説明

再生装置、再生方法及びプログラム

【課題】ユーザにより指定されたコンテンツの再生を中断することなく、再生装置の省力化、操作性の向上を図る。
【解決手段】本発明に係るオーディオ装置1によれば、システムマイコン10は、操作部13によりスリープタイマ機能がONに設定されると、再生対象として指定された楽曲群の残りの再生時間を算出し、算出された再生時間に基づいて、再生時間の経過とともに徐々に再生音量を小さくしていき、再生終了時点で再生音量を無音とするように各時点の再生音量を決定し、決定された再生音量に従って増幅部21により出力される音量を制御する。指定された楽曲群の再生が終了すると、システムマイコン10は、電源部25による電源供給を遮断してオーディオ装置1の電源をOFFにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生装置、再生方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが設定した時刻に合わせて、楽曲等のコンテンツを再生したり終了したりするタイマ機能を有する再生装置は周知である。このようなタイマ機能の中で、スリープタイマと呼ばれる機能は、ユーザが設定した時間の経過後、又はユーザが設定した時刻に、コンテンツの再生を終了するとともに再生装置の電源がオフとなる機能である。
【0003】
例えば、ユーザが選択メニューから「30分後」を選択してスリープタイマ機能を動作させると、スリープタイマ機能の動作開始より30分経過した時点で、コンテンツが再生されていればそのコンテンツの再生が停止されるとともに、再生装置の電源がオフとなる。
また、ユーザがタイマ設定時刻として「0:30」を設定してスリープタイマ機能を動作させると、0:30となった時点で、コンテンツが再生されていればそのコンテンツの再生が停止されるとともに、再生装置の電源がオフとなる。
【0004】
図4に、従来のスリープタイマ機能の動作のフローチャートを示す。図4に示すように、スリープタイマ機能の動作が開始されると、コンテンツが再生中であるか否かが判断される(ステップS11)。コンテンツが再生中である場合(ステップS11;YES)、処理はステップS13に移行する。コンテンツが再生中ではない場合(ステップS11;NO)、ユーザの操作に応じてコンテンツの再生が開始され(ステップS12)、処理はステップS13に移行する。
【0005】
ステップS13においては、タイマ設定された時刻の到来又はタイマ設定された時間の経過が待機され、タイマ設定された時刻が到来するか又はタイマ設定された時間が経過した場合(ステップS13;YES)、コンテンツが再生中であるか否かが判断される。コンテンツが再生中である場合は(ステップS14;YES)、コンテンツの再生が終了され(ステップS15)、装置の電源がオフされる(ステップS16)。コンテンツが再生中ではない場合は(ステップS14;NO)、そのまま装置の電源がオフされる(ステップS16)。
【0006】
また、特許文献1には、予め設定した時間よりも早くコンテンツ再生が終了する場合にはコンテンツ再生終了時に電源をオフ状態とすることで、消費電力の低減を図る技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−347797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の技術においては、設定した時間が経過するか又は設定した時刻が到来すると、コンテンツの再生が途中であるにも拘わらず再生が終了されてしまう。再生音量を徐々に下げていく機能を適用した場合は、違和感なく再生の終了が行われるが、コンテンツの再生途中で終了することには変わりはない。そのため、ユーザは、中断されて視聴できなかったコンテンツを再生するために、再度再生されなかったコンテンツを指定して再生操作を行う必要がある。その際には、再度のスリープタイマ機能の設定若しくは手動での再生停止が必要となる。
【0009】
ユーザが最後までコンテンツを視聴した上で自動的に電源をオフにしようとすれば、コンテンツの再生時間を把握した上で、再生時間に合わせてタイマの時間を設定しなければならない。
【0010】
本発明の課題は、ユーザにより指定されたコンテンツの再生を中断することなく、再生装置の省力化、操作性の向上を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の再生装置は、
再生対象の一又は複数のコンテンツを指定するための入力手段と、
前記入力手段により指定されたコンテンツを再生する再生手段と、
前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点において再生音量が最小となるように再生音量を徐々に小さくする制御を行い、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点で装置の電源をオフにする制御手段と、
を備える。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点における最小の再生音量は無音または所定の音量である。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記制御手段は、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点より所定時間前から再生音量を徐々に小さくする制御を行う。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、
前記入力手段は、更に、前記指定されたコンテンツの再生終了時点で前記再生装置の電源を自動的にオフにする機能の設定指示を入力可能に構成され、
前記制御手段は、前記入力手段により前記機能が設定された場合に、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点において再生音量が最小となるように再生音量を徐々に小さくする制御を行い、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点で装置の電源をオフにする。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、
発光手段を更に備え、
前記制御手段は、前記再生音量に対応した光量で前記発光手段を発光させる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、
再生対象の一又は複数のコンテンツを指定するための入力手段と、前記入力手段により指定されたコンテンツを再生する再生手段と、制御手段と、を備える再生装置における再生方法であって、
前記制御手段により、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点において再生音量が最小となるように再生音量を徐々に小さくする制御を行い、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点で装置の電源をオフにする工程を含む。
【0017】
請求項7に記載の発明のプログラムは、
コンテンツを再生する再生装置に用いられるコンピュータを、
再生対象の一又は複数のコンテンツを指定するための入力手段、
前記入力手段により指定されたコンテンツを再生する再生手段、
前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点において再生音量が最小となるように再生音量を徐々に小さくする制御を行い、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点で装置の電源をオフにする制御手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ユーザにより指定されたコンテンツの再生を中断することなく、再生装置の省力化、操作性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る実施の形態のオーディオ装置1の機能構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のシステムマイコンにおいて実行される音量・電源制御処理を示すフローチャートである。
【図3】楽曲群全体の再生終了時点までの再生音量の制御例を示す図である。
【図4】従来のスリープタイマ機能の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
図1に、本発明の再生装置の一例としてのオーディオ装置1のブロック構成図を示す。 図1に示すように、オーディオ装置1は、システムマイコン10、記憶部11、表示部12、操作部13、外部入力端子14、チューナ15、CD(Compact Disk)メカ部16、セレクタ17、ADC(Analog Digital Converter)18、DSP(Digital Signal Processor)19、DAC(Digital Analog Converter)20、増幅部21、出力部22、外部I/F23、発光部24、電源部25等を備えて構成されている。
【0021】
システムマイコン10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備える。システムマイコン10のCPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムや各種データを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムとの協働により各種処理を実行し、オーディオ装置1内の各部を集中的に制御する制御手段である。
【0022】
例えば、システムマイコン10は、操作部13からの再生指示の入力に応じて、オーディオ装置1の各部を制御し、CDメカ部16にセットされたCDに記録された楽曲データの再生処理、記憶部11に記憶された楽曲データ又は外部I/F23を介して入力された楽曲データの再生処理、若しくは、外部入力端子14又はチューナ15から入力された音声信号の再生処理を行う。
また、システムマイコン10は、操作部13によりスリープタイマ機能が設定されると、後述する音量・電源制御処理を実行する。
【0023】
記憶部11は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発メモリ等であり、オーディオ装置1が再生可能な楽曲データを、MP3(MPEG-1 Audio Layer-3)やWMA(Windows Media(登録商標) Audio)などの圧縮ファイル等の形式で記憶する。楽曲データは、例えば、アルバム毎、ジャンル毎、アーティスト毎等のフォルダに分類されて記憶されている。
また、記憶部11は、記憶部11に記憶されている楽曲データに関する楽曲情報、例えば、アーティスト名、アルバム名、フォルダ名、ファイル名、再生時間等を記憶している。
また、記憶部11は、プレイリスト情報を記憶している。プレイリスト情報は、楽曲データを連続再生するために記憶部11に記憶されている楽曲データの中から予め選択された楽曲データのリストをいう。
また、記憶部11は、オーディオ装置1の各種設定情報を記憶する。例えば、イルミネーションのON/OFFの設定情報、楽曲データの再生音量(ボリューム)の設定値等を記憶する。
更に記憶部11は、再生音量とイルミネーションの光量の対応関係を示すデータを記憶している。
【0024】
表示部12は、LCD(Liquid Crystal Display)、VFD(Vacuum Fluorescent Display)、ELD(Electro Luminescent Display)等から構成され、システムマイコン10からの表示信号に応じて、オーディオ装置1の動作モード情報、操作情報、設定情報、プレイリスト情報、楽曲情報等の各種情報を表示する。
【0025】
操作部13は、各種操作キーを備え、オーディオ装置1のユーザによる操作キーの操作に応じた操作信号をシステムマイコン10へ出力する。操作部13は、入力手段として機能する。
【0026】
外部入力端子14は、図示しない外部機器を接続する入力端子であり、接続された外部機器からの音声信号をセレクタに入力する。
【0027】
チューナ15は、システムマイコン10からの制御信号に応じて、図示しないアンテナ等を介して受信したラジオ等のキャリア放送電波を選択し、選択したキャリア放送電波を音声信号としてセレクタに入力する回路である。
【0028】
CDメカ部16は、CDドライブ等の装置であり、システムマイコン10からの制御信号に応じて、CDに記録された楽曲データを読み出し、DSP19へ出力する。
【0029】
セレクタ17は、システムマイコン10からの制御信号に応じて、外部入力端子14から入力された音声信号又はチューナ15から入力された音声信号を選択し、ADC18に出力する。
【0030】
ADC18は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して出力するA/D変換回路である。
【0031】
DSP19は、デジタル信号処理用のマイクロプロセッサである。DSP19は、エンコーダ19a及びデコーダ19bを備える。DSP19は、システムマイコン10からの制御信号に応じて、CDメカ部16又はADC18から入力された楽曲データをエンコーダ19aによりエンコードしてMP3方式やWMAの圧縮ファイルに変換し、記憶部11に出力する。また、DSP19は、システムマイコン10からの制御信号に応じて、記憶部11や外部I/F23からの圧縮ファイルをデコーダ19bによりデコードし、DAC20に出力する。また、CDメカ部16によりCDから読み出された楽曲データ、又はADC18から入力された楽曲データをDAC20に出力する。
【0032】
DAC20は、DSP19から入力される楽曲データをアナログ信号に変換して出力するD/A変換回路である。
【0033】
増幅部21は、DAC20から入力されるアナログ信号を増幅して出力部22に出力する回路である。
【0034】
出力部22は、スピーカやヘッドホン、外部出力端子等、増幅部21から入力されるアナログ信号を外部に出力する装置である。
【0035】
外部I/F23は、外部機器との接続インターフェースである。外部I/Fには、USB(Universal Serial Bus)などを用いた機器間接続I/F、LAN(Local Area Network)端子などのネットワーク接続I/F、メモリカードスロット等の外部記録媒体接続I/F等が含まれる。外部I/F23から入力された楽曲データは、記憶部11に記憶されたり、DSP19により処理される。
【0036】
発光部24は、LED(Light Emitting Diode)等の光源を有し、システムマイコン10からの制御信号に応じて発光し、再生される楽曲に応じたイルミネーションを表示する。本実施の形態においては、再生音量に応じた光量でイルミネーションが表示される。なお、イルミネーションの表示は、表示部12のディスプレイにより行うこととしてもよい。
【0037】
電源部25は、図示しない商用交流電源またはバッテリであり、商用交流電源から入力された場合はAC(交流)電源電力をDC(直流)電源電力に変換し、システムマイコン10からの制御命令に従って、オーディオ装置1の各部に電源供給を行う。
【0038】
次に、オーディオ装置1の動作を説明する。
図2に、システムマイコン10により実行される音量・電源制御処理のフローチャートを示す。音量・電源制御処理は、操作部13によりスリープタイマ機能をONにする設定指示が入力された際に実行される。本実施の形態において、スリープタイマ機能とは、操作部13により指定された楽曲群の再生終了時点で自動的に電源部25からの電源供給を遮断し、オーディオ装置1の電源をOFFにする機能である。
【0039】
まず、楽曲群の再生中であるか否かが判断される(ステップS1)。ここで、楽曲群とは、一又は複数の楽曲データを指す。楽曲群の再生中であると判断されると(ステップS1;YES)、再生中の楽曲群全体の残りの再生時間が算出される(ステップS2)。ここで、システムマイコン10は内部クロックを有しており、内部クロックに基づいて再生開始からの経過時間がカウントされている。再生中の楽曲群全体の残りの再生時間は、再生中の楽曲群の個々の楽曲データの再生時間の合計から再生開始からの経過時間が減算されることにより算出される。
【0040】
再生中の楽曲群全体の残りの再生時間が算出されると、算出された残りの再生時間に基づいて、スリープタイマ開始時点から再生終了時点までの各時点における再生音量が決定される(ステップS3)。そして、処理はステップS8に移行する。
【0041】
図3(a)〜図3(c)に、ステップS3において決定されるスリープタイマ開始時点から再生終了時点までの各時点の再生音量の例を示す。縦軸は再生音量を示し、横軸は再生開始からの経過時間及び再生される楽曲を示す。図3(a)〜図3(c)では、再生対象の楽曲群として指定された楽曲数が5の場合を一例として示している。
ステップS3においては、スリープタイマ開始時点では予め設定されている再生音量とし、再生時間の経過とともに徐々に再生音量が小さくなり、再生終了時点で再生音量が最小となるように各時点の再生音量が決定される。本実施の形態において、再生終了時点の再生音量は無音とするが、予め操作部13により設定できる構成としてもよい。決定された各時点の再生音量は、システムマイコン10のRAMに記憶される。
図3(a)は、スリープタイマ開始から直線的に再生音量を小さくするように決定した場合の例を示したものである。図3(b)は、指数関数的に再生音量を小さくするように決定した場合の例を示したものである。また、図3(c)は、再生終了時点より所定時間前より再生音量を小さくするように決定した場合の例である。図3(a)に示すように再生音量を決定した場合、再生音量の変化が一定となるので、ユーザは違和感なく音楽を楽しむことができる。図3(b)、(c)に示すように再生音量を決定した場合、再生終了間近まで音声音量の変化がほとんどないか又は全くないので、ユーザは再生終了間近まで、ほぼ予め設定された音量で音楽を楽しむことができる。
【0042】
一方、ステップS1において、楽曲群の再生中ではないと判断されると(ステップS1;NO)、操作部13からの再生対象となる楽曲群の指定が待機され、操作部13から再生対象となる楽曲群が指定されると(ステップS4)、指定された楽曲群全体の再生時間が算出される(ステップS5)。
【0043】
ここで、再生対象の楽曲群としては、CDメカ部16にセットされているCDに記録されている楽曲データ(1曲、複数、又は全て)、記憶部11や外部I/F23を介した携帯型再生装置やメモリカード、USBメモリ等に記憶されている楽曲データ、プレイリスト情報等の中から一又は複数を指定することが可能である。また、指定したフォルダやCDに記録されている楽曲データのランダム再生、指定した楽曲データのリピート再生等も指定が可能である。
また、再生時間の算出は、記憶部11に記憶されている楽曲情報や楽曲データに付与されているタグ情報又はCDメカ部16にセットされているCDのTOC情報に含まれる、指定された楽曲データの個々の再生時間を合計することにより算出される。
【0044】
再生時間が算出されると、算出された再生時間に基づいて、再生開始時点から再生終了時点までの各時点における再生音量が決定され(ステップS6)、指定された楽曲群の再生が開始される(ステップS7)。そして、処理はステップS8に移行する。
【0045】
図3(b)〜図3(d)に、ステップS6において決定される再生開始時点から再生終了時点までの各時点の再生音量の例を示す。縦軸は再生音量を示し、横軸は再生開始からの経過時間及び再生される楽曲を示す。図3(b)〜図3(d)では、再生対象として指定された楽曲数が5の場合を一例として示している。
ステップS4においては、再生開始時点では予め設定されている再生音量とし、再生時間の経過とともに徐々に再生音量が小さくなり、再生終了時点で再生音量が最小となるように各時点の再生音量が決定される。本実施の形態において、再生終了時点の再生音量は無音とするが、予め操作部13により設定できる構成としてもよい。決定された各時点の再生音量は、システムマイコン10のRAMに記憶される。
図3(d)は、再生開始時点から直線的に再生音量を小さくするように決定した場合の例を示したものである。図3(b)は、指数関数的に再生音量を小さくするように決定した場合の例を示したものである。また、図3(c)は、再生終了時点より所定時間前より再生音量を小さくするように決定した場合の例を示したものである。図3(d)に示すように再生音量を決定した場合、再生音量の変化が一定となるのでユーザは違和感なく音楽を楽しむことができる。図3(b)、(c)に示すように再生音量を決定した場合、再生終了間近まで音声音量の変化がほとんどないか又は全くないので、再生終了間近まで、ユーザはほぼ予め設定された音量で音楽を楽しむことができる。
【0046】
ステップS8においては、RAMに記憶された現時点の再生音量で音声を出力するように増幅部21が制御される(ステップS8)。再生が終了するまでステップS8の制御は繰り返し実行される。再生が終了すると(ステップS9;YES)、電源部25による電源供給が遮断されることによりオーディオ装置1の電源がOFFされ(ステップS10)、音量・電源制御処理は終了する。
【0047】
なお、上記スリープタイマ機能の動作中における再生時に、再生対象の楽曲群がプラス1曲、マイナス1曲等増減された場合、システムマイコン10において、楽曲群が増減された時点から再生終了時点までの残りの再生時間が算出され、算出された再生時間に基づいて、再度再生終了時点までの各時点の再生音量が決定され、音量制御が行われる。各時点の再生音量は、楽曲を増減した時点の再生音量の値から徐々に音量を小さくし、再生終了時点で音量が無音となるように決定される。
【0048】
また、途中で操作部13により再生音量の設定値が変更された場合、システムマイコン10において、再生音量の設定が変更された時点から再生終了時点までの残りの再生時間が算出され、算出された再生時間に基づいて、再度再生終了までの各時点の再生音量が決定され、音量制御が行われる。各時点の再生音量は、再生音量の変更時点の設定値から徐々に音量を小さくし、再生終了時点で音量が最低となるように決定される。
【0049】
また、途中でスリープタイマ機能がOFFに設定された場合、システムマイコン10により、再生音量は元の設定値に戻される。
【0050】
また、イルミネーションがONに設定されている場合、上記音量・電源制御処理において、再生音量の制御に応じて発光部24の光量が制御される。上述のように、再生音量とイルミネーションの光量は対応しているので、システムマイコン10は、増幅部21における再生音量に応じた光量で発光部24を発光させる。このように、再生音量に応じて発光部24における光量を変化させることで、再生される音量に応じてイルミネーションを変化させることができる。
【0051】
以上説明したように、システムマイコン10は、操作部13によりスリープタイマ機能がONに設定されると、再生対象として指定された楽曲群の残りの再生時間を算出し、算出された再生時間に基づいて、再生時間の経過とともに徐々に再生音量を小さくしていき、再生終了時点で再生音量を無音とするように各時点の再生音量を決定し、決定された再生音量に従って増幅部21により出力される音量を制御する。指定された楽曲群の再生が終了すると、システムマイコン10は、電源部25による電源供給を遮断してオーディオ装置1の電源をOFFにする。
【0052】
従って、ユーザにより指定された楽曲群の再生を中断することなく、オーディオ装置1の省力化、操作性の向上を図ることができる。
即ち、指定された楽曲群の再生が途中であるのにもかかわらず再生が終了してしまうことがなくなるので、ユーザは、従来のスリープタイマ機能のように、継続して聴きたい曲を再度操作部13により指定する操作をしたり、スリープタイマ機能を設定する際に、指定した楽曲群が終了するまでの時間を計算して時間や時刻を設定する操作をしたりすることなく、最後まで指定した楽曲群を楽しむことができるようになる。また、指定した楽曲群の再生が終了すると、装置の電源が自動的にOFFされるので、消費電力を低減させることができる。
また、再生終了時点に向かって徐々に再生音量がフェードアウトしていくため、突然再生が終了する違和感をなくすことができる。
【0053】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係るオーディオ装置1の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0054】
例えば、上記実施の形態では、再生装置をオーディオ装置とし、再生対象のコンテンツを楽曲データとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、再生装置が映像を再生可能なDVDプレーヤ等である場合は、再生対象のコンテンツは映像データとする等、他のコンテンツとしてもよい。
【0055】
また、リピート再生が指定されている場合は、スリープタイマ機能におけるリピート回数に上限を設けるようにしてもよい。また、スリープタイマ機能の開始後に再生する曲数や再生時間に上限を設けるようにしてもよい。
【0056】
その他、上記実施の形態におけるオーディオ装置1の細部構成及び詳細動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 オーディオ装置
10 システムマイコン
11 記憶部
12 表示部
13 操作部
14 外部入力端子
15 チューナ
16 CDメカ部
17 セレクタ
18 ADC
19 DSP
19a エンコーダ
19b デコーダ
20 DAC
21 増幅部
22 出力部
23 外部I/F
24 発光部
25 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生対象の一又は複数のコンテンツを指定するための入力手段と、
前記入力手段により指定されたコンテンツを再生する再生手段と、
前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点において再生音量が最小となるように再生音量を徐々に小さくする制御を行い、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点で装置の電源をオフにする制御手段と、
を備える再生装置。
【請求項2】
前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点における最小の再生音量は無音または所定の音量である請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点より所定時間前から再生音量を徐々に小さくする制御を行う請求項1又は2に記載の再生装置。
【請求項4】
前記入力手段は、更に、前記指定されたコンテンツの再生終了時点で前記再生装置の電源を自動的にオフにする機能の設定指示を入力可能に構成され、
前記制御手段は、前記入力手段により前記機能が設定された場合に、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点において再生音量が最小となるように再生音量を徐々に小さくする制御を行い、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点で装置の電源をオフにする請求項1〜3の何れか一項に記載の再生装置。
【請求項5】
発光手段を更に備え、
前記制御手段は、前記再生音量に対応した光量で前記発光手段を発光させる請求項1〜4の何れか一項に記載の再生装置。
【請求項6】
再生対象の一又は複数のコンテンツを指定するための入力手段と、前記入力手段により指定されたコンテンツを再生する再生手段と、制御手段と、を備える再生装置における再生方法であって、
前記制御手段により、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点において再生音量が最小となるように再生音量を徐々に小さくする制御を行い、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点で装置の電源をオフにする工程を含む再生方法。
【請求項7】
コンテンツを再生する再生装置に用いられるコンピュータを、
再生対象の一又は複数のコンテンツを指定するための入力手段、
前記入力手段により指定されたコンテンツを再生する再生手段、
前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点において再生音量が最小となるように再生音量を徐々に小さくする制御を行い、前記指定されたコンテンツ全体の再生終了時点で装置の電源をオフにする制御手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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