説明

円筒形物品を輸送するための折り畳み箱

【課題】タイヤ、リム若しくは車輪等の円筒形物品の包装であって、そのような物品の簡易な及び安全な輸送ができるようにする包装を提供する。
【解決手段】本発明は、タイヤのような円筒形物品(20)を輸送するための折り畳み箱(10)に関し、互いに平行になるように配置した二つの八角形状のベース面(30;30´)を備え、各八角形状のベース面(30;30´)の三つの外縁(40;41;42;40´;41´;42´)に付設された少なくとも三つの矩形状の主側面(50;51;52;100)が前記ベース面(30;30´)同士を連結し、さらに、少なくとも一つの折り曲げ可能なカバー面(60;60´)は前記八角形状のベース面(30;30´)のうちの一つの別の外縁(43;43´)に連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに平行になるように配置された二つの八角形状のベース面を具備する円筒形物品を輸送するための折り畳み箱に関する。各八角形状のベース面の三つの外縁に付設された少なくとも三つの矩形状の主側面が前記ベース面同士を連結している。
【背景技術】
【0002】
タイヤ、車輪若しくはリム等の円筒形物品の輸送や出荷用に、汚れや損傷から物品を守るために物品を包装する必要がしばしばある。
さらに、出荷情報は物品に付属させる必要があり、これはラベルを物品自体ではなく包装に貼ることによりしばしば行われる。いくつかのタイヤはパレットの上に積み上げられて、例えば、パレットは箔によって包まれ目的地まで出荷されていた。しかし、自動車のアフターマーケットにおいては一個単位のタイヤが出荷されることとなり、例えば、それらは個別に包装される必要がある。
通常、一個単位のタイヤはポリエチレンのラップで包装される。その包装がコンベアのベルトに付着し詰まりを発生させるため、また、配達ネットワークにおいて遅れが生じるため、この方法は不都合があった。
【0003】
特許文献1は、複数の爪を両側に持つ耳を備えるタイヤなどの円筒形物品のための段ボールで作られた包装を示している。段ボールの耳はタイヤの溝の周りを包み、その端部が連結されている。爪は円筒形状の包装を形成するために両側に折り曲げられ、爪同士が連結される。
【0004】
特許文献2は、段ボールで作られた軽合金リムのような物品のための折り畳み箱を示している。折り畳み箱は、リムのサイズの八角形のベース面を備える一枚の予め切断された段ボールで作られている。いくつかの矩形状の側部は箱の枠を形成するために情報へ折り畳まれることができる八角形状のベースに連結される。より好ましくは、強度の有る段ボールの枠を形成するために側部は二回折り畳まれる。一以上の合金リムはその折り畳み箱に収納され、いくつかの箱はお互いの上に積み上げられる。そして積み上げられた箱は別の段ボール材で包まれ箱は耳で包まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国実用新案DE2007002377U1
【特許文献2】独国特許出願DE3839694A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、タイヤ、リム若しくは車輪等の円筒形物品の包装であって、そのような物品の簡易な及び安全な輸送ができるようにする包装を提供することである。包装は簡単に組み立てられる予め切断されたボール紙から作られるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、この目的は独立した請求項1の特徴を持った折り畳み箱によって達成される。箱の有利な効果を得るための改良は従属した請求項2から請求項20において説明される。
【0008】
即ち、請求項1においては、互いに平行になるように配置した二つの八角形状のベース
面を備え、各八角形状のベース面の三つの外縁に付設された少なくとも三つの矩形状の主側面が前記ベース面同士を連結する円筒形物品を輸送するための折り畳み箱であって、少なくとも一つの折り曲げ可能なカバー面は前記八角形状のベース面のうちの一つの別の外縁に連結されたものである。
【0009】
請求項2においては、折り曲げ可能なカバー面は、各八角形状のベース面の外縁にそれぞれに連結されたものである。
【0010】
請求項3においては、前記主側面は、各ベース面の二つ目の外縁ごとに付設されており、各ベース面の三つの隣接した外縁は主側面に連結されておらず、少なくとも一つの前記折り曲げ可能なカバー面が前記隣接した外縁の中間縁に付設されたものである。
【0011】
請求項4においては、四つの矩形状の補助的な側面は二つの向かい合う矩形状の主側面に付設され、前記補助的な側面は向かい合う前記主側面の縁であって前記八角形状のベース面と連結されていない縁に付設されたものである。
【0012】
請求項5においては、八つの扇形状の連結面は前記補助的な側面と、主側面若しくは折り曲げ可能なカバー面と連結されていない前記八角形状のベース面の外縁との間に配置されたものである。
【0013】
請求項6においては、各扇形状の連結面は折り線によって隔てられた二つの三角形の扇面を備えるものである。
【0014】
請求項7においては、各扇形状の連結面は前記折り畳み箱の内側へ折り畳まれたものである。
【0015】
請求項8においては、円形の逃げ孔が前記各扇形状の連結面の鋭角端に配置されたものである。
【0016】
請求項9においては、八つの補強面は主側面又は少なくとも一つの折り曲げ可能なカバー面に連結していない前記八角形状のベース面の外縁に付設され、前記補強面は前記折り畳み箱の内側に折り畳まれ、前記補助的な側面の底面に配置されたものである。
【0017】
請求項10においては、折り畳み箱の素材が段ボールであるものである。
【0018】
請求項11においては、二つの独立した予め切断された段ボールから構成され、それぞれが八角形状のベース面と、各八角形状のベース面の三つの外縁に付設された三つの矩形状の主側部と、八角形状のベース面の別の外縁に連結された少なくとも一つの折り曲げ可能なカバー部と、を備え、二つの予め切断された段ボールはお互いに連結されており、各予め切断された段ボールの二つの向かい合う主側部がそれぞれ前記折り畳み箱の主側面を形成したものである。
【0019】
請求項12においては、各予め切断された段ボールの少なくとも前記主側部は互いに接着及び/若しくはステープラーで止められており、これにより前記二つの予め切断された段ボールを連結したものである。
【0020】
請求項13においては、各予め切断された段ボールの少なくとも三つの前記主側部は溝及び爪によって連結されており、これにより前記二つの予め切断された段ボールを連結したものである。
【0021】
請求項14においては、一つの独立した予め切断された段ボールから構成され、前記段ボールはそれぞれのベース面の外縁において矩形状の主側面により連結された二つの八角形状のベース面を備え、二つの追加の矩形状の側部及び折り曲げ可能なカバー部は各ベース面の他の三つの外縁にそれぞれ連結され、前記ベース面の前記二つの矩形状の側部は向かい合うベース面の前記二つの追加の矩形状の側部と連結され、これらの矩形状の側部がそれぞれ前記折り畳み箱の主側面を形成したものである。
【0022】
請求項15においては、前記各ベース面の少なくとも二つの追加の矩形状の側部は互いに接着及び/若しくはステープラーで止められたものである。
【0023】
請求項16においては、前記各ベース面の少なくとも二つの追加の矩形状の側部は溝及び爪によって連結されたものである。
【0024】
請求項17においては、一つの独立した予め切断された段ボールから構成され、前記段ボールはそれぞれのベース面の外縁において矩形状の主側面により連結された二つの八角形状のベース面を備え、二つの追加の矩形状の側部及び折り曲げ可能なカバー部は各ベース面の他の三つの外縁にそれぞれ連結され、前記ベース面の前記一つの矩形状の側部は向かい合うベース面の前記一つの追加の矩形状の側部と連結され、これにより前記折り畳み箱の主側面を形成し、前記ベース面の前記一つの矩形状の側部は向かい合うベース面の前記一つの追加の矩形状の側部と連結され、これにより前記折り畳み箱の主側面を形成したものである。
【0025】
請求項18においては、前記ベース面の矩形状の側部は前記ベース面の矩形状の側部に接着される接着片であるものである。
【0026】
請求項19においては、一つ目のベース面の矩形状の側部及び二つ目のベース面の矩形状の側部は、前記補助的な側面において溝と係合する横に延びる係合爪を備えるものである。
【0027】
請求項20においては、前記カバー部は前記補助的な側面において溝と係合する横に伸びる係合爪を備えるものである。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る折り畳み箱の効果として、タイヤなどの円筒形物品の簡易だが安全な包装がある。包装はどの種の輸送若しくは出荷過程においても包装された物品若しくは関係する装置に対する損傷を与えずに扱われる。バーコードの付いた出荷ラベルは箱に簡易につけることができ、タイヤは他の小包若しくは小さい貨物の様に扱われることが可能となる。
【0029】
さらに、折り畳み箱は何度も使用することができ、使用後は折り畳まれて積み重ねられることが可能となる。箱が再度必要になったときは、非常に容易に組み立てることができる。箱の八角形の形状は通常矩形状の箱を円筒形物品の輸送に使用した場合に起こるような箱の角への損傷を回避する。
【0030】
本発明の付加的な利点、特別な特徴、及び実用的な改良は従属する請求項から及び以下に示す実施形態から図を参照しつつ見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態にかかる折り畳み箱の側面図。
【図2】一実施形態にかかる折り畳み箱の組み立てのための二つの同一の予め切断された段ボールのうちの一つを示す展開図。
【図3】一実施形態にかかる折り畳み箱の組み立てのための一枚の予め切断された段ボールを示す展開図。
【図4】本発明の第二実施形態にかかる係合するための爪と補強面を備える折り畳み箱の展開図。
【図5】図4に示す折り畳み箱の側面図。
【図6】本発明の実施形態にかかる二つの内箱を備える折り畳み箱の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
次に、発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る折り畳み箱の好適な一実施形態を示す。
折り畳み箱10は、例えば、タイヤ、車輪若しくはリム等を収納することができる。しかし、どのような円筒形物品でも非常に安全で便利な方法により箱によって輸送されることができることから、本発明は自動車部品の輸送及び出荷に制限されるものではない。折り畳み箱は非常に容易に組み立てることができ、安全な物品の輸送を提供する。
【0033】
次に、折り畳み箱10は、タイヤ20の出荷と合わせて示される。好ましくは、一つのタイヤ20が折り畳み箱10の中に収納される。より薄い物品が出荷される場合、二つの物品をボックス内に隣同士に配置することも可能である。そのため、折り畳み箱は円筒形物品の包装のための多様な可能性を提供する。
【0034】
折り畳み箱10は互いに平行になるように配置した二つの八角形状のベース面30及び30´を具備する。八角形状のベース面の内径は輸送されるべき物品のサイズと略同じである。例えば、タイヤの輸送のためのベース面の内径は略660mmである。好ましくは、様々な折り畳み箱が様々な物品若しくは物品の様々なサイズに対応してそれぞれ設計される。例えば、リムの出荷のための折り畳み箱はタイヤの輸送のための箱よりも小さくすることができる。他方、折り畳み箱のサイズはタイヤの考え得る直径及び幅ごとに修正される必要がある。物品が折り畳み箱を満たしていない場合、クッションが空間に挿入される。
【0035】
折り畳み箱10はさらに各八角形状のベース面の三つの外縁40、41、42、40´、41´、及び42´に付設された三つの矩形状の主側面50、51,及び52を備える。これらの主側面は八角形状のベース面30及び30´に互いに連結されている、さらに、少なくとも一つの折り曲げ可能なカバー面は八角形状のベース面30及び30´のうちの一つの別の外縁に連結されている。そして、一つ目のカバー部60は一つ目の外縁43に連結され、二つ目のカバー部60´は二つ目の外縁43´に連結されている。両方のカバー部は内側に折り畳まれるとき、それらは折り畳み箱10の片側を開けておいた状態で閉じるカバー面を形成する。これらのカバー部60及び60´は例えば、ともに接着され、接着テープによって接続されることができる。
【0036】
本発明の別の実施形態では、ただ一つのカバー面が一つ目のベース面30の一つの外縁に連結され、カバー面が内側に折り畳まれるとき、一つのカバー面は折り畳み箱10の片側を開けておいた状態で閉じられる。この場合、カバー面も反対側のベース面30´の外縁と接着テープを用いることにより連結される。固定を促進するために、カバー面は折り線によってカバー面から隔てられた一以上の爪を備えることも可能である。爪は内側に折り畳まれ、反対側のベース面30´と接続される。このようにして、爪は固定のための十分な面を供給する。カバー面若しくはカバー部は反対側のカバー部若しくは反対側のベース面の中の溝に挿入可能とする一以上の係合爪をそれぞれ備えることもできる。
【0037】
発明の一実施形態では、主側面50、51、及び52は各ベース面30及び30´の二
つ目の外縁ごとに付設されており、各ベース面の三つの隣接した外縁は主側面に連結されていない。この場合において、少なくとも一つの折り曲げ可能なカバー面はこれらの残りの隣接した外縁の中間縁に付設される。これにより、主側面及びカバー面は各ベース面30及び30´の二つ目の外縁ごとに連結される。好ましくは、主側面50、51、及び52の幅は輸送されるべき物品の幅に対応する。例えば、タイヤ20の場合、幅は10から40cmの間である。より好適な実施形態においては、主側面の幅は略240mmである。主側面50、51、及び52は八角形状のベース面の外縁に様々な方法により配置されることができるが、図1に係る構成は非常に硬く強い箱のためのものを提供する。例えば、主側面及びカバー面(部)が、図1に示すように、八角形状のベース面の二つ目の外縁ごとに配置されるとき、さらなる側面が小さく軽い物品の輸送のために設けられる必要はない。
【0038】
しかし、タイヤが輸送されるときは、折り畳み箱の安定性を高めるためにさらなる側面が設けられるべきである。その目的のために、四つの矩形状の補助的な側面70、71、72及び73が二つの向かい合う矩形状の主側面50及び52に付設され、補助的な側面は向かい合う主側面50及び52の縁であって八角形状のベース面30及び30´と連結されていない縁に付設されている。これらの四つの補助的な側面70、71、72及び73は折り畳み箱の残りの開放部分をカバーする。四つの補助的な側面は主側面50及び52から折り線によって分割されており、八角形状の輪郭を有する折り畳み箱の外表面を形成するために折り畳まれている。好ましくは、図2に示すように、折り線とともに設けられる固定用耳300、301、302及び303は各主側面の折り目と反対側に位置している。固定用耳300、301、302及び303も内側に折り曲げられることができ、二つの主側部によって、例えば、接着剤及び/若しくは接着テープの使用により隣接する主側面51に連結されることができる。固定用耳300、301、302及び303は、また、爪及び溝を備える固定手段によって連結されている。
【0039】
折り畳み箱10にさらなる安定性を与えるため及び側面及びベース面の間の隙間を埋めるために八つの扇形状の連結面80、81、82、83、80´、81´82´及び83´が補助的な側面70・71・72及び73と、主側面50、51、及び52及び折り曲げ可能なカバー部60及び60´に連結されていない八角形状のベース面30及び30´の外縁との間に配置されている。図2に示すように、好ましくは、各扇形状の連結面は折り線90によって隔てられた少なくとも二つの三角形の扇面84及び85を備える。箱10が組み立てられるとき、各扇形状の連結面は折り線90で折り畳み箱10の内側に折り畳まれる。箱10の構成要素のより容易な折り畳みのために、円形の逃げ孔91は各扇形状の連結面80、81、82、83、80´、81´82´及び83´の鋭角端に配置されている。
【0040】
折り畳み箱10は異なる方法で組み立てられることも可能である。発明の第一実施形態では、折り畳み箱はお互いに連結された二つの独立した予め切断された段ボールで構成されている。予め切断された段ボールは図2において示され、一つの予め切断された段ボールが図2において記述されている。二つの予め切断された段ボールは箱を形成し、これにより、主側面50、51及び52並びに最後の箱の補助的な側面70、71、72及び73は各予め切断された段ボールに配置された二つの対向する部分に分割され、例えば、各予め切断された段ボールの二つの対向した主側面は折り畳み箱の主側面50、51及び52を形成する。二つの補助的な側部はそれぞれ補助的な側面70、71、72及び73を形成する。好ましくは、折り畳み箱の段ボール素材の中の溝の方向は図2に示されるように選択される。
【0041】
各予め切断された段ボールは八角形状のベース面30及び八角形状のベース面30の三つの外縁40、41、42に付設された三つの矩形状の主側部100、101、及び10
2を備える。折り曲げ可能なカバー部60は、八角形状のベース面30の別の外縁43に連結されている。主側部及び折り曲げ可能なカバー部はベース面の二つ目の外縁に配置されている。四つの補助的な側部200、201、202、及び203は折り目によって二つの対向する主側部100及び102の各側に連結されている。四つの扇形状の連結面80、81、82及び83はこれらの補助的な側部200、201、202、及び203並びにベース面30の間に配置されている。四つの扇形状の連結面は前記折り畳み箱と同様に構成されている。四つの扇形状の連結面はそれぞれ少なくとも二つの三角形の扇面84及び85、折り線90、及び逃げ孔91を備える。
【0042】
好ましくは、固定用耳300、301、302及び303は補助的な側部200、201、202、及び203に配置される。固定用耳301及び302は、例えば、主側部101とともに補助的な側部201及び202を固定するために使用されることができる。この連結は折り畳み箱10が組み立てられるときに確立する。カバー部60の一側上の固定用耳300及び303は、タイヤ20が折り畳み箱の中に置かれた後に、予め切断された段ボールのカバー部60及び60´に固定されることができる。
【0043】
好ましくは、少なくとも主側部100及び102、補助的な側部200、201、202、及び203、並びに固定用耳300、301、302、及び303はそれぞれ他の構成要素との連結のための接着端を備えている。接着剤の固定の代わりとして、若しくはそれに加えて、部材が互いにステープラーで止められることもできる。これらの接着端のひとつは図2の参照番号304に示される。二つの予め切断された段ボールはお互いの上に接着された耳を介してお互いに連結される。好ましくは、それぞれの側部と接続端との間には折り目がない。一つの予め切断された段ボールの主側部100及び102、補助的な側部200、201、202、及び203、並びに固定用耳300、301、302、及び303は別の予め切断した段ボールの対応する部分に接着されており、これらの部分は箱のそれぞれの面を形成する。二つの予め切断された段ボールの連結の後は、箱は折り曲げられ、組み立てられる。
【0044】
二つの予め切断された段ボールの組み立て品は、例えば、一つ目の予め切断された段ボールのベース面30の外縁42を通過する線及び二つ目の予め切断された段ボールのベース面30´の外縁40´を通過する線を介して折り畳まれる。これにより、平面の箱キットが提供されることができる。これらの平面の箱キットのいくつかは一つ以上のタイヤを搬送したい顧客によって購入される。対応する折り目があれば、二つの予め切断された段ボールは接着面304を介しても折り畳まれる。しかし、段ボールが接着面で折り畳まれたときは、折り畳み箱の該表面が曲がる傾向があり、これは利点ではなくなるかもしれない。
【0045】
使用者は二つの独立した予め切断された段ボールからなる箱キットを展開し、固定用耳301及び302とそれぞれの段ボールの主側面101とを固定する。カバー部60及び60´、補助的な側部200、203、200´、及び203´、並びに扇形状の連結面80、83、80´及び83´は図1で示された形のように幅広の入口を形成するために外側に折り曲げられる。タイヤ20は折り畳み箱10の中へ転がり込まれる。そして、名付けられた部分が内側に折り曲げられ、カバー部60及び60´並びに固定用耳300及び303は箱の完全なカバーを形成するために互いの上へ折り畳まれる。カバーは例えば接着テープの手段により固定されることができる。発明の別の実施形態では、カバー部60及び60´、補助的な側部200、203、200´、及び203´、並びに扇形状の連結面80、83、80´及び83´は爪及び/若しくは溝をそれぞれ備える。爪は溝に挿入され、加えて、カバーは接着テープの手段により固定される。
【0046】
本発明の別の実施形態においては、折り畳み箱は一つの図3に示す予め切断された段ボ
ールから構成されている。段ボールは、基本的に図2の単一の段ボールと同一の部分を備える。しかし、これらの段ボールのうちの二つが組み合わされたとき、二つの主側部101は最後の折り畳み箱の主側面51を形成する。補助的な側部と扇形状の連結部と全ての接着端は図1の実施形態と対応している。段ボールは連続している段ボール材から切断された後、畳み線、折り線、及び逃げ孔が技術分野における当業者に知られた何らかの方法で生産される。二つの単一の予め切断された段ボールのために要求される折り畳みおよび切断に加えて、単一の予め切断された段ボールでは、切断は固定用耳301と301´と302と302´との間にそれぞれ施される。段ボールの異なる部分は図2の実施形態において述べたように互いに連結される。
【0047】
図4に示す本発明の別の実施形態においては、点線は折り線若しくは畳み線であり、実践は切断線を示す。この実施形態では、二つの八角形状のベース面30及び30´は主側面52に外縁42及び42´において接続されている。さらに主側部100及び100´はベース面30及び30´に外縁42及び42´と対向する外縁において接続されている。箱が折り畳まれたとき、主側部100及び100´は主側面50を形成する。図4の実施形態においては、主側部100´は細い接着片である。この場合、主側部100は主側面50を形成し、主側部100は接着片100´に接着される。四つの補助的な側面70・71・72及び73は主側部/面52及び100にそれぞれ取り付けられる。各補助的な面はそれぞれ溝63、64、65、及び66を備える。二つのカバー部60及び60´ならびに二つの側部101及び101´は、箱が折り畳まれたときに補助的な面の溝に組み合わされる横に延びる係合爪61、62、61´、62´、67、68、67´、及び68´をそれぞれ備える。係合爪は容易に内側に折り曲げるための折線を有している。これにより、爪及び溝が互いに組み合わされたとき、側部101及び101´は折り畳み箱10の最後部の側面51を形成する。カバー部60及び60´は.タイヤを折り畳み箱の
中に収納した後に補助的な側面に組み合わされることができる。これらの係合爪及び溝を用いることで更なる接着テープを要しない。
【0048】
カバー部60及び60´の係合爪と補助的な側面70及び73の係合溝63及び64との組み合わせは図5に示されている。最後部の主側面51は主側部101及び101´を接続することにより同様に形成される。カバー部及び側部が連結されたとき、例えば、オプションの粘着テープが適用されることができ、若しくは折り畳み箱全体がバンドにより結ばれる。図1では、箱は、上下から箱の残りの開放部分の上に折り畳まれるカバー部60及び60´によって閉じられる。図1の実施形態に対して、箱は、現在、左右から箱の残りの開放部分の上に折り畳まれるカバー部60及び60´によって閉じられる。補助的な側面70及び73は、例えば、物品を折り畳み箱に転がし入れるために幅広く開けられることができ、物品が箱の中に収納されたとき、補助的な側面70及び73が内側に折り畳まれ、係合爪61、62、61´及び62´を補助的な側面の溝63及び64の中へ挿入することにより、カバー部60及び60´を接続することで残りの開放部分が閉じられる。
【0049】
各八角形状のベース面はそれぞれ補強面92、93、94、95、92´、93´、94´及び95´を備える。これらの補強面はカバー部若しくは側部に連結されていないベース面の外縁に連結される。好ましくは、ベース面の二つ目の外縁ごとに連結される。図2の実施形態に対して、補強面の端部は、補助的な側面70・71・72及び73、カバー部60及び60´並びに側部101及び101´に連結されていない。これにより、補強面は畳み線に沿って箱の内側に折り畳まれることができ、箱が直立したときに補助的な側面の底面に配置される。
【0050】
補強面は、補助的な側面とカバー部60若しくは60´と側部101若しくは101´とのそれぞれの間の隙間を埋める機能を満たすために様々な形状を有する。さらに、補強
面は主側面を補強するためのものである。補強面が内側に折り畳まれたとき、補強面は互いに、若しくはカバー部60又は60´の係合片、及び側部101若しくは101´と邪魔しあうことはないようにすべきである。図4の実施形態では、補助的な面の幅の約半分である幅Wを有する補強面により達成される。これにより、互いに重なることなく補強面は補助的な面の底面に配置される。さらに、補強面は、係合爪と補助的な側面の溝とが組み合わさるのを許容する円形若しくは矩形の凹部96を有する。
【0051】
図4の実施形態では、折り畳み箱10は単一の予め切断された段ボールで構成される。図には示されていない別の実施形態では、補強面92、93、94、95、92´、93´、94´及び95´を有するこの箱も、例えば、主側部及び補助的な側部に連結された二つの独立した予め切断した段ボールで構成される。さらに、これらの二つの予め切断された段ボールは係合爪及び溝若しくは互いに対応する部分を連結するために使用される接着テープを備える。係合爪及び溝は図2及び図3の実施形態で示されている。これにより、図に示された特徴の組み合わせが特定の物品を梱包するための必要性に応じた折り畳み箱のために選択される。
【0052】
図6は折り畳み箱の別の適用例を示す。これにより一つ若しくは二つの小さな内箱400及び401はタイヤ20の内部空間に挿入される。付加的な部分及び/若しくは文献はこれらの小さな箱の中に配置されることができる。箱はタイヤ20の内部空間に適合する何らかの形をとりうる。しかし、二つの独立した箱が一緒に配置されたときに、六角形体を形成した二つの独立した箱を使用する利点があることが示されている。付加的な部分が内箱の中に配置され、内箱はタイヤの内部空間の中へ持ち込まれる。そして、タイヤは箱10の中に収納されて、箱10は前述したように閉じられる。
【符号の説明】
【0053】
10 箱、パッケージ
20 円筒形物品、タイヤ、リム、ホイール
30、30´ ベース面
40、41、42、43、40´、41´、42´、43´ ベース面の外縁
50、51、52 主側面
60、60´ カバー部
61、62、61´、62´、67、68、67´、68´ 係合爪
63、64、65、66 溝
70、71、72、73 補助的な側面
80、81、82、83、80´、81´、82´、83´ 扇形状の連結面
84、85 扇面
90 折り線
91 逃げ孔
92、93、94、95、92´、93´、94´、95´ 補強面
96 凹部
100、101、102、102´ 主側部
200、201、202、203、200´、201´、202´、203´ 補助的な側部
300、301、302、303、300´、301´、302´、303´ 固定用耳
304 接着端
400、401 内箱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに平行になるように配置した二つの八角形状のベース面(30;30´)を備え、各八角形状のベース面(30;30´)の三つの外縁(40;41;42;40´;41´;42´)に付設された少なくとも三つの矩形状の主側面(50;51;52;100)が前記ベース面(30;30´)同士を連結する円筒形物品(20)を輸送するための折り畳み箱(10)であって、
少なくとも一つの折り曲げ可能なカバー面(60;60´)は前記八角形状のベース面(30;30´)のうちの一つの別の外縁(43;43´)に連結された、
ことを特徴とする折り畳み箱(10)。
【請求項2】
折り曲げ可能なカバー面(60;60´)は、各八角形状のベース面(30;30´)の外縁(43;43´)にそれぞれに連結された、
ことを特徴とする請求項1に記載の折り畳み箱。
【請求項3】
前記主側面(50;51;52;100)は、各ベース面(30;30´)の二つ目の外縁ごとに付設されており、各ベース面(30;30´)の三つの隣接した外縁は主側面(50;51;52;100)に連結されておらず、少なくとも一つの前記折り曲げ可能なカバー面(60;60´)が前記隣接した外縁の中間縁に付設された、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の折り畳み箱。
【請求項4】
四つの矩形状の補助的な側面(70;71;72;73)は二つの向かい合う矩形状の主側面(50;51;52;100)に付設され、前記補助的な側面(70;71;72;73)は向かい合う前記主側面(50;52;100)の縁であって前記八角形状のベース面(30;30´)と連結されていない縁に付設された、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の折り畳み箱。
【請求項5】
八つの扇形状の連結面(80;81;82;83;80´;81´;82´;83´)は前記補助的な側面(70;71;72;73)と、主側面(50;51;52;100)若しくは折り曲げ可能なカバー面(60;60´)と連結されていない前記八角形状のベース面(30;30´)の外縁との間に配置された、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の折り畳み箱。
【請求項6】
各扇形状の連結面(80;81;82;83;80´;81´;82´;83´)は折り線(90)によって隔てられた二つの三角形の扇面(84;85)を備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の折り畳み箱。
【請求項7】
各扇形状の連結面(80;81;82;83;80´;81´;82´;83´)は前記折り畳み箱(10)の内側へ折り畳まれた、
ことを特徴とする請求項6に記載の折り畳み箱。
【請求項8】
円形の逃げ孔(91)が前記各扇形状の連結面(80;81;82;83;80´;81´;82´;83´)の鋭角端に配置された、
ことを特徴とする請求項5から7に記載の折り畳み箱。
【請求項9】
八つの補強面(92;93;94;95;92´;93´;94´;95´)は主側面(50;51;52;100)又は少なくとも一つの折り曲げ可能なカバー面(60;60´)に連結していない前記八角形状のベース面(30;30´)の外縁に付設され、前記補強面(92;93;94;95;92´;93´;94´;95´)は前記折り畳み箱(10)の内側に折り畳まれ、前記補助的な側面(70;71;72;73)の底面に
配置された、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の折り畳み箱。
【請求項10】
折り畳み箱(10)の素材が段ボールである、
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の折り畳み箱。
【請求項11】
二つの独立した予め切断された段ボールから構成され、それぞれが八角形状のベース面(30;30´)と、各八角形状のベース面(30;30´)の三つの外縁(40;41;42;40´;41´;42´)に付設された三つの矩形状の主側部(100;101;102;100´;101´;102´)と、八角形状のベース面(30;30´)の別の外縁(43;43´)に連結された少なくとも一つの折り曲げ可能なカバー部(60;60´)と、を備え、二つの予め切断された段ボールはお互いに連結されており、各予め切断された段ボールの二つの向かい合う主側部がそれぞれ前記折り畳み箱の主側面(50;51;52)を形成した、
ことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の折り畳み箱。
【請求項12】
各予め切断された段ボールの少なくとも前記主側部(100;101;102;100´;101´;102´)は互いに接着及び/若しくはステープラーで止められており、これにより前記二つの予め切断された段ボールを連結した、
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の折り畳み箱。
【請求項13】
各予め切断された段ボールの少なくとも三つの前記主側部(100;101;102;100´;101´;102´)は溝及び爪によって連結されており、これにより前記二つの予め切断された段ボールを連結した、
ことを特徴とする請求項12に記載の折り畳み箱
【請求項14】
一つの独立した予め切断された段ボールから構成され、前記段ボールはそれぞれのベース面(30;30´)の外縁(41;41´)において矩形状の主側面(51)により連結された二つの八角形状のベース面(30;30´)を備え、二つの追加の矩形状の側部(100;102;100´;102´)及び折り曲げ可能なカバー部(60;60´)は各ベース面(30;30´)の他の三つの外縁にそれぞれ連結され、前記ベース面(30)の前記二つの矩形状の側部(100;102)は向かい合うベース面(30´)の前記二つの追加の矩形状の側部(100´;102´)と連結され、これらの矩形状の側部(100;102;100´;102´)がそれぞれ前記折り畳み箱の主側面(50;52)を形成した、
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の折り畳み箱。
【請求項15】
前記各ベース面(30;30´)の少なくとも二つの追加の矩形状の側部(100;102;100´;102´)は互いに接着及び/若しくはステープラーで止められた、
ことを特徴とする請求項14に記載の折り畳み箱。
【請求項16】
前記各ベース面(30;30´)の少なくとも二つの追加の矩形状の側部(100;102;100´;102´)は溝及び爪によって連結された、
ことを特徴とする請求項15に記載の折り畳み箱。
【請求項17】
一つの独立した予め切断された段ボールから構成され、前記段ボールはそれぞれのベース面(30;30´)の外縁(42;42´)において矩形状の主側面(52)により連結された二つの八角形状のベース面(30;30´)を備え、二つの追加の矩形状の側部(100;101;100´;101´)及び折り曲げ可能なカバー部(60;60´)は各ベース面(30;30´)の他の三つの外縁にそれぞれ連結され、前記ベース面(3
0)の前記一つの矩形状の側部(100)は向かい合うベース面(30´)の前記一つの追加の矩形状の側部(100´)と連結され、これにより前記折り畳み箱の主側面(50)を形成し、前記ベース面(30)の前記一つの矩形状の側部(101)は向かい合うベース面(30´)の前記一つの追加の矩形状の側部(101´)と連結され、これにより前記折り畳み箱の主側面(50)を形成した、
ことを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の折り畳み箱。
【請求項18】
前記ベース面(30´)の矩形状の側部(100´)は前記ベース面(30)の矩形状の側部(100)に接着される接着片である、
ことを特徴とする請求項17に記載の折り畳み箱。
【請求項19】
一つ目のベース面(30)の矩形状の側部(101)及び二つ目のベース面(30´)の矩形状の側部(101´)は、前記補助的な側面(70;71;72;73)において溝(65;66)と係合する横に延びる係合爪(67;68;67´;68´)を備える、
ことを特徴とする請求項17または請求項18に記載の折り畳み箱。
【請求項20】
前記カバー部(60;60´)は前記補助的な側面(70;71;72;73)において溝と係合する横に伸びる係合爪(67;68;67´;68´)を備える、
ことを特徴とする請求項17から請求項19のいずれか一項に記載の折り畳み箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−504438(P2011−504438A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−534387(P2010−534387)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際出願番号】PCT/EP2008/009165
【国際公開番号】WO2009/068149
【国際公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(503276470)ドイチェ ポスト アーゲー (50)
【Fターム(参考)】