説明

円錐破砕機

円錐破砕機は、上部ハウジング20と、支持ロッド40を収容する管状軸30とを含む。上部ハウジング20の内部に、支持ロッド40の上端41によって支持された球面軸受50に軸方向にジャーナル支持された円錐ヘッド70が取り付けられ、前記円錐ヘッド70は、管状軸30の周りに径方向に、偏心的にジャーナル支持される。支持ロッド40は、円錐ヘッド70用の支持手段として、また、円錐ヘッド70を垂直に変位させかつ破砕キャビティCBの開口を調整するアクチュエータAとしても、また、過荷重を防止するように油圧を低減させる保護手段としても動作するために、油圧シリンダ11のピストン60に固定された支持ロッドの下端42をもつ。提案された解法は、円錐ヘッド70内にロッキングハブ機構100をさらに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、内部が固定縦管状軸の周りで偏心振動運動で駆動された円錐ヘッドを動作する上部ハウジングを含むタイプの円錐破砕機に関し、前記円錐ヘッドは、管状軸の内部に配置された支持ロッドの上端で、軸方向にジャーナル支持され、前記円錐ヘッドは、円錐ヘッドと上部ハウジングとの間に画定された破砕キャビティの開口を変化させるために、軸方向に、選択的に変位可能である。
【0002】
本発明は、詳細には、上部ハウジングに対して円錐ヘッドの位置を保ち、かつ調整する役割を担う手段に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で考慮されたタイプの破砕機の円錐ヘッドを支持するために、様々の構成上の解法が知られている。
【0004】
知られている解法の1つを、添付の図面の図1に概略的に説明されたものに見いだすことができ、添付の図面の図1では、上方に、上部ハウジング20が取り付けられ、下方に、球面軸受50をその上端32に保持し垂直に配置された管状軸30の下端31が固定される構造物10を含む円錐破砕機が表される。円錐ヘッド70が、上部ハウジング20と共に、破砕キャビティCBを形成するために、上部ハウジング20の内部に取り付けられる。円錐ヘッド70は、球面軸受50上に設置され、かつジャーナル支持された球面端部71を備え、前記円錐ヘッド70は、管状軸30の周りに回転的に取り付けられた管状偏心部80の周りに径方向にジャーナル支持されたその内部下部領域をさらにもつ。円錐ヘッド70のラジアル軸受は、管状ブッシングの助けで作られ、一方は、管状軸30と管状偏心部80との間に配置された内部ブッシング81であり、他方は、管状偏心部80と円錐ヘッド70との間に配置された外部ブッシング82である。
【0005】
管状偏心部80は、アキシアル軸受83の組によって円錐破砕機の構造物10上に軸方向に、下方に設置され、前記管状偏心部80は、構造物10上に適切に取り付けられ、かつ本発明の一部ではないので、詳細には説明されない駆動機構90のピニオン91に噛み合わせられるリングギア84を備える。駆動機構90による管状偏心部80の回転駆動は、固定管状軸30の周りに円錐ヘッド70の振動をもたらし、破砕キャビティ「CB」内部の材料の破砕を提供する。
【0006】
球面軸受50を受けるために管状軸30の内部に、管状軸30から外向きに突出する上端41をもつ支持ロッド40が取り付けられ、球面軸受50上に、円錐ヘッド70の球面端部71が設置される。
【0007】
支持ロッド40は、管状軸30の下端を越えて突出する下端42を示し、円錐破砕機の構造物10の下部部分に形成され、油圧シリンダ11の内部に配置された、一般にピストン60の形状のアクチュエータがその下端42に結合され、前記油圧シリンダ11は、ピストン60と共に、駆動されたとき、円錐ヘッド70の様々な動作位置への軸方向変位を提供し、破砕キャビティ「CB」の開口を調整するために、支持ロッド40の垂直の軸方向変位を可能にするように寸法決めされた油圧ラムを画定する。
【0008】
本発明の一部ではないので、本明細書には説明されていないが、破砕キャビティ「CB」内の過荷重に対する保護装置として機能し、調整油圧システムが前記過荷重を検出した場合に、円錐ヘッド70の降下変位を可能にし、上部ハウジング20からの距離を増加させ、破砕キャビティ「CB」の開口を増加させて、自動的に破砕の過荷重を低減させるために、油圧シリンダ11を圧力制限弁または油圧アキュムレータに結合することができることを理解すべきである。
【0009】
破砕キャビティ「CB」の開口の設定は、支持ロッド40の軸方向変位による円錐ヘッド70の垂直変位によって行われる。
【0010】
図1の構成における支持ロッド40の剛体的な取り付けは、支持ロッド40および円錐ヘッド70の軸方向荷重を支持する球面軸受50の径方向振動を可能にしない。
【0011】
支持ロッド40が径方向に固定されることを考えると、円錐ヘッド70を支持する球面軸受50は、破砕動作の間、高い振動振幅にさらされる。
【0012】
円錐ヘッド70の前記アキシアル軸受は、球面軸受50内に油を提供するように作られるが、円錐破砕機の比較的低い回転速度は、アキシアル軸受内に流体力学的くさびの形成を可能としない。径方向に固定された支持ロッド40の取り付けの機能として、アキシアル軸受50がさらされる荷重、ならびに円錐ヘッド70のアキシアル軸受内に流体力学的くさびを形成することの難しさが、金属と金属の接触が起こることを可能にし、結果として、摩擦による動力の損失および軸受自体の寿命の損失が、摩耗した部品交換のために、装置が停止する間隔を短くさせる。したがって、これらの知られている解法は、アキシアル軸受50が過荷重にさらされるという不都合を示し、これは、油を軸受に単純に供給することによる適切な潤滑を得ることが難しいために、前記構成要素の加速的な摩耗を引き起こす傾向がある。
【0013】
知られている解法の別の不都合は、円錐破砕機がゼロ荷重で動作するとき、円錐ヘッドを、管状偏心部と同じ方向に回転することを防止できないことに関連する。この状態で、破砕キャビティ「CB」への材料供給を再スタートさせるとき、円錐ヘッドは、管状偏心部の回転によって回転的に引きずられ、速度を上げて、急激な摩耗的なブレーキにさらされる傾向がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上述の欠点のために、また従来技術の解法に関連して、本発明の目的は、図1に示され、かつ上で説明され、非常に小さく、実際的にほとんど存在しないくらいの振動振幅にさらされる円錐ヘッドを支持するアキシアル軸受をもち、潤滑を容易にし、円錐ヘッドのアキシアル軸受構成要素の寿命を延ばす円錐破砕機を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、金属と金属の接触を防止しそれによって軸受構成要素の寿命を延ばし軸受構成要素がより小さい寸法とすることを可能にするために、円錐ヘッドのアキシアル軸受内で流体静力学的支持の形成を提供する潤滑を示す上述のような円錐破砕機を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、その円錐ヘッドを、管状偏心部と同じ方向に軸方向軸の周りに回転することを防止する上述のような円錐破砕機を提供することでもある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、図1に示された構成で考えられた要素を含む円錐破砕機は、円錐ヘッドに関節連結されたその上端と、構造物との球面結合を備えるその下端とをもつ支持ロッドをもち、前記支持ロッドが、管状軸の軸方向貫通孔と共に、円錐破砕機の動作の間、円錐ヘッドの振動に続く、球面結合の周りの支持ロッドの振動を可能にするのに十分な径方向ギャップを画定し、前記径方向ギャップが、支持ロッドが管状軸に接触することを回避するために、円錐ヘッドのラジアル軸受の偏心より幾分大きい。
【0018】
本発明を、円錐破砕機用の構成の一例として示された添付の図面を参照しながら、以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
すでに述べたように、本発明は、図1に示されたタイプの円錐破砕機に適用され、当技術分野のよく知られた任意の方法で作られた上部ハウジング20が上方に構成された構造物10を含み、前記上部ハウジング20は、それがさらされる破砕荷重に耐えるのに適切な材料のライニング21を内部的に備えている。
【0020】
図2に示されるように、本破砕機は、軸方向貫通孔30aをもつ垂直に配置された管状軸30と、構造物10に固定され、かつ油圧シリンダ11の上端に開いた下端31とをさらに含み、油圧シリンダ11が構造物10内の下方に形成され、かつカバー12によって閉じられた下端をもつ。管状軸30は上端32を示す。
【0021】
油圧シリンダ11は、前記油圧シリンダ11を内部的に裏打ちする取り外し可能な円筒スリーブ13によって一般に画定された側壁13aをもつ。
【0022】
管状軸30の内部に、球面軸受50を保持する上端41と、ピストン60を保持する下端42とをもつ支持ロッド40が提供され、ピストン60は、油圧シリンダ11の内部で選択的に、軸方向に変位可能であり、さらに以下で示されるように、支持ロッド40および球面軸受50に対応する垂直の変位をもたらす。
【0023】
上部ハウジング20の内部に、ライニング70aを備える円錐ヘッド70が提供され、ライニング70aは、上部ハウジング20と共に、破砕キャビティ「CB」を形成し、円錐ヘッド70は、内部的に、上方に、球面軸受50上に設置された球面端部71を備え、かつ外部ブッシング82によって、管状偏心部80の周りに、さらに径方向に、下方にジャーナル支持され、管状偏心部80は、今度は、内部管状ブッシング81を管状軸30と管状偏心部80との間に置くことで、管状軸30の周りに回転的に取り付けられる。本明細書に一例として示されたものとは異なるアセンブリによっても支持ロッド40の上端41の上の円錐ヘッド70のアキシアル軸受を得ることができることを理解すべきである。
【0024】
図1および2に示された構造物に関連してすでに述べたように、管状偏心部80は、構造物10に取り付けられた駆動機構90のピニオン91に噛み合わせられるリングギア84を備え、前記管状偏心部80は、任意の適切な構成のアキシアル軸受83の組によって、構造物内10で、下位に、軸方向にジャーナル支持される。
【0025】
本発明によれば、動作中の円錐ヘッド70の振動運動の間、および管状偏心部80の作用によって、その壁に接触することなく、前記軸方向貫通孔30aの内部で振動するために、支持ロッド40は、管状軸30の軸方向貫通孔30aの断面の輪郭より小さい断面の外部輪郭を示す。
【0026】
円錐ヘッド70の振動に続いて、支持ロッド40が振動できるために、支持ロッド40は、円錐ヘッド70の球面端部71および球面軸受50によって、円錐ヘッド70に関節連結された上端41をもち、下端42は、ピストン60によって構造物10に関節連結される。
【0027】
図2、3aおよび3bに示された構成では、支持ロッド40の下端42は、ピストン60に剛体的に固定され、それによって、構造物10への前記下端42の関節連結が、その区間が外向きに凸の円形弧の形状である周辺側壁61をピストン60に提供することによって行われ、前記スリーブによって、好ましくは油圧アクチュエータ「A」および球面結合「R」も画定するために、周辺側壁61は、油圧シリンダ11の円筒スリーブ13の側壁13aと協働する。
【0028】
円錐ヘッド70の振動運動から起こる破砕力は、ロッド40を通って、ピストン60に伝達され、油圧シリンダ11内に生成された油圧によって支持される。円錐ヘッド70の運動に続いて、ロッド40は、若干の振動運動をピストン60に引き起こす。シーリング62が挿入されているピストン60の外部エッジは、球体形状をもち、油圧シリンダ11の円筒スリーブ13の側壁13aと干渉することなく、ピストン振動の間、垂直変位を可能にする。
【0029】
別の可能な構成は、支持ロッド40の下端42と、ピストン60との間に、関節連結の結合を提供することであり、この場合、ピストン60は、油圧シリンダ11の側壁13aと協働する円筒側壁61をもつ。
【0030】
図3aおよび3bPによりわかりやすく示されるように、管状偏心部80の回転のために、円錐ヘッド70による運動が伝えられるとき、球面軸受50の運動によって支持ロッド40がさらされる振動振幅の範囲内で支持ロッド40の任意の動作位置において、ピストン60の側壁61はシーリングリング62を保持して、油圧シリンダ11の円筒スリーブ13の側壁13aに抗して作用することができる。
【0031】
支持ロッド40の垂直運動がピストン60によって行われるこのタイプの構成では、油圧シリンダ11は、カバー12内に備えられたノズル15を通して、ピストン60の下で、油圧シリンダ11の内部と連通する加圧流体源(図示せず)によって油圧的に加圧される。従来技術に関連して前に述べたように、ピストン60は、支持ロッド40の垂直推力要素としてだけなく、過荷重に対する安全装置としても、油圧的に動作する。加圧流体源および油圧シリンダ11を、圧力制限弁または油圧アキュムレータ(図示せず、存在および機能が知られている)に結びつけることができ、油圧流体を放出して、過荷重状態が起こったとき、円錐ヘッド70の降下および破砕キャビティ「CB」の開放を可能にする。
【0032】
ピストン60は、回転的に軸方向に、角度をなして支持ロッド40の下端42が固定される軸方向延長部60aを示し、前記軸方向延長部60aが、管状軸30の軸方向貫通孔30aの拡大された下端35の内部に配置され、前記拡大された下端35が、ピストン60の軸方向延長部60a内に径方向に嵌合されたキー65が走る少なくとも1つの長手方向の切り欠き35aを備え、管状軸30に対して、したがって構造物10に対しても、ピストン60の任意の回転をロックし、しかもピストン60が支持ロッド40と共に振動することを可能にする。
【0033】
本明細書では、円錐破砕機の形状のために、ピストン60の側壁61と油圧シリンダ11の円筒スリーブ13の側壁13aの両方によって、本明細書で、画定された球面結合「R」の周りの支持ロッド40の振動は、管状偏心部80の偏心によって定められる非常に低減された数値に制限され、支持ロッド40と管状軸30との間の径方向ギャップは、支持ロッド40、特にその上部領域が管状軸30に接触することを回避するために、円錐ヘッド70および球面軸受50の前記振動偏心より若干大きく寸法決めされなければならないことに留意すべきである。
【0034】
図1に関して前に述べたように、ピストン60は、支持ロッド40および円錐ヘッド70を軸方向に変位させるように選択的に駆動されるために、構造物10に取り付けられたアクチュエータ「A」のための可能な構成形状として理解しなければならない。アクチュエータ「A」が油圧式でない場合、ピストン60は、構造物10、または支持ロッド40の下端42自体と共に球面結合「R」を画定するように作られた下部ロッドターミナルに置き換えられ、または下部ロッドターミナルの形状をとり、管状軸30と構造物10の両方に対して、支持ロッド40を継続して回転式にロックする。
【0035】
支持ロッド40の振動を提供し、円錐ヘッド70と球面軸受50の両方の振動に、支持ロッド40が従うことを可能にするために、本発明によって提案された構成は、球面軸受50の領域において、関節連結運動の大幅な低減につながり、運動の前記低減は、径方向に固定された支持ロッドに取り付けられた現在の軸方向の球面軸受に見いだされるものより約6倍ほど小さい減少を達成する。球面軸受50における相対運動の低減は、その摩耗を減少させ、従来技術の通常の潤滑の使用を可能にする。
【0036】
しかし、円錐ヘッド70のための流体静力学的支持を提供するために、球面軸受50の潤滑を行うことができる。この場合、支持ロッド40は、通常、柔軟なホース45によって、高圧加圧潤滑油源(図示せず)に連結された下端と、球面軸受50の少なくとも1つの径方向チャネル54に連結された上端とをもつ中央軸方向チャネル44を備えている。高圧の潤滑油は、中央軸方向チャネル44および径方向チャネル54を通って、球面軸受50の面に向けて送り込まれ、球面軸受50上に、球面端部71と球面軸受50との間の流体静力学的支持を画定する円錐ヘッド70の球面端部71が設置され、円錐ヘッド70のアキシアル軸受の2つの構成要素の直接接触を防止する。
【0037】
上述のジャーナル支持および潤滑の態様に加えて、本発明は、破砕キャビティ「CB」が、破砕されるべき材料を供給されないとき(ゼロ荷重動作)、円錐ヘッドが、管状偏心部80によって同じ回転方向に引きずられて、管状偏心部80と一緒に回転するままにされた場合にもたらされる問題にも取り組む。この状態で、材料が破砕キャビティ「CB」に供給されたとき、円錐ヘッド70は、突然、停止する。円錐ヘッド70の高い慣性力は、突然の停止によって、破砕キャビティ「CB」のライニングに望ましくない摩耗を引き起こす。
【0038】
この欠点を排除する目的で、本発明は、球面軸受50に動作的に結合された円錐ヘッド70の内部に取り付けられたロッキングハブ機構100を提供し、破砕キャビティ「CB」に連続的に供給される材料の荷重の破砕動作時に、管状偏心部80の回転の反対方向に、円錐ヘッド70の通常の緩やかな回転を可能にするが、円錐ヘッド70が、管状偏心部80の同じ回転方向に回転することを防止する。したがって、ゼロ荷重で動作するとき、円錐ヘッド70は管状偏心部80の回転的に引きずられることが防止され、回転的には静止しており、破砕されるべき材料の供給の再スタートを待ち、いかなる急激な停止なしで、管状偏心部80の回転と反対方向にその緩やかな回転を始める。
【0039】
図4および5に示される例示的な形状によれば、ロッキングハブ機構100は、通常、外レース101に外部で統合されたフランジ101aに設けられた孔101bを貫通するボルト(図示せず)によって、円錐ヘッド70の内部に固定された外レース101と、球面軸受50に対して、内レース102の自由回転を防止するために、球面軸受50に外部で統合された径方向の歯51と、いくらかの角度ギャップをもって噛み合う複数の径方向の歯103を、内部エッジが統合する内レース102とからなる。
【0040】
説明された例で、ロッキングハブ装置100は、内レース102の外部エッジに形成され、かつテーパ付の壁104aによって画定された可変の深さをもつ複数の切り欠き104によって画定された回転阻止手段であって、切り欠き104のそれぞれが、くさびのように、外レース101の内側エッジ上と、それぞれの切り欠き104のテーパ付の壁104a上とに、同時に設置されたローラ105を収納する回転阻止手段をさらに示す。各ローラ105は、管状偏心部80の回転方向に回転させられて、ばね106とロッド107の組によって、切り欠き104の最も浅い領域に絶えず、弾性的に押し付けられる。
【0041】
この構成では、破砕機がゼロ荷重で動作するとき、管状偏心部は、円錐ヘッド70とロッキングハブ機構100の内レース102を同じ方向に回転させる傾向があり、ローラ105を切り欠き104の最も浅い領域に押し出し、外レース101を内レース102にロックし、この方向への円錐ヘッド70の回転を防止する。反対方向では、外レース101は、ばね106の力に抗して、ローラ105を切り欠き104の最も深い領域の方向に押し込み、レースとのローラ105の摩擦を最小に抑えて、円錐ヘッド70の回転を可能にする。
【0042】
本発明の1つの実施形態だけが示されたが、添付の特許請求の範囲の中で定義された構成上の概念から逸脱することなく、形状および構成要素の装置組立における修正ができることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】破砕キャビティ開口が円錐ヘッドの軸方向変位によって調整されるタイプの従来技術の円錐破砕機の概略的な簡略化された垂直断面図である。
【図2】本発明によって作られた円錐破砕機の概略的な簡略化された垂直断面図である。
【図3a】支持ロッドの下端およびピストンの構成を示す、図2の拡大詳細図である。
【図3b】ピストンの側壁と油圧シリンダの側壁の間の球面結合「R」の構成を示す拡大詳細図である。
【図4】図2の線IV―IVに沿ってとられ、かつロッキングハブ装置を示す、円錐ヘッドのアキシアル軸受領域の水平断面図である。
【図5】図4の線V―Vに沿ってとられ、球面軸受が示されないロッキングハブ装置の直径断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部ハウジング(20)を上方に保持する構造物(10)と、垂直に構造物(10)に固定され、かつ上端(41)と、構造物(10)に取り付けられたアクチュエータ(A)に結合された下端(42)とをもつ支持ロッド(40)を収納する軸方向貫通孔(30a)を備える管状軸(30)と、上部ハウジング(20)の内部にあり、かつ破砕キャビティ(CB)をそれによって画定する円錐ヘッド(70)とを含み、前記円錐ヘッド(70)が、支持ロッド(40)の上端(41)に、軸方向にジャーナル支持され、かつ管状軸(30)の周りに径方向に、偏心的にジャーナル支持され、前記アクチュエータ(A)が、上部ハウジング(20)に対して、支持ロッド(40)および円錐ヘッド(70)の軸方向の位置決めを画定するように選択的に駆動される円錐破砕機であって、支持ロッド(40)が、円錐ヘッド(7)に関節連結されたその上端(41)と、構造物(10)との球面結合(R)を備えるその下端(42)とをもち、前記支持ロッド(40)が、管状軸(30)の軸方向貫通孔(30a)と共に、円錐破砕機の動作の間、円錐ヘッド(70)の振動に続く、球面結合(R)の周りの支持ロッド(40)の振動を可能にするのに十分な径方向ギャップを画定し、前記径方向ギャップが、支持ロッド(40)が管状軸(30)に接触することを防止するために、円錐ヘッド(70)のラジアル軸受の偏心より幾分大きいことを特徴とする、円錐破砕機。
【請求項2】
構造物(10)が、側壁(11a)をもつ油圧シリンダ(11)を含み、アクチュエータ(A)が、油圧シリンダ(11)の側壁(11a)と協働して、支持ロッド(40)の下端(42)に結合されかつ油圧シリンダ(11)の内部の油圧によって軸方向に変位される側壁(61)をもつピストン(6)によって画定され、球面結合(R)が、ピストン(60)−支持ロッド(40)と、ピストン(60)−油圧シリンダ(11)の結合要素の1つの協働で画定されることを特徴とする、請求項1に記載の円錐破砕機。
【請求項3】
球面結合(R)が、油圧シリンダ(11)の側壁(11a)と協働して、外向きに凸の円形弧の形状の区間を示すピストン(60)の側壁(61)によって画定されることを特徴とする、請求項2に記載の円錐破砕機。
【請求項4】
ピストン(6)の側壁(61)が、油圧シリンダ(11)の側壁(11a)に抗して作用するシーリングリング(62)を保持することを特徴とする、請求項3に記載の円錐破砕機。
【請求項5】
支持ロッド(40)の下端(42)が、回転的に、軸方向に、角度をなしてピストン(60)に固定され、ピストン(60)が管状軸(30)に対して回転的にロックされることを特徴とする、請求項3に記載の円錐破砕機。
【請求項6】
ピストン(60)が、管状軸(30)の軸方向貫通孔(30a)の拡大された下端(35)内に設けられた長手方向スロット(35a)に、キーによって、回転的にロックされる軸方向延長部(60a)を示すことを特徴とする、請求項5に記載の円錐破砕機。
【請求項7】
支持ロッド(40)の上端(41)が球面軸受(50)を固定し、円錐ヘッド(70)が、球面軸受(50)に、軸方向にジャーナル支持された球面端部(71)を備え、支持ロッド(40)が、高圧加圧潤滑油源に連結された下端と、球面軸受(50)の上に、円錐ヘッド(70)の流体静力学的支持を画定する円錐ヘッド(70)の球面端部(71)が設置される球面軸受(50)の面に押し付けられるために、球面軸受(50)の少なくとも1つの径方向チャネル(54)に連結された上端とをもつ中央軸方向チャネル(44)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の円錐破砕機。
【請求項8】
円錐ヘッド(70)が、管状軸(30)の周りに回転的に取り付けられた管状偏心部(80)の周りに径方向にジャーナル支持される円錐破砕機であって、円錐破砕機が荷重を受ける動作時に、管状偏心部(80)の回転と反対方向に円錐ヘッド(70)の緩やかな回転を可能とするために、ならびに円錐ヘッド(70)が管状偏心部(80)と同じ回転方向に回転することを防止するために、支持ロッド(40)が、管状軸(30)に対して、構造物(10)に回転的にロックされ、ロッキングハブ機構(100)が円錐ヘッド(70)の内部に取り付けられ、かつ支持ロッド(40)の上端(41)に動作的に結合されることを特徴とする、請求項1に記載の円錐破砕機。
【請求項9】
ロッキングハブ機構(100)が、円錐ヘッド(70)内に内部的に固定された外レース(101)と、支持ロッド(40)の上端(41)の周りに回転的にロックされ、ならびに可変の高さの複数の切り欠き(104)によって画定されかつテーパ付の壁(104a)によって画定された回転阻止手段を備える内レース(102)とを含み、切り欠き(104)のそれぞれが、外レース(101)の内部エッジ上に設置され、かつそれぞれの切り欠き(104)のテーパ付の壁(104a)上に設置され、また切り欠き(104)の最も浅い部分に向かって、ばね(106)によって絶えず弾性的に付勢されるローラ(105)を収納することを特徴とする、請求項8に記載の円錐破砕機。
【請求項10】
支持ロッド(40)の上端(41)が、球面軸受(50)を固定し、円錐ヘッド(70)が、球面軸受(50)に、軸方向にジャーナル支持された球面端部(71)を備え、ロッキングハブ機構(100)の内レース(102)が、球面軸受(50)の周りに回転的にロックされることを特徴とする、請求項9に記載の円錐破砕機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3a】
image rotate

【図3b】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−511254(P2009−511254A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−534830(P2008−534830)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【国際出願番号】PCT/BR2006/000213
【国際公開番号】WO2007/041819
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(507356741)メトソ・ブラジル・インダストリア・エ・コメルシオ・リミタダ (1)
【Fターム(参考)】