説明

再生装置、再生方法及び記録再生装置

【課題】 光ディスクの高密度化が進むにつれ、ランレングスの小さい信号の読み取りレベルは大幅に小さくなり、確からしいクロックを再生できず、再生信号にビットスリップが発生し、再生信号のエラーレートが悪化する。
【解決手段】 タイミング訂正回路26は、互いに1ビットずつずらして複数の情報系列を並列に出力し、更にそれぞれ別々にランレングス復号を行い、複数のランレングス復号後信号のそれぞれについて特定データを別々に抽出し、抽出した特定データを所定数集めて符号語を得て、複数の符号語のそれぞれについてエラー検出を行って得られたエラーの数とエラー位置に関する情報を、エラー信号として出力する。タイミング訂正回路26は、複数のエラー信号のうち、エラー数の最も少ないエラー信号に対応したランレングス復号後信号を、確からしい情報系列として選択して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は再生装置、再生方法及び記録再生装置に係り、特にテーブル変換を用いるランレングス符号化手段で得られるランレングス制限符号を、光ディスク等の記録媒体に記録した後再生し、ビタビ復号又は最大事後確率復号(MAP復号)又はSOVA等の誤り訂正能力を有する復号と、ランレングス復号手段で復号する再生装置、再生方法及び記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ランレングス制限符号が高密度記録された光ディスク等の記録媒体から当該ランレングス制限符号を再生する再生装置では、再生信号の波形歪を除去するために、パーシャルレスポンス(以下、PRともいう)等化特性を持つ波形等化回路を使用するものが従来より知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図23はこの従来の再生装置の一例のブロック図を示す。同図において、光ディスク1より記録/再生系2により再生されたランレングス制限符号は、トランスバーサルフィルタ3に供給され、ここでパラメータ設定器5内のタップ係数決定器6より入力されるタップ係数に基づいて、PR等化される。
【0004】
X値選定器10は、トランスバーサルフィルタ3での例えばPR(1,X,X,1)等化における符号間干渉値であるXの値を再生波形の特性に基づいて選定するもので、誤り率判定器9の判定結果から順次Xiを求め、最終的に誤り率が許容値を満たすXの値を選定する。等化目標波形作成器8は、パラメータ設定用二値データ用メモリ7から与えられる二値データと、X値選定器10で選定された、PR等化における符号間干渉付与値のX値とから等化後目標波形を作成し、タップ係数決定器6に与える。
【0005】
光ディスク1には予めパラメータ設定用二値データ用メモリ7に対応するビットが記録されている。タップ係数決定器6はこのビットに対応する再生波形と等化後目標波形とから、再生波形が等化後目標波形に一致するようなタップ係数を求めてトランスバーサルフィルタ3に入力する。識別点信号レベル決定器11は、X値選定器10から与えられるX値に基づいて識別点信号レベルを求め、これをML復号器4に供給する。ML復号器4はトランスバーサルフィルタ3から取り出された等化後再生波形を、上記の識別点信号レベルを基準にして二値データに復号して出力する。
【0006】
ML復号器4から取り出された復号データは、誤り率判定器9に供給され、ここでパラメータ設定用二値データ用メモリ7からのパラメータ設定用二値データと比較されて誤り率が求められ、その誤り率が許容値を満たしているか否かの判定結果がX値選定器10に供給される。誤り率判定器9で誤り率が許容値を満たしていると判定された段階で、その時のタップ係数及び識別点信号レベルを用いたPR(1,X,X,1)ML方式により、PR等化及び最尤復号が行われる。
【0007】
【特許文献1】特開平10−106161号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかるに、光ディスクの高密度化が進むにつれ、ランレングスの小さい信号(例えば、2T(Tはビット周期))の読み取りレベルは大幅に小さくなり、再生信号の特性は、確からしいクロックを再生できなくなる。このとき、現象としては、ビットスリップが発生し、本来のビットが時間方向に消失してしまったり、位相同期ループ回路(PLL回路)が再度位相ロックする時点までの正しいビット数を見失ってしまう可能性がある。
【0009】
再生装置の後段では、ビタビ復号(MAP復号、SOVA等)のような誤り訂正能力を有する復号を用いることで、確からしいビット列を推定することはできるが、見失ってしまったビット数は復元できない。つまり、正しいデータ列の一部をなしているにもかかわらず、ビット位置がずれてしまい、エラーが増大する(ビットずれが発生した場合、その期間は5x10−1まで、エラーレートは悪化する。)。
【0010】
同期信号が再生信号中に挿入されている場合には、同期信号再生時点で正しい位置に復帰することはできるが、同期信号と同期信号の間、例えば、同期信号の直後でビットスリップが発生した場合には、そのブロックはエラーとなる。
【0011】
ブロック符号化を行う符号化変調方式(ランレングス制限やDSV制御を行う1−7pp変調や8−16変調、D4−6変調など)に対応した復号を行う符号化復号手段においても、ビットずれが発生した場合には、正しい符号に復調することは不可能である。
【0012】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、同期信号と同期信号の間でビットスリップが発生しても、確からしいビット位置と思われる系列を推定・選択することにより、エラーレートを大幅に向上し得る再生装置、再生方法及び記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
第1の発明の再生装置は、ディジタル情報をランレングス符号化処理したランレングス制限符号が記録された記録媒体からランレングス制限符号を読み取りディジタル情報を再生する再生装置であって、記録媒体からランレングス制限符号を読み取りディジタル再生信号に変換するA/D変換手段と、ディジタル再生信号を誤り訂正能力を有するビタビ復号等により復号して復号後信号を出力する復号手段と、復号後信号をその同期信号間のブロック単位で1ビットずつずらした複数の情報系列それぞれをランレングス復号してエラー訂正またはエラー検出を行い、そのエラー訂正またはエラー検出結果に基づいて、エラーの最も少ない情報系列を確からしい情報系列として選択して出力するタイミング訂正手段とを有するものである。
【0014】
これにより、ある同期信号間でビットスリップが発生しても、その同期信号間のブロックでは、1ビットずつずらした複数の情報系列それぞれをランレングス復号してエラー訂正またはエラー検出が行われ、そのエラー訂正またはエラー検出結果に基づいて、エラーの最も少ない情報系列が確からしい情報系列として選択して出力されるので、ビットスリップが発生してもエラーレートを大幅に低減することができる。
【0015】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の再生装置では、第1の発明の再生装置において、タイミング訂正手段は、復号後信号をその同期信号間のブロッック単位で1ビットずつずらした複数の情報系列を並列に出力して、その複数の情報系列に対しそれぞれ別々にランレングス復号を行い、複数のランレングス復号後信号を並列に出力すると共に、複数のランレングス復号後信号それぞれの各ブロック中の一定位置に埋め込まれた複数の特定データを抽出して、抽出した複数の特定データを所定数集めてエラー訂正もしくはエラー検出可能な符号語を得る符号語検出器と、複数のランレングス復号後信号の符号語を復号すると共にエラー訂正またはエラー検出を行って、特定データ毎のエラー数を示すエラー信号を出力する符号語復号器と、符号語復号器から出力される複数のエラー信号を特定データ毎に比較し、特定データ毎にエラー数が最少のランレングス復号後信号を確からしい情報系列として選択し、ビットスリップ発生後は、エラー数が最少のランレングス復号後信号を切り換えて出力する比較・選択手段と、を有するものである。ここで、特定データとは、例えば、BIS(Burst Indicating Subcode)のことであり、エラー訂正もしくはエラー検出可能な符号語とは、例えば、AFC(Address Field Codeword)である。
【0016】
これにより、ある同期信号間でビットスリップが発生しても、その同期信号間のブロックでは、1ビットずつずらした複数のランレングス復号後信号それぞれにおける各同期ブロック中の一定位置に埋め込まれた複数の特定データに基づきエラー訂正もしくはエラー検出可能な符号語が得られ、その符号語が復号されてエラーの数とエラー位置に関する情報がエラー信号として出力され、そのエラー信号のエラーの数とエラー位置に関する情報に基づいて、エラー数が最少のランレングス復号後信号が、確からしい情報系列として選択されて出力されるので、ビットスリップが発生してもエラーレートを大幅に低減することができる。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、第3の発明の再生装置は、第1の発明において、タイミング訂正手段が、復号後信号をその同期信号間のブロッック単位で1ビットずつずらして複数のタップ遅延信号を並列に出力するタップ遅延回路と、複数のタップ遅延信号をそれぞれ別々にランレングス復号してランレングス復号後信号を出力すると共に、そのランレングス復号の過程で、符号化の際に生成されることのない符号が入力された、又は遷移するはずのない遷移が生じたときにエラー信号を出力する複数のランレングス復号器と、複数のランレングス復号器から出力された複数のエラー信号をそれぞれ別々に所定ビット毎に計数する計数器と、計数器からの複数のエラー信号の計数値を所定ビット毎に比較して、所定ビット毎に計数値が最少のランレングス復号後信号を確からしい情報系列として選択し、ビットスリップ発生後は、計数値が最少のランレングス復号後信号を切り換えて出力する比較・選択手段とを有する構成としたものである。
【0018】
これにより、ある同期信号間でビットスリップが発生しても、その同期信号間のブロックでは、1ビットずつずらした複数のランレングス復号後信号のうち、ランレングス復号の際のエラー計数値が最小のランレングス復号後信号が選択されて出力されるので、ビットスリップが発生してもエラーレートを大幅に低減することができる。
【0019】
また、上記の目的を達成するため、第4の発明の再生装置は、第3の発明の再生装置において、複数のランレングス復号器は、複数のタップ遅延信号をそれぞれ別々にランレングス復号してランレングス復号後信号を出力すると共に、復号過程で得られた判別結果と入力信号である復号後信号との差をユークリッド距離として演算し、その2乗もしくは絶対値の値をエラー信号として出力するものである。
【0020】
また、上記の目的を達成するため、第5の発明の再生装置では、第3の発明のタイミング訂正手段を、さらに、復号手段からのビタビ復号後信号中の同期信号を検出する同期信号検出器を有し、比較・選択手段は、計数器からの複数のエラー信号の計数値を所定ビット毎に比較して、ビットスリップの発生の有無を推定すると共に、同期信号検出器が検出した次の同期信号の検出位置に基づいてビットスリップ発生後の確からしいビット位置を推定し、ビットスリップの発生を推定した場合は、エラー信号の計数値が最少のタップ遅延信号を切り換えてエラー信号の計数値エラー数が最少のランレングス復号後信号を、確からしいビット位置から切り換えて出力する構成としたものである。
【0021】
また、上記の目的を達成するため、第6の発明の再生装置では、第5の発明の比較・選択手段は、計数器からの複数のエラー信号の計数値を所定ビット毎に比較して、ビットスリップの発生の有無を推定し、ビットスリップの発生を推定した場合は、エラー数が最少のランレングス復号後信号を切り換えて出力することを示す選択情報信号を出力する比較器と、複数のランレングス復号後信号を記憶し、比較器から選択情報信号が入力された場合、その選択情報信号と同期信号検出器が検出した次の同期信号の検出位置に基づいてビットスリップ発生後の確からしいビット位置を推定し、選択情報信号が示すランレングス復号後信号を確からしいビット位置から出力するメモリからなる選択器とを有する構成としたものである。
【0022】
また、上記の目的を達成するため、第7の発明の再生装置では、記録媒体には、ランレングス制限符号に誤り訂正符号用パリティを付加する処理が行われており、A/D変換手段は、記録媒体から再生されたランレングス制限符号と共に誤り訂正符号用パリティをディジタル再生信号に変換し、タイミング訂正手段は、復号後信号をその同期信号間のブロック単位で1ビットずつずらして複数のタップ遅延信号を並列に出力するタップ遅延回路と、複数のタップ遅延信号をそれぞれ別々にランレングス復号して、そのランレングス復号の過程で、符号化の際に生成されることのない符号が入力された、又は遷移するはずのない遷移が生じたときにエラー信号を出力する複数のランレングス復号器と、複数のランレングス復号器から出力された複数のエラー信号をそれぞれ別々に所定ビット毎に計数する計数器と、計数器からの複数のエラー信号の計数値を所定ビット毎に比較して、所定ビット毎にエラー信号の計数値が最少のタップ遅延信号を確からしい情報系列として選択し、ビットスリップ発生後は、エラー信号の計数値が最少のタップ遅延信号を切り換えて出力する比較・選択手段と、を備え、さらに、比較・選択手段により選択されたタップ遅延信号を誤り訂正符号用パリティを用いて誤り訂正処理する誤り訂正手段と、誤り訂正処理が行われたタップ遅延信号をランレングス復号するランレングス復号手段と、を有する構成としたものである。
【0023】
これにより、1ビットずつシフトした複数のタップ出力信号のうち、複数のエラー信号の積算値のうち最も値が小さな系列のタップ遅延信号を選択して出力し、その選択されたタップ遅延信号を誤り訂正用パリティを用いて誤り訂正処理を行った後ランレングス復号するので、より誤り訂正能力が向上する。
【0024】
また、上記の目的を達成するため、第8の発明の再生装置では、第7の発明のタイミング訂正手段を、さらに、復号手段からのビタビ復号後信号中の同期信号を検出する同期信号検出器を有し、比較・選択手段は、計数器からの複数のエラー信号の計数値を所定ビット毎に比較して、ビットスリップの発生の有無を推定すると共に、同期信号検出器が検出した次の同期信号の検出位置に基づいてビットスリップ発生後の確からしいビット位置を推定し、ビットスリップの発生を推定した場合は、エラー信号の計数値が最少のタップ遅延信号を、確からしいビット位置から切り換えて出力する構成としたものである。
【0025】
また、上記の目的を達成するため、第9の発明の再生装置では、第8の発明の再生装置において、比較・選択手段は、計数器からの複数のエラー信号の計数値を所定ビット毎に比較して、ビットスリップの発生の有無を推定し、ビットスリップの発生を推定した場合は、エラー数が最少のタップ遅延信号を切り換えて出力することを示す選択情報信号を出力する比較器と、複数のタップ遅延信号を記憶し、比較器から選択情報信号が入力された場合、その選択情報信号と同期信号検出器が検出した次の同期信号の検出位置に基づいてビットスリップ発生後の確からしいビット位置を推定し、選択情報信号が示すタップ遅延信号を確からしいビット位置から出力するメモリからなる選択器と、を有する構成としたものである。
【0026】
また、上記の目的を達成するため、第10の発明の再生装置では、第8の発明の再生装置において、比較・選択手段を、計数器からの複数のエラー信号の計数値を所定ビット毎に比較して、ビットスリップの発生の有無を推定すると共に、同期信号検出器が検出した次の同期信号の検出位置に基づいてビットスリップ発生後の確からしいビット位置を推定する際、次の同期信号の検出位置からビットクロックよりも確からしい固定周波数のクロックにより遡って計数して、計数値が最小を示す情報系列が入れ換わった位置を、ビットスリップ発生後の確からしいビット位置として推定する構成に特定したものである。
【0027】
また、上記の目的を達成するため、本発明の再生方法では、ディジタル情報をランレングス符号化処理したランレングス制限符号が記録された記録媒体からランレングス制限符号を読み取りディジタル情報を再生する再生方法であって、記録媒体からランレングス制限符号を読み取りディジタル再生信号に変換するステップと、ディジタル再生信号を誤り訂正能力を有するビタビ復号等により復号して復号後信号を出力するステップと、復号後信号をその同期信号間のブロッック単位で1ビットずつずらした複数の情報系列それぞれをランレングス復号してエラー訂正またはエラー検出を行い、そのエラー訂正またはエラー検出結果に基づいて、エラーの最も少ない情報系列を確からしい情報系列として選択して出力するステップと、を有するものである。
【0028】
また、上記の目的を達成するため、本発明の記録再生装置では、ディジタル情報をランレングス符号化処理したランレングス制限符号を記録媒体に記録すると共に、記録媒体からランレングス制限符号を読み取りディジタル情報を再生する記録再生装置であって、ディジタル情報を入力して誤り訂正符号用パリティを付加する誤り訂正符号用パリティ生成回路と、誤り訂正符号用パリティが付加されたディジタル情報をランレングス符号化処理してランレングス制限符号を生成するランレングス符号化回路と、ランレングス制限符号を記録媒体に記録するストラテジ回路と、記録媒体からランレングス制限符号を読み取りディジタル再生信号に変換するA/D変換器と、ディジタル再生信号を誤り訂正能力を有するビタビ復号等により復号して復号後信号を出力する復号器と、復号後信号をその同期信号間のブロック単位で1ビットずつずらした複数の情報系列それぞれをランレングス復号してエラー訂正またはエラー検出を行い、そのエラー訂正またはエラー検出結果に基づいて、エラーの最も少ない情報系列を確からしい情報系列として選択して出力するタイミング訂正回路とを有するものである。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、ある同期信号間でビットスリップが発生しても、その同期信号間のブロックでは、1ビットずつずらした複数の情報系列それぞれをランレングス復号してエラー訂正またはエラー検出が行われ、そのエラー訂正またはエラー検出結果に基づいて、エラーの最も少ない情報系列が確からしい情報系列として選択して出力されるので、再生信号にビットスリップが発生してもエラーレートを大幅に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる再生装置、再生方法及び記録再生装置の記録系の第1の実施の形態のブロック図を示す。同図において、ディジタル情報は、ECC用パリティ生成回路15に供給されてパリティ(リードソロモン(RS)符号、低密度パリティ検査(LDPC)符号等)が付加された後、ランレングス符号化回路16に供給される。
【0031】
ランレングス符号化回路16は、入力ディジタル情報に対してランレングス符号化処理を行い、ランレングス制限・DSV(Digital Sum Variation)制御等が施された符号列(すなわち、ランレングス制限符号)を生成する。このランレングス制限符号は、ストラテジ回路17に供給され、ここで光ディスクに対してランレングス制限符号を記録するためのレーザを変調するための高周波パルスに変換される。この高周波パルスは、図示しない光ヘッドに供給されてレーザダイオードの駆動回路に供給され、レーザダイオードの出射レーザを変調して光ディスクにランレングス制限符号を光学的に記録する。
【0032】
次に、本発明の再生系について説明する。図2は本発明になる再生装置、再生方法及び記録再生装置の再生系の第1の実施の形態のブロック図を示す。図1に示した記録系によりランレングス制限符号が記録された光ディスクに対して、光ヘッドにより公知の光学的方法で再生されたランレングス制限符号は、図2のA/D変換器21に供給されてマスタークロックでサンプリングされることにより、ディジタル信号に変換された後、AGC・ATC回路22に供給され、ここで振幅が一定に制御される自動利得制御(AGC)及び2値コンパレートの閾値を適切に直流(DC)制御する自動閾値制御(ATC)が行われる。
【0033】
AGC・ATC回路22の出力信号は、リサンプリングDPLL(Digital Phase Locked Loop)23に供給される。リサンプリングDPLL23は、自分自身のブロックの中でループが完結しているディジタルPLL(位相同期ループ)回路で、入力信号を所望のビットレートでリサンプリング(間引き補間)演算して生成したリサンプリングデータ(すなわち、リサンプリングデータの位相0°、180°のうち、180°のリサンプリングデータ)を、適応等化回路24内のトランスバーサルフィルタ(図示せず)に供給する。
【0034】
また、リサンプリングDPLL23は、位相0°のリサンプリングデータのゼロクロスを検出しており、それにより得られる0ポイント情報を適応等化回路24に供給する。上記0ポイント情報は、ビットサンプリングのデータが、ゼロレベルとクロスするポイントをビットクロック単位で示している。更に、リサンプリング・DPLL23は、この0ポイント情報が示すゼロクロスポイントに相当する位相180°のリサンプリングデータの値に基づいて、それが0になるように、リサンプリングのタイミング、つまり周波数及び位相をロックさせる。
【0035】
適応等化回路24は、リサンプリングDPLL23から供給されたリサンプリングデータを入力信号として受け、この入力信号に対してパーシャルレスポンス(PR)特性を付与してビタビ復号器25に供給する。ビタビ復号器25は、適応等化回路24から供給された等化後再生波形に対して、ビタビ復号(又はSOVA又はMAP復号)を行う。
【0036】
ビタビ復号器25の回路構成は公知であり、例えば、等化後再生波形のサンプル値からブランチメトリックを計算するブランチメトリック演算回路と、そのブランチメトリックを1クロック毎に累積加算してパスメトリックを計算するパスメトリック演算回路と、パスメトリックが最小となる、最も確からしいデータ系列を選択する信号を記憶するパスメモリとよりなる。このパスメモリは、複数の候補系列を格納しており、パスメトリック演算回路からの選択信号に従って選択した候補系列を復号データとして出力する。なお、ビタビ復号は、硬判定で2値にしてもよいし、軟判定で尤度情報と共に出力してもよい。また、事後確率法(APP)でもよいことは勿論である。
【0037】
ビタビ復号器25により復号して得られたビタビ復号後信号は、本実施の形態の要部のタイミング訂正回路26に供給され、1ビットずつずらされた複数の情報系列に分配され、その複数の情報系列に対しランレングス制限復号を行い、得られたランレングス復号後信号から、所定の位置に配置された情報ビットを抽出し、集めて符号語とする。
【0038】
タイミング訂正回路26は、更に得られた複数の符号語に対しエラー検出を行い、その結果をエラー信号として出力し、上記の所定の位置毎に、正しい(エラーではない)情報ビットを含むものを、確からしい情報系列として選択する。タイミング訂正回路26から出力された情報系列は、ECC回路27に供給されて誤り訂正符号(RS,LDPC等)に基づき誤り訂正されて、復号データが出力される。
【0039】
図3は上記のタイミング訂正回路26の一実施の形態の要部のブロック図、図4は上記のタイミング訂正回路26の一実施の形態の他の要部のブロック図を示す。タイミング訂正回路26は、図3に示すように、ビタビ復号器(図2の25)からのビタビ復号後信号とシステムクロックが供給されてAFC(Address Field Codeword)を検出するAFC検出器261と、AFC検出器261からのAFC信号を復号すると共にエラー信号を出力するAFC復号器262a〜262cと、AFC復号器262a〜262cの各出力信号の中から一の信号を選択する比較器263と、図4に示す遅延器264a〜264cと、選択器265とから構成されている。
【0040】
なお、図3では、AFC復号器262a〜262cを3台しか示していないが、それ以上あっても勿論よく、これはAFC検出器261から1ビットずつシフトされて出力されるAFC信号の数、すなわちシフトビット量に対応することになる。このため、ビットスリップを検出するためには、ビットスリップ量に応じたビットだけ遅延されたAFC信号が必要であるので、想定されるビットスリップ量以上AFC復号器を設けるか、あるいは、想定されるビットスリップ量以上AFC復号器がなくても、AFC復号器がさらに遅延させたAFC信号を再度出力して、ビットスリップ量に応じたビットだけ遅延されたAFC信号を出力できるようにすればよい。また、比較器263と、選択器265等とにより、本発明の比較・選択手段を構成している。
【0041】
ここで、光ディスクとして一般的なピケットコード(picket code)の例を用いて説明する。図5は1ECCクラスタのデータ構造を示す。図5において、1行は記録単位の1Syncブロックに相当し、1Syncブロックのユーザデータ中に3つの情報ビット群であるBIS(Burst Indicating Subcode)の一部(1バイト程度)が埋め込まれている(図5中、BISと表記してある幅の縦のラインは、すべてBIS信号である。)。
【0042】
BISの一部を幾つか集めることで符号語となり、その符号語はエラー訂正もしくは検出可能な符号語AFC(9バイト)を含んでいる。また、BISクラスタは、アドレスフィールドAFをデータとして持っており、これにより、現在のアドレスを情報として知ることができる。
【0043】
AFC検出器261は、例えば図6のブロック図の構成とされており、ビタビ復号後信号を、複数段縦続接続されたD型フリップフロップ(D−FF)2611、2612、2613等により1ビットずつ遅延して、各々1ビットずつずらした複数の情報系列を得てランレングス復号器2614に供給し、ランレングス復号してランレングス復号後信号を図4の遅延器264a、264b、264c等へ出力すると共に、BIS検出器2615に供給する。
【0044】
BIS検出器2615は、ランレングス復号器2614から出力される1ビットずつ時間的にずれたランレングス復号後信号が並列に供給され、それら複数のランレングス復号後信号中の同じ位置で埋め込まれているBISをそれぞれ抽出し、その抽出したBISだけをメモリ2616に供給して一時記憶する。メモリ2616の読み出しアドレスを制御することにより、メモリ2616からはECCパリティを含んだ符号語である複数のAFC信号を取り出すことができる。
【0045】
図3に戻って説明するに、AFC検出器261から出力された複数のAFC信号は、各々AFC復号器262a,262b,262cに入力されてリードソロモン復号される。ここで、ビットスリップが無ければ、AFC検出器261で正しいBIS位置を抜き取ることができるので、AFC復号器262a,262b,262cのエラー訂正においてエラーが少ないが、ビットスリップが有る場合は、AFC検出器261で正しいBIS位置を抜き取ることができないので、AFC復号器262a,262b,262cのエラー訂正においてエラー信号が出力される。つまり、ランレングス復号後信号の同期信号間にはBISが複数埋め込まれているので、このエラー信号は、各ランレングス復号後信号における複数のBIS毎のエラーの数を示しており、BIS毎のエラー数の変化により、ビットスリップによるエラー発生位置を示している。
【0046】
比較器263は、AFC復号器262a,262b,262cからのエラー信号を入力として受け、BIS毎にエラー数の最も少ない情報系列を確からしい情報系列とし、更にそのエラー数の変化によりビットスリップを発生した場所を確定する。そして、比較器263は、そのビットスリップが発生した箇所に応じて選択情報信号を出力する。
【0047】
つまり、ビットスリップがない場合、比較器263は、エラーの無いあるいはエラー数が最小である例えば遅延なしのランレングス復号後信号を確からしい情報系列として選択するように選択情報信号を出力する一方、例えば3ビットのビットスリップ発生後は、3ビット遅延させたランレングス復号後信号のエラー数が最小となるので、3ビット遅延させたランレングス復号後信号を確からしい情報系列として選択するように選択情報信号を出力することになる。
【0048】
また、ビットスリップが発生した場合は、今まで正常でエラーの無いあるいはエラー数が最小のランレングス復号後信号では、ビットスリップにより急に正しいBIS位置を抜き取ることができなくなりそのBIS位置でエラー数が増大する一方、ビットスリップ量と同じだけ遅延させたランレングス復号後信号では、ビットスリップ発生後は正しいBIS位置を抜き取ることが可能となりそのBIS位置で急にエラー数が減少するので、BIS毎のエラー数の変化により、およそのビットスリップ発生位置を推定できる。
【0049】
比較器263により選択されて出力された選択情報信号は、図4の選択器265へ供給される。選択器265は遅延器264a、264b、264c等により選択情報信号との時間合わせのために遅延された、1ビットずつずらされた複数のランレングス復号後信号が入力され、上記選択情報信号に基づいて、ビットスリップが発生した箇所の前後で、最もエラー数の少ない情報系列である一つのランレングス復号後信号をシステムクロックに同期して切り換えて出力する。
【0050】
つまり、選択器265は、比較器263から選択情報信号が入力されるまでは、ビットスリップが発生しないものとして、例えば遅延なしのランレングス復号後信号を確からしい情報系列として選択して出力する一方、比較器263から選択情報信号が入力された場合には、ビットスリップが発生したものとして、1ビットずつシフトされている複数のランレングス復号後信号のうちでエラー数が最小、すなわちビットスリップ量に最も近い量だけ遅延させたランレングス復号後信号を確からしい情報系列として出力する。これにより、選択器265は、同期信号間であっても、比較器263から選択情報信号が入力された時点で、遅延なしのランレングス復号後信号から、ビットスリップ量に最も近い量だけ遅延させたランレングス復号後信号に切り換えて出力することになる。
【0051】
選択器265により選択されたランレングス復号後信号は、確からしいデータとして図2のECC回路27に供給される。ECC回路27は、入力信号に対してLDPC(LDPCでは、尤度が渡される。)やRS等に基づき、誤り訂正等を施して再生信号として出力する。
【0052】
次に、この実施の形態の動作原理について説明する。図7はビットスリップにより、ビットスリップ以降のビットが全てずれた状態を模式的に示す。すなわち、従来は、図7に示すように、同期信号SY1の再生後にビットスリップがSLの位置で発生した場合、SL以降次の同期信号SY2が得られるまでのビットがすべてずれて、誤り範囲ER1が次の同期信号SY2まで継続してしまう。
【0053】
図8は同期信号と同期信号の間に情報系列が存在する限り、1ビットずつ情報系列をずらし、それら1ビットずつずらした複数の情報系列に対して、アドレスフィールドのデータAFを検出する過程を示している。なお、図8中、双方向の矢印は、1本当り、同期信号間の1Syncブロックを示しており、1ビットずつビットをずらしたものが並べてあることを示している。AF0、AF1、AF2はBISのタイミングを示す。AFの次の数字は、これ以外にも存在するので一例である。
【0054】
図9は本実施の形態を用いた状態を示すものであり、同期信号SY1の再生後にビットスリップが発生した場合、本実施の形態ではAFの最も確からしい位置を選択するようにしているため、次の同期信号SY2が得られる前に、次のBISの位置である例えばAF1の位置で誤り範囲を止めることが可能となり、誤り範囲はER2に示すように、図7に示した誤り範囲ER1よりも狭い範囲に止めることができる。つまり、図9の場合、ビットスリップ発生後の最初のBIS位置であるAF1までは、遅延なしのランレングス復号後信号が選択器265から出力されるが、AF1の後は次の同期信号SY2が得られるまで、ビットスリップ量に最も近い量だけ遅延させたランレングス復号後信号が出力されることになり、AF1から次の同期信号SY2までの分だけ、誤り範囲を削減している。
【0055】
次に、タイミング訂正回路26の他の例の動作原理を説明する。図10は本実施の形態のタイミング訂正回路26の他の例を用いた状態を模式的に示すものであり、図7にSLで示したようにビットスリップが発生しても、ビットスリップ発生位置がわかっている場合は、図10に示すように、ビットスリップ発生後の次のBIS位置、すなわちAF1を基準として前へ遡ってビットスリップ以降のビット位置を決定し、AF1より前のそのビット位置からエラー数の少ないビットスリップ量に最も近い量だけ遅延させたランレングス復号後信号を選択して出力することにより、誤り位置をER3で示すように最小限にすることが可能となる。
【0056】
このように、本実施の形態では、Syncブロック中、一定の位置に埋め込まれた信号であるBISを利用し、そのタイミング(間隔)で、そのBISの内部データ(AF)が正しくなるようなビット系列を、複数のずらした系列の中から選択することにより、ビットスリップが発生しても、次のBIS位置等を基準としてビットスリップ以降のビット位置を決定し、そのビット位置からビットスリップ量に最も近い量だけ遅延させたランレングス復号後信号を選択して出力するので、エラーレートを大幅に低減することができる。
【0057】
なお、本実施の形態では、BIS毎のエラー数に基づいて、同期信号間でビットスリップが発生した場合、同期信号間でもBIS位置からランレングス復号後信号を切り換えて出力するように説明したが、本発明では、これに限らず、BIS毎のエラー数を同期信号間、積算して、最もそのエラー積算数の少ないランレングス復号後信号を同期信号間で切り換えずに出力するようにしても勿論よい。
【0058】
このようにすれば、次の同期信号の直前にビットスリップが発生した場合には、遅延のないランレングス復号後信号がエラー数が最小の確からしい情報系列として選択して出力されるし、ある同期信号の直後にビットスリップが発生した場合には、そのビットスリップ量に応じただけ遅延させたランレングス復号後信号がエラー数が最小の確からしい情報系列として選択して出力されるので、同期信号間の途中で確からしい情報系列を切り換えなくても、同期信号の直後にビットスリップが発生した場合等においては、エラーレートを削減することができることになる。
【0059】
次に、本発明になる再生装置、再生方法、記録再生装置の再生系の第2の実施の形態について説明する。図11は本発明になる再生装置、再生方法、記録再生装置の再生系の第2の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図2と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図11において、ビタビ復号器25によりビタビ復号して得られたビタビ復号後信号は、ランレングス復号及びタイミング訂正回路30に供給され、ここでランレングス復号とタイミング訂正が行われた後、ECC回路27に供給される。
【0060】
このランレングス復号及びタイミング訂正回路30は本実施の形態の再生系の要部を構成する回路であり、前述したビットスリップが発生してビット位置がずれてしまった場合でも、正しいビット位置を検索することを目的とし、第一にビタビ復号における復号エラーに基づいて、局所的に確からしいビット列を推定すること、第二にランレングス復号では、ビットずれが発生すると、本来存在しない符号や本来存在しない状態遷移が増大すること、第三に非同期のクロック情報を用いることで、同期信号の間隔を計測することができるので、確からしい場所に位置させることができること、第四に再生系にリサンプリングDPLLを用いる場合は、既に非同期のクロックでサンプリングしているので、時間的に位置を特定することが容易であることに着目し、同期信号が存在しない場所でも、確からしいビット位置を検索するようにしたものである。なお、ビタビ復号器25では、ビタビ復号の代わりに、最大事後確率復号(MAP復号)や、SOVA等の誤り訂正能力を有する復号を使用してもよいことは、第1の実施の形態と同様で、次に説明する第3の実施の形態でも同様である。
【0061】
図12はランレングス復号及びタイミング訂正回路30の一実施の形態の要部のブロック図、図13はランレングス復号及びタイミング訂正回路30の一実施の形態の他の要部のブロック図を示す。ランレングス復号及びタイミング訂正回路30は、図12に示すように、前記ビタビ復号後信号を入力信号として受け、その入力信号を3つ以上連続して1ビットずつシフトするタップ遅延回路301と、タップ遅延回路301から1ビットずつシフトされたタイミングで並列出力される信号がそれぞれ入力されるランレングス復号器302a〜302cと、ランレングス復号器302a〜302cからのエラー信号を別々に計数する計数器303a〜303cと、計数器303a〜303cからの計数値が供給されて、最も小さい値を選択する比較器304と、図13に示す時間合わせのための遅延器305a〜305c等と、選択器306とより構成されている。
【0062】
なお、図12では、ランレングス復号器302a〜302cを3台しか示していないが、図3に示すAFC復号器262a〜262cと同様に、それ以上あっても勿論よく、これはタップ遅延回路301から1ビットずつシフトされて出力されるタップ遅延信号の数、すなわちシフトビット量に対応することになる。このため、ビットスリップを検出するためには、ビットスリップ量に応じたビットだけ遅延されたランレングス復号語信号が必要であるので、想定されるビットスリップ量以上ランレングス復号器を設けるか、あるいは、想定されるビットスリップ量以上ランレングス復号器がなくても、ランレングス復号器がさらに遅延させたランレングス復号後信号を再度出力して、ビットスリップ量に応じたビットだけ遅延されたランレングス復号語信号を出力できるようにすればよい。また、比較器304と、選択器306等とにより、本発明の比較・選択手段を構成している。
【0063】
タップ遅延回路301は、例えば図14の構成図に示すように、複数段縦続接続されたD−FF3011、3012、3013等から構成されており、前記ビタビ復号後信号を1ビットずつシフトし、互いに1ビットずつ遅延時間の異なる信号を出力する。このタップ遅延回路301から出力された、互いに1ビットずつ遅延時間の異なる複数の信号は、図12に示すように、それぞれタップ遅延信号としてランレングス復号器302a、302b、302c等に供給されてランレングス復号される。
【0064】
なお、DーFF3011の遅延無しの入力信号がランレングス復号器302aに供給され、D−FF3011の1ビット遅延の出力信号がランレングス復号器302bに供給され、D−FF3012の2ビット遅延の出力信号がランレングス復号器302cに供給される。図12ではランレングス復号器は代表して3つ図示してあり、また、図14で
はD−FFの数は3つ図示してあるが、これに限定されるものではなく、図12、図14では3以上設けられている。
【0065】
図12のランレングス復号器302a、302b、302cは、記録系のランレングス符号化に対応したタップ遅延信号のランレングス復号を互いに独立して行い、得られたランレングス復号後信号を出力すると共に、ランレングス復号の過程で符号化の際に生成されるはずのない符号が入力された、若しくは遷移するはずのない遷移が生じたことを示す復号エラーが発生した場合、エラー信号を生成して、計数器303a、303b、303cへ出力する。
【0066】
ここで、ランレングス復号器302a、302b、302cは、復号の過程で得られたエラー判別結果と、入力信号であるタップ遅延回路301からのタップ遅延信号との差をユークリッド距離として演算し、その2乗若しくは絶対値の値をエラー信号としてもよい。
【0067】
計数器303a、303b、303cは、入力されたエラー信号を1ビット毎あるいは数ビット毎等の所定ビット毎に計数(積算)しており、そのエラー計数値を比較器304に供給する。比較器304は、1ビット毎あるいは数ビット毎等の所定ビット毎に入力された複数の上記のエラー計数値のうち、最も値の小さなエラー計数値のランレングス復号後信号を選択するように選択情報信号を出力する。これにより、この実施の形態では、計数器303a、303b、303cからのエラー計数値に基づいて、1ビット毎あるいは数ビット毎等の所定ビット毎にビットスリップの発生タイミング(位置)を推定できると共に、ビットスリップ発生前に選択されていた遅延のないランレングス復号後信号と、ビットスリップ発生後選択されるランレングス復号後信号遅延信号との間の遅延ビット量を、ビットスリップ量として推定することができる。
【0068】
図13に示す遅延器305a、305b及び305cは、図12のランレングス復号器302a、302b及び302cから出力されたランレングス復号後信号が供給され、その入力信号を選択情報信号との時間合わせのために所定時間遅延して、図13に示す選択器306に供給する。
【0069】
選択器306は、図12の比較器304から出力された選択情報信号を選択信号として入力され、遅延器305a、305b及び305cから供給される遅延ランレングス復号後信号の中から、前記エラー計数値が最も小さな遅延ランレングス復号後信号を、最も確からしいビット位置のランレングス復号後信号として選択して出力する。これにより、ビットスリップが発生したとしても、選択器306からはランレングス復号の際の復号エラーのエラー計数値に基づいて、ビットスリップ量だけビットをシフトさせたランレングス復号号信号が出力されることになる。そして、この選択器306により選択された遅延ランレングス復号後信号は、図11のECC回路27に供給されて誤り訂正された後、復号信号として出力される。
【0070】
なお、ECC回路27において、LDPC符号を用いた誤り訂正を行う場合は、尤度情報がランレングス復号後信号と共に入力される。前記ビタビ復号器25のビタビ復号が軟判定の場合は、ビットスリップした場所の尤度情報を、最も確からしくない値とする。これは、ビットスリップした場所は元々値として信頼性が無いためであり、尤度情報を確からしくない値にしないと辻褄が合わなくなるためである。
【0071】
次に、この実施の形態の動作原理について説明する。図15は本実施の形態の動作原理を説明する図であり、本実施の形態では少なくともビットスリップにより予測されるビットスリップ量以上、1ビットずつ遅延させたランレングス復号後信号を用意し、同期信号SY1の再生後、次の同期信号SY2までの間にビットスリップが発生した場合、ランレングス復号の際の復号エラーによりエラー発生位置を検出し、その検出エラー発生位置以降は、複数のランレングス復号後信号の中から復号エラーの少ないランレングス復号後信号を、最も確からしい情報系列として選択する。
【0072】
つまり、ビットスリップが発生した場合、今まで正常でエラーの無かったあるいはエラー最小である遅延なしのランレングス復号後信号では、急にエラー計数値が増大する一方、そのビットスリップ量と同じだけ遅延させているランレングス復号後信号では、急にエラー計数値が減少するので、このエラー計数値の変化によりビットスリップ発生位置を推定できる。
【0073】
また、ビットスリップがない場合、比較器304は、例えば遅延なしのランレングス復号後信号をエラー計数値最小の情報系列として選択しており、例えば、3ビットのビットスリップの発生後は、3ビットだけ遅延させたランレングス復号後信号のエラー計数値が最小となるので、ビットスリップ量と同じだけ遅延させたランレングス復号後信号を選択することができる。
【0074】
このように、本実施の形態では、ランレングス復号器302a、302b、302cにおける復号エラーの所定ビット毎の計数値に基づいて、1ビットずつシフトした複数のランレングス復号後信号のうちで復号エラーの少ないランレングス復号後信号を選択するようにしたため、同期信号SY1の再生後、次の同期信号SY2の間にビットスリップが発生した場合には、そのビットスリップ量だけ遅延させたランレングス復号後信号を選択して出力することができ、図15の誤り範囲をER4に示すように、図7に示した従来の誤り範囲ER1よりも狭い最小限の範囲に止めることができる。
【0075】
次に、図11中のランレングス復号及びタイミング訂正回路30の他の実施の形態について説明する。図11中のランレングス復号及びタイミング訂正回路30の一実施の形態は、図12及び図13の各ブロック図からなる構成であったが、この実施の形態では、そのうち図13に示す構成に替えて図16に示す構成としたものである。図16中、図13と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0076】
図16において、図11のビタビ復号器25から出力されたビタビ復号後信号がSync検出器307に供給され、ここでビタビ復号後信号中の同期信号(Sync)が検出される。このSync検出器307から出力されたSync検出信号は、遅延器308により選択情報信号との時間合わせのために所定時間遅延された後、選択器309に供給される。選択器309は、1ビット毎あるいは数ビット毎等の所定ビット毎にエラー計数値が最も小さな遅延ランレングス復号後信号を選択して出力するが、その際に同期信号が検出された場合は、その前後のビット位置を、その同期信号検出位置を基準にして決定する。これにより、より確からしい復号が可能となる。
【0077】
次に、図16に示した構成を備えたランレングス復号及びタイミング訂正回路30の動作原理を図17の模式図を用いて説明する。図17において、ある同期信号SY1の再生後、次の同期信号SY2までの間にビットスリップが発生すると、選択器309は、Sync検出器307から出力されたSync検出信号に基づき、次のSync位置を基準として、ビットスリップ以降の確からしいビット位置を決定する。すなわち、次の同期信号SY2の位置を基準にして遡って、スリップしたビットクロックよりも確からしい固定周波数のクロックにより計数して、ビットスリップ後の同期信号SY2の発生位置から同期信号SY1と同期信号SY2との間で最小のエラー計数値を示す情報系列が入れ替わる位置を、ビットスリップ以降の確からしいビット位置として決定する。これにより、誤り範囲をER5で示すように、図7に示した誤り範囲ER1よりも狭い最小限の範囲にすることが可能となる。
【0078】
なお、本実施の形態では、ビットスリップによるエラー発生位置を、ランレングス復号器302a,302b,302cからの復号エラーをそれぞれ計数器303a,303b、303cが1ビットあるいは数ビット毎等の所定ビット毎に計数して、そのエラー計数値の増大や減少等の変化に応じてビットスリップ発生位置を推定するように説明したが、リサンプリングDPLL23におけるPLLエラーが最も大きかった箇所をビットスリップ発生位置と推定して、ビットスリップ発生後の同期信号位置から遡り、そのビットスリップ発生位置で、エラー計数値が最小のランレングス復号後信号を選択して出力するようにしても勿論よい。
【0079】
また、本実施の形態では、1ビット毎あるいは数ビット毎等の所定ビット毎にエラー数を計数し、同期信号間でビットスリップが発生した場合、そのエラー計数値に基づいてランレングス復号後を切り換えて出力するように説明したが、本発明では、これに限らず、同期信号間エラー数を積算して、最もその積算値が少ないランレングス復号後信号をその同期信号間で切り換えずに出力するようにしても勿論よい。
【0080】
このようにすれば、次の同期信号の直前にビットスリップが発生した場合には、遅延のないランレングス復号後信号がエラー数が最小の確からしい情報系列として選択して出力されるし、ある同期信号の直後にビットスリップが発生した場合には、そのビットスリップ量に応じただけ遅延させたランレングス復号後信号がエラー数が最小の確からしい情報系列として選択して出力されるので、同期信号間の途中で確からしい情報系列を切り換えなくても、同期信号の直後にビットスリップが発生した場合等においては、エラーレートを削減することができることになる。なお、このことは、次に説明する第3の実施の形態でも同様である。
【0081】
また、選択器309をメモリで構成して、タップ遅延回路301からの複数のランレングス復号後信号を記憶し、比較器304から選択情報信号が入力された場合、その選択情報信号とSync検出器307が検出した次の同期信号の検出位置に基づいてビットスリップ発生後の確からしいビット位置を推定し、選択情報信号が示すランレングス復号後信号をその確からしいビット位置から出力するように構成してもよい。また、選択器306をメモリで構成し、比較器304からの選択情報信号に基づき、そのタイミングで選択情報信号が示すランレングス復号後信号を、確からしいビット位置から出力するようにしてもよい。
【0082】
次に、本発明になる再生装置、再生方法及び記録再生装置の記録系の第2の実施の形態について説明する。図18は本発明になる再生装置、再生方法及び記録再生装置の記録系の第2の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図1と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図18において、記録系はランレングス符号化回路16から出力されたランレングス制限符号に対してECC用パリティ(RS、LDPC等)を生成する処理を行ってストラテジ回路17へ出力するECC用パリティ生成回路18を設けた点に特徴がある。
【0083】
次に、本発明の再生装置、再生方法及び記録再生装置の再生系の第3の実施の形態について説明する。図19は本発明になる再生装置、再生方法及び記録再生装置の再生系の第3の実施の形態のブロック図を示す。同図中、図11と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図19に示す第3の実施の形態は、図18に示した記録系によりランレングス制限符号が記録された光ディスクからランレングス制限符号を再生する再生系であり、図11のランレングス復号及びタイミング訂正回路30の替わりにタイミング訂正回路33を設け、更にその後段にECC回路(RS・LDPC等)34、ランレングス復号回路35、ECC回路(RS・LDPC等)27を順次に接続して復号したデータを出力する構成である。
【0084】
図19において、タイミング訂正回路33は、図20に示した回路部と、図21又は図22に示した回路部とからなる。ただし、図20に示した回路部では、図12に示す回路部とは異なり、ランレングス復号器302a’,302b’,302c’等は、ビタビ復号器25からのビタビ復号後信号をタップ遅延回路301が1ビットずつシフトさせたタップ遅延信号をそれぞれランレングス復号してその復号エラーのエラー信号を出力するだけで、ランレングス復号後信号を選択器332へ出力しない。タップ遅延回路301が1ビットずつシフトさせたタップ遅延信号を、図21に示す選択器332又は図22に示す選択器336へ遅延器331a、331b、331cを介して供給する。
【0085】
すなわち、図21に示すタイミング訂正回路33内の回路部では、前記図20に示すタップ遅延回路301から1ビットずつシフトしたタイミングで並列出力されたビタビ復号後信号(タップ遅延信号)がそれぞれ遅延器331a、331b、331c等により、選択情報信号との時間合わせのために所定時間遅延された後、図21に示す選択器332に供給され、ここで選択情報信号に基づき、図12で説明した1ビット毎または数ビット毎等の所定ビット毎のエラー計数値が最も小さな信号に対応したビタビ復号後信号を、最も確からしいビット位置の信号として選択される。
【0086】
また、図19中のタイミング訂正回路33を、図20に示した回路部と、図22に示した回路部とからなる構成とすることもできる。図22中、図21と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図22において、図11のビタビ復号器25から出力されたビタビ復号後信号がSync検出器334に供給され、ここでビタビ復号後信号中の同期信号(Sync)が検出される。
【0087】
このSync検出器334から出力されたSync検出信号は、遅延器335により選択情報信号との時間合わせのために所定時間遅延された後、選択器336に供給される。選択器336は、1ビット毎または数ビット毎等の所定ビット毎のエラー計数値が最も小さなタップ遅延信号を選択して出力するが、その際に同期信号が検出された場合は、その前後のビット位置を、その同期信号検出位置を基準にして決定する。これにより、確からしい復号が可能となる。
【0088】
図21の選択器332又は図22の選択器336により選択されたタップ遅延信号は、タイミング訂正回路33の出力信号として図19のECC回路34に供給され、ここで図18の記録系のECC用パリティ生成回路18で生成された誤り検出符号RS又はLDPC等に基づき誤り訂正された後、ランレングス復号回路35に供給され、ランレングス復号(尤度変換)されてランレングス復号後信号が得られる。このランレングス復号後信号は、更にECC回路27に供給されて図18の記録系のECC用パリティ生成回路15で生成された誤り検出符号RS又はLDPC等に基づき誤り訂正されて出力される。
【0089】
この再生系は、図18に示した記録系に対応して、ランレングス制限されたECCパリティに対応させた構成としたものであるが、第1の実施の形態の再生系と同様の効果を奏する。また、ランレングス制限された、ECCパリティにも対応することが可能となる。
【0090】
なお、図18の記録系において、ECC用パリティ生成回路18において、ランレングス制限符号に対してLDPC符号化を行いパリティを追加挿入してから記録を行った場合、図19の再生系では、ビタビ復号器25及びタイミング訂正回路33では追加挿入したパリティを除いてビタビ復号及びタイミング訂正処理動作を行い、その結果として得られるタップ出力に対する系列選択後信号に対して、ECC回路34においてLDPC符号の復号を行い、その後にランレングス復号回路35にてランレングス復号を行う。
【0091】
また、選択器336をメモリで構成して、タップ遅延回路301からの複数のタップ遅延信号を記憶し、比較器304から選択情報信号が入力された場合、その選択情報信号とSync検出器334が検出した次の同期信号の検出位置に基づいてビットスリップ発生後の確からしいビット位置を推定し、選択情報信号が示すタップ遅延信号をその確からしいビット位置から出力するように構成しても勿論よい。また、選択器332をメモリで構成し、比較器304からの選択情報信号に基づき、そのタイミングで選択情報信号が示すタップ遅延信号を、確からしいビット位置から出力するようにしてもよい。
【0092】
なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものではなく、例えば図12のタップ遅延回路301をメモリで構成してもよく、そのメモリに取り込んだビタビ復号後信号に対し、メモリアドレス(ポインタ)を操作することにより、並列に複数のタップ遅延信号を出力するようにしてもよい。
【0093】
また、以上の実施の形態では、例えば、図1等に示す記録系の構成と、図2等に示す再生系の構成とを、別々に説明して、再生装置のみに適用可能に説明したが、本発明では、これに限らず、図1等に示す記録系の構成と図2等に示す再生系の構成との双方を有する記録再生装置にも勿論適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の再生装置、再生方法及び記録再生装置に対応した記録系の第1の実施の形態のブロック図である。
【図2】本発明の再生装置、再生方法及び記録再生装置の再生系の第1の実施の形態のブロック図である。
【図3】図2中のタイミング訂正回路の一実施の形態の要部のブロック図である。
【図4】図2中のタイミング訂正回路の一実施の形態の他の要部のブロック図である。
【図5】情報ビット群の使用例を示す図である。
【図6】図3中のAFC検出器261の一実施の形態のブロック図である。
【図7】ビットスリップにより、ビットスリップ以降のビットが全てずれた状態を示す模式図である。
【図8】AFを検出する過程を示す図である。
【図9】本発明装置の第1の実施の形態の動作原理を示す模式図である。
【図10】本発明装置の他の例の動作を示す模式図である。
【図11】本発明の再生装置、再生方法及び記録再生装置の再生系の第2の実施の形態のブロック図である。
【図12】図11中のランレングス復号及びタイミング訂正回路の一実施の形態の要部のブロック図である。
【図13】図11中のランレングス復号及びタイミング訂正回路の一実施の形態の他の要部のブロック図である。
【図14】図12中のタップ遅延回路の一例のブロック図である。
【図15】本発明装置の第2の実施の形態の動作原理を示す模式図である。
【図16】図11中のランレングス復号及びタイミング訂正回路の他の実施の形態の要部のブロック図である。
【図17】図16に示した構成を備えたランレングス復号及びタイミング訂正回路の動作原理を模式的に説明する図である。
【図18】本発明の再生装置、再生方法及び記録再生装置に対応した記録系の第2の実施の形態のブロック図である。
【図19】本発明の再生装置、再生方法及び記録再生装置の再生系の第3の実施の形態のブロック図である。
【図20】図19中のタイミング訂正回路の一実施の形態の要部のブロック図である。
【図21】図19中のタイミング訂正回路の一実施の形態の要部のブロック図である。
【図22】図19中のタイミング訂正回路の他の実施の形態の要部のブロック図である。
【図23】従来の記録再生装置の一例のブロック図である。
【符号の説明】
【0095】
15、18 ECC用パリティ生成回路
16 ランレングス符号化回路
17 ストラテジ回路
23 リサンプリングDPLL
24 適応等化回路
25 ビタビ復号器
26、33 タイミング訂正回路
27、34 ECC回路
35 ランレングス復号回路
261 AFC検出器
262a〜262c AFC復号器
263、304 比較器
265、306、309、332、336 選択器
301 タップ遅延回路
302a〜302c、302a’〜302c’、2614 ランレングス復号器
303a〜303c 計数器
307、334 Sync検出器
2611〜2613、3011〜3013 D型フリップフロップ(D−FF)
2615 BIS検出器
2616 メモリ



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタル情報をランレングス符号化処理したランレングス制限符号が記録された記録媒体から前記ランレングス制限符号を読み取り前記ディジタル情報を再生する再生装置であって、
前記記録媒体から前記ランレングス制限符号を読み取りディジタル再生信号に変換するA/D変換手段と、
前記ディジタル再生信号を誤り訂正能力を有するビタビ復号等により復号して復号後信号を出力する復号手段と、
前記復号後信号をその同期信号間のブロック単位で1ビットずつずらした複数の情報系列それぞれをランレングス復号してエラー訂正またはエラー検出を行い、そのエラー訂正またはエラー検出結果に基づいて、エラーの最も少ない情報系列を確からしい情報系列として選択して出力するタイミング訂正手段と
を有することを特徴とする再生装置。
【請求項2】
前記タイミング訂正手段は、
前記復号後信号をその同期信号間のブロッック単位で1ビットずつずらした複数の情報系列を並列に出力して、その複数の情報系列に対しそれぞれ別々にランレングス復号を行い、複数のランレングス復号後信号を並列に出力すると共に、前記複数のランレングス復号後信号それぞれの前記各ブロック中の一定位置に埋め込まれた複数の特定データを抽出して、抽出した複数の特定データを所定数集めてエラー訂正もしくはエラー検出可能な符号語を得る符号語検出器と、
前記複数のランレングス復号後信号の前記符号語を復号すると共にエラー訂正またはエラー検出を行って、前記特定データ毎のエラー数を示すエラー信号を出力する符号語復号器と、
前記符号語復号器から出力される複数の前記エラー信号を前記特定データ毎に比較し、前記特定データ毎に前記エラー数が最少の前記ランレングス復号後信号を確からしい情報系列として選択し、ビットスリップ発生後は、前記エラー数が最少の前記ランレングス復号後信号を切り換えて出力する比較・選択手段と
を有することを特徴とする請求項1記載の再生装置。
【請求項3】
前記タイミング訂正手段は、
前記復号後信号をその同期信号間のブロッック単位で1ビットずつずらして複数のタップ遅延信号を並列に出力するタップ遅延回路と、
前記複数のタップ遅延信号をそれぞれ別々にランレングス復号してランレングス復号後信号を出力すると共に、そのランレングス復号の過程で、符号化の際に生成されることのない符号が入力された、又は遷移するはずのない遷移が生じたときにエラー信号を出力する複数のランレングス復号器と、
前記複数のランレングス復号器から出力された複数の前記エラー信号をそれぞれ別々に所定ビット毎に計数する計数器と、
前記計数器からの複数の前記エラー信号の計数値を前記所定ビット毎に比較して、前記所定ビット毎に前記計数値が最少の前記ランレングス復号後信号を確からしい情報系列として選択し、ビットスリップ発生後は、前記計数値が最少の前記ランレングス復号後信号を切り換えて出力する比較・選択手段と
を有することを特徴とする請求項1記載の再生装置。
【請求項4】
前記複数のランレングス復号器は、前記複数のタップ遅延信号をそれぞれ別々にランレングス復号してランレングス復号後信号を出力すると共に、復号過程で得られた判別結果と入力信号である前記復号後信号との差をユークリッド距離として演算し、その2乗もしくは絶対値の値を前記エラー信号として出力することを特徴とする請求項3記載の再生装置。
【請求項5】
前記タイミング訂正手段は、さらに、前記復号手段からのビタビ復号後信号中の同期信号を検出する同期信号検出器を有し、
前記比較・選択手段は、前記計数器からの複数の前記エラー信号の計数値を前記所定ビット毎に比較して、ビットスリップの発生の有無を推定すると共に、前記同期信号検出器が検出した次の同期信号の検出位置に基づいてビットスリップ発生後の確からしいビット位置を推定し、ビットスリップの発生を推定した場合は、前記エラー数が最少の前記ランレングス復号後信号を、前記確からしいビット位置から切り換えて出力することを特徴とする請求項3記載の再生装置。
【請求項6】
前記比較・選択手段は、
前記計数器からの複数の前記エラー信号の計数値を前記所定ビット毎に比較して、ビットスリップの発生の有無を推定し、ビットスリップの発生を推定した場合は、前記エラー数が最少の前記ランレングス復号後信号を切り換えて出力することを示す選択情報信号を出力する比較器と、
前記複数のランレングス復号後信号を記憶し、前記比較器から前記選択情報信号が入力された場合、その選択情報信号と前記同期信号検出器が検出した次の同期信号の検出位置に基づいてビットスリップ発生後の確からしいビット位置を推定し、前記選択情報信号が示す前記ランレングス復号後信号を前記確からしいビット位置から出力するメモリからなる選択器と
を有することを特徴とする請求項5記載の再生装置。
【請求項7】
前記記録媒体には、前記ランレングス制限符号に誤り訂正符号用パリティを付加する処理が行われており、
前記A/D変換手段は、前記記録媒体から再生された前記ランレングス制限符号と共に前記誤り訂正符号用パリティをディジタル再生信号に変換し、
前記タイミング訂正手段は、
前記復号後信号をその同期信号間のブロック単位で1ビットずつずらして複数のタップ遅延信号を並列に出力するタップ遅延回路と、
前記複数のタップ遅延信号をそれぞれ別々にランレングス復号して、そのランレングス復号の過程で、符号化の際に生成されることのない符号が入力された、又は遷移するはずのない遷移が生じたときにエラー信号を出力する複数のランレングス復号器と、
前記複数のランレングス復号器から出力された複数の前記エラー信号をそれぞれ別々に所定ビット毎に計数する計数器と、
前記計数器からの複数の前記エラー信号の計数値を前記所定ビット毎に比較して、前記所定ビット毎に前記エラー信号の計数値が最少の前記タップ遅延信号を確からしい情報系列として選択し、ビットスリップ発生後は、前記エラー信号の計数値が最少の前記タップ遅延信号を切り換えて出力する比較・選択手段とを備え、
さらに、
前記比較・選択手段により選択された前記タップ遅延信号を前記誤り訂正符号用パリティを用いて誤り訂正処理する誤り訂正手段と、
前記誤り訂正処理が行われた前記タップ遅延信号をランレングス復号するランレングス復号手段と
を有することを特徴とする請求項1記載の再生装置。
【請求項8】
前記タイミング訂正手段は、さらに、前記復号手段からのビタビ復号後信号中の同期信号を検出する同期信号検出器を有し、
前記比較・選択手段は、前記計数器からの複数の前記エラー信号の計数値を前記所定ビット毎に比較して、ビットスリップの発生の有無を推定すると共に、前記同期信号検出器が検出した次の同期信号の検出位置に基づいてビットスリップ発生後の確からしいビット位置を推定し、ビットスリップの発生を推定した場合は、前記エラー信号の計数値が最少の前記タップ遅延信号を、前記確からしいビット位置から切り換えて出力することを特徴とする請求項7記載の再生装置。
【請求項9】
前記比較・選択手段は、
前記計数器からの複数の前記エラー信号の計数値を前記所定ビット毎に比較して、ビットスリップの発生の有無を推定し、ビットスリップの発生を推定した場合は、前記エラー数が最少の前記タップ遅延信号を切り換えて出力することを示す選択情報信号を出力する比較器と、
前記複数のタップ遅延信号を記憶し、前記比較器から前記選択情報信号が入力された場合、その選択情報信号と前記同期信号検出器が検出した次の同期信号の検出位置に基づいてビットスリップ発生後の確からしいビット位置を推定し、前記選択情報信号が示す前記タップ遅延信号を前記確からしいビット位置から出力するメモリからなる選択器と
を有することを特徴とする請求項8記載の再生装置。
【請求項10】
前記比較・選択手段は、前記計数器からの複数の前記エラー信号の計数値を前記所定ビット毎に比較して、ビットスリップの発生の有無を推定すると共に、前記同期信号検出器が検出した次の同期信号の検出位置に基づいてビットスリップ発生後の確からしいビット位置を推定する際、前記次の同期信号の検出位置からビットクロックよりも確からしい固定周波数のクロックにより遡って計数して、前記計数値が最小を示す情報系列が入れ換わった位置を、ビットスリップ発生後の確からしいビット位置として推定することを特徴とする請求項8記載の再生装置。
【請求項11】
ディジタル情報をランレングス符号化処理したランレングス制限符号が記録された記録媒体から前記ランレングス制限符号を読み取り前記ディジタル情報を再生する再生方法であって、
前記記録媒体から前記ランレングス制限符号を読み取りディジタル再生信号に変換し、
前記ディジタル再生信号を誤り訂正能力を有するビタビ復号等により復号して復号後信号を出力し、
前記復号後信号をその同期信号間のブロッック単位で1ビットずつずらした複数の情報系列それぞれをランレングス復号してエラー訂正またはエラー検出を行い、そのエラー訂正またはエラー検出結果に基づいて、エラーの最も少ない情報系列を確からしい情報系列として選択して出力する
ことを特徴とする再生方法。
【請求項12】
ディジタル情報をランレングス符号化処理したランレングス制限符号を記録媒体に記録すると共に、記録媒体からランレングス制限符号を読み取りディジタル情報を再生する記録再生装置であって、
ディジタル情報を入力して誤り訂正符号用パリティを付加する誤り訂正符号用パリティ生成回路と、
前記誤り訂正符号用パリティが付加されたディジタル情報をランレングス符号化処理してランレングス制限符号を生成するランレングス符号化回路と、
前記ランレングス制限符号を前記記録媒体に記録するストラテジ回路と、
前記記録媒体から前記ランレングス制限符号を読み取りディジタル再生信号に変換するA/D変換器と、
前記ディジタル再生信号を誤り訂正能力を有するビタビ復号等により復号して復号後信号を出力する復号器と、
前記復号後信号をその同期信号間のブロック単位で1ビットずつずらした複数の情報系列それぞれをランレングス復号してエラー訂正またはエラー検出を行い、そのエラー訂正またはエラー検出結果に基づいて、エラーの最も少ない情報系列を確からしい情報系列として選択して出力するタイミング訂正回路と
を有することを特徴とする記録再生装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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