説明

円滑移動除雪バケット

【課題】 従来、除雪バケットは、先端部分が薄く鋭いか丸みの半径が小さかった。したがって除雪面の段差や構造物に突き当たりやすく、除雪能率を低下させたり、除雪バケットを損傷させるおそれがあった。これを、除雪面の凹凸を自由に乗り越えながら除雪作業が可能になる、円滑移動除雪バケットを提供する。
【解決手段】 除雪バケット2の先端と地面の間に円弧を有する円滑移動装置1を取り付けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、除雪バケット(2,3)の先端全底辺下部に円滑移動装置(1)を取り付けした、円滑移動除雪バケットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、除雪バケットの先端底辺は、薄く鋭いか、丸みの半径が小さかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これは次のような問題点があった。
(イ)手で押しながら雪をかく合成樹脂製や金属製の除雪バケットは、先端底辺部分が薄く鋭いか、丸みの半径が小さいため、凹凸のある舗装上は突き当たりやすく、未舗装部分では、突き当たったり、砂利を一緒にかいてしまう可能性が高かった。
(ロ)手押し雪かきの除雪バケットは、先端底辺部分が薄く鋭いか、丸みの半径が小さいため、凹凸に突き当たりやすく、労力を要したり、除雪バケットを損傷する可能性が高かった。
(ハ)機械式除雪機は、雪を除雪バケットで集めながら、押し出す、横へ移動させる、ロータリーで飛ばすなどしている。作業時は、除雪バケットの底辺先端を段差へ突き当てぬように、また、未舗装部分の砂利の巻き込みなどを防止するように、補助ソリで除雪バケットと地面の間隔を確保したり、油圧で高さ調整をしていた。このため除雪バケットと地面との間の雪のかき残しが避けられなかった。
(ニ)機械式除雪機は、進行方向の人畜や障害物などに対する車両の運行注意に加えて、段差や砂利など除雪バケットの直前に対する注意が必要であり、高い集中力を必要としていた。
(ホ)機械式除雪機は、除雪バケットの調整高さを超過するマンホール等の構造物に突き当たると、構造物を損傷させる恐れがあった。
(ヘ)機械式除雪機は、除雪バケットの調整高さを超過するマンホール等の構造物に突き当たると、バケットを損傷する恐れがあった。
本発明は、以上のような欠点を解消するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
手押し雪かきの除雪バケット(2)、機械式除雪バケット(3)の先端全底辺と地面の間に4分の1以上の円周を有する蒲鉾形の円滑移動装置(1)を取り付けする。円の半径は、使用場所により決定する。
以上の構造よりなる、除雪バケットの先端全底辺下部に円滑移動装置を取り付けした、円滑移動除雪バケットである。
【発明の効果】
【0005】
除雪バケットの先端全底辺下部に円滑移動装置を取り付けした効果を、説明する。
(イ)手押し雪かきの除雪バケットは、舗装路面の凹凸を簡単に乗り越え突き当たりにくくなり、また、未舗装部分においても砂利の巻き込みを少なくできるなど、円滑な雪かき作業が可能となる。
(ロ)手押し雪かきの除雪バケットは、凹凸に突き当たりにくくなり、バケットの損傷を減少できる。
(ハ)機械式除雪機は、除雪バケット底辺が常に地面の頂部に接触して、地面との間の雪のかき残しを最小にできる。
(ニ)機械式除雪機は、除雪バケット底辺が常に地面の頂部に接触していながら、マンホール等の構造物を乗り越えやすく、突き当たる可能性を大幅に減少できるため、除雪バケットの微妙な高さ調整の労力を軽減できる。
(ホ)機械式除雪機は、除雪バケット底辺が常に地面の頂部に接触していながら、マンホール等の構造物を乗り越えやすく、除雪バケットおよび構造物を損傷する可能性を大幅に減少できる。
(ヘ)機械式除雪バケットは、従来からの補助ソリと本発明の円滑移動装置を併用することにより、路面の路側帯表示塗装等の損傷を最小限にできながら、雪のかき残しを減少できる。
(ト)本発明の円滑移動装置を蒲鉾型にすることにより、地面と面で接触でき、摩耗に耐え得ると共に、除雪バケットの重量を分散できる。
(チ)本発明を応用することにより、除雪作業以外の土木工事において、構造物に対するバケットの微妙な高さ調整作業を軽減できる。
(リ)本発明を応用することにより、スノーダンプに円滑移動装置を取り付けすれば、円滑な除雪が可能となる。
(ヌ)本発明を応用することにより、先端が直線状のシャベルに円滑移動装置を取り付けすれば、物をすくい上げる時に、凹凸のある場所でも突き当たりにくく、労力を軽減できる。
(ル)本発明は、除雪バケットの先端全底辺下部が円形となるため、除雪する雪に乗り上げてしまう様に推測されがちであるが、実験で除雪能力を確認済みである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の形態について説明する。
(イ)手押し雪かき除雪バケット(2)の先端全底辺下部に、合成樹脂製もしくは金属製の円滑移動装置(1)を、接着、ネジ止め、カシメ、差し込みもしくは一体成形する。
(ロ)機械式除雪機の除雪バケット(3)の下部先端全底辺に、金属製の円滑移動装置(1)を、溶接、ネジ止め、カシメもしくは一体成形する。
(ハ)機械式除雪機の除雪バケット(3)の下部先端全底辺に、合成樹脂製の円滑移動装置(1)を、ネジ止めする。
本発明は、以上のような構造で、これを使用する時は、地面のわずかな凹凸など気にせずに除雪作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明の、手押し雪かき除雪バケットの下方からの斜視図である。
【図2】 図1の先端側面図である。
【図3】 本発明の、機械式除雪バケットの側面図である。
【図4】 本発明の、機械式除雪バケット使用時の正面図である。
【図5】 本発明の、機械式除雪バケット使用時の正面図である。
【符号の説明】
【0008】
1 円滑移動装置
2 手押し雪かき除雪バケット
3 機械式除雪バケット
4 地面
5 凹凸等段差
6 マンホール等構造物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
除雪バケットの先端全底辺下部に円滑移動装置を取り付けした、円滑移動除雪バケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−214248(P2006−214248A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−56580(P2005−56580)
【出願日】平成17年2月1日(2005.2.1)
【出願人】(305001744)
【Fターム(参考)】