説明

再建靱帯固定具

【課題】再建靱帯の縫合糸を強固に固定する。
【解決手段】固定具本体25の嵌合空間X1に嵌合子26を嵌め合わせたとき、固定具本体25及び嵌合子26によって固定用骨孔12(15)から導出された縫合糸11(14)を挿通させる挿通通路を形成し、挿通通路に設けられた圧接面X2、X3を縫合糸11(14)に圧接することによって縫合糸11(14)を挿通通路に固定保持するようにし、これにより縫合糸11(14)に適度な緊張力を与えながら強固に固定することによって再建靱帯8を、癒合用骨孔6(7)に対して隙間なく密接させた状態で移植させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は再建靱帯固定具に関し、特に再建靱帯を大腿骨又は脛骨に対して強固に固定できるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、膝関節の前十字靱帯(anterior cruciate ligament:ACL)を過激なスポーツ等によって損傷した場合、両端部に縫合用の糸又はワイヤ(これを縫合糸と呼ぶ)を接合した再建靱帯を、外科的手術によって大腿骨又は脛骨内に穿設した骨孔に挿入し、当該両端部の縫合糸を大腿骨又は脛骨に固定された固定部に締結することにより、再建靱帯を膝関節の骨組織に癒合させる靱帯再建手法が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−272756公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、この種の従来の靱帯再建手法においては、骨孔内に挿入した再建靱帯を大腿骨又は脛骨に締結する手段としての縫合糸を安定に固定部に固定できないと、骨孔に対する再建靱帯の密接度が十分でないことに基づいて、再建靱帯の骨組織に対する癒合に必要な時間が長くかかる問題がある。
【0005】
本願発明は以上の点を考慮してなされたもので、骨孔に対する再建靱帯の癒合を一段と確実になし得る再建靱帯固定具を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明においては、嵌合空間X1を有し、大腿骨2又は脛骨3の骨表面2A、3Aにおいて、大腿骨2又は脛骨3に穿設された大径の癒合用骨孔6、7に挿入された再建靱帯8の大腿骨側端部又は脛骨側端部に接合された縫合糸11、14を癒合用骨孔6、7の先端から骨表面2A、3Aに導出するように穿設された小径の固定用骨孔12、15の導出口位置に設けられた固定具本体25、61、71、83、98、117、133、143、152と、この固定具本体の嵌合空間X1に嵌め合わされたとき、固定具本体と共に、固定用骨孔2A、3Aから導出された縫合糸11、14を挿通させる挿通通路を形成し、挿通通路に設けられた圧接面(28A、29A)、(64、61C)、(87A、87B)、(122A〜122D、125)、(103A〜103D)、(136、133)、(146A、143)、(152、154)を縫合糸11、14に圧接することにより縫合糸11、14を挿通通路に固定保持する嵌合子26、62、73、85、99、118、134、144、154とを設ける。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、固定具本体の嵌合空間に嵌合子を嵌め合わせたとき、固定具本体及び嵌合子によって固定用骨孔から導出された縫合糸を挿通させる挿通通路を形成すると共に、挿通通路に設けられた圧接面を縫合糸に圧接することによって縫合糸を挿通通路に固定保持するようにし、これにより縫合糸に適度な緊張力を与えることによって再建靱帯を、癒合用骨孔に対して隙間なく密接させた状態で、移植させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】関節に対する再建靱帯の移植構造を示す略線的断面図である。
【図2】側固定具の全体構造示す斜視図である。
【図3】固定具の断面構造を示す斜視図である。
【図4】縫合糸に対する固定具本体及び嵌合子の挿入操作の説明に供する略線図である。
【図5】嵌合子を固定具本体に引き寄せる操作を示す略線図である。
【図6】固定具本体に対する嵌合子の嵌合せ操作を示す略線図である。
【図7】縫合糸に対する嵌合子による締込み操作を示す略線図である。
【図8】縫合糸の固定に対する縫合操作を示す略線図である。
【図9】比較例の説明の供する略線的断面図である。
【図10】固定具の第2の実施の形態を示す斜視図である。
【図11】縫合糸に対する固定具本体及び嵌合子の挿入操作を示す略線図である。
【図12】縫合糸に対する嵌合子による締込み操作を示す略線図である。
【図13】固定具の第3の実施の形態を示す斜視図である。
【図14】縫合糸に対する固定具本体及び嵌合子の挿入操作を示す略線図である。
【図15】嵌合子による締込み操作を示す略線図である。
【図16】固定具の第4の実施の形態を示す斜視図及び断面部である。
【図17】縫合糸に対する固定具本体及び嵌合子の挿入操作を示す略線図である。
【図18】嵌合子による締込み操作を示す略線図である。
【図19】固定具の第5の実施の形態を示す斜視図及び断面部である。
【図20】縫合糸に対する固定具本体及び嵌合子の挿入操作を示す略線図である。
【図21】縫合糸に対する嵌合子による締込み操作を示す略線図である。
【図22】固定具の第6の実施の形態を示す斜視図である。
【図23】縫合糸に対する固定具本体及び嵌合子の挿入操作を示す略線図である。
【図24】縫合糸に対する嵌合子による締付け操作を示す略線図である。
【図25】固定具の第7の実施の形態を示す断面図である。
【図26】縫合糸に対する固定具本体及び嵌合子の挿入操作を示す略線図である。
【図27】縫合糸に対する嵌合子による締込み操作を示す略線図である。
【図28】固定具の第8の実施の形態を示す断面図である。
【図29】固定具本体及び嵌合子の貫通孔の配置関係を示す平面図である。
【図30】縫合糸に対する固定具本体及び嵌合子の挿入操作を示す略線図である。
【図31】縫合糸に対する嵌合子による締込み操作を示す略線図である。
【図32】固定具の第9の実施の形態を示す断面図である。
【図33】縫合糸に対する固定具本体及び嵌合子の挿入操作を示す略線図である。
【図34】縫合糸に対する嵌合子による締込み操作を示す略線図である。
【図35】固定具の第10の実施の形態を示す断面図である。
【図36】固定具本体及び嵌合子の配置関係を示す平面図である。
【図37】縫合糸に対する固定具本体及び嵌合子の挿入操作を示す略線図である。
【図38】縫合糸に対する嵌合子による締込み操作を示す略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0010】
(1)再建靱帯の移植構造
図1において、1は、全体として、膝の前十字靱帯についての再建靱帯の移植構造を示し、大腿骨2及び脛骨3間の関節4側から大腿骨2の外側顆5に穿設された大径の癒合用骨孔6と、関節4側から脛骨3に穿設された大径の癒合用骨孔7との間に、例えば骨片付膝蓋腱(bone−patellar tendon−bone:BTB)又はハムストリングスから採取した再建靱帯8の両端部がそれぞれ挿入されている。
【0011】
再建靱帯8の大腿骨2側の端部に接合された縫合糸11は、癒合用骨孔6の先端面6Aから外方に穿設された小径の固定用骨孔12を通って、当該大腿骨側端部を外方向に適度な緊張力をもちながら、骨表面2Aに設定された大腿骨側固定具13に締結されている。
【0012】
大腿骨2側の癒合用骨孔6の内径は、再建靱帯8の大腿骨側端部の太さに適合する大きい太さ(すなわち大径)を有し、多くの場合、断面円形で直径が一束では9〜12〔mm〕、二重束では各5〜8〔mm〕に選定されている。
【0013】
これに対して縫合糸11を挿通する固定用骨孔12は、縫合糸11の外径に適合する小さい太さ(すなわち小径)を有し、この実施の形態の場合、断面円形で2.4〜4.5〔mm〕に選定されている。
【0014】
固定用骨孔12の内側端は、癒合用骨孔6の先端面6Aに連通すると共に、外側端は大腿骨2の外側顆5を覆う皮膚31に小切開32を加えることにより形成された骨表面2Aに露出している。
【0015】
このようにして、直径が大きい大径の癒合用骨孔6の先端面6Aから、直径が小さい小径の固定用骨孔12が連通するように穿設されていることにより、癒合用骨孔6の先端面6Aには、癒合用骨孔6と固定用骨孔12との境界位置に段部6Bが形成され、再建靱帯8の大腿骨端部は縫合糸11から与えられる緊張力によって段部6B及びその周辺部に隙間なく密接した状態に保持される。
【0016】
また再建靱帯8の脛骨側端部に接合されている縫合糸14は、大径の癒合用骨孔7から小径の固定用骨孔15を通って、外方向に適度な緊張力をもちながら、脛骨側固定具16に固定されている。
【0017】
大腿骨2側と同様にして、脛骨3側の癒合用骨孔7の直径は、再建靱帯8の脛骨側端部の太さに適合する大きい太さ(この実施の形態の場合直径が一束では9〜12〔mm〕、二重束では各5〜8〔mm〕)に選定されていると共に、固定用骨孔15の太さは縫合糸14の外径に適合する小さい太さ(この実施の形態の場合直径2.4〜4.5〔mm〕)に選定されている。
【0018】
固定用骨孔15の内側端は癒合用骨孔7の先端面7Aに連通すると共に、外側端は脛骨3の皮膚に小切開32Xを加えることにより形成された骨表面3Aに露出している。
【0019】
かくして大腿骨2側の癒合用骨孔6の場合と同様にして、脛骨3側の癒合用骨孔7と固定用骨孔15との境界位置に段部7Bが形成され、再建靱帯8の脛骨側端部は縫合糸14から与えられる緊張力によって段部7B及びその周辺部に隙間なく密接した状態に保持される。
【0020】
(2)固定具の構成
大腿骨側固定具13(又は脛骨側固定具16)は、図2及び図3に示すように、円筒形状を有しかつ骨表面2A(又は3A)上に配設される固定具本体25と、当該固定具本体25の中心孔25Aに外側(上方)から嵌め合せ保持される円筒状の嵌合子26とで構成されている。
【0021】
固定具本体25には、円筒形状の中心線の方向に沿って貫通する4つの貫通孔27A〜27Dが90〔°〕の角等間隔を保つ位置に穿設されており、これにより再建靱帯8の大腿骨2又は脛骨3側の端部に接合された4本の縫合糸11(又は14)をそれぞれ下面側から上面側に貫通させるようになされている。
【0022】
この実施の形態の場合、各縫合糸11(又は14)は、多数の縫合糸用繊維を所定の太さに撚り合せた構成又は撚り合せた複数の縫合糸用繊維の束をさらに撚り合せたワイヤの構成を有する。
【0023】
固定具本体25の中心孔25Aの内面には、当該貫通孔27A〜27Dに沿って上下方向に延長する4つの断面円弧状の浅い割り溝28A〜28Dが穿設されている。
【0024】
嵌合子26の外周面には、固定具本体25の貫通孔27A〜27Dに対向するように、断面円弧状の浅い割り溝29A〜29Dが、中心孔26を中心にした90〔°〕角等間隔位置に穿設されている。
【0025】
かくして、固定具本体25の中心孔25Aは嵌合子26が嵌め合わされる嵌合空間X1を形成すると共に、中心孔25Aの内周面に穿設された割り溝28A〜28Dは、嵌合子26が上方から嵌め合わされたとき、嵌合子26の外周面に穿設された割り溝29A〜29Dが圧着面X2となりかつ中心孔25Aの内周面に穿設された割り溝28A〜28Dが挟着受け面X3となって縫合糸11(又は14)を間に挟んで挟着する。
【0026】
これにより、割り溝29A〜29Dを圧着面X2としかつ割り溝28A〜28Dを挟着受け面X3として、縫合糸11(又は14)を間に挟んで挟着保持する圧接保持手段X4が形成される。
【0027】
この実施の形態の場合、図3に示すように、固定具本体25の中心孔25Aの内周面に上方から下方に向かって内径が少し拡大する係止用段部25Bが形成されており、これにより嵌合子26が固定具本体25に嵌め合わされたとき、嵌合子26が係止用段部25Bに係止される。
【0028】
また、嵌合子26の下方端部には、図3に示すように、嵌合子26を固定具本体25の中心孔25Aに嵌め込む際に、これを容易にするために、挿入方向の先端部に滑り傾斜面38を設け、これにより嵌合子26の嵌め合せ時に固定具本体25の中心孔25A(従って嵌号空間X1)への位置合せを容易にできるようになされている。
【0029】
(3)固定具への縫合糸の締結
大腿骨側固定具13(又は脛骨側固定具16)は、図4〜図7に示す手順に従って、大腿骨2(又は脛骨3)の固定用骨孔12(又は15)から骨表面2A(又は3A)上に引き出された縫合糸11(又は14)(この実施の形態の場合4本の縫合糸用繊維の撚り糸でなる)を、骨表面2A(又は3A)に固定する。
【0030】
先ず、図4に示すように、固定用骨孔12(又は15)を通って当該小切開32(又は32X)によって外部に露出した骨表面2A(又は3A)から導出された4本の縫合糸11(又は14)は、それぞれ固定具本体25の貫通孔27A〜27Dを挿通させることにより固定具本体25を骨表面2A(又は3A)の固定用骨孔12(又は15)の導出口上に設定する。
【0031】
貫通孔27A〜27Dを通った4本の縫合糸11(又は14)の先端側は、嵌合子26の中心孔26Aを通って上方に引き出される。
【0032】
続いて、縫合糸11(又は14)の先端部に挿入された嵌合子26は、図5に示すように、中心孔26Aを挿通している縫合糸11(又は14)に沿ってずらすように固定具本体25の方向に引き寄せられる。
【0033】
やがて嵌合子26が固定具本体25の位置に来ると、嵌合子26の直径が固定具本体25の中心孔25Aの直径より僅かに小さい値に選定されていることにより、図6に示すように、嵌合子26の下端部が嵌合空間X1を形成する固定具本体25の中心孔25A内に嵌め合わされて行く。
【0034】
このとき固定具本体25の貫通孔27A〜27Dを通って上方に延長していた4本の縫合糸11(又は14)は、固定具本体25の内表面に形成されている割り溝28A〜28Dと、嵌合子26の外表面に形成されている割り溝29A〜29Dとの間に挟まれるように摺接しながら折り込まれて行く。
【0035】
かかる4本の縫合糸11(又は14)の割り溝28A〜28D及び29A〜29D間への折り込みは、嵌合子26の割り溝29A〜29Dと中心孔26Aとの間に形成されている壁部の下端面が対応する4本の縫合糸11(又は14)に摺接しながら当該縫合糸11(又は14)を下方に引き込みながら折り込んで行く。
【0036】
この嵌合子26の下端面の折込み動作の際には、当該下端面が4本の縫合糸11(又は14)を、固定具本体25の貫通孔27A〜27Dを通して、固定用骨孔12(又は15)内の縫合糸11(又は14)を上方外部に引き出すような力を作用する。
【0037】
このように縫合糸11(又は14)を固定用骨孔12(又は15)から上方外部に引き出すような適度な緊張力を与えながら、図7に示すように、嵌合子26が固定具本体25の中心孔25Aに嵌め込み保持される。
【0038】
このとき、大腿骨側固定具13(又は脛骨側固定具16)は、嵌合子26を固定具本体25の嵌合空間X1に嵌め合わされたことにより、固定具本体25の割り溝28A〜28Dと、嵌合子26の割り溝29A〜29Dとの間に縫合糸11(又は14)を挿通する挿通通路を形成しており、当該挿通通路の両側にある割り溝28A〜28D及び29A〜29Dが縫合糸11(又は14)に圧接する圧接面となり、この結果、縫合糸11(又は14)を挿通通路に固定保持した状態になる。
【0039】
かくして、再建靱帯8は、癒合用骨孔6(又は7)内において縫合糸11(又は14)によって大腿骨側固定具13(又は脛骨側固定具16)の方向に適度な緊張力が与えられることにより、当該再建靱帯8は、大腿骨側端面(又は脛骨側端面)が癒合用骨孔6(又は7)の段部6B(又は7B)及びその周辺部に隙間なく当接した状態で当該大腿骨側端部(又は脛骨側端部)が癒合用骨孔6(又は7)の端部内面に密着する状態に移植される。
【0040】
これに加えて、固定具本体25の中心孔25Aに嵌合子26を嵌め込んだ状態において、嵌合子26の中心孔26Aから外部に導出された4本の縫合糸11(又は14)は、図8に示すように、互いに撚り合わせるように縫合され、当該縫合部40が嵌合子26及び固定具本体25の外側表面に密着するように形成されることにより、縫合糸11(又は14)に対する大腿骨側固定具13(又は脛骨側固定具16)への締結強度がさらに補強される。
【0041】
(4)再建靱帯の移植の効果
上述の実施の形態の再建靱帯8に対する固定具13(又は16)によれば、再建靱帯8を移植する大腿骨2の癒合用骨孔6及び脛骨3の癒合用骨孔7に対して、再建靱帯8の大腿骨側(又は脛骨側)端部を、適度な緊張を与えながら隙間なく密接させるように強固に移植させることができることにより、移植後の再建靱帯8の大腿骨2及び脛骨3への癒合を、癒合時間が一段と短くかつ確実に行わせることができる。
【0042】
比較例として、特許文献1に記載の従来の方法に基づいて再建靱帯の移植をした場合との比較を述べるに、当該比較例の移植構造41は、図9に示すように、大腿骨42に対して、脛骨43に開けた直径7〔mm〕の癒合用骨孔44を利用して直径7〔mm〕の癒合用骨孔45を開ける。
【0043】
この場合、移植される再建靱帯46の大腿骨側端部に接合された縫合糸47の先端には、商品名「エンドボタン」として市販されている固定具48が予め接合されており、大腿骨側の癒合用骨孔45の先端に開けられた直径4.5〔mm〕の固定用骨孔49を通じて大腿骨42の骨表面50に引き出される。
【0044】
再建靱帯46の脛骨側端部に接合された縫合糸51は、脛骨側の癒合用骨孔44から外部に導出されて脛骨43上に固着された固定具52に固定される。
【0045】
図9の比較例の場合、再建靭帯46の癒合用骨孔45に挿入する際には、骨表面50の外側から固定用骨孔49を通したリードワイヤによってエンドボタンでなる固定具48を骨表面50に引き出すことにより、再建靱帯46を脛骨43の癒合用骨孔44側から大腿骨42の癒合用骨孔45に引き込む。
【0046】
エンドボタンで構成される固定具48は、縦長の楕円形状の板状部材でなり、当該板状部材に穿設された取付孔に縫合糸47を結び付けた構成を有し、縦長方向に癒合用骨孔44及び45を通しながら骨表面50側に引き出された固定具48は、その長手方向の板面が固定用骨孔49を塞ぐように向きを90〔°〕回転された後、再建靱帯46を縫合糸51によって脛骨側の癒合用骨孔44側から引き戻すことにより、固定具48を大腿骨42の骨表面50に設定させる。
【0047】
図9の比較例の移植構造41によれば、固定具48を大腿骨42の骨表面50に設定させる際に、固定具48の縫合糸47に対する向きを回転させて骨表面50上に固定させるために、再建靱帯46を必ず脛骨43側の癒合用骨孔44側に引き戻す必要がある。
【0048】
かくして大腿骨42の癒合用骨孔45に挿入された再建靱帯46は、引き戻し長さLX(10〔mm〕程度)の空所を、再建靱帯46の先端と、大腿骨42の癒合用骨孔45の先端との間に空けた状態で癒合用骨孔45に移植されることになる。
【0049】
この引き戻し長さLXの空所があると、この空所に対する再建靱帯46の癒合にかなりの時間がかかる問題がある。
【0050】
これに加えて脛骨43の癒合用骨孔44と大腿骨42の癒合用骨孔45とを通って再建靱帯46を挿入するとき、先端側にある固定具48を骨表面50側に引き込む際に、少なくとも当該固定具48を通すために、その横幅分は癒合用骨孔44及び45の直径を大きくしなければならないために、再建靱帯46の癒合用骨孔44及び45との間を密着させるような状態で移植することができず、これにより移植後の再建靱帯46が癒合用骨孔44及び45内において安定に固定できない問題がある。
【0051】
このような図9の比較例と比較して、上述の実施の形態による大腿骨側固定具13(又は脛骨側固定具16)を用いれば、再建靱帯8の端部と癒合用骨孔6(又は7)との間を隙間なく密接させるような移植ができる。
【0052】
かくして上述の実施の形態によれば、比較例と比較して、再建靱帯8を一段と強固に固定できるような再建靱帯の固定具を実現できる。
【0053】
(5)固定具の他の実施の形態
以下に、図1〜図9との対応部分に同一符号を付して示す図面について、他の実施の形態を述べる。
【0054】
(5−1)第2の実施の形態
図10は第2の実施の形態の大腿骨側固定具13A(又は脛骨側固定具16A)を示し、円筒状固定具本体61の中心孔61Aを嵌合空間X1として円柱状嵌合子62を嵌め合わせる構成を有する。
【0055】
嵌合子62には、再建靱帯8の4本の縫合糸11(又は14)をそれぞれ挿通する4つの貫通孔63A〜63Dが、上下方向に延長する中心柱状部64を中心として90〔°〕の角等間隔を保った位置に設けられている。
【0056】
固定具本体61の中心孔61Aでなる嵌合空間X1は、その上半部61AXが円柱形状に形成されているのに対して、下方の下半部61BXが下方に行くに従って中心方向に先細りに傾斜する円錐台形状の傾斜面61Cを有する。
【0057】
嵌合子62は当該固定具本体61の中心孔61Aの空間に嵌め合うような外形形状を有し、これにより上半部61AXによって貫通孔63A〜63Dが断面円筒形状を有するのに対して、下半部63BXにおいて貫通孔63A〜63Dの円筒形状が外側から削り取られるような形状をもつ。
【0058】
この結果、図11に示すように、大腿骨2(又は脛骨3)の骨表面2A(又は3A)上に固定具本体61を配設した状態において、固定用骨孔12(又は15)から導出される4本の縫合糸11(又は14)を固定具本体61の中心孔61Aを挿通してその延長端部に嵌合子62の貫通孔63A〜63Dを挿通した状態において、図12に示すように、固定具本体61の中心孔61Aでなる嵌合空間X1に嵌合子62を上方から嵌め合わせると、固定具本体61の中心孔61Aの下半部61BXが円錐台形状に先細りの空間を形成していることにより、縫合糸11(又は14)が貫通孔63A〜63Dの傾斜面16Cによって貫通孔63A〜63Dの下半部63BXの通路が狭くなるように制限される。
【0059】
このとき、大腿骨側固定具13A(又は脛骨側固定具16A)は、嵌合子62を固定具本体61の嵌合空間X1に嵌め合わされたことにより、固定具本体61の傾斜面61Cと、貫通孔63A〜63Dの内側壁でなる中心柱上部64の壁面との間に縫合糸11(又は14)を挿通通路を形成しており、当該挿通通路の両側にある傾斜面61C及び中心柱上部64の壁面が縫合糸11(又は14)に圧接する圧接面となり、その結果、縫合糸11(又は14)を挿通通路に固定保持した状態になる。
【0060】
嵌合子62が固定具本体61から上方に離れている図11の状態から図12に示す締込み位置まで縫合糸11(又は14)に沿って締め込まれる際に、縫合糸11(又は14)を固定用骨孔12(又は15)から縫合糸11(又は14)を外部上方に引くことにより固定用骨孔12(又は15)を通る縫合糸11(又は14)に対して適度な緊張力を与えることができる。
【0061】
かくして図10〜図12の構成の大腿骨側固定具13A(又は脛骨側固定具16A)によれば、癒合用骨孔6(又は7)との間に隙間なく密接させた状態で再建靱帯8を強固に固定することができるような固定具を実現し得る。
【0062】
(5−2)第3の実施の形態
図13は第3の実施の形態を示すもので、円筒状固定具本体71の嵌合空間X1となる中心孔71Aの内面における上下方向のほぼ中央位置に断面円弧状かつ環状の嵌合子係止溝72が形成され、当該嵌合子係止溝72に柔軟性材料でなりかつ上下方向に貫通孔75を有する円球状嵌合子73が嵌め込まれている。
【0063】
固定具本体71には、中心孔71Aを中心とした90〔°〕の角等間隔位置に4つの貫通孔74A〜74Dが穿設されている。
【0064】
以上の構成において、大腿骨2(又は脛骨3)に大腿骨側固定具69(又は脛骨側固定具70)によって縫合糸11(又は14)を締結しようとする場合、図14に示すように、固定用骨孔12(又は15)から導出された4本の縫合糸11(又は14)を固定具本体71の貫通孔74A〜74Dを挿通させた後、その先端側を嵌合子73の貫通孔75に挿通させる。
【0065】
この状態において、図15に示すように、嵌合子73を上方から固定具本体71の中心孔71Aを通って嵌合子係止溝72に嵌め合わせる。
【0066】
このとき嵌合子73は柔軟性材料で構成されていることにより、変形しながら狭い直径の中心孔71Aを通って広い直径を有する嵌合子係止溝72に押し込まれる。
【0067】
当該嵌合子73を嵌合用係止溝72に押し込む際に、嵌合子73の貫通孔75に下側から挿通されている4本の縫合糸11(又は14)は、貫通孔75の周辺部が折込み面となって、固定具本体71の貫通孔74A〜74Dと嵌合子73の貫通孔75との間にある縫合糸11(又は14)(図14)を固定具本体71の中心孔71Aに折り込む。
【0068】
このとき当該折り込まれた縫合糸11(又は14)はそれぞれ固定具本体71の貫通孔74A〜74Dの上端位置から嵌合子73の外表面と固定具本体71の係合子係止溝72の内面との間を通るように折り込まれる。
【0069】
このとき、大腿骨側固定具69(又は脛骨側固定具70)は、嵌合子73を固定具71の嵌合空間X1に嵌め合わされたことにより、固定具本体71の嵌合子係止溝72と、嵌合子73の外表面との間に縫合糸11(又は14)を挿通する挿通通路を形成しており、当該挿通通路の両側にある嵌合子係止溝72及び嵌合子73の外表面が縫合糸11(又は14)に圧接する圧接面となり、その結果、縫合糸11(又は14)を挿通通路に固定保持した状態になる。
【0070】
このような縫合糸11(又は14)の折込み動作時、固定用骨孔12(又は15)から導出されている縫合糸11(又は14)を当該固定用骨孔12(又は15)から外部上方に引き出すような力を作用させることにより、固定具本体71が大腿骨2(又は脛骨3)の骨表面2A(又は3A)に当接した状態において、縫合糸11(又は14)によって再建靱帯8に適度な緊張力を与えた状態で縫合糸11(又は14)を大腿骨側固定具69(又は脛骨側固定具70)に締結することができる。
【0071】
以上の構成によれば、固定具本体71に対して嵌合子73を嵌め込むような操作をすることにより、再建靱帯8から導出されている縫合糸11(又は14)をこれに適度な緊張を与えながら強固に締結することができることにより、再建靱帯8を癒合用骨孔6(又は7)に、隙間なく密着した状態で、強固に固定することができる。
【0072】
(5−3)第4の実施の形態
図16は第4の実施の形態の固定具を示すもので、大腿骨側固定具81(又は脛骨側固定具82)は図16(A)に示すように、円柱状固定具本体83を有し、その中心線を中心として90〔°〕の角等間隔位置に4つの嵌合子84A〜84Dが設けられている。
【0073】
嵌合子84A〜84Dは図16(C)に示すように、中心位置に貫通孔86を有する円柱状材料によって大径部87と小径部88とを貫通孔86に沿って連接した構成を有する。
【0074】
大径部87の上端から小径部88の中央位置までの範囲に亘って、貫通孔86と連通するように切込み89が設けられ、当該切込み89を挟む両側から大径部87に対して外側から押付け力が与えられたとき、大径部87に設けられた貫通孔86の一対の対向面87A及び87Bが互いに近接するようになされている。
【0075】
嵌合子84A〜84Dは、図16(B)に示すように、固定具本体83に穿設された4つの透孔89A〜89Dを嵌合空間X1としてそれぞれ上方から挿入できるようになされており、透孔89A〜89Dのうち、嵌合子84A〜84Dの大径部87に対応する部分の内径が下方に行くに従って徐々に小さくなるような傾斜面を形成しており、これにより透孔89A〜89Dに嵌合子84A〜84Dが押し込まれたとき、透孔89A〜89Dの大径内面90が嵌合部材84A〜84Dの大径部87の対向面87A及び87Bに対して側面から押圧力を作用させることにより、切込み89の間隔、従って貫通孔86の直径が小さくなるようになされている。
【0076】
以上の構成において、大腿骨2(又は脛骨3)の骨表面2A(又は3A)において大腿骨側固定具81(又は脛骨側固定具82)に対して固定用骨孔12(又は15)から導出された縫合糸11(又は14)を締結しようとする場合、図17に示すように、固定具本体83の透孔89A〜89Dにそれぞれ4本の縫合糸11(又は14)を挿通すると共に、その先端側にそれぞれ4つの嵌合子84A〜84Dの貫通孔86を挿通させる。
【0077】
その後図18に示すように、4つの嵌合子84A〜84Dを縫合糸11(又は14)に沿って固定具本体83の透孔89A〜89Dの位置まで引き出せて当該透孔89A〜89Dに押し込む。
【0078】
このとき嵌合子84A〜84Dの大径部87は、固定具本体83の透孔89A〜89Dの大径内面90の傾斜に応じて切込み89の間隔が狭くなるように圧縮される。
【0079】
このとき、大腿骨側固定具81(又は脛骨側固定具82)は、嵌合子84A〜84Dを固定具本体83の嵌合空間X1に嵌め合わされたことにより、嵌合子84A〜84Dの貫通孔86の対向面87A及び87Bの間に縫合糸11(又は14)を挿通する挿通通路を形成しており、当該挿通通路の両側にある対向面87A及び87Bが縫合糸11(又は14)に圧接する圧接面となり、その結果、縫合糸11(又は14)を挿通通路に固定保持した状態になる。
【0080】
以上の構成によれば、嵌合子84A〜84Dを固定具本体83の透孔89A〜89Dにそれぞれ押し込む操作をすることにより、大腿骨2(又は脛骨3)の骨表面2A(又は3A)上に設定された固定具本体83に強固に締結することができる。
【0081】
当該締結の際に、固定用骨孔12(又は15)を通っている縫合糸11(又は14)に対して適切な緊張力を付与することができることにより、再建靱帯8の端部を癒合用骨孔6(又は7)との間に隙間なく強固に固定させることができる。
【0082】
(5−4)第5の実施の形態
図19は第5の実施の形態を示すもので、図19(B)に示すように、大腿骨側固定具95(又は脛骨側固定具96)は、円筒状固定具本体98を中心孔98Aを嵌合空間X1として嵌合子99を嵌め合せる構成を有する。
【0083】
嵌合子99は、図19(A)に示すように、円環状の縫合糸挟着部100とその下面から下方に突出する挟着動作部101とを有する。
【0084】
縫合糸挟着部100は、中心孔102を中心とする90〔°〕の角等間隔位置に、上下方向に穿設された4つの挟着孔103A〜103Dを有し、各挟着孔103A〜103Dと中心孔112とを連通させるように4つの切込み104A〜104Dが縫合糸挟着部100を上下左右方向に4つの分割部材105A〜105Dに切り分けるように形成されている。
【0085】
かくして縫合糸挟着部100は、外側表面側から内側に押圧力が与えられたとき、4つの切込み104A〜104Dの間隔が狭くなることにより、挟着孔103A〜103Dの内径が小さくなるようになされている。
【0086】
このようにして4つの切込み104A〜104Dによって分割された分割部材105A〜105Dは、下方に突出する支持板部106A〜106Dによって底板部107に揺動自在に支持される。
【0087】
この実施の形態の場合、支持板部106A〜106Dにはその厚みを貫通するように4つの透孔108A〜108Dが穿設されている。
【0088】
底板部107には、その中心孔107Aを中心として90〔°〕の角等間隔位置に貫通孔109A〜109Dが縫合糸挟着部100の挟着孔103A〜103Dと対向するように設けられている。
【0089】
固定具本体98の中心孔98Aは、嵌合子99の挟着動作部101の外径形状に沿うような円錐台空間をもつ挿入孔部110と、その上方に連接する円筒形状をもつ押圧力付与孔部111とでなる。
【0090】
押圧力付与孔部111の内径は、嵌合子99の縫合糸挟着部100の直径より小さい値に選定されており、これにより嵌合子99が円錐台形状を有する挟着動作部101側から固定具本体98の押圧力付与部111ないし挿入孔部110に嵌め合わされたとき、外径の大きい縫合糸挟着部100を外側から内側に向かって押圧力を付与する。
【0091】
以上の構成において、図20に示すように、大腿骨2(又は脛骨3)の骨表面2A(3A)の固定用骨孔12(又は15)から導出された縫合糸11(又は14)に大腿骨側固定具95(又は脛骨側固定具96)を締結しようとするとき、固定具本体98の中心孔98Aでなる嵌合空間X1を通して縫合糸11(又は14)を挿通すると共に、その上方端部を嵌合子99の底板部107の貫通孔109A〜109Dを通して挟着孔103A〜103Dを挿通させた状態を得る。
【0092】
この状態において、嵌合子99を縫合糸11(又は14)に沿って固定具本体98の方向に引き寄せて、図21に示すように、嵌合子99を固定具本体98の嵌合空間X1に嵌め合わせる。
【0093】
このとき嵌合子99の縫合糸挟着部100の分割部材105A〜105Dが固定具本体98の押圧力付与孔部111によって内側へ向かう押圧力を受けることにより、切込み104A〜104Dの間隔を狭めるように動作する。
【0094】
このような分割部材105A〜105Dの動作は、挟着孔103A〜103Dを挿通している4本の縫合糸11(又は14)の両側にある一対の対向面112A及び112Bが挟み付けるように圧着動作する。
【0095】
このとき、大腿骨側固定具95(又は脛骨側固定具96)は、嵌合子99を固定具本体98の嵌合空間X1に嵌め合わされたことにより、固定具本体98の中心孔98と、嵌合子99の狭着孔103A〜103Dとの間に縫合糸11(又は14)を挿通する挿通通路を形成しており、当該挿通通路の両側にある狭着孔103A〜103Dの切り込み104A〜104Dを挟んで対向する対向面が縫合糸11(又は14)に圧接する圧接面となり、その結果、縫合糸11(又は14)を挿通通路に固定保持した状態になる。
【0096】
以上の構成によれば、嵌合子99を、骨表面2A(又は3A)に設定した固定具本体98に嵌め合わせるような操作をするだけで、固定用骨孔12(又は15)から導出された縫合糸11(又は14)を適度な緊張力を与えながら強固に骨表面上2A(又は3A)に締結することができ、これにより再建靱帯8の両端部を癒合用骨孔6(又は7)に隙間なく密接させることができる。
【0097】
(5−5)第6の実施の形態
図22は第6の実施の形態を示すもので、大腿骨側固定具115(又は脛骨側固定具116)は円筒形状の固定具本体117の中心孔117Aを嵌合空間X1として上方からハット形状の嵌合子118を嵌め合せた構成を有する。
【0098】
固定具本体117の底板部120には、中心孔120Aを中心として90〔°〕の角等間隔位置に4つの貫通孔121A〜121Dが穿設されている。
【0099】
この貫通孔121A〜121Dは、中心孔120Aの内側壁に食い込むように穿設されており、当該食い込んだ部分に連通するように、断面円弧状の割り溝122A〜122Dが中心孔117Aの上端縁、従って固定具本体117の上面にまで連通している。
【0100】
固定具本体117の上面には、その外周縁を一巡するように、円環状の囲い部材123が上方に突出するように設けられており、かくして貫通孔121A〜121Dと連通する割り溝122A〜122Dが固定具本体117の上面に囲い部材123によって形成された段部124にまで連通している。
【0101】
ハット形状を有する嵌合子118は固定具本体117の中心孔117Aに嵌め合わされる円筒部125と、当該円筒部125の上端縁から放射状に外方に囲い部材123の位置まで延長する鍔部126とを有する。
【0102】
かくして鍔部126は円筒部125が固定具本体117の中心孔117Aに嵌め合わされたとき、鍔部126の下面が段部124と対向しながら段部124に蓋をすることにより、段部124の上面と囲い部材123の内面と鍔部126の下面とによって、閉じた空間を形成する。
【0103】
囲い部材123には、貫通孔121A〜121Dの上縁と対向する位置に縫合糸導出孔127A〜127Dが穿設され、かくして固定具本体117の貫通孔121A〜121Dから割り溝122A〜122Dをそれぞれ通って段部124に到達した縫合糸を、段部124を通ってそれぞれ縫合糸導出孔127A〜127Dから外部に導出できるようになされている。
【0104】
これと共に、嵌合子118の鍔部126の外線には、縫合糸導出孔127A〜127Dと対応する位置において上下方向に縫合糸導出用切欠128A〜128Dが設けられ、これにより縫合糸導出孔127A〜127Dにまで到達した縫合糸を、縫合糸導出用切欠128A〜128Dを介して上方にも引き出し得るようになされている。
【0105】
以上の構成において、大腿骨側固定具115(又は脛骨側固定具116)を骨表面2A(又は3A)に固定用骨孔12(又は15)から導出される縫合糸11(又は14)を締結しようとする場合、図23に示すように、縫合糸11(又は14)を固定具本体117の底板部120に設けられた貫通孔121A〜121Dを通って割り溝122A〜122Dに沿うように上方に通すと共に、縫合糸11(又は14)の上端側に嵌合子118を、その縫合糸導出用切欠128A〜128Dが縫合糸導出口127A〜127Dに位置合せされるように用意する。
【0106】
この状態において、図24に示すように、嵌合子118の円筒部125を固定具本体117の嵌合空間X1を形成する中心孔117Aに嵌め合わせる。
【0107】
このとき4本の縫合糸11(又は14)は、貫通孔121A〜121Dと連通する中心孔117Aの内側面に形成された割り溝122A〜122Dを通るように、円筒部125の外周面によって押し付けられると共に、嵌合子118の鍔部126の下面によって段部124に押し付けられた状態で、縫合糸導出孔127A〜127Dないし縫合糸導出用切欠128A〜128Dから上方外部に引き出される。
【0108】
このとき、大腿骨側固定具115(又は脛骨側固定具116)は、嵌合子118を固定具本体117の嵌合空間X1に嵌め合わされたことにより、固定具本体117の貫通孔121A〜121Dと、割り溝122A〜122Dと、段部124及び嵌合子118の鍔部126間の空間と、縫合糸導出口127A〜127D及び縫合糸導出用切欠128A〜128Dとの間に縫合糸11(又は14)を挿通する挿通通路を形成しており、当該挿通通路の両側にある割り溝122A〜122D及び円筒部125の外表面と、段部124及び鍔部126とが縫合糸11(又は14)に圧接する圧接面となり、その結果、縫合糸11(又は14)を挿通通路に強固に固定保持した状態になる。
【0109】
以上の構成によれば、固定具本体117に対して嵌合子118を嵌め合わせて、縫合糸11(又は14)を大腿骨側固定具115(又は脛骨側固定具116)に締め込む際に、固定用骨孔12(又は15)を通る縫合糸11(又は14)に適度な緊張力を与えながら強固に締結することができることにより、再建靱帯8の端部を癒合用骨孔6(又は7)に隙間なく密着させることができる。
【0110】
(5−6)第7の実施の形態
図25は第7の実施の形態を示すもので、図22との対応部分に同一符号を付して示すように、大腿骨側固定具115X(又は脛骨側固定具116X)の嵌合子118は、その鍔部126に、中心孔118Aを中心とする90〔°〕の等角間隔位置に上方から段部124側に貫通するように4つの貫通孔129A〜129Dが穿設されている。
【0111】
この貫通孔129A〜129Dは、縫合糸11(又は14)を外部に導出するための手段として、図22の場合の縫合糸導出孔127A〜127D及び縫合糸導出用切欠128A〜128Dに代えて設けられている。
【0112】
この実施の形態の場合、固定具本体117に対する嵌合子118の嵌め合わせ方は、固定具本体117の割り溝122A〜122Dに対して所定の角度だけ時計方向又は反時計方向にずらした位置に、貫通孔129A〜129Dがある状態になるように、嵌合子118を固定具本体117の中心孔117Aに嵌め合わせるようになされている。
【0113】
以上の構成において、大腿骨側固定具115X(又は脛骨側固定具116X)に縫合糸11(又は14)を締結しようとする場合、図26に示すように、4本の縫合糸11(又は14)を固定具本体117の4つの貫通孔121A〜121Dを通して対応する割り溝122A〜122Dに沿って挿通させた後、その上端部分を嵌合子118の貫通孔129A〜129Dに挿通させる。
【0114】
この状態において、図27に示すように、嵌合子118を縫合糸11(又は14)に沿って固定具本体117の方向に引き寄せると共に、嵌合子118を例えば時計方向に少しずらせて嵌合子118の円筒部125を固定具本体117の中心孔117Aに嵌め合わせる。
【0115】
このように、嵌合子118の円筒部125を固定具本体117の中心孔117Aに嵌め合わせる際に、円筒部125の外表面によって割り溝122A〜122Dに沿って延長する縫合糸11(又は14)を割り溝122A〜122Dに押し付けた状態で締め込む。
【0116】
この結果割り溝122A〜122Dから段部124に出た縫合糸11(又は14)は、それぞれ割り溝122A〜122Dからずらせた位置にある嵌合子118の貫通孔129A〜129Dまでの部分が段部124と鍔部126の下面との間に圧着保持される。
【0117】
このとき、大腿骨側固定具115X(又は脛骨側固定具116X)は、嵌合子118を固定具本体117の嵌合空間X1に嵌め合わされたことにより、固定具本体117の貫通孔121A〜121Dと、割り溝122A〜122Dと、段部124及び嵌合子118の鍔部126間の空間と、貫通孔129A〜129Dとの間に縫合糸11(又は14)を挿通する挿通通路を形成しており、当該挿通通路の両側にある割り溝122A〜122D及び円筒部125の外表面と、段部124及び鍔部126とが縫合糸11(又は14)に圧接する圧接面となり、その結果、縫合糸11(又は14)を挿通通路に固定保持した状態になる。
【0118】
かくして固定用骨孔12(又は15)から導出された縫合糸11(又は14)に適度な緊張力を与えながら当該縫合糸11(又は14)を大腿骨側固定具115X(又は脛骨側固定具116X)に強固に締結できることにより、再建靱帯8の端部を癒合用骨孔6(又は7)に隙間なく密接させた状態で移植することができる。
【0119】
(5−7)第8の実施の形態
図28は第8の実施の形態を示すもので、図28(C)示すように、大腿骨側固定具131(又は脛骨側固定具132)は、円筒形状の固定具本体133に、上端を閉塞板部136によって閉塞した円筒形状を有する嵌合子134を上方から嵌め合せた構成を有する。
【0120】
固定具本体133は、図28(B)及び図29に示すように、中心孔133Aを中心として90〔°〕の角等間隔位置に4つの貫通孔135A〜135Dを有する。
【0121】
嵌合子134の閉塞板部136には、図28(A)及び図29に示すように、中心孔136Aが設けられ、当該中心孔136Aを中心として90〔°〕の角等間隔位置に貫通孔137A〜137Dが設けられている。
【0122】
固定具本体133の貫通孔135A〜135D及び嵌合子134の貫通孔137A〜137Dの中心孔133A及び136Aを中心とする配置関係は、貫通孔135A〜135D相互間に貫通孔137A〜137Dが位置するように、所定の角度(この実施の形態の場合45〔°〕)だけずれた位置に配置されている。
【0123】
以上の構成において、大腿骨2(又は脛骨3)の骨表面2A(又は3A)に大腿骨側固定具131(又は脛骨側固定具132)を固定用骨孔12(又は15)から導出された縫合糸11(又は14)を締結しようとするとき、図30に示すように、4本の縫合糸11(又は14)を固定具本体133の貫通孔135A〜135Dを挿通すると共に、縫合糸11(又は14)の先端部分に嵌合子134の貫通孔137A〜137Dに挿通する。
【0124】
かくして縫合糸11(又は14)を固定具本体133及び嵌合子134に挿入した状態が得られ、その後嵌合子134を、固定具本体133の外側空間を嵌合空間X1として、縫合糸11(又は14)に沿って固定具本体133側に引き寄せた後、図31に示すように、固定具本体133の外側に嵌合子134を嵌め合わせる。
【0125】
この嵌め合わせ動作時、固定具本体133の貫通孔135A〜135Dを出た縫合糸11(又は14)は、45〔°〕だけ回転した位置にずれた貫通孔137A〜137Dまでの部分が閉塞板部136の下面部分と、固定具本体133の上面部分との間に強く挟着保持される。
【0126】
このとき、大腿骨側固定具115X(又は脛骨側固定具116X)は、固定具本体133を嵌合子134の嵌合空間X1に嵌め合わされたことにより、固定具本体133の貫通孔135A〜135Dと、嵌合子134の貫通孔135A〜135Dから貫通孔137A〜137Dまでの固定具本体133の上面部分及び嵌合子134の閉塞板部136の下面部分間と、貫通孔137A〜137Dとの間に縫合糸11(又は14)を挿通する挿通通路を形成しており、当該挿通通路の両側にある固定具本体133の上面部分及び嵌合子134の閉塞板部136の下面部分が縫合糸11(又は14)に圧接する圧接面となり、その結果、縫合糸11(又は14)を挿通通路に強固に固定保持した状態になる。
【0127】
以上の構成によれば、嵌合子134を固定具本体133に嵌め込んだとき、固定具本体133と嵌合子134との間の挟着保持部分によって縫合糸11(又は14)が強く締め込まれることにより、固定用骨孔12(又は15)から導出された縫合糸11(又は14)に対して適度な緊張力を与えながら固定具に強固に締結される。
【0128】
これにより再建靱帯8の端部を癒合用骨孔6(又は7)の内面に隙間なく密着させた状態で、再建靱帯8を移植することができる。
【0129】
(5−8)第9の実施の形態
図32は第9の実施の形態を示すもので、大腿骨側固定具140(又は脛骨側固定具141)は、図32(C)に示すように、下側端を閉塞板部142で閉塞した円筒形状の固定具本体143の中心孔143Aを嵌合空間X1として、円筒形状の嵌合子144を上方から嵌め合わせた構成を有する。
【0130】
固定具本体143は、図32(B)に示すように、閉塞板部142に設けられた中心孔143Aを中心として、90〔°〕の角等間隔位置に4つの貫通孔145A〜145Dが穿設されており、当該貫通孔145A〜145Dを通って4本の縫合糸を下側から引き込むことができるようになされている。
【0131】
嵌合子144の外周面には、図32(A)示すように、中心孔144Aを中心として90〔°〕の角等間隔位置に、浅い割り溝146A〜146Dが上下方向に延長するように穿設されている。
【0132】
固定具本体143の上端縁には、4つの割り溝146A〜146Dに対応する角度位置に、縫合糸引出用切欠147A〜147Dが穿設されている。
【0133】
以上の構成において、大腿骨2(又は脛骨3)の骨表面2A(又は3A)の固定用骨孔12(又は15)から導出された縫合糸11(又は14)を大腿骨側固定具140(又は脛骨側固定具141)に締結しようとするとき、図33に示すように、閉塞板部142の貫通孔145A〜145Dに4本の縫合糸11(又は14)をそれぞれ挿通してその先端側に嵌合子144をその割り溝146A〜146Dと対向させるような状態で用意する。
【0134】
この状態において、嵌合子144を4本の縫合糸11(又は14)に沿って固定具本体143側に引き寄せて、図34に示すように、固定具本体143の中心孔143Aを嵌合空間X1として嵌め合わせる。
【0135】
このとき嵌合子144は、4本の縫合糸11(又は14)を対応する割り溝146A〜146Dに押し付けながら、固定具本体143の中心孔143Aに縫合糸11(又は14)を締め込んで行く。
【0136】
やがて嵌合子144が固定具本体143の嵌合空間X1に嵌め合わされ終ると、図34に示すように、大腿骨側固定具140(又は脛骨側固定具141)は、嵌合子144を固定具本体143の嵌合空間X1に嵌め合わされたことにより、固定具本体143の貫通孔145A〜145Dと、貫通孔145A〜145Dから割り溝146A〜146Dまでの間の固定具本体143の底面及び嵌合子144の下面間の空間と、嵌合子144の割り溝146A〜146D及び固定具本体143の内面間の空間との間に縫合糸11(又は14)を挿通する挿通通路を形成しており、当該挿通通路の両側にある固定具本体143の底面及び嵌合子144の下面と、嵌合子144の割り溝146A〜146D及び固定具本体143の内面とが縫合糸11(又は14)に圧接する圧接面となり、その結果、縫合糸11(又は14)を挿通通路に強固に固定保持した状態になる。
【0137】
以上の構成によれば、固定用骨孔12(又は15)から導出された4本の縫合糸11(又は14)が固定具本体143に嵌合子144を嵌め込むことにより、固定用骨孔12(又は15)内を延長する縫合糸11(又は14)に適度な緊張力を与えながら固定具に強固に締着されることにより、再建靱帯8の端部を癒合用骨孔6(又は7)に隙間なく密接させた状態で再建靱帯8を移植することができる。
【0138】
(5−9)第10の実施の形態
図35は第10の実施の形態を示すもので、大腿骨側固定具150(又は脛骨側固定具151)は、図35(C)に示すように、円柱状固定具本体152の外側空間を嵌合空間X1として、上端に閉塞板部153を有する円筒形状の嵌合子154を嵌め合わせた構成を有する。
【0139】
固定具本体152は、図35(B)に示すように、円柱の中心線を中心として90〔°〕の角等間隔位置に、4つの貫通孔155A〜155Dが穿設されている。
【0140】
これに対して、図35(A)に示すように、嵌合子154の閉塞板部153の中心位置には、1つの貫通孔156が穿設されている。
【0141】
固定具本体152の4つの貫通孔155A〜155Dと嵌合子154の貫通孔156の位置関係は、図36に示すように、嵌合子154の貫通孔156に対して貫通孔155A〜155Dの一部が重なり合うのに対して、残る部分が嵌合子154の閉塞板部153の内面と重なり合うような関係をもつように構成されている。
【0142】
以上の構成において、大腿骨2(又は脛骨3)の骨表面2A(又は3A)の固定用骨孔12(又は15)から導出された4本の縫合糸11(又は14)を大腿骨側固定具150(又は脛骨側固定具151)に締結しようとするとき、図37に示すように、固定具本体152の4つの貫通孔155A〜155Dを挿通させると共に、その先端側を嵌合子154の貫通孔156に挿通する。
【0143】
この状態において、図38に示すように、嵌合子154を縫合糸11(又は14)に沿って固定具本体152側に引き寄せて固定具本体152に上方から嵌合子154を嵌め合わせる。
【0144】
このとき固定具本体152に挿通された縫合糸11(又は14)は、貫通孔155A〜155Dのうち、嵌合子154の貫通孔156に重なり合うことにより形成された狭い開口部分を通って貫通孔156から外部上方に引き出される。
【0145】
その結果、縫合糸11(又は14)は、それぞれ貫通孔155A〜155Dの内側の肩部157A〜157Dと、貫通孔156の内側周縁部158A〜158Dとの間に挟着保持された状態になる。
【0146】
かくして固定用骨孔12(又は15)から導出された縫合糸11(又は14)は、固定具本体152と嵌合子154とによって骨表面2A(又は3A)上に締込み固定される。
【0147】
このとき、大腿骨側固定具150(又は脛骨側固定具151)は、嵌合子154を固定具本体152の嵌合空間X1に嵌め合わされたことにより、固定具本体152の貫通孔155A〜155Dと、嵌合子154の貫通孔156との間に縫合糸11(又は14)を挿通する挿通通路を形成しており、当該挿通通路の両側にある貫通孔155A〜155Dの肩部及び貫通孔156の内側周縁部158A〜158Dが縫合糸11(又は14)に圧接する圧接面となり、その結果、縫合糸11(又は14)を挿通通路に強固に固定保持した状態になる。
【0148】
以上の構成によれば、固定具本体152に嵌合子154を嵌め合わせたとき、固定具本体152の貫通孔155A〜155Dと嵌合子154の貫通孔156との間に形成された狭い開口部を通って外部上方に導出するようにしたことにより、固定用骨孔12(又は15)を通る縫合糸11(又は14)に対して適度な緊張力を与えながら大腿骨側固定具150(又は脛骨側固定具151)に強固に締結することができ、これにより再建靱帯8の端部を癒合用骨孔6(又は7)に隙間なく密接した状態で移植することができる。
【0149】
(6)他の適用例
(6−1)上述の実施の形態においては、再建靱帯8の一端部を大腿骨2側の癒合用骨孔6に移植すると共に、他端部を脛骨3側の癒合用骨孔7に移植するようにした場合について述べたが、これに代え、大腿骨2に対する移植についてのみに本発明を適用するようにしても良い。
【0150】
(6−2)上述の第2〜第10の実施の形態においても、第1の実施の形態について図8において上述したように、固定具で締結した縫合糸11(又は14)をさらに当該固定具上で縫合させて縫合部40を形成することにより、締結力をさらに強固にするようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明は膝関節について再建靱帯を移植する場合に適用する。
【符号の説明】
【0152】
2……大腿骨、3……脛骨、4……関節、5……外側顆、2A、3A……骨表面、6、7……癒合用骨孔、6A、7A……先端面、6B、7B……段部、11、14……縫合糸、12、15……固定用骨孔、13……大腿骨側固定具、16……脛骨側固定具、25、61、71、83、98、117、133、143、152……固定具本体、26、62、73、84A〜84D、99、118、134、144、154……嵌合子、27A〜27D、74A〜74D、121A〜121D、135A〜135D、145A〜145D、155A〜155D……固定具本体側の貫通孔、63A〜63D、75、86、129A〜129D、137A〜137D、156……嵌合子側の貫通孔。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
嵌合空間を有し、大腿骨又は脛骨の骨表面において、上記大腿骨又は上記脛骨に穿設された大径の癒合用骨孔に挿入された再建靱帯の大腿骨側端部又は脛骨側端部に接合された縫合糸を上記癒合用骨孔の先端から上記骨表面に導出するように穿設された小径の固定用骨孔の導出口位置に設けられた固定具本体と、
上記固定具本体の上記嵌合空間に嵌め合わされたとき、上記固定具本体と共に、上記固定用骨孔から導出された上記縫合糸を挿通させる挿通通路を形成し、上記挿通通路に設けられた圧接面を上記縫合糸に圧接することにより上記縫合糸を上記挿通通路に固定保持する嵌合子と
を具える再建靱帯固定具。
【請求項2】
上記圧接面は、上記固定具本体に形成された挟着受け面と、上記嵌合子に形成され、当該嵌合子が上記嵌合空間に嵌め合わされたとき上記挿通通路内の上記縫合糸を間に挟んで上記挟着受け面に挟着保持する圧着面と
でなる請求項1に記載の再建靱帯固定具。
【請求項3】
上記圧接面は上記嵌合子において上記挿通通路を間に挟んで対向する一対の圧着面でなり、上記嵌合子が上記嵌合空間に嵌め合わされたとき上記一対の圧着面が互いに近接するように上記固定具本体によって押圧されることにより、上記一対の圧着面間に上記縫合子を挟着保持する
請求項1に記載の再建靱帯固定具。
【請求項4】
上記圧接面は、上記固定具本体の上記嵌合空間の壁面に形成された割り溝と、上記嵌合子が上記嵌合空間に嵌め合わされたとき上記挿通通路内の上記縫合糸を上記割り溝に挟着保持する上記嵌合子の側面と
でなる請求項1に記載の再建靱帯固定具。
【請求項5】
上記圧接面は、上記嵌合子の側面に形成された割り溝と、上記嵌合子が上記嵌合空間に嵌め合わされたとき上記挿通通路内の上記縫合糸を上記割り溝に挟着保持する上記固定具本体の嵌合空間の内壁面と
でなる請求項1に記載の再建靱帯固定具。
【請求項6】
上記圧接面は、上記嵌合子が上記嵌合空間に嵌め合わされたとき、上記固定具本体の上面部と、当該上面部と対向する上記嵌合子の対向部分の下面部と
でなる請求項1に記載の再建靱帯固定具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2012−24276(P2012−24276A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−164967(P2010−164967)
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(504147254)国立大学法人愛媛大学 (214)
【Fターム(参考)】