説明

再帰反射性絵具類組成物

【課題】 本発明の目的は、アルミニウム粒子やガラスビーズが使用されている従来の再帰反射性絵具類組成物おける再帰反射性の効果が小さくなる欠点を、克服した再帰反射性絵具類組成物を提供することである。
【解決手段】 本発明はこれらの欠点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
1)ガラスビーズ
2)ガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物
3)樹脂および/または樹脂エマルション
を含有した再帰反射性絵具類組成物を採用した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視認性に優れた再帰反射性の図柄を描くことができる絵具、すなわち再帰反射性絵具類に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、再帰反射性絵具類組成物には再帰反射の期待できる添加剤として、マイカおよび/またはアルミニウム粒子とガラスビーズが使用されている。これは特開2003−213213号公報(特許文献1)で既に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−213213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の再帰反射性絵具類組成物では一定の効果は得られるが、塗布面に塗布した際、アルミニウム粒子はガラスビーズを被覆してしまい、再帰反射効果に問題がある。またマイカは層状に重なり合った構造となっているため、厚みが一定ではないことから、鏡面構造にはなり得ないため、効率が良くないという問題点もある。尚、ここで再帰反射性とは、塗膜に入射した光が塗膜面で反射して再び光を放つことを言う。
【0005】
本発明の目的は、このような再帰反射性の効果が小さくなる欠点を克服した再帰反射性絵具類組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこれらの欠点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
1)ガラスビーズ
2)ガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物
3)樹脂および/または樹脂エマルション
を含有した再帰反射性絵具類組成物を採用した。
【0007】
種々検討した結果、本発明の再帰反射性絵具類組成物は従来の発明と比較し、非常に再帰反射性効率の良い組成を見出すことができた。それは、ガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物は、アルミニウム粉よりも隠蔽性が低いため、カ゛ラスヒ゛ース゛を覆い隠す可能性は低く、また、マイカよりも表面が平滑であるため、反射材としての効果はより大きいということを見出した。それにより先述の問題点が解消される。
【0008】
さらに本発明では、有色反射光を得るために着色剤が含まれていることが好ましい。 特に本発明では、組成物中に含まれるガラスフレーク顔料、酸化アルミニウムのTiO2被覆物及びガラスビーズの総重量の内、ガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物が0.1〜8重量%含まれていることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の再帰反射性絵具類組成物は、
1)ガラスビーズ
2)ガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物
3)樹脂および/または樹脂エマルション
を含有しているのでより強い再帰反射性の効果に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の再帰反射性絵具類組成物組成物は
1)ガラスビーズ
2)ガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物
3)樹脂および/または樹脂エマルション
を含有した再帰反射性絵具類組成物である。
【0011】
(ガラスビーズ)
本発明で用いられるガラスビーズは、入射光をビーズ内で屈折させてビーズ球面に焦点を結ばせ、反射光となって再帰させるという働きを持っている。このため、ガラスビーズは1.5〜2.5の屈折率を有することが好ましく、より好ましくは1.9〜2.3である。ガラスビーズの屈折率が1.5未満であると、屈折率が低いため反射光の方向が大幅にずれて視認性が著しく低下する恐れがあり、2.5を超える場合も、反射光の方向がずれて視認性が低下する恐れがある。ガラスビーズは、5〜300μmの粒子径を有することが好ましく、より好ましくは10〜80μmである。ガラスビーズの粒子径が5μm未満であると、ガラスビーズの下側にガラスフレーク顔料や酸化アルミニウムのTiO2被覆物や色素成分が位置する構造が形成されにくく、反射光が弱くなって視認性が著しく劣る恐れがあり、300μmを超えると、ガラスビーズの表面積が極端に小さくなって反射光量が少なくなり、視認性が低下したり、塗布対象物への再帰反射性絵具類組成物の接着性が低下する恐れがある。
【0012】
ガラスビーズの配合割合は、本発明の再帰反射性絵具類組成物全量に対して30〜85重量%であることが好ましく、より好ましくは40〜70重量%である。30重量%未満であると反射光量が少なくなって視認性が低下する恐れがあり、85重量%を超えると、再帰反射性絵具類組成物におけるガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物の粒子や、樹脂および/または樹脂エマルション成分、色素成分の相対含有比率が下がり、再帰反射色光が弱くなったり、塗布対象物への塗膜の接着性が低下したりする恐れがある。
【0013】
(ガラスフレーク顔料)
本発明で用いられるガラスフレーク顔料は、フレーク状ガラスが金属で皮膜された構造からなり、光輝感と立体感を有する顔料として定義される。
一例を挙げれば、フレーク状ガラスが無電解メッキ法により金属で皮膜されたガラスフレーク顔料を使用することができる。たとえば銀で皮膜された東洋アルミニウム社製の商品名「メタシャインREFSX−2015PS」、「メタシャインREFSX−2025PS」、及び「メタシャインREFSX−2040PS」、日本板硝子社製の商品名「メタシャインRCFSX−5480PS」、「メタシャインRCFSX−5230PS」、「メタシャインRCFSX−5150PS」、「メタシャインRCFSX−5090PS」を例示することができる。
【0014】
また、フレーク状ガラスがスパッタリング法により金属で被覆されたガラスフレーク顔料も使用することができる。例えば、銀で被覆された東洋アルミニウム社製の商品名「クリスタルカラーGF2125」、「クリスタルカラーGF2125−M」、「クリスタルカラーGF2140」、「クリスタルカラーGF2140−M」がある。また、ニッケル・クロム・モリブテンで皮膜された同社製の商品名「クリスタルカラーGF2525」、「クリスタルカラーGF2525−M」、「クリスタルカラーGF2540」、「クリスタルカラーGF2540−M」がある。また、真鍮で皮膜された同社製の商品名「クリスタルカラーGF250」、銀合金で皮膜された同社製の商品名「クリスタルカラーGF1445」がある。
【0015】
本発明では、ガラスフレーク顔料のメジアン径は500μm以下、好ましくは(5〜100μm)が好適である。ガラスフレーク顔料のメジアン径が、5μm未満の場合は上記の無機顔料粒子が小さすぎるため再帰反射性が劣り、500μmを超えると描画性が低下し、均一な塗膜ができない状態になるため好ましくない。
【0016】
本発明において再帰反射性絵具類組成物中に含まれるガラスフレーク顔料、酸化アルミニウムのTiO2被覆物及びガラスビーズの総重量の内、ガラスフレーク顔料が0.1〜8重量%含まれていることが好ましい。さらに好適には0.5〜5重量%含まれていることが好ましい。ガラスフレーク顔料が再帰反射性絵具類組成物中に含まれるガラスフレーク顔料、酸化アルミニウムのTiO2被覆物及びガラスビーズの総重量に対して、0.1重量%未満の場合は、十分な再帰反射性の効果が得られない。また、8重量%を超えると、固形分が多くなり、絵具としては粘度が高すぎて流動性が低下し、描画性(筆さばき性)が低下し好ましくない。更に隠蔽性を有するようになり、再帰反射性が弱くなる不具合も発生する。なお、ガラスフレーク顔料は1種又は2種以上混合して用いることができる。また、ガラスフレーク顔料を、酸化アルミニウムのTiO2被覆物、アルミニウム顔料、パール顔料などの光輝性顔料と混合して用いることもできる。
【0017】
(酸化アルミニウムのTiO2被覆物)
本発明で用いられる酸化アルミニウムのTiO2被覆物は、結晶成長法を用いて人工的に合成したフレーク状の酸化アルミニウムを基材に、酸化チタンのコーティングを施したエフェクト顔料を指す。一例を挙げれば、MERCK社製酸化チタン被服タイプ酸化アルミニウム「Xirallic T60−10WNT Crystal Silver」、「Xirallic T50−10」、「Xirallic T60−20 WNT Sunbeam Gold」、 「Xirallic T60−21 WNT Solaris Red」、「Xirallic T60−23 WNT Galaxy Blue」、「Xirallic T60−24 WNT Stellar Green」、「Xirallic T60−25 WNT Cosmic Turquoise」がある。
【0018】
本発明では、酸化アルミニウムのTiO2被覆物のメジアン径は500μm以下、好ましくは(5〜100μm)が好適である。酸化アルミニウムのTiO2被覆物のメジアン径が、5μm未満の場合は上記の無機顔料粒子が小さすぎるため再帰反射性が劣り、500μmを超えると描画性が低下し、均一な塗膜ができない状態になるため好ましくない。
【0019】
本発明において再帰反射性絵具類組成物中に含まれるガラスフレーク顔料、酸化アルミニウムのTiO2被覆物及びガラスビーズの総重量の内、酸化アルミニウムのTiO2被覆物が0.1〜8重量%含まれていることが好ましい。さらに好適には0.5〜5重量%含まれていることが好ましい。 酸化アルミニウムのTiO2被覆物が再帰反射性絵具類組成物中に含まれるガラスフレーク顔料、酸化アルミニウムのTiO2被覆物及びガラスビーズの総重量に対して、0.1重量%未満の場合は、着色力が不足し、十分な再帰反射性の効果が得られない。8重量%を超えると、固形分が多くなり、絵具としては粘度が高すぎて流動性が低下し、描画性(筆さばき性)が低下し好ましくない。更に隠蔽性を有するようになり、再帰反射性が弱くなる不具合も発生する。なお、酸化アルミニウムのTiO2被覆物は1種又は2種以上混合して用いることができる。また、酸化アルミニウムのTiO2被覆物を、ガラスフレーク顔料、アルミニウム顔料、パール顔料などの光輝性顔料と混合して用いることもできる。
【0020】
また、ガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物は、再帰反射性絵具類組成物全量に対して0.03〜6.8重量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜3.5重量%である。0.03重量%未満であると十分な再帰反射性の効果が得られなく、6.5重量%を超えると固形分が多くなり、絵具としては粘度が高すぎて流動性が低下し、描画性(筆さばき性)が低下し好ましなく、更に隠蔽性を有するようになり、再帰反射性が弱くなる不具合も発生する。
【0021】
さらに、本発明において再帰反射性絵具類組成物中に含まれるガラスフレーク顔料、酸化アルミニウムのTiO2被覆物及びガラスビーズの総重量の内、ガラスフレーク顔料および酸化アルミニウムのTiO2被覆物が0.1〜8重量%含まれていることが好ましい。さらに好適には0.5〜5重量%含まれていることが好ましい。ガラスフレーク顔料および酸化アルミニウムのTiO2被覆物が再帰反射性絵具類組成物中に含まれるガラスフレーク顔料、酸化アルミニウムのTiO2被覆物及びガラスビーズの総重量に対して、0.1重量%未満の場合は、十分な再帰反射性の効果が得られない。また、8重量%を超えると、固形分が多くなり、絵具としては粘度が高すぎて流動性が低下し、描画性(筆さばき性)が低下し好ましくない。更に隠蔽性を有するようになり、再帰反射性が弱くなる不具合も発生する。
【0022】
(樹脂および/または樹脂エマルション)
樹脂としては造膜性を有するものが好ましい。一例を挙げれば一般的に絵具で使用される樹脂としてアラビアガム、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールなどの高分子物質等が挙げられる。また樹脂エマルションとしては、合成樹脂エマルションであれば格別限定されるものではないが、造膜し、さらにそれが耐水性を有するものが好適であり、具体的には、アクリル系合成樹脂エマルション、酢酸ビニル系合成樹脂エマルションが挙げられる。
【0023】
これらの樹脂および/または樹脂エマルションは、再帰反射性絵具類の全量中1〜40重量%含まれていることが好ましい。上記樹脂および/または樹脂エマルションが再帰反射性絵具類の全量中1重量%未満の場合はガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物の分散性が十分でなく、接着性が低下する。樹脂および/または樹脂エマルションが再帰反射性絵具類の全量中40重量%を超えると、再帰反射性絵具類としては粘度が高くなり、流動性が低下し、描画性が低下する。これらの樹脂および/または樹脂エマルションの最適配合量は、水溶性樹脂の種類によってやや異なるが、4〜25重量%である。これらの樹脂および/または樹脂エマルションは単独又は二種以上組合わせて使用できる。
【0024】
(着色剤)
着色剤としては着色効果の有する顔料が好ましい。しかし耐光性が必要でない場合はその限りでなく、染料を使用することができる。具体的には顔料においては、カーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料、銅フタロシアニン系顔料、スレン系顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アンスラキノン系顔料、ジオキサン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、インドレノン系顔料、アゾメチン系顔料などの有機顔料のほか、蛍光顔料、着色樹脂エマルションなどが挙げられる。一方染料においては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン及びナフトキノン染料、ナフタリイミド染料、ペリノン染料等が挙げられる。本発明での着色剤は1種または2種以上を混合して使用することができる。また本発明のガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物等と、アルミニウム粉顔料、パール顔料等と混合して用いることができる。
【0025】
本発明の再帰反射性絵具類組成物では、着色剤は必ずしも含まれていなくても差し支えない。着色剤は含まれていないがガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物が含まれている再帰反射性絵具類組成物でも、強い再帰反射光を筆跡または塗膜に与えることができる。他方、着色剤が含まれている再帰反射性絵具類組成物では、着色剤の色相等によってその色調に応じた再帰反射性を塗膜に与えることができる点できわめて好ましい。
【0026】
なお、着色剤は、再帰反射性絵具類組成物全重量中10重量%以下、好ましくは5重量%以下含まれていることが好ましい。上記着色剤が再帰反射性絵具類組成物全重量中10重量%を超える場合は、再帰反射性の効力が著しく低下する。
【0027】
(その他の添加剤)
その他、必要に応じてpH調整剤、防錆剤、防腐防黴剤、体質顔料、水、有機溶剤、湿潤剤、界面活性剤、分散剤等の各種の公知の添加剤を含有することができる。
【実施例】
【0028】
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、これらの実施例の範囲に限定されるものではない。実施例1〜7及び比較例1〜4で構成される表1に示す組成のインキをそれぞれ調製した。まず、原料をディゾルバー等で攪拌した後、真空脱泡を行い、各実施例および比較例の再帰反射性絵具類組成物を作製した。なお、有機顔料、体質顔料などを添加するときは、ガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物、ガラスビーズなど以外の原料をロールミルにてよく混錬した後、ガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物、ガラスビーズを投入し、上記工程を行う。
【0029】
【表1】

【0030】
表1に示す成分は以下の通りである。尚、表の数値は重量%を表す。
(樹脂)
商品名「セロゲン5A」、カルボキシメチルセルロース、第一工業製薬株式会社製
(樹脂エマルション)
「モビニールDM−5」酢酸ビニル−アクリル共重合体エマルション(濃度53重量%) クラリアントポリマー株式会社製
(湿潤剤)
グリセリン、新日本理化株式会社製
(防腐防黴剤)
商品名「プロクセルXL−2」、アビシア株式会社製
(ガラスビーズ)
ユニビーズ UB−35M(屈折率1.92 粒径53〜75μm)株式会社ユニオン製
(ガラスフレーク顔料)
(1);商品名「メタシャインREFSX−2025PS」東洋アルミニウム株式会社製、メジアン径約25μm
(2);商品名「メタシャインREFSX−2040PS」東洋アルミニウム株式会社製、メジアン径約40μm
(酸化アルミ-TiO2皮膜)
商品名「Xirallic T60−10 WNT Crystal Silver」(MERCK社製)
(顔料)
商品名「セイカファストエロー10GHコンクS」、大日精化社製 Pigment Yellow 3
(アルミペースト)商品名「F−500SI」(平均粒径15μm)昭和アルミパウダー株式会社製
(マイカ)
商品名「Iriodin 100 Silver」(粒子径10〜60μm)MERCK社製
【0031】
(インキ組成物の評価)
(再帰反射性)
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた再帰反射性絵具類組成物と水とを、5:1の割合でよく混ぜ合わせ、平筆を用いて、市販のルーズリーフ用紙に塗布し、その塗布物を暗闇で10m離れたところから懐中電燈の光で照らし、その再帰反射性をそれぞれ評価した。再帰反射性は目視観察により行い、再帰反射性、即ち反射光の輝きの極めて強いものを○、反射光の輝きの強いものを△、反射光の輝きの弱いもの又は反射光の輝きのないものを×とした。
【0032】
(インキ組成物の評価)
(筆さばき性)
実施例1〜7及び比較例1〜4で得られた再帰反射性絵具類組成物を、平筆を用いて市販のルーズリーフ用紙に塗布し、その筆さばき性(描画性)、即ち塗布する際の筆操作の軽快性を以下の評価基準により評価して、筆さばき性を評価した。
○ ; 筆さばきが極めて良好である。
△ ; 筆さばきが良好である。
× ; 筆さばきが重い。
【0033】
(評価結果)
実施例1〜7に係る絵具組成物は、懐中電燈の光を照らすと、著しい光輝感が確認できた。また塗布する際の筆さばきも何ら問題なく塗布できる。一方、比較例1〜4に係る絵具組成物では、懐中電燈の光を照らすとある程度の光輝感は確認できるものの、本発明と比較するとその光輝感は劣る。また、比較例3は反射材的要素が配合されていないため、再帰反射は確認されなかった。さらに、比較例4では、懐中電燈の光を照らすと、著しい光輝感が確認できたが、ガラスフレーク量が過多であるため、塗布する際の筆さばきが非常に重く、思い通りの描画ができない状態であった。



【特許請求の範囲】
【請求項1】
必須成分として、
1)ガラスビーズ
2)ガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物
3)樹脂および/または樹脂エマルション
を含んでなる再帰反射性絵具類組成物。
【請求項2】
さらに着色剤が含まれている請求項1記載の再帰反射性絵具類組成物。
【請求項3】
組成物中に含まれるガラスフレーク顔料、酸化アルミニウムのTiO2被覆物及びガラスビーズの総重量の内、ガラスフレーク顔料および/または酸化アルミニウムのTiO2被覆物が0.1〜8重量%含まれている請求項1又は2記載の再帰反射性絵具類組成物。
【請求項4】
樹脂および/または樹脂エマルションが絵具類組成物全重量中1〜40重量%含まれている請求項1乃至3のいずれかに記載の再帰反射性絵具類組成物。

【公開番号】特開2006−143798(P2006−143798A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333094(P2004−333094)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(390039734)株式会社サクラクレパス (211)
【Fターム(参考)】