説明

内面に画定されたらせん形配列構造を含む接点要素

【課題】アルミニウム配線ケーブルが端子にしっかりと取り付き、低抵抗でかつ機械的引っ張り力に強い、圧着接続用接点要素を提供すること。
【解決手段】導電性接点要素は、開口を画定する接点要素の区画を含む。区画は、配線ケーブルを開口内に受けて区画に取り付けるように構成される。区画は、内面上に形成された少なくとも1つの切り欠き配列を有する内面を含む。また、導電性接点を含む配線組立体および導電性接点を構築するための方法が提示される。方法は、接点要素を設けるステップ、および接点要素の内面上に少なくとも1つの切り欠き配列を形成するステップとを含む。方法における他のステップは、成形手段によって接点要素の内面上の材料を変えるステップを含む。成形手段は、フライス加工、旋条、機械加工、切り取り、インデンティング、またはスタンピングのうちの1つであってよい。また、接点要素をそれぞれ含む配線組立体および車両用電気配線ハーネスが、さらに提示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、2011年8月17日に出願した米国仮出願第61/524,557号の優先権を主張するものである。
[0002]本発明は、導電性接点要素および配線組立体、ならびに接点要素を使用する電気的接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]電気接点、または端子は、一般に、圧着(crimp)を使用して圧着接続部を形成することによって、配線ケーブルに取り付けられる。そのような電気的用途の1つにおいて、アルミニウム配線ケーブルと付着する筒状端子が使用される。筒状端子は、配線ケーブルを受ける穴を画定する部分を含む。通常、ねじ切り盤で作製される限り、筒状端子の内部は、滑らかな内面を有する。筒状端子の部分がアルミニウム配線ケーブルに対して圧着されるとき、筒状端子の滑らかな内面は、筒状端子に対するアルミニウム配線ケーブルのしっかりした信頼性のある電気的接続が達成されるように、配線ケーブルの導線上に配置された酸化物の破壊を可能にする方式でアルミニウム配線ケーブルを係合するものではない。これらの滑らかな面を使用する、望ましくない高抵抗の圧着接続は、これらの圧着接続の電気的性能に悪く影響すると同時に、端子による配線ケーブルの機械的引っ張り力が、望ましくないほどに減少する結果となる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0004]前述の欠点を克服しながら、アルミニウム配線ケーブルが端子にしっかりと取り付くことを可能にする電気的接点要素が、必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0005]本発明の一実施形態によれば、導電性接点要素は、開口を画定する接点要素の区画を含む。区画は、配線ケーブルを開口内に受けて区画に取り付けるように構成される。区画は、内面上に形成される少なくとも1つの切り欠き配列構造を画定する内面をさらに含む。
【0005】
[0006]また、方法は、導電性接点要素を構築するように提示される。方法の中の1つのステップは、開口を画定する区画を有する導電性接点要素を設けるステップである。区画は、配線ケーブルを開口内に受けて区画に取り付けるように構成される。区画は、内面をさらに含む。方法の中の別のステップは、区画の内面上に少なくとも1つの切り欠き配列構造を形成するステップである。
【0006】
[0007]また、導電性接点要素をそれぞれ含む配線組立体および車両用電気配線ハーネスが、提示される。
[0008]本発明の他の特徴、効用および利点は、単なる非限定的な例によって与えられる本発明の実施形態の以下の詳細な説明を、添付の図面を参照して読めば、より明確に分かるであろう。
【0007】
[0009]本発明は、添付の図面を参照して、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】[0010]本発明による複数の配線ハーネス組立体を示す分解組立図である。
【図2】[0011]図1の配線ハーネス組立体のうちの1つの、圧着されていない接点要素を示す図である。
【図3】[0012]接点要素の中に画定されるらせんの切り欠きパターンの詳細を示す、線3−3を通る図2の接点要素の断面図を示す図である。
【図4】[0013]圧着された図1の配線ハーネス組立体のうちの1つの断面図を示す図である。
【図5】[0014]図1〜図4の実施形態の中に例示されるような接点要素をいかにして構築するかを示す、方法の流れ図である。
【図6】[0015]本発明の代替実施形態による、接点要素内に画定された直線的な切り欠きパターンを示す図である。
【図7】[0016]本発明のさらに別の代替実施形態による、接点要素内に画定された斜交平行の切り欠きパターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0017]電気配線ハーネスは、モータ付き車両輸送産業において見られるような電気的用途において、1つの電気的構成要素を別の電気的構成要素に接続することができる。そのような配線ハーネスの1つは、1つのエネルギー源を、電気車両またはハイブリッド電気車両における1つの負荷に、電気的に接続することができる。配線ハーネスは、電気デバイスを共に電気的に接続する、車両に関連する電気的接続システムの一部であってよい、1つまたは複数の配線組立体を含んでよい。有利には、特にアルミニウム配線ケーブルが使用されるとき、配線組立体が構築される場合にアルミニウム配線ケーブルの導線上の酸化物を破るのを同様に助ける配線組立体を構築するステップが、しっかりした電気的接続を確保するために望まれる。
【0010】
[0018]図1を参照すると、本発明の一実施形態によれば、配線ケーブルハーネス100の分解組立図が提示される。3本の導電性の配線導体すなわちケーブル102a〜102cが、ハーネス100の絶縁性外部包皮(sheath)104から延びる。配線組立体106b〜106cはそれぞれ、導電性配線ケーブル102b〜102c、および導電性配線ケーブル102b〜102cに取り付けられる導電性接点要素すなわち端子110b〜110cを含む。端子110b〜110cは、好ましくは、配線ケーブル102と端子110との間にそれぞれ形成される圧着接続によって、配線ケーブル102b〜102cに取り付けられる。これらの圧着接続は、配線技術において知られるように、プレスによって形成されてよい。配線ケーブル102a〜102cは、複数の個々の撚り線(wire strand)から形成される内部金属コア(core)112を有する。あるいは、内部金属コアは、単一の固体金属コアで形成されてよい。図1は、その外側の外面に沿って隆起部111b、111cを有する圧着接続を示すが、端子の外面内にくぼみを有する、代替の圧着接続が形成されてよい。配線ケーブル102aは、長手方向軸Aに沿って端子110aを受けるように位置決めされる。端子110は、銅および銅合金、または黄銅などの金属材料で形成される。あるいは同様に、端子は、電気的接点要素の改良された電気的および/または機械的性能のために、金、銀、錫、ニッケル、または他のメッキ金属材料など、少なくとも1つの電気的に強化するメッキ材料で被覆されてよい。例えば、ニッケルは、他の電気的に強化するメッキ材料のうちの1つと併用して使用されてよい。ニッケル材料は、電気的接続システムにおいて、電気的接点要素の、対応して接合する電気的接点要素との係合/解除サイクル数を増加させるのを助けることができ、一方で、他のメッキ材料のうちの1つが、電気的接点要素の電気的特性を強化することができる。配線組立体106は、ハーネス100を、エネルギー貯蔵デバイスもしくはバッテリ電源、またはいくつかの他の電気的構成要素もしくはデバイスに、電気的に接続することができる。配線ケーブル102a〜102cの内部コア112は、絶縁外部層すなわち被覆108a〜108cで囲まれる。内部コア112は、銅および銅合金、またはアルミニウムおよびアルミニウム合金など、任意の導電性材料から形成されてよい。あるいは、内部コアは、材料の単一固体金属の撚り線で形成されてよい。絶縁外部包皮104と同様に、絶縁性外部被覆108a〜108cは、誘電性樹脂材料で形成されてよい。配線ケーブル102a〜102cの個別の導線113は、端子110a〜110c内に受けられた後、端子110a〜110cに圧着される。また、配線ケーブル102aの導線113は、端子110aの一部の中に受けられるように例示される。
【0011】
[0019]図2を参照すると、配線ケーブル102aが端子110aの中に受けられる前の、圧着されていない端子110aが例示される。端子110aは、軸線Aに沿って配置される長さLを有する。端子110aは、筒状または管状の区画116を含み、それゆえ、端子110aは、一般に、筒状電気接点として知られる。管状区画116は、離隔された軸方向端部117、119を含む。管状区画116は、配線ケーブル102aの導線113が端部117を通って管状区画116内で受けられるとき、配線ケーブル102aと通じる。しっかりした電気的接続を確保するために、十分に寸法決めされた管状区画が、対応して寸法決めされた配線ケーブルと付着するように選択される。管状区画116は、継ぎ目のない管状区画である。端部117は、配線ケーブル102aの導線113を受けるように構成される。あるいは、管状区画は、端子および配線技術で知られるように、はんだ付け、溶接またはろう付けで形成されてよい継ぎ目を含んでよい。好ましくは、継ぎ目は、軸線Aに平行な軸方向の継ぎ目である。管状区画116は、そこを通る開口118を画定する。さらに代替として、開口は閉鎖された端部を有してよく、閉鎖された端部は、配線ケーブルを受ける管状区画の端部から遠い。さらに代替として、管状区画および対応する開口は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、信頼性のある、端子との機械的および電気的接続を形成するために、配線ケーブルの導線を、やはり効果的に受けかつ効果的に圧着されるいくつかの他の種類の断面形状であってよい。開口118および管状区画116はそれぞれ、断面図が軸線Aを横断する方向である、管状区画116を通る断面図において円形である。開口118を囲む、管状区画116の内部すなわち内面120は、軸線Aを囲むらせん溝、切り欠きパターン、変形部、または配列構造(arrangement)122をさらに画定する。あるいは、管状区画の内面内に配置された配列構造は、任意の種類の形状を有するように形成されてよい。端子110aはリング形状の舌状部(tongue)(換言すれば、突起部)123を含み、舌状部は、舌状部を通して画定される孔125を含む。舌状部123は、管状区画116から離れて軸方向に延びる。舌状部123の孔125は、電気接点が使用される電気的用途において配置される耳状突起(lug)を受けて適合することができる。あるいは、端子の舌状部は、U字形の鋤状の舌状部であってよく、または使用する電気的用途のために必要とされる任意の他の形状の舌状部であってよい。
【0012】
[0020]次に図3を参照すると、図2の圧着されていない端子110aの断面が、端子110aの長さLの一部に沿って、端子110aの内面120の中に軸線A周りに画定される、単一で傾斜したらせん形の切り欠きパターン122を示す。本明細書で説明されるような「傾斜した(crooked)」は、少なくとも1つの湾曲部が少なくとも1つの曲がりを有することを意味し、完全に真っ直ぐではないこととして画定されてよい。あるいは、らせん形の切り欠きパターンは、内面における区画の全軸長に沿って形成されてよい。さらに別の代替実施形態では、らせん形の切り欠きパターンは、管状区画の端部のうちの1つまたは複数と連通してよい。端子110b〜110cは、本明細書で前に説明されたような端子110aの構造と同様に構築され、同様に追加の配線ケーブルを受ける。
【0013】
[0021]図4を参照すると、配線ケーブル102aの導線113が、端子110aに圧着されて配線組立体106aを形成するように例示される。圧着部の隆起部111aは、本明細書で前に説明され、図1に最も分かりやすく例示されるように、他の隆起部111b、111cと同様である。配線組立体106aは、図1にて前に最も分かりやすく例示された配線組立体106b〜106cと同様である。
【0014】
[0022]図5を参照すると、方法510が、図1〜図4の実施形態で説明されたように、導電性接点要素110aを構築するように提示される。方法510における一ステップ512が、導電性接点要素110aを提示する。導電性接点要素110aは、開口118を画定する管状区画116を有する。管状区画116は、配線ケーブル102aを管状区画116に取り付けるために開口118内に受けるように構成される。管状区画116は、内面120を含む。方法510における別のステップ514は、内面120上に少なくとも1つの切り欠き配列構造122を形成する。したがって、接点要素110aの内面120が、なんらかのやり方で変えられて配列構造122を形成する。配列構造122は、それが、内面120に沿って途切れまたは不規則性がない状態で延び、または延長されるという点で、連続である。あるいは、配列構造は、内面内に形成された個々の不連続な区分であってよい。配列構造122は、成形手段によって内面120から材料を除去することによって形成されてよい。成形手段は、内面120内に溝を形成するために、フライス加工、旋条(rifling)、機械加工、または切り取り(図示されず)によって内面120から材料を除去することを、限定されることなく含んでよい。あるいは、筒が、はんだ付け、ろう付けまたは溶接されることによって形成されるならば、配列構造は、窪み形成(indenting)またはスタンピングのプロセスによって内面上に形成されてよい。窪み形成またはスタンピングのプロセスは、本明細書で説明されたような、前に提示されたプロセスを特徴とする材料の除去とは対照的に、材料を変位させて配列構造を形成する。窪み形成またはスタンピングのプロセスは、電気接点技術において知られるようなプレスによって実施されてよい。
【0015】
[0023]好ましくは、電気接点110の内面120からの材料は、一般に、配線組立体106が構築される前に除去される。別の実施形態では、滑らかな内面を有する端子が最初に構築されてよく、らせんのねじ山タイプの配列構造が、簡単なタップを使用して内面内に画定されてよい。別の実施形態では、らせん形の切り欠き配列構造が、端子が構築されるときに作製されてよい。配列構造122は、管状区画116の内面120から形成されるかまたは切り欠かれるので、鋭い縁部もまた、配列構造122に沿って、内面120に隣接して形成される。管状区画116が配線ケーブル102の導線113に対して圧着されるとき、内部コア112がこれらの鋭い縁部と噛み合い、その縁部が、有利には、配線ケーブル102の導線113上に形成された酸化物を掻き落として破るのを助ける。また、圧着接続が形成されるとき、導線113の材料は、変形され、らせん配列構造122の溝の中に押し出されることによって、圧着プロセスの間に流動する。圧着接続を形成する間に導線の個々の撚り線が噛み合って満たす、らせん配列構造によって形成される付加的な表面積が、導線/端子の界面における電気的性能をさらに強化することができる。らせん配列構造は、らせん配列構造を含まない滑らかな内面を有する電気接点の抵抗よりも、配線ケーブルと接点要素との間の圧着接続の抵抗が小さくなることを可能にすることが観察されている。したがって、有利には、らせん配列構造は、配線ケーブルおよび電気接点の改良された低抵抗の電気的圧着接続を提供する。有利には、この改良された低抵抗の電気的接続が、より確実に作製されうることも観察される。さらに別に観察されることは、らせん配列構造が、本明細書の背景技術で前に説明されたように、滑らかな内面を有する電気接点を使用するときよりも、圧着接続においてより強い機械的強度をもたらしうることである。増加された機械的強度は、より小さい寸法の配線ケーブルを使用する圧着接続に対して、特に有効である。配線組立体106a〜106cはそれぞれ、同様の特性を有し、同様の方式で構築される。
【0016】
[0024]端子110は、配線ケーブル102が端子110の中に受けられていないときは、使用されない。
[0025]端子110は、配線ケーブル102の導線113が端子110内に受けられ、配線ケーブル102が端子110に圧着されるときに使用される。端子110に圧着されると、配線ケーブル102で伝えられる電気信号は、同様に、端子110上に電気的に伝わる。
【0017】
[0026]本発明の代替実施形態による図6の参照は、長手方向軸線A’に沿って内面620内に画定された、複数の真っ直ぐな軸方向の切り欠き配列構造640を有する、端子610aの断面図を示す。配列構造640は、内面620内に画定された溝型配列構造である。あるいは、端子は、内面内に画定された単一の真っ直ぐな切り欠きを有してよい。図1〜図4の実施形態の中で図示され説明される要素に類似する、図6の実施形態の中の要素は、500だけ異なる参照番号を有する。
【0018】
[0027]本発明の別の実施形態による図7の参照は、端子の筒部における長手方向軸線A”に沿って内面720内に画定された、端子710aの複数の斜交平行の切り欠き配列構造742を有する端子710aの断面図を示す。配線ケーブル(図示されず)が、端子710aの端部717において受けられる。より詳細には、端子710aは、ピンおよびスリーブタイプの端子システムに関連付けられる。スリーブ端子は、ピン端子を受け、これらの端子はそれぞれ、共に接合可能な非導電性コネクタ筐体内に配置されてよい。ピン端子は、配線ケーブル(図示されず)を受ける配列構造を含む筒部を有する。また、スリーブ端子は、筒部内に配置される配線ケーブルを受ける筒部を有する。さらに別の代替実施形態では、端子は、内面内に画定された単一の斜交平行の軸方向の切り欠きを有してよい。あるいは、内面上に配置された配列構造は、ピンおよびスリーブタイプの端子システムを使用する用途に応じて決まる、任意の種類の配列構造であってよい。ピンおよびスリーブタイプの端子システムは、多くの場合、航空宇宙産業および軍需産業において、効用が見出されうる。
【0019】
[0028]あるいは、端子は、切り欠き配列構造が端子内に構築された後、電気的に向上するメッキ材料を用いてメッキされてよい。
[0029]別の代替実施形態では、メッキされた端子が、端子の銅の下層の中に形成されるか、または端子の銅の下層にメッキされた材料を通して形成される切り欠き配列構造を有してよい。さらに別の実施形態では、メッキされた端子は、切り欠き配列構造を構築した後に続いて、再びメッキされてよい。
【0020】
[0030]さらに代替として、配列構造は、管状区画の内面から離れて突出する、隆起した配列構造であってよい。
[0031]あるいは、端子は、軸線から離れてさらに延びる形状を有してよい。例えば、端子は、直角の曲がりを含んでよい。管状区画は、直角の曲がりの一部の上に配置されてよく、リング形状の舌状部が、直角の曲がりのもう一方の一部の上に配置されてよい。
【0021】
[0032]さらに他の代替実施形態では、任意の切り欠き配列構造の形状が、内面内に画定されてよい。他の代替実施形態では、切り欠き配列構造の形状は、内面内に配置された、左撚り(left-hand)らせん配列構造と組み合わされた右撚り(right-hand)らせん配列構造の形状を取る。
【0022】
[0033]さらに代替として、端子をメッキする容易さが促進されるように、貫通穴が、圧着筒状区画内に、開口と連通してあけられてよい。
[0034]したがって、配線ケーブルに付着するしっかりした電気接点は、アルミニウム配線ケーブルの導線上の酸化物を破りながら、配線ケーブルおよび電気接点の接続の抵抗を減少させ、かつ機械的強度を増加させる。配線ケーブルと電気接点との間の機械的および電気的接続が、配線コネクタ技術において従来からなされている圧着によって、容易に互いに取り付けられる。アルミニウムまたは銅の配線ケーブルが、容易に端子に圧着されうる。らせん配列構造およびらせん配列構造の縁部におけるばり(burr)が、配線ケーブル上の酸化物を破り、配線ケーブル/端子の接続の抵抗を減少させ、圧着接続の機械的強度を増加させるのを助ける。らせん配列構造以外の多様な配列構造が、本発明の趣旨および範囲内に依然として入りながら、電気接点の内面内に使用されてよい。配列構造は、配線技術または電気接点技術において知られる道具または機械を使用して、フライス加工、旋条、機械加工、または切り取りによって、電気接点の区画の内面内に容易に画定される。らせん配列構造を有する電気接点は、使用の用途に応じて容易にメッキされる。らせん配列構造を含む電気接点の区画は、継ぎ目を有して形成されてよく、または継ぎ目なしで形成されてよい。
【0023】
[0035]本発明が、本発明の好ましい実施形態の観点から説明されてきたが、本発明は、そのように限定されることを意図されるものではなく、以下の特許請求の範囲に記載される程度においてのみ、限定されることが意図される。
【0024】
[0036]本発明が、広範な用役および用途を受け入れることができることは、当業者には容易に理解されよう。上で説明されたもの以外の、本発明の多くの実施形態および適応形態、ならびに多くの変形形態、改変形態および等価な配列構造が、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、本発明および前の説明によって明らかであるか、または無理なく想到されるであろう。したがって、本発明が、その好ましい実施形態に関して詳細に本明細書の中で説明されてきたが、本開示は、単に、本発明の実例および模範となるものであり、単に、本発明の完全かつ可能な開示を提供する目的で作られることを理解されたい。上の開示は、本発明を限定すること、または任意のそのような他の実施形態、適応形態、変形形態、改変形態および等価な配列構造を排除することを意図するものではなく、またはそのように解釈されるべきものではなく、本発明は、以下の特許請求の範囲およびその等価物によってのみ、限定されるものである。
【符号の説明】
【0025】
100 配線ケーブルハーネス
102a、102b、102c ケーブル
104 絶縁性外部包皮
106a、106b、106c 配線組立体
108a、108b、108c 被覆
110a、110b、110c 端子
111a、111b、111c 隆起部
112 内部金属コア
113 導線
116 筒状または管状の区画
117 軸方向端部
118 開口
119 軸方向端部
120 内面
122 配列構造
123 舌状部
125 孔
610a 端子
620 内面
640 切り欠き配列構造
710a 端子
717 端部
720 内面
742 斜交平行の切り欠き配列構造

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を画定する接点要素の区画を備える導電性接点要素であって、前記区画が、配線ケーブルを前記開口内に受け入れて前記区画に取り付けるように構成され、少なくとも1つの配列構造を有する内面を含み、これにより、前記受け入れられた配線ケーブルと前記区画とが互いに取り付けられるときに、前記少なくとも1つの配列構造が、前記配線ケーブルと少なくとも電気的に通じる、導電性接点要素。
【請求項2】
前記区画が筒状の形状を含む、請求項1に記載の接点要素。
【請求項3】
前記配列構造が、傾斜した配列構造である、請求項1に記載の接点要素。
【請求項4】
前記傾斜した配列構造が単一の傾斜した配列構造であり、前記区画の前記内面が前記傾斜した配列構造を画定する、請求項3に記載の接点要素。
【請求項5】
前記傾斜した配列構造がらせん形を有する、請求項3に記載の接点要素。
【請求項6】
前記配列構造が、少なくとも1つの真っ直ぐな切り欠きを有する、請求項1に記載の接点要素。
【請求項7】
前記区画が、
(i)前記区画内に形成される継ぎ目
(ii)継ぎ目のない区画である前記区画
のうちの一方を含む、請求項1に記載の接点要素。
【請求項8】
前記区画が、前記配線ケーブルを受け入れる一端部を備え、前記配列構造が、端部を備え、前記配列構造の前記端部のうちの少なくとも一方が、前記区画の前記一端部と通じる、請求項1に記載の接点要素。
【請求項9】
前記開口が長さを有し、前記配列構造が、前記長さの少なくとも一部に沿って形成される、請求項1に記載の接点要素。
【請求項10】
前記開口が閉鎖した端部を有する、請求項1に記載の接点要素。
【請求項11】
前記区画が円形の管状区画であり、前記管状区画が、
(i)アルミニウムまたはアルミニウム合金、および
(ii)銅または銅合金
のうちの少なくとも一方で形成される配線ケーブルを受け入れるように構成される、請求項1に記載の接点要素。
【請求項12】
配線ケーブルと、
前記配線ケーブルを受け入れ、圧着接続部を形成することによって前記配線ケーブルに取り付けられる導電性接点要素とを備える配線組立体であって、前記導電性接点要素が、
開口を画定する前記接点要素の区画を含み、前記区画が、前記配線ケーブルを前記開口内に受け入れて前記区画に取り付けるように構成され、前記区画が、少なくとも1つの配列構造を有する内面を含む、配線組立体。
【請求項13】
少なくとも1つの配線組立体を備える車両用電気配線ハーネスであって、
前記少なくとも1つの配線組立体が、
配線ケーブルと、
前記配線ケーブルを受け入れ、圧着接続部を形成することによって前記配線ケーブルに取り付けられる導電性接点要素と
を含み、前記導電性接点要素が、
開口を画定する前記接点要素の区画を含み、前記区画が、前記配線ケーブルを前記開口内に受け入れて前記区画に取り付けるように構成され、前記区画が、少なくとも1つの切り欠き配列構造を有する内面を含む、車両用電気配線ハーネス。
【請求項14】
導電性接点要素を形成する方法であって、
開口を画定し、内面を含む区画を有し、前記区画が配線ケーブルを前記開口内に受け入れて前記区画に取り付けるように構成される、導電性接点要素を設けるステップと、
前記配線ケーブルと前記接点要素の前記区画とが互いに取り付けられるときに、前記少なくとも1つの配列構造が、前記接点要素と少なくとも電気的に通じるように、前記内面内に画定される少なくとも1つの配列構造を形成するステップとを含む、方法。
【請求項15】
前記接点要素を設けるステップが、筒状の形状を有する前記接点要素の一部を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記導電性接点要素を設けるステップが、
(i)継ぎ目
(ii)継ぎ目なし
のうちの一方を含む前記区画をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記配列構造を形成するステップが、傾斜した前記配列構造を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記傾斜した配列構造がらせん形を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記配列構造を形成するステップが、
前記内面内に前記配列構造を形成するように、成形手段を用いて、前記接点要素の前記内面の少なくとも一部を変えるステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記成形手段が、
(i)フライス加工
(ii)旋条加工
(iii)機械加工
(iv)切り取り
(v)窪み形成
(vi)スタンピング
のうちの少なくとも1つである、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−41813(P2013−41813A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−125607(P2012−125607)
【出願日】平成24年6月1日(2012.6.1)
【出願人】(599023978)デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (281)