説明

再生装置および再生方法、並びにプログラム

【課題】ディスクに記録されている記録データと、その記録データの関連データを用いて、ディスクの再生を行う場合において、異なる再生データの前回の再生停止位置から再生が行われることを防止する。
【解決手段】取得部は、ディスク21から記録データを読み出すとともに、その記録データの関連データを外部メモリ71から取得する。再生部は、記録データと関連データを用いて、バーチャルパッケージAを生成し、出力する。生成部は、関連データに付加された電子署名に基づいて特定情報91を生成する。記憶制御部は、再生が停止された場合、ディスク21上の再生停止位置を表すリジューム情報と特定情報91を内臓メモリ38に記憶させる。本発明は、例えば再生装置に適用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生装置および再生方法、並びにプログラムに関し、特に、ディスクに記録されている記録データと、その記録データの関連データを用いて、ディスクの再生を行う場合において、異なる再生データの前回の再生停止位置から再生が行われることを防止することができるようにした再生装置および再生方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディスク再生装置には、ディスクの再生を途中で停止し、そのディスクを再度再生する場合、前回の再生停止位置から再生が再開されるものがある。このようなディスク再生装置では、再生の停止時に、再生停止位置を表す情報がリジューム情報として保持され、そのリジューム情報が表す再生停止位置から再生が行われる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、近年、BD-ROM(Blu-ray Disc-Read Only Memory)などのディスクを再生するディスク再生装置では、VFS(Virtual File System)を用いてディスクの再生を行うことができるようになっている。
【0004】
VFSを用いてディスクの再生を行う場合、ディスクに記録されている記録データと、ディスク再生装置の内蔵メモリや外部メモリに記憶されている、その記録データに関連する関連データとを用いて、ディスクの再生が行われる。
【0005】
従って、この場合、同一のディスクに記録されている記録データであっても、関連データが異なっていれば、再生データは全く異なるものとなる。
【0006】
【特許文献1】特開2004−206784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ディスク再生装置が、上述したように、再生の停止時に保持されたリジューム情報が表す再生停止位置から再生を行う場合、関連データが異なる場合であっても、同一のディスクであれば、そのディスクの前回の再生停止位置から再生が行われてしまう。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ディスクに記録されている記録データと、その記録データの関連データを用いて、ディスクの再生を行う場合において、異なる再生データの前回の再生停止位置から再生が行われることを防止することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面は、ディスクから記録データを読み出すとともに、その記録データに関するデータである関連データを取得する取得手段と、前記取得手段により読み出された前記記録データと、前記取得手段により取得された前記関連データを用いてデータを生成し、そのデータを再生データとして出力する再生手段と、前記取得手段により取得された前記関連データに付加されたデータに基づいて、その関連データを特定する情報である特定情報を生成する生成手段と、前記再生手段による再生が停止された場合、前記ディスク上の再生停止位置を表す再生停止位置情報と前記特定情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段とを備える再生装置である。
【0010】
本発明の一側面は、再生装置が、ディスクから記録データを読み出すとともに、その記録データに関するデータである関連データを取得する取得ステップと、前記取得ステップの処理により読み出された前記記録データと、前記取得ステップの処理により取得された前記関連データを用いてデータを生成し、そのデータを再生データとして出力する再生ステップと、前記取得ステップの処理により取得された前記関連データに付加されたデータに基づいて、その関連データを特定する情報である特定情報を生成する生成ステップと、前記再生ステップの処理による再生が停止された場合、前記ディスク上の再生停止位置を表す再生停止位置情報と前記特定情報を記憶手段に記憶させる記憶制御ステップとを含む再生方法である。
【0011】
本発明の一側面は、ディスクから記録データを読み出すとともに、その記録データに関するデータである関連データを取得する取得手段と、前記取得手段により読み出された前記記録データと、前記取得手段により取得された前記関連データを用いてデータを生成し、そのデータを再生データとして出力する再生手段と、前記取得手段により取得された前記関連データに付加されたデータに基づいて、その関連データを特定する情報である特定情報を生成する生成手段と、前記再生手段による再生が停止された場合、前記ディスク上の再生停止位置を表す再生停止位置情報と前記特定情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段とを備える再生装置として、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0012】
本発明の一側面においては、ディスクから記録データが読み出されるとともに、その記録データに関するデータである関連データが取得され、その記録データと関連データを用いてデータが生成され、そのデータが再生データとして出力され、関連データに付加されたデータに基づいて、その関連データを特定する情報である特定情報が生成され、再生が停止された場合、ディスク上の再生停止位置を表す再生停止位置情報と特定情報が記憶手段に記憶される。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明の一側面によれば、ディスクに記録されている記録データと、その記録データの関連データを用いて、ディスクの再生を行う場合において、異なる再生データの前回の再生停止位置から再生が行われることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明を適用した再生システムの一実施の形態の構成例を示している。
【0015】
図1の再生システム10は、再生装置11と表示装置12により構成され、再生装置11で再生された再生データに基づく画像を表示装置12に表示する。
【0016】
再生装置11には、BD-ROMなどのディスク21が装着される。また、再生装置11には、必要に応じて、ユーザによって取り外しが可能なローカルのユーザ拡張型ストレージ(User Expandable Storage)としての外部メモリ22が接続される。この外部メモリ22としては、メモリカード、USB(Universal Serial Bus)ケーブル(図示せず)などによって接続されるフラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などがある。
【0017】
再生装置11は、ディスク21に記録されている、画像データなどを含む記録データをディスクパッケージとして再生する。具体的には、再生装置11は、ディスク21から記録データを読み出し、その記録データをそのまま再生データとして、表示装置12に出力する。
【0018】
また、再生装置11は、VFSを用いて、ディスク21に記録されている記録データと、外部メモリ22に記憶されている、その記録データに関連する関連データ(例えば、記録データを更新するためのデータ)を組み合わせて、バーチャルパッケージとして再生する。具体的には、再生装置11は、ディスク21から記録データを読み出すとともに、外部メモリ22から関連データを読み出す。そして、再生装置11は、その記録データと関連データを用いてデータを生成し、そのデータを再生データとして表示装置12に出力する。
【0019】
表示装置12は、再生装置11から供給される再生データに基づいて、画像を表示させる。
【0020】
図2は、図1の再生装置11のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【0021】
図2の再生装置11において、CPU(Central Processing Unit)31,ROM(Read Only Memory)32,RAM(Random Access Memory)33は、バス34により相互に接続されている。
【0022】
バス34には、さらに、入出力インターフェース35が接続されている。入出力インターフェース35には、リモートコントローラから送信されてくる指令を受信する受信部などよりなる入力部36と、表示装置12に再生データを出力する出力部37が接続されている。
【0023】
また、入出力インターフェース35には、HDDやフラッシュメモリなどの不揮発性のメモリよりなる内蔵メモリ38と、ネットワークインターフェースなどよりなる通信部39が接続されている。
【0024】
さらに、入出力インターフェース35には、ディスク21を駆動するドライブ40、外部メモリ22、および、リムーバブルメディア42を駆動するドライブ41が接続されている。なお、リムーバブルメディア42は、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、または半導体メモリなどよりなるパッケージメディアである。
【0025】
以上のように構成される再生装置11では、CPU31が、例えば、内蔵メモリ38に記憶されているプログラムを、入出力インターフェース35およびバス34を介して、RAM33にロードして実行することにより、各種の処理が行われる。
【0026】
CPU31が実行するプログラムは、リムーバブルメディア42に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0027】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア42をドライブ41に装着することにより、入出力インターフェース35を介して、内蔵メモリ38にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部39で受信し、内蔵メモリ38にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM32や内蔵メモリ38に、予めインストールしておくことができる。
【0028】
また、外部メモリ22に記憶されている関連データは、例えば、インターネットなどを介して取得されたり、リムーバブルメディアからコピーされたりしたものである。なお、関連データは、外部メモリ22を、その関連データを生成するパーソナルコンピュータに接続することにより記憶されたものであってもよい。
【0029】
次に、図3は、再生装置11のCPU31の機能的構成例を示している。
【0030】
図3において、CPU31は、読出部51、取得部52、再生部53、リジューム情報生成部54、パッケージ情報生成部55、記憶制御部56、および検出部57により構成される。
【0031】
読出部51は、記憶制御部56により内蔵メモリ38に記憶された、リジューム情報とパッケージ情報を読み出し、取得部52に供給する。なお、リジューム情報は、ディスク21上の前回の再生停止位置を表す情報(例えば、前回の再生停止時のタイトル番号)、前回の再生に関する各種の設定情報などを含む前回の再生に関する情報である。
【0032】
また、パッケージ情報とは、前回再生されたパッケージがディスクパッケージであるか、または、バーチャルパッケージであるかを示すパッケージタイプ、前回の再生に用いられた関連データを特定する特定情報などのパッケージに関する情報である。このパッケージ情報により、前回再生されたパッケージの状態を一意に特定することができる。
【0033】
取得部52は、読出部51から供給されるリジューム情報とパッケージ情報に基づいて、ドライブ40を制御し、ディスク21の前回の再生停止位置または先頭から記録データを読み出し、その記録データを再生部53に供給する。
【0034】
また、取得部52は、読出部51から供給されるリジューム情報とパッケージ情報に基づいて、外部メモリ22から関連データを読み出し、再生部53に供給する。さらに、取得部52は、読み出された関連データに付加されている電子署名(Signiture)を、パッケージ情報生成部55に供給する。
【0035】
再生部53は、取得部52から供給される記録データをそのまま再生データとして表示装置12に出力することにより、ディスクパッケージ再生(通常再生)を行う。また、再生部53は、取得部52から供給される関連データと記録データを用いてデータを生成し、そのデータを再生データとして表示装置12に出力することにより、バーチャルパッケージ再生(特殊再生)を行う。
【0036】
リジューム情報生成部54は、再生部53による再生が停止された場合、リジューム情報を生成し、記憶制御部56に供給する。
【0037】
パッケージ情報生成部55は、取得部52から供給される電子署名のハッシュ値を、特定情報として生成する。また、パッケージ情報生成部55は、再生部53による再生が停止された場合、それまでに再生対象とされていた再生データのパッケージタイプを生成する。そして、パッケージ情報生成部55は、バーチャルパッケージであることを示すパッケージタイプと特定情報、または、ディスクパッケージであることを示すパッケージタイプを、パッケージ情報として記憶制御部56に供給する。
【0038】
記憶制御部56は、リジューム情報生成部54から供給されるリジューム情報と、パッケージ情報生成部55から供給されるパッケージ情報を、内蔵メモリ38(記憶手段)に記憶させる。また、記憶制御部56は、検出部57から削除信号が供給されたとき、内臓メモリ38のリジューム情報とパッケージ情報を削除する。
【0039】
検出部57は、ドライブ40からのイベントに応じて、ディスク21の取り出しを検出する。そして、検出部57は、ディスク21の取り出しを検出した場合、リジューム情報を削除するための削除信号を記憶制御部56に供給する。
【0040】
次に、図4を参照して、バーチャルパッケージとディスクパッケージの詳細について説明する。
【0041】
まず、図4Aに示すように、外部メモリ22に記憶されている関連データには、bumf.xmlファイルとbumf.sfファイルが付加されている。このbumf.xmlファイルには、バーチャルパッケージの構成が記述され、bumf.sfファイルには、関連データの改ざんを防ぐための電子署名などが記述されている。
【0042】
バーチャルパッケージ(virtual package)は、図4Aに示すように、このbumf.xmlファイルとbumf.sfファイルに基づいて、記録データと関連データが読み出され、その記録データと関連データが用いられることにより生成される。
【0043】
一方、ディスクパッケージ(disc package)は、図4Bに示すように、ディスク21に記録されている記録データのみにより生成される。
【0044】
以上のように、バーチャルパッケージは、記録データだけでなく、外部メモリ22に記憶されている関連データも用いて生成されるので、ディスク21が同一であっても、関連データが異なることにより、バーチャルパッケージの内容は異なるものとなる。
【0045】
従って、図3の記憶制御部56は、ディスク21が取り出されたときだけでなく、外部メモリ22が取り出されたときや、外部メモリ22に記憶されている関連データが更新されたときにも、リジューム情報を無効にする必要がある。
【0046】
関連データの更新は、再生装置11の電源オン時に行われるため、全てを検出することは可能である。しかしながら、外部メモリ22の取り出しは、再生装置11の電源オフ時にも行われるため、全てを検出することはできない。即ち、再生装置11の電源オフ時に外部メモリ22の取り出しが行われると、内蔵メモリ38にリジューム情報しか記憶しない場合、外部メモリ22の変更に気づかない。その結果、前回の再生対象と異なるバーチャルパッケージの再生が、前回の再生停止位置から開始されてしまう。
【0047】
図5を参照して、このような場合のバーチャルパッケージの再生について具体的に説明する。
【0048】
図5の例では、まず、再生装置11の電源がオンの状態において、再生装置11にディスク21が装着されるとともに、外部メモリ22として外部メモリ71が装着されている。そして、ディスク21のバーチャルパッケージ再生が指令されると、図5の左側に示すように、ディスク21に記録されている記録データと、外部メモリ71に記憶されている関連データとを用いて、バーチャルパッケージAが再生される。
【0049】
その後、再生の停止が指令されると、図5の左側に示すように、内蔵メモリ38には、リジューム情報が記憶される。
【0050】
次に、再生装置11の電源がオフにされ、図5の中央に示すように、外部メモリ71が再生装置11から取り出され、新たな外部メモリ72が外部メモリ22として再生装置11に装着される。
【0051】
そして、再生装置11の電源がオンにされ、ディスク21のバーチャルパッケージの再生が指令されると、図5の右側に示すように、内蔵メモリ38に記憶されているリジューム情報が読み出される。そして、そのリジューム情報に基づくバーチャルパッケージAの再生停止位置から、ディスク21の記録データと外部メモリ72の関連データを用いたバーチャルパッケージBの再生が行われる。
【0052】
そこで、再生装置11は、再生の停止時に、リジューム情報とともに、パッケージ情報を記憶する。そして、再生装置11は、再生時にパッケージ情報を参照することで、関連データの更新や外部メモリ22の変更による関連データの変更を認識し、リジューム情報の有効性を判断する。その結果、前回の再生対象と同一のバーチャルパッケージだけを、前回の再生停止位置から再生することができる。
【0053】
図6を参照して、再生装置11の再生方法について説明する。
【0054】
図6の例では、まず、再生装置11の電源がオンの状態において、再生装置11にディスク21が装着されるとともに、外部メモリ22として外部メモリ71が装着されている。そして、ディスク21のバーチャルパッケージ再生が指令されると、図6の左側に示すように、ディスク21に記録されている記録データと、外部メモリ71に記憶されている関連データとを用いて、バーチャルパッケージAが再生される。
【0055】
その後、再生の停止が指令されると、図6の左側に示すように、再生装置11に装着されている外部メモリ71からbumf.sfファイルの電子署名が読み出される。そして、その電子署名のハッシュ値からなる特定情報91を含むパッケージ情報が生成され、内蔵メモリ38には、そのパッケージ情報とリジューム情報が記憶される。
【0056】
次に、再生装置11の電源がオフにされ、再び電源がオンにされると、図6の中央上側に示すように、再生装置11に装着されている外部メモリ22は、外部メモリ71のままである。
【0057】
このとき、バーチャルパッケージ再生が指令されると、再生装置11に装着されている外部メモリ71からbumf.sfファイルの電子署名が読み出される。そして、その電子署名のハッシュ値からなる特定情報が生成される。また、内蔵メモリ38からリジューム情報とともに記憶されている特定情報91が読み出され、その特定情報91が、生成された特定情報と一致するかどうかが判定される。
【0058】
いまの場合、生成された特定情報と内蔵メモリ38の特定情報91は同一であるため、前回の再生時とバーチャルパッケージは同一であると判断され、リジューム情報に基づく再生停止位置からバーチャルパッケージの再生が行われる。その結果、ディスク21の記録データと外部メモリ71の関連データを用いた、前回のバーチャルパッケージと同一のバーチャルパッケージAの再生が、前回の再生停止位置から行われる。
【0059】
一方、図6の中央下側に示すように、再生装置11の電源がオフにされたときに、再生装置11に装着される外部メモリ22が、外部メモリ71から外部メモリ72に変更され、その後電源がオンにされると、図6の右下側に示すようになる。
【0060】
具体的には、バーチャルパッケージ再生が指令されたときに、再生装置11に装着されている外部メモリ72の電子署名から生成される特定情報が、内蔵メモリ38に記憶されている特定情報91とは異なる。
【0061】
従って、前回の再生時とバーチャルパッケージは異なっていると判断され、先頭からバーチャルパッケージの再生が行われる。その結果、ディスク21の記録データと外部メモリ72の関連データを用いた、前回のバーチャルパッケージAとは異なるバーチャルパッケージBの再生が先頭から行われる。
【0062】
以上のように、再生装置11は、リジューム情報とともに特定情報を内蔵メモリ38に記憶し、その特定情報が現在装着されている外部メモリ22の特定情報と一致する場合にのみ、リジューム情報に基づくバーチャルパッケージの再生を行う。これにより、バーチャルパッケージの再生開始位置が、そのバーチャルパッケージとディスク21が同一であるが、関連データが異なっているために異なる前回のバーチャルパッケージの再生停止位置となることを防止することができる。
【0063】
次に、図7のフローチャートを参照して、図3のCPU31によるバーチャルパッケージ再生処理について説明する。このバーチャルパッケージ再生処理は、例えば、ユーザが入力部36を操作して、ディスク21のバーチャルパッケージ再生を指令したときに開始される。なお、ここでは、電子署名によって関連データの正当性が確認されているものとする。
【0064】
ステップS11において、読出部51は、内蔵メモリ38にリジューム情報とパッケージ情報が記憶されているかどうかを判定する。ステップS11でリジューム情報とパッケージ情報が記憶されていると判定された場合、読出部51は、内蔵メモリ38からリジューム情報とパッケージ情報を読み出し、取得部52に供給する。そして、ステップS12において、取得部52は、読出部51から供給されるパッケージ情報に含まれるパッケージタイプがバーチャルパッケージであることを示しているかどうかを判定する。
【0065】
ステップS12でパッケージタイプがバーチャルパッケージであることを示していると判定された場合、ステップS13において、取得部52は、外部メモリ22のbumf.sfファイルから電子署名を読み出し、パッケージ情報生成部55に供給する。
【0066】
ステップS14において、パッケージ情報生成部55は、取得部52から供給される電子署名のハッシュ値を特定情報として生成する。ステップS15において、取得部52は、パッケージ情報生成部55により生成された特定情報と、読出部51から供給されるパッケージ情報に含まれる特定情報とが一致するかどうかを判定する。
【0067】
ステップS15でパッケージ情報生成部55により生成された特定情報と、読出部51から供給されるパッケージ情報に含まれる特定情報とが一致すると判定された場合、処理はステップS16に進む。ステップS16において、取得部52は、読出部51から供給されるリジューム情報に基づいて、前回の再生停止位置からディスク21の記録データを読み出す。
【0068】
一方、ステップS11でリジューム情報とパッケージ情報が記憶されていないと判定された場合、ステップS17において、取得部52は、ディスク21の記録データを先頭から読み出す。
【0069】
また、ステップS12でパッケージタイプがバーチャルパッケージであることを示していないと判定された場合、即ち、前回の再生がディスクパッケージ再生である場合、ステップS17において、上述した処理が行われる。
【0070】
さらに、ステップS15で、パッケージ情報生成部55により生成された特定情報と、読出部51から供給されるパッケージ情報に含まれる特定情報とが一致しないと判定された場合、処理はステップS17に進む。即ち、前回再生されたバーチャルパッケージが今回再生されたバーチャルパッケージと異なる場合、処理はステップS17に進む。そして、ステップS17において、上述した処理が行われる。
【0071】
そして、ステップS16またはS17の処理後、ステップS18において、取得部52は、外部メモリ22に記憶されているバンプxmlファイルに基づいて、外部メモリ22から、読出対象の記録データに対応する関連データを読み出す。
【0072】
ステップS19において、再生部53は、読み出された記録データと関連データを用いて、バーチャルパッケージを生成する。ステップS20において、再生部53は、バーチャルパッケージを再生データとして表示装置12に出力することにより、バーチャルパッケージを再生する。
【0073】
ステップS21において、リジューム情報生成部54は、再生を停止するかどうか、例えば、ユーザが入力部36を操作してバーチャルパッケージ再生の停止を指令したかどうかを判定する。ステップS21で再生を停止しないと判定された場合、再生を停止すると判定されるまで待機する。
【0074】
また、ステップS21で再生を停止すると判定された場合、ステップS22において、リジューム情報生成部54は、リジューム情報を生成し、記憶制御部56に供給する。ステップS23において、パッケージ情報生成部55は、バーチャルパッケージであることを示すパッケージタイプと、ステップS14で生成された特定情報を含むパッケージ情報を生成し、記憶制御部56に供給する。
【0075】
ステップS24において、記憶制御部56は、リジューム情報生成部54から供給されるリジューム情報と、パッケージ情報生成部55から供給されるパッケージ情報を内蔵メモリ38に記憶させ、処理は終了する。
【0076】
以上のようにして、再生装置11は、ディスク21に記録された記録データと、外部メモリ22に記憶された関連データを用いて生成されたバーチャルパッケージを再生することができる。これにより、ユーザは、外部メモリ22を再生装置11に装着するだけで、同一のディスク21から内容の異なる画像や音声を視聴することができる。
【0077】
次に、図8のフローチャートを参照して、図3のCPU31によるディスクパッケージ再生処理について説明する。このディスクパッケージ再生処理は、例えば、ユーザが入力部36を操作して、ディスク21のディスクパッケージ再生を指令したときに開始される。
【0078】
ステップS41において、読出部51は、内蔵メモリ38にリジューム情報とパッケージ情報が記憶されているかどうかを判定する。ステップS41でリジューム情報とパッケージ情報が記憶されていると判定された場合、読出部51は、内蔵メモリ38からリジューム情報とパッケージ情報を読み出し、取得部52に供給する。そして、ステップS42において、取得部52は、読出部51から供給されるパッケージ情報に含まれるパッケージタイプがディスクパッケージであることを示しているかを判定する。
【0079】
ステップS42でパッケージタイプがディスクパッケージであることを示していると判定された場合、処理はステップS43に進む。ステップS43において、取得部52は、読出部51から供給されるリジューム情報に基づいて、前回の再生停止位置からディスク21の記録データを読み出し、再生部53に供給する。
【0080】
一方、ステップS41でリジューム情報とパッケージ情報が記憶されていないと判定された場合、ステップS44において、取得部52は、ディスク21の記録データを先頭から読み出し、再生部53に供給する。
【0081】
また、ステップS42でパッケージタイプがディスクパッケージであることを示していないと判定された場合、即ち、前回の再生がバーチャルパッケージ再生である場合、ステップS44において、上述した処理が行われる。
【0082】
そして、ステップS43またはS44の処理後、処理はステップS45に進む。ステップS45において、再生部53は、取得部52から供給される記録データを、そのままディスクパッケージとし、そのディスクパッケージを再生データとして表示装置12に出力することにより、ディスクパッケージを再生する。
【0083】
ステップS46において、リジューム情報生成部54は、図7のステップS21の処理と同様に再生を停止するかどうかを判定する。ステップS46で再生を停止しないと判定された場合、再生を停止すると判定されるまで待機する。
【0084】
また、ステップS46で再生を停止すると判定された場合、ステップS47において、リジューム情報生成部54は、リジューム情報を生成し、記憶制御部56に供給する。ステップS48において、パッケージ情報生成部55は、ディスクパッケージであることを示すパッケージタイプをパッケージ情報として生成し、記憶制御部56に供給する。
【0085】
ステップS49において、記憶制御部56は、リジューム情報生成部54から供給されるリジューム情報と、パッケージ情報生成部55から供給されるパッケージ情報を内蔵メモリ38に記憶させ、処理は終了する。
【0086】
なお、関連データは、ユーザによって取り外しや追加ができないローカルの内蔵型ストレージ(Built-in Storage)としての内蔵メモリ38に記憶されるようにしてもよい。この場合、関連データは、例えば、通信部39によりインターネットを介して取得され、内蔵メモリ38に記憶される。
【0087】
また、本明細書において、プログラム記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0088】
さらに、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0089】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明を適用した再生システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】再生装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】再生装置のCPUの機能的構成例を示すブロック図である。
【図4】バーチャルパッケージとディスクパッケージの詳細について説明する図である。
【図5】バーチャルパッケージの再生の問題について具体的に説明する図である。
【図6】再生装置の再生方法について説明する図である。
【図7】バーチャルパッケージ再生処理について説明するフローチャートである。
【図8】ディスクパッケージ再生処理について説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0091】
11 再生装置, 31 CPU, 52 取得部, 53 再生部, 55 パッケージ情報生成部, 56 記憶制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクから記録データを読み出すとともに、その記録データに関するデータである関連データを取得する取得手段と、
前記取得手段により読み出された前記記録データと、前記取得手段により取得された前記関連データを用いてデータを生成し、そのデータを再生データとして出力する再生手段と、
前記取得手段により取得された前記関連データに付加されたデータに基づいて、その関連データを特定する情報である特定情報を生成する生成手段と、
前記再生手段による再生が停止された場合、前記ディスク上の再生停止位置を表す再生停止位置情報と前記特定情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と
を備える再生装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記記憶手段に記憶されている前記特定情報が、前記生成手段により生成された前記特定情報と一致する場合、前記記憶手段に記憶されている前記再生停止位置情報が表す前記再生停止位置から、前記記録データを読み出す
請求項1に記載の再生装置。
【請求項3】
前記再生手段は、前記記録データと前記関連データを用いて生成されるデータを前記再生データとして出力する特殊再生と、前記取得手段により読み出された前記記録データをそのまま前記再生データとして出力する通常再生を行い、
前記記憶制御手段は、前記再生手段による前記特殊再生が停止された場合、前記再生停止位置情報と前記特定情報を記憶させ、前記再生手段による前記通常再生が停止された場合、前記再生停止位置情報を記憶させる
請求項1に記載の再生装置。
【請求項4】
再生装置が、
ディスクから記録データを読み出すとともに、その記録データに関するデータである関連データを取得する取得ステップと、
前記取得ステップの処理により読み出された前記記録データと、前記取得ステップの処理により取得された前記関連データを用いてデータを生成し、そのデータを再生データとして出力する再生ステップと、
前記取得ステップの処理により取得された前記関連データに付加されたデータに基づいて、その関連データを特定する情報である特定情報を生成する生成ステップと、
前記再生ステップの処理による再生が停止された場合、前記ディスク上の再生停止位置を表す再生停止位置情報と前記特定情報を記憶手段に記憶させる記憶制御ステップと
を含む再生方法。
【請求項5】
ディスクから記録データを読み出すとともに、その記録データに関するデータである関連データを取得する取得手段と、
前記取得手段により読み出された前記記録データと、前記取得手段により取得された前記関連データを用いてデータを生成し、そのデータを再生データとして出力する再生手段と、
前記取得手段により取得された前記関連データに付加されたデータに基づいて、その関連データを特定する情報である特定情報を生成する生成手段と、
前記再生手段による再生が停止された場合、前記ディスク上の再生停止位置を表す再生停止位置情報と前記特定情報を記憶手段に記憶させる記憶制御手段と
を備える再生装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2010−55669(P2010−55669A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−218009(P2008−218009)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】