部材30が挿入部2の先端部に嵌めこまれる。
【0053】
規制部材30が挿入部2の先端部に嵌めこまれると,挿入部2の外周面の上部に形成されている流管9の先端部が規制部材30のストッパ32に形成されている貫通孔35につなげられる。
【0054】
図15(A)は,フード10の斜視図であり,図15(B)は,図15(B)のXVB−XVB線に沿う断面図である。図15(A)および図15(B)は,図2(A)および図2(B)に示すフード10と同じものである。図15(A)および図15(B)において,図2(A)および図2(B)に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0055】
フード10には,上述したように,挿通路11が形成されている。挿通路11の直径d21は,規制部材30のストッパ31および32の直径d11とほぼ同じである。フード10の長手方向のほぼ中間の挿通路11内に形成されているストッパ12は,挿通路11内に突出しているから,ストッパ12の直径(内径)d22は,挿通路11の直径d21よりも小さい。ストッパ12の直径d22は,規制部材30の外周部34の直径d12とほぼ同じである。
【0056】
規制部材30のストッパ31と32との間にフード10のストッパ12が入り込むように,規制部材30が嵌め込まれた挿入部2の規制部材30にフード10が取り付けられる。フード10は可撓性のものであってもよいし,可撓性のものでなくともよい。フード10が可撓性のものであれば,フード10が径方向に伸ばされることにより規制部材30にフード10を取り付けることができる。フード10が可撓性のものでなければ,規制部材30から先端側のストッパ31から取り外されたものが用意され,ストッパ31が取り外された規制部材30が挿入部2に固定される。ストッパ31が取り外された規制部材30にフード10が挿入され,フード10のストッパ12を挟み込むようにストッパ31が規制部材30に固定される。フード10は,規制部材30のストッパ31と32との間の距離だけスライド自在となる。
【0057】
図16は,フード10が取り付けられた内視鏡1Cの挿入部2を示す斜視図である。図17(A)および図17(B)は,フード10が取り付けられた内視鏡1Cの挿入部2の縦断面図である。図17(A)は,フード10が退避している状態を示し,図17(B)は,フード10が進出している状態を示している。
【0058】
フード10が規制部材30に取り付けられると,フード10のストッパ12と規制部材30の基端側のストッパ32との間に空間36ができる。
【0059】
図17(A)に示すように,フード10は退避しているものとする。
【0060】
流管9に空気が流されると,規制部材30の基端側のストッパ32に形成されている貫通孔35から,その空気が空間36に入り込む。空間36に空気が入り込むことにより,空間36が広がるようにストッパ12が押される。空間36に入り込んだ空気によりストッパ12が先端方向に押され,図17(B)に示すようにフード10が進出する。
【0061】
図17(B)に示すように,フード10が進出している状態で,流管9から空気が吸引されると,空間36内の空気の量が減り,図17(B)に示すようにフード10は退避する。
【0062】
流管9に空気を流すことによりフード10を進出でき,流管9から空気を吸引することによりフード10を退避できるようになる。
【0063】
上述した変形例においては,フード10が進出可能な最大な位置に位置決めされたときのOCT光学系6の先端からフード10の先端面13の中心までの距離がOCT光学系6の焦点距離fとほぼ同じとなろう。また,上述した変形例においては,フード10と挿入部2とが周方向に相対的に回転しないように,ガイド(図示略)が形成されることが好ましい。
【0064】
図18は,変形例を示すもので,フード10Cが装着された内視鏡1を示している。図18は,図4に対応するもので,図4に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
図4等に示す実施例では,フード10の先端面13は,平面となっているが,図18に示す変形例ではフード10Cの先端面13Cは曲面となっている。OCT光学系6の先端(正遮光Lの射出点)を中心に半径がOCT光学系6の焦点距離fをもつ球面の一部が先端面13Aとなっている。
【0066】
図6に示したように,生体20に先端面13Aを押し当てて検査部位21が測定光Lによって走査されると,検査部位21までの距離はすべてOCT光学系6の焦点距離fとなる。高画質の断層像が得られるようになる。
【0067】
図18に示す変形例においても図2(A)に示すストッパ12,図7に示すOリング7,図8(A)に示す溝17,図10(A)に示す凸部8A,8B,図11に示すスライド溝19,20などが設けられてもよいのはいうまでもない。
【0068】
上述の実施例,変形例においては,樹脂製のフード10等が利用されているが,フード10等は必ずしも樹脂製でなくともよく,可撓性のものでも可撓性のものでなくともよい。さらに,挿入部2に装着されるのは,フードでなくとも1本または複数本の棒状部材,板状部材でもよい。OCT光学系6の先端面から検査部位21の中心までの距離がOCT光学系6の焦点距離fに等しくなるような位置決め部材が挿入部2に取り付けられればよい。
【0069】
図19は,光断層画像化システムの電気的構成を示すブロック図である。
【0070】
上述のようにしてOCT光学系6から生体(検査部位)に照射された照射光の反射光はOCT光学系6を介して光断層画像化装置40に入射する。光断層画像化装置40において,入射した反射光にもとづいて生体の光断層画像が生成される。生成された光断層画像が表示装置41の表示画面に表示されるようになる。
【符号の説明】
【0071】
1,1A,1B,1C 内視鏡
2 挿入部
6 OCTプローブ
7 Oリング(係合部)
8A,8B 凸部(規制部)
10,10A,10B,10C フード(位置決め部材)
13,13A 先端面
17 溝(係合部)
19,20 スライダ溝(規制部)
f OCT光学系の焦点距離
L 測定光
【技術分野】
【0001】
この発明は,内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡を用いて検査部位近傍を観察する場合,CCDなどの固体電子撮像素子を利用して検査部位近傍を単純に撮像する観察装置と他の方法を利用した観察装置とが一つの内視鏡内に組み込まれることがある。たとえば,NBI(Narrow Band Imaging )を利用した内視鏡では,検査部位に照射する光の波長を切り換えることにより,波長に応じた画像を取得できる。また,内視鏡の挿入部の先端にフードやカバーを付けるものもある(特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-263055号公報
【特許文献2】特開2010-253110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光断層撮像装置のように,径の極めて小さい測定光を検査部位に照射して(ポイント・スキャン)検査部位の断層像を得る場合には,検査部位のすべての領域が測定光によってなぞられるように走査する必要がある(エリア・スキャン)。このように,ポイント・スキャンを走査することで実現されるエリア・スキャンが内視鏡装置において行われる場合には,次のような課題が考えられる。次のような課題は,特許文献1,2においても解決されていない。
【0005】
(1)ポイント・スキャンによるために,内視鏡下での距離感が把握できず,走査位置が定量的に把握できない。(2)測定時間がかかり,呼吸や拍動などの影響を無視できない。(3)光断層などでのポイント・スキャンは画質がもっとも良くなる焦点が存在するため,内視鏡下での測定においては測定距離を一定とする必要がある。(4)超音波でのポイント・スキャンでは検査部位と接する必要があり,共焦点顕微鏡でのポイント・スキャンでは検査部位に近接する必要があるために,いずれも観察部位との間隔をあけて測定することは困難である。(5)内視鏡には鉗子チャネルなどが必要であるために,ポイント・スキャンのための測定光の射出位置を内視鏡の挿入部の先端中央に配置することは困難である。測定光を走査のために偏向させずに射出した場合,測定光は検査部位に対して垂直とはならないので,測定光の射出位置からスキャンすべき検査部位の領域のそれぞれまでの距離がほぼ一定とならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は,高画質の断層像を得ることを目的とする。
【0007】
この発明は,検査部位近傍を観察する内視鏡装置において,上記内視鏡装置の挿入部の先端部に設けられ,上記検査部位に対して走査自在に測定光を照射するOCT光学系,および上記OCT光学系の測定光射出面から先端面の中心までの距離が,上記OCT光学系の焦点距離と等しい位置決め部材を備えていることを特徴とする。
【0008】
この発明によると,内視鏡装置の挿入部の先端部には,検査部位に対して走査自在に測定光を射出するOCT(Optical Coherence Tomography)光学系が設けられている。また,内視鏡装置の挿入部の先端部には,OCT光学系の測定光射出面から,先端面の中心までの距離がOCT光学系の焦点距離(OCT光学系の主点の位置からOCT光学系によって結像するまでの位置)と等しい位置決め部材が設けられている。位置決め部材の先端面の中心が検査部位の領域の中心となるように,検査部位に位置決め部材の先端面を当てると,OCT光学系の測定光射出面から,検査部位の領域の中心までの距離がOCT光学系の焦点距離と等しくなる。OCT光学系から射出される測定光が検査部位の領域に走査された場合であっても,OCT光学系の測定光射出面から検査部位のすべての領域までの距離は,ほぼOCT光学系の焦点距離に等しくなる。検査部位の全体にわたって高画質の断層像が得られる。
【0009】
また,位置決め部材が設けられているので,内視鏡下での距離感を把握でき,走査位置を定量的に把握できる。さらに,位置決め部材によって検査部位を固定できるので,呼吸や体動の影響を受けにくい。位置決め部材により,検査部位との感覚をあけて観察でき,かつ検査部位の断層像を得ることができる。
【0010】
上記測定光による生体からの反射光を用いて,光断層画像を生成する信号処理部をさらに備えてもよい。
【0011】
上記位置決め部材は,たとえば,上記内視鏡装置の挿入部の先端に取り付けられている樹脂製のフードである。また,上記位置決め部材は,上記内視鏡装置の挿入部の先端に着脱自在または進退自在であることが好ましい。
【0012】
測定光による走査範囲の中心に射出される測定光の照射方向が法線方向となるように上記位置決め部材の先端面が,内視鏡装置の挿入部の先端面に対して斜めに形成されているとよい。
【0013】
上記測定光が照射される測定光射出口は,上記内視鏡装置の挿入部の中心軸から径方向に距離aだけ偏心しており,上記位置決め部材の先端面は,上記内視鏡装置の挿入部の先端面に対してsinθ=(距離a/OCT光学系の焦点距離f)を満足する角度θだけ斜めに形成されていることが好ましい。
【0014】
上記位置決め部材は,たとえば,上記内視鏡装置の挿入部の先端部に着脱自在なように,上記位置決め部材および上記内視鏡の挿入部の端部に係合部が形成されているものである。また,上記位置決め部材は,上記内視鏡装置の挿入部の先端部に所定範囲内に進退自在な規制部が形成されていることが好ましい。さらに,上記位置決め部材の先端面は,たとえば,上記測定光射出面から上記OCT光学系の焦点距離と等しい半径をもつ球面上に形成されているものである。
【0015】
この発明は,上記位置決め部材を単独で構成するものも提供している。すなわち,検査部位に対して走査自在に測定光を照射するOCT光学系が,挿入部の先端部に設けられている内視鏡装置の上記先端部に装着される位置決め部材であって,内視鏡装置の上記先端部に装着されたときの上記OCT光学系の測定光照射口から先端面の中心までの距離が上記OCT光学系の焦点距離と等しいものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】内視鏡の挿入部を示す斜視図である。
【図2】(A)はフードの斜視図,(B)はフードの断面図である。
【図3】(A)はフードが装着された内視鏡の挿入部の斜視図,(B)はフードが装着された内視鏡の挿入部の正面図である。
【図4】フードが装着された内視鏡の挿入部の側面図である。
【図5】検査部位をOCT光学系により走査している様子を示す。
【図6】(A)はフードが装着された内視鏡を用いて検査している様子を示し,(B)はその断面図である。
【図7】内視鏡の挿入部を示す斜視図である。
【図8】(A)はフードの斜視図,(B)はフードの断面図である。
【図9】フードが装着された内視鏡の挿入部の斜視図である。
【図10】(A)は内視鏡の挿入部の斜視図,(B)は内視鏡の挿入部の正面図である。
【図11】(A)はフードの斜視図,(B)はフードの断面図である。
【図12】フードが装着された内視鏡の挿入部の斜視図である。
【図13】規制部材の斜視図である。
【図14】規制部材が取り付けられた内視鏡の挿入部の斜視図である。
【図15】(A)はフードの斜視図,(B)はフードの断面図である。
【図16】フードが装着された内視鏡の挿入部の斜視図である。
【図17】(A)および(B)は,フードが装着された内視鏡の挿入部の断面図である。
【図18】フードが装着された内視鏡の挿入部の側面図である。
【図19】光断層画像化システムの電気的構成を示すブロック図である。
【実施例】
【0017】
図1は,この発明の実施例を示すもので,内視鏡1の挿入部2の先端部を示す斜視図である。
【0018】
内視鏡1の挿入部2は,細長い円筒状の形状をしている。挿入部2の先端面3は,ほぼ円形であり,その先端面3に,中心から偏心した位置に撮像レンズ4が固定されている。撮像レンズ4によって集光される光(検査部位からの反射光)は,挿入部2内部に設けられているCCD(図示略)の受光面に導かれる。CCDによって検査部位が撮像される。撮像によって得られる検査部位の画像は,表示装置(図示略)の表示画面に表示される。
【0019】
また,挿入部2の先端部には,OCT光学系6が配置されている。先端面3からOCT光学系6が覗いている。OCT光学系6の先端面から測定光が検査部位に射出される。わかりやすくするために,OCT光学系6は円柱で図示されているが,内部にレンズや光を所定角度で走査できるように偏向ミラー(いずれも図示略)が含まれているのはいうまでもない。
【0020】
図2(A)は,内視鏡1の挿入部2の先端に取り付けられるフード10の斜視図,図2(B)は,図2(A)のIIB−IIB線に沿う断面図である。
【0021】
フード10は,円管状であり,内視鏡1の挿入部2が後端面14から通されるように挿通路11が形成されている。フード10が内視鏡1の挿入部2に着脱自在に取り付けられるように,挿通路11の内径は,内視鏡1の挿入部2の外径とほぼ同じとされている。フード10の先端面13は,斜めに切られている。挿通路11のほぼ中間には,内部に突出しているリング状のストッパ12が形成されている。このストッパ12により,フード10に内視鏡1の挿入部2が挿入された場合に,挿入部2の先端面3の周囲の部分がストッパ12に当たり,フード10と挿入部2との位置関係が規定される。
【0022】
図3(A)は,フード10が装着された内視鏡1の挿入部2の斜視図,図3(B)は,フード10が装着された内視鏡1の挿入部2の正面図である。
【0023】
フード10の後端面14から内視鏡1の挿入部2が挿入されていくと,挿入部2の先端面3がフード10のストッパ12に当たる。これにより,挿入部2の動きが規制され,挿入部2にフード10が装着される。図3(B)に示すように,挿入部2にフード10が装着されてもフード10は円環状であるから,正面から見ると,撮像レンズ4,OCT光学系6が見える。
【0024】
図4は,フード10が装着された内視鏡1の挿入部2の側面図,図5は,生体20がOCT用プローブ6から射出された測定光Lにより照射されている様子を示している。
【0025】
OCT光学系6は,先端面の測定光射出口(必ずしも孔が開いているわけではない)から径の極めて小さい測定光Lを射出する。OCT光学系6は,図5に示すように,測定光Lを正面からみて上下左右に振らして射出することができる。これにより,生体20のうち,検査部位21のすべての領域が測定光Lによってなぞられるように走査される。測定光Lが正面から見て左右に振られるように射出されることにより,検査部位21のX方向に測定光Lが走査させられる。測定光Lが正面から見て上下に振られるように射出されることにより,検査部位21のY方向に測定光Lが走査させられる。
【0026】
図4に示すように,この実施例では,OCT光学系6から射出される測定光Lがフード10の先端面13の中心Cを通る場合に,OCT光学系6の先端面(測定光Lの出射点)から,その中心Cまでの距離がOCT光学系6の(光学系の)焦点距離fと等しくなるように,内視鏡1の挿入部2にフード10が取り付けられる。すなわち,挿入部2がフード10に挿入され,挿入部2の先端面3がストッパ12に当たったときに,OCT光学系6の先端面からフード10の先端面13の中心Cまでの距離がOCT光学系6の焦点距離fと等しくなるような位置に,上述したストッパ12が形成されている。もちろん,フード10にストッパ12が形成されていなくとも,OCT光学系6の先端面からフード10の先端面13の中心Cまでの距離がOCT光学系6の焦点距離fとほぼ等しくなればよい。OCT光学系6の先端面から検査部位21まで距離が一定となる。
【0027】
また,この実施例では,OCT光学系6から射出される測定光Lがフード10の先端面13の中心Cを通る場合に,そのような測定光Lの方向が,先端面13の法線方向となるように,先端面13の傾斜角がθと定められている。この傾斜角θは,OCT光学系6の先端を頂点A,フード10の中心軸と頂点Aを通る鉛直線との交点を頂点B,フード10の先端面13の中心を頂点Cとする直角三角形ABCを考えた場合に,sinθ=a/fが成立するものである。ここで,距離aは,頂点Aから頂点Bまでの距離である。もっとも,OCT光学系6の先端面からフード10の先端面13の中心Cまでの距離がOCT光学系6の焦点距離fと等しくなれば,先端面13の傾斜角θがsinθ=a/fとならなくともよい。
【0028】
図4におけるフード10と内視鏡1の挿入部2との関係を維持するために,フード10と挿入部2との周方向の位置関係を規定するマークをフード10および挿入部2に形成してもよい。それらのマークが一致するようにフード10が挿入部2に装着される。マークでなくとも,規制部材をフード10および挿入部2に形成してもよい。たとえば,溝などの凹部をフード10または挿入部2のいずれか一方に形成し,その凹部に嵌る凸部をフード10または挿入部2のいずれか他方を形成する。
【0029】
図6(A)および図6(B)は,フード10を取り付けた内視鏡1を使用する様子を示している。図6(A)は,側面から見た様子を示し,図6(B)は,図6(A)のVIB−VIB線に沿う断面図である。
【0030】
内視鏡1の挿入部2にフード10が取り付けられている。フード10の先端面13が検査部位21を囲むように生体20に押し付けられる。上述したように(図5参照),検査部位21の領域全体がOCT光学系6から射出される測定光Lによって走査させられる。すると,検査部位21の断層像が得られる。OCT光学系6の先端からフード10の先端面13の中心Cまでの距離はOCT光学系6の焦点距離fに等しいから,OCT光学系6の先端から検査部位21の各部分までの距離もほぼ焦点距離fに等しく一定となる。したがって,検査部位21の断層像の画質が向上することとなる。
【0031】
上述の実施例においては,フード10が内視鏡1の挿入部2から外れないようにフード10が挿入部2に固定されるのはいうまでもない。
【0032】
図7から図9は,他の実施例を示している。この実施例は,図4の位置関係を保つように,フード10Aを内視鏡1Aの挿入部2に位置決めできるものである。
【0033】
図7は,内視鏡1Aの挿入部2を示す斜視図である。この図において,図1に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0034】
挿入部2の先端部には,挿入部2の外周面に,径方向に突出したOリング7が設けられている。
【0035】
図8(A)は,フード10Aの斜視図,図8(B)は,図8(A)のVIIIB−VIIIB線に沿う断面図である。これらの図においても,図2(A)および図2(B)に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0036】
フード10Aの後端面14近傍に,挿通路11の周面に沿って溝17が形成されている。
【0037】
図9は,フード10Aが装着された内視鏡1Aの挿入部2の斜視図である。
【0038】
フード10Aの挿通路11に沿ってフード10Aの後端面14から内視鏡1Aの挿入部2が挿入させられる。フード10Aは可撓性の材料から構成されているから,径方向に拡がり挿入部2がフード10A内に通される。挿入部2に形成されているOリング7が,フード10Aに形成されている溝17の位置となると,Oリング7が溝17に入り込む。フード10Aと挿入部2とが係合する。図4に示す位置関係を維持するように,フード10Aが挿入部2Aに装着される。この実施例においても,フード10Aと挿入部2Aとの周方向の位置が決定されるようにマーク,位置決め部材などがフード10Aおよび挿入部2Aに形成されていることが好ましい。
【0039】
図10(A)および図10(B)から図12は,さらに他の実施例を示している。この実施例においても,図4に示す位置関係を維持するようにフード10Bと内視鏡1Bの挿入部2とを位置決めできるものである。
【0040】
図10(A)は,内視鏡1Bの挿入部2の斜視図,図10(B)は,内視鏡1Bの挿入部2の正面図である。これらの図において,図1に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
挿入部2の先端の外周面には,正面から見て右側および左側のそれぞれに径方向に突出した凸部8Aおよび8Bが形成されている。
【0042】
図11(A)は,フード10Bの斜視図,図11(B)は,図11(A)のVIIIB−VIIIB線に沿う断面図である。これらの図において,図2(A)および図2(B)に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0043】
フード10Bの内部に形成されている挿通路11には,正面から見て右側および左側に,フード10Bの長手方向に伸びているスライド溝19および20が掘られている。これらのスライド溝19および20は,上述した内視鏡1Bの挿入部2に形成されている凸部8Aおよび8Bの高さよりも浅い。正面から見て右側に形成されているスライド溝19の後端部(後端面14側の端部)には,スライド溝19よりも深く,内視鏡1Bの挿入部2に形成されている凸部8Aの高さと同じ深さをもつ凹部19Aが形成されている。スライド溝19の先端部(先端面13側の端部)にも,凸部8Aの高さと同じ深さをもつ凹部19Bが形成されている。正面から見て左側に形成されているスライド溝20の後端部には,スライド溝20よりも深く,内視鏡1Bの挿入部2に形成されている凸部8Bの高さと同じ深さをもつ凹部20Bが形成されている。スライド溝20の先端部(先端面13側の端部)にも,凸部8Bの高さと同じ深さをもつ凹部20Bが形成されている。
【0044】
図12は,上述した内視鏡1Bの挿入部2にフード10Bが装着されている様子を示す斜視図である。この図において,図3(A)などに示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0045】
内視鏡1Bの挿入部2がフード10Bの後端面14から挿入させられると,挿入部2に形成されている凸部8Aがフード10Bに形成されている凹部19Aに入り込み,凸部8Bが凹部20Aに入り込む。これにより,図12に示すように,フード10Bが内視鏡1Bの挿入部2に装着される。凸部8Aおよび8Bが凹部19Aおよび20Aにそれぞれ入り込んでいるので,フード10Bと挿入部2との位置関係は,図4に示す関係を保つこととなる。フード10Bと挿入部2とは,所定以上の力が加わらなければ長手方向に移動しないし,周方向にも移動しない。
【0046】
凸部8Aおよび8Bが凹部19Aおよび20Aにそれぞれ入り込んでいる状態で,フード10Bが挿入部2の方向に所定以上の力で押されると,凸部8Aおよび8Bが凹部19Aおよび20Aのそれぞれから外れる。凸部8Aおよび8Bがスライド溝19および20内をスライドしながら,フード10Bは挿入部2に重なっていく。挿入部2に形成されている凸部8Aおよび8Bがスライド溝19および20のそれぞれの先端部に形成されている凹部19Bおよび20Bのそれぞれに入り込み,フード10Bの動きが規制される。フード10Bを引っ張ることにより,凹部19Bおよび20Bに入っている凸部8Aおよび8Bが凹部19Bおよび20Bからはずれ,スライド溝19および20に沿ってフード10Bがスライドする。フード10Bは,スライド溝19および20の長さの間でスライド自在となる。
【0047】
図13から図17(A)および図17(B)は,変形例を示すもので,フード10をスライドできるものである。
【0048】
図13は,挿入部2の先端部に取り付けられる規制部材30の斜視図,図14は,規制部材30が嵌められた内視鏡1Cの挿入部2の斜視図である。
【0049】
規制部材30は,円環状の形状であり,挿入部2を挿入する挿通路33が形成されている。規制部材30の先端側(図13において左側)の端面および基端側(図13において右側)の端面には,それぞれ径方向に突出している円形のストッパ31および32が形成されている。基端側のストッパ32の上部には,軸方向に貫通している貫通孔35が開いている。
【0050】
内視鏡2の外周面の上部には,気体,液体などの流体を流すための流管9が,挿入部2の長手方向に沿って形成されている。
【0051】
ストッパ31および32の直径はいずれもd11である。ストッパ31と32との間の外周部34の直径はd12である。外周部34の直径d12は,ストッパ31および32の直径d11よりも小さく,挿入部2の外径よりも大きい。
【0052】
挿通路33の内径は,挿入部2の外径とほぼ同じであり,挿入部2が挿通路33に通されることにより,規制部材30が挿入部2の先端部に嵌め込まれる。挿入部2の先端面3と規制部材30の先端側のストッパ31の先端面とがほぼ一致するように,規制部材30が挿入部2の先端部に嵌めこまれる。
【0053】
規制部材30が挿入部2の先端部に嵌めこまれると,挿入部2の外周面の上部に形成されている流管9の先端部が規制部材30のストッパ32に形成されている貫通孔35につなげられる。
【0054】
図15(A)は,フード10の斜視図であり,図15(B)は,図15(B)のXVB−XVB線に沿う断面図である。図15(A)および図15(B)は,図2(A)および図2(B)に示すフード10と同じものである。図15(A)および図15(B)において,図2(A)および図2(B)に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0055】
フード10には,上述したように,挿通路11が形成されている。挿通路11の直径d21は,規制部材30のストッパ31および32の直径d11とほぼ同じである。フード10の長手方向のほぼ中間の挿通路11内に形成されているストッパ12は,挿通路11内に突出しているから,ストッパ12の直径(内径)d22は,挿通路11の直径d21よりも小さい。ストッパ12の直径d22は,規制部材30の外周部34の直径d12とほぼ同じである。
【0056】
規制部材30のストッパ31と32との間にフード10のストッパ12が入り込むように,規制部材30が嵌め込まれた挿入部2の規制部材30にフード10が取り付けられる。フード10は可撓性のものであってもよいし,可撓性のものでなくともよい。フード10が可撓性のものであれば,フード10が径方向に伸ばされることにより規制部材30にフード10を取り付けることができる。フード10が可撓性のものでなければ,規制部材30から先端側のストッパ31から取り外されたものが用意され,ストッパ31が取り外された規制部材30が挿入部2に固定される。ストッパ31が取り外された規制部材30にフード10が挿入され,フード10のストッパ12を挟み込むようにストッパ31が規制部材30に固定される。フード10は,規制部材30のストッパ31と32との間の距離だけスライド自在となる。
【0057】
図16は,フード10が取り付けられた内視鏡1Cの挿入部2を示す斜視図である。図17(A)および図17(B)は,フード10が取り付けられた内視鏡1Cの挿入部2の縦断面図である。図17(A)は,フード10が退避している状態を示し,図17(B)は,フード10が進出している状態を示している。
【0058】
フード10が規制部材30に取り付けられると,フード10のストッパ12と規制部材30の基端側のストッパ32との間に空間36ができる。
【0059】
図17(A)に示すように,フード10は退避しているものとする。
【0060】
流管9に空気が流されると,規制部材30の基端側のストッパ32に形成されている貫通孔35から,その空気が空間36に入り込む。空間36に空気が入り込むことにより,空間36が広がるようにストッパ12が押される。空間36に入り込んだ空気によりストッパ12が先端方向に押され,図17(B)に示すようにフード10が進出する。
【0061】
図17(B)に示すように,フード10が進出している状態で,流管9から空気が吸引されると,空間36内の空気の量が減り,図17(B)に示すようにフード10は退避する。
【0062】
流管9に空気を流すことによりフード10を進出でき,流管9から空気を吸引することによりフード10を退避できるようになる。
【0063】
上述した変形例においては,フード10が進出可能な最大な位置に位置決めされたときのOCT光学系6の先端からフード10の先端面13の中心までの距離がOCT光学系6の焦点距離fとほぼ同じとなろう。また,上述した変形例においては,フード10と挿入部2とが周方向に相対的に回転しないように,ガイド(図示略)が形成されることが好ましい。
【0064】
図18は,変形例を示すもので,フード10Cが装着された内視鏡1を示している。図18は,図4に対応するもので,図4に示すものと同一物については同一符号を付して説明を省略する。
【0065】
図4等に示す実施例では,フード10の先端面13は,平面となっているが,図18に示す変形例ではフード10Cの先端面13Cは曲面となっている。OCT光学系6の先端(正遮光Lの射出点)を中心に半径がOCT光学系6の焦点距離fをもつ球面の一部が先端面13Aとなっている。
【0066】
図6に示したように,生体20に先端面13Aを押し当てて検査部位21が測定光Lによって走査されると,検査部位21までの距離はすべてOCT光学系6の焦点距離fとなる。高画質の断層像が得られるようになる。
【0067】
図18に示す変形例においても図2(A)に示すストッパ12,図7に示すOリング7,図8(A)に示す溝17,図10(A)に示す凸部8A,8B,図11に示すスライド溝19,20などが設けられてもよいのはいうまでもない。
【0068】
上述の実施例,変形例においては,樹脂製のフード10等が利用されているが,フード10等は必ずしも樹脂製でなくともよく,可撓性のものでも可撓性のものでなくともよい。さらに,挿入部2に装着されるのは,フードでなくとも1本または複数本の棒状部材,板状部材でもよい。OCT光学系6の先端面から検査部位21の中心までの距離がOCT光学系6の焦点距離fに等しくなるような位置決め部材が挿入部2に取り付けられればよい。
【0069】
図19は,光断層画像化システムの電気的構成を示すブロック図である。
【0070】
上述のようにしてOCT光学系6から生体(検査部位)に照射された照射光の反射光はOCT光学系6を介して光断層画像化装置40に入射する。光断層画像化装置40において,入射した反射光にもとづいて生体の光断層画像が生成される。生成された光断層画像が表示装置41の表示画面に表示されるようになる。
【符号の説明】
【0071】
1,1A,1B,1C 内視鏡
2 挿入部
6 OCTプローブ
7 Oリング(係合部)
8A,8B 凸部(規制部)
10,10A,10B,10C フード(位置決め部材)
13,13A 先端面
17 溝(係合部)
19,20 スライダ溝(規制部)
f OCT光学系の焦点距離
L 測定光
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査部位近傍を観察する内視鏡装置において,
上記内視鏡装置の挿入部の先端部に設けられ,上記検査部位に対して
走査自在に測定光を照射するOCT光学系,および
上記OCT光学系の測定光射出面から先端面の中心までの距離が,上記OCT光学系の焦点距離と等しい位置決め部材,
を備えた内視鏡装置。
【請求項2】
上記測定光による生体からの反射光を用いて,光断層画像を生成する信号処理部,
をさらに備えた請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
上記位置決め部材は,
上記内視鏡装置の挿入部の先端に取り付けられている樹脂製のフードである,
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
上記位置決め部材は,
上記内視鏡装置の挿入部の先端に着脱自在または進退自在である,
請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
測定光による走査範囲の中心に射出される測定光の照射方向が法線方向となるように上記位置決め部材の先端面が,内視鏡装置の挿入部の先端面に対して斜めに形成されている,
請求項1から4のうち,いずれか一項に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
上記測定光が照射される測定光射出口は,上記内視鏡装置の挿入部の中心軸から径方向に距離aだけ偏心しており,
上記位置決め部材の先端面は,上記内視鏡装置の挿入部の先端面に対してsinθ=(距離a/OCT光学系の焦点距離f)を満足する角度θだけ斜めに形成されている,
請求項5に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
上記位置決め部材が,上記内視鏡装置の挿入部の先端部に着脱自在なように,上記位置決め部材および上記内視鏡の挿入部の端部に係合部が形成されている,
請求項1から6のうち,いずれか一項に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
上記位置決め部材が,上記内視鏡装置の挿入部の先端部に所定範囲内に進退自在な規制部が形成されている,
請求項1から6のうち,いずれか一項に記載の内視鏡装置。
【請求項9】
上記位置決め部材の先端面が,上記測定光射出面から上記OCT光学系の焦点距離と等しい半径をもつ球面上に形成されている,
請求項1,2,3,7,または8に記載の内視鏡装置。
【請求項10】
検査部位に対して走査自在に測定光を照射するOCT光学系が,挿入部の先端部に設けられている内視鏡装置の上記先端部に装着される位置決め部材であって,
内視鏡装置の上記先端部に装着されたときの上記OCT光学系の測定光照射口から先端面の中心までの距離が上記OCT光学系の焦点距離と等しい位置決め部材。
【請求項1】
検査部位近傍を観察する内視鏡装置において,
上記内視鏡装置の挿入部の先端部に設けられ,上記検査部位に対して
走査自在に測定光を照射するOCT光学系,および
上記OCT光学系の測定光射出面から先端面の中心までの距離が,上記OCT光学系の焦点距離と等しい位置決め部材,
を備えた内視鏡装置。
【請求項2】
上記測定光による生体からの反射光を用いて,光断層画像を生成する信号処理部,
をさらに備えた請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
上記位置決め部材は,
上記内視鏡装置の挿入部の先端に取り付けられている樹脂製のフードである,
請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
上記位置決め部材は,
上記内視鏡装置の挿入部の先端に着脱自在または進退自在である,
請求項1から3のうち,いずれか一項に記載の内視鏡装置。
【請求項5】
測定光による走査範囲の中心に射出される測定光の照射方向が法線方向となるように上記位置決め部材の先端面が,内視鏡装置の挿入部の先端面に対して斜めに形成されている,
請求項1から4のうち,いずれか一項に記載の内視鏡装置。
【請求項6】
上記測定光が照射される測定光射出口は,上記内視鏡装置の挿入部の中心軸から径方向に距離aだけ偏心しており,
上記位置決め部材の先端面は,上記内視鏡装置の挿入部の先端面に対してsinθ=(距離a/OCT光学系の焦点距離f)を満足する角度θだけ斜めに形成されている,
請求項5に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
上記位置決め部材が,上記内視鏡装置の挿入部の先端部に着脱自在なように,上記位置決め部材および上記内視鏡の挿入部の端部に係合部が形成されている,
請求項1から6のうち,いずれか一項に記載の内視鏡装置。
【請求項8】
上記位置決め部材が,上記内視鏡装置の挿入部の先端部に所定範囲内に進退自在な規制部が形成されている,
請求項1から6のうち,いずれか一項に記載の内視鏡装置。
【請求項9】
上記位置決め部材の先端面が,上記測定光射出面から上記OCT光学系の焦点距離と等しい半径をもつ球面上に形成されている,
請求項1,2,3,7,または8に記載の内視鏡装置。
【請求項10】
検査部位に対して走査自在に測定光を照射するOCT光学系が,挿入部の先端部に設けられている内視鏡装置の上記先端部に装着される位置決め部材であって,
内視鏡装置の上記先端部に装着されたときの上記OCT光学系の測定光照射口から先端面の中心までの距離が上記OCT光学系の焦点距離と等しい位置決め部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−31541(P2013−31541A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−168868(P2011−168868)
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月2日(2011.8.2)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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